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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176772
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】鋼床版の残留応力低減方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/12 20060101AFI20241212BHJP
   E01D 22/00 20060101ALI20241212BHJP
   C21D 9/00 20060101ALI20241212BHJP
   C21D 1/30 20060101ALI20241212BHJP
   C21D 1/42 20060101ALI20241212BHJP
   C21D 9/50 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
E01D19/12
E01D22/00 A
C21D9/00 A
C21D1/30
C21D1/42 C
C21D9/50 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095563
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(71)【出願人】
【識別番号】506122246
【氏名又は名称】エム・エムブリッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 幹人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊光
(72)【発明者】
【氏名】小西 英明
(72)【発明者】
【氏名】冨永 周佑
【テーマコード(参考)】
2D059
4K042
【Fターム(参考)】
2D059AA16
2D059GG39
2D059GG55
2D059GG61
4K042AA24
4K042AA25
4K042BA04
4K042BA09
4K042BA13
4K042DA03
4K042DB01
4K042DC01
4K042DC02
4K042DC03
4K042DE03
(57)【要約】
【課題】施工時間を短縮することが可能な鋼床版の残留応力低減方法を提供する。
【解決手段】デッキプレートと、第1方向に延びる横板と、第1方向に交差する第2方向に延びる縦板と、直線溶接部と回し溶接部とを有し横板と縦板とを溶接する溶接部とを備える鋼床版の残留応力を低減する方法であって、溶接部の回し溶接部の止端部に対応する第1加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第1加熱工程と、第1加熱工程の後、溶接部の一方の直線溶接部に沿った第2加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第2加熱工程と、第2加熱工程の後、溶接部の他方の直線溶接部に沿った第3加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第3加熱工程とを、第1加熱対象領域に圧縮応力が作用し、第1加熱対象領域から溶接部の端部の止端部に沿った方向に離れるにつれて引張応力が強くなるような応力分布を形成するように、横板の一方の加熱対象面に対して行う。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキプレートと、
前記デッキプレートの下面に接合され、第1方向に延び、前記第1方向に直交する第2方向の表裏の第1面と第2面とを貫通するように上端から下方に向けて帯状に形成された切り欠き部を有する横板と、
前記第2方向に延び、前記横板の前記切り欠き部を前記第2方向に貫通するように前記デッキプレートの下面に接合された縦板と、
前記横板の前記第1面及び前記第2面の両方にそれぞれ前記縦板を囲うように配置されて前記横板と前記縦板とを接合し、前記縦板の前記第1方向の表裏のそれぞれの面に沿った直線溶接部と前記縦板の下端部を囲う回し溶接部とを有する溶接部と
を備える鋼床版の残留応力を低減する方法であって、
前記横板の前記第1面及び前記第2面の一方である加熱対象面について、前記溶接部の回し溶接部の止端部に対応する第1加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第1加熱工程と、
前記第1加熱工程の後、前記横板の前記加熱対象面について、前記溶接部のうち前記縦板の表面及び裏面の一方の側に延びる前記直線溶接部に沿った第2加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第2加熱工程と、
前記第2加熱工程の後、前記横板の前記加熱対象面について、前記溶接部のうち前記縦板の表面及び裏面の他方の側に延びる前記直線溶接部に沿った第3加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第3加熱工程と
を含み、
