(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177976
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20241217BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01L27/04 V
H01L27/04 P
H01L21/82 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096424
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】溝畑 勇介
(72)【発明者】
【氏名】神▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 博文
【テーマコード(参考)】
5F038
5F064
【Fターム(参考)】
5F038AR09
5F038AR21
5F038AR23
5F038AV06
5F038AV09
5F038AV13
5F038CA02
5F064CC22
5F064FF04
5F064FF05
5F064FF24
5F064FF30
5F064FF41
(57)【要約】
【課題】従来技術に比較して低い電圧で大きな抵抗値調整量を得ることができる抵抗体を含む半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、2個の端子間に接続された第1の抵抗体であって、電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能な少なくとも1つの第1の抵抗体と、前記各第1の抵抗体の両端と前記電源との間にそれぞれ接続された一対のスイッチ素子であって、所定のスイッチ制御信号に基づいて同時にオンオフする一対のスイッチ素子と、を備える。ここで、前記各第1の抵抗体は、所定の不純物を含む多結晶シリコンにて形成される。また、前記一対のスイッチ素子は、前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させるときの前記第1の抵抗体を、前記スイッチ制御信号に基づいて選択するために設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の端子間に接続された第1の抵抗体であって、電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能な少なくとも1つの第1の抵抗体と、
前記各第1の抵抗体の両端と前記電源との間にそれぞれ接続された一対のスイッチ素子であって、所定のスイッチ制御信号に基づいて同時にオンオフする一対のスイッチ素子と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記各第1の抵抗体は、1種類又は2種類以上の不純物を含む多結晶シリコンにて形成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置を複数個備え,
前記複数個の半導体装置を直列に接続した、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば多結晶シリコン抵抗体(ポリシリコン抵抗体)を含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置におけるトリミングの方法は、半導体基板の表面に被覆したフィールド酸化膜上に多結晶シリコン層を被覆し、この多結晶シリコン層に複数の多結晶シリコン抵抗体を形成した後,不要部分をレーザー光で切断する方法が採用されてきた。しかし、この従来の多結晶シリコン抵抗体のレーザートリミング方法では、ウェハ状態でトリミングする必要があり、その後の樹脂パッケージにより特性シフトしてしまう問題があった。
【0003】
この従来の多結晶シリコン抵抗体のトリミング方法の問題点を解決するために、例えば特許文献1では、デバイスが完成した後に電気的特性を調整するためのトリミング方法を適用可能な、従来例1に係る半導体装置が開示されている。この半導体装置は、半導体素子が形成された半導体装置上に成長させた多結晶シリコン層と、この多結晶シリコン層上に被覆し、前記多結晶シリコンの両端間に直列抵抗体を形成するようにした電極とを設け、前記直列抵抗体の単位部分間に前記電極を介して電位差を与え,前記多結晶シリコン層の両端間の抵抗率を変化させるようにしたことを特徴としている。
【0004】
また、非特許文献1では、不純物を添加した多結晶シリコン抵抗体に電流パルスを印加することで抵抗値を調整する、従来例2に係る方法が開示されている。
図33は非特許文献1において開示された印加電圧の消費電力に対する多結晶シリコン抵抗体の規格化抵抗値を示すグラフである。ここで、C
Tは不純物添加のドーズ量を示す。また、
図34は非特許文献1において開示された多結晶シリコン抵抗体を含むデジタルアナログ変換回路の回路図である。
図34のデジタルアナログ変換回路では、AD変換時の基準電圧生成用抵抗に多結晶シリコン抵抗体を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭64-61046号公報
【特許文献2】特開平6-153934号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】加藤浩太郎,「集積回路内多結晶シリコン抵抗の電気的トリミングに関する研究」,静岡大学博士論文,平成8年11月,国立国会図書館所蔵
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来例2の
図5.12である本願
図34に図示された回路構成では、抵抗値調整用素子と外部端子をトリミング後にオープンにできないため、トリミング終了後に外部端子からの信号入力で意図しない抵抗変化が起きる可能性がある問題点があった。
【0008】
本発明の目的は上記問題点を解消し、従来技術に比較して、意図しない抵抗変化の起こらない半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る半導体装置は、
2個の端子間に接続された第1の抵抗体であって、電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能な少なくとも1つの第1の抵抗体と、
前記各第1の抵抗体の両端と前記電源との間にそれぞれ接続された一対のスイッチ素子であって、所定のスイッチ制御信号に基づいて同時にオンオフする一対のスイッチ素子とを備える。
【発明の効果】
【0010】
従って、本開示の一態様に係る電力変換回路装置によれば、意図する抵抗値調整量に応じて、電流又は電圧を印加する抵抗体を一対のスイッチ素子で選択することができ、意図しない抵抗変化の起こらない半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る抵抗体半導体装置10の構成例を示す回路図である。
【
図2】
図1の抵抗体半導体装置10のチップを含む半導体ウェハの外観を示す斜視図である。
【
図3】
図2の半導体チップ内のパッドを示す斜視図である。
【
図4】多結晶シリコン抵抗体の電圧に対する抵抗変化率の変化の一例を示すグラフである。
【
図5】多結晶シリコン抵抗体の不純物濃度(ドーズ量)を変化させた際のシート抵抗値の変化を示すグラフである。
【
図6】実施形態2に係る抵抗体半導体装置10Aの構成例を示す回路図である。
【
図7A】実施形態3に係る抵抗体半導体装置10Bの構成例を示す回路図である。
【
図7B】実施形態4に係る抵抗体半導体装置10Cの構成例を示す回路図である。
【
図7C】実施形態5に係る抵抗体半導体装置10Dの構成例を示す回路図である。
【
図8】実施形態6に係る抵抗体半導体装置100の構成例を示す回路図である。
【
図9】実施形態7に係る抵抗体半導体装置100Aの構成例を示す回路図である。
【
図10】実施形態8に係る抵抗体半導体装置100Bの構成例を示す回路図である。
【
図11】
図10の抵抗体半導体装置100Bの一部のレイアウト例を示す平面図である。
【
図12】実施形態9に係る抵抗体半導体装置100Cの構成例を示す回路図である。
【
図13】実施形態10に係る抵抗体半導体装置100Dの構成例を示す回路図である。
【
図14A】
図13の抵抗体半導体装置100Dの一部レイアウト例1を示す平面図である。
【
図14B】
図13の抵抗体半導体装置100Dの一部レイアウト例2を示す平面図である。
【
図15】実施形態11に係る抵抗体半導体装置100Eの構成例を示す回路図である。
【
図16】
図1の抵抗体半導体装置10における抵抗体R1の抵抗値を調整するための第1の制御方法を示す各信号及び電圧VR1のタイミングチャートである。
【
図17】
図1の抵抗体半導体装置10における抵抗体R1の抵抗値を調整するための第2の制御方法を示す各信号及び電圧VR1のタイミングチャートである。
【
図18】実施形態12に係る電圧検出回路120の構成例を示す回路図である。
【
図19】実施形態13に係る電圧検出回路120Aの構成例を示す回路図である。
【
図20】実施形態14に係るエラーアンプ回路120Bの構成例を示す回路図である。
【
図21】
図18~
図19の電圧検出回路120,120A,および
図20のエラーアンプ回路120Bの制御方法を示す各信号及び電圧V21のタイミングチャートである。
【
図22】実施形態1~11に係る抵抗体半導体装置及び実施形態12~14に係る電圧検出回路の、抵抗生成及び抵抗値調整処理を含む半導体装置製造処理を示すフローチャートである。
【
図23】実施形態15に係る電圧検出回路120Cの構成例を示す回路図である。
【
図24】実施形態16に係る電圧検出回路120Dの構成例を示す回路図である。
【
図25】
図24の電圧検出回路120Dの抵抗体の抵抗値調整処理を示すフローチャートである。
【
図26】実施形態17に係る電圧検出回路120Eの構成例を示す回路図である。
【
図27】
図26の電圧検出回路120Eの抵抗体の抵抗値調整処理を示すフローチャートである。
【
図28】実施形態18に係る電圧検出回路120Fの構成例を示す回路図である。
【
図29】
図28の電圧検出回路120Fの抵抗体の抵抗値調整処理を示すフローチャートである。
【
図30】実施形態19に係る抵抗体半導体装置10Eの構成例を示す回路図である。
【
図31】実施形態20に係る抵抗体半導体装置100Fの構成例を示す回路図である。
【
図32】実施形態21に係る抵抗体半導体装置100Gの構成例を示す回路図である。
【
図33】非特許文献1において開示された印加電圧の消費電力に対する多結晶シリコン抵抗体の規格化抵抗値を示すグラフである。
【
図34】非特許文献1において開示された多結晶シリコン抵抗体を含むデジタルアナログ変換回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態及び変形例について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0013】
(発明者の知見)
特許文献1において、半導体装置のポリシリコン層の多結晶シリコン抵抗体に所定の電圧を印加し、当該抵抗体の抵抗値を調整する方法について開示している。しかし、一例として10V以上の電圧を1マイクロ秒印加する例があげられているが、電圧の印加に関する詳細な条件記述は全く無い。また、特許文献1では、3つの抵抗体の間に電極を形成し、1つの抵抗体に電圧印加を行うことで抵抗を1/1000に減少させて全体抵抗を下げる例、並列抵抗と直列抵抗の組み合わせで、ポリシリコンの切断と本発明での抵抗値の減少を組み合わせることで、全体抵抗を上げる例などが記述されている。
【0014】
また、非特許文献1において、不純物を添加した多結晶シリコン抵抗体に電流パルスを印加することで抵抗値を調整する方法について開示している。この従来例2では、
図33に示すように、元素及びパルス印加時間、印加電流を様々な条件で多結晶シリコン抵抗体の抵抗値調整処理を試行し、抵抗値調整処理のための理論モデルを作成するとともに、
図34のデジタルアナログ変換回路のオフセット電圧を、多結晶シリコン抵抗体を含む回路を用いてキャンセルさせる実施例が記載されている。
【0015】
ところで、前記多結晶シリコン抵抗体を含む回路を備える半導体装置の製造工程は、以下の手順で実行される。
(1)ウェハ製造工程
(2)第1のテスト工程
(3)パッケージ工程
(4)第2のテスト工程
【0016】
初期工程であるウェハ製造工程が終了した後の第1のテスト工程について、以下、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0017】
図2は
図1の抵抗体半導体装置10の半導体チップを含む半導体ウェハの外観を示す斜視図である。また、
図3は
図2の半導体チップ内のパッドを示す斜視図である。
【0018】
前工程と呼ばれるウェハ製造工程を終了した半導体ウェハ1は
図2に示される形態となる。次いで、半導体ウェハ1は、半導体チップ2に個片化されて、
図3に示すように、パッケージングする際に電気的接続をするための複数のパッド3を有する。第1のテスト工程では、
図2に示される個片化される前の半導体ウェハ1のままテスター装置に載置され、所定のパッド3にテスト用の針が接触するように接続される。通常はこの第1のテスト工程で、製品の機能評価をするために電源パッド3から電源電圧を供給し、信号パッド3の電圧等をテスター装置で測定して製品仕様を満足しているかのテストを行う。次いで、半導体チップ2は個片化された後は、パッケージ工程を経て製品として完成させる。完成した製品は、前記第2のテスト工程で製品としての電気的特性テストが実施される。
【0019】
しかし、様々な要因により、製品の電気的特性にはバラツキが生じ、電気的特性の仕様値を満足させる阻害要因となる。その阻害要因の一つは前工程であるウェハ製造工程での製造過程で生まれるバラツキである。アナログ製品の電子回路には、アクティブな非線形素子としてMOSトランジスタ、パッシブ素子として抵抗及びキャパシタなどが用いられる。製品としての高精度化を実現するためには、トランジスタのばらつきだけではなく、特に抵抗のばらつきは非常に重要な要素となる。そのバラツキを改善するための手段の一例として、第1のテスト工程の後、レーザーによる電気的特性の調整が行われる。予め等倍的な電気的特性を持たせた抵抗と、レーザーで除去可能なヒューズをはしご状に回路に組み込んでおき、第1のテスト工程の結果に応じてレーザーでヒューズをカットし、電気的特性の調整を行う(例えば、特許文献2参照)。これにより、半導体ウェハ1の状態での電気的特性は改善することができる。
【0020】
一方、半導体チップ2がパッケージされた後、様々な要因により特性変動が起こる。パッケージすること自体、また基板実装時のはんだリフローによる加熱、X線照射、経年劣化等が特性変動の要因として考えられる。パッケージ後は上記のレーザーを用いたヒューズカット手法は使用できない。そこで製品の中にメモリーを搭載して抵抗をショートすべき箇所をテスト後に書き込み抵抗値の調整を行う方法も実用化されている。
