(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177888
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報配信システム、情報配信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/279 20200101AFI20241217BHJP
G06F 40/216 20200101ALI20241217BHJP
G06F 16/335 20190101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F40/279
G06F40/216
G06F16/335
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096276
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】上田 一貴
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175HA01
(57)【要約】
【課題】ユーザごとに最適化された要約情報を配信すること。
【解決手段】要約情報を一人以上のユーザに配信する情報配信システムであって、取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得部と、前記要約情報を前記ユーザに配信する配信部と、配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信部により前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンド部と、を有する情報配信システムにより上記課題を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要約情報を一人以上のユーザに配信する情報配信システムであって、
取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得部と、
前記要約情報を前記ユーザに配信する配信部と、
配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信部により前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンド部と、
を有する情報配信システム。
【請求項2】
前記要約情報取得部は、前記大規模言語モデルが前記要約情報を生成するための条件指定を行う命令文と共に、前記取得した情報を前記大規模言語モデルに入力し、前記取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を取得すること
を特徴とする請求項1記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記配信部は、配信した前記要約情報に対する前記ユーザの操作を前記反応情報として前記リコメンド部に提供すること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記ユーザの操作は、配信した前記要約情報に対する好意的反応を示す操作、又は配信した前記要約情報に対してコメントを付与する操作であること
を特徴とする請求項3記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記リコメンド部は、前記ユーザが属するグループの単位で集計した前記反応情報に基づき、前記配信部により前記要約情報を配信する前記ユーザを更新すること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報配信システム。
【請求項6】
要約情報を一人以上のユーザに配信する情報配信システムの情報配信方法であって、
取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得ステップと、
前記要約情報を前記ユーザに配信する配信ステップと、
配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信ステップにより前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンドステップと、
を有する情報配信方法。
【請求項7】
要約情報を一人以上のユーザに配信するコンピュータに、
取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得ステップ、
前記要約情報を前記ユーザに配信する配信ステップ、
配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信ステップにより前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンドステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報配信システム、情報配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、情報を収集したいキーワードを事前に指定しておくことで、そのキーワード含む情報がインターネットなどで公開された場合に、電子メールで通知するサービスが従来から知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】"ウィキペディア",[online]、[令和5年6月5日検索],インターネット<https://ja.wikipedia.org/wiki/Google_%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%88>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ニュース、ウェブ、ブログなどのあらゆるプラットフォームで公開される情報から、ユーザが興味のある情報のみを通知する為には、適切なキーワードの指定が必要であった。例えば、キーワード一致の場合は、ユーザが興味のない情報(ノイズ)が多く含まれていたり、ユーザが興味のある情報の抜け漏れが多く発生したり、する場合があった。