前記第1加熱工程、前記第2加熱工程及び前記第3加熱工程では、前記第1加熱対象領域に圧縮応力が作用し、前記第1加熱対象領域から前記溶接部の端部の前記止端部に沿った方向に離れるにつれて引張応力が強くなるような応力分布を形成するように前記高周波誘導加熱を行う
鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項2】
前記残留応力は、橋梁の製作時の溶接により発生し、橋梁の主桁に支持された状態の前記鋼床版上を通過する移動体の荷重と残留応力が相俟って疲労き裂が発生する
請求項1に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項3】
前記第1加熱工程の加熱温度である第1加熱温度は、前記第2加熱工程の加熱温度である第2加熱温度及び前記第3加熱工程の加熱温度である第3加熱温度よりも低い
請求項1に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項4】
前記第1加熱温度は、250℃以上550℃以下の温度である
請求項3に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項5】
前記第2加熱温度及び前記第3加熱温度は、250℃以上550℃以下の温度である
請求項3に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項6】
前記第1加熱工程の加熱時間である第1加熱時間は、前記第2加熱工程の加熱時間である第2加熱時間及び前記第3加熱工程の加熱時間である第3加熱時間よりも短い
請求項1に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項7】
前記第1加熱時間は、9秒以上40秒以下の時間である
請求項6に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【請求項8】
前記第2加熱時間及び前記第3加熱時間は、9秒以上40秒以下の時間である
請求項6に記載の鋼床版の残留応力低減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼床版の残留応力低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路橋等の橋梁に用いられる鋼床版として、例えば、主桁に支持されるデッキプレートと、デッキプレートの下面に接合される横板(横リブ、ダイヤフラム等)と、デッキプレートの下面に横板に交差して溶接される縦板(縦リブ等)とを備える鋼床版が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6072946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶接で製作された橋梁の場合、溶接部に残留応力が発生する。橋梁を使用することにより、例えば横板の一部に応力が集中し、残留応力と相俟って疲労き裂のような損傷が生じる可能性がある。残留応力を低減させるため、従来では、横板において溶接部分の止端仕上げ、ピーニング等の処理が行われている。しかしながら、これらの処理では、横板の両面側から溶接部分の止端に沿って施工する必要があるため、施工時間が掛かってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、施工時間を短縮することが可能な鋼床版の残留応力低減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鋼床版の残留応力低減方法は、デッキプレートと、前記デッキプレートの下面に接合され、第1方向に延び、前記第1方向に直交する第2方向の表裏の第1面と第2面とを貫通するように上端から下方に向けて帯状に形成された切り欠き部を有する横板と、前記第2方向に延び、前記横板の前記切り欠き部を前記第2方向に貫通するように前記デッキプレートの下面に接合された縦板と、前記横板の前記第1面及び前記第2面の両方にそれぞれ前記縦板を囲うように配置されて前記横板と前記縦板とを接合し、前記縦板の前記第1方向の表裏のそれぞれの面に沿った直線溶接部と前記縦板の下端部を囲う回し溶接部とを有する溶接部とを備える鋼床版の残留応力を低減する方法であって、前記横板の前記第1面及び前記第2面の一方である加熱対象面について、前記溶接部の回し溶接部の止端部に対応する第1加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第1加熱工程と、前記第1加熱工程の後、前記横板の前記加熱対象面について、前記溶接部のうち前記縦板の表面及び裏面の一方の側に延びる前記直線溶接部に沿った第2加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第2加熱工程と、前記第2加熱工程の後、前記横板の前記加熱対象面について、前記溶接部のうち前記縦板の表面及び裏面の他方の側に延びる前記直線溶接部に沿った第3加熱対象領域に対して高周波誘導加熱を行う第3加熱工程とを含み、前記第1加熱工程、前記第2加熱工程及び前記第3加熱工程では、前記第1加熱対象領域に圧縮応力が作用し、前記第1加熱対象領域から前記溶接部の端部の前記止端部に沿った方向に離れるにつれて引張応力が強くなるような応力分布を形成するように前記高周波誘導加熱を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施工時間を短縮することが可能な鋼床版の残留応力低減方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る橋梁の一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、橋梁の一例を示す断面図である。
