(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177812
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】軸支持装置、転写装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20241217BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241217BHJP
F16C 13/04 20060101ALI20241217BHJP
F16C 17/02 20060101ALI20241217BHJP
G03G 21/16 20060101ALN20241217BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G15/00 550
F16C13/04
F16C17/02 Z
G03G21/16 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096158
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 龍之介
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
3J011
3J103
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171FA15
2H171FA30
2H171GA12
2H171GA13
2H171JA08
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171KA05
2H171KA16
2H171KA17
2H171KA18
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171KA28
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB14
2H171QB32
2H171QB52
2H171QB55
2H171QC03
2H171QC22
2H171SA11
2H171SA15
2H171SA21
2H171SA22
2H171SA28
2H171XA01
2H171XA16
2H200FA17
2H200GA23
2H200GA47
2H200HB12
2H200JA02
2H200JA29
2H200JB39
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2H200JC03
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2H200JC15
2H200LA02
2H200LA03
2H200LA06
2H200LA17
2H200MA02
3J011AA01
3J011AA03
3J011BA06
3J011KA02
3J011PA03
3J103AA02
3J103CA62
3J103DA01
3J103FA18
3J103FA26
3J103FA30
3J103GA02
3J103HA08
(57)【要約】
【課題】支持する軸の位置精度を向上させることが可能な軸支持装置を提供する。
【解決手段】軸に篏合し、該軸に対して移動可能な移動部材と、前記軸の端部を支持する支持部材と、前記移動部材の前記支持部材と対向する側の端部に設けられ、前記軸の直径よりも大きい内径を有する開口部と、前記開口部の内面および該内面と接触可能な前記支持部材の外面のうちの少なくとも一方に設けられる傾斜部と、を備え、前記傾斜部は、前記軸を支持した前記支持部材に向けて前記移動部材を移動させていくに従い、前記軸および前記支持部材間の当接が強まるように形成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸に篏合し、該軸に対して移動可能な移動部材と、
前記軸の端部を支持する支持部材と、
前記移動部材の前記支持部材と対向する側の端部に設けられ、前記軸の直径よりも大きい内径を有する開口部と、
前記開口部の内面および該内面と接触可能な前記支持部材の外面のうちの少なくとも一方に設けられる傾斜部と、を備え、
前記傾斜部は、前記軸を支持した前記支持部材に向けて前記移動部材を移動させていくに従い、前記軸および前記支持部材間の当接が強まるように形成されていることを特徴とする軸支持装置。
【請求項2】
前記傾斜部は、前記支持部材の前記外面に設けられ、
前記支持部材の前記移動部材と対向する側の端部から遠ざかるに従い、前記外面の断面形状が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の軸支持装置。
【請求項3】
前記傾斜部は、前記開口部の前記内面に設けられ、
前記開口部の前記支持部材と対向する側の端部から遠ざかるに従い、前記開口部の断面形状が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の軸支持装置。
【請求項4】
前記傾斜部を、外側に凸を成す曲線状にしたことを特徴とする請求項1記載の軸支持装置。
【請求項5】
前記軸と前記移動部材との間に、少なくとも、前記移動部材を前記支持部材に向けて移動させる範囲で前記移動部材をねじ送りするための、ねじ部を備えることを特徴とする請求項1記載の軸支持装置。
【請求項6】
前記軸と前記移動部材との間に、前記移動部材を前記支持部材に向けて付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1記載の軸支持装置。