【0005】
本開示は、ユーザごとに最適化された要約情報を配信する情報配信システム、情報配信方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下に示す構成を備える。
【0007】
[1] 要約情報を一人以上のユーザに配信する情報配信システムであって、
取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得部と、
前記要約情報を前記ユーザに配信する配信部と、
配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信部により前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンド部と、
を有する情報配信システム。
【0008】
[2] 前記要約情報取得部は、前記大規模言語モデルが前記要約情報を生成するための条件指定を行う命令文と共に、前記取得した情報を前記大規模言語モデルに入力し、前記取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を取得すること
を特徴とする[1]記載の情報配信システム。
【0009】
[3] 前記配信部は、配信した前記要約情報に対する前記ユーザの操作を前記反応情報として前記リコメンド部に提供すること
を特徴とする[1]又は[2]記載の情報配信システム。
【0010】
[4] 前記ユーザの操作は、配信した前記要約情報に対する好意的反応を示す操作、又は配信した前記要約情報に対してコメントを付与する操作であること
を特徴とする[3]記載の情報配信システム。
【0011】
[5] 前記リコメンド部は、前記ユーザが属するグループの単位で集計した前記反応情報に基づき、前記配信部により前記要約情報を配信する前記ユーザを更新すること
を特徴とする[1]乃至[4]の何れか一項に記載の情報配信システム。
【0012】
[6] 要約情報を一人以上のユーザに配信する情報配信システムの情報配信方法であって、
取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得ステップと、
前記要約情報を前記ユーザに配信する配信ステップと、
配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信ステップにより前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンドステップと、
を有する情報配信方法。
【0013】
[7] 要約情報を一人以上のユーザに配信するコンピュータに、
取得した情報の要点及び分類を含む前記要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて取得する要約情報取得ステップ、
前記要約情報を前記ユーザに配信する配信ステップ、
配信した前記要約情報に対する前記ユーザの反応情報に基づき、前記配信ステップにより前記要約情報を配信する前記ユーザを更新するリコメンドステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、ユーザごとに最適化された要約情報を配信できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る情報配信システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る情報配信システム1の一例の機能構成図である。
【
図4】本実施形態に係る命令文の一例の説明図である。
【
図5】本実施形態に係る命令文に追加する条件の一例の説明図である。
【
図6】本実施形態に係る情報配信システムの処理の一例のフローチャートである。
【
図9】ステップS14の処理の一例のフローチャートである。
【
図10】ステップS18~S20の処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報配信システム1の一例の構成図である。
図1の情報配信システム1は、情報提供装置10、情報要約装置12、リコメンド装置14、配信装置16、及び一台以上のユーザ端末18を有する。情報提供装置10、情報要約装置12、リコメンド装置14、配信装置16、及びユーザ端末18は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネットなどの通信ネットワーク20を介してデータ通信可能に接続されている。
【0018】
情報提供装置10は、ニュース又は論文などの各種の情報を提供する情報処理装置又はウェブサイト等である。情報提供装置10は、例えばニュースサイト、arXiv、ChemRxivである。例えばarXiv、ChemRxivは、査読前の論文が保存、公開されているウェブサイトの一例である。
【0019】
情報要約装置12は、情報の要点及び分類を含む要約情報を、学習済みの大規模言語モデルを用いて要約する情報処理装置又はウェブサイト等である。例えば情報要約装置12は、人工知能チャットボットサービスであるChatGPTの要約力などを利用して実現できる。情報要約装置12は、情報提供装置10から取得された情報を、要点及び分類を含む要約情報に要約する。
【0020】
リコメンド装置14は、配信装置16により要約情報を配信する配信先のユーザを後述のように更新することで、ユーザ又はユーザの属するグループ(チーム、部署など)のメンバが興味のありそうな要約情報を選択する情報処理装置又はウェブサイト等である。
