(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175956
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】反応性ホットメルト接着剤、接着体及びその製造方法、並びに衣類
(51)【国際特許分類】
C09J 175/06 20060101AFI20241212BHJP
C09J 7/35 20180101ALI20241212BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20241212BHJP
D06M 17/10 20060101ALI20241212BHJP
D06M 17/00 20060101ALI20241212BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
C09J175/06
C09J7/35
C09J5/00
D06M17/10
D06M17/00 H
B32B27/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094094
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】小宮 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹内 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 晃一
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
4L032
【Fターム(参考)】
4F100AK51A
4F100AT00B
4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA06
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100DG11B
4F100DG11C
4F100EC18
4F100EH46
4F100EJ08
4F100EJ17
4F100EJ98
4F100GB72
4F100JA07A
4F100JK06
4F100JL12A
4F100YY00A
4J004AA14
4J004AB03
4J004FA08
4J040EF111
4J040EF281
4J040EF282
4J040HD42
4J040JB01
4J040KA14
4J040KA16
4J040KA26
4J040KA28
4J040KA29
4J040KA35
4J040KA36
4J040KA38
4J040KA42
4J040LA01
4J040LA06
4J040NA10
4J040PA00
4J040PA30
4J040PA33
4L032AA06
4L032AB01
4L032AC01
4L032BA05
4L032BA09
4L032BB03
4L032BD01
4L032BD03
4L032DA01
4L032EA00
4L032EA06
(57)【要約】
【課題】初期接着力及び初期タック性の双方ともに優れる反応性ホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有するウレタンプレポリマーを含有し、ポリオールに由来する構造単位中に、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位を60質量%以上含み、芳香環を有するポリエステルポリオールが、数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールと、数平均分子量2000以上のポリエステルポリオールとを含み、数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールに由来する構造単位の含有量が、ポリオールに由来する構造単位中において1~10質量%である反応性ホットメルト接着剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、前記重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有するウレタンプレポリマーを含有し、
前記ポリオールに由来する構造単位中に、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位を60質量%以上含み、
前記芳香環を有するポリエステルポリオールが、数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールと、数平均分子量2000以上のポリエステルポリオールとを含み、
前記数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールに由来する構造単位の含有量が、前記ポリオールに由来する構造単位中において1~10質量%である、反応性ホットメルト接着剤。
【請求項2】
前記芳香環を有するポリエステルポリオールが、数平均分子量700超2000未満のポリエステルポリオールをさらに含む、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項3】
前記ポリオールに由来する構造単位中に、芳香環を有しないポリエステルポリオールに由来する構造単位を20質量%以上45質量%未満含む、請求項1又は2に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項4】
布及び紙から選択される複数の被着体を互いに貼り合わせるために用いられる、請求項1又は2に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項5】
第1の被着体と、
第2の被着体と、
前記第1の被着体及び前記第2の被着体を互いに接着する接着剤層と、
を備え、前記接着剤層が、請求項1又は2に記載の反応性ホットメルト接着剤の硬化物を含有する接着体。
