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特開2024-175617巡回支援システム、巡回支援方法及び巡回支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175617
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】巡回支援システム、巡回支援方法及び巡回支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20241211BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALN20241211BHJP
【FI】
G01C21/34
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093562
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000241485
【氏名又は名称】豊田通商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】伊与田 真
(72)【発明者】
【氏名】南川 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 宥輔
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雅大
【テーマコード(参考)】
2F129
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC03
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD39
2F129DD43
2F129DD49
2F129DD66
2F129EE54
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE82
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF32
2F129FF57
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF65
2F129FF66
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH04
5L030BB68
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】
本発明は、複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する新規な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する巡回支援システムであって、
巡回され、整備を受ける対象である巡回対象の給電の必要性に関する要給電情報と、巡回対象の位置に関する対象位置情報と、を含む巡回対象情報を取得する取得部と、
前記巡回対象情報に基づいて、複数の巡回対象への巡回計画を生成する計画生成部と、
を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する巡回支援システムであって、
巡回され、整備を受ける対象である巡回対象の給電の必要性に関する要給電情報と、巡回対象の位置に関する対象位置情報と、を含む巡回対象情報を取得する取得部と、
前記巡回対象情報に基づいて、複数の巡回対象への巡回計画を生成する計画生成部と、
を備える、巡回支援システム。
【請求項2】
前記巡回対象情報と、巡回が必要な巡回対象を要巡回対象として特定するための条件である要巡回対象条件と、に基づいて要巡回対象を特定する特定部と、を備え、
前記計画生成部は、複数の要巡回対象への巡回計画を生成する、
請求項1に記載の巡回支援システム。
【請求項3】
前記特定部は、利用履歴又は巡回履歴と、前記要巡回対象条件に基づいて、要巡回対象を特定する、
請求項2に記載の巡回支援システム。
【請求項4】
巡回支援システムは、更に、
巡回される巡回対象のリストである巡回対象リストを生成するリスト生成部を備え、
前記巡回対象リストは、前記計画生成部により巡回計画として生成された複数の巡回対象への巡回順を示す、
請求項1に記載の巡回支援システム。
【請求項5】
前記計画生成部は、巡回計画として複数の巡回対象への巡回ルートを生成する、
請求項1に記載の巡回支援システム。
【請求項6】
巡回対象は、貸出のために利用される車両であって、
巡回支援システムは、更に、
前記巡回対象情報に基づいて、巡回対象の貸出に関する貸出可能ステータスを管理するステータス管理部を備え、
前記ステータス管理部は、前記巡回対象情報に基づいて要巡回対象として特定された巡回対象の前記貸出可能ステータスを貸出不可とする、
請求項2又は3に記載の巡回支援システム。
【請求項7】
コンピュータが実行する、複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する巡回支援方法であって、
巡回され、整備を受ける対象である巡回対象の給電の必要性に関する要給電情報と、巡回対象の位置に関する対象位置情報と、を含む巡回対象情報を取得する取得工程と、
前記巡回対象情報に基づいて、複数の巡回対象への巡回計画を生成する計画生成工程と、
を備える、巡回支援方法。
【請求項8】
複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する巡回支援プログラムであって、
巡回され、整備を受ける対象である巡回対象の給電の必要性に関する要給電情報と、巡回対象の位置に関する対象位置情報と、を含む巡回対象情報を取得する取得部と、
前記巡回対象情報に基づいて、複数の巡回対象への巡回計画を生成する計画生成部と、
としてコンピュータを機能させる巡回支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巡回支援システム、巡回支援方法及び巡回支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カーボンニュートラルに向けた取り組みのため、電動自動車などの電気で稼働する乗り物が普及してきているが、その充電などを行うためのステーションは数が少ないのが実情である。
【0003】
特許文献1において、電動乗り物(電動自転車等)のシェアサービスに関して、電池の交換を指示するシステムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-179663号公報
