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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176353
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】端末装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20241212BHJP
   H04N 21/435 20110101ALI20241212BHJP
   H04H 20/26 20080101ALI20241212BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20241212BHJP
   H04H 20/24 20080101ALI20241212BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/435
H04H20/26
H04H40/18
H04H20/24
H04H60/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094833
(22)【出願日】2023-06-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】大亦 寿之
(72)【発明者】
【氏名】飯田 明寛
(72)【発明者】
【氏名】立石 里枝
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164MA08S
5C164UA04S
5C164UB10P
5C164UB22S
5C164UB51S
5C164UB71P
(57)【要約】
【課題】インターネットを介して提供されるサービスと、放送とを容易に切り替える。
【解決手段】端末装置は、放送通信連携サービスを受信することが可能な受信機を制御する端末装置であって、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる受信機制御部と、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、編成チャンネルに選局するサービス・コンテンツ処理部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送通信連携サービスを受信することが可能な受信機を制御する端末装置であって、
予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる受信機制御部と、
放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、編成チャンネルに選局するサービス・コンテンツ処理部と
を備える端末装置。
【請求項2】
前記受信機が実装しているアプリケーション又は起動可能なアプリケーションと、前記受信機が選局可能な編成チャンネルとを同時に提示可能な端末提示部を更に備える
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記端末提示部は、制御可能な前記受信機を特定する情報を更に提示する
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記受信機制御部は、自身と所定の通信ネットワークにより接続可能な範囲に存在する前記受信機を検索するための情報を送信し、当該送信に対するレスポンスとして、前記受信機に関する情報と前記受信機に実装されているアプリケーションに関する情報とを取得することにより、事前設定処理を行う
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記受信機制御部は、前記レスポンスとして、前記受信機に実装されているアプリケーションの有無及び状態に関する情報と、前記受信機が選局可能な編成チャンネルを特定する情報とを取得することにより、事前設定処理を行う
請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記受信機制御部は、DIALプロトコルを用いて、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記サービス・コンテンツ処理部は、ハイブリッドキャストの連携端末通信プロトコルの外部起動を用いて、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機を指定の編成チャンネルに選局する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
放送通信連携サービスを受信することが可能な受信機を制御するコンピュータに、
予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる受信機制御ステップと、
放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、編成チャンネルに選局するサービス・コンテンツ処理ステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の放送に加えて、インターネットに接続することにより、様々なインターネットサービスを利用することができるスマートテレビが普及している。スマートテレビのメーカーは、独自のプラットフォーム上で動作する個別のアプリケーションを提供している。利用者は、このようなアプリケーションを用いて、インターネットサービスを利用することが一般的である。また、非特許文献1及び非特許文献2に示すようなハイブリッドキャストを用いた放送通信連携機能によって、放送とインターネットサービスとの連携をすることが可能となっている。
【0003】
非特許文献1に記載のアプリケーションモデルによると、放送マネージドアプリケーション、又は放送非依存マネージドアプリケーションで実現するインターネットサービスについては、放送サービスと相互に遷移することが可能である。また、非特許文献3に記載のプロトコル「DIAL」は、スマートフォン等の端末から、スマートテレビ等のデバイス上のアプリケーションを発見し、指定したアプリケーションを起動及び終了するための標準規格である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】IPTV規定 放送通信連携システム仕様,IPTVFJ STD-0010 2.4版,2022年1月21日改訂,一般社団法人IPTVフォーラム.
【非特許文献2】IPTV規定 ハイブリッドキャスト運用規定,IPTVFJ STD-0013 2.10版,2022年1月21日改訂,一般社団法人IPTVフォーラム.
