知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173788
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】シート処理装置、及び、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 41/00 20060101AFI20241205BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20241205BHJP
B29C 63/02 20060101ALI20241205BHJP
【ＦＩ】
B65H41/00 B
B65H29/58 A
B29C63/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2024087440
(22)【出願日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2023089495
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】久野 悟志
(72)【発明者】
【氏名】赤石 良介
(72)【発明者】
【氏名】木戸浦 康宣
(72)【発明者】
【氏名】堀田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直広
【テーマコード（参考）】
3F053
3F108
4F211
【Ｆターム（参考）】
3F053EC02
3F053LA16
3F053LB08
3F108JA02
4F211AD06
4F211AG01
4F211AG03
4F211AH33
4F211AP06
4F211SA08
4F211SC07
4F211SD01
4F211SD11
4F211SH16
4F211SJ11
4F211SP04
(57)【要約】
【課題】分岐搬送経路において重合シートを構成する２枚のシートを良好に分岐剥離する。
【解決手段】剥離した状態の２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち一方のシートＳ１を第１分岐搬送経路Ｋ１に搬送して他方のシートＳ２を第１分岐搬送経路Ｋ１とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送するシート剥離部１が設けられている。また、第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路Ｋ２に、接離可能な分岐路搬送ローラ対７１（搬送ローラ対）が設けられている。そして、分岐路搬送ローラ対７１は、第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送された第２シートＳ２の搬送方向先端部が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して第２シートＳ２を挟持・搬送する。
【選択図】図３２
【解決手段】剥離した状態の２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち一方のシートＳ１を第１分岐搬送経路Ｋ１に搬送して他方のシートＳ２を第１分岐搬送経路Ｋ１とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送するシート剥離部１が設けられている。また、第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路Ｋ２に、接離可能な分岐路搬送ローラ対７１（搬送ローラ対）が設けられている。そして、分岐路搬送ローラ対７１は、第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送された第２シートＳ２の搬送方向先端部が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して第２シートＳ２を挟持・搬送する。
【選択図】図３２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
２枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記２枚のシートのうち一方のシートを第１分岐搬送経路に搬送して他方のシートを前記第１分岐搬送経路とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路に搬送するシート剥離部と、
前記第１分岐搬送経路と前記第２分岐搬送経路とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路に設置された接離可能な搬送ローラ対と、
を備え、
前記搬送ローラ対は、前記分岐搬送経路に搬送されたシートの搬送方向先端部が前記搬送ローラ対の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して当該シートを挟持・搬送することを特徴とするシート処理装置。
前記第１分岐搬送経路と前記第２分岐搬送経路とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路に設置された接離可能な搬送ローラ対と、
を備え、
前記搬送ローラ対は、前記分岐搬送経路に搬送されたシートの搬送方向先端部が前記搬送ローラ対の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して当該シートを挟持・搬送することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
幅方向に移動して前記２枚のシートの間に入り込んで前記剥離処理をおこなう剥離部材を備え、
前記搬送ローラ対は、前記剥離部材の幅方向の移動に連動して接離することを特徴とする請求項１に記載のシート処理装置。
前記搬送ローラ対は、前記剥離部材の幅方向の移動に連動して接離することを特徴とする請求項１に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記剥離部材は、前記分岐搬送経路に搬送されるシートを案内する分岐ガイド面が形成され、
前記搬送ローラ対は、固定ローラと、接離機構によって前記固定ローラに対して接離する可動ローラと、からなり、
前記可動ローラは、前記剥離部材において接離方向に移動可能に保持されたことを特徴とする請求項２に記載のシート処理装置。
前記搬送ローラ対は、固定ローラと、接離機構によって前記固定ローラに対して接離する可動ローラと、からなり、
前記可動ローラは、前記剥離部材において接離方向に移動可能に保持されたことを特徴とする請求項２に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記分岐ガイド面は、凹状に湾曲することを特徴とする請求項３に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記可動ローラは、前記離間状態であるとき、前記分岐ガイド面から前記固定ローラの側に突出しない位置まで離間することを特徴とする請求項３又は請求項４に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記可動ローラは、前記２枚のシートのうち前記分岐搬送経路に搬送される一方のシートにおいて他方のシートに対向する内面に対向可能に配置され、
前記固定ローラは、前記一方のシートにおいて前記他方のシートに対向しない外面に対向可能に配置されたことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載のシート処理装置。
前記固定ローラは、前記一方のシートにおいて前記他方のシートに対向しない外面に対向可能に配置されたことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記固定ローラは、駆動機構によって回転駆動される駆動ローラであって、
前記可動ローラは、前記駆動ローラに接触した状態で従動回転する従動ローラであることを特徴とする請求項３又は請求項４に記載のシート処理装置。
前記可動ローラは、前記駆動ローラに接触した状態で従動回転する従動ローラであることを特徴とする請求項３又は請求項４に記載のシート処理装置。
【請求項8】
前記シート剥離部は、剥離した状態の前記２枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理をおこなうことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のシート処理装置。
【請求項9】
前記シート剥離部によって前記２枚のシートの間に前記中シートが挿入された状態の前記重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理部を備えたことを特徴とする請求項８に記載のシート処理装置。
【請求項10】
請求項１又は請求項２に記載のシート処理装置と、シートに画像を形成する画像形成装置と、を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、２枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートを剥離するシート処理装置と、それを備えた画像形成システムと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、２枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートを剥離して、その剥離した２枚のシートの間に中シートを挿入するシート処理装置（シート剥離装置）が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
詳しくは、特許文献１におけるシート処理装置は、１辺が接合されたラミネートシート（重合シート）における２枚のシートをある程度剥離してから、一方のシートを第１分岐搬送経路に搬送（分岐搬送）して、他方のシートを第２分岐搬送経路に搬送（分岐搬送）することで、２枚のシートを大きく剥離している。そして、そのようにして大きく剥離した状態の２枚のシートの間に中シートを挿入している。
詳しくは、特許文献１におけるシート処理装置は、１辺が接合されたラミネートシート（重合シート）における２枚のシートをある程度剥離してから、一方のシートを第１分岐搬送経路に搬送（分岐搬送）して、他方のシートを第２分岐搬送経路に搬送（分岐搬送）することで、２枚のシートを大きく剥離している。そして、そのようにして大きく剥離した状態の２枚のシートの間に中シートを挿入している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のシート処理装置は、重合シートを分岐剥離するときに、第１分岐搬送経路や第２分岐搬送経路でシートが引っ掛ってしまう不具合（搬送不良）が生じないように、分岐搬送経路を形成する一対の分岐ガイド板の間隔（ガイド板間距離）を大きく設定している。しかし、そのような場合、分岐搬送経路におけるシート搬送性の低下を防ぐため、分岐搬送経路に搬送ローラ対を設置すると、その搬送ローラ対のニップにシートがスムーズに送入されずに、シートが引っ掛ってしまう不具合（搬送不良）が生じてしまっていた。そして、そのような搬送不良が生じてしまうと、重合シートを充分に剥離することができずに、中シートの挿入も良好におこなうことができなかった。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、分岐搬送経路において重合シートを構成する２枚のシートを良好に分岐剥離することができる、シート処理装置、及び、画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明におけるシート処理装置は、２枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記２枚のシートのうち一方のシートを第１分岐搬送経路に搬送して他方のシートを前記第１分岐搬送経路とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路に搬送するシート剥離部と、前記第１分岐搬送経路と前記第２分岐搬送経路とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路に設置された接離可能な搬送ローラ対と、を備え、前記搬送ローラ対は、前記分岐搬送経路に搬送されたシートの搬送方向先端部が前記搬送ローラ対の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して当該シートを挟持・搬送するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、分岐搬送経路において重合シートを構成する２枚のシートを良好に分岐剥離することができる、シート処理装置、及び、画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態におけるシート処理装置を示す全体構成図である。
【図2】シート処理装置のシート剥離部の動作を示す図である。
【図18】剥離部材を示す図である。
【図19】剥離部材の駆動機構を示す図である。
【図20】剥離部材の動作を示す斜視図である。
【図23】２つ分岐搬送経路の種々の形態を示す図である。
【図24】ラミネート処理部を備えたシート処理装置（ラミネート処理装置）を示す全体構成図である。
【図25】シート処理装置（ラミネート処理装置）を備えた画像形成システムを示す全体構成図である。
【図26】別形態１としての、画像形成システムを示す全体構成図である。
【図27】別形態２としての、画像形成システムを示す全体構成図である。
