(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175629
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】コネクタ、及び、機器
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20241211BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241211BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20241211BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H01R13/52 B
G03G21/16 152
G03G21/16 176
G03G15/08 330
G03G15/00 680
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118729
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2023092964
(32)【優先日】2023-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】細川 浩
(72)【発明者】
【氏名】松本 和樹
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
5E087
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA05
2H077AA14
2H077AA25
2H077AA34
2H077AB02
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC02
2H077DB01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171GA09
2H171JA15
2H171JA50
2H171JA51
2H171KA05
2H171KA13
2H171KA16
2H171MA02
2H171MA07
2H171MA11
2H171MA20
5E087EE11
5E087FF02
5E087FF27
5E087LL02
5E087LL17
5E087QQ06
5E087RR06
5E087RR12
5E087RR13
(57)【要約】
【課題】コネクタの汚れや破損を生じにくくする。
【解決手段】IDチップ81(情報記憶媒体)が接続されるコネクタであって、IDチップ81の媒体側端子81a~81dに接続されるコネクタ端子111~114が設けられている。また、IDチップ81が接続されていない離間状態ではコネクタ端子111~114の全部又は一部を覆って、IDチップ81が接続された接続状態でIDチップ81に押されて撓んでコネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとの接触を可能にする可撓性カバー部材115が設けられている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記憶媒体が接続されるコネクタであって、
前記情報記憶媒体の媒体側端子に接続されるコネクタ端子と、
前記情報記憶媒体が接続されていない離間状態では前記コネクタ端子の全部又は一部を覆って、前記情報記憶媒体が接続された接続状態で前記情報記憶媒体に押されて撓んで前記コネクタ端子と前記媒体側端子との接触を可能にする可撓性カバー部材と、
を備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記接続状態であるとき、撓んだ状態の前記可撓性カバー部材によって前記コネクタ端子と前記媒体側端子とが覆われることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記可撓性カバー部材は、前記離間状態から前記接続状態に移行する過程で、撓むことによって前記コネクタ端子に摺接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記可撓性カバー部材は、前記接続状態から前記離間状態に移行する過程で、撓んだ状態から元の状態に戻ることによって前記コネクタ端子に摺接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記可撓性カバー部材は、前記情報記憶媒体に対向する対向面に、前記コネクタ端子と前記媒体側端子との接触を可能にするスリットが形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記可撓性カバー部材は、前記離間状態であるときに、前記スリットから前記コネクタ端子の先端部が露呈するように形成されたことを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記可撓性カバー部材は、少なくとも前記スリットの周囲が防水処理されたことを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記可撓性カバー部材は、少なくとも前記スリットの周囲が導電処理されたことを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記スリットは、前記離間状態から前記接続状態に移行する過程で、前記情報記憶媒体に設置された突起が入り込んで、開口が広げられることを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項10】
複数の前記スリットが隙間をあけて並設されて、
前記複数のスリットは、前記離間状態から前記接続状態に移行する過程で、前記情報記憶媒体に設置された突起が、前記可撓性カバー部材における、前記隙間の部分と、前記複数のスリットが形成された領域の外側と、を押圧して、それぞれ開口が広げられることを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記可撓性カバー部材は、前記情報記憶媒体に対向する対向面に、前記離間状態において前記コネクタ端子の先端部が露呈する凹部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記可撓性カバー部材の外周を覆い、剛性材料からなる枠体を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記可撓性カバー部材は、ゴム材料、ゴムスポンジ材料、発泡樹脂材料、繊維材料のうちいずれかの材料で形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項14】
電源側端子に接続されるコネクタ端子と、
前記電源側端子が接続されていない離間状態では前記コネクタ端子の全部又は一部を覆って、前記電源側端子が接続された接続状態で前記電源側端子に押されて撓んで前記コネクタ端子と前記電源側端子との接触を可能にする可撓性カバー部材と、
を備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項15】
