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特開2024-176947欠陥検出装置、欠陥検出方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176947
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】欠陥検出装置、欠陥検出方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241212BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N21/956 A
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095846
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】長田 達弥
(72)【発明者】
【氏名】大久保 知洋
(72)【発明者】
【氏名】醍醐 重
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051AC15
2G051BB05
2G051CB05
2G051EA08
2G051EA11
2G051EB01
2G051ED01
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA38
4M106DB04
4M106DB07
4M106DJ06
4M106DJ18
(57)【要約】
【課題】ウェーハのエッジ領域における欠陥を高感度に検出する。
【解決手段】欠陥検出装置50は、欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するデータ入力I/F51と、ウェーハの撮影画像を取得する画像入力I/F52と、パラメータに基づいて撮影画像を解析しウェーハにおける欠陥を検出する制御部53と、を備え、パラメータは突起状欠陥検出用閾値及び欠陥判定レベルを含み、制御部53は、撮影画像から、ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出し、突起状欠陥検出用閾値に基づいて、ROI画像に対して輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化して二値化画像を生成し、二値化画像における第1値で表示される領域の内周の画像座標を内周座標として取得し、内周座標の周方向の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出し、座標微分値を欠陥判定レベルと比較することにより欠陥を検出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するデータ入力I/Fと、
ウェーハの撮影画像を取得する画像入力I/Fと、
前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御部と、を備え、
前記パラメータは、突起状欠陥検出用閾値及び欠陥判定レベルを含み、
前記制御部は、
前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出し、
前記突起状欠陥検出用閾値に基づいて、前記ROI画像に対して輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化して二値化画像を生成し、
前記二値化画像における前記第1値で表示される領域の内周の画像座標を内周座標として取得し、
前記内周座標の周方向の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出し、
前記座標微分値を前記欠陥判定レベルと比較することにより欠陥を検出する、欠陥検出装置。
【請求項2】
前記パラメータは、グルーピングサイズを含み、
前記制御部は、前記グルーピングサイズによって規定される範囲内に存在する前記欠陥をまとめて1つの欠陥として検出する、請求項1に記載の欠陥検出装置。
【請求項3】
欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するデータ入力I/Fと、
ウェーハの撮影画像を取得する画像入力I/Fと、
前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御部と、を備え、
前記パラメータは、二重リング判定閾値及び孤立状欠陥検出用閾値を含み、
前記制御部は、
前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出し、
前記エッジリング画像の内側に現れる画像であって、輝度値が前記二重リング判定閾値以上の画素からなる画像を二重リング画像として検出し、
前記エッジリング画像と前記二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が前記孤立状欠陥検出用閾値以上の画素のブロブを欠陥として検出する、欠陥検出装置。
