(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175936
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】切削ブレードの目立て方法
(51)【国際特許分類】
B24B 53/00 20060101AFI20241212BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20241212BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20241212BHJP
B24D 3/02 20060101ALI20241212BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B24B53/00 K
B24B53/12 Z
B24B49/10
B24D3/02 310A
B24B53/00 A
H01L21/78 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094047
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落合 弘毅
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C063
5F063
【Fターム(参考)】
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB73
3C034BB92
3C034CA07
3C034CA12
3C034CB01
3C034DD10
3C034DD20
3C047AA05
3C047AA16
3C047AA32
3C047EE04
3C047EE09
3C047EE18
3C063AA02
3C063BA02
3C063BB02
3C063BB03
3C063BC02
3C063BC03
3C063BC05
3C063BD01
3C063BD04
3C063EE01
3C063EE26
3C063FF01
5F063AA22
5F063AA40
5F063DD22
(57)【要約】
【課題】切削ブレードの切り刃に所望の目立てを行うことを可能とする切削ブレードの目立て方法を提供すること。
【解決手段】切削ブレードの目立て方法は、導電性を有するドレッサーボードを、導電性を有する保持テーブルの保持面に保持する保持ステップ1001と、スピンドルの先端に装着された切削ブレードをドレッサーボードに対して下降させ、切削ブレードとドレッサーボードとが電気的に導通した際の切削ブレードの高さを切削ブレードがドレッサーボードの上面に接触する高さとして検出する高さ検出ステップ1006と、高さ検出ステップ1006で検出された高さから、所望する切り込み深さ分下降した高さに切削ブレードを位置付けてドレッサーボードを切削し切削ブレードを目立てするドレスステップ1007と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削ブレードの目立て方法であって、
導電性を有するドレッサーボードを、導電性を有する保持テーブルの保持面に保持する保持ステップと、
スピンドルの先端に装着された切削ブレードを該ドレッサーボードに対して下降させ、該切削ブレードと該ドレッサーボードとが電気的に導通した際の該切削ブレードの高さを該切削ブレードが該ドレッサーボードの上面に接触する高さとして検出する高さ検出ステップと、
該高さ検出ステップで検出された高さから、所望する切り込み深さ分下降した高さに該切削ブレードを位置付けて該ドレッサーボードを切削し該切削ブレードを目立てするドレスステップと、
を備える切削ブレードの目立て方法。
【請求項2】
該ドレッサーボードは、カーボンを含む事を特徴とする請求項1に記載の切削ブレードの目立て方法。
【請求項3】
該ドレスステップは、該スピンドルの軸心方向に沿って、該切削ブレードと該ドレッサーボードを相対的に移動させる請求項1に記載の切削ブレードの目立て方法。
【請求項4】
該ドレスステップは、該ドレッサーボードを完全に分割しない切り込み深さで切削する事を特徴とする請求項1に記載の切削ブレードの目立て方法。
【請求項5】
該ドレッサーボードは、該保持面に接触して直接保持され、
該保持テーブルは、少なくとも保持面の該ドレッサーボードと接触する領域が導電性を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の切削ブレードの目立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削ブレードの目立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
切削装置は、切削ブレードの切り刃の目立てを行うために、切削ブレードの切り刃をドレッサーボードに切り込ませていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された切削装置は、ドレッサーボードの高さを測定する測定機構が装置内についていないため、ドレッサーボードに正確な深さで切り込むことが困難であった。このために、特許文献1に示された切削装置は、切削ブレードの切り刃に所望の目立てを行うことが困難となることがあった。
【0005】
