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特開2024-175283シート積載装置、給送装置、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175283
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】シート積載装置、給送装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20241211BHJP
   B65H 3/48 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B65H1/04 320A
B65H3/48 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092946
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知幸
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC03
3F343FC19
3F343GA03
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA16
3F343HA32
3F343HE04
3F343HE11
3F343JD28
3F343JD32
3F343KB03
3F343KB14
3F343KB17
3F343KB19
(57)【要約】
【課題】装置が大型化することなく、積載されたシートを効率的に除湿する。
【解決手段】複数枚のシートPを積載可能な給送カセット40(シート積載装置)であって、上下方向に延びるように形成されるとともに、シートPのサイズに合わせて移動可能に構成されて、シートPの位置を規制するサイドフェンス46(シート規制部材)が設けられている。また、除湿ヒータ70(熱気発生手段)によって発生させた熱気を吸引する吸引ファン60が設けられている。そして、サイドフェンス46は、吸引ファン60によって吸引されて排出された熱気を、下方から上方に導くダクト46aが内部に形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートを積載可能なシート積載装置であって、
上下方向に延びるように形成されるとともに、前記シートのサイズに合わせて移動可能に構成されて、前記シートの位置を規制するシート規制部材と、
熱気発生手段によって発生させた熱気を吸引する吸引ファンと、
を備え、
前記シート規制部材は、前記吸引ファンによって吸引されて排出された前記熱気を、下方から上方に導くダクトが内部に形成されたことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記ダクトは、前記シート規制部材の底部に相当する位置に下部開口が形成されて、前記シート規制部材の天井部に相当する位置に上部開口が形成されて、前記熱気が前記下部開口から流入されて前記上部開口から流出するように形成され、
前記吸引ファンは、前記下部開口に対向するように前記シート規制部材の前記底部に設置されたことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記シートが載置面上に載置されるとともに、前記載置面上における前記シート規制部材の移動を案内する溝部が形成された載置部を備え、
前記吸引ファンは、前記載置部の前記溝部を介して前記シート規制部材の前記底部に設置されたことを特徴とする請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記熱気発生手段は、除湿ヒータであって、
前記シート規制部材は、前記シートの幅方向の位置を規制する一対のサイドフェンスであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記シート積載装置に積載された前記シートは、所定の給送方向に給送され、
前記ダクトは、前記サイドフェンスにおいて前記給送方向の上流側又は下流側に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記シート規制部材は、
前記シート規制部材を手動で移動させるための操作部と、
前記ダクトを通過する前記熱気の熱の前記操作部への伝熱を低減する伝熱低減手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項7】
複数枚のシートを積載可能な上段シート積載装置が上方に設置され、
前記上段シート積載装置は、上下方向に延びるように形成されるとともに、前記シートのサイズに合わせて移動可能に構成されて、前記シートの位置を規制する上段シート規制部材を備え、
前記上段シート規制部材は、下方から上方に連通する上段ダクトが内部に形成され、
前記シート規制部材は、前記ダクトに連通して、前記ダクトから排出された前記熱気を前記上段ダクトに導く延長ダクトを具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項8】
前記延長ダクトは、前記上段ダクトに前記熱気を送出可能な延長状態と、前記シート規制部材の内部に収納された収納状態と、を切替可能に構成されたことを特徴とする請求項7に記載のシート積載装置。
【請求項9】
前記延長ダクトは、前記上段シート積載装置の引出し動作を妨げない長さに設定されたことを特徴とする請求項7に記載のシート積載装置。
【請求項10】
前記熱気発生手段は、当該シート積載装置の下方であって、当該シート積載装置の引出し動作に連動して引出されない位置に設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項11】