図3図3は、鋼床版の横リブと縦リブとの交差部分の一例を示す図である。
図4図4は、鋼床版の横リブと縦リブとの交差部分の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る鋼床版の残留応力低減方法の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、鋼床版の横リブと縦リブとの交差部分の一例を示す図である。
図7図7は、高周波誘導加熱を行う場合の対象領域の温度変化の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る溶接構造に対して高周波誘導加熱を行う場合の応力の変化の一例を示す図である。
図9図9は、横リブの加熱対象面の応力分布の一例を示す図である。
図10図10は、横リブの非加熱面の応力分布の一例を示す図である。
図11図11は、横リブの加熱対象面の応力分布の一例を示す図である。
図12図12は、横リブの非加熱面の応力分布の一例を示す図である。
図13図13は、鋼床版を交換する工程の例を示す図である。
図14図14は、鋼床版を交換する工程の例を示す図である。
図15図15は、鋼床版の横リブと縦リブとの交差部分の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る鋼床版の残留応力低減方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る橋梁100の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、橋梁100の一例を示す断面図である。図1及び図2に示す橋梁100は、例えば自動車等が走行する道路橋である。図1及び図2に示すように、橋梁100は、鋼床版10と、主桁20とを備える。
【0011】
図1及び図2において、橋梁100の幅方向を第1方向(幅方向D1)とし、橋梁100の橋軸方向を第2方向(橋軸方向D2)とし、橋梁100の上下方向、つまり幅方向D1及び橋軸方向D2に直交する方向を第3方向(上下方向D3)とする。幅方向D1及び橋軸方向D2は、後述するデッキプレート30の主面30aに沿った方向である。上下方向D3は、当該主面30aに直交又はほぼ直交する方向である。
【0012】
鋼床版10は、例えば幅方向D1及び橋軸方向D2に複数並んで配置される。主桁20は、鋼床版10を支持する。主桁20は、例えば鈑桁であるが、これに限定されず、箱桁であってもよい。主桁20は、不図示の下部工に支持されている。本実施形態において、鋼床版10を適用する橋梁100は、例えば新設鋼道路橋であるが、これに限定されず、新設鋼鉄道橋等であってもよい。
【0013】
鋼床版10は、デッキプレート30と、横リブ(横板)40と、縦リブ(縦板)50と、溶接部60とを備える。図3及び図4は、鋼床版10の横リブ40と縦リブ50との交差部分の一例を示す図である。図3は橋軸方向D2に見た状態を示す図であり、図4は幅方向D1に見た状態を示す図である。
【0014】
デッキプレート30は、例えば鋼板等により形成される。デッキプレート30は、幅方向D1の複数の位置が主桁20によって支持される。
【0015】
横リブ40は、デッキプレート30の下面30bに接合される。横リブ40は、幅方向D1に延びた状態で設けられる。横リブ40は、橋軸方向D2に複数配置される。横リブ40は、ウェブ41及びフランジ42を有する。ウェブ41は、平板状であり、デッキプレート30の下面30bに配置される。ウェブ41には、切り欠き部43が設けられる。切り欠き部43は、ウェブ41の上端41cから下方に向けて帯状に形成される。切り欠き部43は、ウェブ41のうち橋軸方向D2の表裏の第1面41aと第2面41bとを貫通するように形成される。切り欠き部43は、縦リブ50を貫通させる。フランジ42は、ウェブ41の下端に接合される。
【0016】
縦リブ50は、平板状であり、橋軸方向D2に延びた状態で配置される。縦リブ50は、横リブ40の切り欠き部43に貫通された状態で横リブ40と交差する。縦リブ50は、デッキプレート30の下面30b及び横リブ40に接合される。縦リブ50は、切り欠き部43の全周部分において横リブ40に溶接される。縦リブ50は、幅方向D1に複数設けられる。幅方向D1に隣り合う縦リブ50同士の間隔は、例えば等間隔である。
【0017】
溶接部60は、横リブ40と縦リブ50とを接合する。溶接部60は、横リブ40の第1面41aと第2面41bとの両方にそれぞれ設けられる。溶接部60は、橋軸方向D2に見て縦リブ50を囲うように設けられる。本実施形態において、溶接部60は、橋軸方向D2に見て縦リブ50の全周を溶接するように配置される。
