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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173774
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】遠隔固体再充填チャンバ
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20241205BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20241205BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
C23C16/448
C23C16/455
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024086322
(22)【出願日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】63/470,024
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジェームズ・シェロ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・マ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレルド・リー・ウィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ロバート・ダン
(72)【発明者】
【氏名】シュアイディ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャクリーン・レンチ
(72)【発明者】
【氏名】シュバム・ガーグ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・バッケ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA13
4K030AA14
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA02
4K030BA10
4K030BA12
4K030BA17
4K030BA20
4K030BA22
4K030BA29
4K030EA01
4K030HA01
4K030JA10
4K030KA05
4K030KA41
4K030KA45
5F045AA03
5F045AB31
5F045AB32
5F045AC03
5F045AC11
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF07
5F045DP03
5F045EE02
5F045EE19
(57)【要約】
【課題】遠隔固体再充填チャンバを提供する。
【解決手段】本開示の様々な実施例は、基材処理プラットフォーム上の第一の位置に配置された送達容器を、基材処理プラットフォームから離間した第二の位置に配置された遠隔再充填容器に結合することと、化学物質を遠隔再充填容器内に第一の相で貯蔵することと、遠隔再充填容器内の化学物質を第二の相に変化することと、化学物質を第二の相で送達容器に輸送することと、送達容器の内部容積内の温度勾配を維持することと、化学物質を内部容積内の第一の相に戻すこととのための、方法、システム、及び装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
基材処理プラットフォーム上の第一の位置に配置された送達容器を、前記基材処理プラットフォームから離間した第二の位置に配置された遠隔再充填容器に結合することと、
化学物質を前記遠隔再充填容器内に第一の相で貯蔵することと、
前記遠隔再充填容器内の前記化学物質を第二の相に変化させることと、
前記化学物質を前記第二の相で前記送達容器に輸送することと、
前記送達容器の内部容積内に温度勾配を維持することと、
前記化学物質を前記内部容積内で前記第一の相に戻すことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第一の相が、固体であり、前記第二の相が、気体であり、前記温度勾配を前記維持することが、
前記送達容器の上部に配置された加熱装置を制御すること、又は前記送達容器の下部に配置された冷却装置を制御すること、又はそれらの組合わせであって、前記送達容器内部の1つ以上の温度センサから受信したセンサデータに応答して、制御することと、
前記送達容器の少なくとも底面で、前記内部容積内の前記化学物質を固化することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送達容器の前記上部に配置された前記加熱装置を制御すること、又は前記送達容器の前記下部に配置された前記冷却装置を制御すること、又はそれらの組合わせが、前記センサデータと、前記送達容器の少なくとも上部に対する所定の第一の温度及び第一の閾値温度範囲、並びに前記送達容器の少なくとも下部に対する所定の第二の温度及び第二の閾値温度範囲を識別する、前記送達容器に対応するプロファイルとの比較に更に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の温度が、前記第二の温度より高い、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の温度が、前記化学物質の昇華温度より高く、前記第二の温度が、前記化学物質の凝縮温度より低い、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記温度勾配を維持することが、
前記送達容器の上部を、前記化学物質の相変化温度より高い第一の温度に保持し、前記送達容器の下部を、前記化学物質の相変化温度より低い第二の温度に保持することと、
前記送達容器の前記上部と前記送達容器の前記下部との間に、サーマルブレイクを提供することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記温度勾配を維持することが、前記送達容器の上部と前記送達容器の下部との間に、サーマルブレイクを提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サーマルブレイクが、前記送達容器の上面から前記送達容器の底面まで延在する長手方向軸に対して、前記送達容器の下半分に配置される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記サーマルブレイクが、前記送達容器の上面から前記送達容器の底面まで延在する長手方向軸に対して、前記送達容器の上半分に配置される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記温度勾配を維持することが、送達容器の基部に熱的に結合された熱伝導性冷却部材を介して、前記送達容器の底面における前記化学物質の固化後に、前記化学物質を通して熱を放散することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記温度勾配を維持することが、
制御装置メモリ内に、前記送達容器の少なくとも上部に対応する、第一の温度及び第一の閾値温度範囲を保存することと、
前記制御装置メモリ内に、前記送達容器の少なくとも下部に対応する、第二の温度及び第二の閾値温度範囲を保存することであって、前記第一の温度が前記第二の温度よりも高い、保存することと、
前記送達容器の前記内部容積内の第三の温度を検出することと、
前記検出に応答して加熱装置又は冷却装置を調整することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第三の温度を前記検出することが、
前記送達容器の底面上の固化化学物質の上面での前記第三の温度が閾値温度を上回ることを検出することと、
前記検出に応答して、前記冷却装置を前記第二の温度を下回る第四の温度に調整することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
基材処理システムであって、
基材処理プラットフォーム上の第一の位置に配置された、送達容器と、
化学物質送達ラインを介して前記送達容器と流体連通する遠隔再充填容器であって、前記基材処理プラットフォームから離間した第二の位置に配置される、遠隔再充填容器と、
前記送達容器の上面と熱連通する加熱装置と、
前記送達容器の底面と熱連通する冷却装置と、
前記上面と前記底面との間に配置されたサーマルブレイクと、
前記送達容器の内部容積内に位置するセンサと、
前記センサに結合された制御装置であって、前記送達容器内の温度勾配を維持するように、前記センサに応答して、前記加熱装置及び前記冷却装置を制御するように構成された、制御装置と、を備える、基材処理システム。
【請求項14】
前記送達容器の基部に熱的に結合された1つ以上の冷却部材を更に備える、請求項13に記載の基材処理システム。
【請求項15】
前記1つ以上の冷却部材が、ロッド、フィン、若しくはペグ、又はそれらの組合わせを含む、請求項14に記載の基材処理システム。
【請求項16】
前記サーマルブレイクが、前記送達容器の壁内の真空セクションである、請求項13に記載の基材処理システム。
【請求項17】
前記サーマルブレイクが、長手方向軸に対して、前記送達容器の上半分に配置される、請求項13に記載の基材処理システム。
【請求項18】
前記サーマルブレイクが、長手方向軸に対して、前記送達容器の下半分に配置される、請求項13に記載の基材処理システム。
【請求項19】
前記加熱装置が、ヒータ、加熱ジャケット、加熱ブロック、若しくは放射ヒータ、又はそれらの組合わせを備える、請求項13に記載の基材処理システム。
【請求項20】
前記冷却装置が、冷却コイル、一体型冷却チャネル、冷却部材、冷却ジャケット、若しくはコールドプレート、又はそれらの組合わせを備える、請求項13に記載の基材処理システム。
【請求項21】
複数のセンサを更に備え、前記複数のセンサの各々からのデータが、関連する位置データを含む、請求項13に記載の基材処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体処理設備に関し、具体的には、化学的前駆体送達容器を再充填するための方法、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸着(CVD)及び原子層堆積(ALD)などの半導体製造プロセスは、半導体ウエハ(本明細書では基材とも呼ばれる)上の薄膜の堆積を伴う。処理中、ウエハは、反応チャンバ内の1つ以上の前駆体に曝露されて、材料の薄い層を堆積させる。前駆体源は、典型的には、処理ツールに搭載された送達容器に貯蔵され、送達容器から反応チャンバに送達される。送達容器の保守及び交換の必要性を低減するために、送達容器は、漸進的に大きくなってきている。しかしながら、大型の送達容器でさえも最終的に空になり、交換する必要があるため、ダウンタイム、及び場合によっては、品質又は安全性からの逸脱を必要とする可能性もある。こうしたシステムは、概して、その意図される目的のために、受入れられてきた。
【0003】