請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置と、
前記シート積載装置に積載された前記複数枚のシートのうち最上方のシートを給送する給送機構と、
を備えたことを特徴とする給送装置。
【請求項12】
請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙などのシートを積載するシート積載装置と、それを備えた給送装置と、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機や印刷機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタや印刷機等の画像形成装置に設置されるシート積載装置(給紙カセット)において、積載されたシートの吸湿を軽減するために、熱気発生手段(除湿ヒータ)が設置されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における給紙装置(給送装置)は、用紙積載トレイ(シート積載装置)に積載された複数枚のシートに対して、下方のシートから上方のシートにかけて充分に除湿することを目的としたものである。特許文献1における給紙装置は、装置の枠体に、複数枚の用紙を積載可能な用紙積載トレイ(シート積載装置)が引出し可能に設置されている。給紙装置の枠体には、その下部に除湿ヒータが設置されていて、その除湿ヒータで暖められた空気(熱気)を用紙積載トレイの下方から側方を通って上方に抜けさせるような空気流路が形成されて、さらに空気流路において熱気を流動させるためのファンが設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、シート積載装置の外部に除電ヒータや空気流路やファンを設けているため、装置が大型化してしまうとともに、シート積載装置に積載されたシートを全体的に効率的に除湿することができなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、装置が大型化することなく、積載されたシートを効率的に除湿することができる、シート積載装置、給送装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるシート積載装置は、複数枚のシートを積載可能なシート積載装置であって、上下方向に延びるように形成されるとともに、前記シートのサイズに合わせて移動可能に構成されて、前記シートの位置を規制するシート規制部材と、熱気発生手段によって発生させた熱気を吸引する吸引ファンと、を備え、前記シート規制部材は、前記吸引ファンによって吸引されて排出された前記熱気を、下方から上方に導くダクトが内部に形成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置が大型化することなく、積載されたシートを効率的に除湿することができる、シート積載装置、給送装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】給送装置を示す概略構成図である。
図3】(A)給送装置を示す斜視図と、(B)給送カセット(シート積載装置)を示す斜視図と、(C)給送装置本体を示す斜視図と、である。
図4】給送装置を示す、(A)側方断面図と、(B)正面断面図と、である。
図5】給送カセットを示す、(A)上面図と、(B)下面図と、である。
図6】サイドフェンスへの吸引ファンの取付手順を示す図である。
図7】比較例としての、給送カセットを示す図である。
図8】変形例1としての、給送カセットを示す上面図である。
図9】変形例2としての、給送装置を示す断面図である。
図10】変形例3としての、2段の給送装置を示す断面図である。
図11】変形例4としての、給送装置を示す断面図である。
図12】変形例5としての、給送カセットを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像をシートPに転写する転写部(画像形成部)、を示す。
また、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部(自動原稿搬送装置)、12、13は給送カセット40内に収容されたシートPを給送する給送装置、16はユーザーが手差しでセットしたシートPを給送する手差し給送装置、を示す。
また、17は転写部7に向けてシートPを搬送するレジストローラ対(搬送ローラ対)、20はシートP上に担持されたトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、31は装置本体1から排紙されたシートPが積載される排紙トレイ、を示す。
また、40、40´は各給送装置12、13に設置されたシート積載装置としての給送カセット、52は各給送装置12、13、16に設置された給送機構、を示す。
【0011】
図1を参照して、画像形成装置本体1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送(給送)されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
【0012】
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図1の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ対17により搬送されたシートP上に転写される。
【0013】
