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特開2024-17592電子スピン伝送素子、発光装置、発光アレイ装置及びセンサ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017592
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電子スピン伝送素子、発光装置、発光アレイ装置及びセンサ装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/82 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H01L29/82 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120334
(22)【出願日】2022-07-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、防衛装備庁 「令和元年度安全保障技術研究推進制度委託事業」「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究」再委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】揖場 聡
(72)【発明者】
【氏名】大野 裕三
【テーマコード(参考)】
5F092
【Fターム(参考)】
5F092AC21
5F092BD03
5F092BD15
5F092BD23
5F092BD24
5F092BE21
(57)【要約】
【課題】電子の面内運動方向を制御することができる電子スピン伝送素子を提供する。
【解決手段】第1量子井戸層と、前記第1量子井戸層を挟むように配置された一対のバリア層と、を備え、前記第1量子井戸層は、主表面を(110)面とし、[001]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅が3μm以下の線状構造を有する、第1電子スピン伝送素子。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1量子井戸層と、
前記第1量子井戸層を挟むように配置された一対のバリア層と、
を備え、
前記第1量子井戸層は、主表面を(110)面とし、[001]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅が3μm以下の線状構造を有する、第1電子スピン伝送素子。
【請求項2】
前記第1量子井戸層が閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体からなる、請求項1に記載の第1電子スピン伝送素子。
【請求項3】
一対の前記バリア層の少なくとも一方の前記第1量子井戸層側とは反対側の表面に配置された第1磁性体を更に備える、請求項1又は2に記載の第1電子スピン伝送素子。
【請求項4】
一対の前記バリア層の少なくとも一方の前記第1量子井戸層側とは反対側の表面に配置され、電場を発生する第1電場発生部を更に備える、請求項1又は2に記載の第1電子スピン伝送素子。
【請求項5】
第2量子井戸層と、
前記第2量子井戸層を挟むように配置された一対のバリア層と、
を備え、
前記第2量子井戸層は、主表面を(110)面とし、[-110]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅が3μm以下の線状構造を有する、第2電子スピン伝送素子。
【請求項6】
前記第2量子井戸層が閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体からなる、請求項5に記載の第2電子スピン伝送素子。
【請求項7】
一対の前記バリア層の前記第2量子井戸層側とは反対側の表面に配置された第2磁性体を更に備える、請求項5又は6に記載の第2電子スピン伝送素子。
【請求項8】
請求項4に記載の第1電子スピン伝送素子と、
前記第1電子スピン伝送素子の前記第1量子井戸層の延在方向一端部に配置された発光素子と、
を備え、
前記発光素子は、前記第1量子井戸層の延在方向一端部に接続された活性層を有する、発光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の発光装置の複数と、
複数の前記発光装置に接続された請求項5に記載の第2電子スピン伝送素子と、
を備え、
複数の前記発光装置の前記第1量子井戸層の延在方向他端部は、それぞれ前記第2電子スピン伝送素子の前記第2量子井戸層に接続されている、発光アレイ装置。
【請求項10】
請求項1に記載の第1電子スピン伝送素子と、
前記第1電子スピン伝送素子の前記第1量子井戸層の延在方向一端部に配置された発光素子と、