【図28】別形態３としての、画像形成システムを示す全体構成図である。
【図29】別形態としてのラミネート処理装置を示す全体構成図である。
【図30】ラミネート処理装置の動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図である。
【図31】シート処理装置でおこなわれる制御の一例を示すフローチャートである。
【図32】分岐搬送経路に設置された分岐路搬送ローラ対の動作を示す図である。
【図33】分岐路搬送ローラ対を接離する接離機構の動作を示す図である。
【図35】比較例としての、分岐搬送経路における重合シートの挙動の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0009】
図１は、本発明における実施の形態に係るシート処理装置の全体構成図である。本実施の形態のシート処理装置１００は、２枚のシートＳ１、Ｓ２（図３３等参照）を重ね合わせてなる２枚重ねシート（以下、重合シートＳという）を互いに剥離して、その剥離した重合シートＳ内にシート状媒体（以下、中シートＰという）を挿入して挟持させるものである。
【0010】
ここで、重合シートＳとは、２枚のシートＳ１、Ｓ２が重ねられ、その一部（又は一辺）が接合された２枚重ねシートである。すなわち、重合シートＳは、２枚のシートが重ね合わされて接合部ｒで接合されたものである。重合シートＳ（２枚重ねシート）としては、例えば、片側を透明ポリエステルシートなどの透過性シートとし、反対側を透明又は不透明シートとして、それらの一辺で接合したものがある。また、重合シートＳ（２枚重ねシート）には、ラミネートフィルムも含まれる。
【0011】
中シートＰ（中シート）は、それら重合シートＳ（２枚重ねシート）を構成する２枚のシートＳ１、Ｓ２の間に挿入されるシート状媒体である。中シートＰとしては、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙（コート紙やアート紙など）、トレーシングペーパ、ＯＨＰシートなどが含まれる。
【0012】
図１に示すように、シート処理装置１００は、重合シートＳを積載する第１積載手段であるシートトレイ１０２と、シートトレイ１０２から重合シートＳを給送するピックアップローラ１０５と、搬送ローラ対１０７とを備える。またシート処理装置１００は、中シートＰを積載する第２積載手段である給紙トレイ１０３と、給紙トレイ１０３から中シートＰを給送するピックアップローラ１０６とを備える。
【0013】
シートトレイ１０２には、重合シートＳのサイズ（搬送方向長さ）を検出するシートサイズ検出手段であるサイズセンサＣ６が設けられ、給紙トレイ１０３には、中シートＰのサイズ（搬送方向長さ）を検出する媒体サイズ検出手段であるサイズセンサＣ７が設けられている。
【0014】
これらサイズセンサＣ６及びサイズセンサＣ７はそれぞれ、搬送方向に並んで配置された複数のセンサを備える。積載される重合シートＳ（又は中シートＰ）のサイズによってセンサの検出結果が変わるため、重合シートＳ（又は中シートＰ）の搬送方向長さを検出できる。
【0015】
搬送ローラ対１０７の搬送方向下流には、重合シートＳの搬送位置を検出する搬送センサＣ１が設けられ、ピックアップローラ１０６の搬送方向下流には、中シートＰの搬送位置を検出する搬送センサＣ２が設けられている。
【0016】
なお、これら搬送センサＣ１、Ｃ２を用いて、重合シートＳ（又は中シートＰ）の搬送方向長さを検出してもよい。
【0017】
また、シート処理装置１００は、搬送ローラ対１０７及びピックアップローラ１０６の下流に、第１搬送手段である入口ローラ対１０８と、回転部材としての巻付けローラ１０９と、第２搬送手段である出口ローラ対１１３と、排紙トレイ１０４などを備える。巻付けローラ１０９と出口ローラ対１１３の間に、重合シートＳの幅方向に移動可能な２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを備える。
【0018】
入口ローラ対１０８の搬送方向下流には、重合シートＳ及び中シートＰの搬送位置を検出する搬送センサＣ３が設けられ、巻付けローラ１０９の搬送方向下流には、重合シートＳの状態を検出する異常状態検出センサＣ４が設けられている。そして、出口ローラ対１１３の搬送方向下流には、重合シートＳの搬送位置を検出する搬送センサＣ５が設けられている。
【0019】
なお、ピックアップローラ１０５、搬送ローラ対１０７、入口ローラ対１０８、及び巻付けローラ１０９は、第１給送手段の一例であり、ピックアップローラ１０６、入口ローラ対１０８、及び、巻付けローラ１０９は第２給送手段の一例である。
【0020】
シート処理装置１００の外装部には、シート処理装置１００における情報表示や、操作入力の受付を行う表示操作手段である操作パネル１０が設置されている。また、この操作パネル１０は、ユーザに知覚信号を発する報知手段としての役割を兼ねる。なお、代替として、操作パネル１０以外の報知手段を、シート処理装置１００に別途設ける構成としてもよい。
【0021】
本実施の形態のシート処理装置１００は、重合シートＳと中シートＰを別々のトレイに積載し、重合シートＳを搬送しながら、２枚のシートＳ１、Ｓ２に剥離・開口し、その開口内に中シートＰを挿入する。そして、中シートＰが挿入された重合シートＳを、排紙トレイ１０４に排出・積載する。
【0022】
図２は、図１に示したシート処理装置１００の主要部分（シート剥離部１）を示す構成図である。図２に示すように、入口ローラ対１０８及び出口ローラ対１１３は、それぞれ、例えば、対となった２つのローラであり、駆動手段としての、入口ローラ対モータ１０８ａ（図３０参照）、及び、出口ローラ対モータ１１３ａ（図３０参照）により回転駆動される。入口ローラ対１０８は一方向に回転駆動され、出口ローラ対１１３は正逆方向に回転駆動されることで、重合シートＳ及び中シートＰを挟持して搬送する。
【0023】
入口ローラ対１０８は、重合シートＳ及び中シートＰを出口ローラ対１１３に向けて搬送する。この搬送方向を正搬送方向（図２の矢印Ａ方向）と呼ぶ。
【0024】
一方、出口ローラ対１１３は、その回転を正逆の両方向に切り替え可能である。挟持した重合シートＳを正搬送方向である排紙トレイ１０４（図１参照）に向けて搬送できるとともに、その逆方向（引き戻す方向）となる巻付けローラ１０９に向けて重合シートＳを搬送することもできる。この巻付けローラ１０９に向けて搬送する方向（正搬送方向に対し、逆方向）を、逆搬送方向（矢印Ｂ方向）と呼ぶ。
【0025】
また、シート処理装置１００は、これら入口ローラ対１０８と出口ローラ対１１３との間に、シート剥離部１を備えている。シート剥離部１は、回転部材である巻付けローラ１０９と、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂと、を備える。巻付けローラ１０９は、巻付けローラモータ１０９ａ（図３０参照）により正逆方向に回転駆動され、その回転を両方向（時計回り／反時計回り）に切り替え可能である。
【0026】
巻付けローラ１０９は、ローラ部材１１１と、ローラ部材１１１に設けられ、重合シートＳを把持する可動の把持手段１１０とを有する。把持手段１１０は、把持手段モータ１１０ａ（図３０参照）によりローラ部材１１１に対して回動可能に構成されている。そして、可動の把持手段１１０は、ローラ部材１１１との間で重合シートＳの先端を把持することを特徴とする。以上では把持手段１１０は、ローラ部材１１１とは別部品で構成される場合について説明したが、把持手段１１０は、ローラ部材１１１の外周に一体的に成形してもよい。
【0027】
続いて、図１～図１７を用いて、シート処理装置１００の一連の動作、すなわち重合シートＳの剥離から中シートＰの挿入までの動作を説明する。なお、図３～図１７において、図１、２と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
図１において、シートトレイ１０２上の重合シートＳは、２枚のシートの接合された一部が、ピックアップローラ１０５の給送方向（搬送方向）の下流側に位置するように積載される。そして、シート処理装置１００は、シートトレイ１０２上の重合シートＳをピックアップローラ１０５にてピックし、搬送ローラ対１０７により入口ローラ対１０８に向けて搬送する。
【0029】
次いで、図２に示すように、入口ローラ対１０８により、重合シートＳを巻付けローラ１０９に向けて搬送する。ここで、シート処理装置１００は、重合シートＳの４辺中の一辺である端部が接合された側（接合部ｒ）を正搬送方向（図２の矢印Ａ方向）の下流側として搬送する。
【0030】
続いて図３に示すように、シート処理装置１００は、正搬送方向における重合シートＳの後端部が巻付けローラ１０９を通過した時点で、その搬送を一時停止する。なお、これら動作は、搬送センサＣ３による重合シートＳの先端検出をトリガとし、搬送センサＣ３から指定量搬送することで実施される。
【0031】
次に、図４に示すように、シート処理装置１００は、把持手段１１０を開口するとともに、出口ローラ対１１３の回転方向を反転し、把持手段１１０の開口部に向けて、重合シートＳを逆搬送方向（矢印Ｂ方向）に搬送する。
【0032】
続いて、図５に示すように、シート処理装置１００は、重合シートＳの端部を開口した把持手段１１０に挿入した時点で搬送を停止し、把持手段１１０を閉じて重合シートＳの端部を把持する。なお、これら動作は、重合シートＳを指定量搬送することで実施される。
【0033】
次いで、図６に示すように、シート処理装置１００は巻付けローラ１０９を反時計回りに回転し、重合シートＳを巻付けローラ１０９に巻き付ける。ここで重合シートＳは、２枚のシートの接合されていない側（非接合部側）から巻付けローラ１０９に巻き付けられる。
【0034】
図７に示すように、重合シートＳを巻付けローラ１０９に巻き付けると、２枚重ねシートの巻き付け周長差（巻き付け量の差）によって内周側のシートが余り、重合シートＳの接合した端に向けて弛みが生じる。その結果、２枚のシート間に空間ｇ（たるみ空間）が生じる。この生じた空間ｇに２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳの両側から挿入することで、２枚のシート間の空間ｇを確実に維持することができる。なお、これら動作は、搬送センサＣ５による重合シートＳの先端検出をトリガとし、搬送センサＣ５から指定量搬送することで実施される。
【0035】
ここで、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂについて補足説明する。
【0036】
図１８はシート処理装置１００が備える２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂのうち片方の剥離部材１１６ａの模式図であり、図１９は２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを接近／離間するための駆動機構の例を示す模式図である。また、図２０は２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳに挿入した状態を示す斜視図である。
【0037】
図１８に示すように、剥離部材１１６ａは、搬送方向上流側から見て、高さ方向の寸法が幅方向中央から後端に向けて徐々に大きくなっている。また、高さ方向から見て、搬送方向の寸法は、先端から中央に向けて徐々に大きくなっている。そして、剥離部材１１６ａの幅方向から見て、剥離部材１１６ａは、十字型の形状となっている。剥離部材１１６ａは、この十字型の形状により、剥離した重合シートＳをそれぞれ異なる方向へと案内する分岐部材としての機能をも備える。
【0038】
また、図１９に示すように、本実施の形態では、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを互いに対向させて配置し、それぞれを（ａ）ベルト駆動機構１１６０Ａによるベルト駆動、又は、（ｂ）ラック＆ピニオン機構１１６０Ｂによるラック＆ピニオンなどにより接近／離間する構成としている。
【0039】
具体的に、（ａ）ベルト駆動機構１１６０Ａでは、駆動プーリ３０ａと従動プーリ３０ｂの間にベルト３２が張架され、そのベルト３２に２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂが互いに対向して取り付けられている。ここで、一方の剥離部材１１６ａは下側のベルト３２に、他方の剥離部材１１６ｂは上側のベルト３２にそれぞれ接続されている。
【0040】
また、駆動プーリ３０ａには駆動伝達ギヤ３４が設けられており、この駆動伝達ギヤ３４に、剥離部材モータ３６の回転出力がモータ出力ギヤ３５を介して伝達される。すなわち、剥離部材モータ３６の回転出力は、ベルト３２に伝達される。
【0041】
したがって、剥離部材モータ３６を（図正面から見て）時計回りに回転すれば、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを互いに接近でき、剥離部材モータ３６を反時計回りに回転すれば、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを互いに離間できる。
【0042】
また、（ｂ）ラック＆ピニオン機構１１６０Ｂでは、１つのピニオン４０に噛み合う２つのラック４２ａ、４２ｂが互いに反対方向に伸びて設けられ、それぞれのラック４２ａ、４２ｂに２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂが互いに対向して取り付けられている。ピニオン４０には駆動伝達ギヤ４４が設けられており、この駆動伝達ギヤ４４に、剥離部材モータ４６の回転出力がモータ出力ギヤ４５を介して伝達される。すなわち、剥離部材モータ４６の回転出力は、ラック４２ａ、４２ｂにそれぞれ伝達される。