一方、転写部7(画像形成部)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給送装置12、13のうち、1つの給送装置が自動又は手動で選択される(例えば、下段の給送装置13が選択されたものとする。)。そして、給送装置13の給送カセット40に収納された用紙などのシートPの最上方の1枚が、給送機構52によって給送されて、搬送経路Kに向けて搬送される。その後、シートPは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路Kを通過して、レジストローラ対17の位置に達する。
なお、装置本体1の側方に設置された給送装置16(手差し給送装置)が選択された場合には、ユーザーによって給送装置16の手差しトレイに載置されたシートP(複数枚のシートPが積載された場合には、最上方のシートP)が、給送機構52によって搬送経路に向けて給送されて、レジストローラ対17の位置に達することになる。
【0014】
そして、レジストローラ対17の回転が開始されて、レジストローラ対17によって、斜行(スキュー)が補正された後のシートPが、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けて搬送される。
【0015】
そして、転写工程後のシートPは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによってトナー像が定着される(定着工程である)。トナー像が定着された定着工程後のシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップである。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出されて、出力画像として排紙トレイ31上に積載されることになる。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0016】
次に、図2を用いて、本実施の形態における給送装置について説明する。
なお、以下、装置本体1に内設された複数の給送装置12、13のうち、下段の給送装置13について説明するが、上段の給送装置12も設置位置が異なる点を除いて下段の給送装置13とほぼ同様の構成となっているため、その説明を省略することにする。
【0017】
図2を参照して、給送装置13は、主として、複数枚(又は、1枚)のシートPを積載できるように形成されたシート積載装置としての給送カセット40と、給送カセット40に積載されたシートPを給送するための給送機構52などが設置された給送装置本体113(図3参照)と、で構成されている。
なお、給送カセット40(シート積載装置)は、昇降可能な底板42、幅方向に移動可能なサイドフェンス46(シート規制部材)、給送方向に移動可能なエンドフェンス47、などで構成されているが、その詳細については後で図3図6等を用いて説明する。
【0018】
図2に示すように、給送機構52は、フィードローラ53、ピックアップローラ54、分離ローラ55、等で構成されている。
フィードローラ53は、給送カセット40の底板42及びベース部41(載置部)の上に積載されたシートPに対して給送方向(図2の白矢印方向であって、搬送方向である。)の先端側に設置されていて、シートPの上面に接触してシートPの給送方向に沿うように回転(図2の反時計方向の回転である。)してシートPを一点鎖線矢印で示す給送方向(+X方向)に給送するものである。
【0019】
ピックアップローラ54は、給送カセット40に積載されたシートPの表面(上面)に当接した状態で、走行方向に沿うように図2の反時計方向に回転して、そのシートPをフィードローラ53の位置に向けて搬送するものである。
ピックアップローラ54に設置されたプーリと、フィードローラ53に設置されたプーリと、にはタイミングベルト59が張架・支持されている。そして、給送モータから、ギア列、フィードローラ53、タイミングベルト59を介して、ピックアップローラ54に駆動が伝達されて、ピックアップローラ54が図2の反時計方向に回転駆動されることになる。
【0020】
また、ピックアップローラ54は、給送カセット40に積載されたシートP(最上方のシートP)に対して接離可能に構成されている。すなわち、ピックアップローラ54は、給送カセット40に積載されたシートPに対して、当接しない退避位置と、当接する当接位置と、の間を移動可能に形成されている。
詳しくは、ピックアップローラ54は、アーム58に回転可能に保持されている。アーム58は、フィードローラ53の軸部に回動可能に保持されている。アーム58には、ピックアップローラ54が退避位置に移動するように付勢するスプリングや、ピックアップローラ54をスプリングの付勢力に抗するように当接位置に移動させるソレノイド、が接続されている。そして、制御部に制御されて、ソレノイドがオン状態になったときに図2に示すようにピックアップローラ54が当接位置に移動して、ソレノイドがオフ状態になったときにピックアップローラ54が退避位置に移動することになる。
なお、タイミングベルト59は、ピックアップローラ54の接離動作がおこなわれても、ピックアップローラ54のプーリとフィードローラ53のプーリとによって張架・支持されている。
【0021】
分離ローラ55は、フィードローラ53との間にニップ部を形成するように設置されている。
そして、分離ローラ55は、ニップ部に1枚のシートPが挟持されたときと、ニップ部にシートPが挟持されていないときと、には、給送方向に沿うように順方向(図2の破線矢印方向であって、時計方向である。)に回転する。
これに対して、分離ローラ55は、ニップ部に複数枚のシートが挟持されたときには、上述した順方向に対して逆方向(図2の実線矢印方向であって、反時計方向である。)に回転する。これにより、ニップ部に挟持された複数枚のシートPのうち最上方のシートPがフィードローラ53の回転に沿って給送方向に給送されて、下方のシートPが給送方向(順方向)に対して逆方向に搬送されて、シートPの重送が抑止される。
【0022】