本発明の目的は、切削ブレードの切り刃に所望の目立てを行うことを可能とする切削ブレードの目立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の切削ブレードの目立て方法は、切削ブレードの目立て方法であって、導電性を有するドレッサーボードを、導電性を有する保持テーブルの保持面に保持する保持ステップと、スピンドルの先端に装着された切削ブレードを該ドレッサーボードに対して下降させ、該切削ブレードと該ドレッサーボードとが電気的に導通した際の該切削ブレードの高さを該切削ブレードが該ドレッサーボードの上面に接触する高さとして検出する高さ検出ステップと、該高さ検出ステップで検出された高さから、所望する切り込み深さ分下降した高さに該切削ブレードを位置付けて該ドレッサーボードを切削し該切削ブレードを目立てするドレスステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記切削ブレードの目立て方法では、該ドレッサーボードは、カーボンを含んでも良い。
【0008】
前記切削ブレードの目立て方法では、該ドレスステップは、該スピンドルの軸心方向に沿って、該切削ブレードと該ドレッサーボードを相対的に移動させても良い。
【0009】
前記切削ブレードの目立て方法では、該ドレスステップは、該ドレッサーボードを完全に分割しない切り込み深さで切削しても良い。
【0010】
前記切削ブレードの目立て方法では、該ドレッサーボードは、該保持面に接触して直接保持され、該保持テーブルは、少なくとも保持面の該ドレッサーボードと接触する領域が導電性を有しても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、切削ブレードの切り刃に所望の目立てを行うことを可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法を実施する切削装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された切削装置の高さ検出ユニット等の構成を模式的に一部断面で示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された切削装置のサブチャックテーブルの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法の高さ検出ステップを一部断面で模式的に示す正面図である。
【
図6】
図6は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップにおいて切削ブレードの切り刃をドレッサーボードの外縁よりも外周側に位置付けた状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
【
図7】
図7は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップにおいて切削ブレードの切り刃をドレッサーボードに切り込ませた状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
【
図8】
図8は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップにおいて切削ブレードの切り刃をドレッサーボードに切り込ませてドレッサーボードの内縁よりも内周側に位置付けた状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
【
図9】
図9は、
図8に示された切削ブレード及びドレッサーボードを模式的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップを複数回繰り返した状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1の変形例に係る切削ブレードの目立て方法のドレスステップを一部断面で模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法を実施する切削装置の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示された切削装置の高さ検出ユニット等の構成を模式的に一部断面で示す正面図である。
図3は、
図1に示された切削装置のサブチャックテーブルの斜視図である。
図4は、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法の流れを示すフローチャートである。
【0015】
(切削装置)
実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法は、
図1に示された切削装置1が実施する。
図1に示す切削装置1は、被加工物200を切削加工する加工装置である。実施形態1では、被加工物200は、シリコン、サファイア、窒化ガリウムやガリウムヒ素などを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。被加工物200は、表面201に格子状に形成された複数の分割予定ラインによって格子状に区画された領域にデバイスが形成されている。
【0016】
デバイスは、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、又はメモリ(半導体記憶装置)である。
【0017】
