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特開2024-175761ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車、およびその製造方法
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  • 特開-ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車、およびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175761
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/22 20060101AFI20241212BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
F04D29/22 H
F04D29/60 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093737
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】宦 晴ユン
(72)【発明者】
【氏名】中村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】香川 修作
(72)【発明者】
【氏名】趙 令家
(72)【発明者】
【氏名】野村 俊行
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 高幹
(72)【発明者】
【氏名】陳 思詠
(72)【発明者】
【氏名】うすい 幹
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA95C
3H130BA98C
3H130CB01
3H130CB12
3H130EA02C
3H130EB04C
3H130ED01C
(57)【要約】
【課題】スキュー付きの羽根車と同様の機能を生じさせて製造が容易である羽根車を提供する。
【解決手段】ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車であって、前記回転軸に固定される主板および側板と、前記主板と前記側板との間に配置されて螺旋状の複数の羽根を有する羽根部と、を備える羽根車が提案される。前記複数の羽根の外周側端部では、回転方向に向いた羽根面が、前記主板に接続されて回転軸心に平行に延在した第1直線部分と、前記側板に接続されて前記第1直線部分に連続する滑らかに傾いた第1曲線部分と、を有し、前記回転方向に背いた羽根面が、前記側板に接続されて前記回転軸心に平行に延在する第2直線部分と、前記主板に接続されて前記第2直線部分に連続する前記第1曲線部分と同一方向に滑らかに傾いた第2曲線部分と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車であって、
前記回転軸に固定される主板および側板と、
前記主板と前記側板との間に配置されて螺旋状の複数の羽根を有する羽根部と、
を備え、
前記複数の羽根の外周側端部では、
回転方向に向いた羽根面が、前記主板に接続されて回転軸心に平行に延在した第1直線部分と、前記側板に接続されて前記第1直線部分に連続する滑らかに傾いた第1曲線部分と、を有し、
前記回転方向に背いた羽根面が、前記側板に接続されて前記回転軸心に平行に延在する第2直線部分と、前記主板に接続されて前記第2直線部分に連続する前記第1曲線部分と同一方向に滑らかに傾いた第2曲線部分と、を有する、
羽根車。
【請求項2】
周方向において、前記第1曲線部分と前記第2曲線部分とは同一の長さを有する、請求項1に記載の羽根車。
【請求項3】
前記第1曲線部分と前記第2曲線部分とは同一の形状を有する、請求項1に記載の羽根車。
【請求項4】
前記第1曲線部分と前記第2曲線部分とのそれぞれは、一定の曲率の曲線状に構成される、請求項1から3の何れか1項に記載の羽根車。
【請求項5】
請求項1に記載の羽根車を製造するための製造方法であって、
外周側端部が主板側から側板側まで回転軸心に平行に延在するように形成された複数の羽根を模した羽根型を用意する工程と、
前記羽根型を用いてベース鋳型を形成する工程と、
前記ベース鋳型における前記第1曲線部分と前記第2曲線部分に対応する部分を切削して鋳型を形成する工程と、
前記鋳型を用いて前記羽根車を鋳造する工程と、
を含む、羽根車の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
