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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175157
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】風邪様症状の改善のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/744 20150101AFI20241211BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20241211BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20241211BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20241211BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20241211BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20241211BHJP
【FI】
A61K35/744
A61P11/02
A61P11/04
A61P29/02
A61P25/20
A23L33/135
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184863
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(72)【発明者】
【氏名】内田 典芳
(72)【発明者】
【氏名】山田 良一
(72)【発明者】
【氏名】外川 直之
(72)【発明者】
【氏名】青木 由典
(72)【発明者】
【氏名】末廣 祥平
【テーマコード(参考)】
4B018
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018MD04
4B018MD05
4B018MD10
4B018MD35
4B018MD36
4B018MD86
4B018ME14
4B018MF14
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC56
4C087NA14
4C087ZA07
4C087ZA08
4C087ZA34
(57)【要約】
【課題】ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)(シノニム:バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans))の新たな機能及び用途の提供。
【解決手段】ワイツマニア・コアギュランスの生菌を含む、風邪様症状の改善のための組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)(シノニム:バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans))の生菌を含む、風邪様症状の改善のための組成物。
【請求項2】
前記ワイツマニア・コアギュランスがSANK70258株、P-22株、lilac-01株、SIM-7 DSM14043株、C101株、NBRC12583株、GBI-1株、GBI-20株、GBI-30株、GBI-40株又はこれらの菌株由来の変異株である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
食品又は飲料である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
1日あたり摂取量中のワイツマニア・コアギュランスの生菌数が1-20億個である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記風邪様症状が、累積発症日数、鼻水、鼻づまり、くしゃみ及び/又はのどの痛みを含む、請求項1-4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、風邪様症状の改善剤。
【請求項7】
ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、体の痛みの改善剤。
【請求項8】
ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、日常役割機能(精神)の改善剤。
【請求項9】
ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア)の改善剤。
【請求項10】
ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、ストレス緩和剤。
【請求項11】
血中コルチゾール濃度を低減する、請求項10に記載のストレス緩和剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、風邪様症状の改善のための組成物に関する。より詳しくは、ワイツマニア・コアギュランスの生菌を含む、風邪様症状の改善のための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイツマニア・コアギュランスSANK70258(シノニム:バチルス・コアギュランスSANK70258)は、1949年に緑麦芽から分離された、高い乳酸生成力を有する有胞子性乳酸菌である。ワイツマニア・コアギュランスSANK70258を配合した食品用製剤(商品名:ラクリス)が、1966年から50年以上にわたって販売されている。
【0003】
本開示に関連して、特許文献1には、バシラス・コアギュランスに由来する成分を用いて微生物病原体に対する免疫応答を増強する方法が開示されている。当該文献の試験例で生理活性が評価されている成分は、バシラス・コアギュランスの細胞壁成分や培養上清であり、バシラス・コアギュランスの生菌ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2012-525428号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、ワイツマニア・コアギュランスの新たな機能及び用途を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題解決のため、本開示は、以下の[1]-[11]を提供する。
[1] ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、風邪様症状の改善のための組成物。
[2] 前記ワイツマニア・コアギュランスがSANK70258株、P-22株、lilac-01株、SIM-7 DSM14043株、C101株、NBRC12583株、GBI-1株、GBI-20株、GBI-30株、GBI-40株又はこれらの菌株由来の変異株である、[1]の組成物。
[3] 食品又は飲料である、[1]又は[2]の組成物。
[4] 1日あたり摂取量中のワイツマニア・コアギュランスの生菌数が1-20億個である、[3]の組成物。
[5] 前記風邪様症状が、累積発症日数、鼻水、鼻づまり、くしゃみ及び/又はのどの痛みを含む、[1]-[4]のいずれかの組成物。
【0007】
[6] ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、風邪様症状の改善剤。
[7] ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、体の痛みの改善剤。
[8] ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、日常役割機能(精神)の改善剤。
[9] ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア)の改善剤。
[10] ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む、ストレス緩和剤。
[11] 血中コルチゾール濃度を低減する、[10]のストレス緩和剤。
【0008】
本開示において、「風邪様症状」とは、風邪の症状全般を含み、特には累積発症日数(日)、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、声のかすれ、咳、頭痛、寒気、全身倦怠感、関節痛、痰及び発熱が含まれる。「風邪様症状」は、特には累積発症日数、鼻水、鼻づまり、くしゃみ及びのどの痛みをいう。
「鼻水」は、鼻腔内の鼻腺及び杯細胞などから分泌される流動性あるいは半流動性の液体(粘液等)であり、これが1日以上継続することをいう。
「鼻づまり」は、鼻粘膜の腫れ等によって鼻腔を通る空気の流れが悪くなることで、その状態が1日以上継続することをいう。
「くしゃみ」は、主に鼻腔内の埃や異物を排除するための防御反応として呼吸筋の不随意的、発作的な攣縮から発せられる激しい呼気運動であり、これが1日以上一定の間隔で継続することをいう。
「のどの痛み」は、のどの炎症により神経が刺激されて感じる痛みであり、これが1日以上継続することをいう。
「声のかすれ」は、音色に関する総合的な声の異常であり、特に声の振動が乱れることであり、これが1日以上継続することをいう。
「咳」は、肺や気管支の分泌物や異物を空気とともに強制的に排出させる生体反応であり、これが1日以上一定の間隔で継続することをいう。
「頭痛」は、頭部の一部あるいは全体の痛みであり、これが1日以上継続することをいう。
