(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178681
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】データ管理装置、データ管理システム、データ管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
H04Q9/00 311H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097005
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿達 大輝
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048BA34
5K048DC01
5K048EB10
(57)【要約】
【課題】従来の技術では、検出対象に関する環境データのうち、必要な環境データを残すという点については十分に考慮されていない、という課題がある。
【解決手段】データ管理装置5は、環境データに係る適正環境条件を設定、登録し(ステップS13)、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データを取得し(ステップS24)、取得した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる(ステップS25)。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出手段によって検出された検出対象に関する環境データを管理するデータ管理装置であって、
前記環境データに係る適正環境条件を設定する設定手段と、
時間経過に伴い検出された前記検出対象に関する環境データを取得する取得手段と、
取得した前記環境データのうち、設定した前記適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を有する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ管理装置であって、更に、
前記適正環境条件の入力を受け付ける受付手段、
を有し、
前記設定手段は、
前記受付手段により受け付けられた前記適正環境条件の入力に基づいて、前記適正環境条件を設定する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項3】
前記検出手段は1以上の環境センサであって、前記受付手段は、
前記適正環境条件と、前記適正環境条件が適用される前記1以上の環境センサの環境センサ名と、が対応付けられた入力を受け付ける、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ管理装置であって、更に、
前記適正環境条件と前記環境センサ名とを一つのグループとする入力画面を表示手段に表示させる表示制御手段、
を有する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記適正環境条件に基づいて記憶された前記非適正環境データを前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
前記環境センサは、
温度センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサを含む、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
【請求項7】
前記検出対象は、
生鮮食品、医薬品、加工食品、家畜としての生物、及び前記家畜を加工した加工食品を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
【請求項8】
検出手段によって検出された検出対象に係る環境データを送信するセンサデータ転送システムと、前記環境データを管理するデータ管理装置と、を有するデータ管理システムであって、
前記センサデータ転送システムは、
前記検出対象に係る環境データを所定の時間間隔で検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された環境データを前記データ管理装置に対して送信する送信手段と、
を有し、
前記データ管理装置は、
前記センサデータ転送システムが送信した前記環境データを受信する受信手段と、
前記検出対象に係る環境データの適正環境条件を設定する設定手段と、
受信した前記環境データのうち、設定した前記適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を有する、
ことを特徴とするデータ管理システム。
【請求項9】
検出手段によって検出された検出対象に関する環境データを管理するデータ管理装置が実行するデータ管理方法であって、
前記環境データに係る適正環境条件を設定する設定ステップと、
時間経過に伴い検出された前記検出対象に関する環境データを取得する取得ステップと、
取得した前記環境データのうち、設定した前記適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
を実行する、
ことを特徴とするデータ管理方法。
【請求項10】
検出手段によって検出された検出対象に関する環境データを管理するデータ管理装置に実行させるプログラムであって、
前記環境データに係る適正環境条件を設定する設定ステップと、
時間経過に伴い検出された前記検出対象に関する環境データを取得する取得ステップと、
取得した前記環境データのうち、設定した前記適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理装置、データ管理システム、データ管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等の衛生管理を行うためにさまざまな衛生管理データを用いた技術が普及している。
【0003】
例えば、衛生管理業務を効率化する目的で、食品衛生管理支援装置において、衛生管理データが管理基準から逸脱している場合、是正情報を表示部20に表示させた後、衛生管理データと衛生管理データが管理基準データから逸脱している旨を示す情報とを、衛生管理データ記憶手段14に書き込む技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、検出対象に関する環境データのうち、必要な環境データを残すという点については十分に考慮されていない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、検出手段によって検出された検出対象に関する環境データを管理するデータ管理装置であって、検出手段によって検出された検出対象に関する環境データを管理するデータ管理装置であって、前記環境データに係る適正環境条件を設定する設定手段と、時間経過に伴い検出された前記検出対象に関する環境データを取得する取得手段と、取得した前記環境データのうち、設定した前記適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、を有する、ことを特徴とするデータ管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、検出対象に関する環境データのうち、必要な環境データを残すことが可能になる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るデータ管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】センサユニットのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】センサデータ転送装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】データ管理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】データ管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】適正環境条件管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図7A】環境データ管理テーブルに係る所定の状態の一例を示す概念図である。