【0021】
しかし、この方法は製品のチップ面積を増大させるという欠点がある。そこで、本発明に係る実施形態は、パッケージされた状態で大きなコストアップを生じさせずに、抵抗体の抵抗値を調整することにより、製品特性を改善する手段を提供することを目的とするものである。
【0022】
アナログ製品の電子回路には、アクティブな非線形素子としてMOSトランジスタなどが用いられ、パッシブ素子として抵抗及びキャパシタなどが用いられる。製品としての高精度化を実現するためには、トランジスタのばらつきだけではなく、特に抵抗体のばらつきは非常に重要な要素となる。
【0023】
以下、シリコンウェハ半導体基板(単結晶)、または多結晶シリコン又はポリシリコン(高純度の多結晶シリコン)を抵抗体として作成する方法について説明する。シリコン半導体基板の半導体素子において、所望の抵抗値を持った抵抗体の作り方はいくつか存在する。その中の1つとして、半導体であるシリコンに対して不純物を添加し、真性半導体のシリコンよりもキャリアを増やして、抵抗値を調整する方法がある。リン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)を不純物として添加したN型抵抗、ホウ素(B)やインジウム(In)を不純物として添加したP型抵抗がある。
【0024】
製品の電子回路の中で使われる多くはポリシリコンに不純物を添加したものであるが、ポリシリコンは単結晶に比べて非常に仕上がりの抵抗値にバラツキが大きい。そこで、従来技術で述べたように、レーザートリミング手法を用いて、抵抗体全体の抵抗値を補正する方法が実用化されている。ただ、問題点として挙げたように、パッケージング後は、この方法では抵抗値を補正することができない。
【0025】
そこで、直接ポリシリコンに電流を流すことで、抵抗値を変化させることができる技術が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ポリシリコンへの電圧を印加により抵抗を1/1000に減少させる技術とポリシリコンの切断技術を組み合わせ、抵抗値を調整する技術を報告している。ただし、特許文献1に開示された発明はポリシリコンの抵抗値減少の原理等が記されていない。なお、ポリシリコンの抵抗値減少の原理については、非特許文献1において詳細記載されている。以下に、非特許文献1の内容を説明する。
【0026】
前述のポリシリコン抵抗を形成する不純物は、全て活性化する訳では無く、一部偏析が生じる。ポリシリコン抵抗に電流を流すと、ポリシリコンを形成する様々な大きさの結晶粒の界面に電流が集中的に流れ、ジュール熱により局所的な融解が生じる。電流を止めて凝固する過程で、偏析している不純物が活性化し、局所的な高濃度の不純物をもつ抵抗体となる。ポリシリコン抵抗の不純物濃度が高くなるとポリシリコン抵抗の電気伝導度も高くなるため、抵抗体全体としての抵抗値は下がることとなる。
【0027】
本発明に係る実施形態においては、N型不純物及びP型不純物を両方とも添加し、初期の抵抗値より高い抵抗値を得る実施形態について説明する。その抵抗素子に対して電圧パルスを印加した場合、抵抗値の低下だけでなく、上昇させることも可能である。
【0028】
図4は多結晶シリコン抵抗体の電圧に対する抵抗変化率の変化の一例を示すグラフである。
図4から明らかなように、この多結晶シリコン抵抗体の抵抗値の上昇はN型又はP型不純物として注入した元素の活性化率の差による影響が大きい。ホウ素もリンも注入時は未活性なものが存在している。電圧の印加を行うことで、リンより低温で活性化するホウ素がまず活性化し、多結晶シリコン抵抗体の抵抗値が下がる。そして、続けて電圧印加を行い、より高温になり、今度はリンが活性化することで、抵抗値が上昇する。さらに、電圧の印加を続けるとリンのキャリア濃度とホウ素のキャリア濃度が同量に近づき、非常に高抵抗となり、熱破壊を起こす。
【0029】
図5は多結晶シリコン抵抗体の不純物濃度(ドーズ量)を変化させた際のシート抵抗値の変化を示すグラフである。すなわち、
図5はリンの注入量を一定とし、ホウ素の注入量を変えることによってキャリア濃度を変化させた際のシート抵抗値の変化を示す。
図5から明らかなように、ある値までは注入量を増やすことでN型抵抗として抵抗値が増加するが、その値を超えた後はP型抵抗として抵抗値が減少する。これは、本発明に係る実施形態と同様のキャリア濃度の比率の変化が起きたために、多結晶シリコンの抵抗値が減少から増加となる現象を表している。
【0030】
すなわち、上述のように、上記の従来例2の
図5.12である本願
図34に図示された回路構成では抵抗値を大きくし、より大きな抵抗値調整量を得ようとした時に、電圧が高くなり、組み込まれた半導体装置が破壊してしまう問題点があった。
【0031】
本発明に係る実施形態では、上記問題点等を解消するため、以下、3つの実施形態グループに分割して説明する。
【0032】
(第1の実施形態グループ)
この第1の実施形態グループの目的は上記問題点を解消し、従来技術に比較して、低い電圧で大きな抵抗値調整量を得ることができる抵抗体を含む半導体装置等を提供することにある。
【0033】
以下、上記で説明した多結晶シリコン抵抗体を用いた抵抗値調整手段に係る具体的な回路とそのレイアウトについて説明する。ここで、本実施形態を構成するスイッチ素子は様々なスイッチ素子の組み合わせが考えられる。
【0034】
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る抵抗体半導体装置(以下、半導体装置という。)10の構成例を示す回路図である。
図1において、半導体装置10は、それぞれ端子である3個のパッドP10,P21,P22と、内部回路(抵抗体R1と同一のシリコン上に形成される電子回路であって、抵抗体R1を含む電子回路である。)との接続点である2個のノードP1,P2とを有し、特許文献1又は非特許文献1において開示された所定の電圧又は電流で抵抗値を調整することが可能な多結晶シリコン抵抗体(抵抗体)R1と、PチャネルMOS電界効果トランジスタQ1と、NチャネルMOS電界効果トランジスタQ2と、インバータINV1とを備えて構成される。ここで、以下、MOS型電界効果トランジスタをMOSトランジスタといい、PチャネルMOSトランジスタをPMOSトランジスタといい、NチャネルトランジスタをNMOSトランジスタという。なお、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを総称して、MOSトランジスタという。また、パッドは一般的に半導体チップの外部との接続点であるが、本実施形態におけるパッドP10,P21,P22等は半導体チップ内の別信号とノードとして機能し、同等の信号を入力してもよい。
【0035】
図1において、ノードP1,P2は抵抗体R1を抵抗素子として用いるための両端の端子であり、半導体装置10のチップの外部に引き出すために設けられる。また、パッドP21には電源電圧VDDが接続され、パッドP22は接地されて接地電圧VSSとなる。さらに、パッドP10にはMOSトランジスタQ1,Q2をオン又はオフするためのスイッチ制御信号Scが外部回路から入力される。なお、パッドP21,P22は電源電圧VDD及び接地電圧VSSに接続する端子に限定されず、必要な所定信号が入力できるのであれば別の信号でもよい。
【0036】
ノードP1,P2間に抵抗体R1が接続され、パッドP21とノードP1との間にMOSトランジスタQ1のソース及びドレインが接続され、パッドP22とパッドP2との間にMOSトランジスタQ2のソース及びドレインが接続される。また、ICテスター装置又は外部電圧発生器からパッドP10に入力されるスイッチ制御信号ScはMOSトランジスタQ2のゲートに入力されるとともに、インバータINV1を介してMOSトランジスタQ1のゲートに入力される。
【0037】
以上のように構成された半導体装置10において、抵抗体R1を使用する通常モードにおいて、Lレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、一対のスイッチ素子であるMOSトランジスタQ1,Q2が同時にオフされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1が使用される。一方、抵抗体R1の抵抗値を調整する抵抗値調整モードにおいて、Hレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、一対のスイッチ素子であるMOSトランジスタQ1,Q2が同時にオンされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1の両端に、ICテスター装置又は外部電圧発生器等の電源装置から所定の電源電圧VDD等が印加されて、抵抗体R1の抵抗値が所定の抵抗値となるように調整される。
【0038】
以上の実施形態1によれば、抵抗値調整モードにおいて、MOSトランジスタQ1,Q2がオフされることにより、抵抗体R1のみが選択されて、抵抗体R1のみに所定の電源電圧VDD等が印加されて、抵抗体R1の抵抗値が所定の抵抗値となるように調整される。一方、通常モードでは、MOSトランジスタQ1,Q2がオフされることにより、抵抗体R1が電源電圧VDD等から切り離されて、抵抗体R1の使用に供される。すなわち、MOSトランジスタQ1,Q2を設けることで、外部端子から切り離すことができ、意図しない抵抗値変化を防ぐことができる。
【0039】
(実施形態2)
図6は実施形態2に係る半導体装置10Aの構成例を示す回路図である。
図6において、半導体装置10Aは、
図1の半導体装置10に比較して、以下の点が異なる。
(1)抵抗体R1の両端に接続されるノードP1,P2を削除した。
(2)パッドP21,P22にはそれぞれ電圧V1,V2が印加され、ここで、例えば、電圧V1は電源電圧VDDであり、電圧V2は電圧V1よりも低い接地電圧VSSである。
【0040】
以上のように構成された半導体装置10Aは、
図1の半導体装置10と同様に動作し、同様の作用効果を有する。
【0041】
また、実施形態2の変形例として、実施形態3~5の構成例を示す。
【0042】
(実施形態3)
図7Aは実施形態3に係る半導体装置10Bの構成例を示す回路図である。
図7Aにおいて、半導体装置10Bは、
図6の半導体装置10Aに比較して、以下の点が異なる。
(1)インバータINV1に代えて、インバータINV2を備えた。すなわち、インバータINV1の挿入位置を短絡し、パッドP10とMOSトランジスタQ2のゲートとの間にインバータINV2を接続した。
(2)パッドP21には例えば電源電圧VDDなどの所定電圧が印加され、パッドP22には、パッドP21に印加される所定電圧よりも低い、例えば接地電圧VSSなどの所定電圧が印加される。
【0043】
以上のように構成された半導体装置10Bにおいて、抵抗体R1を使用する通常モードにおいて、Hレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、MOSトランジスタQ1,Q2がオフされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1が使用される。一方、抵抗体R1の抵抗値を調整する抵抗値調整モードにおいて、Lレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、MOSトランジスタQ1,Q2がオンされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1の両端に所定の電源電圧VDD等が印加されて、抵抗体R1の抵抗値が所定の抵抗値となるように調整される。
【0044】
以上のように構成された半導体装置10Bは、
図6の半導体装置10Aと同様に動作し、同様の作用効果を有する。
【0045】
(実施形態4)
図7Bは実施形態4に係る半導体装置10Cの構成例を示す回路図である。
図7Bにおいて、半導体装置10Cは、
図6の半導体装置10Aに比較して、以下の点が異なる。
(1)PMOSトランジスタQ1に代えて、NMOSトランジスタQ1Aを備えた。
(2)インバータINV1を削除した。
(3)パッドP21,P22には例えば接地電圧VSS近傍の電圧などの所定電圧が印加され、パッドP21の電圧はパッドP22の電圧よりも高い又は低いように設定される。
【0046】
以上のように構成された半導体装置10Cは、
図1の半導体装置10と同様に動作し、同様の作用効果を有する。
【0047】
(実施形態5)
図7Cは実施形態5に係る半導体装置10Dの構成例を示す回路図である。
図7Cにおいて、半導体装置10Dは、
図7Aの半導体装置10Bに比較して、以下の点が異なる。
(1)NMOSトランジスタQ2に代えて、PMOSトランジスタQ2Aを備えた。
(2)インバータINV2を削除した。
(3)パッドP21,P22には例えば電源電圧VDD近傍の電圧などの所定電圧が印加され、パッドP21の電圧はパッドP22の電圧よりも高い又は低いように設定される。
【0048】
以上のように構成された半導体装置10Dは、
図7Aの半導体装置10Bと同様に動作し、同様の作用効果を有する。
【0049】
(実施形態6)
図8は実施形態6に係る半導体装置100の構成例を示す回路図である。
図8の半導体装置100は、
図1の半導体装置10を3個備え(ここで、3個の半導体装置10に対して、総称して符号10-1,10-2,10-3を付す。)かつそれらを直列に接続して、当該直列回路をノードP1,P2間に接続したことを特徴とする。また、(1)半導体装置10-1のスイッチ制御信号をSc1とし、パッドP11から入力され、(2)半導体装置10-2のスイッチ制御信号をSc2とし、パッドP12から入力され、(3)半導体装置10-3のスイッチ制御信号をSc3とし、パッドP13から入力される。
【0050】
以上のように構成された半導体装置100において、3個の抵抗体R1が直列に接続された直列回路(1つの抵抗体)を使用する通常モードにおいて、Lレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、各半導体装置10-1,10-2,10-3のMOSトランジスタQ1,Q2がオフされ、ノードP1,P2間に接続された3個の抵抗体R1が直列に接続された直列回路が使用される。
【0051】
一方、
(1)半導体装置10-1において、抵抗体R1の抵抗値を調整する抵抗値調整モードにおいて、Hレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、MOSトランジスタQ1,Q2がオンされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1の両端に、ICテスター装置又は外部電圧発生器から所定の電源電圧VDD等が印加されて、抵抗体R1の抵抗値が所定の抵抗値となるように調整される。
