IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図1
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図2
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図3
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図4
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図5
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図6
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図7
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図8
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図9
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図10
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図11
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図12
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図13
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図14
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図15
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図16
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図17
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図18
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図19
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図20
  • 特開-画像処理装置およびエッジ検出方法 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176965
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】画像処理装置およびエッジ検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
H04N1/04 106A
H04N1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095877
(22)【出願日】2023-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 淳
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072DA02
5C072DA04
5C072DA12
5C072EA05
5C072NA01
5C072RA03
5C072RA04
5C072RA16
5C072UA13
5C072WA02
(57)【要約】
【課題】背景と原稿の影との境界が検出できなかった場合において原稿エッジの検出精度を向上することができる画像処理装置およびエッジ検出方法を提供する。
【解決手段】読取装置により読み取られた原稿の画像データから、背景部分から原稿部分へ向かう方向で隣接する画素の画素値の差分に関する値を求める処理部と、処理部により求められた差分に関する値に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出する検出部と、検出部によって最初に暗くなる変化のエッジが検出された場合にエッジを第1エッジに設定し、検出部によって第1エッジの検出前に明るくなる変化のエッジが検出された場合、エッジを第2エッジに設定し、検出部によって第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化のエッジが検出された場合、エッジを第2エッジに設定する設定部と、設定部により設定された第2エッジを、原稿の原稿エッジに決定する決定部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取装置により読み取られた原稿の画像データから、該画像データにおいて背景部分から原稿部分へ向かう方向で隣接する画素の画素値の差分に関する値を求める処理部と、
前記方向に画素を探索して、前記処理部により求められた前記差分に関する値に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出する検出部と、
前記検出部によって最初に暗くなる変化の前記エッジが検出された場合に該エッジを第1エッジに設定し、前記検出部によって該第1エッジの検出前に明るくなる変化の前記エッジが検出された場合、該エッジを第2エッジに設定し、前記検出部によって該第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化の前記エッジが検出された場合、該エッジを前記第2エッジに設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記第2エッジを、前記原稿の原稿エッジに決定する決定部と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記方向の画素の画素値に対して微分フィルタによるフィルタ処理を行うことにより、前記差分に関する値として、前記画素値に対する微分量を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、
対象画素の画素値に対応する前記微分量が第1閾値以下である場合、該対象画素を暗くなる変化の前記エッジとして検出し、
前記対象画素の画素値に対応する前記微分量が、前記第1閾値より大きい第2閾値以上である場合、該対象画素を明るくなる変化の前記エッジとして検出する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、
前記第1エッジの検出後に、該第1エッジの位置と対象画素の位置との距離が第3閾値未満であるか否かを判定し、
前記距離が前記第3閾値以上である場合、前記第1エッジを前記第2エッジに設定する請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第3閾値は、前記原稿の原稿影として発生し得る最大幅である請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記検出部により同様の前記エッジの検出結果が得られた連続数をカウントするカウント部を、さらに備え、
前記設定部は、
前記カウント部によりカウントされた、暗くなる変化の前記エッジに対応する前記連続数が第4閾値を超えた場合、前記検出部により暗くなる変化の前記エッジが検出されたものと判定し、
前記カウント部によりカウントされた、明るくなる変化の前記エッジに対応する前記連続数が前記第4閾値を超えた場合、前記検出部により明るくなる変化の前記エッジが検出されたものと判定する請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
対象画素の画素値が第5閾値未満であるか否かを判定する判定部を、さらに備え、
前記決定部は、前記判定部により前記対象画素の画素値が前記第5閾値未満であると判定された場合、該対象画素の位置を前記原稿エッジの位置として決定する請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記方向における所定の探索範囲の画素について前記エッジの検出処理が終了したか否を判定し、
前記決定部は、前記検出部により前記探索範囲の画素について前記エッジの検出処理が終了したと判定された場合、前記原稿エッジが検出できなかった旨を示す検出異常を出力する請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記決定部により決定された前記原稿エッジに基づいて、前記原稿のスキューの補正を行う請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
読取装置により読み取られた原稿の画像データから、該画像データにおいて背景部分から原稿部分へ向かう方向で隣接する画素の画素値の差分に関する値を求める処理ステップと、
前記方向に画素を探索して、前記差分に関する値に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出する検出ステップと、
最初に暗くなる変化の前記エッジを検出した場合に該エッジを第1エッジに設定し、該第1エッジの検出前に明るくなる変化の前記エッジを検出した場合、該エッジを第2エッジに設定し、該第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化の前記エッジを検出した場合、該エッジを前記第2エッジに設定する設定ステップと、
設定した前記第2エッジを、前記原稿の原稿エッジに決定する決定ステップと、
を有するエッジ検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置およびエッジ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機等の画像形成装置において、自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)による原稿の読取時に生じるスキューは機械的な機構で補正している。近年、機械的な機構によるスキューの補正に代えて、画像処理でスキューの補正を行う補正技術が知られている。画像処理によるスキューの補正技術は、原稿にスキューが生じて読み取られた読取画像からスキュー角度を検出し、当該角度に基づいて画像処理による補正を行う技術である。画像処理によるスキューの補正技術において、スキュー角度を検出するには、読取画像から原稿エッジを精度よく検出する必要がある。
【0003】
