(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175339
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】手足用温熱具
(51)【国際特許分類】
A61F 7/03 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
A61F7/08 334S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093044
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河原 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 薫
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA01
4C099CA10
4C099EA09
4C099GA02
4C099JA04
4C099LA07
4C099LA08
(57)【要約】
【課題】足先又は手先に使用した際に指の先端まで温めることができ、かつ、指の動きを阻害しない手足用温熱具を提供する。
【解決手段】手足用温熱具1は、発熱材5を保持しかつ縦方向に間隔をあけて配置された一対の発熱部20を備え、一対の発熱部20の間で折り曲げ可能な温熱具本体2と、温熱具本体2をユーザの手先又は足先に貼り付けるための一対の第一粘着層3と、を備え、一対の第一粘着層3の一方は、温熱具本体2の縦方向の一方の端側の一部分に形成され、一対の第一粘着層3の他方は、温熱具本体2の縦方向の他方の端側の一部分に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱材を保持しかつ縦方向に間隔をあけて配置された一対の発熱部を備え、前記一対の発熱部の間で折り曲げ可能な温熱具本体と、
前記温熱具本体をユーザの手先又は足先に貼り付けるための一対の第一粘着層と、
を備え、
前記一対の第一粘着層の一方は、前記温熱具本体の前記縦方向の一方の端側の一部分に形成され、前記一対の第一粘着層の他方は、前記温熱具本体の前記縦方向の他方の端側の一部分に形成されている、手足用温熱具。
【請求項2】
前記第一粘着層は、前記温熱具本体の前記縦方向の端から前記縦方向の中央に向かって、前記縦方向の両側の端の間の距離の少なくとも1/6以上の長さにわたる部分に形成される、請求項1に記載の手足用温熱具。
【請求項3】
前記第一粘着層は、前記温熱具本体の前記縦方向の端から前記縦方向の中央に向かって、前記縦方向の両側の端の間の距離の1/4以下の長さにわたる部分に形成される、請求項1に記載の手足用温熱具。
【請求項4】
前記温熱具本体の前記一対の発熱部の間に形成された第二粘着層をさらに備える、請求項1に記載の手足用温熱具。
【請求項5】
前記温熱具本体の前記縦方向に沿って延びかつ前記縦方向に直交する横方向に離れた一対の側縁には、前記一対の発熱部の間に、反対側の前記側縁の方に向かってへこむ凹部が形成されている、請求項1に記載の手足用温熱具。
【請求項6】
前記一対の側縁は、前記一対の発熱部の間から前記縦方向の両端に向かって互いの間隔が次第に広がるように傾斜する、請求項1に記載の手足用温熱具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば手の指などの手先又は足の指などの足先を温めるために使用される手足用温熱具に関する。
【背景技術】
【0002】
身体を温めるための温熱具として、通気性を有する袋体に空気と接触することで発熱する粉状の発熱性組成物を封入した化学カイロが従来から使用されている。化学カイロは、ユーザの身体又は衣服に貼り付けて使用できるように、袋体の一方の面に粘着層を設けた、いわゆる「貼るタイプ」のものが存在する。しかし、従来の貼るタイプの化学カイロを使用して例えば足先又は手先を温めようとすると、足先及び手先のおもて側又はうら側の一方側しか温めることができない。そのため、従来の貼るタイプの化学カイロを使用した場合には、冬の寒冷時に特に冷えやすい手先及び足先を十分に温めることができない。
【0003】