【請求項4】
前記パラメータは、マスク拡大サイズを含み、
前記制御部は、前記エッジリング画像の外周と内周の間の幅を前記マスク拡大サイズに基づいて拡大し、拡大後のエッジリング画像と前記二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が前記孤立状欠陥検出用閾値以上の画素のブロブを前記欠陥として検出する、請求項3に記載の欠陥検出装置。
【請求項5】
前記パラメータは、二重リング除去サイズを含み、
前記制御部は、前記ブロブの長手方向の画素数が前記二重リング除去サイズ以上の場合には前記欠陥として検出しない、請求項3に記載の欠陥検出装置。
【請求項6】
前記パラメータは、無効範囲開始位置及び無効範囲終了位置を含み、
前記制御部は、前記ウェーハのエッジ領域のうち、前記無効範囲開始位置及び前記無効範囲終了位置によって規定される領域については前記欠陥の検出を行わない、請求項1又は3に記載の欠陥検出装置。
【請求項7】
欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するステップと、
ウェーハの撮影画像を取得するステップと、
前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御ステップと、を含み、
前記パラメータは、突起状欠陥検出用閾値及び欠陥判定レベルを含み、
前記制御ステップは、
前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出すステップと、
前記突起状欠陥検出用閾値に基づいて、前記ROI画像に対して輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化して二値化画像を生成するステップと、
前記二値化画像における前記第1値で表示される領域の内周の画像座標を内周座標として取得するステップと、
前記内周座標の周方向の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出するステップと、
前記座標微分値を前記欠陥判定レベルと比較することにより、突起状の欠陥を検出するステップと、を含む、欠陥検出方法。
【請求項8】
欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するステップと、
ウェーハの撮影画像を取得するステップと、
前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御ステップと、を含み、
前記パラメータは、二重リング判定閾値及び孤立状欠陥検出用閾値を含み、
前記制御ステップは、
前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出すステップと、
前記エッジリング画像の内側に現れる画像であって、輝度値が前記二重リング判定閾値以上の画素からなる画像を二重リング画像として検出するステップと、
前記エッジリング画像と前記二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が前記孤立状欠陥検出用閾値以上の画素のブロブを欠陥として検出するステップと、を含む、欠陥検出方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1又は3に記載の欠陥検出装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥検出装置、欠陥検出方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において用いる基板として、シリコンウェーハなどの半導体からなるウェーハが広く用いられている。このようなウェーハとして、単結晶インゴットをスライスし、鏡面研磨したポリッシュドウェーハ(PWウェーハ)や、PWウェーハの表面にエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルウェーハなどが知られている。例えば、エピタキシャルウェーハは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、パワートランジスタ、裏面照射型固体撮像素子など、種々の半導体デバイスのデバイス基板として用いられている。
【0003】
半導体デバイスの製造工程において歩留まり及び信頼性を向上させるために、半導体デバイスの基板となるウェーハ表裏面の欠陥検査技術が極めて重要になりつつある。ウェーハの表裏面に存在する欠陥は、ピット、COP(Crystal Originated Particle)などの結晶欠陥、加工起因の研磨ムラ、スクラッチなどの他、異物であるパーティクルの付着など、多岐に渡る。
【0004】