【0018】
溶接部60は、直線溶接部61、62と、回し溶接部63とを有する。直線溶接部61は、縦リブ50の表面50aに沿って上下方向D3に直線状に延びている。直線溶接部62は、縦リブ50の裏面50bに沿って上下方向D3に直線状に延びている。回し溶接部63は、縦リブ50の下端部51を囲うように設けられる。回し溶接部63は、2つの直線溶接部61、62の下端部同士を接続する。
【0019】
上記のような鋼床版10上を自動車等の移動体が走行することにより、移動体の荷重が鋼床版10から縦リブ50に伝わる。この縦リブ50からの荷重が伝わることにより、例えば横リブ40のうち回し溶接部63の止端部W1では、当該荷重を支持するための応力が発生し、荷重が解除された後も残留応力として存在する場合がある。以下、このような鋼床版10における残留応力を低減する方法について説明する。
【0020】
図5は、本実施形態に係る鋼床版10の残留応力低減方法の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施形態に係る鋼床版10の残留応力低減方法は、第1加熱工程S10と、第2加熱工程S20と、第3加熱工程S30とを含む。
【0021】
図6は、鋼床版10の横リブ40と縦リブ50との交差部分の一例を示す図である。図6は、橋軸方向D2に見た状態を示している。
【0022】
図6に示すように、第1加熱工程S10は、横リブ40の第1面41a及び第2面41bの一方である加熱対象面41Rについて、溶接部60の回し溶接部63の止端部W1に対応する第1加熱対象領域AR1に対して高周波誘導加熱を行う。本実施形態では、横リブ40の第1面41aを加熱対象面41Rとして説明する。この場合、第2面41bは、加熱を行わない非加熱面41Sとなる。なお、第2面41bを加熱対象面とする場合、第1面41aは、非加熱面41Sとなる。
【0023】
第2加熱工程S20は、第1加熱工程S10の後、横リブ40の加熱対象面41R(第1面41a)について、溶接部60のうち縦リブ50の表面50aの側に延びる直線溶接部61に沿った第2加熱対象領域AR2に対して高周波誘導加熱を行う。
【0024】
第3加熱工程S30は、第2加熱工程S20の後、横リブ40の加熱対象面41R(第1面41a)について、溶接部60のうち縦リブ50の裏面50bの側に延びる直線溶接部62に沿った第3加熱対象領域AR3に対して高周波誘導加熱を行う。
【0025】
図6に示す例において、第1加熱対象領域AR1と回し溶接部63の止端部W1との距離d1については、例えば0mm以上100mm以下、より好ましくは0mm以上50mm以下、さらに好ましくは0mm以上25mm以下となる範囲で設定することができる。また、第2加熱対象領域AR2と直線溶接部61の止端部W2との距離d2、及び第3加熱対象領域AR3と直線溶接部62の止端部W3との距離d3については、例えば25mm以上100mm以下、より好ましくは25mm以上50mm以下、さらに好ましくは25mm以上35mm以下となる範囲で設定することができる。なお、距離d1、d2、d3については、上記範囲に限定されない。
【0026】
第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30で高周波誘導加熱を行う場合、第1加熱対象領域AR1、第2加熱対象領域AR2及び第3加熱対象領域AR3の各加熱対象領域ARに高周波誘導加熱装置のコイルCLを取り付けて行う。コイルCLについては、例えば各加熱対象領域ARの寸法に対応する大きさを有するコイルCLを適宜準備することができる。
【0027】
また、第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30で高周波誘導加熱を行う場合、目標となる加熱温度と、当該加熱温度に到達するまでの加熱時間とを設定する。
【0028】
第1加熱工程S10における第1加熱温度T1は、250℃以上550℃以下の温度とすることができる。なお、第1加熱温度T1は、より好ましくは250℃以上450℃以下、さらに好ましくは250℃以上350℃以下に設定することができる。第1加熱温度T1は、後述する第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3よりも低い。なお、第1加熱温度T1の範囲の下限については、例えば150℃以上、又は200℃以上、としてもよい。
【0029】
第1加熱工程S10における第1加熱時間t1は、例えば9秒以上40秒以下の時間とすることができる。なお、第1加熱時間t1は、より好ましくは9秒以上30秒以下、さらに好ましくは9秒以上20秒以下に設定することができる。第1加熱時間t1は、後述する第2加熱時間t2及び第3加熱時間t3よりも短い。なお、第1加熱時間t1の範囲の下限については、上記のように第1加熱温度T1の範囲の下限を150℃以上とする場合、例えば6秒以上、とすることができる。
【0030】