機器本体に着脱ユニットが着脱可能に設置される機器であって、
前記機器本体は、請求項1又は請求項2に記載のコネクタが設置され、
前記着脱ユニットは、前記情報記憶媒体が設置され、
前記機器本体に対する前記着脱ユニットの装着動作に連動して前記コネクタに前記情報記憶媒体が接続されることを特徴とする機器。
【請求項16】
前記機器本体は、画像形成装置本体であって、
前記着脱ユニットは、現像剤が収容された現像剤容器であって、
前記情報記憶媒体は、IDチップであって、
画像形成装置であることを特徴とする請求項15に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IDチップなどの情報記憶媒体が接続されるコネクタと、それを備えた画像形成装置などの機器と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置(機器)において、トナーカートリッジなどの着脱ユニットが着脱可能(交換可能)に設置されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、特許文献1において、トナーカートリッジ(着脱ユニット)には、トナーカートリッジに関する情報などが記憶されたIDチップ(情報記憶媒体)が設置されている。そして、画像形成装置本体に設置されたプロセスカートリッジ(機器本体)にトナーカートリッジが装着されると、トナーカートリッジのIDチップと、画像形成装置本体のコネクタと、が通信可能に接触して、トナーカートリッジと画像形成装置本体との間での情報のやり取りが可能になる。
【0003】
一方、特許文献1には、プロセスカートリッジ(機器本体)に対するトナーカートリッジ(着脱ユニット)の着脱動作に連動して、剛性を有する樹脂材料からなりコネクタを覆うカバー部材を開閉する技術が開示されている。このカバー部材は、閉鎖状態にあるときコネクタの側方を覆い、開放状態にあるときコネクタとIDチップとの接触を可能にするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、コネクタが情報記憶媒体に接続していない状態のとき、コネクタの側方を覆う硬質のカバー部材を設けているため、コネクタが保護されて破損しにくくなる効果が期待できる。
しかし、カバー部材はコネクタの上方が常に開口しているため、コネクタの上面が汚れやすくなっていた。また、カバー部材を開閉する機構が複雑化・大型化していた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、汚れや破損が生じにくい、コネクタ、及び、機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるコネクタは、情報記憶媒体が接続されるコネクタであって、前記情報記憶媒体の媒体側端子に接続されるコネクタ端子と、前記情報記憶媒体が接続されていない離間状態では前記コネクタ端子の全部又は一部を覆って、前記情報記憶媒体が接続された接続状態で前記情報記憶媒体に押されて撓んで前記コネクタ端子と前記媒体側端子との接触を可能にする可撓性カバー部材と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、汚れや破損が生じにくい、コネクタ、及び、機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】トナー補給装置にトナー容器が設置された状態を示す模式図である。
【
図4】トナー容器収容部にトナー容器が設置される状態を示す斜視図である。
【
図5】トナー容器とトナー補給装置の要部とを示す斜視図である。
【
図6】トナー容器のキャップ部を示す正面図である。
【
図7】画像形成装置本体のコネクタを示す図である。
【
図8】基板ユニット(情報記憶媒体)を示す斜視図である。
【
図9】画像形成装置本体のコネクタに基板ユニットが接続されていく状態を示す斜視図である。
【
図10】コネクタに基板ユニットが接続されていく動作を示す図である。
【
図11】比較例としての、コネクタに基板ユニットが接続されていく動作を示す図である。
【
図12】変形例1としての、コネクタに基板ユニットが接続されていく動作を示す図である。
【
図13】変形例2としての、コネクタに基板ユニットが接続されていく動作を示す図である。
【
図14】変形例3としての、コネクタと基板ユニットとを示す図である。
【
図15】変形例4としての、コネクタに基板ユニットが接続されていく動作を示す図である。
【
図16】変形例5としての、コネクタに電源側端子が接続されていく動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、機器としての画像形成装置100の全体の構成・動作について説明する。
図1(及び、
図3)に示すように、機器本体としての画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つの着脱ユニットとしてのトナー容器32Y、32M、32C、32K(現像剤容器)が着脱可能(交換可能)に設置されている。
トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
現像剤容器(着脱ユニット)としてのトナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kが設置されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32K(現像剤容器)に収容された現像剤としてのトナーは、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に補給される。
【0011】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Y(像担持体)と、感光体ドラム1Yの周囲にそれぞれ設置された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、除電装置、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Yの表面にイエロー画像が形成されることになる。
【0012】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0013】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、モータによって
図2の時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(
図1参照)から発せられるレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0014】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0015】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電装置(不図示)との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0016】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0017】
