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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175607
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 19/12 20210101AFI20241211BHJP
   G02B 7/36 20210101ALI20241211BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20241211BHJP
   G02B 7/198 20210101ALI20241211BHJP
   H04N 23/67 20230101ALI20241211BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20241211BHJP
【FI】
G03B19/12
G02B7/36
G03B13/36
G02B7/198
H04N23/67
H04N23/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093532
(22)【出願日】2023-06-06
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム「大学・エコシステム推進型スタートアップ・エコシステム形成支援」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100196380
【弁理士】
【氏名又は名称】森 匡輝
(72)【発明者】
【氏名】石井 抱
(72)【発明者】
【氏名】胡 少鵬
(72)【発明者】
【氏名】島崎 航平
【テーマコード(参考)】
2H011
2H043
2H054
2H151
5C122
【Fターム(参考)】
2H011AA01
2H011BA37
2H011BB01
2H011CA11
2H043BB05
2H043BB07
2H054BB02
2H151BA47
2H151BA52
2H151BA55
2H151BA59
2H151CA10
2H151CB26
2H151CE14
2H151DA33
2H151DD02
5C122EA37
5C122EA68
5C122FB11
5C122FD01
5C122FD06
5C122GA34
5C122GE04
5C122GE11
5C122HA82
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】高速でフォーカス調整を行うことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置1は、レンズ11とイメージセンサ13との間に配置され、レンズ11とイメージセンサ13との間の光路長を調整するフォーカス調整手段12と、フォーカス調整手段12の動作を制御する制御部と、を備える。フォーカス調整手段12は、レンズ11からの入射光を反射させてイメージセンサ13に入射させるように回転可能に配置された複数のミラーと、複数のミラーを回転駆動する駆動手段と、を有し、制御部は、駆動手段を制御して、複数のミラーの反射角度を変化させることにより、レンズ11とイメージセンサ13との間の光路長を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズとイメージセンサとの間に配置され、前記レンズと前記イメージセンサとの間の光路長を調整するフォーカス調整手段と、
前記フォーカス調整手段の動作を制御する制御部と、を備え、
前記フォーカス調整手段は、
前記レンズからの入射光を反射させて前記イメージセンサに入射させるように回転可能に配置された複数のミラーと、
前記複数のミラーを回転駆動する駆動手段と、を有し、
前記制御部は、前記駆動手段を制御して、前記複数のミラーの反射角度を変化させることにより、前記レンズと前記イメージセンサとの間の光路長を調整する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数のミラーの回転軸は、前記レンズからの入射光軸に直交し、互いに平行である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数のミラーのうち、少なくとも1のミラーの回転軸は、ミラーの中心から外れた偏心軸である、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
予め設定された前記複数のミラーの回転角度の組み合わせを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記回転角度の組み合わせに基づいて、前記複数のミラーの回転角度を制御する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記回転角度の組み合わせごとに撮影された画像にコントラストオートフォーカス処理を適用することにより、被写体に焦点の合っている画像を選択し、前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、より詳細にはフォーカス調整手段を備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、イメージセンサ、画像処理プロセッサの小型化、処理速度の向上等にともなって、撮像装置の応用範囲が大幅に拡大している。また、撮像装置の応用範囲の拡大に対応するため、撮像装置の高機能化が求められており、フォーカス調整機能を有する撮像装置が種々開発されている。撮像装置におけるフォーカス調整手段として、典型的には複数枚のレンズを移動させて、焦点を合わせる方法が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-60272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようにレンズ群を移動させてフォーカスを調整する方法は、デジタルカメラ等の撮像装置において一般的に用いられている。ところで、近年撮像装置の応用分野として伸展している画像認識システムの分野では、画像認識処理を迅速に行うために、被写体に高速で焦点を合わせて撮影することが求められる。また、移動する複数の被写体を画像認識するために、高速で複数の被写体に順次焦点を合わせて撮影を行うことが求められる場合もある。
