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特開2024-174634基板処理システム及び処理容器クリーニング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174634
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】基板処理システム及び処理容器クリーニング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20241210BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241210BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101H
H01L21/68 R
C23C16/509
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092558
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】三枝 直也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和男
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030AA04
4K030AA06
4K030CA02
4K030CA05
4K030DA06
4K030EA05
4K030EA06
4K030GA02
4K030JA10
4K030KA02
4K030KA41
5F004AA15
5F004BA13
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BD04
5F004DA17
5F045AA08
5F045AC00
5F045AC01
5F045AD06
5F045AE01
5F045AF07
5F045BB07
5F045BB15
5F045CA15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EB06
5F045EC05
5F045EF05
5F045EF08
5F045EH11
5F045EJ03
5F045EK07
5F045EM05
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA04
5F131CA13
5F131EA03
5F131EB14
5F131EB25
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】耐熱性と耐食性を有する基板処理システム及びクリーニング処理方法を提供する。
【解決手段】基板Gにプラズマによる基板処理を施すとともに、処理容器20にプラズマによるクリーニング処理を施すことが可能な基板処理システム100であって、処理ガスを供給する供給源64と、クリーニングガスを供給する供給源220と、処理ガス又はクリーニングガスのプラズマを生成可能なプラズマ生成部と、基板を載置する基板載置台70と、処理を200℃以上260℃以下において実施するよう制御する制御部90と、を有し、載置台は、表面がニッケル含有めっき層で被覆され載置面を有する基材71と、基材の載置面でニッケル含有めっき層の上に形成されるセラミック溶射皮膜74と、セラミック溶射皮膜の内部に埋設される静電吸着電極75と、を備える。クリーニングガスは、フッ素含有ガスであり、基材は、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器の内部において基板に処理ガスのプラズマによる基板処理を施すとともに、前記処理容器にクリーニングガスのプラズマによるクリーニング処理を施すことが可能な基板処理システムであって、
前記処理容器に接続された前記処理ガスを供給する処理ガス供給源と、
前記処理容器に接続された前記クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給源と、
前記処理ガスのプラズマ、又は前記クリーニングガスのプラズマを生成可能なプラズマ生成部と、
前記処理容器の内部に備えられ前記基板を載置する基板載置台と、
少なくとも、前記基板処理及び前記クリーニング処理を制御する制御部と、を有し、
前記基板載置台は、
表面がニッケル含有めっき層で被覆され前記基板を載置する載置面を有する基材と、
該基材の前記載置面において前記ニッケル含有めっき層の上に形成されるセラミック溶射皮膜と、
前記セラミック溶射皮膜の内部に埋設される静電吸着電極と、を備え、
前記クリーニングガスは、フッ素含有ガスであり、
前記基材は、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成され、
前記制御部は、前記基板処理を200℃以上260℃以下において実施するよう制御する、
基板処理システム。
【請求項2】
前記フッ素含有ガスは、NFガスである、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記処理ガスは、少なくとも、SiHガスを含む、