第2加熱工程S20における第2加熱温度T2及び第3加熱工程S30における第3加熱温度T3は、250℃以上550℃以下の温度とすることができる。なお、第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3は、より好ましくは350℃以上550℃以下、さらに好ましくは450℃以上550℃以下に設定することができる。なお、第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3の範囲の上限については、例えば700℃以下、としてもよい。
【0031】
第2加熱工程S20における第2加熱時間t2及び第3加熱工程S30における第3加熱時間t3は、例えば9秒以上40秒以下の時間とすることができる。なお、第2加熱時間t2及び第3加熱時間t3は、より好ましくは9秒以上30秒以下、さらに好ましくは9秒以上20秒以下に設定することができる。なお、第2加熱時間t2及び第3加熱時間t3の範囲の上限については、上記のように第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3の範囲の上限を700℃以下とする場合、例えば50秒以下、とすることができる。
【0032】
図7は、高周波誘導加熱を行う場合の対象領域の温度変化の一例を示す図である。図7の横軸は、加熱開始時点からの経過時間を示す。図7の縦軸は、各加熱対象領域ARの温度を示す。図7に示すように、各加熱工程(S10、S20、S30)では、予め設定した加熱時間t(t1、t2、t3)で初期温度T0から目標となる加熱温度T(T1、T2、T3)に到達するように加熱を行う。各加熱工程において、加熱温度Tに到達した場合、加熱を停止する。加熱を停止することで、鋼床版10(横リブ40)が自然冷却される。
【0033】
図8は、本実施形態に係る溶接構造に対して高周波誘導加熱を行う場合の止端部W1の下側付近の応力の変化の一例を示す図である。図8には、第1加熱工程S10を行う前に鋼床版10(横リブ40)に生じている残留応力分布F0と、第1加熱工程S10により第1加熱対象領域AR1が膨張することで生じる応力分布F1と、第2加熱工程により第2加熱対象領域AR2が膨張することで生じる応力分布F2と、第3加熱工程により第3加熱対象領域AR3が膨張することで生じる応力分布F3と、残留応力分布F0と、応力分布F1、F2、F3との総和である応力分布F4とを示している。各荷重を示すグラフにおいて、横軸は鋼床版10(横リブ40)の図中の横方向の位置と対応している。また、横軸に対して上側(矢印a1で示す側)は引張方向の応力の強さ、横軸に対して下側(矢印a2で示す側)は圧縮方向の応力の強さを示している。
【0034】
橋梁100に用いられる鋼床版10は、上記したように、橋梁100の使用等により例えば第1加熱対象領域AR1として上記に挙げた領域には溶接による引張残留応力が生じており、これに繰返し荷重等が作用し、当該荷重等により疲労き裂が生じる場合がある。図8に示す例では、第1加熱工程S10を行う前、鋼床版10は、横リブ40と縦リブ50との接合部分において、引張残留応力が生じた状態である。
【0035】
この状態から、第1加熱工程S10を行うことにより、鋼床版10の横リブ40に対して、第1加熱対象領域AR1に圧縮応力が作用し、第1加熱対象領域AR1から第2加熱対象領域AR2側及び第3加熱対象領域AR3側に離れるほど強い引張応力が作用するような応力分布を形成することができる。
【0036】
また、第2加熱工程S20を行うことにより、鋼床版10の横リブ40に対して、第2加熱対象領域AR2に引張応力が作用し、第1加熱対象領域AR1に圧縮応力が作用するような応力分布を形成することができる。更に、第3加熱工程S30を行うことにより、鋼床版10の横リブ40に対して、第3加熱対象領域AR3に引張応力が作用し、第1加熱対象領域AR1に圧縮応力が作用するような応力分布を形成することができる。
【0037】
このような第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行うことにより、図中の上下方向の中央部分に圧縮応力が作用し、中央部分から上下方向に離れるにつれて引張応力が強くなるような応力分布F4を形成することができる。これにより、鋼床版10の横リブ40に対する引張残留応力が低減される。
【0038】
図9は、横リブ40の加熱対象面41Rの応力分布の一例を示す図である。図10は、横リブ40の非加熱面41Sの応力分布の一例を示す図である。図9及び図10において、縦軸は残留応力の大きさを示し、横軸は横リブ40において上下方向D3についての止端部W1からの距離(図6の下向き二点鎖線矢印参照)を示す。
【0039】
図9及び図10は、第1加熱温度T1を250℃、350℃、450℃、550℃とし、第1加熱時間t1を35秒として、第1加熱工程S10を行う場合のシミュレーション結果を示している。図9及び図10において、曲線Cは第1加熱工程S10を行う前の残留応力分布を示し、曲線C1は第1加熱温度T1を250℃として第1加熱工程S10を行った場合の応力分布を示し、曲線C2は第1加熱温度T1を350℃として第1加熱工程S10を行った場合の応力分布を示し、曲線C3は第1加熱温度T1を450℃として第1加熱工程S10を行った場合の応力分布を示し、曲線C4は第1加熱温度T1を550℃として第1加熱工程S10を行った場合の応力分布を示す。