【0043】
したがって、剥離部材モータ４６を（図正面から見て）時計回りに回転すれば、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを互いに接近でき、剥離部材モータ４６を反時計回りに回転すれば、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを互いに離間できる。
【0044】
このように本実施の形態の２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、各々が上記形状を有し、重合シートＳの幅方向に移動可能な構成であるため、図２０に示すように重合シートＳに生じた空間ｇにスムーズに挿入できる。
【0045】
シート処理装置１００の一連の動作説明に戻る。シート処理装置１００は、重合シートＳに生じた空間ｇに２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを挿入した状態で（図７参照）、巻付けローラ１０９を時計回りに回転し、図８に示すように、重合シートＳの剥離した空間ｇを重合シートＳの正搬送方向（図２の矢印Ａ方向）における後端部まで移動させる。そして、指定量移動した時点で把持手段１１０を開放し、重合シートＳの後端を上下に分離した状態とする。
【0046】
この状態で、シート処理装置１００は重合シートＳの搬送を一時停止し、今度は２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳのシート幅方向へ更に移動することで、重合シートＳの後端の全域を剥離する。なお、これら動作は、搬送センサＣ５による重合シートＳの先端検出をトリガとし、搬送センサＣ５から指定量搬送することで実施される。
【0047】
図２１は、図８における、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂと重合シートＳの状態を示す斜視図である。２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、剥離した重合シートＳをそれぞれ異なる方向へと案内する分岐部材としての機能も有するため（図１８の十字型の形状参照）、重合シートＳの２枚のシートは、それぞれ別の経路に搬送可能な姿勢となる。
なお、本実施の形態において、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、後で図３２等を用いて説明するように、第２分岐搬送経路Ｋ２における分岐ガイド板としても機能することになる。
なお、本実施の形態において、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、後で図３２等を用いて説明するように、第２分岐搬送経路Ｋ２における分岐ガイド板としても機能することになる。
【0048】
また、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、重合シートＳの幅方向に移動可能な構成（図１９参照）であるため、図２２に示すように、重合シートＳの姿勢を支えるのに適した位置に配置できる。したがって、重合シートＳのサイズや腰の強さが変わっても、重合シートＳを所望の分岐方向へ案内できる。これは、搬送路幅全域に亘るシートを分岐するために、分岐部材、及びその分岐部材の駆動装置を別途設けることが不要になるため、従来と比較して低コストにできる。
【0049】
続いて図９に示すように、シート処理装置１００は、重合シートＳの後端の全域を剥離した状態から、今度は出口ローラ対１１３を反時計回りに回転し、重合シートＳを逆搬送方向（矢印Ｂ方向）に搬送する。すなわち、重合シートＳの剥離された２枚のシートは、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂによりそれぞれ上下方向（２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２）に案内され、２枚のシート全体が互いに剥離される。
なお、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２における特徴的な構成・動作については、後で図３２～図３４を用いて詳述する。
なお、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２における特徴的な構成・動作については、後で図３２～図３４を用いて詳述する。
【0050】
そして、シート処理装置１００は重合シートＳの搬送を一時停止し、重合シートＳの接合部ｒを出口ローラ対１１３にて把持（ニップ）した状態とする。したがって、重合シートＳは接合された一辺である接合部ｒを端として、大きく開口することになる。
【0051】
なお、これら動作は、搬送センサＣ５による重合シートＳの先端検出をトリガとし、搬送センサＣ５から指定量搬送することで実施される。
【0052】
次いで、剥離した重合シートＳに中シートＰを挿入する動作について説明する。
【0053】
本実施の形態のシート処理装置１００は、重合シートＳのサイズ（搬送方向長さ）と、中シートＰのサイズ（搬送方向長さ）によって、重合シートＳ内に中シートＰを１枚から複数枚挿入できる。まず、重合シートＳに中シートＰを１枚挿入する単数挿入モードを図１０～図１２を用いて説明し、その次に、重合シートＳに中シートＰを搬送方向に沿って複数枚挿入する複数挿入モードを図１３～図１６を用いて説明する。
【0054】
（単数挿入モード）
図１０に示すように、シート処理装置１００は、入口ローラ対１０８を回転し、給紙トレイ１０３（図１参照）から搬送された中シートＰを出口ローラ対１１３に向けて正搬送方向（図１０の矢印Ａ方向）に搬送する。
図１０に示すように、シート処理装置１００は、入口ローラ対１０８を回転し、給紙トレイ１０３（図１参照）から搬送された中シートＰを出口ローラ対１１３に向けて正搬送方向（図１０の矢印Ａ方向）に搬送する。
【0055】
続いて、図１１に示すように、シート処理装置１００は、出口ローラ対１１３を回転して重合シートＳと中シートＰを合流させ、開口した重合シートＳ内に中シートＰを挿入する。
【0056】
次いで、図１２に示すように、シート処理装置１００は、出口ローラ対１１３により、中シートＰが挿入された重合シートＳを正搬送方向（図１２の矢印Ａ方向）に搬送することで、重合シートＳの２枚のシートを再度重ね、開口を閉じる。そして、中シートＰが挟み込まれた重合シートＳを、出口ローラ対１１３、又はそれ以降に配置された排出ローラ対１２１（図２４参照）により、排紙トレイ１０４に排出・積載する（図１参照）。
【0057】
（複数挿入モード）
続いて、複数挿入モードを説明する。複数挿入モードとは、１枚の重合シートＳのシート搬送方向において、複数枚の中シートＰ（以下の実施の形態では２枚）を挿入可能なモードである。
続いて、複数挿入モードを説明する。複数挿入モードとは、１枚の重合シートＳのシート搬送方向において、複数枚の中シートＰ（以下の実施の形態では２枚）を挿入可能なモードである。
【0058】
図１３に示すように、シート処理装置１００は、入口ローラ対１０８を回転し、給紙トレイ１０３（図１参照）から搬送された１枚目の中シート（以下、第１中シートＰ１と呼ぶ）を出口ローラ対１１３に向けて正搬送方向（図２の矢印Ａ方向）に搬送する。
【0059】
次いで、図１４に示すように、シート処理装置１００は、出口ローラ対１１３を回転して重合シートＳと第１中シートＰ１を合流させ、開口した重合シートＳ内に第１中シートＰ１を挿入する。このとき、給紙トレイ１０３（図１参照）から搬送された２枚目の中シート（以下、第２中シートＰ２と呼ぶ）を出口ローラ対１１３に向けて正搬送方向（図２の矢印Ａ方向）に搬送する。
【0060】
次いで、図１５に示すように、シート処理装置１００は、入口ローラ対１０８を回転して重合シートＳと第２中シートＰ２を合流させ、開口した重合シートＳ内に第２中シートＰ２を更に挿入する。
【0061】
そして、図１６に示すように、シート処理装置１００は、出口ローラ対１１３により、第１中シートＰ１及び第２中シートＰ２が挿入された重合シートＳを正搬送方向（図２の矢印Ａ方向）に搬送することで、重合シートＳの２枚のシートを再度重ね、開口を閉じる。
【0062】
なお、中シートＰが３枚以上であっても、上述の動作を繰り返すことにより重合シートＳに３枚の中シートＰを挟み込むことができる。
【0063】
代替例として、シート処理装置１００が重合シートＳを加熱及び加圧可能なラミネート処理部５０（図２４の複数の熱定着ローラ対１２０参照）を備える場合、図１７に示すように、分岐部材１１８にて経路を切り替えて、前記ラミネート装置５０へ搬送してもよい。これは複数挿入モードだけでなく、単数挿入モードも同様である。
【0064】
このように、本実施の形態のシート処理装置１００は、重合シートＳへの中シートＰの挿入処理を制御することができる。
【0065】
続いて、シート処理装置１００が、重合シートＳ及び中シートＰのサイズ（搬送方向長さ）と、挟み込む中シートＰの枚数を取得する構成について説明する。
【0066】
先の図１に示したように、本実施の形態のシート処理装置１００は、シートサイズ検出手段であるサイズセンサＣ６、及び、媒体サイズ検出手段であるサイズセンサＣ７を備える。これらセンサの検出結果からシート処理装置１００は、中シートＰの搬送方向長さが閾値以下である場合、複数挿入モードに自動で切り替えて挿入処理を行う。一方、中シートＰの搬送方向長さが閾値以上である場合、単数挿入モードに自動で切り替えて挿入処理を行う。
【0067】
特に、中シートＰの搬送方向長さが、重合シートＳの搬送方向長さの半分以下である場合、複数挿入モードに自動で切り替えて、挿入処理を行うとしてもよい。また、複数挿入モードの場合、重合シートＳに挟み込む中シートＰの枚数は、重合シートＳのサイズと中シートＰのサイズの商から算出される。
【0068】
なお、上記サイズセンサＣ６及びサイズセンサＣ７に替えて、又は加えて、搬送センサＣ１、Ｃ２を用いてもよい。
【0069】
このように、本実施の形態のシート処理装置１００は、重合シートＳ及び中シートＰのサイズに応じて、自動的に挿入処理を制御できる。
【0070】
さらに、本実施の形態のシート処理装置１００は、図１で示したように、重合シートＳと中シートＰを別々のトレイに積載し、それぞれ別々に搬送できる。このため、重合シートＳと中シートＰを予め決められた順番に積載する必要がなく、利便性を向上できる。なお、本実施の形態では、トレイ１０２に重合シートＳを積載し、トレイ１０３に中シートＰを積載するようにしたが、これに限定されない。トレイ１０２に中シートＰを積載し、トレイ１０３に重合シートＳを積載してもよい。
【0071】
（分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２の形態）
図２３は、重合シートＳにおいて剥離した２枚のシートの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２（主搬送経路Ｋ０から上下にそれぞれ分岐する２つの案内経路である。）についての種々の形態を示すものである。図２３（ａ）は、既に図９で示したように、剥離された２枚のシートを重合シートＳの接合部ｒから、共に搬送方向と逆方向（図２３（ａ）の矢印Ｂ方向）に延びる第１、第２分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２に案内する場合を示している。これ以外にも、図２３（ｂ）に示すように、剥離された２枚のシートを重合シートＳの接合部ｒから、上側のシートは、搬送方向（図２３（ｂ）の矢印Ａ方向）に延びる第１分岐搬送経路Ｋ１に案内し、下側のシートは、搬送方向と逆方向に延びる第２分岐搬送経路Ｋ２に案内するようにしてもよい。更に、図２３（ｃ）に示すように、上側のシートは、搬送方向と逆方向に延びる第１分岐搬送経路Ｋ１に案内し、下側のシートは、搬送方向に延びる第２分岐搬送経路Ｋ２に案内するようにしてもよい。なお、図９（ａ）に示すように、剥離された２枚のシートは、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂで分岐された後、共に搬送方向と逆方向に案内されているが、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂで分岐された後、剥離された２枚のシートを共に搬送方向と同じ方向に案内するようにしてもよい。
図２３は、重合シートＳにおいて剥離した２枚のシートの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２（主搬送経路Ｋ０から上下にそれぞれ分岐する２つの案内経路である。）についての種々の形態を示すものである。図２３（ａ）は、既に図９で示したように、剥離された２枚のシートを重合シートＳの接合部ｒから、共に搬送方向と逆方向（図２３（ａ）の矢印Ｂ方向）に延びる第１、第２分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２に案内する場合を示している。これ以外にも、図２３（ｂ）に示すように、剥離された２枚のシートを重合シートＳの接合部ｒから、上側のシートは、搬送方向（図２３（ｂ）の矢印Ａ方向）に延びる第１分岐搬送経路Ｋ１に案内し、下側のシートは、搬送方向と逆方向に延びる第２分岐搬送経路Ｋ２に案内するようにしてもよい。更に、図２３（ｃ）に示すように、上側のシートは、搬送方向と逆方向に延びる第１分岐搬送経路Ｋ１に案内し、下側のシートは、搬送方向に延びる第２分岐搬送経路Ｋ２に案内するようにしてもよい。なお、図９（ａ）に示すように、剥離された２枚のシートは、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂで分岐された後、共に搬送方向と逆方向に案内されているが、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂで分岐された後、剥離された２枚のシートを共に搬送方向と同じ方向に案内するようにしてもよい。