【
図7B】環境データ管理テーブルに係る他の所定の状態の一例を示す概念図である。
【
図8】適正環境条件の登録処理を含むシーケンス図の一例である。
【
図9】適正環境条件を含む各種情報設定画面の一例を示す図である。
【
図10】朝晩データ判定処理及びデータ抽出処理を含むシーケンス図の一例である。
【
図11】朝晩データ判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】データ抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13A】環境データの抽出結果画面の一例である。
【
図13B】環境データの抽出結果画面の他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0009】
〔第1の実施形態〕
<データ管理システム>
まず、本実施形態に係るデータ管理システムについて説明する。
図1は、実施形態に係るデータ管理システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すデータ管理システム1(データ管理システムの一例)は、センサデータ転送システム2(センサデータ転送システムの一例)と、データ管理装置5(データ管理装置の一例)と、を含む。センサデータ転送システム2とデータ管理装置5とは、通信ネットワーク100を介して互いに接続されている。通信ネットワーク100は、不特定多数の通信が行われる通信ネットワークであり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信による通信ネットワークが含まれてもよい。これにより、センサデータ転送システム2とデータ管理装置5とは、専用の有線ケーブルで直接接続されていてもよい。
【0010】
また、センサデータ転送システム2は、検出対象の環境データを検出するセンサユニット3(検出手段の一例)と、センサユニット3によって検出された検出対象に係る環境データを転送するセンサデータ転送装置4(センサデータ転送装置の一例)を含む。このとき、検出対象には、生鮮食品、医薬品、家畜(牛、豚、鳥等)としての生物、及び家畜(牛、豚、鳥等)を加工した加工食品等が含まれる。
【0011】
なお、センサユニット3は、センサユニット3A,3B,3C等のように検出対象のそれぞれに設けられているが、特に断りが無い限りは単にセンサユニット3と記載する。同様に、センサデータ転送装置4は、センサデータ転送装置4A、4B,4C等のように、センサユニット3A,3B,3C等にそれぞれに対応付けて設けられているが、特に断りが無い限りは単にセンサデータ転送装置4と記載する。
【0012】
<センサユニット>
センサユニット3は、検出対象に係る各種環境データを時間経過に伴い検出可能な1以上の環境センサで構成されている。なお、検出対象には、生鮮食品、医薬品、加工食品等が含まれる。これらの検出対象に関する環境データには、温度、湿度、照度、圧力等に係るデータが含まれる。また、時間経過には、所定の時間間隔が含まれる。また、環境センサには、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサが含まれる。またセンサユニット3は、一般的な温湿度センサ、照度センサ、圧力センサ等を含む。またセンサユニット3は、検出対象が保存、保管される冷蔵庫、冷凍庫等の本体、又は検出対象自身若しくは検出対象の周辺に設けられ、検出した環境データを、センサユニット3の近傍に設けられたセンサデータ転送装置4に渡す。このとき、センサユニット3は、センサデータ転送装置4に対して、固有の通信手段を介して環境データを渡すようにしてもよい。
【0013】
<センサデータ転送装置>
センサデータ転送装置4は、センサユニット3が検出した各種環境データを受け取り、通信ネットワーク100を介してデータ転送装置4に対して各種環境データを送信する装置である。また、センサデータ転送装置4は、一般的なサーバOSなどが搭載された一以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現され、データ管理システム1(センサデータ転送システム2)を構築する一つの構成要素である。また、センサデータ転送装置4は、他の装置、通信端末と通信を行うための通信アプリを記憶手段にインストールして記憶している。上述したように、本実施形態では、検出される環境データは複数であってもよい。
【0014】
<データ管理装置>
データ管理装置5は、センサユニット3によって検出された検出対象に係る環境データを転送する装置(サーバ)である。また、データ管理装置5は、一般的なサーバOSなどが搭載された一以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現され、データ管理システム1を構築する一つの構成要素である。また、データ管理装置5は、他の装置、通信端末と通信を行うための通信アプリを記憶手段にインストールして記憶している。またデータ管理装置5は、通信ネットワーク100に接続されたクラウド上で提供されるクラウドサービスであってもよい。その場合、データ管理装置5の機能は、通信ネットワーク100に接続された通信端末等において起動されたWebブラウザ上で実現される構成であってもよい。
【0015】
なおデータ管理装置5では、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、データ管理装置5の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。また上述したように、データ管理装置5は、ブラウザソフトウエア等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0016】
また、データ管理装置5は、データ管理システム1に含まれる他の通信端末、装置等に対してプッシュ通知(送信)によりデータ(情報)を通知(送信)してもよい。その場合、データ管理装置5は、例えば、プッシュ通知サーバの一例であるFCM(Firebase Cloud Messaging)を介してプッシュ通知が行われるようにしてもよい。
【0017】
●用語について●
本実施形態において「検出対象」とは、生鮮食品、医薬品、加工食品等を含み、環境センサにより環境データが検出される対象をいう。
