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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176502
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】搬送量算出方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/28 20060101AFI20241212BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20241212BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01B11/28 Z
G01B11/24 A
B65G43/08 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095067
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 隆正
(72)【発明者】
【氏名】村井 大祐
(72)【発明者】
【氏名】伊郷 香織
(72)【発明者】
【氏名】吉川 たかし
(72)【発明者】
【氏名】谷山 奈津美
【テーマコード(参考)】
2F065
3F027
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA02
2F065AA04
2F065AA22
2F065AA24
2F065AA51
2F065AA52
2F065AA58
2F065AA59
2F065BB15
2F065FF04
2F065FF15
2F065GG04
2F065HH05
2F065HH13
2F065JJ08
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065MM03
2F065PP15
2F065QQ03
2F065QQ42
3F027AA02
3F027CA07
3F027EA01
3F027FA03
3F027FA17
(57)【要約】
【課題】ベルトコンベアで搬送される搬送物の搬送量の、低コストで高精度な算出を可能とする。
【解決手段】搬送量算出装置100は、搬送物を搬送するベルトコンベアのベルトの形状を示すベルト点群データと、搬送物の形状を示す搬送物点群データとを基に当該搬送物の断面積を算出し、断面積とベルトコンベアのベルト速度とを基に搬送物の体積搬送量を算出する搬送量算出部113を備える。搬送量算出装置100は、搬送物点群データに含まれるベルトの端点を示す点群データを基に当該ベルトの位置を算出する検出部をさらに備え、搬送量算出部113は、ベルトの位置を基にベルト点群データを算出してもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送量算出装置が、
搬送物を搬送するベルトコンベアのベルトの形状を示すベルト点群データと、前記搬送物の形状を示す搬送物点群データとを基に当該搬送物の断面積を算出するステップと、
前記断面積と前記ベルトコンベアのベルト速度とを基に前記搬送物の体積搬送量を算出するステップとを実行する
搬送量算出方法。
【請求項2】
前記搬送物点群データに含まれる前記ベルトの端点を示す点群データを基に、前記ベルトの進行方向と垂直で水平方向における当該ベルトの位置を算出するステップと、
前記ベルトの位置を基に前記ベルト点群データを算出するステップとを実行する
請求項1に記載の搬送量算出方法。
【請求項3】
予め設定された前記ベルトの形状を示す点群データと、算出した前記ベルトの位置とを基に、前記ベルト点群データを算出するステップを実行する
請求項2に記載の搬送量算出方法。
【請求項4】
前記搬送物点群データが示す折れ線と、前記ベルト点群データが示す折れ線との間の面積を前記断面積として算出するステップを実行する
請求項1に記載の搬送量算出方法。
【請求項5】
前記搬送物点群データから算出される平均の高さと、前記ベルト点群データから算出される平均の高さとの差、および、前記ベルトの幅の積を前記断面積として算出するステップを実行する
請求項1に記載の搬送量算出方法。
【請求項6】
前記体積搬送量に、前記搬送物の比重を乗じて重量搬送量を算出するステップを実行する
請求項1に記載の搬送量算出方法。
【請求項7】
搬送量算出装置が、
ベルトコンベアで搬送される搬送物の形状を示す搬送物点群データを基に、当該搬送物の平均の高さを算出するステップと、