【0021】
配信装置16は、要約情報をユーザと対応付いたユーザ端末18に配信する情報処理装置又はウェブサイト等である。配信装置16は、要約情報を配信する機能の他、配信した要約情報に対するユーザの操作を受け付け、反応情報として提供する機能を有する。配信した要約情報に対するユーザの操作は、配信した要約情報に対する好意的反応(例えば共感や好意を示す意思表示の一例である「いいね」や「good」など)を示す操作、又は配信した要約情報に対してコメントを付与する操作などである。例えば配信装置16は、コミュニケーションツールの一例であるTeams(登録商標)又はslack(登録商標)などを利用して実現できる。
【0022】
ユーザ端末18は、要約情報を配信されるユーザが操作するPC、タブレット端末、スマートフォンなどの情報処理装置である。リコメンド装置14は、ユーザ端末18に配信された要約情報に対するユーザの反応情報(要約情報に対する好意的反応を示す操作又は配信した要約情報に対してコメントを付与する操作など)に基づき、ユーザに配信される要約情報の内容を更新する。
【0023】
情報要約装置12は、学習済みの大規模言語モデルを用いて、情報の要点及び分類を含む要約情報に要約する。学習済みの大規模言語モデルは、大量のテキストデータを使って学習した自然言語処理のモデルである。例えば学習済みの大規模言語モデルは、事前学習した学習済みモデルをファインチューニングすることにより、テキスト生成のような自然言語処理に適応できる。
【0024】
情報提供装置10、情報要約装置12、リコメンド装置14、及び配信装置16は、PC、ワークステーションなどの情報処理装置である。なお、
図1の情報配信システム1の構成は一例である。情報配信システム1は、用途や目的に応じて様々なシステム構成例がある。例えば情報提供装置10、情報要約装置12、リコメンド装置14、及び配信装置16は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現するようにしてもよい。また、リコメンド装置14及び配信装置16は、一体化した構成であってもよい。情報要約装置12、リコメンド装置14、及び配信装置16は、一体化した構成であってもよい。
【0025】
<ハードウェア構成>
図1の情報提供装置10、情報要約装置12、リコメンド装置14、配信装置16、及びユーザ端末18は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現する。
【0026】
図2は、本実施形態に係るコンピュータ500の一例のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は接続して利用する形態であってもよい。
【0027】
入力装置501は、ユーザが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。表示装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507はコンピュータ500がデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0028】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSDなど)を利用するものであってもよい。
【0029】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0030】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0031】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。本実施形態に係るコンピュータ500は、プログラムを実行することで後述するような情報提供装置10、情報要約装置12、リコメンド装置14、及び配信装置16の各種機能を実現できる。CPU506は、プログラムが格納された記録媒体503aから外部I/F503を介してプログラムを読み取り、実行してもよい。あるいは、CPU506は、通信I/F507を介して、データ通信により他の通信ネットワークよりプログラムを読み取り、実行してもよい。
【0032】
<機能構成>
本実施形態に係る情報配信システム1の機能構成について説明する。
【0033】
図3は本実施形態に係る情報配信システム1の一例の機能構成図である。なお、
図3の構成図は、本実施形態の説明に不要な部分について適宜省略している。
【0034】
図3に示した情報提供装置10は、情報提供部50を有する。情報要約装置12は、情報要約部60、要約情報提供部62、及び学習済み大規模言語モデル64を有する。リコメンド装置14は、情報取得部30、要約情報取得部32、配信要求部34、反応情報取得部36、リコメンド部38、命令文記憶部40、配信先記憶部42、及びユーザ情報記憶部44を有する。配信装置16は、配信部70、反応情報処理部72、及び反応情報提供部74を有する。
【0035】
情報提供装置10の情報提供部50は、ニュース又は論文などの各種の情報をリコメンド装置14に提供する。リコメンド装置14の情報取得部30は、ニュース又は論文などの各種の情報を情報提供装置10から取得する。要約情報取得部32は、命令文記憶部40から例えば
図4に示す命令文を読み出す。
【0036】
図4は、本実施形態に係る命令文の一例の説明図である。
図4(A)は、学習済み大規模言語モデル64が要約情報を生成するための条件指定を日本語で行う命令文の一例を示している。
図4(B)は、学習済み大規模言語モデル64が要約情報を生成するための条件指定を英語で行う命令文の一例を示している。
図4の命令文は、一例としてChatGPTのプロンプト(prompt)を示している。
【0037】
例えば