【0018】
また本実施形態において「環境データ」とは、センサユニット3によって検出される「検出対象」及び「検出対象」周辺の少なくとも一方の温度、湿度、照度、圧力(気圧)等に係るデータをいう。
【0019】
〔ハードウエア構成〕
続いて、
図2乃至
図4を用いて、実施形態に係るデータ管理システムを構成する装置又は通信端末のハードウエア構成について説明する。なお、
図2乃至
図4に示されている各装置のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0020】
<センサユニットのハードウエア構成>
図2は、センサユニットのハードウエア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、センサユニット3は、一般的に利用される各種センサによって構成されており、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、近距離通信I/F308、温度センサ315、湿度センサ316、照度センサ317、圧力センサ318及びバスライン320を備えている。
【0021】
これらのうち、CPU301は、センサユニット3全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。EEPROM304は、CPU301の制御にしたがって、検出したセンサデータ(環境データ)をセンサデータ転送装置4に渡すためのアプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。近距離通信I/F308は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備えるセンサデータ転送装置4とデータ通信を行うための通信回路(通信インターフェイス)である。
【0022】
温度センサ315は、検出対象及び検出対象周辺の温度の少なくとも一方の温度を検出する。湿度センサ316は、検出対象及び検出対象周辺の湿度の少なくとも一方の湿度を検出する。照度センサ317は、検出対象周辺の照度を検出する。圧力センサ318は、検出対象及び検出対象周辺の圧力の少なくとも一方の圧力(各検出対象周辺の気圧)を検出する。但し、センサユニット3は、上述した各種センサに限らない。バスライン320は、CPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0023】
<センサデータ転送装置のハードウエア構成>
図3は、センサデータ転送装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、センサデータ転送装置4は、例えばコンピュータによって構築されており、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、近距離通信I/F408、ネットワークI/F411、外部機器接続I/F416及びバスライン420を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU401は、センサデータ転送装置4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。EEPROM404は、各種設定データ(情報)等を記憶する。ここで、センサデータ転送装置4は、EEPROM404に代えて、SSD(Solid State Drive)を搭載したハードウエア構成であってもよい。近距離通信I/F408は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備える通信装置又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。
【0025】
ネットワークI/F411は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。外部機器接続I/F416は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスであり、他の装置又は通信端末と専用の有線ケーブルを用いて接続される。なお、外部機器は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。バスライン420は、CPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0026】
<データ管理装置のハードウエア構成>
図4は、データ管理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4に示されているように、データ管理装置5は、例えばコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、EEPROM504、HD(Hard Disk)505、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ506、ディスプレイ507、近距離通信I/F508、CMOSセンサ509、撮像素子I/F510を備えている。データ管理装置5は更に、ネットワークI/F511、キーボード512、ポインティングデバイス513、メディアI/F515、外部機器接続I/F516、音入出力I/F517、マイク518、スピーカ519及びバスライン520を備えている。
【0027】
これらのうち、CPU501は、データ管理装置5全体の動作を制御する。ROM502は、CPU501の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。EEPROM504は、CPU501の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。HD505は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ506は、CPU501の制御にしたがってHD505に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。ここで、データ管理装置5は、HD505及びHDDコントローラ206に代えて、SSD(Solid State Drive)を搭載したハードウエア構成であってもよい。ディスプレイ507は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像などの各種情報を表示する。本実施形態において、ディスプレイ507は、表示手段の一例として機能する。近距離通信I/F508は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備える通信装置又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。CMOSセンサ509は、CPU501の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F510は、CMOSセンサ509の駆動を制御する回路である。
【0028】