しかしながら、送達容器の保守及び交換の必要性を低減するための改善された方法、システム、及び装置に対するニーズが依然として存在する。本開示は、このニーズに対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この概要は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の、詳細な説明において、更に詳細に記述される。この概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
本開示の様々な実施形態は、基材処理プラットフォーム上の第一の位置に配置された送達容器を、基材処理プラットフォームから離間した第二の位置に配置された遠隔再充填容器に結合することと、遠隔再充填容器内に第一の相の化学物質を貯蔵することと、遠隔再充填容器内の化学物質を第二の相に変更することと、第二の相の化学物質を送達容器に輸送することと、送達容器の内部容積内の温度勾配を維持することと、化学物質を内部容積内で第一の相に戻すこととのための、方法、システム、及び装置に関する。
【0006】
本開示の様々な実施例によると、第一の相は固体であってもよく、第二の相は気体であってもよく、温度勾配を維持することは、送達容器の上部に配置された加熱装置を制御すること、又は送達容器の下部に配置された冷却装置を制御すること、又はそれらの組合わせであって、送達容器内の1つ以上の温度センサから受信したセンサデータに応答して、制御することと、送達容器の少なくとも底面で内部容積内の化学物質を固化することとを、更に含む。
【0007】
いくつかの実施例では、送達容器の上部に配置された加熱装置を制御すること、又は送達容器の下部に配置された冷却装置を制御すること、又はそれらの組合わせが、センサデータを、送達容器の少なくとも上部に対する所定の第一の温度及び第一の閾値温度範囲、並びに送達容器の少なくとも下部に対する所定の第二の温度及び第二の閾値温度範囲を識別する、送達容器に対応するプロファイルと比較することに、更に基づいてもよい。
【0008】
様々な実施例では、第一の温度は、第二の温度よりも高くてもよい。本開示の様々な実施例によると、第一の温度は、化学物質の昇華温度より高くてもよく、第二の温度は、化学物質の凝縮温度より低くてもよい。温度勾配を維持することは、送達容器の上部を化学物質の相変化温度より高い第一の温度に保持することと、送達容器の下部を化学物質の相変化温度より低い第二の温度に保持することと、送達容器の上部と送達容器の下部との間にサーマルブレイクを提供することとを、更に含んでもよい。
【0009】
本開示の様々な実施例によると、温度勾配を維持することは、送達容器の上部と送達容器の下部との間にサーマルブレイクを提供することを、更に含む。いくつかの実施形態では、サーマルブレイクは、送達容器の上面から送達容器の底面に延在する長手方向軸に対して、送達容器の下半分に配置されてもよい。別の方法として、サーマルブレイクは、送達容器の上面から送達容器の底面に延在する長手方向軸に対して、送達容器の上半分に配置されてもよい。
【0010】
本開示の様々な実施例によると、温度勾配を維持することは、送達容器の基部に熱的に結合された熱伝導性冷却部材を介して、送達容器の底面での化学物質の固化後に、化学物質を通して熱を放散することを、更に含む。
【0011】
本開示の様々な実施例によると、温度勾配を維持することは、制御装置メモリ内に、送達容器の少なくとも上部に対応する、第一の温度及び第一の閾値温度範囲を保存することと、制御装置メモリ内に、送達容器の少なくとも下部に対応する、第二の温度及び第二の閾値温度範囲を保存することと(第一の温度は第二の温度よりも高くてもよい)、送達容器の内部容積内の第三の温度を検出することと、検出に応答して加熱装置又は冷却装置を調整することと、を更に含む。第三の温度を検出することは、送達容器の底面上の固化化学物質の上面における、閾値温度を上回ってもよい、第三の温度を検出することと、検出に応答して冷却装置を第二の温度を下回る第四の温度に調整することを、更に含んでもよい。
【0012】
本開示の更なる実施例によると、基材処理システムが開示されており、基材処理プラットフォーム上の第一の位置に配置された、送達容器と、化学物質送達ラインを介して送達容器と流体連通する遠隔再充填容器であって、基材処理プラットフォームから離間した第二の位置に配置された、遠隔再充填容器と、送達容器の上面と熱連通する加熱装置と、送達容器の底面と熱連通する冷却装置と、上面と底面との間に配置されたサーマルブレイクと、送達容器の内部容積内に位置するセンサと、センサに結合された制御装置であって、加熱装置及び冷却装置が、送達容器内の温度勾配を維持するように、センサに応答して、加熱装置及び冷却装置を制御するように構成される、制御装置とを備える。
【0013】
基材処理システムは、送達容器の基部に熱的に結合された、1つ以上の冷却部材を更に備えてもよい。いくつかの実施例では、1つ以上の冷却部材は、ロッド、フィン、若しくはペグ、又はそれらの組合わせを含む。
【0014】
本開示のなお更なる実施例によると、サーマルブレイクは、送達容器の壁内の真空セクションであってもよい。サーマルブレイクは、長手方向軸に対して、送達容器の上半分に配置されてもよい。別の方法として、サーマルブレイクは、長手方向軸に対して、送達容器の下半分に配置されてもよい。
【0015】
いくつかの実施例では、加熱装置は、ヒータ、加熱ジャケット、加熱ブロック、若しくは放射ヒータ、又はそれらの組合わせを備える。追加の実施例では、冷却装置は、冷却コイル、一体型冷却チャネル、冷却部材、冷却ジャケット、若しくはコールドプレート、又はそれらの組合わせを備える。本開示のなお更なる実施例によると、基材処理システムは、複数のセンサを備え、複数のセンサの各々からのデータは、関連する位置データを含む。
【0016】
本明細書で開示される本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、本発明を例示することを意図し、また本発明を限定することを意図しない、特定の実施形態の図面を参照しながら以下で記述される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、基材処理プラットフォーム上に配置された送達容器を含む、例示的な基材処理システムを示す概略図である。
図2図2は、図1に示した基材処理システムの、例示的な再充填サブアセンブリを示す概略図である。
図3図3は、図1に示す、例示的な送達容器を示す概略図である。
図4図4は、加熱装置及び冷却装置を備える、図1に示す、例示的な送達容器を示す。
図5図5は、例示的なバルク再充填プロセスを示す概略図である。
図6A図6Aは、熱伝達部材を含む、図1に示す、例示的な送達容器を示す概略図である。
図6B図6Bは、図1に示す、例示的な送達容器の側面図を示す概略図である。
図7図7は、例示的なバルク再充填プロセスを示す概略図である。
図8図8は、基部に結合された熱伝達部材を含む、図1に示す、例示的な送達容器を示す概略図である。
図9図9は、例示的な固体原料再充填プロセスを示す、フローチャートである。
図10図10は、例示的な固体原料再充填プロセスを示す、フローチャートである。
図11図11は、例示的な固体原料再充填プロセスを示す、フローチャートである。
図12図12は、例示的な固体原料再充填プロセスを示す、フローチャートである。
図13図13は、例示的な固体原料再充填プロセスを示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当然のことながら、図内の要素は、簡潔かつ明瞭のために図示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の相対サイズは、本開示の図示された実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【0019】
ある特定の実施形態及び実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態及び/又は使用、並びにその明白な修正及び均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0020】
本明細書で使用される場合、「基材」と言う用語は、修飾されてもよい、又はデバイス、回路、若しくは膜がその上に形成されてもよい、単一または複数の任意の下地材料を含む、単一または複数の任意の下地材料を指してもよい。「基材」は、連続的又は非連続的、剛性又は可撓性、中実又は多孔質、及びそれらの組合せであってもよい。基材は、粉末、プレート、又はワークピースなどの、任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状、及びサイズのウエハを含んでもよい。基材は、例えば、ケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素を含む、半導体材料から作製されてもよい。
【0021】
連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を越えて、延在してもよい。一部の工程では、連続基材は、工程が基材の端部に達するまで継続されるように、プロセスチャンバを通して移動してもよい。連続基材は、任意の適切な形態で、連続基材の製造及び生産を可能にするために、連続基材供給システムから供給されてもよい。
【0022】
連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメント又は繊維(例えば、セラミック繊維、若しくはポリマー繊維)の束が、含まれてもよい。連続基材はまた、非連続基材がその上へと取付けられる、キャリア又はシートを備えてもよい。
【0023】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造、又は装置の実際の外観であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0024】
示された、かつ記載された特定の実装は、本発明の及び最良の形態の例示であり、態様及び実装の範囲を、いかなる方法でも、他に限定することを意図していない。実際に、簡潔のために、従来の製造、接続、調製、及びシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。更に、様々な図に示された接続線は、様々な要素間の、例示的な機能的関係、及び/又は物理的連結を表すことが、意図されている。多くの代替的な若しくは追加の機能的関係、若しくは物理的接続が実際のシステムに存在してもよく、及び/又はいくつかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0025】
化学反応物質又は固体原料の送達システムは、送達容器及びヒータ(例えば、放射加熱ランプ、抵抗ヒータ、及び/又は同種のもの)を含んでもよい。容器は、原料前駆体(「化学物質」又は「化学的前駆体」と呼ばれる場合もある)を含み、これは固体(例えば、粉末形態)又は液体であってもよい。ヒータは、送達容器を加熱し、容器内の反応物質の気化及び/又は昇華を促進させる。容器は、容器を通るキャリアガスの流れのための、入口及び出口を有してもよい。キャリアガスは、不活性、例えば、窒素、アルゴン、又はヘリウムであってもよい。一般的に、キャリアガスは、容器出口を通って、最終的に基材反応チャンバへ、反応物質蒸気(例えば、気化、又は昇華した化学反応物質)を運ぶ。容器は、典型的に、容器の内容物を、容器の外部から流体的に隔離するための隔離弁を備える。1つの隔離弁を容器の入口の上流に設け、別の隔離弁を容器の出口の下流に設けることができる。いくつかの実施形態の送達容器は、昇華器を備える、本質的に昇華器からなる、又は昇華器からなる。つまり、本明細書で「送達容器」が言及される場合は常に、昇華器(例えば、「固体原料の化学物質昇華器」)も明確に意図される。
