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特開2024-175345端子構造、配線基板及び端子構造の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175345
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】端子構造、配線基板及び端子構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/09 20060101AFI20241211BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20241211BHJP
   H05K 3/24 20060101ALI20241211BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H05K1/09 C
H05K3/18 G
H05K3/24 B
H05K3/34 501F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093056
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 順一
(72)【発明者】
【氏名】北村 知哉
(72)【発明者】
【氏名】中林 陽子
【テーマコード(参考)】
4E351
5E319
5E343
【Fターム(参考)】
4E351AA03
4E351AA04
4E351BB33
4E351BB38
4E351CC06
4E351CC07
4E351DD04
4E351DD06
4E351DD19
4E351DD20
4E351GG15
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB06
5E319AC02
5E319AC18
5E319BB04
5E319CC33
5E319GG05
5E343AA02
5E343AA17
5E343AA18
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB44
5E343BB48
5E343DD33
5E343DD43
5E343GG18
(57)【要約】
【課題】隣接するはんだ層同士のショートを抑制できる端子構造及び配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板10は、配線層31と、配線層31を被覆する絶縁層40と、絶縁層40を厚さ方向に貫通する開口部41と、開口部41内に形成されたビア配線51と、ビア配線51と電気的に接続されるとともに、絶縁層40の上面に形成された配線層52とを有する。配線基板10は、配線層52の上面に形成された保護金属層60と、保護金属層60の上面に形成されたはんだ層80と、保護金属層60とはんだ層80との界面に形成された金属間化合物層70とを有する。保護金属層60は、配線層52の側面よりも外方に突出する突出部63を有する。金属間化合物層70は、保護金属層60の上面のみを被覆している。はんだ層80は、金属間化合物層70の上面のみを被覆している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線層と、
前記第1配線層を被覆する絶縁層と、
前記絶縁層を厚さ方向に貫通して前記第1配線層の上面の一部を露出する開口部と、
前記開口部内に形成されたビア配線と、
前記ビア配線と電気的に接続されるとともに、前記絶縁層の上面に形成された第2配線層と、
前記第2配線層の上面に形成された保護金属層と、
前記保護金属層の上面に形成されたはんだ層と、
前記保護金属層と前記はんだ層との界面に形成された金属間化合物層と、を有し、
前記保護金属層は、前記第2配線層の側面よりも前記第2配線層の外方に突出する突出部を有し、
前記金属間化合物層は、前記保護金属層の上面のみを被覆するとともに、前記保護金属層の側面と前記第2配線層の側面とを露出するように形成されており、
前記はんだ層は、前記金属間化合物層の上面のみを被覆するとともに、前記金属間化合物層の側面と前記保護金属層の側面と前記第2配線層の側面とを露出している端子構造。
【請求項2】
前記突出部は、前記第2配線層の側面から前記突出部の突出先端に向かうに連れて下方に向かって垂れ下がるように形成されており、
前記突出部の突出先端は、前記第2配線層の厚さ方向と直交する平面方向において、前記第2配線層の側面と離隔した状態で対向している請求項1に記載の端子構造。
【請求項3】
前記第2配線層の上面は、前記保護金属層に向かって断面円弧状に突出する第1凸部と、前記第1配線層に向かって断面円弧状に凹む第1凹部とが交互に繰り返される波形状を有し、
前記保護金属層は、前記波形状に沿った形状に形成されており、
前記金属間化合物層は、前記波形状に沿った形状に形成されている請求項2に記載の端子構造。
【請求項4】
前記第2配線層の側面は、前記第2配線層の内方に向かって断面円弧状に凹む曲面を有する請求項1に記載の端子構造。
【請求項5】
前記ビア配線は、前記開口部を充填しており、
前記第2配線層は、前記絶縁層の上面から上方に延びる柱状に形成されている請求項1に記載の端子構造。
【請求項6】
前記ビア配線は、前記開口部の内面に沿った形状に形成されており、
前記第2配線層の上面は、前記第1配線層に向かって凹む第2凹部を有し、
前記保護金属層の上面は、前記第1配線層に向かって凹む第3凹部を有し、
前記はんだ層は、前記第3凹部を充填している請求項1に記載の端子構造。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の端子構造を有する配線基板。
【請求項8】
第1配線層を被覆するとともに、前記第1配線層の上面の一部を露出する開口部を有する絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の上面と前記開口部の内面とを連続して被覆するシード層を形成する工程と、
前記シード層の上面に、開口パターンを有するレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層をマスクとし、前記シード層を給電層とする電解めっき法により、前記開口部の内部にビア配線を形成するとともに、前記開口パターンから露出する前記シード層上及び前記ビア配線上に第2配線層を形成する工程と、