ここで、
図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写対向ローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング装置、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって
図1中の矢印方向に無端移動される。
【0018】
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0019】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0020】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙装置26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙装置26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が
図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0021】
レジストローラ対28に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0022】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される。
その後、シートPは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
次に、
図2にて、作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー搬送管64Y(トナー搬送経路)に連通している。
【0024】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、
図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0025】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、現像剤容器としてのトナー容器32Yに収容されている現像剤としてのトナーが、トナー補給装置60Y(
図3、
図5等参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。
なお、トナー補給装置60Yの構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0026】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(
図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0027】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、
図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0028】
次に、
図3~
図5等を用いて、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについて詳述する。
図3等を参照して、装置本体100のトナー容器収容部70に設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容された現像剤としてのトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって適宜に各現像装置内に補給される。
なお、4つのトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kやトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置60Yやトナー容器32Yのみの説明をおこない、他の3つの色に対応したトナー補給装置60M、60C、60Kやトナー容器32M、32C、32Kの説明を適宜に省略する。
【0029】
図4に示すように、トナー容器32Y、32M、32C、32Kが装置本体100のトナー容器収容部70に装着(矢印Qに沿った移動である。)されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Y、32M、32C、32Kのシャッタ部材34d(
図3参照)が移動してトナー排出口Wが開放されるとともに、トナー容器収容部70(トナー補給装置60Y、60M、60C、60K)のトナー補給口72w(
図3参照)とトナー排出口Wとが連通する。これにより、トナー容器32Y、32M、32C、32K内に収容されたトナーが、トナー排出口Wから排出されて、トナー容器収容部70(トナー補給装置60Y、60M、60C、60K)のトナー補給口72wからトナータンク部61Y内に貯溜されることになる。
なお、
図3、
図6等を参照して、トナー容器32Y(着脱ユニット)が画像形成装置本体100(機器本体)に装着されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Yのキャップ部34Yに設置された基板ユニット80(情報記憶媒体としてのIDチップ81)が、画像形成装置本体100のコネクタ110(
図7参照)に接続される。そして、基板ユニット80のIDチップ81(基板)と画像形成装置本体100の制御部90との間での情報のやり取りが可能になる。そして、制御部90は、IDチップ81から取得した情報に基づいて、トナー容器32Y内に残留するトナー量(トナー残量)を操作表示パネル(画像形成装置本体100の外装部に設置されている。)に表示したり、トナー容器32Yから現像装置5Yに向けてのトナー補給のタイミングを判断したり、トナーエンド状態からのリカバリ動作を実行したりすることになる。
【0030】
ここで、
図3、
図5等を参照して、着脱ユニット(現像剤容器)としてのトナー容器32Yは、略円筒状のトナーボトルであって、主として、トナー容器収容部70に非回転で保持されるキャップ部34Yと、ギア33cが一体的に形成された容器本体33Y(ボトル本体)と、で構成される。
容器本体33Yは、キャップ部34Yに対して相対的に回転可能に保持されていて、駆動機構(駆動モータ91やギア92、93等で構成されている。)によって
図3、
図5の矢印方向に回転駆動される。そして、容器本体33Y自体が軸線Xを中心に回転することで、容器本体33Yの内壁面(内周面)に螺旋状に形成された突起33b(
図5参照)によって、トナー容器32Y(容器本体33Y)の内部に収容されたトナーが軸方向(長手方向)に搬送されて(
図3の左方から右方への搬送である。)、容器本体33Yの開口部33aからキャップ部34Yにトナーが排出され、さらにキャップ部34Yのトナー排出口Wから容器外にトナーが排出される。すなわち、駆動モータ91によってトナー容器32Yの容器本体33Yが適宜に回転駆動されることで、トナータンク部61Yにトナーが適宜に供給される。なお、トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったときである。)に新品のものに交換される。