【請求項7】
前記軸の表面性状をRz(最大高さ)3.5μmに規定したことを特徴とする請求項1記載の軸支持装置。
【請求項8】
画像形成装置本体に脱着可能な転写装置において、
画像形成装置本体に対する位置決め用の軸を備え、
前記位置決め用の軸の支持に請求項1乃至7のいずれか一項に記載の軸支持装置を用いたことを特徴とする転写装置。
【請求項9】
転写装置を備えた画像形成装置において、
転写装置として請求項8に記載の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置本体に対して脱着可能な装置を備えた画像形成装置において、
前記装置は前記画像形成装置本体に対する位置決め用の軸を備え、
前記位置決め用の軸の支持に請求項1乃至7のいずれか一項に記載の軸支持装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸支持装置、転写装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、軸の端部が脱着可能な脱着可能状態と、当該端部が脱着不能な脱着不能状態とを選択的に取り得る軸支持装置が知られている。特許文献1には、回転軸の端部が挿嵌された状態で支持可能な軸受を備え、軸受は、回転軸の端部を回転可能に支持する装着状態と、回転軸の端部を外部に露呈して取り外し可能な離脱状態とが選択可能な構成を備えている軸支持装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の軸支持装置では支持する軸の位置精度の向上が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、軸に篏合し、該軸に対して移動可能な移動部材と、前記軸の端部を支持する支持部材と、前記移動部材の前記支持部材と対向する側の端部に設けられ、前記軸の直径よりも大きい内径を有する開口部と、前記開口部の内面および該内面と接触可能な前記支持部材の外面のうちの少なくとも一方に設けられる傾斜部と、を備え、前記傾斜部は、前記軸を支持した前記支持部材に向けて前記移動部材を移動させていくに従い、前記軸および前記支持部材間の当接が強まるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、支持する軸の位置精度を向上させることが可能な軸支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図。
【
図4】軸支持装置の第1の実施形態の概略を示す説明図。
【
図5】第1の実施形態における具体例を示す説明図。
【
図6】第1の実施形態における別の具体例を示す説明図。
【
図7】軸支持装置の第2の実施形態の概略を示す説明図。
【
図8】第2の実施形態における具体例を示す説明図。
【
図9】第2の実施形態における別の具体例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態を説明する。図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
<画像形成装置の構成>
はじめに画像形成装置の構成について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。例示された画像形成装置は、電子写真方式により画像形成が行われるプリンタである。
【0011】
以降の説明において、図に示されるX、YおよびZ方向は次のとおりである。X方向はプリンタの左右方向であり、X方向負側(矢印と逆方向側)をプリンタの右側とする。Y方向はプリンタの前後方向であり、Y方向負側(図中、手前側)をプリンタの前側とする。Z方向はプリンタの上下方向であり、Z方向負側(矢印と逆方向側)をプリンタの下側とする。
【0012】
プリンタ1000は、作像部1、一次転写部2、シート供給部3、二次転写部4、定着部5、シート戻し部6、シート排出部7、露光部8およびトナー容器装着部9等を備える。
【0013】
作像部1は、複数の作像ユニット10A,10B,10C,10D,10Eを備える。作像ユニット10A~10Eは、それぞれ同一または同等の構成であるため、特に区別しない場合は作像ユニット10と総称表記する。
【0014】
作像ユニット10A~10Eは、それぞれ異なる色のトナー像を形成する。例えば、作像ユニット10Bはイエロー色(Y)のトナー像を形成し、作像ユニット10Cはマゼンタ色(M)のトナー像を形成し、作像ユニット10Dはシアン色(C)のトナー像を形成する。作像ユニット10Eはブラック色(K)のトナー像を形成し、作像ユニット10AはY,M,C,K以外の特別色のトナー像を形成する。
【0015】
特別色は必ずしも有色に限らず、クリアートナーなどの無色を含むものであってもよい。また、作像ユニット10の数や色の並び順は上記に限るものではない。作像ユニット10の数は、4つ以下でもよいし、6つ以上であってもよい。作像ユニット10の色の並び順は、作像ユニットの仕様やトナー特性等に応じて適宜決定してよい。ここで一度、
図1を離れ、
図2を用いて作像ユニット10の構成について説明する。
【0016】
図2は、作像ユニットの一例を示す概略構成図である。
【0017】
作像ユニット10は、感光体モジュール11、帯電モジュール12、現像モジュール13および清掃モジュール14を備える。
【0018】
感光体モジュール11は、例えば円筒状の感光体110を備える。感光体110は、図中、反時計まわり方向(矢印方向)に回転駆動される。