従来、LPD(Light Point Defect;輝点欠陥)検査装置(レーザー面検機)を用いて、仕上げの鏡面研磨を施した後のウェーハ表裏面をレーザー光で走査し、その表面に存在するパーティクル、スクラッチなどに起因する散乱光を検出するウェーハ検査が行われている。また、LPD検査装置では判別しにくい欠陥の有無を判定するため、ウェーハ表裏面を目視によって判定する外観検査も併用されている。外観検査は官能検査であるため、検査員による判定のバラツキは不可避であり、かつ、検査員の習熟にも時間を要するため、客観的な検査方法及び自動検査方法の確立が求められている。
【0005】
そこで、本出願人らは、外観検査に頼らずにウェーハを適切に評価するウェーハ自動検査方法として、PWウェーハの裏面側の欠陥に関して特許文献1において提案し、エピタキシャルウェーハ表面の欠陥に関して特許文献2において提案し、エピタキシャルウェーハ裏面の欠陥に関して特許文献3において提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-103275号公報
【特許文献2】特開2017-062157号公報
【特許文献3】特開2017-072403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の外観検査や自動検査では、面取り部のハレーションにより、ウェーハの面取り部と表裏面の境界部(エッジ領域)における欠陥を検出することが難しい。そのため、特に自動検査ではウェーハのエッジ端面から1mm程度の外周領域を欠陥検出除外領域としている。しかしながら、昨今、エッジ領域の角張りに起因するレジストの残渣による発塵や、エッジ部の平坦度劣化に起因する露光時の表面部界面のフォーカスずれ(デフォーカス)が問題となっている。このように欠陥検出除外領域においても欠陥がないことが求められるため、エッジ領域の検査が必要となる。また、製品によっては面取り部のさらに内側まで研磨を行うことがあるが、このような製品においては、該研磨領域の欠陥を検出することが望まれている。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ウェーハのエッジ領域における欠陥を高感度に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0010】
(1)欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するデータ入力I/Fと、ウェーハの撮影画像を取得する画像入力I/Fと、前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御部と、を備え、前記パラメータは、突起状欠陥検出用閾値及び欠陥判定レベルを含み、前記制御部は、前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出し、前記突起状欠陥検出用閾値に基づいて、前記ROI画像に対して輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化して二値化画像を生成し、前記二値化画像における前記第1値で表示される領域の内周の画像座標を内周座標として取得し、前記内周座標の周方向の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出し、前記座標微分値を前記欠陥判定レベルと比較することにより欠陥を検出する、欠陥検出装置。
【0011】
(2)前記パラメータは、グルーピングサイズを含み、前記制御部は、前記グルーピングサイズによって規定される範囲内に存在する前記欠陥をまとめて1つの欠陥として検出する、(1)に記載の欠陥検出装置。
【0012】
(3)欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するデータ入力I/Fと、ウェーハの撮影画像を取得する画像入力I/Fと、前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御部と、を備え、前記パラメータは、二重リング判定閾値及び孤立状欠陥検出用閾値を含み、前記制御部は、前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出し、前記エッジリング画像の内側に現れる画像であって、輝度値が前記二重リング判定閾値以上の画素からなる画像を二重リング画像として検出し、前記エッジリング画像と前記二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が前記孤立状欠陥検出用閾値以上の画素のブロブを欠陥として検出する、欠陥検出装置。
【0013】
(4)前記パラメータは、マスク拡大サイズを含み、前記制御部は、前記エッジリング画像の外周と内周の間の幅を前記マスク拡大サイズに基づいて拡大し、拡大後のエッジリング画像と前記二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が前記孤立状欠陥検出用閾値以上の画素のブロブを前記欠陥として検出する、(3)に記載の欠陥検出装置。
【0014】
(5)前記パラメータは、二重リング除去サイズを含み、前記制御部は、前記ブロブの長手方向の画素数が前記二重リング除去サイズ以上の場合には前記欠陥として検出しない、(3)又は(4)に記載の欠陥検出装置。