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、車両の電池の交換の指示を行うが、複数の車両に対して交換の指示を行うことに関して記載はなく、複数の車両へ給電のための巡回を行う際に効率的に行うことができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する巡回支援システムであって、
巡回され、整備を受ける対象である巡回対象の給電の必要性に関する要給電情報と、巡回対象の位置に関する対象位置情報と、を含む巡回対象情報を取得する取得部と、
前記巡回対象情報に基づいて、複数の巡回対象への巡回計画を生成する計画生成部と、
を備える。
【0008】
このような構成とすることで、複数の巡回対象へ給電を含む整備のための巡回を行う際に巡回の計画を立て、容易に複数の巡回対象に対して巡回を行うことができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記巡回対象情報と、巡回が必要な巡回対象を要巡回対象として特定するための条件である要巡回対象条件と、に基づいて要巡回対象を特定する特定部と、を備え、
前記計画生成部は、複数の要巡回対象への巡回計画を生成する。
【0010】
このような構成とすることで、巡回が必要な要巡回対象を巡回する巡回計画を生成することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、利用履歴又は巡回履歴と、前記要巡回対象条件に基づいて、要巡回対象を特定する。
【0012】
このような構成とすることで、利用履歴と巡回履歴も利用して充電が必要ない場合であっても巡回が必要な車両を特定し、巡回を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、巡回支援システムは、更に、
巡回される巡回対象のリストである巡回対象リストを生成するリスト生成部を備え、
前記巡回対象リストは、前記計画生成部により巡回計画として生成された複数の巡回対象への巡回順を示す。
【0014】
このような構成とすることで、巡回の順番を容易に確認することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記計画生成部は、巡回計画として複数の巡回対象への巡回ルートを生成する。
【0016】
このような構成とすることで、複数の巡回対象に巡回する際に巡回ルートによって容易に巡回を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、巡回対象は、貸出のために利用される車両であって、
巡回支援システムは、更に、
前記巡回対象情報に基づいて、巡回対象の貸出に関する貸出可能ステータスを管理するステータス管理部を備え、
前記ステータス管理部は、前記巡回対象情報に基づいて要巡回対象として特定された巡回対象の前記貸出可能ステータスを貸出不可とする。
【0018】
このような構成とすることで、巡回対象が貸し出しに利用される際にもその管理を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、複数の巡回対象へ給電を含む整備のための巡回を行う給電資源の巡回を支援する新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】システム全体の構成を示すブロック図。
図2】システムのハードウェア構成図。
図3】処理のシーケンス図。
図4】巡回対象リストの画面表示の例。
図5】処理のフローを示す図。
図6】巡回ルートの画面表示の例を示す図。
図7】実施形態2に係るシステムの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明をよりに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されるが、本発明は、異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。本実施形態では巡回支援装置の構成、動作などについて説明するが、装置などにより実行される方法、コンピュータプログラムなどによっても、同様の作用効果を奏することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよい。
【0022】
本実施形態において、巡回支援システム0は、複数の巡回対象へ給電を含む整備のために巡回を行う給電資源の巡回を支援する。
【0023】
<実施形態1>
以下に示す実施形態は、カーシェアサービス等の利用者に貸し出される車両である巡回対象に対して、給電資源として利用される給電車両が車載バッテリへの給電を含む整備のための巡回を行う場合の例を示す。
【0024】
巡回対象は、給電を受ける対象である。本実施形態において、巡回対象は、カーシェアサービスに利用される、巡回を行う給電資源より給電を含む整備を受ける車両である。本実施形態において、巡回対象は複数存在する。
【0025】
給電とは、車載バッテリ等のバッテリに電力を供給することを示す。本実施形態において、給電資源として利用される給電車両は、巡回し、巡回対象に対して給電を行う車両であって、給電と清掃を含む整備を行う。整備は、給電資源が巡回の際に行う、巡回対象が利用できるように準備を整えることであって、本実施形態では、給電と、清掃と、を含む。また、充電とは、充電器等の装置より車載バッテリ等が電力の供給を受けることを示す。巡回対象のバッテリは、給電車両により供給された電力によって充電される。
【0026】
給電資源は、複数の巡回対象へ給電を含む整備のための巡回を行う資源を示す。本実施形態において、給電資源は、給電装置を備え、巡回しながら給電と清掃とを含む整備を行う給電車両であるが、巡回し、給電を含む整備を行うことができるものであればどのようなものであってもよい。給電資源は、給電機能を備えるものであれば、例えば、給電装置を運搬するドローン等であってもよい。また、本実施形態において、給電資源として巡回対象への巡回を行う給電車両は1台であるが、給電資源として巡回対象への巡回を行う給電車両が複数台であるなど、給電資源が複数存在してもよい。
【0027】
給電装置は、給電資源に搭載され、整備の際に巡回対象へ給電を行う装置である。本実施形態において、給電装置は、車両の駆動用バッテリへ給電を行う充電器であるが、巡回対象へ給電を行う装置であれば、交換用のバッテリ等の装置等であってもよい。給電資源に搭載される充電器等の給電装置は、例えば、交流充電や直流充電など、公知の方法であればどのような方法を採用して巡回対象のバッテリへの給電を行ってもよい。
【0028】