【0031】
また、
図6等に示すように、キャップ部34Yの端面に形成された設置部34cには、基板ユニット80が嵌合(設置)されている。この基板ユニット80には、情報記憶媒体としてのIDチップ81(
図8等参照)が設置されている。
このIDチップ81は、画像形成装置本体100の制御部90との間で種々の情報のやり取りをおこなうためのものである。具体的に、IDチップ81には、トナー容器32Yに収容されたトナーの製造年月日、製造ロット番号、色、種類などの情報や、トナー容器32Y自体の製造年月日、仕向地、製造工場、リサイクルの有無などの情報が予め記憶されている。そして、それらの情報が制御部90(装置本体)に送られる。さらに、制御部90(装置本体)の側からも、画像形成装置100における使用履歴などの情報がIDチップ81に送られて、それらの情報がIDチップ81に適宜記憶される。
【0032】
また、
図6に示すように、キャップ部34Yの端面には、トナー容器収容部70(画像形成装置本体100)におけるキャップ部34Yの位置を定めるための、位置決め穴部34a、34bが形成されている。
そして、トナー容器32Yが画像形成装置本体100(機器本体)に装着されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Yのキャップ部34Yに形成された位置決め穴部34a、34bが、画像形成装置本体100の位置決めピン120、121(
図7参照)に嵌合する。これにより、トナー容器収容部70(画像形成装置本体100)におけるキャップ部34Yの位置を定めることになる。そして、そのように位置決めされたキャップ部34Yにおいて、基板ユニット80(IDチップ81)が、画像形成装置本体100のコネクタ110(
図7参照)に正常に接続されることになる。
【0033】
図3、
図5を参照して、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、トナー容器収容部70、トナータンク部61Y、搬送コイル62Y、トナーエンドセンサ66Y、駆動モータ91、ギア92~95、等で構成されている。
トナータンク部61Yは、トナー容器32Yのトナー排出口Wの下方に設置されていて、トナー容器32Yのトナー排出口Wから排出されたトナーが貯留される。トナータンク部61Yの底部は、トナー搬送管64Yの上流部に接続されている。
また、トナータンク部61Yの壁面(底部から所定高さの位置である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサ66Yが設置されている。トナーエンドセンサ66Yとしては、圧電センサ等を用いることができる。そして、トナーエンドセンサ66Yによってトナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことが制御部90にて検知(トナーエンド検知)されると、制御部90の制御により駆動モータ91によってトナー容器32Yの容器本体33Yを所定時間回転駆動してトナータンク部61Yへのトナー補給をおこなう。さらに、このような制御を繰り返してもトナーエンドセンサ66Yによるトナーエンド検知が解除されない場合には、トナー容器32Y内にトナーがないものとして、装置本体100の外装部に設置された表示パネルにトナー容器32Yの交換を促す旨の表示をおこなう。
【0034】
図3、
図5に示すように、搬送コイル62Yは、トナー搬送管64Yに回転可能に内設されていて、トナータンク部61Yに貯留されたトナーをトナー搬送管64Yを介して現像装置5Yに向けて搬送するものである。詳しくは、搬送コイル62Yは、駆動モータ91による回転駆動されることで、トナータンク部61Yの底部(最下点)から現像装置5Yの上方に向けてトナーをトナー搬送管64Yに沿って搬送する。そして、搬送コイル62Yによって搬送されたトナーは、現像装置5Y(現像剤収容部54Y)内に補給される。
なお、本実施の形態において、搬送コイル62Yの駆動源は、トナー容器32Y(容器本体33Y)の駆動源と共通化されている。すなわち、駆動モータ91が回転駆動されると、トナー容器32Yが回転するとともに搬送コイル62Yも回転することになる。
【0035】
また、
図4を参照して、トナー容器収容部70は、主として、トナー容器32Yのキャップ部34Yを保持するためのキャップ受部73と、トナー容器32Yの容器本体33Yを保持するためのボトル受部72と、コネクタ110(
図3、
図7参照)と、で構成されている。コネクタ110には、複数のコネクタ端子111~114が設けられている。
ここで、
図1を参照して、装置本体100の手前側(
図1の紙面垂直方向手前側である。)の上方に設置された本体カバー(不図示)を開放すると、トナー容器収容部70が露呈される。そして、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの軸方向(長手方向)を水平方向とした状態で、装置本体100の手前側上方からの各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの着脱操作(トナー容器の長手方向を着脱方向とする着脱操作である。)がおこなわれる。
詳しくは、装置本体100への装着時には、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、本体カバーが開放された状態の装置本体100の上方からトナー容器収容部70上に載置され、その後にキャップ部34Yを先頭にして水平方向に押し込まれることになる(
図4の矢印Qに沿った移動である。)。これに対して、装置本体100からの離脱時には、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、装着時と逆の操作がおこなわれることになる。
【0036】
以下、本実施の形態における機器としての画像形成装置100の本体(機器本体)に設置された、特徴的なコネクタ110の構成・動作について詳述する。
先に
図3、
図6、
図7等を用いて説明したように、内部にトナーが収容された現像剤容器としてのトナー容器32Yは、機器本体としての画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置される着脱ユニットとして機能している。そして、その着脱ユニットとしてのトナー容器32Yのキャップ部34Yには、情報記憶媒体としてのIDチップ81(基板ユニット80)が、画像形成装置本体100(機器本体)に設置されたコネクタ110に接続されて、画像形成装置本体100の制御部90と通信可能な状態になる。
すなわち、画像形成装置本体100(機器本体)に対するトナー容器32Y(着脱ユニット)の装着動作に連動して、コネクタ110にIDチップ81(情報記憶媒体)が接続されることになる。
基板ユニット80(IDチップ81)は、画像形成装置本体100(機器本体)に対して所定の方向(
図3、
図10の左右方向である。)に着脱可能に設置される。なお、
図8~