そこで、特許文献1により、足先を十分に温めることのできる足用温熱体が提案されている。特許文献1の足用温熱体は、温熱剤を収容する一対の温熱剤収容部と、一対の温熱剤収容部を連結する帯状の連結部とを備えている。特許文献1の足用温熱体によると、連結部を足の側面に沿って配設し、足のおもて側及び裏側に一対の温熱剤収容部をそれぞれ配設することで、足先に対しておもて側及びうら側の両側から温熱を付与できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の足用温熱体は、足の側面から足先を上下で挟むため、指の先端は露出している。そのため、特許文献1の足用温熱体は、冷えやすく血行が悪くなりやすい指の先端を温めることができないという課題がある。また、特許文献1の足用温熱体は、粘着層が連結部を含む全面に設けられているため、足先に対して一対の温熱剤収容部を靴下又はストッキングなどの上からではなく皮膚に直接に貼り付けると、足の指が動きにくくなる。よって、特許文献1の足用温熱体は、ユーザが使用時に違和感を感じるという課題がある。特許文献1の足用温熱体の上記課題は、温熱体を手先に使用した場合にも同様に生じる。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するため、足先又は手先に使用した際に指の先端まで温めることができ、かつ、指の動きを阻害しない手足用温熱具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の手足用温熱具は、上記課題を解決するため、以下の項1に記載の手足用温熱具を主題として包含する。
【0008】
項1.発熱材を保持しかつ縦方向に間隔をあけて配置された一対の発熱部を備え、前記一対の発熱部の間で折り曲げ可能な温熱具本体と、
前記温熱具本体をユーザの手先又は足先に貼り付けるための一対の第一粘着層と、
を備え、
前記一対の第一粘着層の一方は、前記温熱具本体の前記縦方向の一方の端側の一部分に形成され、前記一対の第一粘着層の他方は、前記温熱具本体の前記縦方向の他方の端側の一部分に形成されている、手足用温熱具。
【0009】
また、本開示の手足用温熱具は、上記項1に記載の手足用温熱具の好ましい態様として、以下の項2に記載の手足用温熱具を包含する。
【0010】
項2.前記第一粘着層は、前記温熱具本体の前記縦方向の端から前記縦方向の中央に向かって、前記縦方向の両側の端の間の距離の少なくとも1/6以上の長さにわたる部分に形成される、項1に記載の手足用温熱具。
【0011】
また、本開示の手足用温熱具は、上記項1から項2に記載の手足用温熱具の好ましい態様として、以下の項3に記載の手足用温熱具を包含する。
【0012】
項3.前記第一粘着層は、前記温熱具本体の前記縦方向の端から前記縦方向の中央に向かって、前記縦方向の両側の端の間の距離の1/4以下の長さにわたる部分に形成される、項1又は2に記載の手足用温熱具。
【0013】
また、本開示の手足用温熱具は、上記項1から項3に記載の手足用温熱具の好ましい態様として、以下の項4に記載の手足用温熱具を包含する。
【0014】
項4.前記温熱具本体の前記一対の発熱部の間に形成された第二粘着層をさらに備える、項1から項3のいずれか一項に記載の手足用温熱具。
【0015】
また、本開示の手足用温熱具は、上記項1から項4に記載の手足用温熱具の好ましい態様として、以下の項5に記載の手足用温熱具を包含する。
【0016】
項5.前記温熱具本体の前記縦方向に沿って延びかつ前記縦方向に直交する横方向に離れた一対の側縁には、前記一対の発熱部の間に、反対側の前記側縁の方に向かってへこむ凹部が形成されている、項1から項4のいずれか一項に記載の手足用温熱具。
【0017】
また、本開示の手足用温熱具は、上記項1から項5に記載の手足用温熱具の好ましい態様として、以下の項6に記載の手足用温熱具を包含する。
【0018】
項6.前記一対の側縁は、前記一対の発熱部の間から前記縦方向の両端に向かって互いの間隔が次第に広がるように傾斜する、項1から項5のいずれか一項に記載の手足用温熱具。
【発明の効果】
【0019】
本開示の手足用温熱具によれば、足先又は手先に使用した際に指の先端まで温めることができ、かつ、指の動きを阻害しない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態の手足用温熱具の平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態の手足用温熱具の断面図(
図1のA-A線に沿う断面図)である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態の手足用温熱具の使用方法の手順を説明する断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態の手足用温熱具の使用方法の手順を説明する斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態の手足用温熱具の使用方法の手順を説明する斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態の手足用温熱具を足先に装着した状態の平面図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態の手足用温熱具を足先に装着した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の手足用温熱具は、例えば手の指などの手先又は足の指などの足先を温めるために使用される。