前記発光素子にて発生した光の偏光を検出する偏光検出器と、
を備え、
前記発光素子は、前記第1量子井戸層の延在方向一端部に接続された活性層を有する、センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子スピン伝送素子、発光装置、発光アレイ装置及びセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子スピンを伝送する電子スピン伝送素子として、量子井戸層と、その量子井戸層を挟むように配置された一対のバリア層とを備える積層体からなる量子井戸構造が知られている。量子井戸構造は、一対のバリア層のバンドギャップが量子井戸層のバンドギャップよりも大きいことによって、量子井戸層に電子を閉じ込める。そのため、量子井戸層の電子の運動方向は面内に制限される。量子井戸層及びバリア層はそれぞれ、閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体で構成されている。バリア層を構成するIII-V族化合物半導体としてはAlGaAsが、量子井戸層を構成する半導体としてはGaAsがそれぞれ広く利用されている。
【0003】
閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体を材料とする量子井戸構造の電子スピン伝送素子として、量子井戸層の主表面が(110)面とされた(110)面量子構造の素子が知られている(特許文献1)。(110)面量子構造の電子スピン伝送素子において、量子井戸層内の電子スピンの歳差運動周波数を変調する方法として、量子井戸層に磁場を印加する方法が知られている(特許文献2)。また、量子井戸構造の電子スピン伝送素子を用いた発光装置が知られている(特許文献3)。
【0004】
また、量子井戸構造の電子スピン伝送素子として、量子井戸層の主表面が(001)面とされた(001)面量子構造の素子が知られている。非特許文献1には、(001)面量子構造の電子スピン伝送素子として、[100]方向、[110]方向、[010]方向、[-110]方向に量子井戸層を延在したGaAs/AlGaAs細線が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-269442号公報
【特許文献2】特開2015-225870号公報
【特許文献3】特開2018-10897号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J.Ishihara,M.Ono,Y.Ohno,H.Ohno,Appl.Phys.Lett.102,212402(2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(001)面量子構造では、有効磁場が面直方向ではないため、面直方向を向いた電子スピンを、その面直方向を維持したまま長距離伝送することは難しい。一方、(110)面量子井戸構造では、[001]方向以外に運動する電子に対する有効磁場が面直方向を向き、その電子に作用する有効磁場の大きさが電子の面内運動に応じて分布を取ることが知られている。しかし、(110)面量子井戸構造では電子の面内運動方向を制御することができないため、有効磁場の精緻な制御が困難である。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電子の面内運動方向を制御することができる電子スピン伝送素子を提供することを目的とする。また、この発明は、電子の面内運動方向を制御することができる電子スピン伝送素子を用いた発光装置、発光アレイ装置およびセンサ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0010】
[1]第1量子井戸層と、前記第1量子井戸層を挟むように配置された一対のバリア層と、を備え、前記第1量子井戸層は、主表面を(110)面とし、[001]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅が3μm以下の線状構造を有する、第1電子スピン伝送素子。
[2]前記第1量子井戸層が閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体からなる、[1]に記載の第1電子スピン伝送素子。
[3]一対の前記バリア層の少なくとも一方の前記第1量子井戸層側とは反対側の表面に配置された第1磁性体を更に備える、[1]又は[2]に記載の第1電子スピン伝送素子。
[4]一対の前記バリア層の少なくとも一方の前記第1量子井戸層側とは反対側の表面に配置され、電場を発生する第1電場発生部を更に備える、[1]から[3]のいずれかに記載の第1電子スピン伝送素子。
【0011】
