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特開2024-176906マイクロ波発熱フィルム、マイクロ波発熱包装体及びマイクロ波発熱フィルムの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176906
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】マイクロ波発熱フィルム、マイクロ波発熱包装体及びマイクロ波発熱フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B65D81/34 U
B65D81/34 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095770
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】林 岐
(72)【発明者】
【氏名】小出 祥太
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013BA05
3E013BA11
3E013BB06
3E013BB09
3E013BC01
3E013BC04
3E013BC12
3E013BC13
3E013BC14
3E013BD11
3E013BE01
3E013BF02
3E013BF33
3E013BF42
3E013BG20
(57)【要約】
【課題】低出力のマイクロ波の照射で高い蒸通性を発揮するとともに、蒸通孔の形成される場所を制御できるマイクロ波発熱フィルムを提供する。
【解決手段】本発明に係るマイクロ波発熱フィルムは、少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域と、1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域とを有し、前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面抵抗率が5Ω/□~10,000Ω/□である。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域と、
1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域とを有し、
前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、
前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面抵抗率が5Ω/□~10,000Ω/□
であるマイクロ波発熱フィルム。
【請求項2】
前記第2のマイクロ波発熱領域が、平面視において、円形、楕円形、多角形又は波形の形状を有する請求項1に記載のマイクロ波発熱フィルム。
【請求項3】
前記第1のマイクロ波発熱領域と前記第2のマイクロ波発熱領域との間の最も短い距離が、最大で100mm以下である請求項1に記載のマイクロ波発熱フィルム。
【請求項4】
複数の前記第2のマイクロ波発熱領域を有し、複数の前記第2のマイクロ波発熱領域は、前記第1のマイクロ波発熱領域の長手方向に沿って位置する請求項1に記載のマイクロ波発熱フィルム。
【請求項5】
複数の前記第2のマイクロ波発熱領域を有し、複数の前記第2のマイクロ波発熱領域は、前記第1のマイクロ波発熱領域の平面視で左右に位置する請求項1に記載のマイクロ波発熱フィルム。
【請求項6】
請求項1に記載のマイクロ波発熱フィルムを有するマイクロ波発熱包装体。
【請求項7】
矩形状の形状を有する基材の少なくとも一方に、少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域を形成する工程と、
前記第1のマイクロ波発熱領域の近傍に、1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域を形成する工程とを含み、
前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、
前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面低効率が5Ω/□~10,000Ω/□
であるマイクロ波発熱フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波発熱フィルム、マイクロ波発熱包装体及びマイクロ波発熱フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食材を収容する包装体は、内部に食材が密封されたまま電子レンジで加熱調理されることがある。そのため、包装体に、マイクロ波によって発熱するマイクロ波発熱材料を含むマイクロ波発熱組成物を用いることで、マイクロ波で加熱された食材からの蒸気を包装体から逃がし、包装体に蒸通性を発揮させる。
前記包装体から蒸気を逃がす手段としては、ヒートシール部、又は包装体上部に開孔を設ける等が挙げられる。
【0003】
前記中央部の開孔に関しては、容器を被覆したフィルム状のマイクロ波発熱包装体に、マイクロ波によって発熱する塗布層を、短い直線状に設けることで、マイクロ波の照射により塗布層が発熱し、蒸気抜け開口部が形成されるマイクロ波発熱包装体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマイクロ波発熱フィルムでは、形成されるマイクロ波発熱層の面積が狭いため、蒸通させるためには高出力でのマイクロ波の照射が必要になり、蒸通性が低いという問題があった。
一方、蒸通性を確保するために、ベタ塗によって広い面積にマイクロ波発熱層を形成すると、蒸通孔がまだらに開いてしまい、見た目が悪くフィルムの破片が食品中に落ちるという問題があった。
本発明の一態様は、低出力のマイクロ波の照射で高い蒸通性を発揮するとともに、蒸通孔の形成される場所を制御できる、マイクロ波発熱フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、
少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域と、
1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域とを有し、
前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、
前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面抵抗率が5Ω/□以上10,000Ω/□以下
である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様は、低出力のマイクロ波の照射で高い蒸通性を発揮するとともに、蒸通孔の形成される場所を制御できる、マイクロ波発熱フィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムの一例を示す断面の概略図である。