【非特許文献3】DIAL DIscovery And Launch protocol specification,Version 2.2.1,2021年6月11日改訂,Netflix, Inc.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来技術を用いたとしても、ハイブリッドキャストで実現される放送マネージドアプリケーション及び放送非依存マネージドアプリケーション以外のアプリケーション(すなわち、非特許文献1における一般アプリケーション等)については、スマートテレビ上で、放送との相互遷移をすることができない。そのため、例えば各スマートテレビメーカーのプラットフォーム等で動作するアプリケーションを視聴している場合であって、放送に切り替えたいような場合、又はその逆の場合において、利用者は利用中のアプリケーションやサービスをいったん終了し、次に利用するアプリケーションやサービスを起動する操作が必要となる。したがって、利用者が行うべき操作の手順が増え、利便性が損なわれるといった課題があった。
【0006】
そこで本発明は、インターネットを介して提供されるサービスと、放送とを容易に切り替えることが可能な端末装置及びプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、放送通信連携サービスを受信することが可能な受信機を制御する端末装置であって、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる受信機制御部と、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、編成チャンネルに選局するサービス・コンテンツ処理部とを備える端末装置である。
【0008】
[2]また、本発明の一態様は、上記[1]に記載の端末装置において、前記受信機が実装しているアプリケーション又は起動可能なアプリケーションと、前記受信機が選局可能な編成チャンネルとを同時に提示可能な端末提示部を更に備えるものである。
【0009】
[3]また、本発明の一態様は、上記[2]に記載の端末装置において、前記端末提示部は、制御可能な前記受信機を特定する情報を更に提示するものである。
【0010】
[4]また、本発明の一態様は、上記[1]から[3]のいずれかに記載の端末装置において、前記受信機制御部は、自身と所定の通信ネットワークにより接続可能な範囲に存在する前記受信機を検索するための情報を送信し、当該送信に対するレスポンスとして、前記受信機に関する情報と前記受信機に実装されているアプリケーションに関する情報とを取得することにより、事前設定処理を行うものである。
【0011】
[5]また、本発明の一態様は、上記[4]に記載の端末装置において、前記受信機制御部は、前記レスポンスとして、前記受信機に実装されているアプリケーションの有無及び状態に関する情報と、前記受信機が選局可能な編成チャンネルを特定する情報とを取得することにより、事前設定処理を行うものである。
【0012】
[6]また、本発明の一態様は、上記[1]から[5]のいずれかに記載の端末装置において、前記受信機制御部は、DIALプロトコルを用いて、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させるものである。
【0013】
[7]また、本発明の一態様は、上記[1]から[6]のいずれかに記載の端末装置において、前記サービス・コンテンツ処理部は、ハイブリッドキャストの連携端末通信プロトコルの外部起動を用いて、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機を指定の編成チャンネルに選局するものである。
【0014】
[8]また、本発明の一態様は、放送通信連携サービスを受信することが可能な受信機を制御するコンピュータに、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、前記受信機に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる受信機制御ステップと、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを前記受信機に対して送信することにより、編成チャンネルに選局するサービス・コンテンツ処理ステップとを実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、インターネットを介して提供されるサービスと、放送とを容易に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る端末装置及び受信機を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る受信機のスタックモデルの一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る受信機の機能構成の一例を示す機能構成図である。
図4】本実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示す機能構成図である。
図5】本実施形態に係る端末装置と受信機との間の動作シーケンスを示す第1のシーケンス図である。
図6】本実施形態に係る端末装置と受信機との間の動作シーケンスを示す第2のシーケンス図である。
図7】本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の一例を示す第1の図である。
図8】本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の一例を示す第2の図である。
図9】本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の一例を示す第3の図である。
図10】本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の一例を示す第4の図である。
図11】本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の一例を示す第5の図である。
図12】本実施形態に係る受信機及び端末装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態で使用する用語について説明する。「アプリ」とは、アプリケーションプログラムを意味する。アプリケーションプログラムを、単に「アプリケーション」又は「プログラム」と呼ぶ場合もある。「ハイブリッドキャスト(Hybridcast)」とは、放送と通信とを連携させる方式、システムの呼び名である。「AIT」は、ハイブリッドキャストにおいて用いられるアプリケーション情報テーブル(Application Information Table)を意味する。「PC」は、パーソナルコンピューターの略である。「LAN」は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)の略である。「URL」は、ユニフォームリソースロケーター(Uniform Resource Locator)の略である。「HTTP」は、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hyper-text Transfer Protocol)の略である。