「寒気」は、発熱のために起こる不快な寒さであり、これが1日以上継続することをいう。
「全身倦怠感」は、活力が減少し、健康感を喪失した感覚が1日以上継続する状態をいう。
「関節痛」は、怪我による痛みを除く関節の痛みであり、これが1日以上継続することをいう。
「痰」は、気道の粘膜でつくられる炎症性の気道分泌物(粘膜)であり、これが1日以上継続して喉に絡んでいる状態をいう。
「発熱」とは、対象者の平熱よりも1℃以上高い体温が一日以上継続する状態をいう。
【0009】
「体の痛み(BP)」は、得点が低い場合、過去1か月間に非常に激しい体の痛みのためにいつもの仕事が非常に妨げられた状態をいう。得点が高い場合、過去1か月間に体の痛みはぜんぜんなく、体の痛みのためにいつもの仕事が妨げられることはぜんぜんなかった状態をいう。
「日常役割機能(精神)(RE)」は、得点が低い場合、過去1か月間、仕事や普段の活動をした時に心理的な理由で問題があった状態をいう。得点が高い場合、過去1か月間、仕事や普段の活動をした時に心理的な理由で問題がなかった状態をいう。
「身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア、日本国民標準値)(2PCS_J)」とは、8つの下位尺度得点は「身体的側面のQOL(Quality of Life)を表すサマリースコア」と「精神的側面のQOLを表すサマリースコア」と二つのコンポーネント(要素)とすることが可能であり、このうちの「身体的側面のQOLを表すサマリースコア」のことをいう。また、2017年日本の国民標準値に基づいたスコアリングを用いて2コンポーネント・サマリースコアが求められる。
「ストレス」とは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことをいう。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなどの心理的な要因、人間関係がうまくいかないや仕事が忙しいなどの社会的要因がある。血中コルチゾール濃度は、ストレスのマーカー(指標)として公知である。
【0010】
「生菌」には、栄養細胞及び胞子が含まれる。ワイツマニア・コアギュランスの胞子は耐熱性、耐酸性及び耐糖性に優れ、生菌は胃酸で死滅せずに生きたまま腸に到達できる。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、ワイツマニア・コアギュランスの新たな機能及び用途が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】主成分分析の結果(主成分得点の分散と累積寄与率)を示す。
図2】主成分分析の結果(主成分の固有ベクトル)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本開示の範囲が狭く解釈されることはない。
【0014】
本開示に係る組成物は、ワイツマニア・コアギュランス(Weizmannia coagulans)の生菌を含む。
ワイツマニア・コアギュランスは有胞子性乳酸菌に属する乳酸菌であり、乾燥状態、熱及び酸に非常に強く、経口投与された場合でも胃酸や胆汁で死滅せずに腸に到達し、腸内で発芽して栄養細胞の状態となり、さらに増殖して乳酸を産生する。これらの特徴を有することから、ワイツマニア・コアギュランスはラクトバチルス属菌に比べて高耐性であり、比較的少量の投与であっても十分な効果を奏することが期待できる。
ワイツマニア・コアギュランスの生菌は、風邪様症状を改善する機能を有することが明らかとなった。
したがって、本開示に係る組成物は、風邪様症状の改善のために有用である。
さらに、ワイツマニア・コアギュランスの生菌は、体の痛み、日常役割機能(精神)及び身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア)を改善する機能及び血中コルチゾール濃度を減少させる機能をも示した。
したがって、本開示に係る組成物は、体の痛み、日常役割機能(精神)及び身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア)を改善するため及びストレスを緩和させるために有用である。
【0015】
ワイツマニア・コアギュランスとしては、ワイツマニア・コアギュランスのSANK70258株、P-22株、lilac-01株、SIM-7 DSM14043株、C101株、NBRC12583株、GBI-1株、GBI-20株、GBI-30株、GBI-40株等が挙げられ、中でもワイツマニア・コアギュランスのSANK70258株が供給の安定性、入手の容易性の点から好ましい。また、本開示の効果を有する限りにおいて、これらの菌株由来の変異株も用いられ得る。
【0016】
