(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176043
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ウェーハの形状評価方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241212BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L21/66 P
H01L21/304 622R
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094247
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】勇 公正
【テーマコード(参考)】
4M106
5F057
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106CA47
4M106CA48
4M106DJ12
4M106DJ14
4M106DJ27
4M106DJ28
4M106DJ38
5F057AA19
5F057BA12
5F057BB03
5F057BB07
5F057BB08
5F057DA01
5F057GA16
5F057GB16
(57)【要約】
【課題】ノッチを有するウェーハの形状を適切に評価できるウェーハの形状評価方法を提供すること。
【解決手段】ウェーハの形状評価方法は、ウェーハの外周部における複数の領域の平坦度を測定し、複数の領域のうちノッチを含まない領域の平坦度の平均値または中央値と、ノッチを含む領域の平坦度との差に基づいて、ウェーハの形状を評価する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノッチを有するウェーハの形状評価方法であって、
前記ウェーハの外周部における複数の領域の平坦度を測定し、
前記複数の領域のうち前記ノッチを含まない領域の平坦度の平均値または中央値と、前記ノッチを含む領域の平坦度との差に基づいて、前記ウェーハの形状を評価する、ウェーハの形状評価方法。
【請求項2】
ノッチを有するウェーハの形状評価方法であって、
前記ウェーハの外周部における複数の領域の平坦度を測定し、
前記複数の領域の平坦度の平均値または中央値と、前記複数の領域のうち前記ノッチを含む領域の平坦度との差に基づいて、前記ウェーハの形状を評価する、ウェーハの形状評価方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のウェーハの形状評価方法において、
前記平坦度を表す指標は、ESFQRである、ウェーハの形状評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの形状評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノッチが形成されたウェーハに対して、両主面を研磨する両面研磨工程、ノッチの面取り部を鏡面研磨するノッチ鏡面研磨工程、外周の面取り部を鏡面研磨する外周鏡面研磨工程、および、一方の主面を仕上げ研磨する仕上げ研磨工程を行うと、前記一方の主面とノッチのノッチ面取り部との境界部分のエッジロールオフ(以下、「ノッチ部のダレ」と言う場合がある)は、前記一方の主面とウェーハの外周部の外周面取り部との境界部分のエッジロールオフ(以下、「外周部のダレ」と言う場合がある)よりも大きくなりやすい。ノッチ部のダレと外周部のダレとの差が大きい場合、後工程における不良の発生原因になりやすい。
このようなダレの発生状況の評価方法として、特許文献1には、ウェーハのESFQR(Edge flatness metric, Sector based, Front surface referenced, least sQuares fit reference plane, Range of the data within sector)を測定し、ノッチを含むノッチサイトのESFQRと、ノッチを含まないサイトのESFQRの最大値との差に基づいて、ノッチ面取り部のエッジロールオフ(ダレ)の発生状況を評価する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のような評価方法では、ノッチ部のダレを適切に評価できないおそれがある。
【0005】
本発明は、ノッチを有するウェーハの形状を適切に評価できるウェーハの形状評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のウェーハの形状評価方法は、ノッチを有するウェーハの形状評価方法であって、前記ウェーハの外周部における複数の領域の平坦度を測定し、前記複数の領域のうち前記ノッチを含まない領域の平坦度の平均値または中央値と、前記ノッチを含む領域の平坦度との差に基づいて、前記ウェーハの形状を評価する。
【0007】
本発明のウェーハの形状評価方法は、ノッチを有するウェーハの形状評価方法であって、前記ウェーハの外周部における複数の領域の平坦度を測定し、前記複数の領域の平坦度の平均値または中央値と、前記複数の領域のうち前記ノッチを含む領域の平坦度との差に基づいて、前記ウェーハの形状を評価する。
【0008】