ここで、本実施の形態における給送装置13は、ピックアップローラ54が給送カセット40に積載された最上方のシートPに当接できるように、底板42上に積載されるシートPの枚数によって、底板42が上下方向に昇降する。そして、上下方向の位置が調整された底板42に載置されたシートPの上面に当接する位置までピックアップローラ54が降下してから、シートPの給送動作がおこなわれることになる。
また、給送カセット40と、フィードローラ53と分離ローラ55とのニップ部と、の間には、入口ガイド板が設置されている。
【0023】
このように構成された給送装置13において、給送カセット40にシートPがセットされていない状態では、その状態が底部に設置されたエンド検知センサによって検知されて、制御部によるソレノイドの制御によってピックアップローラ54が退避位置に退避した状態になっている。
そして、給送カセット40にシートPがセットされると、その状態がエンド検知センサによって検知されて、制御部によるソレノイドの制御によってピックアップローラ54が退避位置から当接位置(図2に示す位置である。)に向けて移動される。
そして、図2に示すように、底板42に載置された最上方のシートPの上面にピックアップローラ54が当接した状態でピックアップローラ54の反時計方向の回転駆動が開始されて、同じタイミングでフィードローラ53と分離ローラ55との回転が開始される。これにより、ピックアップローラ54によって給送カセット40に載置されたシート束のうち最上方のシートPが、フィードローラ53と分離ローラ55とのニップ部に向けて搬送されて、さらにそのニップ部から1枚のシートPが画像形成部に向けて分離され搬送されることになる。
また、給送カセット40に載置されたすべてのシートPが給送されて給送カセット40にシートPがセットされていない状態になると、その状態がエンド検知センサによって検知されて、制御部によるソレノイドの制御によってピックアップローラ54が再び退避位置に移動することになる。
【0024】
以下、本実施の形態における、シート積載装置としての給送カセット40において、特徴的な構成・動作について説明する。
図3に示すように、給送装置13は、主として、給送装置本体113と、複数枚のシートPを積載可能なシート積載装置としての給送カセット40と、で構成される。
【0025】
図3(C)に示すように、給送装置本体113は、筐体ベース114、右カバー115(給送機構52などが内包されている。)、左カバー116、後カバー117(駆動・電装部118などが内包されている。)、後側板119、などで構成されている。
また、給送装置本体113の前面(+Y方向の面である。)には開口が設けられていて、この開口から給送カセット40が挿脱(着脱)されることになる。すなわち、図3(A)の状態の給送装置13(給送装置本体113)から給送カセット40が+Y方向に引き出されたり、そのように引き出された状態から-Y方向に押し込まれたりすることになる。そして、そのような挿脱動作(着脱動作)は、給送カセット40にシートPをセット(補充)するたびにおこなわれることになる。
ここで、給送装置本体113の筐体ベース114上には、熱気発生手段としての除湿ヒータ70が設置されている。この除湿ヒータ70(熱発生手段)は、駆動・電装部118に設置された電源から給電されて、周囲の空気を温めて熱気(熱)を発生させるものであって、給送カセット40に設置されたシートPの吸湿を軽減するためのものである。
【0026】
図3(B)に示すように、給送カセット40(シート積載装置)は、略直方体の箱状の部材であって、その内部には底板42、一対のサイドフェンス46、エンドフェンス47などがベース部41上に設けられている。
また、給送カセット40の4方向の側部のうちの+Y方向の1つには外装カバー43が設置されている。外装カバー43には取っ手43aが設けられていて、この取っ手43aをユーザーが把持しながら画像形成装置本体1に対して給送カセット40を±Y方向に挿脱することになる。詳しくは、画像形成装置本体1に対して給送カセット40が+Y方向に引き出された状態で、給送カセット40内にシートPが積載されて、その後に画像形成装置本体1に対して給送カセット40が-Y方向に装着されることになる。
【0027】
ここで、底板42は、給送方向上流側(-X方向)の端部の位置を回転中心として正逆方向に回動することで、昇降するように構成されている。底板42を昇降させる機構としては、底板42とベース部41との間に、モータ駆動による回動により可倒する可動板を設けることもできるし、給送カセット40の着脱に連動して付勢・付勢制限される圧縮スプリングを設けることもできる。
そして、この底板42とベース部41とが、給送カセット40において複数枚のシートPが積載される載置部として機能することになる。すなわち、底板42の上面とベース部41の上面とが、シートPが載置される載置面として機能することになる。
【0028】
また、給送カセット40には、ベース部41や底板42が設置された上方(±Z方向)の空間(シートPが積載される載置部上の空間である。)を、給送方向下流側(+X方向)を除く三方で囲むように、一対のサイドフェンス46と1つのエンドフェンス47とが設置されている。
【0029】
サイドフェンス46は、給送カセット40上に載置されたシートPの幅方向(±Y方向である。)の位置を規制するシート規制部材として機能する。サイドフェンス46は、シートPを挟むように幅方向両端部にそれぞれ設置されていて、シートPの幅方向のサイズに合わせて幅方向に移動可能に構成されている。
また、ベース部41には、サイドフェンス46を幅方向に移動可能に案内する第1、第2溝部41a、42b(図5(A)参照)が、幅方向に延在するように設けられている。そして、サイドフェンス46は、第1、第2溝部41a、42b(ガイドレール)に沿って手動により幅方向に移動して、給送カセット40内におけるシートPの幅方向の姿勢を定めることになる。これにより、給送カセット40から幅方向の位置が定められたシートPがスムーズに給送されることになる。