羽根車をケーシング内で回転させることにより、液体にエネルギーを与えて液体(例えば水)を移送するターボ形ポンプとして、例えば、渦巻ポンプなどの遠心ポンプが知られている(特許文献1参照)。渦巻ポンプは、羽根車が固定される回転軸と、羽根車を収容して液体の流路を形成するケーシングとを備えている。渦巻ポンプは、羽根車をケーシング内で回転させることにより液体をケーシング内で昇圧し、昇圧された液体を吐出し口から外部に吐き出す。こうしたターボ型ポンプに使用される羽根車は、例えば鋳造などによって製造される(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-312187号公報
【特許文献2】実開平7-26044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ターボ形ポンプに用いられる羽根車では、複数の羽根の羽根面が出口側において周方向に傾斜するように、スキュー(羽根傾斜)が設けられる場合がある。スキューを設けることにより、例えば、設計点よりも少ない流量を移送するときの安定性を向上させてターボ型ポンプの機能を向上させることができる。しかし、羽根車にスキューを設けることは、羽根車形状の複雑化による製造上の問題を生じさせるおそれがある。一例として、スキューを有さない羽根車を鋳造で製造する場合には、砂型から羽根を模した木型を垂直に抜いて取り外すことができるが、スキュー付きの羽根車を鋳造で製造する場合、鋳型から木型を垂直に抜くことはできないため、砂型の製造が困難になり得る。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、スキュー付きの羽根車と同様の機能を生じさせて製造が容易である羽根車を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車であって、前記回転軸に固定される主板および側板と、前記主板と前記側板との間に配列される複数の羽根と、を備える羽根車が提案される。前記複数の羽根の外周側端部では、回転方向に向いた羽根面が、前記主板に接続されて回転軸心に平行に延在する第1直線部分と、前記側板に接続されて前記第1直線部分に連続する滑らかに傾いた第1曲線部分と、を有し、前記回転方向に背いた羽根面が、前記側板に接続されて前記回転軸心に平行に延在する第2直線部分と、前記主板に接続されて前記第2直線部分に連続する前記第1曲線部分と同一方向に滑らかに傾いた第2曲線部分と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る羽根車を模式的に示す側面図である。
図2図1に示す羽根車の流路を示す斜視図である。
図3図1に示す羽根車の流路を示す側面図である。
図4】スキュー無しの羽根車の流路の一例を模式的に示す斜視図である。
図5】スキュー無しの羽根車の流路の一例を模式的に示す側面図である。
図6】スキュー付きの羽根車の流路の一例を模式的に示す斜視図である。
図7】スキュー付きの羽根車の流路の一例を模式的に示す側面図である。
図8】一実施形態における羽根型とベース鋳型とを模式的に示す図である。
図9】一実施形態におけるベース鋳型を模式的に示す図である。
図10】一実施形態における鋳型を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る羽根車を模式的に示す側面図である。図1に示す羽根車10は、渦巻きポンプなどのターボ型ポンプの図示しない回転軸に固定され、回転軸の回転に伴って液体を圧送するように構成されている。羽根車10は、主板12と、側板14と、羽根部20と、を備えている。主板12と側板14とは、ターボ型ポンプの図示しない回転軸に固定される。羽根部20は、主板12と側板14との間に配置され、主板12と側板14とによって挟持される。なお、羽根部20は、主板12と側板14とを介して回転軸に固定されてもよいし、直接に回転軸に固定されてもよい。また、図1では、羽根部20における1つの羽根22の外周側端面にハッチングを付している。
【0010】
図2図3は、図1に示す羽根車10の流路を示す斜視図、側面図である。つまり、図2および図3では、羽根車10における主板12と側板14と羽根部20とによって画定される液体が通る流路が示されている。羽根部20は、周方向に等間隔に配置されて螺旋状に延びる複数(図2および図3に示す例では5つ)の羽根22を有している。なお、図2図3では、螺旋状の流路の隙間が羽根22に相当し、羽根部20および羽根22は間接的に示されている。複数の羽根22は、それぞれ同一形状である。複数の羽根22は、回転方向に向いて圧力面となる羽根面24と、回転方向に背いて負圧面となる羽根面26とを有する。複数の羽根22同士の隙間は、ターボ型ポンプの圧送対象である液体の流路となる。図2図3では、1つの羽根22における羽根面24と羽根面26とにハッチングを付して示している。羽根車10が回転することにより、液体は、内周側の流路入口16から外周側の流路出口18へと移送される。
【0011】