図2】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムの他の一例を示す断面の概略図である。
図3】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムの他の一例を示す断面の概略図である。
図4】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムの他の一例を示す断面の概略図である。
図5】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムの他の一例を示す断面の概略図である。
図6】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の一例を示す平面視の概略図である。
図7】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図8】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図9】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図10】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図11】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図12】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図13】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図14】一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の他の一例を示す平面視の概略図である。
図15】一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体の一例を占める斜視図である。
図16】比較例1に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状を示す平面視の概略図である。
図17】比較例2に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状を示す平面視の概略図である。
図18】比較例5に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状を示す平面視の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において「蒸通する」とは、蒸気抜け孔(本明細書においては、「蒸通孔」と称することがある)が形成されることを意味する。
【0009】
<マイクロ波発熱フィルム>
本発明の一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムについて説明する。
マイクロ波発熱フィルムは、基材と、少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域と、1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域とを有し、必要に応じて、更にシーラント、接着層、印刷インキ層、アンカーコート層、オーバーコート層、その他の層等を有してもよい。
【0010】
一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムの一例を図1図5に示す。
【0011】
図1に示すように、マイクロ波発熱フィルム100は、基材11、第1のマイクロ波発熱領域及び第2のマイクロ波発熱領域を有するマイクロ波発熱層1を、基材11及びマイクロ波発熱層1の順に積層して備える。
【0012】
図2に示すように、マイクロ波発熱フィルム101は、シール性を有する基材12、マイクロ波発熱層1を、シール性を有する基材12及びマイクロ波発熱層1の順に積層して備える。
【0013】
図3に示すように、マイクロ波発熱フィルム102は、基材11、マイクロ波発熱層1及びシーラント13を、シーラント13、基材11及びマイクロ波発熱層1の順に積層して備える。マイクロ波発熱フィルム102は、基材11の一方の主面の一部にマイクロ波発熱層1を設け、基材11の他方の主面の全面にシーラント13を設けてよい。なお、マイクロ波発熱層1は、基材11の一方の主面の全面に設けられてよいし、シーラント13は、基材11の他方の主面の一部に設けられてよい。
【0014】
図4に示すように、マイクロ波発熱フィルム103は、図1に示すマイクロ波発熱フィルム102において、基材11とマイクロ波発熱層1の積層順を逆にしてよい。即ち、マイクロ波発熱フィルム103は、基材11、マイクロ波発熱層1及びシーラント13を、シーラント13、マイクロ波発熱層1及び基材11の順に積層して備えてよい。
【0015】
図5に示すように、マイクロ波発熱フィルム104は、図1に示すマイクロ波発熱フィルム102において、マイクロ波発熱層1をシーラント13の基材11側とは反対側に設けてよい。即ち、マイクロ波発熱フィルム104は、基材11、マイクロ波発熱層1及びシーラント13を、マイクロ波発熱層1、シーラント13及び基材11の順に積層して備えてよい。
【0016】
[第1のマイクロ波発熱領域及び第2のマイクロ波発熱領域]
第1のマイクロ波発熱領域及び第2のマイクロ波発熱領域は、マイクロ波発熱組成物を用いて形成された層(以下、「マイクロ波発熱層」と称することがある)である。
本発明の一態様は、少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域と、1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域とを有し、前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面抵抗率が5Ω/□以上10,000Ω/□以下であるマイクロ波発熱フィルムである。
また、第2のマイクロ波発熱領域は、第1のマイクロ波発熱領域の近傍に位置する。第2のマイクロ波発熱領域が第1のマイクロ波発熱領域の近傍に位置することによって、マイクロ波によって発熱した第1のマイクロ波発熱領域の放熱が抑制され、優先的に標的領域の温度が上昇する。すなわち、本発明において「近傍」とは、第2のマイクロ波発熱領域によって、第1のマイクロ波発熱領域の放熱が抑制される程度の距離を意味する。
【0017】
図6図14は、一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムにおけるマイクロ波発熱層の形状の一例を示す平面視の概略図である。
【0018】