本実施形態において、給電資源は、充電残量が少ないなどの巡回が必要な巡回対象へ巡回し、給電を含む整備を行うが、充電残量が少ない等の整備が必要な巡回対象が配置されている要巡回ステーションとして特定されたステーションに巡回を行い、要巡回ステーションに配置される巡回対象に整備を行ってもよい。要給電情報は、巡回対象の給電の必要性に関する情報であって、本実施形態ではその時点でのバッテリに蓄積されている電力の残量である充電残量であるが、サービスの利用者による巡回対象への給電の要求である給電要求や巡回対象の蓄積する電力がなくなるまでの想定される時間等であってもよい。また、本実施形態において、給電資源は、充電残量が少ないなどの理由により巡回が必要な要巡回対象として特定された巡回対象の巡回を行う。また、給電資源は、給電として巡回対象のバッテリの交換を行ってもよい。
【0029】
ステーションは、巡回対象が配置される拠点である。本実施形態において、ステーションは、カーシェアサービスにおいて利用前又は利用後の巡回対象が配置される駐車場やガソリンスタンド、給電ステーション等である。また、ステーションは、本実施形態において、充電器等の給電装置が設置されない駐車場等の拠点であるが、巡回対象に給電を行うための充電器等の給電装置が配置されている巡回対象の拠点であってもよい。
【0030】
カーボンニュートラルに向けた取り組みのため、巡回対象として利用される車両は、電力を利用して駆動するEV(Electric Vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等の電動車両である。また、本実施形態において、巡回対象は、給電資源により駆動用バッテリへの給電を受けるが、電装用バッテリや補機バッテリ等、巡回対象に搭載される車載バッテリであればどのようなバッテリに給電を受けてもよい。
【0031】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、巡回支援システム0は、給電資源による巡回を支援する巡回支援装置1と、巡回を行う巡回車両とともに巡回を行う巡回端末2と、巡回対象に設置された巡回対象装置3と、を備える。
【0032】
巡回支援システム0は、給電資源が巡回対象に対して給電を含む整備のための巡回を行う際に、巡回対象より取得した巡回対象情報等の必要な情報に基づいて、給電資源の巡回対象への巡回の計画である巡回計画を生成することで給電資源による巡回を支援するシステムである。
【0033】
巡回計画は、巡回対象より取得した巡回対象情報を含む必要な各種情報に基づいて生成される、給電資源の巡回対象への巡回の計画である。本実施形態において、巡回計画は、給電資源の巡回対象の巡回の順番である巡回順と、給電資源の巡回対象への巡回のルートである巡回ルートと、を含む。
【0034】
巡回支援装置1としては、汎用のサーバやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を1又は複数利用することができる。また、巡回支援装置1は、後述する機能構成を備えているが、巡回支援装置1の備えた機能構成の一部が、巡回端末2や巡回対象装置3とネットワークNWを介して通信可能に構成された別の装置に配置されてもよい。
【0035】
巡回端末2は、巡回を行い巡回対象の整備を行う給電資源とともに巡回を行う端末装置であって、本実施形態では、スマートフォンやカーナビゲーション装置等の端末装置である。巡回端末2は、巡回支援装置1より取得した巡回計画に基づいて画面を表示する。本実施形態において、巡回端末2は、GPS(Global Positioning System)等のシステムを利用して給電資源として巡回を行う給電車両の現在の位置である給電資源位置を取得する位置情報取得機能を備えている。また、給電資源として巡回を行う給電車両の有する位置情報取得機能を利用して取得した位置情報を給電資源位置として利用してもよい。また、巡回端末2は、給電資源として巡回を行う給電車両の現在の位置である給電資源位置を含む給電資源に関する情報や、巡回端末2の操作を行う巡回者によって入力された指示などの各種情報を巡回支援装置1に送信する処理を行う。巡回者は、巡回端末2及び給電資源とともに巡回を行う者であって、巡回端末2の操作を行う。
【0036】
本実施形態において、巡回端末2は、給電資源として利用される給電車両を運転し、巡回を行う巡回者によって入力された巡回履歴を含む給電資源に関する情報を送信する処理を行う。巡回履歴は、給電資源の巡回に関する履歴であって、本実施形態では、給電資源が巡回対象を巡回した日時が巡回履歴として利用される。また、巡回端末2は、巡回履歴として、給電や清掃等の巡回対象へ行われた整備の内容や、整備された際に記録された巡回対象のキズを含む巡回対象の状態等、取得した巡回対象に関する情報を送信してもよい。また、本実施形態において、巡回端末2は、給電資源に関する情報として給電資源の現在の位置に関する給電資源位置を送信する。
【0037】
巡回端末2は、巡回者により入力された巡回履歴等の巡回に関する情報を巡回支援装置1に送信する処理を行ってもよい。また、巡回端末2は、巡回支援装置1より取得した巡回計画に関する情報を含む各種必要な情報をディスプレイに表示するなどして出力することで給電資源の巡回を支援する。本実施形態において、巡回端末2は、巡回支援装置1より取得した巡回計画に基づいて巡回に関する指示を生成してもよい。また、巡回端末2は、給電資源が給電可能な電力の残量を給電装置より取得し、記憶していてもよい。
【0038】
また、巡回端末2は、生成された巡回計画に基づいて巡回対象を巡回する給電資源の案内を行う案内機能を備えていてもよい。また、本実施形態において、巡回端末2は、巡回支援装置1より取得した巡回ルート等の巡回計画と、記憶部202に記憶する地図情報と、に基づいて巡回ルート等の巡回計画を地図上に表示し、次に向かう方向を指示するような案内機能を備える。
【0039】
巡回対象装置3は、巡回対象に設置され、巡回支援装置1とネットワークNWを介して通信可能に構成される車載装置である。本実施形態において、巡回対象装置3は、巡回対象の車載バッテリの要給電情報を取得する装置や、GPS等のシステムを利用して巡回対象の位置情報である対象位置情報を取得する位置情報取得装置や、巡回対象に関する情報を取得するためのその他センサなど、巡回対象に関する情報を取得するための各種装置と通信可能に構成される。巡回対象装置3は、巡回対象に搭載されるGPS装置等のシステムと通信を行い、取得した位置情報を対象位置情報として取得してもよい。また、巡回対象装置3は、対象位置情報や要給電情報等の巡回対象に関する情報を直接取得可能な位置情報取得機能等の機能を備えていてもよい。
【0040】
巡回対象装置3は、センサ装置等より取得した巡回対象の要給電情報と対象位置情報を含む巡回対象情報を巡回支援装置1に送信する。また、巡回対象装置3は、通信可能に構成されたセンサ装置等の各種装置より巡回対象に関する情報を取得し、取得した情報を巡回対象装置3に記憶する処理を行ってもよい。本実施形態において、巡回対象装置3は、定期的に巡回対象情報を巡回支援装置1に送信するが、巡回支援装置1に要求された時などに送信してもよい。巡回対象装置3は、複数存在する巡回対象それぞれに配置され、それぞれの巡回対象に関する情報を巡回支援装置1に送信する。
