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特開2024-174707生体信号検出装置、生体信号検出システム及び接触判定方法
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  • 特開-生体信号検出装置、生体信号検出システム及び接触判定方法 図1
  • 特開-生体信号検出装置、生体信号検出システム及び接触判定方法 図2
  • 特開-生体信号検出装置、生体信号検出システム及び接触判定方法 図3
  • 特開-生体信号検出装置、生体信号検出システム及び接触判定方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174707
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】生体信号検出装置、生体信号検出システム及び接触判定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20241210BHJP
   A61B 5/276 20210101ALI20241210BHJP
【FI】
A61B5/00 B
A61B5/276 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092687
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大輔
【テーマコード(参考)】
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE15
4C117XE16
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE29
4C117XE37
4C117XJ13
4C117XJ46
4C117XJ47
4C117XJ48
4C127AA02
4C127CC10
(57)【要約】
【課題】本開示は、本開示は、バイタルセンサが生体に接触しているかどうかを判定可能にすることを目的とする。
【解決手段】本開示は、生体に装着する筐体11と、前記筐体11の一方の面に設置され、生体信号を検出するバイタルセンサ12と、前記バイタルセンサ12の設置された面と同じ面に設置される複数の電極13と、を備える生体信号検出装置10である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に装着する筐体と、
前記筐体の一方の面に設置され、生体信号を検出するバイタルセンサと、
前記バイタルセンサの設置された面と同じ面に設置される複数の電極と、
を備える生体信号検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体信号検出装置と、
前記複数の電極の間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置と、
前記インピーダンス測定装置の測定したインピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出して、前記生体信号検出装置が生体に接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する接触判定装置と、
を備える生体信号検出システム。
【請求項3】
前記基準値は、前記生体信号検出装置が生体に接触しているときのインピーダンスである
ことを特徴とする請求項2に記載の生体信号検出システム。
【請求項4】
前記接触判定装置が異常状態と判定したときは、警告を発する
ことを特徴とする請求項2に記載の生体信号検出システム。
【請求項5】
さらに、前記生体信号検出装置からの生体信号から生体情報を取得する生体信号測定装置を備え、
前記接触判定装置が異常状態と判定したときは、前記生体信号測定装置は生体情報の取得を中止する
ことを特徴とする請求項2に記載の生体信号検出システム。
【請求項6】
さらに、前記生体信号検出装置からの生体信号から生体情報を取得する生体信号測定装置を備え、
前記生体信号測定装置は、前記バイタルセンサが生体信号を検出する検出期間と生体信号を検出しない休止期間とが交互に設定され、
前記インピーダンス測定装置は、前記休止期間にインピーダンスを測定する
ことを特徴とする請求項2に記載の生体信号検出システム。
【請求項7】
インピーダンス測定装置が、複数の電極を生体に接触させて測定したインピーダンスを基準値とし、インピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出し、
接触判定装置が、前記複数の電極が接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する接触判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体信号を検出するためのバイタルセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
生体信号を長時間にわたって検出するためのバイタルセンサが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1のバイタルセンサは、生体の表面に発光素子を接触させ、前記発光素子から放出された光が前記生体内から反射される反射光を前記受光素子で受光し、前記反射光の強度に基いて脈波信号を検出する。
【0003】