前記レジスト層をマスクとし、前記シード層を給電層とする電解めっき法により、前記第2配線層の上面のみを被覆する保護金属層を形成する工程と、
前記保護金属層の上面のみにはんだ層を形成する工程と、
前記レジスト層を除去する工程と、
前記保護金属層をマスクとして前記第2配線層の側面側から前記第2配線層を薄化することにより、薄化後の前記第2配線層の側面よりも前記第2配線層の外方に突出する突出部を前記保護金属層に形成する工程と、
リフロー処理により、前記保護金属層の上面と前記はんだ層の下面との界面に金属間化合物層を形成するとともに、前記金属間化合物層を通じて前記保護金属層と前記はんだ層とを接合する工程と、
を有する端子構造の製造方法。
【請求項9】
前記第2配線層を形成する工程では、前記第2配線層の上面が凸部と凹部とが繰り返される波形状に形成される請求項8に記載の端子構造の製造方法。
【請求項10】
前記突出部は、前記薄化後の前記第2配線層の側面から前記突出部の突出先端に向かうに連れて下方に向かって垂れ下がるように形成される請求項9に記載の端子構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子構造、配線基板及び端子構造の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子等の電子部品を実装するための配線基板は、様々な形状・構造のものがある。例えば、接続パッド上に保護金属層が形成され、その保護金属層の上面及び側面を被覆するようにはんだ層が形成された配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-189275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の配線基板では、リフロー時にはんだ層が垂れ下がりやすいため、隣接するはんだ層同士がショートするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、第1配線層と、前記第1配線層を被覆する絶縁層と、前記絶縁層を厚さ方向に貫通して前記第1配線層の上面の一部を露出する開口部と、前記開口部内に形成されたビア配線と、前記ビア配線と電気的に接続されるとともに、前記絶縁層の上面に形成された第2配線層と、前記第2配線層の上面に形成された保護金属層と、前記保護金属層の上面に形成されたはんだ層と、前記保護金属層と前記はんだ層との界面に形成された金属間化合物層と、を有し、前記保護金属層は、前記第2配線層の側面よりも前記第2配線層の外方に突出する突出部を有し、前記金属間化合物層は、前記保護金属層の上面のみを被覆するとともに、前記保護金属層の側面と前記第2配線層の側面とを露出するように形成されており、前記はんだ層は、前記金属間化合物層の上面のみを被覆するとともに、前記金属間化合物層の側面と前記保護金属層の側面と前記第2配線層の側面とを露出している。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一観点によれば、隣接するはんだ層同士のショートを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態の配線基板を示す概略断面図である。
図2図2は、一実施形態の配線基板の一部を拡大して示す概略断面図である。
図3図3は、一実施形態の半導体装置を示す概略断面図である。
図4図4は、一実施形態の半導体装置の一部を拡大して示す概略断面図である。
図5図5は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図6図6は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図7図7は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図8図8は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図9図9は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図10図10は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図11図11は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図12図12は、一実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図である。
図13図13は、変更例の配線基板を示す概略断面図である。
図14図14は、変更例の配線基板を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、便宜上、特徴を分かりやすくするために特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが各図面で同じであるとは限らない。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを梨地模様に代えて示し、一部の部材のハッチングを省略している。なお、本明細書において、「平面視」とは、対象物を図1等の鉛直方向(図中上下方向)から見ることを言い、「平面形状」とは、対象物を図1等の鉛直方向から見た形状のことを言う。本明細書における「上下方向」及び「左右方向」は、各図面において各部材を示す符号が正しく読める向きを正位置とした場合の方向である。また、本明細書における「平行」、「直交」や「水平」は、厳密に平行、直交や水平の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行、直交や水平の場合も含まれる。
【0009】
(配線基板10の全体構成)
図1に示すように、配線基板10は、基板本体11を有している。基板本体11の下面には、配線層21と、ソルダーレジスト層22とが順に積層されている。また、基板本体11の上面には、配線層31と、絶縁層40と、接続端子50と、保護金属層60と、金属間化合物層70と、はんだ層80とが順に積層されている。
