(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174686
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】光導波路装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/122 20060101AFI20241210BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G02B6/122
G02B6/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092649
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】兼田 悠
(72)【発明者】
【氏名】堀内 拓哉
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137BA31
2H137BA53
2H137BA55
2H137BB33
2H137DA39
2H137EA05
2H147BG11
2H147BG17
2H147DA09
2H147DA10
2H147EA09C
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147EA16C
2H147EA17A
2H147EA17B
2H147EA19A
2H147EA19B
2H147EA20A
2H147EA20B
2H147FD08
2H147GA00
(57)【要約】
【課題】シリコンフォトニクスチップの搭載前に光導波路の検査が可能な光導波路装置を提供する。
【解決手段】本光導波路装置は、第1クラッド層と、前記第1クラッド層の上に形成された複数のコア層と、前記第1クラッド層の上に形成され、前記コア層を選択的に被覆する第2クラッド層と、を有し、前記第1クラッド層の上に、前記第2クラッド層に被覆されていない第1領域が設けられ、複数の前記コア層は、一端が前記第1領域に配置され、信号光を入出力する複数の信号用コア層と、一端及び他端が外周面に露出し、検査光を入出力する検査用コア層と、を含み、前記検査用コア層は、前記信号用コア層と同一材料により形成され、前記検査用コア層の短手方向の断面形状は、前記信号用コア層の短手方向の断面形状と同一である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1クラッド層と、
前記第1クラッド層の上に形成された複数のコア層と、
前記第1クラッド層の上に形成され、前記コア層を選択的に被覆する第2クラッド層と、を有し、
前記第1クラッド層の上に、前記第2クラッド層に被覆されていない第1領域が設けられ、
複数の前記コア層は、
一端が前記第1領域に配置され、信号光を入出力する複数の信号用コア層と、
一端及び他端が外周面に露出し、検査光を入出力する検査用コア層と、を含み、
前記検査用コア層は、前記信号用コア層と同一材料により形成され、
前記検査用コア層の短手方向の断面形状は、前記信号用コア層の短手方向の断面形状と同一である、光導波路装置。
【請求項2】
前記第1クラッド層は、平面視で4つ以上の辺を備え、
平面視で、前記検査用コア層の少なくとも一端が位置する辺は、前記信号用コア層の他端が位置する辺と相違する、請求項1に記載の光導波路装置。
【請求項3】
平面視で、前記検査用コア層の他端が位置する辺は、前記信号用コア層の他端が位置する辺と同一である、請求項2に記載の光導波路装置。
【請求項4】
平面視で、第1辺と、前記第1辺と平行な第2辺と、を備えた突起部を有し、
平面視で、前記検査用コア層の一端は、前記第1辺に位置し、他端は前記第2辺に位置し、
平面視で、前記検査用コア層の長手方向は、前記第1辺及び前記第2辺と垂直である、請求項1に記載の光導波路装置。
【請求項5】
平面視で、前記検査用コア層は、前記第1クラッド層の角部に配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光導波路装置。
【請求項6】
平面視で、前記検査用コア層は、前記信号用コア層と非平行な部分を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光導波路装置。
【請求項7】
前記第1領域にシリコンフォトニクスチップが配置され、