図15に図示した矢印は、基板ユニット80(トナー容器32Y)の装着方向を示すものである。
【0037】
図8に示すように、情報記憶媒体としてのIDチップ81(基板ユニット80)には、複数の媒体側端子81a~81d(本実施の形態では4つの媒体側端子である。)が設けられている。
詳しくは、4つの媒体側端子81a~81dは、いずれも略矩形板状に形成されたものであって、コネクタ110に対向する対向面において互いに隙間をあけて上下方向(
図6、
図7等参照)に並設されている。4つの媒体側端子81a~81dの組み合わせとしては、例えば、アース端子、クロック信号端子、シリアルデータ用端子、電源用端子とすることができる。
【0038】
一方、
図7等を参照して、画像形成装置本体100のコネクタ110には、IDチップ81(情報記憶媒体)の媒体側端子81a~81dに接続されるコネクタ端子111~114が設けられている。
詳しくは、コネクタ110には、4つの媒体側端子81a~81dにそれぞれ接触する4つのコネクタ端子111~114が互いに隙間をあけて上下方向に並設されている。
図10等を参照して、これらのコネクタ端子111~114は、その根元部がベース部116に保持されていて、略「く」の字状に形成された先端部が自由端として片持ち支持されている。そして、
図10(C)に示すように、コネクタ端子111~114は、その先端の屈曲部がIDチップ81の媒体側端子81a~81dに接触・押動されて、端子自体が白矢印方向に弾性変形することになる。コネクタ端子111~114としては、リン青銅、ステンレス鋼などのバネ性を有する導電性材料からなる板状部材を用いることができる。
【0039】
ここで、
図9、
図10等に示すように、コネクタ110には、コネクタ端子111~114を覆う可撓性カバー部材115が設けられている。
可撓性カバー部材115は、略箱状に形成されていて、ベース部116に保持されている。可撓性カバー部材115の内部には、コネクタ端子111~114が設けられている。
そして、
図9に示すように、可撓性カバー部材115には、IDチップ81(情報記憶媒体)に対向する対向面115sに、コネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとの接触を可能にするスリット115a~115dが形成されている。
このような可撓性カバー部材115は、ゴム材料(天然ゴム、合成ゴムなどである。)、ゴムスポンジ材料(NR、CR、EPDM、SI、BR、NBRなどである。)、発泡樹脂材料(PUR、PS、PE、PPなどである。)、繊維材料(フェルト、不織布、パイルなどである。)のうちいずれかの材料であって、所定の大きさ以上の外力が加えられたときには縮んで、その外力が取り除かれると元の状態に戻る(伸びる)ような可撓性材料で形成されている。
なお、本実施の形態において、可撓性カバー部材115の内部は、中空構造になっているが、その内部を中実構造にしても良い。特に、可撓性カバー部材115を発泡樹脂などによるスポンジ材料で形成する場合には、清掃性や変形性の観点から中実構造であることが好ましい。
また、本実施の形態では、可撓性カバー部材115の対向面115sに、コネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとの接触を可能にするスリット115a~115dを形成したが、コネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとの接触を可能にする開口を形成しても良い。
【0040】
ここで、可撓性カバー部材115は、IDチップ81(情報記憶媒体)が接続されていない離間状態(トナー容器32Yが装着されていない状態であって、
図9、
図10(A)の状態である。)では、コネクタ端子111~114の全部を覆っている。
これにより、離間状態時において、コネクタ端子111~114に対する、防塵性や、外力に対する保護性、が高められることになる。さらには、離間状態時において、コネクタ端子111~114に対する、防水性、防錆性も高められることになる。
【0041】
そして、可撓性カバー部材115は、IDチップ81(情報記憶媒体)が接続された接続状態(
図10(C)の状態である。)で、IDチップ81(基板ユニット80)に押されて略アコーディオン状に撓む(縮む)。これにより、コネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとの接触が可能になる。
特に、本実施の形態におけるコネクタ110は、
図10(C)に示すように、接続状態であるとき、撓んだ状態の可撓性カバー部材115によってコネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとを覆うように構成されている。
これにより接続状態時においても、コネクタ端子111~114に対する、防塵性、外力に対する保護性、防水性、防錆性が高められることになる。さらには、接続状態時において、媒体側端子81a~81d(IDチップ81)に対する、防塵性、外力に対する保護性、防水性、防錆性も高められることになる。
なお、可撓性カバー部材115は、接続状態から離間状態に移行すると(トナー容器32Yが取り外されると)、IDチップ81(基板ユニット80)による押付け(外力)が解除されて、元の状態(コネクタ端子111~114を覆う状態であって、
図10(A)の状態である。)に戻ることになる。
【0042】
このように、本実施の形態におけるコネクタ110には、伸縮可能な可撓性カバー部材115が設けられているため、コネクタ110がIDチップ81(情報記憶媒体)に接続していない状態のとき、コネクタ端子111~114のほぼ全域が覆われて、コネクタ端子111~114が保護されて予期せぬ外力を受けても破損しにくくなるとともに、周囲で浮遊するトナーや紙粉などの異物が付着してコネクタ端子111~114が汚れるような不具合も生じにくくなる。さらには、コネクタ110(コネクタ端子111~114)が高湿環境で使用されても、コネクタ端子111~114に水分が付着して錆びるような不具合も生じにくくなる。
【0043】
詳しくは、
図11に比較例として示すコネクタ500のように、コネクタ端子111~114が常に露呈しているものは、コネクタ端子111~114に汚れや破損が生じやすく、さらには水分付着による錆も生じやすく、媒体側端子81a~81dとの接触不良による通信不良が発生しやすくなる。
これに対して、本実施の形態におけるコネクタ110は、コネクタ端子111~114が可撓性カバー部材115で覆われているため、そのような不具合が生じにくくなる。しかも、離間状態と接続状態との切替は、IDチップ81(トナー容器32Y)の着脱動作に連動した可撓性カバー部材115の伸縮によっておこなわれるため、機構・構造が簡易で、装置が複雑化・大型化することもない。
【0044】
ここで、
図10(A)~(C)を参照して、本実施の形態における可撓性カバー部材115は、離間状態から接続状態に移行する過程で、撓むことによってコネクタ端子111~114(主に、根元部の上面である。)に摺接するように形成されている。
すなわち、可撓性カバー部材115は、IDチップ81(トナー容器32Y)の着脱動作に連動して、コネクタ端子111~114に摺接しながら伸縮することになる。