(2)半導体装置10-2において、抵抗体R1の抵抗値を調整する抵抗値調整モードにおいて、Hレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、MOSトランジスタQ1,Q2がオンされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1の両端に、ICテスター装置又は外部電圧発生器から所定の電源電圧VDD等が印加されて、抵抗体R1の抵抗値が所定の抵抗値となるように調整される。
(3)半導体装置10-3において、抵抗体R1の抵抗値を調整する抵抗値調整モードにおいて、Hレベルのスイッチ制御信号Scが入力され、このとき、MOSトランジスタQ1,Q2がオンされ、ノードP1,P2間に接続された抵抗体R1の両端に、ICテスター装置又は外部電圧発生器から所定の電源電圧VDD等が印加されて、抵抗体R1の抵抗値が所定の抵抗値となるように調整される。
【0052】
以上説明したように、実施形態1に係る3個の半導体装置10-1,10-2,10-3で構成された半導体装置100によれば、3個の抵抗体R1の直列回路で1つの抵抗体を構成しているので、抵抗値調整量を積算することができ、同等の抵抗値調整量を得ようとする場合、従来技術と比較してより低い電圧(各抵抗体R1に対する電流を小さくすることができるので)を各抵抗体R1に印加することで実現することができる。
【0053】
なお、実施形態6では、3個の抵抗体R1が直列に接続された直列回路(1つの抵抗体)を使用する通常モードについて説明したが、本発明はこれに限らず、各半導体装置10-1,10-2,10-3毎の各抵抗体R1を別々に使用する場合は、互いに隣接する抵抗体R1の接続点にパッドを接続して設けることで可能である。
【0054】
(実施形態7)
図9は実施形態7に係る半導体装置100Aの構成例を示す回路図である。
図9において、実施形態7に係る半導体装置100Aは、
図8の半導体装置100に比較して以下の点が異なる。
(1)半導体装置10-1の抵抗体R1と、半導体装置10-2の抵抗体R1との間に、抵抗体R1よりも十分に大きな抵抗値を有する連結抵抗R2を挿入した。
(2)半導体装置10-2の抵抗体R1と、半導体装置10-3の抵抗体R1との間に、抵抗体R1よりも十分に大きな抵抗値を有する連結抵抗R2を挿入した。
以下、相違点について説明する。
【0055】
図9の半導体装置100Aは、3つの半導体装置10の最小構成間に、抵抗体R1の抵抗値よりも十分大きな抵抗値R2(例えば、抵抗体R1の抵抗値の100倍以上の十分に大きい)を有する。そのため、各半導体装置10-1,10-2,10-3のMOSトランジスタQ1,Q2を同時にHレベルとしても、各半導体装置10間に電流はほぼ流れず、各半導体装置10が有する抵抗体R1に抵抗調整を行うに十分な電流を流すことができる。それにより、抵抗調整のための処理時間を短くすることが可能となる。なお、スイッチ制御信号Sc1,SC2,Sc3をすべてLレベルにすることで、各半導体装置10-1,10-2,10-3のMOSトランジスタQ1,Q2がオフとなり、ノードP1,P2間の各抵抗体R1に対して、各抵抗体R1が単独であるときと同等の抵抗値調整量を得ることができ、ここで、3個の抵抗体R1が直列に接続されているので、当該抵抗値調整量を増大できる。
【0056】
以上のように構成された半導体装置100Aによれば、実施形態1に係る抵抗体10を3個配置し、3個の抵抗体R1及び2個の連結抵抗R2の直列回路で1つの抵抗体を構成しているので、従来技術に比較して、低い電圧で同等の抵抗値調整量(抵抗R2により各抵抗体R1を分離することで各抵抗体R1に対して同等の抵抗値調整量を得る。)を一度の処理で得ることができる抵抗体を含む半導体装置を提供できる。このことは、上述のように、各抵抗体R1に対して、従来技術と同等の電圧印加が可能な場合は、全体の抵抗体回路に対してより大きな抵抗調整量を得ることができるともいえる。
【0057】
なお、実施形態7では、3個の抵抗体R1及び2個の連結抵抗R2が直列に接続された直列回路(1つの抵抗体)を使用する通常モードについて説明したが、本発明はこれに限らず、各半導体装置10-1,10-2,10-3毎の各抵抗体R1を別々に使用する場合は、互いに隣接する抵抗体R1の接続点にパッドを接続して設けることで可能である。
【0058】
(実施形態8)
図10は実施形態8に係る半導体装置100Bの構成例を示す回路図である。
図10において、実施形態8の半導体装置100Bは、
図9の半導体装置100Aに比較して以下の点が異なる。
(1)
図9の半導体装置100Bを半導体装置グループG1とする。
(2)半導体装置グループG1の後段に、連結抵抗R2を介して半導体装置グループG2,G3及び2個の連結抵抗R2の直列回路を接続する。ここで、半導体装置グループG2は2個の半導体装置10-4,10-5及び連結抵抗R2の直列回路を備えて構成され、半導体装置グループG3は1個の半導体装置10-6及び連結抵抗R2の直列回路を備えて構成される。なお、互いに隣接する半導体装置10-1,10-2の間、互いに隣接する半導体装置10-2,10-3の間、互いに隣接する半導体装置10-3,10-4の間、互いに隣接する半導体装置10-4,10-5の間、互いに隣接する半導体装置10-5,10-6の間にはそれぞれ連結抵抗R2が挿入される。
(3)半導体装置グループG1の各半導体装置10-1,10-2,10-3のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc1が入力されるパッドP11に接続される。
(4)半導体装置グループG2の各半導体装置10-4,10-5のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc2が入力されるパッドP12に接続される。
(5)半導体装置グループG3の半導体装置10-6のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc3が入力されるパッドP13に接続される。
(6)すなわち、ノードP1,P2間に、6個の抵抗体R1と、5個の連結抵抗R2との直列回路が挿入される。
以下、相違点について説明する。
【0059】
図10の半導体装置100Bは、6つの半導体装置10を有する構成を持ち、互いに隣接する各半導体装置10間にそれぞれ連結抵抗R2を挿入した構成を有する。ここで、各連結抵抗R2の抵抗値は、各抵抗体R1の抵抗値よりも十分大きく、ノードP1,P2間に6個の抵抗体R1のみの直列回路を有する半導体装置に比較して、大きな電流は流れない。
【0060】
また、上述の
図9の実施形態7のように、各半導体装置10毎に任意の単一の抵抗体R1を選択するのではなく、スイッチ制御信号Sc1,Sc2,Sc3を用いてそれぞれ、
(1)3個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG1の抵抗体R1を選択し、
(2)2個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG2の抵抗体R1を選択し、
(3)1個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG3の抵抗体R1を選択することができる。単一のスイッチ制御信号で複数の抵抗体R1を選択可能とすることで、制御信号のパッドを増やさずに、選択できる抵抗体R1を増やすことはできる。
【0061】
さらに、6つの半導体装置10の最小構成間に十分大きな抵抗値R2を有する。そのため、各半導体装置10-1~10-6のMOSトランジスタQ1,Q2を同時にHレベルとしても、各半導体装置10-1~10-6間に電流はほぼ流れず、各半導体装置10-1~10-6が有する抵抗体R1に抵抗調整を行うに十分な電流を流すことができる。それにより処理時間を短くすることが可能となる。なお、スイッチ制御信号Sc1,SC2,Sc3をすべてLレベルにすることで、各半導体装置10-1~10-6のMOSトランジスタQ1,Q2がオフとなり、ノードP1,P2間の各抵抗体R1に対して、各抵抗体R1が単独であるときと同等の抵抗値調整量を得ることができ、ここで、6個の抵抗体R1が直列に接続されているので、当該抵抗値調整量を大幅に増大できる。
【0062】
以上のように構成された半導体装置100Bによれば、従来技術に比較して、より低い電圧で同等の抵抗値調整量を一度の処理で得ることができる抵抗体を含む半導体装置を提供できる。このことは、抵抗体R1に対して従来技術と同等の電圧印加が可能な場合は、複数の抵抗体R1の直列回路により、全体の抵抗体回路に対してより大きな抵抗調整量を得ることができるともいえる。また、半導体装置10をグループ化しているので、スイッチ制御信号及びそのパッドを減らすことができる。
【0063】
なお、実施形態8では、6個の抵抗体R1及び5個の連結抵抗R2が直列に接続された直列回路(1つの抵抗体)を使用する通常モードについて説明したが、本発明はこれに限らず、各半導体装置10-1~10-6毎の各抵抗体R1を別々に使用する場合は、互いに隣接する抵抗体R1の接続点にパッドを接続して設けることで可能である。
【0064】
以上の実施形態8に係る半導体装置100Bにおいて、連結抵抗R2を備えているが、本発明はこれに限らず、連結抵抗R2を削除してもよい。
【0065】
図11は
図10の半導体装置100Bの一部のレイアウト例を示す平面図である。
図11では、
図10の半導体装置100Bの半導体装置10-1及び10-2、並びにその間に挿入される連結抵抗R2に係る部分に関するレイアウト例を示す。
【0066】
ポリシリコン部において不純物濃度を変えることで、高抵抗であり抵抗体となる高抵抗ポリシリコンと、前者の高抵抗の抵抗体よりも低い抵抗体であり配線の役割となる低抵抗ポリシリコンとを形成することができる。ここで、前者の高抵抗ポリシリコンは例えば、
(1)リンの不純物濃度が1.0×1015~2.0×1015ions/cm2であるか、もしくは、
(2)ボロンの不純物濃度が5.0×1014~2.0×1015ions/cm2である不純物濃度のドーズ量で形成でき、後者の低抵抗ポリシリコンは例えば1.0×20ions/cm2以上の不純物濃度のドーズ量で形成できる。各抵抗体R1及び連結抵抗R2は高抵抗ポリシリコン80で形成され、配線導体60~64は低抵抗ポリシリコン70~74で形成される。なお、50~54は半導体基板を厚さ方向に貫通するビアに充填されるビア導体である。
【0067】
図11において、ノードP1は配線導体60、ビア導体50及び低抵抗ポリシリコン70を介して抵抗体R1の一端に接続される。パッドP21は配線導体61、ビア導体51及び低抵抗ポリシリコン71を介して半導体装置10-1のMOSトランジスタQ1のソースに接続されるとともに、配線導体62、ビア導体52及び低抵抗ポリシリコン72を介して半導体装置10-2のMOSトランジスタQ1のソースに接続される。パッドP22は配線導体63、ビア導体53及び低抵抗ポリシリコン73を介して半導体装置10-2のMOSトランジスタQ2のソースに接続されるとともに、配線導体64、ビア導体54及び低抵抗ポリシリコン74を介して半導体装置10-2のMOSトランジスタQ2のソースに接続される。
【0068】
(実施形態9)
図12は実施形態9に係る半導体装置100Cの構成例を示す回路図である。
図12において、実施形態9の半導体装置100Cは、
図9の半導体装置100Aに比較して以下の点が異なる。
(1)半導体装置10-1,10-2及び、半導体装置10-1,10-2の各抵抗体R1の間に挿入される抵抗値調整素子である抵抗体R1Bを半導体装置グループG11とする。
(2)半導体装置グループG11の後段に、抵抗値調整素子である抵抗体R1Cを介して半導体装置グループG12,G13の直列回路を接続する。
(3)半導体装置グループG12は1個の半導体装置10-3と、抵抗値調整素子である抵抗体R1Cと、NMOSトランジスタQ2Aとを備えて構成される。ここで、NMOSトランジスタQ2Aのドレインは半導体装置10-2の抵抗体R1と抵抗体R1Cとの接続点に接続され、NMOSトランジスタQ2AのソースはパッドP22に接続される。
(4)半導体装置グループG13は1個の半導体装置10-4を備えて構成される。
(5)なお、互いに隣接する半導体装置10-1,10-2の間、並びに、互いに隣接する半導体装置10-2,10-3の間にはそれぞれ連結抵抗R1B,R1Cが挿入される。
(6)半導体装置グループG11の各半導体装置10-1,10-2のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc1が入力されるパッドP11に接続される。
(7)半導体装置グループG12の各半導体装置10-3のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2Aのゲートは、スイッチ制御信号Sc2が入力されるパッドP12に接続される。
(8)半導体装置グループG13の半導体装置10-4のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc3が入力されるパッドP13に接続される。
(9)すなわち、ノードP1,P2間に、6個の抵抗体R1,R1B,R1,R1C,R1,R1の直列回路が挿入される。
以下、相違点について説明する。
【0069】
図12の半導体装置100Cは、4つの半導体装置10を有する構成を持ち、互いに隣接する各半導体装置10(10-1と10-2の間、及び10-2と10-3との間に限る。)間にそれぞれ連結抵抗R1B,R1Cを挿入した構成を有する。
【0070】
また、スイッチ制御信号Sc1,Sc2,Sc3を用いてそれぞれ、
(1)3個の抵抗体R1,R1B,R1を有する半導体装置グループG11の抵抗体R1,R1B,R1を選択し、
(2)2個の抵抗体R1C,R1を有する半導体装置グループG12の抵抗体R1C,R1を選択し、
(3)1個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG13の抵抗体R1を選択することができる。ここで、
(A)グループG11は4個のMOSトランジスタで3個の抵抗値調整素子を選択でき、
(B)グループG12は3個のMOSトランジスタで2個の抵抗値調整素子を選択でき、
半導体装置100Bと比較して少ないMOSトランジスタの個数で同様の抵抗値調整量を得ることができる。
【0071】
以上のように構成された半導体装置100Cによれば、従来技術に比較して、より低い電圧で同等の抵抗値調整量を一度の処理で得ることができる抵抗体を含む半導体装置を提供できる。これは、各抵抗体R1に対する従来技術と同等の電圧印加が可能な場合は、全体の抵抗体回路に対してより大きな抵抗調整量を得ることができるともいえる。また、半導体装置10をグループ化しているので、スイッチ制御信号及びそのパッドを減らすことができる。また、半導体装置100Cのチップ面積を半導体装置100A,100B比較して減少させることができる。