このような、原稿エッジを検出する技術として、背景と検知対象物の影との境界を検出する第1の境界検出部と、検知対象物の影と検知対象物の境界をと検出する第2の境界検出部とを備え、第2の境界検出部による検出結果を複数の領域に分け、各領域の傾きを検出すると共に、第2の境界検出部による検出結果の複数の領域の傾きのうち原稿ダメージ等により異常値となっている傾きを除去したうえで、第1の境界検出部による検出結果と第2の境界検出部による検出結果との傾きが近い場合には傾き補正を行う構成が開示されている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、縦スジノイズおよび原稿内の明度変化を原稿エッジと誤検出することを防ぐために、原稿領域の境界線を構成する画素候補を検出し、候補画素に沿って近似直線を算出して仮の原稿境界直線を求め、仮の原稿境界直線から所定距離の範囲内に原稿縁による影画像があるか判定し、影画像があった場合に仮の原稿境界直線付近に正しい原稿境界があると判定する構成が開示されている(例えば特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、背景と検知対象物(原稿)との境界が正しく検出されることが前提の技術となっており、当該境界が検出できなかった場合には、原稿と影との境界、すなわち原稿エッジを検出することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、背景と原稿の影との境界が検出できなかった場合において原稿エッジの検出精度を向上することができる画像処理装置およびエッジ検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、読取装置により読み取られた原稿の画像データから、該画像データにおいて背景部分から原稿部分へ向かう方向で隣接する画素の画素値の差分に関する値を求める処理部と、前記方向に画素を探索して、前記処理部により求められた前記差分に関する値に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出する検出部と、前記検出部によって最初に暗くなる変化の前記エッジが検出された場合に該エッジを第1エッジに設定し、前記検出部によって該第1エッジの検出前に明るくなる変化の前記エッジが検出された場合、該エッジを第2エッジに設定し、前記検出部によって該第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化の前記エッジが検出された場合、該エッジを前記第2エッジに設定する設定部と、前記設定部により設定された前記第2エッジを、前記原稿の原稿エッジに決定する決定部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、背景と原稿の影との境界が検出できなかった場合において原稿エッジの検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置のスキャナの構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置のADFの構成の一例を示す図である。
図4図4は、原稿の読取位置近傍の構成を模式的に示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図7図7は、白原稿を読み取った状態の一例を示す図である。
図8図8は、微分フィルタの一例を示す図である。
図9図9は、白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。
図10図10は、原稿影が出づらい場合の白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。
図11図11は、黒原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13図13は、第1の実施形態に係る画像形成装置によるエッジ探索判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、原稿影が出づらい場合の黒原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。
図15図15は、第2の実施形態に係る画像形成装置によるエッジ探索判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第3の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図17図17は、ノイズがある場合の白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。
図18図18は、第3の実施形態に係る画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19図19は、第4の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図20図20は、原稿エッジ付近に画像が印字されている場合の白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。
図21図21は、第4の実施形態に係る画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置およびエッジ検出方法の実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0011】
[第1の実施形態]
(画像形成装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。図1を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成について説明する。
【0012】
図1に示す画像形成装置100は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。画像形成装置100は、本発明の「画像処理装置」の一例である。画像形成装置100は、図1に示すように、スキャナ101(読取装置)と、ADF102と、給紙部103と、装置本体104と、を備える。
【0013】
画像形成装置100は、装置本体104内に、画像形成部であるプロッタ120を備える。プロッタ120は、タンデム方式の作像部105と、作像部105に給紙部103から搬送路107を介して記録紙を供給するレジストローラ108と、光書き込み装置109と、定着部110と、両面トレイ111と、を備えている。
【0014】
作像部105は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色に対応して並設された4本の感光体ドラム112を備える。各感光体ドラム112の周りには、帯電器、現像器106、転写器、クリーナおよび除電器を含む作像要素が配置されている。
【0015】
また、転写器と感光体ドラム112との間には、両者のニップに挟持された状態で駆動ローラと従動ローラとの間に張架された中間転写ベルト113が配置されている。
【0016】
このように構成されたタンデム方式の画像形成装置100は、ADF102から送られた検知対象物である原稿をスキャナ101で読み取った原稿画像に基づいて、YMCKの色毎に各色に対応する感光体ドラム112に光書き込み装置109から光書き込みを行い、現像器106で各色のトナー毎に現像し、中間転写ベルト113上に例えばY、M、C、Kの順で1次転写する。そして、画像形成装置100は、1次転写により4色で重畳されたフルカラーの画像を給紙部103から供給された記録紙に2次転写した後、定着部110で定着して排紙することによりフルカラーの画像を記録紙上に形成する。
【0017】
(スキャナの構成)
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置のスキャナの構成の一例を示す図である。図2を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100のスキャナ101の構成について説明する。
【0018】
画像形成装置100のスキャナ101は、図2に示すように、第1キャリッジ25と、第2キャリッジ26と、結像レンズ27と、撮像部28とを備えており、これらの各構成部材は、スキャナ101の本体フレーム101aの内部にそれぞれ配置されている。
【0019】
また、スキャナ101の本体フレーム101aの内部には、図示しない第1レールおよび第2レールが副走査方向(図2における左右方向)に延在するよう設けられている。第1レールは、副走査方向と直交する主走査方向に所定の間隔をあけて配置された2本のレールからなる。第2レールも、第1レールと同様の構成である。
【0020】
第1キャリッジ25は、第1レールに摺動自在に取り付けられ、図示しない駆動モータにより図示しない第1キャリッジ用駆動ワイヤを介して副走査方向に、図2中実線で示す位置と破線で示す位置との間で往復移動可能に構成されている。第1キャリッジ25は、光源24と、第1ミラー部材25aと、を備えている。
【0021】
また、第2キャリッジ26は、第2レールに摺動自在に取り付けられ、図示しない駆動モータにより図示しない第2キャリッジ用駆動ワイヤを介して副走査方向に、図2中実線で示す位置と破線で示す位置との間で往復移動可能に構成されている。第2キャリッジ26は、第2ミラー部材26aと、第3ミラー部材26bと、を備えている。
【0022】
ここで、第1キャリッジ25および第2キャリッジ26は、2:1の速度比で副走査方向に移動する。この移動速度の関係により、第1キャリッジ25および第2キャリッジ26の移動があっても、コンタクトガラス8に載置された原稿の原稿面から結像レンズ27までの光の光路長が変化しないようになっている。
【0023】
結像レンズ27は、各ミラー部材を介して入射された原稿からの反射光を撮像部28に集光結像する。撮像部28は、CCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成され、結像レンズ27を介して結像された原稿の反射光像を光電変換して読取画像であるアナログ画像信号を出力する。
【0024】
(ADFの構成)
図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置のADFの構成の一例を示す図である。図4は、原稿の読取位置近傍の構成を模式的に示す図である。図3および図4を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100のADF102の構成について説明する。
【0025】
図3に示すように、ADF102は、原稿を載置する原稿トレイ11を備えている。原稿トレイ11は、基端部を支点として図中a、b方向に回動する可動原稿テーブル41と、原稿の給紙方向に対する左右方向を位置決めする一対のサイドガイド板42と、を有する。可動原稿テーブル41の回動により、原稿の給送方向前端部が適切な高さに合わせられる。
【0026】
また、原稿長さ検知センサ89、90は、原稿の向きが縦と横の何れになっているかを検知するセンサであり、原稿トレイ11における給紙方向に離隔して設けられている。なお、原稿長さ検知センサ89、90は、光学的手段により未接触で検知する反射型センサであっても、または接触式のアクチュエータタイプのセンサであってもよい。
【0027】
一対のサイドガイド板42は、片側が給紙方向に対する左右方向にスライド自在であり、異なるサイズの原稿が載置可能に構成されている。
【0028】
一対のサイドガイド板42の固定側には、原稿の載置により回動するセットフィラー46が設けられている。また、セットフィラー46の先端部の移動軌跡上の最下部には、原稿トレイ11に原稿が載置されたことを検知する原稿セットセンサ82が設けられている。つまり、原稿セットセンサ82は、セットフィラー46が回動して原稿セットセンサ82から外れたか否かにより、ADF102にセットされた原稿の有無を検知する。