[5]第2量子井戸層と、前記第2量子井戸層を挟むように配置された一対のバリア層と、を備え、前記第2量子井戸層は、主表面を(110)面とし、[-110]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅が3μm以下の線状構造を有する、第2電子スピン伝送素子。
[6]前記第2量子井戸層が閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体からなる、[5]に記載の第2電子スピン伝送素子。
[7]一対の前記バリア層の前記第2量子井戸層側とは反対側の表面に配置された第2磁性体を更に備える、[5]又は[6]に記載の第2電子スピン伝送素子。
【0012】
[8][4]に記載の第1電子スピン伝送素子と、前記第1電子スピン伝送素子の前記第1量子井戸層の延在方向一端部に配置された発光素子と、を備え、前記発光素子は、前記第1量子井戸層の延在方向一端部に接続された活性層を有する、発光装置。
[9][8]に記載の発光装置の複数と、複数の前記発光装置に接続された[5]に記載の第2電子スピン伝送素子と、を備え、複数の前記発光装置の前記第1量子井戸層の延在方向他端部は、それぞれ前記第2電子スピン伝送素子の前記第2量子井戸層に接続されている、発光アレイ装置。
[10][1]に記載の第1電子スピン伝送素子と、前記第1電子スピン伝送素子の第1量子井戸層の延在方向一端部に配置された発光素子と、前記発光素子にて発生した光の偏光を検出する偏光検出器と、を備え、前記発光素子は、前記第1量子井戸層の延在方向一端部に接続された活性層を有する、センサ装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電子の面内運動方向を制御することができる電子スピン伝送素子を提供することが可能となる。また、本発明によれば、電子の面内運動方向を制御することができる電子スピン伝送素子を用いた発光装置、発光アレイ装置およびセンサ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る第1電子スピン伝送素子の斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る第1電子スピン伝送素子の一変形例を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る第2電子スピン伝送素子の斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る第2電子スピン伝送素子の一変形例を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る発光アレイ装置の斜視図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るセンサ装置の斜視図である。
図8図8は、本シミュレーションにおいて算出したスピン角度の定義を示す概念図である。
図9図9は、第1量子井戸層のラシュバ係数と第1量子井戸層内の電子のスピン角度との関係をシミュレーションによって算出した結果である。
図10図10は、第1電子スピン伝送素子の第1量子井戸層から発光素子(LED素子)の活性層に注入される電子スピンのスピン角度と発光素子に発光する発光光の発光円偏光度との関係をシミュレーションによって算出した結果である。
図11】第1電子スピン伝送素子の第1量子井戸層から発光素子(レーザ発光素子)の活性層に注入される電子スピンのスピン角度と、発光素子にて発光する発光光の発光円偏光度と関係をシミュレーションによって算出した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の電子スピン伝送素子、発光装置、発光アレイ装置およびセンサ装置について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0016】
[電子スピン伝送素子]
(第1電子スピン伝送素子)
図1は、本発明の一実施形態に係る第1電子スピン伝送素子の斜視図である。
図1に示すように、第1電子スピン伝送素子10aは、第1量子井戸層12と、第1量子井戸層12を挟むように配置された一対のバリア層(第1下側バリア層11、第1上側バリア層13)と、を備える。第1量子井戸層12は、主表面を(110)面とし、[001]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向([-110]方向)の幅Wが3μm以下の線状構造を有する。第1下側バリア層11、第1量子井戸層12及び第1上側バリア層13の積層方向は、[110]方向とされている。
【0017】