使用例の一例としては、就寝時において、寝付きづらい程に足先が冷えている場合に、足先を指の先端の方から包み込むようにして手足用温熱具を素足に直接に装着することで、足先の冷えを効果的に緩和できる。なお、本開示の手足用温熱具の使用例は上述した例に限定されない。また、本開示の手足用温熱具は、足又は手の皮膚に直接に装着することが好適であるが、例えば靴下、ストッキング、タイツ、手袋などを着用した足又は手に装着する使用形態を除外するものではない。
【0022】
以下、本開示の手足用温熱具の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、ユーザの手及び足において、指の先端に向かう方向を「前方向」とし、その反対方向を「後方向」とする。また、前後方向に直交する手及び足の幅方向を「左右方向」とする。
【0023】
図1及び
図2は、本実施形態の手足用温熱具1を示す。手足用温熱具1は、一対の発熱部20を備える温熱具本体2と、一対の第一粘着層3と、第二粘着層4と、を備える。
【0024】
温熱具本体
図1及び
図2に示すように、温熱具本体2は、互いに間隔をあけて配置された一対の発熱部20を備える。温熱具本体2において、一対の発熱部20が並ぶ方向が縦方向であり、縦方向に直交する方向が横方向である。温熱具本体2において、一対の発熱部20の一方の発熱部20は、手先又は足先のおもて側に温熱を付与する部分であり、一対の発熱部20の他方の発熱部20は、手先又は足先の裏側に温熱を付与する部分である。
【0025】
温熱具本体2は、一対の発熱部20の間で折り曲げ可能である。温熱具本体2は、一対の発熱部20の間に折曲部21を備える。温熱具本体2は、例えば可撓性を有することで、折曲部21において折り曲げ可能である。温熱具本体2は、特に限定されないが、厚みの薄い偏平状に形成されることが好ましい。これにより、温熱具本体2は、折曲部21において容易に折り曲げ可能となる。
【0026】
温熱具本体2は、縦方向が手又は足の前後方向を向くようにして手先又は足先に装着される。温熱具本体2の一対の発熱部20の間の折曲部21が手又は足の指の先端側に配備され、温熱具本体2の一方の発熱部20が手又は足の裏側(手の平又は足裏側)に配備され、温熱具本体2の折り曲げにより温熱具本体2の他方の発熱部20が手又は足のおもて側(手の甲又は足の甲側)に配備される。これにより、温熱具本体2は、指の先端の方から手先又は足先を包み込みながら、一対の発熱部20により手先又は足先に対しておもて側及び裏側の両側から温熱を付与する。
【0027】
温熱具本体2は、特に限定されないが、横方向よりも縦方向の方が寸法の大きい縦長形状に形成されることが好ましい。温熱具本体2の縦方向の長さ、つまりは、縦方向の両側の端の間の距離Dは、温熱具本体2が手先又は足先に装着される際に、手先であれば縦方向の両端Eが指の付け根を越えて手の平及び手の甲まで到達し、足先であれば縦方向の両端Eが指の付け根を越えて足裏及び足の甲まで到達するように、設計されている。
【0028】
温熱具本体2は、横方向に延びる中心線(つまりは温熱具本体2の縦方向の中央を通り、温熱具本体2の縦方向の長さDを二等分する線)Cに対して左右対称な外形に形成される。そのため、温熱具本体2の一対の発熱部20の間の折曲部21は、温熱具本体2の縦方向の中央に位置する。また、温熱具本体2は、縦方向に延びる中心線(つまりは横方向の長さを二等分する線であり、中心線Cと直交する線)に対して左右対称な外形に形成される。なお、温熱具本体2は、横方向に延びる中心線C及び縦方向に延びる中心線に対して左右対称な外形に形成されている必要はない。
【0029】
温熱具本体2は、一対の側縁22及び一対の端縁23を備え、一対の側縁22及び一対の端縁23により、温熱具本体2の外形が形づくられている。一対の端縁23は、温熱具本体2の横方向に沿って延びかつ縦方向に離れている。一対の側縁22は、温熱具本体2の縦方向に沿って延びかつ横方向に離れている。一対の側縁22及び一対の端縁23の角部は、特に限定されないが丸みを帯びている。
【0030】
一対の側縁22は、特に限定されないが、縦方向の中央(一対の発熱部20の間)の折曲部21から縦方向の両端Eに向かって互いの間隔が次第に拡がるように傾斜していることが好ましい。つまり、一対の側縁22は、縦方向の中央(一対の発熱部20の間)の折曲部21において括れており、温熱具本体2の横方向の長さは、縦方向の中央(一対の発熱部20の間)の折曲部21において最も狭く、縦方向の両端Eに向かうに連れて広がっていることが好ましい。温熱具本体2の横方向の長さが縦方向の中央(一対の発熱部20の間)の折曲部21において最も狭いことで、温熱具本体2は一対の発熱部20の間の折曲部21において折れ曲がりやすくなる。一対の側縁22は、例えば緩やかなV字をなすように直線的に傾斜していてもよいし、なめらかに凹状にへこむように曲線的に傾斜していてもよい