【0010】
基板本体11としては、絶縁樹脂層と配線層とが交互に積層された配線構造体を用いることができる。配線構造体は、例えば、コア基板を有しても良いし、コア基板を有していなくても良い。絶縁樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性の絶縁性樹脂を用いることができる。熱硬化性の絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂やシアネート樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。また、絶縁樹脂層の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂などの感光性樹脂を主成分とする絶縁性樹脂を用いることもできる。絶縁樹脂層は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。
【0011】
基板本体11の配線層や配線層21,31の材料としては、例えば、銅(Cu)や銅合金を用いることができる。ソルダーレジスト層22の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂などの感光性樹脂を主成分とする絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト層22は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。
【0012】
配線層21は、基板本体11の下面に形成されている。配線層21は、配線基板10の最下層の配線層である。
ソルダーレジスト層22は、配線層21を被覆するように、基板本体11の下面に積層されている。ソルダーレジスト層22は、配線基板10の最外層(ここでは、最下層)の絶縁層である。
【0013】
ソルダーレジスト層22には、配線層21の下面の一部を外部接続用パッドP1として露出させるための複数の開口部22Xが形成されている。外部接続用パッドP1には、配線基板10をマザーボード等の実装基板に実装する際に使用される外部接続端子96(図3参照)が接続されるようになっている。
【0014】
開口部22Xの底部に露出する配線層21の下面には、必要に応じて、表面処理層23が形成されている。表面処理層23の例としては、金(Au)層、ニッケル(Ni)層/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni層/パラジウム(Pd)層/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。表面処理層23の他の例としては、Ni層/Pd層(Ni層とPd層をこの順番で積層した金属層)、Pd/Au層(Pd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。ここで、Au層はAu又はAu合金からなる金属層、Ni層はNi又はNi合金からなる金属層、Pd層はPd又はPd合金からなる金属層である。これらAu層、Ni層、Pd層としては、例えば、無電解めっき法により形成された金属層(無電解めっき層)や、電解めっき法により形成された金属層(電解めっき層)を用いることができる。また、表面処理層23としては、開口部22Xに露出する配線層21の下面に、OSP(Organic Solderability Preservative)処理などの酸化防止処理を施して形成されるOSP膜を用いることもできる。OSP膜としては、例えば、アゾール化合物やイミダゾール化合物等の有機被膜を用いることができる。なお、配線層21の下面に表面処理層23が形成されている場合には、その表面処理層23が外部接続用パッドP1として機能する。
【0015】
本例では、表面処理層23上に外部接続端子96(図3参照)を設けるようにしたが、開口部22Xに露出する配線層21(又は、配線層21上に表面処理層23が形成されている場合には、その表面処理層23)自体を、外部接続端子としてもよい。
【0016】
配線層31は、基板本体11の上面に形成されている。配線層31は、基板本体11内の配線層や貫通電極を介して、配線層21と電気的に接続されている。
絶縁層40は、配線層31の一部を被覆するように、基板本体11の上面に積層されている。絶縁層40は、配線基板10の最外層(ここでは、最上層)に設けられた最外絶縁層である。絶縁層40は、基板本体11で用いた絶縁樹脂層と同じ絶縁樹脂層とすることができる。また、絶縁層40としては、ソルダーレジスト層を用いることもできる。ソルダーレジスト層の材料としては、例えば、ソルダーレジスト層22と同様の材料を用いることができる。なお、配線層31の上面から絶縁層40の上面までの厚さは、例えば、4μm~30μm程度とすることができる。
【0017】
絶縁層40には、当該絶縁層40を厚さ方向に貫通して配線層31の上面の一部を露出する開口部41が形成されている。開口部41の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさに設定することができる。本例の開口部41の平面形状は、円形状に形成されている。開口部41の深さは、例えば、4μm~30μm程度とすることができる。本例の開口部41は、図1において下側(基板本体11側)から上側に向かうに連れて開口幅(開口径)が大きくなるテーパ状に形成されている。
【0018】
開口部41の内壁面は、例えば、絶縁層40の上面から配線層31に向かうに連れて開口部41の平面中心に近づくように傾斜して形成されている。なお、開口部41の内壁面は、平面である必要はなく、開口部41の内壁面の一部又は全部が凸状の曲面や凹状の曲面であってもよい。
【0019】
(接続端子50の構造)
図2に示すように、接続端子50は、開口部41から露出された配線層31上に形成されている。接続端子50は、例えば、電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用のパッドとして機能する。接続端子50は、例えば、開口部41内に形成されたビア配線51と、ビア配線51を介して配線層31と電気的に接続されるとともに絶縁層40の上面に形成された配線層52とを有している。接続端子50の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさに設定することができる。本例の接続端子50の平面形状は、円形状に形成されている。