複数の羽根22の外周側端部(出口側端部)における形状について説明する。複数の羽根22の外周側端部では、回転方向に向いた羽根面24は、主板12に接続されて回転軸心Xc(図3参照)に平行に延在する第1直線部分241と、側板14に接続されて第1直線部分241に連続する滑らかに傾いた第1曲線部分242と、を有する。言い換えれば、第1直線部分241は、一端が主板12に接続されて複数の羽根22の羽根高さ方向(図1図3中、上下方向)に延びている。第1直線部分241は、一例として、主板12から、外周側端部における羽根高さHwのうち40%、50%、60%の領域を占める。また、第1曲線部分242は、第1直線部分241の他端から連続して側板14まで延びている。第1曲線部分242は、第1直線部分241から液体の流路が広がる方向に滑らかに傾いている。ここで、「滑らかに傾く」は、曲線部分が略接線連続であると言い換えることができ、好ましくは曲率連続であることを示す。また、第1曲線部分242は、第1直線部分241から側板14まで一定の曲率Raで形成されることが特に好ましい。曲率Raは、一例として、外周側端部の羽根高さHwの略2分の1である。
【0012】
複数の羽根22の外周側端部では、回転方向に背いた羽根面26は、側板14に接続されて回転軸心Xcに平行に延在する第2直線部分261と、主板12に接続されて第2直線部分261に連続する滑らかに傾いた第2曲線部分262と、を有する。つまり、第2
直線部分261は第1直線部分241に対して対角に位置し、第2曲線部分262は第1曲線部分242に対して対角に位置している。第2直線部分261は、一例として、側板14から、外周側端部における羽根高さHwのうち40%、50%、60%の領域を占める。第2直線部分261は、第1直線部分241と同一の長さであってもよい。また、第2曲線部分262は、第2直線部分261の他端から連続して主板12まで延びている。第2曲線部分262は、第2直線部分261から液体の流路が広がる方向に滑らかに傾いている。一例として、周方向において、第1曲線部分242の長さL1と第2曲線部分262の長さL2とは同一である。第2曲線部分262は、第2直線部分261から主板12まで一定の曲率Rbで形成されることが特に好ましい。曲率Rbは、一例として、外周側端部の羽根高さHwの略2分の1である。曲率Rbは、第1曲線部分242の曲率Raと同一であってもよく、第1曲線部分242と第2曲線部分262とは同一の形状を有してもよい。
【0013】
ここで、比較例の羽根車について説明する。図4図5は、スキュー無しの羽根車の流路の一例を模式的に示す斜視図、側面図であり、図6図7は、スキュー付きの羽根車の流路の一例を模式的に示す斜視図、側面図である。なお、図4図7では、図2図3と同様に、羽根部および羽根は間接的に示されている。図4図7に示す比較例の羽根車は、本実施形態の羽根車10と、複数の羽根22の外周側端部の形状が異なり、その他は概ね同一である。図4図5に示す羽根車110における複数の羽根122(羽根部120)の外周側端部では、回転方向に向いた羽根面124と回転方向に背いた羽根面126との両方が、主板から側板まで回転軸心Xcに沿って延びている。また、図6図7に示す羽根車210における複数の羽根222(羽根部220)の外周側端部では、回転方向に向いた羽根面224と回転方向に背いた羽根面226との両方が、主板から側板まで回転軸心Xcに対して傾斜した直線状となっている。こうした羽根傾斜は、スキューとも呼ばれる。図6図7に示すスキュー付きの羽根車210では、図4図5に示すスキュー無しの羽根車110に比して、羽根流路内の圧力場の適正化を図ることができ、例えば、低流量を移送するときの安定性を向上させることができる。一方、複数の羽根の外周側端部にスキューを付けると、羽根車の形状が複雑となり、特にスキュー近傍の形成が困難となり得る。
【0014】
これに対して、本実施形態の羽根車10は、複数の羽根22の外周側端部において、回転方向に向いた羽根面24と、回転方向に背いた羽根面26とが、対角位置に直線部分(第1直線部分241、第2直線部分261)と曲線部分(第1曲線部分242、第2曲線部分262)とを有するように形成されている。こうした本実施形態の羽根車10は、スキュー付きの羽根車210と似たように羽根流路内の圧力場の適正化を図ることができる。また、本実施形態の羽根車10は、スキュー付きの羽根車210に比して容易に製造することができる。
【0015】
続いて、本実施形態の羽根車10の製造方法について説明する。本実施形態の羽根車10は、一例として鋳造により製造することができる。ただし、羽根車10は、鋳造により製造されることに限定されるものではなく、例えば曲げ加工、切削加工などにより製造されてもよいし、AM装置を用いた付加製造により製造されてもよい。また、羽根車10は、例えば主板12、側板14、羽根部20が別々に形成されるなど、複数の部材が溶接または接着などで接続されることにより製造されてもよい。以下では、一例として、羽根車10を鋳造により製造する方法について更に説明する。
