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特開2024-176833パターン検査装置及びパターン検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176833
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】パターン検査装置及びパターン検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241212BHJP
   G03F 1/84 20120101ALI20241212BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G03F1/84
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095655
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】佐川 研太
【テーマコード(参考)】
2G051
2H195
2H197
【Fターム(参考)】
2G051AA56
2G051AB02
2G051AC21
2G051BA05
2G051BB03
2G051CA03
2G051CB02
2G051EA12
2H195BD04
2H195BD11
2H195BD27
2H197BA11
2H197HA03
2H197JA18
(57)【要約】
【目的】今回の検査に適したフィルタ関数を得るまでの処理時間を短縮可能な検査装置を提供する。
【構成】本発明の一態様のパターン検査装置100は、パターン形成された被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得機構150と、過去の検査条件パラメータとの一致度に応じて、参照画像生成パラメータの範囲を設定するパラメータ範囲設定部62と、設定された参照画像生成パラメータの範囲内の値を用いて、複数のフィルタ関数の候補を生成するフィルタ関数生成部64と、生成された複数のフィルタ関数の候補のうち、参照画像を作成するためのフィルタ関数を決定する決定部84と、決定されたフィルタ関数を用いて、参照画像を作成する参照回路112と、光学画像と参照画像とを比較する比較回路108と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン形成された被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得機構と、
過去の検査条件パラメータとの一致度に応じて、参照画像生成パラメータの範囲を設定するパラメータ範囲設定部と、
設定された前記参照画像生成パラメータの範囲内の値を用いて、複数のフィルタ関数の候補を生成するフィルタ関数生成部と、
生成された前記複数のフィルタ関数の候補のうち、参照画像を作成するためのフィルタ関数を決定する決定部と、
決定された前記フィルタ関数を用いて、参照画像を作成する参照画像作成部と、
前記光学画像と前記参照画像とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項2】
前記参照画像生成パラメータは、リサイズ量とコーナー丸め量の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
前記参照画像生成パラメータの範囲は、予め設定されたデフォルトの範囲よりも絞り込まれた範囲に設定されることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項4】
前記パラメータ範囲設定部は、前記一致度が閾値未満の場合に、前記参照画像生成パラメータの予め設定されたデフォルトの範囲を設定し、
前記フィルタ関数生成部は、前記参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲内の複数の参照画像生成パラメータのうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための前記複数のフィルタ関数の候補を生成することを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項5】
パターン条件のパラメータと撮像条件のパラメータとの少なくとも一方を用いて前記一致度を算出する一致度算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項6】
設定された前記参照画像生成パラメータの範囲内で生成された前記複数のフィルタ関数の候補を用いて、前記参照画像作成部により作成された複数の参照画像の候補毎の当該参照画像と光学画像との最大階調差を用いて、最大階調差が閾値以下となる参照画像の候補の有無を判定する判定部をさらに備え、
前記パラメータ範囲設定部は、前記複数の参照画像の候補のすべてにおいて、前記最大階調差が閾値を超える場合に、前記参照画像生成パラメータの予め設定されたデフォルトの範囲を再設定し、
前記フィルタ関数生成部は、再度、前記参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲内の複数の参照画像生成パラメータのうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための前記複数のフィルタ関数の候補を生成することを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項7】
パターン形成された被検査試料の光学画像を取得する工程と、
過去の検査条件パラメータとの一致度に応じて、参照画像生成パラメータの範囲を設定する工程と、
設定された前記参照画像生成パラメータの範囲内の値を用いて、複数のフィルタ関数の候補を生成する工程と、
生成された前記複数の前記フィルタ関数の候補のうち、参照画像を作成するためのフィルタ関数を決定する工程と、
決定された前記フィルタ関数を用いて、参照画像を作成する工程と、
前記光学画像と前記参照画像とを比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項8】
前記参照画像生成パラメータは、リサイズ量とコーナー丸め量の少なくとも1つであることを特徴とする請求項7記載のパターン検査方法。
【請求項9】
対象の前記参照画像生成パラメータの範囲は、予め設定されたデフォルトの範囲よりも絞り込まれた範囲に設定されることを特徴とする請求項7又は8記載のパターン検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、パターン検査装置及びパターン検査方法に関する。例えば、半導体製造に用いる試料となる物体のパターン欠陥を検査するパターン検査技術に関し、半導体素子を製作するときに使用されるマスクの欠陥を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。
【0003】
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになろうとしている。歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
【0004】