【0019】
帯電モジュール12は、例えば帯電ローラ120を備える。帯電ローラ120は、感光体110の表面に電荷を付与し、感光体110の表面を所定電位に帯電させる。
【0020】
現像モジュール13は、例えばトナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を担持する現像ローラ130を備える。現像ローラ130は、所定電位に帯電した感光体110の表面を後述の露光部8が露光することによって形成される静電潜像に対してトナーを付与し、感光体110の表面にトナー像を形成する。
【0021】
清掃モジュール14は、例えば清掃ローラ140、清掃ブレード141等の清掃部材を備える。清掃ローラ140および清掃ブレード141は、後述の一次転写部2を通過した感光体110の表面を清掃する。
【0022】
再び
図1に戻り、プリンタ1000の全体構成の続きを説明する。
【0023】
一次転写部2は、例えば作像部1の下方に配置される。一次転写部2は、複数の一次転写ローラ20A,20B,20C,20D,20E、中間転写ベルト21、二次転写対向ローラ22、ベルト清掃機構23等を備える。一次転写ローラ20A~20Eは、それぞれ同一または同等の構成であるため、特に区別しない場合は一次転写ローラ20と総称表記する。
【0024】
一次転写ローラ20は、作像ユニット10が備える感光体110と対向する位置に設けられる。一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21を介して感光体110に当接可能に設けられ、一次転写ローラ20を感光体110側へ押し当てることによって、感光体110と中間転写ベルト21の間でニップ(以下、一次転写ニップと呼ぶ)を形成する。一次転写ローラ20には一次転写用のバイアスが印加され、一次転写ニップ内に電界を形成する。
【0025】
中間転写ベルト21は、フッ化ビニルデン、エチレン-四フッ化エチレン共重合体、ポリイミド、ポリカーボネート等の材料を単層または複数層に構成した無端状のベルトである。中間転写ベルト21は、複数の支持ローラに掛け渡されて図中、時計まわり方向に移動する。
【0026】
二次転写対向ローラ22は、後述の二次転写部4が備える二次転写ローラ40と共にニップ(以下、二次転写ニップと呼ぶ)を形成する。
【0027】
ベルト清掃機構23は、後述の二次転写ローラ40(二次転写ニップ)を通過した中間転写ベルト21の表面を清掃する。
【0028】
シート供給部3は、例えばプリンタ1000の下部に配置される。シート供給部3は、シートSを積載するトレイ30、トレイ30からシートSを1枚ずつ送り出す送出機構31、送出機構31から送られたシートSを所定のタイミングで二次転写部4へ搬送するレジストローラ対32,33等を備える。
【0029】
二次転写部4は、例えば一次転写部2の下方に配置される。二次転写部4は、二次転写ローラ40を備える。二次転写ローラ40は、一次転写部2が備える二次転写対向ローラ22と対向する位置に設けられ、中間転写ベルト21を介して二次転写対向ローラ22に当接可能に設けられる。二次転写ローラ40は、二次転写対向ローラ22側へ押し当てられることによって、二次転写ローラ40と中間転写ベルト21の間で二次転写ニップを形成する。二次転写ローラ40には二次転写用のバイアスが印加され、二次転写ニップ内に電界を形成する。
【0030】
なお、二次転写ニップは、二次転写ローラ40と中間転写ベルト21で形成する構成に限るものではない。例えば、二次転写部4が、二次転写ローラ40を含む複数の張架ローラに掛け渡される二次転写ベルトを備える構成とし、二次転写ローラ40が、二次転写ベルトを介して中間転写ベルト21(二次転写対向ローラ22)に当接されるようにしてもよい。この場合は、中間転写ベルト21と二次転写ベルトとの間で二次転写ニップが形成される。ここで、二次転写部4は「転写装置」の一例である。
【0031】
定着部5は、例えば、二次転写部4に対してシート搬送方向下流部(X方向正側)に配置される。定着部5は、加熱ローラ50および加圧ローラ51等を備える。加熱ローラ50と加圧ローラ51は当接可能であり、互いが当接することでニップ(以下、定着ニップと呼ぶ)を形成する。二次転写部4でトナー像が転写されたシートSは、定着ニップにおいて加熱および加圧され、トナー像がシートSに定着される。
【0032】
シート排出部7は、例えば、定着部5に対してシート搬送方向下流部に配置される。シート排出部7は、シートSの排出先を切り替える切替機構70a,70b,70c等を備え、切替機構70a,70b,70cによってシートSを機外または後述のシート戻し部6に向けて搬送する。
【0033】
シート戻し部6は、例えば、シート排出部7、定着部5および二次転写部4の下方に配置される。シート戻し部6は、複数の搬送ローラが設けられた戻し路60を備える。戻し路60の終点はシート供給部3と合流し、シート排出部7から送られたシートSを再び二次転写部4に向けて搬送する。
【0034】
露光部8は、例えば作像部1の上方に配置される。露光部8は、上述の帯電モジュール12によって所定電位に帯電した感光体110にレーザ光L(
図2参照)を走査し、感光体110の表面に静電潜像を形成する。
【0035】
トナー容器装着部9は、例えば露光部8の上方付近に配置される。トナー容器装着部9は、各作像ユニット10A~10Eで使用されるトナーを収容したトナー容器90A~90Eを着脱自在に保持する。トナー容器装着部9と作像部1はトナー移送機構によって接続されており、トナー容器90A~90Eに収容されたトナーは、トナー移送機構によって作像ユニット10A~10Eへ移される。トナー容器90A~90Eは、交換時期となった際はトナー容器装着部9から取り外して、新たなトナー容器と交換される。