【0041】
本実施形態では、巡回支援装置1が、IP(Internet Protocol)ネットワークなど、任意の通信プロトコルを用いる任意のネットワークNWを介して巡回端末2や巡回対象装置3等と通信を行うものとする。
【0042】
<ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、巡回支援装置1は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。また、図2(b)に示すように、端末装置20(巡回端末2)は、処理部201、記憶部202、通信部203、入力部204、及び出力部205を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0043】
巡回支援装置1としては、汎用のサーバやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を1又は複数利用することができる。また、巡回支援装置1は、後述する機能構成を備えているが、巡回支援装置1の備えた機能構成の一部が、巡回支援装置1と通信可能に構成された別の装置に配置されてもよい。
【0044】
処理部101及び処理部201は、命令セットを実行可能なCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有し、OS(Operating System)並びに、巡回支援プログラム(巡回支援装置1の場合)や、巡回支援装置利用プログラム(巡回端末2の場合)などを実行する。
【0045】
記憶部102及び記憶部202は、命令セットを記憶可能なRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、OSなどを記録可能な、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記録媒体を有する。巡回支援装置1の記憶部102は、巡回支援プログラム等の後述する機能構成を実現するために必要な各種情報を記憶する。巡回端末2の、記憶部202は、巡回支援装置利用プログラムなどを記憶する。
【0046】
また、巡回支援装置1の記憶部102は、巡回対象に関する情報であって、巡回対象の巡回履歴と利用履歴とを記憶する。
【0047】
巡回履歴は、巡回対象が給電資源により巡回された際の履歴に関する情報であって、本実施形態において、巡回対象が給電資源による巡回を受けた日時に関する巡回日時を含むが、給電や清掃等の巡回の際に巡回対象へ行われた整備の内容等の整備に関する情報を含んでいてもよい。本実施形態において、巡回履歴に含まれる巡回の日時は、巡回端末2を介して入力された巡回の日時である。
【0048】
また、利用履歴は、巡回対象がカーシェアサービスの利用者に貸しだされた巡回対象の利用の履歴に関する情報であって、本実施形態において、利用者による巡回対象の利用開始日時と、利用終了日時に関する情報を含む。本実施形態において、利用履歴より利用頻度を算出し、算出した利用頻度を利用履歴として利用する。また、利用履歴は、利用者により運転された際の巡回対象の走行距離等を含んでいてもよい。
【0049】
また、本実施形態において、巡回支援装置1の記憶部102及び巡回端末2の記憶部202は、地図情報を記憶する。本実施形態において記憶部102又は記憶部202において記憶される地図情報に基づいて、巡回順や巡回ルート等の巡回対象への巡回計画が生成される。また、記憶部102は、給電資源の巡回対象の給電にかかる時間などの給電能力に関する情報や給電資源として巡回を行う給電車両の巡行可能距離等、給電資源に関する情報を記憶し、記憶している情報を巡回計画の生成に利用してもよい。
【0050】
通信部103及び通信部203は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、巡回支援装置1や巡回端末2、巡回対象装置3等の端末装置との通信を行う。また、通信部103及び通信部203は、更にGPS通信部を備え、位置情報を取得するための衛星等と通信可能に構成される。
【0051】
入力部204は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイスなどを有する。出力部205は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0052】
図3は、巡回支援システム0における処理シーケンスを例示する。図に示す例は、巡回計画として生成した巡回順に基づいて巡回対象リストを生成する際の処理の例である。
【0053】
はじめに、巡回対象装置3は、巡回対象に関する巡回対象情報を巡回支援装置1に送信する(S110)。巡回端末2は、巡回履歴を巡回支援装置1に送信する(S120)。巡回支援装置1は、取得した巡回対象情報と、巡回履歴と、巡回支援装置1の記憶部102に記憶される利用履歴と、に基づいて巡回計画を生成する。図3に示す例では、巡回支援装置1は、巡回対象情報に基づいて巡回順を生成し、生成した巡回順より巡回順を示す巡回対象リストを生成する。巡回支援装置1は、生成した巡回対象リストを巡回端末2に送信し(S130)、巡回端末2において表示させるような処理を行う。
【0054】
また、巡回計画として巡回ルートの生成を行う場合、巡回支援装置1は、取得した巡回対象情報と、巡回履歴と、利用履歴と、に基づいて巡回計画として巡回ルートを生成し、生成した巡回計画である巡回ルートを巡回端末2に送信する。巡回端末2に送信される巡回計画は、巡回順や巡回ルート、要巡回ステーションのリスト等であってもよい。
【0055】
<機能構成>
図1に示すように、巡回支援装置1は、取得部11と、特定部12と、計画生成部13と、リスト生成部14と、ステータス管理部15と、表示処理部16と、を備える。これは、ソフトウェア(記憶部などに一過的又は非一過的に記憶されたプログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部など)によって具体的に実現されたものである。
【0056】
<取得部11の構成>
取得部11は、巡回対象装置3より送信される巡回対象に関する巡回対象情報を含む必要な情報を取得する処理を行う。本実施形態において、取得部11が取得する巡回対象情報は、巡回対象に関する情報であって、巡回対象の要給電情報と、巡回対象の位置に関する対象位置情報と、巡回対象IDと、巡回対象情報を取得した日時に関する取得日時と、を含む。巡回対象情報の一部が巡回対象装置3以外より取得した情報であってもよい。また、巡回対象情報として巡回対象の車種やナンバープレートの番号等が含まれていてもよい。