検査手法としては、拡大光学系を用いてリソグラフィマスク等の試料上に形成されているパターンを所定の倍率で撮像した光学画像と設計データとを比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン設計されたCADデータをマスクにパターンを描画する時に描画装置が入力するための装置入力フォーマットに変換した描画データ(設計パターンデータ)を検査装置に入力して、これをベースに設計画像(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる光学画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、試料はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。試料には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。試料を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
【0005】
試料から撮像された光学画像の画素データは、撮像に使用される光学系の解像特性等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計画像とは異なっている。そのため、設計画像にフィルタ処理を施して、測定画像に近づけた参照画像を作成した上で比較処理を実施することが行われる。
【0006】
昨今のパターンの微細化に伴う検査精度の向上が求められる中、検査精度の向上を図るためには、かかるフィルタ処理の精度を向上させることが必要となる。そのために、広い範囲の参照画像生成パラメータを用いて多くのフィルタ関数を生成する。そして、多くのフィルタ関数の中から測定画像に近づけることができ得るフィルタ関数を得ることが行われる。かかる多くのフィルタ関数を生成するには処理量が膨大となり、最適なフィルタ関数を得るまでにかかる時間も長くなる。
【0007】
ここで、過去の検査と検査条件が似た検査についても、同様に多くのフィルタ関数を生成するため、処理量が膨大となり、最適なフィルタ関数を得るまでに処理時間が長くなり、実際の検査開始までに長い時間が必要となるといった問題があった。そこで、過去の検査条件と同一或いは類似する場合には、過去に使用したフィルタ関数をそのまま今回の検査に使用することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、検査条件が完全一致しない限り、類似する過去の検査に使用したフィルタ関数を今回の検査に使用しても所望の精度が得られない場合が生じることがわかってきた。一方、過去と同様に、多くのフィルタ関数を生成するのでは、処理時間が長くなり、実際の検査開始までに長い時間が必要となるといった問題は解決しないままとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2022-182497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の一態様は、今回の検査に適したフィルタ関数を得るまでの処理時間を短縮可能な検査装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様のパターン検査装置は、
パターン形成された被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得機構と、
過去の検査条件パラメータとの一致度に応じて、参照画像生成パラメータの範囲を設定するパラメータ範囲設定部と、
設定された前記参照画像生成パラメータの範囲内の値を用いて、複数のフィルタ関数の候補を生成するフィルタ関数生成部と、
生成された前記複数のフィルタ関数の候補のうち、参照画像を作成するためのフィルタ関数を決定する決定部と、
決定された前記フィルタ関数を用いて、参照画像を作成する参照画像作成部と、
光学画像と参照画像とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、参照画像生成パラメータは、リサイズ量とコーナー丸め量の少なくとも1つであると好適である。
【0013】
また、対象の参照画像生成パラメータの範囲は、予め設定されたデフォルトの範囲よりも絞り込まれた範囲に設定されると好適である。
【0014】
また、パラメータ範囲設定部は、一致度が閾値未満の場合に、参照画像生成パラメータの予め設定されたデフォルトの範囲を設定し、
フィルタ関数生成部は、参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲内の複数の参照画像生成パラメータのうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための複数のフィルタ関数の候補を生成すると好適である。
【0015】
また、パターン条件のパラメータと撮像条件のパラメータとの少なくとも一方を用いて前記一致度を算出する一致度算出部をさらに備えると好適である。
【0016】
また、設定された参照画像生成パラメータの範囲内で生成された複数のフィルタ関数の候補を用いて、前記参照画像作成部により作成された複数の参照画像の候補毎の当該参照画像と光学画像との最大階調差を用いて、最大階調差が閾値以下となる参照画像の候補の有無を判定する判定部をさらに備え、
パラメータ範囲設定部は、複数の参照画像の候補のすべてにおいて、最大階調差が閾値を超える場合に、参照画像生成パラメータの予め設定されたデフォルトの範囲を再設定し、
フィルタ関数生成部は、再度、参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲内の複数の参照画像生成パラメータのうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための複数のフィルタ関数の候補を生成すると好適である。
【0017】
本発明の一態様のパターン検査方法は、
パターン形成された被検査試料の光学画像を取得する工程と、
過去の検査条件パラメータとの一致度に応じて、参照画像生成パラメータの範囲を設定する工程と、
設定された参照画像生成パラメータの範囲内の値を用いて、複数のフィルタ関数の候補を生成する工程と、
生成された前記複数の前記フィルタ関数の候補のうち、参照画像を作成するためのフィルタ関数を決定する工程と、
決定されたフィルタ関数を用いて、参照画像を作成する工程と、
光学画像と参照画像とを比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、参照画像生成パラメータは、リサイズ量とコーナー丸め量の少なくとも1つであると好適である。
【0019】
また、対象の参照画像生成パラメータの範囲は、予め設定されたデフォルトの範囲よりも絞り込まれた範囲に設定されると好適である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、今回の検査に適したフィルタ関数を得るまでの処理量を低減できる。引いては今回の検査に適したフィルタ関数を得るまでの処理時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。
図2】実施の形態1における検査領域を説明するための概念図である。
図3】実施の形態1におけるフィルタ関数演算回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1におけるパターン検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。
図5】実施の形態1における検査条件パラメータと各パラメータの比重(重み付け)との一例を示す図である。
図6】実施の形態1における一致度と範囲を絞る割合との関係の一例を示すである。
図7】実施の形態1における過去の検査における参照画像生成パラメータとフィルタ関数とスコアと順位との関係の一例を示す図である。
