(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017662
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】エンターテインメントシステム、プログラム、サーバ及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/87 20140101AFI20240201BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240201BHJP
A63F 13/525 20140101ALI20240201BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240201BHJP
【FI】
A63F13/87
A63F13/53
A63F13/525
A63F13/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120463
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 辰巳
(72)【発明者】
【氏名】福▲崎▼ 恵介
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 猛
(57)【要約】
【課題】プレーヤキャラクタ同士の会話表現の幅を広げ、自然な会話を楽しむことが可能なエンターテインメントシステム等を提供すること。
【解決手段】エンターテインメントシステムは、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析部とを含み、前記表示制御部は、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるエンターテインメントシステムであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析部とを含み、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項2】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるエンターテインメントシステムであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報に基づいて、会話の拮抗状態を分析する分析部とを含み、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項3】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるエンターテインメントシステムであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報を分析する分析部とを含み、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項4】
請求項1において、
前記分析部は、
チャット入力された情報に基づいて、会話の状態を分析することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項5】
請求項2において、
前記分析部は、
会話における特定ワードの検出の有無、会話の量、会話の時間及び会話の頻度の少なくとも1つに基づいて前記拮抗状態を分析することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記カットイン画像の大きさ、前記カットイン画像の形状、前記カットイン画像の色、前記カットイン画像に含まれるキャラクタの表情、前記カットイン画像の表示時間、前記カットイン画像に付随するエフェクト及び効果音の少なくとも1つを決定することを特徴するエンターテインメントシステム。
【請求項7】
請求項1において、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項8】
請求項2、3又は7において、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが主として表示されるように前記仮想カメラを制御する第1の撮影制御と、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタの一方が主として表示されるように前記仮想カメラを制御する第2の撮影制御とを切り替えることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項9】
請求項8において、
前記表示制御部は、
会話が拮抗状態にある場合には、前記第1の撮影制御を行い、拮抗状態が解除された場合には、前記第2の撮影制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項10】
請求項2、3又は7において、
前記表示制御部は、
チャット入力が検出された場合、第1の条件が満たされた場合には、前記カットイン画像を表示させ、第2の条件が満たされた場合には、前記仮想カメラの制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項11】
請求項2、3又は7において、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果と前記キャラクタのパラメータ又は前記キャラクタの数とに基づいて、前記カットイン画像の表示制御又は前記仮想カメラの制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項12】
請求項2、3又は7において、
前記表示制御部は、
前記カットイン画像の表示中に所定の操作が行われた場合に、前記カットイン画像又は前記仮想カメラの制御を変化させることを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項13】
請求項2、3又は7において、
前記表示制御部は、
所定の条件が満たされた場合に、チャット入力に基づく前記カットイン画像の表示制御又はチャット入力に基づく前記仮想カメラの制御を開始することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項14】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるためのプログラムであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表