【0018】
[機能構成]
図1は、一実施形態に係る端末装置及び受信機を含むシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、システム1は、放送送出装置10と、受信機20と、サービスサーバー装置30と、端末装置40とを含んで構成される。これらの装置のうち、放送送出装置10及びサービスサーバー装置30は、放送事業者等によって運営される装置である。また、受信機20及び端末装置40は、一般ユーザー(放送視聴者等)が保持し、使用する装置である。以下の説明において、受信機20及び端末装置40を利用する一般ユーザーを、単に「利用者」と呼ぶ場合がある。なお、システム1に含まれる放送送出装置10と、受信機20と、サービスサーバー装置30と、端末装置40とは、それぞれ複数であってもよい。
【0019】
システム1内において、端末装置40と受信機20とは、互いに同一セグメントのネットワークに接続される。端末装置40と受信機20とは、例えば、無線LAN等の近距離通信手段によって相互に情報通信可能である。また、システム1内において、端末装置40と、受信機20と、サービスサーバー装置30とは、それぞれ、インターネット50等の通信ネットワークに接続され、相互に情報通信可能である。インターネット50はオープンなネットワークであり、インターネット50に接続された装置同士は所定のプロトコルを用いて相互に通信することができる。
【0020】
端末装置40は、無線LAN等の通信手段を介して、受信機20との間で通信を行う。端末装置40は、受信機20と接続されることにより、連携動作することができる。端末装置40は、アプリを稼働させるための稼働環境を備える。端末装置40は、例えばアプリの機能により、受信機20上で稼働するハイブリッドキャストアプリの起動を、受信機20に対して要求することができる。端末装置40は、必要に応じて、アプリのコードや、アプリが利用するデータ(コンテンツ等)等を、インターネット50を介してサービスサーバー装置30から受け取ることができる。なお、端末装置40は、具体的には、スマートフォンや、タブレット型端末装置や、ウェアラブル端末装置や、PC等を用いて実現される。
【0021】
受信機20は、テレビ放送を受信する装置である。受信機20は、放送送出装置10から送出される放送信号を、受信し、復調し、復号する。すなわち、受信機20は、放送送出装置10から送出される放送信号から映像や音声等のコンテンツを抽出して、利用者に提示する。受信機20は、放送送出装置10からの放送信号による従来の放送に加えて、インターネット50に接続することにより、様々なインターネットサービスを利用することができる。すなわち、受信機20は、放送通信連携サービスを受信することが可能なスマートテレビであるといえる。受信機20は、ハイブリッドキャストに対応する機能を有する。つまり、受信機20は、ハイブリッドキャストアプリを稼働させるためのアプリ稼働環境を持つ。また、受信機20は、インターネット50を介して、サービスサーバー装置30との間で通信を行う。また、受信機20は、無線LAN等の通信手段を介して、端末装置40との間で通信を行い、連携動作することができる。
【0022】
放送送出装置10は、放送信号を送出する装置である。放送信号は、空中(空間)や、金属ケーブルや、光ケーブル等の伝送媒体によって伝送され得る。放送送出装置10により創出された放送信号は、受信機20により受信される。
【0023】
サービスサーバー装置30は、インターネット50を介して、ハイブリッドキャストのAITや、アプリ本体(アプリの実行コード等)や、アプリが利用するコンテンツ等のデータを、端末装置40や受信機20に対して配信する。
【0024】
インターネット50は、通信ネットワークである。インターネット50上では、例えば、インターネットプロトコルを用いた通信が行われる。端末装置40と、サービスサーバー装置30との間では、インターネット50を介した通信を行うことができる。また、受信機20と、サービスサーバー装置30との間では、インターネット50を介した通信を行うことができる。
【0025】
図2は、本実施形態に係る受信機のスタックモデルの一例を示す図である。受信機20は、OS(Operation System)、ミドルウェア、及びアプリケーション実行環境の3階層を少なくとも有し、アプリケーション実行環境上で複数のアプリケーションが動作する。アプリ実行環境は、例えばHTML5ブラウザやAndroidであり、各スマートテレビメーカーのプラットフォーム等で動作するアプリケーションを実行する。放送マネージドアプリや放送非依存マネージドアプリといったハイブリッドキャストに関わるアプリはここには含まれない。また、放送通信連携機能や放送受信機能といった放送に特化した機能が、ミドルウェア又はアプリケーション実行環境上で実行される。なお、ハイブリッドキャストに関わる機能(アプリケーション実行環境を含む)は放送通信連携機能に含まれる。
【0026】
同図には、2つの異なるスタックモデルを示している。図2(A)に示したモデルは、放送通信連携機能や放送受信機能といった放送に特化した機能と、アプリケーション実行環境とが分離している。すなわち、当該モデルにおいては、放送通信連携機能や放送受信機能といった放送に特化した機能が、ミドルウェア上で実行される。一方、図2(B)に示したモデルは、一つのアプリケーション実行環境上において、放送通信連携機能や放送受信機能といった放送に特化した機能と、アプリケーションとを実行することができる。なお、本実施形態に係る受信機20は、図2(A)又は図2(B)のいずれの構成を採用してもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る受信機の機能構成の一例を示す機能構成図である。同図を参照しながら、受信機20の機能構成の一例について説明する。同図には、図2(A)に示したスタックモデルを有する受信機20の機能構成の一例を示している。受信機20は、放送受信機能21と、放送通信連携機能22と、アプリケーション実行環境23と、OS・ミドルウェア24とを有する。これらの各機能部は、例えば、電子回路を用いて実現される。また、各機能部は、必要に応じて、半導体メモリや磁気ハードディスク装置などといった記憶手段を内部に備えてよい。また、各機能を、CPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータおよびソフトウェアによって実現するようにしてもよい。また、各機能部の全てまたは一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、各機能部の全部または一部は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0028】
また、受信機20は、複数の装置(コンピュータ)で構成され、各機能ブロックが複数の装置に分散されていてもよい。また、受信機20の機能の全部または一部は、クラウドサーバ等の外部機器に設けられたCPUやハードウェア等の外部装置を用いて実現されてもよい。
【0029】