また、本発明の被加工物200は、中央部が薄化され、外周部に厚肉部が形成された所謂TAIKO(登録商標)ウエーハでもよく、ウエーハの他に、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のパッケージ基板、セラミックス基板、フェライト基板、又はニッケル及び鉄の少なくとも一方を含む基板等でも良い。実施形態1において、被加工物200は、裏面204が外周縁に環状フレーム205が装着された粘着テープ206に貼着されて、環状フレーム205に支持されている。
【0018】
図1に示された切削装置1は、被加工物200を保持テーブル10で保持し分割予定ラインに沿って切削ブレード21で切削加工(加工に相当)して、個々のデバイスに分割する加工装置である。切削装置1は、
図1に示すように、被加工物200を保持面11で吸引保持する保持テーブル10と、保持テーブル10が保持する被加工物200を切削ブレード21で切削する切削ユニット20と、保持テーブル10に保持された被加工物200を撮影する撮像ユニット30と、制御ユニット100とを備える。実施形態1に係る切削装置1は、
図1に示すように、切削ユニット20を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置である。
【0019】
また、切削装置1は、
図1に示すように、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的に移動させる移動ユニット40を備える。移動ユニット40は、保持テーブル10を水平方向と平行なX軸方向に加工送りするX軸移動ユニット41と、切削ユニット20を水平方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りするY軸移動ユニット42と、切削ユニット20をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りするZ軸移動ユニット43と、保持テーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット44とを備える。
【0020】
X軸移動ユニット41は、保持テーブル10を加工送り方向であるX軸方向に移動させることで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするものである。X軸移動ユニット41は、装置本体2に設置されている。
【0021】
Y軸移動ユニット42は、切削ユニット20を割り出し送り方向であるY軸方向に移動させることで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするものである。Y軸移動ユニット42は、装置本体2から立設した門型の支持フレーム3に設置されている。
【0022】
Z軸移動ユニット43は、切削ユニット20を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動させることで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするものである。Z軸移動ユニット43は、Y軸移動ユニット42によりY軸方向に移動される移動フレーム4に設置されている。回転移動ユニット44は、X軸移動ユニット41に支持され、保持テーブル10を支持して、保持テーブル10とともにX軸方向に移動自在に配設されている。
【0023】
X軸移動ユニット41、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及び保持テーブル10又は切削ユニット20をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。回転移動ユニット44は、保持テーブル10を軸心回りに回転するモータ等を備えている。
【0024】
保持テーブル10は、円盤形状であり、被加工物200を保持する保持面11がポーラスセラミック等から形成されている。また、保持テーブル10は、X軸移動ユニット41により切削ユニット20の下方の加工領域と、切削ユニット20の下方から離間して被加工物200が搬入出される搬入出領域とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニット44によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。
【0025】
保持テーブル10は、図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面11に載置された被加工物200を吸引、保持する。実施形態1では、保持テーブル10は、粘着テープ206を介して被加工物200の裏面204側を吸引、保持する。また、保持テーブル10の周囲には、
図1に示すように、環状フレーム205をクランプするクランプ部12が複数設けられている。
【0026】
切削ユニット20は、保持テーブル10で保持された被加工物200を切削する切削ブレード21が着脱自在に装着されるスピンドル23を有した切削手段である。切削ユニット20は、それぞれ、保持テーブル10に保持された被加工物200に対して、Y軸移動ユニット42によりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニット43によりZ軸方向に移動自在に設けられている。
【0027】