図8】実施の形態1における参照画像生成パラメータ範囲と設定された結果との一例を示す図である。
図9】実施の形態1におけるフィルタ関数生成工程の内部工程の一例を示す図である。
図10】実施の形態1におけるリサイズ前後の図形パターンの一例を示す図である。
図11】実施の形態1における丸め処理前後の図形パターンの一例を示す図である。
図12】実施の形態1におけるフィルタ関数と設計画像と測定画像の関係の一例を説明するための図である。
図13】実施の形態1におけるフィルタ関数の係数を演算する手法の一例を説明するための図である。
図14】実施の形態1における比較回路の内部構成の一例を示す図である。
図15】実施の形態1の変形例における参照画像生成パラメータ範囲と設定された結果との一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、試料、例えばマスクに形成されたパターンの欠陥を検査する検査装置100は、光学画像取得機構150、及び制御系回路160(制御部)を備えている。
【0023】
光学画像取得機構150は、光源103、照明光学系170、移動可能に配置されたXYθテーブル102、拡大光学系104、及び撮像センサ105(センサの一例)、センサ回路106、ストライプパターンメモリ123、及びレーザ測長システム122を有している。XYθテーブル102上には、試料101が配置されている。試料101として、例えば、ウェハにパターンを転写する露光用のフォトマスクが含まれる。また、このフォトマスクには、検査対象となる複数の図形パターンによって構成されたパターンが形成されている。試料101は、例えば、パターン形成面を下側に向けてXYθテーブル102に配置される。
【0024】
撮像センサ105として、ラインセンサ或いは2次元センサを用いる。例えば、TDI(時間遅延積分)センサを用いると好適である。TDIセンサは、2次元状に配列される複数のフォトセンサ素子を有する。各フォトセンサ素子は画像を撮像する際に、所定の画像蓄積時間が設定される。TDIセンサでは、スキャン方向に並ぶ複数のフォトセンサ素子の出力が積分されて出力される。スキャン方向に並ぶ複数のフォトセンサ素子は、XYθテーブル102の移動に応じて時間をずらしながら同じ画素を撮像することになる。ラインセンサを用いる場合には、スキャン方向と直交する方向に複数のフォトセンサ素子が並ぶように配置する。
【0025】
制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、フィルタ関数演算回路140、磁気ディスク装置109、メモリ115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、及びプリンタ119に接続されている。また、センサ回路106は、ストライプパターンメモリ123に接続され、ストライプパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。XYθテーブル102は、ステージの一例となる。
【0026】
なお、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、及びフィルタ関数演算回路140といった一連の「~回路」は、処理回路を有する。かかる処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。各回路は、同じ処理回路(1つの処理回路)を用いて構成される場合であっても良いし、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。例えば、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、及びフィルタ関数演算回路140といった一連の「~回路」は、制御計算機110によって構成され、実行されても良い。位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、及びフィルタ関数演算回路140に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度各回路内の図示しないメモリ若しくはメモリ115に記憶される。制御計算機110に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度制御計算機110内の図示しないメモリ若しくはメモリ115に記憶される。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置109、FD116、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。
【0027】
検査装置100では、光源103、XYθテーブル102、照明光学系170、拡大光学系104、撮像センサ105、及びセンサ回路106により高倍率の検査光学系が構成されている。また、XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、Xモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。XYθテーブル102は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、XYθテーブル102上に配置された試料101の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。
【0028】
被検査対象の試料101のパターン形成の基となる描画データ(設計データ)が検査装置100の外部から入力され、磁気ディスク装置109に格納される。描画データには、複数の図形パターンが定義され、各図形パターンは、通常、複数の要素図形の組合せにより構成される。なお、1つの図形で構成される図形パターンがあっても構わない。被検査基板101上には、かかる描画データに定義された各図形パターンに基づいて、それぞれ対応するパターンが形成されている。
【0029】
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
【0030】
図2は、実施の形態1における検査領域を説明するための概念図である。試料101の検査領域10(検査領域全体)は、図2に示すように、例えばY方向に向かって、撮像センサ105のスキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプ20に仮想的に分割される。そして、検査装置100では、検査ストライプ20毎に画像(ストライプ領域画像)を取得していく。検査ストライプ20の各々に対して、レーザ光(検査光)を用いて、当該ストライプ領域の長手方向(X方向)に向かって当該検査ストライプ20内に配置される図形パターンの画像を撮像する。なお、画像の取りこぼしを防ぐために、複数の検査ストライプ20は、隣接する検査ストライプ20同士間が所定のマージン幅でオーバーラップするように設定されると好適である。
【0031】
XYθテーブル102の移動によって撮像センサ105が相対的にX方向に連続移動しながら光学画像が取得される。撮像センサ105では、図2に示されるようなスキャン幅Wの光学画像を連続的に撮像する。実施の形態1では、1つの検査ストライプ20における光学画像を撮像した後、Y方向に次の検査ストライプ20の位置まで移動して今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの光学画像を連続的に撮像する。すなわち、往路と復路で逆方向に向かうフォワード(FWD)-バックフォワード(BWD)の方向で撮像を繰り返す。