また、ワイツマニア・コアギュランスは整腸効果及び皮膚状態改善効果を有することが知られているため、本開示係る組成物の摂取により、風邪様症状の改善効果等に加えて、整腸効果及び皮膚状態改善効果も期待できる。
【0017】
ワイツマニア・コアギュランスは、市販のものを用いることができる(例えば、三菱ケミカル株式会社「ラクリス-S」、「ラクリス-15」、及び「飼料用ラクリス-10」、並びにKerry Inc.社、SABINSA社、アテリオバイオ、UNIQUEBIOTECH、アサヒバイオサイクル社等の製品があげられる)。これらを適当な培地において適宜培養して用いてもよい。本開示においては、これらを胞子の状態で、あるいは胞子と栄養細胞の混合物の状態で用いることができる。
【0018】
本開示の組成物は、ワイツマニア・コアギュランス以外の菌を含むものであってもよい。その他の菌の例としては、乳酸菌、酪酸産生菌、ビフィズス菌、納豆菌、麹菌、酵母等が挙げられる。乳酸菌の例としては、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属の菌が挙げられる。
【0019】
ラクトバチルス属の菌の例としては、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobaillus gaceli)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantrum)などが挙げられる。
ラクトコッカス属の菌の例としては、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantrum)、ラクトコッカス・ガルビエ(Lactococcus garvieae)、ラクトコッカス・ラフフィノラクティス(Lactococcus raffinolactis)などが挙げられる。
ワイツマニア・コアギュランス以外の菌を含む場合、菌全量に対するワイツマニア・コアギュランスの割合は通常1重量%以上であり、10重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることが好ましく、通常100重量%以下である。
【0020】
本開示における「食品」は、健康食品、機能性食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等)、健康補助食品、栄養補助食品を含む。また、食品の形状は固形、液状又はペースト状等、適宜選択することができる。
また、「食品」には、サプリメントも包含される。サプリメントは、どのような形状であってもよく、錠剤、顆粒剤、散剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤、乳剤等であってよい。また、胃酸から保護し、腸において作用させるため、異なるpHに対する溶解性に差異のある腸溶剤としてもよい。
【0021】
本明細書における「飲料」は、清涼飲料水、乳飲料、アルコール飲料を含む。
【0022】
食品及び飲料等の組成物の1日あたり摂取量中のワイツマニア・コアギュランスの生菌数は、1-20億個、2-19億個、3-18億個、4-17億個、5-16億個、6-15億個、7-14億個、8-13億個、9-12億個あるいは10-11億個とできる。
組成物の摂取期間は、特に限定されないが、風邪様症状等の改善効果を得るための目安として、4週間以上、好ましくは8週間以上、より好ましくは12週間以上とされ、摂取期間に上限はない。
【0023】
本開示に係る組成物の風邪様症状の改善効果は、累計発症日数の改善に関して、組成物を摂取していない対照群に比して、7日程度、好ましくは10日程度以上の日数短縮と定義される。
なお、累計発症日数は、被験者の摂取期間中の風邪様症状有症日の日数を合計し、その合計値と相対摂取期間比率の積として算出した。相対摂取期間比率は、被験者の摂取期間日数を規定摂取期間日数で除した数値とされる。摂取期間日数とは試験期間中に被験者が被験食品又はプラセボを実際に服用した日数とする。
本開示に係る組成物の風邪様症状の改善効果は、鼻水の改善に関し、対照群に比して、累積スコアで10点程度、好ましくは15点程度以上の減少と定義される。
累積スコアは、摂取期間の鼻水(症状)のスコアを合計し、その合計値と相対摂取期間比率の積として算出した。
同様に、鼻づまりの改善に関して、累積スコアで10点程度、好ましくは15点程度以上の減少と定義される。くしゃみの改善に関して、累積スコアで5点程度、好ましくは10点程度以上の減少と定義される。のどの痛みの改善に関して、累積スコアで5点程度、好ましくは10点程度以上の減少と定義される。
累積発症日数及び累積スコアは、ウィスコンシン上気道症状調査票(WURSS)等の調査項目を参考として風邪様症状を毎日記録させ、評価した。各症状のスコアは「症状なし」を0点、「ひどく重い」を7点とする8段階で評価した。