本発明のウェーハの形状評価方法において、前記平坦度を表す指標は、ESFQRである、ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るウェーハおよびウェーハの形状評価システムを示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るウェーハの形状評価方法を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係るESFQRの測定結果の一例を示すグラフである。
【
図4】実施例に係る水準A,Bのウェーハにおけるノッチ部のダレの形状および外周部の平均的なダレの形状を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
<評価対象のウェーハの構成>
まず、本発明の実施形態に係るウェーハの形状評価システムにより評価されるウェーハの構成について説明する。
図1は、ウェーハおよびウェーハの形状評価システムを示すブロック図である。
図1に示すように、形状評価システム1により評価されるウェーハWは、外周の1箇所に形成されたノッチWnを備える。ウェーハWには、形状評価システム1により評価される前に、両面研磨工程、ノッチ鏡面研磨工程、外周鏡面研磨工程、および、仕上げ研磨工程が施されている。なお、両面研磨工程の前に、ウェーハWの端部を面取りする面取り工程が、ウェーハWに施される場合がある。
上述の工程が行われたウェーハWの一方の主面とノッチ面取り部との境界部分、および、一方の主面と外周面取り部との境界部分には、ダレが発生している。ノッチ部のダレは、外周部のダレよりも大きい。
なお、ノッチ鏡面研磨工程は、両面研磨工程の前に行われても良い。
また、ウェーハWは、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウムなどの材料で構成されても良い。
【0011】
<形状評価システムの構成>
次に、ウェーハWの形状評価システム1について説明する。
ウェーハの形状評価システム1は、測定装置2と、形状評価装置3と、を備える。
【0012】
測定装置2は、ウェーハWの外周部の平坦度として、ESFQRを測定する。ESFQRの測定は、ウェーハWの最外周からウェーハ中心方向に2mm入った位置と、32mm入った位置との間の円環状領域(エッジ最外周2mmを除く、幅が30mmの円環状領域)を円周方向に72等分したものを1つのサイトとして、各サイトに対して行われる。
測定装置2は、測定対象のウェーハWを特定するウェーハ特定情報とともに、ESFQRの測定結果を形状評価装置3へ送信する。
【0013】
形状評価装置3は、測定装置2におけるESFQRの測定結果に基づいて、ウェーハWの形状を評価する。
形状評価装置3は、入力部31と、表示部32と、記憶部33と、制御部34と、を備える。
【0014】
入力部31は、例えばタッチパネルまたは物理ボタンにより構成されている。入力部31は、各種情報の入力に用いられ、入力に対応する信号を制御部34へ出力する。
【0015】
表示部32は、制御部34の制御に基づいて、各種情報を表示する。
【0016】
記憶部33は、例えばHDD(Hard Disk Drive)などの周知の記憶装置により構成されている。記憶部33は、ESFQRの測定結果およびウェーハWの評価結果を評価対象のウェーハWを特定する情報に関連付けて、制御部34で読み取り可能に記憶する。評価対象のウェーハWを特定する情報は、測定装置2から取得されても良いし、入力部31により入力されても良い。
【0017】
制御部34は、CPUを備えるコンピュータにより構成され、記憶部33に格納されたプログラムをCPUが実行することにより各種機能を実現する。制御部34は、測定結果取得部341と、評価部342と、を備える。
測定結果取得部341は、測定装置2から送信されるウェーハ特定情報およびESFQRの測定結果を取得する。
評価部342は、測定結果取得部341で取得されたESFQRの測定結果に基づいて、ウェーハWの形状の評価処理として、ノッチWnを含むノッチサイトのダレ評価値(以下、「ノッチダレ量評価値」と言う場合がある)の算出処理を行う。
【0018】
<形状評価方法>
次に、ウェーハWの形状評価方法について説明する。
図2は、ウェーハの形状評価方法を示すフローチャートである。
図3は、ESFQRの測定結果の一例を示すグラフである。
【0019】
図1に示すように、ウェーハの形状評価方法は、ウェーハ準備工程(ステップS1)と、外周部平坦度測定工程(ステップS2)と、評価工程(ステップS3)と、を備える。
【0020】
ステップS1のウェーハ準備工程では、作業者は、両面研磨工程、ノッチ鏡面研磨工程、外周鏡面研磨工程、および、仕上げ研磨工程が施された測定対象のウェーハWを準備して、
図1に二点鎖線で示すように、測定装置2にセットする。
【0021】
ステップS2の外周部平坦度測定工程では、測定装置2は、測定対象のウェーハWの外周部の平坦度としてESFQRを測定する。測定装置2は、例えば、
図3に示すような測定結果を得る。測定装置2は、ウェーハ特定情報およびESFQRの測定結果を形状評価装置3へ送信する。形状評価装置3を構成する制御部34の測定結果取得部341は、測定装置2から送信されたウェーハ特定情報およびESFQRの測定結果を取得して、当該取得された情報を互いに関連付けて記憶部33に記憶させる。なお、測定結果取得部341は、作業者による入力部31の操作により入力されたウェーハ特定情報を取得しても良い。