【0032】
また、実際の検査にあたって、各検査ストライプ20のストライプ領域画像は、図2に示すように、矩形の複数のフレーム領域30の画像(フレーム画像31)に分割される。そして、フレーム領域30のフレーム画像31毎に検査を行っていく。例えば、512×512画素のサイズに分割される。よって、フレーム領域30のフレーム画像31と比較される参照画像も同様にフレーム領域30毎に作成されることになる。
【0033】
ここで、撮像の方向は、フォワード(FWD)-バックフォワード(BWD)の繰り返しに限るものではない。一方の方向から撮像してもよい。例えば、FWD-FWDの繰り返しでもよい。或いは、BWD-BWDの繰り返しでもよい。
【0034】
ここで、試料101から撮像される光学画像の画素データは、撮像に使用される光学系の解像特性等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の後述する設計画像とは異なっている。そのため、設計画像にフィルタ処理を施して、測定データに近づけた上で比較処理を実施する。実施の形態1では、試料101の検査処理の実施に先だって、まずかかるフィルタ処理を行うためのフィルタ関数を演算する。
【0035】
図3は、実施の形態1におけるフィルタ関数演算回路の内部構成の一例を示すブロック図である。図3において、フィルタ関数演算回路140内には、磁気ディスク等の記憶装置61,70,71,73,75、一致度算出部60、パラメータ範囲設定部62、フィルタ関数生成部64、フレーム画像作成部72、階調差算出部80、判定部82、決定部84、及び評価値算出部86が配置される。また、フィルタ関数生成部64内には、リサイズ処理部66、丸め処理部67、及びフィルタ係数算出部68が配置される。
【0036】
一致度算出部60、パラメータ範囲設定部62、フィルタ関数生成部64(リサイズ処理部66、丸め処理部67、及びフィルタ係数算出部68)、フレーム画像作成部72、階調差算出部80、判定部82、決定部84、及び評価値算出部86といった一連の「~部」は、処理回路を有する。かかる処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。一致度算出部60、パラメータ範囲設定部62、フィルタ関数生成部64(リサイズ処理部66、丸め処理部67、及びフィルタ係数算出部68)、フレーム画像作成部72、階調差算出部80、判定部82、決定部84、及び評価値算出部86に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度フィルタ関数演算回路140内の図示しないメモリ若しくはメモリ115に記憶される。
【0037】
図4は、実施の形態1におけるパターン検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図4において、実施の形態1におけるパターン検査方法は、一致度算出工程(S102)と、パラメータ範囲設定工程(S104)と、代表フレーム選択工程(S110)と、ストライプ画像取得工程(S114)と、代表フレーム画像作成工程(S116)と、代表設計画像作成工程(S118)と、フィルタ関数演算工程(S130)と、ストライプ画像取得工程(S202)と、フレーム画像作成工程(S204)と、設計画像作成工程(S212)と、参照画像作成工程(S214)と、比較工程(S230)と、いう一連の工程を実施する。
【0038】
一致度算出工程(S102)として、一致度算出部60は、当該検査の検査条件パラメータを入力し、過去に実施した検査条件パラメータとの一致度を算出する。
【0039】
図5は、実施の形態1における検査条件パラメータと各パラメータの比重(重み付け)との一例を示す図である。図5において、実施の形態1における検査条件パラメータとして、例えば、パターン条件のパラメータと撮像条件のパラメータとが挙げられる。パターン条件のパラメータとして、例えば、マスクのシリーズ名、マスクのレイヤ名、マスクのレイウアウト名、膜種、・・・が挙げられる。撮像条件のパラメータとして、例えば、ステージ速度、検査感度(S)、・・・・が挙げられる。
図5の例では、マスクのシリーズ名の比重が1、マスクのレイヤ名の比重が2、マスクのレイウアウト名の比重が5、膜種の比重が1、ステージ速度の比重が1、検査感度(閾値)の比重が2である場合を示している。比重(重み付け)の値は、経験値等に基づき設定すればよい。
【0040】
パターン条件のパラメータは、例えば、描画データの付加情報として定義される。或いは、試料101の検査領域10の外側に形成される図示しないID画像を撮像することにより得られるようにしても好適である。付加情報或いはID画像には、例えば、試料101となるマスクの識別番号、マスクのシリーズ名、マスクのレイヤ名、マスクのレイウアウト名、膜種、・・・が定義される。マスクのシリーズ名として、例えば、先端マスクを示す名称、或いはラフなパターンサイズのパターンが形成されたマスクの名称等、製造されるマスクの世代に応じた名称が用いられる。マスクのレイヤ名として、例えば、半導体装置の多層配線層のうちの階層の名称が用いられる。マスクのレイウアウト名として、例えば、半導体装置の回路を識別する名称が用いられる。膜種として、例えば、試料101となるマスクのパターン形成に用いられた膜の種類を示す名称が用いられる。
【0041】
一致度算出部60は、パターン条件のパラメータと撮像条件のパラメータとの少なくとも一方を用いて一致度を算出する。ここでは、両方を用いて算出する場合を説明する。過去に実施した検査の検査条件パラメータは、過去に検査した試料毎に、記憶装置61に蓄積されている。一致度は、検査条件パラメータの各パラメータの比重を用いて次の式(1)で定義される。
(1) 一致度=一致したパラメータの比重の和/全パラメータの比重の和
【0042】
なお、過去に検査した複数の試料のデータが記憶装置61に蓄積されている場合には、最も高い一致度が得らえた試料を過去に検査した試料として用いると好適である。或いは、最も高い一致度が得られた試料から一致度順に予め設定された数或いは割合の試料を対象としても構わない。
【0043】
パラメータ範囲設定工程(S104)として、パラメータ範囲設定部62は、参照画像生成に使用される参照画像生成パラメータを決定するため、過去の検査条件パラメータとの一致度に応じて、対象の前記参照画像生成パラメータの範囲を変更し、設定する。参照画像生成パラメータとして、リサイズ量とコーナー丸め量の少なくとも1つが挙げられる。対象の参照画像生成パラメータの範囲は、予め設定されたデフォルトの範囲から変更される。また、対象の参照画像生成パラメータの範囲は、予め設定されたデフォルトの範囲よりも絞り込まれた範囲に設定される。具体的には、パラメータ範囲設定部62は、当該検査の検査条件パラメータを入力し、過去に実施した検査条件パラメータとの一致度に応じて、リサイズ量とコーナー丸め量との少なくとも1つの参照画像生成パラメータの参照画像生成に使用する複数の値を、参照画像生成パラメータの予め設定されたデフォルトの範囲よりも狭い範囲内に変更し、設定する。
【0044】
