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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017799
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】送液カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A61M25/00 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120694
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】西村 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】山下 修二
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267BB31
4C267BB63
4C267CC08
(57)【要約】
【課題】小径の脈管への適用が良好とされた、新たな構造の送液カテーテルを提供すること。
【解決手段】脈管に挿入されるカテーテル本体12の遠位端部分が金属チューブ20で構成されており、該カテーテル本体12の遠位端には送液用ルーメン22を外部に連通させる送液用孔16が設けられている一方、該金属チューブ20には周方向に延びるスリット24が形成されて曲げ剛性が調節されていると共に、該スリット24が該金属チューブ20より軟質の封止材26で封止されている送液カテーテル。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送液用ルーメンを有するカテーテル本体が遠位端側から脈管に挿し入れられる送液カテーテルであって、
前記カテーテル本体において脈管へ挿入される遠位側部分が金属チューブで構成されており、該カテーテル本体の遠位端には前記送液用ルーメンを外部に連通させる送液用孔が設けられている一方、
該金属チューブには周方向に延びるスリットが形成されて曲げ剛性が調節されていると共に、該スリットが該金属チューブより軟質の封止材で封止されている
送液カテーテル。
【請求項2】
前記金属チューブにおける前記スリットが、該金属チューブの長さ方向で形態を異ならされている請求項1に記載の送液カテーテル。
【請求項3】
前記金属チューブにおける前記スリットが、螺旋状をもって該金属チューブの長さ方向に連続して延びている請求項1又は2に記載の送液カテーテル。
【請求項4】
前記封止材として、前記金属チューブに外挿固着された樹脂チューブが用いられている請求項1又は2に記載の送液カテーテル。
【請求項5】
前記金属チューブの遠位端には、放射線不透過性のマーカーが挿入固着されている請求項1又は2に記載の送液カテーテル。
【請求項6】
前記マーカーが中空であり、前記送液用孔が該マーカーの中空を利用して形成されている請求項5に記載の送液カテーテル。
【請求項7】
前記マーカーが中実であり、前記送液用孔が前記金属チューブの遠位端側の筒壁を貫通して形成されている請求項5に記載の送液カテーテル。
【請求項8】
前記金属チューブの遠位端には、前記マーカーの先端側が突出していると共に、該マーカーの先端には滑らかな表面形状の最先端部が固着されている請求項5に記載の送液カテーテル。
【請求項9】
前記金属チューブの外径寸法が0.5mm以下である請求項1又は2に記載の送液カテーテル。
【請求項10】
前記金属チューブが前記カテーテル本体の遠位端から近位端まで連続して延びており、該金属チューブの基端にはコネクタが設けられている請求項1又は2に記載の送液カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内に挿し入れられて薬液や造影剤などの液体の体内への注入や体内からの吸引などに用いることのできる送液カテーテルに係り、例えば小径の脈管へ挿入されての使用にも適する、新規な構造の送液カテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療器具の一種として送液カテーテルが知られており、例えば体内の所定部位に対して薬液や造影剤などの液体を注入したり又は吸引するのに用いられている。従来の送液カテーテルでは、血管等の湾曲部位への挿入等を考慮して合成樹脂製のチューブからなるカテーテル本体が採用されている。また、かかる合成樹脂製のカテーテル本体では、液体の注入や吸引に際しての耐圧性能を確保するために、編組層を備えたブレードチューブが好適に用いられている(特許文献1等参照)。
【0003】
