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特開2024-176659医用画像診断装置及び医用画像診断装置の作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176659
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】医用画像診断装置及び医用画像診断装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095384
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 重之
(72)【発明者】
【氏名】西原 崇
(72)【発明者】
【氏名】横浜 亘
(72)【発明者】
【氏名】永尾 尚子
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA20
4C096AB39
4C096AB46
4C096AC01
4C096AC02
4C096AC03
4C096AC07
4C096AC08
4C096AD19
4C096FC09
4C096FC10
4C096FC20
(57)【要約】
【課題】検査で要求される動作を被検者に適切に指示できる医用画像診断装置及び医用画像診断装置の作動方法を提供する。
【解決手段】被検者の断層像を撮影する医用画像診断装置であって、検査中の被検者が視認可能な第1表示部と、プロセッサと、を備える。プロセッサは、実施する検査の情報を含む第1情報を取得し、第1情報に基づいて、被検者に行わせる動作の情報を含む第2情報を第1表示部に表示させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボア内の被検者を撮影する医用画像診断装置であって、
検査中の前記被検者が視認可能な第1表示部と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記被検者の検査対象部位の情報を含む第1情報を取得し、
前記第1情報に基づいて、前記被検者に前記検査対象部位を動作させるための情報を含む第2情報を前記第1表示部に表示させる、
医用画像診断装置。
【請求項2】
前記被検者に前記検査対象部位を動作させるための情報が、身体の特定の部位を物理的に動かす動作の情報である、
請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記第1情報が、検査目的の情報、及び、前記被検者に行わせる動作の情報を更に含む、
請求項2に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
前記第2情報が、動かす身体の部位の情報と、動かし方の情報と、を含む、
請求項3に記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記動かし方の情報は、前記部位の動かし始めの位置の情報及び動かし終わりの位置の情報を含む、
請求項4に記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
身体の特定の部位を段階的に動かす場合、前記動かし方の情報は、前記部位を停止させる位置の情報を含む、
請求項4に記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
前記第2情報が、動かす身体の部位及び動かし方をイラスト又はアニメーションで表した情報を含む、
請求項3に記載の医用画像診断装置。
【請求項8】
前記ボア内の前記被検者の動作を検出する第1検出部を更に備え、
前記プロセッサは、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作が行われたか否かを判定し、
判定結果を前記被検者に報知する、
請求項2から7のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、前記ボア内の前記被検者の動作の情報を前記第2情報と共に前記第1表示部に表示させる、
請求項8に記載の医用画像診断装置。
【請求項10】
前記ボア内の前記被検者の動作を検出する第1検出部を更に備え、
前記プロセッサは、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作を前記被検者が行うためのガイド情報を生成し、
前記ガイド情報を前記被検者に報知する、
請求項2から7のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、前記ボア内の前記被検者の動作の情報を前記第2情報と共に前記第1表示部に表示させる、
請求項10に記載の医用画像診断装置。
【請求項12】
前記ボア内の前記被検者の動作を検出する第1検出部と、
操作者が視認可能な第2表示部と、
を更に備え、
前記プロセッサは、前記第1検出部の検出結果に基づいて、前記ボア内の前記被検者の動作の情報を前記第2表示部に表示させる、
請求項2から7のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作が行われたか否かを判定し、
判定結果を前記操作者に報知する、
請求項12に記載の医用画像診断装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作を前記被検者が行うためのガイド情報を生成し、
前記ガイド情報を前記操作者に報知する、
請求項12に記載の医用画像診断装置。
【請求項15】
前記被検者による特定の動作を検出する第2検出部を更に備え、
前記プロセッサは、前記第2検出部によって前記特定の動作が検出された場合に、操作者に報知する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
【請求項16】
ボア内の被検者を撮影する医用画像診断装置の作動方法であって、
前記被検者の検査対象部位の情報を含む第1情報を取得し、
前記第1情報に基づいて、前記被検者に前記検査対象部位を動作させるための情報を含む第2情報を検査中の被検者が視認可能な第1表示部に表示させる、
医用画像診断装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置及び医用画像診断装置の作動方法に係り、特に、ボア内の被検者の断層像を撮影する医用画像診断装置及び医用画像診断装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)装置等、ボア内の被検者の断層像を撮影する医用画像診断装置が知られている。これらの医用画像診断装置を用いた検査には、被検者に特定の動作を行わせる検査がある。たとえば、肘のMRI検査には、肘を様々な角度に曲げて撮影する検査がある。従来、この種の検査では、被検者に要求する動作を操作者が被検者に口頭で指示していた。
【0003】
特許文献1には、検査中の被検者が視認可能な表示部を設け、その表示部に操作者が入力した文章をガイド表示として表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-30125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被検者に要求する動作は、検査によって異なり、その内容を適切に指示することは難しい。また、指示が不適切であると、被検者に混乱を与えるという問題もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、検査で要求される動作を被検者に適切に指示できる医用画像診断装置及び医用画像診断装置の作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ボア内の被検者を撮影する医用画像診断装置であって、検査中の被検者が視認可能な第1表示部と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、被検者の検査対象部位の情報を含む第1情報を取得し、第1情報に基づいて、被検者に検査対象部位を動作させるための情報を含む第2情報を第1表示部に表示させる、医用画像診断装置。