放送受信機能21は、詳細には、受信部211と、復調部212と、復号部213と、選局部214とを有する。受信部211は、放送送出装置10から送出された放送電波を受信する機能部である。復調部212は、受信部211により受信された放送電波を復調する機能部である。復号部213は、復調部212により復調された信号を復号する機能部である。復調部212により復号された信号は、OS・ミドルウェア24に出力され、提示部241により利用者に提示される。選局部214は、編成チャンネルを指定し、復調する信号を選局する機能である。図示するように、編成チャンネルの指定は、放送通信連携機能22により行われる。
【0030】
放送通信連携機能22は、詳細には、放送通信連携アプリケーション実行環境221と、外部起動実行部222とを有する。放送通信連携アプリケーション実行環境221は、放送通信連携アプリケーションを実行するための実行環境である。ここでは、ハイブリッドキャストによる放送通信連携機能を想定している。本実行環境は、例えば、非特許文献2の標準規格に対応したWebブラウザであってもよい。外部起動実行部222は、端末装置40から受け付けたリクエストに対する各種処理を実行する。端末装置40から受け付けたリクエストは、DIALサーバー部243を経由して、外部起動実行部222に伝達される。なお、端末装置40によるリクエストとは、例えば、非特許文献2の7.2.3.2.3に記載の、RESTful APIのHTTPレスポンス、及びハイブリッドキャストアプリケーションの起動要求等であってもよい。外部起動実行部222は、受け付けたリクエストに応じて、選局部214に対する選局指示を行う。また、外部起動実行部222は、放送通信連携アプリケーション実行環境221へのWebアプリケーションの起動指示を実行する。放送通信連携アプリケーション実行環境221は、実行されたWebアプリケーションに関する情報を提示部241に伝達することにより、アプリケーション実行画面を利用者に提示する。
【0031】
アプリケーション実行環境23は、詳細には、アプリケーション実行環境231を少なくとも有する。アプリケーション実行環境231は、Androidアプリケーションや、Webアプリケーション等の実行を行う。ここでは、受信機20メーカーのプラットフォームで動作するアプリケーションを想定している。アプリケーション実行環境231が実行する対象のアプリケーションは、予め(工場出荷時に)受信機20にインストールされていてもよいし、サービスサーバー装置30からインターネット50を介してダウンロードされてもよい。なお、本実施形態において、アプリケーション実行環境231は、放送との連携や放送リソースへのアクセスはできないものを想定している。
【0032】
OS・ミドルウェア24は、提示部241と、アプリケーション起動制御部242と、DIALサーバー部243とを有する。提示部241は、復号部213により復号された信号に基づき、映像や音声の合成を行う。また、提示部241は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示部と、スピーカー等の音声出力部とを備え、合成した映像や音声の出力を行う。アプリケーション起動制御部242は、アプリケーション実行環境231で実行するアプリケーションを指定し、起動や終了の制御や状態の監視をする機能を有する。アプリケーション起動制御部242は、利用者のリモコン等による操作に基づき、アプリケーションの制御や監視等を行ってもよい。また、アプリケーション起動制御部242は、DIALサーバー部243からの制御指示に対応する。
【0033】
DIALサーバー部243は、非特許文献3に示した標準規格に対応したサーバーである。また、DIALサーバー部243は、非特許文献3における「DIAL REST Service」にあたる機能部である。DIALサーバー部243には、予めアプリケーション実行環境231上で動作するアプリケーションのIDや名称が登録される。DIALサーバー部243は、予め登録されたこれらの情報と、受信機20を識別するIPアドレス等の値に基づき、端末装置40との接続に必要な情報を生成し、端末装置40からのリクエストに基づき情報を返す。DIALサーバー部243により生成される端末装置40との接続に必要な情報とは、例えば、Device Descriptionや、additional Dataといった情報であってもよい。すなわち、本実施形態によれば、DIALサーバー部243を備えることにより、従来のリモコン操作等に加えて、利用者が端末装置40を操作することに基づき、アプリケーションの起動、制御、終了、及び放送の選局等を行うものである。
【0034】
なお、放送の選局については、非特許文献2に記載のハイブリッドキャストの連携端末プロトコルの外部起動を用いる。このとき、Device Descriptionや、additional Dataに必要な値は、非特許文献2の7.2.1.1.1、及び7.2.1.1.2に規定される情報を予め登録することとする。
【0035】
なお、他の実施形態として、DIALサーバー部243は、アプリケーション実行環境231上で動作する1つのアプリケーションとして実装されていてもよい。
【0036】
また、受信機20は、不図示の端末連携部を備えていてもよい。端末連携部は、所定の通信方式により、スマートフォン等の端末装置40と連携する機能を有する。端末連携部は、例えば端末装置40と、無線LANによる接続を行う。
【0037】
図4は、本実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示す機能構成図である。同図を参照しながら、端末装置40の機能構成の一例について説明する。端末装置40は、OS41と、アプリケーション42とを有する。これらの各機能部は、例えば、電子回路を用いて実現される。また、各機能部は、必要に応じて、半導体メモリや磁気ハードディスク装置などといった記憶手段を内部に備えてよい。また、各機能を、CPUを有するコンピュータおよびソフトウェアによって実現するようにしてもよい。また、各機能部の全てまたは一部は、ASIC、PLD又はFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、各機能部の全部または一部は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0038】
OS41は、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理等を行うことにより、端末装置40の処理全体を制御する。また、OS41は、アプリケーション42と、不図示のハードウェアとのインターフェースを提供する。
【0039】
アプリケーション42には、例えば、受信機制御部421と、サービス・コンテンツ処理部422と、端末提示部423とが含まれる。アプリケーション42には、その他、利用者によりインストールされた任意のアプリケーションが含まれていてもよい。
【0040】