ところが、このような従来の送液カテーテルでは、血管等への挿入に際しての湾曲柔軟性とプッシャビリティ等の操作性や、注入や吸引に際しての液圧に対する耐圧性などを確保しつつ、充分に小径化することが難しかった。蓋し、カテーテル本体を構成する合成樹脂層だけでは耐圧性等の確保が難しく、そこで編組層を採用する必要があることから厚肉化が避けられないという理由があり、液体の流通に必要とされる有効内径のもとで、要求される耐圧性を確保しつつ充分な小径化を達成することが難しいからである。
【0004】
それ故、従来では例えば微細な血管やリンパ管などの小径の脈管へ挿し入れて用いるのに適した送液カテーテルの提供が困難であるなどといった問題を内在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5890979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、良好な湾曲柔軟性やプッシャビリティ等の操作性と共に要求される有効内径や耐圧性などを確保しつつ外径寸法を小さく抑えることが可能とされ得、例えば微細な血管やリンパ管などの小径の脈管へ挿し入れて用いるのに適したカテーテルなども実現可能とされる、新規な送液カテーテルを提供することを、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0008】
本発明の第一の態様は、以下のとおりである。
送液用ルーメンを有するカテーテル本体が遠位端側から脈管に挿し入れられる送液カテーテルであって、
前記カテーテル本体において脈管へ挿入される遠位側部分が金属チューブで構成されており、該カテーテル本体の遠位端には前記送液用ルーメンを外部に連通させる送液用孔が設けられている一方、
該金属チューブには周方向に延びるスリットが形成されて曲げ剛性が調節されていると共に、該スリットが該金属チューブより軟質の封止材で封止されている
送液カテーテル。
【0009】
本態様の送液カテーテルでは、脈管へ挿入されるカテーテル本体が金属チューブで構成されることから、特許文献1に記載の如き編組層を有する合成樹脂製チューブからなる従来の送液カテーテルに比して、血管等への挿入に際してのプッシャビリティ等の操作性や、有効内径,耐圧性などを確保しつつ、充分に小径化することが可能となる。
【0010】
しかも、金属チューブは、スリットによって湾曲柔軟性が向上されていることから、例えば脈管の湾曲部位への挿入などにも容易に対応することが可能である。また、かかるスリットは軟質の封止剤で封止されていることから、金属チューブの筒壁部における液密性を確保しつつ、金属チューブを肉厚方向に貫通させてることで柔軟性を効率的に向上させることも可能である。
【0011】
それ故、本態様の送液カテーテルによれば、例えば動物の体内で体液を通す管(脈管)のうちで末梢血管やリンパ管などのように小径の脈管にも適用可能な程に小さな外径寸法を有する吸引カテーテルなどが実現可能となる。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る送液カテーテルであって、
前記金属チューブにおける前記スリットが、該金属チューブの長さ方向で形態を異ならされている請求項1に記載の送液カテーテル。
【0013】
本態様の送液カテーテルでは、金属チューブの長さ方向において湾曲柔軟性などの特性を異ならせることが可能である。なお、本態様において金属チューブの長さ方向で異ならされるスリットの形態は、金属チューブの湾曲柔軟性などの特性を異ならせる態様であれば良く、例えば金属チューブの長さ方向におけるスリットのピッチ(間隔)や、スリット幅寸法などを異ならせても良い。
【0014】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る送液カテーテルであって、
前記金属チューブにおける前記スリットが、螺旋状をもって該金属チューブの長さ方向に連続して延びているものである。
【0015】
本態様の送液カテーテルでは、金属チューブの長さ方向に連続して延びる螺旋状のスリットを採用したことで、例えば当該螺旋状スリットのリード角(傾斜角度)を調節することで、スリットによって与えられる金属チューブの湾曲柔軟性を容易に調節することが可能になる。また、螺旋状スリットのリード角を、金属チューブの長さ方向において次第に又は部分的に異ならせることで、金属チューブの湾曲柔軟性を長さ方向で異ならせることも容易となる。
【0016】
本発明の第四の態様は、前記第一~三の何れかの態様に係る送液カテーテルであって、
前記封止材として、前記金属チューブに外挿固着された樹脂チューブが用いられているものである。
【0017】
本態様の送液カテーテルでは、金属チューブに樹脂チューブを外挿状態で装着することで、金属チューブに形成されたスリットを容易に且つ確実に封止することが可能になる。また、送液カテーテルに要求される耐圧性能や湾曲柔軟性、耐蝕性などの特性を考慮して、金属チューブと併せて樹脂チューブの材質や厚さ寸法等について好適なものを選択することも可能であり、それによって送液カテーテルの特性チューニングの自由度も大きく確保され得る。