【0026】
化学蒸着(CVD)は、基材、例えばシリコンウエハ上に材料の薄膜を形成するための、半導体産業において既知のプロセスである。CVDでは、異なる反応物質の化学物質の(「前駆体ガス」を含む)反応物質の蒸気が、反応チャンバ内の1つ以上の基材に供給される。多くの場合、反応チャンバは、基材ホルダ(例えば、サセプタ)上に支持される単一の基材のみを備え、基材及び基材ホルダは所望のプロセス温度に維持される。典型的なCVDプロセスでは、相互反応性の反応物質蒸気が互いに反応して基材上に薄膜を形成し、成長速度は、温度と反応物質ガスの量に関係する。
【0027】
いくつかの用途では、反応物質ガスは、反応物質送達容器内に貯蔵される。このような用途では、反応物質は、多くの場合、約1気圧及び室温の標準圧力及び温度で気体状である。このような気体の例としては、窒素、酸素、水素、及びアンモニアが挙げられる。しかし、いくつかの事例では、液体又は固体である原料化学物質(「前駆体」)の蒸気(例えば、塩化ハフニウム(HfCl4)、酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、塩化ジルコニウム(IV)(ZrCl4)、塩化アルミニウム(AlCl3)、五フッ化タンタル(TaF5)、五フッ化モリブデン(MoF5)、四ヨウ化ケイ素(SiI4)、五塩化モリブデン(MoCl5)、二塩化二酸化モリブデン(MoO2Cl2)、五塩化タングステン(WCl5)、若しくはこれに類するもの、又はそれらの組合わせ)が、標準圧力及び温度で使用される。(本明細書で「固体原料前駆体」、「固体化学反応物質」、又は「固体反応物質」と呼ばれる)一部の固体物質の場合、室温での蒸気圧は非常に低いため、典型的には、非常に低い圧力で加熱及び/又は保持され、反応プロセスに十分な量の反応物質蒸気を生成する。気化(例えば、昇華又は蒸発)した後、気相反応物質を処理システム全体にわたって、気化温度以上に保持することで、弁、フィルタ、導管、及び気相反応物質のある場所から別の場所へ、例えば、送達容器から反応チャンバへの送達に関連する、他の構成要素において、望ましくない凝縮を防止することができる。このような天然の固体又は液体の物質からの気相反応物質は、様々な他の産業における化学反応に有用である。
【0028】
原子層堆積(ALD)は、基材上に薄膜を形成する、別の既知のプロセスである。多くの用途では、ALDは、本明細書に記載の固体及び/又は液体の原料化学物質を使用する。ALDは、サイクルで実行される自己飽和反応によって膜を堆積させる、蒸着の一種である。膜の厚さは、実行されるサイクルの数によって決定される。ALDプロセスでは、気体反応物質が、交互に及び/又は繰り返して、基材又はウエハに供給され、ウエハ上に材料の薄膜を形成する。1つの反応物質は、ウエハ上で自己制御的プロセスにより吸着する。続いて異なるパルス状の反応物質が、吸着された材料と反応して、所望の材料の単一分子層を形成する。分解は、例えば、配位子交換又はゲッタリング反応で、吸着種間での、及び適切に選択された試薬との、相互反応によって発生する場合がある。一部のALD反応では、サイクルごとに僅か1分子の単分子層が形成される。より厚い膜は、目標の厚さが達成されるまで繰り返し成長サイクルを経て生成される。いくつかのALD反応では、相互反応性の反応物質は、異なる反応物質へ基材を暴露させる間に、除去プロセスを介在させることにより、気相で別々に保持される。
【0029】
従来、送達容器は、基材処理プラットフォーム上で利用可能な限られた空間に起因して、サイズが制限される。枯渇すると、送達容器は取外されて再充填され、ダウンタイム及びウエハ生産の喪失につながる可能性がある。遠隔再充填容器は、基材処理プラットフォーム(又は「ツール」)上の送達容器を再充填するために、送達容器に結合されてもよい。遠隔再充填容器は、昇華器を交換又は再充填する必要性を低減することができる。代わりに、遠隔再充填容器を使用して、送達容器に原料前駆体などの化学物質を、自動及び/又は連続的に供給してもよい。したがって、遠隔再充填容器容積は、基材処理プラットフォーム上に配置された容器のサイズ制限を受けない。いくつかの例では、遠隔再充填容器は、ツールから離間した場所に配置されてもよい。例えば、遠隔再充填容器は、基材処理プラットフォームから別の部屋に、基材処理プラットフォームからクリーンルームを横切って、基材処理プラットフォームに隣接して、又はサブファブ内に、配置されてもよい。本開示の目的のために、「サブファブ」は、基材処理プラットフォームの下の領域である。いくつかの例では、これは、基材処理プラットフォームが配置されるレベルよりも低い建築物レベルで、クリーンルームの床内に構築されてもよく、又は基材処理プラットフォームの下側部分を含んでもよい。本明細書に記載されるように、送達容器を原料前駆体で充填するために、複数の遠隔再充填容器が含まれてもよい。
【0030】
遠隔再充填容器及び/又は送達容器には、入口及び出口から延在する気体ライン、ライン上の隔離弁、並びに弁上のフィッティングが付属し、フィッティングは、残りの基材処理プラットフォームのガスフローラインに結合するように構成されている。反応物質送達容器と反応チャンバの間の、様々な弁及びガスフローラインを加熱するために、幾つかの追加のヒータを設けて、反応物質液又は蒸気が、このような構成要素上に固化又は凝縮して堆積するのを、防止することが望ましい。したがって、遠隔再充填容器、送達容器、及び反応チャンバとの間の、気体及び/又は液体輸送構成要素は、反応物質の気化/凝縮/昇華温度を超える温度に維持されてもよい。
【0031】
更に、送達容器を効率的に再充填するために、制御された方法での堆積又は凝縮によって、容器を再充填することが有利である。堆積を制御するために、堆積する化学前駆体の温度を制御して、反応器及び「外界」への流体連通を可能にする、送達容器蓋に取付けられた、入力(又は出力)ラインの凝縮又は目詰まりを、低減又は防止することができる。更に、ボトムアップ充填、すなわち送達容器の下部及び内部側壁から充填することは、搭載型送達容器をほぼ充填することを可能にする場合がある。
【0032】
図1は、基材処理プラットフォーム110上に配置された送達容器102を含む、基材処理システム100の一例を示す、概略図である。基材処理プラットフォーム110は、各々の反応チャンバ122及び124を含む、1つ以上の反応器138及び140を含む。反応器138及び140は、処理中に各々の基材146及び148を保持するための、各々のサセプタ142及び144を含む。基材処理プラットフォーム110は、1つ以上の反応物質を基材146及び148の各々の表面に分配するための、ガス分配システム150及び152を含む。基材処理プラットフォーム110は、反応チャンバ122及び124の1つ以上における真空圧力を制御するための、真空源(図示せず)を含んでもよい。反応物質供給源は、固体前駆体原料送達容器102から生成される気相反応物質を、気相反応器に供給してもよい。反応チャンバ138及び/又は140は、気相反応器であってもよい。固体原料送達容器102は、HfCl4、HfO2、ZrO2、ZrCl4、AlCl3、TaF5、MoF5、SiI4、MoCl5、MoO2Cl2、WCl5など、又はその組合わせを含むがこれらに限定されない、原料化学物質又は前駆体などのような化学反応物質を含む、化学物質114を含有してもよい。化学物質114は、標準的な条件(即ち、室温及び大気圧)下で、固体であってもよい。キャリアガス源120は、化学物質送達ライン136を介して送達容器102に結合されてもよく、キャリアガスを保持してもよい。キャリアガス源120は、化学物質送達ライン154、並びに弁158及び160を介して、反応チャンバ122及び124に流体結合されてもよい。送達容器102内に導入される時に、キャリアガス198は、化学物質114などの気化及び/又は昇華した化学反応物質を、容器出口弁126を通して、化学物質送達ライン105を介して、アキュムレータ101に輸送するのを、助けてもよい。アキュムレータ101から、化学物質114は、弁107を出て、基材処理のために、化学物質送達ライン128を通って、反応チャンバ122及び/又は124に運ばれてもよい。アキュムレータ101は、化学物質114気体の流れを調節してもよく、基材の処理全体を通して一貫した圧力及び流量を維持してもよい。化学物質送達ライン128は、送達容器102から、各々の反応チャンバ122及び124への、化学物質114及び/又はキャリアガスの流体連通を制御するための、弁132及び134を備えてもよい。基材処理プラットフォーム110に搭載された、入口弁及び出口弁は、1つ以上の制御装置(例えば、制御装置156)によって、制御されてもよい。
【0033】
一例では、送達容器102は、化学物質送達ライン106を介して、遠隔再充填容器104に結合されてもよい。遠隔再充填容器104は、横方向に、送達容器102及び/又は基材処理プラットフォーム110の上方又は下方に、例えば、基材処理プラットフォーム110の下方に配置されるサブファブ内に、配置されてもよい。
【0034】
遠隔再充填容器104は、再充填用化学物質114を含有してもよい。遠隔再充填容器104は、基材処理プラットフォーム110に関連付けられた寸法制限によって制限されない場合もあるため、送達容器102よりも大きな、筐体108内の化学的容量を有し得る、バルク再充填容器であってもよい。例えば、遠隔再充填容器104は、送達容器102の容量の、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又は20倍を有してもよい。他の容量も可能であり、特許請求される主題はこれに関して限定されない。
【0035】
化学物質送達ライン106は、遠隔再充填容器104の出口弁116と送達容器102の入口弁118との間に、延在してもよい。入口弁118は、送達容器102の蓋130内に配置されてもよい。出口弁116は、遠隔再充填容器104の蓋182内に配置されてもよい。出口弁116及び入口弁118は、遠隔再充填容器104から送達容器102への、化学物質114の流体連通を制御してもよい。
【0036】
遠隔再充填容器104は、化学物質114を気化(例えば、昇華、蒸発)するために装備されてもよく、その後、気化又は昇華された化学物質114を、化学物質送達ライン106を介して送達容器102に輸送してもよい。一実施例では、遠隔再充填容器104は、加熱装置174に近接してもよい。加熱装置174は、蓋182及び/又は筐体108と熱連通してもよく、遠隔再充填容器104の外部に、又は蓋182及び/若しくは筐体108の内部部分内に、配置されてもよい。筐体108は、熱伝導性材料(例えば、ステンレス鋼)で作製されてもよく、加熱装置174から、蓋182及び/又は遠隔再充填容器104の内部容積に熱を伝達するように、構成されてもよい。加熱装置174は、化学物質114を、化学物質114の相を変化させるのに十分な温度に加熱して、化学物質114を気化及び/又は昇華させて、化学物質114を送達容器102に化学物質送達ライン106を介して輸送できるように、構成されてもよい。加熱装置174は、当業者に公知の、ヒータ、加熱ジャケット、加熱ブロック、及び/又は放射ヒータなどの、様々な加熱装置のいずれかを備えてもよく、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0037】