【0008】
(2)被検者に検査対象部位を動作させるための情報が、身体の特定の部位を物理的に動かす動作の情報である、(1)に記載の医用画像診断装置。
【0009】
(3)第1情報が、検査目的の情報、及び、被検者に行わせる動作の情報を更に含む、(1)又は(2)に記載の医用画像診断装置。
【0010】
(4)第2情報が、動かす身体の部位の情報と、動かし方の情報と、を含む、(1)から(3)のいずれか一に記載の医用画像診断装置。
【0011】
(5)動かし方の情報は、部位の動かし始めの位置の情報及び動かし終わりの位置の情報を含む、(4)に記載の医用画像診断装置。
【0012】
(6)身体の特定の部位を段階的に動かす場合、動かし方の情報は、部位を停止させる位置の情報を含む、(4)に記載の医用画像診断装置。
【0013】
(7)第2情報が、動かす身体の部位及び動かし方をイラスト又はアニメーションで表した情報を含む、(1)から(6)いずれか一に記載の医用画像診断装置。
【0014】
(8)ボア内の被検者の動作を検出する第1検出部を更に備え、プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作が行われたか否かを判定し、判定結果を被検者に報知する、(1)から(7)のいずれか一に記載の医用画像診断装置。
【0015】
(9)プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、ボア内の被検者の動作の情報を第2情報と共に第1表示部に表示させる、(8)に記載の医用画像診断装置。
【0016】
(10)ボア内の被検者の動作を検出する第1検出部を更に備え、プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作を被検者が行うためのガイド情報を生成し、ガイド情報を被検者に報知する、(1)から(9)のいずれか一に記載の医用画像診断装置。
【0017】
(11)プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、ボア内の被検者の動作の情報を第2情報と共に第1表示部に表示させる、(10)に記載の医用画像診断装置。
【0018】
(12)ボア内の被検者の動作を検出する第1検出部と、操作者が視認可能な第2表示部と、を更に備え、プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、ボア内の被検者の動作の情報を第2表示部に表示させる、(1)から(11)のいずれか一に記載の医用画像診断装置。
【0019】
(13)プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作が行われたか否かを判定し、判定結果を操作者に報知する、(12)に記載の医用画像診断装置。
【0020】
(14)プロセッサは、第1検出部の検出結果に基づいて、要求する動作を被検者が行うためのガイド情報を生成し、ガイド情報を操作者に報知する、(12)又は(13)に記載の医用画像診断装置。
【0021】
(15)被検者による特定の動作を検出する第2検出部を更に備え、プロセッサは、第2検出部によって特定の動作が検出された場合に、操作者に報知する、(1)から(14)のいずれか一に記載の医用画像診断装置。
【0022】
(16)ボア内の被検者を撮影する医用画像診断装置の作動方法であって、被検者の検査対象部位の情報を含む第1情報を取得し、第1情報に基づいて、被検者に検査対象部位を動作させるための情報を含む第2情報を検査中の被検者が視認可能な第1表示部に表示させる、医用画像診断装置の作動方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、検査で要求する動作を被検者に適切に指示できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】MRI装置の概略構成を示す
図2】操作コンソールのハードウェア構成の一例を示すブロック図
図3】操作コンソールが有する主な機能のブロック図
図4】第1表示制御部が有する主な機能のブロック図
図5】検査情報の入力画面の一例を示す図
図6】選択肢の設定の手順の一例を示す図
図7】表示情報データベースに記録される情報の概念図
図8】表示情報の一例を示す図
図9】表示情報の他の一例を示す図
図10】表示情報の他の一例を示す図
図11】MRI装置を用いた検査の処理手順を示すフローチャート
図12】MRI装置の機能ブロック図
図13】動作検出部、判定部及び第1表示制御部が有する主な機能のブロック図
図14】特徴点の抽出の一例を示す図
図15】判定結果の表示の一例を示す図
図16】被検者の動作状態の表示の一例を示す図
図17】被検者の動作状態の表示の他の一例を示す図
図18】被検者の動作状態の表示の他の一例を示す図
図19】ガイド機能に関して操作コンソールが有する機能のブロック図
図20】操作コンソールが有する主な機能のブロック図
図21】操作コンソールが有する主な機能のブロック図
図22】特定の動作と伝達する意思の内容の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための好ましい形態について説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
ここでは、本発明をMRI装置に適用した場合を例に説明する。
【0027】
[MRI装置]
図1は、MRI装置の概略構成を示す図である。
【0028】
図1に示すMRI装置1は、ガントリ10、寝台20、及び、操作コンソール30等を有する。ガントリ10及び寝台20は、撮影室2に設置され、操作コンソール30は、操作室3に設置される。撮影室2及び操作室3は、隔壁4で分離される。隔壁4には、ガラス窓5が備えられる。撮影室2内の様子は、ガラス窓5を介して、操作室3から観察される。
【0029】
ガントリ10は、検査空間(撮影空間)を構成するボア11を有する。一例として、本実施の形態では、ガントリ10が、円筒形状のボア11を有する(いわゆるトンネル型の構造を有する)。なお、ガントリ10は、いわゆるオープン型の構造を採用することもできる。被検者Sは、ボア11内に挿入されて、検査(撮影)される。
【0030】
ガントリ10は、筐体内に図示しない静磁場磁石及び傾斜磁場コイルを有する。静磁場磁石は、ボア11内に静磁場を発生させる。静磁場磁石は、たとえば、永久磁石、超電導磁石、常電導磁石等で構成される。傾斜磁場コイルは、図示しない駆動部に駆動されて、傾斜磁場を発生させる。
【0031】
ガントリ10は、更に受信コイル12を有する。受信コイル12は、被検者Sから発生した磁気共鳴信号を受信する。受信コイル12は、被検者Sの検査対象部位に配置される。図1は、検査対象物が肘の場合の例を示している。受信コイル12で受信された磁気共鳴信号は、画像に再構成され、操作コンソール30に送信される。
【0032】
寝台20は、被検者Sが載置される天板21を有する。天板21は、図示しない駆動部に駆動されて水平に移動し、ボア11内に挿入される。一般に、被検者Sは、仰臥位の姿勢で天板21上に載置されて、ボア11内に挿入される。
【0033】
天板21には、スクリーン23及び反射板24が備えられる。スクリーン23には、撮影室2内に設置された投影装置22から画像が投影される。投影装置22は、スクリーン23に対し、裏側から画像を投影する(いわゆるリア投影)。なお、投影装置22を撮影室2の外に配置し、光ファイバ等を用いて、スクリーン23に画像を投影してもよい。反射板24は、仰臥位の姿勢で天板21上に載置された被検者Sの頭上に配置される。被検者Sは、反射板24を介してスクリーン23に投影された画像(投影像)を観察する。このため、スクリーン23に投影される画像は、左右が反転した鏡像で構成される。投影装置22、スクリーン23及び反射板24で構成される表示部は、検査中の被検者Sが視認可能な第1表示部の一例である。