請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記基材は、前記載置面に開口し前記セラミック溶射皮膜を貫通する溶射皮膜貫通孔に連通する基材貫通孔を有し、
前記ニッケル含有めっき層は、前記基材貫通孔の内面にも施される、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
基板処理システムにおいて、内部に基板を収容し該基板に処理ガスのプラズマによる基板処理を施す処理容器に、クリーニングガスのプラズマによるクリーニング処理を施すクリーニング処理方法であって、
前記基板処理システムは、
前記処理容器に接続された前記処理ガスを供給する処理ガス供給源と、
前記処理容器に接続された前記クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給源と、
前記処理ガスのプラズマ、又は前記クリーニングガスのプラズマを生成可能なプラズマ生成部と、
前記処理容器の内部に備えられ前記基板を載置する基板載置台と、を有し、
前記基板載置台は、
表面がニッケル含有めっき層で被覆され前記基板を載置する載置面を有する基材と、
該基材の前記載置面において前記ニッケル含有めっき層の上に形成されるセラミック溶射皮膜と、
前記セラミック溶射皮膜の内部に埋設される静電吸着電極と、を備え、
前記クリーニングガスは、フッ素含有ガスであり、
前記基材は、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成され、
前記基板処理を200℃以上260℃以下において実施し前記基板を前記処理容器から搬出したのち、
前記処理容器に前記クリーニングガスを供給し前記プラズマ生成部により前記クリーニングガスのプラズマを生成し、前記クリーニングガスのプラズマによって前記処理容器の内部をクリーニングする、処理容器クリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム及び処理容器クリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マルテンサイト系ステンレスを基材として用い、セラミック溶射により静電チャックを形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-147278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の側面では、本開示は、耐熱性と耐食性を有する基板処理システム及び処理容器クリーニング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、処理容器の内部において基板に処理ガスのプラズマによる基板処理を施すとともに、前記処理容器にクリーニングガスのプラズマによるクリーニング処理を施すことが可能な基板処理システムであって、前記処理容器に接続された前記処理ガスを供給する処理ガス供給源と、前記処理容器に接続された前記クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給源と、前記処理ガスのプラズマ、又は前記クリーニングガスのプラズマを生成可能なプラズマ生成部と、前記処理容器の内部に備えられ前記基板を載置する基板載置台と、少なくとも、前記基板処理及び前記クリーニング処理を制御する制御部と、を有し、前記基板載置台は、表面がニッケル含有めっき層で被覆され前記基板を載置する載置面を有する基材と、該基材の前記載置面において前記ニッケル含有めっき層の上に形成されるセラミック溶射皮膜と、前記セラミック溶射皮膜の内部に埋設される静電吸着電極と、を備え、前記クリーニングガスは、フッ素含有ガスであり、前記基材は、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成され、前記制御部は、前記基板処理を200℃以上260℃以下において実施するよう制御する、基板処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、本開示は、耐熱性と耐食性を有する基板処理システム及び処理容器クリーニング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る処理システムの一例を示す図。
図2】プラズマ処理装置の動作の一例を示すフローチャート。
図3】本実施形態に係る基板載置台の一例を示す断面模式図。
図4】参考例に係る基板載置台の一例を示す断面模式図。
図5】本実施形態に係る基板載置台を模擬して作成した構造体と、この構造体をクリーニング処理した後の組成比を示すグラフ。
図6】参考例に係る基板載置台を模擬して作成した構造体と、この構造体をクリーニング処理した後の組成比を示すグラフ。
図7】耐熱温度と耐高温Fラジカルの可否を示す図の一例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
[プラズマ処理装置]