遠隔再充填容器104は、再充填動作の間に、化学物質114を貯蔵するように構成されてもよい。冷却装置188は、遠隔再充填容器104の下部に結合されてもよい。冷却装置188は、底面196を冷却して、昇華前の化学物質114を固体形態に維持してもよい。冷却装置188は、冷却プレート、冷却コイル、可変ピッチ冷却コイル、冷却ジャケット、冷却ファン、ペルチェ冷却器、若しくは冷却部材を循環させる一体型冷却チャネルなど、又はそれらの任意の組合わせを備えていてもよい。
【0038】
遠隔再充填容器104は、選択された温度で動作するように、構成されてもよい。例えば、動作温度は、化学的前駆体/反応物質の所望の昇華速度に基づいて、決定されてもよい。いくつかの例では、動作温度は、約10℃~約500℃の範囲、又は約50℃~約400℃の範囲、又は約75℃~約300℃の範囲、又は約100℃~約250℃の範囲内である。もちろん、気化又は昇華される化学物質によって、動作温度を選択してもよい。他の温度範囲も可能であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0039】
送達容器102は、遠隔再充填容器104から化学物質送達ライン106を介して、気相で化学物質114を受取ってもよい。化学物質送達ライン106は、送達容器102の上部190、例えば、蓋130に配置されてもよい。一実施例では、蓋130及び入口弁118は、化学物質114が、蓋130、弁184及び/若しくは118、又は化学物質送達ライン106、又はこれに類するもの、又はそれらの任意の組合わせなどの、送達容器構成要素内で、凝縮するのを防止するように、送達容器102の中へと通る際に、化学物質114の気化温度を上回る温度を維持するように、構成されてもよい。
【0040】
送達容器102は、化学物質114を加熱し、送達容器102の上部190で気相に化学物質114を維持するために、1つ以上の加熱装置176に熱的に結合されてもよい。加熱装置176は、ヒータ、加熱ジャケット、加熱ブロック、加熱フィン、及び/若しくは放射ヒータ、又はこれに類するもの、又はそれらの組合わせを備えてもよい。加熱装置176は、送達容器102の上部190に、例えば、蓋130内及び/又は送達容器102の外側に、配置されてもよい。このような加熱装置176は、再充填動作、材料処理動作、及び化学物質114の貯蔵中に、化学物質114の温度を、制御又は調整する役割を果たす。
【0041】
送達容器102の下部192は、送達容器102の部分192で化学物質114を冷却するために、1つ以上の冷却装置186に熱的に結合されてもよい。冷却装置186は、冷却プレート、冷却コイル、可変ピッチ冷却コイル、冷却ジャケット、冷却部材(例えば、冷却ロッド、及び/又は冷却フィン(図6及び8を参照))、冷却ファン、ペルチェ冷却器、若しくは冷却剤またはこれに類するものを循環させる一体型冷却チャネル、又はそれらの任意の組合わせを備えていてもよい。
【0042】
より詳細に述べるが、こうした加熱装置176及び冷却装置186は、送達容器102内に温度勾配をもたらす(図3の要素324を参照)。
【0043】
一実施例では、内部側壁178及び/又は蓋130は、送達容器102に入る前に加熱装置176から化学物質114に熱を伝達して、化学物質114の凝縮点を超える温度を維持するように、構成されてもよい。こうした印加された熱及び/又は圧力は、化学物質114を気相に維持してもよい。化学物質114が冷却されると、サーマルブレイク109の下の、底面196及び/又は内部側壁178で凝縮し得る。
【0044】
送達容器102の下部192の温度は、冷却装置186(例えば、コールドプレート)によって、流入する化学物質送達ライン106、サーマルブレイク109の上の内部側壁178(後に詳述する)、又は送達容器102の蓋130よりも、低い温度に冷却されてもよい。これにより、送達容器102の上部190で、システム内で最高温度となり、基部111で、システム内で最低温度となるような、温度勾配を、長手方向軸224(図2を参照)に沿ってもたらす。化学物質114は、送達容器102の基部111の下部内部表面196と接触すると、固化し得る。再充填中、化学物質114は、送達容器102の下部に固体を形成し、材料処理動作までそこに貯蔵されてもよい。冷却装置186は、送達容器102の下部192の温度を、化学物質114を固相に維持するのに十分な温度に維持してもよい。
【0045】
送達容器102では、サーマルブレイク109は、送達容器102の上部190を下部192から断熱してもよい。これは、送達容器102の上部190を、下部192と比較して高温に保つのに役立ってもよい。サーマルブレイク109は、送達容器102の上部190から下部192まで延在する、温度勾配を強化してもよい。これは、サーマルブレイク109及び送達容器102の底面196の下方の、内部側壁115上への、化学物質114の堆積を容易にしてもよい。
【0046】
一実施例では、サーマルブレイク109は、上部190と下部192との間で、送達容器102の周囲に円周方向に配置されてもよい。サーマルブレイク109は、様々な方法によって形成されてもよい。例えば、サーマルブレイク109は、内部側壁178に埋込まれた、断熱材料のリングを備えてもよい。これは、溶接、ろう付け、接合、気密締付けなど、又はそれらの組合わせなど、当業者に公知の様々な方法のいずれかによって埋込まれてもよい。
【0047】
一実施例では、サーマルブレイク109は、容器内部側壁178内に配置された、断熱層からなってもよい。側壁は、内壁と外壁との間に中空部分又は空間を有する、二重壁であってもよい。サーマルブレイク109は、断熱材料又は真空で充填された、二重壁のセクションであってもよい。断熱材料は、セラミック繊維、高温断熱ウール、及び/又は発泡断熱材(例えば、ポリスチレン、ポリウレタン、又はポリイソシアヌレート)などの、様々な材料であってもよい。送達容器102の長手方向軸におけるサーマルブレイク109の長さLtbは、送達容器102内で望ましい温度範囲、貯蔵される化学物質114の化学的特性、送達容器102で使用される材料、及びサーマルブレイク109内の断熱層、並びに/又は他の類似の要因などの、様々な要因に応じて変化し得る。
【0048】
サーマルブレイク109は、送達容器102の上部190から熱が放散することを防止し、その結果、上部190で化学物質114の凝縮温度を上回る温度をより良好に維持してもよい。これは、化学物質114の凝縮を低減又は防止し、したがって、化学物質送達ライン106、弁118、126、及び184などの構成要素、又はそれらの組合わせの、目詰まりを低減又は防止してもよい。
【0049】
再充填動作中(図5図8に示す)、送達容器102は、内部容積180内の温度勾配で動作するように、構成されてもよい。例えば、上部190に近接する部分の動作温度は、化学物質114の所望の凝縮速度に基づいて、決定されてもよい。いくつかの実施例では、動作温度は、約10℃~約500℃の範囲、又は約50℃~約400℃の範囲、又は約75℃~約300℃の範囲、又は約100℃~約250℃の範囲内である。選択された動作温度は、化学物質114の気化温度に依存し得る。同様に、送達容器102の基部111を、上部190よりも低い温度に維持して、基部111上の化学物質114を固化して、送達容器102内の温度勾配を維持してもよい。もちろん、固化される化学物質によって、動作基本温度を選択してもよい。更に、気体状粒子が送達容器102の内部上の望ましくない領域で固化することを防止するために、下部192は、少なくとも上部190よりも低温の温度に設定してもよい。一実施例では、基部111は、送達容器102の内部容積180内の最も低温の場所である。したがって、基部111における動作温度は、化学物質114の融点をはるかに下回ってもよい。
【0050】
一実施例では、温度勾配は、基部111と蓋130との間に延在してもよい。一例では、下部192は、第一の閾値温度以下に維持されてもよく、一方、上部190は、第一の閾値温度よりも高い第二の閾値温度以上に維持されてもよい。例えば、基部111及び蓋130が、ある温度差(例えば、第二の閾値温度と第一の閾値温度との間の差)に維持されてもよい。一例では、基部111と蓋130との間の温度の差は、少なくとも、約1℃、約5℃、約10℃、約20℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、若しくは約160℃、又はその間の任意の値であってもよく、又はその中に終点を有する任意の範囲内に収まってもよい。他の温度差が可能であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0051】
一実施例では、温度勾配は、長手方向軸224(図2を参照)に沿って、約1インチ、約3インチ、約6インチ、約9インチ、約12インチ、約15インチ、約18インチ、約21インチ、約24インチ、約27インチ、約30インチ、約32インチ、約34インチ、約36インチ、約64インチ、又は約128インチの軸方向距離、又はその間の任意の値にわたって配置されてもよく、又はその中に終点を有する任意の範囲内に収まってもよい。勾配は、段階的又は直線的であってもよい。他の勾配寸法も可能であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0052】
一実施例では、材料処理動作中、加熱装置176は、化学物質114を気化及び/又は昇華させるなど、化学物質114の相を変化させるのに十分な温度に、化学物質114を加熱するように、構成されてもよい。気化又は昇華されると、化学物質114は、基材処理のために、前述のように、反応チャンバ122及び/又は124に輸送されてもよい。気化及び/又は昇華の前に、化学物質114は、送達容器102内に固体として貯蔵されてもよい。
【0053】
材料処理中、送達容器102は、化学物質114の前駆体/反応物質の所望の昇華速度に基づいて、選択された温度で動作するように、構成されてもよい。いくつかの実施例では、動作温度は、約10℃~約500℃の範囲、又は約50℃~約400℃の範囲、又は約75℃~約300℃の範囲、又は約100℃~約250℃の範囲内である。他の温度範囲が可能であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0054】
化学物質114が枯渇したら、送達容器102は、遠隔再充填容器104から再充填されてもよい。遠隔再充填容器104から再充填する前に、化学物質114の送達容器102を必ずしも完全に枯渇させる必要はない。
【0055】