これにより、コネクタ端子111~114の表面が汚れていても、可撓性カバー部材115が伸縮することで、その汚れが清掃されることになる。そのため、コネクタ端子111~114の汚れによる通信不良の発生がさらに軽減されることになる。
なお、可撓性カバー部材115は、接続状態から離間状態に移行する過程でも、撓んだ状態から元の状態(撓みが緩んで、撓みが解除された状態である。)に戻ることによってコネクタ端子111~114に摺接することになる。これにより、可撓性カバー部材115が接続状態から離間状態に戻るときにも、コネクタ端子111~114の表面の汚れが清掃されることになる。
【0045】
また、
図9を参照して、本実施の形態における可撓性カバー部材115は、少なくともスリット115a~115dの周囲Bが防水処理されている。
スリット115a~115dは、コネクタ端子111~114の離間状態と接続状態との切替えにともない開閉されるものであるため、その周囲Bから内部に水分が入り込みやすい。これに対して、スリット115a~115dの周囲Bに防水処理を施すことによって、周囲Bに付着する水分自体を減ずることができるため、そのような不具合が防止され、コネクタ端子111~114の防水性・防錆性をさらに高めることができる。
【0046】
なお、本実施の形態において、可撓性カバー部材115は、少なくともスリット115a~115dの周囲Bを防水処理したものとしたが、少なくともスリット115a~115dの周囲Bを導電処理したものとすることもできる。すなわち、スリット115a~115dの周囲Bを、防水処理部ではなく、導電性材料を塗布したり導電性材料で形成したりするなどして導電処理部にすることもできる。
特に、可撓性カバー115がスポンジ材で形成されて中実構造である場合には、媒体側端子81a~81dとコネクタ端子111~114との間に可撓性カバー部材を挟み込みやすくなる。そして、そのような挟み込みが生じた場合、両端子間の接触不良による導通不良が生じやすくなる。これに対して、スリット115a~115dの周囲Bを導電処理部にすることで、そのような挟み込みが生じてしまっても、両端子間の導通不良が生じにくくなる。ただし、このような場合、コネクタ端子111~114の各端子間で導通しないように、各端子間に導電処理がされない部分(非導電部)を設けておく必要がある。具体的に、可撓性カバー部材115において、
図9に示す4つの導電処理部Bは、互いに繋がっておらず、4つの導電処理部B以外の部分は非導電性材料で形成されている。
なお、スリット115a~115dの周囲Bを、導電処理するとともに、防水処理した場合には、それぞれの処理をおこなうことによる効果が合わせて発揮されることになる。
【0047】
以下、
図10(A)~(C)を用いて、コネクタ110にIDチップ81(基板ユニット80)が接続されていく動作について詳述する。
まず、
図10(A)に示すように、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に装着されておらず、トナー容器32YのIDチップ81(情報記憶媒体)に対して、画像形成装置本体100のコネクタ110が離間状態であるとき、コネクタ端子111~114は可撓性カバー部材115によって覆われた状態である。これにより、コネクタ端子111~114の防塵性、保護性、防水性、防錆性が確保されている。
そして、
図10(B)に示すように、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に対して矢印方向に装着されていくと、やがて可撓性カバー部材115がIDチップ81に接触して、さらに装着が進められることにより可撓性カバー部材115が矢印方向に撓み(縮み)始めることになる。このとき、可撓性カバー部材115が縮みながらコネクタ端子111~114に摺接して、コネクタ端子111~114が清掃されることになる。
その後、コネクタ端子111~114が媒体側端子81a~81dに接触して、さらに装着が進められることによりコネクタ端子111~114の弾性変形が始まる。
そして、
図10(C)に示すように、最終的にトナー容器32Yの画像形成装置本体100への装着が完了すると、縮んだ状態の可撓性カバー部材115によって、コネクタ端子111~114に加えて、媒体側端子81a~81dが覆われることになる。これにより、トナー容器32Yがセットされた状態において、コネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dの防塵性、保護性、防水性、防錆性が確保される。
なお、トナー容器32Yが画像形成装置本体100から取り出されるときは、上述した装着時と逆の動作がおこなわれることになる。
【0048】
<変形例1>
図12(A)に示すように、変形例1におけるコネクタ110において、可撓性カバー部材115は、離間状態であるときに、スリット115a~115d(
図9参照)からコネクタ端子111~114の先端部(媒体側端子81a~81dに接触する部分である。)が露呈するように形成されている。
すなわち、変形例1における可撓性カバー部材115は、IDチップ81(情報記憶媒体)が接続されていない離間状態で、コネクタ端子111~114の全部でなくて、コネクタ端子111~114の一部を覆うように形成されている。
このように構成した場合には、離間状態から接続状態に切り替わるときに、スリット115a~115dにコネクタ端子111~114が引っ掛かってしまうような不具合(コネクタ端子111~114がスリット115a~115dから突出しない不具合)や、媒体側端子81a~81dとコネクタ端子111~114との間に可撓性カバー部材115を挟み込んでしまうような不具合(特に、可撓性カバー部材115がスポンジ材で形成されていて中実構造である場合である。)、が軽減される。
なお、変形例1では、
図12(A)~(C)に示すように、
図10(A)~(C)に示すコネクタ110とIDチップ81との接続時の動作とは異なり、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に対して矢印方向に装着されていくと、まずコネクタ端子111~114が媒体側端子81a~81dに接触して、さらに装着が進められることにより可撓性カバー部材115がIDチップ81に接触して可撓性カバー部材115が矢印方向に撓み(縮み)始めることになる。
そして、変形例1においても、コネクタ110の汚れや破損を生じにくくすることができる。
【0049】
<変形例2>
図13(A)に示すように、変形例2におけるコネクタ110において、可撓性カバー部材115は、IDチップ81(情報記憶媒体)に対向する対向面115s(
図9参照)に、離間状態においてコネクタ端子111~114の先端部(媒体側端子81a~81dに接触する部分である。)が露呈する凹部115xが形成されている。
すなわち、変形例2における可撓性カバー部材115も、IDチップ81(情報記憶媒体)が接続されていない離間状態で、コネクタ端子111~114の全部でなくて、コネクタ端子111~114の一部を覆うように形成されている。
