(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178166
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】アパーチャアセンブリ、ビームマニピュレータユニット、荷電粒子ビームを操作する方法、及び荷電粒子投影装置
(51)【国際特許分類】
H01J 37/153 20060101AFI20241217BHJP
H01J 37/09 20060101ALI20241217BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01J37/153 B
H01J37/09 Z
H01J37/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024139679
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2022555106の分割
【原出願日】2021-04-04
(31)【優先権主張番号】20168281.2
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラント,マルコ,ジャン-ジャコ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、荷電粒子ビームを操作するための装置及び方法に関する。
【解決手段】一構成では、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302を含むアパーチャアセンブリ370が提供される。第1のアパーチャボディ内のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内のアパーチャと位置合わせされる。この位置合わせにより、荷電粒子ビームがアパーチャアセンブリを通過できるようになる。第1のアパーチャボディは、第1のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第1の電極システムを含む。第1の電極システムは、複数の電極を含む。各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用の収差補正器のアパーチャアセンブリであって、
第1のアパーチャボディと、
第2のアパーチャボディであって、前記第1のアパーチャボディは、前記荷電粒子の経路に沿って前記第2のアパーチャボディのアップビームになるように構成され、前記第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、前記第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、前記位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、前記第1のアパーチャボディ及び前記第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、前記アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、前記第1のアパーチャボディ内の前記アパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、前記第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、開口部であって、前記細長いスリットとは異なる形状を有し、且つ少なくとも前記細長いスリットの最長軸と平行な方向において前記細長いスリットよりも小さい、開口部からなる、第2のアパーチャボディと、
電圧源接続部であって、前記第1及び前記第2のアパーチャボディのうちの少なくとも一方の前記アパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電位差を印加するように構成された、電圧源接続部と、を含む、アパーチャアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のアパーチャボディは、前記第1のアパーチャボディの各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための前記電圧源接続部に関連付けられこれに電気的に接続された第1の電極システムを含み、前記第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、前記第1の電極システムの他の電極から互いに電気的に絶縁され、且つ前記第1のアパーチャボディの前記アパーチャのうちの異なるそれぞれのアパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電気的に接続され、及び/又は、
前記第2のアパーチャボディは、前記第2のアパーチャボディの各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための前記電圧源接続部に関連付けられこれに電子的に接続された第2の電極システムを含み、前記第2の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、前記第2の電極システムの他の電極から互いに電気的に絶縁され、且つ前記第2のアパーチャボディの前記アパーチャのうちの異なるそれぞれのアパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電気的に接続される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のアパーチャボディは、前記第1のアパーチャボディのアパーチャ毎にローカルの一体化された電子機器を含み、前記ローカルの一体化された電子機器は、前記電圧源接続部に関連付けられこれに電気的に接続され、前記アパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成され、及び/又は、
前記第2のアパーチャボディは、前記第2のアパーチャボディのアパーチャ毎にローカルの一体化された電子機器を含み、前記ローカルの一体化された電子機器は、前記アパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成された前記電圧源接続部に関連付けられこれに電気的に接続される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のアパーチャボディは、抵抗器網を含む一体化された受動回路を含み、前記抵抗器網は、前記電圧源接続部に関連付けられこれに電気的に接続され、電位分割により、前記第1のアパーチャボディの前記アパーチャの少なくともサブセットの前記アパーチャ周囲表面に異なる電位を印加できるように構成され、及び/又は、
前記第2のアパーチャボディは、抵抗器網を含む一体化された受動回路を含み、前記抵抗器網は、前記電圧源接続部に関連付けられこれに電気的に接続され、電位分割により、前記第2のアパーチャボディの前記アパーチャの少なくともサブセットの前記アパーチャ周囲表面に異なる電位を印加できるように構成される、請求項1又は3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記細長いスリットの少なくともサブセットの各々は、実質的に直線状のスリットである、請求項1~4の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記開口部の少なくともサブセットの各々は、実質的に、円形、卵形、楕円形の形状のうちの1つを有する、請求項1~5の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記細長いスリットの少なくとも大部分は、前記第1のアパーチャボディの平面を垂直に通過する共通軸に対して放射状に整列される、請求項1~6の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記細長いスリットの少なくとも大部分は、前記第1のアパーチャボディの平面を垂直に通過する共通軸に対する放射方向に垂直に整列される、請求項1~7の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記細長いスリットの少なくとも大部分は、互いに平行である、請求項1~8の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のアパーチャボディ内の各開口部の最大平面内寸法は、前記第1のアパーチャボディ内の前記対応する細長いスリットの最小平面内寸法と実質的に等しい、請求項1~9の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アパーチャアセンブリは、第3のアパーチャボディ及び第4のアパーチャボディを更に含み、
前記第3のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、前記第1のアパーチャボディ、前記第2のアパーチャボディ、及び前記第4のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、前記位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、前記第1のアパーチャボディ、前記第2のアパーチャボディ、前記第3のアパーチャボディ、及び前記第4のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、前記アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、
前記第3のアパーチャボディ内の前記アパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、
前記第4のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも前記細長いスリットの最長軸と平行な方向において前記細長いスリットよりも小さい開口部からなり、
前記第1のアパーチャボディ及び前記第3のアパーチャボディ内の前記細長いスリットは、各荷電粒子ビームが、前記荷電粒子ビームの前記経路に沿って見たときに、互いに対して斜めに整列された前記第1のアパーチャボディ及び前記第3のアパーチャボディ内の細長いスリットを通過するように、整列される、請求項1~10の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
荷電粒子投影装置用のビームマニピュレータユニットであって、
請求項1~11の何れか一項に記載のアパーチャアセンブリと、
電気駆動ユニットであって、複数の荷電粒子ビームが前記パーチャアセンブリを通ってサンプルに向けられている間に、前記第1のアパーチャボディ及び/又は前記第2のアパーチャボディ内のアパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電位を印加するために前記電圧源接続部に接続するように構成された、電気駆動ユニットと、を含む、ビームマニピュレータユニット。
【請求項13】
荷電粒子投影装置であって、
請求項12に記載のビームマニピュレータユニットと、
複数のレンズであって、各レンズは、荷電粒子のそれぞれのサブビームを投影するように構成される、複数のレンズと、を含む、荷電粒子投影装置。
【請求項14】
前記アパーチャアセンブリは、前記複数のレンズと一体化されるか、又は直接的に隣接する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のレンズは、それぞれのサブビームをサンプル上に投影するように構成された複数の対物レンズを含み、及び/又は、前記複数のレンズは、それぞれのサブビームを、前記サブビームをサンプルに投影するように構成された複数の対物レンズからアップビームにある中間焦点に集束させるように構成された複数の集光レンズを含む、請求項13~14の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年4月6日に出願された欧州特許出願公開第20168281.2号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、一般に、特に、サンプルを検査するために使用される荷電粒子ビームツールの文脈における、荷電粒子ビームを操作するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体集積回路(IC)チップを製造する際に、例えば、光学効果及び偶発的粒子の結果として、望ましくないパターン欠陥が、製作プロセス中に、基板(すなわち、ウェーハ)又はマスク上で不可避的に生じ、それによって歩留まりが低下する。したがって、望ましくないパターン欠陥の程度をモニタリングすることは、ICチップの製造において重要なプロセスである。より一般的に、基板又は他の物体/材料の表面の検査及び/又は測定は、それの製造中及び/又は製造後において重要なプロセスである。
【0004】
[0004] 荷電粒子ビームを用いたパターン検査ツールは、物体を検査するために、例えば、パターン欠陥を検出するために使用されてきた。これらのツールは、一般的に、走査電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡法技術を使用する。SEMでは、比較的高いエネルギーの電子の一次電子ビームが、比較的低い着地エネルギーでサンプル上に着地するために、最終減速ステップでターゲットにされる。電子ビームは、サンプル上にプロービングスポットとして集束される。プロービングスポットにおける材料構造と、電子ビームからの着地電子の相互作用により、二次電子、後方散乱電子、又はオージェ電子などの電子が表面から放出される。発生した二次電子は、サンプルの材料構造から放出され得る。サンプル表面に渡り、プロービングスポットとして一次電子ビームを走査することによって、サンプルの表面に渡り二次電子を放出させることができる。サンプル表面からのこれらの放出二次電子を収集することによって、サンプルの表面の材料構造の特徴を表す画像を取得することが出来る。
【0005】
[0005] 荷電粒子ビームを使用する検査ツール及び方法のスループット及び他の特性を改善する一般的な必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明の態様によれば、荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリが提供され、このアパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、この位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、第1のアパーチャボディは、第1のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第1の電極システムを含み、第2のアパーチャボディは、第2のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第2の電極システムを含み、第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される。
【0007】
[0007] 本発明の態様によれば、荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリが提供され、このアパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、この位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は細長いスリットからなり、第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において細長いスリットよりも小さい開口部からなる。
【0008】
[0008] 本発明の態様によれば、荷電粒子ビームを操作する方法が提供され、この方法は、複数の荷電粒子ビームを、アパーチャアセンブリを通ってサンプルへと向けることと、アパーチャアセンブリ内の電極に電位を印加することにより、荷電粒子ビームを静電的に操作することと、を含み、アパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、荷電粒子ビームの各々が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過するように、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、電位を印加することは、複数の電極であって、各々が互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディのアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される、複数の電極に、電位を印加すること、を含む。
【0009】
[0009] 本発明の態様によれば、荷電粒子ビームを操作する方法が提供され、この方法は、複数の荷電粒子ビームを、アパーチャアセンブリを通ってサンプルへと向けることと、アパーチャアセンブリ内の電極に電位を印加することにより、荷電粒子ビームを静電的に操作することと、を含み、アパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、荷電粒子ビームの各々が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過するように、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、電位を印加することは、第1のアパーチャボディ内のアパーチャと第2のアパーチャボディ内の対応するアパーチャとの間に電位差を印加することを含み、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において細長いスリットよりも小さい開口部からなる。
【0010】
