(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176420
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法
(51)【国際特許分類】
G01N 30/02 20060101AFI20241212BHJP
G01N 30/88 20060101ALI20241212BHJP
G01N 30/26 20060101ALI20241212BHJP
B01J 20/281 20060101ALI20241212BHJP
B01J 20/288 20060101ALI20241212BHJP
B01D 15/40 20060101ALI20241212BHJP
B01D 15/16 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N30/02 N ZNA
G01N30/88 D
G01N30/26 A
B01J20/281 X
B01J20/288
B01D15/40
B01D15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094936
(22)【出願日】2023-06-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月9日 第29回クロマトグラフィーシンポジウムにて公開 令和4年8月1日 日本核酸医薬学会第7回年会にて公開 令和4年9月20日 第33回クロマトグラフィー国際シンポジウムにて公開 令和5年3月8日 TIDES Asia:オリゴヌクレオチド治療薬・ペプチド治療薬学会アジア大会:2023年にて公開 令和5年5月15日 エス・エフ・シィ ヨーロッパ 2023にて公開
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業」「RNA標的創薬技術開発/核酸医薬品実用化のための製造及び分析基盤技術開発(核酸医薬品の製造・精製・分析基盤技術の開発-1)」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小比賀 聡
(72)【発明者】
【氏名】山口 卓男
(72)【発明者】
【氏名】林田 桃香
(72)【発明者】
【氏名】増田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】堀江 真之介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 里沙
【テーマコード(参考)】
4D017
【Fターム(参考)】
4D017AA03
4D017BA04
4D017CA01
4D017CA13
4D017CA14
4D017CB01
4D017DA03
(57)【要約】
【課題】オリゴヌクレオチドを良好に分離することができる、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法を提供する。
【解決手段】超臨界流体及びモディファイアを含む移動相中に試料を注入してカラムに導入する工程と、前記カラムを通過する間に前記試料中の成分を分離する工程と、を有する超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法であって、前記試料は、目的成分としてオリゴヌクレオチドを含み、前記超臨界流体は二酸化炭素を含み、前記モディファイアは、アンモニウム、アルキルアミン、及びアミノアルコールからなる群より選択される少なくとも1種と酸とを含む溶液を含む、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超臨界流体及びモディファイアを含む移動相中に試料を注入してカラムに導入する工程と、
前記カラムを通過する間に前記試料中の成分を分離する工程と、を有する超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法であって、
前記試料は、目的成分としてオリゴヌクレオチドを含み、
前記超臨界流体は二酸化炭素を含み、
前記モディファイアは、アンモニウム、アルキルアミン、及びアミノアルコールからなる群より選択される少なくとも1種と酸とを含む溶液を含む、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法。
【請求項2】
前記酸は、ギ酸、酢酸、及び重炭酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の成分分離方法。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドは、塩基配列TAGCを含む、請求項1又は2に記載の成分分離方法。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドは、リン酸結合部分のホスホジエステル結合の少なくとも一つがホスホロチオエート結合に置換されている、請求項1又は2に記載の成分分離方法。
【請求項5】
前記カラムは、アルキルアルコールを含む固定相を有する、請求項1又は2に記載の成分分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超臨界流体クロマトグラフ(Supercritical Fluid Chromatograph、以下「SFC」とも称する)は、臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超える温度及び圧力を有する流体(超臨界流体)を主な移動相としたクロマトグラフであり、移動相の温度及び圧力を調整することによってその溶出力を制御することができるという特徴を有している。SFCでは、温度、圧力ともに臨界点が比較的低いこと、取扱いが容易であること、廉価であることなどの理由により、超臨界流体として二酸化炭素が広く利用されている。
