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特開2024-176244基板検査装置、基板検査方法及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176244
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】基板検査装置、基板検査方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241212BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N21/956 A
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094658
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】杉山 享
(72)【発明者】
【氏名】梅原 康敏
(72)【発明者】
【氏名】森 拓也
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051BB03
2G051BB05
2G051CA03
2G051CA06
2G051CB01
2G051CB05
2G051CC07
2G051CC11
2G051DA06
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB07
4M106DJ03
4M106DJ17
(57)【要約】
【課題】基板の撮像画像に基づく欠陥検査における欠陥検出精度を向上させる。
【解決手段】基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する基板検査装置であって、前記基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板に対して、光を出射する光源部と、前記保持部を移動させる移動機構と、前記保持部に保持された前記基板からの反射光または散乱光を受光することにより前記基板を撮像する撮像部と、制御部と、を備え、前記制御部は、(A)前記保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、(B)その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する基板検査装置であって、
前記基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板に対して、光を出射する光源部と、
前記保持部を移動させる移動機構と、
前記保持部に保持された前記基板からの反射光または散乱光を受光することにより前記基板を撮像する撮像部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
(A)前記保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、
(B)その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、を実行する、基板検査装置。
【請求項2】
前記第1光及び前記第2光の一方は、明視野光であり、他方は、暗視野光である、請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記第1光及び前記第2光は、互いに波長帯が異なる、請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記撮像部は絞りを有し、
前記第1光及び前記第2光は、前記絞りによって前記撮像部に受光される光量が互いに異なる、請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記光源部は、前記第1光用の第1光源部と、前記第2光用の第2光源部とを、含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記撮像部は、前記第1光を受光する第1撮像部と、前記第2光を受光する第2撮像部と、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記(A)工程及び前記(B)工程の少なくともいずれか一方において、前記保持部を移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光及び前記第2光をそれぞれ前記第1撮像部及び前記第2撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる、請求項6に記載の基板検査装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記(A)工程時と前記(B)工程時とで、前記撮像部に対する前記保持部に保持された前記基板の配置を異ならせる、請求項7に記載の基板検査装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記(A)工程における前記第1方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、前記(B)工程における前記第2方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する、請求項8に記載の基板検査装置。
【請求項10】
前記制御部は、
(C)前記第1光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(D)前記第2光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(E)前記(C)工程及び前記(D)工程の結果に基づいて、前記基板上の欠陥の要因を推定する工程と、を実行する、請求項2に記載の基板検査装置。
【請求項11】
前記制御部は、
(F)前記(A)工程で得られた前記第1光及び前記第2光のうちの一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(G)前記(B)工程で得られた前記一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(H)前記(F)工程と前記(G)工程の一方のみで検出された欠陥を欠陥検出結果から除外する工程と、を実行する、請求項7に記載の基板検査装置。
【請求項12】
基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する基板検査装置であって、
前記基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板に対して、光を出射する光源部と、
前記保持部を移動させる移動機構と、
前記保持部に保持された前記基板からの反射光または散乱光を受光することにより前記基板を撮像する撮像部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記保持部を所定の方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を前記撮像部により受光させて当該基板を撮像させ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光させて当該基板を撮像させる工程を実行する、基板検査装置。
【請求項13】
基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する方法であって、
(a)前記基板を保持する保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、