このように、シート規制部材としての一対のサイドフェンス46は、上下方向(±Z方向)に延びるように形成されるとともに、シートPのサイズ(幅方向サイズ)に合わせて移動可能に構成されて、シートPの位置(幅方向の位置)を規制するものである。なお、上下方向は、シート積載装置を画像形成装置に装着した状態における、画像形成装置の設置面に対して交差(略直交)する方向である。
【0030】
なお、本実施の形態では、一対のサイドフェンス46が連動して幅方向の間隔を増減するように構成されている。すなわち、一方のサイドフェンス46が+Y方向に手動で移動されたときには他方のサイドフェンス46が-Y方向に連動して移動して、一方のサイドフェンス46が-Y方向に手動で移動されたときには他方のサイドフェンス46が+Y方向に連動して移動するように構成されている。このような一対のサイドフェンス46を連動させる移動機構としては、一方のサイドフェンス46に直交して幅方向に延在するように一体的に形成されたラックギア部と、他方のサイドフェンス46に直交して幅方向に延在するように一体的に形成されたラックギア部と、双方のラックギア部の間に挟まれて噛合するピニオンギアと、からなるピニオン・ラック機構を用いることができる。
【0031】
エンドフェンス47は、給送カセット40上に載置されたシートPの給送方向上流側(-X方向であって、シート後端側である。)の位置を規制するシート規制部材として機能する。エンドフェンス47は、シートPの給送方向後端に当接するように設置されていて、シートPの給送方向のサイズに合わせて給送方向に移動可能に構成されている。
また、ベース部41には、エンドフェンス47を給送方向(±X方向)に移動可能に案内するガイドレール45(図5(A)参照)が、給送方向に延在するように設けられている。そして、エンドフェンス47は、ガイドレール45(溝部)に沿って手動により幅方向に移動して、給送カセット40内におけるシートPの給送方向の姿勢を定めることになる。これにより、給送カセット40から給送方向の位置が定められたシートPがスムーズに給送されることになる。
【0032】
ここで、図4図5等に示すように、本実施の形態における給送カセット40(シート積載装置)には、熱気発生手段としての除湿ヒータ70によって発生させた熱気を吸引する吸引ファン60が設置されている。
そして、シート規制部材としてのサイドフェンス46には、吸引ファン60によって吸引されて排出された熱気(除湿ヒータ70によって暖められた空気である。)を、下方から上方(-Z方向から+Z方向)に導くダクト46a(熱気が通る流路である)が内部に形成されている。また、内部に形成されているとは、シート規制部材(サイドフェンス46)に直接形成されているものであり、後述のようにシート規制部材を貫通するように形成されているものを含んでいる。
なお、この吸引ファン60とダクト46aとは、一対のサイドフェンス46のそれぞれに設けられている。
【0033】
さらに詳しくは、図4に示すように、熱気発生手段としての除湿ヒータ70は、給送カセット40(シート積載装置)の下方であって、給送カセット40の引出し動作(挿脱動作)に連動して引出されない位置(挿脱されない位置)に設置されている。具体的に、先に図3(C)を用いて説明したように、除湿ヒータ70は、給送装置本体113の筐体ベース114上に設置されている。
なお、本実施の形態において、除湿ヒータ70は、略長方体状に形成されていて、サイドフェンス46における給送方向上流側(ダクト46aや吸引ファン60が設けられた位置である。)であって、幅方向(±Y方向)に延びる範囲(少なくともサイドフェンス46の可動範囲を含む範囲である。)に設置されている。
【0034】
また、図4(A)等を参照して、ダクト46a(貫通穴)は、サイドフェンス46(シート規制部材)の底部に相当する位置に下部開口46a1が形成されて、サイドフェンス46の天井部(上下方向における上端でもある。)に相当する位置に上部開口46a2が形成されている。そして、ダクト46aは、熱気(除湿ヒータ70によって生成されて、吸引ファン60によって吸引された熱気である。)が下部開口46a1から流入されて上部開口46a2から流出するように形成されている。
なお、本実施の形態において、ダクト46aは、サイドフェンス46において給送方向の上流側(-X方向)に形成されている。
【0035】
また、図4に示すように、吸引ファン60は、ダクト46aの下部開口46a1に対向するように、給送カセット40(シート規制部材)の底部に設置されている。すなわち、吸引ファン60は、サイドフェンス46(ダクト46a)とともに移動可能に設置されている。
詳しくは、吸引ファン60は、ベース部41(載置部)の溝部41aを介してサイドフェンス46(シート規制部材)の底部に設置されている。そして、吸引ファン60は、吸気側が除湿ヒータ70に対向して、排気側がダクト46a(下部開口46a1)に対向する。
このように構成することで、吸引ファン60がサイドフェンス46の移動を妨げることなくコンパクトに設置されるとともに、除湿ヒータ70による熱気を効率的にダクト46aに導くことが可能になる。
なお、溝部41aは、シートPが載置面上に載置されるベース部41(載置部)において、載置面上におけるサイドフェンス46(シート規制部材)の幅方向の移動を案内するためのものである。
【0036】
このように上下方向に延びるダクト46aによって、除湿ヒータ70によって生成された熱気が、給送カセット40の下方に滞留することなく、下方から上方にかけて流動することになる(図4の矢印方向の熱気の流動である。)。そのため、給送カセット40に積載されたすべてのシートPに対して(最下方のシートから最上方のシートまで)、熱気が行き届いて吸湿が軽減されることになる(除湿されることになる)。