【0036】
上記構成において、プリンタ1000は、外部のコンピュータ等から画像データを受信するとプリントジョブに移行し、中間転写ベルト21などの駆動を開始する。そして、作像部1では回転駆動する感光体110の表面を、帯電ローラ120が所定の帯電電位に一様に帯電する。
【0037】
帯電した感光体110の表面には、画像データに基づいて露光部8が発するレーザ光を用いた光走査によって、各色用の静電潜像が形成される。静電潜像は、現像モジュール13にてトナー像として現像後、中間転写ベルト21の表面に順に一次転写され、各色を重ね合わせたトナー像になる。トナー像を中間転写ベルト21に転写した後の感光体110は、清掃モジュール14で清掃され、感光体110の表面に残留したトナー等が感光体110の表面から除去される。
【0038】
シート供給部3の送出機構31から送り出されたシートSは、レジストローラ対32,33に突き当たるまで搬送され、シートSがレジストローラ対32,33に突き当たったならば搬送を一時停止させる。そして、中間転写ベルト21上のトナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせてレジストローラ対32,33が搬送を再開する。レジストローラ対32,33からの搬送が再開されたシートSには、二次転写ニップにて中間転写ベルト21上のトナー像と同期してトナー像が二次転写される。
【0039】
二次転写後のシートSは、定着部5へ移動し、定着部5はシートS上のトナー像に対して熱と圧力を加えることでトナー像をシートSに定着する。その後、シートSはシート排出部7へ移動し、切替機構70a,70b,70cの案内に応じてシートSは機外またはシート戻し部6へ送られる。シート戻し部6は、シートSの上下(表裏)を反転してシートSを二次転写ニップに再送する場合に主に用いられ、シートSは二次転写ニップにてその裏面にトナー像の二次転写が行われた後、シート排出部7から排出される。
【0040】
二次転写ニップを通過後の中間転写ベルト21は、ベルト清掃機構23で清掃され、中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等が中間転写ベルト21の表面から除去される。
【0041】
<二次転写部の構成>
図3は、二次転写部の支持構造の概略構成図であり、
図3(b)は二次転写部を
図1のX方向負側から見た図、
図3(a)は
図3(b)をY方向負側から見た図、
図3(c)は
図3(b)をY方向正側から見た図である。
【0042】
二次転写部4は、二次転写ベルト41をベルト内周面側で支える5本の張架ローラを有している。5本の張架ローラは、具体的には、二次転写ローラ40、分離ローラ45、従動ローラ46、駆動ローラ47および寄り止めローラ48である。二次転写ベルト41を外周面から加圧するテンションローラ49も有している。
【0043】
二次転写部4は、プリンタ1000本体に対して前側(Y方向負側)に引き出し可能な支持筐体100に支持されている。二次転写部4は、二次転写ベルト41を張架する複数の張架ローラを支持する一対のローラ支持板42を有している。
【0044】
中間転写ベルト21とともに二次転写ニップを形成する二次転写ローラ40は、固定軸である二次転写ローラ軸43の周りに回転自由である。二次転写ローラ軸43は、回転アーム101,102に接触面SF1,SF2で接しており、回転アーム101,102からの押圧力によって中間転写ベルト21に押圧されている。接触面SF1,SF2は、二次転写ローラ40と中間転写ベルト21を挟んで二次転写ローラ40と対向する二次転写対向ローラ22の中心同士を結ぶベクトルと概ね垂直を成すようにしている。接触面SF1,SF2は、二次転写部4の位置決めにあたっての基準平面として機能する。
【0045】
回転アーム101,102は、支持筐体100と一体の支持部材105,106によって中心軸周りで回転自由に支持される。回転アーム101,102と支持筐体100との間のスプリング103,104は、回転アーム101,102を回動付勢する。回転アーム101,102は、接触面SF1,SF2を介して二次転写部4を中間転写ベルト21に押圧する。
【0046】
前側の回転アーム101の支持部材105の軸支持部は、二次転写部4の位置決め用の軸である軸部材44と同一中心となるように回転アーム101の支持部材105を支持している。この支持は、上下左右の位置決め(XZ平面内での位置決め)に関する主基準となる。二次転写部4の軸部材44は、ローラ支持板42に両端部が支持された非回転軸であり、ローラ支持板42の間では従動ローラ46を回転可能に支持する。
【0047】
後述する本発明の実施形態に係る軸支持装置は、二次転写部4の前側の軸部材44を支持するものである。この前側の軸部材44を支持する
図3の支持部材105の嵌合部分の形状は、上下左右を位置決めする機能を模式的に示すに過ぎず、具体的な形状については後述する。
【0048】
後側の回転アーム102の支持部材106の軸支持部は、二次転写部4の姿勢を拘束しないように溝形状としており、溝形状は二次転写ローラ40の中心と同心の2つのR形状で形成した溝形状となっている。姿勢を拘束しない溝形状は、これに限らず上方が開口した上下に延びる溝形状などでもよい。このような溝形状は、上下左右を完全に位置決めすることはなく、例えば左右あるいは斜め方向などの部分的な位置決めであり、位置決めの従基準である。二次転写部4は、接触面SF1,SF2および支持部材105,106によって所定の姿勢になるように位置決めされる。