プラズマ処理装置100(基板処理システム)について、図1を用いて説明する。図1は、プラズマ処理装置100の一例を示す縦断面図である。
【0010】
図1に示すプラズマ処理装置100は、フラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display、以下、「FPD」という)用の平面視矩形の基板G(以下、単に「基板」という)に対して、各種の基板処理方法を実行する誘導結合型プラズマ(Inductive Coupled Plasma: ICP)処理装置である。基板の材料としては、主にガラスが用いられ、用途によっては透明の合成樹脂などが用いられることもある。ここで、基板処理には、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いた成膜処理や、エッチング処理等が含まれる。FPDとしては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display: LCD)やエレクトロルミネセンス(Electro Luminescence: EL)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;PDP)等が例示される。基板は、その表面に回路がパターニングされる形態の他、支持基板も含まれる。また、FPD用基板の平面寸法は世代の推移と共に大規模化しており、プラズマ処理装置100によって処理される基板Gの平面寸法は、例えば、第6世代の1500mm×1800mm程度の寸法から、第10.5世代の3000mm×3400mm程度の寸法までを少なくとも含む。また、基板Gの厚みは0.2mm乃至数mm程度である。
【0011】
図1に示すプラズマ処理装置100は、直方体状の箱型形状を有する処理容器20と、処理容器20内に配設されて基板Gが載置される平面視矩形の外形形状を有する基板載置台(載置台)70と、制御部90とを有する。尚、処理容器は、円筒状の箱型や楕円筒状の箱型などの形状であってもよく、この形態では、基板載置台も円形もしくは楕円形となり、基板載置台に載置される基板も円形等になる。
【0012】
処理容器20は、金属窓30により上下2つの空間に区画されており、上方空間であるアンテナ室Aは上チャンバー13により形成され、下方空間である処理室Sは下チャンバー17により形成される。処理容器20において、上チャンバー13と下チャンバー17の境界となる位置には矩形環状の支持枠14が処理容器20の内側に突設するようにして配設されており、支持枠14に金属窓30が取り付けられている。
【0013】
アンテナ室Aを形成する上チャンバー13は、側壁11と天板12とにより形成され、全体としてアルミニウムやアルミニウム合金等の金属により形成される。
【0014】
処理室Sを内部に有する下チャンバー17は、側壁15と底板16とにより形成され、全体としてアルミニウムやアルミニウム合金等の金属により形成される。また、側壁15は、接地線21により接地されている。
【0015】
支持枠14は、導電性のアルミニウムやアルミニウム合金等の金属により形成されており、金属枠と称することもできる。
【0016】
下チャンバー17の側壁15の上端には、矩形環状(無端状)のシール溝22が形成されており、シール溝22にOリング等のシール部材23が嵌め込まれ、シール部材23を支持枠14の当接面が保持することにより、下チャンバー17と支持枠14とのシール構造が形成される。
【0017】
下チャンバー17の側壁15には、下チャンバー17に対して基板Gを搬出入するための搬出入口15aが開設されており、搬出入口15aはゲートバルブ24により開閉自在に構成されている。下チャンバー17には搬送機構を内包する搬送室(いずれも図示せず)が隣接しており、ゲートバルブ24を開閉制御し、搬送機構にて搬出入口15aを介して基板Gの搬出入が行われる。
【0018】
また、下チャンバー17の有する底板16には、複数の排気口16aが設けられている。下チャンバー17において基板載置台70を収容する処理容器20の側壁15は、角筒形状に形成される。換言すれば、処理容器20は、少なくとも基板載置台70を収容する下チャンバー17の位置においては、水平断面が矩形に形成される。また、基板載置台70は、上方から平面視して矩形に形成される。換言すれば、基板載置台70は、水平断面が矩形に形成される。排気口16aは、処理容器20の底板16において、基板載置台70を囲んで複数配置される。換言すれば、排気口16aは、平面視して基板載置台70よりも外側かつ処理容器20(下チャンバー17)の側壁15よりも内側に配置される。
【0019】
各排気口16aは、排気装置300に接続されている。なお、下チャンバー17の適所には圧力計(図示せず)が設置されており、圧力計によるモニター情報が制御部90に送信されるようになっている。
【0020】
基板載置台70は、基材71と、基材71の上面71aに形成されている静電チャック76とを有する。
【0021】
基材71の平面視形状は矩形であり、基板載置台70に載置される基板Gと同程度の平面寸法を有する。基材71の長辺の長さは1800mm乃至3400mm程度に設定でき、短辺の長さは1500mm乃至3000mm程度に設定できる。この平面寸法に対して、基材71の厚みは、例えば50mm乃至100mm程度となり得る。