【0020】
ビア配線51は、例えば、開口部41を充填するように形成されている。ビア配線51は、開口部41と同様の形状に形成されている。配線層52は、例えば、絶縁層40の上面から上方に突出するように柱状に形成されている。
【0021】
接続端子50は、開口部41の内面と絶縁層40の上面とを被覆するシード層53を有している。本例のシード層53は、絶縁層40の上面と、開口部41の内壁面全面と、開口部41の底部に露出する配線層31の上面全面とを連続して被覆するように形成されている。シード層53の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。シード層53としては、例えば、無電解めっき法により形成された無電解めっき層を用いることができる。
【0022】
接続端子50は、シード層53よりも内側の開口部41を充填する金属層54を有している。金属層54の材料としては、銅や銅合金を用いることができる。金属層54としては、例えば、電解めっき法により形成された電解めっき層を用いることができる。
【0023】
以上説明した開口部41内に形成されたシード層53と金属層54とによって、接続端子50のビア配線51が構成されている。
接続端子50は、絶縁層40の上面に形成されたシード層53及びビア配線51(金属層54)上に形成された金属ポスト55を有している。金属ポスト55は、絶縁層40の上面から上方に突出するように柱状に形成されている。金属ポスト55は、例えば、金属層54と一体に形成されている。金属ポスト55の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさに設定することができる。例えば、金属ポスト55は、平面視において、直径が15μm~40μm程度の円形状とすることができる。金属ポスト55の厚さは、例えば、2μm~50μm程度とすることができる。
【0024】
金属ポスト55の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。金属ポスト55としては、例えば、電解めっき法により形成された電解めっき層を用いることができる。
【0025】
金属ポスト55の上面は、例えば、金属ポスト55の厚さ方向にうねり形状を有している。金属ポスト55の上面は、例えば、上下に波打った波形状を有している。本例の金属ポスト55の上面は、保護金属層60に向かって断面円弧状に突出する凸部56と配線層31に向かって断面円弧状に凹む凹部57とが繰り返される波形状を有している。金属ポスト55の上面は、複数(本実施形態では、3つ)の凸部56と複数(本実施形態では、2つ)の凹部57とを有している。金属ポスト55の上面は、金属ポスト55の厚さ方向と直交する平面方向(図中左右方向)に沿って凸部56と凹部57とが1つずつ交互に連なって設けられる波形状に形成されている。
【0026】
各凸部56の表面は、例えば、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。複数の凸部56の表面の曲率は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。各凹部57の表面は、例えば、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。複数の凹部57の表面の曲率は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。各凹部57の表面の曲率は、各凸部56の表面の曲率と等しくてもよいし、各凸部56の表面の曲率と異なっていてもよい。
【0027】
金属ポスト55の側面は、例えば、円弧状に湾曲する曲面に形成されている。金属ポスト55の側面は、金属ポスト55の内方に向かって断面円弧状に凹むように形成されている。例えば、金属ポスト55は、金属ポスト55の厚さ方向のうち中間部分における外径が最も小さくなるように形成されている。
【0028】
以上説明した金属ポスト55と絶縁層40の上面に形成されたシード層53とによって、接続端子50の配線層52が構成されている。
(保護金属層60の構造)
保護金属層60は、配線層52の上面、ここでは金属ポスト55の上面に形成されている。保護金属層60は、配線層52の上面のみを被覆するように形成されている。保護金属層60は、配線層52の上面全面を被覆するように形成されている。保護金属層60は、配線層52の側面を露出するように形成されている。保護金属層60は、金属ポスト55の側面全面を露出するとともに、シード層53の側面全面を露出するように形成されている。
【0029】
保護金属層60は、例えば、接続端子50を構成する金属(ここでは、銅)の拡散や酸化を抑制する機能を有している。保護金属層60としては、Ni層、Au層、Ni層/Au層、Ni層/Pd層/Au層、Ni層/Pd層、Pd/Au層などを用いることができる。本例の保護金属層60は、Ni層である。保護金属層60の厚さは、例えば、0.01μm~3μm程度とすることができる。
【0030】
保護金属層60の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさに設定することができる。保護金属層60の平面形状は、例えば、接続端子50と同様の形状(ここでは、円形状)に形成されている。保護金属層60は、平面視において、接続端子50よりも大きなサイズを有している。保護金属層60は、平面視において、接続端子50よりも一回り大きなサイズを有している。例えば、保護金属層60は、平面視において、20μm~50μm程度の円形状とすることができる。
【0031】
保護金属層60は、例えば、金属ポスト55の波形状に沿った形状に形成されている。本例の保護金属層60は、はんだ層80に向かって断面円弧状に突出する凸部61と、配線層31に向かって断面円弧状に凹む凹部62とが繰り返される波形状を有している。保護金属層60の上面は、複数(本実施形態では、3つ)の凸部61と複数(本実施形態では、2つ)の凹部62とを有している。各凸部61の表面は、凸部56の表面に沿って円弧状に湾曲する曲面に形成されている。各凹部62の表面は、凹部57の表面に沿って円弧状に湾曲する曲面に形成されている。