示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析部としてコンピュータを機能させ、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるためのプログラムであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報に基づいて、会話の拮抗状態を分析する分析部としてコンピュータを機能させ、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項16】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるためのプログラムであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報を分析する分析部としてコンピュータを機能させ、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項17】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるサーバであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析部とを含み、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするサーバ。
【請求項18】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるサーバであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報に基づいて、会話の拮抗状態を分析する分析部とを含み、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプ
レーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするサーバ。
【請求項19】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるサーバであって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報を分析する分析部とを含み、
前記表示制御部は、
前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするサーバ。
【請求項20】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させる表示制御方法であって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析ステップとを含み、
前記表示制御ステップでは、
前記分析ステップによる分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とする表示制御方法。
【請求項21】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させる表示制御方法であって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報に基づいて、会話の拮抗状態を分析する分析ステップとを含み、
前記表示制御ステップでは、
前記分析ステップによる分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とする表示制御方法。
【請求項22】
各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させる表示制御方法であって、
第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報を分析する分析ステップとを含み、
前記表示制御ステップでは、
前記分析ステップによる分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とする表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンターテインメントシステム、プログラム、サーバ及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレーヤがカットインを行うためのキーを操作すると、プレーヤの操作に応じた台詞を表示し、プレーヤキャラクタを撮影した映像をカットイン映像として表示するゲームが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オンラインゲームでは、会話システムとしてチャット機能があるが、実用性を重視したものでチャットシステム自体に面白い要素はなかった。特許文献1に開示されたゲームでは、プレーヤがカットインを行うための操作を行う必要がり、自然な会話表現を実現するものではなかった。また、カットインの内容も会話の内容を反映したものではなく、表現の幅も限定されていた。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレーヤキャラクタ同士の会話表現の幅を広げ、自然な会話を楽しむことが可能なエンターテインメントシステム、プログラム、サーバ及び表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるエンターテインメントシステムであって、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析部とを含み、前記表示制御部は、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステムに関する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。また本発明は、上記各部を含むサーバに関する。
【0007】
また本発明は、各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させる表示制御方法であって、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御ステップと、前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する分析ステップとを含み、前記表示制御ステップでは、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とする表示制御方法に関する。