【0072】
なお、実施形態9では、6個の抵抗体が直列に接続された直列回路(1つの抵抗体)を使用する通常モードについて説明したが、本発明はこれに限らず、各半導体装置10-1~10-6毎の各抵抗体を別々に使用する場合は、互いに隣接する抵抗体R1の接続点にパッドを接続して設けることで可能である。
【0073】
(実施形態10)
図13は実施形態10に係る半導体装置100Dの構成例を示す回路図である。
図13において、実施形態10の半導体装置100Dは、
図9の半導体装置100Aに比較して以下の点が異なる。
(1)半導体装置10-1,10-2,10-3及び、多結晶シリコンで構成される2個の抵抗体R1を半導体装置グループG21とする。
(2)半導体装置グループG21の後段に、抵抗体R1を介して半導体装置グループG22,G23の直列回路を接続する。ここで、半導体装置グループG22は2個の半導体装置10-4,10-5及び抵抗体R1を備えて構成され、半導体装置グループG23は1個の半導体装置10-6を備えて構成される。なお、互いに隣接する半導体装置10-1,10-2の間、互いに隣接する半導体装置10-2,10-3の間、互いに隣接する半導体装置10-3,10-4の間、互いに隣接する半導体装置10-4,10-5の間、並びに、互いに隣接する半導体装置10-5,10-6の間にはそれぞれ抵抗体R1が挿入される。
(3)半導体装置グループG21の各半導体装置10-1,10-2,10-3のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc1が入力されるパッドP11に接続される。
(4)半導体装置グループG22の各半導体装置10-4,10-5のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc2が入力されるパッドP12に接続される。
(5)半導体装置グループG23の半導体装置10-6のインバータINV1の入力端子及びMOSトランジスタQ2のゲートは、スイッチ制御信号Sc3が入力されるパッドP13に接続される。
(6)すなわち、ノードP1,P2間に、11個の抵抗体R1の直列回路が挿入される。
以下、相違点について説明する。
【0074】
図13の半導体装置100Dは、6つの半導体装置10を有する構成を持ち、互いに隣接する各半導体装置10間にそれぞれ抵抗体R1を挿入した構成を有する。本実施形態では、ノードP1,P2間に、11個の抵抗体R1の直列回路が挿入されている。
【0075】
また、スイッチ制御信号Sc1,Sc2,Sc3を用いてそれぞれ、
(1)5個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG21の抵抗体R1を選択し、
(2)3個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG22の抵抗体R1を選択し、
(3)1個の抵抗体R1を有する半導体装置グループG23の抵抗体R1を選択することができる。また、
(4)スイッチ制御信号Sc1,Sc2を同時にHレベルにすることでグループG21~G22間の抵抗体R1も含めた9個の抵抗体R1を選択し、
(5)スイッチ制御信号Sc2,Sc3を同時にHレベルにすることでグループG22~G23間の抵抗体R1も含めた5個の抵抗体R1を選択することができる。
【0076】
すなわち、半導体装置100Dによれば、半導体装置100Bと比較してより多くの抵抗値調整素子を組み込むことができ、同じMOSトランジスタの数でより大きな抵抗値調整量を得ることができる。
【0077】
以上のように構成された半導体装置100Dによれば、従来技術に比較して、各抵抗体R1に対してより低い電圧で同等の抵抗値調整量を得ることができる抵抗体を含む半導体装置を提供できる。このことは、各抵抗体R1に対して従来技術と同等の電圧印加が可能な場合は、全体の抵抗体回路に対してより大きな抵抗調整量を得ることができるともいえる。また、半導体装置10をグループ化しているので、スイッチ制御信号及びそのパッドを減らすことができる。
【0078】
図13の半導体装置100Dにおいて、各抵抗体R1に対するスイッチ制御信号を集約してパッドを共通化することで、パッド数を削減して、チップ面積を大幅に削減できる。
【0079】
図13の半導体装置100Dにおいて、スイッチ制御信号Sc1~Sc3の種々の印加手順に応じた、各抵抗体R1に対する抵抗値調整量(Hレベルのスイッチ制御信号Sc3を印加したときを1としたときの相対値である。)を以下の表1に示す。
【0080】
【0081】
なお、実施形態10では、11個の抵抗体R1が直列に接続された直列回路(1つの抵抗体)を使用する通常モードについて説明したが、本発明はこれに限らず、各半導体装置10-1~10-3又は10-4,10-5毎の各抵抗体R1を別々に使用する場合は、互いに隣接する抵抗体R1の接続点にパッドを接続して設けることで可能である。
【0082】
図14Aは
図13の半導体装置100Dの一部レイアウト例1を示す平面図である。
【0083】
図14Aにおいて、各抵抗体R1はそれぞれ高抵抗ポリシリコン81,83,82で形成され、71~76は配線導体として動作する低抵抗ポリシリコンで形成される。なお、50~53Aは半導体基板を厚さ方向に貫通するビアに充填されるビア導体である。
【0084】
図14Aにおいて、ノードP1は配線導体60、ビア導体50及び低抵抗ポリシリコン71を介して高抵抗ポリシリコン81の抵抗体R1の一端に接続される。抵抗体R1の他端は低抵抗ポリシリコン73及びビア導体51Aを介して半導体装置10-1のMOSトランジスタQ2のドレインに接続されるとともに、ビア導体51A、配線導体65、ビア導体51B及び低抵抗ポリシリコン74を介して高抵抗ポリシリコン82の抵抗R1の一端に接続される。高抵抗ポリシリコン82の抵抗体R1の他端は低抵抗ポリシリコン72及びビア導体52Aを介して半導体装置10-2のMOSトランジスタQ1のドレインに接続される。ビア導体52Aは配線導体66、ビア導体52B、及び低抵抗ポリシリコン75を介して高抵抗ポリシリコン83の抵抗体R1の一端に接続される。高抵抗ポリシリコン83の抵抗体R1の他端は低抵抗ポリシリコン76及びビア導体53Aを介して半導体装置10-2のMOSトランジスタQ2のドレインに接続され、ビア導体53Aは配線導体67に接続される。以下同様である。
【0085】
以上のように構成されたレイアウト例1は、互いに隣接する3個の抵抗体R1を配線導体65,66で接続する例である。
【0086】
図14Bは
図13の半導体装置100Dの一部レイアウト例2を示す平面図である。
【0087】
図14Bにおいて、各抵抗体R1はそれぞれ高抵抗ポリシリコン81,83,82で形成され、71~74は配線導体として動作する低抵抗ポリシリコンで形成される。なお、50~53は半導体基板を厚さ方向に貫通するビアに充填されるビア導体である。
【0088】
図14Bにおいて、ノードP1は配線導体60、ビア導体50及び低抵抗ポリシリコン71を介して高抵抗ポリシリコン81の抵抗体R1の一端に接続される。抵抗体R1の他端は低抵抗ポリシリコン73、及びビア導体51を介して半導体装置10-1のMOSトランジスタQ2のドレインに接続され、ビア導体51は配線導体63を介してパッドP22に接続される。低抵抗ポリシリコン73は高抵抗ポリシリコン82の抵抗体R1の一端に接続され、その他端は低抵抗ポリシリコン72、及びビア導体52を介して半導体装置10-2のMOSトランジスタのドレインに接続され、ビア導体52は配線導体62を介してパッドP21に接続される。低抵抗ポリシリコン72は高抵抗ポリシリコン83の抵抗体R1の一端に接続され、その他端は低抵抗ポリシリコン74及びビア導体53を介して半導体装置10-2のMOSトランジスタQ2のドレインに接続される。ビア導体53は配線導体64を介してパッドP22に接続される。以下同様である。
【0089】
以上のように構成されたレイアウト例2は、互いに隣接する3個の抵抗体R1を低抵抗ポリシリコン73,72で接続する例である。
【0090】
ところで、上記実施形態4~10(
図7A~
図14B)は、抵抗体R1に印加する電圧又は電流を制御する回路を半導体装置製品の内部に持つ方法であるが、これに対して、制御するための端子を直接、ICチップの外側に引き出す方法がある。以下では、端子を直接、ICチップの外側に引き出す実施形態11について説明する。
【0091】
(実施形態11)
図15は実施形態11に係る半導体装置100Eの構成例を示す回路図である。
図15の半導体装置100Eは、
図8の半導体装置100に対して、電源装置110が接続され、半導体装置100のパッドP11~P22が直接、ICチップの外側に引き出される例を示す。
【0092】
図15において、端子がパッドを介してICチップの外側に引き出される必要があるので、
図15では、専用パッドP11~P22を設ける。半導体装置100のICチップの外側に引き出されたパッドP11~P22はICテスター装置又は電圧電流発生器の電源装置110と接続される。
(1)パッドP11は直流電圧源41の正極に接続され、その負極はパッドP22に接続される。
(2)パッドP12は直流電圧源42の正極に接続され、その負極はパッドP22に接続される。
(3)パッドP21は直流電圧源40の正極に接続され、その負極はパッドP22に接続される。
(4)パッドP13は直流電圧源43の正極に接続され、その負極はパッドP22に接続される。
【0093】
図15の実施形態11のように、スイッチ制御信号Scの印加を目的とする専用パッドを設ける実施態様であってもよいし、また、別の目的をもつパッドに対して、必要に応じてパッドとなるように経路形成される実施態様であってもよい。
【0094】
(第1の実施形態グループ(実施形態1~11)のまとめ)
非特許文献1において開示された従来例2では、多結晶シリコン抵抗体の抵抗値調整のメカニズムに関して、多数の方法が議論されているが、その中の1つとして、多結晶シリコンに電流を流すことで多結晶シリコンの結晶界面の状態を制御して抵抗値を変化させる技術が知られている。この原理を実施形態に係る半導体装置に適用することで半導体装置製品の電気的特性を制御することを目的とする。具体的には、実施形態に係る半導体装置において、2つのスイッチ素子(例えばMOSトランジスタQ1,Q2で構成される)間に配置される抵抗体R1は電気信号の印加により、抵抗値を調整できる「抵抗値調整素子」である。ここで、当該抵抗体R1の両端に対して、端子であるパッドを介して、外部回路より電気信号を印加することで、抵抗体R1の抵抗値を調整する。
【0095】
図15において、ICテスター装置等の外部装置の電源装置110からパッドP11~P13を介してそれぞれスイッチ制御信号Sc1,SC2,Sc3を印加することで、例えば、各半導体装置10-1~10-3のMOSトランジスタQ1,Q2をオンし、パッドP21を介して抵抗値調整素子である抵抗体R1の両端に所定の電圧を印加し、抵抗値を調整する。ここで、各実施形態における抵抗体R1は、半導体装置内の抵抗の一部として、調整可能な抵抗として使われることもできる。
【0096】
ところで、半導体装置製品に用いられる抵抗体R1は一つの半導体装置製品の中に数多く存在する。抵抗値を精度よく制御したい抵抗体R1はその中の一部に限られる。そこで、本実施形態を適用する抵抗を選択することが、制御時間や工数の観点から重要となる。それを目的として、電流が流れる抵抗体R1はスイッチ素子であるMOSトランジスタQ1,Q2で選択されること、すなわちパッドを通じて、外部回路から制御できるようにしたことを特徴としている。
【0097】
例えば、
図10の実施形態8に係る半導体装置100Bの場合、
(1)3個の抵抗体R1に抵抗値調整用電気信号を印加するときは、スイッチ制御信号Sc1をHレベルにし、スイッチ制御信号Sc2,SC3をLレベルにする。
(2)2個の抵抗体R1に抵抗値調整用電気信号を印加するときは、スイッチ制御信号Sc2をHレベルにし、スイッチ制御信号Sc1,SC3をLレベルにする。
(3)1個の抵抗体R1に抵抗値調整用電気信号を印加するときは、スイッチ制御信号Sc3をHレベルにし、スイッチ制御信号Sc1,SC2をLレベルにする。
(4)4個の抵抗体R1に抵抗値調整用電気信号を印加するときは、スイッチ制御信号Sc1、Sc3をHレベルにし、スイッチ制御信号Sc2をLレベルにする。
(5)5個の抵抗体R1に抵抗値調整用電気信号を印加するときは、スイッチ制御信号Sc1、Sc2をHレベルにし、スイッチ制御信号Sc3をLレベルにする。
(6)6個の抵抗体R1に抵抗値調整用電気信号を印加するときは、スイッチ制御信号Sc1、Sc2,Sc3をHレベルにする。
【0098】
(抵抗値調整用電気信号について)
抵抗値調整素子である抵抗体R1は、抵抗値調整用電気信号の印加により抵抗値を調整できる。ここで、電気信号は端子であるパッドを介して、外部装置から印加する。その電気信号は1秒以上の連続したものでもよく、また、マイクロ秒オーダーの時間期間の短矩形波信号、もしくは、それら数発の断続的な方形波信号でもよい。これらの具体的な実施形態について、以下説明する。
【0099】
ここで、完成した半導体装置製品にテスター装置から専用端子、又は共用端子から電流パルス、もしくは電圧パルスを入力する例について説明する。ここでは、ある実施形態において、抵抗体R1の抵抗値の調整は抵抗体R1に電圧パルスを印加することで行う。まずは抵抗値調整量と印加する電圧パルスの関係について説明を行う。
【0100】
抵抗体R1の抵抗値を調整(降下又は上昇)するために、上述したように局所的な温度の上昇を起こさせるが、これは電力エネルギーを外部から与えることで行う。つまり、電力W=電流I×電圧Vであり、抵抗体R1に所定の電圧を印加することは、電流パルスの印加と同一の意義である。ここで、抵抗体R1の抵抗値の調整量は、印加する電力が所定のしきい値となる電力値まではほぼゼロであるが、しきい値となる電力値を越えると電力量に相関がある関係で、最大調整量まで抵抗値を調整することができる。この最大調整量は印加する電力値と相関を有する。
【0101】
次に、抵抗体R1の抵抗値調整量の制御方法について説明する。抵抗値調整量の制御方法は大きく分類すると以下の2通りである。
(A)1つ目は印加する電圧(=電力値)を制御し、最大調整量を制御する方法である。この場合、入力する電圧パルスの印加時間は最大調整量に達するに十分な時間を印加すればよい。
(B)2つ目は印加する電圧パルスの時間(=電力量)を制御し、抵抗値調整値を制御する方法である。この場合、電圧パルスの時間を制御する方法、または電圧パルスの時間は一定として入力した電圧パルスの回数で制御する方法どちらも可能となる。また、入力する電圧パルスの電圧値は期待する抵抗値調整範囲を十分網羅する電圧値を印加すればよい。
【0102】
(電圧パルスの時間制御方法)
電圧パルスの時間制御方法は以下の2通りある。
(A)
図16は