受信機制御部421は、受信機20の各機能部とのインターフェースである。受信機制御部421は、具体的には、非特許文献3に規定されるDIALプロトコルや、非特許文献2に規定される連携端末通信プロトコルに対応したHTTPリクエストの送信や、レスポンスの受信を行う。また、受信機制御部421は、連携端末通信プロトコルの端末認証に必要な各種処理を行う。
【0041】
サービス・コンテンツ処理部422は、サービスサーバー装置30から提供されたサービスやコンテンツを取得し、実行する機能を有する。当該機能は、Webブラウザ等が相当するものである。サービス・コンテンツ処理部422は、端末提示部423を介して利用者に対してボタン等のコンポーネントを提示し、当該コンポーネントが操作されたことに応じて、利用者の操作を受け付ける。利用者の操作には、例えば、端末装置40と受信機20の接続のための事前設定や、アプリケーションの起動、制御及び終了、並びに放送の選局等が含まれる。サービス・コンテンツ処理部422は、利用者の操作を受け付けると、受信機制御部421に対する通知を行う。
【0042】
端末提示部423は、受信機制御部421及びサービス・コンテンツ処理部422の指示に基づき、利用者に対して情報を提示する機能を有する。端末提示部423により提示される情報は、サービス・コンテンツ処理部422や、その他のアプリケーション等により生成されてもよい。
【0043】
[動作シーケンス]
次に、図5及び図6を参照しながら、本実施形態に係る端末装置40と受信機20との間の動作シーケンスの一例について説明する。これらの動作は、非特許文献3に規定されるDIALププロトコル、及び非特許文献2に規定される連携端末通信プロトコルに準じた動作である。
【0044】
図5は、本実施形態に係る端末装置と受信機との間の動作シーケンスを示す第1のシーケンス図である。まず、同図を参照しながら、端末装置40と受信機20との間で行われる事前設定に係る動作シーケンスについて説明する。事前設定に係る動作シーケンスとしては、具体的に、第1シーケンス乃至第3シーケンスを有する。以下、それぞれの流れについて、具体的に説明する。
【0045】
[第1シーケンス]
まず、端末装置40は、利用者の操作に従い、制御可能な受信機20の登録を行う。
【0046】
(ステップS11)サービス・コンテンツ処理部422は、受信機制御部421を経由して、同一ネットワーク上にM-searchメッセージをマルチキャストする。受信機制御部421は、自身と所定の通信ネットワーク(例えば、LAN)により接続可能な範囲に存在する受信機20を検索するための情報を送信するということもできる。具体的に、サービス・コンテンツ処理部422は、受信機制御部421を経由して、M-searchメッセージをマルチキャストすることにより、DIALプロトコルに対応した受信機20の検索を実行する。このときメッセージには「urn:dialmultiscreen―org:service:dial:1」を記述する。
【0047】
(ステップS12)DIALプロトコルに対応した受信機20が同一ネットワーク上に存在する場合、当該受信機20は、受信機制御部421に対して、HTTPレスポンスを返答する。当該受信機20は、DIALサーバー部243が、その機能を果たす。レスポンスのLocation headerにはDevice DescriptionのURLが記載されている。
【0048】
(ステップS13)次に、レスポンスを受信した端末装置40の受信機制御部421は、取得したURLを用いて、受信機20のDIALサーバー部に対し、HTTP GETメソッドによりリクエストを実行する。
【0049】
(ステップS15)受信機20のDIALサーバー部243は、受信機制御部421に対して、HTTPレスポンスを返答する。端末装置40の受信機制御部421は、HTTPレスポンスとして、Device Descriptionと、受信機20に搭載されているアプリケーションのURLとを取得する。すなわち、端末装置40の受信機制御部421は、レスポンスとして、受信機20に関する情報と当該受信機20に実装されているアプリケーションに関する情報とを取得することにより、事前設定処理が行われる。受信機制御部421は、取得したDevice Descriptionから機器名等のデバイス情報と、アプリケーションの登録名等の情報を、サービス・コンテンツ処理部422に出力する。放送の選局のための連携端末通信プロトコルでは、アプリケーション名が「Hybridcast」として登録されているため、受信機制御部421は、当該アプリケーション名を、サービス・コンテンツ処理部422に出力してもよい。
【0050】
次に、端末装置40は、制御する受信機20を、利用者に選択させ、決定する。詳細には、サービス・コンテンツ処理部422は、事前設定処理済かつ接続可能な受信機20のデバイス名を、端末提示部423に表示させる。利用者は、表示された1乃至2以上のデバイス名を参照して、端末装置40と接続する受信機20を選択する。利用者の操作により受信機20が選択されると、端末提示部423は、その受信機20に搭載されるアプリケーションの一覧を表示する。利用者は、表示された一覧を参照することにより、どのアプリケーションを利用するかを選択することが可能となる。放送の選局機能についてもアプリケーションの利用と同様に利用の可否を利用者が選択できるように表示される。なお、利用者が日常的に決まった受信機20を利用することを想定し、選択した受信機20とそれに紐づく各種情報を、サービス・コンテンツ処理部422、又は受信機制御部421に記憶することにより、接続の都度、上述したような手順を実行することが不要となる。
【0051】
[第2シーケンス]
放送の選局機能の利用が選択された場合、連携端末通信プロトコルの動作として非特許文献2の7.2.2で規定される端末認証が、端末装置40の受信機制御部421と、受信機20の外部起動実行部222間で実行される。
(ステップS21)まず、端末装置40の受信機制御部421から、受信機20の外部起動実行部222に対し、端末認証要求が送信される。
【0052】
(ステップS22)外部起動実行部222は、認証結果を端末装置40の受信機制御部421に対し出力する。なお、認証に必要な操作や認証結果は、端末装置40のサービス・コンテンツ処理部422により表示されてもよい。
【0053】
[第3シーケンス]
次に、端末提示部423に表示した受信機20に搭載されるアプリケーションの一覧から、利用者の操作によりアプリケーションが選択された場合、アプリケーションの存在確認シーケンスが行われる。なお、このアプリケーションの存在確認シーケンスは、本実施形態において必須の動作ではない。なお、利用対象となるアプリケーションが事前にサービス・コンテンツ処理部422に登録され、端末提示部423にそのアプリケーションのみが表示されている場合も想定する。
【0054】
(ステップS31)サービス・コンテンツ処理部422は、選択されたアプリケーションが受信機20に存在するか否かを、HTTP GETメソッドにより確認する。このとき、エンドポイントは、アプリケーションURL及びアプリケーション名により決定される。
【0055】
(ステップS32)受信機20のDIALサーバー部243は、アプリケーション起動制御部242に確認し、対象のアプリケーションが存在すれば、端末装置40の受信機制御部421に対して「200 OK」のレスポンスを送信する。