【0029】
また、ADF102は、図3に示すように、分離給送部51と、プルアウト部52と、ターン部53と、第1読取搬送部54と、第2読取搬送部55と、排紙部56とにより構成される搬送部50を備えている。搬送部50の各搬送ローラは、1つ以上の搬送モータにより回転駆動される。
【0030】
分離給送部51は、原稿を給紙する給紙口60の近傍に配置されたピックアップローラ61と、搬送経路を挟んで対向するように配置された給紙ベルト62およびリバースローラ63と、を有している。
【0031】
ピックアップローラ61は、給紙ベルト62に取り付けられた支持アーム部材64により支持されており、図示しないカム機構を介して原稿束に接触する接触位置と原稿束から離れた離隔位置との間で図中c、d方向に上下動する。ピックアップローラ61は、接触位置において原稿トレイ11上に積載された原稿のうち、数枚(理想的には一枚)の原稿をピックアップする。
【0032】
給紙ベルト62は、給送方向に回転する。リバースローラ63は、給送方向と逆方向に回転する。また、リバースローラ63は、原稿が重送された場合に、給紙ベルト62に対して逆方向に回転するが、リバースローラ63が給紙ベルト62に接している場合、または原稿を一枚のみ搬送している場合には、図示しないトルクリミッタの働きにより、給紙ベルト62に連れ回りする。これにより、原稿の重送が防止される。
【0033】
プルアウト部52は、搬送経路52aを挟むように配置された一対のローラからなるプルアウトローラ65を有している。プルアウト部52は、プルアウトローラ65とピックアップローラ61との駆動タイミングにより、送り出された原稿を一次突当整合(いわゆるスキュー補正)し、整合後の原稿を引き出し搬送する。
【0034】
ターン部53は、上から下に向けて湾曲した搬送経路53aを挟むように配置された一対のローラからなる中間ローラ66および読取入口ローラ67を有している。ターン部53は、中間ローラ66により引き出し搬送された原稿を、湾曲した搬送経路を搬送することによりターンさせて、読取入口ローラ67により原稿の表面を下方に向けて原稿の読取位置(撮像位置)であるスリットガラス7の近傍まで搬送する。
【0035】
ここで、プルアウト部52からターン部53への原稿の搬送速度は、第1読取搬送部54における搬送速度よりも高速に設定されている。これにより、第1読取搬送部54に搬送される原稿の搬送時間の短縮が図られている。
【0036】
第1読取搬送部54は、スリットガラス7に対向するよう配置された第1読取ローラ68と、読取終了後の搬送経路55aに配置された第1読取出口ローラ69と、を有している。第1読取搬送部54は、スリットガラス7の近傍まで搬送された原稿の表面を第1読取ローラ68によりスリットガラス7に接触させながら搬送する。この際、原稿は、スリットガラス7を介して、スキャナ101にて読み取られる。このとき、スキャナ101の第1キャリッジ25および第2キャリッジ26は、ホームポジションの位置で停止した状態である。第1読取搬送部54は、読取終了後の原稿を第1読取出口ローラ69によりさらに搬送する。
【0037】
ここで、図4に、原稿の読取位置近傍の構成を模式的に示す。なお、図4においては、原稿は、左から右に搬送される。
【0038】
図4に示すように、ADF102は、スリットガラス7に対向する位置に、撮像背景となる背景部材92を備えている。背景部材92は、例えば白色であり、シェーディング補正に用いられる。原稿は、スリットガラス7と背景部材92との間を搬送される。スキャナ101は、図4に示す読取ラインの位置で、画像読み取りを行う。
【0039】
第2読取搬送部55は、原稿の裏面を読み取る第2読取部91と、搬送経路55aを挟んで第2読取部91に対向するよう配置された第2読取ローラ70と、第2読取部91の搬送方向下流に配置された第2読取出口ローラ71と、を有する。
【0040】
第2読取搬送部55では、表面読取後の原稿の裏面が第2読取部91により読み取られる。裏面が読み取られた原稿は、第2読取出口ローラ71により排紙口に向けて搬送される。第2読取ローラ70は、第2読取部91における原稿の浮きを抑えると同時に、第2読取部91におけるシェーディングデータを取得するための基準白部を兼ねるものである。両面読み取りを行わない場合には、原稿は第2読取部91を素通りするようになっている。
【0041】
排紙部56は、排紙口の近傍に一対の排紙ローラ72が設けられ、第2読取出口ローラ71により搬送された原稿を排紙トレイ12に排紙する。
【0042】
また、ADF102には、搬送経路に沿って、突き当てセンサ84、レジストセンサ81、排紙センサ83等の各種センサが設けられており、原稿の搬送距離や搬送速度等の搬送制御に用いられる。
【0043】
さらに、プルアウトローラ65と中間ローラ66との間には、原稿幅センサ85が設けられている。なお、原稿の搬送方向の長さは、突き当てセンサ84またはレジストセンサ81での原稿の先端および後端を読み取りによりモータパルスから検知される。
【0044】
(画像処理部のハードウェア構成)
図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部のハードウェア構成の一例を示す図である。図5を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200のハードウェア構成について説明する。
【0045】
画像形成装置100は、図5に示すように、スキャナ101で読み取った原稿画像に所定の処理を施し、画像データとしてプロッタ120に出力する画像処理部200を備えている。
【0046】
画像処理部200は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、メインメモリ(画像メモリ)205と、チップセット206と、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)207と、コントローラASIC208と、メインメモリ(画像メモリ)209と、I/O ASIC210と、を備えている。
【0047】
CPU201は、画像形成装置100の全体動作を制御する演算装置である。ROM202は、画像形成装置100用のプログラムを記憶している不揮発性記憶装置である。メインメモリ205は、CPU201が画像形成装置100を制御するためのプログラムが展開されるワーク領域として使用されたり、扱う画像データ等を一時保管したりする画像メモリである。
【0048】
チップセット206は、CPU201と共に用いられ、コントローラASIC208およびI/O ASIC210がメインメモリ205へアクセスすることを制御する集積回路である。
【0049】
スキャナ101は、コピー処理する画像データおよび外部インターフェースへ出力するための画像データを読み取る機能を有する読取装置であるプロッタ120は、コントローラASIC208で画像処理された画像データを印刷するための機能を有するプリンタ装置である。
【0050】
画像処理ASIC207は、スキャナ101により読み取られた画像データに対して画像処理を行い、コントローラASIC208へ画像データを出力する集積回路である。また、画像処理ASIC207は、コントローラASIC208からの画像データをプロッタ120にて印刷できるように画像処理したり、プロッタ120の印刷タイミングに合わせて画像データを送ったりする。
【0051】
コントローラASIC208は、チップセット206を介してメインメモリ205を使用して、画像形成装置100で扱う画像データの回転および編集等を行い、HDD(Hard Disk Drive)211に蓄積し、画像処理ASIC207と画像データを送受信する集積回路である。メインメモリ209は、コントローラASIC208が画像処理を行う画像メモリである。HDD211は、画像処理した画像データを一時保管するため使用される。
【0052】
I/O ASIC210は、画像形成装置100に付加機能を与えるための外部インターフェースである。例えば、I/O ASIC210は、ネットワークインターフェイス、USB(Universal Serial Bus)、SDカード、操作部、SPI、I2C、原稿幅センサ85等のインターフェース、または画像処理を高速化するためのハードウェアアクセラレータ、暗号化処理回路等を具備している。
【0053】
(画像処理部の機能ブロックの構成および動作)
図6は、第1の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図7は、白原稿を読み取った状態の一例を示す図である。図8は、微分フィルタの一例を示す図である。図9は、白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。図10は、原稿影が出づらい場合の白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。図11は、黒原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。図6図11を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0054】
図6に示す画像処理部200は、スキャナ101により読み取られた画像データを入力画像データとして入力し、入力画像データに含まれる原稿の画像部分(以下、単に原稿と称する場合がある)のエッジ(原稿エッジ)を検出する。
【0055】
ここで、図7にスキャナ101により白原稿が読み取られた場合の画像データの一例を示す。図7に示す例では、上下方向が副走査方向である。図7に示すように、画像データには、白原稿の画像部分である白原稿401と、背景部材92の画像部分である背景400と、白原稿と背景部材92との間で生じる影の画像部分である原稿影402とが含まれる。また、原稿影402には、背景400から暗くなっていく領域500と、白原稿401へ向かって明るくなっていく領域501とが含まれる。本実施形態においては、原稿の原稿エッジ(上辺のエッジ)を検出する場合、画像データにおける副走査方向の上端から下端へ向かって走査していき、原稿影402の領域500に相当する背景400と原稿影402との境界を第1エッジとして検出し、その後、走査を継続し、原稿影402の領域501に相当する原稿影402と白原稿401との境界を第2エッジとして検出し、当該第2エッジを原稿エッジとして決定する動作を基本とする。
【0056】
なお、本実施形態では、原稿エッジを検出する対象として、図7に示すように、原稿(図7では白原稿401)の上辺のエッジを検出対象とするが、左辺、右辺および下辺を原稿エッジとして検出する場合も、以降で説明する動作を同様に適用することが可能である。また、図7以降の図においても、原稿の上辺および当該上辺に対応する原稿影にのみ着目して説明する。
【0057】
図6に示すように、画像処理部200は、フィルタ処理部300(処理部)と、エッジ検出部310(検出部)と、エッジ探索判定部320(設定部)と、原稿エッジ決定部330(決定部)と、を有する。
【0058】
フィルタ処理部300は、入力画像データに対して、図8に示すような微分フィルタによるフィルタ処理を行う機能部である。具体的には、フィルタ処理部300は、入力画像データにおいて図9(a)に示すような所定の主走査位置600の副走査方向の画素値に対して、図8に示す微分フィルタにより畳み込み演算を行うことにより、当該各画素値に対する微分量を得る。