図6は、実施の形態1における一致度と範囲を絞る割合との関係の一例を示すである。図6の例において、一致度が0(0%)以上、0.2(20%)未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の100%を用いる。一致度が0.2(20%)以上、0.4(40%)未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の80%を用いる。一致度が0.4(80%)以上、0.6(60%)未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の60%を用いる。一致度が0.6(80%)以上、0.8(80%)未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の40%を用いる。一致度が0.8(80%)以上、1(100%)未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の20%を用いる。なお、一致度が1(100%)の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の20%を用いても良いし、一致した過去の参照画像生成パラメータをそのまま使用しても良い。或いは、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の0~20%内の予め設定した割合を用いても良い。
【0045】
或いは、一致度に閾値Tthを予め設定しておき、パラメータ範囲設定部62は、算出された一致度が閾値Tth未満の場合に、参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲を設定しても良い。言い換えれば、一致度が閾値Tth未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の100%を用いるようにしても好適である。図6の例では、例えば、一致度が0.6未満の場合、デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲の100%を用いることを示す。
【0046】
デフォルトの参照画像生成パラメータ範囲のうち、使用される割合の中身は以下のように設定される。
【0047】
図7は、実施の形態1における過去の検査における参照画像生成パラメータとフィルタ関数とスコアと順位との関係の一例を示す図である。図7の例において、参照画像生成パラメータとして、リサイズ量と丸め量とが挙げられる。図7の例では、デフォルトのリサイズ量の範囲として、A1~Anの範囲が設定される場合を示している。また、デフォルトの丸め量の範囲として、B1~Bmの範囲が設定される場合を示している。かかる範囲は経験則等によって決めておけば良い。参照画像生成用のフィルタ関数を求める際、リサイズ量の範囲内の予め設定された間隔ずつの複数のリサイズ量A1,A2,A3,・・・,Anが用いられる。同様に、丸め量の範囲内の予め設定された間隔ずつの複数の丸め量B1,B2,B3,・・・,Bmが用いられる。
そして、複数のリサイズ量A1,A2,A3,・・・,Anと複数の丸め量B1,B2,B3,・・・,Bmとを1つずつ組み合わせたすべての組み合わせについてフィルタ関数a1,a2,a3,・・・を生成する。
その際、組み合わせ毎に、生成されたフィルタ関数の評価値をスコアの値として算出する。評価値として、例えば、生成されたフィルタ関数を用いて作成した参照画像と、対応する測定画像(光学画像)との画素毎の階調差の2乗和(差分2乗和)、或いはかかる差分2乗和の平方根を用いると好適である。或いは、評価値として、例えば、生成されたフィルタ関数を用いて作成した参照画像と、対応する測定画像(光学画像)との画素毎の階調差の最大階調差を用いると好適である。図7の例では、差分2乗和の平方根を用いる場合を示している。
そして、組み合わせ毎に、スコアが小さい順からの順位を記録する。
かかる参照画像生成パラメータとフィルタ関数とスコアと順位との関係リストを過去の検査毎に、作成し、被検査対象の試料と関連させて、記憶装置61に過去データとして蓄積しておく。
【0048】
過去の検査では、その都度、デフォルトの範囲内のこれらすべての組み合わせのフィルタ関数の中から最適なフィルタ関数を選択し、決定することが必要であった。このように、過去に検査した試料では、予め設定されたデフォルトの参照画像生成パラメータ範囲が使用される。そのため、多くの組み合わせのフィルタ関数の生成が必要となり、参照画像生成用のフィルタ関数生成のための演算に多くの処理と時間が必要であった。そこで、実施の形態1では、これらすべての組み合わせのフィルタ関数を生成するのではなく、参照画像生成パラメータの範囲、或いは使用する値の数を変更する、又は、絞り込む。具体的には、リサイズ量のデフォルトの範囲と丸め量のデフォルトの範囲の少なくとも1つについて使用するパラメータ値の範囲を変更する。具体的には、以下のように動作する。
【0049】
パラメータ範囲設定部62は、過去の検査のデータから、順位が上位の組み合わせ側から一致度に応じた割合の組み合わせを設定する。例えば、一致度が0.9であれば、上位20%の順位内に絞られた範囲内のリサイズと丸め量との組み合わせを抽出し、抽出されたリサイズと丸め量との組み合わせを設定する。
【0050】
図8は、実施の形態1における参照画像生成パラメータ範囲と設定された結果との一例を示す図である。図8の例では、縦軸に丸め量を示し、横軸にリサイズ量を示す。デフォルトのリサイズ量の範囲であるA1~Anの範囲には、n個のリサイズ量の値が存在する。デフォルトの丸め量の範囲であるB1~Bmの範囲には、m個の丸め量の値が存在する。デフォルトの範囲は、経験則に沿って設定すればよい。よって、リサイズ量と丸め量との組み合わせは、(m×n)個存在する。かかる(m×n)個の組み合わせのうち、実施の形態1では、スコアの小さい方から順に、一致度に応じたN%の組み合わせを抽出するので、フィルタ関数生成に使用するための組み合わせ数をデフォルトの範囲の組み合わせ数よりも絞り込むことができる。図8の例では、絞り込んだ複数の組み合わせの一例を示している。
【0051】
代表フレーム選択工程(S110)として、試料101の検査に当って、フィルタ関数を求めるために使用する代表フレームを選択する。各検査ストライプ20のストライプ領域は、図2に示すように、例えば、複数のフレーム領域30に分割され、フレーム領域30毎に検査を行っていく。言い換えれば、試料101の検査領域10は、複数のフレーム領域30に仮想分割され、フレーム領域30毎に検査を行っていく。ここでは、試料101の検査領域10の中から、フィルタ関数を生成するために使用するフレーム領域(代表フレーム32)を選択する。選択するフレーム領域(代表フレーム32)の位置は、ユーザによって予め任意に設定しておけば良い。そして、選択したフレーム領域の位置を制御計算機110に設定しておけばよい。或いは、所定の選択条件を設定しておき、制御計算機110がフレーム領域の位置を選択しても良い。
【0052】
ストライプ画像取得工程(S114)として、光学画像取得機構150は、試料101となるフォトマスクの代表フレーム32を含む検査ストライプ20の光学画像を取得する。具体的には、以下のように動作する。
【0053】
まず、代表フレーム32を含む検査ストライプ20が撮像可能な位置にXYθテーブル102を移動させる。試料101に形成されたパターンには、適切な光源103から、検査光となる紫外域以下の波長のレーザ光(例えば、DUV光)が照明光学系170を介して照射される。試料101を透過した光は拡大光学系104を介して、撮像センサ105(センサの一例)に光学像として結像し、入射する。
【0054】