【0034】
図2は、操作コンソールのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
操作コンソール30は、操作者Opから操作の指示を受け付け、受け付けた指示に従って、MRI装置1を動作させる。
【0036】
操作コンソール30は、一般的なコンピュータとしての構成を有する。すなわち、プロセッサ31、主記憶装置32、補助記憶装置33、入力装置34、表示装置35、及び、インタフェース部36等を有する。
【0037】
プロセッサ31には、たとえば、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)が採用される。プロセッサ31が実行する各種プログラム及びデータは、主記憶装置32及び/又は補助記憶装置33に記憶される。なお、プログラムは、ソフトウェアと同義である。
【0038】
主記憶装置32は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。
【0039】
補助記憶装置33は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成される。
【0040】
入力装置34は、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、操作盤等を含む。
【0041】
表示装置35は、たとえば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機ELディスプレイ(Organic Electro Luminescence Diode display:OLED display)等で構成される。表示装置35は、MRI装置1の操作に用いられる他、各種情報の表示、画像供覧等に用いられる。
【0042】
インタフェース部36は、ガントリ10、寝台20、及び、その他の周辺機器等を接続するインタフェースの他、操作コンソール30をネットワークに接続するネットワークインタフェース等を含む。
【0043】
図3は、操作コンソールが有する主な機能のブロック図である。
【0044】
操作コンソール30は、主として、撮影制御部31A、画像取得部31B、第1表示制御部31C、第2表示制御部31D、記録制御部31E等の機能を有する。各部の機能は、プロセッサ31が、所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0045】
撮影制御部31Aは、ガントリ10及び寝台20を制御して、MRI装置1による撮影を制御する。
【0046】
画像取得部31Bは、撮影された画像をガントリ10から取得する。取得される画像は、磁気共鳴信号から再構成された画像であり、被検者Sの断層像である。
【0047】
なお、再構成の処理は、操作コンソール30が行う構成としてもよい。この場合、操作コンソール30は、ガントリ10から磁気共鳴信号を取得する。操作コンソール30は、取得した磁気共鳴信号に所定の信号処理を施して、画像に再構成する。
【0048】
第1表示制御部31Cは、投影装置22によるスクリーン23への表示を制御する。上記のように、スクリーン23の表示は、検査中の被検者Sに観察される。本実施の形態では、被検者Sに特定の動作を行わせる場合に、被検者Sに要求する動作の情報をスクリーン23に表示させる。第1表示制御部31Cは、その表示を制御する。制御の詳細については、後述する。
【0049】
第2表示制御部31Dは、表示装置35への表示を制御する。撮影により得られた画像(画像取得部31Bで生成された画像)は、第2表示制御部31Dによる制御の下、表示装置35に表示される。
【0050】
記録制御部31Eは、補助記憶装置33へのデータの記録を制御する。撮影により得られた画像は、記録制御部31Eによる制御の下、自動的に、又は、操作者Opによる記録の指示に応じて、補助記憶装置33に記録される。
【0051】
[スクリーンへの表示制御]
上記のように、投影装置22によるスクリーン23への表示は第1表示制御部31Cにより制御される。第1表示制御部31Cは、被検者Sに特定の動作を行わせる検査を実施する場合に、被検者Sに要求する動作の情報をスクリーン23に表示させる。
【0052】
被検者Sに要求される動作は、検査によって異なる。第1表示制御部31Cは、実施する検査の情報を取得し、取得した情報に基づいて、実施する検査に対応した情報(当該検査において被検者Sに要求する動作の情報)が表示されるように、スクリーン23への表示を制御する。
【0053】
図4は、第1表示制御部が有する主な機能のブロック図である。
【0054】
図4に示すように、第1表示制御部31Cは、主として、検査情報取得部31C1、表示情報取得部31C2、及び、表示制御部31C3等の機能を有する。
【0055】
検査情報取得部31C1は、実施する検査の情報(検査情報)を取得する。本実施の形態では、操作者Opが、入力装置34を介して検査情報を入力する。したがって、検査情報取得部31C1は、入力装置34から入力された情報を検査情報として取得する。検査情報の入力は、たとえば、所定の入力画面を表示装置35に表示させて行う。
【0056】
「検査情報」には、少なくとも「検査対象部位の情報」が含まれる。本実施の形態では、「検査対象部位の情報」、「検査目的の情報」及び「被検者に行わせる動作の情報」を含む情報が、「検査情報」として取得される。本実施の形態において、検査情報は、第1情報の一例である。
【0057】
ここで、「検査対象部位の情報」とは、検査(撮影)の対象とする身体の部位の情報のことである。頭部、頚部、肘、肩、股関節、膝等が、これに該当する。
【0058】
また、「検査目的の情報」とは、検査の目的についての情報である。脳機能解析のファンクショナルMRI(functional Magnetic Resonance Imaging:fMRI)検査、視神経検査、整形可動領域撮影のキネマティックMRI(Kinematic Magnetic Resonance Imaging:Kinematic MRI)検査等が、これに該当する。
【0059】
また、「被検者に行わせる動作の情報」とは、各検査において、検査中に被検者に行わせる動作についての情報である。たとえば、肘のキネマティックMRI検査では、あらかじめ定めた向き及び角度で肘を曲げて、撮影が行われる。また、たとえば、視神経検査では、あらかじめ定めた方向に視点を移動させて、撮影が行われる。このように、検査ごとに定められた動作の情報が、被検者に行わせる動作の情報として、検査情報に含められる。動作は、必要に応じて、その内容が規定される。たとえば、肘、膝等を曲げる動作(屈曲、屈伸等の動作)については、曲げる方向、角度等が規定される。また、視点を移動させる動作については、移動させる方向、移動量等が規定される。
【0060】
図5は、検査情報の入力画面の一例を示す図である。図5は、検査情報として「検査対象部位の情報」、「検査目的の情報」、及び、「被検者に行わせる動作の情報」を入力する場合の例を示している。
【0061】
図5に示すように、画面上に「検査対象部位」の入力欄(検査対象部位の情報の入力欄)、「検査目的」の入力欄(検査目的の情報の入力欄)、及び、「動作」の入力欄(被検者に行わせる動作の情報の入力欄)を設け、各入力欄に実施する検査に応じた情報を入力する。
【0062】
各入力欄への入力は、操作者Opがテキスト入力する方式としてもよいし、また、あらかじめ定めた選択肢を表示し、表示された選択肢の中から一つを選択して入力する方式としてもよい。図5は、あらかじめ定めた選択肢をプルダウンメニューで表示し、表示された選択肢の中から一つを選択して、必要な情報を入力する場合の例を示している。