(b)その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、を含む、基板検査方法。
【請求項14】
前記撮像部は、前記第1光を受光する第1撮像部と、前記第2光を受光する第2撮像部と、を含む、請求項13に記載の基板検査方法。
【請求項15】
前記(a)工程及び前記(b)工程の少なくともいずれか一方において、前記保持部を移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光及び前記第2光をそれぞれ前記第1撮像部及び前記第2撮像部により受光し、当該基板を撮像する、請求項14に記載の基板検査方法。
【請求項16】
前記(a)工程時と前記(b)工程時とで、前記撮像部に対する前記保持部に保持された前記基板の配置が異なる、請求項15に記載の基板検査方法。
【請求項17】
前記(a)工程における前記第1方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、前記(b)工程における前記第2方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程をさらに含む、請求項16に記載の基板検査方法。
【請求項18】
前記第1光及び前記第2光の一方は、明視野光であり、他方は、暗視野光であり、
(c)前記第1光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(d)前記第2光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(e)前記(C)工程及び前記(D)工程の結果に基づいて、前記基板上の欠陥の要因を推定する工程と、をさらに含む、請求項13~17のいずれか1項に記載の基板検査方法。
【請求項19】
(f)前記(a)工程で得られた前記第1光及び前記第2光のうちの一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(g)前記(b)工程で得られた前記一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(h)前記(f)工程と前記(g)工程の一方のみで検出された欠陥を欠陥検出結果から除外する工程と、をさらに含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の基板検査方法。
【請求項20】
基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する方法を基板検査装置によって実行させるように、当該基板検査装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
前記方法は、
前記基板を保持する保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、
その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、を含む、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板検査装置、基板検査方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板に所定の処理を施す複数の処理装置を備えた基板処理システムにおける、基板の検査方法が開示されている。この検査方法では、処理装置で処理される前の基板の表面を撮像して第1の基板画像が取得され、第1の基板画像から所定の特徴量が抽出される。また、それぞれ異なる範囲の特徴量に対応して設定された複数の検査レシピが記憶された記憶部から、第1の基板画像から抽出された特徴量に対応する検査レシピが選択される。そして、処理装置で処理された後の基板の表面を撮像して第2の基板画像が取得され、選択された検査レシピと第2の基板画像に基づいて、基板の欠陥の有無が判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-212008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板の撮像画像に基づく欠陥検査における欠陥検出精度を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する基板検査装置であって、前記基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板に対して、光を出射する光源部と、前記保持部を移動させる移動機構と、前記保持部に保持された前記基板からの反射光または散乱光を受光することにより前記基板を撮像する撮像部と、制御部と、を備え、前記制御部は、(A)前記保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、(B)その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板の撮像画像に基づく欠陥検査における欠陥検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態にかかる基板検査装置を備えたウェハ処理システムの構成の概略を示す平面図である。
図2図1のウェハ処理システムの正面側の内部構成の概略を模式的に示す図である。
図3図1のウェハ処理システムの背面側の内部構成の概略を模式的に示す図である。
図4】検査装置の構成の概略を示す横断面図である。
図5】検査装置の構成の概略を示す縦断面図である。
図6図1のウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理に含まれる、検査装置によるウェハの検査を説明するためのフローチャートである。
図7】第2実施形態にかかる基板検査装置としての検査装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイス等の製造工程では、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理等が順次行われ、ウェハ上にレジストパターンが形成される。
【0009】
また、上述のようにレジストパターンを形成する際等に、各種処理後のウェハに対して欠陥検査が行われることがある。この欠陥検査では、例えば、膜表面の凹凸欠陥の有無や膜中の欠陥の有無等が検査される。近年では、この欠陥検査に、処理後の検査対象のウェハ(具体的にはその処理面すなわち表面)を撮像した撮像画像が用いられる場合がある(特許文献1参照)。
しかし、従来のウェハの撮像画像を用いてウェハに対し欠陥検査を行う方法では、欠陥検出精度の点で改善の余地がある。
【0010】
そこで、本開示にかかる技術は、基板の撮像画像に基づく欠陥検査における欠陥検出精度を向上させる。
【0011】
以下、本実施形態にかかる基板検査装置及び基板検査方法を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
<ウェハ処理システム>
図1は、第1実施形態にかかる基板検査装置を備えたウェハ処理システム1の構成の概略を示す平面図である。図2及び図3は、各々ウェハ処理システム1の正面側及び背面側の内部構成の概略を模式的に示す図である。なお、以下では、ウェハ処理システム1がウェハWに対して塗布現像処理を行う塗布現像処理システムである場合を例にして説明する。
【0013】
ウェハ処理システム1は、例えば、ウェハWに対して塗布現像処理を行う塗布現像処理システムである。ウェハ処理システム1は、図1に示すように、複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、を有する。そして、ウェハ処理システム1は、カセットステーション10と、処理ステーション11と、処理ステーション11とは反対側に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13と、を一体に接続した構成を有している。