撮像センサ105上に結像されたパターンの像は、撮像センサ105の各受光素子によって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログ・デジタル)変換される。そして、ストライプパターンメモリ123に、測定対象の検査ストライプ20の画素データが格納される。その後、ストライプ領域画像は、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上における試料101の位置を示すデータと共にフィルタ関数演算回路140に送られる。測定データ(画素データ)は例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調(光量)を表現している。フィルタ関数演算回路140内に出力されたストライプ領域画像は、記憶装置71に格納される。
【0055】
代表フレーム画像作成工程(S116)として、フレーム画像作成部72は、代表フレーム32のフレーム画像(代表フレーム画像)を作成する。具体的には、代表フレーム32を含む検査ストライプ20のストライプ領域画像(光学画像)の中から代表フレーム32のフレーム画像(代表フレーム画像)を切り出すように、x方向に所定のサイズでストライプ領域画像を分割する。例えば、512×512画素のフレーム画像に分割する。分割された代表フレーム画像のデータは記憶装置73に出力され、格納される。
【0056】
代表設計画像作成工程(S118)として、展開回路111(設計画像作成部の一例)は、被検査試料101のパターン形成の基となる設計パターンデータに基づいて画像展開して設計画像(代表設計画像)を作成する。具体的には、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して設計データを読み出し、読み出された設計データに定義された代表フレーム32の領域の各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換(画像展開)して設計画像(代表設計画像)を作成する。
【0057】
ここで、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、及び辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データ(ベクトルデータ)が格納されている。
【0058】
かかる図形データとなる設計パターンの情報が展開回路111に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計画像データを展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、画素毎に8ビットの占有率データの設計画像を作成する。設計画像のデータはフィルタ関数演算回路140に出力され、記憶装置70に格納される。
【0059】
フィルタ関数演算工程(S130)として、フィルタ関数演算回路140は、参照画像を作成するためのフィルタ関数を演算する。具体的には、以下のように動作する。
【0060】
図9は、実施の形態1におけるフィルタ関数生成工程の内部工程の一例を示す図である。図9において、フィルタ関数演算工程(S130)は、その内部工程として、フィルタ関数生成工程(S131)と、階調差算出工程(S138)と、判定工程(S140)と、デフォルト設定工程(S142)と、評価値算出工程(S144)と、フィルタ関数決定工程(S146)いう一連の工程を実施する。仮フィルタ関数生成工程(S131)は、その内部工程として、リサイズ工程(S132)と、丸め処理工程(S134)と、フィルタ係数算出工程(S136)と、を実施する。
【0061】
フィルタ関数生成工程(S131)として、フィルタ関数生成部64は、設定された参照画像生成パラメータの範囲内の値を用いて、参照画像を作成するためのフィルタ関数を生成する。具体的には、フィルタ関数生成部64は、変更設定された、又は、絞り込まれた参照画像生成パラメータの範囲内の複数の値のうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための複数のフィルタ関数の候補を生成する。具体的には、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎に、フィルタ関数の候補を生成する。以下、さらに具体的に説明する。
【0062】
まず、リサイズ工程(S132)として、リサイズ処理部66は、変更設定された、又は、絞り込まれた参照画像生成パラメータの範囲内の複数の値のうちそれぞれ1つを用いて、代表フレーム32の設計画像内の図形パターンをリサイズする。具体的には、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎に、代表フレーム32の設計画像内の図形パターンをリサイズする。
【0063】
図10は、実施の形態1におけるリサイズ前後の図形パターンの一例を示す図である。図10の例では、設計画像内の図形パターン12の幅サイズをリサイズ量A’でリサイズした図形パターン14を示している。リサイズ量のデフォルトの範囲が例えば-5画素から+5画素の範囲であった場合に、例えば、-1画素から+2画素の範囲の0.5画素ずつの7個の値(-1画素,-0.5画素,0,+0.5画素,+1画素,+1.5画素,+2画素)に変更し、設定された、又は、絞り込まれたとする。負の値は幅サイズが小さくなる方向にリサイズすることを示す。正の値は幅サイズが大きくなる方向にリサイズすることを示す。また、例えば0.5画素とは、画素サイズの1/2のサイズのリサイズ量であることを示す。図10の例では、図形パターン12の幅サイズを小さくする方向にリサイズする場合を示している。図10の例では、x方向の幅サイズをリサイズする例が示されているが、x方向の幅サイズの代わりにy方向の幅サイズをリサイズする場合であっても良い。或いはx方向の幅サイズとy方向の幅サイズの両方をリサイズする場合であっても良い。
【0064】
次に、丸め処理工程(S134)として、丸め処理部67は、変更設定された、又は、絞り込まれた参照画像生成パラメータの範囲内の複数の値のうちそれぞれ1つを用いて、代表フレーム32の設計画像内の図形パターンのコーナー部を丸め処理する。具体的には、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎に、代表フレーム32の設計画像内の図形パターンのコーナー部を丸め処理する。丸め処理はリサイズ後の図形パターンに実施すると良い。
【0065】
図11は、実施の形態1における丸め処理前後の図形パターンの一例を示す図である。図11の例では、リサイズされた図形パターン14の角部(コーナー部)を丸め量B′で丸めた図形パターン16を示している。丸め量のデフォルトの範囲が例えば0から+2画素の範囲であった場合に、例えば、0.2画素から1画素の範囲の0.2画素ずつの5個の値(0.2画素,0.4画素,0.6画素,0.8画素,1画素)に変更された、又は、絞り込まれたとする。また、例えば0.2画素とは、画素サイズの1/5のサイズの丸め量であることを示す。丸め量は曲率半径を示す。図11の例では、左上角を示しているが、その他の角も同様に丸め処理される。
【0066】
フィルタ係数算出工程(S136)として、フィルタ係数算出部68は、変更設定された、又は、絞り込まれた参照画像生成パラメータの範囲内の複数の値のうちそれぞれ1つを用いて、リサイズ及び/或いは丸め処理が行われた設計画像を用いて、フィルタ関数の係数を算出する。具体的には、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎に、リサイズ及び/或いは丸め処理が行われた設計画像を用いて、フィルタ関数の係数を算出する。
【0067】
図12は、実施の形態1におけるフィルタ関数と設計画像と測定画像の関係の一例を説明するための図である。