【0005】
レンズ群を移動させてフォーカスを調整する場合、各レンズ間の距離を精密に調整しつつ移動させることが必要となるので、フォーカス調整に要する時間が大きくなってしまう。したがって、上記の画像認識システムのように高速で被写体に焦点を合わせて撮影することが要求される場合、フォーカス調整手段としてレンズを移動させる方法を用いることは難しい。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、高速でフォーカス調整を行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、
レンズとイメージセンサとの間に配置され、前記レンズと前記イメージセンサとの間の光路長を調整するフォーカス調整手段と、
前記フォーカス調整手段の動作を制御する制御部と、を備え、
前記フォーカス調整手段は、
前記レンズからの入射光を反射させて前記イメージセンサに入射させるように回転可能に配置された複数のミラーと、
前記複数のミラーを回転駆動する駆動手段と、を有し、
前記制御部は、前記駆動手段を制御して、前記複数のミラーの反射角度を変化させることにより、前記レンズと前記イメージセンサとの間の光路長を調整する。
【0008】
また、前記複数のミラーの回転軸は、前記レンズからの入射光軸に直交し、互いに平行である、
こととしてもよい。
【0009】
また、前記複数のミラーのうち、少なくとも1のミラーの回転軸は、ミラーの中心から外れた偏心軸である、
こととしてもよい。
【0010】
また、予め設定された前記複数のミラーの回転角度の組み合わせを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記回転角度の組み合わせに基づいて、前記複数のミラーの回転角度を制御する、
こととしてもよい。
【0011】
また、前記制御部は、
前記回転角度の組み合わせごとに撮影された画像にコントラストオートフォーカス処理を適用することにより、被写体に焦点の合っている画像を選択し、前記記憶部に記憶させる、
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の撮像装置によれば、レンズとイメージセンサとの間に回転可能に配置された複数のミラーの反射角度を変化させることにより光路長を調整して、フォーカス調整を行うので、高速でフォーカス調整を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】実施の形態に係るフォーカス調整部の構成を示す概念図である。
図3】実施の形態に係るフォーカス調整部の構成例を示す斜視図である。
図4】実施の形態に係る制御ユニットの機能ブロック図である。
図5】実施の形態に係る撮像処理の流れを示すフローチャートである。
図6】ミラーの各回転角度で撮影された画像の例を示す図である。
図7】異なる距離で配置された複数の被写体について撮影した場合の画像の例である。
図8図7の例に係る複数の被写体の距離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る撮像装置1について説明する。図1の機能ブロック図に示すように、撮像装置1は、レンズ11、フォーカス調整部12、イメージセンサ13、制御ユニット20を備える。
【0015】
レンズ11は、被写体の像をフォーカス調整部12へと入射する。本実施の形態に係るレンズ11は、固定焦点レンズである。
【0016】
フォーカス調整部12は、被写体に焦点が合うように調整を行うフォーカス調整手段である。本実施の形態に係るフォーカス調整部12は、レンズ11とイメージセンサ13との間に配置され、レンズ11とイメージセンサ13との間の光路長を調整することにより、フォーカス調整を行う。
【0017】
より具体的には、フォーカス調整部12は、図2の概念図及び図3の構成例に示すように2枚のミラー121,122を備える。ミラー121はレンズ11からの入射光の光軸上に配置され、入射光の光軸に直交する軸を中心として回転可能に配置される。また、ミラー122は、ミラー121の回転軸と平行な軸を中心として回転可能に配置される。ミラー121,122は、図示しない駆動手段であるモータによって、回転駆動される。
【0018】
ミラー121は、入射光をミラー122へ反射させ、ミラー122はミラー121からの入射光を反射させてイメージセンサ13へと入射させる。図2に示すように、ミラー122の回転軸はミラー122の中心から外れた偏心軸となっており、ミラー122の回転角度θを調整することにより、ミラー121とミラー122との距離Lと、ミラー122とイメージセンサ13との距離Lとを調整することができる。また、ミラー122の回転角度θにあわせて、ミラー121の回転角度θを調整することにより、ミラー122へ反射させる入射光の向きを調整することができる。これにより、レンズ11とイメージセンサ13との間の光路長を調整しつつ、入射光を適切にイメージセンサ13へ導くことができる。