【0024】
本開示に係る組成物の体の痛みの改善効果は、摂取前に比して、3.00点程度以上の増加と定義される。
本開示に係る組成物の日常役割機能(精神)の改善効果は、摂取前に比して、1.50点程度以上の増加と定義される。
本開示に係る組成物の身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア)の改善効果は、摂取前に比して、1.00点程度以上の増加と定義される。
なお、上記のスコアは「SF-36v2日本語版 スタンダード版(自己記入式)」を用いて、8つの下位尺度である、(1)身体機能、(2)日常役割機能(身体)、(3)体の痛み、(4)全体的健康感、(5)活力、(6)社会生活機能、(7)日常役割機能(精神)及び(8)心の健康と、2つのコンポーネント・サマリースコア(身体的健康、精神的健康)とが国民標準値に基づいて得点化される。
【0025】
本開示に係る組成物の血中コルチゾール濃度低減効果は、摂取前に比して、1.00点程度以上の減少と定義される。
血中コルチゾール濃度の測定は、市販のキットを用いて行うことができる。例えば、被験者から採血後、ELISA法(DetextX Cortisone ELISA Kit)又はCLIA法(DetectX Coticosterone CLIA Kit)を用いて、血中コルチゾールを測定することができる。
【0026】
本開示に係るワイツマニア・コアギュランスの生菌を含む、風邪様症状の改善剤等は、ワイツマニア・コアギュランスを1.0×106cfu/g以上、好ましくは1.0×107cfu/g以上、さらに好ましくは、5.0×107以上、さらに好ましくは、1.0×108以上含む。また、ワイツマニア・コアギュランスの含有量は、1.0×1011cfu/g以下、好ましくは1.0×1010cfu/g以下である。なお、cfuとはコロニー形成単位(colony formation unit)を指す。
【0027】
本開示に係る風邪様症状の改善剤等には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの塩類;リジン、メチオニン、スレオニン、トリプトファン、バリンなどのアミノ酸;タンニン酸などの有機酸;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、アスコルビン酸などのビタミン類を添加してもよい。
【0028】
本開示に係る風邪様症状の改善剤等を経口摂取用に製剤化する場合には、必要に応じて、安定剤、賦形剤、pH調整剤等がさらに含まれても構わない。安定剤としては、無水ケイ酸などが挙げられ、賦形剤としては、コーン、小麦、大豆、マイロ等の穀類、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の糖類、大豆かす、コーングルテンミール、ごま油かす、コーンファームミール、なたね油かす、蒸留穀物残渣等の植物性油かす類、ふすま、米ぬか、脱脂米ぬか、コーングルテンフィード等の糟糠類、魚粉等の動物性素材、ヤシ油、ラード、コーンオイル等の植物性油脂、コーンスターチ、ポテトスターチ等の澱粉類、炭酸カルシウム等のミネラル類、ビタミンE等のビタミン類、デキストリン、コーンスチーブリカー、パプリカ抽出物、アルファルファミールなどが挙げられる。
【実施例0029】
1.研究の目的
本研究では、有胞子性乳酸菌としてのW. coagulans SANK 70258の機能性を明確化することを目的として、有胞子性乳酸菌含有食品の8週間連続摂取時の免疫機能へおよぼす影響をプラセボを対照として検討した。
【0030】
2.研究計画の概要
(1) 研究食品:有胞子性乳酸菌(W. coagulans SANK 70258)含有食品およびプラセボ
(2) 目的:有胞子性乳酸菌含有食品の8週間連続摂取時の免疫機能への影響をプラセボを対照として検討する
(3) 対象:風邪にかかりやすい健常な年齢20歳以上65歳未満の男女
(4) 研究対象者数(被験者数):80名(40名×2群)。なお、80名の被験者のうち、1名が4週目検査後に本人の自由意思により、脱落した。その結果、所定の研究スケジュールや研究内容を終了した者は79名であった。
(5) 研究デザイン:無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較
(6) 研究食品の摂取量:有胞子性乳酸菌67 mg(10億個)/日
(7) 摂取方法:1日に1回、ハードカプセル1粒を、原則、朝食後に水またはぬるま湯とともに噛まずに摂取する
(8) 摂取期間:8週間
(9) 研究期間:2020年12月~2021年7月
【0031】
3.研究の方法
3-1 研究対象食品(以下、研究食品)
(1) 研究食品の種類および名称
被験食品:有胞子性乳酸菌含有食品
プラセボ:有胞子性乳酸菌非含有食品
(2) 関与成分
