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特開2024-178802情報処理システム、映像配信システム、プログラム、チャプター情報作成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178802
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、映像配信システム、プログラム、チャプター情報作成方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/854 20110101AFI20241218BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20241218BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20241218BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241218BHJP
【FI】
H04N21/854
H04N21/24
H04N5/765
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097225
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】広川 立磨
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C164FA29
5C164GA06
5C164MB01S
5C164MB44S
5C164MC01P
5C164SB29S
5C164SB41P
5C164YA21
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザーが意図する箇所でチャプターを作成すること。
【解決手段】本発明は、第一の端末装置が表示するコンテンツの映像データをページごとに第二の端末装置に配信する情報処理システムであって、前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する通信部と、前記通信部が受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画のチャプターを作成するチャプター作成部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端末装置が表示するコンテンツを第二の端末装置に配信する情報処理システムであって、
前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画のチャプターを作成するチャプター作成部と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記第一の端末装置が表示する前記コンテンツの映像データに関する動画を作成する動画作成部を有し、
前記チャプター作成部は、前記動画をチャプターの開始時刻で区切るチャプター情報を作成する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通信部が受信した前記切り替え操作に応じて、前記コンテンツのページが表示された表示開始時刻をチャプター作成情報に記録するチャプター作成情報作成部を有し、
前記チャプター作成部は、前記チャプター作成情報が有する前記表示開始時刻に基づいて、前記チャプター情報を作成する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記チャプター作成部は、前記チャプター作成情報に記録されている第一のページの表示開始時刻と、前記第一のページの切り替え時刻の次に記録されている第二のページの表示開始時刻との差が閾値以上でない場合、前記第二のページの表示開始時刻を前記チャプターの区切りでないと判断する請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記チャプター情報には、チャプター番号、チャプターの開始時刻及びページ番号が対応付けられており、
前記チャプターの開始時刻に対応付けられている、前記ページ番号の前記ページのサムネイルを前記チャプター番号に対応付けて配置した動画の再生画面を生成する画面生成部を有する請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記通信部が前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信した場合、前記第一の端末装置から指示されたページの映像データを第二の端末装置に配信する映像配信部を有し、
前記チャプター作成情報作成部は、前記第二の端末装置への前記ページの映像データの配信と並行に、前記チャプター作成情報を作成し、
前記チャプター作成部は、前記第二の端末装置への前記ページの映像データの配信と並行に、前記チャプター作成情報作成部が作成した前記チャプター作成情報に基づいて、前記チャプター情報を作成する請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記動画作成部は、前記第一の端末装置から受信した音声データと、
前記音声データを受信した時に前記第一の端末装置へ配信している前記ページの映像と、に基づいて前記動画を作成し、
前記動画を情報記憶部に記録する記録部を有する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記チャプター情報に基づいて前記動画をチャプターごとに配信する動画配信部を有し、
前記通信部は、前記再生画面において押下された前記サムネイルに対応付けられた前記チャプター番号と動画再生要求を第三の端末装置から受信し、