【0056】
図6は、本実施形態に係る端末装置と受信機との間の動作シーケンスを示す第2のシーケンス図である。同図を参照しながら、アプリケーションの起動(第4シーケンス)、アプリケーションの終了(第5シーケンス)、及び放送の選局に係る動作シーケンス(第6シーケンス)について説明する。
【0057】
[第4シーケンス]
本シーケンスでは、受信機20においてアプリケーションの起動を行う。アプリケーションの起動シーケンスにおいて、受信機制御部421は、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを受信機20に対して送信することにより、受信機20に実装されているアプリケーションを起動させる。本実施形態において、アプリケーションの起動シーケンスは、非特許文献3に記載のDIALプロトコルを用いて行われる。なお、このシーケンスの動作は、第1シーケンスにおいて利用者の操作に基づき接続する受信機20が決定されていることが必須条件である。第3シーケンスによりアプリケーションの存在確認が実施されていると本シーケンスが確実に実施されるが、第3シーケンスを実施せずに本シーケンスを実施するようにしても構わない。なお、受信機20は、対象となるアプリケーションを実行できる状態ではない場合は、アプリケーションの起動に失敗として、端末装置40にエラーコードを返す。
【0058】
(ステップS41)まず、サービス・コンテンツ処理部422は、第3シーケンスで選択されたアプリケーションの起動に関する情報を取得する。サービス・コンテンツ処理部422は、受信機制御部421を経由して、受信機20のDIALサーバー部243に対して、起動指示を出力する。起動指示は、具体的には、HTTP POSTメソッドにより実行される。このとき、エンドポイントは、上述した事前設定において決定されたものが用いられる。
【0059】
(ステップS42)DIALサーバー部243は、アプリケーション起動制御部242に対して、指定のアプリケーションの起動命令を送る(Launch app)。アプリケーション起動制御部242は、アプリケーション実行環境231に対し、指定のアプリケーションを起動させることを指示する。
【0060】
(ステップS43)起動に成功した場合、DIALサーバー部243から、端末装置40の受信機制御部421に「200 OK」のレスポンスを返す。
【0061】
[第5シーケンス]
本シーケンスでは、アプリケーションの終了を行う。アプリケーションの終了シーケンスにおいて、受信機制御部421は、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを受信機20に対して送信することにより、受信機20に実装されているアプリケーションを終了させる。本実施形態において、アプリケーションの終了シーケンスは、非特許文献3に記載のDIALプロトコルを用いて行われる。
【0062】
(ステップS51)まず、端末提示部423は、利用者に対し、アプリケーションを提示する。利用者は、提示されたアプリケーションを終了させたい場合、端末装置40に対する操作を行う。サービス・コンテンツ処理部422は、利用者の操作に応じて、アプリケーションの終了に関する情報を取得する。サービス・コンテンツ処理部422は、受信機制御部421を経由して、受信機20のDIALサーバー部243に対して、終了指示を出力する。終了指示は、起動指示とは異なり、HTTP POSTメソッドではなく、DELETEにより実行される。このとき、エンドポイントは、上述した事前設定において決定されたものが用いられる。
【0063】
(ステップS52)DIALサーバー部243は、アプリケーション起動制御部242に対して、指定のアプリケーションの終了命令を送る(Stopping app)。アプリケーション起動制御部242は、アプリケーション実行環境231に対し、指定のアプリケーションを終了させることを指示する。
【0064】
(ステップS53)終了に成功した場合、DIALサーバー部243から、端末装置40の受信機制御部421に「200 OK」のレスポンスを返す。
【0065】
[第6シーケンス]
本シーケンスでは、放送の選局を行う。本シーケンスは、第2シーケンスで、利用者の操作により放送の選局機能の利用が選択され、さらに端末認証の認証結果を受信すると(ステップS22)実行される。放送の選局シーケンスにおいて、サービス・コンテンツ処理部422は、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを受信機20に対して送信することにより、編成チャンネルに選局する。本実施形態において、放送の選局シーケンスは、ハイブリッドキャストの連携端末通信プロトコルの外部起動を用いて行われる。
【0066】
(ステップS61)まず、サービス・コンテンツ処理部422は、利用者の操作に応じて、放送の選局に関する情報を取得する。サービス・コンテンツ処理部422は、受信機制御部421を経由して、受信機20の外部起動実行部222に対して、放送の選局指示の要求を出力する。放送の選局指示の要求は、具体的には、HTTP POSTメソッドにより実行される。このとき、エンドポイントは、上述した事前設定において決定されたものを用いる。具体的には、非特許文献2の7.2.3.2.3.3.1に規定される起動要求のAPIが実行される。クエリとして「mode=tune」が指定され、リクエストのボディに、選局先の編成チャンネルの情報が少なくとも指定される。選局先の編成チャンネルの情報とは、具体的には、original_network_id、transport_stream_id(またはtlv_stream_id)、service_idの組等であってもよい。編成チャンネルの情報は、端末装置40のサービス・コンテンツ処理部422で決定される。また、クエリとして「mode=app」を指定し選局に加えて指定の放送マネージドアプリを起動しても構わない。また、サービス・コンテンツ処理部で実行されるアプリケーションがWebアプリケーションの場合は、非特許文献2の7.1.7.2.1に規定されるstartAITControlledAppToHostDevice関数が用いられてもよい。受信機20の外部起動実行部222は選局部214に対して指示を出し選局を実行する。
【0067】
(ステップS61)選局に成功した場合は、外部起動実行部222から端末装置40の受信機制御部421に「200 OK」のレスポンスを返す。
【0068】
なお、上述した一例では、選局の例を記載したが、クエリとして「app」を、リクエストのボディに起動に必要なハイブリッドキャストアプリケーションに関する情報を指定し、選局とともにハイブリッドキャストアプリケーションを起動してもよい。
【0069】
[画面構成]
次に、図7から図11を参照しながら、本実施形態に係る端末装置40に表示される表示画面の画面構成の一例について説明する。これらの図を参照しながら行う説明では、初期状態から、受信機20と接続し、アプリケーションの起動や放送の選局が可能な状態となるまでの一連の手順を示す。図7から図11には、端末装置40の端末提示部423により提示される表示画面の一例を示す。