【0015】
(6)前記パラメータは、無効範囲開始位置及び無効範囲終了位置を含み、前記制御部は、前記ウェーハのエッジ領域のうち、前記無効範囲開始位置及び前記無効範囲終了位置によって規定される領域については前記欠陥の検出を行わない、(1)~(5)のいずれかに記載の欠陥検出装置。
【0016】
(7)欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するステップと、ウェーハの撮影画像を取得するステップと、前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御ステップと、を含み、前記パラメータは、突起状欠陥検出用閾値及び欠陥判定レベルを含み、前記制御ステップは、前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出すステップと、前記突起状欠陥検出用閾値に基づいて、前記ROI画像に対して輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化して二値化画像を生成するステップと、前記二値化画像における前記第1値で表示される領域の内周の画像座標を内周座標として取得するステップと、前記内周座標の周方向の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出するステップと、前記座標微分値を前記欠陥判定レベルと比較することにより、突起状の欠陥を検出するステップと、を含む、欠陥検出方法。
【0017】
(8)欠陥の検出に用いられるパラメータを取得するステップと、ウェーハの撮影画像を取得するステップと、前記パラメータに基づいて前記撮影画像を解析し、前記ウェーハにおける欠陥を検出する制御ステップと、を含み、前記パラメータは、二重リング判定閾値及び孤立状欠陥検出用閾値を含み、前記制御ステップは、前記撮影画像から、前記ウェーハのエッジを示すエッジリング画像を含む矩形状の領域をROI画像として切り出すステップと、前記エッジリング画像の内側に現れる画像であって、輝度値が前記二重リング判定閾値以上の画素からなる画像を二重リング画像として検出するステップと、前記エッジリング画像と前記二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が前記孤立状欠陥検出用閾値以上の画素のブロブを欠陥として検出するステップと、を含む、欠陥検出方法。
【0018】
(9)コンピュータを、(1)~(6)のいずれかに記載の欠陥検出装置として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、エッジ領域における欠陥を高感度に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態に係るウェーハ検査装置の構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る欠陥検出パラメータを示す図である。
図4】一実施形態に係る欠陥検出装置が欠陥を検出する領域を示す図である。
図5】一実施形態に係る欠陥検出装置の突起状欠陥の検出処理を示すフローチャートである。
図6】一実施形態に係る欠陥検出装置におけるROI画像切出処理を説明する図である。
図7】突起状欠陥及び孤立状欠陥の一例を示す図である
図8】一実施形態に係る欠陥検出装置における二値化処理及び内周座標取得処理を説明する図である。
図9】一実施形態に係る欠陥検出装置における孤立状欠陥の検出処理を示すフローチャートである。
図10】一実施形態に係る欠陥検出装置における第1マスク領域の検出処理を説明する図である。
図11】二重リング画像の一例を示す図である。
図12】一実施形態に係る欠陥検出装置における第2マスク領域の検出処理を説明する図である。
図13】一実施形態に係る欠陥検出装置における欠陥検出の無効範囲を示す図である。
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0022】
<ウェーハ検査装置>
図1に、本発明の一実施形態に係るウェーハ検査装置を示す。図1に示すウェーハ検査装置100は、光学系30と、走査部40と、欠陥検出装置50と、を備える。ウェーハ検査装置100は、ウェーハの表面又は裏面を含むウェーハ面の外観を検査する装置である。
【0023】
ウェーハWは、シリコンウェーハなどであり、ポリッシュドウェーハであってもよいし、ポリッシュドウェーハの表面にエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルウェーハであってもよいし、エピタキシャルウェーハの裏面にCVD(Chemical Vapor Deposition)膜などの薄膜が形成されたウェーハであってもよい。薄膜の種類は、例えばシリコン酸化膜などの酸化膜であってもよいし、シリコン窒化膜などの窒化膜であってもよい。
【0024】