【0018】
本発明の第五の態様は、前記第一~四の何れかの態様に係る送液カテーテルであって、
前記金属チューブの遠位端には、放射線不透過性のマーカーが挿入固着されているものである。
【0019】
本態様の送液カテーテルでは、マーカーが金属チューブへ挿入配置されることから、金属チューブの大径化を回避しつつマーカーを装着することができる。しかも、金属製のマーカーを採用することで、メタルとメタルの圧入構造をもって容易に且つ強固にマーカーをカテーテル遠位端へ固着することも可能になる。
【0020】
本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係る送液カテーテルであって、
前記マーカーが中空であり、前記送液用孔が該マーカーの中空を利用して形成されているものである。
【0021】
本態様の送液カテーテルでは、マーカーの中空をカテーテル送液用孔として利用することで、送液用孔の潰れや変形などをマーカー強度を利用して軽減乃至は回避することが可能になる。なお、本発明が対象とする送液カテーテルは、薬液等を体内に注入する注入カテーテルや血液等を体内から吸引する吸引カテーテルを含むことは前述の記載から理解されるところであり、それ故、本態様における送液用孔は送液用孔と吸引用孔の何れであっても良い。
【0022】
本発明の第七の態様は、前記第五の態様に係る送液カテーテルであって、
前記マーカーが中実であり、前記送液用孔が前記金属チューブの遠位端側の筒壁を貫通して形成されているものである。
【0023】
本態様の送液カテーテルでは、マーカーを利用してカテーテル先端への開口を塞ぐことができ、例えばカテーテル外周面(側方)へ開口する送液用孔を備えた送液カテーテルを容易に実現することが可能になる。
【0024】
本発明の第八の態様は、前記第五~七の何れかの態様に係る送液カテーテルであって、
前記金属チューブの遠位端には、前記マーカーの先端側が突出していると共に、該マーカーの先端には滑らかな表面形状の最先端部が固着されているものである。
【0025】
本態様の送液カテーテルでは、金属チューブの遠位端からマーカーを突出させたことで、製造時におけるマーカーの挿入や確認の作業性の向上が図られ得る。また、マーカー自体は円柱や円筒等の単純形状と為しつつ、送液カテーテルの先端形状を任意の材質からなる最先端部を用いて半球状等の滑らかな表面形状とすることができて、体組織への負担軽減等が図られ得る。更にまた、金属チューブに対して圧入等で固着されたマーカーを利用して、送液カテーテルの先端面を構成する最先端部を金属チューブへ強固に固着することも可能となり、送液カテーテルにおける最先端部の脱落などの不具合の防止も図られ得る。
【0026】
本発明の第九の態様は、前記第一~八の何れかの態様に係る送液カテーテルであって、
前記金属チューブの外径寸法が0.5mm以下とされているものである。
【0027】
本態様の送液カテーテルは、外径寸法が0.5mm以下の小径とされることで、金属チューブであっても脈管へ挿入するに際して要求される湾曲性能や柔軟性能を確保することが容易となる。即ち、外径寸法が0.5mmを超える金属チューブでは、湾曲時の曲率半径の内周側に位置する部分と外周側に位置する部分との相対的な長さ方向寸法差が大きくなること等から、座屈状の折れ曲がりを伴うキンクが発生するリスクが大きくなり易いが、外径寸法を0.5mm以下とすることで、キンクを回避しつつ脈管への挿入に際して要求される程度の湾曲性能乃至は柔軟性能を得ることが容易となる。
【0028】
本発明の第十の態様は、前記第一~九の何れかの態様に係る送液カテーテルであって、
前記金属チューブが前記カテーテル本体の遠位端から近位端まで連続して延びており、該金属チューブの基端にはコネクタが設けられているものである。
【0029】
本態様の送液カテーテルでは、カテーテル本体において外部流路やシリンジ等に接続される基端側のコネクタに至るまでの実質的全長に亘って金属チューブで構成されることから、カテーテル本体の全長に亘って、繋ぎ目による内径,外径の変化を防止したり、材質変化に伴う操作力伝達特性等の特性の急激な変化などを回避することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、良好な湾曲柔軟性やプッシャビリティ等の操作性と共に要求される有効内径や耐圧性などを確保しつつ外径寸法を小さく抑えることが可能となる。それ故、例えば微細な血管やリンパ管などの小径の脈管へ挿し入れて用いるのに適した送液カテーテルなども実現可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第一の実施形態としての送液カテーテルを示す正面図である。