[0010] 本発明の態様によれば、荷電粒子マルチビーム投影システムのマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリが提供され、このアパーチャアセンブリは、アパーチャの第1のアレイを規定する第1のアパーチャボディと、アパーチャアセンブリを通るマルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームの経路を規定するようにアパーチャの第1のアレイと位置合わせされた、対応するアパーチャのアレイを規定する、第2のアパーチャボディと、第1のアパーチャボディの各アパーチャの周囲表面に電位を印加するように構成された第1のアパーチャボディと関連付けられた第1の電極システムと、第2のアパーチャボディの各アパーチャの周囲表面に電位を印加するように構成された第2のアパーチャボディと関連付けられた第2の電極システムと、を含み、第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディのアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループの周囲表面に同時に電気的に接続される。
【0011】
[0011] 本発明の態様によれば、荷電粒子マルチビーム投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリが提供され、このアパーチャアセンブリは、第1の複数のアパーチャを規定する第1のアパーチャボディと、アパーチャアセンブリを通るマルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームの経路を規定するように、第1の複数のアパーチャを基準にして位置決めされた対応する複数のアパーチャを規定する第2のアパーチャボディと、を含み、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は細長いスリットであり、細長いスリットに対応する複数のアパーチャの対応する各アパーチャは、細長いスリットよりも小さなアスペクト比を有する開口部である。
【0012】
[0012] 本発明の態様によれば、荷電粒子マルチビーム投影システムのビームマニピュレータユニットが提供され、このマニピュレータユニットは、レンズであって、関連するアップビーム擾乱電極アレイを有するアップビームレンズアパーチャアレイと、関連するダウンビーム擾乱電極アレイを有するダウンビームレンズアパーチャアレイと、を含むレンズを含み、アップビームレンズアパーチャアレイ、ダウンビームレンズアパーチャアレイ、及び擾乱アレイは、各アレイ内のアパーチャがマニピュレータユニットを通るマルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームの経路を規定するように、互いに対して位置決めされており、アップビーム及びダウンビーム擾乱電極は、動作中にレンズによって生成された場に擾乱場を印加するように制御可能である。
【0013】
[0013] 本発明の態様によれば、荷電粒子ビームを操作する方法が提供され、この方法は、関連するアップビーム擾乱電極アレイを有するアップビームレンズアパーチャアレイと、関連するダウンビーム擾乱電極アレイを有するダウンビームレンズアパーチャアレイと、を含むレンズを提供することと、複数の荷電粒子ビームを、アップビームレンズアパーチャアレイ及びダウンビームレンズアパーチャアレイの各々におけるそれぞれのアパーチャを通過させることと、レンズによって生成された場に擾乱場を印加するように、アップビーム及びダウンビーム擾乱電極を制御することと、を含む。
【0014】
[0014] 本開示の上記及び他の態様は、添付の図面と併せた例示的実施形態の説明からより明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]例示的な荷電粒子ビーム検査装置を示す概略図である。
【
図2】[0016]
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置の一部である例示的な荷電粒子ビームツールを示す概略図である。
【
図3】[0017]サブビームが集光レンズと対物レンズとの間を直線状に進む荷電粒子ビームツールの概略図である。
【
図4】[0018]コリメータが集光レンズと対物レンズとの間に設けられた荷電粒子ビームツールの概略図である。
【
図5】[0019]アパーチャアセンブリを含むビームマニピュレータユニットの概略図である。
【
図6】[0020]アパーチャアセンブリが荷電粒子投影装置のレンズと一体化されている、
図4に示したタイプのビームマニピュレータユニットの概略図である。
【
図7】[0021]第1の方向に整列された比較的に幅の広い細長導電性ストリップを含む、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図8】[0022]第2の方向に整列された比較的に幅の広い細長導電性ストリップを有する、例示的な第2の電極システム又は第1の電極システムの概略上面図である。
【
図9】[0023]第1の方向に整列された比較的に幅の狭い細長導電性ストリップを有する、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図10】[0024]第2の方向に整列された比較的に幅の狭い細長導電性ストリップを有する、例示的な第2の電極システム又は第1の電極システムの概略上面図である。
【
図11】[0025]アスペクト比がより低く隙間なく埋め尽くす導電性要素を有する、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図12】[0026]同心ループを含む導電性要素を有する、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図13】[0027]それぞれのアパーチャボディのアパーチャ周囲表面の全てに電気的に接続された単一の電極を備える、第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図14】[0028]各電極が、他の電極から互いに電気的に絶縁され、それぞれのアパーチャボディ内の複数のアパーチャのうちの異なるそれぞれのアパーチャのアパーチャ周囲表面に電気的に接続されている、第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図15】[0029]最上部のアパーチャボディが細長いスリットを含むアパーチャアセンブリの概略上面図である。
【
図16】[0030]
図15のユニットの線X-Xに沿った概略側面断面図である。
【
図17】[0031]
図15のユニットの線Y-Yに沿った概略側面断面図である。
【
図18】[0032]最下部のアパーチャボディが電位を印加するためのローカルの一体化された電子機器を備える場合の、
図15に示したタイプのユニットの線X-Xに沿った概略側面断面図である。
【
図19】[0033]最下部のアパーチャボディが電位を印加するためのローカルの一体化された電子機器を備える場合の、
図15のユニットの線Y-Yに沿った概略側面断面図である。
【
図20】[0034]放射状に整列された細長いスリットを有する、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図21】[0035]放射方向に垂直に整列された細長いスリットを有する、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図22】[0036]第1の方向に整列された平行の細長いスリットを有する、例示的な第1の電極システム又は第2の電極システムの概略上面図である。
【
図23】[0037]第2の方向に整列された平行の細長いスリットを有する、例示的な第2の電極システム又は第1の電極システムの概略上面図である。
【
図24】[0038]異なるアパーチャボディの電極システム内の細長いスリットに対して45度で整列された細長いスリットを有する、例示的な第3の電極システムの概略上面図である。
【
図25】[0039]
図24に示したように構成された第3の電極システムと、円形の開口部を有する第4の電極システムとを有するアパーチャアセンブリの一部分を、第3の電極システムの細長いスリットに垂直な方向に沿って見たときの、概略側面断面図である。
【
図26】[0040]第3の電極システムの細長いスリットと平行な方向に沿って見たときの、
図25の構成の概略側面断面図である。
【
図27】[0041]3電極対物レンズと一体化された電子検出デバイスの一例である。
【
図28】[0042]2電極対物レンズと一体化された電子検出デバイスの一例である。
【
図30】[0044]ビームアパーチャが、最密六角形アレイ状である、代替の検出器モジュールの底面図である。
【
図31】[0045]検出器モジュールの一部を断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0046] これより、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を、添付の図面に示す。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表示がない限り、異なる図面における同一の番号は、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明と一致する全ての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0017】
[0047] バイスの物理的サイズを減少させる、電子デバイスの計算能力の向上は、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることによって達成することができる。これは、更に小さい構造の作製を可能にする分解能の向上によって可能にされてきた。例えば、親指の爪の大きさであり、2019年以前に利用可能なスマートフォンのICチップは、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪の1/1000未満である。したがって、半導体IC製造が、数百の個々のステップを有する、複雑で時間のかかるプロセスであることは驚くに値しない。たとえ1つのステップのエラーであっても、最終製品の機能に劇的に影響を与える可能性がある。たった1つの「キラー欠陥」が、デバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップを有するプロセス(ここでは、ステップが、ウェーハ上に形成される層の数を示し得る)に関して75%の歩留まりを得るためには、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有していなければならない。個々のステップが95%の歩留まりを有した場合、全体的なプロセス歩留まりは、7%と低い。
【0018】
[0048] ICチップ製造設備において、高いプロセス歩留まりが望ましい一方で、一時間当たりに処理される基板の数と定義される高い基板(すなわち、ウェーハ)スループットを維持することも必須である。高いプロセス歩留まり及び高い基板スループットは、欠陥の存在による影響を受け得る。これは、欠陥を調査するためにオペレータの介入が必要な場合に特に当てはまる。したがって、検査ツール(走査電子顕微鏡(「SEM」)など)によるマイクロスケール及びナノスケール欠陥の高スループット検出及び識別は、高い歩留まり及び低いコストを維持するために必須である。
【0019】
[0049] SEMは、走査デバイス及び検出器装置を含む。走査デバイスは、一次電子を発生させるための電子源を含む照明装置と、一次電子の1つ又は複数の集束ビームで基板などのサンプルを走査するための投影装置とを含む。共に、少なくとも照明装置又は照明システム、及び投影装置又は投影システムは、合わせて電子-光学システム又は装置と呼ばれることがある。一次電子は、サンプルと相互作用し、二次電子を発生させる。検出装置は、SEMがサンプルの走査エリアの画像を生成できるように、サンプルが走査されるときに、サンプルからの二次電子を捕捉する。高スループットの検査のために、検査装置の一部は、一次電子の複数の集束ビーム、すなわち、マルチビームを使用する。マルチビームの成分ビームは、サブビーム又はビームレットと呼ばれることがある。マルチビームは、サンプルの異なる部分を同時に走査することができる。したがって、マルチビーム検査装置は、単一ビーム検査装置よりもはるかに高速でサンプルを検査することができる。
【0020】
[0050] 以下の図は、概略図である。したがって、図面では、コンポーネントの相対寸法は、明瞭にするために拡大される。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。説明及び図面は電子光学装置を対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するためには使用されないことが理解される。したがって、本文書全体に渡る電子への言及は、荷電粒子への一般的な言及とみなすことができ、荷電粒子は、必ずしも電子であるとは限らない。
【0021】
[0051] ここで
図1を参照する。
図1は、例示的な荷電粒子ビーム検査装置100を示す概略図である。
図1の荷電粒子ビーム検査装置100は、メインチャンバ10、ロードロックチャンバ20、荷電粒子ビームツール40(荷電粒子として電子が使用される場合、電子ビームツールと呼ばれることがある)、機器フロントエンドモジュール(EFEM)30、及びコントローラ50を含む。荷電粒子ビームツール40は、メインチャンバ10の内部に配置される。
【0022】
[0052] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の1つ又は複数の装填ポートを含むことがある。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、基板(例えば、半導体基板若しくは他の材料でできている基板)又は検査対象のサンプル(以降では、基板、ウェーハ、及びサンプルはまとめて「サンプル」と呼ばれる)を収容する、基板前面開口式一体型ポッド(FOUP(front opening unified pod))を受け取ることがある。EFEM30内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、サンプルをロードロックチャンバ20に運ぶ。
【0023】
[0053] ロードロックチャンバ20は、サンプルの周囲の気体を取り除くために使用される。これは、周囲環境の圧力より低い局所気体圧力である真空を生じさせる。ロードロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続されてもよく、装填ロック真空ポンプシステムは、ロードロックチャンバ20内の気体粒子を取り除く。装填ロック真空ポンプシステムの動作により、ロードロックチャンバが大気圧を下回る第1の圧力に達することが可能になる。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ロードロックチャンバ20からメインチャンバ10にサンプルを運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。メインチャンバ真空ポンプシステムは、サンプルの周囲の圧力が第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内の気体粒子を取り除く。第2の圧力に達した後に、サンプルは、荷電粒子ビームツール40に運ばれ、サンプルは、荷電粒子ビームツール40によって検査され得る。荷電粒子ビームツール40は、マルチビーム電子光学装置を含み得る。
【0024】
[0054] コントローラ50は、荷電粒子ビームツール40に電子的に接続される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100を制御するように構成されたプロセッサ(コンピュータなど)でもよい。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。
図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、ロードロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもよいことが理解される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100のコンポーネント要素の1つの内部に位置してもよく、又はコントローラ50は、コンポーネント要素の少なくとも2つに分散されてもよい。本開示は、電子ビーム検査ツールを収納するメインチャンバ10の例を提供しているが、本開示の態様は、広い意味で、電子ビーム検査ツールを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、第2の圧力下で動作する装置の他のツール及び他の配置にも適用できることが理解される。
【0025】
[0055] ここで
図2を参照する。
図2は、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部である例示的な荷電粒子ビームツール40を示す概略図である。荷電粒子ビームツール40(本明細書では装置40とも呼ばれる)は、荷電粒子源201(例えば、電子源)、投影装置230、電動ステージ209、及びサンプルホルダ207を含むことがある。荷電粒子源201及び投影装置230は、まとめて、電子光学装置と呼ばれることがある。サンプルホルダ207は、検査のためにサンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するように、電動ステージ209によって支持される。荷電粒子ビームツール40は、電子検出デバイス240を更に含むことがある。
【0026】
[0056] 荷電粒子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含むことがある。荷電粒子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成されることがある。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されて、一次電子を含む荷電粒子ビーム202を形成する。