前記動画配信部は、前記情報記憶部から前記動画を取得し、前記チャプター番号に対応付けられている前記開始時刻から前記動画を前記第三の端末装置に配信する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記チャプター情報に基づいて前記動画をチャプターごとに配信する動画配信部と、
前記第一の端末装置から受信した音声データを情報記憶部に記録する記録部と、を有し、
前記通信部は、前記再生画面において押下された前記サムネイルに対応付けられた前記チャプター番号と動画再生要求を第三の端末装置から受信し、
前記動画作成部は、前記チャプターの開始時刻に対応付けられている前記ページ番号のページの映像データと、前記チャプターの開始時刻の音声データとに基づいて前記動画を作成し、
前記動画配信部は、前記動画作成部が作成した前記動画を前記第三の端末装置に配信する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項10】
第一の端末装置が表示するコンテンツの映像データを情報処理システムがページごとに第二の端末装置に配信する映像配信システムであって、
前記第一の端末装置は、
前記情報処理システムから配信された前記コンテンツの映像データを表示し、
前記情報処理システムは、
前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画のチャプターを作成するチャプター作成部と、を有し、
前記第二の端末装置は、
前記情報処理システムから配信された前記コンテンツの映像データを表示する映像配信システム。
【請求項11】
第一の端末装置が表示するコンテンツの映像データをページごとに第二の端末装置に配信する情報処理システムを、
前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画をチャプターに区切るチャプター作成部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
第一の端末装置が表示するコンテンツの映像データをページごとに第二の端末装置に配信する情報処理システムが行うチャプター情報作成方法であって、
前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する処理と、
受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画のチャプターを作成する処理と、
を有するチャプター情報作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、映像配信システム、プログラム、及び、チャプター情報作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して動画を配信する動画配信サービスが知られている。再生しようとした動画が長いとユーザーはどのような情報がどの時間帯にあるかを探すことが困難なため、動画に対しチャプターを設定することが行われる場合がある。ユーザーはいくつかチャプターを選択して再生してみれば、目的の情報が含まれるチャプターかどうか見当を付けやすい。
【0003】
動画のチャプターを自動で作成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、動画を複数のチャプターに分けて記録する目的で、動画の生成中における場面変更を検出してチャプターを作成する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、動画の解析により動画を区切ったとしても、ユーザーが意図しない箇所で動画が区切られるおそれがある。すなわち、映像が大きく変化しても動画の内容が切り替わるとは限らず、ユーザーが意図した箇所でチャプターを作成することができない場合が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザーが意図する箇所でチャプターを作成する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、第一の端末装置が表示するコンテンツの映像データをページごとに第二の端末装置に配信する情報処理システムであって、前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する通信部と、前記通信部が受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画のチャプターを作成するチャプター作成部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ユーザーが意図する箇所でチャプターを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】動画とこの動画から作成されるチャプターを説明する図である。
図2】映像配信システムのシステム構成例を示す図である。
図3】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図4】情報処理システム、主催者端末、参加者端末及び視聴者端末の機能構成例を示す図である。
図5】主催者端末が表示するイベント作成画面(基本情報)の一例を示す図である。
図6】主催者端末が表示するイベント作成画面(説明資料)の一例を示す図である。
図7】主催者端末が表示するウェビナー開催画面の一例を示す図である。
図8】参加者端末が表示するウェビナー参加画面の一例を示す図である。
図9】チャプター作成情報作成部が、チャプター情報の作成のために記録するチャプター作成情報の一例を示す図である。
図10】視聴者端末が表示する、ウェビナーの動画の再生画面の一例を示す図である。
図11】情報処理システムがチャプター作成情報を作成する処理の流れを説明するシステム構成図の一例である。
図12】チャプター作成情報作成部がチャプター作成情報を作成する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図13】情報処理システムがチャプター作成情報に基づいてチャプター情報を作成する流れを説明するシステム構成に基づいて説明する図である。