【0003】
非特許文献1には、SFCを用いたヒトメタボロミクスの分析方法が開示されている。特許文献1には、良好な分子識別能が発現されるSFCの固定相が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Vincent Desfontaine et al. Journal of Choromatography A, 1562, 96-107, 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、オリゴヌクレオチドの分析には液体クロマトグラフ(Liquid Chromatograph、以下「LC」とも称する)や高速液体クロマトグラフ(High Performance Liquid Chromatograph、以下「HPLC」とも称する)が用いられているが分離特性が十分でない場合がある。例えば、オリゴヌクレオチドである核酸医薬では、体内安定性向上のためオリゴヌクレオチドのホスホジエステル結合に代えてホスホロチオエート結合とすることがある。ホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドの合成過程では、一部ホスホジエステル結合に変換される類縁体が生成される場合がある。LCやHPLCでは、分子量数千のオリゴヌクレオチド中の1個~数十個の原子差を認識し、主成分と類縁体を分離することは困難である。
【0007】
本発明は、オリゴヌクレオチドを良好に分離することができる、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、所定のモディファイアを用いることによって、超臨界流体クロマトグラフにおいて、オリゴヌクレオチドを良好に分離することができることを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】
本発明の第1の態様は、超臨界流体及びモディファイアを含む移動相中に試料を注入してカラムに導入する工程と、前記カラムを通過する間に前記試料中の成分を分離する工程と、を有する超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法であって、前記試料は、目的成分としてオリゴヌクレオチドを含み、前記超臨界流体は二酸化炭素を含み、前記モディファイアは、アンモニウム、アルキルアミン、及びアミノアルコールからなる群より選択される少なくとも1種と酸とを含む溶液を含む、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法、に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オリゴヌクレオチドを良好に分離することができる、超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る成分分離方法を実施するSFCの一例を示す流路構成図である。
【
図2】実施例1の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図3】実施例2の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図4】実施例3の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図5】実施例4の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図6】実施例5の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図7】実施例6の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図8】比較例1の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【
図9】比較例2の分析におけるクロマトグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、超臨界流体及びモディファイアを含む移動相中に試料を注入してカラムに導入する工程と、前記カラムを通過する間に前記試料中の成分を分離する工程と、を有する超臨界流体クロマトグラフ(SFC)を用いた成分分離方法であって、前記試料は、目的成分としてオリゴヌクレオチドを含み、前記超臨界流体は二酸化炭素(CO2)を含み、前記モディファイアは、アンモニウム、アルキルアミン、及びアミノアルコールからなる群から選択される少なくとも1種と酸とを含む溶液を含む。本発明の分離方法は、試料の成分を分析する分析方法に用いることができる。以下、本発明に係る成分分離方法の一実施形態について説明する。
【0013】
[SFC]
図1は、本実施形態に係る成分分離方法を実施するSFCの一例を示す流路構成図である。
図1に示すSFCは、液体CO
2ボンベ10、モディファイア容器11、CO
2ポンプ12、送液ポンプ13、オートサンプラ14、カラムオーブン15、カラム16、検出器17、及び、背圧レギュレータ18、を備える。液体CO