【0027】
[0057] 投影装置230は、荷電粒子ビーム202を複数のサブビーム211、212、213に変換し、且つ各サブビームをサンプル208上に誘導するように構成される。簡潔にするために3つのサブビームが示されているが、何十、何百、又は何千ものサブビームが存在することがある。サブビームは、ビームレットと呼ばれることがある。
【0028】
[0058] コントローラ50は、荷電粒子ソース201、電子検出デバイス240、投影装置230、及び電動ステージ209などの
図1の荷電粒子ビーム検査装置100の様々な部分に接続され得る。コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子ビームツール40を含む荷電粒子ビーム検査装置100の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
【0029】
[0059] 投影装置230は、検査のためにサブビーム211、212、及び213をサンプル208上に集束させるように構成されることがあり、サンプル208の表面に3つのプローブスポット221、222、及び223を形成することがある。投影装置230は、サンプル208の表面の一セクション内の個々の走査エリアに渡ってプローブスポット221、222、及び223を走査するために、一次サブビーム211、212、及び213を偏向させるように構成されることがある。サンプル208上のプローブスポット221、222、及び223への一次サブビーム211、212、及び213の入射に応答して、二次電子及び後方散乱電子を含み得る電子が、サンプル208から発生し得る。二次電子は、一般的に、50eV以下の電子エネルギーを有する。後方散乱電子は、一般的に、50eVと一次サブビーム211、212、及び213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する。
【0030】
[0060] 電子検出デバイス240は、二次電子及び/又は後方散乱電子を検出し、対応する信号を生成するように構成され得、これらの信号は、例えば、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するために、コントローラ50又は信号処理システム(図示せず)に送られる。電子検出デバイス240は、投影装置230に組み込まれているか、又は投影装置からは分離されていることがあり、二次光学コラムが、二次電子及び/又は後方散乱電子を電子検出デバイス240に向けるように設けられる。
【0031】
[0061] コントローラ50は、画像取得器(図示せず)及びストレージデバイス(図示せず)を含む画像処理システムを含み得る。例えば、コントローラ50は、プロセッサ、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、コントローラの処理機能の少なくとも一部を含み得る。したがって、画像取得器は、少なくとも1つ又は複数のプロセッサを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機、又はこれらの組み合わせなどの信号通信を可能にする荷電粒子ビームツール40の電子検出デバイス240に通信可能に結合され得る。画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信し、信号に含まれるデータを処理し、そこから画像を構築することができる。したがって、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成、及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体でもよい。ストレージは、画像取得器と結合されてもよく、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存したり、後処理された画像を保存したりするために使用することができる。
【0032】
[0062] 画像取得器は、電子検出デバイス240から受信された撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。単一の画像は、ストレージに保存することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。各領域は、サンプル208の特徴を含む1つの撮像エリアを含み得る。取得画像は、ある期間に渡って複数回サンプリングされたサンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに保存することができる。コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを行うように構成され得る。
【0033】
[0063] コントローラ50は、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含んで、検出された荷電粒子(例えば、二次電子)の分布を取得することがある。検出時間ウィンドウ中に収集された荷電粒子(例えば、電子)分布データを、サンプル表面に入射する一次サブビーム211、212、及び213の各々の対応する走査経路データと組み合わせて使用して、検査対象のサンプル構造の画像を再構築することができる。再構築された画像を使用して、サンプル208の内部構造又は外部構造の様々な特徴を明らかにすることができる。それによって、再構築された画像を使用して、サンプル中に存在することがある何らかの欠陥を明らかにすることができる。
【0034】
[0064] コントローラ50は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように電動ステージ209を制御することができる。コントローラ50は、電動ステージ209が、少なくともサンプルの検査中に、好ましくは継続的に、例えば、一定の速度で、ある方向にサンプル208を移動させることを可能にし得る。コントローラ50は、電動ステージ209が、様々なパラメータに依存するサンプル208の移動の速度を変えるように、電動ステージ209の移動を制御することができる。例えば、コントローラ50は、走査プロセスの検査ステップの特性に応じて、ステージ速度(その方向を含む)を制御することができる。
【0035】
[0065] 一次投影装置、電動ステージ、及びサンプルホルダを含むマルチビーム電子ビームツールが提供されることがある。一次投影装置は、照明装置を含むことがある。一次投影装置は、以下の構成要素、即ち、電子源、ガンアパーチャプレート、集光レンズ、アパーチャアレイ、ビームマニピュレータ(MEMS構造を含むことがある)、対物レンズ、及びビームセパレータ(例えば、ウィーンフィルタ)、のうちの1つ又は複数を含むことがある。サンプルホルダは、電動ステージによって支持されている。サンプルホルダは、検査のためにサンプル(例えば、基板又はマスク)を保持するように構成される。
【0036】
[0066] マルチビーム電子ビームツールは、二次投影装置及び関連する電子検出デバイスを更に含むことがある。電子検出デバイスは、複数の電子検出要素を含むことがある。
【0037】
[0067] 一次投影装置は、サンプルを照射するように構成される。サンプルへの一次サブビーム又はプローブスポットの入射に応答して、サンプルから電子が生成され、これには、二次電子及び後方散乱電子が含まれる。二次電子は、複数の二次電子ビームで伝播する。二次電子ビームは、通常、二次電子(50eV以下の電子エネルギーを有する)を含み、後方散乱電子(50eVと一次サブビームのランディングエネルギーとの間の電子エネルギーを有する)の少なくとも一部も含むことがある。一次投影装置内のビームセパレータは、二次電子ビームの経路を二次投影装置に向けて偏向させるように構成されることがある。二次投影装置は、その後、二次電子ビームの経路を電子検出デバイスの複数の要素上に集束させる。検出素子は、対応する信号を生成し、この信号は、例えば、サンプルの対応する走査エリアの画像を構築するために、コントローラ又は信号処理システムに送られることがある。
【0038】
[0068]
図3及び
図4は、一実施形態の荷電粒子ビームツール40をそれぞれ例示する概略図である。荷電粒子ビームツール40は、投影装置230を含む。荷電粒子ビームツール40は、上述したような荷電粒子ビーム検査装置100の一部として使用されることがある。投影装置230は、上記で言及されたマルチビーム電子ビームツールなどの、他のタイプの荷電粒子ビームツール40に組み込まれることがある。
【0039】
[0069] 投影装置230は集光レンズアレイを含む。集光レンズアレイは、荷電粒子のビーム112を複数のサブビーム114に分割する。一実施形態では、集光レンズアレイは、サブビーム114の各々をそれぞれの中間焦点115に集束させる。
【0040】
[0070] 図示した実施形態では、集光レンズアレイは、複数のビームアパーチャ110を含む。ビームアパーチャ110は、例えば、実質的に平面状のビームアパーチャボディ111内の開口部によって形成されることがある。ビームアパーチャ110は、荷電粒子のビーム112を、対応する複数のサブビーム114に分割する。実施形態によっては、荷電粒子は、電子を含むか、又は電子からなる。荷電粒子は、荷電粒子源201によって提供される。荷電粒子源201は、荷電粒子ビームツール40の一部を形成することも、又はしないこともある。荷電粒子源201は、
図2を参照して上述した態様のいずれかで構成されることがある。従って、荷電粒子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含むことがある。荷電粒子源201は、輝度と全放出電流との間の望ましいバランスを持つ高輝度の熱電界放出器を含むことがある。
【0041】
[0071] 図示した実施形態では、集光レンズアレイは、複数の集光レンズ116を含む。複数の集光レンズ116は、集光レンズのアレイと見なされることがあり、共通の平面内にあり得る。各集光レンズ116は、ビームアパーチャ110のうちの対応するアパーチャと関連付けられていることがある。各集光レンズ116は、例えば、ビームアパーチャ110の内部に形成されることも、ビームアパーチャ110に直接的に隣接して配置されることも、及び/又はビームアパーチャボディ111と一体化されている(例えば、ビームアパーチャボディ111が集光レンズ116の電極のうちの1つを形成する)こともある。従って、集光レンズアレイの電極を形成するプレート又はアレイが、ビームアパーチャとしても機能することがある。プレート又はアレイを形成する物体は、アパーチャボディと呼ばれることがある。
【0042】
[0072] 集光レンズ116は、多電極レンズを含むことがある。レンズアレイは、電極として機能する、少なくとも2つのプレートの形態を取ることがあり、各プレート内のアパーチャは互いに位置合わせされ、サブビームの位置に対応している。これらのプレートのうちの少なくとも2つは、所望のレンズ効果を達成するために、動作中に異なる電位に維持される。ある構成では、集光レンズアレイは、荷電粒子が各レンズに入るときと出るときで同じエネルギーを有する3つのプレートのアレイから形成され、この構成は、アインツェルレンズと呼ばれることがある。アインツェルレンズ(例えば、集光レンズアレイ内で使用され得るものを含む)は、通常、入口電極及び出口電極がそれらの間の電極から等距離にあるように、互いに対して対称的に配置された電極(例えば、プレートアレイ)も有することがある。入口電極及び出口電極も、通常、同じ電位に保たれる。他の構成では、集光レンズは、荷電粒子が、各レンズに入るときと出るときとで同じエネルギーを有する、4つ以上の電極(例えば、プレートアレイ)から形成される。そのような構成は、やはり、同じ電位に保たれた入口電極及び出口電極、及び/又は対称的に配置された電極を有することがあるものの、4つ以上の電極があるので、これらの構成は、厳密にはアインツェルレンズとはみなされないことがある。荷電粒子が各レンズを入るときと出るときとで同じエネルギーを有するようにレンズを構成すること(レンズが厳密にアインツェルレンズであろうとなかろうと)は、分散が各レンズ内部(レンズの入口電極と出口電極との間)でのみ発生し、それによってオフアクシス色収差が制限されることを意味する。集光レンズの厚さが薄い場合、例えば、数mmである場合、そのような収差の影響は小さいか又は無視できる。
【0043】
[0073] 各集光レンズ116は、サブビーム114のうちの1つ(例えば、異なるそれぞれのもの)をそれぞれの中間焦点115に集束させる。複数の集光レンズ116の中間焦点115は、実質的に共通の平面内にあることがあり、この共通の平面は、中間像平面120と呼ばれることがある。
【0044】
[0074] 投影装置230は、複数の対物レンズ118を更に含む。対物レンズ118は、中間焦点(及び中間像平面120)の下流にある。複数の対物レンズ118は、対物レンズのアレイと見なされることがあり、共通の平面内にあり得る。各対物レンズ118は、(対応する集光レンズ116から)サブビーム114のうちの1つを評価対象のサンプル208上に投影する。従って、集光レンズ116と対物レンズ118との間には、1対1の対応関係があることがあり、各サブビーム114は、そのサブビームに固有の1対の集光レンズ116と対物レンズ118との間を伝播する。集光レンズアレイのビームアパーチャ110と対物レンズ118との間には、対応する1対1の対応関係が存在することがある。
【0045】
[0075]
図3に例示するように、投影システム230は、(例えば、サブビーム114のビーム軸に対応する、サブビーム114の原理光線の)各サブビーム114の経路122が、各集光レンズ116から対応する対物レンズ118まで(即ち、その集光レンズ116に対応する対物レンズ118まで)実質的に直線になるように、構成されることがある。この直線の経路は、サンプル208まで更に延びることがある。或いは、
図4に例示するように、集光レンズ116と対物レンズ118との間に、例えば中間像平面120内に、コリメータ524が設けられることがある。コリメータ524は、サブビームを平行化する。サブビームの平行化により、対物レンズ118における像面湾曲効果が低減され、それによって、非点収差及びフォーカス誤差などの、像面湾曲によって引き起こされる誤差が低減される。
【0046】
[0076] 実施形態によっては、
図3及び
図4に例示するように、投影装置230は、サブビーム114内の1つ又は複数の収差を低減する、1つ又は複数の収差補正器124、125、126を更に含む。一実施形態では、収差補正器124の少なくともサブセットの各々が、中間焦点115のうちのそれぞれ1つに配置されるか、又はそれと直接的に隣接する(例えば、中間像平面120に配置されるか、又はそれと隣接する)。サブビーム114は、中間平面120などの焦点面で又はその近傍で、最小の断面積を有する。これは、他の場所で、すなわち、中間平面120のアップビーム若しくはダウンビームで利用可能なスペースよりも(又は中間像平面120を持たない代替の構成で利用可能となるスペースよりも)多くのスペースを収差補正器124に提供する。一実施形態では、中間焦点115(若しくは中間像平面120)に、又はそれらに直接隣接して配置された収差補正器124は、異なるビームにとって異なる位置にあるように見える放射源201を補正するための偏向器を含む。補正器124は、各サブビーム114と対応する対物レンズ118との間の良好なアライメントを阻む、放射源201に起因した巨視的収差を補正するために使用されることがある。収差補正器124は、適切なコラムアライメントを阻む収差を補正することができる。そのような収差は、サブビーム114と補正器124との間のミスアライメントにつながることもある。この理由のため、これに加えて又はその代わりに、収差補正器125を集光レンズ116に、又はその近くに配置することが望ましいことがある(例えば、そのような収差補正器125の各々が、集光レンズ116のうちの1つ又は複数と一体化されるか、又はそれらと直接隣接する)。これは、集光レンズ116がビームアパーチャ110と垂直方向に近いか、又は一致するので、集光レンズ116では、又はその近傍では、収差が、対応するサブビーム114のシフトをまだ引き起こしていないことから、望ましい。しかしながら、集光レンズ116に、又はその近傍に補正器125を配置することの課題は、さらに下流の場所と比べて、この場所では各サブビーム114の断面積が比較的大きくなり、ピッチが比較的小さくなる、という点である。
【0047】
[0077] 実施形態によっては、
図3及び
図4に例示するように、収差補正器126の少なくともサブセットの各々が、対物レンズ118のうちの1つ又は複数と一体化されるか、又はそれらと直接的に隣接する。一実施形態では、これらの収差補正器126は、像面湾曲、フォーカス誤差、及び非点収差、のうちの1つ又は複数を低減する。これに加えて又はその代わりに、サンプル208に渡ってサブビーム114を走査するために、1つ又は複数の走査偏向器(図示せず)が、対物レンズ118のうちの1つ又は複数と一体化されるか、又はそれらと直接的に隣接することがある。そのような構成は、例えば、欧州特許出願公開第2425444A1号に記載されているように実装されることがあり、この特許出願は、特に、走査偏向器としてのアパーチャアレイの使用の開示に関して、参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
[0078] 収差補正器124、125は、欧州特許出願公開第2702595A1号に開示されるようなCMOSベースの個々のプログラマブル偏向器、又は欧州特許出願公開第2715768A2号に開示されるような多極偏向器のアレイであることがあり、両文書におけるビームレットマニピュレータの説明は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
[0079] 一実施形態では、収差補正器、例えば対物レンズ118に関連付けられた収差補正器126は、像面湾曲を低減する像面湾曲補正器を含む。像面湾曲を低減すると、非点収差及びフォーカス誤差などの、像面湾曲によって引き起こされる誤差が低減される。補正が無いと、対物レンズ118への斜めの角度の入射が生じることに起因して、
