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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174758
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】外気処理装置及び外気処理方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/00 20060101AFI20241210BHJP
   F24F 1/0035 20190101ALI20241210BHJP
   F24F 1/0083 20190101ALI20241210BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20241210BHJP
   F24F 1/0063 20190101ALI20241210BHJP
   F24F 1/0067 20190101ALI20241210BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20241210BHJP
   F25B 39/02 20060101ALI20241210BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
F24F3/00 Z
F24F1/0035
F24F1/0083
F24F3/14
F24F1/0063
F24F1/0067
F24F11/36
F25B39/02 F
F25B1/00 396Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092766
(22)【出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】田中 豊
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健太
(72)【発明者】
【氏名】菊地 努
(72)【発明者】
【氏名】石田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】北山 英博
【テーマコード(参考)】
3L051
3L053
3L260
【Fターム(参考)】
3L051BE05
3L053BB01
3L053BB02
3L053BB04
3L053BB07
3L053BC02
3L260BA52
3L260HA02
(57)【要約】
【課題】動作信頼性を確保した上で、屋内空間に導入される空調空気の吹き出し温度を低くすることができる外気処理装置及び外気処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る外気処理装置は、空調主流路内に設けられ、第1外気及び冷媒間で熱交換を行うことで第1外気を冷却する蒸発器と、蒸発器を通過した第1外気、及び外気のうち蒸発器を通過していない第2外気間で熱交換を行う再加熱器と、を備えている。蒸発器における隣り合う第1フィン同士の間隔は、再加熱器における隣り合う第2フィン同士の間隔よりも広い。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外から取り込まれる外気のうち第1外気が流通する空調流路と、
前記空調流路内に設けられ、前記第1外気及び熱媒体間で熱交換を行うことで前記第1外気を冷却する第1熱交換器と、
前記空調流路のうち前記第1熱交換器よりも下流側に設けられ、前記第1蒸発器を通過した前記第1外気、及び外気のうち前記第1熱交換器を通過していない第2外気間で熱交換を行う第2熱交換器と、を備え、
前記第1熱交換器は、
前記空調流路における前記第1外気の流通方向に交差する第1方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の第1フィンと、
複数の前記第1フィンを貫通するとともに、熱媒体が流通する第1パイプと、を備え、
前記第2熱交換器は、
前記流通方向に交差する第2方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の第2フィンと、
複数の前記第2フィンを貫通するとともに、前記第2外気が流通する第2パイプと、を備え、
隣り合う前記第1フィン同士の間隔は、隣り合う前記第2フィン同士の間隔よりも広い外気処理装置。
【請求項2】
隣り合う前記第1フィン同士の間隔は、4mm以上7mm以下に設定されている請求項1に記載の外気処理装置。
【請求項3】
前記流通方向から見た前記第1熱交換器の外形は、前記流通方向から見た前記第2熱交換器の外形よりも大きい請求項1又は請求項2に記載の外気処理装置。
【請求項4】
前記熱媒体は、HFO冷媒である請求項1又は請求項2に記載の外気処理装置。
【請求項5】
前記第1熱交換器での前記HFO冷媒の蒸発温度は、-1℃以上9℃以下に設定されている請求項4に記載の外気処理装置。