【0063】
選択肢を表示して、必要な情報を入力する場合、所定の順番で各項目の情報を入力する構成とし、先の選択結果に応じて、次の項目の選択肢の表示内容を切り替える構成とすることが好ましい。たとえば、「検査対象部位」、「検査目的」、「被検者に行わせる動作」の順で各情報を入力する構成とし、「検査目的」及び「被検者に行わせる動作」の項目については、先の選択結果に応じて、選択肢の表示内容を切り替える構成とする。
【0064】
図6は、選択肢の設定の手順の一例を示す図である。図6は、検査情報として「検査対象部位の情報」、「検査目的の情報」、及び、「被検者に行わせる動作の情報」を入力する場合において、「検査対象部位の情報」、「検査目的の情報」、「被検者に行わせる動作の情報」の順で各情報を入力する場合の例を示している。
【0065】
まず、「検査対象部位」が選択される。図6に示す例では、「頭部」、「頚部」、「上肢」、及び、「下肢」が、検査対象部位の選択肢として表示される。「上肢」及び「下肢」については、更に詳細な部位が展開表示される。具体的には、「上肢」については、「肘」、「肩」、「その他」が、詳細部位の選択肢として展開表示される。また、「下肢」については、「股関節」」、「膝」、「その他」が、詳細部位の選択肢として展開表示される。
【0066】
「検査目的」については、「検査対象部位」の選択結果に応じて、表示する選択肢が決定される。たとえば、図6に示す例では、「検査対象部位」として「頭部」が選択された場合、「fMRI」(ファンクショナルMRI検査)、「視神経」(視神経検査)、及び、「MRA」(MRA(Magnetic Resonance Angiography)検査)が、検査目的の選択肢として表示される。なお、図6に示す例では、検査対象部位として「頭部」以外の部位が選択された場合、自動的に検査目的が、「Kinematic MRI」(キネマティックMRI検査)に設定される。
【0067】
また、「動作」については、「検査目的」の選択結果に応じて、表示する選択肢が決定される。たとえば、図6に示す例では、検査対象部位として「頭部」が選択され、かつ、検査目的として「fMRI」が選択された場合、「タップ」、「Rest」、及び、「その他」が、動作の選択肢として表示される。なお、図6に示す例では、検査対象部位として「頭部」が選択され、かつ、検査目的として「fMRI」が選択された場合以外、検索対象部位及び検査目的の選択結果に応じて、動作が自動的に決定される。たとえば、検査対象部位として「頚部」が選択され、かつ、検査目的が「Kinematic MRI」の場合、動作は自動的に「頷き」となる。
【0068】
なお、「動作」については、たとえ種類の動作であっても、その内容が異なる場合は、異なる動作として取り扱われる。たとえば、同じ「屈曲」の動作であっても、曲げる方向、角度等が異なる場合、異なる動作(異なる屈曲の動作)として取り扱われる。
【0069】
表示情報取得部31C2は、検査情報取得部31C1で取得した検査情報に基づいて、実施する検査に対応した表示情報(スクリーン23に表示させる情報)を表示情報データベース(database:DB)37から取得する。
【0070】
図7は、表示情報データベースに記録される情報の概念図である。
【0071】
図7に示すように、表示情報データベース37には、検査情報と表示情報とが関連付けられて記録される。表示情報データベース37は、たとえば、補助記憶装置33に記憶される。
【0072】
本実施の形態において、表示情報は、スクリーン23に表示させる画像及び/又はテキストのデータで構成される。画像には、静止画像及び動画像の双方が含まれる。表示情報の詳細については、後述する。
【0073】
表示情報取得部31C2は、検査情報取得部31C1で取得した検査情報に基づいて、対応する表示情報を表示情報データベース37から取得する。たとえば、検査対象部位が「肘」、検査目的が「Kinematic MRI」、動作が「屈曲」とういう検査情報を取得した場合、表示情報として「DATE_0007」の情報が表示情報データベース37から取得される。これにより、検査に対応した表示情報が取得される。
【0074】
表示制御部31C3は、投影装置22を制御して、表示情報取得部31C2が取得した表示情報をスクリーン23に表示させる。なお、上記のように、本実施の形態では、被検者Sが、反射板24を介してスクリーン23の表示を観察する構成のため、スクリーン23に表示する像は左右が反転した鏡像で構成される。
【0075】
このように、本実施の形態では、実施する検査の情報(検査情報)を取得し、取得した情報に対応した表示情報を表示情報データベース37から取得して、スクリーン23に表示させる。
【0076】
[表示情報]
実施する検査に対応した情報としてスクリーン23に表示させる情報(表示情報)は、被検者Sに検査対象部位を動作させるための情報である。身体の特定の部位を物理的に動かすことで、検査対象部位を動作させる場合、表示情報には、身体の特定の部位を物理的に動かす動作の情報が含まれる。この場合、表示情報には、動かす身体の部位の情報、及び、動かし方の情報が含まれる。たとえば、肘のキネマティックMRI検査の場合、被検者Sに行わせる動作は肘の屈曲である。したがって、この場合、肘の屈曲を指示する情報(動かす部位が「肘」であり、動かし方が「屈曲」である情報)が、表示情報としてスクリーン23に表示される。本実施の形態において、表示情報は、第2情報の一例である。
【0077】
図8は、表示情報の一例を示す図である。図8は、反射板24を介して観察されるスクリーン23の表示を示している。したがって、実際にスクリーン23に表示(投影)される画像は、左右が反転した画像となる。
【0078】
図8は、肘のキネマティックMRI検査を行う場合の表示情報の一例を示している。特に、図8は、被検者Sに行わせる動作が、肘を水平に伸ばした状態から真上に向けて30度曲げる動作である場合の例を示している。
【0079】
また、図8は、被検者Sに要求する動作をテキスト及びイラストで表示する場合の例を示している。
【0080】
テキストは、肘を水平に伸ばした状態から真上に向けて30度曲げることを指示する文章が表示される。一例として、「肘を水平に伸ばした状態から真上に向けて30度曲げて下さい。」の文章(メッセージ)が表示される。
【0081】
イラストは、肘を水平に伸ばした状態から真上に向けて30度曲げる動作を示すものが表示される。イラストに代えて、肘を水平に伸ばした状態から真上に向けて30度曲げる動作をアニメーションで表示してもよい。
【0082】
動かし方については、図8に示すように、動かし始めの位置及び動かし終わりの位置を明示することが好ましい。図8に示す例では、肘を水平に伸ばした位置が、動かし始めの位置であり、肘を真上に向けて30度曲げた位置が、動かし終わりの位置である。
【0083】
ここで、図8における肘の情報は、動かす身体の部位の情報の一例である。また、図8に表示されるテキスト及びイラストは、動かし方の情報の一例である。
【0084】
このように、被検者Sに要求する動作が、身体の一部を動かす動作である場合、被検者Sに要求する動作をイラスト又はアニメーションで示すことが好ましい。これにより、被検者Sに対し、自身が行うべき動作を容易に理解させることができる。
【0085】
検査対象部位を段階的に動かして複数回撮影する場合、撮影ごとに表示情報が切り替えられる。表示の切り替えは、自動で行う構成としてもよいし、操作者Opの指示に応じて切り替える構成としてもよい。自動で切り替える場合は、たとえば、撮影をトリガーとして、順次表示情報を切り替える構成とすることができる。
【0086】
図9は、表示情報の他の一例を示す図である。
【0087】