ネットワークI/F511は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。キーボード512は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。なお、キーボード512に代えて又は加えて、所定のボタン、アイコン等を操作するタッチパネル等の入力手段を用いてもよい。ポインティングデバイス513は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F515は、フラッシュメモリ等の記録メディア514に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F516は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスである。なお、外部機器は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。音入出力I/F517は、CPU501の制御にしたがってマイク518及びスピーカ519との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク518は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ519は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。バスライン520は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
なお、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標。以下省略)、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、データ管理システム1は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係るデータ管理方法を実現する。
【0030】
〔データ管理システムの機能構成〕
次に、
図5乃至
図7を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図5は、データ管理システムの機能構成の一例を示す図である。なお、
図5は、
図1に示されているセンサユニット3、センサデータ転送装置4、データ管理装置5のうち、後述する処理又は動作に関連するものを示す。
【0031】
<センサデータ転送装置の機能構成>
次に、センサデータ転送装置の機能構成について説明する。
図5に示されているように、センサデータ転送装置4は、送受信部41、取得部43、中継部46、生成部47及び記憶読出部49を有する。これら各機能部は、
図3に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM402及びEEPROM404のうち少なくとも一つからRAM403に展開されたセンサデータ転送装置4用のプログラムに従ったCPU401からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、センサデータ転送装置4は、
図3に示されているROM402及びEEPROM404のうち少なくとも一つにより構築される記憶部4000を有している。更に、記憶部4000には、データ管理装置5と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)等が記憶されている。
【0032】
<<センサデータ転送装置の各機能構成>>
次に、センサデータ転送装置の各機能構成について詳細に説明する。
図5に示されているセンサデータ転送装置4の送受信部41は、主に、ネットワークI/F411及び近距離通信I/F408に対するCPU401の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介してデータ管理装置5との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部41は、センサユニット3によって検出された環境データをデータ管理装置5に対して送信する。本実施形態において送受信部41は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0033】
取得部43は、主に、CPU401の処理によって実現され、センサユニット3によって検出された検出対象に係る各種センサデータ(環境データ)を取得する。本実施形態において取得部43は、取得手段の一例として機能する。
【0034】
中継部46は、主に、近距離通信I/F408に対するCPU401の処理によって実現され、センサユニット3が渡した検出対象に係る各種センサデータ(環境データ)をデータ管理装置5に送信するための中継機能を担う。本実施形態において中継部46は、中継手段の一例として機能する。
【0035】
生成部47は、主に、CPU401の処理によって実現され、センサデータ転送装置4における各種データを生成する。本実施形態において生成部47は、生成手段の一例として機能する。
【0036】
記憶読出部49は、主に、ROM402及びEEPROM404のうち少なくとも一つに対するCPU401の処理によって実現され、記憶部4000に各種データ(情報)を記憶したり、記憶部4000から各種データ(情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部49は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0037】
<データ管理装置の機能構成>
次に、データ管理装置の機能構成について説明する。
図5に示されているように、データ管理装置5は、送受信部51、操作受付部52、取得部53、表示制御部54、判断部55、設定登録部56、生成部57及び記憶読出部59を有する。これら各機能部は、
図4に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM502、EEPROM504、HD505及び記録メディア514のうち少なくとも一つからRAM503に展開されたデータ管理装置5用のプログラムに従ったCPU501からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、データ管理装置5は、
図4に示されているROM502、EEPROM504、HD505及び記録メディア514のうち少なくとも一つにより構築される記憶部5000を有している。更に、記憶部5000には、センサデータ転送装置4と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)、各機能アプリ、ブラウザアプリ等が記憶されている。
【0038】
<<データ管理装置の各機能構成>>
次に、データ管理装置5の各機能構成について詳細に説明する。
図5に示されているデータ管理装置5の送受信部51は、主に、ネットワークI/F511及び近距離通信I/F508に対するCPU501の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介してセンサデータ転送装置4との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部51は、センサデータ転送システム2が送信した環境データを受信する。本実施形態において送受信部51は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0039】