【0008】
本発明によれば、チャット入力された情報を分析して、分析結果に基づいてカットイン画像の表示制御を行うことで、キャラクタ(プレーヤ)同士の会話表現の幅を広げること
ができる。
【0009】
(2)本発明は、各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるエンターテインメントシステムであって、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報に基づいて、会話の拮抗状態を分析する分析部とを含み、前記表示制御部は、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステムに関する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。また本発明は、上記各部を含むサーバに関する。
【0010】
また本発明は、各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させる表示制御方法であって、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御ステップと、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤによってチャット入力された情報に基づいて、会話の拮抗状態を分析する分析ステップとを含み、前記表示制御ステップでは、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とする表示制御方法に関する。
【0011】
本発明によれば、チャット入力された情報に基づいて会話の拮抗状態を分析して、分析結果に基づいて仮想カメラの制御やカットイン画像の表示制御を行うことで、会話表現の幅を広げることができる。
【0012】
(3)本発明は、各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させるエンターテインメントシステムであって、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御部と、前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報を分析する分析部とを含み、前記表示制御部は、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とするエンターテインメントシステムに関する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。また本発明は、上記各部を含むサーバに関する。
【0013】
また本発明は、各プレーヤのチャット入力に伴ってキャラクタを表示させる表示制御方法であって、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部に表示させる表示制御ステップと、前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報を分析する分析ステップとを含み、前記表示制御ステップでは、前記分析部による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御、又は、前記第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は前記第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行うことを特徴とす
る表示制御方法に関する。
【0014】
本発明によれば、チャット入力が開始されてから確定されるまでの情報を分析して、分析結果に基づいて仮想カメラの制御やカットイン画像の表示制御を行うことで、会話表現の幅を広げることができる。
【0015】
(4)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記分析部は(前記分析ステップでは)、チャット入力された情報に基づいて、会話の状態を分析してもよい。
【0016】
(5)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記分析部は(前記分析ステップでは)、会話における特定ワードの検出の有無、会話の量、会話の時間及び会話の頻度の少なくとも1つに基づいて前記拮抗状態を分析してもよい。
【0017】
(6)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、前記分析部(前記分析ステップ)による分析結果に基づいて、前記カットイン画像の大きさ、前記カットイン画像の形状、前記カットイン画像の色、前記カットイン画像に含まれるキャラクタの表情、前記カットイン画像の表示時間、前記カットイン画像に付随するエフェクト及び効果音の少なくとも1つを決定してもよい。
【0018】
(7)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、前記分析部(前記分析ステップ)による分析結果に基づいて、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御を行ってもよい。
【0019】
(8)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、前記分析部(前記分析ステップ)による分析結果に基づいて、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタが主として表示されるように前記仮想カメラを制御する第1の撮影制御と、前記第1のプレーヤのキャラクタと前記第2のプレーヤのキャラクタの一方が主として表示されるように前記仮想カメラを制御する第2の撮影制御とを切り替えてもよい。
【0020】
(9)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、会話が拮抗状態にある場合には、前記第1の撮影制御を行い、拮抗状態が解除された場合には、前記第2の撮影制御を行ってもよい。
【0021】
(10)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、チャット入力が検出された場合、第1の条件が満たされた場合には、前記カットイン画像を表示させ、第2の条件が満たされた場合には、前記仮想カメラの制御を行ってもよい。
【0022】