第1下側バリア層11、第1量子井戸層12及び第1上側バリア層13はそれぞれ、半導体で構成されている。第1下側バリア層11、第1量子井戸層12及び第1上側バリア層を構成する半導体は、例えば、閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体であってもよい。第1下側バリア層11及び第1上側バリア層13を構成する半導体は、第1量子井戸層12を構成する半導体よりもバンドギャップが大きい。このため、第1量子井戸層12に電子が閉じ込められる。第1下側バリア層11及び第1上側バリア層13を構成する半導体としては、例えば、AlGaAsを用いることができる。第1量子井戸層12を構成する半導体としては、例えば、GaAsを用いることができる。
【0018】
第1量子井戸層12は、[001]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅Wが3μm以下の線状構造であるので、第1量子井戸層12に閉じ込められた電子スピン1は、第1量子井戸層12の延在方向([001]方向)に移動する。延在方向に移動する電子スピン1が感じるドレッセルハウス有効磁場(結晶構造由来の電場によって生成する有効磁場)はゼロである。このため、第1量子井戸層12内の電子スピン1(偏極)は磁場に敏感に応答して歳差運動する。また、第1量子井戸層12の幅Wが3μm以下とされているので、面直方向に電場を印加することにより、歳差運動によって電子スピン1のスピン角度が変化する方向を第1量子井戸層12の延在方向に沿う方向に制限できる。したがって、第1電子スピン伝送素子10aは、環境磁場(外部から印加される磁場)またはラシュバ有効磁場(電場の印加によって発生する有効磁場)により、第1量子井戸層12の延在方向に沿って電子スピン1のスピン角度を変化させることができるという特徴を持つ。
【0019】
第1量子井戸層12の延在方向に垂直な方向の幅Wは2μm以下であってもよい。また、第1量子井戸層12の延在方向に垂直な方向の幅Wは0.1μm以下であってもよい。第1量子井戸層12の積層方向([110]方向)の厚さは、特に制限はないが、例えば、2nm以上100nm以下の範囲内である。
【0020】
第1下側バリア層11のサイズは、特に制限はない。図1において、第1下側バリア層11の長さ及び幅は、第1量子井戸層12と同じであるが、これに限定されるものではない。第1下側バリア層11の長さ及び幅は、第1量子井戸層12よりも大きくてもよい。第1下側バリア層11の厚さは、特に制限はないが、例えば、0.1nm以上10μm以下の範囲内である。
【0021】
第1上側バリア層13のサイズは、特に制限はない。図1において、第1上側バリア層13の長さ及び幅は、第1量子井戸層12と同じであるが、これに限定されるものではない。第1上側バリア層13の長さ及び幅は、第1量子井戸層12よりも大きくてもよい。第1上側バリア層13の厚さは、特に制限はないが、例えば、0.1nm以上10μm以下の範囲内である。
【0022】
第1電子スピン伝送素子10aは、例えば、基板(不図示)の上に、第1下側バリア層11、第1量子井戸層12、第1上側バリア層13をこの順で積層する方法によって製造することができる。第1下側バリア層11、第1量子井戸層12及び第1上側バリア層13を積層する方法としては、分子線エピタキシー法や化学気相成長法を用いることができる。基板としては、例えば、主表面が(110)面である閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物を用いてもよい。第1下側バリア層11、第1量子井戸層12及び第1上側バリア層13の長さや幅は、成膜時に調整してもよいし、エッチング法などの微細加工技術により調整してもよい。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態に係る第1電子スピン伝送素子の一変形例を示す斜視図である。
図2に示す第1電子スピン伝送素子10bは、第1下側バリア層11と第1量子井戸層12と第1上側バリア層13とを備える第1電子スピン伝送素子10aの第1上側バリア層13の第1量子井戸層12側とは反対側の表面に第1磁性体14と第1電場発生部15とを配置した素子である。なお、第1磁性体14と第1電場発生部15は、第1下側バリア層11の第1量子井戸層12側とは反対側の表面に配置してもよい。
【0024】
第1磁性体14は、第1量子井戸層12に電子スピン1を注入するための注入電極として作用する。第1磁性体14としては、例えば、強磁性体を用いることができる。強磁性体の例としては、鉄、コバルト、ニッケル、およびその合金、フェライトなどを挙げることができる。第1磁性体14と第1上側バリア層13との間に、トンネル絶縁層を介在させてもよい。トンネル絶縁層の材料としては、例えば、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ガリウムを用いることができる。
【0025】