前記シリコンフォトニクスチップは、複数の前記信号用コア層の前記一端と光結合している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光導波路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コア層とクラッド層とを含む光導波路を有する光導波路装置が知られている。このような光導波路装置は、シリコンフォトニクスチップが搭載されて光導波路と光結合され、各種のコンピュータやデータ通信などの装置が設置されたデータセンター等において使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような光導波路装置では、シリコンフォトニクスチップが搭載されていない状態では、非破壊で光導波路の検査を行うことが困難な場合がある。しかし、シリコンフォトニクスチップが搭載された後でないと光導波路の検査ができない場合、光導波路の不良を事前に発見できない。そのため、シリコンフォトニクスチップが搭載された光導波路装置が不良品となってしまい、歩留まりの低下につながる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、シリコンフォトニクスチップの搭載前に光導波路の検査が可能な光導波路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本光導波路装置は、第1クラッド層と、前記第1クラッド層の上に形成された複数のコア層と、前記第1クラッド層の上に形成され、前記コア層を選択的に被覆する第2クラッド層と、を有し、前記第1クラッド層の上に、前記第2クラッド層に被覆されていない第1領域が設けられ、複数の前記コア層は、一端が前記第1領域に配置され、信号光を入出力する複数の信号用コア層と、一端及び他端が外周面に露出し、検査光を入出力する検査用コア層と、を含み、前記検査用コア層は、前記信号用コア層と同一材料により形成され、前記検査用コア層の短手方向の断面形状は、前記信号用コア層の短手方向の断面形状と同一である。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、シリコンフォトニクスチップの搭載前に光導波路の検査が可能な光導波路装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る光導波路装置を例示する図である。
【
図2】検査用コア層の検査方法について説明する模式図である。
【
図3】第1実施形態の変形例1に係る光導波路装置を例示する平面図である。
【
図4】第1実施形態の変形例2に係る光導波路装置を例示する平面図である。
【
図5】第1実施形態の変形例3に係る光導波路装置を例示する平面図である。
【
図6】第1実施形態の変形例4に係る光導波路装置を例示する平面図である。
【
図7】第1実施形態の変形例5に係る光導波路装置を例示する平面図である。
【
図8】第1実施形態の変形例6に係る光導波路装置を例示する部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
[光導波路装置]
図1は、第1実施形態に係る光導波路装置を例示する図であり、
図1(a)は、平面図、
図1(b)は
図1(a)のA-A線に沿う断面図、
図1(c)は
図1(a)のB-B線に沿う断面図である。
【0011】
図1を参照すると、光導波路装置1は、第1クラッド層21と、信号用コア層22a~22dと、検査用コア層22tと、第2クラッド層23とを有する。
【0012】
第1クラッド層21は、最下層に位置する。第1クラッド層21の厚さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。第1クラッド層21の屈折率は、例えば、1.5程度とすることができる。第1クラッド層21は、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の感光性樹脂から形成することができる。
【0013】
信号用コア層22a~22dは、第1クラッド層21の上に形成されている。図示の例では、信号用コア層22a~22dのそれぞれは、所定間隔で並置された4つの信号用コア層を含んでいる。信号用コア層22a~22dのそれぞれは、1つ以上の任意の個数の信号用コア層を含むことができる。なお、光導波路装置1は、複数の信号用コア層を含んでいればよい。例えば、光導波路装置1は、1つの信号用コア層を含む信号用コア層22aと、1つの信号用コア層を含む信号用コア層22bとを含み、信号用コア層22c及び22dを含まなくてもよい。
【0014】
信号用コア層22a~22dは、信号光を入出力するコア層である。信号用コア層22a~22dにおいて、各々の信号用コア層の短手方向の断面形状は、例えば、矩形である。信号用コア層22a~22dにおいて、各々の信号用コア層の幅は、例えば、5μm~10μm程度とすることができる。信号用コア層22a~22dにおいて、各々の信号用コア層の厚さは、例えば、5μm~10μm程度とすることができる。信号用コア層22a~22dにおいて、各々の信号用コア層の屈折率は、第1クラッド層21及び第2クラッド層23の屈折率よりも高く、例えば、1.6程度とすることができる。信号用コア層22a~22dは、例えば、第1クラッド層21の材料として例示した中から適宜選択した材料により形成することができる。