【0059】
ここで、図9(b)に示すグラフは、主走査位置600の画素について、横軸を画素値とし、縦軸を副走査位置とする画素値のグラフを示す。そして、図9(c)に示すグラフは、主走査位置600の画素について、横軸を微分量とし、横軸を副走査位置とする微分量のグラフを示す。すなわち、図9(b)のグラフが主走査位置600の画素値に対して、フィルタ処理部300により微分フィルタを用いたフィルタ処理が行われることによって、図9(c)の微分量のグラフが得られる。この微分量は、画素値のグラフの傾き(画素値の変化の割合)と同等であり、負値であれば暗くなる変化を示し、正値であれば明るくなる変化を示す。そして、この微分量に対して、所定の閾値±aを予め設定し、閾値-a(第1閾値の一例)以下であれば、暗くなる変化のエッジとして、閾値a(第2閾値の一例)以上であれば明るくなる変化のエッジとして検出することができる。図9(c)に示す微分量のグラフの例では、閾値-a以下となる部分510に対応する副走査位置が、暗くなる変化のエッジ(上述の第1エッジに対応)に対応し、閾値a以上となる部分511に対応する副走査位置が、明るくなる変化のエッジ(上述の第2エッジに対応)に対応する。
【0060】
なお、図8に示す微分フィルタは5×5サイズのフィルタの例を示しているがこれに限定されるものではなく、他のサイズの微分フィルタであってもよい。また、図8に示す微分フィルタは、副走査方向に原稿を走査した場合におけるエッジを検出するためのフィルタであるが、当該微分フィルタを転置して計算することによって、主走査方向のエッジの検出にも同様の方法により用いることができる。また、微分フィルタによるフィルタ処理により求まる微分量を用いた方法を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば特開2020-123940号公報に開示されているような画素値の差分を用いる方法を採用することもできる。具体的には、特開2020-123940号公報では画素値の差分の絶対値を用いた方法を開示しているが、本実施形態では、明るくなる変化のエッジおよび暗くなる変化のエッジの双方を検出するため、画素値の差分は符号付きで用いるものとすればよい。上述の画素値についての微分量は、画素値の変化の割合、すなわち副走査方向の単位変化あたり画素値の変化量を示すものであるため、画素値の差分を用いた方法の一例であると言うことができる。すなわち、上述の微分量、および画素値の差分は、本発明の「画素値の差分に関する値」の一例である。
【0061】
エッジ検出部310は、入力画像データの特定の主走査位置(例えば図9に示した主走査位置600)における副走査方向に並ぶ画素について、フィルタ処理部300によりフィルタ処理がされた微分量を用いて、対象画素がエッジに対応する画素であるか否かを検出する機能部である。図9に示した例の場合、エッジ検出部310は、対象画素が部分510または部分511に対応する画素であるか否かを検出する。
【0062】
次に、図10を参照しながら、白原稿と背景との間に原稿影が出づらい場合について説明する。原稿影が出づらい場合とは、例えば、スキャナ101の光源24の配置が原稿に対して垂直に近い場合、または、原稿が薄い紙またはトレーシングペーパー等の透過系原稿であり光を一部透過してしまう場合等が挙げられる。図10(a)に示すように、画像データには、白原稿の画像部分である白原稿401aと、背景部材92の画像部分である背景400と、白原稿と背景部材92との間で生じる影の画像部分である原稿影402aとが含まれる。原稿影が出づらい場合には、図10(a)で示すように、原稿影402aが図7および図9に示した原稿影402よりも副走査方向に細くなったり、または明るくなったりする。この場合、図10(b)に示す画素値のグラフを微分フィルタによりフィルタ処理した図10(c)に示す微分量のグラフにおいて、原稿影402aと白原稿401aとの境界のエッジに相当する部分521は、閾値a以上となるためエッジとして検出されるのに対し、背景400と原稿影402aとの境界に相当する部分520は、閾値-a以下とならないため、エッジとして検出できないことになる。本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200は、このような場合においても、部分521に対応するエッジを原稿エッジとして検出することができる。なお、画像処理部200による原稿エッジの検出動作の詳細については、図12および図13で後述する。
【0063】
次に、図11を参照しながら、黒原稿が読み取られた場合について説明する。図11(a)に示すように、画像データには、黒原稿の画像部分である黒原稿411と、背景部材92の画像部分である背景400と、黒原稿と背景部材92との間で生じる影の画像部分である原稿影412とが含まれる。そして、図11(b)に、画素値のグラフを示し、図11(c)に、図11(b)に示す画素値のグラフを微分フィルタによりフィルタ処理を行った微分量のグラフである。このような黒原稿の場合、原稿影412には、背景400から暗くなっていく領域と、黒原稿411へ向かってさらに暗くなっていく領域とが含まれる。このように黒原稿の原稿エッジを検出する場合には、画像処理部200は、画像データにおける副走査方向の上端から下端へ向かって走査していき、背景400から暗くなっていく領域に相当する背景400と原稿影412との境界を第1エッジとして検出し、その後、走査を継続し、黒原稿411へ向かってさらに暗くなっていく領域に相当する原稿影412と黒原稿411との境界を第2エッジとして検出し、当該第2エッジを原稿エッジとして決定する。具体的には、エッジ検出部310は、閾値a以上となる部分530に対応する副走査位置を、背景400から暗くなる変化のエッジ(上述の第1エッジに対応)として検出し、閾値a以上となる部分531に対応する副走査位置を、黒原稿411へ向かってさらに暗くなる変化のエッジ(上述の第2エッジに対応)として検出する。
【0064】
なお、図11では無彩色の黒原稿を例にして説明したが、高彩度の色原稿であってもR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画素値のうち最小値等となる色の画素値を用いることによって、上述と同様の処理が可能である。
【0065】
エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310による検出結果に応じて、さらに副走査方向の次のエッジを探索するか否かを判定する機能部である。なお、エッジ探索判定部320による判定処理については、図13において後述する。
【0066】
原稿エッジ決定部330は、エッジ探索判定部320により次のエッジの探索をせず探索終了と判定された場合、エッジ検出部310により最後の検出されたエッジを最終的な原稿エッジとして決定する機能部である。原稿エッジ決定部330は、原稿エッジの副走査位置の情報を含む原稿エッジ情報を、出力する。この原稿エッジ情報は、後段の原稿のスキューの補正処理に使用される。
【0067】
上述のフィルタ処理部300、エッジ検出部310、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330は、図5に示したCPU201によりプログラムが実行されることによって実現される。なお、フィルタ処理部300、エッジ検出部310、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC等のハードウェア回路(集積回路)によって実現されてもよい。
【0068】
なお、図6に示す画像処理部200の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図6に示す画像処理部200で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図6に示す画像処理部200で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0069】
(画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れ)
図12は、第1の実施形態に係る画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13は、第1の実施形態に係る画像形成装置によるエッジ探索判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12および図13を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の原稿エッジ検出処理の流れについて説明する。
【0070】
<ステップS11>
画像処理部200のフィルタ処理部300は、入力画像データにおいて所定の主走査位置の副走査方向の画素値に対して、図8に示す微分フィルタにより畳み込み演算を行うことにより、当該各画素値に対する微分量を算出する。なお、フィルタ処理部300は、ステップS13におけるエッジ検出部310の検出処理毎に、対象画素の画素値に対して微分フィルタによるフィルタ処理を行うものとしてもよい。そして、ステップS12へ移行する。
【0071】
<ステップS12>
画像処理部200のエッジ検出部310は、所定の副走査位置(例えば入力画像データの上端位置)を探査開始位置に設定する。すなわち、エッジ検出部310は、探査開始位置に対する画素を対象画素に設定する。そして、ステップS13移行する。
【0072】
<ステップS13>
エッジ検出部310は、フィルタ処理部300によりフィルタ処理がされた微分量を用いて、対象画素がエッジに対応する画素であるか否かを検出する。具体的には、エッジ検出部310は、対象画素に対応する画素値の微分量が閾値-a以下、または閾値a以上である場合、当該対象画素をエッジに対応する画素として検出する。一方、エッジ検出部310は、対象画素に対応する画素値の微分量が閾値-aを超過し、かつ閾値a未満である場合、当該対象画素はエッジに対応しない画素として検出する。なお、フィルタ処理部300は、微分量が閾値-a以下となる画素が連続する場合の微分量が極小値となる部分の画素、および、微分量が閾値a以上となる画素が連続する場合の微分量が極大値となる部分の画素を、エッジに対応する画素として検出してもよい。そして、ステップS14へ移行する。
【0073】
<ステップS14>
画像処理部200のエッジ探索判定部320は、エッジ検出部310による検出結果に応じて、さらに副走査方向の次のエッジを探索するか否かを判定する。具体的には、エッジ探索判定部320は、図13に示すステップS141~S146のエッジ探索判定処理を実行する。
【0074】
<<ステップS141>>
エッジ探索判定部320は、既にエッジ検出部310により背景から明るくなる変化のエッジ、すなわち第1エッジが検出されているか否かを判定する。第1エッジが未検出である場合(ステップS141:Yes)、ステップS142へ移行し、第1エッジが検出済みである場合(ステップS141:No)、ステップS146へ移行する。
【0075】
<<ステップS142>>
エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により対象画素が暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出されたか否かを判定する。対象画素が暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出された場合(ステップS142:Yes)、ステップS145へ移行し、対象画素が暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出されていない場合(ステップS142:No)、ステップS143へ移行する。
【0076】
<<ステップS143>>
エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により対象画素が明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出されたか否かを判定する。対象画素が明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出された場合(ステップS143:Yes)、ステップS144へ移行し、対象画素が明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出されていない場合(ステップS143:No)、第2エッジが検出されていないものとして、エッジ探索判定処理を終了し、ステップS15へ移行する。
【0077】
<<ステップS144>>
ステップS143:Yesの場合、エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出された対象画素を、第2エッジに対応する画素に設定する。また、ステップS146:Yesの場合、エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジ、または明るくなる変化のエッジに対する画素として検出された対象画素を、第2エッジに対応する画素に設定する。そして、第2エッジが検出されたものとして、エッジ探索判定処理を終了して、ステップS15へ移行する。
【0078】
<<ステップS145>>
エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出された対象画素を、第1エッジに対応する画素に設定する。そして、第2エッジが未だ検出されていないものとして、エッジ探索判定処理を終了し、ステップS15へ移行する。
【0079】
<<ステップS146>>
エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により対象画素が暗くなる変化か明るくなる変化かのいずれかのエッジに対応する画素として検出されたか否かを判定する。いずれかのエッジに対応する画素として検出された場合(ステップS146:Yes)、ステップS144へ移行し、いずれかのエッジに対応する画素として検出されていない場合(ステップS146:No)、第2エッジが検出されていないものとして、エッジ探索判定処理を終了し、ステップS15へ移行する。
【0080】
<ステップS15>
エッジ探索判定部320により第2エッジが検出されたものとしてエッジ探索が終了された場合(ステップS15:Yes)、ステップS16へ移行し、第2エッジが検出されていない場合(ステップS15:No)、ステップS17へ移行する。
【0081】
<ステップS16>
画像処理部200の原稿エッジ決定部330は、エッジ探索判定部320により第2エッジが検出され、次のエッジの探索をせず探索終了と判定された場合、当該第2エッジを最終的な原稿エッジとして決定する。すなわち、原稿エッジ決定部330は、第2エッジに対応する対象画素の副走査位置を、最終的な原稿エッジの位置として決定する。そして、原稿エッジ検出処理を終了する。
【0082】
<ステップS17>
エッジ検出部310は、副走査方向において所定の探索範囲の画素についてエッジの検出処理が終了したか否かを判定する。所定の探索範囲の画素についてエッジの検出処理が終了した場合(ステップS17:Yes)、ステップS18へ移行し、終了してない場合(ステップS17:No)、ステップS19へ移行する。
【0083】
<ステップS18>
原稿エッジ決定部330は、原稿エッジの検出ができなかった旨を示す検出エラー(検出異常)を出力する。そして、原稿エッジ検出処理を終了する。
【0084】
<ステップS19>
エッジ検出部310は、副走査方向において対象画素の次の画素を新たな対象画素とし、ステップS13へ戻る。なお、対象画素の次の画素とは、副走査方向の隣接する画素としてもよく、所定の画素数(例えば微分フィルタの副走査方向の画素数等)だけ先の画素としてもよい。
【0085】
以上のステップS11~S19により、原稿エッジ検出処理が実行される。
【0086】
例えば、上述の図9に示した原稿影が出ている白原稿の原稿エッジを検出する場合、背景400から原稿影402へ変化する部分510の副走査位置で、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出され、ステップS145でエッジ探索判定部320により当該エッジが第1エッジに設定される。それ以降の副走査位置の画素では、ステップS141でエッジ探索判定部320により第1エッジが検出済みであると判定され、ステップS146へ移行する。部分511の副走査位置よりも手前側では、ステップS146でエッジ探索判定部320により暗くなる変化か明るくなる変化かのいずれのエッジも検出されていないと判定され、引き続きエッジの探索処理が継続される。そして、原稿影402から白原稿401へ変化する部分511の副走査位置に到達したとき、エッジ検出部310により明るくなる変化のエッジが検出され、ステップS146でエッジ探索判定部320により明るくなる変化のエッジが検出されていると判定され、ステップS144で当該エッジが第2エッジに設定され、エッジの探索処理が終了する。そして、ステップS16で原稿エッジ決定部330により当該第2エッジが最終的な原稿エッジとして決定される。
【0087】
また、上述の図10に示した原稿影が出づらい白原稿の原稿エッジを検出する場合、背景400から原稿影402aに変化する部分520の副走査位置では、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出されず、ステップS141からステップS142、ステップS143へと移行する。それ以降も部分521の副走査位置より手前では、ステップS142およびステップS143でエッジ検出部310によりエッジが検出されたと判定されない。そして、原稿影402aから白原稿401aへ変化する部分521の副走査位置に到達したとき、エッジ検出部310により明るくなる変化のエッジが検出され、ステップS143でエッジ探索判定部320により明るくなる変化のエッジが検出されていると判定され、ステップS144でエッジ探索判定部320により当該エッジが第2エッジに設定され、エッジの探索処理が終了する。そして、ステップS16で原稿エッジ決定部330により当該第2エッジが最終的な原稿エッジとして決定される。
【0088】
また、上述の図11に示した原稿影が出ている黒原稿の原稿エッジを検出する場合、背景400から原稿影412へ変化する部分530の副走査位置で、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出され、ステップS145において当該エッジが第1エッジに設定される。それ以降の副走査位置の画素では、ステップS141でエッジ探索判定部320により第1エッジが検出済みであると判定され、ステップS146へ移行する。部分531の副走査位置よりも手前側では、ステップS146でエッジ探索判定部320により暗くなる変化か明るくなる変化かのいずれのエッジも検出されていないと判定され、引き続きエッジの探索処理が継続される。そして、原稿影412から黒原稿411へ変化する部分531の副走査位置に到達したとき、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出され、ステップS146でエッジ探索判定部320により暗くなる変化のエッジが検出されていると判定され、ステップS144で当該エッジが第2エッジに設定され、エッジの探索処理が終了する。そして、ステップS16で原稿エッジ決定部330により当該第2エッジが最終的な原稿エッジとして決定される。
【0089】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置100では、フィルタ処理部300は、スキャナ101により読み取られた原稿の画像データから、当該画像データにおいて背景部分から原稿部分へ向かう方向で画素値の微分量を求め、エッジ検出部310は、当該方向に画素を探索して、フィルタ処理部300により求められた微分量に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出し、エッジ探索判定部320は、フィルタ処理部300によって最初に暗くなる変化のエッジが検出された場合に当該エッジを第1エッジに設定し、フィルタ処理部300によって当該第1エッジの検出前に明るくなる変化のエッジが検出された場合、当該エッジを第2エッジに設定し、フィルタ処理部300によって当該第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化のエッジが検出された場合、当該エッジを第2エッジに設定し、原稿エッジ決定部330は、エッジ探索判定部320により設定された第2エッジを、原稿の原稿エッジに決定するものとしている。したがって、背景と原稿影との境界が検出できなかった場合においても、原稿エッジの検出精度を向上することができる。
【0090】
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、原稿エッジ決定部330により決定された原稿エッジに基づいて、原稿のスキューの補正を行うものとしている。したがって、上述のように原稿エッジの検出精度が向上することにより、スキューの補正精度も向上する。
【0091】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る画像形成装置100について、第1の実施形態に係る画像形成装置100と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、黒原稿と背景との間に原稿影が出づらい場合においても原稿エッジを検出することができる動作について説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成、スキャナ101の構成、ADF102の構成、画像処理部200のハードウェア構成および機能ブロックの構成は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0092】
(黒原稿と背景との間に原稿影が出づらい場合について)
図14は、原稿影が出づらい場合の黒原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。図14を参照しながら、黒原稿と背景との間に原稿影が出づらい場合について説明する。
【0093】
図14(a)に示すように、画像データには、黒原稿の画像部分である黒原稿411aと、背景部材92の画像部分である背景400と、黒原稿と背景部材92との間で生じる影の画像部分である原稿影412aとが含まれる。また、黒原稿411aには、図14(a)に示すように、例えば印字部421のような画像部分が含まれているものとする。