図2図1に示された送液カテーテルの遠位端を拡大して示す縦断面図である。
図3】本発明の第二の実施形態としての送液カテーテルの遠位端を拡大して示す図であって、(a)が正面図、(b)が(a)のb-b断面図である。
図4図3を更に拡大した、図2に対応する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての送液カテーテル10の全体概要が示されている。かかる送液カテーテル10は、長尺チューブ状のカテーテル本体12を備えている。図1で右端となるカテーテル本体12の近位端には、コネクタ14が装着されている。また、図1で左端となるカテーテル本体12の遠位端には、図2に拡大縦断面図が示されているように、送液用孔16が設けられている。そして、かかる送液カテーテル10は、遠位端側を体内の血管等の処置部位まで挿し入れられることで、近位端側のコネクタ14から供給される薬液等を、カテーテル本体12を通じて送液用孔16から当該処置部位へ注入し得る。
【0034】
より詳細には、前記カテーテル本体12は、金属チューブ20を含んで構成されている。かかる金属チューブ20では、例えばステンレスやニッケル-チタン合金などの材質が好適に採用されるが、要求特性に応じて金属材質を選択可能であって限定されない。特に本実施形態では、金属チューブ20が、その全長に亘って連続した中心孔を有する単管構造とされており、金属チューブ20の中心孔によって、カテーテル本体12の長さ方向の全長に亘って延びる送液用ルーメン22が構成されている。
【0035】
なお、採用可能な金属チューブ20の具体的構造は限定されるものでなく、例えば押出成形や引抜成形などによって得られた連続した管体を適切な長さに切断したものを採用し得る他、例えば金属シートを巻いて溶接等によって筒状とした管体などを採用することも可能である。
【0036】
何れにしても、カテーテル本体12を構成する金属チューブ20は、従来のカテーテル本体を構成する樹脂製のチューブに比して充分に薄肉で大きな耐圧性能等を発揮し得る。それ故、金属チューブ20を用いたカテーテル本体12は、従来の編組材の如き補強層を必要とすることなく金属チューブ20自体によって充分な耐圧性能を得ることができる。
【0037】
それ故、カテーテル本体12を構成する金属チューブ20は、要求される耐圧性能等を確保しつつ、従来の合成樹脂性のチューブに比して肉厚寸法を充分に小さくできる。その結果、例えば体内へ注入する薬液等や体内から排出する血液等の液体の流通に必要とされる送液用ルーメン22の大きさ、即ち内径寸法を確保しつつ、カテーテル本体12の外径寸法を小さく設定することができる。
【0038】
カテーテル本体12を構成する金属チューブ20の内外径は、送液カテーテル10が適用される脈管の部位などに応じて適切に設定されるものであって限定されないが、小径の血管やリンパ管などへ適用される小径のものを想定すると、例えばカテーテル本体12において、φ0.1mm~0.3mmの範囲内の内径寸法を確保しつつ、φ0.2mm~0.5mmの範囲内の外径寸法を設定することも好適である。
【0039】
また、金属チューブ20の肉厚寸法は、大きくし過ぎると湾曲変形を伴う柔軟性に劣る傾向がある一方、小さくし過ぎると曲げ変形時の曲率が大きくなった際の折れ状のキンク等が発生しやすくなる傾向がある。処置に際して要求される金属チューブ20の曲率の他、金属チューブ20の外径寸法なども考慮して適切な肉厚寸法は調節可能であって、限定されるものでないが、例えば小径の血管やリンパ管などへ適用される小径の送液カテーテルを想定すると、金属チューブ20の肉厚寸法を、0.02mm~0.1mmの範囲内に設定することも好適である。
【0040】
さらに、金属チューブ20には、周壁部分において周方向に延びるスリット24が形成されている。本実施形態では、図示されているように、金属チューブ20の周壁を内外に貫通して、周方向に螺旋状に延びるようにして金属チューブ20の長さ方向に連続した一条のスリット24が採用されている。かかるスリット24は、例えば金属チューブ20に対してレーザー光をスポット的に照射し、金属チューブ20を長さ方向(中心軸方向)に連続的に移動させつつ中心軸回りで回転させて、レーザー光による加工部位を螺旋状に移動させることで形成することが可能である。
【0041】
このようなスリット24の形成部位では、金属チューブ20が実質的に及び部分的に分断されることで金属チューブ20の周壁部分の変形自由度が大きくされる。その結果、金属チューブ20からなるカテーテル本体12の湾曲柔軟性が向上されることとなり、カテーテル本体12が挿入される脈管の湾曲部位への追従性も向上されて、体組織の損傷軽減や挿入操作性向上などが図られ得る。
【0042】