(11)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、前記分析部(前記分析ステップ)による分析結果と前記キャラクタのパラメータ又は前記キャラクタの数とに基づいて、前記カットイン画像の表示制御又は前記仮想カメラの制御を行ってもよい。
【0023】
(12)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、前記カットイン画像の表示中に所定の操作が行われた場合に、前記カットイン画像又は前記仮想カメラの制御を変化させてもよい。
【0024】
(13)また本発明に係るエンターテインメントシステム、プログラム、情報記憶媒体、サーバ及び表示制御方法では、前記表示制御部は(前記表示制御ステップでは)、所定の条件が満たされた場合に、チャット入力に基づく前記カットイン画像の表示制御又はチャット入力に基づく前記仮想カメラの制御を開始してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態のエンターテインメントシステムを示す図。
【
図2】本実施形態のサーバの機能ブロックの一例を示す図。
【
図3】本実施形態の端末の機能ブロックの一例を示す図。
【
図4】本実施形態の端末で生成されるゲーム画面の一例を示す図。
【
図5】本実施形態の端末で生成されるゲーム画面の一例を示す図。
【
図6】本実施形態の端末で生成されるゲーム画面の一例を示す図。
【
図7】本実施形態の端末で生成されるゲーム画面の一例を示す図。
【
図8】本実施形態の端末の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0027】
1.構成
図1は、本実施形態のエンターテインメントシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバ装置)とによって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のエンターテインメントシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0028】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0029】
本実施形態では、プレーヤの端末10においてゲームが実行され、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタ、アイテム等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報が管理される。
【0030】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0031】
図2に、本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0032】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0033】
格納部272は、本実施形態のエンターテインメントシステムで実行されるオンラインゲームに参加する複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ識別情報(プレーヤIDや、プレーヤが使用する端末IDなど)に対応づけて、プレーヤ名(プレーヤアカウント)、パスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のプレーヤを特定するための情報を、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤ識別情報に対応づけて、プレーヤが所有するゲーム媒体やゲーム内通貨に関する情報を、プレーヤ情報として格納する。
【0034】
通信部296は端末10や他のサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0035】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、プレーヤ情報の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、通信制御部210を含む。
【0036】
通信制御部210は、プレーヤによって端末10で入力された情報(プレーヤキャラクタの行動を指定する操作情報、チャット入力された情報)を当該端末10から受信し、当該情報を他のプレーヤの端末10に送信(転送)する。チャット入力は、文字列(テキスト)の入力であってもよいし、音声入力であってもよい。チャット入力が音声入力である場合、入力された音声を送信側の端末10で音声認識してテキストデータを生成し、生成したテキストデータをサーバ20を介して他の端末10に送信するようにしてもよいし、端末10で入力された音声情報をサーバ20を介して他の端末10に送信し、他の端末10(受信側の端末10)で音声情報を音声認識してテキストデータを生成するようにしてもよい。
【0037】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロックの一例を示す。なお本実施形態の端末は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0038】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作情報)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード、マイク(音声入力機器)、カメラ(撮影機器)等の入力機器により実現することができる。
【0039】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0040】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機
能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0041】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0042】
通信部196はサーバ20や他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0043】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0044】