図3に例示するように、サブビーム114が集光レンズ116と対物レンズ118との間の直線経路に沿って伝播する実施形態では、対物レンズ118において、著しい像面湾曲収差効果が発生すると予期される。
【0050】
[0080] 一実施形態では、像面湾曲補正器は、対物レンズ118のうちの1つ又は複数と一体化されるか、又はそれらと直接的に隣接する。一実施形態では、像面湾曲補正器は、受動補正器を含む。受動補正器は、例えば、対物レンズ118のアパーチャの直径及び/又は楕円率を変化させることにより、実装されることがある。受動補正器は、例えば、特に非点収差を補正するためのアパーチャパターンの使用についての開示を参照することにより本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第2575143A1号に記載されるように、実装されてもよい。受動補正器の受動性質は、制御電圧が必要ないことを意味するので、望ましい。受動補正器が、対物レンズ118のアパーチャの直径及び/又は楕円率を変化させることにより実装される実施形態では、受動補正器は、追加のレンズ要素などの追加の要素を必要としない、という更なる望ましい特徴を提供する。受動補正器の課題は、それらは固定されているので、必要な補正量を事前に慎重に計算する必要がある、ということである。これに加えて又はその代わりに、一実施形態では、像面湾曲補正器は、能動補正器を含む。能動補正器は、荷電粒子を制御可能に補正して、補正を提供することができる。各能動補正器によって施される補正は、能動補正器の1つ又は複数の電極の各々の電位を制御することにより、制御されることがある。一実施形態では、受動補正器が粗い補正を施し、能動補正器がより細かい及び/又は調整可能な補正を施す。
【0051】
[0081] ビームマニピュレータユニット300の例について、以下で説明する。ビームマニピュレータユニット300は、アパーチャアセンブリ370を含む。ビームマニピュレータユニット300は、上述した投影装置230の構成のいずれかの一部として提供されることがある。ビームマニピュレータユニット300は、ビームマニピュレータユニット300を通過する荷電粒子ビームにある効果を施す。この効果には、荷電粒子ビームに関連した収差又は多極又はフォーカス誤差の補正が含まれることがある。ビームマニピュレータユニット300を使用して、上述した収差補正器124、125、126のうちの1つ又は複数を実装することができる。従って、ビームマニピュレータユニット300は、中間焦点115のそれぞれの焦点に配置されるか、又はこれに直接的に隣接して配置されることがある。その代わりに又はこれに加えて、ビームマニピュレータユニット300は、対物レンズ118のうちの1つ又は複数と一体化されるか、又はそれらと直接的に隣接することがある。その代わりに又はこれに加えて、ビームマニピュレータユニット300は、集光レンズ116のうちの1つ又は複数と一体化されるか、又はそれらと直接的に隣接することがある。
【0052】
[0082]
図5及び
図6に例示するように、アパーチャアセンブリ370は、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302を含むことがある。第1のアパーチャボディ301は、第2のアパーチャボディ302のビーム経路のアップビームにあることがあるが、これは必ずしもそうである必要はない。第1のアパーチャボディ301内の複数のアパーチャ304は、第2のアパーチャボディ302内の対応する複数のアパーチャ306と位置合わせされている。この位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビーム毎に荷電粒子経路を提供するようなものである。この荷電粒子経路にしたがって、各荷電粒子ビームは、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302内のそれぞれのアパーチャを通ってアパーチャアセンブリ370を通過することがある。荷電粒子ビームがアパーチャアセンブリ370に斜めに入射する場合、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306は、第1のアパーチャボディ301内の対応するアパーチャ304に対して横方向にずれている(即ち、垂直方向に整列しないようになっている)ことがある。この場合の横方向のずれは、荷電粒子ビームがアパーチャアセンブリ370を通過できるようにするために、荷電粒子ビームの経路との必要な位置合わせを実現する。荷電粒子ビームがアパーチャアセンブリ370に垂直に入射する場合、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306は、第1のアパーチャボディ301内の対応するアパーチャ304の真下に配置される(即ち、垂直方向に整列している)ことがある。荷電粒子ビームの例示的な経路は、
図5及び
図6では305とラベル付けされている。第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304は、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306と同じサイズ及び/又は形状を有することがある。或いは、第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304は、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306とは異なるサイズ及び/又は形状を有してもよい。構成によっては、アパーチャ304、306の全てが、円形、楕円形、又は卵形などの曲線状の縁を有する形状を有するが、他の形状も可能である。第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302は、実質的に平面状であることがある。通常、第1のアパーチャボディ301内の各アパーチャ304の最大平面内寸法(例えば、直径)は、第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の離隔距離よりも小さい。しかしながら、実施形態によっては、第1のアパーチャボディ301内の各アパーチャ304の最大平面内寸法(例えば、直径)は、第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の離隔距離と等しいか、又はこれよりも大きいことがある(例えば、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302がアインツェルレンズの一部を形成する場合)。
【0053】
[0083] 第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ304、306を規定する少なくともアパーチャ周囲表面に電位を印加するために、電気駆動ユニット320が設けられる。この駆動ユニットは、電圧源接続部(図示せず)を介して、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302の一方又は両方に接続していることがある。従って、動作中、複数の荷電粒子ビームが、アパーチャアセンブリを通ってサンプル208に向けられる。電気駆動ユニット320は、例えば、マニピュレータユニット300を備える荷電粒子投影システム230及び/又はビームツール40の一部として、或いはマニピュレータユニット300の一部として、提供されることがある。荷電粒子ビームツール40は、上述したような荷電粒子ビーム検査装置100の一部として使用されることがある。電気駆動ユニット320は、上述したように、電子光学システム又は装置と呼ばれる荷電粒子ビームツール40の一部分内に設けられることがある。
【0054】
[0084] 実施形態は、本明細書では一般的に、第1のアパーチャボディ301が第2のアパーチャボディ302のアップビームにあるものとして例示される。しかしながら、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302は、逆の構成で、第2のアパーチャボディ302が第1のアパーチャボディ301のアップビームにあるように設けられてもよい。
【0055】
[0085] アパーチャアセンブリ370を使用して、荷電粒子ビームが通過する領域内の電場を制御することにより、荷電粒子ビームを操作する。これは、アパーチャアセンブリ370の電極に適切な電位を印加することにより、達成される。
【0056】
[0086] 実施形態によっては、第1のアパーチャボディ301は、第1の電極システム311を含む。第1の電極システム311は、様々な態様で形成されることがある。第1の電極システム311は、
図5に概略的に示すように、第1のアパーチャボディ301の一体部分として提供されることがある。或いは、
図6に概略的に示すように、第1の電極システム311は、
図6に示すように、第1の支持構造361上の導電性の層又は構造として、提供されることがある。ある方式では、第1の電極システム311は、シリコン・オン・インシュレータ・プロセスを使用して形成されることがある。第1の電極システム311は、酸化ケイ素の絶縁層上の導電性の層又は構造として提供されることがある。第1の電極311システムは、金属化層、及び/又はケイ素若しくはドープされたケイ素などの導電性半導体を含むことがある。第1の電極システム311は、モリブデン又はアルミニウムなどの金属を含むことがある。第1の電極システム311の例が、
図7~
図12に示されており、以下で考察される。第1の電極システム311は、第1のアパーチャボディ301の各アパーチャ304のアパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成される。第1の電極システム311は、複数の電極を含むことがある。各電極は、導電性要素及び/又は導電性トラックを含むことがある。各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディ301のアパーチャ304の複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される。各グループは、複数のアパーチャ304を含む。従って、各電極は、第1のアパーチャボディ301内の他のアパーチャ304に印加される電位とは無関係に、複数のアパーチャ304に同時に電位を印加することができる。従って、各電極が1つのアパーチャのみに接続される場合よりも、必要とされる電極がより少なくなる。電極がより少なくなると、電極のルーティングが容易になり、それによって、製造が容易になり、任意選択的に、電極中のアパーチャのパターンをより密にすることができる。独立してアパーチャ304のグループに印加される電位を制御すると、アパーチャが一体型の金属プレートに形成される場合などの、アパーチャの全てが一緒に電気的に接続される場合よりも、より高いレベルの制御がもたらされる。従って、ビームマニピュレータユニットの製造の容易さとビーム操作の制御性とのバランスの改善がもたらされる。
【0057】
[0087] 実施形態によっては、第2のアパーチャボディ302は、第2の電極システム312を含む。第2の電極システム312は、第2のアパーチャボディ302の各アパーチャ306のアパーチャ周囲表面に電位を印加する。第2の電極システム312は、第1の電極システム311について上述した態様のいずれかで構成されることがある。従って、第2の電極システム312は、第2の支持構造362上に形成された複数の電極を含むことがある。各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第2のアパーチャボディ302のアパーチャ306の複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続されることがある。或いは、第2の電極システム312は、第2のアパーチャボディ302のアパーチャ周囲表面の全てに電気的に接続された1つの電極を含むことがある。従って、第2の電極システム312は、第2のアパーチャボディ302及び第2の電極システム312が、同じ要素によって提供されるように(即ち、第2のアパーチャボディが、第2の電極システム312からなるように)、単一の一体型導電プレートとして実装されることがある。
【0058】
[0088] 実施形態によっては、
図7~
図12に例示するように、同じ数のアパーチャ304が、第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304のグループのうちの少なくとも2つのグループの各々内に設けられる。その代わりに又はこれに加えて、同じ数のアパーチャ306が、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306のグループのうちの少なくとも2つのグループの各々内に設けられることがある。
【0059】
[0089] 実施形態によっては、
図7~
図10に例示するように、第1の電極システム311の各電極は、細長い導電性ストリップ322、324を含み、及び/又は、第2の電極システム312の各電極は、細長い導電性ストリップ322、324を含む。各電極システム内のそれぞれの細長い導電性ストリップは、対向する平行なプレートとして実装されることがある。各それぞれの電極システムの導電性ストリップ322、324は、互いに平行であるか、及び/又は実質的に直線状であることが好ましい。それぞれの電極システム内の導電性ストリップ322、324中に電極を配置すると、ルーティングがより容易になる、というのも、導電性ストリップ322、324への電気的な接続を導電性ストリップ322、324の端部で行うことができるからである。構成によっては、導電性ストリップ322、324は、
図7~
図10に概略的に示すように、第1の電極システム311又は第2の電極システム312の周縁部まで延びるように配置される。導電性ストリップ322、324を周縁部まで延ばすことは、導電性ストリップ322、324への電気的な接続を、周縁部で行うことができることを意味する。図に示す電極システムの周縁部は概略的である。周辺表面の形状及び相対的なサイズは、実際の構成では異なっていることがある。周辺表面は、例えば、図に示すよりもより多くのアパーチャ304及び306を含むように寸法決めされることがある。
【0060】
[0090] 実施形態によっては、第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304及び/又は第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306はそれぞれ、規則的なアレイ状に配置される。規則的なアレイは、単位セルの繰り返しを有する。規則的なアレイは、例えば、正方形のアレイ、長方形のアレイ、又は六角形のアレイを含むことがある。或いは、アパーチャ304又は306は、複数のアパーチャ304又は306を含む不規則な配置で、配置されることがあり、これは、不規則なアレイと呼ばれることがある。規則的なアレイを有する配置では、導電性ストリップ322、324は、互いに対して平行に、且つアレイの原理軸に対して垂直になっていることがある。
図7~
図10に示す例では、アパーチャ304、306は、正方形のアレイ状に配置される。規則的なアレイは、ページの平面内で水平な1つの原理軸、及びページの平面内で垂直な別の原理軸を有することがある。従って、
図7及び
図9の導電性ストリップ322は、互いに平行であり、水平原理軸に対して垂直である。
図8及び
図10の導電性ストリップ324は、互いに平行であり、垂直原理軸に対して垂直である。
【0061】
[0091] 導電性ストリップ322、324はそれぞれ、短軸及び長軸を有することがある。
図7及び
図9の例では、各短軸は水平であり、各長軸は垂直である。
図8及び
図10の例では、各短軸は垂直であり、各長軸は水平である。短軸に平行な導電性ストリップ322、324のピッチは、短軸に平行なアレイのピッチよりも大きいことがある。従って、各垂直な導電性ストリップは、アパーチャ304、306の複数の列を含むことがあり、及び/又は、各水平なストリップは、従って、アパーチャ304、306の複数の行を含むことがある。この方式は、制御性と製造の容易さとの良好なバランスをもたらす。或いは、短軸に平行な導電性ストリップ322、324のピッチは、短軸に平行なアレイのピッチと等しいことがあり、これは、電場のより細かい空間制御をもたらす。
【0062】
[0092] 一実施形態では、第1の電極システム311の導電性ストリップ322は、第2の電極システム322の導電性ストリップ324と平行ではない、例えば、垂直である。この構成は、例えば、第1の電極システム311の導電性ストリップ322が互いに平行であり、第2の電極システム312の導電性ストリップ324が互いに平行である場合に、特に好ましいことがある。例えば、第1の電極システム311は、
図7又は
図9に示すような導電性ストリップ322を含むことがあり、第2の電極システム312は、
図8又は
図10に示すような導電性ストリップ324を含むことがあり、逆も同様である。このようにして異なる電極システム311、312内の導電性ストリップ322、324を交差させると、それぞれの導電性ストリップ322、324への電気的な接続のルーティングをより困難にすることなく、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302内の対応するアパーチャ304、306間の電位差の広範な可能な組み合わせがもたらされる。
【0063】
[0093] 更なる構成では、
図11に例示するように、複数の電極は、互いに隙間なく埋め尽くしている複数の導電性要素326を含む。図示する例では、導電性要素326は正方形である。他の隙間なく埋め尽くす形状を使用してもよい。この方式は、
図7~
図10を参照して上述したような導電性ストリップを使用した構成と比べて、荷電粒子を操作する際の自由度をより高めることができるが、個々の電極への電気信号のルーティングが、より複雑になることがある。
【0064】
[0094] 更なる構成では、
図12に例示するように、複数の電極は、同心ループの少なくとも一部分、例えば、円形リングなどの同心リングの少なくとも一部分、を含む複数の導電性要素328を含む。この方式により、同心ループと同じ又は類似の対称性を有する収差の効率的な補正を可能にすることができる。しかしながら、個々の電極への電気信号のルーティングは、