図13は、実施の形態1におけるフィルタ関数の係数を演算する手法の一例を説明するための図である。例えば、図12に示すように、フレーム領域の画素数よりも少ないk×k個の要素で構成される未知の係数行列a(i,j)(フィルタ関数の一例)を以下の手法で求める。例えば、512×512画素で構成されるフレーム領域の画像に対して、15×15の係数行列a(i,j)を求める。リサイズ及び/或いは丸め処理が行われた代表設計画像の注目画素d(i,i)を中心にして、k×k画素の画素と係数行列a(i,j)との積の和を画素数N(=k×k)で割った値が注目画素d(i,i)に対応する代表フレーム画像の注目画素r(i,i)により近づく係数行列a(i,j)を求める。かかる関係式(2)を以下に示す。
【0068】
【数1】
【0069】
図13に示すように、注目画素を代表フレーム32内で移動させながら、その都度、関係式(2)を演算する。そして、代表フレーム32内のすべての画素についてそれぞれ得られた、未知の係数行列a(i,j)を用いて定義された関係式(2)を最も満足させる係数行列a(i,j)を求める。係数行列a(i,j)の要素数k×kは、適宜設定すればよい。少ないと精度が劣化し、多すぎると演算時間が長くなる。また、注目画素が代表フレーム32内を移動する際、端部に近いと端部側の周囲の画素が必要分存在しない場合もあるが、かかる場合には値が得られる周囲画素及び画素数Nで演算すればよい。
【0070】
以上により、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎のフィルタ関数の係数行列a(i,j)が得られる。これらの複数の係数行列a(i,j)は、参照画像を作成するためのフィルタ関数の候補である。これらの複数の係数行列a(i,j)の中から真のフィルタ関数を選択する必要がある。
【0071】
なお、一致度が閾値Tth未満の場合に、パラメータ範囲設定部62は、参照画像生成パラメータの予め設定されたデフォルトの範囲を設定する場合がある。かかる場合、フィルタ関数生成部64は、参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲内の複数の参照画像生成パラメータのうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための複数のフィルタ関数の候補を生成する。このように一致度が低い場合には、参照画像生成パラメータの使用範囲は絞りこまれないようにできる。
【0072】
階調差算出工程(S138)として、まず、参照回路112は、変更設定された、又は、絞り込まれた参照画像生成パラメータの範囲内で生成された複数のフィルタ関数の候補を用いて複数の参照画像の候補を作成する。具体的には、以下のように動作する。参照回路112は、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎に、当該組み合わせ用のフィルタ関数の候補を用いて、代表フレーム画像に対応する参照画像の候補を作成する。参照回路112は、まず、代表フレーム領域32の設計画像内のパターンに対して、当該組み合わせのリサイズと丸め処理を実施した上で、設計画像の画素毎に、当該画素d(i,i)を中心にして、k×k画素の画素と当該組み合わせ用のフィルタ関数となる係数行列a(i,j)との積の和を画素数N(=k×k)で割った参照画像データを作成する。得られた参照画像データは、フィルタ関数演算回路140に送られ、記憶装置75に格納される。
【0073】
次に、階調差算出部80は、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせの組み合わせ毎に、参照画像の画素値から測定画像の画素値を差し引いた階調差Δを算出する。かかる階調差は画像内の画素毎に算出される。
【0074】
判定工程(S140)として、判定部82は、複数の参照画像の候補の参照画像毎の当該参照画像と代表フレーム画像(光学画像)との最大階調差Δmaxを用いて、最大階調差Δmaxが閾値ΔTh以下となる参照画像の候補の有無を判定する。最大階調差Δmaxは、当該画像内のすべての画素で得られた複数の階調差Δのうちの最大値を示す。
【0075】
複数の参照画像の候補の中に最大階調差Δmaxが閾値ΔTh以下となる参照画像の候補が無い場合には、デフォルト設定工程(S142)に進む。最大階調差Δmaxが閾値ΔTh以下となる参照画像の候補が有る場合には、評価値算出工程(S144)に進む。
【0076】
デフォルト設定工程(S142)として、パラメータ範囲設定部62は、複数の参照画像の候補のすべてにおいて、最大階調差Δmaxが閾値ΔThを超える場合に、参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲を再設定する。言い換えれば、リサイズ量と丸め量の絞り込まれた複数の組み合わせでは、範囲が狭すぎたため、デフォルトの範囲に戻す設定を行う。そして、フィルタ関数生成工程(S131)に戻り、フィルタ関数生成部64は、再度、参照画像生成パラメータのデフォルトの範囲内の複数の参照画像生成パラメータのうちそれぞれ1つを用いて参照画像を作成するための複数のフィルタ関数の候補を生成する。そして、階調差算出工程(S138)と判定工程(S140)とを実施する。
【0077】
評価値算出工程(S144)として、評価値算出部86は、最大階調差Δmaxが閾値ΔTh以下となる参照画像の候補を作成したフィルタ関数の評価値を算出する。評価値として、既に計算済の階調差Δを用いて、例えば、画像内の階調差の2乗和(差分2乗和)、或いは差分2乗和の平方根を用いると好適である。評価値として、最大階調差を用いる場合には、既に計算済なので、当該工程は省略する。算出された評価値は、上述したスコアの値として、参照画像生成パラメータと、フィルタ関数と共に、記録される。将来の試料の検査の際に過去データの1つとして使用されることになる。
【0078】
フィルタ関数決定工程(S146)として、決定部84は、生成された複数のフィルタ関数の候補のうち参照画像を作成するための真のフィルタ関数を決定する。例えば、最大階調差Δmaxが閾値ΔTh以下となる参照画像の候補が1つであれば、当該参照画像作成に使用したフィルタ関数を真のフィルタ関数として決定する。例えば、最大階調差Δmaxが閾値ΔTh以下となる参照画像の候補が2以上存在する場合には、評価値算出工程(S144)で得られた評価値(例えば差分2乗和の平方根)が小さい方(スコア順位が高くなる方)の参照画像作成に使用したフィルタ関数を真のフィルタ関数として決定すると好適である。
【0079】
以上のように、一致度に応じて参照画像生成パラメータの範囲を変更設定する、又は、絞り込むことによって、フィルタ関数生成に生じる処理量を低減し、時間を短縮できる。決定されたフィルタ関数(係数行列)は、参照回路に設定される。同様に、その際のリサイズ量及び丸め量が参照回路に設定される。そして、試料101全体の検査処理を開始する。
【0080】
図14は、実施の形態1における比較回路の内部構成の一例を示す図である。図14において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置50,52,56、フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58が配置されている。フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58といった一連の「~部」は、処理回路を有する。かかる処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度比較回路108内の図示しないメモリ若しくはメモリ115に記憶される。
【0081】