【0094】
そして、図14(b)に、画素値のグラフを示し、図14(c)に、図14(b)に示す画素値のグラフを微分フィルタによりフィルタ処理を行った微分量のグラフを示す。この場合、図14(c)に示す微分量のグラフにおいて、原稿影412aと黒原稿411aとの境界のエッジに相当する部分541は、閾値-a以下となるためエッジとして検出されるのに対し、背景400と原稿影412aとの境界に相当する部分540は、閾値-a以下とならないため、エッジとして検出できないことになる。すると、原稿影412aと黒原稿411aとの境界のエッジに相当する部分541で暗くなる変化のエッジが第1エッジとして最初に検出されることになり、次のエッジを探しにいってしまうことになる。そして、次のエッジがなければ探索範囲を過ぎた時点で検出エラーとなり、また、黒原稿411a内部の印字部421の縁等をエッジとして検出された場合、正しい原稿エッジと大きくずれてしまうことになる。本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200は、このような場合においても、部分541に対応するエッジを原稿エッジとして検出することができる。画像処理部200による原稿エッジの検出動作の詳細については、図15で後述する。
【0095】
(画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れ)
図15は、第2の実施形態に係る画像形成装置によるエッジ探索判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100のエッジ探索判定処理の流れについて説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置100の原稿エッジ検出処理の全体の流れは、上述の図12に示した原稿エッジ検出処理の流れと同様であるため、そのうちステップS14に相当するエッジ探索判定処理について、本実施形態の動作を詳述する。
【0096】
<ステップS141~S143>
ステップS141~S143の処理は、上述の図13に示したステップS141~S143の処理と同様である。なお、ステップS141において、第1エッジが検出済みである場合(ステップS141:No)、ステップS146aへ移行する。
【0097】
<ステップS144>
ステップS143:Yesの場合、エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出された対象画素を、第2エッジに対応する画素に設定する。また、ステップS146:Yesの場合、エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジ、または明るくなる変化のエッジに対する画素として検出された対象画素を、第2エッジに対応する画素に設定する。また、ステップS147:Noの場合、エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により最初に暗くなる変化のエッジとして検出された第1エッジを、第2エッジとして設定する。そして、第2エッジが検出されたものとして、エッジ探索判定処理を終了して、ステップS15へ移行する。
【0098】
<ステップS145>
ステップS145の処理は、上述の図13に示したステップS145の処理と同様である。
【0099】
<ステップS146a>
エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により対象画素が暗くなる変化か明るくなる変化かのいずれかのエッジに対応する画素として検出されたか否かを判定する。いずれかのエッジに対応する画素として検出された場合(ステップS146a:Yes)、ステップS144へ移行し、いずれかのエッジに対応する画素として検出されていない場合(ステップS146a:No)、ステップS147へ移行する。
【0100】
<ステップS147>
エッジ探索判定部320は、第1エッジの副走査位置と、現在の副走査位置、すなわち対象画素の副走査位置との距離が所定の閾値(第3閾値)未満であるか否かを判定する。当該距離が閾値未満である場合(ステップS147:Yes)、第2エッジが検出されていないものとして、エッジ探索判定処理を終了し、ステップS15へ移行する。一方、当該距離が閾値以上である場合(ステップS147:No)、ステップS144へ移行する。
【0101】
なお、第1エッジの副走査位置と現在位置との距離に対して判定する閾値としては、例えば原稿影として発生し得る最大幅を設定しておけばよい。つまり、最初に検出した暗くなる変化のエッジ(第1エッジ)が背景と原稿影の境界であると想定されていたとしても、原稿影の幅だけ副走査方向に進んでも次のエッジが検出されなかった場合、最初に検出したエッジ(第1エッジ)が、背景と原稿影の境界ではなく、原稿影と黒原稿との境界、すなわち原稿エッジであったと判断することができる。
【0102】
以上のステップS141~S145、S146aおよびS147により、エッジ探索判定処理が実行される。
【0103】
例えば、上述の図14に示した原稿影が出づらい黒原稿の原稿エッジを検出する場合、背景400から原稿影412aに変化する部分540の副走査位置では、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出されず、ステップS141からステップS142、ステップS143へと移行する。それ以降も部分541の副走査位置より手前では、ステップS142およびステップS143でエッジ検出部310によりエッジが検出されたと判定されない。そして、原稿影412aから黒原稿411aへ変化する部分541の副走査位置に到達したとき、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出され、ステップS142でエッジ探索判定部320により暗くなる変化のエッジが検出されていると判定され、ステップS145でエッジ探索判定部320により当該エッジが第1エッジに設定される。それ以降の副走査位置で、ステップS146aでエッジが検出されなければ、ステップS147でエッジ探索判定部320により第1エッジの副走査位置と、現在の位置、すなわち対象画素の副走査位置との距離が所定の閾値未満であるか否かが判定される。当該距離が閾値以上であった場合は、ステップS144へ移行し、エッジ探索判定部320は、エッジ検出部310により最初に暗くなる変化のエッジとして検出された第1エッジを、第2エッジとして設定し、エッジの探索処理が終了する。そして、ステップS16で原稿エッジ決定部330により当該第2エッジが最終的な原稿エッジとして決定される。
【0104】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置100では、エッジ探索判定部320は、第1エッジの検出後に、当該第1エッジの位置と対象画素の位置との距離が所定の閾値未満であるか否かを判定し、当該距離が所定の閾値以上である場合、第1エッジを第2エッジに設定するものとしている。これによって、黒原稿と背景との間に原稿影が出づらい場合においても原稿エッジを精度よく検出することができる。
【0105】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る画像形成装置100について、第1の実施形態に係る画像形成装置100と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、原稿の画像領域外にノイズが発生した場合においても原稿エッジを検出することができる動作について説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成、スキャナ101の構成、ADF102の構成、画像処理部200のハードウェア構成は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0106】
(画像処理部の機能ブロックの構成および動作)
図16は、第3の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図17は、ノイズがある場合の白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。図16および図17を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200aの機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0107】
図16に示す画像処理部200aは、スキャナ101により読み取られた画像データを入力画像データとして入力し、入力画像データに含まれる原稿のエッジを原稿エッジとして検出する。図16に示すように、画像処理部200aは、フィルタ処理部300(処理部)と、エッジ検出部310(検出部)と、エッジ連続数カウント部340(カウント部)と、エッジ探索判定部320(設定部)と、原稿エッジ決定部330(決定部)と、を有する。なお、フィルタ処理部300、エッジ検出部310、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330の機能は、上述の第1の実施形態で説明した通りである。
【0108】
ここで、図17を参照しながら、ノイズがある場合の原稿の原稿エッジを検出する場合について説明する。図17(a)に示すように、画像データには、白原稿の画像部分である白原稿401bと、背景部材92の画像部分である背景400と、白原稿と背景部材92との間で生じる影の画像部分である原稿影402bと、白原稿401bの画像領域外に存在するノイズの画像部分であるノイズ700と、が含まれる。このようなノイズ700は、例えば、スキャナ101の結像レンズ27または背景部材92にゴミが付着すること、または、撮像部28にゴミが付着すること等により発生する。この場合、主走査位置600の副走査方向の画素値のグラフを微分フィルタによりフィルタ処理した図17(b)に示す微分量のグラフにおいて、本来であれば、背景400から暗くなっていく領域に相当する背景400と原稿影402bとの境界部分に対応する部分550が第1エッジとして検出され、白原稿401bへ向かって明るくなっていく領域に相当する原稿影402bと白原稿401bとの境界部分に対応する部分551が第2エッジとして検出されることが望ましい。しかし、原稿影402bの手前の画像領域でノイズ700が存在すると、第1エッジおよび第2エッジではない部分552で閾値-a以下となるため、誤ったエッジとして検出されてしまう場合がある。本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200aは、このような場合においても、部分551に対応するエッジを原稿エッジとして検出することができる。なお、画像処理部200aによる原稿エッジの検出動作の詳細については、図18で後述する。
【0109】
エッジ連続数カウント部340は、暗くなる変化およびエッジと明るくなる変化のエッジのうちいずれかに対応する画素が連続して検出された場合に、その連続数をカウントする機能部である。
【0110】