走査部40は、ウェーハWの面と平行に光学系30を走査する。走査部40は、光学系30を周方向に走査してもよいし、縦横に走査してもよい。また、ウェーハ検査装置100が光学系30を複数(例えば3つ)有し、それぞれの光学系30を走査部40が周方向に走査してもよい。なお、走査部40は光学系30に接続するアーム及び、アームを駆動させるための駆動ステッピングモーター、サーボーモーターなどから構成することができる。
【0025】
光学系30は、リングファイバー照明10と、撮影部20と、を有する。光学系30は、ウェーハWの表面又は裏面に対して垂直に設置され、リングファイバー照明10によってウェーハWの表面又は裏面を照射し、その散乱光を撮影部20によって受光する。図1では、光学系30によりウェーハWの裏面を照射する様子を示している。
【0026】
リングファイバー照明10は、ウェーハWを照射する。リングファイバー照明10としては一般的なものを用いることができ、照射光Lの照度は、例えば10万~100万ルクス程度である。ウェーハWに対する照射光Lのなす角度は一般的なものであり、例えば10~30度程度である。
【0027】
撮影部20の構成は、ウェーハWからの散乱光を受光して撮影できる限りは特に制限されない。例えば図1に示すように、撮影部20は、鏡筒22と、レンズ23と、受光部24と、を備える。鏡筒22、レンズ23及び受光部24のそれぞれは、一般的に使用されるものを用いることができる。レンズ23には例えばテレセントリックレンズを用いることができ、受光部24には例えばCCDカメラを用いることができる。
【0028】
撮影部20は、ウェーハ面を、ウェーハWの円周方向に沿って複数の領域に分けて撮影する。各領域を撮影した画像は、ショット画像(パーツ画像)とも称される。撮影部20は、ウェーハWを載置するステージを回転させ、回転するウェーハWを撮影することによって、ショット画像を取得してもよい。撮影部20は、ショット画像を撮影したウェーハ面内の位置との関係を特定する情報をショット画像に対応づけて、欠陥検出装置50に出力する。
【0029】
<欠陥検出装置>
次に、図2を参照して、欠陥検出装置50の構成例を説明する。図2に示す欠陥検出装置50は、データ入力I/F(インターフェース)51と、画像入力I/F52と、制御部53と、記憶部54と、データ出力I/F55と、を備える。欠陥検出装置50は、外部の装置と通信可能とするために、LAN(Local Area Network)I/Fのような通信I/Fをさらに備えていてもよい。
【0030】
データ入力I/F51は、欠陥検出装置50と、入力装置との間のインターフェースであり、欠陥検出装置50は、データ入力I/F51を介して入力装置に接続される。入力装置は、キーボード、マウス、ポインティングデバイスなどである。データ入力I/F51は、入力装置から、欠陥の検出に用いられるパラメータ(欠陥検出パラメータ)を取得し、記憶部54に出力する。欠陥検出パラメータは、ユーザが入力装置を用いて設定してもよい。
【0031】
図3に、欠陥検出パラメータの一例を示す。欠陥検出パラメータは、制御部53の処理で用いられる。そのため、後述する制御部53の説明にて、図3に示す各欠陥検出パラメータについても言及する。また、本明細書において、欠陥検出パラメータの名称については「」で括って表記する。
【0032】
画像入力I/F52は、欠陥検出装置50と撮影部20との間のインターフェースであり、欠陥検出装置50は、画像入力I/F52を介して撮影部20に接続される。画像入力I/F52は、撮影部20により撮影された、ウェーハWの撮影画像を取得する。画像入力I/F52は、撮影画像を記憶部54に出力する。画像入力I/F52は、撮影画像がアナログデータであった場合には、デジタルデータに変換する。本実施形態では、画像入力I/F52が出力する撮影画像を8ビットのデジタル画像とする。
【0033】
記憶部54は、1つ以上のメモリを含み、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含んでもよい。記憶部54に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部54は、欠陥検出装置50の動作に用いられる任意の情報を記憶する。記憶部54の一部は、欠陥検出装置50の外部に備えられてもよい。
【0034】
データ出力I/F55は、制御部53による解析結果を、ディスプレイなどの表示装置に出力する。
【0035】
制御部53は、欠陥検出パラメータに基づいて撮影画像を解析し、欠陥を検出する。制御部53は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。
【0036】
図4は、ウェーハWの断面図であり、欠陥を検出するエッジ領域を示す図である。ウェーハWは、面取り加工がなされることにより、おもて面側と裏面側に面取り部(ベベル部)BVを有する。また、図4に示す例では、ウェーハWの裏面において面取り部BVからさらに内側に所定の領域(例えば、500~600μm)にて研磨加工がなされることにより、研磨面(ポリッシュ面)Pを有する。本発明では、制御部53は、エッジ端面EFから内側に所定の領域(例えば、1mm)且つ研磨面(ポリッシュ面)Pの領域について、欠陥検出を行う。なお、内側とは、ウェーハWの中心方向(図中の矢印方向)に向かう側である。