【0019】
本実施の形態に係る撮像装置1は、フォーカス調整部12のミラー121,122の回転角度を調整して複数の画像Iを撮影し、撮影された複数の画像Iに基づいてコントラストオートフォーカス処理を適用し、被写体に焦点が合うようにフォーカス調整を行うこととしている。
【0020】
イメージセンサ13は、レンズ11を介して撮像装置1に入射した光を、画像データに変換して画像Iを生成する。本実施の形態に係るイメージセンサ13は、Imaging source社製DFK37BUX287である。撮像装置1の解像度は、例えば720×540ピクセルである。またこの場合、撮像装置1は、例えば500fpsのフレームレートで撮影することができる。
【0021】
制御ユニット20は、図4の機能ブロック図に示すように、制御部21、記憶部22、表示部23、入力部24を備える。
【0022】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されており、撮像装置1の動作を制御する。また、制御部21は、制御部21のROM、記憶部22等に記憶されている各種動作プログラム及びデータをRAMに読み込んでCPUを動作させることにより、図4に示される制御部21の各機能を実現させる。これにより、制御部21は、ミラー制御部211、画像取得部212、演算部213として動作する。
【0023】
ミラー制御部211は、フォーカス調整部12を制御して、ミラー121,122の回転角度を調整する。これにより、ミラー制御部211は、レンズ11とイメージセンサ13との間の光路長を調整し、焦点の異なる画像Iの撮影が可能となる。
【0024】
画像取得部212は、ミラー制御部211で設定されたミラー121,122の回転角度において、イメージセンサ13から画像Iに係るデータを取得することにより、撮影を行う。
【0025】
演算部213は、撮影された焦点の異なる画像Iについて、コントラストオートフォーカス処理を適用し、被写体に焦点が合う画像を選択し、記憶部22に記憶させる。
【0026】
記憶部22は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、フォーカス調整部12に係るミラーについて予め定められた回転角度の設定値、オートフォーカスに関する画像処理プログラム等の情報を記憶する。
【0027】
表示部23は、撮像装置1に備えられた表示用デバイスであり、例えば液晶ディスプレイである。表示部23は、各種の設定パラメータ、撮影された画像I等を表示する。
【0028】
入力部24は、撮像装置1の画角、露出などの撮影に関するパラメータ等を入力するための入力デバイスである。入力部24は、例えば撮像装置1に備えられたタッチパネルである。
【0029】
以下、図5のフローチャートを参照しつつ本実施の形態に係る撮像装置1を用いたフォーカス調整を含む撮像処理について具体的に説明する。
【0030】
まず、ミラー制御部211は、フォーカス調整部12を制御して、ミラー121,122を所定の回転角度になるように回転させる。
【0031】
ここで、フォーカス調整部12を用いたフォーカス調整方法について、詳細に説明する。フォーカス調整部12は、レンズ11とイメージセンサ13との間に配置され、少なくとも2枚のミラーを備える。本実施の形態に係るフォーカス調整部12は、図2及び図3に示すように、2枚のミラー121,122を備える。ミラー121,122は、それぞれ、レンズ11からの入射光軸に直交し、互いに平行な軸で回転可能に配置される。これにより、簡素な構成で光路長を調整しつつ、入射光をイメージセンサ13に受光させることができる。
【0032】
ミラー121,122の初期角度及び回転角度の範囲は、撮像装置1、ミラー121,122の大きさ、レンズ11とイメージセンサ13との距離等に基づいて設定すればよい。本実施の形態では、ミラー121,122の初期角度は、レンズ11からの入射光軸に対してそれぞれ45°で、プラスマイナス10°の範囲で回転できるように設定されている。また、ミラー121,122のうち、光路上でイメージセンサ13に近いミラー122の回転軸は、ミラー122の中心から外れた偏心軸となるように設定されている。このように、いずれかのミラーの回転軸を偏心軸とすることにより、光路長の調整範囲を大きくすることができる。
【0033】
図2に示すように、ミラー121,122の反射角度を規定する回転角度をθ,θ、ミラー121からイメージセンサ13までの距離をS、レンズ11からミラー121までの光路長をL、ミラー121からミラー122までの光路長をL、ミラー122からイメージセンサ13までの光路長をL、ミラー121とミラー122との中心位置間の距離をlと表す。この場合、レンズ11とイメージセンサ13との間の光路長LはL=L+L+Lであり、L、Lは、ミラー121,122の回転角度θ,θに基づいて、以下のように表される。
【数1】
【0034】
図2に示すように、レンズ11から入射した光は、ミラー121及びミラー122で反射してイメージセンサ13で受光される。したがって、イメージセンサ13で正しく入射光を受光するためには、ミラー122の回転角度は、ミラー121の回転角度によって規定される。また、小型化の観点等から、ミラー121とミラー122との距離、ミラー121及びミラー122の大きさ、回転角度は、制限される。図6は、本実施の形態に係るミラー121,122の取り得る範囲全体の回転角度の組み合わせで撮影した画像の例である。図6から、イメージセンサ13で適当に入射光を受光可能なミラー121,122の回転角度の組み合わせは限られていることがわかる。
【0035】