【0049】
二次転写部4は、支持筐体100をプリンタ1000の前側板部に形成された開口からY方向負側に引き出した状態で、支持筐体100に対してZ方向正側に着脱可能である。この着脱においては二次転写部4の少なくとも主基準となる軸部材44の拘束を解除する必要がある。すなわち、軸部材44の端部は、拘束を解除して脱着可能な脱着可能状態と、上下左右に拘束して脱着不能な脱着不能状態とを選択的に取り得る軸支持装置で支持する必要がある。
【0050】
なお、実施形態においては、軸支持装置を二次転写部に適用した構成に基づいて説明するが、軸支持装置の適用先は二次転写部に限られるものではない。軸支持装置は、二次転写部以外のプリンタ1000本体に対して脱着可能に設けられた装置に対して適宜適用することが可能である。
【0051】
<軸支持装置の構成>
以下、軸支持装置の構成について詳細を説明する。
【0052】
[第1の実施形態]
図4は、軸支持装置の第1の実施形態の概略を示す説明図である。
【0053】
軸支持装置は、上述のように、二次転写部4の前側の軸部材44を支持するものである。
図4には、前側の回転アーム101を貫通して二次転写ベルト41側に突出した支持部材105の軸支持部近傍の斜視図が示されている。ここで、軸部材44は「軸」の一例であり、支持部材105は「支持部材」の一例である。
【0054】
支持部材105は、例えば、二次転写ベルト41側に庇状に延びた断面円弧形状の軸支持部105aを有する。軸支持部105aの内面は、二次転写部4を支持筐体100に装着した状態において、軸部材44の端部を支持する支持面105bとして機能する。軸支持部105aの外面はテーパ面105cになっている。テーパ面105cは、Y方向負側(軸部材44の端部から遠ざかる方向)へ向かうに従い、断面形状が大きくなるように傾斜して形成されている。ここで、テーパ面105cは「傾斜部」の一例である。
【0055】
軸部材44は、その外周部に円筒形状をした移動部材441を有する。移動部材441は、軸部材44に篏合し、軸部材44に対して周方向および軸方向に移動可能に設けられている。ここで、移動部材441は「移動部材」の一例である。移動部材441と支持部材105の関係については後述するが、概略として、移動部材441は支持部材105と対向する側(Y方向負側)の端部が、支持部材105のテーパ面105cに嵌まるように形成されている。支持面105bに軸部材44を載せた後、移動部材441をY方向負側へ移動させることによって、軸部材44が支持部材105に固定される構成となっている。以下、移動部材441の構成について、
図5および
図6を用いて説明する。
【0056】
図5は、第1の実施形態における具体例を示す説明図であり、
図5(a)は軸部材の端部の拘束を解除した状態を示し、
図5(b)は軸部材の端部を拘束した状態を示す。
【0057】
円筒形状をした移動部材441は、軸部材44に篏合し、軸部材44に対して周方向および軸方向に移動可能に設けられている。二次転写部4を支持筐体100に装着した状態において、軸部材44の端部は、支持部材105に設けられた軸支持部105aの支持面105bに支持される。
【0058】
移動部材441の、支持部材105と対向する側(Y方向負側)の端部には、軸部材44の直径d1よりも大きい内径(直径d2)を有する開口部441aが設けられている。本例において、開口部441aの内面(内周面)は軸部材44と平行であり、支持部材105(軸支持部105a)の外面がテーパ面105cになっている。ここで、開口部441aは「開口部」の一例である。
【0059】
上記構成において、移動部材441を
図5(b)に示すごとく支持部材105に向けて動かすと、テーパ面105cはY方向負側へ向かうに従い断面形状が大きくなるように形成されているため、移動部材441をZ方向負側に寄せる力が発生する。そして、移動部材441を移動させていくに従い、軸部材44および支持部材105(支持面105b)間の当接が次第に強まっていき、軸部材44は支持面105bに固定される。
【0060】
上述のように、本実施形態は、軸部材44に篏合し、この軸部材44に対して移動可能な移動部材441と、軸部材44の端部を支持する支持部材105と、移動部材441の支持部材105と対向する側の端部に設けられ、軸部材44の直径d1よりも大きい内径(直径d2)を有する開口部441aと、開口部441aの内面と接触可能な支持部材105の外面に設けられるテーパ面105cと、を備え、テーパ面105cは、軸部材44を支持した支持部材105に向けて移動部材441を移動させていくに従い、軸部材44および支持部材105間の当接が強まるように形成されている。
【0061】
また、上述のように、テーパ面105cは、支持部材105(軸支持部105a)の外面に設けられ、支持部材105の移動部材441と対向する側の端部105dから遠ざかる(Y方向負側に向かう)に従い、外面の断面形状(断面積)が大きくなるように形成されている。
【0062】
これらにより、軸部材44の位置精度を向上させることができる。
【0063】
なお、移動部材441は、所定量変形可能な材質から成り、軸部材44から取り外した状態での移動部材441は、開口部441a以外の部分の内径が、軸部材44の直径d1よりも所定量小さい値となるように形成されている。こうすることで移動部材441を軸部材44に嵌めた際、軸部材44と移動部材441との間で遊び(ガタ)が生じにくくなるので、移動部材441をZ方向負側に寄せる力を軸部材44に、より精度よく伝達することが可能になる。