【0022】
基材71には、矩形平面の全領域をカバーするように蛇行した温調媒体流路72aが設けられている。尚、基材71とは分割した別部品の温調板に温調媒体流路を設けてもよい。
【0023】
下チャンバー17の底板16の上には、絶縁材料により形成されて内側に段部を有する箱型の台座78が固定されており、台座78の段部の上に基板載置台70が載置される。
【0024】
基材71の上面71aには、基板Gが直接載置される静電チャック76が形成されている。静電チャック76は、アルミナやイットリア等のセラミックスを溶射して形成される誘電体被膜であるセラミックス層74(セラミック溶射皮膜)と、セラミックス層74の内部に埋設されて静電吸着機能を有しタングステンやモリブデン等により形成される導電層75(静電吸着電極)とを有する。
【0025】
導電層75は、給電線84を介して直流電源85に接続されている。制御部90により、給電線84に介在するスイッチ(図示せず)がオンされると、直流電源85から導電層75に直流電圧が印加されることによりクーロン力が発生する。このクーロン力により、基板Gが静電チャック76の上面に静電吸着され、基材71の上面71aに載置された状態で保持される。
【0026】
基板載置台70を構成する基材71には、矩形平面の全領域をカバーするように蛇行した温調媒体流路72aが設けられている。温調媒体流路72aの両端には、温調媒体流路72aに対して温調媒体が供給される送り配管72bと、温調媒体流路72aを流通して昇温された温調媒体が排出される戻り配管72cとが連通している。
【0027】
図1に示すように、送り配管72bと戻り配管72cにはそれぞれ、送り流路87と戻り流路88が連通しており、送り流路87と戻り流路88はチラー86に連通している。チラー86は、温調媒体の温度や吐出流量を制御する本体部と、温調媒体を圧送するポンプとを有する(いずれも図示せず)。尚、温調媒体としては冷媒が適用され、この冷媒には、ガルデン(登録商標)やフロリナート(登録商標)等が適用される。図示例の温調形態は、基材71に温調媒体を流通させる形態であるが、基材71がヒータ等を内蔵し、ヒータにより温調する形態であってもよいし、温調媒体とヒータの双方により温調する形態であってもよい。また、ヒータの代わりに、高温の温調媒体を流通させることにより加熱を伴う温調を行ってもよい。更に、基材71とは分割した別部品の温調板に水路やヒータを設けてもよい。尚、抵抗体であるヒータは、タングステンやモリブデン、もしくはこれらの金属のいずれか一種とアルミナやチタン等との化合物から形成される。また、図示例は、基材71に温調媒体流路72aが形成されている。
【0028】
基材71には熱電対等の温度センサ(図示せず)が配設されており、温度センサによるモニター情報は、制御部90に随時送信される。そして、送信されたモニター情報に基づいて、基材71及び基板Gの温調制御が制御部90により実行される。より具体的には、制御部90により、チラー86から送り流路87に供給される温調媒体の温度や流量が調整される。そして、温度調整や流量調整が行われた温調媒体が温調媒体流路72aに循環されることにより、基板載置台70の温調制御が実行される。尚、熱電対等の温度センサは、例えば静電チャック76に配設されてもよい。
【0029】
静電チャック76及び基材71の外周と、台座78の上面とにより段部が形成され、この段部には、矩形枠状のフォーカスリング79が載置されている。段部にフォーカスリング79が設置された状態において、フォーカスリング79の上面の方が静電チャック76の上面よりも低くなるよう設定されている。フォーカスリング79は、アルミナ等のセラミックスもしくは石英等から形成される。
【0030】
基材71の下面には、給電部材80が接続されている。給電部材80の下端には給電線81が接続されており、給電線81はインピーダンス整合を行う整合器82を介してバイアス電源である高周波電源83に接続されている。基板載置台70に対して高周波電源83から例えば3.2MHzの高周波電力が印加されることにより、RFバイアスを発生させ、以下で説明するプラズマ発生用のソース源である高周波電源56にて生成されたイオンを基板Gに引き付けて、例えば、基板Gに成膜処理を施すことができる。このように、基板載置台70は、基板Gを載置しRFバイアスを発生させるバイアス電極を形成する。この時、下チャンバー17の内部の接地電位となる部位がバイアス電極の対向電極として機能し、高周波電力のリターン回路を構成する。尚、金属窓30を高周波電力のリターン回路の一部として構成してもよい。金属窓30は、複数の分割金属窓31により形成される。金属窓30を形成する分割金属窓31の数は、12個、24個等、多様な個数が設定できる。
【0031】