前記搬送物の平均の高さと、前記搬送物の重量搬送量または体積搬送量との相関を用いて、算出された平均の高さを基に前記搬送物の重量搬送量または体積搬送量を算出するステップとを実行する
搬送量算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアで搬送される搬送物の搬送量を測定する搬送量算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベアで搬送される土、砂、砂利、骨材などの被搬送物(搬送物)の体積を測定する技術として、特許文献1に記載の体積測定システムがある。当該体積測定システムは、ベルトコンベア上を流れる被搬送物の体積を測定するための体積測定システムであって、前記被搬送物に対して上方からレーザー光を照射する、ラインレーザと、前記レーザー光の照射によって描かれた被搬送物の輪郭線を、前記ラインレーザの照射方向と異なる角度から撮影する、デジタルカメラと、前記ベルトコンベアの移動量を計測する、移動量センサと、前記デジタルカメラによる撮影データおよび前記ベルトコンベアの移動量から、被搬送物の体積を算出する、解析装置と、を少なくとも備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-133478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の体積測定システムによれば、デジタルカメラの解像度に応じた精度で体積の測定が可能となる。しかしながら、センサとしてラインレーザとデジタルカメラとを用いており、設置や調整の手間を含めコストが高くなる。またレーザー光による搬送物上に描かれた輪郭線をデジタルカメラで撮影して、画像解析により搬送物の断面積を算出しているので、処理が複雑でコストがかかる。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、ベルトコンベアで搬送される搬送物の搬送量の、低コストで高精度な算出を可能とする搬送量算出方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するため、本発明に係る搬送量算出方法は、搬送量算出装置が、搬送物を搬送するベルトコンベアのベルトの形状を示すベルト点群データと、前記搬送物の形状を示す搬送物点群データとを基に当該搬送物の断面積を算出するステップと、前記断面積と前記ベルトコンベアのベルト速度とを基に前記搬送物の体積搬送量を算出するステップとを実行する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ベルトコンベアで搬送される搬送物の搬送量の、低コストで高精度な算出を可能とする搬送量算出方法を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る搬送量算出システムの全体構成図である。
図2】本実施形態に係る、搬送物がないときのセンサの出力を示す図である。
図3】本実施形態に係る、搬送物があるときのセンサの出力を示す図である。
図4】本実施形態に係る搬送量算出装置の機能ブロック図である。
図5】本実施形態に係るベルトのずれを説明するための図である。
図6】本実施形態に係る搬送物の断面積を説明するための図である。
図7】本実施形態に係る搬送量算出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための形態(実施形態)における搬送量算出装置を説明する。搬送量算出装置には、ベルトコンベア上に設置されたセンサが取得した2次元点群データが入力される。センサは、例えばLiDAR(Light Detection And RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)であり、レーザー光を用いて物体までの距離を測定して、搬送物の(断面の)形状を2次元の点群データとして取得することができる。なお断面は幅方向のもの(横断面)である。
【0009】
搬送量算出装置は、搬送物がない場合のベルトの形状を示す2次元の点群データとの差を算出することで、搬送物の断面積を算出し、さらにベルトコンベアのベルト速度を乗じることで搬送量(体積)を算出する。
なお、ベルトコンベアのベルトは、ゴム製、樹脂製、金属製などがあるが、ローラコンベアなどと異なり、ベルトに「たわみ」や場合によっては「左右方向のずれ」が生じる。この点については、後記する。
【0010】