【0040】
図9及び図10に示すように、第1加熱工程S10において、第1加熱温度T1を250℃とした場合には、第1加熱温度T1を350℃、450℃、550℃とした場合と同程度に止端部W1の残留応力が低減される。したがって、第1加熱工程S10では、第1加熱温度T1を250℃とすることで、止端部W1の残留応力を十分に効率的に低減することができる。また、第1加熱工程S10では、加熱対象面41Rに対して加熱を行うことにより、非加熱面41Sに対して加熱を行うことなく、当該非加熱面41Sの止端部W1aについても残留応力を低減させることができる。
【0041】
図11は、横リブ40の加熱対象面41Rの応力分布の一例を示す図である。図12は、横リブ40の非加熱面41Sの応力分布の一例を示す図である。図11及び図12において、縦軸は残留応力の大きさを示し、横軸は横リブ40において上下方向D3についての止端部W1からの距離(図6の下向き二点鎖線矢印参照)を示す。
【0042】
図11及び図12は、第1加熱温度T1を第1加熱温度250℃として行った後、第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を250℃、350℃、450℃、550℃とし、第2加熱時間t2及び第3加熱時間t3を35秒として、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30をそれぞれ行う場合のシミュレーション結果を示している。図11及び図12において、曲線Cは第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行う前の応力分布を示し、曲線C1は第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を250℃として第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行った場合の応力分布を示し、曲線C2は第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を350℃として第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行った場合の応力分布を示し、曲線C3は第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を450℃として第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行った場合の応力分布を示し、曲線C5は第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を550℃として第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行った場合の応力分布を示す。
【0043】
図11及び図12に示すように、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30においては、第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を550℃とした場合に、止端部W1の残留応力が最も低減される。また、この場合、止端部W1の残留応力がほぼ0MPaとなっている。第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30では、第1加熱工程S10と同様に、加熱対象面41Rに対して加熱を行うことにより、非加熱面41Sに対して加熱を行うことなく、当該非加熱面41Sの止端部W1aについても残留応力を低減させることができる。
【0044】
また、上記の図9から図12に示すシミュレーション結果から、第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30を行うことにより、止端部W1の残留応力をほぼ0とすることが可能であることが示唆される。
【0045】
以上のように、本実施形態の第1態様に従えば、デッキプレート30と、デッキプレート30の下面30bに接合され、幅方向D1に延び、幅方向D1に直交する橋軸方向D2の表裏の第1面41aと第2面41bとを貫通するように上端41cから下方に向けて帯状に形成された切り欠き部43を有する横リブ40と、橋軸方向D2に延び、横リブ40の切り欠き部43を橋軸方向D2に貫通するようにデッキプレート30の下面30bに接合された縦リブ50と、横リブ40の第1面41a及び第2面41bの両方にそれぞれ縦リブ50を囲うように配置されて横リブ40と縦リブ50とを接合し、縦リブ50の幅方向D1の表面50a及び裏面50bのそれぞれに沿った直線溶接部61、62と縦リブ50の下端部51を囲う回し溶接部63とを有する溶接部60とを備える鋼床版10の残留応力を低減する方法であって、横リブ40の第1面41a及び第2面41bの一方である加熱対象面41Rについて、溶接部60の回し溶接部63の止端部W1に対応する第1加熱対象領域AR1に対して高周波誘導加熱を行う第1加熱工程S10と、第1加熱