図6に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(8個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。標的領域5は、蒸通孔を形成したい領域である。
図6に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図6に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
第1の面積とは、第1のマイクロ波発熱領域2が複数ある場合は、1つの第1のマイクロ波発熱領域の面積を意味する。
第2の面積とは、第2のマイクロ波発熱領域3が複数ある場合は、1つの第2のマイクロ波発熱領域の面積を意味する。
【0019】
図7に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右及び上下の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(10個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図7に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図7に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0020】
図8に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(10個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図8に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は円形である。
図8に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0021】
図9に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右のいずれかで所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(4個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図9に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図9に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0022】
図10に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する複数(2個)の第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(8個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図10に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図10に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0023】
図11に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(8個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図11に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は、左右にそれぞれ3箇所の凹部を有する矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図11に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0024】
図12に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(8個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図12に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は、楕円形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図12に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0025】
図13に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する1つの第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(12個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図13に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は、矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は多角形(三角形)である。
図13に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0026】
図14に示す実施形態では、マイクロ波発熱層1は、第1の面積を有する複数(2個)の第1のマイクロ波発熱領域2と、第1のマイクロ波発熱領域2に対して平面視で左右の所定の距離離れた位置に第2の面積を有する複数(12個)の第2のマイクロ波発熱領域3を有する。前記第1の面積は、平面視で前記第2の面積よりも大きい。マイクロ波発熱層1は、第1のマイクロ波発熱領域2と、第2のマイクロ波発熱領域3とを有することで、第1のマイクロ波発熱領域2上における第2のマイクロ波発熱領域近傍である標的領域5において蒸通孔を形成することができる。
図14に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域の形状は、矩形であり、第2のマイクロ波発熱領域の形状は矩形である。
図14に示す実施形態では、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離は、4となる。
【0027】
第1のマイクロ波発熱領域の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図6~9および図11~13に示すように1つでもよいし、図10および図14に示すように2つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0028】
第2のマイクロ波発熱領域の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1つでもよいし、図6図14に示すように2つ以上でもよい。
【0029】