【0015】
検査用コア層22tは、第1クラッド層21の上に形成されている。図示の例では、検査用コア層22tは、所定間隔で並置された3つの検査用コア層を含んでいる。検査用コア層22tは、1つ以上の任意の個数の検査用コア層を含むことができる。
【0016】
検査用コア層22tは、検査光を入出力するコア層である。検査用コア層22tにおいて、各々の検査用コア層の短手方向の断面形状は、例えば、矩形である。検査用コア層22tは、信号用コア層22a~22dと同一の仕様で形成されている。すなわち、検査用コア層22tは、信号用コア層22a~22dと同一材料により形成されている。また、検査用コア層22tにおける各々の検査用コア層の短手方向の断面形状は、信号用コア層22a~22dにおける各々の信号用コア層の短手方向の断面形状と同一である。言い換えれば、検査用コア層22tにおける各々の検査用コア層の幅は、信号用コア層22a~22dにおける各々の信号用コア層の幅と同一である。また、検査用コア層22tにおける各々の検査用コア層の厚さは、信号用コア層22a~22dにおける各々の信号用コア層の厚さと同一である。
【0017】
なお、検査用コア層22tと信号用コア層22a~22dは、フィルム状部材を用いてフォトリソグラフィ法により同時に形成される。そのため、両者の幅にフォトリソグラフィ法による製造上のばらつき程度の誤差があっても同一の範囲内とする。また、両者の厚さにフィルム状部材が元々有する程度の誤差があっても同一の範囲内とする。
【0018】
第2クラッド層23は、第1クラッド層21の上に形成され、信号用コア層22a~22d及び検査用コア層22tを選択的に被覆する。必要に応じ、検査用コア層22tの一部は、第2クラッド層23から露出してもよい。第2クラッド層23の厚さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。第2クラッド層23の屈折率は、例えば、1.5程度とすることができる。第2クラッド層23は、硬化した感光性樹脂である。第2クラッド層23は、例えば、第1クラッド層21の材料として例示した中から適宜選択した材料により形成することができる。
【0019】
光導波路装置1では、第1クラッド層21と、信号用コア層22a~22dと、第2クラッド層23によりシングルモードの信号用光導波路20を構成している。信号用コア層22a~22dにおいて、各々の信号用コア層は直線状に形成しなくてもよく、湾曲する部分を含んでいてもよい。信号用コア層22a~22dにおいて、隣接する信号用コア層の間隔は、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
【0020】
また、光導波路装置1では、第1クラッド層21と、検査用コア層22tと、第2クラッド層23によりシングルモードの検査用光導波路20Tを構成している。検査用コア層22tにおいて、各々の検査用コア層は直線状に形成しなくてもよく、湾曲する部分を含んでいてもよい。検査用コア層22tにおいて、隣接する検査用コア層の間隔は、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
【0021】
光導波路装置1は、第1クラッド層21の上に、第2クラッド層23に被覆されていない第1領域Eが設けられている。第1領域Eは、シリコンフォトニクスチップを搭載可能な領域である。信号用コア層22a~22dの一端は、第1領域Eに配置されている。すなわち、信号用コア層22a~22dの一端は、平面視で、第2クラッド層23から露出している。
【0022】
図示の例では、信号用コア層22aの一端と信号用コア層22bの一端とは、間隙を開けて対向している。また、信号用コア層22cの一端と信号用コア層22dの一端とは、間隙を開けて対向している。信号用コア層22a~22dの他端は、光導波路装置1の外周面(側面)に露出している。一方、検査用コア層22tの一端及び他端は、光導波路装置1の外周面に露出している。
【0023】
信号用コア層22a~22dの一端は、光導波路装置1の外周面に露出していないため、シリコンフォトニクスチップが搭載されていない状態では、光の入出力を行うことが困難である。すなわち、シリコンフォトニクスチップが搭載されていない状態では、非破壊で信号用光導波路20の検査を行うことが困難である。
【0024】
そこで、光導波路装置1では、信号用光導波路20とは別に、検査用光導波路20Tを設けている。検査用光導波路20Tは、検査用コア層22tの一端及び他端が光導波路装置1の外周面に露出しているため、容易に光の入出力を行うことが可能である。すなわち、検査用光導波路20Tは、シリコンフォトニクスチップの搭載前に検査が可能である。検査用光導波路20Tの検査を行うことにより、検査用コア層22tの良否判定を行うことができる。その結果、検査用コア層22tと同一の仕様で形成されている信号用コア層22a~22dの良否を高精度で推測することができる。