【0064】
また、軸部材44の表面性状は、Rz(最大高さ)3.5μmに規定されている。
【0065】
これにより、軸部材44の繰り返しの脱着が行われた場合にも、部材間の摩耗が発生しにくくなり、軸部材44の安定した位置決めが可能となる。
【0066】
また、本例において、軸部材44に対する移動部材441の移動は、ねじ送りによって行われる。例えば、軸部材44の外周部にねじ44aを設け、移動部材441の軸部材44と篏合する部分の内周にねじ溝441bを設けて、ねじ44aとねじ溝441bとが噛み合うようにしている。
【0067】
ねじ44aおよびねじ溝441bは、少なくとも、移動部材441を支持部材105に向けて移動させる範囲に設けられていればよいものだが、軸部材44および移動部材441の軸方向全体にわたって設けられてもよい。ここで、ねじ44aおよびねじ溝441bは「ねじ部」の一例である。
【0068】
上述のように、本実施形態は、軸部材44と移動部材441との間に、少なくとも、移動部材441を支持部材105に向けて移動させる範囲で移動部材441をねじ送りするための、ねじ部(ねじ44a、ねじ溝441b)を備える。
【0069】
これにより、移動部材441を回転させて、移動部材441を任意の位置に動かすことが可能となる。
【0070】
図6は、第1の実施形態における別の具体例を示す説明図であり、
図6(a)は軸部材の端部の拘束を解除した状態を示し、
図6(b)は軸部材の端部を拘束した状態を示す。
【0071】
図6に示された構成では、軸部材44に対する移動部材441の移動にばねが用いられる。例えば、移動部材441に対しY方向正側の軸部材44上に板状部材44bを固定し、この板状部材44bと移動部材441の端面との間にばね44cを設けて、ばね44cの弾性力により常に移動部材441を支持部材105側へ付勢するようにしている。
【0072】
ばね44cは、移動部材441の開口部441aを支持部材105のテーパ面105cに接触させ、十分な押圧力をかけることができる伸び量を有する。ここで、ばね44cは「付勢手段」の一例である。
【0073】
上述のように、本実施形態は、軸部材44と移動部材441との間に、移動部材441を支持部材105に向けて付勢するばね44cを備える。
【0074】
これにより、移動部材441が常に支持部材105側へ付勢されるので、例えば開口部441aとテーパ面105cとの接触部位が摩耗した場合も、付勢によって摩耗分が吸収され、軸部材44の固定位置を保持することができる。
【0075】
[第2の実施形態]
図7は、軸支持装置の第2の実施形態の概略を示す説明図である。
【0076】
軸支持装置は、第1の実施形態と同様に二次転写部4の前側の軸部材44を支持するものであり、
図7には、前側の回転アーム101を貫通して二次転写ベルト41側に突出した支持部材105´の軸支持部近傍の斜視図が示されている。ここで、軸部材44は「軸」の一例であり、支持部材105´は「支持部材」の一例である。
【0077】
支持部材105´は、例えば、二次転写ベルト41側に庇状に延びた断面円弧形状の軸支持部105a´を有する。軸支持部105a´の内面は、二次転写部4を支持筐体100に装着した状態において、軸部材44の端部を支持する支持面105b´として機能する。軸支持部105a´の外面は、第1の実施形態のようなテーパ面にはなっておらず、支持面105b´と平行な外周面105c´になっている。
【0078】
軸部材44は、その外周部に円筒形状をした移動部材441´を有する。移動部材441´は、軸部材44に篏合し、軸部材44に対して周方向および軸方向に移動可能に設けられている。ここで、移動部材441´は「移動部材」の一例である。移動部材441´と支持部材105´の関係については後述するが、概略として、移動部材441´は、支持部材105´と対向する側の端部が、支持部材105´の外周面105c´に嵌まるように形成されている。支持面105b´に軸部材44を載せた後、移動部材441´をY方向負側へ移動させることによって、軸部材44が支持部材105´に固定される構成となっている。以下、移動部材441´の構成について、
図8および
図9を用いて説明する。
【0079】
図8は、第2の実施形態における具体例を示す説明図であり、
図8(a)は軸部材の端部の拘束を解除した状態を示し、
図8(b)は軸部材の端部を拘束した状態を示す。
【0080】
上述のように、円筒形状をした移動部材441´は、軸部材44に篏合し、軸部材44に対して周方向および軸方向に移動可能に設けられている。二次転写部4を支持筐体100に装着した状態において、軸部材44の端部は、支持部材105´に設けられた軸支持部105a´の支持面105b´に支持される。
【0081】
移動部材441´の、支持部材105´と対向する側(Y方向負側)の端部には、軸部材44の直径d1よりも大きい内径(直径d3)を有する開口部441a´が設けられている。第2の実施形態では、支持部材105´(軸支持部105a´)の外面(外周面105c´)は軸部材44と平行であり、開口部441a´の内面をテーパ面441c´にしている。ここで、開口部441a´は「開口部」の一例である。
【0082】
テーパ面441c´は、開口部441a´の端部441d´を基点にY方向正側へ向かうに従い、開口部441a´の断面形状(断面積)が小さくなるように形成されている。開口部441a´の終点は、例えば、軸部材44の直径d1よりも大きく、且つ端部441d´での内径(直径d3)よりは小さい内径(直径d2)となっている。ここで、テーパ面441c´は「傾斜部」の一例である。また、この場合、支持部材105´の外周面105c´は、開口部441a´の内径(直径d2)と内径(直径d3)との間に位置するように設けられる。