有胞子性乳酸菌
(3) 研究食品の組成等
研究食品の組成(1日摂取量当たり)ならびに研究食品の栄養成分(1日摂取量当たり)を表1および表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
(4) 研究食品の摂取量、摂取方法、摂取期間および関与成分摂取量の設定根拠
研究食品は、1日に1回、ハードカプセル1粒を、原則、朝食後に水またはぬるま湯とともに噛まずに摂取させた。
摂取期間は8週間とした。
関与成分摂取量は10億個/日に設定した。
【0035】
3-2 研究対象者(以下、被験者)の選択基準および除外基準
次の選択基準に合致し、除外基準に抵触しない者を被験者として選択した。
選択基準
(1) 年齢が20歳以上65歳未満の勤労している健常男女
(2) 事前検査時の唾液中s-IgAが低い方から優先して選択する
(3) 風邪・インフルエンザに罹患しやすい者
(4) 直近2年間の冬に上気道感染症に罹患した者
(5) 本試験の目的・内容について十分な説明を受け、同意能力があり、よく理解した上で自発的に参加を志願した者の内、書面で本試験参加に同意した者
除外基準
(1) 糖尿病、腎・肝疾患、心疾患などの重篤な疾患、甲状腺疾患、副腎疾患、その他代謝性疾患に罹患している者、治療中の者、既往歴のある者
(2) 慢性疾患を有し、薬剤を常用している者
(3) 乳酸菌・ビフィズス菌・オリゴ糖・生菌類を含む食品の摂取を試験期間中に止めることが出来ない者
(4) 免疫力に影響をおよぼす可能性があるサプリメント・健康食品(特定保健用食品を含む)を常用している者
(5) 試験結果に影響がある治療を実施(減感作療法等)している者
(6) 各検査日の2日前からの禁酒が出来ない者
(7) 研究に関連してアレルギー発症のおそれがある者
(8) 消化吸収に影響を与える消化器疾患および消化器の手術歴がある者
(9) 臨床検査値や心肺機能に異常がみられたことがあり、研究参加に問題があると判断された者
(10) 薬物依存、アルコール依存の既往歴あるいは現病歴がある者
(11) 乳製品を摂取すると下痢を起こしやすい者
(12) 昼夜交代制勤務または重量物運搬等の肉体労働に従事している者
(13) 事前検査の1ヶ月前から現在、あるいは研究期間中に、歯や口腔内の治療(定期的なスケーリング(歯の掃除)も含む、虫歯、歯周病等の治療)を行っている、あるいは行う予定がある者
(14) 出血を伴う歯や口腔内のトラブル(口内炎など)がある者
(15) 摂取開始前の身体測定値、理学検査値および臨床検査値に、基準範囲から著しく外れた値がみられる者
(16) 本研究開始時に他の臨床研究に参加している者および研究期間中に参加意思がある者
(17) 研究期間中に妊娠、授乳の予定がある者
(18) 生活習慣アンケートの回答から、被験者として不適当と判断された者
(19) その他、実施医師責任者が被験者として不適当と判断した者
【0036】
3-3 研究デザイン
無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較
【0037】
3-4 被験者数および割付
(1) 被験者数
被験食品摂取群:40名。なお、被験食品摂取群において4週目検査後に本人の自由意思により、1名脱落した。
プラセボ摂取群:40名
(2) 割付方法
割付担当者は乱数を用いて割付表を作成し、研究食品に割付番号を付与した。割付表は割付担当者が封緘し、割付表開封時まで密封保管した。解析対象者およびデータ固定後、割付担当者は割付表を開封し、情報を開示した。
【0038】
3-5 研究食品の管理
(1) 研究機関は臨床試験等受託機関に研究食品を供給し、臨床試験等受託機関から医療施設支援機関へ研究食品を供給した。
(2) 医療施設支援機関は、必要量の研究食品を被験者へ送付した。
(3) 研究終了後に余った研究食品(個別の被験者用を含む)は、すべて医療施設支援機関が回収して臨床試験等受託機関に返品し、臨床試験等受託機関から研究機関へ返品した。
【0039】
3-6 研究スケジュールおよび検査内容
研究スケジュールを表3に示した。
(1) 適格な被験者に研究食品および摂取期間中の日誌等を配布した。
(2) 研究食品摂取開始時、摂取4週目、摂取8週目に各種の検査を行った。摂取期間中は、かぜ様症状の調査、研究食品の摂取、および日誌の記載を毎日行わせた。
(3) 検査日には、被験者は空腹で来院させた。
【0040】
【表3】
*1:試験に組み入れる被験者のみ、摂取開始日の1週間程度前に排泄した1回の便の一部を指定容器に採取させ、保冷状態で医療施設に提供させた。
*2:最終日の前後3日間に排泄した1回の便の一部を指定容器に採取させ、保冷状態で医療施設に提供させた。
【0041】
3-7 検査日
計4回の来院時に検査を行った。