【0025】
図2は、検査用コア層の検査方法について説明する模式図である。
図2では、発光部110から出射される光を検査用コア層22tの一端に入射し、検査用コア層22tの他端から出射される光を受光部120で受光する。受光部120で受光した光を電気信号に変換して解析することにより、検査用コア層22tの検査を行うことができる。発光部110は、例えば、光ファイバーである。受光部120は、例えば、NFP(Near Field Pattern)を検出できるカメラである。
【0026】
具体的には、例えば、検査用コア層22tを導波する光がシングルモードになっているか否かを検査する。シングルモードか否かは、検査用コア層22tの形成精度、すなわち検査用コア層22tの幅や厚さが許容誤差の範囲内であるか否か、により決まる。そのため、検査結果がシングルモードであれば、検査用コア層22tの形成精度に問題がないことを確認できる。その結果、検査用コア層22tと同一の仕様で形成されている信号用コア層22a~22dの形成精度に問題がないことを高精度で推測することができる。その結果、シリコンフォトニクスチップが搭載された後の光導波路装置1の歩留まりを向上することができる。
【0027】
検査用コア層22tは、信号用コア層22a~22dの設計自由度を向上するために、平面視で、第1クラッド層21の外周付近に配置されていることが好ましく、角部に配置されていることがより好ましい。光導波路装置1では、平面視で、検査用コア層22tは、第1クラッド層21の右下の角部に配置されている。
【0028】
すなわち、光導波路装置1では、第1クラッド層21は、平面視で4つの辺を備え、平面視で、検査用コア層22tの一端が位置する辺は、信号用コア層22a~22dの他端が位置する辺と相違する。また、平面視で、検査用コア層22tの他端が位置する辺は、信号用コア層22b及び22dの他端が位置する辺と同一である。
【0029】
また、光導波路装置1では、平面視で、検査用コア層22tは、信号用コア層22a~22dと非平行な部分を含む。具体的には、光導波路装置1では、平面視で、検査用コア層22tは直線状であり、直線状の信号用コア層22a~22dに対して約45度の傾斜角で配置されている。このような形態により、検査用コア層22tを、平面視で、第2クラッド層23の角部に配置しやすくなる。なお、検査用コア層22tは、直線状の信号用コア層22a~22dに対して45度以外の傾斜角で配置されてもよい。
【0030】
〈第1実施形態の変形例〉
第1実施形態の変形例では、検査用コア層の形状が異なる例や、シリコンフォトニクスチップを搭載する例等を示す。なお、第1実施形態の変形例において、既に説明した実施形態と同一構成部分についての説明は省略する場合がある。
【0031】
図3は、第1実施形態の変形例1に係る光導波路装置を例示する平面図である。
図3に示す光導波路装置1Aは、突起部10を有する点が、光導波路装置1と相違する。
【0032】
光導波路装置1Aでは、第1クラッド層21は、平面視で4つ以上の辺を備えている。そして、平面視で、検査用コア層22tの一端が位置する辺は、信号用コア層22a~22dの他端が位置する辺と相違する。また、平面視で、検査用コア層22tの他端が位置する辺は、信号用コア層22a~22dの他端が位置する辺と相違する。
【0033】
光導波路装置1Aでは、検査用コア層22tは突起部10に形成されている。突起部10は、例えば、
図1(a)に示す形状の光導波路装置1において、右下の角部を形成する2辺の側から、平面視で直角二等辺三角形の切り欠きを設けることで形成できる。
【0034】
突起部10は、平面視で、第1辺11と、第1辺11と平行な第2辺12と、を備えている。そして、平面視で、検査用コア層22tの一端は、第1辺11に位置し、他端は第2辺12に位置する、平面視で、検査用コア層22tの長手方向は、第1辺11及び第2辺12と垂直である。なお、ここでの平行や垂直は、±5度の誤差を許容するものとする。
【0035】
このような形態により、検査用コア層22tの一端及び他端が第1辺11及び第2辺12に対して垂直になる。これにより、光導波路装置1のように、検査用コア層22tの一端及び他端が第1クラッド層21の辺に対して傾斜している場合よりも、検査用コア層22tの一端を発光部110に近づけることができ、他端を受光部120に近づけることができる。その結果、検査用コア層22tの検査を容易かつ高精度で実施することができる。
【0036】
図4は、第1実施形態の変形例2に係る光導波路装置を例示する平面図である。
図4に示す光導波路装置1Bは、検査用コア層22tが湾曲している点が、光導波路装置1と相違する。
図5は、第1実施形態の変形例3に係る光導波路装置を例示する平面図である。