【0022】
ステップS3の評価工程では、形状評価装置3を構成する制御部34の評価部342は、ウェーハWの形状を評価する。
まず、評価部342は、ノッチサイト以外のサイトのESFQRの平均値(以下、「第1の外周ESFQR平均値」を算出する。そして、評価部342は、以下の式(1-1)に基づいて、ノッチダレ評価値Vを算出する。
V=ESFQR_N-ESFQR_mean … (1-1)
ESFQR_N:ノッチサイトのESFQR(ノッチサイトESFQR)
ESFQR_mean1:第1の外周ESFQR平均値
【0023】
評価部342は、ノッチダレ評価値Vの算出結果を、記憶部33に記憶されたウェーハ特定情報およびESFQRの測定結果に関連付けて記憶させる。評価部342は、ノッチダレ評価値Vの算出結果を表示部32に表示させても良い。
【0024】
<実施形態の効果>
形状評価システム1は、ウェーハWの外周部における複数のサイトの平坦度を測定し、ノッチサイトを含む複数のサイトの平坦度の平均値と、ノッチサイトの平坦度との差に基づいて、ウェーハWの形状を評価する。
例えば、
図3に示すようなESFQRの測定結果が得られた場合、特許文献1に記載の評価方法では、ノッチダレ評価値Vpは、以下の式(2)に基づいて、算出される。
Vp=ESFQR_N-ESFQR_max … (2)
ESFQR_max:ノッチサイト以外のサイトのESFQRの最大値(外周ESFQR最大値)
このように得られたノッチダレ評価値Vpは、
図3に示すように、ノッチサイトと特定の1つのサイトとのESFQRの差を表すため、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差を表すことができない。特に、ノッチダレ評価値Vpがノッチ部と外周部のうち最もダレが大きい部位との差を表すため、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差が、不良の発生原因になるくらい大きい場合でも、ノッチダレ評価値Vpに基づいて、ノッチ部のダレが不良の発生原因にならない大きさであると評価されるおそれがある。
【0025】
一方、本実施形態における式(1-1)に基づき得られるノッチダレ評価値Vは、ノッチサイトESFQRから、外周部全体のダレの傾向を表す第1の外周ESFQR平均値を減じることにより得られるため、
図3に示すように、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差を表すことができる。したがって、例えば、ノッチダレ評価値Vが第1の閾値以上の場合、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差が不良の発生原因になるくらい大きいと評価でき、第1の閾値未満の場合、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差が不良の発生原因にならないくらい小さいと評価することができる。あるいは、ノッチダレ評価値Vが第2の閾値以上の場合、ウェーハWの研磨条件または研磨装置に異常が発生している可能性があると評価でき、第2の閾値未満の場合、ウェーハWの研磨条件または研磨装置に異常が発生している可能性がないと評価できる。
したがって、ノッチダレ評価値Vに基づいて、ノッチWnを有するウェーハWの形状を適切に評価できる。
【0026】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の改良並びに設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0027】
例えば、評価部342は、ノッチサイト以外のサイトのESFQRの中央値(以下、「第1の外周ESFQR中央値」と言う場合がある)を算出し、以下の式(1-2)に基づいて、ノッチダレ評価値Vを算出しても良い。
V=ESFQR_N-ESFQR_median1 … (1-2)
ESFQR_median1:第1の外周ESFQR中央値
このような式(1-2)に基づき得られるノッチダレ評価値Vは、
図3に示すように、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差を表すことができる。したがって、ノッチダレ評価値Vに基づいて、ノッチWnを有するウェーハWの形状を適切に評価できる。
【0028】
また、評価部342は、全サイトのESFQRの平均値(以下、「第2の外周ESFQR平均値」と言う場合がある)を算出し、以下の式(1-3)に基づいて、ノッチダレ評価値Vを算出しても良い。
V=ESFQR_N-ESFQR_mean2 … (1-3)
ESFQR_mean2:第2の外周ESFQR平均値
また、評価部342は、全サイトのESFQRの中央値(以下、「第2の外周ESFQR中央値」と言う場合がある)を算出し、以下の式(1-4)に基づいて、ノッチダレ評価値Vを算出しても良い。
V=ESFQR_N-ESFQR_median2 … (1-4)
ESFQR_median2:第2の外周ESFQR中央値
【0029】
上述の式(1-1)~(1-4)に基づくノッチダレ評価値の算出処理を、作業者が行っても良い。