分割金属窓31は、導体プレート32と、シャワープレート34とを有する。分割金属窓31は、処理室Sの内部に処理ガスを吐出する処理ガス吐出部を兼ねる。導体プレート32とシャワープレート34はいずれも、非磁性で導電性を有し、さらに耐食性を有する金属もしくは耐食性の表面加工が施された金属である、アルミニウムやアルミニウム合金、ステンレス鋼等により形成されている。耐食性を有する表面加工は、例えば、陽極酸化処理やセラミックス溶射などである。また、処理室Sに臨むシャワープレート34の露出面34aには、陽極酸化処理やセラミックス溶射による耐プラズマコーティングが施されていてもよい。導体プレート32は接地線(図示せず)を介して接地されており、シャワープレート34も相互に接合される導体プレート32を介して接地されている。
【0032】
金属窓30を構成する各分割金属窓31は、複数本のサスペンダ(図示せず)により、上チャンバー13の天板12から吊り下げられている。それぞれの分割金属窓31の上方には、絶縁部材により形成されるスペーサ(図示せず)が配設され、該スペーサにより導体プレート32から離間して高周波アンテナ(誘導結合アンテナ)51が配設されている。高周波アンテナ51はプラズマの生成に寄与し、銅等の良導電性の金属から形成されるアンテナ線を、環状もしくは渦巻き状に巻装することにより形成される。例えば、環状のアンテナ線を多重に配設してもよい。高周波アンテナ51は、分割金属窓31の上面に配設されていることから、分割金属窓31を介して天板12から吊り下げられている。高周波アンテナ51は、処理容器20の上部、上チャンバー13のアンテナ室Aに配設される。
【0033】
導体プレート32の下面には、ガス拡散溝33が形成されており、ガス拡散溝33と上端面32aとを連通する貫通孔32bが設けられている。この貫通孔32bに、ガス導入管52が埋設されている。シャワープレート34には、導体プレート32のガス拡散溝33と処理室Sとに連通する、複数のガス吐出孔35が開設されている。シャワープレート34は、導体プレート32のガス拡散溝33の外側の領域の下面に対して、金属製のネジ(図示せず)によって締結されている。尚、ガス拡散溝は、シャワープレートの上面に開設されてもよい。
【0034】
それぞれの分割金属窓31は、絶縁部材37により、支持枠14や隣接する分割金属窓31と相互に電気的に絶縁されている。ここで、絶縁部材37は、PTFE(Polytetrafluoroethylene)等のフッ素樹脂により形成される。絶縁部材37の処理室Sに臨む端面37aは、シャワープレート34の処理室Sに臨む露出面34aと面一となっており、絶縁性を有するカバー部材38が、絶縁部材37の端面37aを被覆しながら、隣接するシャワープレート34の露出面34aに跨がって配設されている。このカバー部材38は、アルミナ等のセラミックスにより形成されている。
【0035】
絶縁部材37は、絶縁性能が高く、軽量なPTFEなどの樹脂により形成されているが、アルミナ等のセラミックスと比較して樹脂の耐プラズマ性は高くない。さらに、樹脂の表面に対して、陽極酸化処理やセラミックス溶射による耐プラズマコーティングを行うことは難しい。そこで、プラズマ処理装置100では、絶縁部材37の処理室S側の端面37aを、例えばセラミックス製のカバー部材38にて被覆することにより、プラズマから絶縁部材37を保護している。支持枠14と分割金属窓31や、隣接する分割金属窓31同士を相互に絶縁する各絶縁部材37は、カバー部材38により被覆されている。
【0036】
高周波アンテナ51には、上チャンバー13の上方に延設する給電部材53が接続されており、給電部材53の上端には給電線54が接続され、給電線54はインピーダンス整合を行う整合器55を介して高周波電源56に接続されている。
【0037】
高周波アンテナ51に対して高周波電源56から例えば13.56MHzの高周波電力が印加されることにより、下チャンバー17内に誘導電界が形成される。この誘導電界により、シャワープレート34から処理室Sに供給された処理ガスがプラズマ化されて誘導結合型プラズマが生成され、プラズマ中のイオンが基板Gに提供される。
【0038】
高周波電源56はプラズマ発生用のソース源であり、基板載置台70に接続されている高周波電源83は、発生したイオンを引き付けて運動エネルギを付与するバイアス源となる。このように、イオンソース源には誘導結合を利用してプラズマを生成し、別電源であるバイアス源を基板載置台70に接続してイオンエネルギの制御を行うことより、プラズマの生成とイオンエネルギの制御が独立して行われ、プロセスの自由度を高めることができる。
【0039】
図1に示すように、それぞれの分割金属窓31の有するガス導入管52は、アンテナ室A内で一箇所に纏められ、上方に延びるガス導入管52は上チャンバー13の天板12に開設されている供給口12aを気密に貫通する。そして、ガス導入管52は、気密に結合されたガス供給管61を介して処理ガス供給源64に接続されている。
【0040】
ガス供給管61の途中位置には開閉バルブ62とマスフローコントローラのような流量制御器63が介在している。ガス供給管61、開閉バルブ62、流量制御器63及び処理ガス供給源64により、処理ガス供給部60が形成される。尚、ガス供給管61は途中で分岐しており、各分岐管には開閉バルブと流量制御器、処理ガス種に応じた処理ガス供給源及びクリーニングガス供給源が連通している(図示せず)。
【0041】