操作受付部52は、主に、ディスプレイ507、キーボード512及びポインティングデバイス513のうち少なくとも一方が受け付けた各種操作により生成された信号をCPU501が処理することによって実現される。また操作受付部52は、温度、湿度、照度、圧力等の環境データに係る適正環境条件の入力を受け付ける。また操作受付部52は、適正環境条件と、適正環境条件が適用される1以上の環境センサの環境センサ名と、が対応付けられた入力を、後述する適正環境条件設定画面において受け付ける。なお、操作受付部52は、ディスプレイ507、キーボード512及びポインティングデバイス513に代えて、タッチパネル等の入力手段が受け付けた各種操作により生成された信号が用いられてもよい。本実施形態において操作受付部52は、受付手段の一例として機能する。
【0040】
取得部53は、主に、CPU501の処理によって実現され、送受信部51によって受信されたセンサデータ転送装置4からの各種情報(データ)を取得する。また取得部53は、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データを取得する。本実施形態において取得部53は、取得手段の一例として機能する。
【0041】
表示制御部54は、主に、データ管理装置5のディスプレイ507に対するCPU501の処理によって実現され、データ管理装置5における各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また表示制御部54は、適正環境条件と環境センサ名とを一つのグループとする入力画面(後述する適正環境条件設定画面5111)をディスプレイ507又は利用者の通信端末上に表示させる。また表示制御部54は、適正環境条件に基づいて記憶された非適正環境データをディスプレイ507又は利用者の通信端末上に表示させる。本実施形態において表示制御部54は、表示制御手段の一例として機能する。
【0042】
判断部55は、主に、CPU501の処理によって実現され、データ管理装置5における各種判断を行う。本実施形態において判断部55は、判断手段の一例として機能する。
【0043】
設定登録部56は、主に、CPU501の処理によって実現され、入力された検出対象に関する環境データに係る適正環境条件を設定、登録する。また設定登録部56は、検出対象の環境データに係る適正環境条件を設定する。また設定登録部56は、操作受付部52により受け付けられた適正環境条件の入力に基づいて、適正環境条件を設定する。本実施形態において設定登録部56は、設定手段の一例、登録手段の一例として機能する。
【0044】
生成部57は、主に、CPU501の処理によって実現され、データ管理装置5のディスプレイ507に表示させる各種画面情報等を生成する。本実施形態において生成部57は、生成手段の一例として機能する。
【0045】
記憶読出部59は、主に、ROM502、EEPROM504、HD505及び記録メディア514のうち少なくとも一つにより構築される記憶部5000に対するCPU501の処理によって実現される。記憶読出部59は、記憶部5000に各種データ(情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(情報)を読み出したりする。また、記憶読出部59は、取得した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶部5000の所定領域、若しくは、後述する環境データ管理DB5002(
図7参照)に記憶させる。本実施形態において記憶読出部59は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0046】
●適正環境条件管理テーブル●
図6は、適正環境条件管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部5000には、
図6に示されているような適正環境条件管理テーブルによって構成された適正環境条件管理DB5001が構築されている。適正環境条件管理テーブルでは、グループIDをタブとしたそれぞれのタブごとに、センサ名、適正温度、適正湿度、適正照度、適正圧力を含む項目が関連付けられて記憶、管理されている。これらのうち、グループIDは、例えば、センサデータ転送システム2を利用するグループの識別情報を表す。センサ名は、それぞれの検出対象及び検出対象の周辺に設けられている物、場所を表し、例えば、冷蔵庫A,B,Cである。適正温度、適正湿度、適正照度、適正圧力を含む項目は、検出対象及び検出対象の周辺に設けられたセンサユニット3により検出される環境データを表す。
【0047】
本実施形態において適正環境条件管理テーブル(適正環境条件管理DB5001)は、適正環境条件管理手段の一例として機能する。
【0048】
●環境データ管理テーブル●
図7は、環境データ管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部5000には、
図7に示されているような環境データ管理テーブルによって構成された環境データ管理DB5002が構築されている。環境データ管理テーブルでは、センサ名をタブとしたそれぞれのタブごとに、日時、温度、湿度等を含む環境データ、電池残量、朝晩フラグが関連付けられて記憶、管理されている。
【0049】
これらのうち、電池残量は、各センサユニット3を駆動するための電池の残量を百分率で表したものである。朝晩フラグは、一日のうち朝及び晩を表す所定の時間に合致する時間若しくは所定の時間帯に合致する時間帯に付与されるフラグであり、例えば「1」等で表される。
【0050】
なお、
図7Aは、データ抽出処理が実行される前の日時に対応する各環境データが管理された状態であり、
図7Bは、データ抽出処理が実行される前の日時に対応する各環境データが管理された状態を表している。
【0051】
本実施形態において環境データ管理テーブル(環境データ管理DB5002)は、環境データ管理手段の一例として機能する。
【0052】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図8乃至
図13を用いて、実施形態に係るデータ管理システムにおける各処理又は動作を説明する。なお、以降に示すシーケンス図は、本実施形態を説明するための一例であり、これに限らない。
【0053】
<適正環境条件の登録処理>
図8は、適正環境条件の登録処理を含むシーケンス図の一例である。
図8に示されているように、データ管理装置5の表示制御部54は、データ管理装置5のディスプレイ507に適正環境条件設定画面を表示させる(ステップS11)。
【0054】
●画面表示例●
図9は、適正環境条件を含む各種情報設定画面の一例を示す図である。
図9に示されているように、データ管理装置5のディスプレイ507には、表示制御部54によって適正環境条件設定画面5111が表示される。適正環境条件設定画面5111には、センサデータ転送システム2を利用するグループのグループ名、適正環境条件の一例である環境温度の設定幅(例えば、2℃以上11℃以下)を入力する適正環境条件入力部、センサ名入力部、他のグループを追加するためのグループ追加ボタン5151及び入力した値を設定するための設定ボタン5152が表示される。これにより、例えば、グループを管理する管理者(利用者の一例)は、適正環境条件と検出対象を検出する各センサ名とを入力した後、設定ボタン5152を操作することにより、所望の入力データを設定させることが可能になる。