【0072】
続いて、本発明に係るシート処理装置を備えるラミネート処理装置、及び、画像形成システムについて説明する。
【0073】
図２４は、本発明に係るシート処理装置であって、ラミネート処理部５０を備えたラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。ラミネート処理装置２００は、先に説明したシート処理装置１００と、重合シートＳの搬送経路を切り替える分岐部材１１８と、重合シートＳを加熱及び加圧可能なラミネート処理部５０（複数の熱定着ローラ対１２０が設置されている。）と、ラミネート処理部５０の下流に設けられた排出ローラ対１２１とを備える。
なお、ラミネート装置２００は、例えば図２７及び図２８に示すラミネート処理装置２００ｂのように、単数の熱定着ローラ対１２０を備える構成であってもよい。
なお、ラミネート装置２００は、例えば図２７及び図２８に示すラミネート処理装置２００ｂのように、単数の熱定着ローラ対１２０を備える構成であってもよい。
【0074】
このラミネート処理装置２００は、重合シートＳの給紙、剥離、中シートＰの挿入、及び熱加圧によるラミネート処理までの一連の動作を１台で実施できる構成である。この一連の動作を、人手を要さずに自動で実施でき、従来技術よりも利便性を向上できる。
【0075】
図２５は、本発明に係るシート処理装置（ラミネート処理装置）と、画像形成装置を備えた画像形成システムの一例を示す全体構成図である。この画像形成システム３００１は、画像形成装置３００の胴内排紙部に、シート処理装置としてのラミネート処理装置２００ａを備える。
【0076】
ここで、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳ又は中シートＰを積載するシートトレイ１０２を備えるとともに、重合シートＳ及び／又は中シートＰを画像形成装置３００から給紙可能な構成である。したがって、画像形成装置３００（例えば、プリンタ、コピー機など）により、重合シートＳ又は中シートＰに画像をインラインで形成することができる。
【0077】
画像形成装置３００の構成を具体的に説明する。図２５に示すように、画像形成装置３００内には、中間転写装置１５０が設けられている。中間転写装置１５０は、複数のローラに掛けまわしてエンドレスの中間転写ベルト１５２をほぼ水平に張り渡し、反時計まわりに走行する。
【0078】
中間転写装置１５０の下には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像装置１５４ｃ、１５４ｍ、１５４ｙ、１５４ｋが、中間転写ベルト１５２の張り渡し方向に沿って四連タンデム式に並べて設けられている。各作像装置１５４は、図中時計まわりに回転するドラム状の像担持体のまわりに帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などを設置して構成される。各作像装置１５４の下には、露光装置１５６が設けられている。
【0079】
露光装置１５６の下には、給紙装置１５８が設けられている。給紙装置１５８は、重合シートＳを収納する第１給紙カセット１６０と、中シートＰを収納する第２給紙カセット１６２とを備える。なお、第１給紙カセット１６０は、２枚重ねシートを積載する第３積載手段の一例であり、第２給紙カセット１６２は、シート状媒体を積載する第４積載手段の一例である。
【0080】
第１給紙カセット１６０の右上には、第１給紙カセット１６０内の重合シートＳを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路１６４に入れる第１給紙コロ１６６が設けられている。また、第２給紙カセット１６２の右上には、給紙カセット内の中シートＰを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路１６４に入れる第２給紙コロ１６８が設けられている。
【0081】
用紙搬送路１６４は、画像形成装置３００内の右側に下方から上方に向けて形成され、画像形成装置３００内のラミネート処理装置２００ａへと通ずる。用紙搬送路１６４には、搬送ローラ対１７０、中間転写ベルト１５２に当接する二次転写装置１７４、定着装置１７６、排紙ローラ対よりなる第１排紙装置１７８などが順に設けられている。
【0082】
なお、第１給紙コロ１６６、搬送ローラ対１７０、及び用紙搬送路１６４は、第１給紙カセット１６０（第３積載手段）から２枚重ねシート（重合シートＳ）を給送する第３給送手段の一例である。また、第２給紙コロ１６８、搬送ローラ対１７０、及び用紙搬送路１６４は、第２給紙カセット１６２（第４積載手段）からシート状媒体（中シートＰ）を給送する第４給送手段の一例である。さらに、中間転写装置１５０、及び定着装置１７６などは、シート状媒体（中シートＰ）に画像を形成する画像形成部の一例である。
【0083】
続いて、本実施の形態の画像形成装置３００において、シート状媒体（中シートＰ）に画像形成をした後、ラミネート処理を行う動作について説明する。
【0084】
シート状媒体（中シートＰ）に画像を形成する際、はじめに、画像読取装置１８８で原稿画像を読み取り、露光装置１５６で書き込みを行う。次いで、各作像装置１５４ｃ、１５４ｍ、１５４ｙ、１５４ｋのそれぞれの像担持体上に各色トナー画像を形成し、そのトナー像を一次転写装置１８０ｃ、１８０ｍ、１８０ｙ、１８０ｋで順次転写して中間転写ベルト１５２上にカラー画像を形成する。
【0085】
一方、画像形成装置３００は、第２給紙コロ１６８を回転して中シートＰを繰り出して用紙搬送路１６４に入れる。そして、用紙搬送路１６４を通して搬送ローラ対１７０で搬送してタイミングを取って二次転写装置１７４へと送り込み、上記したように中間転写ベルト１５２上に形成したカラー画像が二次転写装置１７４により中シートＰに転写される。
【0086】
画像転写後の中シートＰは、定着装置１７６で画像定着後、第１排紙装置１７８でラミネート処理装置２００ａに搬送される。
【0087】
また、ラミネート処理装置２００ａは、ピックアップローラ１０５を回転して、トレイ１０２に積載された重合シートＳをシート剥離部１（巻付けローラ１０９、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂ）に給送する。そして、シート剥離部１において、重合シートＳを２枚のシートに剥離し、画像形成装置３００から搬送された中シートＰを、入口ローラ対１０８により搬送することにより、剥離された２枚のシートの間に中シートＰを挿入する。その後、中シートＰが挿入された重合シートＳを出口ローラ対１１３によりラミネート処理部５０（熱定着部）に搬送し、ラミネート処理部５０の複数の熱定着ローラ対１２０により、中シートＰが挿入された重合シートＳを加熱及び加圧（ラミネート処理）する。
【0088】
このようにして、画像が形成された中シートＰと、重合シートＳをラミネート処理装置２００ａに搬送することで、ラミネート処理が行われる。
【0089】
本実施の形態の画像形成システム３００１は、上記した構成であるので、まず画像形成装置３００の第１給紙カセット１６０に積載された重合シートＳを、用紙搬送路１６４を経由してラミネート処理装置２００ａに搬送し、シート剥離部１で重合シートＳを２枚のシートに剥離する。そして、ラミネート処理装置２００ａで重合シートＳの剥離処理が行われている間に、第２給紙カセット１６２に積載された中シートＰを、用紙搬送路１６４、二次転写装置１７４、定着装置１７６、及び第１排紙装置１７８を経由されて、中シートＰに画像を形成した後に、ラミネート処理装置２００ａに搬送する。その後、剥離された２枚のシートの間に画像が形成された中シートＰを挿入してラミネート処理を行うこともできる。
【0090】
次に、本発明に係るシート処理装置と、画像形成装置を備えた画像形成システムの別形態について説明する。
【0091】
図２６は、本発明に係るラミネート処理装置と、画像形成装置を備えた画像形成システムの別形態を示す全体構成図である。この画像形成システム４００１は、画像形成装置４００に第２排紙装置１２２と、排紙トレイ１２３とを備える点で、図２５の画像形成装置３００と異なる。
【0092】
画像形成装置４００は、ラミネート処理を実施しない場合、第２給紙カセット１６２から給送された中シートＰに画像を形成した後、一対の排紙ローラからなる第２排紙装置１２２により画像形成した中シートＰを排紙トレイ１２３にそのまま排出できる。したがって、画像形成装置４００は、ラミネート処理をしない場合、画像形成の出力速度を下げる必要がなく、画像形成装置４００の生産性を維持することが可能となる。
【0093】
なお、画像形成装置４００は、ラミネート処理装置２００ａを、その胴内排紙部に着脱可能に備える構成としてもよい。すなわち、ラミネート処理が不要な際は、ラミネート処理装置２００ａを画像形成装置４００から外すことが可能な構成としてもよい。
【0094】
また、その取り外したラミネート処理装置２００ａに、中シートＰを積載する給紙トレイ１０３と、給紙トレイ１０３から中シートＰを給送するピックアップローラ１０６とを装着し、図２４に示すものと同様なラミネート処理装置２００単体として利用できるようにしてもよい。
【0095】
図２５に示した画像形成システム３００１、及び図２６に示した画像形成システム４００１は、ラミネート処理装置２００ａに代えて、シート処理装置１００を、その胴内排紙部に備える構成としてもよい。また、図２６に示した画像形成システム４００１では、シート処理装置１００を着脱可能な構成としてもよい。
【0096】
【0097】
なお、図２５及び図２６に示す、画像形成装置３００、４００の第１給紙カセット１６０に積載される重合シートＳを定着装置１７６の間を通す場合、その重合シートＳは、定着温度では接着されず、それよりも高温の熱を与えることにより接着されるものである。さらに、画像形成装置３００、４００は、中シートＰに画像を形成する方式として、電子写真方式を用いているがこれに限定されるものでなく、インクジェット方式や孔版印刷方式などの公知の画像形成方式を用いてもよい。
【0098】
図２７、２８は、本発明に係るラミネート処理装置を画像形成装置の外部に備える画像形成システムを示す全体構成図である。なお、図２７、２８において、図２５、２６と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0099】
図２７に示すように、画像形成システム５００１は、画像形成装置５００の外側に縦搬送型のラミネート処理装置２００ｂを備える点で、図２５の画像形成システム３００１、図２６の画像形成システム４００１と異なる。
【0100】
ラミネート処理装置２００ｂは、重合シートＳを積載するシートトレイ１０２を備え、中シートＰが画像形成装置５００から中継搬送装置Ｒを介して給紙可能な構成である。したがって、コピーやプリンタ（画像形成装置５００）による中シートＰへの任意の画像形成処理、重合シートＳの剥離処理、剥離された重合シートＳへの画像形成された中シートＰの挿入処理、及び画像形成された中シートＰが挿入された重合シートＳのラミネート処理の全てを自動的で行うことできる。
【0101】
図２８に示す画像形成システム５００２は、縦搬送型のラミネート処理装置２００ｂの更に下流に別の後処理装置２５０（例えば、大容量排紙装置（スタッカ）、及び／又は製本装置などの後処理装置）が設けられた構成となっている。ユーザの要望に応じて、ラミネート処理を行うジョブと、ラミネート処理をしないジョブを並行して実施でき、作業効率を向上することができる。
【0102】
なお、図２７、２８の画像形成システム５００１、５００２に設置された縦搬送型のラミネート処理装置２００ｂは、図２９に示すように、重合シートＳや中シートＰが搬送される搬送経路（入口ローラ対１０８、巻付けローラ１０９、熱定着ローラ対１２０、搬送ローラ対１３６などが設置されている。）が縦方向に配列されている。また、ラミネート処理装置２００ｂの上方には、画像形成装置５００から送入されたシートＰに対して挿入処理やラミネート処理を施すことなく、そのままラミネート処理装置２００ｂから排出するための横搬送経路（２つの搬送ローラ対１３０、１３２が設置されている。）が設けられている。
なお、図２９に示すラミネート処理装置２００ｂは、画像形成システム５００１、５００２における後処理装置として用いるのではなく、単体（スタンドアローン）のラミネート処理装置として用いることもできる。
なお、図２９に示すラミネート処理装置２００ｂは、画像形成システム５００１、５００２における後処理装置として用いるのではなく、単体（スタンドアローン）のラミネート処理装置として用いることもできる。
【0103】
図３０は、ラミネート処理装置２００において実行される制御処理を実行するためのハードウェア構成である。図３０に示すように、ラミネート処理装置２００は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）９０１、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）９０２、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）９０３、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）９０４、及びＩ／Ｆ９０５が共通バス９０６を介して接続されている構成を備える。
【0104】