図9は、肘のキネマティックMRI検査において、肘を段階的に曲げて複数回撮影する場合の表示情報の一例を示している。図9は、肘を水平に伸ばした状態から上方に向けて30度ずつ曲げて撮影する場合の例である。より具体的には、肘を水平に伸ばした状態(0度)、肘を30度曲げた状態、肘を60度曲げた状態、肘を90度曲げた状態で撮影する場合の例を示している。
【0088】
このように、身体の一部を段階的に動かして撮影する場合、各停止位置の情報を表示情報に含めることが好ましい。これにより、被検者Sは、自身が行うべき一連の動作を容易に理解できる。
【0089】
なお、身体の一部を段階的に動かして撮影する検査では、補助具を使用する場合もある。たとえば、上記例のように、肘を段階的に曲げながら複数回撮影する検査では、肘を一定の角度間隔で曲げることが可能な補助具を使用して撮影する場合がある。この場合は、表示情報として、次の角度に曲げることを指示する情報を表示してもよい。
【0090】
図10は、表示情報の他の一例を示す図である。
【0091】
図10は、視神経の検査を行う場合の表示情報の一例を示している。特に、図10は、被検者Sに行わせる動作が視点移動である場合の例を示している。この場合、図10に示すように、スクリーン23にターゲットTaを表示させる。ターゲットTaは、検査において、被検者Sが注視する画像である。図10は、目を模した画像でターゲットTaを構成した場合の例を示している。検査では、たとえば、あらかじめ設定した経路でターゲットTaを移動させる。なお、操作者OpがターゲットTaを移動させる構成としてもよい。この場合、操作者Opは、表示装置35及び入力装置34を利用して、ターゲットTaを移動させる。被検者Sは、ターゲットTaを片目又は両目で追う動作を行う。
【0092】
このように、スクリーン23には、表示情報として、各検査で被検者Sに要求する動作の情報が表示される。
【0093】
上記の他、たとえば、頭部のファンクショナルMRI検査において、被検者Sにタップ動作を行わせる場合は、人差し指をタップしているイラスト又はアニメーションを表示させる。同様に、頭部のファンクショナルMRI検査において、手を握ったり開いたりする動作を被検者Sに行わせる場合は、手を握ったり開いたりする動作のイラスト又はアニメーションを表示させる。なお、本例のように、検査目的等によっては、被検者Sに対し、検査対象部位と異なる部位を動かすことを要求する場合がある。すなわち、被検者Sに検査対象部位を動作させるための情報には、検査対象部位と異なる身体の部位を物理的に動かす動作の情報が含まれる。
【0094】
また、たとえば、頭部のファンクショナルMRI検査において、被検者Sに演算動作を行わせる場合は、計算問題をスクリーン23に表示させる。たとえば、「100-7=?」、「93-7=?」、…のように、100から順次7を引く演算を行わせる問題を表示させる。このように、被検者Sに行わせる動作は、必ずしも被検者Sの身体の一部を物理的に動かすものに限らない。本例の演算動作ように、脳内で行われる動作も含まれる。すなわち、被検者Sに検査対象部位を動作させるための情報には、脳内で行わせる動作の情報が含まれる。
【0095】
[MRI装置の作用(作動方法)]
図11は、MRI装置を用いた検査の処理手順を示すフローチャートである。
【0096】
まず、検査情報が取得される(ステップS1)。上記のように、本実施の形態では、必要な情報を操作者Opが入力装置34から入力して、検査情報が取得される。
【0097】
検査情報の取得と平行して、一般的なMRI検査で必要とされる情報(たとえば、被検者情報等)が取得される。
【0098】
検査情報等の取得後、被検者SをMRI装置1に設定する。すなわち、天板21上に被検者Sを載置する。設定完了後、検査が開始される(ステップS2)。
【0099】
検査が開始されると、まず、位置決め画像、事前計測画像等、一般的な臨床画像の撮影が行われる(ステップS3)。
【0100】
一般的な臨床画像の撮影が完了すると、検査内容に応じた撮影が開始される(ステップS3)。この段階で被検者Sに要求する動作の情報(被検者Sに検査対象部位を動作させるための情報)が、スクリーン23に表示される(ステップS4)。第1表示制御部31Cは、取得された検査情報に対応した表示情報を表示情報データベース37から取得し、投影装置22を制御して、被検者Sに要求する動作の情報をスクリーン23に表示させる。被検者Sは、スクリーン23の表示を確認して、要求された動作を行う。
【0101】
操作者Opは、被検者Sの動作を確認して、撮影を指示する。すなわち、要求する動作を被検者Sが行った場合に、撮影を指示する。撮影制御部31Aは、操作者Opからの撮影指示の有無を判定する(ステップS5)。そして、撮影指示に応じて、撮影を実施する(ステップS6)。
【0102】
撮影後、検査で必要な撮影がすべて完了したか否かが判定される(ステップS7)。必要な撮影がすべて完了したと判定されると、検査は終了する。
【0103】
このように、本実施の形態のMRI装置1によれば、被検者Sに特定の動作を行わせる検査を実施する場合に、要求する動作の情報がスクリーン23に表示される。これにより、検査において被検者Sに要求される動作を被検者に適切に指示できる。
【0104】
[変形例]
(1)第1表示部
上記実施の形態では、被検者Sに行わせる動作の情報を投影装置22でスクリーン23に投影し、被検者Sは、反射板24を介してスクリーン23に投影された情報を観察する構成とされている。被検者Sに行わせる動作の情報を被検者Sに提示する方法は、これに限定されるものではない。この他、たとえば、被検者Sに行わせる動作の情報を投影装置22によってボア11の内壁面、撮影室2の壁面等に投影する構成としてもよい。この場合、被検者Sは、ボア11の内壁面、撮影室2の壁面等に投影された像を直接観察する。また、投影装置22は、被検者Sに行わせる動作の情報をスクリーン23に投影するのではなく、反射板24の位置に直接投影する構成としてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、投影装置22を利用する構成としているが、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置を用いて、被検者Sに行わせる動作の情報を被検者Sに提示してもよい。この場合、検査中の被検者Sが視認可能な位置に表示装置が配置される。たとえば、位置調整が可能な表示装置をガントリ10に設けて、検査中の被検者Sが各種情報を視認できる構成とすることができる。
【0106】
また、被検者Sに行わせる動作の情報をスクリーン23等に表示する構成に加えて、又は、スクリーン23等に表示する構成に代えて、当該情報を音声で出力する構成としてもよい。
【0107】
(2)検査内容
上記実施の形態では、MRI装置1を用いて行う検査として、ファンクショナルMRI検査、視神経検査、キネマティックMRI検査等を行う場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。被検者Sに特定の動作を行わせる検査に広く適用できる。
【0108】
[第2の実施の形態]
被検者に特定の動作を行わせる検査では、被検者が、自身の実施動作の適否を確認できることが好ましい。すなわち、自身の行った動作が、要求どおりの動作であるか否かを確認できることが好ましい。本実施の形態では、自身の実施動作の適否を確認できるMRI装置について説明する。
【0109】
[装置構成]
図12は、MRI装置の機能ブロック図である。
【0110】
図12に示すように、本実施の形態のMRI装置1は、カメラ14を有する。カメラ14は、いわゆるデジタルカメラであり、検査中の被検者(ボア内の被検者)Sを電子的に撮影する(図13参照)。カメラ14の設置位置は、特に限定されない。カメラ14は、その撮影画像からボア内の被検者Sの動きを確認できる位置に設置されていればよい。したがって、必ずしもガントリ10に備える必要はなく、寝台20等に備えてもよい。また、カメラ14は、複数台設置してもよい。カメラ14を複数台設置することにより、様々な方向から被検者Sの動作を検出することが可能になる。