第1電場発生部15は、例えば、電極板であって、第1電場発生部15から第1量子井戸層12に対して面直電場を印加するように構成されていてもよい。面直電場の環境で[001]方向に運動する電子は[-110]方向軸に沿ったラシュバ有効磁場を感じ、その磁場を軸として歳差運動することでスピン方向が回転する。電極板としては、例えば、金、アルミニウムを用いることができる。
【0026】
電子スピン1のスピン角度は、電子スピン1に印加する電場の強度によって制御することができる。なお、図2においては、電子スピン1のスピン角度は、面直方向に上向き(第1上側バリア層13側向き)から電子スピン1から面直方向に下向き(第1下側バリア層11側向き)の電子スピン2と180度変化しているが、電子スピン1のスピン角度の変化量はこれに制限されるものでない。電子スピン1のスピン角度は、例えば、印加電場を強くすること、第1電場発生部15の長さを長くすることによって180度以上変化させることも可能である。
【0027】
(第2電子スピン伝送素子)
図3は、本発明の一実施形態に係る第2電子スピン伝送素子の斜視図である。
図3に示すように、第2電子スピン伝送素子20aは、第2量子井戸層22と、第2量子井戸層22を挟むように配置された一対のバリア層(第2下側バリア層21、第2上側バリア層23)と、を備える。第2量子井戸層22は、主表面を(110)面とし、[-110]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅Wが3μm以下の線状構造を有する。
【0028】
第2下側バリア層21、第2量子井戸層22及び第2上側バリア層23はそれぞれ、半導体で構成されている。第2下側バリア層21、第2量子井戸層22及び第2上側バリア層23を構成する半導体の例はそれぞれ、上述の第1電子スピン伝送素子10aの第1下側バリア層11、第1量子井戸層12及び第1上側バリア層13の場合と同じである。
【0029】
第2量子井戸層22は、[-110]方向に延在し且つ延在方向に垂直な方向の幅Wが3μm以下の線状構造であるので、第2量子井戸層22に閉じ込められた電子スピン1は、第2量子井戸層22の延在方向([-110]方向)に移動する。[-110]方向に沿って運動する電子スピン1が感じるドレッセルハウス有効磁場は面直方向である。このため、電子スピン1は、ドレッセルハウス有効磁場によって面直方向に固定される。したがって、第2電子スピン伝送素子20aは、電子スピン1の緩和時間が長く、スピン情報を長距離伝送できるという特徴を持つ。
【0030】
第2量子井戸層22の延在方向に垂直な方向([-001]方向)の幅Wは2μm以下であってもよい。また、第2量子井戸層22の延在方向に垂直な方向の幅Wは0.1μm以下であってもよい。第1量子井戸層12の積層方向([110]方向)の厚さは、特に制限はないが、例えば、2nm以上100nm以下の範囲内である。
【0031】
第2下側バリア層21及び第2上側バリア層23のサイズは、特に制限はない。第2下側バリア層21及び第2上側バリア層23のサイズはそれぞれ、上述の第1電子スピン伝送素子10aの第1下側バリア層11及び第1上側バリア層13の場合と同様であってもよい。
【0032】
第2電子スピン伝送素子20aは、例えば、第2下側バリア層21の上に、第2量子井戸層22と第2上側バリア層23とをこの順で積層する方法によって製造することができる。第2下側バリア層21、第2量子井戸層22及び第2上側バリア層23を積層する方法並びにそれらの長さや幅の調整方法は、上述の第1電子スピン伝送素子10aの場合と同様である。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る第2電子スピン伝送素子の一変形例を示す斜視図である。
図4に示す第2電子スピン伝送素子20bは、図3に示す第2電子スピン伝送素子20aの第2上側バリア層23の第2量子井戸層22側とは反対側の表面に配置された第2磁性体24を更に備える。なお、第2磁性体24は、第2下側バリア層21の第1量子井戸層12側とは反対側の表面に配置してもよい。
【0034】
第2磁性体24は、第2量子井戸層22を移動する電子スピン1が注入され、注入された電子スピン1が第2量子井戸層22に再度注入される中継器として作用する。電子スピン1は伝送中に環境磁気ノイズ等によりスピンが乱されるため、徐々にスピン信号が減衰することがある。そこで、第2磁性体24を設けることで、より一層の長距離伝送が可能となる。電子スピン1が第2磁性体24に注入することで、第2磁性体24の磁化方向が電子スピン方向へ揃う。即ち、伝送される電子スピン1のスピン情報を第2磁性体24に一時記憶させる。次に、第2磁性体24にバイアスを印加して、第2磁性体24から第2量子井戸層22へ電子スピン1を注入することで、再び電子スピンを伝送する。これを繰り返すことで、電子スピン1のスピン情報の長距離伝送が可能となる。
【0035】
第2磁性体24としては、強磁性体を用いることができる。強磁性体の例としては、鉄、コバルト、ニッケル、およびその合金、フェライトなどを挙げることができる。第2磁性体24の間隔は、特に制限はないが、例えば、100μm以下である。