図14】チャプター作成部がチャプター情報を作成する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図15】情報処理システムがチャプター作成情報を作成しながら、チャプター情報を作成する処理の流れを説明するシステム構成図の一例である。
図16】情報処理システムがチャプター作成情報を作成しながら、チャプター情報を作成する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図17】ウェビナーの動画と音声データを記録して配信する流れを説明するシステム構成図の一例である。
図18】情報処理システムがウェビナーの映像データと音声データから動画を作成する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図19】情報処理システムが作成されたウェビナーの動画を配信する流れを説明するシステム構成図の一例である。
図20】情報処理システムがウェビナーで配信される映像データと音声データを記録した動画を配信する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図21】ウェビナーの開催時に音声データのみを記録し、映像データと音声データを配信する流れを説明するシステム構成図の一例である。
図22】ウェビナーの開催時に音声データのみを記録し、映像データと音声データを配信する処理を説明するフローチャート図の一例である。
図23】音声データのみが記録された場合に、情報処理システムがウェビナーの動画を配信する流れを説明するシステム構成図の一例である。
図24】情報処理システムがウェビナーで記録された音声データを、説明資料と共に動画として配信する処理を説明するフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として情報処理システムと、情報処理システムが行うチャプター情報作成方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第一実施形態]
<チャプター作成の概略>
まず、図1を参照して、本実施形態におけるチャプターの作成方法の概略を説明する。図1は、動画とこの動画から作成されるチャプターを説明する図である。本実施形態の情報処理システムは、スライドを使った動画において、ユーザーによるスライドの切り替え操作に応じてチャプターを生成する。スライドの切り替え操作はユーザーの操作情報から取得できるため、動画解析が不要である。また、スライドの切り替えという意味のある単位で確実にチャプターを区切ることが可能となる。
【0011】
図1の動画は、主催者が6つのスライドが切り替えながらスライドを説明した動画である。図1には、ウェビナー(ウェブセミナー)等の主催者が切り替えた順にスライドが示されている。チャプター情報が作成される動画はすでに作成済み(収録済み)でもよいし、動画配信と並行に動画が作成されてもよい。ここでは動画はすでに作成済みとする。作成済みの動画には主催者がスライドを切り替えることで表示を開始した表示開始時刻が動画に対応付けて作成されている(後述するチャプター作成情報)。
【0012】
図1に示すように、主催者は、スライド1から始めてスライド6までを参加者に配信させた。図1では、スライド3から2に戻る操作も含んでいるが詳細は後述する。主催者の操作情報によると、スライド1~6の切り替え時刻は以下のとおりである。
スライド1 00:00
スライド2 05:35
スライド3 16:23
スライド2 28:57
スライド4 34:10
スライド5 42:02
スライド6 50:44
スライドの映像データや音声データを配信する情報処理システムは、スライドの切り替え時刻を動画の区切りに使用することでチャプター情報を作成する。チャプター情報は、動画をチャプターの開始時刻で区切る情報である。したがって、図1では7つのチャプターが作成され、チャプターに対応するそれぞれの時間帯は以下のようになる。
チャプター1 00:00~05:34
チャプター2 05:35~16:22
チャプター3 16:23~28:56
チャプター4 28:57~34:09
チャプター5 34:10~42:01
チャプター6 42:02~50:43
チャプター7 50:44~終わり
このように、本実施形態の情報処理システムは、動画解析を行わずにスライドの切り替え操作に基づいてチャプター情報を作成できる。チャプターの作成のために動画の解析が必要ないのでチャプター作成時の処理負荷を低減できる。また、スライドの切り替えというユーザーが意図した箇所、すなわち意味のある単位で確実にチャプター情報を作成することが可能となる。
【0013】
<用語について>
コンテンツとは、ウェビナー等で内容が説明される情報の中身である。コンテンツは、例えばアプリケーションソフトで作成された電子データ(ファイル)である。本実施形態では、コンテンツの一例として説明資料という用語を使用する。
【0014】
ページとは、本来、本、雑誌、新聞などの紙媒体の一面をいうが、電子データの一面もページと呼ばれる。本実施形態では、スライドという用語で説明される場合がある。
【0015】
チャプターとは、本来、文章などの区切りをいい、本実施形態では、説明資料の区切りをいう。また、説明資料の映像データが動画で配信される場合は動画の区切りをいう。本実施形態では、チャプターは、ユーザーのページ切り替え操作で区切られる。切り替え操作に加えて、動画解析、又は、チャプターの時間長などでチャプターが作成されるかどうかが制御されてもよい。チャプターはセクション、章、節等と呼ばれてもよい。
【0016】
チャプター情報は、配信資料や映像においてチャプター(区切り)がどこかを示す情報である。チャプター作成情報は、チャプター情報を作成するための情報である。配信資料や映像が区切られればよいので、チャプター情報そのものは作成されなくてもよい。
【0017】
<システム構成例>