【0032】
保護金属層60は、配線層52の側面よりも配線層52の外方に突出する突出部63を有している。突出部63は、配線層52の側面よりも平面方向(図中左右方向)に突出するように形成されている。突出部63は、保護金属層60の外周縁に設けられている。突出部63は、例えば、保護金属層60の周方向全周にわたって連続して形成されている。
【0033】
突出部63は、配線層52の側面から突出部63の突出先端に向かうに連れて下方に向かって垂れ下がるように形成されている。突出部63は、例えば、配線層52の平面方向において配線層52の側面と離隔した状態で対向している。突出部63は、例えば、配線層52の平面方向から見た平面視において、配線層52と重なるように設けられている。突出部63は、例えば、保護金属層60の凸部61と連続して形成されている。突出部63の下面は、例えば、凸部61の下面と同じ曲率で湾曲するように形成されている。突出部63の下面は、例えば、凸部56の上面と同じ曲率で湾曲するように形成されている。
【0034】
突出部63の下面、つまり保護金属層60の外周縁の下面は、配線層52から露出されている。ここで、保護金属層60の側面と、突出部63の下面と、配線層52の側面とによって段差が形成されている。
【0035】
(金属間化合物層70の構造)
金属間化合物層70は、保護金属層60とはんだ層80との界面(接合界面)に形成されている。金属間化合物層70は、保護金属層60の上面とはんだ層80の下面との界面に形成されている。金属間化合物層70は、保護金属層60とはんだ層80との接合部分に形成されている。換言すると、金属間化合物層70によって保護金属層60とはんだ層80とが実質的に接合されている。
【0036】
金属間化合物層70は、保護金属層60の上面のみを被覆するように形成されている。金属間化合物層70は、保護金属層60の上面全面を被覆するように形成されている。金属間化合物層70は、保護金属層60の側面と配線層52の側面とを露出するように形成されている。金属間化合物層70は、保護金属層60の側面全面を露出するとともに、配線層52の側面全面を露出するように形成されている。換言すると、保護金属層60の側面及び配線層52の側面には、金属間化合物層70が形成されていない。
【0037】
金属間化合物層70は、例えば、金属ポスト55の波形状及び保護金属層60の波形状に沿った形状に形成されている。本例の金属間化合物層70は、はんだ層80に向かって断面円弧状に突出する凸部と、配線層31に向かって断面円弧状に凹む凹部とが繰り返される波形状を有している。金属間化合物層70の凸部は、凸部61の表面に沿って円弧状に湾曲する曲面に形成されている。金属間化合物層70の凹部は、凹部62の表面に沿って円弧状に湾曲する曲面に形成されている。
【0038】
金属間化合物層70は、例えば、保護金属層60を構成する金属(例えば、Ni)とはんだ層80を構成する金属(例えば、Sn)とが反応して形成される。金属間化合物層70は、例えば、金属ポスト55を構成する金属(例えば、Cu)と保護金属層60を構成する金属(例えば、Ni)とはんだ層80を構成する金属(例えば、Sn)とが反応して形成される。金属間化合物層70は、例えば、(Cu,Ni)Snの金属間化合物からなる。
【0039】
(はんだ層80の構造)
はんだ層80は、保護金属層60上に形成されている。はんだ層80は、金属間化合物層70の上面に形成されている。はんだ層80は、金属間化合物層70の上面のみを被覆するように形成されている。はんだ層80は、金属間化合物層70の上面全面を被覆するように形成されている。はんだ層80は、金属間化合物層70の側面と保護金属層60の側面と配線層52の側面とを露出するように形成されている。はんだ層80は、金属間化合物層70の側面全面と保護金属層60の側面全面と配線層52の側面全面とを露出するように形成されている。換言すると、金属間化合物層70の側面と保護金属層60の側面と配線層52の側面とには、はんだ層80が形成されていない。
【0040】
はんだ層80の上面は、例えば、球面状に形成されている。はんだ層80の上面は、例えば、円弧状に湾曲する曲面に形成されている。はんだ層80の上面は、例えば、凸状の曲面に形成されている。はんだ層80の上面は、例えば、保護金属層60の平面中心に近づくに連れて上方に湾曲して突出するように形成されている。
【0041】
はんだ層80の材料としては、例えば、共晶はんだや鉛(Pb)フリーはんだを用いることができる。鉛フリーはんだとしては、錫(Sn)-銀(Ag)系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-ビスマス(Bi)系の鉛フリーはんだを用いることができる。
【0042】
以上説明した配線層31と絶縁層40と接続端子50と保護金属層60と金属間化合物層70とはんだ層80とによって、配線基板10の端子構造が構成されている。
(半導体装置90の構成)
次に、図3及び図4に従って、半導体装置90の構造について説明する。
【0043】
図3に示すように、半導体装置90は、配線基板10と、1つ又は複数(ここでは、1つ)の半導体素子91と、アンダーフィル樹脂95と、外部接続端子96とを有している。
【0044】
図3及び図4に示すように、半導体素子91は、半導体素子91の回路形成面(ここでは、下面)に形成された複数の接続端子92を有している。半導体素子91は、配線基板10にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体素子91の接続端子92は、配線基板10の端子構造に電気的に接続されている。図4に示すように、半導体素子91の接続端子92は、はんだ層80を介して保護金属層60及び接続端子50に電気的に接続されている。これにより、半導体素子91は、接続端子92とはんだ層80と金属間化合物層70と保護金属層60とを介して接続端子50と電気的に接続されている。このとき、はんだ層80は、金属間化合物層70(保護金属層60)に接合されるとともに、接続端子92に接合されている。
【0045】