図1の半導体装置10における抵抗体R1の抵抗値を調整するための第1の制御方法を示す各信号及び抵抗体R1への電圧VR1のタイミングチャートである。
図16では、スイッチ制御信号Sc(Sc1,Sc2,Sc3)をHレベルにすることで、MOSトランジスタQ1,Q2をオンしておき、直接にパッドP21から印加する電圧パルスの印加時間を制御する。
(B)
図17は
図1の半導体装置10における抵抗体R1の抵抗値を調整するための第2の制御方法を示す各信号及び抵抗体R1への印加電圧VR1のタイミングチャートである。
図17では、抵抗体R1に対してパッドP22から所定の電圧は印加しておき、スイッチ制御信号Sc(Sc1,Sc2,Sc3)をオン又はオフすることで、MOSトランジスタQ1,Q2をオンする時間を制御する。
【0103】
(第1の実施形態グループの作用効果)
第1の実施形態グループに係る半導体装置は、ある半導体装置の一部として組み込まれ、半導体装置の機能の一部として動作する抵抗体R1の抵抗値を任意の値に調整することができ、半導体装置製品の電気的特性の改善効果も期待できる。
【0104】
例えば、実施形態1に係る
図1の半導体装置10において、ノードP1,P2は抵抗体R1に接続される半導体装置の接続先であり、パッドP21,P22間に所定の電気信号を印加し、パッドP10にスイッチ制御信号Scを入力してスイッチ素子であるMOSトランジスタQ1,Q2をオン又はオフすることで、抵抗値調整素子である抵抗体R1の抵抗値を調整する。それにより、ノードP1,P2間の抵抗値を調整し、半導体装置製品の電気的特性を改善することができる。
【0105】
半導体素子には定格電圧が存在し、それを超える電圧を印加した場合、素子は破壊されてしまう。その対策の1つとしては、抵抗値調整素子である抵抗体R1と、半導体機能部分を切り離し、専用端子であるパッドを設ける方法がある。別の方法として、電圧パルスの印加電圧を、定格電圧以下とする手段もある。その場合は抵抗値調整量が小さくなるという課題がある。後者の課題は、上述のように、複数の抵抗体R1を組み合わせることで解決することができる。例えば、
図8の実施形態6に係る半導体装置100と、
図13の実施形態10に係る半導体装置100Dとを比較すると、半導体装置100Dは半導体装置100と比較して、3本のスイッチ制御信号Sc1~Sc3を用いて3倍の抗値調整を行うことができる。また、抵抗値調整量は定量とし、調整済みと、未調整の2パターンの抵抗体R1を組み合わせることで、抵抗値調整の制御をより容易できる。さらに、
図10の実施形態8に係る半導体装置100及び
図13の実施形態10に係る半導体装置100Dのように半導体装置10をグループ化することで、全体の抵抗体回路に対してより大きな抵抗値調整量を得ることができる。
【0106】
(第2の実施形態グループ)
第2の実施形態グループの各実施形態に係る発明の目的は、抵抗体R1の抵抗値の調整を行い、抵抗値調整の際に当該抵抗体R1以外に流れる電流パスの出現を防止するとともに、さらにはパッド数を増やすことなく上記を実現することにある。なお、以下では、半導体装置の機能の一部として組み込まれる実施形態として、コンパレータ又はオペアンプを含む実施形態について説明するが、本発明はこれに限らず、コンパレータ又はオペアンプを含む半導体装置に限定するものではない。
【0107】
(実施形態12)
図18は実施形態12に係る電圧検出回路120の構成例を示す回路図である。
図18において、電圧検出回路120は、パッドP31,P32を有し、テストモード制御回路20と、
図1の実施形態1に係る半導体装置10を含む半導体装置回路30と、コンパレータ31と、基準電圧源45とを備えて構成される。また、電圧検出回路120の周辺回路は、コントローラ91及びパルス信号発生器21を含むテスター装置90を備える。
【0108】
図18において、半導体装置回路30は、
図1の半導体装置10と、電源電圧VDDと、抵抗比が既知の基準抵抗である分圧抵抗R11,R13と、調整用可変抵抗R12と、抵抗値調整素子である抵抗体R1と、スイッチ素子であるPMOSトランジスタQ4と、インバータINV2とを備えて構成される。ここで、調整用可変抵抗R12は従来技術に係るレーザートリミングによる調整用抵抗である。
【0109】
テストモード制御回路20はテストモード信号Stmが入力されることでテストモードに設定できる。すなわち、テスター装置90において、コントローラ91は、テストモード信号Stmを、パッドP40を介してテストモード制御回路20に出力することで、テストモード制御回路20からのスイッチ制御信号Scを反転させテストモードとなる。なお、コンパレータ31の電圧検出信号SdはパッドP33を介してテスター装置90のコントローラ91に入力される。
【0110】
電源電圧VDDは、調整用可変抵抗R12と、分圧抵抗R11,R13と、抵抗体R1と、MOSトランジスタQ4のドレイン及びソースを介して接地される。パッドP31,P32間に、電圧V21のパルスを発生するパルス信号発生器21が接続され、コントローラ91からの指示信号に基づいて、パルス信号発生器21はパルス電圧V21をパッドP31,P32間に印加することにより、MOSトランジスタQ1,Q2がオンのときに抵抗体R1の両端に印加される。
【0111】
さらに、VDD-VSS間電圧が分圧抵抗R11,R13等で分圧された電圧Vdiv(VDD-VSS間電圧に比例して対応する電圧)は、コンパレータ31の非反転入力端子に印加され、その反転入力端子には基準電圧源45の基準電圧Vrefが印加される。ここで、基準電圧Vrefは参照電圧の一例である。コンパレータ31は、Vdiv≧VrefのときはHレベルの電圧検出信号SdをパッドP33に出力する一方、Vdiv<VrefのときはLレベルの電圧検出信号SdをパッドP33に出力する。
【0112】
以上のように構成された電圧検出回路120は抵抗値調整装置を構成する。
【0113】
図21は
図18~
図19の電圧検出回路120,120A、及び
図20のエラーアンプ回路120Bの制御方法を示す各信号及び電圧V21のタイミングチャートである。なお、
図20のエラーアンプ回路120BはLDO(Low Dropout)などのリニアレギュレータに用いられるエラーアンプ回路の例である。
【0114】
図21に示すように、
図18のテストモード制御回路20は、通常モードのときに、Lレベルのスイッチ制御信号Scを出力することで、MOSトランジスタQ1,Q2をオフし、MOSトランジスタQ4をオンし、パルス信号発生器21からの電圧V21を抵抗体R1に印加させない。このとき、調整用抵抗である抵抗体R1は、コンパレータ31への入力電圧を生成するVDD-VSS間の分圧抵抗として機能する。
【0115】
一方、テストモード制御回路20は、抵抗値調整モード(テストモード)のときに、Hレベルのスイッチ制御信号Scを出力することで、MOSトランジスタQ1,Q2をオンし、MOSトランジスタQ4をオフし、抵抗値調整モードの期間のうちの所定の抵抗値調整期間のみ、パルス信号発生器21からの電圧V21を抵抗体R1に印加する。この状態で、抵抗値調整用電源装置であるパルス信号発生器21によってパッドP31,P32間に所定の電圧を印加することで、抵抗体R1の抵抗値を調整し、この機構により、抵抗値調整のための電流が抵抗体R1以外にリークすることを防ぐことができる。また、当該パッドP31,P32を電源電圧VDD及び接地電圧VSSのような他の電圧のパッドと共通化した場合においても、抵抗体R1にのみ電流を流すことができる。そして、テストモード制御回路20は、抵抗体R1の抵抗値を調整し終えたら、テストモード制御回路20はLレベルのスイッチ制御信号Scを出力させ、MOSトランジスタQ1,Q2をオフし、MOSトランジスタQ4をオフして、通常モードに戻る。
【0116】
以上のように構成された
図18の電圧検出回路120において、VDD-VSS間電圧が所定のしきい値電圧以上のときにHレベルの電圧検出信号Sdを出力する一方、VDD-VSS間電圧が所定のしきい値電圧未満のときにLレベルの電圧検出信号Sdを出力する。
【0117】
なお、
図18において、ESD保護抵抗などの保護素子は図示を省略している。また、ノードP21,P22はそれぞれパッドP31,P32に引き出されて接続され、抵抗値調整用電源装置であるパルス信号発生器21から、MOSトランジスタQ1,Q2を介して前記調整用抵抗である抵抗体R1に電流を流すことができる。前記パッドP31,P32は、電源電圧VDD又は接地電圧VSSなど他のパッドと共通化してもよい。
【0118】
以上の実施形態12に係る電圧検出回路120において、半導体装置10を備えているが、本発明はこれに限らず、他の半導体装置10A~10E、もしくは半導体装置100,100A~100Gで構成してもよい。当該変形例においても、MOSトランジスタQ1,Q2と、MOSトランジスタQ4とは互いに排他的に動作するように構成される。
【0119】
以上の実施形態12に係る電圧検出回路120において、電源電圧VDDは第1の電源電圧の一例であり、接地電圧VSSは第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧の一例である。
【0120】
(実施形態13)
図19は実施形態13に係る電圧検出回路120Aの構成例を示す回路図である。
図19において、電圧検出回路120Aは、
図18の電圧検出回路120と比較して以下の点が異なる。
(1)半導体装置回路30に代えて、半導体装置回路30Aを備える。
(2)電源電圧VDD及び基準電圧源45に代えて、基準電圧VREFを発生する基準電圧源22と、所定の電圧V1,V2の直流電圧源を用いる。
以下、相違点について説明する。
【0121】
図19において、半導体装置回路30Aは、
図1の半導体装置10と、抵抗比が既知の基準抵抗である分圧抵抗R11,R13と、調整用可変抵抗R12と、調整用可変抵抗である抵抗体R1と、スイッチ素子であるPMOSトランジスタQ4と、インバータINV2とを備えて構成される。
【0122】
以上のように構成された電圧検出回路120Aは、
図18の電圧検出回路120と比較して、検出する電圧の絶対値が小さい電圧間の差分を検出するために使用される。電圧検出回路120Aにおいて、コンパレータ31は、V1-V2間電圧が分圧抵抗R11,R13等で分圧された電圧VR131(電圧V2を基準とする電圧)が所定の基準電圧V1以上のときにHレベルの電圧検出信号Sdを出力し、基準電圧V1未満のときにLレベルの電圧検出信号Sdを出力する。すなわち、コンパレータ31は、V1-V2間電圧が所定のしきい値電圧以上であるときにHレベルの電圧検出信号Sdを出力する一方、V1-V2間電圧が所定のしきい値電圧未満であるときにLレベルの電圧検出信号Sdを出力する。なお、電圧検出回路120Aは、
図21の動作を同様に動作し、その作用効果は、
図18の電圧検出回路120と同様である。
【0123】
以上の実施形態13に係る電圧検出回路120Aにおいて、基準電圧源22の基準電圧は第1の電源電圧の一例であり、電圧V2は第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧の一例である。また、電圧V1は変動する入力電圧の一例である。
【0124】
(実施形態14)
図20は実施形態14に係るエラーアンプ回路120Bの構成例を示す回路図である。
図20において、エラーアンプ回路120Bは、
図18の電圧検出回路120に比較して以下の点が異なる。
(1)コンパレータ31に代えてオペアンプ(演算増幅器)32を備える。ここで、オペアンプ32は、出力電圧Vd(=Vref×(R12+R11+R13+R1)/(R13+R1),ここで、基準電圧Vref=Vdivとする。)をパッドP33及び調整用可変抵抗R12の一端に出力する。
(2)半導体装置回路30に代えて、半導体装置回路30Bを備え、電源電圧VDD及び基準電圧源45に代えて、電源電圧VDDが接続された調整用可変抵抗R12の一端が演算増幅器であるオペアンプ32の出力端子に接続される。
【0125】
図20において、半導体装置回路30Bは、
図1の半導体装置10と、抵抗比が既知の基準抵抗である分圧抵抗R11,R13と、調整用可変抵抗R12と、調整用可変抵抗である抵抗体R1と、スイッチ素子であるPMOSトランジスタQ4と、インバータINV2とを備えて構成される。ここで、特に、半導体装置回路30Aに比較して、
図19の電圧V2の端子が接地されて接地電圧VSSとなる。
【0126】
以上のように構成されたエラーアンプ回路120Bでは、一般的なオペアンプ32の負帰還回路に用いられる分圧抵抗として、半導体装置回路30Bに係る抵抗値調整回路を用いることができる。なお、エラーアンプ回路120Bは、例えばLDO(Low Dropout)であるリニアレギュレータに組み込まれるエラーアンプ回路の例である。
【0127】
なお、
図18~
図19の電圧検出回路120,120A、及び
図20のエラーアンプ回路120Bにおいて、可変抵抗R12についても
図1の半導体装置10と同様の構成を用いてもよい。また、可変抵抗R12を電源電圧側に配置し、抵抗体R1を接地電圧側に配置しているが、本発明はこれに限らず、逆の電圧側に配置してもよいし、いずれも電源電圧側、もしくは接地電圧側に配置してもよい。すなわち、
図20において、電源電圧側から調整用可変抵抗R12,抵抗R11,抵抗R13,抵抗体R1の順で所定の直列回路を構成しているが、本発明はこれに限らず、当該直列回路の各構成抵抗の順序を順不同にしてもよい。
【0128】
(半導体装置製造処理)
図22は実施形態1~11に係る抵抗体半導体装置及び実施形態12~14に係る電圧検出回路のための、抵抗生成及び抵抗値調整処理を含む半導体装置製造処理を示すフローチャートである。
【0129】
図22において、抵抗生成及び抵抗値調整処理を含む半導体装置製造処理は以下の工程を含む。
(1)ステップS1:ウェハ製造工程;
(2)ステップS2:第1のテスト工程;
(3)ステップS3:レーザートリミング工程;
(4)ステップS4:パッケージ工程;及び
(5)ステップS5:第2のテスト工程(抵抗値調整工程を含む)。
【0130】
図22において、まず、ステップS1においてウェハ製造工程が実行された後、ステップS2の第1のテスト工程では、テストモード制御回路20からLレベルのスイッチ制御信号Scを出力させることで、MOSトランジスタQ4をオンし、MOSトランジスタQ1,Q2をオフさせた状態でテストを行う。前記第1のテスト工程で算出された可変抵抗R12のトリミング値をもとに、ステップS3のレーザートリミング工程で可変抵抗R12のレーザートリミングを行うことで、可変抵抗R12を所定の抵抗値に設定する。次に、ステップS4においてパッケージ工程を実行した後、ステップS5で第2のテスト工程を実行し、ここで、抵抗体R1の抵抗値調整処理を実行する。
【0131】
(第3の実施形態グループ)