図示した例の制御装置156は、デバイスインターフェース162、プロセッサ164、ユーザーインターフェース166、及びメモリ168を含む。デバイスインターフェース162は、プロセッサ164を、有線又は無線リンク170に接続する。プロセッサ164は、(例えば、ユーザー入力を受信し、及び/又はそれを通してユーザー出力を提供するために)ユーザーインターフェース166に動作可能に接続され、メモリ168と通信するように配置されてもよい。メモリ168は、プロセッサ164によって読取られると、プロセッサ164に特定の動作を実行させる命令を含む、その上に記録された複数のプログラムモジュール172を有する、非一時的機械可読媒体を含む。動作の中には、記載されるように、材料層堆積方法、及び送達容器102(図5~6A、及び7~13に示す)を再充填するための方法の、動作がある。本開示を考慮して当業者によって理解されるように、制御装置156は、他の例において異なる配置を有して、なお本開示の範囲内に留まり得る。
【0056】
図2は、図1に示した基材処理システム100の、再充填サブアセンブリ200の一例を示す、概略図である。再充填サブアセンブリ200は、化学物質送達ライン106を介して遠隔再充填容器104に結合された、送達容器102を含む。遠隔再充填容器104は、長手方向軸202に沿って温度勾配を維持し、昇華又は気化される前の化学物質114(例えば、前駆体)を固体状態に貯蔵するように、構成されてもよい。遠隔再充填容器104の基部204は、比較的低温(例えば、前駆体を固体として維持するため)であってもよい。蓋182は、送達容器102への輸送しやすくするため、比較的高温に達してもよい。この温度は、少なくとも、化学物質114が気相に入り、化学物質送達ライン106、蓋182、出口弁116、及び入口弁118などの、下流流路構成要素における凝縮を最小化するのに、十分である。
【0057】
一部の実施例では、キャリアガス源216は、化学物質送達ライン222を介して遠隔再充填容器104に結合されてもよく、キャリアガス220を遠隔再充填容器104に供給してもよい。弁218は、キャリアガス220の流れを制御してもよい。キャリアガス220は、遠隔再充填容器104から送達容器102への、昇華化学物質114の輸送を補助してもよい。
【0058】
一例では、ヒータ206及び208は、化学物質送達ライン106に結合されて、輸送中の凝縮を防止するための気化温度であり得る、「輸送温度」を維持してもよい。この気化温度は、化学物質114の相変化温度(例えば、昇華温度)を上回ってもよい。ヒータ206及び208は、当業者に公知のヒータジャケット又は他の加熱装置を備えてもよく、特許請求される主題は、これに関して限定されない。ヒータ206及び208は、化学物質送達ライン106の周囲に巻付けられてもよく、コイル状であってもよく、化学物質送達ライン106を包囲してもよく、あるいは、化学物質送達ライン106に近接して配置されてもよい。凝縮を阻止するために、化学物質送達ライン106は、非常に少ない角度又は角を有してもよい。化学物質送達ライン106内の弁、接続点、及び/又は他の遮断箇所は、遠隔再充填容器104の配置が基材処理プラットフォーム110から遠隔に(すなわち、離間して)配置されているため、化学物質送達ライン106内のより高い凝縮のリスクを相殺するために、可能な限り最小化されてもよい(図1を参照)。
【0059】
一実施例では、1つ以上のバックアップ遠隔再充填容器290は、遠隔再充填容器104として共同設置して、枯渇時に遠隔再充填容器104を交換するために必要なダウンタイムを低減してもよい。遠隔再充填容器104を交換する必要がある場合、バックアップ遠隔再充填容器290は、化学物質送達ライン106を介して(又は異なる化学物質送達ラインを介して)送達容器102に迅速に結合して、遠隔再充填容器104が取外されて交換されるのを待つ、ダウンタイムを回避してもよい。あるいは、バックアップ遠隔再充填容器290は、遠隔再充填容器104に結合されて、基材処理プラットフォーム110上のダウンタイムを必要とする、再充填動作又は上流イベントの間など、他の任意のアイドル時間に、容器104を再充填してもよい。
【0060】
一実施例では、再充填プロセスは手動で制御されてもよく、及び/又は再充填動作は、制御装置156による自動フィードバック制御のための様々なセンサを使用して、部分的又は完全に自動化されてもよい。例えば、センサ210は、送達容器102の内部容積180に隣接して、又はその内部容積180内に配置されてもよく、センサ212は、化学物質送達ライン106内に、又は化学物質送達ライン106に隣接して配置されてもよく、センサ214は、遠隔再充填容器104の内部容積220に隣接して、又はその内部容積220内に配置されてもよい。センサ210、212、及び214は、例えば、音響、振動、化学物質、水分、流れ、光、圧力、力、密度、温度、及び/若しくは存在など、又はそれらの任意の組合わせなどの、様々な物理的現象を監視してもよい。センサ210、212、及び/又は214は、例えば、送達容器102の温度勾配を監視してもよく、及び/又は化学物質送達ライン106、送達容器102、若しくは遠隔再充填容器104、又はそれらの組合わせの少なくとも1つに配置された、化学物質114の温度を監視してもよい。センサ210、212、及び/又は214は、代替的に又は追加的に、化学物質送達ライン106、送達容器102、及び/又は遠隔再充填容器104、又はそれらの組合わせの、又はそれらの内部の温度を監視してもよい。センサ210、212、及び/又は214は、監視に基づいてセンサデータを生成し、センサデータを制御装置156(図1を参照)に送信して、監視された装置を調整して、監視されたパラメータ(例えば、温度)を変更してもよい。例えば、制御装置156は、センサデータに基づいて、加熱装置174、176、206、及び/若しくは208、並びに/又は冷却装置186、及び188、又はそれらの組合わせの、1つ以上を調整してもよい。いくつかの実施形態では、反応チャンバ122、反応チャンバ124、送達容器102、及び/又は遠隔再充填容器104の1つ以上を制御する際に用いる、電子機器及び/又はコンピュータ要素は、システム内の他の場所にあってもよい。例えば、中央制御装置は、1つ以上のチャンバ自体の装置を制御するだけでなく、様々な容器及び任意の関連する加熱装置に接続する弁を制御することもできる。1つ以上の弁を使用して、基材処理システム100全体の、気体の流れを制御することができる。
【0061】
図3は、図1に示すように、例示的な送達容器102、及び送達容器102の上部に結合された蓋130を示す、概略図である。
【0062】
温度勾配324は、上部190の第一の温度、上側中間部分302の第二の温度、下側中間部分304の第三の温度、及び下部192の第四の温度を、含んでもよい。化学物質114による送達容器102の再充填動作のための理想的な温度勾配は、サーマルブレイク109の上で化学物質114の凝縮温度よりも高く、及びサーマルブレイク109の下で化学物質114の凝縮温度より低い、温度を有することを含むであろう。例えば、第一の温度及び第二の温度は、化学物質114の凝縮温度と同一か、それより高く、第三の温度及び第四の温度より高いであろう。こうした理想的なシステムでは、第三の温度及び第四の温度は同一であり、凝縮温度より低く、及び第一及び第二の温度より低い。
【0063】
しかしながら、実際のシステムでは、温度勾配324は、上部190の最高温度から、下部192の最低温度まで、徐々に低温になっていく。第一の温度は、第二の温度より高くてもよい、第一及び第二の温度の両方は、送達容器102の構成要素を保護するために、化学物質114の凝縮温度を上回ってもよい。第三の温度は第四の温度よりも高くてもよく、両方が、化学物質114の凝縮温度より低くてもよく、両方が、第一及び第二の温度よりも低くてもよい。
【0064】
温度勾配324は、制御装置156を含むフィードバック機構を介して、維持されてもよい。センサアレイ312は、送達容器102の内部容積180内に配置された、1つ以上のセンサ210、306、308、及び/又は310を備えてもよい。センサ210、306、308、及び/又は310は、例えば、音響、振動、化学物質、水分、流れ、光、圧力、力、密度、温度、及び/若しくは存在など、又はそれらの任意の組合わせなどの、様々な物理的現象を監視してもよい。センサ210、306、308、及び/又は310は、温度データ(又は他のデータ)と温度勾配324に沿った位置とを相関させるために、送達容器102の選択された位置に、温度勾配324に沿って位置付けられてもよい。例えば、センサ210は、上部190内に配置されてもよく、センサ306は、上中間部分302内に配置されてもよく、センサ308は、下中間部分304内に配置されてもよく、センサ310は、下部192内に配置されてもよい。センサ210、306、308、及び/又は310の少なくとも1つのセンサは、物理的現象を監視し(例えば、温度読取りを取る)、及び/又はセンサデータ(例えば、測定/監視された物理的現象に関連するデータ、センサ識別、位置データなど、又はそれらの組合わせを含む)を制御装置156に通信してもよい。一実施例では、位置データは、送達容器102の容積180内のセンサの位置に関連付けられた、センサ識別と相関する表の、メモリ168に保存されてもよい。
【0065】
一実施例では、制御装置156は、センサ210、306、308、及び/又は310からのデータに基づいて、加熱装置176及び/又は冷却装置186を制御して、温度勾配324を維持してもよい。温度勾配324は、温度プログラムされた時間的プロファイルに基づいてもよい。温度勾配324は、様々な他の方法で、かつ様々なセンサデータ、並びに/又は保存された時間的プロファイル及び温度パラメータに基づいて維持されてもよく、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0066】
図4は、加熱装置176及び冷却装置186を備える、例示的な送達容器102を示す。一実施例では、温度勾配324は、上部190での化学物質114の凝縮温度より高い第一の温度から、送達容器102の下部192近くの化学物質114の凝縮温度より低い第二の温度まで、延在する。化学物質114は、気相で、遠隔再充填容器104から送達容器102に輸送されてもよい。化学物質114は、冷却装置186によって冷却され得る底面414で、送達容器102の最も低温の位置で最初に凝縮することが、望ましい場合がある。この第一の凝縮部分は、送達容器102に入る化学物質114の、更なる固化の核形成部位として作用してもよい。蓋130は、化学物質114が、入口弁118、出口弁126、及び/又は化学物質送達ライン106などの構成要素で、凝縮するのを防止するために、より高い温度に維持されてもよい(図1を参照)。したがって、温度勾配324を維持して、冷却された内側表面414上の化学物質114の固化を促進し、また、化学物質114が蓋130内及びその周囲で固化することを防止することが望ましい。温度勾配324は、サーマルブレイク109の有効性及び配置に応じて、送達容器102の上部190での最高温度から、下部192での最低温度まで、急激又は徐々に変化してもよい。加熱装置176及び冷却装置186は、温度勾配324を維持するために、センサアレイ312のセンサ210、306、308、及び/又は310に応答して、加熱装置176及び冷却装置186を制御するように構成され得る、制御装置156に結合されてもよい。
【0067】
一実施例では、冷却装置186は、例えば、冷却コイル402、一体型冷却チャネル404、冷却部材406、冷却ジャケット408、コールドプレート410、及び/若しくは同種のもの、又はそれらの組合わせなどの、様々な冷却機構のいずれかを備えてもよい。制御装置156は、温度勾配324を維持するために、冷却装置186の様々な機能(例えば、装置温度、冷却剤温度、冷却剤の流れ)を制御してもよい。