【0031】
また、手先及び足先は、指の先端側よりも付け根側の方が平面視で左右方向の長さ(横幅)が次第に広がる形状をなす。そのため、温熱具本体2の一対の側縁22が縦方向の中央から縦方向の両端に向かって互いの間隔が次第に拡がるように傾斜していると、温熱具本体2の縦方向の中央(一対の発熱部20の間)から縦方向の両端Eにわたる部分の形状が手先及び足先の形状に沿った形状となる。これにより、温熱具本体2を手先又は足先に装着した際に、温熱具本体2に手先又は足先からはみ出て手先又は足先に接触しない余白部分が生じるのを抑制できる。温熱具本体2を手先又は足先に装着した際に、温熱具本体2に手先又は足先からはみ出る余白部分が多く生じていると、ユーザが使用時に違和感を感じるおそれがあるため、本実施形態では、使用時にユーザが感じる違和感を低減できる。
【0032】
一対の側縁22の縦方向の中央(一対の発熱部20の間)には、特に限定されないが、反対側の側縁22の方に向かってへこむ第一凹部24が形成されていることが好ましい。第一凹部24の最大幅は3mm以上7mm程度であり、第一凹部24の深さは2mm以上5mm程度である。第一凹部24は、本実施形態では、半円状に形成されているが、鋭角又は鈍角の三角形状など、種々の形状に形成されていてもよい。一対の側縁22の縦方向の中央(一対の発熱部20の間)に第一凹部24が形成されていることで、温熱具本体2は一対の発熱部20の間の折曲部21において折れ曲がりやすくなる。
【0033】
一対の側縁22の縦方向の両端Eの近傍には、特に限定されないが、反対側の側縁22の方に向かってへこむ第二凹部25が形成されていることが好ましい。第二凹部25は、温熱具本体2において、第一粘着層3が形成されて手先又は足先に貼り付けられる貼付領域26に形成されている。第二凹部25の最大幅は6mm以上10mm程度であり、第二凹部25の深さは2mm以上5mm程度であり、第二凹部25は発熱部20と接触しない大きさ及び形状に形成されている。第二凹部25は、本実施形態では、半円状に形成されているが、鋭角又は鈍角の三角形状など、種々の形状に形成されていてもよい。一対の側縁22の縦方向の両端E近傍に第二凹部25が形成されていると、温熱具本体2の貼付領域26が第二凹部25の位置で変形しやすくなる。これにより、ユーザが手足用温熱具1の使用時に手先又は足先を動かした際に、温熱具本体2において手先又は足先に貼り付けられる貼付領域26が手先又は足先の皮膚の動きに追随しやすくなるため、温熱具本体2の貼付領域26を手先又は足先から剥がれにくくできる。
【0034】
一対の端縁23は、縦方向の外側に向かって膨出するように湾曲している。一対の端縁23は、直線状に形成されてもよいし、縦方向の内側に向かってへこむように湾曲していてもよい。温熱具本体2の縦方向の端Eは、一対の端縁23において最も縦方向の外側にある位置である。本実施形態では、一対の端縁23における横方向の中央位置が温熱具本体2の縦方向の端Eである。
【0035】
温熱具本体2は、
図2に示すように、例えば、発熱材5及びシート材6で構成される。発熱材5はシート材6に保持される。シート材6において発熱材5が保持される部分が温熱具本体2の発熱部20である。発熱材5はシート材6に内蔵されていてもよいし、シート材6に外付けされていてもよい。
【0036】
発熱材
温熱具本体2は、
図2に示す発熱材5が発熱することで、ユーザの手先及び足先に対して温熱を付与できる。発熱材5の素材は、発熱材5が何らかの方法で発熱できれば、特に限定されない。発熱材5の素材としては、従来の化学カイロに用いられている、空気との接触により起こる酸化反応に伴い発熱する粉状、粒状又は繊維状の発熱性組成物を好ましく例示できる。発熱性組成物は、例えば、被酸化性金属、活性炭、保水剤、金属塩及び水をそれぞれ所定量含有するものである。酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。保水剤は、例えば、木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂が挙げられる。金属塩は、例えば食塩が挙げられる。
【0037】
その他、電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで発熱する材料、具体的には、粉状のフェライトなどのセラミック粉末、小豆、又は、ゲル状の蓄熱剤などを発熱材5の素材として例示できる。ゲル状の蓄熱剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーなどを例示できる。