図2は、映像配信システム100のシステム構成例を示した図である。本実施形態では、一例として、SaaS(Software as a Service)型のウェビナーサービスで配信される動画のチャプター作成を説明する。SaaSとは、ソフトウェアを利用者(クライアント)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウェアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する形態をいう。ただし、動画はPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)により配信されてもよい。
【0018】
ウェビナーサービスは、主催者が事前に情報処理システム50に登録したスライド形式の説明資料を、ページを切り替えながら説明をする。主催者が自社の製品をウェビナーで説明することで集客を行うことが、主な利用の目的である。ウェビナーの主催者は、情報処理システム50に、イベントタイトルや開催日時といった基本情報と共に、説明資料を送信しておく。説明資料はPDFやパワーポイントのような複数ページから成るファイルである。ウェビナーの開催時、情報処理システム50は主催者端末11にページごとにスライドの映像データを配信すると共に、主催者端末11が表示しているページを参加者端末12にも配信する。
【0019】
図2に示すように、映像配信システム100では、通信ネットワークNを介して、主催者端末11(第一の端末装置の一例)、1つ以上の参加者端末12(第二の端末装置の一例)、及び、1つ以上の視聴者端末13(第三の端末装置の一例)が、情報処理システム50と通信可能である。通信ネットワークNは、例えば、主催者端末11、参加者端末12、及び、視聴者端末13が存在する施設内のLANを有し、更にプロバイダネットワーク等で構築されるインターネットを有していてよい。通信ネットワークNが電話回線網を含む場合もある。
【0020】
情報処理システム50は一台以上の情報処理装置である。情報処理システム50ではウェビナーサービス(アプリケーション)が動作する。ウェビナーサービスは、以下の機能を有する。
・ウェビナーサービスは、主催者が説明資料のページを切り替えながら説明する映像データと音声データを参加者端末12にライブ配信する。また、ウェビナーサービスは、ライブ配信と共に映像データと音声データを記録して動画を作成することができる。後述するように、必ずしもライブ配信時に動画が作成されなくてもよい。
・ウェビナーサービスは、配信された説明資料の映像データや音声データに基づく動画を視聴者端末13に配信する(オンデマンド配信)。
【0021】
そして、本実施形態の情報処理システム50は、ライブ配信の際にスライドの切り替え時刻を記録しておき、ライブ配信時に又は動画の配信時にチャプター情報を作成できる。
【0022】
情報処理システム50は、ライブ配信の場合、主催者端末11から送信される音声データと主催者端末11が表示している説明資料のスライドを、情報処理システム50に接続している参加者端末12に送信する。情報処理システム50は、オンデマンド配信の場合、視聴者端末13が要求するウェビナーの動画を、要求するチャプターから視聴者端末13に送信する。
【0023】
なお、情報処理システム50は、ライブ配信の場合、複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施することもできる。情報処理システム50は、主催者端末11と参加者端末12の間でいわゆるオンラインセミナーやテレビ会議のための遠隔コミュニケーションサービスを提供する。オンラインセミナーでは参加者の発言が制限される場合があるが、オンラインセミナー及び遠隔コミュニケーションの仕組みはほぼ同じでよい。情報処理システム50は、通信ネットワークNを介して、主催者端末11と参加者端末12がある各拠点間で映像データや音声データを送受信する。主催者がいる拠点において、主催者端末11が画像の撮像(説明資料とは別の周囲の画像)及び発言などの音声データの収集を行い、これらをデジタル信号に変換して情報処理システム50に送信する。情報処理システム50は、同一のセッションで通信している参加者端末12に画像や発言のデジタル信号を送信する。参加者端末12はディスプレイへの画像表示及びスピーカからの音声出力を行う。参加者端末12からも同様のデジタル信号の送信が行われるので、主催者と参加者が双方向にコミュニケーションすることができる。なお、主催者は参加者端末12からの発言を制限したり、任意の参加者端末12にのみ発言を許可したりすることも可能である。
【0024】
情報処理システム50は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される形態をいう。情報処理システム50は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0025】
なお、情報処理システム50は、複数の情報処理装置にその機能が分散されていてもよいし、複数の同じ機能を有する情報処理システム50が存在し、処理負荷に応じて、動画を配信する情報処理システム50が増減されてもよい。
【0026】
主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13は、例えばPC(Personal Computer)やスマートデバイスである。スマートデバイスには明確な定義はないが、PCやサーバーなどの既存のコンピュータを含まないスマートフォンやタブレット端末等をいう。PC及びスマートデバイスのいずれも、Webブラウザ又は情報処理システム50に専用のクライアントアプリの両方で、情報処理システム50に接続できる。
【0027】