ストライプ画像取得工程(S202)(スキャン工程、或いは光学画像取得工程ともいう。)として、光学画像取得機構150は、試料101となるフォトマスクの光学画像を取得する。ストライプ画像の取得方法は、上述した内容と同様である。但し、ここでは、図2に示すように順にストライプ画像を取得していく。そして、検査ストライプ20毎にストライプパターンメモリ123に画素データが格納される。その後、ストライプ領域画像は、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータと共に比較回路108に送られる。測定データ(画素データ)は例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調(光量)を表現している。比較回路108内に出力されたストライプ領域画像は、記憶装置50に格納される。
【0082】
フレーム画像作成工程(S204)として、比較回路108内では、フレーム画像作成部54が、所定の幅でストライプ領域画像(光学画像)が分割された複数のフレーム画像31を生成する。具体的には、図2に示すように、ストライプ領域画像は、矩形の複数のフレーム領域30のフレーム画像に分割される。例えば、512×512画素のサイズに分割される。各フレーム領域30のデータは、記憶装置56に格納される。
【0083】
設計画像作成工程(S212)として、展開回路111(設計画像作成部)は、被検査試料101のパターン形成の基となる設計パターンデータに基づいて画像展開して設計画像を作成する。具体的には、展開回路111は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して設計データを読み出し、読み出された設計データに定義された各フレーム領域30の各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。そして、画素毎に8ビットの占有率データの設計画像を作成する。設計画像のデータ(イメージデータ)は参照回路112に出力される。
【0084】
参照画像作成工程(S214)として、参照回路112(参照画像作成部)は、決定された真のフィルタ関数を用いて、光学画像と比較するための参照画像を作成する。具体的には、参照回路112は、設定されたリサイズ量及び丸め量によって設計画像をリサイズ及び丸め処理した上で、設定された係数行列a(i,j)(フィルタ関数の一例)を用いてフィルタ処理して参照画像を作成する。作成された参照画像は比較回路108に出力され、比較回路108内に出力された参照画像は、記憶装置52に格納される。以上により、検査のために比較される他方の画像(参照画像)データが生成される。
【0085】
なお、代表フレームの代表設計画像を用いて演算された係数行列a(i,j)(フィルタ関数の一例)は、検査領域10内のフレーム領域30が互いに異なるすべての設計画像(複数の設計画像)のフィルタ処理に用いられる。言い換えれば、複数の設計画像は、演算された同じフィルタ関数を用いてそれぞれフィルタ処理される。
【0086】
比較工程(S230)と、比較回路108(比較部の一例)は、撮像された光学画素と参照画像とを比較し、結果を出力する。具体的には、以下のように動作する。まず、位置合わせ部57は、比較対象となるフレーム画像(光学画像)を記憶装置56から読み出し、同様に比較対象となる参照画像を記憶装置52から読み出す。そして、所定のアルゴリズムで位置合わせを行う。例えば、最小2乗法を用いて位置合わせを行う。そして、比較部58は、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。判定条件としては、例えば、所定のアルゴリズムに従って画素毎に両者を比較し、欠陥の有無を判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、例えば、磁気ディスク装置109、フレキシブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118に出力される、或いはプリンタ119から出力されればよい。
【0087】
図15は、実施の形態1の変形例における参照画像生成パラメータ範囲と設定された結果との一例を示す図である。図15の例では、縦軸に丸め量を示し、横軸にリサイズ量を示す。図8の例では、スコアの小さい方から順に、一致度に応じたN%に変更設定された、又は、絞り込んだ複数の組み合わせをそのまま使用する場合を示したが、これに限るものではない。図15に示すように、N%に変更設定された、又は、絞り込んだ複数の組み合わせの外接矩形を設定し、かかる外接矩形内の組み合わせを変更設定された、又は、絞り込まれたパラメータの組み合わせとして設定しても好適である。図15の例では、リサイズ量の範囲として、Ai~Asとし、Ai~As内の所定の間隔のすべてのリサイズ量を使用する。また、丸め量の範囲として、Bj~Btとし、Bj~Bt内の所定の間隔のすべての丸め量を使用する。
【0088】
以上のように、実施の形態1によれば、今回の検査に適したフィルタ関数を得るまでの処理量を低減できる。引いては今回の検査に適したフィルタ関数を得るまでの処理時間を短縮できる。
【0089】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、実施の形態では、照明光学系170として、透過光を用いた透過照明光学系を示したが、これに限るものではない。例えば、反射光を用いた反射照明光学系であってもよい。或いは、透過照明光学系と反射照明光学系とを組み合わせて、透過光と反射光を同時に用いてもよい。
【0090】
また、上述したフィルタ関数及びフィルタ関数の係数は一例であって、これに限るものではない。その他のフィルタ関数及びフィルタ関数の係数を用いる場合であっても良い。
【0091】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、検査装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
【0092】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのパターン検査装置、及びパターン検査方法は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0093】
10 検査領域
20 検査ストライプ
30 フレーム領域
31 フレーム画像
32 代表フレーム
54 フレーム画像作成部
57 位置合わせ部
58 比較部
60 一致度算出部
61,70,71,73,75 記憶装置
62 パラメータ範囲設定部
64 フィルタ関数生成部
66 リサイズ処理部
67 丸め処理部
68 フィルタ係数算出部
72 フレーム画像作成部
80 階調差算出部
82 判定部
84 決定部
86 評価値算出部
100 検査装置
101 試料
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトダイオードアレイ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111 展開回路
112 参照回路
113 オートローダ制御回路
114 テーブル制御回路
115 メモリ
116 FD
117 CRT
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 ストライプパターンメモリ
140 係数演算回路
150 光学画像取得部
160 制御系回路
170 照明光学系
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