第3の実施形態グループに係る発明の課題は、以下の通りである。レーザートリミング工程(S3)において、可変抵抗R12の抵抗値が個々の装置毎に異なっているため、抵抗分圧比は抵抗体R1の目標調整値を決定する上での既知情報とならない。そのため、第2のテスト工程(S5)において個々の抵抗分圧比を知るための測定をする必要がある。さらにはパッド数を増やすことなく上記を実現することが好ましい。
【0132】
具体的には、可変抵抗R12のトリミング後の抵抗R12aの情報を、第1のテスト工程(S2)又はレーザートリミング工程(S3)から第2のテスト工程(S5)に引き継げない場合は、第2のテスト工程(S5)にて個々の抵抗分圧比(R13+R1)/(R12a+R11+R13+R1)を知るための測定が必要となる。
【0133】
第3の実施形態グループに係る発明の目的は、抵抗体R1の抵抗値を測定する半導体装置及び方法を提供することにあり、以下、第3の実施形態グループに係る実施形態15~21について以下に説明する。
【0134】
(実施形態15)
図23は実施形態15に係る電圧検出回路120Cの構成例を示す回路図である。
図23において、電圧検出回路120Cは、
図18の電圧検出回路120に比較して、以下の点が異なる。なお、以下の異なる点は、その周辺の構成および動作も含む。
(1)テストモード制御回路20に代えて、テストモード制御回路20Aを備える。
(2)例えばテストモード制御回路20Aはテストモード信号Stmが入力されることでテストモードに設定できる。VDD-VSS間の電源電圧VDD1から分圧抵抗R11,R13等により分圧された分圧電圧Vdivを出力する回路(テスター装置90で分圧電圧Vdivを測定する。)をさらに備え、具体的には、スイッチSW1と、パッドP34をさらに備える。ここで、分圧電圧VdivはスイッチSW1及びパッドP34を介して外部のテスター装置90の電圧センサ92に出力され、テスター装置90の電圧センサ92がパッドP34-VSS間の電圧を測定することで、個々の半導体装置毎に異なる分圧電圧Vdivを知ることが可能となる。
(3)テスター装置90は、コントローラ91と、電圧センサ92と、パルス信号発生器21とを備える。コントローラ91は、テストモード信号Stmを、パッドP40を介してテストモード制御回路20Aに出力することで、テストモード制御回路20Aからのスイッチ制御信号Sc,Scsを反転させテストモードとなる。なお、コンパレータ31の電圧検出信号Sdはテスター装置90のコントローラ91に入力される。
(4)テストモード制御回路20Aは、スイッチ制御信号Scを発生することに加えて、スイッチSW1のオン又はオフを制御する。従って、電圧検出回路120Cは抵抗値調整装置を構成する。
以下、相違点について説明する。
【0135】
以上のように構成された
図23の電圧検出回路120Cにおいて、テストモード制御回路20AがHレベルのスイッチ制御信号ScsをスイッチSW1に出力したとき、スイッチSW1がオンされ、分圧電圧VdivがスイッチSW1を介してパッドP34に出力される。一方、Lレベルのスイッチ制御信号ScsをスイッチSW1に出力したとき、スイッチSW1がオフされ、このとき、分圧電圧VdivがスイッチSW1を介してパッドP34に出力されない。
【0136】
次いで、
図23の電圧検出回路120Cの抵抗体R1の抵抗値変化量Rx(抵抗体R1を所望値の抵抗値R1にするときに、抵抗体R1を変化させるべき調整用抵抗値変化量をいう。)をテストモード制御回路20Aにより算出する方法について以下に説明する。
【0137】
図23の電圧検出回路120Cにおいて、VDD-VSS間に電源電圧VDD1を印加したときに、パッドP34から出力される接地電圧VSS基準の分圧電圧をVdivとすると、個々の抵抗分圧比は次式で算出できる。
【0138】
(R13+R1)/(R12a+R11+R13+R1)=Vdiv/VDD1 (1)
【0139】
抵抗体R1の抵抗値調整前に、接地電圧VSS基準の電源電圧VDD1に変化させてコンパレータ31の出力電圧であるVDD-VSS間電圧検出信号SdがLレベルからHレベルに反転する電源電圧VDD1を、検出電圧VdetAとして測定する。また、抵抗体R1を抵抗値変化量Rxだけ変化させたときの、VDD-VSS間電源電圧VDD1の検出電圧の目標値を検出電圧VdetBとすると、次式が成立する。
【0140】
VdetA(R13+R1)/(R12a+R11+R13+R1)
=VdetB(R13+R1+Rx)/(R12a+R11+R13+R1+Rx) (2)
【0141】
ここで、前記式(1)及び式(2)から、次式を用いて、抵抗体R1の抵抗値変化量Rxを算出できる。
【0142】
【0143】
以上説明したように、実施形態15に係る電圧検出回路120Cによれば、可変抵抗R12を個々の装置毎に異なる値に変化させた場合であっても、抵抗体R1の抵抗値変化量Rxを算出でき、これに基づいて、抵抗体R1の抵抗値を所望の抵抗値に設定することができる。従って、電圧検出回路120Cは抵抗値調整装置を構成する。
【0144】
以上の実施形態15において、半導体装置10は、本発明はこれに限らず、半導体装置10A~10E、並びにそれらの複数の半導体装置を直列に接続した配置構成であってもよい。
【0145】
(実施形態16)
図24は実施形態16に係る電圧検出回路120Dの構成例を示す回路図である。
図23では、分圧電圧Vdivを出力する専用パッドとしてパッドP34を設けていた。これに対して、
図24では、所定の内部回路25と接続されるパッドP34を、分圧電圧Vdivを出力するパッドと共通化できる構成例である。
【0146】
図24において、電圧検出回路120Dは、
図23の電圧検出回路120Cに比較して以下の点が異なる。(1)スイッチSW1とパッドP34との間の接続点はスイッチSW2を介して内部回路25に接続される。ここで、内部回路25とは、例えば抵抗体R1と同じシリコン上に形成される回路である。
(2)テストモード制御回路20Aからのスイッチ制御信号Scsはさらに、インバータINV3を介してスイッチSW2の制御端子に入力される。すなわち、スイッチSW2はスイッチSW1とは互いに反転関係でオンオフ制御される。
【0147】
以上のように構成された電圧検出回路120Dにおいて、テストモード制御回路20Aがスイッチ制御信号ScsをLレベルからHレベルに反転させることで、スイッチSW1をオンさせ、それと同期してスイッチSW2をオフさせることで、分圧された検出電圧である分圧電圧Vdivと、内部回路25とを電気的に切り離して、分圧電圧Vdivを、パッドP34を介して外部のテスター装置90に出力できる。
【0148】
図25は、テスター装置90のコントローラ91により実行される
図24の電圧検出回路120Dの抵抗体の抵抗値調整処理を示すフローチャートである。なお、
図25の抵抗体の抵抗値調整処理は
図23の電圧検出回路120Cにも適用できる。
【0149】
図25において、まず、ステップS11の通常モードの初期化処理では、スイッチ制御信号ScをHレベルにし、スイッチ制御信号ScsをLレベルにすることで、MOSトランジスタQ4及びスイッチSW2をオンし、MOSトランジスタQ1,Q2及びスイッチSW1をオフする。次いで、ステップS12では、その状態で、電源電圧VDD1を上昇方向で変化させることで、VDD-VSS間電源電圧VDD1に基づく分圧電圧Vdivを変化させ、電圧検出信号SdがLレベルからHレベルに反転したとき(ステップS12でYES)、ステップS13において、そのときの電源電圧VDD1を検出電圧VdetAとして測定する。
【0150】
次いで、ステップS14において、スイッチ制御信号ScsをHレベルにすることで、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2をオフする。その状態で、ステップS15において、パッドP34から出力される分圧電圧Vdivをテスター装置90の電圧センサ92により測定する。さらに、ステップS16において、テスター装置90のコントローラ91は、以上より得られた検出電圧VdetAと、分圧電圧Vdivと、既知である抵抗値R13,R1と、目標値である検出電圧VdetBを、式(3)を用いて抵抗値変化量Rxを算出する。次いで、ステップS17で、テストモード制御回路20Aはスイッチ制御信号ScをLレベルにすることで、MOSトランジスタQ1,Q2をオンし、MOSトランジスタQ4をオフする。さらに、ステップS18において、計算された抵抗値変化量Rxに基づいて、抵抗値調整用パルス信号発生器21により、上述の公知の方法で、所定の時間で所定の電圧を用いて抵抗体R1に電流を流すことで、抵抗値変化量Rx分だけ抵抗体R1の抵抗値を変化させる。
【0151】
以上説明したように、実施形態16に係る電圧検出回路120Dによれば、可変抵抗R12を変化させた場合であっても、抵抗体R1の抵抗値変化量Rxを算出でき、これに基づいて、抵抗体R1の抵抗値を所望の抵抗値に設定することができる。従って、電圧検出回路120Dは抵抗値調整装置を構成する。
【0152】
以上の実施形態16において、半導体装置10は、本発明はこれに限らず、半導体装置10A~10E、並びにそれらの複数の半導体装置を直列に接続した配置構成であってもよい。
【0153】
(実施形態17)
図26は実施形態17に係る電圧検出回路120Eの構成例を示す回路図である。ここで、電圧検出回路120Eは前記第2のテスト工程にて個々の抵抗分圧比を知るための別の回路例である。
図26において、電圧検出回路120Dは、
図24の電圧検出回路120Cに比較して以下の点が異なる。
(1)コンパレータ31及び基準電圧源45に代えて、オペアンプ32及び基準電圧源45を含むボルテージフォロワ回路を備える。なお、スイッチSW3がオフ、SW4がオンのときは、オペアンプ32はコンパレータとして動作し、前記電圧検出信号Sdと同様の信号電圧(電圧検出信号Vd)となりテスター装置90に出力される一方、スイッチSW3がオン、SW4がオフのときは、オペアンプ32はボルテージフォロワ回路として動作し、VdはVrefをそのまま出力する。
(2)ボルテージフォロワーアンプ回路の周辺回路として、スイッチSW3,SW4,SW5及びインバータINV4及び遅延回路26を備える。なお、遅延回路26は、例えば、電圧検出信号Vdに基づいて遅延時間を有する。
以下、相違点について説明する。
【0154】
図26において、分圧抵抗R11,R13等により分圧された分圧電圧VdivはスイッチSW4を介してオペアンプ32の反転入力端子に入力され、オペアンプ32の出力端子はスイッチSW3を介してオペアンプ32の反転入力端子に接続される。オペアンプ32の出力電圧である電圧検出信号VdはスイッチSW5及び遅延回路26を介してパッドP36に出力される。ここで、テストモード制御回路20Bからのスイッチ制御信号ScaはスイッチSW3の制御端子に入力されるとともに、インバータINV4を介してスイッチSW4,SW5の制御端子に入力される。なお、Hレベルのスイッチ制御信号Scaに応答してスイッチSW3がオンされるとともに、スイッチSW4,SW5はオフされる。一方、Lレベルのスイッチ制御信号Scaに応答してスイッチSW3がオフされるとともに、スイッチSW4,SW5はオンされる。
【0155】
以上のように構成された電圧検出回路120Eにおいて、テストモードのとき、テストモード制御回路20Bは、スイッチ制御信号ScaをLレベルからHレベルに反転させることで、スイッチSW3をオンし、オペアンプ32をコンパレータの動作からボルテージフォロワ回路の動作に変更できる。スイッチSW3のオンと同期してスイッチSW4,SW5をオフさせることで、ボルテージフォロワ回路を分圧抵抗R11,R13の回路と遅延回路26とから電気的に切り離すことができる。
【0156】
パッドP34からは基準電圧Vrefが出力され、個々の抵抗分圧比は次式で算出できる。
【0157】
(R13+R1)/(R12a+R11+R13+R1)=Vref/VdetA (4)
【0158】
ここで、簡単化のために、基準電圧Vrefはオペアンプ32のオフセット電圧も加算した電圧とする。抵抗体R1の抵抗値調整前に、電源電圧VDD=VDD1を上昇方向で変化させたときに、オペアンプ32の出力電圧であってコンパレータとして動作するときの前記電圧検出信号VdがHレベルからLレベルに反転するVDD-VSS間電源電圧VDD1に対応する分圧電圧Vdivを、検出電圧VdetAとして測定する。式(2)は
図24の回路と同様に成立して次式で表されるので、式(2)及び式(3)により、抵抗値変化量Rxを算出できる。
【0159】
【0160】
図27は、テスター装置90のコントローラ91により実行される、
図26の電圧検出回路120Eの抵抗体の抵抗値調整処理を示すフローチャートである。
【0161】
図27において、まず、ステップS21の通常モードの初期化処理では、スイッチ制御信号ScをHレベルにし、スイッチ制御信号Scs,ScaをLレベルにすることで、MOSトランジスタQ4及びスイッチSW2,SW4,SW5をオンし、MOSトランジスタQ1,Q2及びスイッチSW1,SW3をオフする。次いで、ステップS22では、その状態で、電源電圧VDD1を上昇方向で変化させることで、VDD-VSS間電源電圧VDD1に基づく分圧電圧Vdivを変化させ、電圧検出信号VdがHレベルからLレベルに反転したとき(ステップS22でYES)、ステップS23において、そのときの電源電圧VDD1に対応する分圧電圧Vdivを検出電圧VdetAとして測定する。
【0162】
次いで、ステップS24において、スイッチ制御信号Scs,ScaをHレベルにすることで、スイッチSW1,SW3をオンし、スイッチSW2,SW4,SW5をオフする。その状態で、ステップS25において、パッドP34から出力される基準電圧Vrefをテスター装置90の電圧センサ92により測定する。ステップS26において、テスター装置90のコントローラ91は、以上より得られた検出電圧VdetAと、基準電圧Vrefと、既知である抵抗値R13,R1と、目標値である検出電圧VdetBを、式(5)を用いて抵抗値変化量Rxを算出する。次いで、ステップS27で、テストモード制御回路20Bはスイッチ制御信号ScをLレベルにすることで、MOSトランジスタQ1,Q2をオンし、MOSトランジスタQ4をオフする。さらに、ステップS28において、計算された抵抗値変化量Rxに基づいて、その状態を維持したまま、抵抗値調整用パルス信号発生器21により、所定の時間で所定の電圧を用いて抵抗体R1に電流を流すことで、抵抗値変化量Rx分だけ抵抗体R1の抵抗値を変化させる。
【0163】
以上説明したように、実施形態17に係る電圧検出回路120Eによれば、可変抵抗R12を変化させた場合であっても、抵抗体R1の抵抗値変化量Rxを算出でき、これに基づいて、抵抗体R1の抵抗値を所望の抵抗値に設定することができる。従って、電圧検出回路120Eは抵抗値調整装置を構成する。
【0164】
以上の実施形態17において、半導体装置10は、本発明はこれに限らず、半導体装置10A~10E、並びにそれらの複数の半導体装置を直列に接続した配置構成であってもよい。
【0165】