主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13でWebブラウザが実行される場合、主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13は、情報処理システム50が提供するWebアプリを実行する。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバー側のプログラムが協調することによって動作し、Webブラウザ上で実行されるソフトウェア又はその仕組みを言う。主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13は、WebアプリによりWebページを動的に変更できる。
【0028】
主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13は、PCやスマートデバイスに限られず、Webブラウザや情報処理システム50に専用のクライアントアプリが動作する端末装置であればよい。主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13は、それぞれ通信機能を備え、通信ネットワークNに接続することができる機器であればいかなる機器であってもよい。主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13は、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC、MFP(Multi-Function Peripheral)、PJ(Projector:プロジェクタ)、電子黒板(電子式の黒板機能を有する白板)等であってよい。また、主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13はそれぞれ複数、存在してよい。
【0029】
主催者端末11はウェビナーの主催者が操作する端末装置であり、参加者端末12はウェビナーの参加者が操作する端末装置である。視聴者端末13は、ウェビナーの終了後にウェビナーの動画を視聴する視聴者が操作する端末装置である。主催者とは、ウェビナーを開催する者であり、本実施形態では、スライドを切り替えながら説明を行う者である。また、主催者は映像データと音声データのライブ配信行う者でもある。
【0030】
参加者は、例えばウェビナーにリアルタイムに参加する参加者である。参加者は、ウェビナーに事前に参加を申し込んでいてもよいし、事前の申し込みなく参加してもよい。事前申し込みが必要な場合、参加者端末12は情報処理システム50から招待メールを受信しておき、招待メールに記載のURLに接続することでウェビナーに参加する方法が知られている。オンデマンド配信の場合、視聴者は所定のWebサイトに接続し、動画をストリーミング再生することで映像と音声を視聴する。ライブ配信又はオンデマンド配信のいずれでも、参加者又は視聴者は既存の認証方法で情報処理システム50にログインしてもよい。
【0031】
参加者は、主催者からは、例えば商品等の購入を期待される見込み顧客である。ただし、参加者はウェビナーに参加する者であればよく、参加者がどのような者かはウェビナーの内容によると考えられる。参加者は、例えばオンライン授業では学生であり、オンラインセミナーであれば受講生である。
【0032】
視聴者は、ウェビナーの動画を視聴する者であればよい。主催者や参加者は、ウェビナーの動画の視聴を勧めたい視聴者に電子メール等で、動画を視聴するためのURL等を送信する。これにより、視聴者は視聴者端末13をURLに接続させて、ウェビナーの動画を視聴できる。
【0033】
<ハードウェア構成例>
図2の情報処理システム50、主催者端末11、参加者端末12、及び視聴者端末13は例えば図3に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図3はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。コンピュータ500は、図3に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505(Hard Disk Drive)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508(Interface)、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0034】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0035】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。光学ドライブ514はCD、DVD、Blu-Ray(登録商標)等である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0036】
<機能ブロック図>
続いて、図4を参照して、映像配信システム100の機能について説明する。図4は、情報処理システム50、主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13の機能構成例を示す図である。
【0037】
<<主催者端末>>
主催者端末11は、通信部21と、表示制御部22と、操作受付部23と、を有する。これら各機能部は、主催者端末11にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザでもよいし、専用のクライアントアプリでもよい。例えば、主催者端末11でWebブラウザが使用される場合、プログラムはWebブラウザである。主催者端末11で情報処理システム50のクライアントアプリが使用される場合、プログラムは情報処理システム50のクライアントアプリである。
【0038】
通信部21は、情報処理システム50との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部21は、Webアプリやクライアントアプリが表示する各種の画面情報やスライド等を情報処理システム50から受信する。通信部21は、スライドの映像データを情報処理システム50から受信する。また、通信部21は、主催者の操作情報(スライド切り替え等)、及び、音声データを情報処理システム50に送信する。