図7~
図10を参照して上述したような導電性ストリップを使用した構成よりも複雑になることがある。
【0065】
[0095] 実施形態によっては、第1の電極システム311は、
図7~
図12を参照して上述したようなアパーチャ周囲表面のグループに各々が接続された複数の電極を含み、第2の電極システム312は、
図13に例示するような単一の電極319を含む。単一の電極319は、第2のアパーチャボディ302のアパーチャ周囲表面の全てに電気的に接続される。従って、第2のアパーチャボディ302のアパーチャ周囲表面は、同じ電位に保たれる。或いは、第1の電極システム311は、
図7~
図12を参照して上述したようなアパーチャ周囲表面のグループに各々が接続された複数の電極を含み、第2の電極システム312は、複数の電極であって、その各々が、互いに電気的に絶縁され、
図14に例示するように、第2のアパーチャボディ302の複数のアパーチャのうちの異なるそれぞれのアパーチャのアパーチャ周囲表面に電気的に接続された、複数の電極を含む。
【0066】
[0096] 実施形態によっては、アパーチャアセンブリ370は、荷電粒子投影装置230と共に使用される。荷電粒子投影装置230は、荷電粒子ビームツール40の一部を形成することがある。荷電粒子ビームツール40は、荷電粒子ビームを使用する任意のタイプのツールを含むことがある。荷電粒子ビームツール40及び/又は投影装置230は、複数のレンズを含む。各レンズは、荷電粒子のそれぞれのサブビームを投影する。
図3又は
図4に示したタイプの荷電粒子ビームツール40では、複数のレンズは、投影装置230の複数の集光レンズ116又は複数の対物レンズ118を含むことがある。他の荷電粒子ビームツール40では、他の複数のレンズが設けられることがある。
【0067】
[0097] そのような実施形態では、アパーチャアセンブリ370は、複数のレンズと一体化されているか、又は複数のレンズと直接的に隣接していることがある。一実施形態では、各レンズが多電極レンズを含む。この場合には、第1のアパーチャボディ301は、多電極レンズの第1の電極を含むことがある。
図6に示した概略的な構造では、多電極レンズの第1の電極は、第1のアパーチャボディ301の第1の支持構造361であり得る。第1の電極システム311の複数の電極は、多電極レンズの第1の電極から電気的に絶縁されている。これは、
図6で第1の電極システム311と第1の支持構造361(多電極レンズの電極としてはたらく)との間に電気絶縁層を設けることにより、実現されることがある。一実施形態では、第2のアパーチャボディ302は、多電極レンズの第2の電極を含む。
図6に示した概略的な構造では、多電極レンズの第2の電極は、第2のアパーチャボディ302の第2の支持構造362であり得る。第2の電極システム312の複数の電極は、多電極レンズの第2の電極から電気的に絶縁されている。第1の電極システム311、第2の電極システム312、又はその両方が、電圧源接続部を有することがある。電圧源接続部は、第1及び第2のアパーチャボディ301、302のうちの少なくとも一方のアパーチャのアパーチャ周囲表面に電位差を印加するように構成されることがある。
【0068】
[0098] アパーチャアセンブリ370が一体化されるか又は直接的に隣接する複数のレンズは、複数の対物レンズ118を含むことがある。対物レンズ118は、
図3及び
図4を参照して上述した態様のいずれかで構成されることがある。その代わりに又はこれに加えて、アパーチャアセンブリ370が一体化されるか又は直接的に隣接する複数のレンズは、複数の集光レンズ116を含むことがある。その代わりに又はこれに加えて、アパーチャアセンブリ370は、集光レンズ116によって集束されたサブビームの中間焦点115を含む中間像平面120内に又はこれに直接的に隣接して、提供される。集光レンズ116は、
図3及び
図4を参照して上述した態様のいずれかで構成されることがある。
【0069】
[0099] 第1の電極システム311及び第2の電極システム312は、多要素レンズの各々の第1及び第2の電極(及び多要素レンズの他の電極)によって提供されるグローバル集束場に擾乱(これは、擾乱場と呼ばれることがある)をもたらすように構成されることがある。第1の電極システム311及び第2の電極システム312は、例えば、ローカル補正を施して集束させることがある。従って、このタイプの実施形態に関して、第1の電極システム311及び第2の電極システム312は、擾乱電極システム、擾乱電極アレイ、又はローカル焦点補正電極と呼ばれることがある。集束させるためのローカル補正は、マニピュレータユニットを通過する異なるサブビーム間で異なることがある。集束させるためのローカル補正は、第1の電極システム311の異なる電極間の、又は第2の電極システム312の異なる電極間の、電位差を伴うことがあり、この電位差は、多要素レンズの第1の電極と第2の電極との間の平均全体電位差と比較して小さい。電気駆動ユニット320は、これを達成するように、第1の電極システム311及び/又は第2の電極システム312の電極の電位を制御するように構成されることがある。電気駆動ユニット320は、電圧源接続部に接続可能であり得る。この制御は、第1の電極システム311の最高電位電極と最低電位電極との間の電位差が、第1の電極システム311の電極の平均電位と第2の電極システム312の電極の平均電位との間の差よりも小さく(任意選択的に、50%よりも小さく、任意選択的に、10%よりも小さく、任意選択的に、5%よりも小さく、任意選択的に、1%よりも小さく、任意選択的に、0.1%よりも小さく)なるようなものであり得る。1つの特定の実施態様では、例えば、多電極レンズの第1の電極(これは、第1の電極システム311の電極の電位の平均と等しいか又はこれに近い電位を有する)は30kVで提供され、多電極レンズの第2の電極(これは、第2の電極システム312の電極の電位の平均と等しいか又はこれに近い電位を有する)は2.5kVで提供され、100V程度のこれらの電位からの偏差が、第1の電極システム311及び/又は第2の電極システム312の電極によって提供される。既知の式f=4*Ubeam/Elocalによって与えられる焦点距離に基づくと(Ubeamは荷電粒子ビームのローカルエネルギーであり、Elocalはローカル電場強度である)、そのような電位の偏差は、荷電粒子として電子を含む典型的な構成の場合、約1ミクロンの焦点距離の変化を加えることがあることが予期される。従って、この方式を使用して、巨視的焦点及び/又はレベリング補正を提供することができる。この補正を使用して、例えば、以下のうちのいずれか1つ又は複数に起因する焦点面偏差を補正することができる。
-有限の製造公差:例えば、対物レンズ118の電極間の平坦度(又は反り度)及び/又は間隔の制御、
-対物レンズ118の機械的取り付けによって引き起こされる機械的取り付け公差及び変形、
-静電場の力によって引き起こされる変形、
-コリメータ525が無い実施形態の場合、対物レンズ118を通る非テレセントリック通過に起因した像面湾曲、
-集光レンズ116の像面湾曲(というのも、ビームは、集光レンズ116を通過する際に平行化されないからである)。
【0070】
[0100] ビームマニピュレータユニット300の一体化は、上述したような交差した導電性ストリップ322、324を備える第1及び第2の電極システム311、312を用いて、特に効率的に実施されることがある。2電極多電極レンズの場合には、X方向に沿って整列された導電性ストリップ324が第1の電極上に形成されることがあり、Y方向に沿って整列された導電性ストリップ322が第2の電極上に形成されることがある。次いで、関数Δf=f(X)+f(Y)に従って、焦点面を補正することができる。ここで、f(X)及びf(Y)は、それぞれX及びYの関数として適用することができる焦点補正を表す。焦点補正は、通常、隣接する導電性ストリップ間の電位差を比較的に小さく保ちながら、より長い長さスケールに渡っては比較的に大きな電位の変化を依然として提供するように、ある導電性ストリップから次の導電性ストリップへと比較的に段階的に増加して変化する電位を提供することにより、施されることがある。上述した例示的なジオメトリを用いて施されることがある実現可能な補正には、何らかの傾斜平面の補正、及び、湾曲した表面(但し、曲線は、X軸若しくはY軸に沿って整列されている)などのより高次の補正、又は、R2依存性(但し、R2=X2+Y2)を伴う回転対称である補正、が含まれる。この方式は、アインツェルレンズとして動作するように構成された多電極レンズと共に使用することもできる。
【0071】
[0101] 実施形態の1つのクラスでは、
図15~
図17に例示するように、第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304の少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなる。各細長いスリットは、実質的に直線状であり得る。細長いスリットは、0.5よりも小さなアスペクト比を有することがある。従って、
図15に示すように、細長いスリットの長さ342に対する細長いスリットの幅341の比率は、0.5より小さい。更に、第2のアパーチャボディ302内の対応する各アパーチャ306は、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において、細長いスリットよりも小さい開口部からなる。第1のアパーチャボディ301は、第2のアパーチャボディ302のビーム経路のアップビームにあることがある。第2のアパーチャボディ内の対応するアパーチャ306の形状は、第1のアパーチャボディ301内の細長いスロットの開口部とは異なる形状であり得る。開口部の少なくともサブセットの各々は、実質的に湾曲した縁を有する形状、例えば、円、卵形、楕円の形状のうちの1つなど、をしていることがある。細長いスリットの最長軸は、細長いスリットが長方形である場合には、細長いスリットの長さであり、細長いスリットが卵形又は楕円形である場合には、細長いスリットの長軸である。開口部は、例えば、0.5~1.0の間の、任意選択的に0.9~1.0の間の、任意選択的に実質的に1.0に等しい、アスペクト比を有することがある。従って、第1のアパーチャボディ301内の細長いスリットは、より細長ではない(即ち、アスペクト比が1.0により近いという意味で、より小さなアスペクト比を有する)か、又は細長ではない(例えば、アスペクト比が1.0に近い円形、卵形、又は楕円形の開口部)、第2のアパーチャボディ302内の開口部と位置合わせされることがある。或いは、第2のアパーチャボディ302内の開口部は、細長いが、第1のアパーチャ301内の細長いスリットと平行ではないことがある。この方式は、アスペクト比が1により近い開口部を有するよりも、望ましくないことがある、というのも、ルーティングに利用可能なスペースがより少なくなることにより、第2のアパーチャボディ302内のルーティングが不必要に複雑になることがあるからである。第1のアパーチャボディ301、第2のアパーチャボディ302、又はその両方が、電圧源接続部を有することがある。電圧源接続部は、第1及び第2のアパーチャボディ301、302のうちの少なくとも一方のアパーチャのアパーチャ周囲表面に印加される電位差を有するように構成されることがある。
【0072】
[0102] 細長いスリットとして成形された第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304を有する効果は、アパーチャ304によるレンズ効果への寄与を非対称にすることである。この寄与は、細長いスリットと平行な方向においては無視でき、スリットに垂直な方向においては(円形の開口部と比べて)強くなる。(例えば、第1のアパーチャボディ301内の対応するアパーチャ304内の開口部とは異なる形状を有する)第2のアパーチャボディ302内の対応する開口部の効果は、細長いスリットと平行な方向においては、反対の極性の、(細長いスリットに比べて)より強いレンズ効果を、細長いスリットに垂直な方向においては、(細長いスリットに比べて)より弱いか又は無視できるレンズ効果をもたらすことである。上述のように、第2のアパーチャボディ302内の開口部は、通常、円形か又はほぼ円形である。しかしながら、効果は、第2のアパーチャボディ302内の開口部が、細長く、第1のアパーチャボディ301内の細長いスリットと平行ではない(例えば、垂直である)場合に、より強くなる。垂直の場合、例えば、第2のアパーチャボディ302内の開口部によるレンズ効果への寄与は、第2のアパーチャボディ302内の開口部が円形である場合に比べて、第1のアパーチャボディ301内の細長いスリットと平行な方向では、2倍強くなり、第1のアパーチャボディ301内の細長いスリットに垂直な方向では無視できる。
【0073】
[0103] 一実施形態では、第1のアパーチャボディ301内の各細長いスリットの長さ342は、第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の離隔距離に比べて十分に大きいので、細長いスリットの端部が第2のアパーチャボディ302によって遮蔽される(即ち、アパーチャアセンブリ370を通過する荷電粒子にとって端部が実質的に存在しないようにする)。細長いスリットの長さは、通常、例えば、第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の離隔距離よりも少なくとも2倍、任意選択的に少なくとも3倍、大きいことがある。
【0074】
[0104] 第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の離隔距離は、各細長いスリットの幅よりも大きい(任意選択的に少なくとも2倍大きい、任意選択的に少なくとも3倍大きい)ことが望ましい。これにより、細長いスリットの幅方向における細長いスリットによる場への擾乱にも関わらず、場が、第2のアパーチャボディ302に到達する前にほぼ均一になるように細長いスリットからの十分な距離がもたらされる。
【0075】
[0105] 第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の離隔距離は、第2のアパーチャボディ302内の各アパーチャ306の最大平面内寸法(例えば、円形の開口部の直径)よりも大きい(任意選択的に少なくとも2倍大きい、任意選択的に少なくとも3倍大きい)ことも望ましい。これにより、やはり、場が第1のアパーチャボディ301に到達する前にほぼ均一になるようにアパーチャ306からの十分な距離がもたらされる。
【0076】
[0106] 第2のアパーチャボディ302内の各アパーチャ306の最大平面内寸法は、第1のアパーチャボディ301内の対応する細長いスリットの最小平面内寸法(即ち、幅)と実質的に等しいことがある。これは、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306が、第1のアパーチャボディ301内の対応する細長いスラットとは異なる形状を有することにより、実現されることがある。これにより、第2のアパーチャボディ302内のルーティングの乱れを最小限に抑えながらも、アパーチャ306が効率的に役割を果たすことが可能になる。第2のアパーチャボディ302内のルーティングに利用可能なスペースが増加するおかげで、(以下で更に考察するように)第1のアパーチャボディ301よりも第2のアパーチャボディ302内により多くのルーティングを設けることが望ましい。
【0077】
[0107] 上述のように、細長いスリットの伸長は、細長いスリットからのレンズ効果が、細長いスリットの長さと平行にはより小さくなり、垂直な方向ではより大きくなることにつながる。これにより、4極効果を生み出すことができる。4極効果により、マニピュレータユニット300がスティグメータとして動作して非点収差を補正できるようになる。4極効果の大きさ及び極性は、それぞれのアパーチャ304、306間の電位差によって決まる。4極効果の向きは、細長いスリットの向きによって決まる。それによって、個々のビームに加えられるスティグメーション効果に対する高度な制御がもたらされ、スティグメーション効果が加えられる領域に対する、必要な独立した電気接続部が最小限になる。第2のアパーチャボディ302内の開口部が円形である場合の効果について、
図16及び
図17に定性的に示されている。
【0078】
[0108]
図16は、X方向に沿った(即ち、細長いスリットの幅に平行な)側面断面図である。
図16の破線領域の上部では、第1のアパーチャボディ301と第2のアパーチャボディ302との間の(Z方向における)電位差は、(細長いスリットの幅341に平行な)X方向における第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304の近傍で比較的に強い正のレンズ効果を引き起こす。この比較的に強い正のレンズ効果は、細長い形状に起因して生じる。無限に細長いレンズ(スリットレンズと呼ばれることもある)の焦点距離は、2*U
beam/E
localによって与えられる。X方向における負のレンズ効果が、第2のアパーチャボディ302内の対応するアパーチャ306の近傍で生じる。しかしながら、この負のレンズ効果はより小さい、というのも、アパーチャ306はあまり細長くない(又は全く細長くない)からである。完全に円形の負のレンズ(アパーチャレンズと呼ばれることもある)の焦点距離は、-4*U
beam/E
localである。正味の結果は、X方向における残存する正のレンズ効果である。残存する正のレンズ効果は、対応する焦点距離を参照することによって定量化されることがあり、これは、細長いスリットが十分に細長い場合、4*U
beam/E
localとほぼ等しくなる。ここで、U
beamは荷電粒子ビームのローカルエネルギーであり、E
localはローカル電場強度である。
【0079】
[0109]
図17は、Y方向に沿った(即ち、細長いスリットの長さに平行な)側面断面図である。この向きでは、(細長いスリットの長さ342と平行な)Y方向において、第1のアパーチャボディ301内の各アパーチャ304の近傍に、はるかい小さい(又は無視できる)正のレンズ効果が存在する。Y方向における負のレンズ効果が、第2のアパーチャボディ302内のアパーチャ306の近傍で生じる。