引用文献1のようなバイタルセンサでは、生体に接触していれば、正確な生体信号を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-19926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、バイタルセンサを生体に貼り付けたのち、バイタルセンサの初期の信号を観測し、確実に装着されているかの確認を行ってから、長時間にわたって生体信号を検出していた。しかし、長時間の間には被験者が体を動かしたり、咳やくしゃみなどをしてバイタルセンサが生体から浮いてしまうことがある。浮いた状態では生体信号を検出しないまま、時間が経過してしまうことがある。また、検出対象の生体信号が突発的なものである場合には、初期の装着が正しく行えているかを確認する手段がなかった。
【0006】
そこで、本開示は、バイタルセンサが生体に接触しているかどうかを判定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、バイタルセンサと同じ面に1対の電極を設置し、1対の電極間のインピーダンスを測定する構成とした。
【0008】
本開示は、
生体に装着する筐体と、
前記筐体の一方の面に設置され、生体信号を検出するバイタルセンサと、
前記バイタルセンサの設置された面と同じ面に設置される複数の電極と、
を備える生体信号検出装置
である。
【0009】
本開示は、
前記生体信号検出装置と、
前記複数の電極の間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置と、
前記インピーダンス測定装置の測定したインピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出して、前記生体信号検出装置が生体に接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する接触判定装置と、
を備える生体信号検出システム
である。
【0010】
本開示は、
前記基準値は、前記生体信号検出装置が生体に接触しているときのインピーダンスである
ことを特徴とする。
【0011】
本開示は、
前記接触判定装置が異常状態と判定したときは、警告を発する
ことを特徴とする。
【0012】
本開示は、
さらに、前記生体信号検出装置からの生体信号から生体情報を取得する生体信号測定装置を備え、
前記接触判定装置が異常状態と判定したときは、前記生体信号測定装置は生体情報の取得を中止する
ことを特徴とする。
【0013】
本開示は、
さらに、前記生体信号検出装置からの生体信号から生体情報を取得する生体信号測定装置を備え、
前記生体信号測定装置は、前記バイタルセンサが生体信号を検出する検出期間と生体信号を検出しない休止期間とが交互に設定され、
前記インピーダンス測定装置は、前記休止期間にインピーダンスを測定する
ことを特徴とする。
【0014】
本開示は、
インピーダンス測定装置が、複数の電極を生体に接触させて測定したインピーダンスを基準値とし、インピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出し、
接触判定装置が、前記複数の電極が接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する接触判定方法
である。
【0015】
なお、上記各開示は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、バイタルセンサが生体に接触しているかどうかを判定可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】生体信号検出装置の構成例の説明図である。
図2】生体信号検出システムの構成例の説明図である。
図3】生体信号検出システムの構成例の説明図である。
図4】生体信号検出システムの動作例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0019】
生体信号検出装置の構成例を図1に示す。図1において、生体信号検出装置10は、 生体に装着する筐体11と、筐体11の一方の面に設置され、生体信号を検出するバイタルセンサ12と、バイタルセンサ12の設置された面と同じ面に設置される複数の電極13と、を備える。
【0020】
筐体11は図1に示す形状に限定されない。生体に面する側は平面であることが望ましい。筐体11の材料は、金属やプラスチックが例示できる。
【0021】
バイタルセンサ12は筐体11の一方の面に設置され、生体信号を検出する。バイタルセンサ12の検出する生体信号から取得する生体情報としては、心音、心電、心拍、脈波、脈拍、呼吸、血流、血圧、酸素飽和度、体温、肺音などである。バイタルセンサ12は、これらの生体信号を検出するための構造を備える。例えば、LEDと受光器、電圧や電流を計測する電極、マイクロフォン、温度計などが例示できる。バイタルセンサ12は1個だけに限らず、異なる複数のセンサや同種で複数のセンサであってもよい。
【0022】
複数の電極13は、バイタルセンサ12の設置された筐体11の面と同じ面に設置される。複数の電極13が同じ面に設置されていると、バイタルセンサ12が生体に接触しているかどうかを判定することが容易になる。複数の電極13は、1対であってもよいし、3個以上でもよい。3個の電極13は、一直線上に設置されても、三角形の頂点の位置に配置されてもよい。4個の電極13は、一直線上に設置されても、四角形の頂点の位置に配置されてもよい。電極の材料としては、金属や導電性のプラスチックが例示できる。
【0023】
このような構成とすることによって、電極を通したインピーダンス測定でバイタルセンサが生体に接触しているかどうかを判定可能になる。
【0024】