プラズマ処理においては、処理ガス供給部60から供給される処理ガスがガス供給管61及びガス導入管52を介して、各分割金属窓31の有する導体プレート32のガス拡散溝33に供給される。そして、各ガス拡散溝33から各シャワープレート34のガス吐出孔35を介して、処理室Sに吐出される。
【0042】
このように、プラズマ処理装置100は、基板Gに基板処理(成膜処理、エッチング処理等)を施すため処理プラズマを生成する第1のプラズマ生成部を備える。第1のプラズマ生成部は、少なくとも、金属窓30、高周波アンテナ51を含む。高周波電源56は、高周波アンテナ51に高周波電力を供給し、処理ガス供給部60は、分割金属窓31(処理ガス吐出部)を介して処理室Sに処理ガスを供給する。第1のプラズマ生成部は、処理室S内に誘導電界を形成し、この誘導電界により処理室S内に供給された処理ガスのプラズマを生成する。
【0043】
リモートプラズマ発生装置200は、導通路210を介して、処理容器20の側壁15と接続される。リモートプラズマ発生装置200は、第2のプラズマ生成部(不図示)を備える。リモートプラズマ発生装置200は、クリーニングガス供給源220から供給されたフッ素(F)を含有するクリーニングガスを第2のプラズマ生成部でプラズマ化して、クリーニング種(例えば、クリーニングガスのイオン、ラジカル等の活性種)を生成する。また、リモートプラズマ発生装置200は、導通路210を介して、処理容器20の側壁15から処理容器20内にクリーニング種を導入するように構成されている。
【0044】
なお、処理ガスと同様に、ガス供給管61及びシャワープレート34を介してクリーニングガス供給源から処理室S内に供給されたクリーニングガスを、高周波アンテナ51に対して高周波電源56から印加した高周波電力によって下チャンバー17内に形成した誘導電界によりプラズマ化し、処理室S内にクリーニングガスのプラズマを生成する構成であってもよい。この構成の場合、リモートプラズマ発生装置200は省略してもよい。処理室S内に生成されたクリーニングガスのプラズマは処理容器20の下チャンバー17の内部をクリーニングする。
【0045】
制御部90は、プラズマ処理装置100の各構成部、例えば、チラー86や、高周波電源56,83、処理ガス供給部60、圧力計から送信されるモニター情報に基づく排気装置300等の動作を制御する。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPUは、RAMやROMの記憶領域に格納されたレシピ(プロセスレシピ)に従い、所定の処理を実行する。レシピには、プロセス条件に対するプラズマ処理装置100の制御情報が設定されている。制御情報には、例えば、ガス流量や処理容器20内の圧力、処理容器20内の温度や基材71の温度、プロセス時間等が含まれる。
【0046】
レシピ及び制御部90が適用するプログラムは、例えば、ハードディスクやコンパクトディスク、光磁気ディスク等に記憶されてもよい。また、レシピ等は、CD-ROM、DVD、メモリカード等の可搬性のコンピュータによる読み取りが可能な記憶媒体に収容された状態で制御部90にセットされ、読み出される形態であってもよい。制御部90はその他、コマンドの入力操作等を行うキーボードやマウス等の入力装置、プラズマ処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等の表示装置、及びプリンタ等の出力装置といったユーザーインターフェイスを有している。
【0047】
ここで、図2を用いて、プラズマ処理装置100の動作の一例について説明する。図2は、プラズマ処理装置100の動作の一例を示す、一枚の基板の処理についてのフローチャートである。
【0048】
ステップS101において、基板Gに基板処理を施す。ここでは、基板Gを処理容器20に搬入し、基板載置台70に載置する。次に、制御部90は、処理室Sに供給された処理ガスのプラズマを用いて基板Gに基板処理を施す。ここで、基板処理は、プラズマCVD法を用いた成膜処理である。処理ガスは、例えばSiHガスを含む。また、基板処理時の基板載置台70の温度は、200℃~260℃の範囲内(例えば250℃)である。200℃よりも低い温度で成膜を行うと、最終的なデバイスの特性が悪くなるため200℃以上の温度で成膜する必要があるが、高温になり過ぎるとデバイスがダメージを受ける。従って、慣用的に、200℃以上260℃以下で成膜処理を行うことが適当である。そして、基板Gを処理容器20から搬出する。なお、基板処理において、処理容器20の処理室S内、例えば、下チャンバー17の内壁などに反応副生成物が堆積する。
【0049】
ステップS102において、クリーニング処理を実行するか否かを判定する。クリーニング処理を実行する場合、(S102・YES)、制御部90の処理はステップS103に進む。クリーニング処理を実行しない場合、(S102・NO)、フローチャートは終了する。次の基板Gがある場合、制御部90は、次の基板Gに対してステップ101の基板処理を施し、図2のフローチャートを繰り返すようにしてもよい。
【0050】