切削ユニット20は、それぞれ、Y軸移動ユニット42、Z軸移動ユニット43などを介して、装置本体2から立設した門型の支持フレーム3に設けられている。切削ユニット20は、それぞれ、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43により、保持テーブル10の保持面11の任意の位置に切削ブレード21を位置付け可能となっている。
【0028】
切削ユニット20は、
図1及び
図2に示すように、切削ブレード21と、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43によりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング22と、スピンドルハウジング22に軸心回りに回転自在に設けられたスピンドル23と、スピンドル23を軸心回りに回転する図示しないスピンドルモータと、切削ブレード21等に切削水を供給する切削水供給ノズル24とを備える。
【0029】
切削ブレード21は、略リング形状を有する極薄の切削砥石である。実施形態1において、切削ブレード21は、被加工物200を切削する円環状の切り刃25と、切り刃25を外縁に支持しかつスピンドル23に着脱自在に装着される円環状の環状基台26とを備えている。切り刃25は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)と、ボンド材中に含有されたカーボンなどの導電性の粒子からなり所定厚みに形成されているとともに、導電性を有している。なお、本発明では、切削ブレード21は、切り刃25のみからなる所謂ワッシャーブレードでも良い。
【0030】
スピンドルハウジング22は、Z軸移動ユニット43によりZ軸方向に移動自在に支持され、Z軸移動ユニット43を介してY軸移動ユニット42によりY軸方向に移動自在に支持されている。スピンドルハウジング22は、スピンドル23の先端部を除く部分及び図示しないスピンドルモータ等を収容し、スピンドル23を軸心回りに回転可能に支持する。
【0031】
スピンドル23は、切削ブレード21を先端に固定するものである。スピンドル23は、図示しないスピンドルモータにより回転されるとともに、先端部がスピンドルハウジング22の先端面より突出している。スピンドル23の先端部は、先端に向かうにしたがって徐々に細く形成されており、切削ブレード21が装着される。切削水供給ノズル24は、切削加工において切削ブレード21に切削水を供給する。
【0032】
切削ユニット20のスピンドル23及び切削ブレード21の軸心は、Y軸方向と平行に設定されている。
【0033】
撮像ユニット30は、切削ユニット20と一体的に移動するように、切削ユニット20に固定されている。撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持された切削前の被加工物200の分割すべき領域を撮影する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持された被加工物200を撮影して、被加工物200と切削ブレード21との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット100に出力する。
【0034】
また、切削装置1は、保持テーブル10のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニット50(
図2に示す)とを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニット50は、
図2に示すように、Z軸方向と平行なリニアスケール51と、切削ユニット20とともにZ軸方向に移動自在に設けられかつリニアスケールのメモリを読み取る読み取りヘッド52とにより構成することができる。
【0035】
また、Z軸方向位置検出ユニット50は、Z軸移動ユニット43のモータのパルスで切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出するものでも良い。X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、保持テーブル10のX軸方向、切削ユニット20の切削ブレード21の切り刃25の下端のY軸方向又はZ軸方向の位置を検出して、検出結果を制御ユニット100に出力する。なお、実施形態1では、切削装置1の各構成要素のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置を基準とした位置で定められる。なお、Z軸方向の基準位置は、切削ブレード21の切り刃の下端が保持面11と同一平面上に位置する切削ユニット20の位置である。
【0036】
また、切削装置1は、切削加工前後の被加工物200を収容するカセット61が載置されかつカセット61をZ軸方向に移動させるカセットエレベータ60と、切削加工後の被加工物200を洗浄水で洗浄する洗浄ユニット70と、カセット61から被加工物200を出し入れする出し入れユニット80と、図示しない搬送ユニットとを備える。
【0037】
カセット61は、被加工物200をZ軸方向に間隔をあけて複数収容可能な収容容器である。出し入れユニット80は、カセット61から搬出された被加工物200及びカセット61に収容される前の被加工物200を載置する一対の仮置きレール81と、カセット61から被加工物200を出し入れする図示しない搬出入手段とを備える。搬送ユニットは、仮置きカセット61上と、保持テーブル10の保持面11上と、洗浄ユニット70との間で被加工物200を搬送する。