したがって、給送カセット40内にシートPがセットされた状態で、高湿環境で画像形成装置1が長い期間放置された後に印刷がおこなわれるような場合であっても、シートPの吸湿による画像不良や搬送不良の発生を軽減することができる。
なお、上述した効果を効率的に発揮させるために、除湿ヒータ70への電力供給と、吸引ファン60の稼働と、を、高湿環境を検知可能な湿度センサの検知結果に基づいて(例えば、画像形成装置1が放置状態(稼働停止状態)であって、湿度が所定値以上になったときのみ)、おこなうこともできる。
【0037】
ここで、吸引ファン60は、図6(A)~(C)の手順でサイドフェンス46(給送カセット40)に組付けられる。
まず、図6(A)に示すように、サイドフェンス46には、その底部(ダクト46aの下方である。)に、複数のピン46b(内部に雌ネジ部が形成されている。)が下方に突出するように設けられている。一方、吸引ファン60には、そのケースに、複数の貫通穴60aが形成されている。
そして、図6(B)に示すように、ベース部41上に設置されたサイドフェンス46に対して、ベース部41を介して下方に突出するピン46bに吸引ファン60の貫通穴60aを挿入して、上下に貫通する溝部41aに吸引ファン60をはめ込む。そして、図6(C)に示すように、ピン46bの雌ネジ部にネジ65を螺合させて、吸引ファン60をベース部41を介してサイドフェンス46に固定する。
なお、図5(A)に示す第2溝部41bは、吸引ファン60幅方向の移動時の姿勢を定める溝部(逃げ部)として機能するものである。
【0038】
このように、本実施の形態における給送カセット40には、給送カセット40の内部に吸引ファン60やダクト46aを設けているため、給送カセット40の外部(例えば、給送装置本体113)にそれらを設ける場合に比べて、給送カセット40や給送装置13を小型化することができる。すなわち、給送カセット40が大型化することなく、積載されたシートPを効率的に除湿することができる。
特に、本実施の形態では、ダクト46aをサイドフェンス46に内蔵している。そのため、図7に比較例として示す給送カセット400のように、ダクト441aを、サイドフェンス446ではなくて、ベース部441に直接的に設ける場合(この場合、吸引ファン60は固定した位置に設置される。)に比べて、サイドフェンス46の可動範囲やダクト46aの位置の制約を受けないことになり、給送カセット40を小型化することができる。さらに、本実施の形態では、幅方向サイズの異なるシートPが給送カセット40に設置されても、その幅方向サイズに合わせて移動されるサイドフェンス46とともにダクト46a(吸引ファン60)が移動するため、シートPの幅方向サイズに関わらず、給送カセット40に積載されたすべてのシートPに対して吸湿を効率的に軽減する効果が安定的に発揮されやすくなる。また、サイドフェンス46にダクト46aが形成されていることにより、サイドフェンス46で位置を規制されたシート束の上方付近にも効果的に熱気を付与されるため、シート束全体に対して吸湿を効率的に軽減することができる。
【0039】
<変形例1>
図8に示すように、変形例1における給送カセット40(シート積載装置)は、図5に示すものとは異なり、サイドフェンス46において給送方向の下流側にダクト46aが形成されている。
また、そのようなダクト46aの位置に合わせるように、吸引ファン60がサイドフェンス46の底部に設置され、除湿ヒータ70が給送装置本体113の筐体ベース114に固定設置されている。
そして、このように構成した場合にも、給送カセット40が大型化することなく、積載されたシートPを効率的に除湿することができる。
特に、変形例1のように、ダクト46aを給送方向下流側に設けた場合には、ダクト46aの上部開口46a2から排気された熱気が、給送カセット40内を循環しやすくなるため、シートPに対する除湿効果がさらに発揮されやすくなる。
【0040】
<変形例2>
図9に示すように、変形例2における給送カセット40(給送装置13)は、実施の形態にものと同様に、サイドフェンス46(シート規制部材)に、サイドフェンス46を手動で移動させるための操作部46wが設けられている。
操作部46wは、手動操作によって、位置が固定された状態のサイドフェンス46を固定解除するためのものである。すなわち、操作部46wは、サイドフェンス46の位置を固定したいときには操作されずに、サイドフェンス46の±Y方向の位置を移動したいときには手動操作によりサイドフェンス46を固定状態から固定解除状態にする。操作部46wは、サイズが異なるシートPが給送カセット40内にセットされるたびに、サイドフェンス46の位置を変更するために操作されることになる。なお、変形例2では、一対のサイドフェンス46のうち+Y方向に設置されたサイドフェンス46の+Y側の側面において、給送方向下流側に設けられている。
ここで、変形例2では、サイドフェンス46(シート規制部)に、ダクト46aを通過する熱気の熱の操作部46wへの伝熱を低減する伝熱低減手段としてのフィン46xが設けられている。このフィン46xは、サイドフェンスにおいて操作部46wとダクト46aとの間に設けられている。
このように構成することで、ダクト46aを流動する熱気によって操作部46wも熱せられてしまう不具合が生じにくくなり、操作者が操作部46wを不快感なく操作することができる。
なお、変形例2では、伝熱低減手段としてフィン46xを用いたが、伝熱低減手段として断熱材を用いることもできる。
【0041】
<変形例3>
図10に示すように、変形例3における画像形成装置1は、図1にも示すように2段の給送装置12、13が設置されている。