なお、スリット24の形成によって金属チューブ20の曲げ剛性が調節されることから、カテーテル本体12に要求される湾曲柔軟性等の特性に応じて、金属チューブ20の材質や厚さ寸法、径寸法等の基本的特性を考慮してスリット24の幅寸法やピッチ(リード角)、カテーテル長さ方向におけるスリット間隔(リード長)等は、適宜に設定されるものであって限定されない。尤も、例えば小径の血管やリンパ管などへ適用される前述の如き小径の送液カテーテルを考慮すると、スリット24の幅寸法は0.01mm~0.2mmの範囲内に設定することも可能であり、スリット24の軸方向間隔はピッチ(リード長)が0.05mm~100mmの範囲内に設定することも可能である。
【0043】
また、カテーテル本体12に要求される特性に応じて、金属チューブ20におけるスリット24の幅寸法やリード角等を、金属チューブ20の長さ方向で部分的に又は次第に異ならせることも可能であり、それによって、カテーテル本体12の長さ方向で部分的に又は次第に異なる湾曲柔軟性等の特性を設定することも可能である。
【0044】
因みに本実施形態では、図1に例示されているように、金属チューブ20の遠位端側の先端近くから近位端側に向かって所定長さの領域に亘って略一定の幅寸法で連続して延びる一条の螺旋状のスリット24が採用されており、かかるスリット24のリード角(周方向線に対する傾斜角度)が、近位端側に向かって次第に大きくなるように変化している。これにより、金属チューブ20におけるスリット24の形成領域においても、スリット24のピッチ(間隔)が小さいカテーテル本体12の遠位端側は、スリット24のピッチが大きいカテーテル本体12の近位端側に比して、容易に湾曲変形が許容されるようになっている。また、スリット24のピッチが大きい近位端側では、カテーテル本体12の近位端から及ぼされる押し引きや回転などの操作力の伝達性や追従性が比較的に優位に確保されており、且つ、スリット24のピッチが次第に小さくされた遠位端に向けて、かかる操作力がスムーズに効率良く伝達されるようになっている。
【0045】
なお、スリット24は、金属チューブ20の長さ方向の全長に亘って設ける必要はなく、カテーテル本体12に要求される特性に応じて、部分的に設けることも可能である。具体的には、例えば生体の脈管への挿入予定長さが、カテーテル本体12の先端側の所定長さ部分だけである場合などであれば、図1に例示されるように、金属チューブ20の先端側の所定長さ部分だけにスリット24を形成することも可能である。これにより、湾曲柔軟性の要求程度が小さいカテーテル本体12の近位端側では、金属チューブ20にスリット24を設けないことで、不用意な過度の屈曲やキンク(座屈状の折れ変形)などを防止すると共に、近位端から入力される操作力の伝達効率の向上などを図ることも可能である。
【0046】
一方、金属チューブ20には、上述の如きスリット24が形成された領域に亘って、封止材を構成する封止チューブ26が外挿状態で固着されている。かかる封止チューブ26は合成樹脂製であり、金属製のカテーテル本体12よりも柔軟な変形特性を有している。封止チューブ26の材質は特に限定されるものでなく、柔軟性の他に薬品等に対する耐蝕性や加工性などを考慮して適切な材質が選定され得る。
【0047】
例えば封止チューブ26として、外部からの加熱によって収縮する熱収縮チューブを採用し、金属チューブ20への外挿状態での熱収縮作用を利用して、金属チューブ20に密着状態で固着することも可能である。なお、熱収縮チューブとしては、公知のポリオレフィン系やフッ素系などの樹脂やシリコーン系のエラストマーなどが、要求特性等に応じて何れも採用可能である。また、必要に応じて接着剤等を利用しても良い。
【0048】
かかる封止チューブ26がカテーテル本体12に外挿固着されることで、スリット24が全長に亘って外周面から覆蓋されており、カテーテル本体12の送液用ルーメン22の周壁部における液密性が確保されている。また、封止チューブ26が合成樹脂製のシート状であって柔軟に変形し得ることから、スリット24によって与えられたカテーテル本体12の湾曲柔軟性も確保され得る。しかも、スリット24の幅寸法は小さいことから、カテーテル本体12の強度が過度に低下することもない。なお、スリット24の幅寸法を調節することで、カテーテル本体12の延びやすさや強度などを調節することが可能であり、同様にスリット24のピッチ等も調節可能である。また、スリット24を覆う封止チューブ26が例えば軟質の膜状等であっても、スリット24の幅寸法が小さいことによって、スリット24を覆蓋する部位における封止チューブ26の耐圧強度を容易に確保することが可能であって、送液用ルーメン22における耐圧性は有効に確保され得る。
【0049】