【0038】
また、切削装置1は、
図2に示すように、サブチャックテーブル90と、高さ検出ユニット95とを備える。実施形態1では、サブチャックテーブル90は、2つ設けられ、それぞれ、切削ユニット20と1対1で対応している。サブチャックテーブル90は、装置本体2上に設置され、かつ対応する切削ユニット20の下方に配設され、実施形態1では、円盤状に形成されて、図示しない回転移動ユニットによりZ軸方向と平行な軸心回りに所定角度毎回転される。サブチャックテーブル90は、水平方向に沿って平坦な保持面91にドレッサーボード210を吸引保持するものである。
【0039】
なお、ドレッサーボード210は、切削ブレード21の切り刃25により切削されることで、目詰まりや、目つぶれして切削能力が低下した切削ブレード21の切り刃25を目立てして、切削ブレード21の切り刃25に付着した切削屑を除去することにより切削ブレード21の切り刃25の切削能力を回復させるものである。実施形態1では、ドレッサーボードは、切削ブレード21の切り刃25が切り込みながら切削ブレード21が相対的にY軸方向に移動されることで、切削ブレード21の切り刃25の先端をY軸方向に疎って平坦に形成する、所謂フラットドレスに用いられる。
【0040】
実施形態1では、ドレッサーボード210は、外径がサブチャックテーブル90の外径と等しい円環状に形成されている。ドレッサーボード210は、ホワイトアランダム(WA)、グリーンカーボン(GC)、ダイヤモンド、CBN等の砥粒を、樹脂、セラミクス(ビトリファイド)、金属等のボンド材で結合したものであり、ボンド剤の中にカーボンの粒子を含むことで、導通性を有している。なお、ドレッサーボード210は、カーボンの含有量を調整することで、導通性のレベルが適宜調整される。
【0041】
サブチャックテーブル90は、導電性を有する金属により構成され、上面が水平方向に沿って平坦でかつドレッサーボード210が載置される保持面91である。即ち、ドレッサーボード210は、保持面91に接触して直接保持される。また、サブチャックテーブル90は、導電性の金属により構成されているので、少なくとも保持面91のドレッサーボード210と接触する領域が導電性を有する。ドレスステップ1007において切削ブレード21のドレッサーボード210への切り込み深さはドレッサーボード210を完全に分割しない深さであるため、ドレッサーボード210にダイシングテープを貼り付けた状態で保持面91に保持する必要が無い。導電性の低いダイシングテープがドレッサーボード210と保持面91との間に介在しているとドレッサーボード210に切削ブレード21が接触した事を精度良く検出する事ができないが、実施形態1においては、ドレッサーボード210を保持面91に直接接触して保持することで、ドレッサーボード210と、保持面91と、が導通し、ドレッサーボード210の上面に切削ブレード21が接触したことを精度良く検出することが可能となっている。
【0042】
サブチャックテーブル90は、保持面91に図示しない真空吸引源と接続された図示しない吸引溝が形成され、吸引溝が真空吸引源により吸引されることで、保持面91に載置されたドレッサーボード210を吸引、保持する。サブチャックテーブル90は、保持面91にドレッサーボード210が保持された状態で、Y軸移動ユニット42によりY軸方向即ちスピンドル23の軸心方向に沿って移動されながらスピンドル23により回転した切削ブレード21がドレッサーボード210に切り込まれることにより、切削ブレード21をフラットドレスする。
【0043】
なお、実施形態1では、フラットドレスの際、サブチャックテーブル90は、保持面91に吸引保持したドレッサーボード210に切削ブレード21の切り刃25が中央の貫通孔211と外縁とに亘って切り込まれて、
図3に破線で示す切削溝212が形成される。サブチャックテーブル90は、保持面91に吸引保持したドレッサーボード210に切削ブレード21の切り刃25が切り込まれて切削溝212が形成される度に、回転移動ユニットにより軸心回りに所定角度回転される。
【0044】
高さ検出ユニット95は、サブチャックテーブル90の保持面91に吸引保持されたドレッサーボード210の上面の高さ(Z軸方向の位置)を検出するものである。高さ検出ユニット95は、スピンドル23を介して切削ブレード21の切り刃25に電気的に接続されており、また、サブチャックテーブル90を介してドレッサーボード210に電気的に接続され、これらに電流を供給している。
【0045】
高さ検出ユニット95は、切削ブレード21の切り刃25とドレッサーボード210の上面との間に流れる電流を検出し、電流が流れたことを示す信号を制御ユニット100に出力する。高さ検出ユニット95は、切削ブレード21の切り刃25とドレッサーボード210の上面との間に流れる電流を検出することで、切削ブレード21の切り刃25とドレッサーボード210の上面とが接触したことを検出して、サブチャックテーブル90の保持面91に吸引保持されたドレッサーボード210の上面の高さ(Z軸方向の位置)を検出する。
【0046】