そこで、本実施の形態では、レンズ11からの入射光がイメージセンサ13で適切に受光可能なミラー121,122の回転角度の組み合わせを予め複数選択し、テーブルTbとして記憶部22に記憶させることとしている。例えば、テーブルTbには、ミラー121の回転角度θとミラー122の回転角度θとして、9つの組み合わせを予め記憶させておく。これにより、光路長を変化させつつ、入射光がイメージセンサ13に適切に受光されるミラー121,122の角度を効率的に選択することが可能となる。
【0036】
図5のフローチャートに戻り、ミラー制御部211は、テーブルTbで設定されたミラー121,122の回転角度の組み合わせから、いずれかの組み合わせを選択し、ミラー121,122の回転角度を調整する(ステップS11)。
【0037】
画像取得部212は、イメージセンサ13を制御して画像I-n(nはミラー121,122の回転角度の組み合わせの番号)を取得する(ステップS12)。
【0038】
テーブルTbで設定されている全ての回転角度の組み合わせで撮影が完了していなければ(ステップS13のNO)、ステップS11に戻り、ミラー制御部211は、テーブルTbから未選択の回転角度の組み合わせを選択する。そして、ステップS11~S12の処理、すなわちミラー121,122の回転角度の設定、及び画像I-nの取得を行う。
【0039】
予め設定された全ての回転角度の組み合わせについて画像I-nの取得が完了すると(ステップS13のYES)、演算部213は、取得された画像I-nのうち、被写体に最も焦点の合っている画像を選択する(ステップS14)。焦点の合っている画像の選択の方法は、特に限定されないが、上述の通り、本実施の形態では、ミラー121,122の回転角度の組み合わせごとに撮影された画像I-nについて、コントラストオートフォーカス処理を適用して、画像選択を行う。これにより、被写体により焦点が合っている画像を撮影することができる。
【0040】
制御部21は、ステップS14で選択された画像Iを記憶部22に記憶させるとともに、表示部23に表示させる(ステップS15)。
【0041】
図7は、異なる距離で配置された複数の被写体(図8)について、本実施の形態に係る撮像装置1で撮影した場合の画像Iの例である。図7に示すように、本実施の形態に係る撮像装置1によって、距離の異なる被写体のいずれにも焦点を合わせることが可能であることがわかる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態に係る撮像装置1では、レンズ11とイメージセンサ13との間に回転可能に配置された複数のミラー121,122の反射角度を変化させることにより光路長を調整し、フォーカス調整を行う。したがって、各ミラーを回転軸周りに回転させるのみの簡素な構造でフォーカス調整を行うことができるので、レンズ群を移動させてフォーカス調整を行う場合と比較して、高速にフォーカス調整を行うことが可能である。
【0043】
本実施の形態では、レンズ11から入射した光の光路長を、ミラー121,122の反射角度を変化させることにより、調整することとしている。すなわち、フォーカス調整部12のミラー121,122は、レンズ11の前ではなく、レンズ11とイメージセンサ13との間に配置されている。これにより、小さな光路長の違いで、大きく焦点の合う位置を調整することができる。したがって、被写体が撮像装置1から遠くにある場合であっても、適切なフォーカス調整を行うことができる。
【0044】
また、本実施の形態に係るフォーカス調整部12では、ミラー121,122は、それぞれ、レンズ11からの入射光軸に直交し、互いに平行な軸で回転可能に配置される。このように、複数のミラーをレンズ11からの入射光軸に直交し、互いに平行な軸で回転可能に配置することにより、簡素な構成で光路長を調整しつつ、入射光をイメージセンサ13に受光させることができる。
【0045】
また、本実施の形態に係るフォーカス調整部12では、ミラー122の回転軸は、ミラー122の中心から外れた偏心軸となるように設定されている。このように、複数のミラーのうち、いずれかのミラーの回転軸を偏心軸とすることにより、レンズ11とイメージセンサ13との間の所定の空間内においてミラーの配置の自由度を高めることができるとともに、光路長の調整範囲を大きくすることが可能となる。
【0046】
さらに、本実施の形態に係る撮像装置1では、各ミラーの回転角度の適当な組み合わせを、予めテーブルTbとして記憶部22に記憶させているので、有効な回転角度のみで撮影を行うことが可能であり、効率よく焦点の異なる複数の画像Iを撮影することができる。
【0047】
本実施の形態では、フォーカス調整部12のミラーの数は2枚であることとしたが、これに限られない。例えば、3枚以上のミラーを配置してレンズ11とイメージセンサ13との間の光路長を調整することとしてもよい。これにより、高速でフォーカス調整を行うとともに、光路長の調整範囲をより大きくし、フォーカス調整の範囲を大きくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、広範囲において被写体の認識を行う画像認識システムの撮像装置に好適である。特に、撮影領域に複数の認識対象が存在する場合の被写体の認識を行う画像認識システムの撮像装置に好適である。
【符号の説明】
【0049】
1 撮像装置、11 レンズ、12 フォーカス調整部、121,122 レンズ、13 イメージセンサ、20 制御ユニット、21 制御部、211 ミラー制御部、212 画像取得部、213 演算部、22 記憶部、23 表示部、24 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8