従って、金属チューブ20にスリット24を設けて、当該スリット24を封止チューブ26で封止したことにより、カテーテル本体12において、耐圧性を確保しつつ、要求される湾曲柔軟性が実現可能とされている。なお、カテーテル本体12の小径化が要求される場合には、封止チューブ26の厚さ寸法も薄く設定することが望ましく、好適には厚さ寸法が0.03mm以下、より好適には0.02mm以下の封止チューブ26が採用される。
【0050】
さらに、金属チューブ20の遠位端側の先端には、最先端部30が連結状態で設けられており、かかる最先端部30によって、カテーテル本体12の遠位端が構成されている。
【0051】
特に本実施形態では、金属チューブ20の先端部分と最先端部30との間に跨がって長さ方向に延びる状態で、マーカー32が挿入固定されている。かかるマーカー32は、例えば白金などのX線等の透過率の低い放射線不透過性の材質とされており、X線等の透視下での施術に際してモニタ確認を可能にする。また、マーカー32は、金属チューブ20への内挿状態で装着されて金属チューブ20による補強作用が及ぼされることから、マーカー32自体に大きな強度が要求されるものでなく、薄肉化が可能とされている。
【0052】
本実施形態のマーカー32は、ストレートな円筒形状とされており、基端側が金属チューブ20の送液用ルーメン22に挿し入れられて、圧入や接着等で固着されている。マーカー32の先端側は、金属チューブ20の遠位側の開口から所定長さで突出しており、このマーカー32の突出先端に対して、短い略円筒形状の最先端部30が外挿状態で設けられている。
【0053】
これにより、カテーテル本体12の遠位端では、金属チューブ20の送液用ルーメン22に対してマーカー32の中心孔が連通されており、カテーテル本体12の先端面に開口する送液用孔16が、マーカー32の中心孔によって構成されている。なお、マーカー32が挿入固着された金属チューブ20の遠位端領域には、スリット24が形成されていない。
【0054】
なお、マーカー32の長さは限定されないが、例えば小径の血管やリンパ管などへ適用される前述の如き小径の送液カテーテルを考慮すると、0.5mm~2.0mmの長さのマーカー32が採用され得る。そして、かかるマーカー32の先端部が、例えば0.1mm~0.5mmの長さで、金属チューブ20から突出しており、この突出部分を全体に亘って覆う長さで最先端部30が設けられている。また、小径の送液カテーテルを考慮すると、金属チューブ20においてスリット24の形成領域は、カテーテル本体12の先端近くまで達していることが望ましく、例えばカテーテル本体12の先端(最先端部30)から1mm~3mmの位置にまで、スリット24の形成領域が達するように設定される。
【0055】
また、最先端部30は、マーカー32の外周面によって広い固着面積を確保して、金属チューブ20の先端面に対する小さな連結面をもって金属チューブ20に対して強固に固着可能とされており、マーカー32の金属チューブ20からの脱落も防止されている。
【0056】
特に、金属チューブ20と最先端部30との間に跨がって内挿されたマーカー32を利用して、金属チューブ20に対する最先端部30の固着力が確保されていることから、最先端部30を金属チューブ20の先端外周面に外挿状態で被せて固着面積を確保する必要もなく、最先端部30の外径寸法の増大を回避できる。
【0057】
しかも、最先端部30に対してマーカー32が内挿配置されていることで、最先端部30への補強作用も発揮されると共に、最先端部30と金属チューブ20との接続部位における応力や変形の集中による最先端部30の脱落も防止される。それ故、最先端部30の損傷や脱落を回避しつつ、最先端部30の材質の選択自由度が確保され得る。なお、本実施形態では、最先端部30が、金属チューブ20やマーカー32への固着力等を考慮して、金属チューブ20やマーカー32よりも融点の低いろう付け用合金(ハンダ)などが好適に採用され得る。
【0058】
特に本実施形態では、図2に示されているように、最先端部30において、マーカー32の先端位置と送液用孔16の先端側開口位置が略同じとされていることから、例えば施術中のX線透視下において、カテーテルによる体内への送液位置をより正確に把握することが可能となる。
【0059】
また、最先端部30において、先端面や外周面として外部に露出された先端部表面36は、全体に亘って角のない滑らかな表面形状とされている。そして、最先端部30の基端側の外周面は、金属チューブ20の先端外周面に対して段差なく滑らかにつながっている。特に本実施形態の最先端部30では、外周面が僅かにテーパが付された先細形状とされていると共に、外周面の先端側が略4半分の円弧状断面をもって先端面につながっている。そして、最先端部30の先端面の内周縁は、カテーテル本体12の先端面に露出された最先端部30の先端面に対して、段差なく滑らかにつながっている。
【0060】