【0057】
また、本実施形態において、巡回支援装置1は、記憶部102に記憶される利用履歴を利用して巡回計画の生成に関する処理を行うが、取得部11が外部に存在するカーシェアサービスの予約システム等より巡回対象の予約や利用に関する情報を利用履歴として取得し、利用してもよい。本実施形態において、利用履歴は巡回対象の予約システムより取得した巡回対象の利用開始日時と利用終了日時であるが、対象位置情報や取得日時等の巡回対象情報に基づいて、巡回対象の移動開始日時を利用履歴に含まれる利用開始日時として、移動終了日時を利用履歴に含まれる利用終了日時として取得してもよい。
【0058】
本実施形態において、取得部11は、巡回端末2より給電資源の位置に関する給電資源位置を取得する。本実施形態において、取得部11は、巡回端末2の位置情報を給電資源位置として取得するが、給電資源自体の位置情報を給電資源位置として取得してもよい。また、取得部11は、巡回端末2より給電資源の巡回ルートや巡回対象の巡回日時、巡回対象への巡回の順番等、給電資源の巡回に関する情報を巡回履歴として取得してもよい。
【0059】
<特定部12の構成>
特定部12は、巡回対象情報と、要巡回対象条件と、に基づいて、要巡回対象を特定する。本実施形態において、巡回対象情報に含まれる巡回対象の要給電情報と、要巡回対象条件に含まれる要給電情報に関する条件と、に基づいて充電が必要な車両を要巡回対象として特定する。更に、特定部12は、巡回対象情報と、巡回履歴と、利用履歴と、要巡回対象条件と、に基づいて、巡回が必要な巡回対象を要巡回対象として特定する処理を行う。
【0060】
本実施形態において、特定部12は、記憶部102に記憶される要巡回対象を特定するための要巡回対象条件に基づき、要巡回対象条件を満たす巡回対象を要巡回対象として特定する処理を行う。また、特定部12は、巡回端末2において入力された要巡回対象条件に基づいて、要巡回対象条件を満たす巡回対象を要巡回対象として特定する処理を行ってもよい。
【0061】
要巡回対象条件は、巡回対象情報を含む各種情報に基づいて巡回が必要な巡回対象を要巡回対象として特定するための条件である。本実施形態において、要巡回対象条件は、要給電情報として取得した車載バッテリの充電残量と、前回の巡回からの期間と、前回の巡回からの間に利用されたかと、利用頻度と、に関する条件を含む。また、要巡回対象条件に含まれる1又は複数の条件を満たす巡回対象が要巡回対象として特定される。また、要巡回対象条件は、利用者による予約の有無や前回の巡回からの利用の有無に関する条件を含んでいてもよい。また、本実施形態において、要巡回対象条件は、要給電情報として取得した充電残量に基づく車載バッテリの残りの充電残量に関する条件を含むが、要給電情報として取得した給電要求に基づいて給電の要求が行われた巡回対象や、要給電情報として取得した巡回対象に蓄積された電力がなくなるまでの想定される時間に基づく条件等を含んでいてもよい。
【0062】
本実施形態において、特定部12は、巡回対象情報と、巡回履歴と、利用履歴と、要巡回対象条件と、に基づいて、要巡回対象の特定を行う。本実施形態において、特定部12は、巡回対象情報に含まれる要給電情報と、要巡回対象条件と、に基づいて、要給電情報が閾値以下の巡回対象を要巡回対象として特定する。
【0063】
また、特定部12は、巡回履歴に含まれる巡回日時と、要巡回対象条件と、に基づいて、給電資源による前回の巡回から一定以上の期間が経過した巡回対象を要巡回対象として特定する。特定部12は、利用履歴に含まれる巡回対象の利用開始日時や利用終了日時と、要巡回対象条件と、に基づいて、シェアサービス等における巡回対象の前回の利用から一定以上の期間が経過した巡回対象を要巡回対象として特定する。
【0064】
また、利用者により利用された後の巡回対象へ給電を含む整備を行うため、特定部12は、利用履歴に含まれる利用終了日時と、巡回履歴に含まれる巡回日時と、に基づいて、前回の巡回から今回の巡回までの間で、利用者に利用された巡回対象を要巡回対象として特定してもよい。また、特定部12は、利用者により予約され、貸し出される予定のある巡回対象を要巡回対象として特定する処理を行ってもよい。
【0065】
特定部12は、給電資源が巡回対象の配置されるステーションを巡回する場合、要巡回対象として特定されるための条件を満たした巡回対象の割合がステーションに配置されている巡回対象のうち一定以上であるステーションに配置されている他の巡回対象に関して、要巡回対象として特定される条件を満たしていない巡回対象も要巡回対象として特定する処理を行ってもよい。
【0066】
また、ステーションの巡回が指示される場合、特定部12は、要巡回対象として特定された車両が配置されているステーションや、配置されている巡回対象のうち一定以上の割合の巡回対象が要巡回対象として特定されているステーションを要巡回ステーション条件に基づいて要巡回ステーションとして特定する処理を行ってもよい。
【0067】
要巡回ステーションは、巡回が必要なステーションであって、要巡回ステーション条件を満たすステーションである。要巡回ステーション条件は、ステーションより要巡回ステーションを特定するための条件であって、配置されている巡回対象のうち要巡回対象条件を満たしている巡回対象が一定の割合を超えているか、また、前回の給電車両による巡回より一定の期間が経過しているかに関する条件を含む。特定部12により要巡回ステーションが特定される場合、要巡回ステーションとして特定されたステーションに配置されている巡回対象は、給電資源により巡回され、給電を含む整備を受ける。
【0068】
また、本実施形態において、特定部12は、優先して巡回すべき巡回対象である優先巡回対象を特定する処理を行う。優先巡回対象は、要巡回対象として特定された巡回対象のうち、給電を含む整備の緊急性が高く、優先して巡回すべき巡回対象である。本実施形態において、優先巡回対象は、バッテリに蓄積される電力が既にない巡回対象であるが、優先して巡回すべき巡回対象であれば、近くに充電ステーションのようなバッテリへの充電を行うことができる場所がないのに電動車両の駆動用バッテリの電力が走行に不足する巡回対象であってもよい。
【0069】
特定部12は、要給電情報を含む巡回対象情報と、優先して巡回すべき巡回対象である優先巡回対象を特定するための優先巡回対象条件と、に基づいて優先巡回対象を特定する。本実施形態において、特定部12は、要給電情報として取得した巡回対象の充電残量に基づいて、バッテリに蓄積した電力が既にない巡回対象を優先して巡回すべき優先巡回対象として特定する処理を行う。特定部12は、利用者端末4より取得した巡回対象の要給電情報を含む巡回対象情報と、優先巡回対象条件と、に基づいて、充電残量が非常に少ない巡回対象を優先巡回対象として特定する。優先巡回対象条件は、要巡回対象として特定された巡回対象のうち、優先して巡回すべき優先巡回対象を特定するための条件である。優先巡回対象条件は、要給電情報に基づくバッテリの蓄積する電力量が既にない巡回対象を特定するための条件である。巡回対象条件は、巡回対象情報に基づく巡回対象の種別や、対象位置情報に基づく巡回対象の位置、巡回履歴に基づく前回の巡回より時間が非常に空いている等、その他の条件であってもよい。