【0037】
<制御部の処理>
次に、本発明における制御部53の処理を説明する。
【0038】
図5は、制御部53の突起状欠陥の検出処理例を示すフローチャートである。ステップS101では、制御部53は、記憶部54からウェーハWのショット画像を入力する。そして、制御部53は、欠陥検出パラメータの「ROI切出開始位置」及び「ROI切出幅」に基づいて、各ショット画像から、研磨面Pが境界部Bに接する箇所に生じるエッジリング画像を含む矩形状の領域を、ROI(Region of Interest:関心領域)画像として切り出す。「ROI切出開始位置」は、ショット画像における、ROI画像の切り出し開始位置を示すパラメータである。「ROI切出幅」は、ROI画像として切り出す幅を示すパラメータである。
【0039】
図6は、ステップS101のROI画像切出処理を説明する図である。図6に示す例では、640×480画素(ピクセル)のショット画像において、右側にエッジリング画像Eが表示されている。エッジリング画像Eはハレーションにより輝度が高いため、ショット画像において白く表示される。例えば、「ROI切出開始位置」がショット画像の左上隅画素を原点としてROI画像の切り出し開始位置のX方向(水平方向)の画像座標を示し、「ROI切出幅」がROI画像のX方向の画素数を示しており、「ROI切出開始位置」が566で、「ROI切出幅」が44であるとする。この場合、制御部53は図6に示すように、ショット画像のX方向に566画素目から44画素の幅でROI画像を切り出す。以下の説明では、図6に示すROI画像を90度反時計回りに回転させた画像を改めてROI画像としている。
【0040】
図7は、ROI画像の一部を拡大した画像において、突起状の欠陥を示す画素(突起状欠陥)PDと、孤立状の欠陥を示す画素(孤立状欠陥)IDの一例を示す図である。突起状欠陥PDは、エッジリング画像Eの内周に接し、且つ輝度値が高い画素である。突起状欠陥PDは、ROI画像において、エッジリング画像Eの内周から突起して白く表示される。孤立状欠陥IDは、エッジリング画像Eの内側で、エッジリング画像Eの内周から内側に離れて、且つ輝度値が高い画素である。孤立状欠陥IDは、ROI画像において、孤立した塊(ブロブ)として白く表示される。まず突起状欠陥の検出処理について説明し、次に孤立状欠陥の検出処理について説明する。
【0041】
図5に戻ってステップS102では、制御部53は、ROI画像を欠陥検出パラメータの「突起状欠陥検出用閾値」に基づいて、輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化し、二値化画像を生成する。「突起状欠陥検出用閾値」は、突起状欠陥検出用の二値化処理を行う際の閾値を示すパラメータである。
【0042】
ステップS103では、制御部53は、二値化画像のうち、第1値で表示される領域の内周の画像座標を、内周座標として取得する。
【0043】
図8は、ステップS102の二値化処理、及びステップS103の内周座標取得処理を説明する図である。例えば、「突起状欠陥検出用閾値」が110であるとする。この場合、制御部53は、ROI画像のうち輝度値が110以上の画素を第1値に変換し、ROI画像のうち輝度値が110未満の画素を第2値に変換する。図8に示すように、一般的に第1値は白で表示され、第2値は黒で表示される。
【0044】
次に、制御部53は、図8に示すように二値化画像をY方向にスキャンし、白から黒に変化する内周I(図中で破線で示す)のY方向の画像座標を、内周座標として取得する。画像座標の単位は画素である。
【0045】
図5に戻ってステップS104では、制御部53は、内周座標に対して微分処理を行い、周方向(X方向)の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出する。例えば、周方向に隣接する内周座標の差分値を座標微分値として算出する。
【0046】
ステップS105では、制御部53は、座標微分値を欠陥検出パラメータの「突起状欠陥判定レベル」と比較することにより、突起状欠陥を検出する。「突起状欠陥判定レベル」は、突起状欠陥として判定する最小の座標微分値を示すパラメータである。例えば、「突起状欠陥判定レベル」が3であるとする。この場合、制御部53は、変化レベルが3以上となる箇所を突起状欠陥として検出する。
【0047】
ステップS105において、制御部53は、欠陥検出パラメータの「グルーピングサイズ」によって規定される範囲内に存在する欠陥を一つの突起状欠陥としてマージしてもよい。「グルーピングサイズ」は、マージする範囲を示すパラメータである。例えば、「グルーピングサイズ」が単位を0.1度とする中心角を示しており、値が15であるとする。この場合、制御部53は、ウェーハWの中心を円の中心として、中心角1.5度の扇形の範囲内に存在する突起状欠陥をまとめて1つの突起状欠陥として検出する。
【0048】