図16に示すように、Y方向におけるこの負のレンズ効果の強度は、X方向におけるアパーチャ306での負のレンズ効果の強度と同じか又は同程度である。Y方向における負のレンズ効果は、第1のアパーチャボディ301内の対応するアパーチャ304からのY方向における正のレンズ効果よりも大きい。正味の結果は、Y方向における残存する負のレンズ効果になり、対応する焦点距離は、-4*U
beam/E
localにほぼ等しい。
【0080】
[0110] 第2のアパーチャボディ302内の各開口部が、細長く、第1のアパーチャボディ301内の対応する細長いスリットに垂直である代替の場合では、第2のアパーチャボディ302内の各開口部によるレンズ効果への寄与は、開口部の伸長に垂直な方向では2倍強くなり、開口部の伸長と平行な方向では無視できる。正味の結果は、2倍強い非点収差効果である。2*Ubeam/Elocalにほぼ等しい対応する焦点距離を有する、残存する正のレンズ効果が、X方向にもたらされる。-2*Ubeam/Elocalにほぼ等しい対応する焦点距離を有する、残存する負のレンズ効果が、Y方向にもたらされる。
【0081】
[0111] 従って、X方向には残存する正のレンズ効果がもたらされ、Y方向には残存する負のレンズ効果がもたらされ、これにより、上述した4極効果が構築される。
【0082】
[0112] アパーチャ304と306との間の電位差は、
図5~
図14を参照して上述した第1の電極システム311及び第2の電極システム312のいずれかを使用して、提供されることがある。第1若しくは第2のアパーチャボディ301、302、又はその両方のそれぞれの第1若しくは第2の電極システム311、312、又はその両方は、電圧源接続部を介して電気的に接続されることがある。これには、電極のグループに電位を提供することには必ずしも限定されない電極システムの使用が含まれる。細長いスリットを使用する実施形態は、細長いスリット毎に、又は細長いスリットに向き合う対応する開口部毎に個別に電位差を制御できるようにする電極システムを使用することがある。例えば、一構成では、第1のアパーチャボディ301は、第1のアパーチャボディ304の各アパーチャ304のアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第1の電極システム311を含む。第1の電極システム311は、複数の電極を含む。各電極は、第1の電極システム311の他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディ301のアパーチャ304の異なるそれぞれのアパーチャのアパーチャ周囲表面に電気的に接続される。その代わりに又はこれに加えて、第2のアパーチャボディ302は、第2のアパーチャボディ302の各アパーチャ306のアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第2の電極システム312を含むことがある。第2の電極システム312は、複数の電極を含むことがある。各電極は、第2の電極システム312の他の電極から互いに電気的に絶縁され、第2のアパーチャボディ302のアパーチャ306の異なるそれぞれのアパーチャのアパーチャ周囲表面に電気的に接続されることがある。従って、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302のいずれか又は両方は、
図14に示したタイプの電極システムを含むことがある。しかしながら、不必要に複雑な電気ルーティング要件を回避するために、通常は、2つのアパーチャボディ301及び302のうちの一方のみが、
図14に示したタイプの電極システムを含む。例えば、
図14に示したタイプの電極システムは、細長いスリットを含まない2つのアパーチャボディ301及び302のうちの一方内に設けられることがある。この構成は好ましいことがある、というのも、細長いスリットを含まないアパーチャボディは、あまり細長くない開口部を有することがあるからである。開口部が細長くないほど、電気接続のルーティング用のスペースがより広くなることがある。しかしながら、上述のように、開示した第1の電極システム311と第2の電極システム312の任意の他の組み合わせを使用してもよい。例えば、
図12に示すように実装された第2の電極システム312と、
図20又は
図21に示すように実装された第1のアパーチャシステム311との組み合わせは、特に効率的であり得る。
【0083】
[0113] 上述した第1の電極システム311及び第2の電極システム312の例示的な実施態様の代わりに又はこれに加えて、アパーチャ304と306との間の電位差が、ローカルの一体化された電子機器を使用して提供されることがある。ローカルの一体化された電子機器は、例えば、CMOS技術を使用して実装されることがある。CMOS技術を使用した方式の例が、
図18及び
図19に示されている。この例では、第2のアパーチャボディ302が、第2のアパーチャボディ302のアパーチャ306毎にローカルの一体化された電子機器を含んでいる。ローカルの一体化された電子機器は、アパーチャ306のアパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成される。その代わりに又はこれに加えて、第1のアパーチャボディ301は、第1のアパーチャボディ301のアパーチャ304毎にローカルの一体化された電子機器を含むことがあり、ローカルの一体化された電子機器は、アパーチャ304のアパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成される。電圧源接続部により、第1又は第2のアパーチャボディ301、302、又はその両方のローカルの一体化された電子機器。その代わりに又はこれに加えて、アパーチャ304と306との間の電位差は、一体化された受動回路を使用して提供されることがある。一体化された受動回路は、抵抗器網を含むことがある。抵抗器網は、電位分割により、第1のアパーチャボディのアパーチャの少なくともサブセットのアパーチャ周囲表面に異なる電位が印加されることを可能にする。抵抗器網は、直列の抵抗器を含むことがある。直列の抵抗器は、(分圧器で行われるように)抵抗器間のノードでの電位において、所望の一連のステップを達成するように選択されることがある。ノードでの電位は、アパーチャ304と306との間に所望の範囲の電位差を提供するために使用される。抵抗器網は、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302のいずれか又は両方と一体化されることがある。電圧源接続部により、第1又は第2のアパーチャボディ301、302、又はその両方内の抵抗器網。ローカルの一体化された電子機器及び/又は一体化された受動回路を使用して必要とされる電位差を提供することにより、高度な制御がもたらされ、ルーティングの難しさが低減される。しかしながら、それぞれの第1又は第2のアパーチャボディの構成は、より複雑になる。更に、そのような一体化された電子機器及び/又は一体化された受動回路によって印加することができる電位差の範囲は、外部から駆動される電極を使用して(例えば、本明細書に記載するような電極システムを使用して)印加することができる電位差の範囲よりも、狭くなることがある。
【0084】
[0114] 4極効果の向きは、細長いスリットの向きによって決まる。従って、細長いスリットの向きは、補正されるべき収差の予期される対称性に応じて変化することがある。
【0085】
[0115] 一実施形態では、
図20に例示するように、細長いスリット(アパーチャ304としてラベル付けされる)の少なくとも大部分は、第1のアパーチャボディ311の平面を垂直に通過する共通軸に対して放射状に整列される。(共通軸は、
図20の向きでは、ページの平面に対して垂直であり得る。)プレートであり得る第1のアパーチャボディ311は、複数のアパーチャ304を有する平面状であり得る。一構成では、第1のアパーチャボディ311で規定されるアパーチャは、細長いスリットである。このスリットは、長軸及び短軸を有することがあり、長方形か又は楕円形であり得る。長方形のスリットは、スリットの長軸と整列した長辺を有することがある。従って、長方形のスリットの辺は、共通軸に向かう各スリットの方向と整列される。第1のアパーチャボディ311は、
図20に示すように、第1のアパーチャボディの中心に対応することがある軸を有することがある。この軸は、例えば、スリットアパーチャ304に関する共通軸と呼ばれることがある。スリットアパーチャの長軸が、スリットアパーチャから共通軸に向かう方向と整列されるように、全部ではなくとも少なくとも大部分のスリットアパーチャが、共通軸を基準にして向けられていることがある。第1のアパーチャボディ311内に規定されたスリットアパーチャのパターンの反射軸上に配置されたスリットアパーチャは、反射軸に沿って角度的に類似しており、パターン内の位置がずれているだけである。そのような軸は、例えば、x軸及びy軸であり、その間の45度である。他の全てのスリットアパーチャは、互いに対して角度的にずれており、同様に位置がずれているが、第1のアパーチャボディ311の平面内の共通軸に向かう方向に整列されている。
【0086】
[0116] 一実施形態では、
図21に例示するように、細長いスリット(アパーチャ304としてラベル付けされる)の少なくとも大部分は、共通軸に対して実質的に方位角方向に、即ち、共通軸を基準にした放射方向に実質的に垂直に、整列される。第1のアパーチャボディ311内のアパーチャ304の配置は、
図311に示したのと同じパターンであるが、重要な違いがある。各アパーチャの長軸及び短軸のアライメントの方向が入れ替わっており、その結果、各アパーチャの短軸は、第1のアパーチャボディ311の共通軸に向かう方向と整列され、長軸は、第1のアパーチャボディ311のアパーチャパターン内の共通軸に向かう方向と垂直に整列される。共通軸から等距離にある第1のアパーチャボディ311内のアパーチャは、共通軸からそれぞれの共通の放射方向の変位に対して接線方向に整列される。従って、長方形のスリットの場合、スリットの長軸と整列されたスリットの辺は、スロットから共通軸に向かう方向に垂直である。
【0087】
[0117] 一実施形態では、
図22及び
図23に例示するように、細長いスリットの少なくとも大部分は、互いに平行である。細長いスリットは、更に、第1のアパーチャボディを横切る複数の列の内部で整列され、好ましくは第1のアパーチャボディ301の縁の間に延びることがある。列は、例えば、第1のアパーチャボディ311内で、横方向若しくは縦方向に、又は垂直方向若しくは水平方向に、直線状であることがある。列は、互いに平行であり得る。列は、第1のアパーチャボディ301の縁と平行であることも、又は平行ではないこともある。
【0088】
[0118] スティグメーションの大きさ及び方向の制御を含め、非点収差のより完全な制御を提供するために、独立して制御可能であり斜めに整列された更なる4極効果が、更なるアパーチャボディによってもたらされることがある。そのような構成の例が、
図24~
図26に示されており、細長いスリットは、
図15~
図17の構成に対して45度回転されている。このタイプの実施形態では、第3のアパーチャボディ351及び第4のアパーチャボディ352が提供される。第3のアパーチャボディ351は、第1のアパーチャボディ301について上述した態様のいずれかで構成されることがある。第4のアパーチャボディ352は、第2のアパーチャボディ302について上述した態様のいずれかで構成されることがある。第3のアパーチャボディ351と第4のアパーチャボディ352との間の電位差は、更なる4極効果を制御するために、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302について上述した態様のいずれかで制御されることがある。第3のアパーチャボディ351内の複数のアパーチャ354は、第1のアパーチャボディ301、第2のアパーチャボディ302、及び第4のアパーチャボディ352内の対応する複数のアパーチャ304、306、356と位置合わせされている。この位置合わせにより、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々が、4つのそれぞれのボディ内の、例えば、第1のアパーチャボディ301、第2のアパーチャボディ302、第3のアパーチャボディ351、及び第4のアパーチャボディ352内の、それぞれのアパーチャ304、306、354、356を通過することにより、アパーチャアセンブリを通過することができる。第3のアパーチャボディ351内のアパーチャ354の少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなる。第4のアパーチャボディ352内の対応する各アパーチャ356は、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において、細長いスリットよりも小さい開口部からなる。第3のアパーチャボディ351内の細長いスリットは、第1のアパーチャボディ301内の細長いスリットについて上述した態様のいずれかで構成されることがある。第4のアパーチャボディ352内の開口部は、第2のアパーチャボディ302の開口部について上述した態様のいずれかで構成されることがある。(例えば、第4のアパーチャボディ352内の開口部は、第3のアパーチャボディ351内の対応する細長いスロットとは異なる形状を有することがある。)第1のアパーチャボディ301及び第3のアパーチャボディ351内の細長いスリットは、各荷電粒子ビームが、荷電粒子ビームの経路に沿って見たときに、互いに対して斜めに位置合わせされた第1のアパーチャボディ301及び第3のアパーチャボディ351内の細長いスリットを通過するように、位置合わせされる。図示した特定の例では、細長いスリットは45度で整列されているが、他の斜めの角度を選択することもできる。第1及び第2のアパーチャボディ301、302によってもたらされる4極効果、並びに第3及び第4のアパーチャボディ351、352によってもたらされる斜めに整列した4極効果を制御することにより、荷電粒子の各サブビームに加えられる全体的な4極効果の大きさと方向の両方を制御することが可能になる。それによって、高度な制御が、過剰な数の独立した電気接続部を必要とすることなしに、もたらされる。
【0089】
[0119] 一実施形態では、荷電粒子ビームツール40は、サンプルからの二次電子及び後方散乱電子のいずれか又は両方を検出する電子検出デバイス240を含む。
図3及び
図4に示した例では、電子検出デバイス240は、対物レンズ118と一体化される。電子検出デバイス240は、例えば、対物レンズ118のうちの1つ又は複数のレンズの底部電極と一体化されたCMOSチップ検出器を含むことがある。或いは、二次光学コラムが、二次電子及び/又は後方散乱電子を、他の場所に配置された電子検出デバイス240に向けるように、設けられることがある。上述のように、電子検出デバイス240は、
図1及び
図2を参照して上述したようにコントローラ50又は信号処理システムに送られる信号を生成して、例えば、荷電粒子ビームツール40によって走査されたサンプル208のエリアの画像を構築するか、又は他の後処理を実施することがある。
【0090】
[0120] 一実施形態では、以下で考察する
図27~
図31に例示するように、対物レンズは、多電極を含み、この多電極レンズの底部電極は、CMOSチップ検出器アレイと一体化される。多電極レンズは、
図27に例示するように3つの電極を、
図28に例示するように2つの電極を、又は、異なる数の電極を、含むことがある。検出器アレイを対物レンズに一体化させると、二次電子及び後方散乱電子を検出するための二次コラムの必要性がなくなる。CMOSチップは、サンプルと向き合うように向けられることが好ましい(ウェーハと電子光学システムの底部との間の距離が短い(例えば、100μm)ため)。一実施形態では、二次電子信号を捕捉する電極が、CMOSデバイスの上部金属層内に形成される。電極は、他の層に形成されてもよい。CMOSの電力及び制御信号は、スルーシリコンビアによってCMOSに接続され得る。ロバスト性のために、底部電極は、好ましくは2つの要素:CMOSチップ、及び孔を有するパッシブSiプレートから成る。このプレートは、高電界からCMOSをシールドする。
【0091】
[0121] 検出効率を最大にするために、(アパーチャを除く)アレイ対物レンズの実質的に全てのエリアが電極によって占められるように、電極表面をできる限り大きくすることが望ましい。各電極は、アレイピッチに実質的に等しい直径を有する。ある実施形態では、電極の外形は、円形であるが、これは、検出エリアを最大にするために正方形にされてもよい。また、基板スルーホールの直径を最小にすることができる。電子ビームの一般的なサイズは、約5~15ミクロンである。
【0092】
[0122] 一実施形態では、単一の電極が各アパーチャを取り囲む。別の実施形態では、複数の電極要素が、各アパーチャの周りに設けられる。1つのアパーチャを取り囲む電極要素によって捕捉される電子は、単一の信号に合成されるか、又は独立した信号を生成するために使用されることがある。電極要素は、半径方向に分割されるか(即ち、複数の同心の環を形成するか)、角度的に分割されるか(即ち、複数の扇状の部分を形成するか)、半径方向と角度的の両方で分割されるか、又は他の任意の便利な態様で分割されることがある。
【0093】
[0123] しかしながら、電極表面の拡大は、寄生容量の増大、したがって、帯域幅の低下をもたらす。このため、電極の外径を制限することが望ましい場合がある。特に、電極の拡大が、わずかな検出効率の向上を与えるにすぎず、しかしキャパシタンスの大幅な増加を与える場合。円形(環状)電極は、収集効率と寄生容量の良い妥協点を提供し得る。
【0094】
[0124] 電極の外径の増大は、クロストーク(隣接した孔の信号に対する感度)の増加ももたらし得る。これは、電極の外径をより小さくする理由にもなり得る。特に、電極の拡大が、わずかな検出効率の向上を与えるにすぎず、しかしクロストークの大幅な増加を与える場合。
【0095】
[0125] 電極によって収集された後方散乱電子及び/又は二次電子の電流は、トランスインピーダンスアンプによって増幅される。
【0096】
[0126] 例示的な実施形態が
図27及び28に示されており、この図は、マルチビーム対物レンズ401を概略断面で示している。対物レンズ401の出力側(サンプル403に対向する側)には、検出器モジュール402が設けられる。