【0070】
また、特定部12は、巡回対象情報に含まれる要給電情報及び対象位置情報に基づいて、地図情報より、充電残量が閾値以下であり、給電可能な施設より距離のある巡回対象を優先巡回対象として特定するための優先巡回対象条件より給電可能な施設より距離のある巡回対象を優先巡回対象として特定する処理を行ってもよい。
【0071】
<計画生成部13の構成>
計画生成部13は、要給電情報と、対象位置情報と、を含む巡回対象情報に基づいて給電資源の巡回対象への巡回の計画である巡回計画を生成する。計画生成部13は、巡回計画として巡回される巡回対象の巡回の順番である巡回順と、要巡回対象として特定された巡回対象を給電資源が巡回するための順番である巡回ルートと、を生成する。
【0072】
本実施形態において、計画生成部13は、特定部12により巡回が必要な要巡回対象として特定された巡回対象への巡回の順番である巡回順を生成する。巡回順は、巡回対象の給電資源による巡回の順番である。本実施形態において、計画生成部13は、巡回により給電等の整備が必要な要巡回対象として特定された巡回対象への巡回の順である巡回順を生成する。
【0073】
本実施形態において、計画生成部13は、巡回順として給電資源による巡回の出発地点となる給電資源の拠点から近い要巡回対象から巡回するような巡回順を生成するが、給電資源として巡回を行う給電車両の現在の位置である給電資源位置から近い巡回対象から巡回するような巡回順を生成してもよい。また、計画生成部13は、要巡回対象として特定された巡回対象が多い場所に存在する巡回対象を優先して巡回するような巡回順や、要給電情報が少ない巡回対象から順に巡回する巡回順を生成してもよい。計画生成部13は、巡回対象情報に基づいて、巡回対象の巡回順を生成する。
【0074】
また、計画生成部13は、巡回計画として、要巡回ステーションの巡回のためのステーション巡回順を生成してもよい。また、その際、リスト生成部14は、要巡回ステーションに配置されている巡回対象のリストを巡回対象リストとして生成してもよい。
【0075】
また、計画生成部13は、巡回計画として、巡回対象情報等の必要な各種情報に基づいて給電資源が巡回対象を巡回していく際のルートである巡回ルートを生成する。本実施形態において計画生成部13は、給電資源の位置情報である給電資源位置に基づいて、現時点での給電資源の位置より開始して給電資源の拠点等の目的地に向かって要巡回対象として特定された巡回対象を巡回していくような経路である巡回ルートを生成する。
【0076】
本実施形態において、計画生成部13は、特定部12により巡回が必要な要巡回対象として特定された巡回対象への巡回のための巡回ルートを生成する。巡回ルートは、給電資源が要巡回対象として特定された巡回対象を巡回するためのルートであって、本実施形態では、給電資源の拠点からすべての要巡回対象を巡回し、拠点に帰還するルートが生成されるが、給電資源として巡回を行う給電車両の現在の位置である給電資源位置に基づいて給電資源から近い要巡回対象として特定された巡回対象から巡回するような巡回ルートを生成してもよい。また、計画生成部13は、複数の給電資源が巡回を行う際は、複数の給電資源で要巡回対象として特定された巡回対象を巡回するようなルートを生成してもよい。
【0077】
本実施形態において、計画生成部13は、特定部12により要巡回対象として特定されたすべての巡回対象を近い順から巡回するルートである巡回ルートを生成するが、燃料の消費が少ないルートや巡回の所要時間が少ないルート等、巡回端末2において入力された条件に基づいて巡回ルートを生成してもよい。また、複数の給電車両が給電資源として巡回を行う場合、計画生成部13は、エリアごとに分けて巡回ルートを生成するなど、複数の給電資源が巡回を行うための巡回ルートを生成してもよい。
【0078】
また、巡回を行う給電資源が複数である場合、複数の給電資源が要巡回対象として特定された巡回対象を巡回するような巡回ルートを生成してもよい。その際、計画生成部13は、例えば、給電資源として巡回する複数の給電車両の現在の位置である給電資源位置に基づいて複数の給電資源が巡回することで要巡回対象として特定されたすべての巡回対象を巡回するようなルートを生成してもよい。
【0079】
また、本実施形態において、計画生成部13は、要巡回対象として特定された巡回対象を巡回する巡回順や巡回ルートを巡回計画として生成するが、給電資源がステーションを巡回することが指示される場合、要巡回対象として特定された巡回対象が配置されているステーションを巡回するような巡回順や巡回ルートを巡回計画として生成してもよい。
【0080】
また、計画生成部13は、巡回計画として生成した巡回ルートに基づいて、巡回対象を巡回ルートにおいて行われるような順番で巡回する巡回順を生成してもよい。
【0081】
また、本実施形態において、計画生成部13は、給電資源として巡回を行う給電車両の速度や給電能力等の給電資源に関する情報と、給電を含む整備を受ける巡回対象の巡回対象情報に基づいて、生成した巡回順や巡回ルートで巡回を行う際の時間の目安である時間目安を巡回計画として生成する。時間目安は巡回にかかる時間の目安であって、給電資源の巡回対象への到着時間目安と、巡回対象での給電完了時間目安と、を含む。計画生成部13は、取得した巡回対象情報を含む各種必要な情報に基づいて、巡回対象を給電車両が巡回を行う際の巡回に関する時間目安である巡回時間目安を巡回計画として生成する。
【0082】
本実施形態において、計画生成部13は、対象位置情報を含む巡回対象情報と、給電資源として巡回を行う給電車両の速度や給電にかかる時間等の給電資源に関する情報と、に基づいて給電資源が巡回を行う際の巡回時間目安を生成する。
【0083】
本実施形態において、計画生成部13は、巡回支援装置1に設置され、巡回対象より取得した情報に基づいて巡回計画の生成を行うが、巡回端末2に設置され、巡回支援装置1を介して取得した要巡回対象として特定された巡回対象情報に基づいて巡回計画を生成してもよい。
【0084】
また、特定部12が優先して巡回すべき要巡回対象である優先巡回対象を特定しているとき、計画生成部13は、優先巡回対象を巡回する巡回計画を生成する。計画生成部13は、優先巡回対象、その他の巡回対象を順に巡回するような巡回計画を生成してもよい。
【0085】
<リスト生成部14の構成>