処理部100は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲームを進行させる処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、ゲーム制御部110、表示制御部112、分析部114、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0045】
ゲーム制御部110は、プレーヤの操作に基づいてゲームを実行する。ゲーム制御部110は、プレーヤ(第1のプレーヤ)の操作に基づいて当該プレーヤのキャラクタの行動を制御し、他の端末10のプレーヤ(第2のプレーヤ)の操作に基づいて当該他のプレーヤのキャラクタの行動を制御する。ゲーム制御部110は、プレーヤの操作情報(キャラクタの行動を指定する操作の情報、チャット入力された情報)をサーバ20に送信し、他のプレーヤの操作情報をサーバ20から受信する。
【0046】
表示制御部112は、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタをチャット入力に伴って表示部190に表示させる制御を行う。
【0047】
分析部114は、第1のプレーヤ又は第2のプレーヤによってチャット入力された情報(チャットの内容、時間、頻度など)を分析する。例えば、分析部114は、チャット入力された情報に基づいて会話の状態(例えば、会話が拮抗状態にあるか、会話の主導権はどちらにあるか、会話の雰囲気(例えば、会話が弾んでいるか)、会話に感情表現は含まれているか)を分析してもよい。また、分析部114は、チャット入力が開始されてからチャット入力が確定されるまでの情報(例えば、チャット入力が開始されてからの経過時間、チャット入力が確定されるまでに入力された文字列や単語、チャット入力が開始されてから入力が確定されるまでに発生したゲームイベント等)を分析してもよい。なお、チャット入力された情報の分析やチャット入力が確定されるまでの情報の分析は、機械学習やAIを利用した言語分析処理により行ってもよい。
【0048】
表示制御部112は、分析部114による分析結果に基づいて、第1のプレーヤのキャラクタ及び/又は第2のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御、又は、第1のプレーヤのキャラクタと第2のプレーヤのキャラクタが配置される仮想空間内の仮想カメラの制御を行う。
【0049】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、
オブジェクト空間(仮想空間、ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成する。
【0050】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0051】
また、本実施形態のエンターテインメントシステムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の各部の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。
【0052】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。本実施形態のエンターテインメントシステムは、オンラインゲームに参加する複数のプレーヤのキャラクタがゲーム空間内で行動(移動、敵キャラクタとの対戦等)するゲーム(例えば、MMORPG)を実行するように構成される。各プレーヤは、自身のキャラクタをゲーム空間内の所定の場所(談話室など)に移動させることで、当該場所にいる他のキャラクタのプレーヤとチャットによる会話を行うことができる。チャット入力は、端末10において、文字列を入力した後、当該入力を確定する所定の操作を行うことで行われる。
【0053】
本実施形態では、各プレーヤによってチャット入力された情報を分析し、分析結果に基づいて、各プレーヤのキャラクタが配置されるゲーム空間内の仮想カメラの制御や、いずれかのキャラクタを含むカットイン画像の表示制御を行う。
【0054】
例えば、ゲーム空間内の所定の場所にプレーヤ「A」のキャラクタCaとプレーヤ「B」のキャラクタCbとプレーヤ「C」のキャラクタCcがいるときに、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」がチャットによる会話を始めた場合、
図4に示すように、キャラクタCaとキャラクタCbがゲーム画面GIの中央に(主として)に表示されるように、仮想カメラの位置や向き、画角が制御される。また、プレーヤ「A」によってチャット入力された文字列を含む吹き出し画像BIがキャラクタCaに関連付けて表示され、プレーヤ「B」によってチャット入力された文字列を含む吹き出し画像BIがキャラクタCbに関連付けて表示される。
【0055】
このとき、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」によってチャット入力される情報を順次取得して会話の状態(例えば、会話の拮抗状態)を分析する。具体的には、チャットによる会話における特定ワード(例えば、同一ワードや同じ話題に関するワード)の検出の有無、会話の量(チャット入力された文字数や単語数)や会話の時間(チャット入力にかかる時間)、会話の頻度(単位時間当たりのチャット入力の回数)の少なくとも1つを分析し、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」のチャット入力に特定ワードが検出された場合(例えば、同じアイテムやミッション、趣味(アニメ等)の話を延々としている場合)や、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の会話の量や時間、頻度が同等であると判定した場合に、会話が拮抗状態にあると分析し、特定ワードが検出されない場合や、会話の量や時間、頻度が同等でない(会話の量や時間、頻度の差を数値化した値が所定値以上である)と判定し
た場合に、会話が拮抗状態にない(拮抗状態が解除された)と分析する。
【0056】
プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の会話が拮抗状態にある場合には、
図4に示すように、キャラクタCaとキャラクタCbがゲーム画面GIの中央に(主として)表示されるように仮想カメラを制御する第1の撮影制御を継続する。一方、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の会話が拮抗状態になく、例えば、プレーヤ「A」の会話の量がプレーヤ「B」よりも多い、プレーヤ「A」の会話の時間がプレーヤ「B」よりも長い、或いは、プレーヤ「A」の会話の頻度がプレーヤ「B」よりも高い場合には、