次に、孤立状欠陥の検出処理について説明する。図9は、制御部53の孤立状欠陥の検出処理例を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS201では、制御部53は、ステップS101と同様に、ROI画像を切り出す。ステップS202では、制御部53は、ステップS102と同様に、ROI画像を二値化して二値化画像を生成する。
【0050】
ステップS203では、制御部53は、二値化画像において、エッジリング画像の内周よりも外側(ウェーハWの中心から円周方向に向かう側)の領域を第1マスク領域として検出する。制御部53は、エッジリング画像の外周と内周の間の幅を欠陥検出パラメータの「マスク拡大サイズ」に基づいて拡大し、拡大後のエッジリング画像の内周よりも外側の領域を第1マスク領域として検出してもよい。「マスク拡大サイズ」は、エッジリング画像の幅の拡大量を示すパラメータである。
【0051】
図10は、ステップS203の第1マスク領域の検出処理を説明する図である。例えば「マスク拡大サイズ」を2とする。この場合、制御部53は、エッジリング画像Eの幅を内周側(本図では下側)に2画素拡大し、拡大後のエッジリング画像の内周よりも外側(本図では上側)の領域を、第1マスク領域M1として検出する。図中では、第1マスク領域M1を黒で示す。
【0052】
図9に戻ってステップS204では、制御部53は、欠陥検出パラメータの「二重リング除去」が有効である場合に、欠陥検出パラメータの「二重リング判定閾値」に基づいて、ROI画像から二重リング画像を検出する。「二重リング除去」は、二重リング除去処理を行うか否かを示すパラメータである。「二重リング判定閾値」は、二重リング除去処理を行う際の閾値を示すパラメータである。ここで二重リングとは、エッジリング画像Eが二重のリング状に現れた状態のことを言う。
【0053】
図11は、二重リング画像の一例を示す図である。二重リング画像Dは、ROI画像において、エッジリング画像Eの内側に現れる画像であって、輝度値が「二重リング判定閾値」以上の画素からなる画像である。例えば、「二重リング除去」が有効であり、「二重リング判定閾値」が5であるとする。この場合、制御部53は、ROI画像において、エッジリング画像Eの内側の領域で、輝度値が5以上の画素を二重リング画像Dとして検出する。
【0054】
図9に戻ってステップS205では、制御部53は、ROI画像において、二重リング画像の外周よりも内側の領域を第2マスク領域として検出する。
【0055】
図12は、ステップS205の第2マスク領域の検出処理を説明する図である。図12に示すように制御部53は、ROI画像において、二重リング画像Dの外周よりも内側(本図では下側)の領域を、第2マスク領域M2として検出する。図中では、第2マスク領域M2を黒で示す。
【0056】
図9に戻ってステップS206では、制御部53は、ROI画像から第1マスク領域及び第2マスク領域を除いた判定領域内において、欠陥検出パラメータの「孤立状欠陥検出用閾値」に基づいて、孤立状欠陥を検出する。なお、ROI画像と二値化画像の各画素は1対1に対応するので、二値化画像において検出した第1マスク領域をROI画像から除くことができる。「孤立状欠陥検出用閾値」は、孤立状欠陥検出用の二値化処理を行う際の閾値を示すパラメータである。判定領域とは、換言すればエッジリング画像(幅を拡大した場合には拡大後のエッジリング画像)と二重リング画像に挟まれた領域である。
【0057】
例えば、「孤立状欠陥検出用閾値」が50であるとする。この場合、制御部53は、判定領域内で輝度値が50以上の画素を第1値に変換し、判定領域内で輝度値が50未満の画素を第2値に変換する。そして、第1値に変換された画素の塊(ブロブ)を孤立状欠陥として検出する。
【0058】
ステップS206において、制御部53は、ブロブが二重リング画像に接する場合には、該ブロブは二重リング画像であると判定し、孤立状欠陥として検出しないようにしてもよい。
【0059】
ステップS206において、制御部53は、欠陥検出パラメータの「二重リング除去サイズ」に基づいて、ブロブが孤立状欠陥であるか否かを判定してもよい。「二重リング除去サイズ」は、ブロブを二重リング画像とみなす場合のブロブのサイズを示すパラメータである。例えば、「二重リング除去サイズ」が100であるとする。この場合、制御部53は、ブロブの長手方向の画素数が100以上の場合には二重リング画像であると判定し、孤立状欠陥として検出しない。
【0060】
以上、突起状欠陥及び孤立状欠陥の検出処理について説明したが、制御部53の処理はこれらに限られるものではない。以下に、その他の処理例を示す。
【0061】
制御部53は、欠陥検出パラメータの「第1欠陥サイズ閾値」及び「第2欠陥サイズ閾値」に基づいて、突起状欠陥及び孤立状欠陥のサイズ(面積)を判定してもよい。「第1欠陥サイズ閾値」及び「第2欠陥サイズ閾値」は、欠陥サイズの区分分けを示すパラメータである。例えば、「第1欠陥サイズ閾値」が5であり、「第2欠陥サイズ閾値」が10であるとする。この場合、制御部53は、画素数が5以上且つ10未満の欠陥を第1サイズの欠陥と判定する。また、制御部53は、画素数が10以上の欠陥を第2サイズの欠陥と判定する。制御部53は、第1サイズの欠陥の数と、第2サイズの欠陥の数と、その他のサイズの欠陥の数又は欠陥の総数と、をそれぞれ求め、データ出力I/F55を介して表示装置に表示させてもよい。