【0039】
表示制御部22は、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部23は、ディスプレイ506に表示された各種画面における主催者の各種操作を受け付ける。
【0040】
<<参加者端末>>
参加者端末12は、通信部31と、表示制御部32と、操作受付部33と、を有する。これら各機能部は、参加者端末12にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザでもよいし、専用のクライアントアプリでもよい。例えば、参加者端末12でWebブラウザが使用される場合、プログラムはWebブラウザである。参加者端末12で情報処理システム50のクライアントアプリが使用される場合、プログラムは情報処理システム50のクライアントアプリである。
【0041】
通信部31は、情報処理システム50との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部31は、Webアプリやクライアントアプリが表示する各種の画面情報、及び、スライドの映像データや音声データ等を情報処理システム50から受信する。
【0042】
表示制御部32は、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部33は、ディスプレイ506に表示された各種画面における主催者の各種操作を受け付ける。
【0043】
<<視聴者端末>>
視聴者端末13は、通信部41と、表示制御部42と、操作受付部43と、を有する。これら各機能部は、視聴者端末13にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザでもよいし、専用のクライアントアプリでもよい。例えば、視聴者端末13でWebブラウザが使用される場合、プログラムはWebブラウザである。視聴者端末13で情報処理システム50のクライアントアプリが使用される場合、プログラムは情報処理システム50のクライアントアプリである。
【0044】
通信部41は、情報処理システム50との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部41は、Webアプリやクライアントアプリが表示する各種の画面情報や動画等を情報処理システム50から受信する。通信部41は、情報処理システム50からウェビナーの動画を受信する。また、通信部41は、視聴者の操作情報(例えば、配信開始、停止、一定秒進める、一定秒戻す等)を情報処理システム50に送信する。
【0045】
表示制御部42は、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部43は、ディスプレイ506に表示された各種画面における主催者の各種操作を受け付ける。
【0046】
<<情報処理システム>>
情報処理システム50は、通信部51、画面生成部52、映像配信部53、音声配信部54、チャプター作成情報作成部55、チャプター作成部56、動画作成部57、動画配信部58、記録部59、及び情報記憶部60、を有する。これら各機能部は、情報処理システム50にインストールされたプログラムに含まれる命令を図3に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。また、情報記憶部60は、図3に示したHD504やRAM503等に形成される。
【0047】
通信部51は、主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部51は、主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13に、Webアプリやクライアントアプリが表示する各種の画面情報等を送信する。通信部51は、主催者端末11から主催者の操作情報(スライド切り替え)、及び、音声データを受信する。また、通信部51は、主催者端末11に、ウェビナーで説明されているスライドの映像データを送信する。また、通信部51は、参加者端末12に、スライドの映像データや音声データを送信する。また、通信部51は、視聴者端末13に動画を送信し、視聴者端末13から、視聴者の操作情報(例えば、配信開始、停止、一定秒進める、一定秒戻す等)を受信する。
【0048】
画面生成部52は、主催者端末11、参加者端末12及び視聴者端末13が表示する画面を生成する。主催者端末11、参加者端末12又は視聴者端末13がWebアプリを実行する場合は、画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。主催者端末11、参加者端末12又は視聴者端末13がクライアントアプリを実行する場合は、画面情報は主催者端末11、参加者端末12又は視聴者端末13が保持しており、表示される情報がXML等で送信される。なお、映像データについては画面情報とは別に送信されものとする。
【0049】
映像配信部53は、主催者端末11及び、ウェビナーに参加している参加者端末12にスライドの映像データを配信する。ウェビナーに参加している参加者端末12は例えばIPアドレスが登録されており、映像配信部53は、このIPアドレスを宛先に映像データを配信する。音声配信部54は、主催者端末11から送信された音声データを、ウェビナーに参加している参加者端末12に配信する。
【0050】
チャプター作成情報作成部55は、主催者端末11から送信された、ページの切り替え操作に基づく表示開始時刻(スライドの切り替え時刻)と表示スライド番号を対応付けたチャプター作成情報を作成する。詳細は後述する。
【0051】
チャプター作成部56は、チャプター作成情報に基づいて、情報処理システム50が配信する動画についてチャプター情報を作成する。チャプター情報は、動画のどこに区切り(チャプター-)があるかを示す。チャプター情報の作成方法の詳細は後述する。なお、チャプター情報の作成方法には、映像データと音声データの配信と並行に行う方法と、これらの配信後であって動画の再生画面の要求時に作成する方法がある。