【0038】
発熱材5の素材として例示された上述の粉状、粒状、繊維状又はゲル状の材料は、シート材6の内部に封入されていてもよいし、例えば袋体に封入した状態でシート材6に外付けで固定されていてもよい。本実施形態では、粉状、粒状又は繊維状の発熱性組成物がシート材6の内部に封入されている。
【0039】
シート材
図2に示すように、シート材6は、例えば可撓性を有する第一シート60及び第二シート61の二枚のシート60,61で構成される。シート材6は、二枚のシート60,61を重ねた状態で二枚のシート60,61を外周に沿って全周にわたって接合することで、偏平状の袋体の形態を呈する。以下、シート材6の外周において接合した部分を「外周接合部」という。シート材6において、外周接合部の内側の内部空間が発熱材5の収容空間である。
【0040】
外周接合部の幅は、全周にわたって略同じであってもよいし、本実施形態のように異なっていてもよい。本実施形態では、
図1に示すように、外周接合部は、温熱具本体2の一対の側縁22に沿う部分の幅よりも、温熱具本体2の一対の端縁23に沿う部分の幅の方が広くなるように形成されている。外周接合部において、温熱具本体2の一対の側縁22に沿う部分の幅は、例えば5mm以上9mm以下であり、一対の端縁23に沿う部分の幅は、例えば20mm以上25mm以下である。
【0041】
シート材6は、縦方向の中央においても二枚のシート60,61が接合されている。以下、シート材6の縦方向の中央において接合した部分を「中央接合部」という。中央接合部は、シート材6を横断してその両端が外周接合部につながっている。シート材6の内部空間は、中央接合部により、シート材6の縦方向に間隔をあけて配置された二つの収容空間に仕切られている。シート材6の中央接合部は、温熱具本体2の一対の発熱部20の間の折曲部21に相当する。上述した二枚のシート60,61の接合は、熱溶着(ヒートシール)、超音波溶着、接着、縫合などの方法により実現できる。中央接合部の幅は、例えば2mm以上7mm以下である。
【0042】
第一シート60は、温熱具本体2が折り曲げられて手先又は足先を包み込む際に手先又は足先に接触する。第二シート61は、温熱具本体2が折り曲げられて手先又は足先を包み込む際に外側に露出する。第一シート60は、温熱具本体2の表裏一方の主面を構成し、第二シート61は、温熱具本体2の表裏他方の主面を構成する。
図2に示すように、第一シート60に一対の第一粘着層3及び第二粘着層4が形成されている。
【0043】
第一シート60及び第二シート61は、強度及び発熱材5の発熱に対する耐久性の観点から、樹脂フィルムが用いられることが好ましい。樹脂フィルムの素材となる樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体などを例示できる。樹脂フィルムは、上述した樹脂の中の一種で形成されていてもよいし、二種以上を組み合わせて形成されていてもよい。
【0044】
第一シート60及び第二シート61は、手先及び足先に対する肌触りを良好にするとの観点から、樹脂フィルムに織布又は不織布が積層されていることが好ましい。織布又は不織布の素材となる繊維は、コットン、麻、絹、紙などの天然繊維;レーヨン、アセテートなどの半合成繊維;ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレートなどの合成繊維;上述した繊維の混合繊維を例示できる。上述した繊維の中でも、肌触りを良好とするとの観点からは、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどを好ましく例示できる。織布又は不織布は、上述した繊維素材の中の一種で形成されていてもよいし、二種以上を組み合わせて形成されていてもよい。織布又は不織布は、空気の通過は許容するが、粉状などの発熱材料の通過は抑制できるように、目付などが設計される。
【0045】
第一シート60及び第二シート61の少なくとも一方は、通気性を有する。例えば、温熱具本体1が折り曲げられて手先又は足先を包み込む際に外側に露出する第二シート61が通気性を有する。例えば第二シート61が通気性を有する場合、第二シート61には複数の微細孔を有する樹脂フィルムが用いられる。微細孔は、空気の通過は許容するが、粉状などの発熱材料の通過は抑制する寸法に設計される。複数の微細孔を有する樹脂フィルムは、従来公知であり、多数の穿孔が形成された樹脂フィルム又は多孔質フィルムを例示できる。複数の微細孔は、樹脂フィルムの全域に均一に存在していてもよいし、樹脂フィルムの一部分に密集して存在していてもよい。
【0046】