【請求項6】
請求項5に記載の接着体を備え、前記第1の被着体及び前記第2の被着体が布である、衣類。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の反応性ホットメルト接着剤を溶融させ、第1の被着体に塗布することによって、接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層上に第2の被着体を配置し、前記第2の被着体を圧着することによって積層体を得る工程と、
前記積層体における前記接着剤層を硬化させることによって接着体を得る工程と、
を備える、
接着体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性ホットメルト接着剤、接着体及びその製造方法、並びに衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は、無溶剤型の接着剤であるため、環境及び人体への負荷が少なく、また、短時間接着が可能であるため、生産性向上に適している。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を主成分としたもの及び反応性樹脂を主成分としたものの2つに大別できる。反応性樹脂としては、主にイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーが利用されている。
【0003】
ウレタンプレポリマーを主成分とする反応性ホットメルト接着剤は、塗布後、接着剤自体の冷却固化により、短時間である程度の接着力を発現する。その後、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が湿気(空気中又は被着体表面の水分)と反応することにより高分子量化し、架橋を生じることにより耐熱性を発現する。このような接着剤を湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤という。ウレタンプレポリマーを主成分とする反応性ホットメルト接着剤は、加熱時でも良好な接着強さを示す。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポリイソシアネートと、ポリオールとして芳香環含有ポリエステルポリオールを75質量%以上含むウレタンプレポリマーからなる反応性ホットメルト接着剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、環境対応のため無溶剤の反応性ホットメルト接着剤が様々な用途で用いられつつある。ところで、反応性ホットメルト接着剤においては、初期接着力と初期タック性とを両立させることが極めて重要である。しかしながら、従来の反応性ホットメルト接着剤は、初期接着力と初期タック性とがトレードオフの関係にあるため、それらの両立が未だ充分でなく、初期接着力が高いと接着剤のタック性が少なく基材に貼り合わせることが出来ないなどの問題点があった。
【0007】
本開示は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、初期接着力及び初期タック性の双方ともに優れる反応性ホットメルト接着剤、当該反応性ホットメルト接着剤を用いた接着体及びその製造方法、並びに衣類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する本開示の一態様は以下の通りである。
【0009】
(1)ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、前記重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有するウレタンプレポリマーを含有し、
前記ポリオールに由来する構造単位中に、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位を60質量%以上含み、
前記芳香環を有するポリエステルポリオールが、数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールと、数平均分子量2000以上のポリエステルポリオールとを含み、
前記数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールに由来する構造単位の含有量が、前記ポリオールに由来する構造単位中において1~10質量%である、反応性ホットメルト接着剤。
【0010】
(2)前記芳香環を有するポリエステルポリオールが、数平均分子量700超2000未満のポリエステルポリオールをさらに含む、前記(1)に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【0011】
(3)前記ポリオールに由来する構造単位中に、芳香環を有しないポリエステルポリオールに由来する構造単位を20質量%以上40質量%未満含む、前記(1)又は(2)に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【0012】
(4)布及び紙から選択される複数の被着体を互いに貼り合わせるために用いられる、前記(1)又は(2)に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【0013】
(5)第1の被着体と、
第2の被着体と、
前記第1の被着体及び前記第2の被着体を互いに接着する接着剤層と、
を備え、前記接着剤層が、請求項1又は2に記載の反応性ホットメルト接着剤の硬化物を含有する接着体。
【0014】
(6)前記(5)に記載の接着体を備え、前記第1の被着体及び前記第2の被着体が布である、衣類。
【0015】
(7)前記(1)又は(2)に記載の反応性ホットメルト接着剤を溶融させ、第1の被着体に塗布することによって、接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層上に第2の被着体を配置し、前記第2の被着体を圧着することによって積層体を得る工程と、