図5に示す光導波路装置1Cは、検査用コア層22tが湾曲している部分と直線状の部分とを含む点が、光導波路装置1と相違する。光導波路装置1Cでは、検査用コア層22tは、平面視で、第1クラッド層21の角部ではなく、外周付近に配置されている。このように、検査用コア層22tの形状は直線状には限定されず、任意の形状とすることができる。
【0037】
図6は、第1実施形態の変形例4に係る光導波路装置を例示する平面図である。
図6に示す光導波路装置1Dは、検査用コア層22tが信号用コア層22a~22dと平行である点が、光導波路装置1と相違する。光導波路装置1Dでは、検査用コア層22tは、平面視で、第1クラッド層21の角部ではなく、外周付近に配置されている。このように、検査用コア層22tは、光導波路装置1、1A、1B、及び1Cのような信号用コア層22a~22dと非平行な部分を含む形態には限定されず、信号用コア層22a~22dと平行であってもよい。
【0038】
図7は、第1実施形態の変形例5に係る光導波路装置を例示する平面図である。
図7に示す光導波路装置1Eは、シリコンフォトニクスチップ30を有する点が、光導波路装置1と相違する。光導波路装置1Eは、信号用光導波路20の両端に、信号用コア層22a~22dと接続されるコネクタ40を有しているが、コネクタ40を有していなくてもよい。
【0039】
シリコンフォトニクスチップ30は、例えば、シリコン基板と、シリコン基板の一方の面側に設けられたシリコン導波路とを備えている。シリコン導波路は、シリコンチップに作り込まれた微細な光導波路であり、シリコンチップに光回路などを集積化するシリコンフォトニクス技術に使用される。
【0040】
シリコン基板の厚さは、例えば、100μm~800μm程度である。シリコン導波路は、例えば、シリコン基板上に設けられた保護膜上に設けることができる。保護膜は、例えば、SiO2やSiOX等から形成することができる。保護膜の厚さは、例えば、2μm~6μm程度である。シリコン導波路は、シリコン基板に埋め込まれていてもよい。
【0041】
シリコンフォトニクスチップ30は、シリコン導波路を信号用コア層22a~22dの一端側に向けて第1領域Eに配置され、シリコン導波路は信号用コア層22a~22dの一端と光結合している。シリコン導波路は信号用コア層22a~22dの一端と、例えば、アディアバティック結合されている。シリコン導波路がシリコン基板から信号用コア層22a~22dの一端側に突出している場合、シリコン導波路の一部又は全部は信号用コア層22a~22dに埋め込まれてもよい。シリコン導波路において、信号用コア層22a~22dの一端と光結合する部分は、テーパー形状になっていてもよい。
【0042】
図8は、第1実施形態の変形例6に係る光導波路装置を例示する部分断面図である。
図8に示す光導波路装置1Fは、配線基板を有する点が、光導波路装置1Eと相違する。
【0043】
光導波路装置1Fにおいて、第1クラッド層21、信号用コア層22a~22d、検査用コア層22t、第2クラッド層23、及びシリコンフォトニクスチップ30は、配線基板50上に搭載されている。光導波路装置1Fは、コネクタ40を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0044】
配線基板50は、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの絶縁樹脂材料から形成される。配線基板50は、ガラスクロス等の補強部材を有していてもよい。配線基板50は、1以上の絶縁層と1以上の配線層との積層構造であってもよい。配線基板50は、剛性の強いリジッド基板であってもよく、剛性の弱いフレキシブル基板であってもよい。配線基板50は、例えば、ビルドアップ基板、シリコン基板、セラミック基板等である。
【0045】
配線基板50に半導体チップを搭載してもよい。搭載する半導体チップは、例えば、ASICやロジックICである。また、PHYチップを搭載してもよい。PHYチップは、物理的なインターフェースを形成するチップであり、例えば、データの符号化や復号化を実施することができる。
【0046】
このように、光導波路装置は、配線基板上に搭載されてもよい。このような形態により、様々な機能を実現することができる。なお、例えば光導波路装置1のようなシリコンフォトニクスチップを有していない光導波路装置であっても、配線基板上に搭載されてよい。
【0047】
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F 光導波路装置
10 突起部
11 第1辺
12 第2辺
20 信号用光導波路
20T 検査用光導波路
21 第1クラッド層
22a,22b,22c,22d 信号用コア層
22t 検査用コア層
23 第2クラッド層
30 シリコンフォトニクスチップ
40 コネクタ
50 配線基板
110 発光部
120 受光部