第一シート60及び第二シート61は、必ずしも樹脂フィルムが用いられる必要はなく、織布又は不織布のみが用いられていてもよい。
【0047】
本実施形態のシート材6は、第一シート60及び第二シート61の別々の二枚シートで構成されている。シート材6は、可撓性及び通気性を有する一枚のシートで構成してもよい。一枚のシートを二つ折りして該シートの二つに等分した一方部分を他方部分に折り重ね、一方部分及び他方部分を外周に沿って全周にわたって接合することで、シート材6を偏平状の袋体の形態にしてもよい。
【0048】
また、シート材6は、発熱材5が外付けで固定される場合は、単なる一枚のシート又は複数のシートの積層体で構成できる。
【0049】
第一粘着層
図1及び
図2に示すように、第一粘着層3は、温熱具本体2の縦方向の両方の端側において粘着剤がある部分である。一対の第一粘着層3により、温熱具本体2はユーザの手先又は足先に対して貼り付けられる。第一粘着層3を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ビニル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、テルペン樹脂又は水溶性ロジンなどの粘着剤が挙げられる。第一粘着層3は、強過ぎずかつ弱過ぎない適切な強度の粘着力を確保する観点から、アクリル系粘着剤を用いて形成することが好ましい。
【0050】
第一粘着層3は、温熱具本体2の縦方向の一方の端側の一部分に形成されるとともに、温熱具本体2の縦方向の他方の端側の一部分に形成されている。なお、温熱具本体2の縦方向の端E側の一部分とは、温熱具本体2において縦方向の端Eから縦方向の中央に向かって所定の長さにわたる部分を指す。
【0051】
一対の第一粘着層3は、温熱具本体2をユーザの手先又は足先に対して貼り付ける役割を果たす。そのため、温熱具本体2において、一対の第一粘着層3が形成された部分が手先又は足先に貼り付けられる貼付領域26である。また、温熱具本体2において、一対の第一粘着層3の間の部分は、第二粘着層4が形成された折曲部21を除いて粘着剤がない非粘着領域27である。つまり、一方の第一粘着層3及び第二粘着層4の間、及び、他方の第一粘着層3及び第二粘着層4の間はそれぞれ非粘着領域27である。
【0052】
温熱具本体2は手先又は足先に装着された際に、縦方向の両端Eが指の付け根を越えて手の平及び手の甲又は足裏及び足の甲まで到達している。温熱具本体2の縦方向の両端E側の一部分に第一粘着層3が形成されていることで、温熱具本体2の貼付領域26は手先又は足先において、概ね手の平及び手の甲又は足裏及び足の甲に貼り付けられ、指の部分にほとんど貼り付けられない。指の部分には概ね温熱具本体2の非粘着領域27が当たる。そのため、温熱具本体2を手先又は足先の皮膚に直接に貼り付けても、指を動かしにくくなるのが抑制される。よって、ユーザが手足用温熱具1の使用時に感じる違和感を軽減できる。
【0053】
第一粘着層3は、特に限定されないが、温熱具本体2の縦方向の端Eから縦方向の中央に向かって、縦方向の両側の端の間の距離Dの少なくとも1/6以上の長さにわたる部分に形成されることが好ましい。つまり、温熱具本体2において、一対の貼付領域26は、それぞれ、外縁が温熱具本体2の端縁23に沿っており、かつ、内縁が温熱具本体2の縦方向の端Eからの長さをdとした場合にd≧1/6Dとなる位置まで延びる領域であることが好ましい。これにより、温熱具本体2において、貼付領域26の縦方向の長さdが十分に確保されているため、温熱具本体2が手先又は足先に強く貼り付けられる。よって、手足用温熱具1の使用時に温熱具本体2を手先又は足先から剥がれにくくできる。
【0054】
また、第一粘着層3は、特に限定されないが、温熱具本体2の縦方向の端Eから縦方向の中央に向かって、縦方向の両側の端の間の距離Dの1/4以下の長さにわたる部分に形成されることが好ましい。つまり、温熱具本体2において、一対の貼付領域26は、内縁がd≦1/4Dとなる位置まで延びる領域であることが好ましい。温熱具本体2において、貼付領域26が縦方向に広がり過ぎると、温熱具本体2を手先又は足先に貼り付けた際に、貼付領域26が手先又は足先の指の方まで大きくはみ出て指の部分に貼り付き、指の動きの自由を阻害するおそれがある。しかし、第一粘着層3が温熱具本体2の縦方向の端Eから縦方向の中央に向かって縦方向の両側の端の間の距離Dの1/4以下の長さにわたる部分に形成されることで、温熱具本体2を手先又は足先の皮膚に直接に貼り付けた際に、貼付領域26が手先又は足先の指の方まではみ出すのが抑制されるため、指の動きの自由が阻害されない。よって、ユーザが手足用温熱具1の使用時に感じる違和感を効果的に軽減できる。なお、一対の貼付領域26の内縁は直線状に形成されているが、温熱具本体2の横方向に沿って湾曲していてもよい。