半導体素子91としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどのロジックチップを用いることができる。また、半導体素子91としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ、SRAM(Static Random Access Memory)チップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることができる。なお、配線基板10に複数の半導体素子91を搭載する場合には、ロジックチップとメモリチップとを組み合わせて配線基板10に搭載するようにしてもよい。
【0046】
接続端子92としては、例えば、金属ポストを用いることができる。接続端子92は、例えば、半導体素子91の回路形成面から下方に延びる柱状の接続端子である。本例の接続端子92は、例えば、円柱状に形成されている。接続端子92の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。なお、接続端子92としては、金属ポストの他に、例えば金バンプを用いることもできる。
【0047】
アンダーフィル樹脂95は、配線基板10と半導体素子91との間の隙間を充填するように設けられている。アンダーフィル樹脂95は、例えば、保護金属層60の突出部63と配線層52の側面との間の隙間を充填するように形成されている。アンダーフィル樹脂95の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。
【0048】
図3に示すように、外部接続端子96は、配線基板10の外部接続用パッドP1上に形成されている。外部接続端子96は、例えば、図示しないマザーボード等の実装基板に設けられたパッドと電気的に接続される接続端子である。外部接続端子96としては、例えば、はんだボールやリードピンを用いることができる。本実施形態では、外部接続端子96として、はんだボールを用いている。
【0049】
ここで、本実施形態において、配線層31は第1配線層の一例、配線層52は第2配線層の一例、凸部56は第1凸部の一例、凹部57は第1凹部の一例である。
(配線基板10の製造方法)
次に、図5図12に従って、配線基板10の製造方法について説明する。ここでは、配線基板10の端子構造の製造方法について詳述する。なお、説明の便宜上、最終的に配線基板10の各構成要素となる部分には、最終的な構成要素の符号を付して説明する。
【0050】
まず、図5に示すように、基板本体11の上面に、配線層31と、配線層31を被覆する絶縁層40とが形成され、絶縁層40を厚さ方向に貫通する開口部41が形成された構造体を準備する。この構造体は、公知の製造方法により製造することが可能であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0051】
次に、図6に示す工程では、絶縁層40の上面全面と、開口部41の内面全面とを連続して被覆するシード層53を形成する。シード層53は、例えば、無電解めっき法により形成することができる。
【0052】
続いて、図7に示す工程では、絶縁層40の上面に形成されたシード層53上に、開口パターン101を有するレジスト層100を形成する。開口パターン101は、金属ポスト55(図2参照)の形成領域に対応する部分のシード層53を露出するように形成される。レジスト層100の材料としては、例えば、次工程の電解めっき処理に対して耐めっき性がある材料を用いることができる。例えば、レジスト層100の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えば、ノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。例えば、感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、シード層53の上面にドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして開口パターン101を有するレジスト層100を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層100を形成することができる。
【0053】
次いで、図8に示す工程では、レジスト層100をめっきマスクとして、シード層53上に、そのシード層53をめっき給電層に利用する電解めっき法を施す。すなわち、レジスト層100の開口パターン101から露出されたシード層53の上面に電解めっき法(例えば、電解銅めっき法)を施す。本工程により、シード層53よりも内側の開口部41を充填する金属層54が形成されるとともに、開口パターン101内に金属ポスト55が形成される。このとき、本例の金属ポスト55の上面は、複数の凸部56と複数の凹部57とを有する波形状に形成される。換言すると、本例では、金属ポスト55の上面が波形状に形成されるように、電解めっき法におけるめっき条件を調整している。例えば、使用するめっき浴の組成や電析条件などを調整することにより、金属ポスト55の上面を波形状に形成することができる。
【0054】
次に、図9に示す工程では、レジスト層100をめっきマスクとして、シード層53をめっき給電層に利用する電解めっき法を金属ポスト55上に施す。例えば、レジスト層100の開口パターン101から露出された金属ポスト55の上面に電解めっき法(例えば、電解Niめっき法)を施すことにより、金属ポスト55の上面に保護金属層60を形成する。保護金属層60は、金属ポスト55の上面のみを被覆するように形成される。本工程では、金属ポスト55の側面がレジスト層100により被覆されている。このため、金属ポスト55の側面には、保護金属層60が形成されない。また、本例の保護金属層60は、金属ポスト55の上面の波形状に沿った形状に形成される。すなわち、本例の保護金属層60は、複数の凸部61と複数の凹部62とを有する波形状に形成される。
【0055】