【請求項6】
前記空調流路が形成された空調ケース、及び前記空調ケースに収納された前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器を有する空調ユニットと、
熱媒体を圧縮する圧縮機、及び前記圧縮機で圧縮された熱媒体を放熱させる凝縮器が収納された冷凍ケースを有し、前記空調ユニットから離間して配置された冷凍ユニットと、
前記空調ユニット及び前記冷凍ユニット間に配置され、前記凝縮器及び前記第1熱交換器間を接続する膨張装置と、を備えている請求項1又は請求項2に記載の外気処理装置。
【請求項7】
前記空調流路内において、前記第2熱交換器よりも下流側に位置する部分には、熱媒体の漏れを検出するセンサが設けられている請求項1又は請求項2に記載の外気処理装置。
【請求項8】
屋外から取り込まれる外気のうち第1外気が流通する空調流路と、
前記空調流路内に設けられ、前記第1外気及び冷媒間で熱交換を行うことで前記第1外気を冷却する蒸発器と、
前記空調流路のうち前記蒸発器よりも下流側に設けられ、前記蒸発器を通過した前記第1外気、及び外気のうち前記蒸発器を通過していない第2外気間で熱交換を行う熱交換器と、を備えた外気処理装置による外気処理方法であって、
前記蒸発器での冷媒の蒸発温度を-1℃以上9℃以下に設定するとともに、前記蒸発器を通過する際の前記第1外気の流速を0.5m/s以上2.5m/s以下に設定する外気処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気処理装置及び外気処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工場や研究所等の各種施設に設置される空調装置として、外気処理装置が用いられる場合がある。外気処理装置は、各種施設の屋外スペースに設置され、外気を除湿冷却した後に屋内空間に供給する(例えば、下記特許文献1参照)。外気処理装置は、施設内を陽圧状態に維持した上で、施設内を所望の温度及び湿度に維持することができることから、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point、食品等の安全性を確保しようとする衛生管理の手法)に基づく衛生管理や、感染症対策等の観点でニーズが高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-080886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の外気処理装置にあっては、動作信頼性を確保した上で、屋内空間に導入される空調空気の吹き出し温度を低くする点で改善の余地があった。具体的に、吹き出し温度を低くするように、蒸発器での冷媒の蒸発温度を低くしてしまうと、蒸発器の表面で結露した水分によって着霜が生じ易い。その結果、蒸発器を構成するフィンの間において、空調空気の流通が阻害される可能性がある。また、蒸発器での着霜によって空調空気の流通が阻害されていると、蒸発器と空調空気との熱交換効率が低下する。その結果、冷媒が気化せずに圧縮機に戻る(いわゆる、液バック)可能性がある。
【0005】
本発明は、動作信頼性を確保した上で、屋内空間に導入される空調空気の吹き出し温度を低くすることができる外気処理装置及び外気処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る外気処理装置は、屋外から取り込まれる外気のうち第1外気が流通する空調流路と、前記空調流路内に設けられ、前記第1外気及び熱媒体間で熱交換を行うことで前記第1外気を冷却する第1熱交換器と、前記空調流路のうち前記第1熱交換器よりも下流側に設けられ、前記第1熱交換器を通過した前記第1外気、及び外気のうち前記第1熱交換器を通過していない第2外気間で熱交換を行う第2熱交換器と、を備え、前記第1熱交換器は、前記空調流路における前記第1外気の流通方向に交差する第1方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の第1フィンと、複数の前記第1フィンを貫通するとともに、熱媒体が流通する第1パイプと、を備え、前記第2熱交換器は、前記流通方向に交差する第2方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の第2フィンと、複数の前記第2フィンを貫通するとともに、前記第2外気が流通する第2パイプと、を備え、隣り合う前記第1フィン同士の間隔は、隣り合う前記第2フィン同士の間隔よりも広い。
【0007】
本態様によれば、第2熱交換器において、第1熱交換器(隣り合う第1フィン間)を通過した第1外気と、第1熱交換器を通過していない第2外気と、の間で熱交換を行うことで、第1外気の温度を上昇させ、第1外気の相対湿度を低下させることができる。そのため、第1外気の吹出口周辺での結露を抑制できる。