上述の如き本実施形態の送液カテーテル10によれば、金属チューブ20からなるカテーテル本体12を採用したことで、合成樹脂製チューブからなる従来の送液カテーテルに比して、脈管への挿入に際してのプッシャビリティ等の操作性や、注入/吸引時の作用液圧に対する耐圧性などを確保しつつ、充分に小径化することが可能となる。特に金属チューブ20には、封止チューブ26で液密性を確保したスリット24を設けることで湾曲柔軟性が調節可能に付与されていることから、カテーテル本体12を湾曲した脈管へ挿入する際の挿入操作性や体組織への損傷回避特性なども良好に実現可能となる。
【0061】
それ故、例えば人を含む動物の脈管のうちで末梢血管やリンパ管などのように小径の脈管にも適用可能な程に小さな外径寸法を有する送液カテーテルが、良好な操作性や耐圧性等を確保しつつ実現可能となる。
【0062】
次に、図3~4には、本発明の第二の実施形態としての送液カテーテル40が示されている。本実施形態の送液カテーテル40は、上述の第一の実施形態の送液カテーテル10に比して、カテーテル本体12において送液用ルーメン22を遠位端側で外部に連通させる送液用孔の別態様を例示するものである。なお、以下の説明中、第一の実施形態と同様な構造とされた部材や部位については、第一の実施形態と同一の符号を図面に付することで、それらの詳細な説明を省略する。
【0063】
すなわち、本実施形態の送液カテーテル40では、金属チューブ20の遠位端側の開口部に挿し入れられて固着されたマーカー42が、中実の円形ロッド形状とされている。このマーカー42が金属チューブ20の中心孔からなる送液用ルーメン22に挿し入れられることで、カテーテル本体12の長さ方向先端側への送液用ルーメン22の開口が塞がれている。
【0064】
なお、マーカー42が中実の円形ロッド形状とされていることに伴い、金属チューブ20から先端側に突出したマーカー42には、外周面だけでなく先端面まで覆うように最先端部46が被着形成されている。マーカー42の先端面を覆う最先端部46は、略半球状の滑らかな表面形状とされており、マーカー42の外周面を覆う部分にまで滑らかな表面形状をもって連続している。これにより、カテーテル本体12の先端面は、最先端部46から金属チューブ20に至る表面形状が全体として略ラウンドノーズ型の弾頭形状とされている。
【0065】
一方、金属チューブ20の遠位端側の周壁部分には、マーカー42の挿入位置を僅かに近位端側に外れた領域に位置して、周壁を内外に貫通する送液用孔48が形成されている。かかる送液用孔48の位置や大きさ、数などは限定されるものでなく、要求特性に応じて適切に設定され得る。例えば本実施形態では、送液用孔48が、金属チューブ20の周方向で略等間隔で、且つ長さ方向に相互に離隔して、複数(2~8個等)形成されることで、周方向での偏在を回避すると共に、長さ方向での分散が図られている。
【0066】
また、かかる送液用孔48は、金属チューブ20におけるスリット24の形成領域を遠位端側に外れた領域に形成されることが望ましい。
【0067】
このような本実施形態では、カテーテル本体12の送液用ルーメン22が、遠位端側において、金属チューブ20の周壁部に設けられた送液用孔48を通じて外周面に開口連通されているのであり、かかる送液用孔48を通じて体内への薬液等の注入や、体内からの血液等の吸引を行ない得るようにされている。
【0068】
このような外周面に開口する送液用孔48を採用した本実施形態の送液カテーテル40では、体内へ薬液等を注入した際に、薬液等の注入圧力(送液用孔48から吐出される薬液の圧力)によってカテーテル本体12が挿入された脈管の管壁が僅かに膨らむことで、脈管壁とカテーテル本体12の外周面との間に隙間ができて、カテーテルの脈管への挿通性(挿入性)の向上が図られ得る。
【0069】
また、本実施形態の送液カテーテル40では、送液用孔48の先端開口が封止されてカテーテル本体12の最先端46が全体にわたって略半球状の滑らかな表面形状とされていることから、先端開口を有する第1実施形態の送液カテーテルに比較して、脈管への挿通性の更なる向上と、挿入時の体組織への刺激の更なる低減も図られる。
【0070】
また、本実施形態の送液カテーテル40では、中実の円形ロッド状のマーカー42が採用されていることから、中空の円筒状のマーカーを採用した第1実施形態の送液カテーテルと比較して、X線照射下において確認しやすくなる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明は上述の解決手段や実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜に修正,改良などを加えた態様で実施され得る。
【0072】