【0036】
[発光装置・発光アレイ装置]
図5は、本発明の一実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図5に示すように、発光装置30aは、第1電子スピン伝送素子10bと、第1電子スピン伝送素子10bの第1量子井戸層12の延在方向一端部に配置された発光素子31aと、を備える。
【0037】
第1電子スピン伝送素子10bは、第1下側バリア層11と第1量子井戸層12と第1上側バリア層13とを備える第1電子スピン伝送素子10aの第1上側バリア層13の第1量子井戸層12側とは反対側の表面に第1磁性体14と第1電場発生部15とを配置した素子である。第1電子スピン伝送素子10bは、第1電場発生部15によって、第1量子井戸層12内の電子に印加される電場の強度を調整することによって電子スピン1のスピン角度を制御する。なお、第1電子スピン伝送素子10bは、第1磁性体14を有しているが、第1量子井戸層12に電子が注入されるように構成されていれば、第1磁性体14を省略してもよい。
【0038】
発光素子31aは、下側バリア層32と、活性層33と、上側バリア層34と、正孔注入電極35とが、この順で積層された円柱状のLEDまたはレーザ発光素子とされている。正孔注入電極35は円環状であり、円環状の正孔注入電極35の中央は、上側バリア層34が露出されるように構成されている。下側バリア層32及び上側バリア層34は、電子および正孔を閉じ込める機能を有する。さらに上側バリア層34は、正孔を輸送する機能を有する。活性層33は、第1量子井戸層12の延在方向一端部に接続されている。下側バリア層32、活性層33及び上側バリア層34はそれぞれ、半導体で構成されている。下側バリア層32、活性層33及び上側バリア層34を構成する半導体は、閃亜鉛鉱構造のIII-V族化合物半導体であってもよい。下側バリア層32及び上側バリア層34を構成する半導体は、第1電子スピン伝送素子10bの第1下側バリア層11及び第1上側バリア層13と同じ材料であってもよく、例えば、AlGaAsを用いることができる。活性層33を構成する半導体は、第1電子スピン伝送素子10bの第1量子井戸層12と同じ材料であってもよく、例えば、GaAsを用いることができる。なお、発光装置30aにおいて、発光素子31aの上側バリア層34は、第1電子スピン伝送素子10bの第1上側バリア層13と比較して、厚さが厚くなっているが、発光素子31aの上側バリア層34の厚さは特に制限はない。発光素子31aの上側バリア層34の厚さは、第1電子スピン伝送素子10bの第1上側バリア層13と同じであってもよいし、第1電子スピン伝送素子10bの第1上側バリア層13よりも薄くてもよい。
【0039】
発光装置30aは、次のようにして発光する。
まず、第1電子スピン伝送素子10bの第1磁性体14から第1量子井戸層12に電子スピン1が注入される。注入された電子スピン1は、発光素子31aに向かって第1量子井戸層12内を移動する。第1量子井戸層12内を移動する電子スピン1は、第1電場発生部15にて電場が印加されることによって発生するラシュバ有効磁場によりスピン角度が制御される。スピン角度が制御された電子スピン2は発光素子31aの活性層33に注入される。活性層33において、第1電子スピン伝送素子10bの第1量子井戸層12から注入された電子スピン2と正孔注入電極35から上側バリア層34を介して送られた正孔とが結合されて発光光3が生成する。生成した発光光3は、上側バリア層34を介して、円環状の正孔注入電極35の中央から取りされる。発光光3の偏光は、第1量子井戸層12から伝送される電子スピンの状態によって切り替えることが可能となる。例えば、電子スピンのスピン角度が、面直方向に上向き(第1上側バリア層13側向き)となる角度の電子スピン1である場合、発光光3は左円偏光となり、面直方向に下向き(第1下側バリア層11側向き)となる角度の電子スピン2の場合は、発光光3は右円偏光となる。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態に係る発光アレイ装置の斜視図である。
図6に示す発光アレイ装置300は、3つの発光装置30aと、3つの発光装置30aに接続された第2電子スピン伝送素子20bと、を備える。
【0041】
発光装置30aは、第1電子スピン伝送素子10cと、発光素子31aとを備える。第1電子スピン伝送素子10cは、第1磁性体14を有しないこと以外は、上述の第1電子スピン伝送素子10bと同じである。すなわち、第1電子スピン伝送素子10cは、第1下側バリア層11と第1量子井戸層12と第1上側バリア層13とを備える第1電子スピン伝送素子10aの第1上側バリア層13の第1量子井戸層12側とは反対側の表面に第1電場発生部15を配置した素子である。