ベルトコンベアのベルトは、進行方向に対して左右(水平)方向にずれる場合がある。搬送量算出装置は、2次元の点群データを基にベルトの端点を検出することでベルトのずれを検出して、搬送物がない場合の2次元の点群データ(ベルトの形状を示す点群データ)を修正することで、ずれたベルトの形状を示す点群データを算出して断面積を取得する。このようにすることで搬送量算出装置は、ベルトがずれた場合であっても、高精度に搬送量を算出することができる。
【0011】
≪搬送量算出システムの全体構成≫
図1は、本実施形態に係る搬送量算出システム10の全体構成図である。搬送量算出システム10は、搬送量算出装置100、およびセンサ200を含んで構成される。以下の説明では3次元座標系380を参照する。Z軸はベルトコンベア300(ベルト310)の進行方向であり、X軸は水平(左右)方向、Y軸は上下方向である。
【0012】
センサ200はベルトコンベア300の上に設置され、ベルトコンベア300が搬送する搬送物の上から見た表面の形状を測定し、測定結果である2次元点群データを搬送量算出装置100に出力する。2次元点群データは、センサ200を含むX-Y平面(X軸およびY軸を含む平面に平行で、かつセンサ200を含む平面)における搬送物の表面の形状を示すことになる。
【0013】
なお、ベルト310は、搬送物の重量(搬送量)に応じてベルト310のたわみ量も増えるようになる。本実施形態では、重量が増えてもたわみが生じない(たわみ量が変化しない)箇所(ベルト310を下方から支えるサポート部分320)の上にセンサ200を設置して、断面形状の2次元点群データを取得するものとする。あわせて、ずれのデータも取得するものとする。
【0014】
≪2次元点群データ≫
図2は、本実施形態に係る、搬送物がないときのセンサ200の出力を示す図である。点線510は、ベルト310の表面に対応する2次元点群(2次元点群データ)を示す。点線510の端点511,512は、ベルト310の端を示している。
図3は、本実施形態に係る、搬送物があるときのセンサ200の出力を示す図である。点線520は、ベルト310上の搬送物の表面に対応する2次元点群を示す。以下では説明を簡単にするために2次元点群の各点の位置は、左下を原点、下辺をX軸、左辺をY軸とする座標系を用いて示されるものとする。このX軸およびY軸は、3次元座標系380(図1参照)のX軸およびY軸にそれぞれ対応する。
【0015】
≪搬送量算出装置の構成≫
図4は、本実施形態に係る搬送量算出装置100の機能ブロック図である。搬送量算出装置100はコンピュータであり、制御部110、記憶部120、および入出力部180を備える。入出力部180には、ディスプレイやキーボード、マウスなどのユーザインターフェイス機器が接続される。入出力部180が通信デバイスを備え、センサ200とのデータ送受信が可能である。
【0016】
≪搬送量算出装置:記憶部≫
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)などの記憶機器を含んで構成される。記憶部120には、測定値データベース130、基準値140、搬送量データベース150、およびプログラム128が記憶される。プログラム128は、後記する搬送量算出処理(図7参照)の記述が含まれる。
【0017】
測定値データベース130には、センサ200から取得した2次元点群データの時系列データが取得時刻と関連付けられて格納される。2次元点群データは、例えば1秒周期で取得され、搬送物またはベルト310の表面の形状を示す点の座標(X-Y座標)の集まり(座標群)である。
【0018】
基準値140は、搬送物がないときの2次元点群データ(図2参照)であり、点線510を示す点の座標群である。後記するように基準値140は、ベルト310が左右(X軸方向)にずれていないときのベルト310の表面を示す2次元点群データ(の座標群)である。
搬送量データベース150は、算出された搬送量(単位時間当たりの搬送量)の時系列データである。
【0019】
≪搬送量算出装置:制御部≫
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、測定部111、検出部112、および搬送量算出部113が備わる。
測定部111は、センサ200の出力である2次元点群データを測定値データベース130に格納する。
【0020】
≪制御部:検出部≫
検出部112は、ベルト310の進行方向(Z軸方向)に対して左右方向(X軸方向)のずれを検出する。図5は、本実施形態に係るベルト310のずれを説明するための図である。ベルト310または搬送物の表面を示す点線530の端点531のX軸方向での位置が、基準値140(図2参照)における端点511の位置からずれている。