また、スイッチ制御信号Sca,Scsを異なる制御信号としたが、本発明はこれに限らず、同一または同期して反転するスイッチ制御信号としてもよい。
【0166】
(実施形態18)
図28は実施形態18に係る電圧検出回路120Fの構成例を示す回路図である。
図28において、電圧検出回路120Fは、
図23の電圧検出回路120Cに比較して以下の点が異なる。
(1)半導体装置回路30に代えて、半導体装置回路30Cを備える。
(2)テストモード制御回路20Aに代えて、テストモード制御回路20Cを備える。
以下、相違点について説明する。
【0167】
図28において、半導体装置回路30Cは、
図8の半導体装置100と、抵抗比が既知の基準抵抗である分圧抵抗R11,R13と、調整用可変抵抗R12と、調整用可変抵抗である抵抗体R1と、スイッチ素子であるPMOSトランジスタQ4と、ノアゲートNOR1とを備えて構成される。ここで、半導体装置100において、各半導体装置10-1,10-2,10-3の抵抗体R1を区別して表示するために、抵抗体R1-1,R1-2,R1-3とする。
【0168】
テストモード制御回路20Cは3個のスイッチ制御信号Sc1,Sc2,Sc3を発生してそれぞれ各半導体装置10-1,10-2,10-3の各ノードP11,P12,P13に出力するとともに、ノアゲートNOR1を介してMOSトランジスタQ4のゲートに出力する。
【0169】
図29はテスター装置90のコントローラ91により実行される、
図28の電圧検出回路120Fの抵抗体の抵抗値調整処理を示すフローチャートである。
【0170】
図29において、まず、ステップS31の通常モードの初期化処理では、スイッチ制御信号Sc1,Sc2,Sc3をLレベルにすることで、MOSトランジスタQ4をオンし、半導体装置10-1,10-2,10-3のMOSトランジスタQ1,Q2をオフする。次いで、ステップS32では、その状態で、電源電圧VDD1を上昇方向で変化させることで、VDD-VSS間電圧に基づく分圧電圧Vdivを変化させ、電圧検出信号SdがLレベルからHレベルに反転したとき(ステップS32でYES)、ステップS33において、そのときの電源電圧VDD1を検出電圧VdetAとして測定する。ここで、検出電圧VdetAには次式が成立する。
【0171】
Vref
=VdetA(R13+(R1-1)+(R2-1)+R42)/(R12a+R11+R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3))
(6)
【0172】
次いで、ステップS34において、スイッチ制御信号Sc1をHレベルにすることで、半導体装置10-1のMOSトランジスタQ1,Q2をオンし、MOSトランジスタQ4をオフする。その状態で、ステップS35において、抵抗体R1-1を所定の変化量ΔRだけ変化させ、これを「試行トリミング」とする。次いで、ステップS36において、スイッチ制御信号Sc1をLレベルにすることで、半導体装置10-1のMOSトランジスタQ1,Q2をオフし、MOSトランジスタQ4をオンする。次いで、ステップS37では、その状態で、電源電圧VDD1を上昇方向で変化させることで、VDD-VSS間電圧に基づく分圧電圧Vdivを変化させ、電圧検出信号SdがLレベルからHレベルに反転したとき(ステップS37でYES)、ステップS38において、そのときの電源電圧VDD=VDD1を検出電圧VdetCとして測定する。ここで、検出電圧VdetCには次式が成立する。
【0173】
Vref
=VdetC(R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR)/(R12a+R1+R3+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR)
(7)
【0174】
ここで、式(6)及び式(7)より次式が成立する。
【0175】
VdetA(R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3))/(R12a+R11+R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3))
=VdetC(R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR)/(R12a+R11+R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR)
(8)
【0176】
前記測定により得られた検出電圧VdetAとVdetC、また既知である抵抗R11,R13,R1-1,R1-2,R1-3,ΔRを式(8)に代入すれば、抵抗R12aを算出できる。
【0177】
ここで、
Ry=R3+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)
とおくと、抵抗R12aは次式のように求まる。
【0178】
【0179】
さらに、抵抗体R1において追加で調整すべき抵抗値変化量をRx、VDD-VSS検出電圧の目標値をVdetBとすると、次式が成立する。
【0180】
VdetC(R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR)/(R12a+R11+R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR)
=VdetB(R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR+Rx)/(R12a+R11+R13+(R1-1)+(R1-2)+(R1-3)+ΔR+Rx)
(10)
【0181】
式(8)で算出した抵抗値R12a、前記測定により得られた検出電圧VdetC、また既知である検出電圧VdetB,抵抗R11,R13,R1-1,R1-2,R1-3,ΔRを式(9)に代入すれば、抵抗値変化量Rxを、次式を用いて算出できる。
【0182】
【0183】
ここで、式(11)の抵抗R12aに、式(11)の右辺を代入すると、次式を得る。
【0184】
【0185】
図29のステップS39において、テスター装置90のコントローラ91は式(10)を用いて抵抗値変化量Rxを計算する。次いで、ステップS40において、算出された抵抗値変化量Rxに基づいて、スイッチ制御信号Sc2,Sc3をHレベル又はLレベルに設定する。具体的には、以下の通りである。
【0186】
(1)0.5ΔR<Rx≦1.5ΔRのとき、スイッチ制御信号Sc2をHレベルにすることで、半導体装置10-2のMOSトランジスタQ1,Q2をオンし、MOSトランジスタQ4をオフする。(2)1.5ΔR<Rx≦2.5ΔRのとき、スイッチ制御信号Sc2およびSc3をHレベルにすることで、半導体装置10-2および10-3のMOSトランジスタQ1,Q2をオンし、MOSトランジスタQ4をオフする。
【0187】
次いで、ステップS41において、計算された抵抗値変化量Rxに基づいて、抵抗値調整用パルス信号発生器21により、上述のように公知の方法で、所定の時間で所定の電圧を用いて抵抗体R1-2,R1-3に対して個別に電流を流すことで、抵抗体R1-2,R1-3の抵抗値調整を行う。
【0188】
以上説明したように、実施形態18に係る電圧検出回路120Fによれば、可変抵抗R12を変化させた場合であっても、
図23、
図24及び
図26におけるパッドP34、スイッチSW1~SW5を搭載することなく検出電圧VdetBに設定するための抵抗体R1-2,R1-3の抵抗値変化量Rxを算出でき、これに基づいて、抵抗体R1-1,R1-2,R1-3の抵抗値を所望の抵抗値に設定することができる。従って、電圧検出回路120Fは抵抗値調整装置を構成する。
【0189】
以上の実施形態18において、半導体装置100は、本発明はこれに限らず、100A~100Gであってもよい。また、半導体装置100の抵抗体R1-1,R1-2、R1-3は、後述する
図32のような2の冪乗和の抵抗体R1の本数を並べたビット構成にしてもよい。
【0190】
(実施形態19)
図30は実施形態19に係る半導体装置10Eの構成例を示す回路図である。
図30において、半導体装置10Eは、
図1の半導体装置10に比較して以下の点が異なる。
(1)抵抗体R1に対して並列に、多結晶シリコン抵抗体R1Aを接続した。
以下、相違点について説明する。
【0191】
図30の半導体装置10Eでは、抵抗体R1,R1Aを並列に接続することで、抵抗変化量をより小さくし、より高い分解能で調整することができるようになる。ここで、抵抗体R1,R1Aは同じパラメーターの抵抗値調整素子を用い、抵抗値をR1、抵抗値調整値をΔRとした場合、
図1の構成では抵抗値調整値の分解能はΔRとなる。
【0192】
【0193】
1/(R1+ΔR)+1/(R1+ΔR)
=1/(1/2R1+1/2×ΔR)
【0194】
従って,抵抗値調整値の分解能ΔR/2となり、
図1の分解能と比較して高くすることができる。すなわち、並列接続した複数の抵抗体R1を、抵抗体R1を直列接続した回路に組み込むことで、分解能をより細かくする特有の効果がある。
【0195】
なお、
図30の実施形態19に係る抵抗体R1に並列に別の抵抗体R1Aを接続することは、本明細書のすべての実施形態に係るすべての抵抗体R1に対して、もしくは一部の抵抗体R1に対して適用することができる。
【0196】
(実施形態20)
図31は実施形態20に係る半導体装置100Fの構成例を示す回路図である。
図31において、半導体装置100Fは、
図8の半導体装置100と、
図30の半導体装置10Eとを備え、
図8の半導体装置100の後段に
図30の半導体装置10Eを配置したことを特徴としている。以下、
図8の半導体装置100との相違点について説明する。
【0197】
図31において、半導体装置10Eのスイッチ制御信号Sc4はパッドP14に印加される。ノードP1とノードP2の間に、半導体装置100の3個の抵抗体R1と、半導体装置10Eの抵抗体R1,R1Aの並列回路との直列回路が挿入されて配置される。
【0198】
図8の半導体装置100の場合、抵抗体R1の1つ当たりの調整効果はΔRであり、抵抗体R1の個数を増大したときの抵抗値調整効果はΔR、2ΔR、3ΔRと、ΔRの分解能で抵抗値を調整できる。これに対して、
図30の半導体装置100Fの場合、半導体装置10EのMOSトランジスタQ1,Q2をオンし、抵抗体R1,R1Aを調整することができる。このときの抵抗値調整効果は1/2ΔR、ΔR、3/2ΔR,…と分解能を1/2ΔRに細かくすることができる。また、並列接続する抵抗体R1を3つ、4つと増やすことで、分解能は1/3ΔR、1/4ΔRとより細かくすることができる。
【0199】
(実施形態21)
図32は実施形態21に係る半導体装置100Gの構成例を示す回路図である。
図32の半導体装置100Gはデジタル回路に用いる場合の構成例であって、
図10の半導体装置100Bに比較して以下の点が異なる。
(1)半導体装置グループ数は3個で同じであるが、第1の半導体装置グループの半導体装置数を4個にしたことを特徴としている。
(2)半導体装置100Gは、半導体装置グループG31,G32,G33を有する。
(3)半導体装置グループG31は、4個の半導体装置10-1~10-4を含み、半導体装置グループG32は、2個の半導体装置10-5~10-6を含み、半導体装置グループG33は、1個の半導体装置10-7を含む。
(4)互いに隣接する半導体装置10の抵抗体R1間に連結抵抗R2を備える。
【0200】
以上のように構成された半導体装置100Gによれば、抵抗値調整効果を8進数で表すことができる。これによりデジタル回路の2進数を表す回路としての活用に広げることができる。
【0201】
図32において、
(1)パッドP11に入力されるスイッチ制御信号Sc1のみをHレベルにすることで、半導体装置10-1~10-4の4個の抵抗体R1の抵抗値を調整できる。
(2)パッドP12に入力されるスイッチ制御信号Sc2のみをHレベルにすることで、半導体装置10-5~10-6の2個の抵抗体R1の抵抗値を調整できる。
(3)パッドP13に入力されるスイッチ制御信号Sc3のみをHレベルにすることで、半導体装置10-7の1個の抵抗体R1の抵抗値を調整できる。
【0202】
以上説明したように、実施形態21によれば、複数のスイッチ制御信号を共通化することでパッドを共通化し、半導体装置100Gのチップ面積を、共通化していない半導体装置に比較して小さくすることができる。また、スイッチ制御信号により任意の抵抗体R1を選択できる。
【0203】
ここで、1つの抵抗体R1の抵抗値調整量をΔRとする場合、抵抗値調整効果は下表に示す8通りで表される。
【0204】
【0205】
(実施形態及び変形例の効果)
従って、実施形態及び変形例に係る半導体装置及び電圧検出回路によれば、以下の特有の効果を有する。
(1)2つの端子間に1つ以上の抵抗体と2つ以上の同時にオンオフするスイッチが配置されており、抵抗体への電流の流入又は電圧の印加を選択することができる。
(2)パッドを外部に引き出しており、抵抗体に直接に電流の流入又は電圧の印加ができる。
(3)抵抗体に不純物が含まれていることで、その濃度により抵抗値を制御することができ、また電流又は電圧のパルス印加で抵抗値を調整できる。
(4)電流又は電圧のパルス印加により抵抗値を変化させることができるため、パッケージされた半導体装置の精度向上に寄与できる。
(5)電流が流れる抵抗体はスイッチで選択することができ、電流を流入し又は電圧を印加して変化させる抵抗体を選択し、逆に変化させない抵抗体を選択することができる。
(6)2つのパッド間から印加される電圧は、連続または断続的であるとし、調整する抵抗値を制御することができる。
【0206】
さらに、各実施形態グループに係る発明の態様について以下に説明する。なお、第1の実施形態グループに係る発明の態様は特許請求の範囲に記載の通りである。なお、請求項に対応する発明の態様の項を「態様項」といい、各実施形態グループ毎に通し番号を付与する。また、態様項に対応する代表図面番号を付す。
【0207】
(第1の実施形態グループに係る発明の態様)
第1の実施形態グループに係る発明の態様に係る「半導体装置」の態様項は以下の通りである。
【0208】
[態様項1](
図1)
2個の端子間に接続された第1の抵抗体であって、電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能な少なくとも1つの第1の抵抗体と、
前記各第1の抵抗体の両端と前記電源との間にそれぞれ接続された一対のスイッチ素子であって、所定のスイッチ制御信号に基づいて同時にオンオフする一対のスイッチ素子と、
を備える半導体装置。
【0209】
[態様項2](
図1)
前記各第1の抵抗体は、1種類又は2種類以上の不純物を含む多結晶シリコンにて形成される、
態様項1に記載の半導体装置。
【0210】
[態様項3](
図1)
前記一対のスイッチ素子は、前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させるときの前記第1の抵抗体を、前記スイッチ制御信号に基づいて選択するために設けられる、