第1のマイクロ波発熱領域2及び第2のマイクロ波発熱領域3の形状としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図6図14に示すような円形、楕円形、多角形、波形等の形状が挙げられる。
【0030】
前記第1のマイクロ波発熱領域2及び前記第2のマイクロ波発熱領域3は、それぞれ、表面抵抗率が5Ω/□以上10,000Ω/□以下であり、5Ω/□以上5,000Ω/□以下であることが好ましく、5Ω/□以上2,500Ω/□以下であることがより好ましい。表面抵抗率が5Ω/□以上10,000Ω/□以下であるとマイクロ波の吸収を吸収しマイクロ波発熱領域が発熱する。表面抵抗率が5Ω/□未満になると、マイクロ波の反射効果が大きいためマイクロ波を吸収できず発熱しない。また、10,000Ω/□超であると、吸収できるマイクロ波の量が少ないことから発熱しない。
第1のマイクロ波発熱領域の表面抵抗率と、第2のマイクロ波発熱領域の表面抵抗率とは同じ値であることが好ましい。これにより、同じマイクロ波発熱インクを用いることができるため、製造工程が簡易になる。
【0031】
表面抵抗率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2端子抵抗測定器(テスター)、4端子抵抗測定器などを用いて測定することができる。
【0032】
第1のマイクロ波発熱領域2と第2のマイクロ波発熱領域3との間の最も短い距離4は、最大で100mm以下であることが好ましい。
【0033】
第1のマイクロ波発熱領域2及び前記第2のマイクロ波発熱領域3の膜厚は、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.05μm以上10μm以下であることがより好ましい。これにより、マイクロ波発熱層を有する塗工物の耐ブロッキング性が高くなる。
【0034】
第1のマイクロ波発熱領域2の長手方向の長さは、前記第2のマイクロ波発熱領域3の長手方向の長さの2倍以上であることが好ましい。
【0035】
マイクロ波発熱層が、複数の第2のマイクロ波発熱領域を有する場合は、複数の第2のマイクロ波発熱領域は、第1のマイクロ波発熱領域の長手方向に沿って位置することが好ましい。
また、複数の第2のマイクロ波発熱領域は、第1のマイクロ波発熱領域の平面視で左右に位置することが好ましい。
【0036】
マイクロ波発熱層は、基材の少なくとも一方の主面にマイクロ波発熱組成物を塗布等することで形成できる。塗布方法は、特に限定されず、一般的な塗布方法を用いてよい。
【0037】
[[マイクロ波発熱組成物]]
マイクロ波発熱組成物は、導電性材料を含み、更に必要に応じて、その他の成分を含む。
【0038】
(導電性材料)
導電性材料は、カーボンブラックや黒鉛等の無機材料、銀、アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄等の金属、合金又は金属酸化物、チオフェン系やアニリン系、ピロール系等の有機材料系などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、有機材料系が好ましく、チオフェン系がより好ましい。
【0039】
(その他の成分)
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドーパント、溶媒、色材、溶剤、ワックス、顔料分散剤、その他の樹脂、架橋剤などが挙げられる。
【0040】
[基材]
基材としては、紙、プラスチックフィルム又はシート及びそれらにシール性を付与した積層体から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。プラスチックフィルム又はシートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン-ビニルアルコール、ポリビニルアルコール等のアルコール系フィルム、ポリアミドフィルム又はバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、PETフィルム又はポリアミドフィルムにアルミナやシリカ等の蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルム又は透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、易接着樹脂等をコートした各種コーティングフィルム等が挙げられる。これらは、延伸、未延伸のどちらでもよく、一種類又は二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性等を考慮して、適切なものが選択できる。
【0041】
また、基材の塗布面には、マイクロ波発熱組成物の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理等を施すか、予め施されたものが選択できる。
【0042】
さらに、基材は、熱可塑性樹脂等をドライラミネート、ノンソルベントラミネートや押出ラミネート等による方法、接着剤等を介して貼り合せる方法等により積層したものであってもよいし、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。一軸延伸フィルムや易カット性フィルム、ストレッチフィルム、シュリンクフィルムであってもよい。
【0043】
また、基材は、シール性を付与した積層体を使用してよい。シール性を付与する方法としては、公知のシーラントフィルム又はシートの貼り合わせ、押出ラミネート加工による樹脂コーティング等が挙げられ、これらの方法によってシール性が付与された層をシーラントともいう。
【0044】
また、基材には、予め傷つけ加工をしていてもよい。
【0045】
基材の厚さは、印刷適性、巻き取り適性等に支障のない範囲内であれば、特に制限はないが、5μm~300μmであることが好ましく、6μm~250μmであることがより好ましい。
【0046】
[シーラント]
シーラントは、シール性を有する樹脂を含む層であることが好ましく、使用できる樹脂としては、LDPE、LLDPE、HDPE、メタロセンポリエチレン等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンをマレイン酸やフマル酸等で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は一種類又は二種類以上を使用してもよい。
【0047】
これらの樹脂を含むフィルム又は複数のフィルムを積層した積層体等をドライラミネート法、ウェットラミネート法、ノンソルベントラミネート法又は熱ラミネート法等によるラミネート、押出ラミネート加工による樹脂コーティング、ヒートシール剤による塗工、又はホットメルト接着剤等を介する貼り合せ等によって形成してよい。また、これらの樹脂を含むフィルム又は積層体等は、必ずしも全面に形成する必要はなく、シールする部分だけであってもよい。
【0048】
フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
【0049】
押出ラミネート加工による樹脂コーティング、又はホットメルト接着剤に使用できる樹脂としては、LDPE、LLDPE、HDPE等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンをマレイン酸やフマル酸等で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、一種類又は二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0050】
シーラントの厚みは、特に限定されないが、シール性、コスト、生産性の観点から、フィルムでは2μm~200μm、押出ラミネート加工による樹脂コーティングでは1μm~100μm、ヒートシール剤の塗工では0.1μm~10μm、ホットメルト接着剤の塗工では1μm~50μmが好ましい。
【0051】
[接着層]
接着層は、例えば、基材と別の基材の間、又は基材とシーラントの間に設けることができる。接着層は、接着性や粘着性を有する接着剤や粘着剤(ワックス、ホットメルトも含む)により、2層を貼り合わせるために形成される層である。
【0052】
接着層を形成する樹脂としては、上述のシーラントの形成に用いるシール性を有する樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、イソシアネート樹脂、キレート等が挙げられる。また、接着層を形成する樹脂としては、市販の接着剤を用いることができる。さらに、主剤と硬化剤が混合した一液型、又は主剤と硬化剤が別の二液型の接着剤であってもよい。接着層を形成する樹脂が、二液型の接着剤である場合、適宜主剤と硬化剤の混合割合を調整し、混合して使用する。
【0053】
[印刷インキ層]
印刷インキ層は、通常の印刷インキが使用でき、基材に応じて、適宜選択できる。印刷インキは、印刷適性や汎用性の観点から、ウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、硝化綿、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等のグラビアインキであることが好ましい。これらの樹脂は、一種類又は二種類以上組み合わせたグラビアインキであってもよい。また、2色以上のグラビアインキを使用する場合は、同じ樹脂系のインキである必要はなく、別の樹脂系のインキも適宜使用できる。
【0054】
[アンカーコート層]
アンカーコート層は、透明でもよいし、色材を含有するアンカーコート剤を使用して形成できるため、様々なカラーバリエーションやカラーデザインが得られる。アンカーコート層は、基材とマイクロ波発熱層との間に設けてもよい。
【0055】
[オーバーコート層]
オーバーコート層としては、オーバーコート剤、オーバーコートニス、オーバープリントニスなどを使用して形成できる。
【0056】
[その他の層]
他の層としては、例えば、OPPフィルム、ONYフィルム、PETフィルム、EVOHフィルム、PVAフィルム、セロハンフィルム、バリアナイロンフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、(変性)ポリアクリル酸コートフィルム、PVAコートフィルムや、アルミニウム酸化物、珪素酸化物等の無機酸化物を二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材に蒸着した透明蒸着フィルム、OPPやONY、PET、セロハン等のベースフィルムにPVDC(ポリ塩化ビニリデン)をコーティングした透明バリアフィルム(Kコート)、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂をOPPフィルムやNYフィルムで挟み込むように積層したバリアフィルム等が挙げられ、これらのフィルムを前記マイクロ波発熱層の他方面に設けることが好ましい。
【0057】
<マイクロ波発熱フィルムの製造方法>
一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、基材の少なくとも一方に、少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域を形成する工程(第1のマイクロ波発熱層の形成工程)と、前記第1のマイクロ波発熱領域の近傍に、1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域を形成する工程(第2のマイクロ波発熱層の形成工程)とを含む。
【0058】
第1のマイクロ波発熱層の形成工程及び第2のマイクロ波発熱層の形成工程は、マイクロ波発熱組成物を形成する印刷工程であることが好ましい。
印刷工程は、シルクスクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、ローラーコーター方式、刷毛塗り方式、スプレー方式、ナイフジェットコーター方式、インクジェット方式等から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。中でも、品質及び生産性の高さから、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェット方式又はシルクスクリーン印刷方式が好ましく用いられ、グラビア印刷方式による塗布がより好ましく、特に多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷方式であることがさらに好ましい。このことにより、マイクロ波発熱層を複数箇所に設けることができ、重ね刷りすることもできるため、蒸気抜け開口部の開封性や発熱性のコントロールを容易に行なうことができる。
【0059】
また、積層方法(マイクロ波発熱組成物の印刷の重ね刷り)を用いて、一種類又は二種類以上積層した基材を作製した後、各種印刷方式により、基材の一方の主面にマイクロ波発熱層が形成されてもよい。基材の一方の主面に、各種印刷方式により、マイクロ波発熱層が形成された後、基材の他方の主面に、前述した積層方法により別の基材が形成されてもよい。また、マイクロ波発熱層は、基材の両面に形成されてもよい。
【0060】
マイクロ波発熱層の上にオーバーコート層を設ける場合、オーバーコート層は、オーバーコート剤、オーバーコートニス、オーバープリントニス等を使用して形成できる。
【0061】
一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、マイクロ波発熱層、印刷インキ層及びアンカーコート層が形成された印刷工程が、多色グラビア印刷機の1ユニット以上を用いたグラビア印刷方式であってもよい。これにより、インラインで、連続して基材にマイクロ波発熱層、印刷インキ層、アンカーコート層等が形成され、一連の流れの中(1パス)でマイクロ波発熱フィルムを低コストで容易に製造できる。また、蒸気抜け開口部の開封性や発熱性のコントロールが容易に行なうことができる。グラビア印刷機の仕様や印刷環境、設備等の制約でインラインで、連続して形成できない場合、オフライン(アウトライン)で形成してもよい。