上述のフィルタ処理部300、エッジ検出部310、エッジ連続数カウント部340、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330は、図5に示したCPU201によりプログラムが実行されることによって実現される。なお、フィルタ処理部300、エッジ検出部310、エッジ連続数カウント部340、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGAまたはASIC等のハードウェア回路(集積回路)によって実現されてもよい。
【0111】
なお、図16に示す画像処理部200aの各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図16に示す画像処理部200aで独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図16に示す画像処理部200aで1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0112】
(画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れ)
図18は、第3の実施形態に係る画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図18を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の原稿エッジ検出処理の流れについて説明する。
【0113】
<ステップS11~S13>
ステップS11~S13の処理は、上述の図12に示したステップS11~S13の処理と同様である。なお、ステップS13の処理の実行後、ステップS20へ移行する。
【0114】
<ステップS20>
エッジ連続数カウント部340は、対象画素の直前の画素についてエッジ検出部310によりエッジとして検出されている場合において、対象画素の画素がエッジ検出部310によりエッジとして検出されており、かつ、当該検出結果が対象画素の直前の画素についての検出結果と同様であるか否かを判定する。対象画素の画素がエッジ検出部310によりエッジとして検出されており、かつ、当該検出結果が対象画素の直前の画素についての検出結果と同様である場合(ステップS20:Yes)、ステップS21へ移行する。一方、対象画素の画素がエッジ検出部310によりエッジとして検出されていない、または、エッジ検出部310による検出結果が対象画素の直前の画素についての検出結果と同様でない場合(ステップS20:No)、ステップS22へ移行する。
【0115】
<ステップS21>
エッジ連続数カウント部340は、エッジ検出部310により対象画素について直前の画素の検出結果と同様の検出結果が得られた連続数を加算(カウント)する。そして、ステップS14へ移行する。
【0116】
<ステップS22>
エッジ連続数カウント部340は、エッジ検出部310により対象画素について直前の画素の検出結果と同様の検出結果が得られた連続数をリセットする。そして、ステップS14へ移行する。
【0117】
<ステップS14>
画像処理部200aのエッジ探索判定部320は、エッジ検出部310による検出結果に応じて、さらに副走査方向の次のエッジを探索するか否かを判定する。具体的には、エッジ探索判定部320は、図13に示したステップS141~S146のエッジ探索判定処理を実行する。このうち、ステップS142およびS143については以下のような処理が行われる。
【0118】
なお、このステップS14の処理として、図13に示したステップS141~S146のエッジ探索判定処理が実行されることに限定されるものではなく、図15に示したステップS141~S145、S146aおよびS147のエッジ探索判定処理が実行されるものとしてもよい。
【0119】
<<ステップS142>>
エッジ探索判定部320は、エッジ連続数カウント部340により加算された、暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出された連続数が、所定の閾値(第4閾値)を超えたか否かを判定する。すなわち、エッジ探索判定部320は、エッジ連続数カウント部340により加算された、暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出された連続数が所定の閾値を超えた場合、エッジ検出部310により対象画素が暗くなる変化のエッジに対応する画素として検出されたものと判定する。当該連続数が所定の閾値を超えた場合(ステップS142:Yes)、ステップS145へ移行し、当該連続数が所定の閾値を超えていない場合(ステップS142:No)、ステップS143へ移行する。
【0120】
<<ステップS143>>
エッジ探索判定部320は、エッジ連続数カウント部340により加算された、明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出された連続数が、所定の閾値(第4閾値)を超えたか否かを判定する。すなわち、エッジ探索判定部320は、エッジ連続数カウント部340により加算された、明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出された連続数が所定の閾値を超えた場合、エッジ検出部310により対象画素が明るくなる変化のエッジに対応する画素として検出されたものと判定する。当該連続数が所定の閾値を超えた場合(ステップS143:Yes)、ステップS144へ移行し、当該連続数が所定の閾値を超えていない場合(ステップS143:No)、第2エッジが検出されていないものとして、エッジ探索判定処理を終了し、ステップS15へ移行する。
【0121】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置100では、エッジ連続数カウント部340は、エッジ検出部310により同様のエッジの検出結果が得られた連続数をカウントし、エッジ探索判定部320は、エッジ連続数カウント部340によりカウントされた、暗くなる変化のエッジに対応する連続数が所定の閾値を超えた場合、エッジ検出部310により暗くなる変化のエッジが検出されたものと判定し、エッジ連続数カウント部340によりカウントされた、明るくなる変化のエッジに対応する連続数が所定の閾値を超えた場合、エッジ検出部310により明るくなる変化のエッジが検出されたものと判定するものとしている。これによって、原稿の画像領域外にノイズが発生した場合においても原稿エッジを精度よく検出することができる。
【0122】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る画像形成装置100について、第1の実施形態に係る画像形成装置100と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、画素値が所定の閾値未満である場合に、当該画素値に対応する副走査位置を原稿エッジに決定する動作について説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成、スキャナ101の構成、ADF102の構成、画像処理部200のハードウェア構成は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0123】
(画像処理部の機能ブロックの構成および動作)
図19は、第4の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図20は、原稿エッジ付近に画像が印字されている場合の白原稿の原稿エッジを検出する動作を説明する図である。図19および図20を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200bの機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0124】
図19に示す画像処理部200bは、スキャナ101により読み取られた画像データを入力画像データとして入力し、入力画像データに含まれる原稿のエッジを原稿エッジとして検出する。図19に示すように、画像処理部200bは、フィルタ処理部300(処理部)と、画素値判定部350(判定部)と、エッジ検出部310(検出部)と、エッジ探索判定部320(設定部)と、原稿エッジ決定部330(決定部)と、を有する。なお、フィルタ処理部300、エッジ検出部310、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330の機能は、上述の第1の実施形態で説明した通りである。
【0125】
ここで、図20を参照しながら、白原稿と背景との間に原稿影が出づらく、かつ白原稿に黒い縁取り部が存在する場合について説明する。
【0126】
図20(a)に示すように、画像データには、白原稿の画像部分である白原稿401cと、背景部材92の画像部分である背景400と、白原稿と背景部材92との間で生じる影の画像部分である原稿影402cとが含まれる。また、白原稿401cには、図20(a)に示すように、例えば黒塗りの縁取り部422の画像部分が含まれているものとする。
【0127】
そして、図20(b)に、画素値のグラフを示し、図20(c)に、図20(b)に示す画素値のグラフを微分フィルタによりフィルタ処理を行った微分量のグラフを示す。この場合、図20(c)に示す微分量のグラフにおいて、原稿影402cと白原稿401c(縁取り部422)との境界のエッジに相当する部分560は、閾値-a以下となるためエッジとして検出されるのに対し、背景400と原稿影402cとの境界に相当する部分は、閾値-a以下とならないため、エッジとして検出できないことになる。この場合、部分560が第1エッジとして検出されることになる。さらに、縁取り部422と白原稿401cの白部分との境界に相当する部分561が、閾値a以上となることにより、部分561が第2エッジとして検出され、原稿エッジとして決定されることになり、正しい原稿エッジと大きくずれてしまうことになる。本実施形態に係る画像形成装置100の画像処理部200bは、このような事態を回避するため、図20(b)に示す画素値のグラフにおいて、画素値が所定の閾値b未満となった部分570の副走査位置を、原稿エッジの副走査位置として決定する。画像処理部200bによる原稿エッジの検出動作の詳細については、図21で後述する。
【0128】
画素値判定部350は、対象画素の画素値が所定の閾値b(第5閾値の一例)未満であるか否かを判定する機能部である。ここで、閾値bとしては、例えば原稿影が取り得る画素値の下限値を設定すればよい。
【0129】
上述のフィルタ処理部300、画素値判定部350、エッジ検出部310、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330は、図5に示したCPU201によりプログラムが実行されることによって実現される。なお、フィルタ処理部300、画素値判定部350、エッジ検出部310、エッジ探索判定部320および原稿エッジ決定部330の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGAまたはASIC等のハードウェア回路(集積回路)によって実現されてもよい。
【0130】