発光素子31aは、上述の発光素子31aと同じである。
【0042】
第2電子スピン伝送素子20bは、第2下側バリア層21と第2量子井戸層22と第2上側バリア層23とを備える第2電子スピン伝送素子20aの第2上側バリア層23の第2量子井戸層22側とは反対側の表面に第2磁性体24a、24bを配置した素子である。第2磁性体24aは、第2量子井戸層22に電子スピン1を注入する電子スピン1の注入電極として作用する。第2磁性体24bは、第2量子井戸層22を移動する電子スピン1が注入され、注入された電子スピン1が第2量子井戸層22に再度注入する中継器として作用する。第2磁性体24a、24bとしては、強磁性体を用いることができる。強磁性体の例としては、鉄、コバルト、ニッケル、およびその合金、フェライトなどを挙げることができる。
【0043】
3つの発光装置30aの第1量子井戸層12の延在方向における他端部は、それぞれ第2電子スピン伝送素子20bの第2量子井戸層22に接続されている。なお、図6に示す発光アレイ装置300において、発光素子31aは3つとされているが、発光素子31aの数はこれに限定されるものではない。発光素子31aは、4つ以上であってもよく、また2つであってもよい。
【0044】
発光アレイ装置300は、次のようにして発光する。
まず、第2電子スピン伝送素子20bの第2磁性体24aから第2量子井戸層22に電子スピン1が注入される。注入された電子スピン1は、第2量子井戸層22の延在方向に沿って移動する。第2量子井戸層22内を移動する電子スピン1の一部は、第1電子スピン伝送素子10cの第1量子井戸層12に移動する。移動した電子スピン1は、発光素子31aに向かって第1量子井戸層12内を伝送される。第1量子井戸層12内を移動する電子スピン1は、第1電場発生部15にて電場が印加されることによって発生するラシュバ有効磁場によりスピン角度が制御される。スピン角度が制御された電子スピンが発光素子31aに注入されることによって発光光3が生成する。
【0045】
発光アレイ装置300は、例えば、基板の上に、バリア層(AlGaAs)、量子井戸層(GaAs)、バリア層(AlGaAs)をこの順で積層する。得られた積層体を[001]方向と[-110]方向とに沿って切断して、[001]方向と[-110]方向と延在した積層体を得る。次いで、切断後の積層体を、第1電子スピン伝送素子10c、第2電子スピン伝送素子20b及び発光装置30aを形成するようにエッチングする。
【0046】
以上のような構成とされた発光装置30a及び発光アレイ装置300によれば、第1電子スピン伝送素子10b、10cの第1量子井戸層12を移動する電子スピン1のスピン角度が環境磁場4によって変化しやすいので、発光円偏光度が異なる発光光を確実に得ることができる。
【0047】
[センサ装置]
図7は、本発明の一実施形態に係るセンサ装置の斜視図である。
図7に示すように、センサ装置40は、第1電子スピン伝送素子10dと、第1電子スピン伝送素子10dの第1量子井戸層12の延在方向一端部に配置された発光素子31と、発光素子31にて発生した光の偏光を検出する偏光検出器41と、を備える。
【0048】
第1電子スピン伝送素子10dは、第1電場発生部15を有しないこと以外は、上述の第1電子スピン伝送素子10bと同じである。
【0049】
発光素子31は、下側バリア層32と、活性層33と、上側バリア層34と、正孔注入電極35とが、この順で積層された円柱状のLED発光素子とされている。発光素子31の活性層33は、第1量子井戸層12の延在方向一端部に接続されている。下側バリア層32、活性層33、上側バリア層34及び正孔注入電極35の材料は、上述の発光素子31aの場合と同じである。
【0050】
センサ装置40は、次のようにして環境磁場を検出する。
まず、第1電子スピン伝送素子10dの第1磁性体14から第1量子井戸層12に電子スピン1が注入される。注入された電子スピン1は、発光素子31に向かって第1量子井戸層12内を移動する。第1量子井戸層12内を移動する電子スピン1は、検知部42で検知された環境磁場4が印加されることによってスピン角度が変化する。スピン角度が変化した電子スピン2は発光素子31の活性層33に注入される。活性層33において、第1電子スピン伝送素子10bの第1量子井戸層12から注入された電子スピンと正孔注入電極35から上側バリア層34を介して送られた正孔とが結合されて発光光3が生成する。生成した発光光3は、上側バリア層34を介して、円環状の正孔注入電極35の中央から取りされる。取り出された発光光3の偏光を、偏光検出器41で検出する。
【0051】
以上のような構成とされたセンサ装置40によれば、第1電子スピン伝送素子10dの第1量子井戸層12を移動する電子スピン1のスピン角度が環境磁場4によって変化しやすいので、環境磁場4を精度よく検出することができる。
【0052】
[シミュレーション]