【0083】
上記構成において、移動部材441´を
図8(b)に示すごとく支持部材105´に向けて動かすと、テーパ面441c´はY方向負側へ向かうに従い断面形状が小さくなるように形成されているため、移動部材441´をZ方向負側に寄せる力が発生する。そして、移動部材441´を移動させていくに従い、軸部材44および支持部材105´(支持面105b´)間の当接が次第に強まっていき、軸部材44は支持面105b´に固定される。
【0084】
上述のように、本実施形態は、軸部材44に篏合し、この軸部材44に対して移動可能な移動部材441´と、軸部材44の端部を支持する支持部材105´と、移動部材441´の支持部材105´と対向する側の端部に設けられ、軸部材44の直径d1よりも大きい内径(直径d3)を有する開口部441a´と、支持部材105´の外周面105c´と接触可能な開口部441a´の内面に設けられるテーパ面441c´と、を備え、テーパ面441c´は、軸部材44を支持した支持部材105´に向けて移動部材441´を移動させていくに従い、軸部材44および支持部材105´間の当接が強まるように形成されている。
【0085】
また、上述のように、テーパ面441c´は、開口部441a´の内面に設けられ、開口部441a´の支持部材105´と対向する側の端部441d´から遠ざかる(Y方向正側に向かう)に従い、開口部441a´の断面形状(断面積)が小さくなるように形成されている。
【0086】
これらにより、軸部材44の位置精度を向上させることができる。
【0087】
なお、移動部材441´は、所定量変形可能な材質から成り、軸部材44から取り外した状態での移動部材441´は、開口部441a´以外の部分の内径が、軸部材44の直径d1よりも所定量小さい値となるように形成されている。こうすることで移動部材441´を軸部材44に嵌めた際、軸部材44と移動部材441´との間で遊び(ガタ)が生じにくくなるので、移動部材441´をZ方向負側に寄せる力を軸部材44に、より精度よく伝達することが可能になる。
【0088】
また、軸部材44の表面性状は、Rz(最大高さ)3.5μmに規定されている。
【0089】
これにより、軸部材44の繰り返しの脱着が行われた場合にも、部材間の摩耗が発生しにくくなり、軸部材44の安定した位置決めが可能となる。
【0090】
また、本例において、軸部材44に対する移動部材441´の移動は、ねじ送りによって行われる。例えば、軸部材44の外周部にねじ44aを設け、移動部材441´の軸部材44と篏合する部分の内周にねじ溝441b´を設けて、ねじ44aとねじ溝441b´とが噛み合うようにしている。
【0091】
ねじ44aおよびねじ溝441b´は、少なくとも、移動部材441´を支持部材105´に向けて移動させる範囲に設けられていればよいものだが、軸部材44および移動部材441´の軸方向全体にわたって設けられてもよい。ここで、ねじ44aおよびねじ溝441b´は「ねじ部」の一例である。
【0092】
上述のように、本実施形態は、軸部材44と移動部材441´との間に、少なくとも、移動部材441´を支持部材105´に向けて移動させる範囲で移動部材441´をねじ送りするための、ねじ部(ねじ44a、ねじ溝441b´)を備える。
【0093】
これにより、移動部材441´を回転させて、移動部材441´を任意の位置に動かすことが可能となる。
【0094】
図9は、第2の実施形態における別の具体例を示す説明図であり、
図9(a)は軸部材の端部の拘束を解除した状態を示し、
図9(b)は軸部材の端部を拘束した状態を示す。
【0095】
図9に示された構成では、軸部材44に対する移動部材441´の移動にばねが用いられる。例えば、移動部材441´に対しY方向正側の軸部材44上に板状部材44bを固定し、この板状部材44bと移動部材441´の端面との間にばね44cを設けて、ばね44cの弾性力により常に移動部材441´を支持部材105´側へ付勢するようにしている。
【0096】
ばね44cは、移動部材441´のテーパ面441c´を支持部材105´の外周面105c´に接触させ、十分な押圧力をかけることができる伸び量を有する。ここで、ばね44cは「付勢手段」の一例である。
【0097】
上述のように、本実施形態は、軸部材44と移動部材441´との間に、移動部材441´を支持部材105´に向けて付勢するばね44cを備える。
【0098】
これにより、移動部材441´が常に支持部材105´側へ付勢されるので、例えばテーパ面411c´と外周面105c´との接触部位が摩耗した場合も、付勢によって摩耗分が吸収され、軸部材44の固定位置を保持することができる。
【0099】
以上、第1および第2の実施形態においては、傾斜部の一例であるテーパ面を、支持部材(105)の外面、または移動部材の開口部(441a´)の内面に設ける構成としたが、傾斜部の構成はこれらに限るものではない。例えば、傾斜部を支持部材および移動部材の両方に設け、互いの傾斜部同士を接触させて軸部材を固定するようにしてもよい。その一例を以下に説明する。
【0100】
【0101】
支持部材および移動部材に設けられる傾斜部は、上述のような傾きが一定のテーパ面に限らず、図示のように外側に凸を成した曲線を含む曲面としてもよい。
【0102】
図10(a)は、支持部材は第1の実施形態に示された支持部材105と同じ構成であり、移動部材442は、その開口部に形成される傾斜部として、支持部材105のテーパ面105c側へ膨らんだ曲面442cを備えた構成となっている。