ＣＰＵ９０１は演算手段であり、ラミネート処理装置２００の全体の動作を制御する。ＲＡＭ９０２は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、ＣＰＵ９０１が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ＲＯＭ９０３は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。ＨＤＤ９０４は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0105】
ラミネート処理装置２００は、ＲＯＭ９０３に格納された制御プログラムからＲＡＭ９０２にロードされた情報処理プログラム（アプリケーションプログラム）などをＣＰＵ９０１が備える演算機能によって処理する。その処理によって、ラミネート処理装置２００の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ラミネート処理装置２００に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、ラミネート処理装置２００の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、ＣＰＵ９０１、ＲＡＭ９０２、ＲＯＭ９０３、ＨＤＤ９０４及びＩ／Ｆ９０５は、ラミネート処理装置２００の動作を制御する制御部１２７（制御手段）を構成する。
【0106】
Ｉ／Ｆ９０５は、ピックアップローラモータ１０５ａ，１０６ａ、搬送ローラ対モータ１０７ａ、入口ローラ対モータ１０８ａ、出口ローラ対モータ１１３ａ、排出ローラ対モータ１２１ａ、巻付けローラモータ１０９ａ、把持手段モータ１１０ａ、剥離部材モータ３６（４６）、分岐部材モータ１１８ａ、熱定着ローラモータ１２９ａ、及び加熱ヒータ５４を共通バス９０６に接続するインターフェースである。また、Ｉ／Ｆ９０５は、サイズ検知センサＣ６，Ｃ７、搬送センサＣ１～３，Ｃ５、異常状態検出センサＣ４、第１～第２サーモスタット５８ａ，５８ｂ、第１～第４サーミスタ５６ａ～５６ｄ、及び操作パネル１０を共通バス９０６に接続するインターフェースである。
【0107】
また、制御部１２７は、Ｉ／Ｆ９０５を通じて、ピックアップローラモータ１０５ａ、１０６ａ、搬送ローラ対モータ１０７ａ、入口ローラ対モータ１０８ａ、出口ローラ対モータ１１３ａ、排出ローラ対モータ１２１ａ、巻付けローラモータ１０９ａ、把持手段モータ１１０ａ、剥離部材モータ３６（４６）、分岐部材モータ１１８ａ、熱定着ローラモータ１２９ａ、及び加熱ヒータ５４の動作を制御する。また、制御部１２７は、Ｉ／Ｆ９０５を通じて、サイズ検知センサＣ６，Ｃ７、搬送センサＣ１～３，Ｃ５、異常状態検出センサＣ４、第１～第２サーモスタット５８ａ，５８ｂ、及び第１～第４サーミスタ５６ａ～５６ｄからの検知結果を取得する。
【0108】
なお、巻付けローラモータ１０９ａは、巻付けローラ１０９を正逆方向に回転させるための駆動手段である。把持手段モータ１１０ａは、把持手段１１０を回動させるための駆動手段である。剥離部材モータ３６（４６）は、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳの幅方向に移動させるための駆動手段である。分岐部材モータ１１８ａは、分岐部材１１８の位置を切替るための駆動手段である。
【0109】
図３１は、図２５に示す画像形成システム３００１における、重合シートＳの給送及び剥離から、剥離された重合シートＳへの画像形成された中シートＰの挿入、そして中シートＰが挿入された重合シートＳへのラミネート処理完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。図３１のフローチャートを用いて、対応する図面の番号を示しながら説明する。なお、以下においては図２５に示す画像形成システム３００１におけるラミネート処理のみを説明するが、図２６～図２８に示す他の画像形成システム４００１、５００１、５００２のラミネート処理についても同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0110】
まず、ステップＳ０１において、画像形成システム３００１は、ユーザが複数挿入モードを選択したか否かを判定する。複数挿入モードが選択された場合、ステップＳ０２において中シート枚数を選択させる。これは、例えば、操作パネル１０などを用いて設定することができる。
【0111】
一方、複数挿入モードが選択されなかった場合、ステップＳ０３に移行し、画像形成システム３００１は、単数挿入モードが選択されたと判定する。
【0112】
次いで、ステップＳ１１において、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳの給紙を開始する（図１参照）。次いで、ステップＳ１２において、搬送センサＣ３に重合シートＳの先端が到着したか判定する（図２参照）。ステップＳ１３にて、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを搬送センサＣ３から指定量搬送したことを判定すると、その搬送を一時停止する（図３参照）。続いて、ステップＳ１４にて、把持手段１１０を開口するとともに、ステップＳ１５において重合シートＳを逆搬送方向（図４の矢印Ｂ方向）に搬送する（図４参照）。
【0113】
ステップＳ１６において、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを指定量搬送したことを判定すると、ステップＳ１７にて重合シートＳの搬送を一時停止する。そして、ステップＳ１８において、把持手段１１０を閉じ、重合シートＳの端部を把持する（図５参照）。
【0114】
続いてステップＳ１９において、ラミネート処理装置２００ａは巻付けローラ１０９を反時計回りに回転し、重合シートＳを巻付けローラ１０９に巻き付ける（図６参照）。次いで、ステップＳ２０において、搬送センサＣ５に重合シートＳの先端が到着したか判定する。ステップＳ２１にて、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを搬送センサＣ５から指定量搬送したことを判定すると、ステップＳ２２において、異常状態検出センサＣ４を用いて重合シートＳの状態を検出する。
【0115】
この異常状態検出センサＣ４は、重合シートＳの２枚のシート間に生じた空間ｇの寸法（２枚のシートの一方のシートの撓み量）が、所定の閾値を超えているかを検出する異常検出手段である。ステップＳ２３において、ラミネート処理装置２００ａは、異常状態検出センサＣ４の検出結果から、重合シートＳの状態が正常（空間ｇの寸法が、所定の閾値以上）であると判定した場合、ステップＳ２４ａに移行する。
【0116】
一方、ステップＳ２３において、重合シートＳの状態が異常（空間ｇの寸法が、所定の閾値より下）であると判定した場合、ステップＳ２４ｂに移行し、ラミネート処理装置２００ａは異常を通知し、シート処理を停止する。
【0117】
ステップＳ２４ａに移行した場合、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを巻き付け方向と逆方向（図２の矢印Ａ方向）に搬送し、接合部ｒを出口ローラ対１１３のニップよりも下流に搬送する。これにより、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの差し込み位置に合う位置に、重合シートＳの２枚のシート間に生じた空間ｇを形成できる。
【0118】
次いで、ステップＳ２４ｃに移行し、ラミネート処理装置２００ａは、生じた空間ｇに２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳの両側から挿入する（図７、図２０参照）。次に、ステップＳ２５において、ラミネート処理装置２００ａは、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳの両側から挿入した状態で、巻付けローラ１０９を今度は時計回りに回転し、重合シートＳを正搬送方向（図２の矢印Ａの方向）に搬送する。
【0119】
次いで、ステップＳ２６において、搬送センサＣ５に重合シートＳの先端が到着したか判定する。ステップＳ２７にて、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを搬送センサＣ５から指定量搬送したことを判定すると、ステップＳ２８において、把持手段１１０を開口する。
【0120】
次いで、ステップＳ２９において、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを指定量搬送した後に、重合シートＳの搬送を一時停止する。そして、ステップＳ３０にて、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを重合シートＳの幅方向へ更に移動する（図８、図２２参照）。これにより、重合シートＳの２枚のシートの後端を上下に分離した状態とする。
【0121】
ステップＳ３１において、ラミネート処理装置２００ａは重合シートＳを逆搬送方向（図９の矢印Ｂ方向）に搬送する。次いで、ステップＳ３２において、搬送センサＣ５に重合シートＳの先端が到着したか判定する。ステップＳ３３にて、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳを搬送センサＣ５から指定量搬送したことを判定すると、ステップＳ３４にて、その搬送を一時停止する（図９参照）。これにより、重合シートＳの剥離が完了する。
すなわち、重合シートＳを構成する２枚のシートのうち、一方のシート（第１シートＳ１）が第１分岐搬送経路Ｋ１に案内され、他方のシート（第２シートＳ２）が第２分岐搬送経路Ｋ２に案内されることになる。なお、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２における特徴的な構成・動作については、後で図３２～図３４を用いて詳述する。
すなわち、重合シートＳを構成する２枚のシートのうち、一方のシート（第１シートＳ１）が第１分岐搬送経路Ｋ１に案内され、他方のシート（第２シートＳ２）が第２分岐搬送経路Ｋ２に案内されることになる。なお、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２における特徴的な構成・動作については、後で図３２～図３４を用いて詳述する。
【0122】
続いて、ステップＳ３５において、ラミネート処理装置２００ａは、重合シートＳに挿入する中シートＰに画像形成を行う（インライン）か、否か判定する。インラインの場合、ステップＳ３６に移行し、ラミネート処理装置２００ａは、画像形成装置３００（４００、５００）に印刷ジョブを開始させ、中シートＰに画像を形成する。次いで、ステップＳ３７に移行する。
【0123】
一方、ステップＳ３５において、インラインでない場合はステップＳ３７に移行する。
【0124】
ステップＳ３７において、ラミネート処理装置２００ａは、中シートＰを正搬送方向（図１０の矢印Ａ方向）に搬送し、開口した重合シートＳ内に中シートＰを挿入する。ここで、単数挿入モードの場合は、先の図１０～１２に示した動作となり、複数挿入モードの場合は、先の図１３～１６に示した動作となる。
【0125】
次いで、ステップＳ３８において、ラミネート処理装置２００ａは、選択された枚数の中シートＰが重合シートＳに挿入されたか判定する。挿入された場合、ステップＳ３９に移行する。
【0126】
次いで、ステップＳ３９において、分岐部材１１８にて経路を切り替える。ステップＳ３９において、中シートＰを挟持した重合シートＳをラミネート処理部５０（熱定着部）へ搬送し、熱と圧力を加えることで、ラミネート処理が完了する（図１７参照）。
【0127】
なお、インラインの場合（ステップＳ３５でＹＥＳの場合）は、シート剥離完了後に画像形成装置３００へ印刷ＪＯＢスタートの通知をして、中シートＰの印刷及び搬送を実施する。この場合、印刷された中シートＰが搬送され、搬送センサＣ１に到達するまでシート処理装置は待ち状態になる。そのため、印刷された中シートＰの搬送時間を考慮し、例えば、図７に示す２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの動作完了後に画像形成装置へ印刷ＪＯＢスタートを通知してもよい。これにより、生産性を向上できる。
【0128】
以下、図３２～図３４等を用いて、本実施の形態におけるシート処理装置１００において、さらに特徴的な構成について詳述する。
先に説明したように、本実施の形態におけるシート処理装置１００には、２枚のシートＳ１、Ｓ２が重ね合されて接合部ｒで接合された重合シートＳ（２枚重ねシート）の非接合部を剥離する剥離処理をおこなうシート剥離部１が設けられている。このシート剥離部１は、剥離（分離）した状態の２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち、一方のシート（第１シートＳ１）を第１分岐搬送経路Ｋ１に搬送（分岐搬送）して、他方のシート（第２シートＳ２）を第２分岐搬送経路Ｋ２（第１分岐搬送経路とは異なる方向に分岐する分岐搬送経路である。）に搬送（分岐搬送）する。詳しくは、先に図７～図９等を用いて説明したように、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを２枚のシートＳ１、Ｓ２の間に挿入して小さく剥離した後に、最終的に２枚のシートＳ１、Ｓ２をそれぞれ２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２に分岐搬送して大きく剥離している。