2ボンベ10は超臨界流体としての液体CO
2の供給源である。モディファイア容器11は超臨界流体に添加される、後述する特徴的なモディファイアが貯留されている容器である。
【0014】
このSFCの基本的な動作は次のとおりである。背圧レギュレータ18は、CO2ポンプ12及び送液ポンプ13とカラム16入口との間の入口側流路20内、カラム16内、及びカラム16出口と背圧レギュレータ18との間の出口側流路21内の移動相の圧力を、CO2の臨界圧力(7.4MPa)を超える圧力、例えば10MPaに調整する。CO2ポンプ12は液体CO2ボンベ10から液体CO2を吸引して入口側流路20へ送給する。一方、送液ポンプ13はモディファイア容器11からモディファイアを吸引して入口側流路20へ送給する。入口側流路20中で液体CO2とモディファイアとは混合され、移動相としてカラム16に流される。入口側流路20に設けられたオートサンプラ14は所定のタイミングで移動相中に液体試料を注入する。
【0015】
カラム16が内装されたカラムオーブン15は、移動相の主要物質であるCO2の臨界温度(31℃)を超える、例えば35℃程度に調整されている。そのため、カラム16内を通過する移動相は超臨界状態になる。移動相の流れに乗ってカラム16内に導入された試料は、カラム16の内壁に設けられている固定相との相互作用により成分毎に分離される。そして、成分毎に時間差を有してカラム16から溶出し出口側流路21に流れる。出口側流路21に設けられている検出器17は紫外可視分光検出器(UV検出器)等であり、カラム16中で分離された移動相中の成分を臨界状態のまま検出する。成分検出後の移動相は背圧レギュレータ18を経て図示しない回収容器等に回収される。
【0016】
なお、検出器17としては、液体クロマトグラフにおいて用いられるPDA(Photo Diode Array)を用いた多波長検出器、旋光度検出器、円二色性検出器、蛍光検出器、屈折率検出器、及び蒸発光散乱検出器などの光学的検出器を用いてもよい。また、エレクトロスプレーイオン源などの大気圧イオン源を用いた質量分析装置を検出器17として用いてもよい。
【0017】
[移動相]
移動相は、二酸化炭素を含む超臨界流体とモディファイアを含む。モディファイアは、アンモニウム、アルキルアミン、及びアミノアルコールからなる群から選択される少なくとも1種(以下、成分(a)とも称する)と、酸(以下、成分(b)とも称する)とを含む。モディファイアは、さらに溶媒を含む。モディファイアは、成分(a)と成分(b)とを含むことにより、目的成分であるオリゴヌクレオチドの分離性能を向上させることができる。
【0018】
アルキルアミンとしては、例えば、エチルアミン、メチルアミン等が挙げられる。アミノアルコールとしては、例えば、アミノエタノール、アミノメタノール等が挙げられる。酸としては、蟻酸、酢酸、重炭酸等が挙げられる。モディファイアにおいて、成分(a)と成分(b)との供給源は同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムを添加することにより、成分(a)と成分(b)とを同時に供給することができる。溶媒としては、例えば、各種有機溶媒、水等が挙げられる。各種有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル等が挙げられる。
【0019】
モディファイアにおいて、成分(a)と成分(b)の濃度は、好ましくは10mM以上100mM以下、より好ましくは40mM以上50mM以下である。上記数値範囲内であることにより、目的成分であるオリゴヌクレオチドの分離性能をより向上させることができる。モディファイアにおいて、溶媒としては、水とメタノールとの混合溶媒が好ましく用いられ、例えば水:メタノールが5:95(体積比)の混合溶媒を用いることができる。
【0020】
[固定相]
固定相は、SFCに通常用いられている固定相であれば限定されることはなく、例えば、シリカゲル、シリカ担体の表面を化学修飾したもの、ポリマービーズを用いることができる。好適な固定相の一例として、シリカ担体の表面をアルキルアルコールで修飾したものが挙げられる。
【0021】
[分離対象の試料]
分離対象の試料は、目的成分としてオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドを構成単位とするオリゴマーであり、好ましくは2~40塩基、より好ましくは2~20塩基、さらに好ましくは2~10塩基の長さのオリゴマーである。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又は修飾ヌクレオチドのいずれであってもよい。修飾ヌクレオチドとは、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドを構成する核酸塩基、糖部分、及びリン酸結合部分の全部又は一部が修飾されているものをいう。
【0022】
核酸塩基としては、例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル又はそれらの修飾塩基を挙げることができる。かかる修飾塩基としては、例えば、5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