【0052】
動画作成部57は、視聴者端末13に配信されるウェビナーの動画を作成する。動画の作成の詳細は第二実施形態で説明するが、本実施形態では、以下の2つの方法がある。
(i) ウェビナーで配信される映像データと音声データを記録して動画を作成する方法
(ii) 音声データのみを記録しておき、動画の配信時に音声データと同期させてスライドを取得し、音声データとスライドの映像データで動画を作成する方法
チャプター作成部56が作成するチャプターはこれらの動画に対し作成される。
【0053】
動画配信部58は、動画作成部57が作成した動画を視聴者端末13に配信する。すなわち、動画配信部58は、動画を構成するフレームを所定のフレームレートで視聴者端末13に送信する。
【0054】
記録部59は、動画作成部57が作成した動画(上記の(i)の場合)、又は、音声データのみ(上記の(ii)の場合)を情報記憶部60に記憶させる。また、記録部59は、主催者端末11が登録した説明資料、チャプター作成情報及びチャプター情報を情報記憶部60に記憶させる。
【0055】
情報記憶部60には、上記のように、配信資料、動画(又は音声データのみ)、チャプター作成情報、及び、チャプター情報が記憶される。なお、情報記憶部60は情報処理システム50が有するほか、アクセス可能なネットワーク上にあればよい。
【0056】
<イベントの作成>
本実施形態では、ウェビナーサービスはイベントを参加者端末12に提供する。映像データと音声データはこのイベント内で配信される。ウェビナーの主催者は、ウェビナーサービスのイベント作成画面で、イベントタイトルや開催日時といった基本情報を入力し、ウェビナーの開催時に説明資料を切り替えながら説明する。まず、主催者端末11が表示するイベント作成画面を示しながらイベントの作成方法を説明する。
【0057】
図5は、主催者端末11が表示するイベント作成画面(基本情報)200の一例を示す。イベント作成画面(基本情報)200は基本情報タブ201の押下により表示される。イベント作成画面(基本情報)200は、主催者欄203、画像追加欄204、イベントタイトル欄205、開催日時欄206、説明文入力欄207を有している。
・主催者欄203には、主催者の氏名など主催者に関する情報が表示される。
・画像追加欄204には、イベントの表紙(ウェビナーの開催時に初期状態で表示される画面)に表示される画像を主催者が追加できる。
・イベントタイトル欄205には、主催者がイベントタイトルを入力できる。
・開催日時欄206には、イベントの開催日時が入力される。開催日時欄に入力された開催日時は、例えば参加者端末12に電子メール等で送信されるイベントの案内に記載されてよい。
・説明文入力欄207には、主催者がイベントの説明文を入力できる。
【0058】
図6は、主催者端末11が表示するイベント作成画面(説明資料)210の一例を示す。イベント作成画面(説明資料)210は説明資料タブ202の押下により表示される。イベント作成画面(説明資料)210には、ユーザーが指定したファイルの内容211が表示される。図6では「ABC.pdf」という資料の最初のページが表示されている。なお、図6のイベント作成画面(説明資料)210で表示される説明資料はファイル形式の状態で、いったん情報処理システム50に送信され、情報処理システム50が主催者端末11に映像データを配信したものである。これは、ローカルファイルへのアクセスがWebブラウザのセキュリティポリシーとして禁止されている場合があるためである。
【0059】
同様に、ウェビナー開催時も、説明資料は情報処理システム50が保持しており、情報処理システム50が主催者端末11と参加者端末12に説明資料をページごとに配信する。
【0060】
<ウェビナーの開催>
次に、主催者端末11が表示するウェビナー開催画面220を示しながらウェビナーの開催法を説明する。
【0061】
図7は、主催者端末11が表示するウェビナー開催画面220の一例を示す。主催者が図5図6のような画面で作成したイベントを開始する操作を入力すると、イベント作成時に入力した説明資料の各ページの内容221が表示される。本実施形態では、このページをスライドと称する。イベントの開始時、情報処理システム50は、例えば説明資料の最初のスライドを主催者端末11に送信する。イベントの開始時に表示されるスライド番号は任意である。
【0062】
主催者は、ページ送りボタン223でスライドのページを1ページ進め、ページ戻しボタン222でスライドのページを1ページ戻すことができる。また、ウェビナー開催画面220は現在のページ番号224を表示する。情報処理システム50はページ送りボタン223、ページ戻しボタン222で指定されたスライドを主催者端末11及び参加者端末12に送信する。ページ番号そのものを主催者が入力してもよい。主催者は、表示されているスライドについて、音声やチャットで内容を説明する。主催者は、終了ボタン225を押下して、ウェビナーを終了させることができる。
【0063】
図8は、参加者端末12が表示するウェビナー参加画面230の一例を示す。図8に示すように、主催者端末11が表示するスライドと、主催者の音声データが複数の参加者端末12にライブ配信される。このように、主催者端末11が表示するスライドと同じスライドがリアルタイムに参加者端末12にて表示される。なお、参加者からはスライドの切り替えはできないので、参加者端末12は、ページ送りボタン223、ページ戻しボタン222を表示しない。なお、参加者の声が同時に配信される双方向の配信でも良い。
【0064】
<チャプターの作成>
ウェビナーはライブ配信されるが、ライブ配信の後に、情報処理システム50がウェビナーの動画をオンデマンド配信することで、より多くの人にウェビナーの内容を届けることができる。つまり、ウェビナーの主催者は、より多くの集客を行うことができる。
【0065】
本実施形態では、この動画に対して、スライドの切り替え時刻に基づいてチャプター情報を作成することで、動画の解析をすることなく、かつ、スライドの切り替えという意味のある単位で確実にチャプター情報を作成ことが可能となる。