【0014】
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、ウェハ処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置する載置板21が複数設けられている。
【0015】
カセットステーション10には、X方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0016】
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0017】
第1のブロックG1には、図2に示すように、複数の液処理装置、例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33が下からこの順に配置されている。現像処理装置30は、ウェハWを現像処理するものであり、下部反射防止膜形成装置31は、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成するものである。レジスト塗布装置32は、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するものであり、上部反射防止膜形成装置33は、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成するものである。
【0018】
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
【0019】
これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33では、例えば、スピン塗布法により、予め定められた処理液がウェハW上に塗布される。スピン塗布法では、例えば塗布ノズルからウェハW上に処理液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、処理液をウェハWの表面に拡散させる。
【0020】
第2のブロックG2には、図3に示すように、ウェハWの加熱や冷却といった熱処理を行う熱処理装置40が、上下方向と水平方向に並べて設けられており、その数や配置は、任意に選択できる。
【0021】
第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62と、基板検査装置としての検査装置63とが、下から順に設けられている。検査装置63の構成については後述する。
【0022】
図1に示すように、第1のブロックG1~第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、ウェハ搬送装置70が配置されている。
【0023】
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム70aを有している。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定のユニットにウェハWを搬送できる。ウェハ搬送装置70は、例えば図3に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1~G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0024】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0025】
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0026】
図1に示すように、第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム90aを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0027】
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム100aを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アーム100aにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置101及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
【0028】
以上のウェハ処理システム1には、制御部200が設けられている。制御部200は、例えばCPU等のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータにより構成され、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1を制御するための指令を含むプログラムが格納されている。上記プログラムは、例えば、検査装置63で撮像された基板画像としてのウェハ画像に基づいて行われるウェハWの検査を制御するためのプログラムを含む。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御部200にインストールされたものであってもよい。
【0029】
<検査装置63>
次に、上述した検査装置63の構成について説明する。図4及び図5はそれぞれ、検査装置63の構成の概略を示す横断面図及び縦断面図である。
【0030】
検査装置63は、図4及び図5に示すように、筐体150を有している。筐体150の一側壁には、当該筐体150に対するウェハWの搬入出を行うための搬入出口150aが形成されている。
【0031】
また、筐体150内には、ウェハWを保持するウェハチャック151が設けられている。すなわち、筐体150は、ウェハチャック151を収容するものである。筐体150の底面には、筐体150内の手前側(図4中のX方向正方向側)から奥側(図4中のX方向負方向側)まで延伸するガイドレール152が設けられている。ガイドレール152上には、ウェハチャック151を回転させると共に、ガイドレール152に沿って移動自在な駆動部153が設けられている。駆動部153は、ウェハチャック151を回転させるための駆動力及び当該駆動部153の移動のための駆動力を発生するモータ等の駆動源(図示せず)を有する。ウェハチャック151に保持されているウェハWは、駆動部153により、搬入出口150a寄りすなわち手前側の第1の位置と、後述の周縁撮像ユニット190寄りすなわち奥側の第2の位置との間で移動可能である。この駆動部153は、ウェハチャック151を移動させる移動機構の少なくとも一部を構成する。
【0032】
さらに、筐体150内には、アライナユニット160が設けられている。
【0033】
アライナユニット160は、筐体150内における手前側に設けられている。また、アライナユニット160は、上部または下部のいずれか一方に投光部161を有し、他方に受光部162を有する。投光部161は例えばLEDを含む。受光部162は例えばPD(Photodiode)を含む。アライナユニット160は、ウェハチャック151に保持され上述の第1の位置に位置するウェハWの周縁部を投光部161と受光部162との間で挟みうるように設けられている。
【0034】
例えば、第1の位置に位置するウェハWがウェハチャック151と共に駆動部153により回転されている間に、投光部161から受光部162に向けた光照射が行われ、受光部42での受光結果が制御部200に出力される。制御部200では、上記受光結果に基づいて、ウェハWの周縁部に形成されたノッチの位置が検出される。ノッチの位置の検出後、駆動部153によりウェハチャック151を回転させることにより、ノッチ位置検出済みのウェハWを、所定の向きとすることができる。