例えば、前記実施形態では、カテーテル本体12が全長に亘って単一の金属チューブから構成されていたが、長さ方向で異なる金属チューブを採用することで柔軟性などの特性を異ならせることなども可能である。また、カテーテル本体12の全長を金属チューブで構成する必要はなく、例えば小径の脈管への挿入部分となる遠位端側の所定長さ部分だけを金属チューブで構成し、脈管へ挿入されない中間部分や近位端側の部分は、必要に応じてブレード補強された合成樹脂製のチューブを採用することも可能である。
【0073】
また、金属チューブ20に形成されるスリットは、その形態を限定的に解釈されるものでない。例えば前記実施形態に例示の如き螺旋状のスリット24を採用する場合でも、単一のスリットである必要はなく、周方向で相互に離隔して平行な螺旋形態をもって延びる複数本の並列的なスリットを設けても良い。
【0074】
また、金属チューブ20に形成されるスリットを、分断形態をもって形成することも可能である。例えば螺旋状のスリットであっても、長さ方向で部分的に分断された螺旋状としても良い。或いは、周方向長さが金属チューブ20の一周未満のスリット(例えば略1/4周や1/3周,1/2周など)であれば、リード角が0度とされて周方向に延びる円弧状溝を、長さ方向で所定間隔をもって、且つ周方向の形成位置を順次に異ならせるようにして形成することも可能であり、実施形態に例示する螺旋状以外の形態のスリットを採用することもできる。
【0075】
また、前記実施形態において金属チューブ20に装着された封止チューブ26は、少なくともスリット形成領域に外挿固着されていれば良いが、例えば金属チューブ20の長さ方向で遠位端側の所定長さ領域だけにスリット24を形成する場合でも、スリット24の形成領域を外れた近位端側を含んで金属チューブ20の長さ方向の全長に亘って封止チューブ26を外挿装着しても良い。
【0076】
尤も、金属チューブ20のスリット24を封止する封止材は、封止チューブ26に限定されない。例えば、金属チューブ20の表面にエラストマー素材を塗布したり、スリット24内にエラストマー素材を充填するなどしてから、必要に応じて架橋処理や硬化処理等を経て、スリット24を封止する可撓性膜等を形成することも可能であり、封止材をスリット部分のみに形成することで、スリット24の開口部以外では金属チューブ20の表面を露出させることも可能である。
【0077】
また、前記第一の実施形態ではカテーテル本体12の先端面に開口する送液用孔16が設けられている一方、前記第二の実施形態ではカテーテル本体12の外周面に開口する送液用孔48が設けられていたが、それら両方の送液用孔16,48を併せて採用することも可能である。
【0078】
また、マーカー32,42を採用することは本発明において必須でないが、採用可能なマーカーも前記実施形態に限定されない。例えば、第一の実施形態におけるマーカー32について、最先端部30の途中までの長さ寸法とすることも可能である。カテーテル本体12の遠位端を最先端部30のみとすることで、マーカー32の最先端部30からの突出を完全に防止することができる。また、マーカー32,42において、金属チューブ20からの突出部分に外周面上への突起を設けることで、マーカー32,42の金属チューブ20への挿入位置を精度良く規定するようにしても良い。更にまた、マーカー32,42において、金属チューブ20からの突出部分の外周面に凹凸を付することで、最先端部30,46との固着面積や機械的固着力の更なる向上や最先端部30,46の脱落防止の更なる向上等を図ることも可能である。
【0079】
また、最先端部30,46の材質として金属以外の合成樹脂材等を採用することも可能であり、カテーテル本体12の先端部分の先端面や外周面における柔らかさを向上させて、体組織への損傷を軽減乃至は回避することも可能である。なお、最先端部30,46を合成樹脂材で形成する場合には、例えばポリエステルやポリアミドなどのエラストマー(ゴムを含む)も採用し得る。また、合成樹脂材からなる最先端部30,46を採用する場合には、マーカー32を最先端部30,46の途中までの長さとして、カテーテル本体12の遠位端側の先端を最先端部30のみで構成することで、先端における柔軟性の更なる向上を図ることも可能である。
【0080】
さらに、本発明に係る送液カテーテルの用途は、例示した末梢の小径血管やリンパ管などに限定されるものでなく、動物の脈管に挿入されて処置に用いられる各種送液カテーテルに適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 送液カテーテル(第一の実施形態)
12 カテーテル本体
14 コネクタ
16 送液用孔
20 金属チューブ
22 送液用ルーメン
24 スリット
26 封止チューブ
30 最先端部
32 マーカー
36 先端部表面
40 送液カテーテル(第二の実施形態)
42 マーカー
46 最先端部
48 送液用孔
図1
図2
図3
図4