【0111】
また、本実施の形態のMRI装置1は、操作コンソール30が、動作検出部31F及び判定部31Gの機能を更に有する。動作検出部31F及び判定部31Gの機能は、プロセッサ31が、所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0112】
図13は、動作検出部、判定部及び第1表示制御部が有する主な機能のブロック図である。
【0113】
動作検出部31Fは、カメラ14で撮影された画像を取得し、得られた画像に基づいて、被検者Sの動きを検出する。画像から動きを検出する処理については、公知の技術を採用できる。たとえば、画像解析により人体の特徴点を抽出し、抽出した特徴点の動きから被検者Sの動きを検出する手法を採用できる。
【0114】
特徴点は、たとえば、人体の骨格モデルに基づいて抽出する。具体的には、関節部分を特徴点として抽出する。たとえば、検査対象(撮影対象)が、上肢であれば、頭部、頚部、右肩、左肩、右肘、左肘、右手首、左手首等を特徴点として抽出する。また、検査対象が、下肢であれば、右股関節、左股関節、右膝、左膝、右足首、左足首等を特徴点として抽出する。なお、検査対象が頭部、頚部の場合は、目、鼻、耳、口等を更なる特徴点として抽出することができる。
【0115】
図14は、特徴点の抽出の一例を示す図である。図14は、検査対象が右肘である場合の例を示している。図中左側の画像Im1は、肘を水平に伸ばした状態で撮影した画像の例を示している。また、右側の画像Im2は、肘を水平に伸ばした状態から真上に向けて約60度曲げた状態で撮影した画像の例を示している。図14に示すように、画像Im1及び画像Im2からは、右肩、右肘及び右手首が、特徴点として抽出される。なお、図14において、符号RSは、右肩の特徴点を示している。また、符号REは、右肘の特徴点を示している。また、符号RWは、右手首の特徴点を示している。
【0116】
画像Im1及び画像Im2に示すように、各特徴点RS、RE、RWの動きから被検者Sの肘の動きを検出できる。
【0117】
画像から特徴点を抽出する処理には、たとえば、画像から特徴点を抽出するように機械学習された学習済みモデルを使用できる。
【0118】
本実施の形態において、カメラ14、及び、そのカメラ14で撮影された画像から被検者Sの動作を検出する動作検出部31Fは、第1検出部の一例である。
【0119】
判定部31Gは、動作検出部31Fの検出結果に基づいて、被検者Sに要求する動作が行われたか否かを判定する。判定部31Gは、被検者Sに行わせる動作の情報を表示情報取得部31C2から取得する。表示情報取得部31C2は、表示情報とともに、被検者Sに行わせる動作の情報を表示情報データベース37から取得する。よって、表示情報データベース37には、表示情報に関連付けて、被検者Sに行わせる動作の情報が記録される。記録する情報には、たとえば、動かす身体の部位の情報及び動かし方の情報が含まれる。また、動かし方の情報には、動かし始めの位置の情報及び動かし終わりの位置の情報が含まれる。身体の特定の部位を段階的に動かす場合、動かし方の情報には、部位を停止させる位置の情報が更に含まれる。たとえば、肘のキネマティックMRI検査の場合、肘を段階的に曲げて各位置で撮影する場合、被検者Sに行わせる動作(屈曲)の情報として、(1)肘を曲げる方向の情報、(2)開始位置(動かし始めの位置)の情報、(3)ステップ(曲げる角度の間隔)の情報、(4)終了位置(動かし終わりの位置)の情報等が記録される。この他、たとえば、頭部のファンクショナルMRI検査を行う場合において、被検者Sにタップ動作を行わせる場合、(1)持続時間(タップ動作を継続して行う時間)の情報、(2)間隔(タップ動作を実施する時間間隔)の情報等が記録される。また、たとえば、頚部のキネマティックMRI検査において、被検者Sに頷き動作を行わせる場合、(1)開始位置(動かし始めの位置)の情報、(2)ステップ(曲げる角度の間隔)の情報、(3)終了位置(動かし終わりの位置)の情報等が記録される。
【0120】
判定部31Gは、表示情報取得部31C2から取得した情報を参照し、動作検出部31Fの検出結果に基づいて、要求する動作を被検者Sが行ったか否かを判定する。判定には、許容範囲を設定することが好ましい。たとえば、肘を所定の角度に曲げる動作を被検者Sに行わせる場合、目標とする角度の前後に所定の角度範囲で許容範囲を設定する。許容範囲内で肘が曲げられた場合、要求する動作が行われたと判定する。許容範囲は、検査対象の部位、検査目的、動作内容等に応じて適宜設定される。また、許容範囲を操作者Opが任意に設定できる構成としてもよい。
【0121】
表示制御部31C3は、判定部31Gの判定結果をスクリーン23に表示させて、被検者Sに報知する。
【0122】
図15は、判定結果の表示の一例を示す図である。
【0123】
図15に示すように、判定結果は、表示情報に重畳して表示させる。図15(A)は、要求する動作が行われた場合の表示の一例を示す図である。この場合、判定結果として、「OK」の文字が表示される。一方、図15(B)は、要求する動作が行われていない場合の表示の一例を示す図である。この場合、判定結果として、「NG」の文字が表示される。
【0124】
表示制御部31C3は、表示情報に重畳して判定結果が表示されるように、投影装置22を制御する。
【0125】
[作用]
ここでは、被検者Sの動作の検出から判定結果の出力までの処理について説明する。
【0126】
検査が開始されると、検査中の被検者Sがカメラ14によって撮影される。撮影は、所定のフレームレートで行われる。カメラ14で撮影された時系列の画像は、動作検出部31Fに加えられる。
【0127】
動作検出部31Fは、取得した画像から特徴点を抽出し、被検者の動きを検出する。検出結果は、判定部31Gに加えられる。
【0128】
判定部31Gは、表示情報取得部31C2を介して、被検者Sに行わせる動作の情報を取得する。判定部31Gは、取得した情報を参照し、動作検出部31Fの検出結果に基づいて、要求する動作が、被検者Sによって行われたか否かを判定する。判定結果は、表示制御部31C3に加えられる。
【0129】
表示制御部31C3は、表示情報に重畳させて、判定結果をスクリーン23に表示させる(図14参照)。
【0130】
このように、本実施の形態のMRI装置1によれば、被検者Sの動作が検出され、要求どおりの動作が行われたか否かが判定される。そして、その判定結果が被検者Sに報知される。これにより、検査で要求される動作を被検者に適切に指示できる。
【0131】
[変形例]
(1)被検者の動作状態の表示
表示情報と共に動作検出部31Fで検出される被検者Sの動作状態の情報を表示してもよい。これにより、被検者Sは、自身の状態を容易に把握でき、要求されている動作をより簡単に実施できる。
【0132】
図16は、被検者の動作状態の表示の一例を示す図である。図16において、(A)は、要求する動作が行われる前の表示の一例を示しており、(B)は、要求する動作が行われた場合の表示の一例を示している。
【0133】
図16では、人体の骨格モデルを準じて、被検者Sの現在の動作状態をドットD1、D2及びラインL1、L2を用いて表現している。各ドットD1、D2は、動作検出部31Fで検出される特徴点に対応している。図16に示す例において、ドットD1は、右肘として検出される特徴点に対応している。また、ドットD2は、右手首として検出される特徴点に対応している。また、リンクとしてのラインL1は、右上腕を表現しており、ラインL2は、右前腕を表現している。
【0134】
図16(A)において、黒塗りのドットD1、D2及び実線で示すラインL1、L2は、現在の被検者Sの動作状態を示している。また、破線で示す白塗りのドットD2xは、右手首の目標位置を示している。
【0135】