【0062】
また、制御部53は、ウェーハWのエッジ領域のうち、欠陥検出パラメータの「無効範囲開始位置」及び「無効範囲終了位置」によって規定される領域については突起状欠陥及び孤立状欠陥の検出を行わないようにしてもよい。「無効範囲開始位置」は、突起状欠陥及び孤立状欠陥を検出しない範囲(無効範囲)の開始位置を示すパラメータであり、「無効範囲終了位置」は、無効範囲の終了位置を示すパラメータである。ウェーハWの一部にレーザーマークが刻印される場合がある。このような場合に、「無効範囲開始位置」及び「無効範囲終了位置」を用いて、レーザーマークを欠陥の検出範囲から除外することができる。なお、レーザーマークの位置はSEMI規格T07やM12で定められている。
【0063】
図13は、欠陥検出の無効範囲の例を示す図である。例えば、「無効範囲開始位置」が0であり、「無効範囲終了位置」が10であるとする。この場合、制御部53は、図13(a)に示すように、ノッチの位置を基準(0度)として、0度から反時計回りに10度までの範囲(中心角10度)を無効範囲とする。図中では、無効範囲を幅の狭い斜線で示し、面取り部BVと研磨面Pの範囲を幅の広い斜線で示す。同様に図13(b)は、「無効範囲開始位置」が350であり、「無効範囲終了位置」が10である場合の無効範囲を示している。この場合、制御部53は、ノッチの位置を0度として、350度から反時計回りに10度までの範囲(中心角20度)を無効範囲とする。同様に図13(c)は、「無効範囲開始位置」が10であり、「無効範囲終了位置」が350である場合の無効範囲を示している。この場合、制御部53は、ノッチの位置を0度として、10度から反時計回りに350度までの範囲(中心角340度)を無効範囲とする。
【0064】
以上説明したように、欠陥検出装置50は、「突起状欠陥検出用閾値」に基づいて、ROI画像に対して輝度値が高い方を第1値、輝度値が低い方を第2値に二値化して二値化画像を生成し、二値化画像における第1値で表示される領域の内周の画像座標を内周座標として取得し、内周座標の周方向の凹凸の変化レベルを座標微分値として算出し、座標微分値を「欠陥判定レベル」と比較することにより突起状欠陥を検出する。また、欠陥検出装置50は、ROI画像においてエッジリング画像の内側に現れる画像であって、輝度値が「二重リング判定閾値」以上の画素からなる画像を二重リング画像として検出し、エッジリング画像と二重リング画像に挟まれた領域内において、輝度値が「孤立状欠陥検出用閾値」以上の画素のブロブを孤立状欠陥として検出する。この手法により、生画像から検出できるハレーションのぎりぎりまで、欠陥の検出領域を拡張することができる。すなわち、本発明によれば、エッジ領域における欠陥を検出することが可能となる。また、従来ではエッジ領域における欠陥の検出は外観検査による50μm程度の大きさが限界であったが、本発明では0.2μmの小さな欠陥まで高感度に検出することができるようになる。
【0065】
<プログラム>
上述した欠陥検出装置50として機能させるために、プログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。ここで、コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)などであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0066】
制御部53は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などのプロセッサであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。プロセッサは、記憶部15からプログラムを読み出して実行することで、上述した処理を行う。なお、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェアで実現することとしてもよい。
【0067】
プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性(non-transitory)の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0068】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
このように、本発明は自動で欠陥を高感度に検出することができるため、ウェーハ検査の用途に有用である。
【符号の説明】
【0070】
10 リングファイバー照明
20 撮影部
22 鏡筒
23 レンズ
24 受光部
30 光学系
40 走査部
50 欠陥検出装置
51 データ入力I/F
52 画像入力I/F
53 制御部
54 記憶部
55 データ出力I/F
100 ウェーハ検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13