図5に示すように、キャラクタCaがゲーム画面GIの中央に(主として)表示されるように仮想カメラを制御する第2の撮影制御に切り替える。
【0057】
この後もプレーヤ「A」とプレーヤ「B」の会話の状態の分析を継続し、例えば、
図5に示す場合において、プレーヤ「B」によるチャット入力があった場合、
図6に示すように、キャラクタCbを枠内に含むカットイン画像CIを、キャラクタCaが表示されている画面に重畳して表示する。この場合、カットイン画像CIがキャラクタCaの顔と画面上で重ならないように、カットイン画像CIの表示位置及び表示サイズを制御する。また、プレーヤ「B」によってチャット入力された文字列を含む吹き出し画像BIは、カットイン画像CI内のキャラクタCbに関連付けて表示される。なお、カットイン画像CI内のキャラクタCbの画像は、キャラクタCaを撮影する仮想カメラとは異なる仮想カメラで撮影された画像であり、動画像であっても静止画像であってもよい(カットイン画像CIのキャラクタCbは静止していても動いていてもよい)。
【0058】
ここで、プレーヤ「B」によるチャット入力が第1の条件を満たす場合に、
図6に示すように、キャラクタCbを含むカットイン画像CIを表示し、プレーヤ「B」によるチャット入力が第2の条件を満たす場合には、カットイン画像CIを表示せず、
図4に示すように、キャラクタCaとキャラクタCbがゲーム画面GIの中央に表示されるように仮想カメラを制御する第1の撮影制御に切り替えるようにしてもよい。例えば、プレーヤ「B」によるチャット入力を分析した結果、会話が所定時間以上続かない(例えば、チャット入力された文字数や単語数が少ない、チャット入力の頻度が低い、チャット入力の入力時間が短い、チャット入力された文字列が相槌や簡単な返事に対応する文字列である)と判定した場合に、当該チャット入力が第1の条件を満たすと判断してカットイン画像CIを表示し、会話が所定時間以上続く(例えば、チャット入力された文字数や単語数が多い、チャット入力の頻度が高い、チャット入力の入力時間が長い)と判定した場合や、チャット入力された文字列に特定のワードが含まれる場合には、当該チャット入力が第2の条件を満たすと判断して第1の撮影制御に切り替えてもよい。なお、第1の条件と第2の条件を逆にして、チャット入力が第1の条件を満たす場合に、第1の撮影制御に切り替え、チャット入力が第2の条件を満たす場合に、カットイン画像CIを表示するようにしてもよい。
【0059】
また、カットイン画像CIを表示する場合、チャット入力された情報の分析結果に基づいて、カットイン画像CIの内容(カットイン画像CIの大きさや形状、色、表示時間、カットイン画像CIに含まれるキャラクタの表情、カットイン画像CIに付随するエフェクト・効果音)を決定するようにしてもよい。例えば、プレーヤによってチャット入力された文字列に感情表現(怒り、喜び、悲しみ等)が含まれる場合に、当該プレーヤのキャラクタを含むカットイン画像CIの大きさや形状、色、エフェクトを当該感情表現に応じた大きさ、形状、色、エフェクトにしたり、カットイン画像CIに含まれるキャラクタの表情を当該感情表現に応じた表情にするように制御してもよい。例えば、チャット入力された文字列に「怒り」の感情表現が含まれる場合には、
図7に示すようにカットイン画像CIの枠の形状をギザギザにしたり、カットイン画像CIの枠や背景の色を赤色にしたり、カットイン画像CIに関連付けて「怒り」を表すマークやエフェクトを表示したり、カ
ットイン画像CIの表示時に「怒り」を表す効果音を出力したりしてもよい。また、プレーヤによってチャット入力された情報を分析した結果、会話が弾んでいない(例えば、プレーヤ「A」によるチャット入力が行われてから、それに応じたプレーヤ「B」のチャット入力が行われるまでの時間が長い)と判定した場合に、カットイン画像CIの表示時間を短くするようにしてもよい。
【0060】
また、プレーヤによってチャット入力が開始されてからチャット入力を確定する操作が行われるまでの情報(入力開始からの経過時間、入力確定までに入力された文字列、入力開始から入力確定までに発生したゲームイベント)を分析し、分析結果に基づいて仮想カメラの制御やカットイン画像CIの表示制御を行うようにしてもよい。例えば、仮想カメラの制御の場合、プレーヤによるチャット入力が開始された場合に、当該プレーヤのキャラクタを離れた位置から撮影する(当該キャラクタがゲーム画面GIに小さく表示される)ように仮想カメラを制御し、入力が確定されずに時間T1が経過した場合には、仮想カメラが徐々に当該キャラクタに近づく(当該キャラクタがゲーム画面GIで徐々に大きく表示される)ように仮想カメラを制御し、入力が確定されずに時間T2(T2>T1)が経過した場合には、仮想カメラが当該キャラクタに近づくのを停止する(当該キャラクタがゲーム画面GIで大きく表示される)ように仮想カメラを制御してもよい。また、カットイン画像CIの表示制御の場合、プレーヤによるチャット入力が開始された場合に、当該プレーヤのキャラクタを含むカットイン画像CIを小さなサイズで表示し、入力が確定されずに時間T1が経過した場合には、当該カットイン画像CIを徐々に大きくし、入力が確定されずに時間T2が経過した場合には、当該カットイン画像CIを大きくするのを停止する(及び/又は、カットイン画像CIの形状を変化させる、エフェクトや模様を付加する)ように制御してもよい。なお、プレーヤによるチャット入力が開始されてから入力が確定されるまでは、入力中であることを示す文字列(例えば、「・・・」)を含む吹き出し画像BIを当該プレーヤのキャラクタに関連付けて表示してもよい。また、プレーヤがチャット入力の確定前に特定のNGワードを入力した場合や、プレーヤがチャット入力を開始してから入力を確定するまでに当該プレーヤのキャラクタの体力値が0になるといったゲームイベントが発生した場合に、当該プレーヤのキャラクタに関して仮想カメラの制御やカットイン画像CIの表示を行わないようにしてもよい。
【0061】
また、分析部114に分析結果に加えて、キャラクタのパラメータ(ステータスや装備品を含む)やキャラクタの数に基づいて、カットイン画像CIの表示制御や仮想カメラの制御を行うようにしてもよい。例えば、チャット入力による会話に参加するキャラクタの体力値が0に近い状態である場合に、当該キャラクタを含むカットイン画像CIの内容(大きさや形状、色、エフェクト、効果音等)や当該キャラクタを撮影する仮想カメラの動き等を、当該キャラクタの状態を表すものにしてもよい。また、キャラクタが装備している装備品に応じて、当該キャラクタを含むカットイン画像CIの内容や当該キャラクタを撮影する仮想カメラの動き等を決定してもよい。例えば、キャラクタが水着を装備している場合に、当該キャラクタを含むカットイン画像CIの背景として海を表示するなどしてもよい。また、チャット入力による会話に参加するキャラクタの数が多いほど、当該キャラクタを含むカットイン画像CIを豪華にする(例えば、サイズを大きくする、枠や背景の色、エフェクト等を派手にする)ようにしたり、会話に参加するキャラクタの数が多い場合に、当該キャラクタを撮影する仮想カメラの動きを通常時と異なる動きにしたりしてもよい。