前記積層体における前記接着剤層を硬化させることによって接着体を得る工程と、
を備える、
接着体の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、初期接着力及び初期タック性の双方ともに優れる反応性ホットメルト接着剤、当該反応性ホットメルト接着剤を用いた接着体及びその製造方法、並びに衣類を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本明細書において、「ポリオール」は、分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する化合物を意味する。モノオールやモノカルボン酸で一部の末端水酸基を封じてもよいものとする。
【0019】
本明細書において、「ポリイソシアネート」は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
【0020】
本明細書において、「非晶性」及び「結晶性」の判断は25℃での状態で判断することができる。本明細書において、非晶性ポリオールは、25℃で非結晶であるポリオールを意味し、結晶性ポリオールは、25℃で結晶であるポリエステルポリオールを意味する。
【0021】
[反応性ホットメルト接着剤]
一実施形態の反応性ホットメルト接着剤は、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、当該重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有するウレタンプレポリマーを含有する。一般に、反応性ホットメルト接着剤は、化学反応によって高分子量化し、接着力等を発現し得るものである。重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、湿気と反応して硬化する(硬化物を形成する)ことから、ウレタンプレポリマー単独で反応性ホットメルト接着剤として作用し得る。なお、反応性ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマー以外の成分を含有していてもよい。
【0022】
<ウレタンプレポリマー>
ウレタンプレポリマーは、上記の通り、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、当該重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有する。ポリオールに由来する構造単位は、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位を含む。本実施形態において、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位の含有量は、ポリオールに由来する構造単位全量を基準として、60質量%以上である。ウレタンプレポリマーは、通常、所定の含有量の芳香環を有するポリエステルポリオールを含むポリオールに対して、ポリイソシアネートを反応させて得ることができる。すなわち、ウレタンプレポリマーは、芳香環を有するポリエステルポリオールを含むポリオールとポリイソシアネートとの反応物であってよい。なお、構造単位の含有量は、構造単位を与える芳香環を有するポリエステルポリオールと構造単位を与える芳香環を有するポリエステルポリオール以外のポリオールとの混合量を調整することによって、調整することができる。また、ポリオールとポリイソシアネートとが反応することによって、ウレタン結合が形成されることから、ウレタンプレポリマーの重合鎖は、ウレタン結合を有し得る。また、ポリオールの当量に対するポリイソシアネートの当量を大きくすることによって、重合鎖の末端にイソシアネート基が導入され得る。
以下、ポリオールに由来する構造単位の由来元のポリオールを(a)成分、ポリイソシアネートに由来する構造単位の由来元のポリイソシアネートを(b)成分と称して説明する。
【0023】
《(a)成分:ポリオール》
本実施形態において、(a)成分に由来する構造単位としては、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位を60質量%以上含む。そして、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位は、数平均分子量700以下のポリエステルポリオール(以下、「(a1)成分)」という場合がある。)に由来する構造単位と、数平均分子量2000以上のポリエステルポリオール(以下、「(a2)成分)」という場合がある。)に由来する構造単位を含む。(a)成分に由来する構造単位は、芳香環を有するポリエステルポリオール以外のポリオール(以下、「(a3)成分」という場合がある。)に由来する構造単位をさらに含み得る。
【0024】
(a1)成分は、芳香環を有するポリエステルポリオールであって、数平均分子量700以下のポリエステルポリオールである。
【0025】
(a1)成分の数平均分子量(Mn)は、タック性の観点から、500以下であることが好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリスチレン換算した値である。
【0026】
本明細書において、数平均分子量(Mn)を求めるためのGPCの測定は、例えば、以下の条件で行うことができる。
カラム:「Gelpack GLA130-S」、「Gelpack GLA150-S」及び「Gelpack GLA160-S」(日立化成株式会社製、HPLC用充填カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:RI
【0027】
(a1)成分は、多価アルコールとポリカルボン酸との重縮合反応生成物であってよいし、一部にモノカルボン酸やモノオールを用いてもよいが、官能基数は1.3官能以上なることが好ましい。1.3官能以下の場合は最終接着強度が悪化する恐れがある。また、トリオールやトリカルボン酸と反応させて分岐構造を持たせることもできる。