そして、このように構成した場合にも、離間状態から接続状態に切り替わるときに、スリット115a~115dにコネクタ端子111~114が引っ掛かってしまうような不具合や、媒体側端子81a~81dとコネクタ端子111~114との間に可撓性カバー部材115を挟み込んでしまうような不具合(特に、可撓性カバー部材115がスポンジ材で形成されていて中実構造である場合である。)、が軽減される。
なお、変形例2でも、
図13(A)~(C)に示すように、
図10のものと同様に、コネクタ110とIDチップ81との接続時の動作において、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に対して矢印方向に装着されていくと、まず可撓性カバー部材115がIDチップ81に接触して可撓性カバー部材115が矢印方向に撓み(縮み)始め、さらに装着が進められることによりコネクタ端子111~114が媒体側端子81a~81dに接触することになる。
そして、変形例2においても、コネクタ110の汚れや破損を生じにくくすることができる。
【0050】
<変形例3>
図14(A)に示すように、変形例3におけるコネクタ110において、可撓性カバー部材115のスリット115a~115dは、離間状態から接続状態に移行する過程で、IDチップ81(情報記憶媒体)に設置された突起85が入り込んで、開口が広げられるように形成されている。
すなわち、コネクタ110とIDチップ81との接続時の動作において、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に対して矢印方向に装着されていくと、まずIDチップ81の突起85がスリット115a~115dに入り込んでスリット115a~115dが広げられて、やがて可撓性カバー部材115がIDチップ81に接触して可撓性カバー部材115が矢印方向に撓み(縮み)始めることになる。そして、さらに装着が進められることにより、突起85によって広げられたスリット115a~115dから露呈したコネクタ端子111~114が媒体側端子81a~81dに接触することになる。
そして、変形例3においても、コネクタ110の汚れや破損を生じにくくすることができる。そして、変形例3では、離間状態から接続状態に切り替わるときに、突起85によってスリット115a~115dが広げられるため、スリット115a~115dにコネクタ端子111~114が引っ掛かってしまうような不具合を軽減することができる。
【0051】
なお、
図14(A)の例では、離間状態から接続状態への移行時に、IDチップ81の突起85(リブ)が、可撓性カバー部材115のスリット115a~115dに入り込むように構成した。これに対して、
図14(B)に示すように、離間状態から接続状態への移行時に、突起85が、スリット115a~115dが形成されていない部分を被押圧部として押し込むように構成することもできる。
図14(B)のコネクタ110は、複数のスリット115a~115dが隙間をあけて並設されている。そして、複数のスリット115a~115dは、離間状態から接続状態に移行する過程で、IDチップ81(情報記憶媒体)に設置された突起85(4つのスリット115a~115dのすべてがそれぞれ2つの突起85の間に位置するように設けられた5つの突起85である。)が、可撓性カバー部材115における、上述した隙間の部分と、複数のスリット115a~115dが形成された領域の外側と、を押圧して、それぞれ開口が広げられることになる。
換言すると、離間状態から接続状態に移行する過程で、隣接する2つのスリット(例えば、第1のスリット115aと第2のスリット115bとである。)の間(3つの隙間である。)と、両端に位置する第1のスリット115aや第4のスリット115dの外側の部分(可撓性カバー部材115の両端部である。)と、がIDチップ81に設置された5つの突起85によって押圧されて、すべてのスリット115a~115dの開口が
図14(B)の左右方向に広げられることになる。
そして、このように構成した場合にも、コネクタ110の汚れや破損を生じにくくすることができる。そして、離間状態から接続状態に切り替わるときに、突起85によってスリット115a~115dが広げられるため、スリット115a~115dにコネクタ端子111~114が引っ掛かってしまうような不具合を軽減することができる。
【0052】
<変形例4>
図15に示すように、変形例4におけるコネクタ110は、硬質樹脂材料などの剛性材料からなる枠体119が設けられている。
この枠体119は、略四角筒状の部材であって、可撓性カバー部材115の外周を覆うように、ベース部116に保持されている。枠体119は、
図15(A)~(C)に示すコネクタ110とIDチップ81との接続時の動作(トナー容器32Yの着脱動作)を妨げないように構成されている。
このような枠体119を設けることで、外部からの力に対して可撓性カバー部材115の変形を防止することができ、これによりコネクタ端子111~114の変形も防止することができる。
そして、変形例4においても、コネクタ110の汚れや破損を生じにくくすることができる。
【0053】
<変形例5>
図16に示すように、変形例5では、画像形成装置100に設置されたコネクタではなくて、機器としてのスマートフォン200に設置されたコネクタ110に対して本発明を適用している。
詳しくは、スマートフォン200のコネクタ110には、電源側端子180に接続されるコネクタ端子150や、可撓性カバー部材115が設けられている。
電源側端子180は、電源ケーブル170を介して商用電源に接続されている。そして、コネクタ110のコネクタ端子150に電源側端子180が接続された状態で、電源ケーブル170,電源側端子180、コネクタ110を介して、商用電源からスマートフォン200に電力が供給されることになる。
ここで、コネクタ110の可撓性カバー部材115は、電源側端子180が接続されていない離間状態ではコネクタ端子150の全部又は一部を覆って、電源側端子180が接続された接続状態で電源側端子180に押されて撓んでコネクタ端子150と電源側端子180との接触を可能にするものである。
そして、変形例5においても、スマートフフォン200におけるコネクタ110(コネクタ端子150)の汚れや破損を生じにくくすることができる。さらに、コネクタ端子150の防水性、防錆性を高めることができるため、屋外の水場に近い場所などでの使用時において本発明の構成が有用になる。
なお、変形例5におけるスマートフォン200(コネクタ110)に対しても、先に実施の形態や、変形例1~4で説明した構成を採用することができる。
また、変形例5ではスマートフォン200に設置されたコネクタ110に対して本発明を適用したが、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスに設置されたコネクタに対しても本発明を適用することができる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態におけるコネクタ110は、IDチップ81(情報記憶媒体)が接続されるコネクタであって、IDチップ81の媒体側端子81a~81dに接続されるコネクタ端子111~114が設けられている。また、IDチップ81が接続されていない離間状態ではコネクタ端子111~114の全部又は一部を覆って、IDチップ81が接続された接続状態でIDチップ81に押されて撓んでコネクタ端子111~114と媒体側端子81a~81dとの接触を可能にする可撓性カバー部材115が設けられている。