先に説明したように、本実施の形態におけるシート処理装置１００には、２枚のシートＳ１、Ｓ２が重ね合されて接合部ｒで接合された重合シートＳ（２枚重ねシート）の非接合部を剥離する剥離処理をおこなうシート剥離部１が設けられている。このシート剥離部１は、剥離（分離）した状態の２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち、一方のシート（第１シートＳ１）を第１分岐搬送経路Ｋ１に搬送（分岐搬送）して、他方のシート（第２シートＳ２）を第２分岐搬送経路Ｋ２（第１分岐搬送経路とは異なる方向に分岐する分岐搬送経路である。）に搬送（分岐搬送）する。詳しくは、先に図７～図９等を用いて説明したように、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを２枚のシートＳ１、Ｓ２の間に挿入して小さく剥離した後に、最終的に２枚のシートＳ１、Ｓ２をそれぞれ２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２に分岐搬送して大きく剥離している。
【0129】
なお、図３２等を参照して、第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とは、剥離処理がおこなわれる前の重合シートＳが搬送される搬送経路としての主搬送経路Ｋ０を跨ぐように配置されている。具体的に、第１分岐搬送経路Ｋ１は、主搬送経路Ｋ０の上方に分岐するように形成され、第２分岐搬送経路Ｋ２は、主搬送経路Ｋ０の下方に分岐するように形成されている。
また、本実施の形態における２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２は、先に図２３を用いて説明した３つの形態のうち、図２３（ｃ）に相当するものである。
また、本実施の形態における２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２は、先に図２３を用いて説明した３つの形態のうち、図２３（ｃ）に相当するものである。
【0130】
また、第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とが合流する部分に対して、正搬送方向下流側には出口ローラ対１１３が設置されている。この出口ローラ対１１３は、剥離（分離）した状態の２枚のシートＳ１、Ｓ２を第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とに向けて搬送する機能も有する。詳しくは、出口ローラ対１１３は、逆回転することで、２枚のシートＳ１、Ｓ２が剥離された状態の重合シートＳを２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂに向けて逆搬送方向に搬送する。これにより、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂによって剥離された２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち、第１シートＳ１が第１分岐搬送経路Ｋ１に搬送されて、第２シートＳ２が第２分岐搬送経路Ｋ２に分岐して搬送されることになる。
なお、本実施の形態で用いられる重合シートＳ（２枚重ねシート）は、２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち、第２シートＳ２の内面（第１シートＳ１に対向する面である。）にのみ接着剤（ラミネート処理時に第１、第２シートＳ１、Ｓ２を接着するためのものである。）が塗布されている。
なお、本実施の形態で用いられる重合シートＳ（２枚重ねシート）は、２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち、第２シートＳ２の内面（第１シートＳ１に対向する面である。）にのみ接着剤（ラミネート処理時に第１、第２シートＳ１、Ｓ２を接着するためのものである。）が塗布されている。
【0131】
ここで、図３２に示すように、本実施の形態における２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、第２分岐搬送経路Ｋ２（分岐搬送経路）に搬送される第２シートＳ２（シート）を案内する分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１（凹状に湾曲している。）が形成されている。なお、図３２では、一方の剥離部材１１６ｂのみを示している。
この２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、先に図７～図９等を用いて説明したように、幅方向（図３２、図３３の紙面垂直方向であって、図３４の左右方向である。）に移動して２枚のシートＳ１、Ｓ２（重合シートＳ）の間に入り込んで剥離処理をおこなうものである。したがって、本実施の形態において、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、剥離処理をおこなう機能に加えて、第２分岐搬送経路Ｋ２において第２シートＳ２をガイドする機能も有することになる。
なお、第２分岐搬送経路Ｋ２には、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの凹状の分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１に対して充分な隙間をあけて対向する凸状のガイド面を有する湾曲ガイド板９１と、その湾曲ガイド板９１の平面状のガイド面に対向するガイド板９２と、が設けられている。
この２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、先に図７～図９等を用いて説明したように、幅方向（図３２、図３３の紙面垂直方向であって、図３４の左右方向である。）に移動して２枚のシートＳ１、Ｓ２（重合シートＳ）の間に入り込んで剥離処理をおこなうものである。したがって、本実施の形態において、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂは、剥離処理をおこなう機能に加えて、第２分岐搬送経路Ｋ２において第２シートＳ２をガイドする機能も有することになる。
なお、第２分岐搬送経路Ｋ２には、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの凹状の分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１に対して充分な隙間をあけて対向する凸状のガイド面を有する湾曲ガイド板９１と、その湾曲ガイド板９１の平面状のガイド面に対向するガイド板９２と、が設けられている。
【0132】
このように、本実施の形態では、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂが第２分岐搬送経路Ｋ２におけるガイド部材としても機能しているため、別にガイド部材を設ける場合に比べて、装置が低コスト化、省スペース化されることになる。
そして、本実施の形態では、第２分岐搬送経路Ｋ２における分岐ガイド板の間隔（分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１と湾曲ガイド面９１の湾曲ガイド面との間隔である。）を大きく設定しているため、第２シートＳ２（内面に接着剤が塗布されている。）が引っ掛ってしまう不具合（搬送不良）が生じにくくなる。
そして、本実施の形態では、第２分岐搬送経路Ｋ２における分岐ガイド板の間隔（分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１と湾曲ガイド面９１の湾曲ガイド面との間隔である。）を大きく設定しているため、第２シートＳ２（内面に接着剤が塗布されている。）が引っ掛ってしまう不具合（搬送不良）が生じにくくなる。
【0133】
ここで、本実施の形態におけるシート処理装置１００は、第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路（本実施の形態では第２分岐搬送経路Ｋ２のみである。）に、接離可能な搬送ローラ対としての分岐路搬送ローラ対７１が設置されている。
詳しくは、搬送ローラ対としての分岐路搬送ローラ対７１は、固定ローラ７１ａと、接離機構（レバー部材７２、レール部材７３などによって構成されていて、図３３参照）によって固定ローラ７１ａに対して接離する第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２と、からなる。
固定ローラ７１ａは、駆動機構（不図示）によって図３２（ｂ）の時計方向に回転駆動される駆動ローラとして機能するものであって、シート処理装置１００の筐体に回転可能に支持されている。
これに対して、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、固定ローラ７１ａ（駆動ローラ）に接触した状態（図３２（ｂ）の状態である。）で図３２（ｂ）の反時計方向に従動回転する従動ローラとして機能するものである。
このように第２分岐搬送経路Ｋ２に分岐路搬送ローラ対７１を設置することで、分岐ガイド板の間隔（分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１と湾曲ガイド面９１の湾曲ガイド面との間隔である。）が大きく設定されていても、第２シートＳ２のシート搬送性が低下する不具合が生じにくくなる。
詳しくは、搬送ローラ対としての分岐路搬送ローラ対７１は、固定ローラ７１ａと、接離機構（レバー部材７２、レール部材７３などによって構成されていて、図３３参照）によって固定ローラ７１ａに対して接離する第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２と、からなる。
固定ローラ７１ａは、駆動機構（不図示）によって図３２（ｂ）の時計方向に回転駆動される駆動ローラとして機能するものであって、シート処理装置１００の筐体に回転可能に支持されている。
これに対して、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、固定ローラ７１ａ（駆動ローラ）に接触した状態（図３２（ｂ）の状態である。）で図３２（ｂ）の反時計方向に従動回転する従動ローラとして機能するものである。
このように第２分岐搬送経路Ｋ２に分岐路搬送ローラ対７１を設置することで、分岐ガイド板の間隔（分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１と湾曲ガイド面９１の湾曲ガイド面との間隔である。）が大きく設定されていても、第２シートＳ２のシート搬送性が低下する不具合が生じにくくなる。
【0134】
なお、本実施の形態において、第１分岐搬送経路Ｋ１は、第２分岐搬送経路Ｋ２とは異なり、分岐路搬送ローラ対７１は設置されておらず、互いに対向する位置に固定された２つのガイド板によって構成されている。
【0135】
ここで、分岐路搬送ローラ対７１（搬送ローラ対）は、その分岐搬送経路（第２分岐搬送経路Ｋ２）に搬送されたシート（第２シートＳ２）の搬送方向先端部（逆搬送方向の先端部であって、図３２（ａ）の破線で囲んだ部分である。）が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に、離間状態（図３２（ａ）の状態である。）から当接状態（図３２（ｂ）の状態である。）に移行して第２シートＳ２を挟持・搬送する。
すなわち、図３２（ａ）に示すように、第２分岐搬送経路Ｋ２における第２シートＳ２の分岐搬送が開始されて、その先端部（破線で囲んだ部分である。）が分岐路搬送ローラ対７１の位置（挟持可能な位置である。）に達していないときには、分岐路搬送ローラ対７１は離間状態にある。そして、図３２（ａ）に示すように、第２シートＳ２の先端部が分岐路搬送ローラ対７１の位置（挟持可能な位置である。）に達すると、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が白矢印方向に移動して、分岐路搬送ローラ対７１が当接状態になり、分岐路搬送ローラ対７１の回転によって第２シートＳ２が逆搬送方向下流側に搬送される。
すなわち、図３２（ａ）に示すように、第２分岐搬送経路Ｋ２における第２シートＳ２の分岐搬送が開始されて、その先端部（破線で囲んだ部分である。）が分岐路搬送ローラ対７１の位置（挟持可能な位置である。）に達していないときには、分岐路搬送ローラ対７１は離間状態にある。そして、図３２（ａ）に示すように、第２シートＳ２の先端部が分岐路搬送ローラ対７１の位置（挟持可能な位置である。）に達すると、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が白矢印方向に移動して、分岐路搬送ローラ対７１が当接状態になり、分岐路搬送ローラ対７１の回転によって第２シートＳ２が逆搬送方向下流側に搬送される。
【0136】
なお、第１、第２分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２における第１、第２シートＳ１、Ｓ２の分岐搬送が終了すると、出口ローラ対１１３が再び正回転されながら、先に説明した挿入処理（第１、第２シートＳ１、Ｓ２の間に中シートＰを挿入する処理である。）がおこなわれることになる。このとき、分岐路搬送ローラ対７１は、分岐搬送時の回転方向に対して逆方向に回転されて、第２シートＳ２を正搬送方向に搬送することになる。また、このときの分岐路搬送ローラ対７１は、第２シートＳ２の後端がニップを抜けるまで当接状態である。
【0137】
このように、本実施の形態におけるシート処理装置１００は、第２分岐搬送経路Ｋ２に、接離可能な分岐路搬送ローラ対７１が設けられていて、第２シートＳ２の先端が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に、離間状態から当接状態にしている。
これにより、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２において重合シートＳを構成する２枚のシートＳ１、Ｓ２を良好に分岐剥離することができる。