図4の命令文では、学習済み大規模言語モデル64に生成させる要約情報の条件として、英語の研究論文の要点を3点でまとめ、日本語で出力するタスクで従うルールが設定されている。第1のルールは、論文タイトルの日本語訳を出力すること、内容の分野を出力すること、簡潔に表現すること、及びタイトルを除いて不明な単語や人名と思われるものは英語のまま表示すること、が設定されている。第2のルールは、出力において厳格に従うフォーマットとして、論文タイトルの日本語訳、分野:論文の分野、要点1:要点1、要点2:要点2、及び要点3:要点3が設定されている。
【0038】
図5は、本実施形態に係る命令文に追加する条件の一例の説明図である。
図5の命令文は、例えば
図4の命令文に追加することで、論文の分野を、ユーザが指定した内容の分野である、化学、画像解析、自然言語処理、又はその他に分類できる。
【0039】
要約情報取得部32は、例えば
図4の命令文と共に、情報取得部30が取得した情報を情報要約装置12に送信し、例えば情報取得部30が取得した情報の要点及び分類を含む要約情報を、命令文に従って要約させる。要約情報取得部32は、命令文に従って要約された要約情報を情報要約装置12から取得する。配信要求部34は、配信先記憶部42から配信先の情報を読み出す。配信要求部34は、情報要約装置12から取得した要約情報を、読み出した配信先の情報に従ってユーザに配信するように配信装置16に要求する。
【0040】
反応情報取得部36は、配信装置16がユーザに配信した要約情報に対するユーザの反応情報を、配信装置16から取得する。反応情報取得部36は、取得したユーザの反応情報を例えばユーザ情報記憶部44に記憶させる。リコメンド部38は、取得したユーザの反応情報に基づき、ユーザが興味のありそうな要約情報がユーザに配信されるように配信先記憶部42の配信先の情報を更新する。例えばリコメンド部38は、配信した要約情報に対する好意的反応を示す操作、及び配信した要約情報に対してコメントを付与する操作が多いほど、ユーザが興味のありそうな要約情報の内容として判断できる。
【0041】
また、ユーザ情報記憶部44は、ユーザが属するグループのメンバの情報が記憶されていてもよい。リコメンド部38は、取得したユーザの反応情報に基づき、ユーザが属するグループのメンバが興味のありそうな要約情報がユーザに配信されるように配信先記憶部42の配信先の情報を更新してもよい。
【0042】
情報要約装置12の情報要約部60は、リコメンド装置14から例えば
図4の命令文と共に、要約する情報をリコメンド装置14から受信する。情報要約部60は、学習済み大規模言語モデル64を用いて、受信した情報の要点及び分類を含む要約情報を、受信した命令文に従って要約する。要約情報提供部62は、情報要約部60が要約した要約情報をリコメンド装置14に提供する。
【0043】
配信装置16の配信部70は、リコメンド装置14からの要求に従い、ユーザに要約情報を配信する。反応情報処理部72は、ユーザに配信した要約情報に対するユーザの操作をユーザの反応情報として受け付ける。反応情報処理部72が受け付ける要約情報に対するユーザの操作は、配信した要約情報に対する好意的反応を示す操作及び配信した前記要約情報に対してコメントを付与する操作を含む。反応情報提供部74は、反応情報処理部72が受け付けたユーザの反応情報を、リコメンド装置14に提供する。
【0044】
<処理>
以下、本実施形態に係る情報配信システム1の処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報配信システムの処理の一例のフローチャートである。
【0045】
ステップS10において、リコメンド装置14のリコメンド部38は、ランダムな要約情報がユーザに配信されるように配信先記憶部42の配信先の情報を初期化する。配信先の情報を初期化は、ランダムな要約情報がユーザに配信されるように配信先の情報を初期化する処理に限定するものではなく、ユーザ又は管理者などが事前に設定した分野の要約情報がユーザに配信されるように配信先の情報を初期化する処理であってもよい。
【0046】
ステップS12において、リコメンド装置14の情報取得部30は、ニュース又は論文などの各種の情報を情報提供装置10から取得する。例えば情報取得部30は、情報提供装置10が提供するAPI(Application Programing Interface)を利用し、情報提供装置10からabstract情報などの情報を取得してもよい。
【0047】
ステップS14において、リコメンド装置14の要約情報取得部32は、例えば
図4の命令文と共に、情報取得部30が取得した情報を情報要約装置12に送信する。情報要約装置12の情報要約部60は、リコメンド装置14から例えば
図4の命令文と共に、要約する情報をリコメンド装置14から受信する。情報要約部60は、学習済み大規模言語モデル64を用いて、受信した情報の要点及び分類を含む例えば
図7の要約情報を、受信した例えば
図4の命令文に従って要約する。
図7の要約情報は、要約する情報の一例としての論文(https://arxiv.org/abs/2303.06145v1)を
図4の命令文に従って要約したものである。
【0048】
図7は、要約情報の一例の説明図である。
図7の要約情報は、
図4の命令文で行われている条件指定に従って生成された要約情報の一例である。なお、
図4の命令文に
図5の命令文が追加された場合は、
図7の要約情報に含まれている分野は、例えば
図8に示すようにユーザが指定した内容の分野である、化学、画像解析、自然言語処理、又はその他に分類される。なお、
図8の要約情報に含まれている分野は、要約する情報の一例としての論文(https://arxiv.org/abs/2303.16109v1)を、
図4及び
図5の命令文に従って要約したものである。情報要約装置12の要約情報提供部62は、情報要約部60が要約した要約情報をリコメンド装置14に提供する。
【0049】
ステップS16において、リコメンド装置14の配信要求部34は、配信先記憶部42から配信先の情報を読み出す。配信先記憶部42から配信先の情報は、