【0062】
また、カットイン画像CIの表示中に所定の操作が行われた場合に、カットイン画像CIや仮想カメラの制御を変化させるようにしてもよい。例えば、
図6に示す例において、プレーヤ「B」が所与の操作(例えば、コマンド入力、キャラクタやカットイン画像や仮想カメラのモーションを指示する操作)を行った場合に、カットイン画像CI内のキャラクタCbの表情を変化させたり、カットイン画像CIの大きさや形状、ゲーム画面GI内
における位置を変化させてもよい。また、プレーヤ「A」が所与の操作を行った場合に、キャラクタCaを撮影する仮想カメラの位置や向き、画角を変化させてもよい。なお、プレーヤ「A」の操作によってキャラクタCbを含むカットイン画像CIの制御を変化させたり、プレーヤ「B」の操作によってキャラクタCaを撮影する仮想カメラの制御を変化させたりしてもよい。
【0063】
また、プレーヤのキャラクタがゲーム空間内の所定の場所に移動した場合に、所定の条件が満たされたとして、当該プレーヤによるチャット入力に基づくカットイン画像CIの表示制御や仮想カメラの制御を開始し、当該キャラクタが所定の場所から離れた場合に、当該制御を終了するようにしてもよい。また、プレーヤのキャラクタがゲーム空間内で移動をしていない状態が継続する場合や、当該プレーヤが所与の操作を行った場合に、当該プレーヤによるチャット入力に基づくカットイン画像CIの表示制御や仮想カメラの制御を開始し、当該キャラクタが移動を開始した場合に、当該制御を終了するようにしてもよい。また、当該制御の開始に伴って、チャット入力による会話に参加しているキャラクタを所定の場所や空間に配置し、当該制御の終了に伴って、当該キャラクタを元の場所や空間に戻すような処理を行ってもよい。
【0064】
本実施形態によれば、複数のプレーヤによってチャット入力された情報を分析して、分析結果に基づいて、キャラクタのカットイン画像CIの表示制御や仮想カメラの制御を行うことで、キャラクタ同士の会話表現の幅を広げ、より自然な会話を楽しむことが可能なシステムを実現することができる。
【0065】
3.処理
次に、本実施形態のエンターテインメントシステム(端末10)の処理(チャット入力に基づくカットイン画像の表示制御・仮想カメラの制御)の一例について
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
まず、ゲーム制御部110は、入力部150に対するチャット入力があったか否かを判断し(ステップS10)、チャット入力があった場合(ステップS10のY)には、チャット入力された情報を記憶部170に記憶させ(ステップS11)、チャット入力された情報をサーバ20に送信する(ステップS12)。次に、ゲーム制御部110は、サーバ20から、他のプレーヤによってチャット入力された情報を受信したか否かを判断し(ステップS13)、当該情報を受信した場合(ステップS13のY)には、当該情報を記憶部170に記憶させる(ステップS14)。ここで、チャット入力された情報として、入力が確定されたテキストデータ等の他、チャット入力が開始されたことを示す情報や、入力が確定される前に入力されたテキストデータ等を取得・受信してもよい。
【0067】
次に、分析部114は、プレーヤや他のプレーヤによってチャット入力された情報を分析する(ステップS15)。ここでは、チャット入力された情報に基づき、いずれのプレーヤによってチャット入力が行われたか、チャットによる会話の状態、チャット入力が開始されてから確定されるまでの情報等を分析する。次に、表示制御部112は、分析部114による分析結果に基づいて、プレーヤ又は他のプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像CIの表示制御や、ゲーム空間内の仮想カメラの制御を行う(ステップS16)。ここでは、いずれのプレーヤのキャラクタを含むカットイン画像CIを表示するか、カットイン画像CIの内容や表示時間、いずれかのプレーヤのキャラクタがゲーム画面GIに表示されるように仮想カメラを制御するか等を決定する。
【0068】
次に、表示制御部112は、チャット入力に基づく表示制御を継続するか否かを判断し(ステップS17)、継続する場合(ステップS17のY)には、ステップS10に移行する。
【0069】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0070】
例えば、プレーヤによってチャット入力された情報に加えて、プレーヤの状態(マイクによって入力されたプレーヤの音声、カメラによって撮影されたプレーヤの表情、生体センサーで検出されたプレーヤの心拍数等の生体情報など)を分析して、チャットによる会話の状態を分析してもよい。
【0071】
また、例えばプレーヤ「A」とプレーヤ「B」がチャットによる会話をしているときに、プレーヤ「C」によるチャット入力があった場合に、プレーヤ「C」のキャラクタCcを含むカットイン画像CIをキャラクタCa,Cbが表示されているゲーム画面に重畳して表示したり、キャラクタCcがゲーム画面に表示されるように仮想カメラを制御してもよい。また、カットイン画像CIを2つ以上表示してもよく、例えば、キャラクタCbを含むカットイン画像CIとキャラクタCcを含むカットイン画像CIとを、キャラクタCaが表示されているゲーム画面に重畳して表示してもよい。
【0072】
また、チャット入力された文字列の表示は、吹き出し画像BIに表示するものに限らない。例えば、
図9に示すように、プレーヤ「A」によってチャット入力された文字列とプレーヤ「B」によってチャット入力された文字列を、キャラクタCa,Cbの発言としてチャットボックスCBに表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…端末、20…サーバ、100…処理部、110…ゲーム制御部、112…表示制御部、114…分析部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、196…通信部、200…処理部、210…通信制御部、270…記憶部、272…格納部、296…通信部