【0035】
また、筐体150内には、表面用撮像部170と、表面用光源部180と、が設けられている。
【0036】
表面用撮像部170は、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの反射光または散乱光を受光することにより、当該ウェハWを撮像する。この表面用撮像部170は、カメラ171を有する。
【0037】
カメラ171は、例えば、筐体150内の奥側(図4中のX方向負方向側)の端部における上方に設けられており、レンズ(図示せず)とラインセンサ等の撮像デバイス(図示せず)を有する。
本実施形態において、カメラ171は、第1撮像部及び第2撮像部を兼ねる。第1撮像部は、第1光としての、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの反射光(具体的にはウェハWの表面からの反射光)すなわち明視野光を、受光することにより、ウェハWを撮像する。第2撮像部は、第2光としての、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの散乱光(具体的にはウェハWの表面からの散乱光)すなわち暗視野光を、受光することにより、ウェハWを撮像する。
カメラ171で撮像された画像は、制御部200に出力される。
【0038】
表面用光源部180は、ウェハチャック151に保持されたウェハWに対して、光を出射する。この表面用光源部180は、第1光源部181と第2光源部182とを有する。
【0039】
第1光源部181は、筐体150内の奥行き方向(図のX方向)中央における上方に設けられており、第1光源部181の下方には、ハーフミラー183が設けられている。ハーフミラー183は、カメラ171と対向する位置に、鏡面が鉛直下方を向いた状態からカメラ171の方向に向けて45度上方に傾斜した状態で設けられている。第1光源部181からの照明は、ハーフミラー183を通過して下方に向けて照らされる。また、ハーフミラー183を通過した光は、ハーフミラー183の下方にある物体によって反射され、ハーフミラー183でさらに反射して、カメラ171に受光される。すなわち、第1光源部181は、明視野照明であり、カメラ171は、第1光源部181による照射領域にある物体を撮像することができる。したがって、ウェハWを保持するウェハチャック151がガイドレール152に沿って移動する際に、カメラ171は、第1光源部181の照射領域を通過するウェハWの表面を撮像できる。
【0040】
第2光源部182は、筐体150内の第1光源部181より手前側(図のX方向正方向側)の位置における上方に設けられている。第2光源部182からの照明は、斜め下方に向けて照らされる。また、第2光源部182による光照射領域と第1光源部181による光照射領域とは略一致する。すなわち、例えば、第2光源部182により、ハーフミラー183の下方が照らされる。また、第2光源部182からの光は、ハーフミラー183の下方にある物体によって散乱され、ハーフミラー183で反射して、カメラ171に受光される。すなわち、第2光源部182は、暗視野照明であり、カメラ171は、第2光源部182による照射領域にある物体を撮像することができる。したがって、ウェハWを保持するウェハチャック151がガイドレール152に沿って移動する際に、カメラ171は、第2光源部182の照射領域を通過するウェハWの表面を撮像できる。
【0041】
さらに、筐体150内には、周縁撮像ユニット190が設けられている。
周縁撮像ユニット190は、例えば、筐体150内の奥側(図4中のX方向負方向側)に設けられており、カメラ191と、照明モジュール192と、ミラー部材(図示せず)とを含む。
【0042】
カメラ191は、レンズ(図示せず)とラインセンサ等の撮像素子(図示せず)を有する。カメラ191で撮像された画像は、制御部200に出力される。
【0043】
照明モジュール192及びミラー部材は、ウェハチャック151に保持されたウェハWが第2の位置にある場合に、照明モジュール192から出射されウェハWの表面の周縁部で反射された光と、照明モジュール192から出射されウェハWの側端面で反射された光との双方がカメラ191に受光されるよう、構成されている。すなわち、ウェハチャック151に保持されたウェハWが第2の位置にある場合、カメラ191は、ウェハWの表面の周縁部とウェハWの側端面との双方を撮像できる。
【0044】
例えば、ウェハWが第2の位置にある場合に、当該ウェハWを保持しているウェハチャック151の回転に同期させて、周縁撮像ユニット190による撮像が行われる。これにより、ウェハWの周縁部の全面について、具体的には、ウェハWの表面の周縁部の全面と、ウェハWの側端面の全面と、について、実質的にウェハWの周方向に走査した画像が得られる。
【0045】
<ウェハ処理>
続いて、ウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理の一例について説明する。図6は、上記ウェハ処理に含まれる、検査装置63によるウェハWの検査を説明するためのフローチャートである。
【0046】
まず、複数のウェハWを収納したカセットCが、カセットステーション10の所定の載置板21に載置される。その後、制御部200の制御の下、ウェハWが、ウェハ搬送装置23によりカセットC内から取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の例えば受け渡し装置52に搬送される。
【0047】
次に、制御部200の制御の下、ウェハWが、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、温度調節処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。続いて、ウェハWが、第2のブロックG2の下層膜用の熱処理装置40に搬送され、下層膜の加熱処理が行われる。
【0048】
その後、制御部200の制御の下、ウェハWが、第1のブロックG1のレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハWの下層膜上にレジスト膜が形成される。続いて、ウェハWが、第2のブロックG2のPAB処理用の熱処理装置40に搬送され、PAB処理が行われる。
【0049】
次に、制御部200の制御の下、ウェハWが、第1のブロックG1の上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは第2のブロックG2の上層膜用の熱処理装置40に搬送され、上層膜の加熱処理が行われる。
【0050】
次いで、制御部200の制御の下、ウェハWが、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置100によって検査装置63に搬送され、筐体150内に搬入される。
【0051】
筐体150内に搬入されたウェハWは、制御部200の制御の下、筐体150内における手前側に移動してたウェハチャック151に載置される。
【0052】
次いで、制御部200の制御の下、ウェハWは、筐体150内の奥側まで、搬入される。具体的には、ウェハチャック151に保持されたウェハWは、前述の第1の位置から第2の位置まで、ガイドレール152に沿って移動される。
第1の位置では、前述のように、ウェハWのノッチの位置が検出され、検出結果に基づいて、ウェハWが所定の向きとされる。
筐体150内への搬入動作が終わる第2の位置では、周縁撮像ユニット190によるウェハWの撮像が行われ、具体的には、周縁撮像ユニット190によるウェハWの表面の周縁部とウェハWの側端面の撮像が行われる。