図10に示すように、下段の給送装置13の上方に位置する上段の給送装置12には、複数枚のシートPを積載可能な上段シート積載装置としての上段給送カセット40´が、下段の給送カセット40の上方に設置されている。
そして、上段給送カセット40´(上段シート積載装置)には、上下方向(±Z方向)に延びるように形成されるとともに、シートPのサイズに合わせて移動可能に構成されて、シートPの位置を規制する上段シート規制部材をしての上段サイドフェンス46´が設けられている。
また、上段サイドフェンス46´(上段シート規制部材)には、下方から上方に連通する上段ダクト46a´が内部に形成されている。さらに、上段サイドフェンス46´の底部には、上段吸引ファン60´が設けられている。
そして、変形例3において、下段のサイドフェンス46(シート規制部材)には、下段のダクト46aに連通して、下段のダクト46aから排出された熱気を上段ダクト46a´に導く延長ダクト80が設けられている。
このような構成により、除湿ヒータ70により生成された熱気が、下段の吸引ファン60、ダクト46a、延長ダクト80を介して、上段吸引ファン60´に吸気されて上段ダクト46a´を流動することになる。そのため、下段の給送カセット40に積載されたシートPに加えて、上段給送カセット40´に積載されたシートPも、効率的に除湿されることになる。
ここで、変形例3において、延長ダクト80は、上段給送カセット40´(上段シート積載装置)の引出し動作(挿脱動作)を妨げない長さに設定されている。具体的に、延長ダクト80は、上段給送カセット40´の底部よりも低い位置を上限として、下段のサイドフェンス46よりも高い位置であって上段吸引ファン60´に近づく位置まで延長されている。
このように構成することで、上段給送カセット40´の引出し動作(挿脱動作)が妨げられることなく、上段給送カセット40´に積載されたシートPの除湿を効率的におこなうことができる。
なお、変形例3では2段の給送カセット40、40´を設けたが、3段以上の給送カセットを設けた場合には、下から2段目以降の給送カセットにも、上段の給送カセットに向けて延長する延長ダクトを設けることができる。
【0042】
<変形例4>
図11に示すように、変形例4における給送装置13にも、図10のものと同様に、上段給送カセット40´(上段サイドフェンス46´)の上段ダクト46a´に向けて延長される延長ダクト80が設けられている。
そして、変形例4における延長ダクト80は、上段ダクト46a´に熱気を送出可能な延長状態(図11(A)の状態である。)と、サイドフェンス46(シート規制部材)の内部に収納された収納状態(図11(B)の状態である。)と、を切替可能に構成されている。
詳しくは、サイドフェンス46のダクト46aは、延長ダクト80を収納可能に構成されていて(延長ダクト80が上下動可能に保持されていて)、延長ダクト80を収納状態から延長状態に付勢するための圧縮スプリング81が設置されている。また、サイドフェンス46には、圧縮スプリング81の付勢に抗するように延長ダクト80を収納状態に維持するためのロック部材82が設けられている。
そして、図11(B)に示すようにロック部材82によって延長ダクト80がダクト46aに収納された状態から、図11(A)に示すようにロック部材82によるロックが解除されて圧縮スプリング81の付勢によって延長ダクト80がダクト46aから延長される(上方に突出する)ことになる。
このように構成した場合には、延長ダクト80を上段吸引ファン60´に近接する位置まで延長して、上段給送カセット40´に積載されたシートPの除湿をさらに効率的におこなうことができる。そして、そのような場合には、ロック部材82と上段給送カセット40´に係合させるなどして、延長ダクト80の延長状態から収納状態への切り替え(ロック部材82のロック解除・ロック)が、上段給送カセット40´の挿脱動作に連動しておこなわれるように構成することが好ましい。
【0043】
<変形例5>
図12に示すように、変形例5における給送カセット40は、一対のサイドフェンス46のダクト46aに加えて、シート規制部材としてのエンドフェンス47にもダクト47aを設けて、エンドフェンス47の底部にも吸引ファン60を設けている。
このような場合には、給送カセット40に積載されたシートPをさらに効率的に除湿することができる。
なお、シート規制部材としてのエンドフェンス47にのみダクト47aを設けて、エンドフェンス47の底部にのみ吸引ファン60を設けた場合にも、シートPに対する除湿効果を得ることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態における給送カセット40は、複数枚のシートPを積載可能なシート積載装置であって、上下方向に延びるように形成されるとともに、シートPのサイズに合わせて移動可能に構成されて、シートPの位置を規制するサイドフェンス46(シート規制部材)が設けられている。また、除湿ヒータ70(熱気発生手段)によって発生させた熱気を吸引する吸引ファン60が設けられている。そして、サイドフェンス46は、吸引ファン60によって吸引されて排出された熱気を、下方から上方に導くダクト46aが内部に形成されている。