【0055】
なお、
図9に示した適正環境条件設定画面5111おいて、センサユニット3により検出される各検出対象名と、それぞれの検出対象名に対応付けた保存期間を別途入力する入力部が設けられてもよい。これにより、適正環境条件(適正温度等)と、各検出対象名に対応付けた保存期間と、に基づいて、非適正環境データが選択されるようなUIが提示されてもよい。
【0056】
図8に戻り、データ管理装置5の操作受付部52は、適正環境条件入力を受け付ける(ステップS12)。この処理は、上述したとおりである。
【0057】
次に、設定登録部56は、適正環境条件を設定、登録する(ステップS13)。具体的には、設定登録部56は、ステップS12で入力を受け付けた適正環境条件としての各入力データを適正環境条件管理DB5001(
図6参照)の対応する項目にそれぞれ登録する。
【0058】
以上の処理により、管理者が入力した所定の検出対象に係る各種適正環境条件の設定処理が行われる。
【0059】
<朝晩データ判定処理及びデータ抽出処理>
続いて、朝晩データ判定処理及びデータ抽出処理について説明する。
図10は、朝晩データ判定処理及びデータ抽出処理を含むシーケンス図の一例である。
図10に示されているように、センサデータ転送システム2を構成するセンサユニット3及びセンサデータ転送装置4の取得部43は、センサによる検出及び受渡しを行う(ステップS21)。具体的には、センサユニット3は、各センサが設けられた検出対象に関する環境データを検出し、検出した環境データをセンサデータ転送装置4に受け渡す。これにより、センサデータ転送装置4は、センサユニット3が検出した検出対象に関する環境データを取得する。このとき、センサデータ転送装置4は。中継部46を介して環境データを取得するようにしてもよい。
【0060】
次に、データ転送装置4の送受信部41は、データ管理装置5に対してセンサにより検出された検出データ(環境データ)を転送する(ステップS22)。これにより、データ管理装置5の送受信部51は、センサデータ転送装置4が送信した検出データ(環境データ)を受信する。
【0061】
続いて、データ管理装置5の設定登録部56は、検出データを登録する(ステップS23)。具体的には、設定登録部56は、ステップS22で受信した検出データを、環境データ管理DB5002(
図7参照)で管理されている各センサの各環境データの項目に登録する。
【0062】
本実施形態においてデータ管理システム1は、上述したステップS21乃至S23までの処理を、各センサで検出された検出データ(環境データ)のすべてに対して繰り返し実行する(ループ処理を実行)するようにしてもよい。
【0063】
<朝晩データ判定処理>
次に、データ管理装置5は、朝晩データ判定処理を実行する(ステップS24)。以下に、朝晩データ判定処理の詳細を説明する。
図11は、朝晩データ判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態において、朝晩データ判定処理の詳細は、以下に示すフローチャートに限らない。
【0064】
まず、データ管理装置5は、データ管理装置5に記憶、管理されている全レコードについて、ステップS24-1乃至ステップS24-5の処理を繰り返し実行する(ステップS24-1)。本実施形態において「レコード」とは、取得した環境データに係る記録をいう。
【0065】
次に、取得部53は、センサの計測日時(時刻)を取得する(ステップS24-2)。より詳細には、取得部53は記憶読出部59を介して、環境データ管理DB5002(
図7参照)で管理されているセンサ名のタブごとに、前日のデータ(日時情報)を読み出す。
【0066】
次に、判断部55は、読み出した計測日時が前レコードより所定の日時(例えば、6:00, 18:00)に近いかを判断する(ステップS24-3)。
【0067】
読み出した計測日時が前レコードより所定の日時(例えば、6:00, 18:00)に近いと判断した場合(ステップS24-3:YES)、データ管理装置5は、ステップS24-5を経由して次のレコードに対する処理(ステップS24-1)に移り、次のレコードに係る処理を繰り返す。
【0068】
他方、読み出した計測日時が前レコードより所定の日時(例えば、6:00, 18:00)に近くないと判断した場合(ステップS24-3:YES)、設定登録部56は、前レコードに朝(晩)の記録のフラグを立てる(ステップS24-4)。具体的には、設定登録部56は、読み出した計測日時が前レコードより所定の日時(例えば、6:00, 18:00)に近いデータ、例えば、6:00の前後15分以内の時間帯、18:00の前後15分の時間帯に合致する日時に対応する朝晩フラグの項目に「1」を登録する。
図7Aに示した環境データ管理DB5002では、06:00:00, 18:15:00に対応する朝晩フラグに「1」が登録される。
【0069】
その後、データ管理装置5は、ステップS24-5を経由して次のレコードに対する処理(ステップS24-1)に移り、次のレコードに係る処理を繰り返す。
【0070】
データ管理装置5は、全レコードについて繰返しの処理を終了した時点で、このフローを抜ける。
【0071】
<データ抽出処理>
図10に戻り、データ管理装置5は、データ抽出処理を実行する(ステップS25)。以下に、データ抽出処理の詳細を説明する。
図12は、データ抽出処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態において、朝晩データ判定処理の詳細は、以下に示すフローチャートに限らない。
【0072】
まず、データ管理装置5は、データ管理装置5に記憶、管理されている全レコードについて、ステップS25-1乃至ステップS25-5の処理を繰り返し実行する(ステップS25-1)。
【0073】
次に、取得部53は、センサ名に対応する環境データ(温度)の閾値を取得する(ステップS25-2)。具体的には、取得部53は記憶読出部59を介して、適正環境条件管理DB5001(
図6参照)で管理されているグループのタブごとに、各センサ名に対応する環境データの閾値(適正環境条件:適正温度、適正湿度、等)を読み出す。
【0074】
次に、判断部55は、閾値を逸脱しているかを判断する(ステップS25-3)。具体的には、判断部55は記憶読出部59を介して環境データ管理DB5002(
図7参照)で管理されている各センサのレコードデータ(環境データ)を読み出し、ステップS25-2で取得した各センサ名に対応する環境データの閾値(適正環境条件:適正温度、適正湿度、等)と比較して、閾値を逸脱している環境データの有無を判断する。
【0075】
閾値を逸脱していると判断した場合(ステップS25-3:YES)、データ管理装置5は、ステップS25-6を経由して次のレコードに対する処理(ステップS25-1)に移り、次のレコードに係る処理を繰り返す。つまり、データ管理装置5は、閾値を逸脱した記録(環境データ)を環境データ管理DB5002に残す処理を行う。
【0076】
他方、閾値を逸脱していないと判断した場合(ステップS25-3:NO)、判断部55は更に、朝晩の記録であるかを判断する(ステップS25-4)。
【0077】
朝晩の記録であると判断した場合(ステップS25-4:NO)、データ管理装置5は、ステップS25-6を経由して次のレコードに対する処理(ステップS25-1)に移り、次のレコードに係る処理を繰り返す。つまり、データ管理装置5は、朝晩の記録(環境データ)を環境データ管理DB5002に残す処理を行う。