ここで、本態様では、隣り合う第1フィン同士の間隔を、隣り合う第2フィン同士の間隔に比べて広くすることで、第1外気が隣り合う第1フィン間を通過する際に第1熱交換器(第1フィンや第1パイプ)の表面で結露が生じたとしても、隣り合う第1フィン間から水が落下し易い。そのため、隣り合う第1フィン間での水の滞留を抑制できる。また、隣り合う第1フィン間の水によって、仮に第1フィンに着霜が生じた場合等であっても隣り合う第1フィン間での第1外気の流通が阻害されることを抑制できる。
この場合、隣り合う第1フィン間を通過する際の第1外気の流速を低下させることができるので、アプローチ温度(蒸発温度と熱交換後の第1外気の温度との差)が小さい場合でも所望の温度とすることができる。その結果、第1フィンの表面での着霜をより確実に抑制できる。また、アプローチ温度を小さくできるので冷凍機のサイクル効率が向上する。これにより、動作信頼性を確保した上で、第1外気を所望の温度に冷却し易い。
【0008】
上記態様に係る外気処理装置において、隣り合う前記第1フィン同士の間隔は、4mm以上7mm以下に設定されていることが好ましい。
本態様によれば、隣り合う第1フィン同士の間隔を4mm以上に設定することで、仮に第1フィンに着霜した場合等であっても隣り合う第1フィン間での第1外気の流通が阻害されることを抑制できる。
一方、隣り合う第1フィン同士の間隔を7mm以下に設定することで、第1熱交換器の大型化を抑制できる。
【0009】
上記態様に係る外気処理装置において、前記流通方向から見た前記第1熱交換器の外形は、前記流通方向から見た前記第2熱交換器の外形よりも大きいことが好ましい。
本態様によれば、隣り合う第1フィン同士の間隔を広げた場合であっても、第1フィンの枚数を確保し易くなり、第1熱交換器での熱交換効率を確保し易い。
【0010】
上記態様に係る外気処理装置において、前記熱媒体は、HFO冷媒であることが好ましい。
本態様によれば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)を低くして、地球温暖化を抑制することができる。
【0011】
上記態様に係るにおいて、前記第1熱交換器での前記HFO冷媒の蒸発温度は、-1℃以上9℃以下に設定されていることが好ましい。
本態様によれば、HFO冷媒の蒸発温度を-1℃以上に設定することで、第1フィンの表面での着霜を抑制できる。
一方、HFO冷媒の蒸発温度を9℃以下に設定することで、第1外気の吹き出し温度を低くすることができる。
【0012】
上記態様に係る外気処理装置において、前記空調流路が形成された空調ケース、及び前記空調ケースに収納された前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器を有する空調ユニットと、熱媒体を圧縮する圧縮機、及び前記圧縮機で圧縮された熱媒体を放熱させる凝縮器が収納された冷凍ケースを有し、前記空調ユニットから離間して配置された冷凍ユニットと、前記空調ユニット及び前記冷凍ユニット間に配置され、前記凝縮器及び前記第1熱交換器間を接続する膨張装置と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、空調ユニットと冷凍ユニットとを別々のケースとすることで、工場においてユニット毎にプリアッセンブリすることができる。そのため、現場では、各ユニット毎に設置した上で、配管等を組み付けることで、外気処理装置の設置が完了する。これにより、搬送の容易性の向上や設置工事の省力化を図ることができる。また、空調ユニットと冷凍ユニットとを別々のケースとすることで、メンテナンス性の向上も図ることができる。
【0013】
上記態様に係る外気処理装置において、前記空調流路内において、前記第2熱交換器よりも下流側に位置する部分には、熱媒体の漏れを検出するセンサが設けられていることが好ましい。
本態様によれば、例えばHFO冷媒のように微燃性の熱媒体を用いた場合等であっても、熱媒体が漏洩した場合は検知し停止や処理などの適切な処置に繋げることができる。そのため、熱媒体漏洩を抑制し安全性を担保する事ができる。
【0014】
本発明の一態様に係る外気処理方法は、屋外から取り込まれる外気のうち第1外気が流通する空調流路と、前記空調流路内に設けられ、前記第1外気及び冷媒間で熱交換を行うことで前記第1外気を冷却する第1熱交換器と、前記空調流路のうち前記第1熱交換器よりも下流側に設けられ、前記第1熱交換器を通過した前記第1外気、及び外気のうち前記第1熱交換器を通過していない第2外気間で熱交換を行う熱交換器と、を備えた外気処理装置による外気処理方法であって、前記第1熱交換器での冷媒の蒸発温度を-1℃以上9℃以下に設定するとともに、前記第1熱交換器を通過する際の前記第1外気の流速を0.5m/s以上2.5m/s以下に設定する。