【0070】
図7は、本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の第1の例である。図7(A)に示す表示画面D10は、端末装置40の端末提示部423により提示される初期画面の一例である。以下の説明において、表示画面D10をホーム画面と記載する場合もある。図示するように、表示画面D10は、符号D11と符号D12を画面構成として有する。符号D11は、ホーム画面に戻るためのホームボタンである。符号D12は、設定画面に進むための設定ボタンである。
【0071】
図7(B)に示す表示画面D20は、端末装置40の端末提示部423により提示される設定画面の一例である。当該画面において、利用者は受信機20との接続、起動可能なアプリの確認、放送の選局に必要な手順等の設定を行うことができる。表示画面D20は、符号D21と符号D22と符号D23とを画面構成として有する。
【0072】
符号D21は、受信機20との接続設定画面である。受信機20との接続設定画面には、接続対象となる受信機20を特定する情報が表示される。なお、図示する一例は、受信機20との接続が行われていない非接続状態であるため、接続対象となる受信機20を特定する情報が表示されていない。受信機20との接続設定画面には、符号D211として設定ボタンが備えられる。利用者により符号D211の設定ボタンが操作されると、図8に示す表示画面D31に遷移する。
【0073】
符号D22は、起動可能なアプリ確認画面である。起動可能なアプリ確認画面には、起動可能なアプリを特定する情報が表示される。なお、図示する一例は、受信機20との接続が行われていない非接続状態であるため、起動可能なアプリが特定されておらず、起動可能なアプリを特定する情報が表示されていない。起動可能なアプリ確認画面には、符号D221として設定ボタンが備えられる。利用者により符号D221の設定ボタンが操作されると、図9に示す表示画面D41に遷移する。
【0074】
符号D23は、放送の選局画面である。放送の選局画面には、受信機20と端末装置40との間で端末認証が実行された結果が表示される。なお、図示する一例は、受信機20との接続が開始されていない状態であり、まだ端末認証が実行されておらず、結果が表示されていない。起動可能なアプリ確認画面には、符号D231として設定ボタンが備えられる。利用者により符号D231の設定ボタンが操作されると、図10に示す表示画面D51に遷移する。
【0075】
なお、利用者によりホームボタンである符号D11が操作された場合、図7(A)に示す表示画面D10に遷移する。また、図7(A)に示す表示画面D10を表示中に、利用者により設定ボタンである符号D12が操作された場合、図7(B)に示す表示画面D20に遷移する。
【0076】
なお、本実施形態に係る端末提示部423により表示される表示画面は、受信機が起動可能なアプリと、受信機が選局可能な編成チャンネルとを同時に提示することが可能である。端末提示部423は、受信機が起動可能なアプリと、受信機が選局可能な編成チャンネルとを同時に提示することにより、利用者は、端末装置40を操作することにより、インターネットを介して提供されるサービスと、放送とを容易に切り替えることができるようになる。
【0077】
図8は、本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の第2の例である。図8(A)に示す表示画面D31は、設定画面である表示画面D20において符号D211の設定ボタンが操作されたことにより表示される画面の一例である。図示するように、表示画面D31は、符号D311を画面構成として有する。符号D311は、接続可能な受信機20を検索するための検索ボタンである。利用者により符号D311の検索ボタンが操作されると、図5を参照しながら説明した第1シーケンスが実行される。
【0078】
図8(B)に示す表示画面D32は、利用者により符号D311が操作されたことにより提示される設定画面の一例である。表示画面D32は、符号D321を更に画面構成として有する。符号D321には、Device Descriptionに記載の機器名の一覧が表示される。符号D321に記載の一覧とは、すなわち、端末装置40が接続可能な受信機20を特定する情報の一覧である。受信機20を特定する情報は、例えば受信機20のメーカーと、製品番号等であってもよい。図示する一例においては、“A社_ZZ123”と“B社_TV333”と“C社_AAA25”とが、端末装置40が接続可能な受信機20の一覧として表示されている。利用者は、これら一覧から所望の機器を選択することにより、接続対象を決定する。端末装置40は、選択された機器に関する情報を記憶する。
【0079】
図9は、本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の第3の例である。図9(A)に示す表示画面D41は、設定画面である表示画面D20において符号D221の設定ボタンが操作されたことにより表示される画面の一例である。図示するように、表示画面D41は、符号D411と符号D412とを画面構成として有する。符号D412には、予め利用するアプリケーションが表示されている。図示する一例においては、“アプリX”と“アプリY”とが、利用するアプリケーションとして表示されている。符号D411は、利用者が起動可能なアプリを確認するための確認ボタンである。利用者により符号D411の確認ボタンが操作されると、図5を参照しながら説明した第3シーケンスが実行される。
【0080】
図9(B)に示す表示画面D42は、利用者により符号D411が操作されたことにより提示される設定画面の一例である。表示画面D42は、符号D421を更に画面構成として有する。符号D421には、第3シーケンスが実行された結果、200 OKが返ったアプリケーションのみが表示される。符号D421に記載のアプリケーションとは、すなわち、端末装置40が起動可能なアプリケーションである。図示する一例においては、“アプリX”のみが利用可能であることが示されている。
【0081】
図10は、本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の第4の例である。図10(A)に示す表示画面D51は、設定画面である表示画面D20において符号D231の設定ボタンが操作されたことにより表示される画面の一例である。図示するように、表示画面D51は、符号D511を画面構成として有する。符号D511は、端末認証を実行するための認証ボタンである。利用者により符号D511の認証ボタンが操作されると、図5を参照しながら説明した第2シーケンスが実行される。
【0082】
図10(B)に示す表示画面D52は、利用者により符号D511の認証ボタンが操作されたことにより提示される認証結果表示画面の一例である。表示画面D52は、符号D431を更に画面構成として有する。符号D431には、第2シーケンスが実行された結果が表示される。図示する一例においては、“認証OK”と表示されている。利用すなわち、端末認証の結果、受信機20に端末装置40が認証されたことを示している。なお、端末認証の結果、受信機20に端末装置40が認証されなかった場合、符号D431には、“認証NG”と表示されてもよい。