【0028】
(a1)成分は、芳香族多価アルコール(芳香環を有する多価アルコール)及び/又は芳香族ポリカルボン酸(芳香環を有するポリカルボン酸)を用いることによって得ることができる。(a1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
(a1)成分は、芳香環を有する限り、ジオールとジカルボン酸とから生成する直鎖ポリエステルジオールであってもよく、トリオールとジカルボン酸とから生成する分岐ポリエステルトリオールであってもよい。また、分岐ポリエステルトリオールは、ジオールとトリカルボン酸との反応によって得ることもできる。
【0030】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオールの各異性体、ペンタンジオールの各異性体、ヘキサンジオールの各異性体、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチルプロパンジオール、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族又は脂環族ジオール;4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の芳香族ジオール(芳香環を有するジオール)などが挙げられる。多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、好ましくは脂肪族ジオール、より好ましくは2~6個の炭素原子を有する脂肪族ジオールである。
【0031】
ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸(芳香環を有するポリカルボン酸);マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジエン-1,2-ジカルボン酸等の脂肪族又は脂環族ポリカルボン酸などが挙げられる。芳香族ポリカルボン酸は、ベンゼン環と、当該ベンゼン環に結合している2個以上のカルボキシ基とを有するポリカルボン酸であってよく、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。ポリカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
ポリカルボン酸に代えて、カルボン酸無水物、カルボキシ基の一部がエステル化された化合物等のポリカルボン酸誘導体、モノカルボン酸を用いることもできる。ポリカルボン酸誘導体としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル、モノカルボン酸については安息香酸等が挙げられる。
【0033】
(a1)成分が、多価アルコールと芳香族ポリカルボン酸(芳香環を有するポリカルボン酸、好ましくはフタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種)を含むポリカルボン酸との重縮合反応生成物である場合、芳香族ポリカルボン酸に由来する構造単位の含有量は、ポリカルボン酸に由来する構造単位全量を基準として、20~100モル%、25~100モル%、又は50~100モル%であってよい。
【0034】
(a1)成分に由来する構造単位の含有量は、ポリオールに由来する構造単位中において1~10質量%であり、1~8質量%が好ましく、2~6質量%であることがより好ましい。当該含有量が1~10質量%であることで、得られるウレタンポリマー(反応性メルト接着剤)のタック性に優れる。
【0035】
(a2)成分((a2)成分に由来する構造単位)の含有量は、ポリオールに由来する構造単位中において、46~62質量%であることが好ましく、48~60質量%であることがより好ましく、50~59質量%であることが更に好ましい。(a2)成分の含有量がポリオール成分全量を基準として46~62質量%であると、得られるウレタンプレポリマー(反応性ホットメルト接着剤)の初期接着力に優れる傾向にある。一方で、(a2)成分の含有量がポリオールに由来する構造単位中においてポリオールに由来する構造単位中において46質量%未満であると、初期接着性が充分でない傾向にある。(a1)成分の含有量がポリオールに由来する構造単位中において62質量%を超えると、初期接着により優れるものの、タック性が充分でない傾向にある。
【0036】
(a2)成分の数平均分子量(Mn)は、接着力の観点から、2000以上である。
【0037】
重合鎖がポリエステルポリオールに由来する構造単位を含むことによって、反応性ホットメルト接着剤の固化時間及び粘度を調整することができる。ポリエステルポリオールは、多価アルコールとポリカルボン酸との重縮合反応生成物であってよい。ポリエステルポリオールは、ジオールとジカルボン酸とから生成する直鎖ポリエステルジオールであってもよく、トリオールとジカルボン酸とから生成する分岐ポリエステルトリオールであってもよい。また、分岐ポリエステルトリオールは、ジオールとトリカルボン酸との反応によって得ることもできる。
【0038】
(a2)成分は、芳香族多価アルコール(芳香環を有する多価アルコール)及び/又は芳香族ポリカルボン酸(芳香環を有するポリカルボン酸)を用いることによって得ることができる。(a2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
(a2)成分は、芳香環を有する限り、ジオールとジカルボン酸とから生成する直鎖ポリエステルジオールであってもよく、トリオールとジカルボン酸とから生成する分岐ポリエステルトリオールであってもよい。また、分岐ポリエステルトリオールは、ジオールとトリカルボン酸との反応によって得ることもできる。
【0040】
(a2)成分を得るための多価アルコール及びポリカルボン酸は、上述の(a1)成分において説明したものと同様である。従って、上述の(a1)成分における説明が(a2)成分に対する説明としてそのまま当てはまる。