図29は、検出器モジュール402の底面図であり、検出器モジュール402は、上に複数の捕捉電極405が設けられる基板404を含み、各捕捉電極405は、ビームアパーチャ406を取り囲む。ビームアパーチャ406は、基板404を貫通してエッチングすることによって形成することができる。
図29に示される配置では、ビームアパーチャ406は、矩形アレイで示されている。ビームアパーチャ406は、異なるように(例えば、
図30に示されるように、六方最密アレイで)配置されることも可能である。
【0097】
[0127]
図31は、縮尺を大きくして、検出器モジュール402の一部を断面で示す。捕捉電極405は、検出器モジュール402の一番下の面、すなわちサンプルに最も近い面を形成する。捕捉電極405とシリコン基板404の本体との間には、論理層407が設けられる。論理層407は、増幅器、例えば、トランスインピーダンス増幅器、アナログ-デジタル変換器、及び読出し論理回路を含み得る。ある実施形態では、1つの捕捉電極405につき、1つの増幅器及び1つのアナログ-デジタル変換器が存在する。論理層407及び捕捉電極405は、捕捉電極405が最終メタライゼーション層を形成するCMOSプロセスを使用して製造することができる。
【0098】
[0128] 配線層408は、基板404の裏側に設けられ、スルーシリコンビア409によって論理層407に接続される。スルーシリコンビア409の数は、ビームアパーチャ406の数と同じである必要はない。具体的には、電極信号が論理層407においてデジタル化される場合、データバスを提供するために、少数のスルーシリコンビアのみが必要とされ得る。配線層408は、制御線、データ線、及び電力線を含み得る。ビームアパーチャ406にもかかわらず、全ての必要な接続に十分なスペースが存在することに気付くだろう。検出モジュール402は、バイポーラ又は他の製造技術を使用して製作することもできる。プリント回路基板及び/又は他の半導体チップが検出器モジュール402の裏側に設けられてもよい。
【0099】
[0129] アパーチャアセンブリ370が複数の対物レンズと一体化される実施形態では、アパーチャアセンブリ370を、
図27又は
図28のマルチビーム対物レンズ401と一体化させることができる。そのような場合、第1のアパーチャボディ301は、
図27又は
図28のマルチビーム対物レンズの複数の電極のうちの1つを含み、第2のアパーチャボディ302は、マルチビーム対物レンズ401の複数の電極のうちの異なる1つを含む。
【0100】
[0130] 本開示の実施形態は、方法の形態で提供されることがあり、この方法は、上述した構成のいずれか、又は他の構成を使用することがある。
【0101】
[0131] 実施形態の1つのクラスでは、複数の荷電粒子ビームをアパーチャアセンブリ370を通してサンプル208に向けることを含む、荷電粒子を操作する方法、任意選択的に検査方法、が提供される。荷電粒子ビームは、アパーチャアセンブリ内の電極に電位を印加することにより、静電的に操作される。アパーチャアセンブリ370は、上述した形態のいずれかを取ることがある。従って、アパーチャアセンブリ370は、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302を含むことがある。第1のアパーチャボディ301内の複数のアパーチャ304は、第2のアパーチャボディ302内の対応する複数のアパーチャ306と位置合わせされ、その結果、荷電粒子ビームの各々は、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302内のそれぞれのアパーチャ304、306を通過することにより、アパーチャアセンブリ370を通過するようになる。電位を印加することは、複数の電極に電位を印加することを含み、それらの複数の電極の各々は、互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディ301のアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される。
【0102】
[0132] 実施形態の別のクラスでは、複数の荷電粒子ビームをアパーチャアセンブリを通してサンプル208に向けることを含む、荷電粒子を操作する方法、任意選択的に検査方法、が提供される。荷電粒子ビームは、アパーチャアセンブリ内の電極に電位を印加することにより、静電的に操作される。アパーチャアセンブリは、上述した形態のいずれかを取ることがある。従って、アパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302を含むことがある。第1のアパーチャボディ301内の複数のアパーチャ304は、第2のアパーチャボディ302内の対応する複数のアパーチャ306と位置合わせされ、その結果、荷電粒子ビームの各々は、第1のアパーチャボディ301及び第2のアパーチャボディ302内のそれぞれのアパーチャ304、306を通過することにより、アパーチャアセンブリを通過するようになる。第2のアパーチャボディ内のアパーチャの形状は、細長いことがある第1のアパーチャボディ内のアパーチャの形状とは異なっていることがある。電位を印加することは、第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304と第2のアパーチャボディ302内の対応するアパーチャ306との間に電位差を印加することを含む。第1のアパーチャボディ301内のアパーチャ304の少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなる。第2のアパーチャボディ302内の対応する各アパーチャ306は、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において、細長いスリットよりも小さい開口部からなる。電位は、荷電粒子ビーム内の非点収差を低減するような態様で印加されることがある。
【0103】
[0133] ビーム経路に沿って隣接する電子光学要素は、例えば、スペーサなどの電気絶縁要素を用いて互いに構造的に接続されることがある。絶縁要素は、セラミック又はガラスなどの電気絶縁材料から出来ていることがある。
【0104】
[0134] 特定の態様で荷電粒子ビームを操作するように制御可能な複数の構成要素又は複数の要素の構成要素又はシステムへの言及には、上述した態様で荷電粒子ビームを操作するための構成要素を制御するように、並びに任意選択的に、コントローラ50などの他のコントローラ又はデバイス(例えば、電圧源及び又は電流源)を使用して、この態様で荷電粒子ビームを操作するための構成要素を制御するように、コントローラ又は制御システム又は制御ユニットを構成することが、含まれる。例えば、電圧源又は本明細書で言及される「駆動ユニット」は、1つ又は複数の構成要素に電気的に接続されて、構成要素、例えば、非限定的なリストでは、対物レンズアレイ118、集光レンズ231、補正器124、125、及び126、コリメータ要素アレイ524、などに、コントローラ又は制御システム又は制御ユニットの制御下で、電位を印加することがある。ステージなどの作動可能な構成要素は、その構成要素の作動を制御するために1つ又は複数のコントローラ、制御システム、又は制御ユニットを使用して、作動させ、従って、ビーム経路などの別の構成要素に対して移動させるように、制御可能であることがある。
【0105】
[0135] 本明細書に記載する実施形態は、1本のビーム又はマルチビームの経路に沿ってアレイ状に配置された一連のアパーチャアレイ又は電子光学要素の形態を取ることがある。そのような電子光学要素は、静電的であり得る。一実施形態では、例えば、サンプルより前のサブビーム経路内の、ビーム制限アパーチャアレイから最後の電子光学要素までの、全ての電子光学要素は、静電的であることがあり、及び/又はアパーチャアレイ若しくはプレートアレイの形態をしていることがある。構成によっては、電子光学要素のうちの1つ又は複数は、微小電子機械システム(MEMS)として(即ち、MEMS製造技術を使用して)製造される。
【0106】
[0136] 上側及び下側、アップ及びダウン、上方及び下方への言及は、サンプル208に当たる電子ビーム又はマルチビームの(通常は、常にではないが垂直な)アップビーム方向及びダウンビーム方向に平行な方向を指しているものと理解されるべきである。従って、アップビーム及びダウンビームへの言及は、何らかの重力場とは無関係に、ビーム経路に関する方向を指すことが意図されている。
【0107】
[0137] 実施形態については、以下の条項を使用して、更に説明することができる。
1.荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリであって、
第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、
第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、
第1のアパーチャボディは、第1のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第1の電極システムを含み、
第2のアパーチャボディは、第2のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第2の電極システムを含み、
第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される、アパーチャアセンブリ。
2.アパーチャのグループのうちの少なくとも2つが、同じ数のアパーチャを含む、条項1に記載のアセンブリ。
3.第1の電極システムの各電極は、細長い導電性ストリップを含む、条項1又は2に記載のアセンブリ。
4.第1のアパーチャボディ内のアパーチャはアレイ状に、好ましくは規則的なアレイ状に配置される、条項3に記載のアセンブリ。
5.導電性ストリップは、互いに対して平行に、且つアレイの原理軸に対して垂直になっている、条項4に記載のアセンブリ。
6.導電性ストリップの短軸に平行な導電性ストリップのピッチは、短軸に平行なアレイのピッチよりも大きい、条項5に記載のアセンブリ。
7.導電性ストリップの短軸に平行な導電性ストリップのピッチは、短軸に平行なアレイのピッチと等しい、条項5に記載のアセンブリ。
8.複数の電極は、互いに隙間なく埋め尽くすように構成された複数の導電性要素を含む、先行する条項の何れか一項に記載のアセンブリ。
9.複数の電極は、同心ループの少なくとも一部分を含む複数の導電性要素を含む、条項1又は2に記載のアセンブリ。
10.第2の電極システムは、第2のアパーチャボディのアパーチャ周囲表面の全てに電気的に接続された電極を備える、先行する条項の何れか一項に記載のアセンブリ。
11.第2の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第2の電極システムのアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される、請求項1~9の何れか一項に記載のアセンブリ。
12.第1の電極システムの各電極は、細長い導電性ストリップを含み、
第2の電極システムの各電極は、細長い導電性ストリップを含み、
第1の電極システムの導電性ストリップは、第2の電極システムの導電性ストリップと平行ではない、条項11に記載のアセンブリ。
13.第1の電極システムの導電性ストリップは互いに平行であり、第2の電極システムの導電性ストリップは互いに平行であり、第1の電極システムの導電性ストリップは第2の電極システムの導電性ストリップに垂直である、条項12に記載のアセンブリ。
14.第1のアパーチャボディ内のアパーチャ及び/又は第2のアパーチャボディ内のアパーチャは、湾曲した縁を有する形状、好ましくは円形、楕円形、又は卵形の形状を有する、先行する条項の何れか一項に記載のアセンブリ。
15.第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、
第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において細長いスリットよりも小さい開口部からなる、先行する条項の何れか一項に記載のアセンブリ。
16.荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリであって、
第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、
第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、
第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、
第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において細長いスリットよりも小さい開口部からなる、アパーチャアセンブリ。
16a.第1及び第2のアパーチャボディのうちの少なくとも一方のアパーチャのアパーチャ周囲表面に電位差を印加するように構成された電圧源接続部を含む、条項16に記載のアパーチャアセンブリ。
16b.第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、対応する細長いスリットとは異なる形状を有する開口部からなる、条項16又は16aに記載のアパーチャアセンブリ。
16c.荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用の収差補正器のアパーチャアセンブリであって、第1のアパーチャボディと、第2のアパーチャボディであって、第1のアパーチャボディは、荷電粒子の経路に沿って第2のアパーチャボディのアップビームになるように構成され、第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、この位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、開口部であって、対応する細長いスリットとは異なる形状を有し、且つ少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において対応する細長いスリットよりも小さい、開口部からなる、第2のアパーチャボディと、電圧源接続部であって、第1及び第2のアパーチャボディのうちの少なくとも一方のアパーチャのアパーチャ周囲表面に電位差を印加するように構成された、電圧源接続部と、を含む、アパーチャアセンブリ。
17.第1のアパーチャボディは、第1のアパーチャボディの各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第1の電極システムを含み、第1の電極システムは、好ましくは、電圧源接続部に関連付けられ電圧源接続部に電気的に接続され、第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、第1の電極システムの他の電極から互いに電気的に絶縁され、且つ第1のアパーチャボディの複数のアパーチャの異なるそれぞれのアパーチャのアパーチャ周囲表面に電気的に接続され、及び/又は、
第2のアパーチャボディは、第2のアパーチャボディの各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第2の電極システムを含み、第2の電極システムは、好ましくは、電圧源接続部に関連付けられ電圧源接続部に電気的に接続され、第2の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、第2の電極システムの他の電極から互いに電気的に絶縁され、且つ第2のアパーチャボディの複数のアパーチャの異なるそれぞれのアパーチャのアパーチャ周囲表面に電気的に接続される、条項16~16cの何れか一項に記載のアセンブリ。
18.第1のアパーチャボディは、第1のアパーチャボディのアパーチャ毎にローカルの一体化された電子機器を含み、このローカルの一体化された電子機器は、アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成され、ローカルの一体化された電子機器は、好ましくは、電圧源接続部と関連付けられ、電圧源接続部に電気的に接続され、及び/又は、
第2のアパーチャボディは、第2のアパーチャボディのアパーチャ毎にローカルの一体化された電子機器を含み、このローカルの一体化された電子機器は、アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成され、ローカルの一体化された電子機器は、好ましくは、電圧源接続部と関連付けられ、電圧源接続部に電気的に接続される、条項16~16cの何れか一項に記載のアセンブリ。
19.第1のアパーチャボディは、抵抗器網を含む一体化された受動回路を含み、この抵抗器網は、電位分割によって第1のアパーチャボディのアパーチャの少なくともサブセットのアパーチャ周囲表面に異なる電位を印加できるように構成され、抵抗器網は、好ましくは、電圧源接続部と関連付けられ電圧源接続部に電気的に接続され、及び/又は、
第2のアパーチャボディは、抵抗器網を含む一体化された受動回路を含み、この抵抗器網は、電位分割によって第2のアパーチャボディのアパーチャの少なくともサブセットのアパーチャ周囲表面に異なる電位を印加できるように構成され、抵抗器網は、好ましくは、電圧源接続部と関連付けられ電圧源接続部に電気的に接続される、条項16~16c又は18の何れか一項に記載のアセンブリ。
20.細長いスリットの少なくともサブセットの各々は、実質的に直線状のスリットである、条項15~19の何れか一項に記載のアセンブリ。
21.開口部の少なくともサブセットの各々は、好ましくは実質的に円形、卵形、楕円形の形状のうちの1つなどの湾曲した縁を有する形状をしている、条項15~20の何れか一項に記載のアセンブリ。
22.細長いスリットの少なくとも大部分は、第1のアパーチャボディの平面を垂直に通過する共通軸に対して放射状に整列される、条項15~21の何れか一項に記載のアセンブリ。
23.細長いスリットの少なくとも大部分は、第1のアパーチャボディの平面を垂直に通過する共通軸に対する放射方向に垂直に整列される、条項15~22の何れか一項に記載のアセンブリ。