図6のステップS12~S20の処理を繰り返すことで、ユーザが興味のありそうな要約情報がユーザに配信されるように更新される。配信要求部34は、情報要約装置12から取得した要約情報を、配信先記憶部42から読み出した配信先の情報に従ってユーザに配信するように配信装置16に要求する。
【0050】
配信装置16の配信部70は、リコメンド装置14からの要求に従い、ユーザに要約情報を配信する。例えばユーザは、配信された要約情報を、ユーザ端末18を操作して確認できる。また、ユーザは配信された要約情報に対して「いいね」又は「good」などの好意的反応を示す操作を行うことができる。また、ユーザは配信された要約情報に対してコメントを付与する操作を行うことができる。以下では、ユーザの好意的反応を示す操作及びコメントを付与する操作をユーザのリアクションと呼ぶ。
【0051】
ユーザのリアクションの多い要約情報は、ユーザが興味のある要約情報とみなすことができる。なお、ユーザのリアクションの多い要約情報は、ユーザが属するグループの単位で集計し、グループ内でリアクションの多い要約情報を、そのグループに属するユーザが興味のある要約情報とみなしてもよい。
【0052】
ステップS18において、配信装置16の反応情報処理部72は、ユーザに配信した要約情報に対するリアクションの多少などを反応情報として受け付ける。リコメンド装置14の反応情報取得部36は、配信装置16がユーザに配信した要約情報に対するユーザの反応情報を、配信装置16から取得する。
【0053】
ステップS20において、リコメンド装置14のリコメンド部38は、取得したユーザの反応情報に基づき、ユーザが興味のありそうな要約情報がユーザに配信されるように配信先記憶部42の配信先の情報を更新する。例えばリコメンド部38は、配信した要約情報に対する好意的反応を示す操作、及び配信した要約情報に対してコメントを付与する操作が多かった要約情報との類似度が高いほど、ユーザが興味のありそうな要約情報の内容と判断できる。
【0054】
本実施形態に係る情報配信システム1は、ステップS20の処理の後、ステップS12の処理に戻ることで、ステップS12~S20の処理を繰り返す。
【0055】
図6のステップS14の処理は、例えば
図9に示す手順で行われる。
図9は、ステップS14の処理の一例のフローチャートである。
【0056】
ステップS30において、リコメンド装置14の要約情報取得部32は、例えば
図4の命令文を命令文記憶部40から読み出す。ステップS32において、要約情報取得部32は、例えば
図4の命令文と共に、情報取得部30が取得した情報を情報要約装置12に送信する。
【0057】
情報要約装置12の情報要約部60は、リコメンド装置14から例えば
図4の命令文と共に、要約する情報をリコメンド装置14から受信する。ステップS34において、情報要約部60は、要約する情報と例えば
図4の命令文とを学習済み大規模言語モデル64に入力する。
【0058】
ステップS36において、学習済み大規模言語モデル64は、要約する情報を例えば
図4の命令文に従って要約した要約情報を出力する。情報要約装置12の要約情報提供部62は、学習済み大規模言語モデル64が要約して出力した要約情報をリコメンド装置14に送信する。
【0059】
図6のステップS18~S20の処理は、例えば
図10に示す手順で行われる。
図10は、ステップS18~S20の処理の一例のフローチャートである。
【0060】
ステップS50において、配信装置16の反応情報処理部72は、ユーザに配信した要約情報に対するリアクションの多少などを反応情報として受け付ける。リコメンド装置14の反応情報取得部36は、配信装置16がユーザに配信した要約情報に対するユーザの反応情報を、配信装置16から取得する。
【0061】
ステップS52において、リコメンド装置14のリコメンド部38は、取得したユーザの反応情報から好意的反応を示すユーザの操作と、コメントを付与するユーザの操作とを選択する。
【0062】
ステップS54において、リコメンド部38は、ステップS52で選択した好意的反応を示すユーザの操作と、コメントを付与するユーザの操作と、を例えば回数などでスコア化し、例えばスコアが大きい要約情報ほど、ユーザが興味のある内容であり、スコアが小さい要約情報ほど、ユーザが興味のない内容であるとみなす。
【0063】
リコメンド部38は、ユーザが興味のありそうな要約情報がユーザに配信されるように配信先記憶部42の配信先の情報を更新する。例えばリコメンド部38は、ユーザが興味のある内容とみなされた要約情報との類似度の高い要約情報が配信されるように、配信先の情報に含まれる要約情報の内容と配信先との対応付けを更新する。
【0064】
本実施形態に係る情報配信システム1は、学習済み大規模言語モデル64の要約力を使用して情報の分野を分類すると共に、コミュニケーションツール等を使用し、要約情報に対するユーザの反応情報を取得する。本実施形態に係る情報配信システム1は、取得した要約情報に対するユーザの反応情報に基づいてリコメンドシステムを構築し、要約情報をリコメンドシステムからユーザに配信できる。
【0065】
したがって、本実施形態に係る情報配信システム1によれば、最新のニュース又は論文などの各種の情報の概要を、日本語で簡単に把握できると共に、興味に応じた情報の要約情報の配信を受け付けることができる。
【0066】
以上、本実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0067】
1 情報配信システム
10 情報提供装置
12 情報要約装置
14 リコメンド装置
16 配信装置
18 ユーザ端末
30 情報取得部
32 要約情報取得部
34 配信要求部
36 反応情報取得部
38 リコメンド部
50 情報提供部
60 情報要約部
62 要約情報提供部
64 学習済み大規模言語モデル
70 配信部
72 反応情報処理部
74 反応情報提供部
500 コンピュータ