【0016】
一実施形態としての羽根車10を鋳造により製造する方法では、まず、外周側端部が主板側から側板側まで回転軸心に平行に延在するように形成された複数の羽根22Aを模した羽根型を用意する。一例として、図4および図5に示したスキュー無しの羽根車110の羽根部120と同一形状の型を羽根型とすることができる。羽根型は、任意の方法で用
意することができ、木材または樹脂などを切削加工したり、AM装置を用いた付加製造により製造したりすることができる。続いて、羽根型を用いてベース鋳型(ベース中子)を形成する。ベース鋳型は、一例として、羽根型の周りに鋳物砂を充填させて固めることにより形成することができる。図8は、一実施形態における羽根型とベース鋳型とを模式的に示す図である。図8では、羽根型の1つの羽根22Aの外周側端部とベース鋳型310とが示されている。ベース鋳型310が形成されると、ベース鋳型310から羽根型が取り外される。図9は、一実施形態におけるベース鋳型を模式的に示す図である。本実施形態では、羽根型は、複数の羽根22Aの外周側端部がスキュー無しで形成されているため、ベース鋳型310から垂直方向に抜いて取り外すことができる。これにより、例えば図6図7に示したスキュー付きの羽根車210を羽根型とした場合に比して、ベース鋳型310を容易に形成することができる。
【0017】
次に、ベース鋳型における第1曲線部分242と第2曲線部分262とに対応する部分を切削して鋳型(中子)を形成する。図10は、一実施形態における鋳型を模式的に示す図である。図10に示すように、スキュー無しの羽根型で形成されたベース鋳型310の一部が切削されることにより、鋳型320は、第1曲線部分242に対応する部分322と、第2曲線部分262に対応する部分324とを有する。なお、スキュー無しの羽根型で形成されたベース鋳型310の切削されていない部分が、第1直線部分241および第2直線部分261に対応する部分を構成する。このように、スキュー無しの羽根型を用いたベース鋳型310を形成して切削することにより、容易に羽根車10の鋳型320を形成することができる。そして、形成した鋳型320を用いて羽根車10を鋳造することにより、上記した羽根車10を容易に製造することができる。
【0018】
以上説明した本実施形態は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、ターボ形ポンプの回転軸に固定される羽根車が提案され、前記回転軸に固定される主板および側板と、前記主板と前記側板との間に配置されて螺旋状の複数の羽根を有する羽根部と、を備え、前記複数の羽根の外周側端部では、回転方向に向いた羽根面が、前記主板に接続されて回転軸心に平行に延在した第1直線部分と、前記側板に接続されて前記第1直線部分に連続する滑らかに傾いた第1曲線部分と、を有し、前記回転方向に背いた羽根面が、前記側板に接続されて前記回転軸心に平行に延在する第2直線部分と、前記主板に接続されて前記第2直線部分に連続する前記第1曲線部分と同一方向に滑らかに傾いた第2曲線部分と、を有する。形態1によれば、スキュー付きの羽根車と同様の機能を生じさせて製造が容易である羽根車を提供することができる。
【0019】
[形態2]形態2によれば、形態1において、周方向において、前記第1曲線部分と前記第2曲線部分とは同一の長さを有する。
【0020】
[形態3]形態3によれば、形態1または2において、前記第1曲線部分と前記第2曲線部分とは同一の形状を有する。
【0021】
[形態4]形態4によれば、形態1から3において、前記第1曲線部分と前記第2曲線部分とのそれぞれは、一定の曲率の曲線状に構成される。
【0022】
[形態5]形態5によれば、形態1から4の羽根車を製造するための製造方法が提案され、前記製造方法は、外周側端部が主板側から側板側まで回転軸心に平行に延在するように形成された複数の羽根を模した羽根型を用意する工程と、前記羽根型を用いてベース鋳型を形成する工程と、前記ベース鋳型における前記第1曲線部分と前記第2曲線部分に対応する部分を切削して鋳型を形成する工程と、前記鋳型を用いて前記羽根車を鋳造する工程と、を含む。形態5によれば、形態1から4の羽根車を、鋳造によって容易に製造することができる。
【0023】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0024】
10…羽根車
12…主板
14…側板
20…羽根部
22…羽根
24…羽根面
241…第1直線部分
242…第1曲線部分
26…羽根面
261…第2直線部分
262…第2曲線部分
20A…羽根型の羽根
310…ベース鋳型(ベース中子)
320…鋳型(中子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10