【0078】
他方、朝晩の記録でないと判断した場合(ステップS25-4:YES)、設定登録部56は記憶読出部59を介してレコードを削除する(ステップS25-5)。具体的には、設定登録部56は、読み出した記録における朝晩フラグに「1」が付与されていない記録、例えば、6:00の前後15分を超える時間帯の記録、18:00の前後15分を超える時間帯の記録をそれぞれ削除する。なお、ステップS25-4及びS25-5に係る処理において、判断時に参照する朝晩フラグの値は任意でよく、例えば、朝晩フラグに「0」が付与されていない記録を削除するようにしてもよい。
【0079】
上述したようにデータ管理装置5は、データ抽出処理において、
・予め設定した適正環境条件を満たさない非適正環境データ(閾値を逸脱した環境データ)
・朝晩に取得した環境データ
のうち少なくとも一方の環境データを環境データ管理DB5002に残す処理を実行する。但し、上述の環境データを残す方法は、上述したフローチャートに例示した手順及び内容に限らない。
【0080】
その後、データ管理装置5は、ステップS25-6を経由して次のレコードに対する処理(ステップS25-1)に移り、次のレコードに係る処理を繰り返す。
【0081】
データ管理装置5は、全レコードについて繰返しの処理を終了した時点で、このフローを抜ける。
【0082】
<抽出結果画面の表示>
再び
図10に戻り、データ管理装置5は、抽出結果画面を表示する(ステップS26)。具体的には、データ管理装置5の表示制御部54は、ディスプレイ507に以下に示すような環境データの抽出結果画面を表示させる。なお、表示制御部54は、ディスプレイ507に代えて、通信ネットワーク100を介して接続され利用者が使用する通信端末上に環境データの抽出結果画面を表示させてもよい。
【0083】
●画面表示例●
図13は、環境データの抽出結果画面の一例である。まず、
図13Aに示されているように、データ管理装置5のディスプレイ507には、表示制御部54によって環境データ抽出結果画面5121が表示される。環境データ抽出結果画面5121には、検出対象の状態をチェックするチェック実施者名、環境データ記録日、確認結果、コメント、及びチェック日時が表示される。これらは、データ管理装置5のディスプレイ507、又は、チェック実施者が使用する通信端末で起動されたWebアプリにより表示された画面である。これにより、チェック実施者は、確認結果と必要に応じて生成された確認結果に応じたコメントを確認することができる。
【0084】
●画面表示例●
なお、
図13Aに示した環境データ抽出結果画面5121をスクロールしたものが
図13Bの画面である。
図13Bに示した環境データ抽出結果画面5121では、冷蔵庫Aで検出され記録された環境データのうち、設定した適正環境条件を少なくとも一つ以上満たさない非適正環境データが、日時、各環境条件(温度、湿度、・・・、電池残量等)に対応付けて表示される。このとき、非適正環境データのうち閾値を逸脱した(外れた)環境条件に係る環境データ(例えば、温度データ)をグレーアウト表示させてもよい。但し、この場合の表示形態は、
図13Bに示したような表形式に限らない。これにより、チェック実施者は、冷蔵庫Aに保管されている検出対象のうち、どれが適正環境条件を満たさない状態であるかを視覚的に把握することが可能になる。その結果、適正環境条件を満たさない非適正環境データが検出された検出対象を、以降の処理から取り除くなどの適切な対応を取ることが可能になる。
【0085】
なお、
図13A、
図13Bに示した環境データ抽出結果画面5121では、センサが設けられた冷蔵庫Aで保存された生鮮食品について説明したが、これに限らない。例えば、医薬品、家畜(牛、豚、鳥等)としての生物、家畜を加工した加工食品等を検出対象とし、それらの検出対象の温度、湿度、体温等の結果を管理、表示するものであってもよい。
【0086】
本実施形態に係る情報処理システムでは、例えば、上述したステップS22の処理が実行される場合、センサデータ転送装置4とデータ管理装置5との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、センサデータ転送装置4とデータ管理装置5との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置等を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、センサデータ転送装置4とデータ管理装置5との間に他の処理ステップが存在した場合でも適用することが可能である。
【0087】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、データ管理装置5は、環境データに係る適正環境条件を設定、登録し(ステップS13)、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データを取得し(ステップS24)、取得した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる(ステップS25)。これにより、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データが増加した場合でも、必要なデータを選択的に残すことで記憶手段の大容量化を防止することが可能になる、という効果を奏する。
【0088】
〔実施形態の補足〕
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0089】
また、上述した実施形態において、データ管理装置5は、上述した各種処理を機械学習(人工知能:AIを利用した学習)によって学習させてもよい。データ管理装置5は、特に適正環境条件設定処理において、管理者が入力した検出対象ごとの各種データを学習し、学習した結果から予測される適正環境条件を管理者に提供するようなUIを提供するようにしてもよい。これにより、管理者が同様の検出対象に対して繰り返して入力する工程を削減する効果を期待することができる。
【0090】
これまで本発明の一実施形態に係るデータ管理装置、データ管理システム、データ管理方法及びプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。なお、上述した各構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。
【0091】
■まとめ■
本発明に係る態様は、例えば、以下のとおりである。
【0092】
<第1態様>
第1態様としてのデータ管理装置5(データ管理装置の一例。以下省略)は、センサユニット3(検出手段の一例。以下省略)によって検出された検出対象に関する環境データを管理するものであって、環境データに係る適正環境条件(適正温度、適正湿度、適正照度、適正圧力、等)を設定する設定登録部56(設定手段の一例。以下省略)と、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データを取得する取得部53(取得手段の一例。以下省略)と、取得した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを、環境データ管理DB5002を含む記憶部5000(記憶手段の一例)に記憶させる記憶読出部59(記憶制御手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0093】