態様項1に記載の半導体装置。
【0211】
[態様項4](
図30)
前記第1の抵抗体に対して並列に接続される第2の抵抗体であって、
前記第2の抵抗体は前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能である、
態様項1に記載の半導体装置。
【0212】
[態様項5](
図30)
前記一対のスイッチ素子は、前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させるときの前記第1の抵抗体及び前記第2の抵抗体を、前記スイッチ制御信号に基づいて選択するために設けられる、
態様項4に記載の半導体装置。
【0213】
[態様項6](
図1)
前記2個の端子は、前記半導体装置のチップの外部に引き出すための2個のパッドである、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0214】
[態様項7](
図16、
図17)
前記電源は、前記第1の抵抗体に対して、所定の電流もしくは所定の電圧を、時間的に連続、または時間的に断続的で流し、もしくは印加する、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0215】
[態様項8](
図9)
互いに直列に接続された複数の第1の抵抗体を備える半導体装置であって、
前記複数の第1の抵抗体において、前記各第1の抵抗体の抵抗値よりも大きな抵抗値を有する連結抵抗であって、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される連結抵抗をさらに備える、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0216】
[態様項9](
図10)
互いに直列に接続された複数の第1の抵抗体を備える半導体装置であって、
前記複数の第1の抵抗体を互いに異なる個数の第1の抵抗体を含むグループに分割され、
前記各グループの第1の抵抗体は直列に接続され、
前記各グループの一対のスイッチ素子に対するスイッチ制御信号は互いに同一である、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置。
【0217】
[態様項10](
図10)
前記複数の第1の抵抗体において、前記各第1の抵抗体の抵抗値よりも大きな抵抗値を有する連結抵抗であって、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される連結抵抗をさらに備える、
態様項9に記載の半導体装置。
【0218】
[態様項11](
図10,
図12)
前記複数の第1の抵抗体において、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される第3の抵抗体をさらに備え、
前記第3の抵抗体は前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能である、
態様項9に記載の半導体装置。
【0219】
[態様項12](
図32)
前記各グループの第1の抵抗体の個数は互いに異なる2の冪乗個である、
態様項9に記載の半導体装置。
【0220】
[態様項13](
図28)
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の半導体装置を複数個備え,
前記複数個の半導体装置を直列に接続した、
半導体装置。
【0221】
(第2の実施形態グループに係る発明の態様)
第2の実施形態グループに係る発明の態様に係る「電圧検出回路」の態様項は以下の通りである。
【0222】
[態様項1](
図18及び
図19)
2個の端子間に接続された第1の抵抗体であって、電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能な少なくとも1つの第1の抵抗体と、
前記各第1の抵抗体の両端と前記電源との間にそれぞれ接続された一対の第1のスイッチ素子であって、所定の第1のスイッチ制御信号に基づいて同時にオンオフする一対の第1のスイッチ素子とを備える半導体装置を含む電圧検出回路であって、
前記電圧検出回路は、
第1の電源電圧と、前記第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧との間に接続される直列回路であって、可変抵抗と、一対の分圧抵抗と、前記少なくとも1つの第1の抵抗体と、第2のスイッチ素子とが直列に接続された直列回路と、
前記一対の分圧抵抗により分圧された分圧電圧を所定のしきい値基準電圧と比較して、前記分圧電圧が前記しきい値基準電圧以上であるときに電圧検出信号を出力するコンパレータとを備え、
前記第2のスイッチ素子は、前記第1のスイッチ制御信号に基づいて、前記第1のスイッチ素子と同時にオンオフされる、
電圧検出回路。
【0223】
[態様項2](
図20)
前記コンパレータに代えて、オペアンプを備え、
前記第1の電源電圧は前記オペアンプの出力端子の電圧である、
態様項1に記載の電圧検出回路。
【0224】
[態様項3](
図18及び
図19)
前記第2の電源電圧は、接地電圧である、
態様項1に記載の電圧検出回路。
【0225】
[態様項4](
図18及び
図19)
前記各第1の抵抗体は、所定の不純物を含む多結晶シリコンにて形成される、
態様項1に記載の電圧検出回路。
【0226】
[態様項5](
図18及び
図19)
前記一対の第1のスイッチ素子は、前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させるときの前記第1の抵抗体を、前記第1のスイッチ制御信号に基づいて選択するために設けられる、
態様項1に記載の電圧検出回路。
【0227】
[態様項6](
図1)
前記2個の端子は、前記電圧検出回路のチップの外部に引き出すための2個のパッドである、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の電圧検出回路。
【0228】
[態様項7](
図16、
図17)
前記電源は、前記第1の抵抗体に対して、所定の電流もしくは所定の電圧を、時間的に連続、または時間的に断続的で流し、もしくは印加する、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の電圧検出回路。
【0229】
[態様項8](
図9)
互いに直列に接続された複数の第1の抵抗体を備える電圧検出回路であって、
前記複数の第1の抵抗体において、前記各第1の抵抗体の抵抗値よりも大きな抵抗値を有する連結抵抗であって、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される連結抵抗をさらに備える、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の電圧検出回路。
【0230】
[態様項9](
図10)
互いに直列に接続された複数の第1の抵抗体を備える電圧検出回路であって、
前記複数の第1の抵抗体を互いに異なる個数の第1の抵抗体を含むグループに分割され、
前記各グループの第1の抵抗体は直列に接続され、
前記各グループの一対のスイッチ素子に対するスイッチ制御信号は互いに同一である、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の電圧検出回路。
【0231】
[態様項10](
図10)
前記複数の第1の抵抗体において、前記各第1の抵抗体の抵抗値よりも大きな抵抗値を有する連結抵抗であって、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される連結抵抗をさらに備える、
態様項9に記載の電圧検出回路。
【0232】
[態様項11](
図10,
図12)
前記複数の第1の抵抗体において、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される第3の抵抗体をさらに備え、
前記第3の抵抗体は前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能である、
態様項9に記載の電圧検出回路。
【0233】
[態様項12](
図32)
前記各グループの第1の抵抗体の個数は互いに異なる2の冪乗個である、
態様項9に記載の電圧検出回路。
【0234】
(第3の実施形態グループに係る発明の態様)
第3の実施形態グループに係る発明の態様に係る「抵抗値調整装置」の態様項は以下の通りである。
【0235】
[態様項1](
図23、
図24、
図28)
2個の端子間に接続された第1の抵抗体であって、電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能な少なくとも1つの第1の抵抗体と、
前記各第1の抵抗体の両端と前記電源との間にそれぞれ接続された一対の第1のスイッチ素子であって、所定の第1のスイッチ制御信号に基づいて同時にオンオフする一対の第1のスイッチ素子とを備える半導体装置を含み、前記少なくとも1つの第1の抵抗体の抵抗値を調整する抵抗値調整装置であって、
前記抵抗値調整装置は、
第1の電源電圧と、前記第1の電源電圧よりも低い第2の電源電圧との間に接続される直列回路であって、可変抵抗と、一対の分圧抵抗と、前記少なくとも1つの第1の抵抗体と、第2のスイッチ素子とが直列に接続された直列回路と、
前記一対の分圧抵抗により分圧された分圧電圧を所定のしきい値基準電圧と比較して、前記分圧電圧が前記しきい値基準電圧以上であるときに電圧検出信号を出力するコンパレータと、
前記第1の電源電圧を変化させたときに前記電圧検出信号が出力される場合において、前記電源の電圧と、前記分圧電圧とを測定し、前記測定された前記電源の電圧と、前記分圧電圧とに基づいて、前記少なくとも1つの第1の抵抗体の抵抗値を所望値にするときに前記少なくとも1つの第1の抵抗体を変化させるべき抵抗値変化量を計算し、前記計算された抵抗値変化量に基づいて前記少なくとも1つの第1の抵抗体の抵抗値を所望値に調整するように制御する制御回路とを備え、
前記第2のスイッチ素子は、前記第1のスイッチ制御信号に基づいて、前記第1のスイッチ素子と同時にオンオフされる、
抵抗値調整装置。
【0236】
[態様項2](
図26)
前記コンパレータに代えて、オペアンプを備え、
前記オペアンプの出力端子は前記オペアンプの入力端子に接続されることにより、ボルテージフォロワーアンプ回路を構成し、前記オペアンプは所定の基準電圧を出力する、
態様項1に記載の抵抗値調整装置。
【0237】
[態様項3](
図23~
図26)
前記第2の電源電圧は、接地電圧である、
態様項1に記載の抵抗値調整装置。
【0238】
[態様項4](
図18及び
図19)
前記各第1の抵抗体は、所定の不純物を含む多結晶シリコンにて形成される、
態様項1に記載の抵抗値調整装置。
【0239】
[態様項5](
図18及び
図19)
前記一対の第1のスイッチ素子は、前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させるときの前記第1の抵抗体を、前記第1のスイッチ制御信号に基づいて選択するために設けられる、
態様項1に記載の抵抗値調整装置。
【0240】
[態様項6](
図1)
前記2個の端子は、前記抵抗値調整装置のチップの外部に引き出すための2個のパッドである、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の抵抗値調整装置。
【0241】
[態様項7](
図16、
図17)
前記電源は、前記第1の抵抗体に対して、所定の電流もしくは所定の電圧を、時間的に連続、または時間的に断続的で流し、もしくは印加する、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の抵抗値調整装置。
【0242】
[態様項8](
図9)
互いに直列に接続された複数の第1の抵抗体を備える抵抗値調整装置であって、
前記複数の第1の抵抗体において、前記各第1の抵抗体の抵抗値よりも大きな抵抗値を有する連結抵抗であって、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される連結抵抗をさらに備える、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の抵抗値調整装置。
【0243】
[態様項9](
図10)
互いに直列に接続された複数の第1の抵抗体を備える抵抗値調整装置であって、
前記複数の第1の抵抗体を互いに異なる個数の第1の抵抗体を含むグループに分割され、
前記各グループの第1の抵抗体は直列に接続され、
前記各グループの一対のスイッチ素子に対するスイッチ制御信号は互いに同一である、
態様項1~5のうちのいずれか1つに記載の抵抗値調整装置。
【0244】
[態様項10](
図10)
前記複数の第1の抵抗体において、前記各第1の抵抗体の抵抗値よりも大きな抵抗値を有する連結抵抗であって、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される連結抵抗をさらに備える、
態様項9に記載の抵抗値調整装置。
【0245】
[態様項11](
図10,
図12)
前記複数の第1の抵抗体において、互いに隣接する一対の第1の抵抗体の間に接続される第3の抵抗体をさらに備え、
前記第3の抵抗体は前記電源から電圧を印加し、もしくは電流を流すことで、抵抗値を変化させることが可能である、
態様項9に記載の抵抗値調整装置。
【0246】
[態様項12](
図32)
前記各グループの第1の抵抗体の個数は互いに異なる2の冪乗個である、
態様項9に記載の抵抗値調整装置。
【符号の説明】
【0247】
1 半導体ウェハ
2 半導体チップ
3 パッド
10,10A~10F,10-1~10-6 抵抗体半導体装置(半導体装置)
20,20A~20C テストモード制御回路
21 パルス信号発生器(PSG)
25 内部回路
26 遅延回路
30,30A~30C 半導体装置回路
31 コンパレータ
32 オペアンプ
40~43 直流電圧源
45 基準電圧源
50~54,51A,51B,52A,52B,53A ビア導体
60~64 配線導体
70~76 低抵抗ポリシリコン
80~83 高抵抗ポリシリコン
90 テスター装置
91 コントローラ
92 電圧センサ
100,100A~100G 抵抗体半導体装置(半導体装置)
110 電源装置
120,120A~120F 電圧検出回路
INV1~INV4 インバータ
G1~G33 半導体装置グループ
P1,P2 ノード
P10~P32,P33,P34,P40 パッド
Q1~Q4,Q2A MOSトランジスタ
R1,R1-1~R1-3,R1A,R1B,R1C 多結晶シリコン抵抗体(抵抗体)
R2 連結抵抗
R11,R13 分圧抵抗(基準抵抗)
R12 調整用可変抵抗(可変抵抗)
SW1~SW5 スイッチ素子