これにより、コネクタ110の汚れや破損が生じにくくなる。
【0055】
なお、本実施の形態では、内部にトナーが収容された現像剤容器(着脱ユニット)としてのトナー容器32Yが着脱可能に設置される画像形成装置本体100(機器本体)に設置されたコネクタ110に対して本発明を適用した。これに対して、内部にインクが収容された現像剤容器(インクカートリッジ)が着脱可能に設置されるインクジェット方式の画像形成装置本体(機器本体)に設置されたコネクタに対しても、当然に本発明を適用することができる。さらには、トナーやインクが収容された現像剤容器に限らず、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される着脱ユニット(例えば、現像装置5Yや、プロセスカートリッジ(DTM、PCU、PCDU、AIOなど種々の方式のものである。)が着脱可能に設置される画像形成装置本体(機器本体)に設置されたコネクタに対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、情報記憶媒体としてIDチップ81を用いたが、情報記憶媒体はこれに限定されることなく、また情報を記憶するものに限定されることなく、例えば、情報記憶媒体としてICチップ、RFID、プリント基板、ICタグなどを用いることもできる。
また、本実施の形態では、IDチップ81にアース端子、クロック信号端子、シリアルデータ用端子、電源用端子の4種の端子が設けて、それに対応するようにコネクタ110に4つのコネクタ端子111~114を設けたが、それぞれの端子の数や種類はこれに限定されることはない。
また、本実施の形態では、IDチップ81(情報記憶媒体)が水平方向に移動して接続されるコネクタ110に対して本発明を適用したが、情報記憶媒体が水平方向以外の方向(例えば、斜め方向や垂直方向である。)に移動して接続されるコネクタに対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態ものと同様の効果を得ることができる。
【0056】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0057】
32Y トナー容器(着脱ユニット、現像剤容器)、
80 基板ユニット、
81 IDチップ(情報記憶媒体)、
81a~81d 媒体側端子、
85 突起、
100 画像形成装置(機器)、
110 コネクタ、
111~114 コネクタ端子、
115 可撓性カバー部材、
115a~115d スリット、
115x 凹部、
116 ベース部、
119 枠体、
150 コネクタ、
170 電源ケーブル、
180 電源側端子、
200 スマートフォン(機器)、
B スリットの周囲(防水処理部、又は、導電処理部)。
【0058】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~16の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
情報記憶媒体が接続されるコネクタであって、
前記情報記憶媒体の媒体側端子に接続されるコネクタ端子と、
前記情報記憶媒体が接続されていない離間状態では前記コネクタ端子の全部又は一部を覆って、前記情報記憶媒体が接続された接続状態で前記情報記憶媒体に押されて撓んで前記コネクタ端子と前記媒体側端子との接触を可能にする可撓性カバー部材と、
を備えたことを特徴とするコネクタ。
(付記2)
前記接続状態であるとき、撓んだ状態の前記可撓性カバー部材によって前記コネクタ端子と前記媒体側端子とが覆われることを特徴とする付記1に記載のコネクタ。
(付記3)
前記可撓性カバー部材は、前記離間状態から前記接続状態に移行する過程で、撓むことによって前記コネクタ端子に摺接することを特徴とする付記1又は付記2に記載のコネクタ。
(付記4)
前記可撓性カバー部材は、前記情報記憶媒体に対向する対向面に、前記コネクタ端子と前記媒体側端子との接触を可能にするスリットが形成されたことを特徴とする付記1~付記3のいずれかに記載のコネクタ。
(付記5)
前記可撓性カバー部材は、前記接続状態から前記離間状態に移行する過程で、撓んだ状態から元の状態に戻ることによって前記コネクタ端子に摺接することを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載のコネクタ。
(付記6)
前記可撓性カバー部材は、前記離間状態であるときに、前記スリットから前記コネクタ端子の先端部が露呈するように形成されたことを特徴とする付記5に記載のコネクタ。
(付記7)
前記可撓性カバー部材は、少なくとも前記スリットの周囲が防水処理されたことを特徴とする付記5又は付記6に記載のコネクタ。
(付記8)
前記可撓性カバー部材は、少なくとも前記スリットの周囲が導電処理されたことを特徴とする付記5~付記7のいずれかに記載のコネクタ。
(付記9)
前記スリットは、前記離間状態から前記接続状態に移行する過程で、前記情報記憶媒体に設置された突起が入り込んで、開口が広げられることを特徴とする付記5~付記8のいずれかに記載のコネクタ。
(付記10)
複数の前記スリットが隙間をあけて並設されて、
前記複数のスリットは、前記離間状態から前記接続状態に移行する過程で、前記情報記憶媒体に設置された突起が、前記可撓性カバー部材における、前記隙間の部分と、前記複数のスリットが形成された領域の外側と、を押圧して、それぞれ開口が広げられることを特徴とする付記5~付記8のいずれかに記載のコネクタ。
(付記11)
前記可撓性カバー部材は、前記情報記憶媒体に対向する対向面に、前記離間状態において前記コネクタ端子の先端部が露呈する凹部が形成されたことを特徴とする付記1~付記10のいずれかに記載のコネクタ。
(付記12)
前記可撓性カバー部材の外周を覆い、剛性材料からなる枠体を備えたことを特徴とする付記1~付記11のいずれかに記載のコネクタ。
(付記13)
前記可撓性カバー部材は、ゴム材料、ゴムスポンジ材料、発泡樹脂材料、繊維材料のうちいずれかの材料で形成されたことを特徴とする付記1~付記12のいずれかに記載のコネクタ。
(付記14)
電源側端子に接続されるコネクタ端子と、
前記電源側端子が接続されていない離間状態では前記コネクタ端子の全部又は一部を覆って、前記電源側端子が接続された接続状態で前記電源側端子に押されて撓んで前記コネクタ端子と前電源側端子との接触を可能にする可撓性カバー部材と、
を備えたことを特徴とするコネクタ。
(付記15)
機器本体に着脱ユニットが着脱可能に設置される機器であって、
前記機器本体は、付記1~付記14のいずれかに記載のコネクタが設置され、
前記着脱ユニットは、前記情報記憶媒体が設置され、
前記機器本体に対する前記着脱ユニットの装着動作に連動して前記コネクタに前記情報記憶媒体が接続されることを特徴とする機器。
(付記16)
前記機器本体は、画像形成装置本体であって、
前記着脱ユニットは、現像剤が収容された現像剤容器であって、
前記情報記憶媒体は、IDチップであって、
画像形成装置であることを特徴とする付記15に記載の機器。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】