糖部分の修飾としては、例えば、リボースの2’位の修飾及び糖のその他の部分の修飾を挙げることができる。リボースの2’位の修飾としては、例えば、リボースの2’位の-OH基をOR、R’OR、F、に置換する修飾を挙げることができる。ここで、Rはアルキルを表す。R’はアルキレンを表す。糖のその他の部分の修飾としては、例えば、リボース又はデオキシリボースの4’位のOをSに置換したもの、糖の2’位と4’位を架橋したもの、例えば、LNA(Locked Nucleic Acid)又はENA(2’-O,4’-C-Ethylene-bridged Nucleic Acids)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
リン酸結合部分の修飾としては、例えば、ホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、ボラノフォスフェート結合に置換する修飾を挙げることができる。
【0025】
本実施形態の分離方法によると、分離対象の試料が、2種以上のオリゴヌクレオチドを含み、2種以上のオリゴヌクレオチド間の分子構造の違いが1個~数十個の原子差、または1個以上10個以下の原子差であった場合でも、2種以上のオリゴヌクレオチドを良好に分離しうる。したがって、本実施形態の分離方法によると、目的成分であるオリゴヌクレオチドと、目的成分の合成過程で生成された目的成分とは異なるオリゴヌクレオチドとを含む試料が分離対象である場合でも、目的成分を高精度で分離又は精製することができる。
【0026】
分離対象の試料は、一例として、塩基配列TAGCを含むオリゴヌクレオチド、塩基配列TTTTを含むオリゴヌクレオチド、等が挙げられる。
【実施例0027】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
【0028】
[分析対象試料]
表1に示す、8種のオリゴヌクレオチド(成分a~h)を含む試料を準備した。
【0029】
【0030】
表1において、T:デオキシチミジン、A:デオキシアデニン、G:デオキシグアニン、C:デオキシシチジン、*:両側のヌクレオチドのリン酸結合部分のホスホジエステル結合がホスホロチオエート結合であることを示す。
【0031】
[分離カラム]
アルキルアルコールで修飾したシリカ充填剤が充填されたSFC用カラム(株式会社島津製作所株式会社製、Shin-pack UC-Diol II)(100mm×2.0mm I.D.,3μm)を用いた。
【0032】
[実施例1~6、比較例1,2]
超臨界流体クロマトグラムシステム(株式会社島津製作所製、Nexera UC)に、上記分離カラムを装着し、SFC-MS/MSにより、上記分析対象試料の分析を実施した。分析条件は下記の通りとした。
【0033】
移動相:移動相A(CO2):移動相B(表2に記載のモディファイア)=50:50(体積比)
移動相の流量:1.5mL/min
カラムオーブンの温度:35℃
背圧弁圧力:10.0MPa(50℃での圧力)
試料注入量:5μL
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(260nm)
【0034】
【0035】
表2において、水:メタノール=5:95は体積比を表す。
【0036】
図2~9に、実施例1~6、比較例1,2の分析により得られたクロマトグラムを示す。
図2~9において、ピークa~hは、それぞれ成分a~hに対応する。
図2~9に示す結果から、実施例1~6は成分a~hが分離できているのに対して、比較例1,2は成分a~hが分離できなかったことがわかる。
【0037】
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態および実施例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法は、
超臨界流体及びモディファイアを含む移動相中に試料を注入してカラムに導入する工程と、前記カラムを通過する間に前記試料中の成分を分離する工程と、を有する超臨界流体クロマトグラフを用いた成分分離方法であって、前記試料は、目的成分としてオリゴヌクレオチドを含み、前記超臨界流体は二酸化炭素を含み、前記モディファイアは、アンモニウム、アルキルアミン、及びアミノアルコールからなる群より選択される少なくとも1種と酸とを含む溶液を含む。
【0038】
(第2項)第1項に記載の成分分離方法において、前記酸は、ギ酸、酢酸、及び重炭酸からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0039】
(第3項)第1項又は第2項に記載の成分分離方法において、前記オリゴヌクレオチドは、塩基配列TAGCを含む。
【0040】
(第4項)第1項~第3項のいずれかに記載の成分分離方法において、前記オリゴヌクレオチドは、リン酸結合部分のホスホジエステル結合の少なくとも一つがホスホロチオエート結合に置換されている。
【0041】
(第5項)第1項~第4項のいずれかに記載の成分分離方法において、前記カラムは、アルキルアルコールを含む固定相を有する。
【0042】
以上のように本発明の実施形態及び実施例について説明を行なったが、上述の各実施形態及び各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0043】
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって、制限的なものでは
ないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなく特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての
変更が含まれることが意図される。