リスト生成部14は、巡回が必要な巡回対象のリストである巡回対象リストを生成する。本実施形態において、リスト生成部14は、特定部12により要巡回対象として特定された巡回対象の巡回対象リストを生成する。巡回対象リストは、巡回計画として生成された巡回順に基づいて生成される、要巡回対象として特定された巡回が必要な巡回対象のリストであって、計画生成部13により生成された巡回順を示す。また、本実施形態において、巡回対象リストは、巡回対象の巡回順と、要給電情報と、を示すが、巡回対象情報に基づいて、巡回対象の位置や巡回にかかる時間の目安である巡回時間目安等を示してもよい。また、リスト生成部14は、巡回対象リストにおいて、巡回対象の貸出可能ステータスや巡回履歴や利用履歴等を表示するリストであってもよい。巡回対象が配置されるステーションを給電車両が巡回する場合、リスト生成部14は、巡回が必要な要巡回ステーションとして特定されたステーションのリストであるステーションリストを生成してもよい。
【0086】
また、要巡回ステーションの巡回が指示される場合、リスト生成部14は、要巡回ステーションとして特定されたステーションに配置されている巡回対象のリストを巡回対象リストとして生成してもよい。
【0087】
<ステータス管理部15の構成>
ステータス管理部15は、巡回対象情報に基づいてカーシェアサービス等における貸出のために利用される巡回対象の貸出可能ステータスを変更する処理を行う。貸出可能ステータスは、巡回対象の貸出の可否に関するステータスであって、本実施形態では、ステータスとして貸出可能と、貸出不可と、を含む。また、ステータス管理部15は、特定部12により要巡回対象として特定された巡回対象の貸出可能ステータスを貸出不可として変更する処理を行う。
【0088】
本実施形態において、ステータス管理部15は、巡回対象情報と利用履歴と巡回履歴とに基づいて要巡回対象として特定された巡回対象の貸出可能ステータスを貸出不可として変更する処理を行う。また、ステータス管理部15は、給電資源により巡回され、給電を含む整備を受けた巡回対象の貸出可能ステータスを貸出可能と変更する処理を行う。
【0089】
また、ステータス管理部15は、要巡回対象として特定された巡回対象の巡回の要否に関する要巡回ステータスを要巡回とするなど、巡回の要否に関する要巡回ステータスを変更する処理を行ってもよい。また、要巡回ステータスは、必要な整備の内容に基づく複数のステータスを含んでいてもよく、例えば、給電が必要な要給電ステータスと清掃が必要なステータスである要清掃ステータスを含んでいてもよい。
【0090】
<表示処理部16の構成>
表示処理部16は、必要な各種情報に基づいて画面を表示処理する。表示処理部16は、計画生成部13により生成された巡回ルートと、リスト生成部14により生成された巡回対象リストを表示処理する。本実施形態において、表示処理部16は、巡回ルートと巡回対象リストを巡回端末2において表示するように表示処理を行うが、その他端末装置20において表示されるように表示処理を行ってもよい。
【0091】
<巡回対象リストを生成する際の実施例>
以下、図面を利用して、巡回計画として巡回順を生成し、巡回対象リストを生成する際の実施例について示す。
【0092】
図4は、巡回計画として生成された巡回順に基づいて生成された巡回対象リストの画面表示の例である。本実施形態において、巡回対象リストは、要巡回対象として特定された巡回が必要な巡回対象のリストである。
【0093】
図4に示す巡回対象リスト画面W1は、リスト生成部14により生成された巡回対象リストを表示する画面であって、巡回支援装置1より取得した情報に基づいて巡回端末2に表示される。巡回対象リスト画面W1は、巡回順に沿って巡回対象IDと、要給電情報と、を示すリスト表示の画面である。図に示す巡回対象リストは、要給電情報として取得した充電残量が少ない順に巡回するような巡回順に基づいて生成された巡回対象リストであるが、要巡回対象として特定された巡回対象のうち給電資源から近い順に巡回するような巡回順に基づいて生成された巡回対象リストであってもよい。また、巡回対象リスト画面W1は、要巡回対象として特定された巡回対象に関する情報であって、巡回対象の車種やナンバープレートの番号等を表示してもよい。また、巡回対象リスト画面W1は、巡回計画に基づく巡回対象の巡回に必要な時間を表示してもよい。
【0094】
<巡回対象リストの表示の処理のフロー>
以下、図5を用いて巡回端末2を搭載した給電資源が複数の巡回対象の巡回を行う際の処理のフローについて説明する。図に示す実施例は、巡回計画として巡回順を生成し、生成した巡回順に基づいて巡回対象リストを生成する際の処理の例である。
【0095】
巡回支援装置1の取得部11は、複数の巡回対象より対象位置情報と要給電情報を含む巡回対象情報を取得する(S101)。特定部12は、取得した巡回対象情報と、利用履歴と、巡回履歴と、に基づき、要巡回対象条件を利用して巡回が必要な巡回対象である要巡回対象を特定する(S102)。本実施形態において、特定部12は、巡回対象より取得した巡回対象情報と巡回対象の利用履歴と巡回履歴に基づいて巡回が必要な巡回対象である要巡回対象を特定する。ステータス管理部15は、巡回対象情報に基づいて要巡回対象として特定された巡回対象の貸出可能ステータスを貸出不可として変更する(S103)。本実施形態において、ステータス管理部15は、巡回対象情報とともに巡回対象の利用履歴と巡回履歴とに基づいて要巡回対象として特定された巡回対象の貸出可能ステータスの変更を行う。計画生成部13は、巡回対象情報に基づいて巡回計画を生成する(S104)。図に示す実施例では、巡回計画として給電資源の巡回対象への巡回の順番である巡回順を生成する。リスト生成部14は、計画生成部13により巡回計画として生成された巡回順に基づいて、巡回順を示す巡回対象リストを生成する(S105)。表示処理部16は、リスト生成部14により生成された巡回対象リストを表示処理する。
【0096】
<巡回ルートを生成する際の実施例>
以下、図6を用いて巡回計画として巡回ルートを生成する際の実施例について示す。
【0097】
図6は、巡回計画として巡回された巡回ルートの画面表示である巡回ルート画面W2である。本実施例において、巡回ルート画面W2は、生成された巡回ルートを表示する画面であって、生成された巡回ルートに基づいて給電資源を案内するような画面を表示する。
【0098】
図6に示す巡回ルート画面W2は、巡回ルートを表示する画面であって、給電資源の道順の案内を表示する案内表示部W21と、給電資源が巡回する巡回対象の位置を表示する巡回対象位置表示部W22と、給電資源の現在の位置を示す給電資源位置表示部W23と、を含む。本実施例では、図6に示すように巡回ルートは、巡回対象の位置とともに地図上に表示される。
【0099】