生体信号検出システムの構成例を図2に示す。図2において、生体信号検出システムは、前述した生体信号検出装置10と、複数の電極13の間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置20と、インピーダンス測定装置20の測定したインピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出して、生体信号検出装置10が生体に接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する接触判定装置30と、
を備える。
【0025】
図2では、インピーダンス測定装置20が、複数の電極13を生体に接触させて測定したインピーダンスを基準値とし、インピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出し、接触判定装置30が、複数の電極13が接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する。
【0026】
インピーダンス測定装置20は、複数の電極13の間に交流信号を印加し、電極間の交流インピーダンスを測定する。複数の電極13が生体に接触している場合は、生体の容量によって、交流インピーダンスが小さくなる。複数の電極13が生体に接触していない場合は、空気で満たされた空間の容量によって、交流インピーダンスは大きくなる。
【0027】
インピーダンス測定装置20は、複数の電極からインパルス電圧を印加し、他の複数の電極でインパルス応答を測定してもよい。測定したインパルス応答から周波数特性を算出し、特定の周波数でのインピーダンスを測定する。
【0028】
接触判定装置30は、インピーダンス測定装置20の測定したインピーダンスが基準値から所定の値又は所定の割合だけ変化したことを検出して、生体信号検出装置10が生体に接触している正常状態か接触していない異常状態かを判定する。基準値からの変化は、一定値だけ増加したインピーダンスとしてもよいし、一定の割合だけ増加したインピーダンスとしてもよい。
【0029】
基準値としては、生体信号検出装置10を生体に接触させ、生体に接触しているときインピーダンス測定装置20に測定させたインピーダンスとしてもよい。測定する生体ごとにインピーダンスが異なったり、測定する生体の状態が変化したりしても、接触判定装置30が基準値を変更することによって正確な判定が可能となる。
【0030】
接触判定装置30が異常状態と判定したときは、警告を発してもよい。警告は音での警告、光での警告、ディスプレイでの警告表示やこれらを複合させたものがある。警告を発することによって、生体信号検出装置10が生体に接触していないことを速やかに知ることができる。
【0031】
このような構成とすることによって、電極を通したインピーダンス測定でバイタルセンサが生体に接触しているかどうかを判定可能になる。
【0032】
生体信号検出システムの構成例を図3に示す。図3において、生体信号検出システムは、前述した生体信号検出装置10と、前述したインピーダンス測定装置20と、前述した接触判定装置30と、生体信号検出装置10からの生体信号から生体情報を取得する生体信号測定装置40と、を備える。
【0033】
生体信号測定装置40は、バイタルセンサ12の検出する生体信号を加工して、心音、心電、心拍、脈波、脈拍、呼吸、血流、血圧、酸素飽和度、体温、肺音などの生体情報を取得する。
【0034】
接触判定装置30が異常状態と判定したときは、生体信号測定装置40は生体情報の取得を中止してもよい。無意味な生体情報の取得を防止することができる。または、生体情報の取得を中止しない場合は、生体情報に加えて、その期間は異常状態であることを示す情報を付加してもよい。
【0035】
生体信号測定装置40は、バイタルセンサ12が生体信号を検出する検出期間と生体信号を検出しない休止期間とが交互に設定され、インピーダンス測定装置20は、休止期間にインピーダンスを測定することでもよい。測定の状況を図4に示す。図4では、インピーダンス測定装置20が生体信号を検出する際に、バイタルセンサ12が生体信号を検出する検出期間と生体信号を検出しない休止期間が交互に設定されている。インピーダンス測定装置20は、休止期間にインピーダンスを測定する。インピーダンス測定装置20の印加する信号が、バイタルセンサ12の検出する生体信号に影響することを防止することができる。
【0036】
このような構成とすることによって、電極を通したインピーダンス測定でバイタルセンサが生体に接触しているかどうかを判定可能になる。バイタルセンサが生体に接触していれば、生体信号測定装置は正しく生体情報を取得することができる。
【0037】
以上説明したように、本開示によれば、長時間にわたって生体情報を取得する場合や突発的な生体信号を検出する場合であっても、バイタルセンサを正しく装着しているかどうかを即時的に判定することができる。
【0038】
本実施形態の接触判定装置30及び生体信号測定装置40は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。本開示のプログラムは、本開示に係る接触判定装置30又は生体信号測定装置40に備わる各機能部をコンピュータに実現させるためのプログラムであり、本開示に係る接触判定装置30又は生体信号測定装置40の実行する各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0039】
10:生体信号検出装置
11:筐体
12:バイタルセンサ
13:電極
20:インピーダンス測定装置
30:接触判定装置
40:生体信号測定装置
図1
図2
図3
図4