【0068】
一実施例では、冷却コイル402は、下部192の近くの外表面412の一部分上に配置されてもよく、又は送達容器102の任意のレベルに配置されてもよい。冷却コイル402は、下部192を閾値温度(例えば、化学物質114の凝縮温度)未満に冷却された状態に維持することによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。冷却コイル402は、冷却剤がそれを通って流れることを可能にする、中空であってもよい。冷却剤は、水、脱イオン水、グリコール/水溶液、及び誘電体流体など、又はそれらの組合わせなど、当業者に公知の様々な冷却剤のいずれかであってもよい。冷却コイル402は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅など、又はこれらの組合わせを含むがこれに限定されない、様々な熱伝導性材料から形成されてもよい。
【0069】
一実施例では、一体型冷却チャネル404は、任意のレベルで、送達容器102の内部側壁178内に形成(例えば、機械加工、エッチング、及び/又は3D印刷)されてもよい。一体型冷却チャネル404は、下部192を閾値温度未満に冷却された状態に維持することによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。一体型冷却チャネル404は、冷却剤がそれを通って流れることを可能にする、中空であってもよい。冷却剤は、水、脱イオン水、グリコール/水溶液、及び誘電体流体など、又はそれらの組合わせなど、当業者に公知の様々な冷却剤のいずれかであってもよい。一体型冷却チャネル404は、熱伝導性材料から形成された冷却チャネル404内に配置された、導管を更に備えてもよい。
【0070】
一実施例では、冷却部材406は、底面414に結合されてもよい。図2に関して論じるように、冷却部材406は、表面414上の再充填動作中に形成された固体化学物質114を通して、熱を放散することによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。固体塊を通したこうした冷却は、固体化学物質114の上面で、閾値温度を下回る冷却を容易にしてもよい。冷却部材406は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅など、又はこれらの組合わせを含むがこれに限定されない、様々な熱伝導性材料から形成されてもよい。
【0071】
一実施例では、冷却ジャケット408は、下部192の近くの外表面412の一部分上に配置されてもよく、又は送達容器102の任意のレベルに配置されてもよい。冷却ジャケット408は、一体化された冷却導管420を備える、ケーシングであってもよい。冷却ジャケット408は、下部192を閾値温度未満に冷却したままにすることによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。冷却導管420は、冷却剤がそれを通って流れることを可能にする、中空であってもよい。冷却剤は、水、脱イオン水、グリコール/水溶液、及び誘電体流体など、又はそれらの組合わせなど、当業者に公知の様々な冷却剤のいずれかであってもよい。
【0072】
一実施例では、コールドプレート410は、送達容器102の底面416上に配置されてもよい。コールドプレート410は、アルミニウムなどの高い熱伝導率を有する材料で作製された、平坦な金属プレートであってもよい。コールドプレート410は、下部192を、下部表面416から熱を放散することによって、閾値温度未満に冷却された状態に保つことによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。コールドプレート410は、冷却剤がそれを通って流れて、底面414から追加の熱を引き出すことを可能にする、一体化された冷却チャネル及び/又は埋め込まれた冷却導管を有してもよい。
【0073】
一実施例では、加熱装置176は、例えば、加熱ブロック418、加熱ジャケット420、抵抗ヒータ422、ホットプレート424、ヒートランプ426、及び/若しくは同種のもの、又はそれらの組合わせなどの、様々な加熱機構のいずれかを備えてもよい。制御装置156は、温度勾配324を維持するために、加熱装置176の様々な機能(例えば、装置温度、輝度、温度ランピング)を制御してもよい。
【0074】
一実施例では、加熱ジャケット420は、送達容器102の上部190の近くの、外表面412の一部分に熱的に結合され、その上に配置されてもよい。加熱ジャケット420は、蓋130、弁118、184、及び/若しくは126、化学物質送達ライン106(図1を参照)、若しくはこれに類するもの、又はそれらの組合わせなどの、上部190の近くの構成要素を、閾値温度(例えば、化学物質114の凝縮温度)超に加熱することによって、温度勾配324を維持することを支援してもよい。加熱ジャケット420は、統合された発熱体428を有する、ケーシングを備えてもよい。統合された発熱体428は、それを通して加熱された流体が流れ得る、又は抵抗加熱装置であり得る、導管であってもよい。
【0075】
一実施例では、抵抗ヒータ422は、上部190及び/又は蓋130内で、送達容器102に熱的に結合されてもよい。抵抗ヒータ422は、蓋130、弁118、184、及び/若しくは126、化学物質送達ライン106、若しくはこれに類するもの、又はこれらの組合わせなどの、上部190の近くの構成要素を、閾値温度を超えて加熱することによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。
【0076】
一実施例では、ホットプレート424は、上部190及び/又は蓋130内で、送達容器102に熱的に結合されてもよい。ホットプレート424は、蓋130、弁118、184、及び/若しくは126、化学物質送達ライン106、若しくはこれに類するもの、又はそれらの組合わせなどの、上部190の近くの構成要素を、閾値温度を超えて加熱することによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。
【0077】
一実施例では、ヒートランプ426は、上部190及び/又は蓋130内で、送達容器102に熱的に結合されてもよい。ヒートランプ426は、蓋130、弁118、184、及び/若しくは126、化学物質送達ライン106、若しくはこれに類するもの、又はそれらの組合わせなどの、上部190の近くの構成要素を、閾値温度を超えて加熱することによって、温度勾配324の維持を支援してもよい。
【0078】
図5は、例示的なバルク再充填プロセス500を示す、概略図である。一実施例では、送達容器102は、(図1~4を参照して上記で詳細に記載するように)上部190の様々な加熱装置のいずれかによって加熱されてもよく、(図1~4を参照して上記で詳細に記載するように)様々な冷却装置のいずれかによって能動的に冷却されてもよい。サーマルブレイク109は、送達容器102内に提供されて、能動的に冷却された下部192を、加熱された上部190から、熱的に分離してもよい。こうした熱分離は、化学物質114が上部190の気体状形態で加熱された構成要素(例えば、蓋130、弁184、及び/又は化学物質ライン106)を出た後、送達容器102の能動的に冷却された領域内で、化学物質114の凝縮を容易にするように機能してもよい。
【0079】
バルク再充填プロセス500は、段階502で概略的に示されるように開始され、化学物質114は、気体形態で送達容器102の内部容積180に入る。化学物質114は、加熱された化学物質ライン106を介して、加熱された蓋130を通って内部容積180内に流れる。化学物質114が送達容器102内に流れ続けると、化学物質114は、凝縮し、下部192に堆積し始める。段階504で、化学物質114は、送達容器102の内部容積180内の基部111で、蓄積し始める。駆動力は、150℃の純粋な成分の蒸気圧と130℃の蒸気圧の間の蒸気圧デルタである。一実施例では、化学物質114の流れを駆動するための外部ポンプが、ない場合がある。むしろ、駆動力は、送達容器102内の化学物質114の凝縮によって生成される、遠隔再充填容器104から送達容器102への、気体輸送を駆動するための、圧力勾配であってもよい。気体から固体への化学物質114の相変化によって生成される圧力勾配は、再充填容器104から送達容器102への気体流を、駆動することができる。
【0080】
サーマルブレイク109は、送達容器102の下部192の近くに配置される。一実施例では、サーマルブレイク109は、内部側壁178内に配置された断熱層から成ってもよい。側壁は、内壁624と外壁626との間に中空部分622(例えば、空間)を有する、二重壁であってもよい。サーマルブレイク109は、断熱材料又は真空で充填された、二重壁のセクションであってもよい。
【0081】
本明細書に提供される例示的な温度は、例示のみを目的としており、特許請求される主題を限定することを意図するものではない。代表的な温度は、その凝縮温度が約150℃である、化学物質114に対するものである。
【0082】
一実施例では、温度勾配510は、送達容器102の長さに沿って、上部分190でのより高い温度T1(例えば、約170℃)から、下部192でのより低い温度T2(例えば、約130℃)まで、長手方向に延在する。
【0083】
例示的なシステムでは、サーマルブレイク109は、下部192を完全に断熱しなくてもよく、したがって、温度は、上部190から下部192に向かって、長手方向に徐々に減少してもよい。例えば、温度T3は、温度T1と温度T2との間(例えば、約160℃)にあってもよく、温度T4は、温度T3と温度T2との間(例えば、約150℃)にあってもよい。しかしながら、温度T3及びT4は、依然として、化学物質114の相変化温度を上回る場合がある。これは、蓋130、弁184、及び/又は化学物質ライン106の、目詰まりを低減してもよい。更に、これは、上部190の内部側壁178上での凝縮を低減してもよい。熱は、送達容器102の加熱された上部190から、冷却された下部192に放散される。化学物質114は、相変化温度以下で表面と接触すると、及び/又は周囲雰囲気が相変化温度以下で凝縮する原因となると、その相変化温度まで冷却され得る。
【0084】
段階506で、化学物質114が送達容器102内で凝縮し続けるにつれて、固体化学物質114は、送達容器102内の温度分布に起因して、表面526にわたって均等に充填されるのではなく、垂直カラム512を形成する中間部分でより高く蓄積し得る。内部側壁178は、送達容器102を通した、上部190内の加熱された構成要素からの熱の放散に起因して、下部192よりも温かくてもよい。それ故に、サーマルブレイク109における又はその上の、内部側壁178の温度は、化学物質114の相変化温度を上回る場合があり、それ故に、化学物質114は、サーマルブレイク109における又はその上の、内部側壁178上で凝縮しない場合がある。破線矢印518及び520は、側壁178を通る熱の放散方向を指す。
【0085】