ステップS103において、処理容器20にクリーニング処理を施す。クリーニング処理は、処理容器20の処理室S内に堆積した反応副生成物を除去する処理である。制御部90は、処理室Sに供給されたクリーニングガスのプラズマを用いて処理容器20内をクリーニングする。ここで、クリーニングガスは、フッ素(F)を含有するクリーニングガスである。具体的には、クリーニングガスは、NFガスである。
【0051】
ここで、基板載置台70には、基板処理時の高温に対応可能な耐熱性と、クリーニング処理における耐食性と、が求められる。
【0052】
本実施形態に係る基板載置台70について、図3を用いてさらに説明する。図3は、本実施形態に係る基板載置台70の一例を示す断面模式図である。
【0053】
基材71は、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成される。基材71の表面は、ニッケル含有めっき層710で被覆されている。ニッケル含有めっきは、例えば、純粋なニッケルであってもよく、或いは、ニッケルのほかにリンを含んだニッケル―リン合金メッキであってもよい。また、その他の成分を含んだニッケル合金についても用いられうる。ニッケル含有めっき層710は、クリーニングガスとして用いられるNFガスに対して耐食性を有している。また、基材71には、セラミックス層74を貫通する溶射皮膜貫通孔761に連通する基材貫通孔711や、基板載置台70を固定するためのボルトを挿通するざぐり穴712やねじ穴(図示せず)等が形成されている。ニッケル含有めっき層710は、基材貫通孔711やざぐり穴712の内壁面にも施される。なお、基材貫通孔711は、基板Gの裏面と基板載置台70の載置面との間に伝熱ガスを供給する伝熱ガス供給孔や、基板Gを昇降するリフトピン(図示せず)が配置されるリフトピン貫通孔等を含む。
【0054】
また、基材71の上面71aには、セラミック溶射皮膜であるセラミックス層74を有する。セラミックス層74は、例えばアルミナ(Al)で構成される。また、導電層75は、セラミックス層74の内部に埋設される。導電層75は、例えばタングステン(W)で構成される。
【0055】
次に、参考例に係る基板載置台70Cについて、図4を用いてさらに説明する。図4は、参考例に係る基板載置台70Cの一例を示す断面模式図である。
【0056】
基材71は、マルテンサイト系ステンレスで形成されている。一方、基材71の表面には、ニッケル含有めっき層710が設けられていない。
【0057】
また、基材71の上面71aには、セラミック溶射皮膜であるセラミックス層74を有する。セラミックス層74は、例えばアルミナで構成される。また、導電層75は、セラミックス層74の内部に埋設される。
【0058】
ここで、基板載置台70及び基板載置台70Cのいずれにおいても、基材71をマルテンサイト系ステンレス鋼で構成することにより、アルミナで構成されるセラミックス層74との熱膨張差を小さくすることができる。これにより、熱膨張差により基材71からセラミックス層74が剥離することを防止することができる。即ち、基板処理における基板載置台70,70Cの耐熱性を向上させることができる。
【0059】
一方、クリーニング処理において、基材貫通孔711やざぐり穴712からフッ素(F)が基材71の表面に到達する。また、セラミックス層74を透過したフッ素(F)が基材71とセラミックス層74との境界面(接合面)にも到達する。
【0060】
これにより、図4に示す参考例に係る基板載置台70Cにおいて、基材71の表面に腐食部715が発生する。また、基材71とセラミックス層74との境界面に腐食部715が発生することで基材71からセラミックス層74が剥離するおそれがある。セラミックス層74が剥離することで静電チャック76の絶縁不良が発生するおそれがある。
【0061】
これに対し、図3に示す本実施形態に係る基板載置台70では、ニッケル含有めっき層710により基材71の腐食を防止することができる。即ち、本実施形態に係る基板載置台70では、クリーニングガスに対して耐食性を有する。これにより、基材71からセラミックス層74が剥離することを防止することができる。
【0062】
また、ニッケル含有めっき層710を有する基材71は、セラミックス層74と接合する境界面にブラスト処理を施すことが好ましい。これにより、溶射によって形成されるセラミックス層74との密着性を向上させることができる。
【0063】
本実施形態に係る基板載置台70と参考例に係る基板載置台70Cについて、図5及び図6を用いて更に説明する。
【0064】
図5は、本実施形態に係る基板載置台70を模擬して作成した構造体と、この構造体をクリーニング処理した後の組成比を示すグラフである。図5(a)は、図3に示す基板載置台70を模擬して作成した構造体である。即ち、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成された基材71の表面にニッケル含有めっき層710を形成し、境界面にブラスト処理を施し、その上にセラミックス層74を溶射した。
【0065】
図5(b)は、作成した構造体について、クリーニング処理を模擬してF含有ガスのプラズマに曝露する試験を行い、セラミックス層74とニッケル含有めっき層710(基材71)との境界面付近の分析位置P1における原子数濃度を検出した。