【0083】
図11は、本実施形態に係る端末装置に表示される画面構成の第5の例である。図8から図10を参照しながら説明した設定を行った後、利用者によりホームボタンである符号D11が操作されると、図11(A)に示すような画面となる。図示する一例において、符号D21の接続設定画面には、符号D61として“A社_ZZ123”が記載されており、“A社_ZZ123”により特定される受信機20と接続されていることを示している。また、符号D22の起動可能なアプリ確認画面には、符号D62として“アプリX”が記載されており、“アプリX”により特定されるアプリを起動可能であることを示している。また、符号D23の放送の選局画面には、符号D63として“OK”が記載されており、放送の選局が可能であることを示している。
【0084】
図11(B)に示す表示画面D70は、上述したような事前設定が行われた後、利用者の操作により受信機20の制御を実行するための表示画面である。表示画面D70は、符号D71と、符号D72とを画面構成として備える。
【0085】
符号D71には、選局可能な放送局(編成チャンネル)の一覧が表示される。ここでは非、特許文献2の7.2.3.2.3.2.2に規定の編成チャンネル情報の取得の関数を実行し、そのレスポンスに記載の編成サービス名(broadcast_channel_name)の一覧が表示される。図示する一例においては、符号D711として“XXXテレビ”が、符号D712として“テレビ□□”が、符号D713として“○○放送”が、符号D714として“△△TV”が、表示されている。すなわち、符号D711乃至符号D714には、各放送局の名称が表示されている。符号D711乃至符号D714は、利用者により操作可能なボタンのコンポーネントである。利用者により、符号D711乃至符号D714のいずれかが操作されると、図6を参照しながら説明した第6シーケンスが実行される。符号D711乃至符号D714には、具体的には、リクエストのボディに指定する編成チャンネルの情報(original_network_id、transport_stream_id(またはtlv_stream_id)、service_id)が割り当てられる。
【0086】
符号D72には、起動可能なアプリケーションが表示される。図示する一例においては、“アプリX”と表示されている。また、符号D72には、当該アプリに対して起動を行うボタンである符号D721と、終了を行うボタンである符号D722とが、備えられる。利用者により起動ボタンである符号D721が操作されると、図6を参照しながら説明した第4シーケンスが実行され、アプリケーションの起動が実行される。また、利用者により終了ボタンである符号D722が操作されると、図6を参照しながら説明した第5シーケンスが実行され、アプリケーションの終了が実行される。
【0087】
[内部構成]
図12は、本実施形態に係る受信機及び端末装置の内部構成の一例を示すブロック図である。受信機20及び端末装置40の少なくとも一部の機能は、コンピュータを用いて実現され得る。図示するように、そのコンピュータは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピュータ自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等から読み込んだプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力デバイスである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピュータ内部で使用される共通の通信路である。例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポートにアクセスする。また、受信機20及び端末装置40が備える各機能部の全てまたは一部は、ASIC、PLD又はFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、各機能部の全部または一部は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0088】
[実施形態のまとめ]
上述した実施形態によれば、端末装置40は、受信機制御部421を備えることにより、予め登録されたアプリケーションの識別情報と、制御命令とを受信機20に対して送信して、受信機20に実装されているアプリケーションを起動させ、又は終了させる。また、端末装置40は、サービス・コンテンツ処理部422を備えることにより、放送の編成チャンネルについての情報と、制御命令とを受信機20に対して送信して、編成チャンネルに選局する。すなわち、本実施形態によれば、スマートフォンやタブレット等の単一の端末装置40、又は端末装置40の中で動作する単一のアプリケーションを用いることにより、スマートテレビ等の受信機20上のアプリケーションの起動及び終了と、放送の選局との2種類の動作を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、ハイブリッドキャストやDIALといった標準規格に対応した受信機であれば、メーカーや機種を問わず、受信機20上のアプリケーションの起動及び終了と、放送の選局との2種類の動作を行うことができる。また、本実施形態によれば、既存の市販の受信機20に対して、アプリケーションと放送とのダイレクト操作での切り替えが可能となる。よって、本実施形態によれば、利用者の利便性を向上することができる。
【0090】
なお、上述した実施形態における受信機20及び端末装置40が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0091】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0092】
本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。また、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0093】
1 システム
10 放送送出装置
20 受信機
30 サービスサーバー装置
40 端末装置
50 インターネット
21 放送受信機能
22 放送通信連携機能
23 アプリケーション実行環境
24 OS・ミドルウェア
211 受信部
212 復調部
213 復号部
214 選局部
221 放送通信連携アプリケーション実行環境
222 外部起動実行部
231 アプリケーション実行環境
241 提示部
242 アプリケーション起動制御部
243 DIALサーバー部
41 OS
42 アプリケーション
421 受信機制御部
422 サービス・コンテンツ処理部
423 端末提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12