【0062】
さらに、グラビア印刷方式による印刷工程であれば、マイクロ波発熱層が形成された場合、100%網点面積率では、発熱性が大き過ぎる場合や、蒸気抜け開口部の開封性の要求度によって、その面積率を下げたり、版深度を調節したり、希釈率を調整することによって、開封性や発熱性が容易に制御できる。
【0063】
マイクロ波発熱層は、開口させたい部分のみに形成されればよく、全面であってもよい。また、蒸気抜け開口部の形状や開封性の要求度によって、模様や文様等の異なる塗布パターンが形成されてもよい。
【0064】
また、印刷工程は、グラビアインキを1色以上形成するグラビア印刷方式であることが好ましく、マイクロ波発熱層の反対面や基材とマイクロ波発熱層の間又はマイクロ波発熱層とアンカーコート層の間等、任意に印刷インキ層を形成させることもできる。
【0065】
さらに、印刷工程は、多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷方式であることが好ましい。マイクロ波発熱層は、ほとんど着色がなく透明であるため、印刷インキ層の形成により、絵柄等の他の情報を阻害することなくインラインで同時に設けることができるため、様々なカラーバリエーションやカラーデザインが得られる。例えば、パッケージのデザイン等を付与でき、購買訴求効果を高めたり、開封箇所、開封方法や注意喚起の情報を表示したり、会社名、ロゴ、製品名、キャラクター、内容物、成分表示、応募方法やキャンペーンの告知、食べ方や使用方法、年月日、原産地、当たりくじ等の情報を付与できる。
【0066】
また、中間層、アンカーコート層及びオーバーコート層等が形成された形成工程を含んでよい。これらの層は、貼り合わせや塗布等の公知の形成工程であれば、特に制限されない。
【0067】
マイクロ波発熱組成物、印刷インキ、アンカーコート剤といった各組成物は、導電性有機化合物、樹脂、顔料、シール性樹脂、各種添加剤等を溶剤中に均一に溶解又は分散することにより公知の方法で製造できる。溶解又は分散は、ディゾルバー、ロールミル、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライター、ペイントシェーカー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、パールミル、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ニーダー、ホモミキサー等の各種撹拌機又は分散機を使用できる。これらの装置は、一種類又は二種類以上組み合せて使用してもよい。各組成物中に気泡や粗大粒子が含まれる場合、印刷適性や印刷物品質を低下させるため、公知のろ過機や遠心分離機等を用いて、取り除くことが好ましい。
【0068】
上記の各組成物の粘度は、印刷に支障のない範囲であれば、特に制限はない。各組成物の製造適性、取扱い等を考慮すれば、25℃において、10mPa・s~1000mPa・sであることが好ましい。また、グラビア印刷用インキとしては、さらに10mPa・s~500mPa・sであることが好ましい。
【0069】
なお、粘度は、ブルックフィールド型粘度計等の市販の粘度計を用いて測定できる。
【0070】
一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、マイクロ波発熱層を備え、マイクロ波発熱層は、上述の一実施形態に係るマイクロ波発熱組成物を含む。一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、マイクロ波の照射によりマイクロ波発熱層が発熱することで、マイクロ波発熱層をヒートシール部に重ねた際にはフィルムのシュリンクによってヒートシール部から開口部を形成できる。また、マイクロ波発熱層をマイクロ波発熱フィルムの中央部に設けた際にはマイクロ波発熱フィルムの破断によって中央部から容易に開口部を形成できる。よって、一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、優れた基材結着性及び耐水性を有すると共に、加熱時にマイクロ波の照射により発熱することで、マイクロ波発熱フィルムに開口部が容易に形成され、高い蒸通性を発揮できる。
【0071】
一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、上記のような特性を有することから、包装体用のマイクロ波発熱フィルムとして好適に用いることができ、特に、蒸気抜け包装体用のマイクロ波発熱フィルムとして有効に用いることができる。
【0072】
<マイクロ波発熱包装体>
一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体は、上述の一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムを含み、マイクロ波発熱フィルムの少なくとも一部に形成されたマイクロ波発熱層を含む。
【0073】
マイクロ波発熱包装体は、マイクロ波発熱シート用途が一般に用いられる形態のいずれでもよい。マイクロ波発熱包装体は、二方シール、三方シール、四方シール、ピローシール、スタンディングパウチ、封筒貼り、ガゼット、溶断シール、チューブ、キャラメル包装、オーバーホールド、フィンシール、まんじゅう包装、ひねり、ロケット、テトラパック(登録商標)、ゲーブルトップ、ブリック、シボリ、カップ、トレイ、ボトル、ブリック、コンテナ、ボックス、ケース、番重、カバー、蓋、キャップ、蓋材、ラベル、シート等でよい。
【0074】
マイクロ波発熱包装体の製造方法は、マイクロ波発熱フィルムを用いて包装体を成形する成形工程を含むことが好ましい。
【0075】
成形工程は、マイクロ波発熱フィルムを包装体に成形してよい。1枚のマイクロ波発熱フィルムを折り返して両端部をシールし、袋状としてよい。また、2枚のマイクロ波発熱フィルムを向き合うように重ねて両端部をシールし、袋状としてよい。
【0076】
また、成形工程は、容器にマイクロ波発熱フィルムを被せて包装体に成形してもよい。
【0077】
成形工程は、二方シール、三方シール、四方シール、ピローシール、スタンディングパウチ、封筒貼り、ガゼット、溶断シール、チューブ、キャラメル包装、オーバーホールド、フィンシール、まんじゅう包装、ひねり、ロケット、テトラパック(登録商標)、ゲーブルトップ、ブリック、シボリ、カップ、トレイ、ボトル、ブリック、コンテナ、ボックス、ケース、番重、カバー、蓋、キャップ、蓋材、ラベル、シート等の一般的な包装体の成形に用いられる方法を用いてよい。
【0078】
一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体の構成の一例を図15に示す。
【0079】