熱はまた、化学物質114を通して表面526から基部111に放散する。点線矢印522及び524は、固化化学物質114を通した熱の放散方向を指す。化学物質114を通した熱放散は、内部側壁178を通した熱放散よりも遅くてもよい。凝縮した厚さが増加するにつれて、化学物質114を通した熱伝達はますます困難になり、昇華の熱を容易に拒絶することができない。この時点で、垂直カラム512及び/又は表面526内の温度は、より冷たい基部111ではなく、内部側壁178の温度に到達し、化学物質114の凝縮を遅く又は停止させ、垂直カラム512が成長を停止させ得る。凝縮が停止し得る垂直カラム512の高さは、化学物質114の熱伝導率に依存する。
【0086】
一実施例では、段階508に移動すると、基部111の温度を低減することは、表面526における化学物質114の温度を低減し、垂直カラム512内の化学物質114の凝縮を再開(又は更に可能にする)し得る。上記の例示的な温度を続けると、表面526は、凝縮が停止した時に、約150℃に達し得る。基部111の温度を、例えば、約130℃~約110℃に下げることは、表面526(及び内部側壁178)を冷却してもよく、また垂直カラム512が新しい高さに達することを可能にする、凝縮を再開してもよい。基部111の温度が低下すると、結果として生じる冷却は、送達容器102の内部側壁178を通って、蓋130、弁184及び118、並びに/又は化学物質送達ライン106内に、延在し得る。これらの構成要素及びその他の構成要素の目詰まりが、発生する可能性がある。いくつかの実施例では、成長する固体は熱容量が増加しているため、より低温を維持するために、熱流束の増加によって、基準温度を低下させる必要がない場合がある。
【0087】
図6Aは、基部111に結合された熱伝達部材602を含む、例示的な送達容器102を示す。粉末化学物質114の熱伝導率は、送達容器102が作成される材料、例えば、ステンレス鋼よりも低くてもよい。一実施例では、1つ以上の熱伝達部材602は、基部111に結合されて、化学物質114を通した熱伝導率を改善してもよい。熱伝達部材602は、粉末化学物質114を通した、冷却表面526への熱拡散のための、より短い経路を提供してもよい。熱伝達部材602は、基部111に結合するように構成された、共通部材基部610の周囲に、接続されてもよい。あるいは、熱伝達部材602は、基部111に各々接続された、個別の部材であってもよい(図8を参照)。熱伝達部材602は、フィン、丸いロッド、多角形ペグ、若しくはこれに類するもの、若しくは当業者に公知の様々な熱伝達装置のいずれか、又はそれらの組合わせを、含んでもよい。対照的な矢印604は、化学物質114から熱伝達部材602への、熱伝達の方向を示す。矢印606は、熱伝達部材602の上部から基部111への、熱伝達部材602に沿った長手方向の熱伝達の方向を示す。
【0088】
図6Bは、例示的な送達容器102の、側面図を示す。サーマルブレイク109は、上部190と下部192との間の送達容器102の周囲に、環状リング620を円周方向に形成して、配置されてもよい。
【0089】
図7は、例示的なバルク再充填プロセス700を示す。
【0090】
本明細書に提供される例示的な温度は、例示のみを目的としており、特許請求される主題を限定することを意図するものではない。代表的な温度は、その凝縮温度が約150Cである、化学物質114に対するものである。
【0091】
一実施例では、サーマルブレイク726は、送達容器102の上部190に配置されてもよい。上述のように、送達容器は、(図1図4を参照して、上記で詳細に記載したように)上部190の様々な加熱装置のいずれかによって、加熱されてもよく、(図1図4を参照して、上記で詳細に記載したように)様々な冷却装置のいずれかによって、能動的に冷却されてもよい。
【0092】
繰り返しになるが、送達容器102の能動的に冷却された領域内の、化学物質114の凝縮を容易にするために、サーマルブレイク726は、上部190の送達容器102内に、配置されてもよい。
【0093】
バルク再充填プロセス700は、段階702で概略的に示されるように開始し、化学物質114は、気体形態で、送達容器102の内部容積180に入る。化学物質114は、加熱された化学物質ライン106を介して、加熱された蓋130を通って内部容積180内に流れる。化学物質114が送達容器102内に流れ続けると、化学物質114は、基部111及び内部側壁178で堆積し始める。
【0094】
段階704で、化学物質114は、送達容器102の内部容積180内の、基部111及び内部壁178に蓄積し始める。サーマルブレイク726は、送達容器102の上部190の近くに配置される。温度勾配710は、送達容器102の長さに沿って、上部190での高温T1(例えば、約170℃)から、下部192での低温T2(例えば、約130℃)まで、長手方向に延在する。
【0095】
一実施例では、サーマルブレイク726は、サーマルブレイク726の下の領域を、完全に断熱しなくてもよい。むしろ、温度は、上部190から下部192に向かって長手方向に徐々に減少して、温度勾配710を作り出してもよい。温度T5は、温度T1と温度T2との間(例えば、約150℃)であってもよく、温度T4は、温度T5と温度T3との間(例えば、約140℃)であってもよく、温度T3は、勾配710がサーマルブレイク720から離れて長手方向に移動するにつれて、温度T2により近くても(例えば、約130℃)よい。温度T5、T4、及びT3は全て、側壁178及び底面196での化学物質114の凝縮を促進する、化学物質114の凝縮温度を下回る場合がある。
【0096】
段階706で、化学物質114が送達容器102内で凝縮し続けると、固体化学物質114は、側壁178上及び底面196から蓄積し得る。内部側壁178は、送達容器102を通して冷却された下部192へのサーマルブレイク部726の下の熱の放散に起因して、化学物質114の凝縮温度以下であってもよい。矢印722及び724は、内部側壁178を通る熱の放散方向を指す。
【0097】
熱はまた、化学物質114を通して、表面730から基部111に放散する。点線矢印726及び728は、固化化学物質114を通した熱の放散方向を指す。化学物質114の凝縮速度及び厚さは、任意の時点で、送達容器102内でより下の固化化学物質114よりも緩徐に成長し薄くなるであろう、サーマルブレイク726に近い化学物質114の凝縮速度及び厚さよりも、下部192の近く及び内部側壁178の下部でより大きくなる。化学物質114は、サーマルブレイクが配置される高さと直接相関する、送達容器102の最大充填高さを有してもよい。したがって、サーマルブレイク726を有する送達容器102の充填高さは、サーマルブレイク109を有する送達容器102の充填高さよりも高い(図5を参照)。化学物質114を通した熱放散は依然として、凝縮した厚さが成長するにつれて減速する場合があり、化学物質114を通した熱伝達は、ますます困難になる。この時点で、表面730は、化学物質114の凝縮温度に近いか、又はそれを上回る温度に到達し、化学物質114の凝縮を遅らせるか、又は停止させ、固体化学物質114が送達容器102を充填するのを停止させ得る。
【0098】
一実施例では、段階708に移動すると、基部111の温度を低減することは、化学物質114の表面730の温度を低減し、容器102内での化学物質114の凝縮を、再開(又は更に可能にする)し得る。上記の例示的な温度を続けると、表面730は、凝縮が減速又は停止するときに、150℃近くであり得る。基部111の温度、例えば、約130℃~約110℃を低下させることは、表面730を冷却してもよく、また固化化学物質114の体積が新しい高さに達することを可能にする、凝縮を再開始してもよい。基部111の温度が低下すると、結果として生じる冷却は、送達容器102側壁178を通って、蓋130、弁184及び118、並びに/又は化学物質送達ライン106内に延在し得る。これらの構成要素及び他の構成要素の目詰まりは、温度が下がった時の凝縮に起因して起こり得る。
【0099】
図8は、基部111に結合された熱伝達部材802を含む、例示的な送達容器102を示す。粉末化学物質114の熱伝導率は、送達容器102が作成される材料、例えば、ステンレス鋼よりも低くてもよい。一実施例では、1つ以上の熱伝達部材802は、基部111に結合されて、化学物質114を通した熱伝導率を改善してもよい。熱伝達部材802は、粉末化学物質114を通した冷却表面730への熱拡散のための、より短い経路を提供してもよい。熱伝達部材802は、基部111に各々接続される、個々の部材であってもよい。あるいは、部材802は、基部111に結合するように構成された、共通部材基部(図示せず)の周囲に接続されてもよい。熱伝達部材802は、フィン、丸いロッド、多角形ペグ、若しくはこれに類するもの、若しくは当業者に公知の様々な熱伝達装置のいずれか、又はそれらの組合わせを、備えてもよい。コントラストの矢印804は、化学物質114から熱伝達部材802への、熱伝達の方向を示す。矢印806は、熱伝達部材802の上部から基部111への熱伝達部材802に沿った、長手方向の熱伝達の方向を示す。熱伝達部材802は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、及び/若しくはタングステン、若しくはこれに類するもの、又はそれらの組合わせなどの、様々な熱伝導性材料で作製されてもよい。
【0100】
図9は、概して、固体原料再充填プロセス900の一実施形態を示す、フローチャートである。プロセス900について、図1~2を参照して記載する。プロセス900は、制御装置156によって制御されてもよい。プロセス900は、ブロック902から始まり、送達容器102(図1を参照)を遠隔再充填容器104に結合してもよい。送達容器102は、基材処理プラットフォーム110上の第一の位置に配置されてもよく、遠隔再充填容器104は、基材処理プラットフォーム110から離間した第二の位置に配置されてもよい。一実施例では、第一の位置は、約1フィート~約20フィート、20フィート~約100フィート、100フィート~約200フィート、又は200フィート~約500フィートの距離だけ、第二の位置から離隔してもよい。他の距離も可能であり、特許請求される主題は、これに関して限定されない。
【0101】
送達容器102は、化学物質送達ライン106を介して、遠隔再充填容器104に結合されてもよい。プロセス900は、ブロック904に進み、化学物質114(例えば、前駆体)を、第一の相で、遠隔再充填容器に貯蔵してもよい。一実施例では、第一の相は、固相であってもよい。別の例では、第一の相は、液体又は気体であってもよい。ブロック906で、化学物質114の相は、遠隔再充填容器104の1つ以上の構成要素の作用によって、第二の相に変化させることができる。こうした作用は、化学物質114の加熱及び/又は加圧を含んでもよい。一実施例では、第一の相と第二の相は異なる。プロセス900は、ブロック908に進み、化学物質114を第二の相で送達容器102に輸送して、化学物質114で、送達容器102を再充填することができる。化学物質114は、化学物質送達ライン106を開くことによって、遠隔再充填容器104から送達容器102へと輸送されてもよく、開放した化学物質送達ライン106は、遠隔再充填容器104を、送達容器と流体連通させる。ブロック910では、送達容器102内の温度勾配を、維持することができる。一実施例では、制御装置156は、加熱装置176、冷却装置186、及び内部容積180内に配置された1つ以上のセンサに、結合されてもよい。制御装置156は、1つ以上のセンサ(例えば、センサ210、306、308、及び/又は310)から受信したセンサデータに応答して、加熱装置176及び/又は冷却装置186の温度を制御するように、構成されてもよい。ブロック912で、化学物質114は、少なくとも送達容器102の底面414(図4を参照)上で、内部容積180内の第一の相(例えば、固化)に戻されてもよい。