【0041】
(a2)成分が、多価アルコールと芳香族ポリカルボン酸(芳香環を有するポリカルボン酸、好ましくはフタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種)を含むポリカルボン酸との重縮合反応生成物である場合、芳香族ポリカルボン酸に由来する構造単位の含有量は、ポリカルボン酸に由来する構造単位全量を基準として、20~100モル%、50~100モル%であってよい。
【0042】
(a)成分として、(a1)成分及び(a2)成分の他に、低粘度化の観点から、数平均分子量が700超2000未満のポリエステルポリオールを含んでもよい。
【0043】
(a)成分は、タック性や粘度調整、発泡抑制の観点から、(a3)成分として、例えば、芳香環を有しない非晶性ポリエステルポリオール、及び芳香環を有しない結晶性ポリエステルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。また、(a)成分は、低粘度化の観点から、ポリエーテルポリオールを含んでいてもよい。
【0044】
(a3)成分の数平均分子量(Mn)は、低粘度化の観点から、1000~7000であってよい。
【0045】
(a3)成分((a3)成分に由来する構造単位)の含有量は、ポリオールに由来する構造単位中、20質量%以上45質量%未満が好ましく、30~43質量%がより好ましく、35~40質量%が更に好ましい。
【0046】
(a3)成分は、芳香環を有するポリエステルポリオール以外のポリオールである。(a3)成分は、例えば、芳香環を有しない非晶性ポリエステルポリオール、芳香環を有しない結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
【0047】
《(b)成分:ポリイソシアネート》
ポリイソシアネートは、イソシアネート基を2以上有する化合物であれば、特に制限なく用いることができる。ポリイソシアネートは、イソシアネート基を2つ有する化合物(ジイソシアネート)であってよい。ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート)、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは、反応性及び接着力の観点から、好ましくは芳香族ジイソシアネートを含み、より好ましくはジフェニルメタンジイソシアネートを含む。ポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
ウレタンプレポリマーは、(a1)成分及び(a2)成分を所定の含有量で含む(a)成分と、(b)成分とを反応させることで合成することができる。ウレタンプレポリマーは、(a1)成分に由来する構造単位及び(a2)成分に由来する構造単位、及び、(b)成分に由来する構造単位を含む重合鎖と、重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有する。このようなウレタンプレポリマーを合成する場合、(a)成分のヒドロキシ基(OH)に対する(b)成分のイソシアネート基(NCO)の当量比((b)成分のイソシアネート基(NCO)当量/(a)成分のヒドロキシ基(OH)当量、NCO/OH)は、1.1以上であってよく、1.1~2.5であってよく、1.3~2.3であってよく、1.5~2.2であってよく、1.7~2.0であってよい。NCO/OHが1.1以上であると、ウレタンプレポリマーが重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基を有するとともに、ウレタンプレポリマーの粘度の上昇を抑えることができ、作業性がより向上する傾向にある。NCO/OHが2.5以下であると、反応性ホットメルト接着剤の湿気硬化反応の際に発泡が生じ難くなり、接着力の低下を抑制し易くなる傾向にある。
【0049】
ウレタンプレポリマーを合成する場合の(a)成分と(b)成分とを反応させる温度及び時間は、特に制限されないが、例えば、85~120℃、0.5時間~6時間であってよい。
【0050】
反応性ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマーの硬化を促進し、より高い接着力を発現させる観点から、触媒をさらに含有していてもよい。触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオンオクテート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリオクチルアミン、ジモルホリノジエチルエーテル(ビス(2-モルホリノエチル)エーテル)等が挙げられる。触媒の含有量は、反応性ホットメルト接着剤の全量を基準として、0.001~0.5質量%であってよい。
【0051】
反応性ホットメルト接着剤は、形成される接着剤層のゴム弾性を高め、耐衝撃性をより向上させる観点から、熱可塑性ポリマーをさらに含有していてもよい。熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリウレタン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル共重合体、スチレン-共役ジエンブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性ポリマーの含有量は、反応性ホットメルト接着剤の全量を基準として、0.1~50質量%であってよい。
【0052】
反応性ホットメルト接着剤は、形成される接着剤層により強固な接着力を付与する観点から、粘着付与樹脂をさらに含有していてもよい。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。粘着付与樹脂の含有量は、反応性ホットメルト接着剤の全量を基準として、0.1~50質量%であってよい。
【0053】