詳しくは、図３５に比較例として示すように、接離せずに常に当接状態にある分岐路搬送ローラ対７０１（駆動ローラ７０１ａも従動ローラ７０１ｂも固定位置にあるものである。）を用いた場合には、その分岐路搬送ローラ対７０１のニップに第２シートＳ２がスムーズに送入されずに、第２シートＳ２の先端部がローラ部に突き当たって引っ掛ってしまう不具合（搬送不良）が生じやすくなる。そして、そのような搬送不良が生じてしまうと、重合シートＳを充分に剥離することができずに、中シートＰの挿入も良好におこなうことができなくなる。
これに対して、本実施の形態では、接離可能な分岐路搬送ローラ対７１を設けて、第２シートＳ２の先端が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に離間状態から当接状態にしているため、そのような不具合が生じにくくなる。
特に、本実施の形態では、従動ローラを第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２（離間するローラである。）としているため、駆動ローラを可動ローラとする場合に比べて、駆動系の構成が簡素化される。
これにより、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２において重合シートＳを構成する２枚のシートＳ１、Ｓ２を良好に分岐剥離することができる。
詳しくは、図３５に比較例として示すように、接離せずに常に当接状態にある分岐路搬送ローラ対７０１（駆動ローラ７０１ａも従動ローラ７０１ｂも固定位置にあるものである。）を用いた場合には、その分岐路搬送ローラ対７０１のニップに第２シートＳ２がスムーズに送入されずに、第２シートＳ２の先端部がローラ部に突き当たって引っ掛ってしまう不具合（搬送不良）が生じやすくなる。そして、そのような搬送不良が生じてしまうと、重合シートＳを充分に剥離することができずに、中シートＰの挿入も良好におこなうことができなくなる。
これに対して、本実施の形態では、接離可能な分岐路搬送ローラ対７１を設けて、第２シートＳ２の先端が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に離間状態から当接状態にしているため、そのような不具合が生じにくくなる。
特に、本実施の形態では、従動ローラを第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２（離間するローラである。）としているため、駆動ローラを可動ローラとする場合に比べて、駆動系の構成が簡素化される。
【0138】
なお、本実施の形態では、重合シートＳ（２枚重ねシート）を構成する２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち、第２シートＳ２の内面にのみ接着剤が塗布されているため、第２シートＳ２が分岐搬送される第２分岐搬送経路Ｋ２にのみ接離可能な分岐路搬送ローラ対７１を設置した。
これに対して、第１シートＳ１の内面にのみ接着剤が塗布されている場合や、第１分岐搬送経路Ｋ１における第１シートＳ１の搬送不良が生じやすいような場合には、第１シートＳ１が分岐搬送される第１分岐搬送経路Ｋ１にのみ接離可能な分岐路搬送ローラ対を設置することもできる。
また、第１、第２シートＳ１、Ｓ２のいずれの内面にも接着剤が塗布されている場合や、２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２のいずれでもシートＳ１、Ｓ２の搬送不良が生じやすいような場合には、第１、第２分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２に双方に接離可能な分岐路搬送ローラ対を設置することもできる。
これに対して、第１シートＳ１の内面にのみ接着剤が塗布されている場合や、第１分岐搬送経路Ｋ１における第１シートＳ１の搬送不良が生じやすいような場合には、第１シートＳ１が分岐搬送される第１分岐搬送経路Ｋ１にのみ接離可能な分岐路搬送ローラ対を設置することもできる。
また、第１、第２シートＳ１、Ｓ２のいずれの内面にも接着剤が塗布されている場合や、２つの分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２のいずれでもシートＳ１、Ｓ２の搬送不良が生じやすいような場合には、第１、第２分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２に双方に接離可能な分岐路搬送ローラ対を設置することもできる。
【0139】
また、本実施の形態において、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２を、先に図２３を用いて説明した３つの形態のうち、図２３（ｃ）に相当するものとした。これに対して、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２を、図２３（ａ）又は図２３（ｂ）のものとすることもできる。そして、そのように形成された第２分岐搬送経路Ｋ２（又は、第１分岐搬送経路Ｋ１）に接離可能な分岐路搬送ローラ対を設置して、先に説明したような接離動作をおこなうことができる。
【0140】
ここで、図３３、図３４に示すように、本実施の形態において、分岐路搬送ローラ対７１（搬送ローラ対）は、先に図７～図９等を用いて説明した２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの幅方向の移動に連動して接離するように構成されている。
なお、図３４の例では、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを幅方向に移動する移動機構として、図１９（ａ）に対応するものを用いている。
なお、図３４の例では、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを幅方向に移動する移動機構として、図１９（ａ）に対応するものを用いている。
【0141】
また、図３３、図３４に示すように、固定ローラ７１ａに対して可動ローラ７１（第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２）を接離する接離機構は、レバー部材７２（第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂ）やレール部材７３などで構成されている。
また、可動ローラ７１ｂは、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２から構成されており、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂにおいて接離方向に移動可能に保持されている。
なお、分岐路搬送ローラ対７１のうち可動ローラ７１（第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２）、剥離部材１１６ａ、１１６ｂ、接離機構を構成する第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂは、図３４に示すように、重合シートＳの幅方向、すなわちレール部材７３の幅方向、に２つ並設されている。
また、可動ローラ７１ｂは、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２から構成されており、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂにおいて接離方向に移動可能に保持されている。
なお、分岐路搬送ローラ対７１のうち可動ローラ７１（第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２）、剥離部材１１６ａ、１１６ｂ、接離機構を構成する第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂは、図３４に示すように、重合シートＳの幅方向、すなわちレール部材７３の幅方向、に２つ並設されている。
【0142】
さらに詳しくは、図３３に示すように、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、略「く」の字状に形成された第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂの一端側に第１回転軸７２ａ３及び第２回転軸７２ｂ３により回転可能に保持されている。第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂは、中央部の第１支軸７２ａ２及び第２支軸７２ｂ２を中心にして、剥離部材１１６ａ、１１６ｂにそれぞれ回動可能に支持されている。また、第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂは、第１支軸７２ａ２及び第２支軸７２ｂ２に設けられたトーションスプリングなどの付勢部材により付勢されており、その他端側の第１当接部７２ａ１及び第２当接部７２ｂ１がレール部材７３（シート処理装置１００の筐体に固定されている。）に当接している。また、図３４に示すように、レール部材７３には、幅方向の離れた位置に２つの第１溝部７３ａ及び第２溝部７３ｂが形成されている。
そして、図３４（ａ）に示すように、第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂの第１当接部７２ａ１及び第２当接部７２ｂ１が、レール部材７３の第１溝部７３ａ及び第２溝部７３ｂに当接しているときには、図３３（ａ）に示すよう第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して離間した状態になる。これに対して、図３４（ｂ）に示すように、第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂの第１当接部７２ａ１及び第２当接部７２ｂ１が、レール部材７３の第１溝部７３ａ及び第２溝部７３ｂから抜き出てレール部７３の平面部７４に当接すると、図３３（ｂ）に示すよう第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２を回転可能に保持している第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂが第１支軸７２ａ２及び第２支軸７２ｂ２を中心に反時計方向に回動して、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して当接した状態になる。
そして、図３４（ａ）に示すように、第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂの第１当接部７２ａ１及び第２当接部７２ｂ１が、レール部材７３の第１溝部７３ａ及び第２溝部７３ｂに当接しているときには、図３３（ａ）に示すよう第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して離間した状態になる。これに対して、図３４（ｂ）に示すように、第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂの第１当接部７２ａ１及び第２当接部７２ｂ１が、レール部材７３の第１溝部７３ａ及び第２溝部７３ｂから抜き出てレール部７３の平面部７４に当接すると、図３３（ｂ）に示すよう第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２を回転可能に保持している第１レバー部材７２ａ及び第２レバー部材７２ｂが第１支軸７２ａ２及び第２支軸７２ｂ２を中心に反時計方向に回動して、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して当接した状態になる。
【0143】
このように、本実施の形態では、分岐路搬送ローラ対７１（固定ローラ７１ａ、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２）の接離動作が、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの幅方向の移動（剥離処理動作）に連動しておこなわれるように構成しているため（分岐路搬送ローラ対７１の接離動作と、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの幅方向移動と、をおこなう駆動系が共通化されているため）、それらの動作を別々の駆動系でおこなうように構成する場合に比べて、装置を低コスト化、省スペース化することができる。
【0144】
なお、本実施の形態では、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂを、剥離処理をおこなう機能に加えて、第２分岐搬送経路Ｋ２において第２シートＳ２をガイドする機能も有するように構成したが、ガイドする機能を有するガイド部材を別に設けることもできる。その場合、そのガイド部材に第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が保持されることになる。
【0145】
ここで、図３２（ａ）に示すように、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、固定ローラ７１ａに対して離間状態であるとき、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１から固定ローラ７１ａの側に突出しない位置まで離間する。