案内表示部W21は、巡回ルートと地図情報とに基づいて生成される、給電資源への指示を表示する表示部である。本実施形態において、案内表示部W21に表示される給電資源への指示は、巡回支援装置1より取得した巡回計画を含む各種必要な情報に基づいて巡回端末2が生成した指示であるが、巡回支援装置1において生成された指示であってもよい。巡回対象位置表示部W22は、巡回対象情報に含まれる対象位置情報に基づいて表示される巡回対象の位置を示す表示部である。給電資源位置表示部W23は、巡回端末2より取得した給電資源の現在の位置に関する給電資源位置に基づいて表示される給電資源の現在地の表示である。
【0100】
<巡回ルートの表示の処理のフロー>
また、計画生成部13により巡回計画として巡回ルートが生成される際の処理の例を示す。S101からS103まで図5に示す例と同様の処理が行われると、計画生成部13は、巡回対象情報に基づき、巡回計画として給電資源の巡回対象への巡回のルートである巡回ルートを生成する。巡回支援装置1は、生成した巡回ルートを含む巡回計画の表示に必要な各種情報を巡回端末2に送信する。巡回端末2は、巡回ルートに基づく給電資源への指示を生成し、生成した指示と、巡回ルートと、に基づく画面を表示する。
【0101】
計画生成部13は、優先巡回対象として特定された巡回対象を含む巡回対象へ巡回を行う巡回計画を生成する。その際、計画生成部13により生成される巡回計画は、優先巡回対象として特定された巡回対象を優先して巡回を行うような巡回計画である。
【0102】
<実施形態2>
実施形態2において、給電サービスを利用する利用者による巡回対象への給電の要求が行われた際の実施の例について示す。この場合、給電資源は、給電サービスを利用する利用者によって給電が要求された巡回対象へ巡回し、給電を含む整備を行う。本実施形態において、給電資源は、主に巡回対象へ整備として給電を行うが、その他、整備として巡回対象の清掃や修理等を行ってもよい。
【0103】
図7は、実施形態2における、巡回支援装置1と、巡回端末2と、利用者端末4と、を備える巡回支援システム0の構成例を示す。実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0104】
実施形態2において、巡回対象は、給電サービスの利用者によって給電が要求され、給電資源によりバッテリに給電を受ける装置であって、給電サービスの利用者の電動車両や、家庭用バッテリ装置等、どのような装置であってもよい。
【0105】
図7に示す実施形態において、利用者端末4は、カーシェアサービスや給電サービスを利用する利用者の端末装置20である。実施形態2において、利用者端末4は、利用者によって巡回対象に関する巡回対象情報を巡回支援装置1に送信する。利用者端末4は、当該サービスを利用する利用者によって入力された情報を含む各種情報を巡回支援装置1に送信する。
【0106】
利用者端末4は、図2(b)に示す端末装置20と同様のハードウェア構成を備える。利用者端末4(端末装置20)は、処理部201、記憶部202、通信部203、入力部204、及び出力部205を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0107】
実施形態2において、表示処理部16は、利用者が給電の要求を行う際に、給電の必要性に関する要給電情報を含む巡回対象情報の入力を行うための給電要求入力画面を表示処理する。給電要求入力画面は、利用者端末4において表示される利用者が給電の要求を行う際に必要な各種情報を入力するための画面である。実施形態2において、給電要求入力画面は、要給電情報として給電要求を受け付ける入力画面である。また、給電要求入力画面は更に、巡回時間の予約を要給電情報として受け付けてもよい。実施形態2において、給電要求入力画面を介して要給電情報として入力される給電要求は、利用者による巡回対象への給電の要求であって、利用者端末4より巡回支援装置1に送信される。また、本実施形態において、給電要求入力画面は、巡回対象の種別やバッテリに蓄積される電力の残量等、巡回対象に関する情報を巡回対象情報として受け付けるための入力画面として利用される。給電要求入力画面を介して入力された巡回対象情報は、要給電情報として送信される給電要求とともに巡回支援装置1に送信される。
【0108】
実施形態2において、対象位置情報は、給電要求入力画面を介して入力された給電要求を巡回支援装置1に送信する際に同時に送信される利用者端末4の位置情報であるが、給電要求入力画面を介して入力される巡回対象の位置する場所の住所等であってもよい。
【0109】
実施形態2において、巡回対象の給電の必要性に関する要給電情報は、給電要求入力画面を介して入力され、利用者端末4より送信される、巡回対象への給電要求である。
【0110】
実施形態2において、取得部11は、給電要求入力画面を介して入力された要給電情報と、対象位置情報と、を含む巡回対象情報を利用者端末4より受け付ける。
【0111】
特定部12は、利用者端末4より取得した要給電情報を含む巡回対象情報及び要巡回対象条件に基づいて巡回が必要な要巡回対象を特定する。実施形態2において、特定部12は、利用者により給電を要求された巡回対象を要巡回対象として特定する処理を行う。
【0112】
また、特定部12は、給電要求入力画面を介して入力された要給電情報と、巡回対象情報と、優先巡回対象を特定するための優先巡回対象条件と、に基づいて緊急性の高く、優先して巡回すべき巡回対象である優先巡回対象を特定する処理を行う。特定部12は、本実施形態において、給電要求入力画面を介して入力される利用者により優先して巡回すべき巡回対象の選択に基づいて、選択された巡回対象を優先巡回対象とする優先巡回対象条件に従い、優先巡回対象を特定する。また、特定部12は、利用者端末4を介して要給電情報として入力された、バッテリの充電残量がなくなるまでの想定される時間が例えば1時間以内など、閾値以下の巡回対象を特定するための優先巡回対象条件に基づいて優先巡回対象を特定してもよい。
【0113】
計画生成部13は、利用者端末4より要給電情報として取得した給電要求と、対象位置情報と、に基づいて、巡回を要求した利用者の位置に巡回するような巡回計画を生成する。本実施形態において、巡回対象の位置情報に関する対象位置情報は、給電要求送信時の利用者端末4の位置情報であるが、給電要求入力画面を介して入力された巡回対象の位置する場所の住所等であってもよい。
【0114】
また、要給電情報として巡回時間の予約を受け付ける際、計画生成部13は、要給電情報として取得した給電の指定時間に関する情報に基づいて、給電を要求された巡回対象に指定された時間に巡回するような巡回計画を生成してもよい。
【符号の説明】
【0115】
0 巡回支援システム
1 巡回支援装置
2 巡回端末
3 巡回対象装置
11 取得部
12 特定部
13 計画生成部
14 リスト生成部
15 ステータス管理部
16 表示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7