要求する動作を被検者Sが行った場合、図16(B)に示すように、各ドットD1、D2の色が変わる。たとえば、白塗りのドットに代わる。同時に、「OK」の文字が表示される。
【0136】
表示制御部31C3は、動作検出部31Fによる特徴点の検出結果に基づいて表示を制御する。すなわち、検出された各特徴点の位置に対応させて、各ドット及びラインを表示させる。
【0137】
このように、表示情報と共に被検者Sの現在の動作状態の情報を表示することにより、被検者Sに対し、より適切に必要な動作を指示できる。また、被検者側も必要な動作をより容易に理解できる。特に、目標位置を併せて表示することにより、必要とされる動作をより容易に理解できるようになる。これにより、検査をスムーズに実施できる。
【0138】
図17は、被検者の動作状態の表示の他の一例を示す図である。
【0139】
図17は、肘のキネマティックMRI検査において、肘を段階的に曲げて複数回撮影する場合の一例を示している。特に、図17では、肘を水平に伸ばした状態から上方に向けて30度ずつ曲げて撮影する場合の例を示している。この場合も、被検者Sに行わせる動作の情報に加えて、被検者Sの現在の動作の状態を示す情報を表示する。上記の変形例と同様に、本例においても、人体の骨格モデルに基づいて、被検者Sの動作状態をドットD1、D2及びラインL1、L2で表示している。
【0140】
なお、図17は、次に被検者Sが行う動作が肘を60度に曲げる動作である場合の例を示している。この場合、目標位置を示すドットD2x及びラインL2xを表示する。このように、身体の一部を段階的に動かす動作を行わせる場合、順次目標位置を表示する。これにより、被検者Sを適切に誘導できる。
【0141】
図18は、被検者の動作状態の表示の他の一例を示す図である。図18は、視神経の検査を行う場合の一例を示しており、被検者Sに視点移動の動作を行わせる場合の例を示している。
【0142】
この場合も、被検者Sに行わせる動作の情報に加えて、被検者Sの現在の動作の状態を示す情報を表示する。上記のように、被検者Sに視点移動の動作を行わせる場合、表示情報として、被検者Sに注視させるターゲットTaが表示される。加えて、被検者Sの現在の動作の状態を示す情報として、被検者Sの現在の視点の位置を示す情報が表示される。図18では、被検者Sの現在の視点の位置を円形のマークCPで表示している。被検者Sは、マークCPの位置を確認することにより、視点を移動させるべき位置(ターゲットTaの位置)を容易に把握できる。
【0143】
なお、本例の場合、カメラ14は、被検者Sの目を撮影する。動作検出部31Fは、カメラ14で撮影された画像から瞳の位置を検出する。
【0144】
(2)ガイド
動作の検出結果に基づいて、被検者Sに対し、要求された動作を行うためのガイド(改善点の提示を含む)を行ってもよい。この場合、操作コンソール30にガイド機能が備えられる。
【0145】
図19は、ガイド機能に関して操作コンソールが有する機能のブロック図である。
【0146】
図19に示すように、操作コンソール30は、ガイド情報を生成するガイド情報生成部31Hの機能を有する。本機能は、プロセッサ31が、所定のプログラムを実行することで実現される。
【0147】
ガイド情報生成部31Hは、判定部31Gの判定結果に基づいて、ガイド情報の生成の要否を判定する。すなわち、要求する動作が行われていないと判定部31Gで判定された場合にガイド情報を生成する。
【0148】
ガイド情報は、被検者Sが要求された動作を行うための情報であり、被検者Sの現在の状態に基づいて生成される。ガイド情報生成部31Hは、動作検出部31Fの検出結果に基づいて、必要なガイド情報を生成する。すなわち、現在の状態から目標とする状態(位置、姿勢等)に導くための情報(現在の状態を改善する情報)を生成する。たとえば、肘を水平に伸ばした状態から上方に向けて30度曲げる動作が被検者Sに要求されている場合において、検出された被検者Sの動作が、肘を水平に伸ばした状態から上方に向けて20度曲げる動作であった場合、更に上方に向けて10度曲げることを要求する情報が、ガイド情報として生成される。また、たとえば、肘を水平に伸ばした状態から上方に向けて30度曲げる動作が被検者Sに要求されている場合において、検出された被検者Sの動作が、肘を水平に伸ばした状態から斜め上方に向けて30度曲げる動作であった場合、曲げる方向を直すことを要求する情報が、ガイド情報として生成される。このように、現在の状態に基づいて、必要とされる動作の情報が、ガイド情報として生成される。表現形式は、特に限定されない。たとえば、必要な動作を文章で表現したテキストデータで構成できる。この他、テキストデータに代えて又はテキストデータに加えて、必要な動作をイラスト又はアニメーションで表現したデータで構成することもできる。
【0149】
表示制御部31C3は、ガイド情報生成部31Hで生成されたガイド情報をスクリーン23に表示させる。上記のように、ガイド情報は、被検者Sの現在の状態から目標とする状態に導くための情報が表示される。たとえば、上記例では、「肘を上方に向けて更に10度曲げて下さい」等のメッセージが、スクリーン23上の所定の位置にテキストで表示される。
【0150】
このように、ガイド又は改善点を提示することにより、要求する動作を被検者Sに簡単に行わせることができる。また、被検者側も要求されている動作を簡単に実施できる。
【0151】
なお、本例ではガイド情報をスクリーン23に表示する構成としているが、スクリーン23に表示する構成に加えて、又は、スクリーン23に表示する構成に代えて、音声でガイド情報を出力する構成としてもよい。
【0152】
(3)判定結果等の報知
上記実施の形態では、判定結果をスクリーン23に表示して、被検者Sに報知する構成としているが、判定結果を報知する手法は、これに限定されるものではない。この他、たとえば、音又は音声を用いて判定結果を報知する構成としてもよい。ガイド情報についても同様であり、音声でガイド情報を被検者Sに報知する構成としてもよい。
【0153】
(4)判定方法
要求する動作が行われたか否かの判定には、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を使用することもできる。たとえば、カメラ14で撮影された画像を学習済みモデルに加えて、要求する動作が行われたか否かの判定する構成とすることもできる。学習済みモデルは、画像から所定の動作が行われたか否かを判定できるように、所定の学習データを使用して、機械学習により生成する。
【0154】
(5)被検者の動作の検出
上記実施の形態では、検査中の被検者Sをカメラ14で撮影し、得られた画像から被検者Sの動作を検出する構成としているが、検査中の被検者Sの動作を検出する方法は、これに限定されるものではない。たとえば、MRI装置1で撮影された画像を利用して、被検者Sの動作を検出する構成としてもよい。
【0155】
(6)検査情報の取得
上記実施の形態では、実施する検査の情報(検査情報)を、操作者Opが入力装置34を介して手動で入力する構成としているが、検査情報を取得する方法は、これに限定されるものではない。通常、MRI検査では、検査に先立って、被検者の情報、検査内容の情報等が取得(入力)される。したがって、これらの情報を利用して、検査情報を取得してもよい。また、これらの情報は、ネットワークを通じて、外部(たとえば、院内システム等)から取得してもよい。更に、撮影プロトコルから取得してもよい。
【0156】
[第3の実施の形態]
上記第2の実施の形態では、被検者Sの動作を検出し、その検出結果に基づいて、要求どおりの動作が行われたか否かを装置側が自動で判定する構成としている。本実施の形態では、動作の検出結果を操作者Opに提示し、操作者Opが動作の適否について判断する。
【0157】
図20は、操作コンソールが有する主な機能のブロック図である。
【0158】