制御ユニット100は、切削装置1の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を切削装置1に実施させるものである。即ち、制御ユニット100は、少なくとも切削ユニット20を制御する。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、切削装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して切削装置1の各構成要素に出力する。
【0047】
制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットと、報知ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。報知ユニットは、音と光の少なくとも一方を発して、オペレータに報知するものである。
【0048】
次に、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法を図面に基づいて説明する。実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法は、被加工物200を分割予定ラインに沿って切削加工して、被加工物200を個々のデバイスに分割する加工動作でもある。実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法は、切削ブレード21をフラットドレスする方法である。
【0049】
前述した構成の切削装置1は、オペレータ等により加工条件が制御ユニット100に登録され、切削加工前の被加工物200を収容したカセット61がカセットエレベータ60に設置され、サブチャックテーブル90の保持面91にドレッサーボード210が載置される。切削装置1は、制御ユニット100がオペレータから加工動作の開始指示を受け付けると加工動作即ち実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法を開始する。
【0050】
なお、加工条件は、ドレッサーボード210の厚み、フラットドレスする際の切削ブレード21の切り刃25のドレッサーボード210への切り込み深さ213(
図7に示す)を含む。切り込み深さ213は、フラットドレスの際のドレッサーボード210の上面とドレッサーボード210に切り込んだ際の切削ブレード21の切り刃25の下端との距離であり、フラットドレスされる前のドレッサーボード210の厚みよりも短い。
【0051】
実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法は、
図4に示すように、保持ステップ1001と、高さ検出ステップ1006と、ドレスステップ1007とを備える。
【0052】
(保持ステップ)
保持ステップ1001は、導電性を有するドレッサーボード210を、導電性を有する保持テーブルであるサブチャックテーブル90の保持面91に保持するステップである。実施形態1において、保持ステップ1001では、切削装置1は、制御ユニット100がサブチャックテーブル90の保持面91にドレッサーボード210を吸引保持する。
【0053】
また、実施形態1において、保持ステップ1001では、切削装置1は、制御ユニット100が出し入れユニット80を制御して、カセット61から被加工物200を取り出して仮置きレール81に載置させ、搬送ユニットを制御して、仮置きレール81から被加工物200を保持テーブル10の保持面11に載置させる。実施形態1において、保持ステップ1001では、切削装置1は、制御ユニット100が保持テーブル10の保持面11に粘着テープ206を介して裏面204側を吸引保持するとともに、クランプ部12で環状フレーム205をクランプして、切削加工を開始する(ステップ1002)。
【0054】
また、実施形態1において、切削加工を開始すると、切削装置1は、制御ユニット100がスピンドル23を軸心回りに回転するとともに、切削水供給ノズル24で切削水を切削ブレード21に供給する。実施形態1において、切削加工では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して保持テーブル10を加工領域に向かって移動して、撮像ユニット30が被加工物200を撮影して、撮像ユニット30が撮影して得た画像に基づいて、アライメントを遂行する。
【0055】
実施形態1において、切削加工では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40及び切削ユニット20等を制御して、分割予定ラインに沿って被加工物200と切削ユニット20とを相対的に移動させながら、切削ブレード21を各分割予定ラインに切り込ませて被加工物200を個々のデバイスに分割する。切削装置1は、被加工物200の全ての分割予定ラインを切削すると、制御ユニット100が、移動ユニット40を制御して保持テーブル10を搬入出領域に移動させて、制御ユニット100が搬送ユニットを制御して、切削加工後の被加工物200を保持テーブル10から洗浄ユニット70に搬送させて、洗浄ユニット70を制御して被加工物200を洗浄させて、洗浄後の被加工物200をカセット61に収容させる。実施形態1において、切削装置1は、カセット61内の被加工物200を順に切削加工する。
【0056】