【0102】
ブロック902、904、906、908、910、及び/又は912に記載される1つ以上の動作は、同時に及び/又は連続的に実行されてもよい。再充填が完了した後、化学物質114は、送達容器102と流体連通する、アキュムレータ101、又は反応チャンバ138及び/若しくは140などの、他の構成要素に輸送されて、基材146及び/又は148の1つ以上を処理してもよい。
【0103】
図10は、図9に示す固体原料再充填プロセス900の例示的な実施形態である、例示的なプロセス1000を示す、フローチャートである。一実施例では、プロセス1000は、図1~9を参照して記載される。プロセス1000は、制御装置156によって制御されてもよい。プロセス1000は、ブロック1002で始まり、ここで、送達容器102(図1を参照)が、化学物質送達ライン106を介して、上部190で遠隔再充填容器104に結合されてもよい。送達容器102は、基材処理プラットフォーム110上の第一の位置に配置されてもよく、遠隔再充填容器104は、基材処理プラットフォーム110から離間した第二の位置に配置されてもよい。プロセス1000は、継続して、ブロック1004において、固体化学物質114(例えば、前駆体)は、固体としての第一の相で、化学物質114の凝縮温度を下回る第一の温度で、遠隔再充填容器104内に固相で貯蔵することができる。ブロック1006で、化学物質114を熱及び/又は圧力に曝露して、固体を気体に変換することによって、化学物質114は、凝縮温度を上回る第二の温度で、遠隔再充填容器104内で昇華させることができる。
【0104】
一実施例では、ブロック910(図9を参照)の「送達容器内の温度勾配を維持する」は、ブロック1008、ブロック1010、及び/又はブロック1012を含んでもよい。
【0105】
ブロック1008で、制御装置156は、送達容器102内の1つ以上の温度センサ210、306、308、及び/又は310(図3を参照)から受信したセンサデータに応答して、加熱装置176を制御することによって、送達容器102の上部190を加熱することによって、温度勾配324を維持してもよい。一実施例では、加熱装置176を制御することは、センサデータと、少なくとも上部190の所定の第一の温度及び/又は第一の閾値温度範囲を識別する、送達容器102に対応するメモリ168に保存された、温度勾配プロファイルとの比較に基づいてもよい。温度勾配324(図3を参照)を維持することは、上部190をおよそ第一の温度に保持することを更に含んでもよい。
【0106】
ブロック1010で、制御装置156は、送達容器102内の1つ以上の温度センサ210、306、308、及び/又は310から受信したセンサデータに応答して、冷却装置186を制御することによって、送達容器102の下部192を冷却することによって、温度勾配324を維持してもよい。一実施例では、冷却装置186を制御することは、センサデータと、少なくとも下部192の所定の第二の温度及び/又は第二の閾値温度範囲を識別する、送達容器102に対応するメモリ168に保存された、温度勾配プロファイルとの比較に基づいてもよい。温度勾配324を維持することは、下部192をおよそ第二の温度に保持することを更に含んでもよい。
【0107】
一実施例では、第一の温度は、第二の温度よりも高くてもよい。例えば、第一の温度は、化学物質114の昇華温度より高くてもよく、第二の温度は、化学物質114の凝縮温度より低くてもよい。
【0108】
ブロック1012で、温度勾配324を維持することは、送達容器102の上面113と底面196(図1を参照)との間に、サーマルブレイク109を提供することを更に含む。一実施例では、サーマルブレイク109の位置は、化学物質114が送達容器102内で固化する方法に影響を与え得る。サーマルブレイク109は、送達容器102の上面から底面まで延在する長手方向軸に対して、送達容器の上半分又は下半分に配置されてもよい。
【0109】
ブロック1016で、化学物質114を、送達容器102の上部190に気相で輸送し、送達容器102を再充填することができる。
【0110】
ブロック1014で、昇華した化学物質114は、遠隔再充填容器102から送達容器102に輸送されてもよい。ブロック1016で、化学物質114は固化し、送達容器102の内部容積180内の底面196上に蓄積する。ブロック1018で、送達容器102の再充填が完了したか、例えば、化学物質114の固体が所定の高さまで成長したかどうかは、制御装置156によって決定さてもよい。制御装置156は、送達容器102の内部容積180内に温度勾配を維持し、例えば、底面196の温度を化学物質114の凝縮温度より低く維持することによって、化学物質114の固体質量の成長を促進してもよい。プロセス1000は、送達容器102が再充填されるまで、ブロック1006に連続的に戻ってもよい。ブロック1006~1018は、充填プロセス中に同時に実施されてもよい。プロセス1000は、送達容器102の化学物質114による再充填の完了時に、ブロック1020に移動する。ブロック1020では、固化化学物質114は、材料処理動作で使用するまで、送達容器102内に保持されてもよい。ブロック1002~1020は、同時に又は順番に実行されてもよい。
【0111】
図11は、ブロック910(図9を参照)における、固体原料再充填プロセス900の例示的なステージである、例示的なプロセス1100を示すフローチャートである。プロセス1100は、制御装置156によって制御されてもよい。プロセス1100について、図1~9を参照して記載する。
【0112】
ブロック1008では、加熱装置176は、送達容器102の上部190を加熱するために、制御装置156によって制御されてもよい。ブロック1010では、制御装置156は、送達容器102の下部192を冷却することによって、温度勾配324を維持してもよい。ブロック1012では、送達容器102の上面113と底面196(図1を参照)との間に、サーマルブレイク109が提供されてもよい。ブロック1102では、熱は、熱伝導性冷却部材406を介して、固体化学物質114を通して放散され得る(図4を参照)。
【0113】
図12は、図9に示す、ブロック910における、固体原料再充填プロセス900の例示的なステージである、例示的なプロセス1200を示すフローチャートである。一例では、プロセス1200について、図1~9を参照して記載する。プロセス1200は、制御装置156によって制御されてもよい。
【0114】
ブロック1008では、加熱装置176は、送達容器102の上部190を加熱するために、制御装置156によって制御されてもよい。ブロック1010では、制御装置156は、送達容器102の下部192を冷却することによって、温度勾配324を維持してもよい。ブロック1012では、送達容器102の上面113と底面196(図1を参照)との間に、サーマルブレイク109が提供されてもよい。ブロック1202では、送達容器102の上部190に対応する第一の温度及び/又は第一の閾値温度範囲は、メモリ168に保存されてもよい。第一の温度は、化学物質114の昇華温度より高くてもよい。一実施例では、制御装置156は、上述のようにセンサデータを監視して、送達容器102内の選択された位置(例えば、上部190)が第一の温度の第一の閾値温度範囲内にあるかを決定してもよい。ブロック1204では、送達容器102の下部192に対応する第二の温度及び/又は第二の閾値温度範囲は、メモリ168に保存されてもよい。第二の温度は、化学物質114の昇華温度以下であってもよい。一実施例では、制御装置156は、上述のようにセンサデータを監視して、送達容器102内の選択された位置(例えば、下部192)が第二の温度の第二の閾値温度範囲内にあるかを決定してもよい。
【0115】
ブロック1206では、第三の温度が、送達容器102の内部容積内で検出されてもよい。検出は、センサ210、306、308、及び/又は310によって実行されてもよい。センサ210、306、308、及び/又は310からの温度データが、選択された位置(例えば、上部190及び/又は下部192)の温度が識別された温度範囲(例えば、第一の及び/又は第二の閾値温度範囲)外にあることを示す場合、制御装置156は、ブロック1208で動作を取り得、制御装置156は、検出に応答して、加熱装置176又は冷却装置186を調整してもよい。
【0116】
図13は、図9に示す、固体原料再充填プロセス900の例示的な実施形態である、例示的なプロセス1000を示すフローチャートである。一実施例では、プロセス1000は、図1~9を参照して記載される。プロセス1300は、制御装置156によって制御されてもよい。
【0117】
ブロック1008では、加熱装置176は、送達容器102の上部190を加熱することによって、温度勾配324を維持するために、制御装置156によって制御されてもよい。ブロック1010では、制御装置156は、送達容器102の下部192を冷却することによって、温度勾配324を維持してもよい。ブロック1012では、サーマルブレイク109が、送達容器102の上面113と底面196との間に提供されてもよい。ブロック1302で、固化化学物質114の表面526に対応する第一の温度及び/又は第一の閾値温度範囲は、メモリ168に保存されてもよい。ブロック1304で、第二の温度が、固化化学物質114の表面526上で検出されてもよい。検出は、センサ210、306、308、及び/又は310又はこれに類するものによって、実行されてもよい。センサ210、306、308、及び/又は310又はこれに類するものからの温度データが、表面526の温度が識別された温度範囲(例えば、第一の閾値温度範囲)外にあることを示す場合、制御装置156は、ブロック1306で動作してもよく、制御装置156は、冷却装置186をより低い温度に調整して、表面526の温度を下げて、表面526の温度上昇に失速した可能性のある、化学物質114の凝縮を再開してもよい。
【0118】
数多くの変形が可能であるため、本明細書に記載の構成、及び/又は手法は本質的に例示的であること、並びにこれらの特定の実施形態又は実施例は、限定的な意味で考慮されるべきではないことが、理解されるべきである。本明細書に記載の特定のルーチン又は方法は、任意の数の処理方策のうちの1つ以上を、代表してもよい。それ故に、例示された様々な動作は、例示される順序で実施されてもよく、他の順序で実施されてもよく、又は一部の事例では省略されてもよい。
【0119】
本明細書で提供される見出しがある場合、見出しは便宜上のものにすぎず、必ずしも本明細書で開示される装置及び方法の範囲又は意味に影響を与えない。
【符号の説明】
【0120】
100 基材処理システム
102 送達容器
104 遠隔再充填容器
109、726 サーマルブレイク
110 基材処理プラットフォーム
111、204 基部
114 化学物質
156 制御装置
174、176 加熱装置
180、220 内部容積
186、188 冷却装置
210、306、308、310 温度センサ
202、224 長手方向軸
324、510、710 温度勾配
406 熱伝導性冷却部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】