【0053】
その後、ウェハWは、制御部200の制御の下、筐体150内の奥側から搬出され、筐体150内の手前側まで移動される。そして、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって、検査装置63では、筐体150から搬出される。
【0054】
また、検査装置63では、筐体150内にウェハWが位置する間に、制御部200の制御の下、表面用撮像部170によりウェハWが撮像される。
【0055】
具体的には、制御部200の制御の下、図6に示すように、ウェハチャック151を第1方向である筐体150の奥方向(図4のX方向負方向)に移動させつつ、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの明視野光を、表面用撮像部170により受光させて、ウェハWを撮像させる(ステップS1)。
【0056】
より具体的には、筐体150内へのウェハWの搬入後、第1の位置で所定の向きとされたウェハWが、奥行き方向に沿って第2の位置まで移動される間、表面用光源部180の第1光源部181及び第2光源部182のうち前者のみが点灯される。また、第2の位置までの移動に同期して、表面用撮像部170のカメラ171によるウェハWの表面の撮像が行われる。表面用撮像部170による撮像結果は、制御部200に出力され、明視野光によるウェハWの撮像画像(具体的にはウェハWの表面の撮像画像)が制御部200により取得される。
【0057】
上述の筐体150の奥方向に移動させつつの撮像後、制御部200の制御の下、ウェハチャック151を第1方向とは逆の第2方向である筐体150の手前方向(図4のX方向正方向)に移動させつつ、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの暗視野光を、表面用撮像部170により受光させて、ウェハWを撮像させる(ステップS2)。
【0058】
具体的には、ウェハWが、奥行き方向に沿って第2の位置から第1の位置まで移動される間、表面用光源部180の第1光源部181及び第2光源部182のうち後者のみが点灯される。また、第1の位置までの移動に同期して、表面用撮像部170のカメラ171によるウェハWの表面の撮像が行われる。表面用撮像部170による撮像結果は、制御部200に出力され、暗視野光によるウェハWの撮像画像(具体的にはウェハWの表面の撮像画像)が制御部200により取得される。
【0059】
明視野光によるウェハWの撮像画像と、暗視野光によるウェハWの撮像画像とが取得されると、制御部200は、両撮像画像に基づいて、ウェハWを検査する(ステップS3)。具体的には、制御部200は、上記両撮像画像に基づいて、ウェハWの表面について欠陥検査を行う。より具体的には、制御部200は、明視野光によるウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの表面の欠陥検査と、暗視野光によるウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの表面の欠陥検査と、の両方を行う。明視野光によるウェハWの撮像画像に基づく欠陥検査は、予め取得された明視野光によるウェハWの基準画像を参照して行われる。例えば、基準画像からの画素値の変化量に基づいて欠陥が検出され、具体的には、基準画像からの画素値の変化量が閾値を超えた部分が欠陥として検出される。暗視野光によるウェハWの撮像画像に基づく欠陥検査についても同様である。
【0060】
検査装置63の筐体150から搬出されたウェハWは、制御部200の制御の下、ウェハ搬送装置100によって露光装置12に搬送され、所定のパターンで露光処理される。次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、PEB処理される。次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像処理が行われる。
【0061】
現像処理の終了後、ウェハWは、制御部200の制御の下、熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。次いで、ウェハWは、ウェハ搬送装置70により第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送される。その後、ウェハWは、カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定の載置板21のカセットCに搬送され、一連のウェハ処理が完了する。上述のウェハ処理は、他のウェハWについても行われる。
【0062】
<本実施形態の主な効果>
以上のように、本実施形態にかかるウェハWを検査する方法は、ウェハWを撮像した画像に基づいてウェハWを検査するものであり、
(a)ウェハチャック151を第1方向である筐体150の奥方向(図4のX方向負方向)に移動させつつ、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの第1光としての明視野光を、表面用撮像部170により受光し、ウェハWを撮像する工程と、
(b)その後、ウェハチャック151を第1方向とは逆の第2方向である筐体150の手前方向(図4のX方向正方向)に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、表面用撮像部170により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、を含む。
すなわち、本実施形態にかかるウェハWを検査する方法は、明視野光によるウェハWの撮像画像及び暗視野光によるウェハWの撮像画像に基づいて、ウェハWを検査する。具体的には、本実施形態にかかるウェハWを検査する方法は、明視野光によるウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの欠陥検査(以下、明視野検査という。)と、暗視野光によるウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの欠陥検査(以下、暗視野検査という。)との両方を行う。
【0063】
明視野検査と暗視野検査とでは、検出しやすい欠陥が異なる。
明視野検査では、撮像対象すなわち欠陥検出対象の光の反射率の変化を異常すなわち欠陥として検出するため、ウェハW上の膜表面の凹凸欠陥だけでなく、照明光の波長とウェハW上の膜の分光特性が合致すれば、上記膜中の欠陥も検出することができる。ただし、明視野検査では、照明光の波長が固定の場合、ウェハWの撮像画像が薄膜干渉の影響を受けるため、膜厚によっては、膜表面に凹凸欠陥があっても検出することは難しい。特に、ウェハW上の膜が厚いと、明視野検査では、欠陥検出精度が低下する。
一方、暗視野検査では、欠陥検出対象の表面からの散乱光を受光するため、ウェハW上の膜の厚さによらず、膜表面の凹凸結果は検出可能である。ただし、暗視野検査では、欠陥検出対象の表面からの散乱光を受光するため、膜中の欠陥は検出することが難しい。
【0064】
本実施形態では、このような明視野検査と暗視野検査の両方を行うため、いずれか一方を行う場合に比べて、ウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの欠陥検査における欠陥検出精度を向上させることができる。具体的には、ウェハW上の膜の厚さによらず、ウェハW上の膜の表面の欠陥と、ウェハW上の膜中の欠陥との両方を検出することができる。
【0065】