本態様によれば、第1熱交換器を通過する際の第1外気の流速を0.5m/s以上2.5m/s以下に設定することで、第1熱交換器での冷媒の蒸発温度を-1℃以上9℃以下に設定した場合であっても、所望の温度に第1外気を冷却し易い。その上で、第2熱交換器において、第1熱交換器を通過した第1外気と、第1熱交換器を通過しない第2外気と、の間で熱交換を行うことで、第1外気の温度を上昇させ、第1外気の相対湿度を低下させることができる。そのため、第1外気の吹き出し口周辺での結露を抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
上記各態様によれば、動作信頼性を確保した上で、屋内空間に導入される空調空気の吹き出し温度を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る外気処理装置の斜視図である。
図2図1のII矢視図である。
図3】実施形態に係る外気処理装置の概略構成図である。
図4】実施形態に係る空調ユニットの側面図である。
図5】実施形態に係る蒸発器の正面図である。
図6】実施形態に係る再加熱器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0018】
[外気処理装置1]
図1は、外気処理装置1の斜視図である。図2は、図1のII矢視図である。
図1図2に示す外気処理装置1は、例えば工場や施設等の屋外スペースに設置される。外気処理装置1は、屋外から取り込まれる外気を冷却除湿した上で、施設の屋内空間に供給する。
【0019】
図3は、外気処理装置1の概略構成図である。
図3に示すように、外気処理装置1は、冷凍サイクル回路10と、空調回路11と、を備えている。
【0020】
<冷凍サイクル回路10>
冷凍サイクル回路10は、作動流体である冷媒(熱媒体)を、外気との間で熱交換させることで、気体冷媒と液体冷媒との間で相変化させながら循環させるものである。なお、本実施形態の冷凍サイクル回路10において、冷媒にはHFO系冷媒が好適に用いられている。但し、冷媒には、HFC系冷媒や自然冷媒を用いてもよい。
【0021】
冷凍サイクル回路10は、圧縮機21と、オイルセパレータ22と、凝縮器23と、レシーバ24と、膨張弁25と、蒸発器(第1熱交換器)26と、を備えている。圧縮機21、オイルセパレータ22、凝縮器23、レシーバ24、膨張弁25及び蒸発器26は、冷媒主流路27上において、冷媒の流通方向で順番に設けられている。
【0022】
圧縮機21は、圧縮機21内に導入される低圧の気体冷媒を圧縮して高温かつ高圧の気体冷媒とする。本実施形態において、圧縮機21には、例えばレシプロ式の圧縮機が用いられている。但し、圧縮機21としては、レシプロ式に限らず、スクロール式やロータリ式、スクリュー式等を採用してもよい。
オイルセパレータ22は、冷媒主流路27において、圧縮機21の下流側に設けられている。オイルセパレータ22は、圧縮機21を通過した気体冷媒から、圧縮機21の潤滑油のうち気体冷媒とともに圧縮機21から排出された潤滑油を分離する。なお、オイルセパレータ22の設置は、圧縮機21の性能や特性によっては必須の構成ではない。
【0023】
凝縮器23は、冷媒主流路27上において、オイルセパレータ22の下流側に設けられている。凝縮器23は、冷媒と外気との間で熱交換を行うことで、圧縮機21から送り込まれる高温かつ高圧の気体冷媒から熱を放熱させ、高温かつ高圧の気体冷媒を高圧の液体冷媒にする。本実施形態において、凝縮器23には、例えばマイクロチャネル式の熱交換器が用いられている。
【0024】
レシーバ24は、冷媒主流路27上において、凝縮器23の下流側に設けられている。レシーバ24は、凝縮器23で凝縮された冷媒(高圧の液体冷媒)を貯留する。
膨張弁25は、冷媒主流路27上において、レシーバ24の下流側に設けられている。膨張弁25は、レシーバ24から送り込まれる高圧の液体冷媒の圧力を下げ、高圧の液体冷媒を低温かつ低圧の気液混合状態の冷媒にする。なお、膨張弁25は、冷却負荷に応じて流量を調整可能な電子式膨張弁が好適に用いられる。
【0025】
蒸発器26は、冷媒主流路27上において、膨張弁25と圧縮機21との間に設けられている。蒸発器26は、膨張弁25から送り込まれる低温かつ低圧の気液混合状態の冷媒を気化させ、低温かつ低圧の気液混合状態の冷媒を低圧の気体冷媒にする。蒸発器26は、低圧の気液混合状態の冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪う。これにより、蒸発器26の周囲の外気が冷却される。蒸発器26を通過した低圧の気体冷媒は、圧縮機21内に再び取り込まれる。なお、蒸発器26の詳細については、後述する。
【0026】
本実施形態の冷凍サイクル回路10には、冷媒バイパス流路28が設けられている。冷媒バイパス流路28は、冷媒主流路27のうち、圧縮機21及び蒸発器26間に位置する部分と、オイルセパレータ22及び凝縮器23間に位置する部分と、の間を接続している。すなわち、冷媒バイパス流路28は、例えば冬季等の冷却負荷が小さい状況において、圧縮機21から排出された高温かつ高圧の気体冷媒(ホットガス)を、凝縮器23で凝縮させずに蒸発器26の下流側に迂回させるための流路である。これにより、冷却負荷の変動に関わらず、圧縮機21の冷媒循環量を確保することで、運転を継続させることができる。