【0021】
このような状態は、ベルト310がX軸のプラスの向きにずれている場合に発生する。このような状態ではX軸のマイナス側にあるベルト310の端が、点線530の端点531として検出される。検出部112は、このようなベルト310のずれを検出して、ずれの量を算出する。ずれの量は、端点531のX座標と基準値140における端点511のX座標とを比較することで算出できる。
【0022】
以上に説明したように搬送量算出装置100は、ベルト310の進行方向と垂直で水平方向(X軸方向)におけるベルト310の位置を算出する検出部112を備える。
検出部112は、搬送物点群データ(図5記載の点線530参照)に含まれるベルト310の端点を示す点群データ(端点531参照)を基に、ベルト310の進行方向と垂直で水平方向(X軸方向)におけるベルト310の位置を算出する。
【0023】
≪制御部:搬送量算出部≫
搬送量算出部113は、搬送物の断面積を算出し、ベルト310のベルト速度を乗じることで搬送量を算出する。図6は、本実施形態に係る搬送物の断面積を説明するための図である。点線540は、ベルト310上の搬送物の表面に対応する2次元点群を示す。なお点線540の左側の端点541は、基準値140における端点511のX座標と比較すると右側(X軸のプラス側)にずれている。
【0024】
点線550は、検出部112が点線540を基に算出したベルト310の位置に応じて、基準値140(点線510参照)が示す2次元点群をX軸方向にずらした2次元点群である。換言すれば点線550は、点線540に示す2次元点群取得時における搬送物がない状態でのベルト310の表面に対応する2次元点群を示す。すると点線510,540に挟まれた領域が搬送物の断面となる。搬送量算出部113は、この断面の面積を算出して、搬送物の断面とする。
【0025】
以上に説明したように搬送量算出装置100は、搬送物を搬送するベルトコンベア300のベルト310の形状を示すベルト点群データ(点線550参照)と、搬送物の形状を示す搬送物点群データ(点線540参照)とを基に当該搬送物の断面積を算出する搬送量算出部113を備える。
搬送量算出部113は、断面積とベルトコンベア300のベルト速度とを基に搬送物の体積搬送量を算出する。
【0026】
搬送量算出部113は、ベルト310の位置を基にベルト点群データ(点線550参照)を算出する。
搬送量算出部113は、予め設定されたベルトの形状を示す点群データ(基準値140、点線510参照)と、検出部112が算出したベルトの位置とを基に、ベルト点群データ(点線550参照)を算出する。
【0027】
以下に断面積の算出手法を説明する。搬送量算出部113は、点線510,540を折れ線グラフとみなして、2つの折れ線グラフ間の面積を算出して断面積とする。次に搬送量算出部113は、断面積とベルト310のベルト速度とを乗じることで、点線540の取得した時点における単位時間当たりの搬送量を算出する。なおベルト速度は、ベルトコンベア300の制御装置から取得することができる。
【0028】
また搬送量算出部113は、点線510,540の高さ(Y座標値)の平均値の差を算出し、ベルト310の幅を乗じて断面積としてもよい。ベルト310の幅は点線510,540の幅(X座標での長さ)である。
搬送量算出部113は、搬送量に搬送物の比重を乗じて重量搬送量を算出してもよい。なお比重は、粉粒体などのように内部に空隙があるものでは、嵩比重(嵩密度)を意味する。
【0029】
以上に説明したように搬送量算出部113は、搬送物点群データが示す折れ線(点線540参照)と、ベルト点群データが示す折れ線(点線510参照)との間の面積を断面積として算出する。
搬送量算出部113は、搬送物点群データ(点線540参照)から算出される平均の高さと、ベルト点群データ(点線510参照)から算出される平均の高さとの差、および、ベルト310の幅(点線510,540の幅(X座標での長さ))の積を断面積として算出する。
搬送量算出部113は、体積搬送量に、搬送物の比重を乗じて重量搬送量を算出する。
【0030】
≪搬送量算出処理≫
図7は、本実施形態に係る搬送量算出処理のフローチャートである。図7の処理は、センサ200の出力である2次元点群データごとに繰り返される処理である。
ステップS11において測定部111は、センサ200の出力である2次元点群データを取得して測定値データベース130に格納する。
【0031】
ステップS12において検出部112は、2次元点群データが示す2次元点群の端点を検出して基準値140と比較することで、ベルト310のずれを算出する。