図15は、一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルム100を用いたマイクロ波発熱包装体200の一例である。
マイクロ波発熱包装体200は、マイクロ波発熱フィルム100と、容器202とをヒートシール部201でヒートシールした包装容器であり、ヒートシール部201に平面視で垂直に並ばないようにマイクロ波発熱層1が位置するようにマイクロ波発熱フィルム100を配設した斜視図である。
図15では容器202は直方体の形状であるが、内容物やデザインに合わせて円柱や立方体、三角柱等のいかなる形状に変更してもよい。
【0080】
一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体は、マイクロ波発熱層を備え、マイクロ波発熱層は、上述の一実施形態に係るマイクロ波発熱組成物を含む。一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体は、加熱時にマイクロ波の照射によりマイクロ波発熱層が発熱することで、マイクロ波発熱層をヒートシール部に重ねた際にはフィルムのシュリンクによってヒートシール部から開口部が容易に形成される。また、マイクロ波発熱層をマイクロ波発熱フィルムの中央部に設けた際にはマイクロ波発熱フィルムの破断によって中央部から開口部が容易に形成される。よって、一実施形態に係るマイクロ波発熱フィルムは、優れた基材結着性及び耐水性を有すると共に、加熱時にマイクロ波の照射により発熱することで、マイクロ波発熱包装体に開口部が容易に形成され、高い蒸通性を発揮できる。
【0081】
一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体、上記のような特性を有することから、マイクロ波を使用して発熱させる包装体として、例えば、レンジ加熱用包装体に好適に用いることができる。
【0082】
一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体は、優れた基材結着性及び耐水性と、高い蒸通性とを有することができるため、例えば、マイクロ波の照射によって透孔を形成する包装体等に好適に用いることができる。また、一実施形態に係るマイクロ波発熱包装体は、例えば、マイクロ波の照射によって食材に焼き目を付ける調理用シート等にも好適に活用できる。
【0083】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【実施例0084】
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
【0085】
<マイクロ波発熱組成物の製造>
[製造例1]
導電性材料であるカーボンブラック分散液(9510MW、株式会社トクシキ製)40質量部に対して、アクリル樹脂エマルジョン(MYK-2252、高松油脂株式会社製)1.5質量部、エタノール2.0質量部を混合してマイクロ波発熱組成物1を作製した。
【0086】
[製造例2]
製造例1におけるアクリル樹脂エマルジョン1.5質量部を7.5質量部に変更し、エタノール2.0質量部を12質量部に変更したこと以外は製造例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱組成物2を作製した。
【0087】
[製造例3]
製造例1におけるアクリル樹脂エマルジョン1.5質量部を15質量部に変更し、エタノール2.0質量部を12質量部に変更したこと以外は製造例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱組成物3を作製した。
【0088】
[製造例4]
製造例1におけるアクリル樹脂エマルジョン1.5質量部を26質量部に変更し、エタノール2.0質量部を12質量部に変更したこと以外は製造例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱組成物4を作製した。
【0089】
<マイクロ波発熱フィルムの製造>
[実施例1]
製造例1のマイクロ波発熱組成物1を、グラビア印刷機を用いて、シーラント上に図6に示す塗工形状となるように塗工して第1のマイクロ波発熱領域及び第2のマイクロ波発熱領域を形成し、90℃で5分乾燥した後、25℃条件下で24時間保管してマイクロ波発熱フィルム1を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。また、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との間の距離(図6における距離4)は、2.0mmとした。
【0090】
シーリングは、300g含水させたキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)をPP製容器に入れ、180℃1秒の条件で容器とマイクロ波発熱フィルム1とをヒートシールした。
【0091】
[実施例2]
実施例1における図6に示す塗工形状の、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との間の距離(図6における距離4)を、5.0mmに変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム2を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。
【0092】
[実施例3]
実施例1におけるマイクロ波発熱組成物1を、マイクロ波発熱組成物2に変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム3を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。
【0093】
[実施例4]
実施例1におけるマイクロ波発熱組成物1を、マイクロ波発熱組成物3に変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム4を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。
【0094】
[実施例5]
実施例1における図6に示す塗工形状を、図7に示す塗工形状に変更し、第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との間の距離(図7における距離4)を、1.0mmに変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム5を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は4.8mmとした。
【0095】
[実施例6]
実施例1における図6に示す塗工形状を、図8に示す塗工形状に変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム6を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は4.8mmとした。
【0096】