【0027】
<空調回路11>
空調回路11は、屋内空間に供給するための外気の温度や湿度を調整するための回路である。空調回路11は、空調主流路31と、空調バイパス流路32と、を備えている。空調主流路31上には、エリミネータ33、フィルタ34及びファン35が設けられている。
【0028】
エリミネータ33は、いわゆる気液分離器である。エリミネータ33は、空調主流路31の上流端部に設けられている。エリミネータ33は、外気が通過する過程において、空調主流路31内に導入される外気から雨水等の水分を補足する。
フィルタ34は、空調主流路31上において、エリミネータ33に対して下流側に設けられている。フィルタ34は、外気が通過する過程において、エリミネータ33を通過した外気から塵埃等を捕捉する。
【0029】
ファン35は、空調主流路31上において、フィルタ34に対して下流側に設けられている。ファン35は、空調主流路31の下流側に向けて外気を送り込む。本実施形態において、ファン35には、例えば遠心ファンが用いられている。
【0030】
空調主流路31において、ファン35の下流側には、蒸発器26が配置されている。空調主流路31を流れる外気は、蒸発器26を通過する際に、蒸発器26内を流れる低温かつ低圧の気液混合状態冷媒との間で熱交換が行われる。
空調主流路31において、蒸発器26の下流側には、再加熱器(第2熱交換器)37が配置されている。再加熱器37は、蒸発器26を通過した外気(第1外気)と、蒸発器26を通過していない外気(第2外気)と、を熱交換させるものである。
【0031】
空調バイパス流路32は、空調主流路31を流れる外気の一部について、蒸発器26を迂回させるための流路である。具体的に、空調バイパス流路32は、入口流路32aと、出口流路32bと、を備えている。
入口流路32aは、空調主流路31のうちファン35及び蒸発器26間に位置する部分と、再加熱器37の入口部分と、の間を接続している。
出口流路32bは、再加熱器37の出口部分と、空調主流路31のうちフィルタ34及びファン35間に位置する部分と、を接続している。すなわち、再加熱器37は蒸発器26を迂回して空調バイパス流路32上を流れる外気が流通することで、蒸発器26で冷却された外気を再加熱する。なお、再加熱器37の詳細については後述する。
【0032】
本実施形態の外気処理装置1において、冷凍サイクル回路10及び空調回路11は、冷凍ケース50や空調ケース51に収納されることで、冷凍ユニット100や空調ユニット101として構成されている。
【0033】
<冷凍ユニット100>
図1図2に示すように、冷凍ユニット100の外観を構成する冷凍ケース50は、架台53を介して外気処理装置1の設置面F上に設置されている。以下の説明において、設置面Fに直交する方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向から見て互いに直交する2方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左方)とする。なお、前後方向において、空調ケース51の後述する導入口70及び吹出口71に接近する向きを前方とし、導入口70及び吹出口71から離れる向きを後方とする。
【0034】
冷凍ケース50は、前後方向を長手方向とする直方体形状に形成されている。冷凍ケース50の内部は、仕切壁55によって上方空間56と下方空間57とに仕切られている。下方空間57には、冷凍サイクル回路10のうち、圧縮機21、オイルセパレータ22及びレシーバ24(図3参照)が収納されている。
【0035】
上方空間56には、凝縮器23が収納されている。具体的に、冷凍ケース50の上部において、左右方向を向く側壁部58には、開口部58aが形成されている。上方空間56は、開口部58aを通じて冷凍ユニット100の外部に連通している。冷凍ケース50の天壁部59には、ファン60が設けられている。すなわち、ファン60の動作によって開口部58aを通じて取り込まれる外気は、凝縮器23を通過した後、上方空間56より冷凍ユニット100の外部に排出される。なお、冷凍ケース50は、冷凍ケース50内に収納された機器をメンテナンス等するための開閉扉を適宜備えている。
【0036】
<空調ユニット101>
空調ユニット101は、冷凍ユニット100に対して左右方向の一方側(右側)に間隔をあけて配置されている。冷媒主流路27のうち、空調ユニット101と冷凍ユニット100との間に位置する部分には、膨張弁25が設けられている(図2参照)。
【0037】
図4は、空調ユニット101の側面図である。
図4に示すように、空調ユニット101の外観を構成する空調ケース51は、架台53を介して設置面F上に設置されている。空調ケース51は、冷凍ケース50と同様に、前後方向を長手方向とする直方体形状に形成されている。空調ケース51の前壁部51aには、導入口70及び吹出口71が形成されている。導入口70は、前壁部51aの下部において、前後方向に開口している。一方、吹出口71は、前壁部51aの上部において、前後方向に開口している。なお、空調ケース51は、空調ケース51内に収納された機器をメンテナンス等するための開閉扉を適宜備えている。