工程S10の後、横リブ40の加熱対象面41Rについて、溶接部60のうち縦リブ50の表面及び裏面の一方の側に延びる直線溶接部61に沿った第2加熱対象領域AR2に対して高周波誘導加熱を行う第2加熱工程S20と、第2加熱工程S20の後、横リブ40の加熱対象面41Rについて、溶接部60のうち縦リブ50の表面及び裏面の他方の側に延びる直線溶接部62に沿った第3加熱対象領域AR3に対して高周波誘導加熱を行う第3加熱工程S30とを含み、第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30では、第1加熱対象領域AR1に圧縮応力が作用し、第1加熱対象領域AR1から回し溶接部63の止端部W1に沿った方向に離れるにつれて引張応力が強くなるような応力分布を形成するように高周波誘導加熱を行う鋼床版の残留応力低減方法が提供される。
【0046】
この構成によれば、横リブ40の加熱対象面41Rについて、回し溶接部63の止端部W1に対応する第1加熱対象領域AR1に対して高周波誘導加熱を行い、溶接部60の一方の直線溶接部61に沿った第2加熱対象領域AR2に対して高周波誘導加熱を行い、溶接部60の他方の直線溶接部62に沿った第3加熱対象領域AR3に対して高周波誘導加熱を行うことで、第1加熱対象領域AR1に圧縮応力が作用し、第1加熱対象領域AR1から回し溶接部63の止端部W1に沿った方向に離れるにつれて引張応力が強くなるような応力分布が形成される。これにより、鋼床版10の横リブ40に対する残留応力が低減される。また、加熱対象面41Rに対して加熱を行うことにより、非加熱面41Sに対して加熱を行うことなく、加熱対象面41R及び非加熱面41Sの両方の面について残留応力を低減させることができる。したがって、横リブ40の両面側から溶接部60の止端部W1、W1aに沿って施工する場合に比べて、施工時間を短縮することが可能となる。
【0047】
本実施形態の第2態様に従えば、第1態様に係る鋼床版の残留応力低減方法において、残留応力は、橋梁100の製作時の溶接により溶接部近傍に発生しており、橋梁100の主桁20に支持された状態の鋼床版10上を通過する移動体の荷重と残留応力が相俟って疲労き裂が発生する。
【0048】
この構成によれば、鋼床版10が橋梁100の主桁20に支持された状態で使用される場合において、溶接部の残留応力を効率的に低減することができ、鋼床版10上を通過する移動体の荷重による疲労き裂の発生を抑制することができる。
【0049】
本実施形態の第3態様に従えば、第1態様又は第2態様に係る鋼床版の残留応力低減方法において、第1加熱工程S10の加熱温度である第1加熱温度T1は、第2加熱工程S20の加熱温度である第2加熱温度T2及び第3加熱工程S30の加熱温度である第3加熱温度T3よりも低い。
【0050】
この構成によれば、第1加熱工程S10を効率的に行いつつ、鋼床版10の横リブ40に対する残留応力を適切に低減することができる。
【0051】
本実施形態の第4態様に従えば、第3に係る鋼床版の残留応力低減方法において、第1加熱温度T1は、250℃以上550℃以下の温度である。
【0052】
この構成によれば、第1加熱温度T1を250℃以上550℃以下の温度とすることにより、第1加熱工程S10を効率的に行いつつ、鋼床版10の横リブ40に対する残留応力を適切に低減することができる。
【0053】
本実施形態の第5態様に従えば、第3に係る鋼床版の残留応力低減方法において、第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3は、250℃以上550℃以下の温度である。
【0054】
この構成によれば、第2加熱温度T2及び第3加熱温度T3を250℃以上550℃以下の温度とすることにより、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30において鋼床版10の横リブ40に対する残留応力を適切に低減することができる。
【0055】
本実施形態の第6態様に従えば、第1態様から第5態様に係る鋼床版の残留応力低減方法において、第1加熱工程S10の加熱時間である第1加熱時間t1は、第2加熱工程S20の加熱時間である第2加熱時間t2及び第3加熱工程S30の加熱時間である第3加熱時間t3よりも短い。
【0056】
この構成によれば、第1加熱工程S10を効率的に行いつつ、鋼床版10の横リブ40に対する残留応力を適切に低減することができる。
【0057】
本実施形態の第7態様に従えば、第6態様に係る鋼床版の残留応力低減方法において、第1加熱時間t1は、9秒以上20秒以下の時間である。
【0058】
この構成によれば、第1加熱時間t1を9秒以上20秒以下の時間とすることにより、第1加熱工程S10を効率的に行いつつ、鋼床版10の横リブ40に対する残留応力を適切に低減することができる。
【0059】
本実施形態の第8態様に従えば、第6態様に係る鋼床版の残留応力低減方法において、第2加熱時間t2及び第3加熱時間t3は、30秒以上40秒以下の時間である。
【0060】
この構成によれば、第2加熱時間t2及び第3加熱時間t3を30秒以上40秒以下の時間とすることにより、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30において鋼床版10の横リブ40に対する残留応力を適切に低減することができる。