また、明視野光によるウェハWの撮像画像と暗視野光によるウェハWの撮像画像とを、ウェハWを筐体150内で一往復させる間に取得している。そのため、ウェハWを筐体150内で一往復させる間に、明視野光によるウェハWの撮像画像または暗視野光によるウェハWの撮像画像のいずれか一方を取得し、ウェハWを筐体150内でさらに一往復させる間に、他方を取得する場合に比べて、両撮像画像の取得に要する時間を短縮することができる。したがって、本実施形態によれば、ウェハWの欠陥検査に用いる当該ウェハWの撮像画像の取得に要する時間が長くなるのを抑制することができる。
【0066】
<ウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの検査>
次いで、明視野光によるウェハWの撮像画像と、暗視野光によるウェハWの撮像画像とに基づく、ウェハWの欠陥検査の一例について説明する。
【0067】
前述のように、制御部200は、明視野光によるウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの表面の欠陥検査すなわち明視野検査と、暗視野光によるウェハWの撮像画像に基づく当該ウェハWの表面の欠陥検査すなわち暗視野検査と、の両方を行う。
【0068】
制御部200は、明視野検査及び暗視野検査に基づいて、ウェハW上の欠陥の要因を推定してもよい。
【0069】
例えば、ウェハW上の膜が厚く且つ暗視野検査のみで欠陥が検出された場合、当該欠陥は膜表面に存在しているものと考えられるため、制御部200は、検出されたウェハW上の欠陥の要因を、塗布不良、スクラッチ等と推定する。
また、明視野検査のみで欠陥が検出された場合、当該欠陥は膜中に存在しているものと考えられるため、制御部200は、膜形成用の塗布液中の異物または泡が、検出されたウェハW上の欠陥の要因と推定する。
【0070】
なお、ウェハW上の膜の厚さは、例えば、記憶部(図示せず)に記憶の処理レシピに基づいて判定可能である。また、欠陥検出結果とその要因とを関連付ける情報は、予め記憶部(図示せず)に記憶されており、欠陥の要因推定時に、制御部200に参照される。
【0071】
(第2実施形態)
<検査装置63A>
次に、図7は、第2実施形態にかかる基板検査装置としての検査装置63Aの構成の概略を示す縦断面図である。
【0072】
図4及び図5に示した第1実施形態にかかる検査装置63は、表面用撮像部170のカメラ171が、前述の第1撮像部及び第2撮像部を兼ねていた。それに対し、図7の第2実施形態にかかる検査装置63Aでは、表面用撮像部170Aが、第1撮像部としてのカメラ301と、第2撮像部としてのカメラ302と、を有する。
【0073】
また、第1実施形態では、暗視野光用の第2光源部182による光照射領域と明視野光用の第1光源部181による光照射領域とが一致していた。それに対し、本実施形態では、暗視野光用の第2光源部182Aによる光照射領域が、明視野光用の第1光源部181による光照射領域が一致していない。具体的には、本実施形態では、例えば、暗視野光用の第2光源部182Aによる光照射領域は、明視野光用の第1光源部181による光照射領域の手前側(図7のX方向正方向側)に位置する。
【0074】
検査装置63Aでも、第1実施形態にかかる検査装置63と同様、筐体150内にウェハWが位置する間に、制御部200の制御の下、表面用撮像部170AによりウェハWが撮像される。
【0075】
具体的には、制御部200の制御の下、ウェハチャック151を第1方向である筐体150の奥方向(図4のX方向負方向)に移動させつつ、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの明視野光を、表面用撮像部170Aにより受光させて、ウェハWを撮像させる。
【0076】
より具体的には、筐体150内へのウェハWの搬入後、第1の位置で所定の向きとされたウェハWが、奥行き方向に沿って第2の位置まで移動される間、表面用光源部180の第1光源部181A及び第2光源部182Aのうち前者のみが点灯される。また、第2の位置までの移動に同期して、表面用撮像部170Aのカメラ301によるウェハWの表面の撮像が行われる。カメラ301による撮像結果は、制御部200に出力され、明視野光によるウェハWの撮像画像(具体的にはウェハWの表面の撮像画像)が制御部200により取得される。
【0077】
上述の筐体150の奥方向に移動させつつの撮像後、制御部200の制御の下、ウェハチャック151を第1方向とは逆の第2方向である筐体150の手前方向(図4のX方向正方向)に移動させつつ、ウェハチャック151に保持されたウェハWからの暗視野光を、表面用撮像部170Aにより受光させて、ウェハWを撮像させる。
【0078】
具体的には、ウェハWが、奥行き方向に沿って第2の位置から第1の位置まで移動される間、表面用光源部180Aの第1光源部181A及び第2光源部182Aのうち後者のみが点灯される。また、第1の位置までの移動に同期して、表面用撮像部170Aのカメラ302によるウェハWの表面の撮像が行われる。カメラ302による撮像結果は、制御部200に出力され、暗視野光によるウェハWの撮像画像(具体的にはウェハWの表面の撮像画像)が制御部200により取得される。
【0079】
本実施形態においても、明視野光によるウェハWの撮像画像と、暗視野光によるウェハWの撮像画像とが取得されると、制御部200は、両撮像画像に基づいて、ウェハWを検査する。
【0080】
<第2実施形態の変形例1>
以上の例では、表面用撮像部170Aを用いて、ウェハWの筐体150の奥方向への移動時(以下、「奥方向移動時」と省略。)に第1光としての明視野光によるウェハWの撮像画像が1枚取得され、ウェハWの筐体150の手前方向移動時(以下、「手前方向移動時」と省略。)に第2光としての暗視野光によるウェハWの撮像画像が1枚取得され、計2枚取得されていた。
これに代えて、表面用撮像部170Aを用いて、奥方向移動時及び手前方向移動時それぞれにおいて、明視野光によるウェハWの撮像画像と暗視野光によるウェハWの撮像画像との両方が取得され、計4枚取得されてもよい。そして、制御部200が、この4枚の撮像画像に基づいてウェハWが検査されてもよい。
【0081】
また、以上の例では、表面用撮像部170Aを用いてウェハWの撮像画像が取得される際に、奥方向移動時と手前方向移動時とで、表面用撮像部170Aに対するウェハチャック151に保持されたウェハWの配置(以下、「表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置」と省略。)が異なっていなかった。これに代えて、表面用撮像部170Aを用いてウェハWの撮像画像が取得される際に、奥方向移動時と手前方向移動時とで、表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置が異なっていてもよく、すなわち、表面用撮像部170Aに対しウェハチャック151に保持されたウェハWがずらされていてもよい。表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置とは、例えば、表面用撮像部170Aに対するウェハWの向きであり、具体的には、奥方向移動時と手前方向移動時とで、表面用撮像部170Aに対するウェハWの向きが45°ずれていてもよい。
【0082】
これにより、ウェハW内において反射光または散乱光がカメラ301、302を構成するラインカメラの撮像素子間に到達してしまい受光されない部分を、奥方向移動時と手前方向移動時とで異ならせることができる。そのため、表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置が互い異なる、奥方向移動時のウェハWの撮像画像と手前方向移動時のウェハWの撮像画像とに基づいて、ウェハWの検査を行うことにより、以下の効果がある。すなわち、奥方向移動時と手前方向移動時とで表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置が異なっていない場合には欠陥の検出することができなかった部分についても、欠陥を検出することができる。