【0038】
空調ケース51の内部には、導入口70と吹出口71とを仕切る仕切壁73が設けられている。仕切壁73は、空調ケース51の左右両側壁51b,51c(図2参照)に支持された状態で、前壁部51aから後方に延びている。仕切壁73の後端は、空調ケース51の後壁部51dに対して離間している。したがって、空調ケース51の内部には、側面視でU字状の空調主流路31が形成されている。具体的に、空調主流路31は、導入口70から後方に向けて延びる往路31aと、往路31aの下流端部から上方に向けて延びる折り返し路31bと、折り返し路31bの下流端部から吹出口71に向けて後方に延びる復路31cと、を含んでいる。但し、空調主流路31の形状は、導入口70及び吹出口71のレイアウトに応じて適宜変更が可能である。
【0039】
往路31a内には、上述したエリミネータ33、フィルタ34が順に配置されている。
往路31aと折り返し路31bとの境界部分には、ファン35が配置されている。
復路31cには、蒸発器26及び再加熱器37が順に配置されている。復路31cにおいて、再加熱器37と吹出口71との間に位置する部分には、冷媒漏洩センサ75が設置されている。冷媒漏洩センサ75は、冷媒主流路27内への冷媒の漏れを検出する。
【0040】
<蒸発器26>
図5は、蒸発器26の正面図である。
図5に示す蒸発器26は、復路31cを遮るように設けられている(図2参照)。蒸発器26は、複数枚の蒸発器フィン(第1フィン)80と、蒸発器パイプ(第1パイプ)81と、を備えている。
各蒸発器フィン80は、例えばアルミニウム等、熱伝導率が優れた材料によって薄板状に形成されている。各蒸発器フィン80は、例えば左右方向(第1方向)に間隔をあけて配置されている。すなわち、蒸発器フィン80は、復路31cにおける外気の流通方向に対して直交する方向に並んでいる。復路31c内において、外気は、隣り合う蒸発器フィン80同士の隙間を通過する。
【0041】
各蒸発器フィン80には、蒸発器フィン80を厚さ方向(左右方向)に貫通する複数の貫通孔80aが形成されている。各貫通孔80aは、例えば千鳥状に配列されている。
【0042】
蒸発器パイプ81は、冷媒主流路27の一部を構成する。すなわち、蒸発器パイプ81には、膨張弁25を通過した冷媒が流通する。蒸発器パイプ81は、隣り合う蒸発器フィン80同士において、左右方向で向かい合う貫通孔80a同士を貫通するとともに、積層された蒸発器フィン80の外側で折り返されることで、各蒸発器フィン80に組み付けられている。
【0043】
<再加熱器37>
図6は、再加熱器37の正面図である。
図6に示す再加熱器37は、復路31c内において、蒸発器26よりも下流側に位置する部分に、復路31cを遮るように設けられている。再加熱器37は、複数枚の再加熱器フィン90と、再加熱器パイプ91と、を備えている。
各再加熱器フィン90は、蒸発器フィン80と同様に、左右方向(第2方向)に間隔をあけて配置されている。すなわち、復路31c内において、外気は、隣り合う再加熱器フィン90同士の隙間を通過する。
【0044】
各再加熱器フィン90には、再加熱器フィン90を厚さ方向(左右方向)に貫通する複数の貫通孔90aが形成されている。各貫通孔90aは、例えば千鳥状に配列されている。
【0045】
再加熱器パイプ91は、空調バイパス流路32の一部を構成する。すなわち、再加熱器パイプ91は、入口流路32aと出口流路32bとの間を接続して、蒸発器26を迂回した外気が流通する。図2図4に示すように、入口流路32aの上流端部は、復路31cにおいて、蒸発器26に対して側方に位置する部分に設けられている。入口流路32aの下流端部は、再加熱器パイプ91の上流端部に接続されている。一方、出口流路32bの上流端部は、再加熱器パイプ91の下流端部に接続されている。図4に示すように、出口流路32bの下流端部は、往路31aにおいて、エリミネータ33とフィルタ34との間に位置する部分に開口している。すなわち、本実施形態では、再加熱器パイプ91内を通過した外気の少なくとも一部は、空調ケース51内を循環するように構成されている。
【0046】
再加熱器パイプ91は、隣り合う再加熱器フィン90同士において、左右方向で向かい合う貫通孔90a同士を貫通するとともに、積層された再加熱器フィン90の外側で折り返されることで、各再加熱器フィン90に組み付けられている。
【0047】
ここで、図5図6に示すように、隣り合う蒸発器フィン80同士の間隔(フィンピッチD1)は、隣り合う再加熱器フィン90同士の間隔(フィンピッチD2)よりも広くなっている。本実施形態において、フィンピッチD1は、4mm以上7mm以下に設定されていることが好ましい。一方、フィンピッチD2は、2.5mm以上4mm未満に設定されていることが好ましい。