【0055】
温熱具本体2において、それぞれの貼付領域26の全面に第一粘着層3が形成されていることが好ましいが、それぞれの貼付領域26に部分的に第一粘着層3が形成されていてもよい。貼付領域26に部分的に第一粘着層3が形成される例として、第一粘着層3がボーダー柄(横方向に平行な複数の線状)又はストライプ柄(縦方向に平行な複数の線状)の縞模様に形成されている、あるいは、第一粘着層3が複数のドットが均一に散在する水玉模様に形成されている例が挙げられる。なお、本実施形態では、第一粘着層3の大部分は温熱具本体2の外周接合部に形成されている。温熱具本体2において、外周接合部は発熱材5が保持される発熱部20よりも薄く変形しやすいため、第一粘着層3の大部分が温熱具本体2の外周接合部に形成されていることで、手の平及び手の甲又は足裏及び足の甲に対する温熱具本体2の貼り付けが容易になる。
【0056】
第二粘着層
図1及び
図2に示すように、第二粘着層4は、温熱具本体2の縦方向の中央(一対の発熱部20の間)において粘着剤がある部分である。温熱具本体2は、縦方向の中央(一対の発熱部20の間)で折り曲げられると、第二粘着層4により一対の発熱部20の間の折曲部21同士が貼り合わされることで、二つ折りされた状態が保持される。よって、手先又は足先に温熱具本体2を装着する際に、手先又は足先の先端を容易に合わせられるため、手の平及び手の甲又は足裏及び足の甲に対して、適切な位置に温熱具本体2を貼り付けることが容易になる。第二粘着層4を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ビニル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、テルペン樹脂又は水溶性ロジンなどの粘着剤が挙げられる。
【0057】
温熱具本体2において、一対の発熱部20の間の領域の全面に第二粘着層4が形成されていてもよいし、一対の発熱部20の間の領域に部分的に第二粘着層4が形成されていてもよい。一対の発熱部20の間の領域に部分的に第二粘着層4が形成される例として、第二粘着層4がボーダー柄(横方向に平行な複数の線状)又はストライプ柄(縦方向に平行な複数の線状)の縞模様に形成されている、あるいは、第二粘着層4が複数のドットが均一に散在する水玉模様に形成されている例が挙げられる。
【0058】
手足用温熱具の使用方法
本実施形態の手足用温熱具1は、
図3に示すように、まず、温熱具本体2を一対の発熱部20の間の折曲部21において折り曲げ、折り重ねた折曲部21を第二粘着層4により貼り合わせる。次に、
図4に示すように、例えば足先を一対の発熱部20の間に入れるが、この際に、折曲部21に足の各指の先端を沿わせる。そして、一対の第一粘着層3の一方を介して温熱具本体2の縦方向の一方の端側の一部分(貼付領域26)を足裏に貼り付ける。これにより、一対の発熱部20の一方を足先の裏側に接触させる。最後に、
図5に示すように、一対の第一粘着層3の他方を介して温熱具本体2の縦方向の他方の端側の一部分(貼付領域26)を足の甲に貼り付ける。これにより、一対の発熱部20の他方を足先のおもて側に接触させる。なお、手足用温熱具1を手先に使用する場合は、手足用温熱具1を足先に使用する場合と同様の手順で使用可能である。
【0059】
手足用温熱具の作用・効果
以上説明した本実施形態の手足用温熱具1によれば、手先又は足先のおもて側及び裏側に一対の発熱部20がそれぞれ接触するため、手先又は足先に対しておもて側及びうら側の両側から温熱を付与できる。また、本実施形態の手足用温熱具1によれば、手又は足の指の先端の方から包み込むようにして温熱具本体2を手先又は足先に装着するため、指の先端が露出せず、指の先端まで温めることができる。
【0060】
また、本実施形態の手足用温熱具1では、一対の第一粘着層3の一方は、温熱具本体2の縦方向の一方の端側の一部分(貼付領域26)に形成され、一対の第一粘着層3の他方は、温熱具本体2の縦方向の他方の端側の一部分(貼付領域26)に形成されている。これにより、手先又は足先に温熱具本体2を装着した際に、手の平及び手の甲又は足裏及び足の甲に温熱具本体2の一対の貼付領域26が貼り付けられ、指の部分には温熱具本体2の非粘着領域27が接触する。そのため、温熱具本体2を手先又は足先の皮膚に直接に貼り付けても、指の動きが第一粘着層3により阻害されるのが抑制される。よって、本実施形態の手足用温熱具1によれば、ユーザは手足用温熱具1の使用時に指を動かしやすいため、指を動かしにくいことが原因の違和感を低減できる。
【0061】