すなわち、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して離間状態にあるとき、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１には分岐搬送経路Ｋ２に突出するものが存在しないことになる。
これにより、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して離間状態にあるときに、第２シートＳ２の先端部が第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２に引っ掛かる不具合が生じにくくなる。
すなわち、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して離間状態にあるとき、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１には分岐搬送経路Ｋ２に突出するものが存在しないことになる。
これにより、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２が固定ローラ７１ａに対して離間状態にあるときに、第２シートＳ２の先端部が第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２に引っ掛かる不具合が生じにくくなる。
【0146】
また、図３２等に示すように、本実施の形態において、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送される第２シートＳ２の内面（一方のシートＳ２において他方のシートＳ１に対向する面である。）に対向可能に配置されている。
これに対して、固定ローラ７１ａは、第２シートＳ２の外面（一方のシートＳ２において他方のシートＳ１に対向しない面である。）に対向可能に配置されている。
すなわち、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１の側に配置され、固定ローラ７１ａは、湾曲ガイド板９１の側に配置されている。
このように構成することで、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２と固定ローラ７１ａとの位置関係を上述したものに対して逆にする場合に比べて、第２分岐搬送経路Ｋ２における第２シートＳ２の引っ掛かりを軽減することができる。
これに対して、固定ローラ７１ａは、第２シートＳ２の外面（一方のシートＳ２において他方のシートＳ１に対向しない面である。）に対向可能に配置されている。
すなわち、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２は、２つの剥離部材１１６ａ、１１６ｂの分岐ガイド面１１６ａ１、１１６ｂ１の側に配置され、固定ローラ７１ａは、湾曲ガイド板９１の側に配置されている。
このように構成することで、第１可動ローラ７１ｂ１及び第２可動ローラ７１ｂ２と固定ローラ７１ａとの位置関係を上述したものに対して逆にする場合に比べて、第２分岐搬送経路Ｋ２における第２シートＳ２の引っ掛かりを軽減することができる。
【0147】
以上説明したように、本実施の形態におけるシート処理装置１００は、２枚のシートＳ１、Ｓ２が重ね合されて接合部ｒで接合された重合シートＳの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の２枚のシートＳ１、Ｓ２のうち一方のシートＳ１を第１分岐搬送経路Ｋ１に搬送して他方のシートＳ２を第１分岐搬送経路Ｋ１とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送するシート剥離部１が設けられている。また、第１分岐搬送経路Ｋ１と第２分岐搬送経路Ｋ２とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路Ｋ２に、接離可能な分岐路搬送ローラ対７１（搬送ローラ対）が設けられている。そして、分岐路搬送ローラ対７１は、第２分岐搬送経路Ｋ２に搬送された第２シートＳ２の搬送方向先端部が分岐路搬送ローラ対７１の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して第２シートＳ２を挟持・搬送する。
これにより、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２において重合シートＳを構成する２枚のシートＳ１、Ｓ２を良好に分岐して搬送することができる。
これにより、分岐搬送経路Ｋ１、Ｋ２において重合シートＳを構成する２枚のシートＳ１、Ｓ２を良好に分岐して搬送することができる。
【0148】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0149】
１ シート剥離部、
５０ ラミネート処理部、
７１ 分岐路搬送ローラ対（搬送ローラ対）、
７１ａ 固定ローラ、
７１ｂ１ 第１可動ローラ、
７１ｂ２ 第２可動ローラ、
７２ａ 第１レバー部材（接離機構）、
７２ｂ 第２レバー部材（接離機構）、
７２ａ１ 第１当接部、
７２ｂ１ 第２当接部、
７２ａ２ 第１支軸、
７２ｂ２ 第２支軸、
７３ レール部材（接離機構）、
７３ａ 第１溝部、
７３ｂ 第２溝部、
９１ 湾曲ガイド板、
９２ ガイド板、
１００ シート処理装置、
１０９ 巻付けローラ、
１１０ 把持手段、
１１３ 出口ローラ対（搬送ローラ対）、
１１６ａ、１１６ｂ 剥離部材、
１１６ａ１、１１６ｂ１ 分岐ガイド面、
１１８ 分岐部材、
２００、２００ａ、２００ｂ ラミネート処理装置（シート処理装置）、
２５０ 後処理装置、
３００、４００、５００ 画像形成装置、
３００１、４００１、５００１、５００２ 画像形成システム、
Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３、Ｃ５ 搬送センサ、
Ｋ０ 主搬送経路（搬送経路）、
Ｋ１ 第１分岐搬送経路、
Ｋ２ 第２分岐搬送経路、
Ｓ 重合シート（２枚重ねシート）、
Ｓ１ 第１シート、
Ｓ２ 第２シート、
Ｐ 中シート（中紙）、
ｒ 接合部。
５０ ラミネート処理部、
７１ 分岐路搬送ローラ対（搬送ローラ対）、
７１ａ 固定ローラ、
７１ｂ１ 第１可動ローラ、
７１ｂ２ 第２可動ローラ、
７２ａ 第１レバー部材（接離機構）、
７２ｂ 第２レバー部材（接離機構）、
７２ａ１ 第１当接部、
７２ｂ１ 第２当接部、
７２ａ２ 第１支軸、
７２ｂ２ 第２支軸、
７３ レール部材（接離機構）、
７３ａ 第１溝部、
７３ｂ 第２溝部、
９１ 湾曲ガイド板、
９２ ガイド板、
１００ シート処理装置、
１０９ 巻付けローラ、
１１０ 把持手段、
１１３ 出口ローラ対（搬送ローラ対）、
１１６ａ、１１６ｂ 剥離部材、
１１６ａ１、１１６ｂ１ 分岐ガイド面、
１１８ 分岐部材、
２００、２００ａ、２００ｂ ラミネート処理装置（シート処理装置）、
２５０ 後処理装置、
３００、４００、５００ 画像形成装置、
３００１、４００１、５００１、５００２ 画像形成システム、
Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３、Ｃ５ 搬送センサ、
Ｋ０ 主搬送経路（搬送経路）、
Ｋ１ 第１分岐搬送経路、
Ｋ２ 第２分岐搬送経路、
Ｓ 重合シート（２枚重ねシート）、
Ｓ１ 第１シート、
Ｓ２ 第２シート、
Ｐ 中シート（中紙）、
ｒ 接合部。
【0150】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記１～１０の組み合わせとすることもできる。
（付記１）
２枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記２枚のシートのうち一方のシートを第１分岐搬送経路に搬送して他方のシートを前記第１分岐搬送経路とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路に搬送するシート剥離部と、
前記第１分岐搬送経路と前記第２分岐搬送経路とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路に設置された接離可能な搬送ローラ対と、
を備え、
前記搬送ローラ対は、前記分岐搬送経路に搬送されたシートの搬送方向先端部が前記搬送ローラ対の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して当該シートを挟持・搬送することを特徴とするシート処理装置。
（付記２）
幅方向に移動して前記２枚のシートの間に入り込んで前記剥離処理をおこなう剥離部材を備え、
前記搬送ローラ対は、前記剥離部材の幅方向の移動に連動して接離することを特徴とする付記１に記載のシート処理装置。
（付記３）
前記剥離部材は、前記分岐搬送経路に搬送されるシートを案内する分岐ガイド面が形成され、
前記搬送ローラ対は、固定ローラと、接離機構によって前記固定ローラに対して接離する可動ローラと、からなり、
前記可動ローラは、前記剥離部材において接離方向に移動可能に保持されたことを特徴とする付記２に記載のシート処理装置。
（付記４）
前記分岐ガイド面は、凹状に湾曲することを特徴とする付記３に記載のシート処理装置。
（付記５）
前記可動ローラは、前記離間状態であるとき、前記分岐ガイド面から前記固定ローラの側に突出しない位置まで離間することを特徴とする付記３又は付記４に記載のシート処理装置。
（付記６）
前記可動ローラは、前記２枚のシートのうち前記分岐搬送経路に搬送される一方のシートにおいて他方のシートに対向する内面に対向可能に配置され、
前記固定ローラは、前記一方のシートにおいて前記他方のシートに対向しない外面に対向可能に配置されたことを特徴とする付記３～付記５のいずれかに記載のシート処理装置。
（付記７）
前記固定ローラは、駆動機構によって回転駆動される駆動ローラであって、
前記可動ローラは、前記駆動ローラに接触した状態で従動回転する従動ローラであることを特徴とする付記３～付記６のいずれかに記載のシート処理装置。
（付記８）
前記シート剥離部は、剥離した状態の前記２枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理をおこなうことを特徴とする付記１～付記７のいずれかに記載のシート処理装置。
（付記９）
前記シート剥離部によって前記２枚のシートの間に前記中シートが挿入された状態の前記重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理部を備えたことを特徴とする付記８に記載のシート処理装置。
（付記１０）
付記１～付記９のいずれかに記載のシート処理装置と、シートに画像を形成する画像形成装置と、を備えたことを特徴とする画像形成システム。
（付記１）
２枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記２枚のシートのうち一方のシートを第１分岐搬送経路に搬送して他方のシートを前記第１分岐搬送経路とは異なる方向に分岐する第２分岐搬送経路に搬送するシート剥離部と、
前記第１分岐搬送経路と前記第２分岐搬送経路とのうち少なくとも一方の分岐搬送経路に設置された接離可能な搬送ローラ対と、
を備え、
前記搬送ローラ対は、前記分岐搬送経路に搬送されたシートの搬送方向先端部が前記搬送ローラ対の位置を通過した後に、離間状態から当接状態に移行して当該シートを挟持・搬送することを特徴とするシート処理装置。
（付記２）
幅方向に移動して前記２枚のシートの間に入り込んで前記剥離処理をおこなう剥離部材を備え、
前記搬送ローラ対は、前記剥離部材の幅方向の移動に連動して接離することを特徴とする付記１に記載のシート処理装置。
（付記３）
前記剥離部材は、前記分岐搬送経路に搬送されるシートを案内する分岐ガイド面が形成され、
前記搬送ローラ対は、固定ローラと、接離機構によって前記固定ローラに対して接離する可動ローラと、からなり、
前記可動ローラは、前記剥離部材において接離方向に移動可能に保持されたことを特徴とする付記２に記載のシート処理装置。
（付記４）
前記分岐ガイド面は、凹状に湾曲することを特徴とする付記３に記載のシート処理装置。
（付記５）
前記可動ローラは、前記離間状態であるとき、前記分岐ガイド面から前記固定ローラの側に突出しない位置まで離間することを特徴とする付記３又は付記４に記載のシート処理装置。
（付記６）
前記可動ローラは、前記２枚のシートのうち前記分岐搬送経路に搬送される一方のシートにおいて他方のシートに対向する内面に対向可能に配置され、
前記固定ローラは、前記一方のシートにおいて前記他方のシートに対向しない外面に対向可能に配置されたことを特徴とする付記３～付記５のいずれかに記載のシート処理装置。
（付記７）
前記固定ローラは、駆動機構によって回転駆動される駆動ローラであって、
前記可動ローラは、前記駆動ローラに接触した状態で従動回転する従動ローラであることを特徴とする付記３～付記６のいずれかに記載のシート処理装置。
（付記８）
前記シート剥離部は、剥離した状態の前記２枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理をおこなうことを特徴とする付記１～付記７のいずれかに記載のシート処理装置。
（付記９）
前記シート剥離部によって前記２枚のシートの間に前記中シートが挿入された状態の前記重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理部を備えたことを特徴とする付記８に記載のシート処理装置。
（付記１０）
付記１～付記９のいずれかに記載のシート処理装置と、シートに画像を形成する画像形成装置と、を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【特許文献1】特開２０２２－１３９６１２号公報
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】