【0048】
図2に示すように、復路31cにおける外気の流通方向(前後方向)から見て、蒸発器26の正面視外形は、再加熱器37の正面視外形よりも大きくなっている。但し、蒸発器26及び再加熱器37それぞれの正面視外形については、適宜変更が可能である。また、復路31cにおける外気の流通方向における蒸発器26及び再加熱器37の寸法を、それぞれ異ならせてもよい。
【0049】
[外気処理方法]
次に、上述した外気処理装置1を用いた外気処理方法について説明する。以下では、冷凍サイクル回路10を正常に動作させた状態での空調ユニット101での動作を主に説明する。
空調ユニット101では、ファン35を動作させることで導入口70を通じて空調ケース51内に外気が導入される。空調ケース51内に導入された外気は、往路31a内のエリミネータ33やフィルタ34を通過する過程で水分や塵埃等が捕捉された後、折り返し路31bを経て復路31cに流入する(矢印F1参照)。
【0050】
復路31cを流れる外気は、蒸発器26に対して上流側で、蒸発器26を通過する空調空気(第1外気:矢印F2参照)と、蒸発器26を迂回するバイパス空気(第2外気:矢印F3参照)と、に分岐する。空調空気は、隣り合う蒸発器フィン80間を通過する際に、蒸発器パイプ81内を流れる低温かつ低圧の気液混合状態の冷媒との間で熱交換される。これにより、空調空気が冷却される。また、空調空気の冷却に伴い、空調空気の絶対湿度が低下することで、空調空気が除湿される。
【0051】
ここで、蒸発器26を通過する際の空調空気の流速は、0.5m/s以上2.5m/s以下に設定されていることが好ましい。これにより、蒸発器26での冷媒の蒸発温度を、-1℃以上9℃以下に設定した場合であっても、空調空気を所望の温度まで冷却し易い。なお、空調空気の流速は、例えばファン35の定格トルクに応じて折り返し路31bの容積を調整することで設定可能である。
【0052】
蒸発器26を通過した空調空気は、隣り合う再加熱器フィン90を通過する際に、バイパス空気との間で熱交換される。これにより、空調空気が加熱される。また、空調空気の加熱に伴い、空調空気の相対湿度が低下する。なお、再加熱器37の再加熱器パイプ91を通過したバイパス空気は、出口流路32bを経て往路31aに戻された後、ファン35によって再び復路31cに送り込まれる。
【0053】
再加熱器37を通過した空調空気は、吹出口71を通じて空調ユニット101から吹き出される。空調ユニット101から吹き出された空調空気は、適宜ダクト等を通じて屋内空間に供給される。
【0054】
このように、本実施形態の外気処理装置1は、空調主流路31内に設けられ、空調空気及び冷媒間で熱交換を行うことで空調空気を冷却する蒸発器(第1熱交換)26と、蒸発器26を通過した空調空気、及び外気のうち蒸発器26を通過していないバイパス空気間で熱交換を行う再加熱器(第2熱交換器)37と、を備える構成とした。
この構成によれば、再加熱器37において、蒸発器26を通過した空調空気(第1外気)と、蒸発器26を通過していないバイパス空気(第2外気)と、の間で熱交換を行うことで、空調空気の温度を上昇させ、空調空気の相対湿度を低下させることができる。そのため、空調空気の吹出口71周辺での結露を抑制できる。
【0055】
ここで、本実施形態の外気処理装置1において、蒸発器フィン80のフィンピッチD1は、再加熱器フィン90のフィンピッチD2よりも広い構成とした。
この構成によれば、フィンピッチD1をフィンピッチD2に比べて広くすることで、空調空気が蒸発器26を通過する際に蒸発器26(蒸発器フィン80や蒸発器パイプ81等)の表面で結露が生じたとしても、隣り合う蒸発器フィン80間から水が落下し易い。そのため、隣り合う蒸発器フィン80間での水の滞留を抑制できる。また、隣り合う蒸発器フィン80間に滞留する水によって、仮に蒸発器フィン80に着霜が生じた場合等であっても隣り合う蒸発器フィン80間での空調空気の流通が阻害されることを抑制できる。
この場合、蒸発器26を通過する際の空調空気の流速を低下させることができるので、アプローチ温度が小さい場合でも所望の温度とすることができる。その結果、蒸発器フィン80の表面での着霜をより確実に抑制できる。また、アプローチ温度を小さくできるので冷凍機のサイクル効率が向上する。これにより、動作信頼性を確保した上で、空調空気を所望の温度に冷却し易い。
【0056】
本実施形態の外気処理装置1において、フィンピッチD1は、4mm以上7mm以下に設定されている構成とした。
この構成によれば、フィンピッチD1を4mm以上に設定することで、仮に蒸発器フィン80に着霜した場合等であっても隣り合う蒸発器フィン80間での空調空気の流通が阻害されることを抑制できる。
一方、フィンピッチD1を7mm以下に設定することで、蒸発器26の大型化を抑制できる。
【0057】
本実施形態の外気処理装置1において、蒸発器26の正面視外形は、再加熱器37の正面視外形よりも大きい構成とした。