なお、図19に示す画像処理部200bの各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図19に示す画像処理部200bで独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図19に示す画像処理部200bで1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0131】
(画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れ)
図21は、第4の実施形態に係る画像形成装置による原稿エッジ検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図21を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の原稿エッジ検出処理の流れについて説明する。
【0132】
<ステップS11、S12>
ステップS11およびS12の処理は、上述の図12に示したステップS11およびS12の処理と同様である。なお、ステップS12の処理の実行後、ステップS23へ移行する。
【0133】
<ステップS23>
画像処理部200bの画素値判定部350は、対象画素の画素値が所定の閾値b未満であるか否かを判定する。対象画素の画素値が閾値b未満である場合(ステップS23:Yes)、ステップS24へ移行し、対象画素の画素値が閾値b以上である場合(ステップS23:No)、ステップS13へ移行する。
【0134】
<ステップS24>
画像処理部200bの原稿エッジ決定部330は、対象画素を第2エッジとして設定し、当該第2エッジを最終的な原稿エッジとして決定する。すなわち、原稿エッジ決定部330は、第2エッジとしての対象画素の副走査位置を、最終的な原稿エッジの位置として決定する。これによって、白原稿と背景との間に原稿影が出づらく、かつ白原稿に黒い縁取り部が存在する場合においても、原稿エッジの検出精度を向上することができる。そして、原稿エッジ検出処理を終了する。
【0135】
<ステップS13~S19>
ステップS13~S19の処理は、上述の図12に示したステップS13~S19の処理と同様である。なお、ステップS19の処理の実行後、ステップS23へ戻る。
【0136】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置100では、画素値判定部350は、対象画素の画素値が所定の閾値未満であるか否かを判定し、原稿エッジ決定部330は、画素値判定部350により対象画素の画素値が所定の閾値未満であると判定された場合、当該対象画素の位置を原稿エッジの位置として決定するものとしている。これによって、白原稿と背景との間に原稿影が出づらく、かつ白原稿に黒い縁取り部が存在する場合においても原稿エッジを精度よく検出することができる。
【0137】
なお、上述の各実施形態において、画像形成装置100の画像処理部200、200aおよび200bの各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の各実施形態において、画像形成装置100の画像処理部200、200aおよび200bで実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像形成装置100の画像処理部200、200aおよび200bで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像形成装置100の画像処理部200、200aおよび200bで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態において、画像形成装置100の画像処理部200、200aおよび200bで実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU201が上述の記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【0138】
本発明の態様は、以下の通りである。
<1>読取装置により読み取られた原稿の画像データから、該画像データにおいて背景部分から原稿部分へ向かう方向で隣接する画素の画素値の差分に関する値を求める処理部と、
前記方向に画素を探索して、前記処理部により求められた前記差分に関する値に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出する検出部と、
前記検出部によって最初に暗くなる変化の前記エッジが検出された場合に該エッジを第1エッジに設定し、前記検出部によって該第1エッジの検出前に明るくなる変化の前記エッジが検出された場合、該エッジを第2エッジに設定し、前記検出部によって該第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化の前記エッジが検出された場合、該エッジを前記第2エッジに設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記第2エッジを、前記原稿の原稿エッジに決定する決定部と、
を備えた画像処理装置である。
<2>前記処理部は、前記方向の画素の画素値に対して微分フィルタによるフィルタ処理を行うことにより、前記差分に関する値として、前記画素値に対する微分量を算出する前記<1>に記載の画像処理装置である。
<3>前記検出部は、
対象画素の画素値に対応する前記微分量が第1閾値以下である場合、該対象画素を暗くなる変化の前記エッジとして検出し、
前記対象画素の画素値に対応する前記微分量が、前記第1閾値より大きい第2閾値以上である場合、該対象画素を明るくなる変化の前記エッジとして検出する前記<2>に記載の画像処理装置である。
<4>前記設定部は、
前記第1エッジの検出後に、該第1エッジの位置と対象画素の位置との距離が第3閾値未満であるか否かを判定し、
前記距離が前記第3閾値以上である場合、前記第1エッジを前記第2エッジに設定する前記<1>~<3>のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
<5>前記第3閾値は、前記原稿の原稿影として発生し得る最大幅である前記<4>に記載の画像処理装置である。
<6>前記検出部により同様の前記エッジの検出結果が得られた連続数をカウントするカウント部を、さらに備え、
前記設定部は、
前記カウント部によりカウントされた、暗くなる変化の前記エッジに対応する前記連続数が第4閾値を超えた場合、前記検出部により暗くなる変化の前記エッジが検出されたものと判定し、
前記カウント部によりカウントされた、明るくなる変化の前記エッジに対応する前記連続数が前記第4閾値を超えた場合、前記検出部により明るくなる変化の前記エッジが検出されたものと判定する前記<1>~<5>のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
<7>対象画素の画素値が第5閾値未満であるか否かを判定する判定部を、さらに備え、
前記決定部は、前記判定部により前記対象画素の画素値が前記第5閾値未満であると判定された場合、該対象画素の位置を前記原稿エッジの位置として決定する前記請<1>~<6>のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
<8>前記検出部は、前記方向における所定の探索範囲の画素について前記エッジの検出処理が終了したか否を判定し、
前記決定部は、前記検出部により前記探索範囲の画素について前記エッジの検出処理が終了したと判定された場合、前記原稿エッジが検出できなかった旨を示す検出異常を出力する前記<1>~<7>のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
<9>前記決定部により決定された前記原稿エッジに基づいて、前記原稿のスキューの補正を行う前記<1>~<8>のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
<10>読取装置により読み取られた原稿の画像データから、該画像データにおいて背景部分から原稿部分へ向かう方向で隣接する画素の画素値の差分に関する値を求める処理ステップと、
前記方向に画素を探索して、前記差分に関する値に基づいて、画素値が変化する境界としてのエッジを検出する検出ステップと、
最初に暗くなる変化の前記エッジを検出した場合に該エッジを第1エッジに設定し、該第1エッジの検出前に明るくなる変化の前記エッジを検出した場合、該エッジを第2エッジに設定し、該第1エッジの検出後に暗くなる変化または明るくなる変化の前記エッジを検出した場合、該エッジを前記第2エッジに設定する設定ステップと、
設定した前記第2エッジを、前記原稿の原稿エッジに決定する決定ステップと、
を有するエッジ検出方法である。
【符号の説明】
【0139】
7 スリットガラス
8 コンタクトガラス
11 原稿トレイ
12 排紙トレイ
24 光源
25 第1キャリッジ
25a 第1ミラー部材
26 第2キャリッジ
26a 第2ミラー部材
26b 第3ミラー部材
27 結像レンズ
28 撮像部
41 可動原稿テーブル
42 サイドガイド板
46 セットフィラー
50 搬送部
51 分離給送部
52 プルアウト部
52a 搬送経路
53 ターン部
53a 搬送経路
54 第1読取搬送部
55 第2読取搬送部
55a 搬送経路
56 排紙部
60 給紙口
61 ピックアップローラ
62 給紙ベルト
63 リバースローラ
64 支持アーム部材
65 プルアウトローラ
66 中間ローラ
67 読取入口ローラ
68 第1読取ローラ
69 第1読取出口ローラ
70 第2読取ローラ
71 第2読取出口ローラ
72 排紙ローラ
81 レジストセンサ
82 原稿セットセンサ
83 排紙センサ
84 突き当てセンサ
85 原稿幅センサ
89 原稿長さ検知センサ
90 原稿長さ検知センサ
91 第2読取部
92 背景部材
100 画像形成装置
101 スキャナ
101a 本体フレーム
102 ADF
103 給紙部
104 本体
105 作像部
106 現像器
107 搬送路
108 レジストローラ
109 光書き込み装置
110 定着部
111 両面トレイ
112 感光体ドラム
113 中間転写ベルト
120 プロッタ
200、200a、200b 画像処理部
201 CPU
202 ROM
205 メインメモリ
206 チップセット
207 画像処理ASIC
208 コントローラASIC
209 メインメモリ
210 I/O ASIC
211 HDD
300 フィルタ処理部
310 エッジ検出部
320 エッジ探索判定部
330 原稿エッジ決定部
340 エッジ連続数カウント部
350 画素値判定部
400 背景
401、401a~401c 白原稿
402、402a~402c 原稿影
411、411a 黒原稿
412、412a 原稿影
421 印字部
422 縁取り部
500、501 領域
510、511 部分
520、521 部分
530、531 部分
540、541 部分
550、551、552 部分
560、561 部分
570 部分
600 主走査位置
700 ノイズ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0140】
【特許文献1】特開2020-123940号公報
【特許文献2】特開2014-072626号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21