続いて、レジスト層100をめっきマスクとして、シード層53をめっき給電層に利用する電解はんだめっき法を保護金属層60上に施す。例えば、レジスト層100の開口パターン101から露出された保護金属層60の上面に電解錫めっき法を施すことにより、保護金属層60の上面にはんだ層80を形成する。はんだ層80は、保護金属層60の上面のみを被覆するように形成される。本工程では、保護金属層60の側面及び金属ポスト55の側面がレジスト層100により被覆されている。このため、保護金属層60の側面及び金属ポスト55の側面には、はんだ層80が形成されない。また、本例のはんだ層80の上面は、保護金属層60の波形状に沿った形状に形成される。
【0056】
次いで、図10に示す工程では、図9に示したレジスト層100をアルカリ性の剥離液(例えば、有機アミン系剥離液、苛性ソーダ)、あるいは有機溶剤系の剥離液(アセトンやエタノールなど)により除去する。これにより、金属ポスト55の側面と保護金属層60の側面とはんだ層80の側面とが外部に露出されるとともに、シード層53の上面が外部に露出される。
【0057】
次に、図11に示す工程では、はんだ層80及び保護金属層60をエッチングマスクとして、不要なシード層53をエッチングにより除去する。例えば、ウェットエッチングにより不要なシード層53を除去する。これにより、開口部41に形成されたシード層53と金属層54とからなるビア配線51と、絶縁層40の上面に形成されたシード層53と金属ポスト55とからなる配線層52とを有する接続端子50が形成される。
【0058】
また、図11に示す工程では、はんだ層80及び保護金属層60をエッチングマスクとして、金属ポスト55の側面側から金属ポスト55を薄化する。例えば、はんだ層80及び保護金属層60をエッチングマスクとする等方性エッチング(ウェットエッチング)により、金属ポスト55を薄化する。このような等方性エッチングでは、エッチングが金属ポスト55の面内方向に進行するサイドエッチ現象によって、保護金属層60等に被覆された金属ポスト55の一部が除去されて金属ポスト55が薄化される。さらに、等方性エッチングにより金属ポスト55が薄化されると、薄化後の金属ポスト55の側面が湾曲面に形成される。換言すると、本例では、薄化後の金属ポスト55の側面が湾曲面に形成されるように、金属ポスト55の薄化が実施される。このような金属ポスト55の薄化により、金属ポスト55の側面よりも外方に突出する突出部63が保護金属層60の外周縁に形成される。なお、金属ポスト55の薄化は、例えば、不要なシード層53の除去と同時に行うことができる。
【0059】
続いて、図12に示す工程では、リフロー処理を行うことにより、はんだ層80を溶融させ、上面が球状のはんだ層80を形成する。このとき、はんだ層80は、保護金属層60の上面のみに濡れ広がる。本工程のリフロー処理により、保護金属層60の上面とはんだ層80の下面との界面に金属間化合物層70が形成される。すなわち、はんだ層80に接する保護金属層60の上面のみに金属間化合物層70が形成される。例えば、はんだ層80中のSnが保護金属層60中のNiや金属ポスト55から拡散されたCuと反応して(Cu,Ni)Snの金属間化合物からなる金属間化合物層70が形成される。そして、金属間化合物層70を通じて保護金属層60とはんだ層80とが互いに接合される。本工程では、保護金属層60とはんだ層80との界面に金属間化合物層70が形成されるように、リフロー処理の条件が設定されている。例えば、リフロー処理は、230℃~280℃程度の温度で10秒~200秒程度の時間で実施することができる。
【0060】
以上説明した製造工程により、図1及び図2に示した配線基板10を製造することができる。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
【0061】
(1)保護金属層60の上面のみを被覆する金属間化合物層70を設けるようにした。換言すると、保護金属層60の側面には、金属間化合物層70を設けないようにした。ここで、金属間化合物層70は、保護金属層60とはんだ層80との接合強度を向上させる機能を有するとともに、はんだ層80の流れ出しを抑制する機能を有している。このため、保護金属層60の上面のみに設けられた金属間化合物層70によって、はんだ層80が保護金属層60の側面に流れ出すことを抑制できる。このとき、保護金属層60のうち配線層52の側面よりも外方に突出する突出部63の上面、つまり保護金属層60の外周縁の上面にも金属間化合物層70が設けられている。これにより、はんだ層80が保護金属層60の側面に流れ出すことを好適に抑制できる。ひいては、はんだ層80が保護金属層60の側面を通じて配線層52に向かって垂れ下がることを好適に抑制できる。したがって、配線層52の側面を通じてはんだ層80が平面方向に広がることを好適に抑制できる。この結果、接続端子50の狭ピッチ化が進んだ場合であっても、隣接するはんだ層80同士がリフロー後にショートすることを好適に抑制できる。
【0062】
(2)また、保護金属層60の上面のみに設けられた金属間化合物層70によって、はんだ層80を保護金属層60上のみに止まらせることができる。これにより、はんだ層80の外径及びはんだ層80の高さを好適に制御することができる。
【0063】
(3)配線層52上に保護金属層60を形成し、その保護金属層60に配線層52の側面よりも外方に突出する突出部63を設けるようにした。これにより、保護金属層60の側面と、突出部63の下面と、配線層52の側面とによって段差が形成される。このため、保護金属層60の上面に設けられたはんだ層80が配線層52の側面に触れて配線層52の側面に濡れ広がることをより好適に抑制できる。
【0064】
(4)突出部63は、配線層52の側面から突出部63の突出先端に向かうに連れて下方に向かって垂れ下がるように形成されている。突出部63の突出先端は、配線層52の厚さ方向と直交する平面方向において、配線層52の側面と離隔した状態で対向している。この構成によれば、突出部63の突出先端と配線層52の側面との間に隙間が設けられる。このような隙間にアンダーフィル樹脂95が充填されると、アンカー効果により、アンダーフィル樹脂95と保護金属層60との密着性を好適に向上させることができる。
【0065】