この構成によれば、フィンピッチD1を広げた場合であっても、蒸発器フィン80の枚数を確保し易くなり、蒸発器26での熱交換効率を確保し易い。
【0058】
本実施形態の外気処理装置1は、冷媒にHFO冷媒を用いる構成とした。
この構成によれば、地球温暖化係数(GWP)を低くして、地球温暖化を抑制できる。
【0059】
本実施形態の外気処理装置1において、蒸発器26での冷媒の蒸発温度が、-1℃以上9℃以下に設定されている構成とした。
この構成によれば、冷媒の蒸発温度を-1℃以上に設定することで、蒸発器フィン80の表面での着霜を抑制できる。
一方、冷媒の蒸発温度を9℃以下に設定することで、空調空気の吹き出し温度を低くすることができる。
この場合、蒸発器26を通過する際の空調空気の流速を0.5m/s以上2.5m/s以下に設定することで、蒸発器26での冷媒の蒸発温度を-1℃以上9℃以下に設定した場合であっても、所望の温度(例えば、0℃~15℃)まで空調空気を冷却し易い。その上で、再加熱器37において、蒸発器26を通過した空調空気と、蒸発器26を迂回するバイパス空気と、の間で熱交換を行うことで、空調空気の温度を上昇させ、空調空気の相対湿度を低下させることができる。そのため、空調空気の吹き出し口周辺での結露を抑制できる。
【0060】
本実施形態の外気処理装置1は、空調主流路31が形成された空調ケース51、及び空調ケース51に収納された蒸発器26及び再加熱器37を有する空調ユニット101と、圧縮機21及び凝縮器23が収納された冷凍ケース50を備え、空調ユニット101から離間して配置された冷凍ユニット100と、空調ユニット101及び冷凍ユニット100間に配置された膨張弁(膨張装置)25と、を備えている構成とした。
この構成によれば、空調ユニット101と冷凍ユニット100とを別々のケースとすることで、工場においてユニット毎にプリアッセンブリすることができる。そのため、現場では、各ユニット毎に設置した上で、配管等を組み付けることで、外気処理装置1の設置が完了する。これにより、搬送の容易性の向上や設置工事の省力化を図ることができるまた、空調ユニット101と冷凍ユニット100とを別々のケースとすることで、メンテナンス性の向上も図ることができる。
【0061】
本実施形態の外気処理装置1は、空調主流路31内において、再加熱器37よりも下流側に位置する部分に、冷媒の漏れを検出する冷媒漏洩センサ(センサ)75が設けられている構成とした。
この構成によれば、例えばHFO冷媒のように微燃性の冷媒を用いた場合等であっても、冷媒が漏洩した場合は検知し停止や処理などの適切な処置に繋げることができる。そのため、冷媒漏洩を抑制し安全性を担保する事ができる。
【0062】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、冷凍ケース50と空調ケース51とが離間して配置された構成について説明したが、この構成に限られない。冷凍サイクル回路10と空調回路11とをまとめて一つのケーシングに収納してもよい。
上述した実施形態では、蒸発器26での冷媒の蒸発温度が-1℃以上9℃以下に設定された構成について説明したが、この構成に限られない。蒸発器26での冷媒の蒸発温度は、適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、冷凍サイクル回路10が直接膨張式(蒸発器26と外気とを直接接触させる方式)である構成を例にして説明したが、この構成に限られない。冷凍サイクル回路10は、例えば間接膨張式(蒸発器26と外気との間に熱媒体を介在させる方式)を採用してもよい。
【0063】
上述した実施形態では、空調主流路31を流れる外気の一部について、蒸発器26を迂回させることで再加熱器37に供給する構成について説明したが、この構成に限られない。再加熱器37に供給される外気は、空調主流路31とは別の回路としてもよい。すなわち、再加熱器37に供給される外気は、蒸発器26を通過しない構成であればよい。
上述した実施形態では、蒸発器フィン80の配列方向(第1方向)と、再加熱器フィン90の配列方向(第2方向)と、が同一方向である場合について説明したが、この構成に限られない。蒸発器フィン80の配列方向と、再加熱器フィン90の配列方向と、はそれぞれを通過する外気の流通方向に交差していればよい。
【0064】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1:外気処理装置
3:凝縮器
21:圧縮機
23:凝縮器
26:蒸発器(第1熱交換)
31:空調主流路(空調流路)
37:再加熱器(第2熱交換器、熱交換器)
50:冷凍ケース
51:空調ケース
75:冷媒漏洩センサ(センサ)
80:蒸発器フィン(第1フィン)
81:蒸発器パイプ(第1パイプ)
90:再加熱器フィン(第2フィン)
91:再加熱器パイプ(第2パイプ)
100:冷凍ユニット
101:空調ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6