反応性ホットメルト接着剤は、必要に応じて、その他の成分をさらに含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定化剤、界面活性剤、難燃剤、充填剤、光発色剤、熱発色防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等が挙げられる。その他の成分の含有量は、反応性ホットメルト接着剤の全量を基準として、0.001~10質量%であってよい。
【0054】
反応性ホットメルト接着剤は、反応性ホットメルト接着剤に含有されるウレタンプレポリマーのイソシアネート基が空気中の水分又は被着体表面の水分と反応することから、例えば、温度23℃、50%RH(相対湿度)で24時間放置(養生)することによって硬化させることができる。このようにして、反応性ホットメルト接着剤の硬化物を得ることができる。
【0055】
反応性ホットメルト接着剤を用いて被着体同士を圧着した後、反応性ホットメルト接着剤が硬化する前に測定される接着力(以下、「初期接着力」という場合がある。)は、1N/8mm以上あることが好ましい。なお、本明細書において、初期接着力は、実施例に記載の方法によって測定される値を意味する。すなわち、初期接着力は、反応性ホットメルト接着剤を用いて被着体同士を120℃で圧着することによって得られる圧着体において、圧着した時点から5分経過後の圧着体における接着力を意味する。
【0056】
反応性ホットメルト接着剤を用いて被着体同士を圧着した後、反応性ホットメルト接着剤が硬化した後に測定される接着力(以下、「最終接着力」という場合がある。)は、10N/8mm以上であってよい。なお、本明細書において、最終接着力は、実施例に記載の方法によって測定される値を意味する。すなわち、最終接着力は、反応性ホットメルト接着剤を用いて被着体同士を60℃で圧着することによって得られる圧着体を、23℃、50%RHの恒温槽で3日間養生し、得られる接着体における接着力を意味する。
【0057】
反応性ホットメルト接着剤のタック性は、接着剤を約100μmの厚みで塗布して接着フィルムを作製し、デジタルフォースゲージ(プローブ径:1.5cmΦ)を押し付けてから上方向に引きはがした際の強度の最大値が30N以上であることが好ましい。
【0058】
反応性ホットメルト接着剤は、例えば、60~130℃で溶融してから、被着体に塗布することによって使用することができる。塗布方法は、特に制限されないが、例えば、バーコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いる方法が挙げられる。小型部品等の狭小な部位へ塗布する場合には、ディスペンサーが適している。反応性ホットメルト接着剤の塗布パターンは、適宜設定することができるが、例えば、ドット状、直線状、ジグザグ状、面状、曲線状等の塗布パターンが挙げられる。
【0059】
反応性ホットメルト接着剤は、当該反応性ホットメルト接着剤の硬化物(接着剤層)を介して、各種被着体を接着させることができる。被着体としては、例えば、SUS、アルミニウム等の金属基材、布、紙、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ガラス、炭素繊維等の非金属基材などが挙げられる。これらの中でも、被着体は、例えば、布又は紙であってよい。反応性ホットメルト接着剤は、布及び紙から選択される複数の被着体を互いに貼り合わせるために好適に用いることができる。この場合、被着体の組み合わせは、布及び布、紙及び紙、又は布及び紙であり得る。反応性ホットメルト接着剤は、衣服等の衣類(アパレル商品)、サポーター、カバン、財布、インテリア、各種カバー、ケース、ウェアラブル機器などに好適に用いることができ、衣類に特に好適に用いることができる。
【0060】
反応性ホットメルト接着剤は、フィルム状に形成し、接着剤フィルムとして用いてもよい。このような接着剤フィルムは、例えば、反応性ホットメルト接着剤を、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の支持フィルム上に塗布し、接着剤層を形成することによって、接着剤フィルムを得ることができる。
【0061】
[接着体及びその製造方法]
一実施形態の接着体は、第1の被着体と、第2の被着体と、第1の被着体及び第2の被着体を互いに接着する接着剤層とを備える。接着剤層は、上記の反応性ホットメルト接着剤の硬化物を含有する。接着体を備える物品としては、例えば、衣類(特に、無縫製衣類)、半導体装置、電子機器等が挙げられる。
【0062】
第1の被着体及び第2の被着体は、上記の被着体で例示したものと同様のものを例示することができる。第1の被着体及び第2の被着体は、例えば、布又は紙であってよく、第1の被着体及び第2の被着体の組み合わせは、布及び布、紙及び紙、又は布及び紙であってよい。接着体を備える物品が衣類である場合、第1の被着体及び第2の被着体は布である。
【0063】
本実施形態の接着体は、上記の反応性ホットメルト接着剤を溶融させ、第1の被着体に塗布して接着剤層を形成する工程と、接着剤層上に第2の被着体を配置し、第2の被着体を圧着することによって積層体を得る工程と、接着剤層を硬化させることによって接着体を得る工程とを備える方法によって製造することができる。
【0064】
反応性ホットメルト接着剤を溶融させる温度は、例えば、80~130℃であってよい。反応性ホットメルト接着剤を第1の被着体に塗布する方法としては、例えば、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いる方法が挙げられる。小型部品等の狭小な部位へ塗布する場合には、ディスペンサーが適している。
【0065】
第2の被着体を圧着する方法としては、例えば、加圧ロール等を用いて圧着する方法が挙げられる。
【0066】
接着剤層における反応性ホットメルト接着剤は、例えば、温度23℃、50%RH(相対湿度)で48時間放置(養生)することによって硬化させることができる。これによって、接着剤層は、反応性ホットメルト接着剤の硬化物を含有し得る。
【0067】