次に、本発明の効果を、シミュレーションによって検証した。その結果を説明する。
図8は、本シミュレーションにおいて算出したスピン角度の定義を示す概念図である。本シミュレーションでは、電子スピンのスピン角度は、量子井戸層の[001]方向(延在方向)と電子スピンの向きとがなす角度とした。電子スピンの向きが、[00-1]方向であるときのスピン角度をゼロとした。また、電子スピンの向きが半時計周りとなる方向にあるときのスピン角度を正とし、電子スピンの向きが時計周りとなる方向にあるときのスピン角度を負とした。
【0053】
(シミュレーション結果1)
図2に示す第1電子スピン伝送素子10bを想定した。第1量子井戸層12のラシュバ係数と第1量子井戸層12内の電子のスピン角度との関係をシミュレーションによって算出した。シミュレーションの条件は、第1量子井戸層12の材料:GaAs、延在方向に垂直な方向の幅:1μm、延在方向に沿う方向の長さ:10μm、厚さ:20nmとし、第1電場発生部15を幅:1μm、長さ:7μmの金属板とした。その結果を、図9に示す。
【0054】
図9のグラフにおいて、横軸は、第1量子井戸層12のラシュバ係数を示し、横軸は、第1量子井戸層12内の電子のスピン角度を示す。図9のグラフから、第1量子井戸層12のラシュバ係数と第1量子井戸層12内の電子のスピン角度とが高い相関性を有することが確認された。ラシュバ係数は、ラシュバ有効磁場を発生させるために印加される電場の大きさと比例関係にある。したがって、図9のグラフから、本シミュレーションの条件にある第1電子スピン伝送素子10bは、第1電場発生部15から面直方向に第1量子井戸層12に印加される電場の大きさと、第1量子井戸層12内の電子のスピン角度とが高い相関性を示すことがわかる。
【0055】
(シミュレーション結果2)
図5に示す発光装置30aを想定した。第1電子スピン伝送素子10bの第1量子井戸層12から発光素子31aの活性層33に注入される電子スピンのスピン角度と発光素子31aに発光する発光光3の発光円偏光度との関係をシミュレーションによって算出した。シミュレーションの条件は、スピン寿命:1ns、キャリア寿命:1nsとした。その結果を、図10に示す。
【0056】
図10のグラフにおいて、横軸は、スピン角度を示し、横軸は、発光円偏光度を示す。図10のグラフから、発光装置30aにて得られる発光光の発光円偏光度は、活性層33に注入される電子スピンのスピン角度と高い相関性を有することが確認された。したがって、図10のグラフから、本発明に従う発光装置によれば、第1電場発生部15から面直方向に第1量子井戸層12に印加される電場の強さを調整することによって、発光円偏光度が異なる発光光を得ることが可能となることがわかる。また、図10のグラフから、発光素子にて得られた発光光の発光円偏光度から活性層33に注入される電子スピンのスピン角度を精度よく予測することが可能であることわかる。よって、本発明に従うセンサ装置によれば、発光光の発光円偏光度から環境磁場の強さを計測することが可能となることがわかる。
【0057】
(シミュレーション結果3)
図5に示す発光装置30aにおいて、発光素子31aがレーザ発光素子である場合を想定した。第1電子スピン伝送素子10bの第1量子井戸層12からレーザ発光素子の活性層に注入される電子スピンのスピン角度と、レーザ発光素子にて発光する発光光の発光円偏光度と関係をシミュレーションによって算出した。シミュレーションの条件は、スピン寿命:1ns、キャリア寿命:1nsとした。その結果を、図11に示す。
【0058】
図11のグラフにおいて、横軸は、スピン角度を示し、横軸は、発光円偏光度を示す。図11のグラフから、発光素子31aがレーザ発光素子である場合は、レーザ光の閾値特性によりスピン角度と発光円偏光度は非線形な関係となること、わずかなスピン角度で100%の円偏光度を得ることができることがわかる。このため、レーザ発光素子を用いた本発明の発光装置によれば、第1電場発生部15から第1量子井戸層12に印加する電場を変えて、電子スピンのスピン角度を制御することよって、円偏光切替光源を実現できることがわかる。
【符号の説明】
【0059】
1 電子スピン
2 電子スピン
3 発光光
4 環境磁場
10a、10b、10c、10d 第1電子スピン伝送素子
11 第1下側バリア層
12 第1量子井戸層
13 第1上側バリア層
14 第1磁性体
15 第1電場発生部
20a、20b 第2電子スピン伝送素子
21 第2下側バリア層
22 第2量子井戸層
23 第2上側バリア層
24 第2磁性体
24a、24b 第2磁性体
30a 発光装置
31、31a 発光素子
32 下側バリア層
33 活性層
34 上側バリア層
35 正孔注入電極
40 センサ装置
41 偏光検出器
42 検知部
300 発光アレイ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11