実施形態1において、切削装置1は、切削加工中に、制御ユニット100が所定のタイミングであるか否かを判定する(ステップ1003)。なお、所定のタイミングは、切削ブレード21をフラットドレスするタイミングであり、例えば、所定枚数の被加工物200を切削加工する度や、所定数の分割予定ラインを切削加工する度や、切削ブレード21の摩耗量が所定量を超える度や、切削ブレード21の切削痕の形状から切り刃25の先端形状が偏摩耗していると判定される度などである。
【0057】
実施形態1において、切削装置1は、切削加工中に、制御ユニット100が所定のタイミングであると判定する(ステップ1003:Yes)と、フラットドレスが可能か否かを判定する(ステップ1004)。実施形態1において、切削装置1は、切削加工中に、制御ユニット100がドレッサーボード210の次に切削ブレード21の切り刃25の下端が接触する上面と切削溝212の底とのうちドレッサーボード210の下面寄りの一方からドレッサーボード210の下面までの距離がフラットドレスの切削ブレード21の切り刃25の切り込み深さ213よりも短いと、フラットドレスが可能ではないと判定(ステップ1004:No)して、報知ユニットにオペレータに報知させて、切削加工を停止する(ステップ1005)。
【0058】
実施形態1において、切削装置1は、切削加工中に、制御ユニット100がドレッサーボード210の次に切削ブレード21の切り刃25の下端が接触する上面と切削溝212の底とのうちドレッサーボード210の下面寄りの一方からドレッサーボード210の下面までの距離がフラットドレスの切削ブレード21の切り刃25の切り込み深さ213よりも長いと、フラットドレスが可能であると判定(ステップ1004:Yes)して、高さ検出ステップ1006に進む。
【0059】
(高さ検出ステップ)
図5は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法の高さ検出ステップを一部断面で模式的に示す正面図である。高さ検出ステップ1006は、スピンドル23の先端に装着された切削ブレード21をドレッサーボード210に対して下降させ、切削ブレード21とドレッサーボード210とが電気的に導通した際の切削ブレード21の高さを切削ブレード21がドレッサーボード210の上面に接触する高さとして検出するステップである。
【0060】
実施形態1において、高さ検出ステップ1006では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して、切削ブレード21をサブチャックテーブル90に吸引保持されたドレッサーボード210の上方に位置付ける。実施形態1において、高さ検出ステップ1006では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して、切削ブレード21を下方に移動させる。すると、
図5に示すように、切削ブレード21の切り刃25がドレッサーボード210の上面に接触する。
【0061】
実施形態1において、高さ検出ステップ1006では、制御ユニット100が、高さ検出ユニット95からの信号により切削ブレード21の切り刃25がドレッサーボード210の上面に接触したことを検出し、切削ブレード21の切り刃25がドレッサーボード210の上面に接触した時のZ軸方向位置検出ユニット50の検出結果により切削ブレード21の切り刃25の下端のZ軸方向の位置を、切削ブレード21がドレッサーボード210の上面に接触する高さとして検出し、一旦記憶して、ドレスステップ1007に進む。
【0062】
(ドレスステップ)
図6は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップにおいて切削ブレードの切り刃をドレッサーボードの外縁よりも外周側に位置付けた状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
図7は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップにおいて切削ブレードの切り刃をドレッサーボードに切り込ませた状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
図8は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップにおいて切削ブレードの切り刃をドレッサーボードに切り込ませてドレッサーボードの内縁よりも内周側に位置付けた状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
図9は、
図8に示された切削ブレード及びドレッサーボードを模式的に示す斜視図である。
図10は、
図4に示された切削ブレードの目立て方法のドレスステップを複数回繰り返した状態を一部断面で模式的に示す正面図である。
【0063】
ドレスステップ1007は、高さ検出ステップ1006で検出された切削ブレード21がドレッサーボード210の上面に接触する高さから、所望する切り込み深さ213分下降した高さに切削ブレード21を位置付けてドレッサーボード210を切削し切削ブレード21を目立てするステップである。実施形態1において、ドレスステップ1007では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して、サブチャックテーブル90に吸引保持したドレッサーボード210と切削ブレード21の切り刃25をサブチャックテーブル90の径方向に沿う位置に位置づけ、