(5)配線層52の上面は、保護金属層60に向かって断面円弧状に突出する凸部56と、配線層31に向かって断面円弧状に凹む凹部57とが交互に繰り返される波形状を有する。保護金属層60及び金属間化合物層70は、配線層52の波形状に沿った形状に形成されている。この構成によれば、配線層52と保護金属層60との界面が波形状に形成される。このため、例えば配線基板10に半導体素子91を実装する際に、配線層52と保護金属層60との界面に大きな応力が作用した場合であっても、その応力を上述した波形状によって好適に分散させることができる。したがって、配線層52と保護金属層60との界面に大きな応力が作用した場合であっても、その応力に起因して配線層52と保護金属層60との界面にクラックが発生することを抑制できる。これにより、保護金属層60が配線層52から脱離することを好適に抑制できる。この結果、保護金属層60と配線層52との接続信頼性を向上させることができる。
【0066】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0067】
・上記実施形態の端子構造は、図2等に示した構造に限定されない。
・例えば図13に示すように、配線層52の上面を平面に形成してもよい。この場合の配線層52の上面は、例えば、絶縁層40の上面と平行に延びるように形成されている。
【0068】
・例えば図13に示すように、保護金属層60の上面を平面に形成してもよい。この場合の保護金属層60の上面は、例えば、絶縁層40の上面と平行に延びるように形成されている。
【0069】
・例えば図13に示すように、金属間化合物層70の上面を平面に形成してもよい。この場合の金属間化合物層70の上面は、例えば、絶縁層40の上面と平行に延びるように形成されている。
【0070】
・例えば図13に示すように、保護金属層60の突出部63を、平面方向(図中左右方向)に沿って水平に延びるように形成してもよい。
・例えば図13に示すように、金属ポスト55の側面を平面に形成してもよい。この場合の金属ポスト55の側面は、例えば、絶縁層40の上面に対して垂直に延びるように形成されている。
【0071】
・上記実施形態の接続端子50の構造は特に限定されない。
・例えば図14に示すように、ビア配線51を、開口部41の内面に沿った形状に形成してもよい。本変更例のビア配線51は、開口部41を充填していない。また、配線層52の上面に、配線層31に向かって凹む凹部52Xを設けるようにしてもよい。凹部52Xは、例えば、配線層52の上面から開口部41の内部まで延びるように形成されている。この場合の保護金属層60は、配線層52の上面全面と凹部52Xの内面全面とを被覆するとともに、配線層52の側面全面を露出するように形成される。本変更例の保護金属層60の上面には、配線層31に向かって凹む凹部60Xが形成される。凹部60Xは、例えば、保護金属層60の上面から開口部41の内部まで延びるように形成されている。本変更例の場合であっても、保護金属層60は、配線層52の側面よりも配線層52の外方に突出する突出部63を有している。本変更例の金属間化合物層70は、保護金属層60の上面全面と凹部60Xの内面全面とを被覆するとともに、保護金属層60の側面全面と配線層52の側面全面とを露出するように形成される。本変更例のはんだ層80は、保護金属層60の上面全面を被覆するとともに、保護金属層60よりも内側の凹部60Xを充填するように形成される。本変更例のはんだ層80は、金属間化合物層70の側面全面と保護金属層60の側面全面と配線層52の側面全面とを露出するように形成される。
【0072】
この構成によれば、配線層52の上面に凹部52Xが形成されることにより、保護金属層60の上面に凹部60Xが形成される。また、凹部60Xを充填するようにはんだ層80が形成される。これにより、はんだ層80の体積を増加させることができるため、接続端子50が微細化された場合であっても、はんだ層80と接続端子50とを良好に接合することができる。また、はんだ層80が接続端子50の平面中心に集まりやすくなるため、はんだ層80にボイドが発生することを好適に抑制できる。
【0073】
なお、本変更例において、凹部52Xは第2凹部の一例、凹部60Xは第3凹部の一例である。
・上記実施形態では、シード層53を無電解めっき法(例えば、無電解銅めっき法)により形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、シード層53を、スパッタ法や蒸着法などにより形成するようにしてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、シード層53を単層構造のシード層に具体化したが、シード層53を複数層構造(例えば、2層構造)のシード層に具体化してもよい。2層構造のシード層53としては、例えば、チタン(Ti)層とCu層とを順に積層した構造を有するシード層を挙げることができる。
【0075】
・上記実施形態では、電解はんだめっき法により、はんだ層80を形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、レジスト層100の開口パターン101の底部に露出する保護金属層60上にはんだボールを搭載し、そのはんだボールを溶融してはんだ層80を形成してもよい。
【0076】
・上記実施形態の配線基板10における表面処理層23を省略してもよい。
・上記実施形態の半導体装置90におけるアンダーフィル樹脂95を省略してもよい。
・上記実施形態の半導体装置90における外部接続端子96を省略してもよい。
【0077】
・上記実施形態の配線基板10に、半導体素子91の代わりに、チップコンデンサ、チップ抵抗やチップインダクタ等のチップ部品や水晶振動子などの半導体素子91以外の電子部品を実装するようにしてもよい。
【0078】
・上記実施形態の配線基板10を、CSP(Chip Size Package)やSON(Small Out line Non-Lead Package)等のパッケージに用いられる配線基板に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 配線基板
31 配線層
40 絶縁層
41 開口部
50 接続端子
51 ビア配線
52 配線層
52X 凹部
53 シード層
56 凸部
57 凹部
60 保護金属層
60X 凹部
61 凸部
62 凹部
63 突出部
70 金属間化合物層
80 はんだ層
90 半導体装置
91 半導体素子
95 アンダーフィル樹脂
100 レジスト層
101 開口パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14