また、本実施形態の手足用温熱具1では、温熱具本体2の一対の発熱部20の間の折曲部21に第二粘着層4が形成されている。これにより、温熱具本体2を一対の発熱部20の間で折り曲げた際に、第二粘着層4により折曲部21同士が貼り合わされて、温熱具本体2は二つ折りされた状態が保持される。そのため、温熱具本体2を手先又は足先に装着する際に、折曲部21に各指の先端を沿わせやすい。さらに、温熱具本体2の一対の貼付領域26を手先又は足先のおもて側及び裏側にそれぞれ貼り付ける際に、一方の貼付領域26に対して他方の貼付領域26が左右方向に位置ずれしにくいので、一対の発熱部20を手先又は足先のおもて側及び裏側に対して困難なく適切な箇所に配置できる。よって、本実施形態の手足用温熱具1によれば、温熱具本体2を手先又は足先に装着しやすい。
【0062】
また、本実施形態の手足用温熱具1では、温熱具本体2の一対の側縁22には、一対の発熱部20の間に、反対側の側縁22の方に向かってへこむ凹部24が形成されている。これにより、本実施形態の手足用温熱具1によれば、温熱具本体2を一対の発熱部20の間で折り曲げるのを容易にできる。
【0063】
また、本実施形態の手足用温熱具1では、温熱具本体2の一対の側縁22は、一対の発熱部20の間から温熱具本体2の縦方向の両端に向かって互いの間隔が次第に広がるように傾斜する。これにより、温熱具本体2は、一対の発熱部20の間において横方向の長さが最も狭くなる。よって、本実施形態の手足用温熱具1によれば、温熱具本体2を一対の発熱部20の間で折り曲げるのを容易にできる。
【0064】
さらに、本実施形態の手足用温熱具1では、温熱具本体2の一対の発熱部20の間から縦方向の両端Eにわたる部分の形状を手先及び足先の形状に沿った形状にできる。これにより、温熱具本体2を手先又は足先に装着した際に、温熱具本体2に手先又は足先からはみ出て手先又は足先に接触しない余白部分が生じるのを抑制できる。よって、本実施形態の手足用温熱具1によれば、ユーザが手足用温熱具1を使用した際に、温熱具本体2に手先又は足先からはみ出る余白部分が多く生じることが原因の違和感を低減できる。
【0065】
さらに、本実施形態の手足用温熱具1では、温熱具本体2は、縦方向の両側の端Eにおいて横方向の長さが最も広くなる。これにより、温熱具本体2の縦方向の両方の端側にある貼付領域26の面積を広く確保できる。よって、本実施形態の手足用温熱具1によれば、温熱具本体2を手先又は足先に強く貼り付けられるため、手足用温熱具1の使用時に温熱具本体2が手先又は足先から剥がれにくい。
【0066】
手足用温熱具の変形例
以上、本開示の手足用温熱具の一実施形態について説明したが、本開示の手足用温熱具は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形ができる。例えば、以下の変形ができる。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0067】
上記実施形態では、温熱具本体2の一対の発熱部20の間の折曲部21は、温熱具本体2の縦方向の中央に位置している。変形例として、折曲部21は、温熱具本体2の縦方向の中央から位置ずれしていてもよい。
【0068】
また、他の変形例として、上記実施形態における温熱具本体2の一対の発熱部20について、それぞれを互いに区画された複数のより狭い面積の小発熱部の集合体で構成してもよい。例えば、温熱具本体2の一対の発熱部20について、それぞれを、温熱具本体2の縦方向に区画されて並ぶ二以上の小発熱部、又は、温熱具本体2の横方向に区画されて並ぶ二以上の小発熱部で構成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、温熱具本体2の一対の発熱部20の間に第二粘着層4が形成されている。他の変形例として、温熱具本体2の一対の発熱部20の間は粘着剤がない非粘着領域であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、温熱具本体2の一対の側縁22は、縦方向において一対の発熱部20の間に近付くに連れて内側に位置するように(一対の側縁22の間隔が次第に狭まるように)傾斜している。他の変形例として、温熱具本体2の一対の側縁22は、互いの間隔が一定となるよう縦方向に沿って平行であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、温熱具本体2の一対の側縁22には、第一凹部24及び第二凹部25が形成されている。他の変形例として、温熱具本体2の一対の側縁22には、第一凹部24だけが形成されていてもよいし、第二凹部25だけが形成されていてもよく、あるいは、第一凹部24及び第二凹部25のいずれも形成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 手足用温熱具
2 温熱具本体
3 第一粘着層
4 第二粘着層
5 発熱材
20 発熱部
22 温熱具本体の一対の側縁
24 凹部(第一凹部)