【0103】
図10(b)は、移動部材は第2の実施形態に示された移動部材441´と同じ構成であり、支持部材107は、その外面に形成される傾斜部として、移動部材441´のテーパ面441c´側へ膨らんだ曲面107cを備えた構成となっている。
【0104】
図10(c)は、支持部材107および移動部材442ともに傾斜部として外側に膨らんだ曲面107c、442cを備えた構成となっている。
【0105】
図10(a)~(c)いずれの構成の場合においても、支持部材105、107の端部105d、107dは、移動部材442、441´の傾斜部(曲面442c、テーパ面441c´)から若干浮く(曲面442c、テーパ面441c´に接触させない)ように、その曲率や傾斜角度が選定されている。
【0106】
上述のように、本実施形態は、傾斜部を、外側に凸を成す曲線状にした。
【0107】
これにより、例えば、軸部材44を支持面105b、107bに固定させる際に、支持部材の端部105d、107dのエッジによって傾斜部(曲面442c、テーパ面441c´)表面が削られにくくなり、部材の耐久性を向上させ寿命を延ばすことができる。
【0108】
以上説明したものは一例であり、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到し得る範囲内で変更することができ、次のいずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0109】
[態様1]
態様1は、軸(例えば軸部材44)に篏合し、該軸に対して移動可能な移動部材(例えば移動部材441)と、前記軸の端部を支持する支持部材(例えば支持部材105)と、前記移動部材の前記支持部材と対向する側の端部に設けられ、前記軸の直径(例えば直径d1)よりも大きい内径(例えば直径d2)を有する開口部(例えば開口部441a)と、前記開口部の内面および該内面と接触可能な前記支持部材の外面のうちの少なくとも一方に設けられる傾斜部(例えばテーパ面105c)と、を備え、前記傾斜部は、前記軸を支持した前記支持部材に向けて前記移動部材を移動させていくに従い、前記軸および前記支持部材間の当接が強まるように形成されていることを特徴とするものである。
【0110】
[態様2]
態様2は、態様1において、前記傾斜部(例えばテーパ面105c)は、前記支持部材(例えば支持部材105)の前記外面に設けられ、前記支持部材の前記移動部材(例えば移動部材441)と対向する側の端部から遠ざかるに従い、前記外面の断面形状が大きくなるように形成されていることを特徴とするものである。
【0111】
[態様3]
態様3は、態様1または態様2において、前記傾斜部(例えばテーパ面441c´)は、前記開口部(例えば開口部441a´)の前記内面に設けられ、前記開口部の前記支持部材(例えば支持部材105´)と対向する側の端部から遠ざかるに従い、前記開口部の断面形状が小さくなるように形成されていることを特徴とするものである。
【0112】
[態様4]
態様4は、態様1乃至3のいずれかにおいて、前記傾斜部を、外側に凸を成す曲線状(例えば曲面107c、曲面442c)にしたことを特徴とするものである。
【0113】
[態様5]
態様5は、態様1乃至4のいずれかにおいて、前記軸(例えば軸部材44)と前記移動部材(例えば移動部材441,441´)との間に、少なくとも、前記移動部材を前記支持部材に向けて移動させる範囲で前記移動部材をねじ送りするための、ねじ部(例えば、ねじ44a、ねじ溝441b,441b´)を備えることを特徴とするものである。
【0114】
[態様6]
態様6は、態様1乃至4のいずれかにおいて、前記軸(例えば軸部材44)と前記移動部材(例えば移動部材441,441´)との間に、前記移動部材を前記支持部材に向けて付勢する付勢手段(例えば、ばね44c)を備えることを特徴とするものである。
【0115】
[態様7]
態様7は、態様1乃至6のいずれかにおいて、前記軸(例えば軸部材44)の表面性状をRz(最大高さ)3.5μmに規定したことを特徴とするものである。
【0116】
[態様8]
態様8は、画像形成装置本体に脱着可能な転写装置において、画像形成装置本体に対する位置決め用の軸(例えば軸部材44)を備え、前記位置決め用の軸の支持に態様1乃至7のいずれかの軸支持装置を用いたことを特徴とする転写装置(例えば二次転写部4)である。
【0117】
[態様9]
態様9は、転写装置を備えた画像形成装置において、転写装置として態様8の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置(例えばプリンタ1000)である。
【0118】
[態様10]
態様10は、画像形成装置本体に対して脱着可能な装置(例えば二次転写部4)を備えた画像形成装置において、前記装置は前記画像形成装置本体に対する位置決め用の軸(例えば軸部材44)を備え、前記位置決め用の軸の支持に態様1乃至7のいずれかの軸支持装置を用いたことを特徴とする画像形成装置(例えばプリンタ1000)である。
【符号の説明】
【0119】
4 二次転写部
44 軸部材
44a ねじ
44b 板状部材
44c ばね
441,441´,442 移動部材
441a,441a´ 開口部
441b,441b´ ねじ溝
100 支持筐体
101,102 回転アーム
105,105´,106,107 支持部材
105a,105a´,107a 軸支持部
105b,105b´,107b 支持面
105c,441c´ テーパ面
105c´ 外周面
105d,107d,441d´ 端部
107c,442c 曲面