【0083】
ウェハチャック151が、水平面内で奥行き方向と直交する方向に移動自在に構成されている場合は、奥方向移動時と手前方向移動時とで異ならせる「表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置」は、ウェハWの上記直交する方向にかかる位置であってもよい。この場合、例えば、奥方向移動時と手前方向移動時とで、ウェハチャック151に保持されたウェハWの上記直交する方向にかかる位置が、カメラ301、302を構成するラインカメラの撮像素子のピッチの半分、ずらされる。
【0084】
また、ウェハチャック151が、当該ウェハチャック151におけるウェハWが載置される上面の水平面に対する角度が調整自在に構成されている場合は、上記「表面用撮像部170Aに対するウェハWの配置」は、ウェハチャック151の上面の水平面に対する角度すなわちウェハWの表面の水平面に対する角度であってもよい。
【0085】
なお、第1実施形態にかかる検査装置63を用いる場合も、表面用撮像部170を用いてウェハWの撮像画像が取得される際に、奥方向移動時と手前方向移動時とで、ウェハチャック151に保持されたウェハWの配置が異なっていてもよい。
【0086】
<第2実施形態の変形例2>
上記変形例1では、奥方向移動時及び手前方向移動時それぞれにおいて、明視野光によるウェハWの撮像画像と暗視野光によるウェハWの撮像画像との両方が取得されていた。これに代えて、奥方向移動時または手前方向移動時のいずれか一方においてのみ、明視野光によるウェハWの撮像画像と暗視野光によるウェハWの撮像画像との両方が取得され、いずれか他方において、明視野光によるウェハWの撮像画像または暗視野光によるウェハWの撮像画像のいずれか1つが取得されてもよい。
【0087】
また、奥方向移動時に得られた明視野光及び暗視野光のうちの一方の受光結果によるウェハWの撮像画像に基づいて欠陥が検出され、すなわち、第1欠陥検出が行われ、奥方向移動時に得られた上記一方の受光結果によるウェハWの撮像画像に基づいて欠陥が検出され、すなわち、第2欠陥検出が行われてもよい。そして、第1欠陥検出及び第2欠陥検出の一方のみで検出された欠陥が欠陥検出結果から疑似欠陥として除外されてもよい。すなわち、同じ照明方法によりウェハWを撮像した画像が2つある場合は、一方の画像に基づいてのみ検出された欠陥が欠陥検出結果から疑似欠陥として除外されてもよい。
【0088】
<第2実施形態の変形例3>
また、奥方向移動時または手前方向移動時のいずれか一方においてのみ、明視野光によるウェハWの撮像画像と暗視野光によるウェハWの撮像画像との両方が取得され、いずれか他方では、いずれの撮像画像が取得されなくてもよい。
【0089】
<第1実施形態及び第2実施形態の変形例>
以上の例では、ウェハWを筐体150内で一往復のみさせていた。これに代えて、一往復目で取得されたウェハWの撮像画像に基づくウェハWの検査の結果に応じて、ウェハWを筐体150内で再度往復させ、その際、ウェハWの画像を取得させ、当該画像に基づいて、再度ウェハWの検査を行ってもよい。例えば、一往復目で、明視野光によるウェハWの撮像画像と暗視野光によるウェハWの撮像画像とのうち、一方に基づいてのみ欠陥が検出された場合、再度往復させる時には、明視野光と暗視野光のうち、欠陥が検出された撮像画像に用いられた方のみ、利用されてもよい。この場合、再度往復させる時における、奥方向への移動時及び手前方向移動時それぞれにおいて、ウェハWの撮像画像が取得されてもよい。また、再度往復させる時にウェハWの撮像画像を取得させる際に、奥方向移動時と、手前方向移動時とで、表面用撮像部170、170Aに対するウェハWの配置を異ならせてもよい。これに代えて、または、これに加えて、一往復目と、再度往復させる時とで、表面用撮像部170、170Aに対するウェハWの配置を異ならせてもよい。
【0090】
また、例えば、カセットCに収容されている複数枚(例えば25枚)のウェハWのうち、2枚目のウェハWに対し、明視野光によるウェハWの撮像画像に基づく欠陥検出と暗視野光によるウェハWの撮像画像とに基づく欠陥検出との両方が行われる。そして、一方でのみ欠陥が検出された場合、明視野光と暗視野光のうち、欠陥が検出された撮像画像に用いられた方のみ、3枚目以降のウェハWに利用されてもよい。
【0091】
<第1光及び第2光の変形例>
以上の例では、第1光が明視野光、第2光が暗視野光であったが、第1光が暗視野光、第2光が明視野光であってもよい。
【0092】
また、第1光及び第2光は、暗視野光と明視野光の組み合わせに限られない。例えば、第1光及び第2光は、互いに波長帯が異なる光であってもよい。具体的には、第1光及び第2光の一方の波長帯は、他方の波長帯に全て含まれてもよく、すなわち、他方の波長帯の一部であってもよい。このような波長帯が異なる第1光及び第2光の両方を用いることにより、第1光及び第2光の一方のみを用いる場合では検出することができない欠陥を検出し得る。
【0093】
また、第1光及び第2光は、表面用撮像部が有する絞りによって当該表面用撮像部に受光される光量が互いに異なる光であってもよい。このような、絞りによって表面用撮像部に受光される光量が互いに異なる第1光及び第2光の両方を用いることにより、絞り量が少なく光量が多い光のみを用いる場合には検出することができない欠陥を検出し得る。さらに、絞り量が多く光量が少ない光のみを用いる場合に比べて、光源の長寿命化を図ることができる。
なお、奥方向移動時に絞り量が少なく光量が多い光によりウェハWの撮像画像が取得され、当該撮像画像に基づいて粗いウェハWの欠陥検査が行われ、欠陥が検出された場合のみ、手前方向移動時に絞り量が多く光量が少ない光によりウェハWの撮像画像が取得されてもよい。そして、当該撮像画像に基づいて精細なウェハWの欠陥検査が行われてもよい。
また、この場合、第1光用の光源部と第2光用の光源部とを別に設けなくてもよく、第1光用と第2光用とで光源部を共通にすることができる。
【0094】
<表面用光源部の他の例>
ウェハチャック151に保持されたウェハWに対する表面用光源部からの光の相対的な角度を調整するための角度調整機構が設けられてもよい。角度調整機構は、表面用光源部の光軸の角度を調整するものであってもよいし、ウェハチャック151のウェハ載置面の角度を調整するものであってもよい。表面用光源部から照射される暗視野光の場合、ウェハWに対する光の入射角度によって、欠陥検出率が変わるため、上述のような角度調整機構を設けることで、欠陥検出率の向上を図ることができる。
【0095】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要件は任意に組み合わせることができる。当該任意の組み合せからは、組み合わせにかかるそれぞれの構成要件についての作用及び効果が当然に得られるとともに、本明細書の記載から当業者には明らかな他の作用及び他の効果が得られる。
【0096】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0097】
なお、以下のような構成例も本開示の技術的範囲に属する。
(1)基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する基板検査装置であって、
前記基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板に対して、光を出射する光源部と、
前記保持部を移動させる移動機構と、
前記保持部に保持された前記基板からの反射光または散乱光を受光することにより前記基板を撮像する撮像部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