規定検査日は、摂取開始日を摂取1日目として、摂取1日目に摂取前検査(研究食品は摂取前検査後に摂取させる)、摂取29日目を4週目検査、摂取57日目を8週目検査としたが、やむを得ず被験者の都合等で既定の検査日に検査ができない場合は、実施医師責任者の判断により、規定検査日の前後7日間の範囲で検査日を変更することができることとした。ただし、検査来院予定日の前7日間以内に感冒症状(発熱、喉の痛み、咳、鼻水など)および感染性の下痢症状が発現した場合、上記規定によらず自覚症状の消失日から7日後以降に検査日を変更することができることとした。ただし、上記感冒症状(発熱、喉の痛み、咳、鼻水など)および感染性の下痢症状の発現による検査日の変更が検査規定日より14日を超える場合は、実施医師責任者の判断により、症状消失から7日以内であっても被験者が来院できる日に検査を実施することができることとした。
また、必要に応じて、再検査および追跡調査を行うことができることとした。
【0042】
3-8 採血および採尿量
研究全体での採血量は約107 mL(約11 mL×1回、約24 mL×1回、約34 mL×1回、約38 mL×1回)、採尿量は約20 mL(約10 mL×2回)、唾液量は約4 mL(1 mL×4回)、採便量は約4 g(約2 g×2回)であった。
【0043】
3-9 調査および検査の内容
調査および検査の内容を表4に示した。
【0044】
【表4】
【0045】
3-10 唾液採取手順
唾液中s-IgA濃度測定用の唾液検体は以下の手順で採取した。
(1) 来院当日は歯磨きをしてから来院させた。歯磨きの際は研磨剤やリンス剤を使用せず、ブラッシングのみ行うよう指導した。ブラッシングの際は歯茎を傷つけないように注意させた。
(1) 来院後、コップ1杯(約150 ml)の水でうがいを行わせた。(口を閉じたブクブクうがいと口を開けたガラガラうがいを、各2回ずつ行わせた)
(2) うがいをした後、15分間、座位にて安静にさせた。
(3) サリソフト(株式会社アシスト製)の風袋を測定した。
(4) スポンジを口に含む直前に口腔内の唾液をすべて飲み込ませた。
(5) サリソフト付属のスポンジを120秒間口の中に含み、唾液をスポンジに染み込ませた。
(6) 120秒後にスポンジをサリソフトに戻し、唾液を含んだサリソフトの重量を測定した。
(7) 遠心分離(2000 rpm、5分間、室温)を行い、凍結した。唾液を採取する時刻は各検査日で2時間以内の範囲とした。
【0046】
4.統計解析
4-1 解析対象者の選択
解析対象者は、所定の研究スケジュールや研究内容をすべて終了した被験者のうち、以下の基準に該当する被験者を除外した者とした。
(1) 研究食品の摂取率が80%を下回った者
(2) 日誌記録の欠損など、検査結果の信頼性を損なう行為が顕著に見られる者
(3) 除外基準に該当していたことが研究組み入れ後に明らかになった者や、研究期間中に制限事項を遵守できないことが判明した者
(4) その他、除外することが適当と考えられる明らかな理由があった者
【0047】
4-2 有効性の評価
有効性の評価指標
(1) 主要評価項目:風邪様症状の記録、唾液中s-IgA、糞便IgA
(2) 副次評価項目:POMS2成人用短縮版、SF-36、血中炎症性マーカー、血中免疫マーカー、血中ストレスマーカー
【0048】
評価方法
(1) 主要評価項目
1) 風邪様症状の記録
各被験者の摂取期間日数を規定摂取期間日数(56)で除した数値を相対摂取期間比率とした。
●累計発症日数
各被験者の摂取期間中の風邪様症状有症日の日数を合計し、その合計値と相対摂取期間比率の積を算出し、累計発症日数とした。各群の累計発症日数をMann-Whitney U検定を用いて評価した。また、必要に応じて適切な解析を行った。
●累積スコア
各症状について、摂取期間の各症状のスコアを合計し、その合計値と相対摂取期間比率の積を算出し、累積スコアとした。各群の累積スコアをMann-Whitney U検定を用いて評価した。また、必要に応じて適切な解析を行った。
なお、累積発症日数及び累積スコアは、ウィスコンシン上気道症状調査票(WURSS)等の調査項目を参考として風邪様症状を毎日記録させ、評価した。各症状のスコアは「症状なし」を0点、「ひどく重い」を7点とする8段階で評価した。
【0049】
2) 唾液中s-IgA、糞便IgA
8週目の摂取前からの変化量について、被験食品摂取群をプラセボ摂取群と2標本t検定を用いて比較した。また、参考として、4週目の変化量についても同様に比較した。なお、各群それぞれにおいて摂取後各時点の測定値を、1標本t検定を用いて評価も行った。また、必要に応じて適切な解析を行った。
【0050】
(2) 副次評価項目
8週目の摂取前からの変化量について、被験食品摂取群をプラセボ摂取群と2標本t検定を用いて比較した。また、参考として、4週目の変化量についても同様に比較した。なお、各群それぞれにおいて摂取後各時点の測定値を、1標本t検定を用いて評価も行った。また、必要に応じて適切な解析を行った。