図6に示すように、切削ブレード21の切り刃25の下端のZ軸方向の位置を高さ検出ユニット95で検出した切削ブレード21がドレッサーボード210の上面に接触する高さよりも切り込み深さ213下方に位置付ける。なお、実施形態1では、切削装置1は、
図6に示すように、切削ブレード21の切り刃25をドレッサーボード210の外縁よりも外周側に位置付ける。
【0064】
実施形態1において、ドレスステップ1007では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して、スピンドル23の軸心方向に沿って、切削ブレード21とドレッサーボード210を相対的に移動させて、
図7に示すように、切削ブレード21の切り刃25をドレッサーボード210に切り込ませて、切削溝212を形成する。実施形態1において、ドレスステップ1007では、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して、Y軸方向に沿って切削ユニット20をサブチャックテーブル90に吸引保持されたドレッサーボード210に径方向の内周側に移動させる。実施形態1において、ドレスステップ1007では、切削装置1は、
図8及び
図9に示すように、切削ブレード21の切り刃25がドレッサーボード210の内縁よりも内周側に位置すると、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して切削ユニット20を上昇させて、ステップ1002に戻る。
【0065】
なお、ドレスステップ1007では、ドレッサーボード210に切削溝212が形成され、ドレスステップ1007後、切削装置1は、制御ユニット100が回転移動ユニットを制御して、サブチャックテーブル90を軸心回りに所定角度回転させる。このように、実施形態1において、ドレスステップ1007では、ドレッサーボード210を完全に分割しない切り込み深さ213でドレッサーボード210を切削する。
【0066】
このように、切削装置1は、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法即ちドレスステップ1007を繰り返すと、
図10に示すように、切削ブレード21の切り刃25をドレッサーボード210の切削溝212の底に切り込ませて、ドレッサーボード210の切削溝212の底からドレッサーボード210の下面までの距離が徐々に短くなる。また、ドレスステップ1007において、切削ブレード21の切り刃25を切削溝212の底に切り込ませる前の高さ検出ステップ1006では、切削ブレード21の切り刃25を切削溝212の底に接触させて、切削溝212の底に接触する切削ブレード21の切り刃25の下端のZ軸方向の位置を、切削ブレード21がドレッサーボード210の上面に接触する高さとして検出する。
【0067】
実施形態1において、切削装置1は、切削加工中に、制御ユニット100が所定のタイミングではないと判定する(ステップ1003:No)と、切削加工が終了したか否かを判定する(ステップ1008)。実施形態1において、切削装置1は、制御ユニット100がカセット61内の全ての被加工物200を切削加工していないと、切削加工が終了していないと判定(ステップ1008:No)して、ステップ1002に戻る。実施形態1において、切削装置1は、制御ユニット100がカセット61内の全ての被加工物200を切削加工していると、切削加工が終了したと判定(ステップ1008:Yes)して、切削ブレードの目立て方法、即ち加工動作を終了する。
【0068】
以上説明したように、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法は、高さ検出ステップ1006において切削ブレード21とドレッサーボード210とが電気的に導通した際の切削ブレード21のZ軸方向の位置を切削ブレード21がドレッサーボード210の上面に接触する高さとして検出し、ドレスステップ1007において、切削ブレード21を高さ検出ステップ1006で検出した高さよりも切り込み深さ213下降した高さに切削ブレード21を位置付けてフラットドレスするので、切削ブレード21を切り込み深さ213、ドレッサーボード210に切り込ませることができる。
【0069】
その結果、実施形態1に係る切削ブレードの目立て方法は、切削ブレード21の切り刃25に所望の目立てを行うことを可能とするという効果を奏する。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、本発明では、ドレスステップ1007において、
図11に示すように、切削装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して、切削ブレード21の切り刃25の両表面即ちスピンドル23の軸心方向に対して直交するX軸方向に沿って切削ブレード21とドレッサーボード210を相対的に移動させて、切削ブレード21の切り刃25をドレッサーボード210に切り込ませて、切削ブレード21を目立てしても良い。なお、
図11は、実施形態1の変形例に係る切削ブレードの目立て方法のドレスステップを一部断面で模式的に示す正面図である。また、
図11は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0071】
21 切削ブレード
23 スピンドル
90 サブチャックテーブル(保持テーブル)
91 保持面
210 ドレッサーボード
213 切り込み深さ
1001 保持ステップ
1006 高さ検出ステップ
1007 ドレスステップ