【0066】
図6は、参考例に係る基板載置台70Cを模擬して作成した構造体と、この構造体をクリーニング処理した後の組成比を示すグラフである。図6(a)は、図4に示す基板載置台70Cを模擬して作成した構造体である。即ち、マルテンサイト系ステンレス鋼で構成された基材71の上にセラミックス層74を溶射した。
【0067】
図6(b)は、作成した構造体について、クリーニング処理を模擬してF含有ガスのプラズマに曝露する試験を行い、セラミックス層74と基材71との境界面付近の分析位置P2における原子数濃度を検出した。
【0068】
図6(b)に示すように、境界面付近の分析位置P2において、フッ素(F)が検出された。これは、基材71からセラミックス層74が剥離することで、構造体の側方からフッ素(F)が進入したことを示す。
【0069】
これに対し、図5(b)に示すように、境界面付近の分析位置P1において、フッ素(F)が検出されていない。即ち、基材71からセラミックス層74が剥離していないことを示す。
【0070】
図5(b)と図6(b)を対比して示すように、本実施形態に係る基板載置台70は、基板処理における耐熱性とクリーニング処理における耐食性とを有する。
【0071】
次に、耐熱性(耐熱温度)と耐食性(耐高温Fラジカル)について、図7を用いてさらに説明する。図7は、耐熱温度と耐高温Fラジカルの可否を示す図の一例である。
【0072】
(a)において、基材71はアルミニウムで構成され、セラミックス層74(セラミック溶射皮膜)はアルミナ(Al)で導電層75(静電吸着電極)はタングステン(W)で構成される。
【0073】
(b)において、基材71はオーステナイト系ステンレス鋼で構成され、セラミックス層74(セラミック溶射皮膜)はアルミナ(Al)で導電層75(静電吸着電極)はタングステン(W)で構成される。
【0074】
(c)において、基材71はマルテンサイト系ステンレス鋼で構成され、セラミックス層74(セラミック溶射皮膜)はアルミナ(Al)で導電層75(静電吸着電極)はタングステン(W)で構成される。即ち、図4に示す参考例に係る基板載置台70Cに相当する。
【0075】
(d)において、基材71は表面にニッケル含有めっき層710を有するマルテンサイト系ステンレス鋼で構成され、セラミックス層74(セラミック溶射皮膜)はアルミナ(Al)で導電層75(静電吸着電極)はタングステン(W)で構成される。即ち、図3に示す本実施形態に係る基板載置台70に相当する。
【0076】
(a)~(d)に示す基板載置台について、評価温度で加熱し基板載置台が損傷(セラミックス層74の割れによる絶縁破壊等)が発生するか否かを評価した。各基板載置台における耐熱温度の範囲を矢印で示す。
【0077】
また、(a)~(d)に示す基板載置台についてクリーニングガスのプラズマによる耐食性、即ち耐高温Fラジカルについての可否を評価した。
【0078】
(a)に示すアルミニウムで構成される基板載置台は、クリーニングガスのプラズマに対して耐食性を有する。即ち、耐高温Fラジカルは良好(OK)である。一方、評価温度130℃以上においては、基板載置台の損傷が確認された。
【0079】
(b)に示すオーステナイト系ステンレス鋼で構成される基板載置台は、クリーニングガスのプラズマに対して腐食する。即ち、耐高温Fラジカルは不可(NG)である。また、評価温度160℃以上においては、基板載置台の損傷が確認された。
【0080】
(c)に示すマルテンサイト系ステンレス鋼で構成される基板載置台は、クリーニングガスのプラズマに対して腐食する。即ち、耐高温Fラジカルは不可(NG)である。また、評価温度340℃以上においては、基板載置台の損傷が確認された。
【0081】
(d)に示す表面にニッケル含有めっき層を有するマルテンサイト系ステンレス鋼で構成される基板載置台は、クリーニングガスのプラズマに対して耐食性を有する。即ち、耐高温Fラジカルは良好(OK)である。また、評価温度280℃以上においては、基板載置台の損傷が確認された。
【0082】
このように、本実施形態に係る基板載置台70によれば、基板処理における耐熱性と、クリーニング処理における耐食性と、を両立することができる。即ち、基材71をマルテンサイト系ステンレス鋼で構成することにより、アルミニウムやオーステナイト系ステンレス鋼で構成する場合と比較して、セラミックス層74を構成するアルミナ(Al)との熱膨張差を小さくすることが出来る。これにより、セラミックス層74の割れを抑制し、基板載置台70の耐熱性を向上する。加えて、マルテンサイト系ステンレス鋼の表面をニッケル含有めっき層で被覆することにより、クリーニングガスのプラズマに対して耐食性を向上させる。
【符号の説明】
【0083】
64 処理ガス供給源
70 基板載置台
71 基材
71a 上面
74 セラミックス層(セラミック溶射皮膜)
75 導電層(静電吸着電極)
76 静電チャック
100 プラズマ処理装置(基板処理システム)
220 クリーニングガス供給源
711 基材貫通孔
761 溶射皮膜貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7