ステップS13において検出部112は、ステップS12で算出したずれが所定値以下であればずれはないと判断し(ステップS13→NO)ステップS15に進む。検出部112は、ずれが所定値超であればずれがあると判断し(ステップS13→YES)ステップS14に進む。
【0032】
ステップS14において搬送量算出部113は、基準値140を調整する。詳しく説明すると搬送量算出部113は、ずれに応じて基準値140をX軸方向にずらす。
ステップS15において搬送量算出部113は、ステップS14で調整した基準値140の2次元点群(点線510参照)とステップS11で取得した2次元点群(点線540参照)とを基に断面積を算出する。
【0033】
ステップS16において搬送量算出部113は、ステップS15で算出した断面積にベルト310のベルト速度を乗じて、単位時間当たりの搬送量(体積搬送量)を算出し、2次元点群データの取得時刻(ステップS11参照)と関連付けて搬送量データベース150に格納する。搬送量算出部113は、単位時間当たりの搬送量に搬送物の比重を乗じて単位時間当たりの重量搬送量を算出し、体積搬送量とともに搬送量データベース150に格納してもよい。
【0034】
≪搬送量算出装置の特徴≫
搬送量算出装置100は、搬送物表面の形状を示す2次元点群(点線540参照)および搬送物がないベルト310の形状を示す2次元点群(点線550参照)を基に搬送物の断面積を算出し、ベルト速度を乗じて体積を算出する。さらに搬送量算出装置100は、重量を算出する。このようにすることで搬送量算出装置100は、従来技術より簡易な設備で搬送量を算出することができる。
【0035】
また搬送量算出装置100は、ベルト310の端点を検出して左右方向(X軸方向)のずれを算出して、断面積算出の基であるベルト310の形状を示す2次元点群(基準値140、点線510参照)を調整する。このようにすることで搬送量算出装置100は、ベルト310がずれた場合であっても高精度に搬送量を算出することができる。
【0036】
≪変形例:断面積を算出しない搬送量算出≫
上記した実施形態において搬送量算出装置100は、搬送物の断面積を求めて搬送量を算出しているが、断面積を求めることなしに搬送量を算出してもよい。搬送量算出部113は、搬送物点群データ(点線530参照)から算出される搬送物の平均の高さと、例えばメリック式ベルトスケールなど別手段で測定された搬送重量(重量搬送量)との関係から作成された相関式を用いて、搬送重量を算出してもよい。例えば、メリック式ベルトスケールで測定された単位時間当たりの搬送重量、および搬送物点群データから算出される搬送物の平均の高さの単位時間当たりの平均値により、下に示すような一次式である式(1)が作成される。搬送量算出部113は、式(1)を用いて搬送物の平均の高さを基に搬送重量を算出する。
単位時間当たりの搬送重量
=(搬送物の平均の高さの単位時間当たりの平均値)×A+B (1)
【0037】
搬送物の平均の高さの単位時間当たりの平均値を算出するにあたり、その単位時間とは、別手段で測定され搬送重量を算出するために用いられている単位時間を用いることが望ましい。式(1)の定数A,Bは搬送物の種類やベルトコンベア300の移動速度などによって異なる定数である。また搬送物の平均の高さと搬送重量の相関が得られる式であれば、一次式である必要はない。
このような手法を用いることで、搬送物の断面積を算出することなく、搬送量を算出することも可能である。
【0038】
以上に説明したように搬送量算出部113は、ベルトコンベア300で搬送される搬送物の形状を示す搬送物点群データ(点線530参照)を基に、当該搬送物の平均の高さを算出し、搬送物の平均の高さと、搬送物の重量搬送量または体積搬送量との相関(式(1)参照)を用いて、算出された平均の高さを基に搬送物の重量搬送量または体積搬送量を算出する。
【0039】
≪その他の変形例≫
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
100 搬送量算出装置
111 測定部
112 検出部
113 搬送量算出部
128 プログラム
130 測定値データベース
140 基準値(予め設定されたベルトの形状を示す点群データ)
150 搬送量データベース
200 センサ
300 ベルトコンベア
310 ベルト
510 点線(予め設定されたベルトの形状を示す点群データ)
540 点線(搬送物点群データ)
550 点線(ベルト点群データ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7