第1態様によれば、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データが増加した場合でも、必要なデータを選択的に残すことで記憶手段の大容量化を防止することが可能になる。
【0094】
<第2態様>
第2態様としてのデータ管理装置5は、第1態様において、適正環境条件の入力を受け付ける操作受付部52(受付手段の一例。以下省略)を有し、設定登録部56は、操作受付部52により受け付けられた適正環境条件の入力に基づいて、適正環境条件を設定する。
【0095】
第2態様によれば、第1態様による効果に加えて、選択的にデータを残すための条件を利用者の入力によって設定することが可能になる。
【0096】
<第3態様>
第3態様としてのデータ管理装置5は、第2態様において、センサユニット3は1以上の環境センサであって、操作受付部52は、適正環境条件と、適正環境条件が適用される1以上の環境センサの環境センサ名と、が対応付けられた入力を受け付ける。
【0097】
第3態様によれば、第2態様による効果と同様の効果を得ることが可能になる。
【0098】
<第4態様>
第4態様としてのデータ管理装置5は、第3態様において、適正環境条件と環境センサ名とを一つのグループとする入力画面をディスプレイ507、又は、通信ネットワーク100を介して接続され利用者が使用する通信端末上に表示させる表示制御部54(表示制御手段の一例。以下省略)を有する。
【0099】
第4態様によれば、第2態様及び第3態様による効果に加えて、検出対象の枠を広げた管理を行うことが可能になる。
【0100】
<第5態様>
第5態様としてのデータ管理装置5の表示制御部54は、第4態様において、適正環境条件に基づいて記憶された非適正環境データをディスプレイ507、又は、通信ネットワーク100を介して接続され利用者が使用する通信端末上に表示させる。
【0101】
第5態様によれば、環境データが検出された検出対象のうち、環境条件設定を満たさない検出対象の詳細を容易に確認することが可能になる。
【0102】
<第6態様>
第6態様としてのデータ管理装置5のセンサユニット3を構成する環境センサは、第3態様乃至第5態様のいずれかにおいて、温度センサ315、湿度センサ316、照度センサ317、圧力センサ318を含む。
【0103】
第6態様によれば、検出対象及び検出対象の周辺のさまざまな状態に係るデータを容易に把握することが可能になる。
【0104】
<第7態様>
第7態様としてのデータ管理装置5で管理される検出対象は、第1態様乃至第6態様のいずれかにおいて、生鮮食品、医薬品、家畜(牛、豚、鳥等)としての生物、及び家畜(牛、豚、鳥等)を加工した加工食品を含む。
【0105】
第7態様によれば、検出対象のうち、生鮮食品、医薬品、加工食品等の状態を容易に把握することが可能になる。
【0106】
<第8態様>
第8態様としてのデータ管理システム1(データ管理システムの一例。以下省略)は、センサユニット3(検出手段の一例。以下省略)によって検出された検出対象に関する環境データを送信するセンサデータ転送システム2(センサデータ転送システムの一例。以下省略)と、環境データを管理するデータ管理装置5(データ管理装置の一例。以下省略)と、を有し、センサデータ転送システム2は、検出対象に係る環境データを所定の時間間隔で検出するセンサユニット3(検出手段の一例。以下省略)と、センサユニット3によって検出された環境データをデータ管理装置5に対して送信する送受信部41(送信手段の一例。以下省略)と、を有し、データ管理装置5は、センサデータ転送システム2が送信した環境データを受信する送受信部51(受信手段の一例。以下省略)と、検出対象に係る環境データの適正環境条件を設定する設定登録部56(設定手段の一例。以下省略)と、受信した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶読出部59(記憶制御手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0107】
第8態様によれば、第1態様と同様に、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データが増加した場合でも、必要なデータを選択的に残すことで記憶手段の大容量化を防止することが可能になる。
【0108】
<第9態様>
第9態様としてのデータ管理装置5(データ管理装置の一例。以下省略)が実行するデータ管理方法は、センサユニット3(検出手段の一例。以下省略)によって検出された検出対象に関する環境データを管理し、環境データに係る適正環境条件を設定する設定ステップと、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データを取得する取得ステップと、取得した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、を実行する。
【0109】
第9態様によれば、第1態様と同様に、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データが増加した場合でも、必要なデータを選択的に残すことで記憶手段の大容量化を防止することが可能になる。
【0110】
<第10態様>
第10態様としてのプログラムは、センサユニット3(検出手段の一例。以下省略)によって検出された検出対象に関する環境データを管理するデータ管理装置5(データ管理装置の一例。以下省略)に実行させるプログラムであって、センサユニット3(検出手段の一例。以下省略)によって検出された検出対象に関する環境データを管理し、環境データに係る適正環境条件を設定する設定ステップと、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データを取得する取得ステップと、取得した環境データのうち、設定した適正環境条件を満たす適正環境データを除いた非適正環境データを記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、を実行させる。
【0111】
第10態様によれば、第1態様と同様に、時間経過に伴い検出された検出対象に関する環境データが増加した場合でも、必要なデータを選択的に残すことで記憶手段の大容量化を防止することが可能になる。
【符号の説明】
【0112】
1 データ管理システム
2 センサデータ転送システム
3 センサユニット(検出手段の一例)
4 センサデータ転送装置
5 データ管理装置
41 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
51 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
52 操作受付部(受付手段の一例)
53 取得部(取得手段の一例)
54 表示制御部(表示制御手段の一例)
55 判断部(判断手段の一例)
56 設定登録部(設定手段の一例、登録手段の一例)
57 生成部(生成手段の一例)
59 記憶読出部(記憶読出手段の一例)
507 ディスプレイ(表示手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】