離型性基材上に予め形成しておいた、反応性ホットメルト接着剤からなる接着剤フィルムを生地上に転写して、接着剤層を形成してもよい。また、接着剤を生地に設けて、生地と貼り合わせてもよい。
【0068】
[衣類]
一実施形態の衣類は、上記の接着体を備える。この場合、第1の被着体及び第2の被着体は布である。衣類は、無縫製衣類であることができる。
【実施例0069】
以下に、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「無水酢酸0.02部」等の「部」は「質量部」を示す。
【0070】
[実施例1~6及び比較例1~3]
《反応性ホットメルト接着剤の調製》
表1に示す種類及び質量部のポリオール及びポリイソシアネートを用いた。予め真空乾燥機によって脱水処理したポリオールに対して、ポリイソシアネートを、ポリオールのヒドロキシ基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比((NCO)当量/(OH)当量)が表1に示す数値となるように反応容器に加えて、110℃で1時間均一になるまで混合した。次いで、さらに110℃で1時間減圧脱泡撹拌することによって、ウレタンプレポリマーを得た。表1に示す通り、(NCO)当量/(OH)当量が1より大きいことから、得られたウレタンプレポリマーは、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、当該重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有することが推測される。以下では、得られたウレタンプレポリマーを反応性ホットメルト接着剤としてそのまま使用した。
【0071】
表1に示す各成分の詳細は以下の通りである。
(a)ポリオール
(a1)-1:芳香環を有するポリエーテルポリオール(ビスフェノールA・PO系)(株式会社レゾナック製、商品名:SV―6413、水酸基数:1.34、分子量:490)
(a1)-2:芳香環を有するポリエーテルポリオール(ビスフェノールA・PO系)(株式会社レゾナック製、商品名:PH―6102、水酸基数:2、分子量:500)
(a2)-1:フタル酸とネオペンチルグリコールを主成分とする、芳香環を有するポリエステルポリオール(豊国製油株式会社製、商品名:HS 2F-306P、水酸基数:2、数平均分子量:3000)
(a2)-2:フタル酸とエチレングリコール、ジエチレングリコールを主成分とする、芳香環を有するポリエステルポリオール(株式会社レゾナック製、商品名:TA22-739、水酸基数:2、数平均分子量:2000)
(a3)-1:アジピン酸と1,6-ヘキサンジオールを主成分とする、芳香環を有しないポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:5000)
(a3)-2:アジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとを主成分とする、芳香環を有しないポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:4000)
(a3)-3:アジピン酸とネオペンチルグリコールを主成分とする、芳香環を有しないポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
【0072】
(b)ポリイソシアネート
(b)-1:ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー株式会社製、商品名:ミリオネートMT、イソシアネート基数:2)
【0073】
<反応性ホットメルト接着剤の評価>
(粘度)
TVB-25H形粘度計(東機産業株式会社製)で、4号ローターを使用して、ローター回転数20rpm、120℃における接着剤組成物(試料量:15g)の溶融粘度を測定し、20Pa・s以下を〇とし、20Pa・s未満を×とした。
【0074】
(初期接着力及び最終接着力)
実施例1~6及び比較例1~3の反応性ホットメルト接着剤を100℃で溶融して伸縮性布地(スパンデックス、東レ・オプロンテックス株式会社製、ライクラ(登録商標))上に塗布し、バーコーターによって80μmの厚さに塗工することによって接着剤層を形成した。形成した接着剤層上に、同じ伸縮性布地を配置し、80℃で圧着することによって圧着体を得た。圧着した時点から5分経過後の圧着体の接着力を、デジタルフォースゲージ(株式会社イマダ製、DS250N)を用いて測定し、これを反応性ホットメルト接着剤の初期接着力とし、2N/8mm以上を〇、2N/8mm以下を×と表記した。
次いで、上記圧着体を23℃、50%RHの恒温槽で1日間養生し、接着剤層を硬化させることによって接着体を作製した。接着体の接着力を、引張試験機(株式会社島津製作所製、EZ-Test EZ-SX)を用いて、測定温度が25℃、引張速度が100mm/分の条件でT型剥離強度試験によって測定し、これを最終接着力とし、15N/8mm以上を〇、15N/8mm以下を×と表記した。
【0075】
(タック性)
実施例1~6及び比較例1~3の反応性ホットメルト接着剤を100℃で溶融させ、厚さ100μmのフィルムを形成した後、形成したフィルムにデジタルフォースゲージ(株式会社イマダ製、DS250N)(プローブ径:1.5cmΦ)を押し付けてから上方向に引きはがした際の強度の最大値を測定し、30N以上を〇とし30N以下を×とした。
【0076】
【0077】
表1より、実施例1~6のいずれも、初期接着力及び最終接着力並びにタック性に優れることが分かる。これに対して、数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールに由来する構造単位が過多の比較例1は初期接着力に劣っていた。また、芳香環を有するポリエステルポリオールに由来する構造単位が60質量%に満たない比較例2は初期接着力に劣っていた。さらに、数平均分子量が700以下のポリエステルポリオールに由来する構造単位を含まない比較例3はタック性に劣っていた。