(A)前記保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、
(B)その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる工程と、を実行する、基板検査装置。
(2)前記第1光及び前記第2光の一方は、明視野光であり、他方は、暗視野光である、前記(1)に記載の基板検査装置。
(3)前記第1光及び前記第2光は、互いに波長帯が異なる、前記(1)に記載の基板検査装置。
(4)前記撮像部は絞りを有し、
前記第1光及び前記第2光は、前記絞りによって前記撮像部に受光される光量が互いに異なる、前記(1)に記載の基板検査装置。
(5)前記光源部は、前記第1光用の第1光源部と、前記第2光用の第2光源部とを、含む、前記(1)~(4)のいずれか1に記載の基板検査装置。
(6)前記撮像部は、前記第1光を受光する第1撮像部と、前記第2光を受光する第2撮像部と、を含む、前記(1)~(5)のいずれか1に記載の基板検査装置。
(7)前記(A)工程及び前記(B)工程の少なくともいずれか一方において、前記保持部を移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光及び前記第2光をそれぞれ前記第1撮像部及び前記第2撮像部により受光させて、当該基板を撮像させる、前記(6)に記載の基板検査装置。
(8)前記制御部は、前記(A)工程時と前記(B)工程時とで、前記撮像部に対する前記保持部に保持された前記基板の配置を異ならせる、前記(7)に記載の基板検査装置。
(9)前記制御部は、前記(A)工程における前記第1方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、前記(B)工程における前記第2方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する、前記(8)に記載の基板検査装置。
(10)前記制御部は、
(C)前記第1光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(D)前記第2光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(E)前記(C)工程及び前記(D)工程の結果に基づいて、前記基板上の欠陥の要因を推定する工程と、を実行する、前記(2)に記載の基板検査装置。
(11)前記制御部は、
(F)前記(A)工程で得られた前記第1光及び前記第2光のうちの一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(G)前記(B)工程で得られた前記一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(H)前記(F)工程と前記(G)工程の一方のみで検出された欠陥を欠陥検出結果から除外する工程と、を実行する、前記(7)~(9)のいずれか1に記載の基板検査装置。
(12)基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する基板検査装置であって、
前記基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板に対して、光を出射する光源部と、
前記保持部を移動させる移動機構と、
前記保持部に保持された前記基板からの反射光または散乱光を受光することにより前記基板を撮像する撮像部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記保持部を所定の方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を前記撮像部により受光させて当該基板を撮像させ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光させて当該基板を撮像させる工程を実行する、基板検査装置。
(13)基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する方法であって、
(a)前記基板を保持する保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、
(b)その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、を含む、基板検査方法。
(14)前記撮像部は、前記第1光を受光する第1撮像部と、前記第2光を受光する第2撮像部と、を含む、前記(13)に記載の基板検査方法。
(15)前記(a)工程及び前記(b)工程の少なくともいずれか一方において、前記保持部を移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光及び前記第2光をそれぞれ前記第1撮像部及び前記第2撮像部により受光し、当該基板を撮像する、前記(14)に記載の基板検査方法。
(16)前記(a)工程時と前記(b)工程時とで、前記撮像部に対する前記保持部に保持された前記基板の配置が異なる、前記(15)に記載の基板検査方法。
(17)前記(a)工程における前記第1方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、前記(b)工程における前記第2方向への移動時に得られた前記基板の撮像画像と、に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程をさらに含む、前記(16)に記載の基板検査方法。
(18)前記第1光及び前記第2光の一方は、明視野光であり、他方は、暗視野光であり、
(c)前記第1光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(d)前記第2光の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(e)前記(C)工程及び前記(D)工程の結果に基づいて、前記基板上の欠陥の要因を推定する工程と、をさらに含む、前記(13)~(17)のいずれか1に記載の基板検査方法。
(19)(f)前記(a)工程で得られた前記第1光及び前記第2光のうちの一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(g)前記(b)工程で得られた前記一方の受光結果による前記基板の撮像画像に基づいて、前記基板上の欠陥を検出する工程と、
(h)前記(f)工程と前記(g)工程の一方のみで検出された欠陥を欠陥検出結果から除外する工程と、をさらに含む、前記(15)~(17)のいずれか1に記載の基板検査方法。
(20)基板の撮像画像に基づいて前記基板を検査する方法を基板検査装置によって実行させるように、当該基板検査装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
前記方法は、
前記基板を保持する保持部を第1方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの第1光を、撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、
その後、前記保持部を前記第1方向とは逆の第2方向に移動させつつ、前記保持部に保持された前記基板からの前記第1光とは異なる第2光を、前記撮像部により受光し、当該基板を撮像する工程と、を含む、コンピュータ記憶媒体。
【符号の説明】
【0098】
63、63A 検査装置
151 ウェハチャック
153 駆動部
170、170A 表面用撮像部
171 カメラ
180 表面用光源部
180、180A 表面用光源部
200 制御部
H 記憶媒体
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7