【0061】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態において、鋼床版10を適用する橋梁100として、新設鋼橋を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、既設鋼道路橋、既設鋼鉄道橋等の既設鋼橋に鋼床版10を適用してもよい。
【0062】
図13及び図14は、鋼床版を交換する工程の例を示す図である。図13の工程ST1に示すように、橋梁200において、主桁120に支持される床版110が劣化等した場合、当該床版110を交換する。この場合、工程ST2に示すように、主桁120の下フランジ121とウェブ122の一部とを残し、上フランジ123を含む主桁120の上部を切断する。切断した後、主桁120の上部及び床版110を撤去する。その後、工程ST3に示すように、新たな鋼床版110A及びウェブの一部124が一体となった構造体を取付機構125により切断箇所122aに取り付ける。鋼床版110Aは、例えば上記実施形態における鋼床版10が用いられる。これにより、上記実施形態における鋼床版10を備えた橋梁200Aに改築することができる。
【0063】
また、図14の工程ST4に示すように、橋梁300において、主桁220に支持される床版210が劣化等した場合、当該床版210を交換する。この場合、工程ST5に示すように、主桁220の上フランジ233から床版210を撤去する。その後、工程ST6に示すように、新たな鋼床版210A及びウェブの一部224が一体となった構造体を上フランジ233に取り付ける。鋼床版210Aは、例えば上記実施形態における鋼床版10が用いられる。これにより、上記実施形態における鋼床版10を備えた橋梁300Aに改築することができる。
【0064】
また、上記実施形態おける第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30の施工時期は、例えば鋼床版10を工場製作する際に限られず、橋梁に適用されて使用が開始された後に、疲労耐久性向上策として行うことができる。ただし、使用開始後に第1加熱工程S10、第2加熱工程S20及び第3加熱工程S30の施工を行う場合には、施工前に施工箇所周辺の塗装を剥離し、施工を行った後、施工箇所に補修塗装を行うようにする。なお、耐候性鋼材無塗装橋梁に適用する場合、塗装の剥離及び補修塗装は不要である。
【0065】
また、上記実施形態の鋼床版10は、横リブ40と縦リブ50との溶接部60が全周溶接された構成を例に挙げて説明したが、横リブ40と縦リブ50との溶接部60に回し溶接部63が設けられる構成であれば、上記構成に限定されない。図15は、鋼床版の横リブと縦リブとの交差部分の他の例を示す図である。図15に示すように、例えば、縦リブ50のデッキプレート30側にスカラップ35が形成された構成であってもよい。
【0066】
また、上記実施形態の鋼床版10は、横リブ40と縦リブ50との溶接部60がすみ肉溶接である構成を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば、溶接部60が完全溶け込み溶接であってもよいし、部分溶け込み溶接であってもよいし、これらとすみ肉溶接との組み合わせであってもよい。
【0067】
また、上記実施形態の鋼床版10は、横板として横リブ40を例に挙げて説明したが、これに限定されない。横板は、幅方向D1に延びる板状部材であれば、例えば、横桁、ダイヤフラム等の他の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
C,C1,C2,C3,C4 曲線
D1 幅方向
D2 橋軸方向
F0 残留応力分布
D3 上下方向
F1,F2,F3,F4 応力分布
S10 第1加熱工程
T 加熱温度
S20 第2加熱工程
T1 第1加熱温度
S30 第3加熱工程
T2 第2加熱温度
W1,W1a 止端部
T3 第3加熱温度
CL コイル
AR 加熱対象領域
AR1 第1加熱対象領域
AR2 第2加熱対象領域
AR3 第3加熱対象領域
d1,d2,d3 距離
t 加熱時間
t1 第1加熱時間
t2 第2加熱時間
t3 第3加熱時間
ST1,ST2,ST3,ST4,ST5,ST6 工程
10,110A,210A 鋼床版
20 主桁
30 デッキプレート
30a 主面
30b 下面
35 スカラップ
40 横リブ
41R 加熱対象面
41S 非加熱面
41 ウェブ
41a 第1面
41b 第2面
41c 上端
42 フランジ
43 切り欠き部
50 縦リブ
50a 表面
50b 裏面
51 下端部
61,62 直線溶接部
60 溶接部
63 回し溶接部
100,200,200A,300,300A 橋梁
110,110A,210,210A 床版
120,220 主桁
121 下フランジ
122a 切断箇所
122,232 ウェブ
123,233 上フランジ
125 取付機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15