図20に示すように、本実施の形態のMRI装置では、動作検出部31Fで検出された被検者Sの動作の情報が、第2表示制御部31Dに加えられる。第2表示制御部31Dは、取得した被検者Sの動作の情報を表示装置35に表示する。表示形態は、特に限定されない。たとえば、上記実施の形態と同様に、特徴点を表すドットと、ドット間を結ぶラインを用いて、現在の被検者Sの動作状態を表示することができる(図16参照)。この際、目標する状態(位置、姿勢等)を併せて表示してもよい。本実施の形態において、表示装置35は、操作者Opが視認可能な第2表示部の一例である。
【0159】
このように、本実施の形態のMRI装置では、被検者Sの現在の動作状態が表示装置35に表示される。したがって、操作者Opは、表示装置35を確認すれば、被検者Sの現在の動作状態を把握できる。したがって、操作者Opは、表示装置35の表示から要求する動作が行われたか否かを判断できる。操作者Opは、必要に応じて判断結果を被検者に報知する。たとえば、要求する動作が行われた場合、投影装置22を介してスクリーン23にその旨を表示する(たとえば、「OK」の表示を行う)。また、要求する動作が行われていない場合は、要求する動作に必要な情報を報知する。たとえば、目標位置に導くための情報を報知する。
【0160】
[変形例]
(2)第2表示部
上記実施の形態では、被検者Sの現在の動作状態をコンソール30に設けられた表示装置35に表示する構成としているが、被検者Sの現在の動作状態の表示先は、これに限定されるものではない。撮影室2の外側にある別の表示装置に表示させる構成としてもよい。したがって、たとえば、ディスプレイを備えた携帯端末(たとえば、タブレットコンピュータ、スマートフォン等)に表示させる構成としもよい。
【0161】
(2)被検者と操作者の双方への情報の提示
被検者Sの動作の検出結果については、被検者S及び操作者Opの双方に提示する構成としてもよい。
【0162】
また、被検者Sの動作の検出結果に基づいて、要求どおりの動作が行われたか否かを装置側で自動判定し、結果を操作者Opに報知する構成としてもよい。たとえば、判定結果を表示装置35に表示して、操作者Opに報知する構成としてもよい。
【0163】
更に、被検者Sの動作の検出結果に基づいて、被検者Sが要求された動作を行うためのガイド情報を生成し、操作者Opに報知する構成としてもよい。
【0164】
[第4の実施の形態]
通常、MRI検査では、被検者Sに緊急用の呼び出しボタン(エマージェンシーコールボタン)が手渡される。検査中、気分が悪くなったり、不都合が生じたりした場合、被検者Sは、当該ボタンを押して、操作者Op等に通知する。しかし、身体の一部を動かす検査では、ボタンが検査の妨げになる場合がある。そこで、本実施の形態では、緊急用の呼び出しボタンを用いずに、検査中の被検者Sが操作者Op等と連絡が取れるMRI装置について説明する。
【0165】
図21は、操作コンソールが有する主な機能のブロック図である。
【0166】
図21に示すように、操作コンソール30は、特定動作検出部31Jの機能を更に有する。特定動作検出部31Jは、カメラ14で撮影された画像を解析し、被検者Sによる特定の動作を検出する。ここで、特定の動作には、被検者Sが、特定のポーズ(姿勢)を取ること、及び、特定のサインを出すこと等が含まれる。各動作には、被検者Sが操作者Op等に伝達する意思の内容が定められる。
【0167】
図22は、特定の動作と伝達する意思の内容の一例を示す図である。
【0168】
図22は、検査中断の意思を伝達する場合の一例を示している。図22に示す例では、両腕をクロスさせる動作(ポーズ)に対し、検査中断を求める意思が割り当てられている。
【0169】
この他、頭部を左右に振る動作に対し、否定(NO)の意思を割り当てたり、頭部を上下に振る動作(頷く動作)に対し、肯定(YES)の意思を割り当てたりすることができる。
【0170】
検出される動作、及び、各動作に割り当てられる意思表示の内容については、検査前に被検者Sに通知される。
【0171】
特定動作検出部31Jは、カメラ14で撮影された画像から特定の動作を検出すると、検出した動作の情報を第2表示制御部31Dに出力する。特定の動作の検出には、たとえば、画像から特定の動作を検出するように機械学習された学習済みモデルを使用できる。本実施の形態において、カメラ14、及び、そのカメラ14で撮影された画像から被検者Sによる特定の動作を検出する特定動作検出部31Jは、第2検出部の一例である。
【0172】
第2表示制御部31Dは、特定動作検出部31Jで検出された動作に応じた情報を表示装置35に表示し、操作者Opに報知する。たとえば、図22に示す例において、特定動作検出部31Jが、検査中断を求める意思の動作(両腕をクロスさせる動作)を検出した場合、第2表示制御部31Dは、「検査中断」のメッセージを表示装置35に表示し、操作者Opに報知する。
【0173】
このように、本実施の形態のMRI装置によれば、被検者Sが、あらかじめ定められた特定の動作を行うと、その動作に対応した情報が表示装置35に表示される。これにより、緊急用の呼び出しボタンを用いずに、検査中の被検者Sが操作者Op等と連絡を取ったり、意思疎通を図ったりすることができる。
【0174】
[変形例]
(1)報知方法
上記実施の形態では、特定の動作を検出した場合に、検出した動作に応じた情報を表示装置35に表示して、操作者Opに報知する構成としているが、操作者Opに報知する方法は、これに限定されるものではない。表示装置35への表示に代えて、又は、表示装置35への表示に加えて、検出した動作に応じた情報を音声又は音で出力して、操作者Opに報知してもよい。また、ランプを点灯又は点滅させて、操作者Opに報知してもよい。
【0175】
(5)特定の動作の検出
上記実施の形態では、検査中の被検者Sをカメラ14で撮影し、得られた画像から特定の動作を検出する構成としているが、特定の動作を検出する方法は、これに限定されるものではない。たとえば、MRI装置1で撮影された画像を利用して、特定の動作を検出する構成としてもよい。
【0176】
[その他の実施の形態]
(1)操作コンソールの各機能を提供する処理部
操作コンソール30の各機能を提供する処理部は、各種のプロセッサで構成できる。各種のプロセッサには、汎用的なプロセッサであるCPU、GPU(Graphic Processing Unit)等の他、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。1つの処理部は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。たとえば、1つの処理部は、複数のFPGA、又はCPUとFPGAの組み合わせによって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバ等に用いられるコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip,SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0177】
(2)医用画像診断装置
上記実施の形態では、本発明をMRI装置に適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。CT装置等、被検者の断層像を撮影する医用画像診断装置に広く適用できる。
【0178】
(3)その他
上記各実施の形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて使用できる。
【符号の説明】
【0179】
1…MRI装置
10…ガントリ
20…寝台
22…投影装置
30…操作コンソール
31…プロセッサ
31A…撮影制御部
31B…画像取得部
31C…第1表示制御部
31D…第2表示制御部
31E…記録制御部
33…補助記憶装置
34…入力装置
35…表示装置
37…表示情報データベース
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