平坦度を表す指標として、ESFQRの代わりに、ESFQD(Edge Site flatness Front reference least sQuare Deviation)、ZDD(Z-height Double Differentiation)、ESBID(Edge Site flatness Back reference Ideal Deviation)、または、ESBIR(Edge Site flatness Back reference Ideal Range)などを用いても良い。
【実施例0030】
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
まず、水準Aのウェーハと水準Bのウェーハをそれぞれ1枚ずつ準備した。水準A,Bのウェーハには、両面研磨工程、ノッチ鏡面研磨工程、外周鏡面研磨工程、および、仕上げ研磨工程が、当該順序で施されている。水準A,BのウェーハWにおけるノッチ部のダレの形状および外周部の平均的なダレの形状の模式図を
図4に示す。
図4に示すように、水準A,Bのウェーハにおけるノッチ部のダレの形状は、互いに異なっている。また、水準A,Bのウェーハにおける外周部の平均的なダレの形状も、互いに異なっている。
平坦度測定器Wafersight2(KLA-Tencor社製)を用いて、水準A,Bのウェーハの外周部のESFQRを測定した。
水準A,BのウェーハにおけるノッチサイトESFQR、外周ESFQR最大値および第1の外周ESFQR平均値を表1に示す。
【0032】
【0033】
次に、水準A,BのウェーハにおけるノッチサイトESFQRを、比較例1-1のノッチダレ評価値とした。
また、上記式(2)に基づいて、比較例1-2のノッチダレ評価値を算出した。
また、上記式(1-1)に基づいて、実施例1のノッチダレ評価値を算出した。
比較例1-1,1-2および実施例1のノッチダレ評価値の算出結果を表2に示す。
【0034】
【0035】
ここで、表1および
図4に示すように、ノッチ部のダレは、水準Bのウェーハの方が水準Aのウェーハよりも大きかったが、外周部の平均的なダレも、水準Bのウェーハの方が水準Aのウェーハよりも大きかった。この場合、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差は、水準Aのウェーハと水準Bのウェーハでほとんど同じであると考えることが好ましい。
【0036】
表2に示すように、比較例1-1のノッチダレ評価値は、水準Aのウェーハよりも水準Bのウェーハの方が大きかった。比較例1-1のノッチサイトのダレ量評価値はノッチサイトESFQRであるため、比較例1-1のノッチサイトのダレ量評価値に基づいて、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差を表すことができない。
また、比較例1-2のノッチダレ評価値も、比較例1-1のノッチダレ評価値と同様に、水準Aのウェーハよりも水準Bのウェーハの方が大きかった。比較例1-2のノッチダレ評価値は、ノッチサイトと特定の1つのサイトとのESFQRの差を表すため、比較例1-2のノッチサイトのダレ量評価値に基づいて、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差を表すことができない。
一方、実施例1のノッチダレ評価値は、水準Aのウェーハと水準Bのウェーハで同じであった。
実施例1のノッチダレ評価値は、ノッチサイトのESFQRとノッチサイト以外のサイトのESFQRの平均値との差を表すため、実施例1のノッチサイトのダレ量評価値に基づいて、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差を表すことができる。
以上のことから、本発明のノッチダレ評価値に基づいて、ノッチを有するウェーハの形状を適切に評価できることを確認できた。
【0037】
[実施例2]
まず、水準Cのウェーハと水準Dのウェーハをそれぞれ1枚ずつ準備した。水準C,Dのウェーハには、水準Aのウェーハと同じ研磨工程が施されている。
上述の平坦度測定器Wafersight2を用いて、水準C,Dのウェーハの外周部のESFQRを測定した。そして、上記式(1-1)に基づいて、ノッチダレ評価値を算出した。
水準C,DのウェーハにおけるノッチサイトESFQR、第1の外周ESFQR平均値およびノッチダレ評価値を表3に示す。
【0038】
【0039】
表3に示すように、ノッチ部のダレは、水準Cのウェーハと水準Dのウェーハで同じであったが、外周部の平均的な形状のダレは、水準Cのウェーハの方が水準Dのウェーハよりも大きかった。この場合、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差は、水準Dのウェーハの方が水準Cのウェーハよりも大きいと考えることが好ましい。
水準Dのノッチダレ評価値は、水準Cのノッチダレ評価値よりも大きかった。
したがって、本発明のノッチダレ評価値に基づいて、ノッチ部のダレと外周部全体のダレの傾向との差が不良の発生原因になるくらい大きいか否か、あるいは、ウェーハの研磨条件または研磨装置に異常が発生している可能性があるか否かを評価することができ、ノッチを有するウェーハの形状を適切に評価できることを確認できた。