これにより、給送カセット40(シート積載装置)が大型化することなく、積載されたシートPを効率的に除湿することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置されるシート積載装置(給送カセット40)に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置されるシート積載装置(給送カセット)に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置されるシート積載装置(給送カセット40)に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に設置されるシート積載装置に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置1の内部に設置された給送装置13におけるシート積載装置(給送カセット40)対して本発明を適用したが、画像形成装置1の外部に露呈するように設置される手差し用の給送装置16におけるシート積載装置(手差しトレイ)に対しても本発明を適用することができるし、給送装置としての原稿搬送部10(自動原稿搬送装置)におけるシート積載装置(原稿台)対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0046】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0047】
なお、本願明細書等において、「シート」とは、通常の用紙(紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム、等のシート状の記録媒体(原稿を含む。)のすべてを含むものと定義する。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
13 給送装置、
40 給送カセット(シート積載装置、下段給送カセット)、
40´ 上段給送カセット(上段シート積載装置)、
41 ベース部(載置部)、
42 底板、
46 サイドフェンス(シート規制部材)、
46a ダクト、
46´ 上段ダクト、
46a1 下部開口、 46a2 上部開口、
46w 操作部、
46x フィン(伝熱低減手段)、
47 エンドフェンス(シート規制部材)、
60 吸引ファン、
70 除湿ヒータ(熱気発生手段)、
80 延長ダクト、
81 圧縮スプリング、
82 ロック部材、
P シート。
【0049】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~12の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
複数枚のシートを積載可能なシート積載装置であって、
上下方向に延びるように形成されるとともに、前記シートのサイズに合わせて移動可能に構成されて、前記シートの位置を規制するシート規制部材と、
熱気発生手段によって発生させた熱気を吸引する吸引ファンと、
を備え、
前記シート規制部材は、前記吸引ファンによって吸引されて排出された前記熱気を、下方から上方に導くダクトが内部に形成されたことを特徴とするシート積載装置。
(付記2)
前記ダクトは、前記シート規制部材の底部に相当する位置に下部開口が形成されて、前記シート規制部材の天井部に相当する位置に上部開口が形成されて、前記熱気が前記下部開口から流入されて前記上部開口から流出するように形成され、
前記吸引ファンは、前記下部開口に対向するように前記シート規制部材の前記底部に設置されたことを特徴とする付記1に記載のシート積載装置。
(付記3)
前記シートが載置面上に載置されるとともに、前記載置面上における前記シート規制部材の移動を案内する溝部が形成された載置部を備え、
前記吸引ファンは、前記載置部の前記溝部を介して前記シート規制部材の前記底部に設置されたことを特徴とする付記1又は付記2に記載のシート積載装置。
(付記4)
前記熱気発生手段は、除湿ヒータであって、
前記シート規制部材は、前記シートの幅方向の位置を規制する一対のサイドフェンスであることを特徴とする付記1~付記3のいずれかに記載のシート積載装置。
(付記5)
前記シート積載装置に積載された前記シートは、所定の給送方向に給送され、
前記ダクトは、前記サイドフェンスにおいて前記給送方向の上流側又は下流側に形成されたことを特徴とする付記4に記載のシート積載装置。
(付記6)
前記シート規制部材は、
前記シート規制部材を手動で移動させるための操作部と、
前記ダクトを通過する前記熱気の熱の前記操作部への伝熱を低減する伝熱低減手段と、
を具備したことを特徴とする付記1~付記5のいずれかに記載のシート積載装置。
(付記7)
複数枚のシートを積載可能な上段シート積載装置が上方に設置され、
前記上段シート積載装置は、上下方向に延びるように形成されるとともに、前記シートのサイズに合わせて移動可能に構成されて、前記シートの位置を規制する上段シート規制部材を備え、
前記上段シート規制部材は、下方から上方に連通する上段ダクトが内部に形成され、
前記シート規制部材は、前記ダクトに連通して、前記ダクトから排出された前記熱気を前記上段ダクトに導く延長ダクトを具備したことを特徴とする付記1~付記6のいずれかに記載のシート積載装置。
(付記8)
前記延長ダクトは、前記上段ダクトに前記熱気を送出可能な延長状態と、前記シート規制部材の内部に収納された収納状態と、を切替可能に構成されたことを特徴とする付記7に記載のシート積載装置。
(付記9)
前記延長ダクトは、前記上段シート積載装置の引出し動作を妨げない長さに設定されたことを特徴とする付記7又は付記8に記載のシート積載装置。
(付記10)
前記熱気発生手段は、当該シート積載装置の下方であって、当該シート積載装置の引出し動作に連動して引出されない位置に設置されたことを特徴とする付記1~付記9のいずれかに記載のシート積載装置。
(付記11)
付記1~付記10のいずれかに記載のシート積載装置と、
前記シート積載装置に積載された前記複数枚のシートのうち最上方のシートを給送する給送機構と、
を備えたことを特徴とする給送装置。
(付記12)
付記1~付記10のいずれかに記載のシート積載装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開平4-190904号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12