【0051】
5.研究結果
5-1 主要評価項目
摂取期間中の風邪様症状の記録および唾液中s-IgA、糞便IgAの摂取前検査時の実測値および各時点の変化量を表5に示した。A群は被験食品摂取群、P群はプラセボ摂取群である。
【0052】
【表5】
数値は平均値 ± 標準誤差
【0053】
【表6】
数値は平均値 ± 標準誤差
変化量の摂取前検査との群内比較は1標本t検定:p < 0.01 **, p < 0.05 *
【0054】
1) 風邪様症状の記録
累積発症日数(A群:13.1 ± 3.0(日)、P群:26.2 ± 3.7(日))、鼻水(A群:13.1 ± 5.5(点)、P群:40.6 ± 7.8(点))、鼻づまり(A群:11.8 ± 5.5(点)、P群:29.0 ± 6.6(点))、くしゃみ(A群:5.7 ± 2.4(点)、P群:27.1 ± 6.1(点))、のどの痛み(A群:0.7 ± 0.3(点)、P群:12.1 ± 5.9(点))はA群がP群と比較し、有意に低値であった。
【0055】
2) 唾液中s-IgA、糞便IgA
群間比較では、すべての時点で有意な差は認められなかった。群内比較では、唾液中s-IgA濃度がA群で4週目および8週目に摂取前と比較し、有意に増加、P群では8週目に摂取前と比較し、有意に増加した。単位時間当たりの唾液中s-IgA分泌量がA群で4週目および8週目に摂取前と比較し、有意に増加、P群では8週目に摂取前と比較し、有意に増加した。
【0056】
5-2 副次評価項目
POMS2、SF-36、血中炎症性マーカー、血中ストレスマーカー、血中免疫マーカーの摂取前検査時の実測値および摂取後各時点の変化量を表7-9に示した。
【0057】
POMS2成人用短縮版
【表7】
数値は平均値 ± 標準誤差
変化量の摂取前検査との群内比較は1標本t検定:p < 0.01 **, p < 0.05 *
【0058】
SF-36
【表8】
数値は平均値 ± 標準誤差
変化量の摂取前検査との群内比較は1標本t検定:p < 0.01 **, p < 0.05 *
【0059】
SF-36(続き)
【表9】
数値は平均値 ± 標準誤差
変化量の摂取前検査との群内比較は1標本t検定:p < 0.01 **, p < 0.05 *
2コンポーネント・サマリースコアの_Uはアメリカ国民調査、_Jは日本国民調査による因子係数を使用してスコアリングを行っている。
【0060】
1) POMS2
群間比較では、すべての時点で有意な差は認められなかった。群内比較では、DD(抑うつ・落込み)がA群で4週目に摂取前と比較し有意に増加した。
2) SF-36
群間比較では、身体機能がA群で8週目に有意に減少(悪化)した。群内比較では、体の痛みがA群で4週目および8週目に摂取前と比較し、有意に増加した。日常役割機能(精神)がA群で4週目に摂取前と比較し、有意に増加した。身体的健康(2コンポーネント・サマリースコア、日本国民標準値)がA群で4週目に摂取前と比較し、有意に増加した。
【0061】
3) 血中炎症性マーカー、血中ストレスマーカー、血中免疫マーカー
群間比較では、すべての時点で有意な差は認められなかった。群内比較では、コルチゾールがA群で8週目に摂取前と比較し、有意に減少した。NK細胞活性が両群で8週目に摂取前と比較し、有意に減少した。IgGが両群で8週目に摂取前と比較し、有意に減少した。
【0062】
5-3 追加解析
風邪様症状については、花粉症を事前申告または摂取期間中日誌で申告した26名を除いた53名での解析も実施した。また、A群の風邪様症状の改善に関して、作用機序を考察するため、研究機関において、風邪様症状項目の結果について主成分分析を行い、主成分得点をもちいて被験者のクラスタリングを行った。主成分分析の結果を図1及び図2に示す。クラスタリングには主成分の上位6主成分(累積寄与率が90%以上となる上位の主成分)を使用し、クラスタリング時の距離関数はユークリッド距離、クラスタリング方法はウォード法を用いた。その結果、摂取期間中に健常であったと考えられる集団38名に対し、評価項目のうち客観指標の追加解析を実施した。解析結果を表10に示した。
【0063】
風邪様症状の記録(花粉症除外)
【表10】
数値は平均値 ± 標準誤差
A:被験食品摂取群、P:プラセボ摂取群
被験食品摂取群:n = 31、プラセボ摂取群:n = 22
【0064】
【表11】
数値は平均値 ± 標準誤差
変化量の摂取前検査との群内比較は1標本t検定:p < 0.01 **, p < 0.05 *
【0065】
1) 風邪様症状の記録(花粉症除外)
くしゃみはA群がP群と比較し、有意に低値であった。
2) クラスタリングによる「健常者」の集団(客観指標)
単位時間当たりの唾液中s-IgA分泌量の8週目の変化量はA群がP群と比較し、有意に大きかった。
図1
図2