24.細長いスリットの少なくとも大部分は、互いに平行である、条項15~23の何れか一項に記載のアセンブリ。
25.第1のアパーチャボディ内の各開口部の最大平面内寸法は、第2のアパーチャボディ内の対応する細長いスリットの最小平面内寸法と実質的に等しい、条項15~24の何れか一項に記載のアセンブリ。
25a.第2のアパーチャボディ内の各開口部の最大平面内寸法は、第1のアパーチャボディ内の対応する細長いスリットの最小平面内寸法と実質的に等しい、条項15~24の何れか一項に記載のアセンブリ。
26.アパーチャアセンブリは、第3のアパーチャボディ及び第4のアパーチャボディを更に含み、
第3のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第1のアパーチャボディ、第2のアパーチャボディ、及び第4のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、位置合わせは、それぞれの複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、第1のアパーチャボディ、第2のアパーチャボディ、第3のアパーチャボディ、及び第4のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、
第3のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、
第4のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において細長いスリットよりも小さい開口部からなり、
第1のアパーチャボディ及び第3のアパーチャボディ内の細長いスリットは、各荷電粒子ビームが、荷電粒子ビームの経路に沿って見たときに、互いに対して斜めに整列された第1のアパーチャボディ及び第3のアパーチャボディ内の細長いスリットを通過するように、整列される、条項15~25aの何れか一項に記載のアセンブリ。
27.荷電粒子投影装置用のビームマニピュレータユニットであって、
先行する条項の何れか一項のアパーチャアセンブリと、
電気駆動ユニットであって、好ましくは電圧源接続部に接続することにより、複数の荷電粒子ビームがアパーチャアセンブリを通ってサンプルに向けられている間に、第1のアパーチャボディ及び/又は第2のアパーチャボディ内のアパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成された、電気駆動ユニットと、を含む、ビームマニピュレータユニット。
28.荷電粒子投影装置であって、
条項27に記載のビームマニピュレータユニットと、
複数のレンズであって、各レンズは、荷電粒子のそれぞれのサブビームを投影するように構成される、複数のレンズと、を含む、荷電粒子投影装置。
29.アパーチャアセンブリは、複数のレンズと一体化されるか又は直接的に隣接し、好ましくは、直接の隣接は、複数のレンズのすぐアップビーム又はダウンビームを含む、条項28に記載の装置。
30.各レンズは多電極レンズを含み、
第1のアパーチャボディは、多電極レンズの第1の電極を含み、
第1のアパーチャボディは、多電極レンズの第1の電極から電気的に絶縁されている複数の電極を含む第1の電極システムを含む、条項29に記載の装置。
31.第2のアパーチャボディは、多電極レンズの第2の電極を含み、
第2のアパーチャボディは、多電極レンズの第2の電極から電気的に絶縁されている複数の電極を含む第2の電極システムを含む、条項30に記載の装置。
32.電気駆動ユニットは、第1の電極システムの最高電位電極と最低電位電極との間の電位差が、第1の電極システムの電極の平均電位と第2の電極システムの電極の平均電位との間の差よりも小さくなるように、第1の電極システムの電極の電位を制御するように構成される、条項30又は31に記載の装置。
33.複数のレンズは、それぞれのサブビームをサンプルに投影するように構成された複数の対物レンズを含む、条項28~32の何れか一項に記載の装置。
34.複数のレンズは、サブビームをサンプルに投影するように構成された複数の対物レンズからアップビームにある中間焦点にそれぞれのサブビームを集束させるように構成された複数の集光レンズを含む、条項28~32の何れか一項に記載の装置。
35.装置は、それぞれのサブビームを中間像平面内の中間焦点に集束させるように構成された複数の集光レンズを含み、
アパーチャアセンブリは、中間像平面内に、又は中間像平面に直接的に隣接して設けられ、好ましくは直接隣接は、中間像平面のすぐアップビーム又はダウンビーム、又はその両方を含む、条項28~32の何れか一項に記載の装置。
36.荷電粒子ビームツールであって、
条項28~35の何れか一項に記載の荷電粒子投影装置と、
サンプルからの二次電子及び後方散乱電子のいずれか又は両方を検出するように構成された電子検出デバイスと、を含む、荷電粒子ビームツール。
37.荷電粒子ビームを操作する方法であって、
複数の荷電粒子ビームをアパーチャアセンブリを通してサンプルに向けることと、
アパーチャアセンブリ内の電極に電位を印加することにより、荷電粒子ビームを静電的に操作することと、を含み、
アパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、
第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、それにより、荷電粒子ビームの各々は、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過するようになり、
電位を印加することは、複数の電極に電位を印加することを含み、それらの複数の電極の各々は、互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディのアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループのアパーチャ周囲表面に同時に電気的に接続される、方法。
38.荷電粒子ビームを操作する方法であって、
複数の荷電粒子ビームをアパーチャアセンブリを通してサンプルに向けることと、
アパーチャアセンブリ内の電極に電位を印加することにより、荷電粒子ビームを静電的に操作することと、を含み、
アパーチャアセンブリは、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、
第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、それにより、荷電粒子ビームの各々は、第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、アパーチャアセンブリを通過するようになり、
電位を印加することは、第1のアパーチャボディ内のアパーチャと第2のアパーチャボディ内の対応するアパーチャとの間に電位差を印加することを含み、
第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットからなり、
第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、少なくとも細長いスリットの最長軸と平行な方向において細長いスリットよりも小さい開口部からなる、方法。
39.電位は、荷電粒子ビーム内の非点収差を低減するような態様で印加される、条項38に記載の方法。
40.荷電粒子マルチビーム投影装置のマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリであって、
アパーチャの第1のアレイを規定する第1のアパーチャボディと、
アパーチャアセンブリを通るマルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームの経路を規定するようにアパーチャの第1のアレイと位置合わせされる対応するアパーチャのアレイを規定する第2のアパーチャボディと、
第1のアパーチャボディの各アパーチャの周囲表面に電位を印加するように構成された第1のアパーチャボディと関連付けられた第1の電極システムと、
第2のアパーチャボディの各アパーチャの周囲表面に電位を印加するように構成された第2のアパーチャボディと関連付けられた第2の電極システムと、を含み、
第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、第1のアパーチャボディのアパーチャの複数のグループのうちの異なるグループの周囲表面に同時に電気的に接続される、アパーチャアセンブリ。
41.荷電粒子マルチビーム投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリであって、
第1の複数のアパーチャを規定する第1のアパーチャボディと、
アパーチャアセンブリを通るマルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームの経路を規定するように第1の複数のアパーチャを基準にして位置決めされる対応する複数のアパーチャを規定する第2のアパーチャボディと、を含み、
第1のアパーチャボディ内のアパーチャの少なくともサブセットの各々は、細長いスリットであり、
細長いスリットに対応する複数のアパーチャの対応する各アパーチャは、細長いスリットよりも小さなアスペクト比を有する開口部である、アパーチャアセンブリ。
42.荷電粒子マルチビーム投影装置のビームマニピュレータユニットであって、レンズを含み、該レンズは、
関連するアップビーム擾乱電極アレイを有するアップビームレンズアパーチャアレイと、
関連するダウンビーム擾乱電極アレイを有するダウンビームレンズアパーチャアレイと、を含み、
アップビームレンズアパーチャアレイ、ダウンビームレンズアパーチャアレイ、及び擾乱アレイは、各アレイ内のアパーチャが、マニピュレータユニットを通るマルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームの経路を規定するように、互いに対して位置決めされ、
アップビーム及びダウンビーム擾乱電極は、動作中にレンズによって生成された場に擾乱場を加えるように制御可能である、ビームマニピュレータユニット。
43.荷電粒子ビームを操作する方法であって、
関連するアップビーム擾乱電極アレイを有するアップビームレンズアパーチャアレイと、関連するダウンビーム擾乱電極アレイを有するダウンビームレンズアパーチャアレイとを含むレンズを提供することと、
複数の荷電粒子ビームを、アップビームレンズアパーチャアレイ及びダウンビームレンズアパーチャアレイの各々内のそれぞれのアパーチャを通過させることと、
レンズによって生成された場に擾乱場を加えるようにアップビーム及びダウンビーム擾乱電極を制御することと、を含む方法。
【0108】
[0138] 本明細書で考察される荷電粒子ビームツール40のいずれも、評価ツールであり得る。本開示の一実施形態による評価ツールは、サンプルの定性的評価(例えば、合格/不合格)を行うツール、又は、サンプルの定量的測定(例えば、フィーチャのサイズ)を行うツール、又はサンプルのマップの画像を生成するツールであり得る。評価ツールの例は、(例えば、欠陥を特定するための)検査ツール、(例えば、欠陥を分類するための)レビューツール、及び計測ツール及び計測ツール、又は、検査ツール、レビューツール、若しくは計測ツールに関連した評価機能の任意の組み合わせを実施することができるツール(例えば、計測検査ツール)である。電子光学コラム40は、検査ツール若しくは計測検査ツール、又は電子ビームリソグラフィツールの一部などの、評価ツールの構成要素であり得る。本明細書でのツールへの言及は、デバイス、装置、又はシステムを包含することを意図しており、ツールは、様々な構成要素であって、一所に置かれていることも置かれていないこともある、特に例えばデータ処理要素については、別々の部屋に配置されていることさえあり得る、様々な構成要素を含む。
【0109】
[0139] 「サブビーム」及び「ビームレット」という用語は、本明細書では互換的に使用され、両方とも、親の放射ビームを分割又は分裂させることにより、親の放射ビームから導出された任意の放射ビームを包含するものと理解される。「マニピュレータ」という用語は、レンズ又は偏向器などの、サブビーム又はビームレットの経路に影響を与える任意の要素を包含するように使用される。
【0110】
[0140] 本発明について様々な実施形態と関連付けて説明してきたが、当業者には、本明細書で開示される発明の明細及び実施を考慮することから、他の実施形態が明らかであろう。この明細書及び例は、単なる例とみなされることが意図されており、本発明の真の範囲及び趣旨は、以降の特許請求の範囲によって示される。
【0111】
[0141] 上記の説明は、例示的であることを意図しており、限定するものではない。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、説明したように変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子投影装置のビームマニピュレータユニット用のアパーチャアセンブリであって、
第1のアパーチャボディ及び第2のアパーチャボディを含み、
前記第1のアパーチャボディ内の複数のアパーチャは、前記第2のアパーチャボディ内の対応する複数のアパーチャと位置合わせされ、前記位置合わせは、複数の荷電粒子ビームの各々の経路が、前記第1のアパーチャボディ及び前記第2のアパーチャボディ内のそれぞれのアパーチャを通過することにより、前記アパーチャアセンブリを通過できるようにするようなものであり、
前記第1のアパーチャボディは、前記第1のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第1の電極システムを含み、
前記第2のアパーチャボディは、前記第2のアパーチャボディ内の各アパーチャのアパーチャ周囲表面に電位を印加するための第2の電極システムを含み、
前記第1の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、前記第1のアパーチャボディ内の前記アパーチャの複数のグループのうちの異なるグループの前記アパーチャ周囲表面に電気的に接続される、アパーチャアセンブリ。
【請求項2】
前記アパーチャのグループのうちの少なくとも2つが、同じ数のアパーチャを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の電極システムの各電極は、細長い導電性ストリップを含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のアパーチャボディ内の前記アパーチャは、アレイに配置される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記細長い導電性ストリップは、互いに対して平行に、且つ前記アレイの原理軸に対して垂直になっている、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記細長い導電性ストリップの短軸に平行な前記細長い導電性ストリップのピッチは、前記短軸に平行な前記アレイのピッチよりも大きい、又は、前記細長い導電性ストリップの短軸に平行な前記細長い導電性ストリップのピッチは、前記短軸に平行な前記アレイのピッチと等しい、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の電極は、互いに隙間なく埋め尽くすように構成された複数の導電性要素を含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の電極は、同心ループの少なくとも一部分を含む複数の導電性要素を含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第2の電極システムは、前記第2のアパーチャボディの前記アパーチャ周囲表面の全てに電気的に接続された電極を含む、請求項1から3の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の電極システムは複数の電極を含み、各電極は、他の電極から互いに電気的に絶縁され、前記第2のアパーチャボディ内の前記アパーチャの複数のグループのうちの異なるグループの前記アパーチャ周囲表面に電気的に接続される、請求項1から8の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の電極システムの各電極は、細長い導電性ストリップを含み、
前記第2の電極システムの各電極は、細長い導電性ストリップを含み、
前記第1の電極システムの前記細長い導電性ストリップは、前記第2の電極システムの前記細長い導電性ストリップと平行ではない、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のアパーチャボディ内の前記アパーチャ及び/又は前記第2のアパーチャボディ内の前記アパーチャは、湾曲した縁を有する形状を有する、請求項1から3の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のアパーチャボディ内の前記アパーチャの複数のサブセットのうちの少なくとも1つのサブセットの各アパーチャは、細長いスリットからなり、
前記第2のアパーチャボディ内の対応する各アパーチャは、前記細長いスリットの最長軸と平行な方向において前記細長いスリットよりも小さい開口部からなる、請求項1から3の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
荷電粒子投影装置用のビームマニピュレータユニットであって、
請求項1から3の何れか一項に記載のアパーチャアセンブリと、
電気駆動ユニットであって、複数の荷電粒子ビームが前記アパーチャアセンブリを通ってサンプルに向けられている間に、前記第1のアパーチャボディ及び/又は前記第2のアパーチャボディ内のアパーチャの前記アパーチャ周囲表面に電位を印加するように構成された、電気駆動ユニットと、
複数のレンズであって、各レンズは、荷電粒子のそれぞれのサブビームを投影するように構成される、複数のレンズと、を含む、ビームマニピュレータユニット。
【請求項15】
前記複数のレンズは、それぞれのサブビームをサンプルに投影するように構成された複数の対物レンズを含む、請求項14に記載のビームマニピュレータユニット。
【外国語明細書】