[実施例7]
実施例1における第1のマイクロ波発熱領域と第2のマイクロ波発熱領域との間の距離(図6における距離4)を、110mmに変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム7を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。
【0097】
[比較例1]
実施例1における図6に示す塗工形状を、図16に示す塗工形状に変更した(即ち、第1のマイクロ波発熱領域を設けなかった)こと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム8を作製した。なお、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は15.0mmとした。
【0098】
[比較例2]
実施例1における図6に示す塗工形状を、図17に示す塗工形状に変更した(即ち、第2のマイクロ波発熱領域を設けなかった)こと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム9を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は110.0mmとした。
【0099】
[比較例3]
実施例1におけるマイクロ波発熱組成物1を、銀インキ(XA-4000、藤倉化成株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム10を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。
【0100】
[比較例4]
実施例1におけるマイクロ波発熱組成物1を、マイクロ波発熱組成物4に変更したこと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム11を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は60.0mmであり、第2のマイクロ波発熱領域の面積(第2の面積)は6.0mmとした。
【0101】
[比較例5]
実施例1における図1に示す塗工形状を、図18に示す塗工形状に変更した(即ち、第2のマイクロ波発熱領域を設けずにベタ塗とした)こと以外は実施例1と同様の製造方法で行い、マイクロ波発熱フィルム12を作製した。なお、第1のマイクロ波発熱領域の面積(第1の面積)は640mmとした。
【0102】
【表1】
【0103】
<評価>
各実施例及び比較例のマイクロ波発熱フィルムの評価として、蒸通性及び蒸通孔の位置の制御性を評価した。
【0104】
[蒸通性]
ヒートシールされた容器及びフィルムを電子レンジ(シャープ株式会社製 RE-7500)で500W、120秒間加熱し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
○:5mm以上の蒸通孔が形成された。
△:蒸通孔が形成されたが、5mm未満であった。
×:蒸通しない。
【0105】
[蒸通孔の位置の制御性]
ヒートシールされた容器及びフィルムを電子レンジ(シャープ株式会社製 RE-7500)で500W、120秒間加熱し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。なお、表2における「-」は蒸通しないことを示す。
(評価基準)
○:第1のマイクロ波発熱領域における標的領域5の内部からのみ蒸通した。
△:第1のマイクロ波発熱領域における標的領域5の内部および周辺から蒸通した。
×:まだらに蒸通した。
【0106】
マイクロ波発熱フィルムの蒸通性及び蒸通孔の位置の制御性の評価結果を表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】
表2より、実施例1~7は、比較例1~5と比較して、マイクロ波の照射によって発熱する手段において、マイクロ波発熱領域の塗工面積が小面積でも蒸通ができる高い蒸通性と蒸通孔の位置の高い制御性とを有することが確認された。
【0109】
なお、本発明の実施形態の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域と、
1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域とを有し、
前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、
前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面抵抗率が5Ω/□~10,000Ω/□
であるマイクロ波発熱フィルム。
<2> 前記第2のマイクロ波発熱領域が、平面視において、円形、楕円形、多角形又は波形の形状を有する前記<1>に記載のマイクロ波発熱フィルム。
<3> 前記第1のマイクロ波発熱領域と前記第2のマイクロ波発熱領域との間の最も短い距離が、最大で100mm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のマイクロ波発熱フィルム。
<4> 複数の前記第2のマイクロ波発熱領域を有し、複数の前記第2のマイクロ波発熱領域は、前記第1のマイクロ波発熱領域の長手方向に沿って位置する前記<1>から<3>のいずれかに記載のマイクロ波発熱フィルム。
<5> 複数の前記第2のマイクロ波発熱領域を有し、複数の前記第2のマイクロ波発熱領域は、前記第1のマイクロ波発熱領域の平面視で左右に位置する前記<1>から<3>のいずれかに記載のマイクロ波発熱フィルム。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のマイクロ波発熱フィルムを有するマイクロ波発熱包装体。
<7> 矩形状の形状を有する基材の少なくとも一方に、少なくとも1つの、第1の面積を有する第1のマイクロ波発熱領域を形成する工程と、
前記第1のマイクロ波発熱領域の近傍に、1つ又は複数の、第2の面積を有する第2のマイクロ波発熱領域を形成する工程とを含み、
前記第1の面積が、平面視で前記第2の面積よりも大きく、
前記第1のマイクロ波発熱領域及び前記第2のマイクロ波発熱領域は、それぞれ、表面低効率が5Ω/□~10,000Ω/□
であるマイクロ波発熱フィルムの製造方法。
【符号の説明】
【0110】
1 マイクロ波発熱層
2 第1のマイクロ波発熱領域
3 第2のマイクロ波発熱領域
4 第1のマイクロ波発熱領域と、第2のマイクロ波発熱領域との最も短い距離
5 標的領域
11 基材
12 シール性を有する基材
13 シーラント
100~104 マイクロ波発熱フィルム
200 マイクロ波発熱包装体
201 ヒートシール部
202 容器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】
【特許文献1】特許第6713797号公報
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