【0066】
図9は、チャプター作成情報作成部55が、チャプター情報の作成のために記録するチャプター作成情報を示す。チャプター作成部56は図9のチャプター作成情報に基づいてチャプター情報を作成する。チャプター作成情報作成部55は、主催者端末11から送信されるスライドの切り替え操作に基づいて、表示開始時刻と表示スライド番号を記録する。
・表示開始時刻の項目には、スライドが切り替わった時刻が格納される。この時刻はウェビナーの開始時刻からの経過時間とする。
・表示スライド番号の項目には、切り替え後のスライド番号(スライドの識別情報)が格納される。
【0067】
図9のチャプター作成情報について補足する。表示開始時刻が「28:57」の表示スライド番号によれば、「スライド3→2」のように、スライド番号が戻っている。このような場合もチャプター作成情報作成部55がスライドの切り替えを記録する。
【0068】
また、図9では「スライド1→2→3→2→4」の順にスライドが切り替えられているが、スライドは2から4へ飛ぶことはできないため、2と4の間にスライド3が2秒だけ(34:08→34:10)表示されている。チャプター作成部56は、このような表示時間が短いスライドは表示時間に閾値を設けてチャプター作成しないこともできる。これにより、主催者が意図しない短いチャプターが作成されることを抑制できる。図9のチャプター作成情報によれば、以下のようなチャプター情報が作成される。
チャプター1 00:00~05:34 1
チャプター2 05:35~16:22 2
チャプター3 16:23~28:56 3
チャプター4 28:57~34:09 2
チャプター5 34:10~42:01 4
チャプター6 42:02~50:43 5
チャプター7 50:44~終わり 6
このように、チャプターの識別情報(チャプター番号)とチャプターの時間(開始時刻と終了時刻)が対応付けられている情報がチャプター情報である。チャプター情報には切り替え後のスライド番号が対応付けられていてよい。開始時刻と終了時刻は少なくともいずれかがあればよい。なお、チャプターの作成とは動画を区切ることなので、チャプター情報の作成は必須でない場合がある。また、チャプター作成情報にチャプター番号を追加してもよく、チャプター作成情報とチャプター情報は一体でもよい。あるいはチャプター情報にスライド番号が含まれていてもよい。
【0069】
図10は、視聴者端末13が表示する、ウェビナーの動画の再生画面240である。図10に示すように、再生画面240には、チャプター番号249と各チャプターのサムネイル241~247が表示される。サムネイル241~247は、説明資料から取得されてもよいし、チャプターが切り替わった直後の動画のサムネイルでもよい。視聴者は、チャプター1のサムネイル214又は初めから再生ボタン248を押下して、ウェビナーを始めから再生することも、任意のチャプターのサムネイル242~247を押下して任意のチャプターから再生することもできる。
【0070】
このように、視聴者端末13がチャプターごとにスライドのサムネイルを表示することで、視聴者はサムネイルを見て概要を把握し、特に詳しく知りたいチャプターを選択してウェビナー動画を視聴することができる。
【0071】
再生画面240の生成方法を説明する。情報処理システム50の画面生成部52は、チャプター情報からチャプター番号と開始時刻とスライド番号を取得する。画面生成部52は、取得したスライドのサムネイルとチャプター番号をチャプター番号順に配置することで図10の再生画面240を作成する。なお、各サムネイル241~247には視聴者が動画再生要求を情報処理システム50に送信するリンク(チャプター番号が含まれるURL等)が埋め込まれる。
【0072】
チャプターのサムネイル241~247は、チャプターの開始時のものに限らず、チャプターの終了時のものでもよい。例えば主催者がスライドに手書きした場合、視聴者端末13は、手書き内容もサムネイルに表示できる。
【0073】
<チャプター作成情報の作成>
続いて、図11図12に基づいて、チャプター作成情報の作成方法を詳細に説明する。図11は、情報処理システム50がチャプター作成情報を作成する処理の流れを説明するシステム構成図である。
【0074】
S1:主催者端末11の表示制御部22はウェビナー開催画面220に、任意のスライドを表示している。主催者がスライドを切り替えると、通信部21が切り替え操作(ページ送り、ページ戻し、任意のページ番号等)を情報処理システム50に送信する。
【0075】
S2:情報処理システム50の通信部51はスライドの切り替え操作を受信する。情報処理システム50の映像配信部53は、切り替え操作に基づいてスライド番号を特定し、情報記憶部60から切り替え操作で特定されたスライドを取得する。
【0076】
S3.1:情報処理システム50の映像配信部53は、通信部51を介して、切り替え操作で指定されたスライドの映像データを主催者端末11に配信する。送信されるスライドはスライドが画像に変換されたJPEGなどの画像データでもよいし、pdfファイル等、説明資料の1ページでもよい。本実施形態では、JPEGなどの画像データとする。
【0077】
S3.2 S3.3:情報処理システム50の映像配信部53は、切り替え操作で指定されたスライドの映像データを参加者端末12に配信する。
【0078】
S4:チャプター作成情報作成部55は、チャプター作成情報を作成し、記録部59は、チャプター作成情報を情報記憶部60に保存する。なお、第二実施形態で説明するように、記録部59は、主催者端末11から送信される映像データと音声データから作成した動画、又は、音声データのみを記録し情報記憶部60に保存する。
【0079】
図12は、チャプター作成情報作成部55がチャプター作成情報を作成する処理を説明するフローチャート図である。
【0080】
チャプター作成情報作成部55は、まず、初期処理として、ウェビナー開示時刻「00:00」とスライド番号「スライド1」をチャプター作成情報に記録する(S101)。
【0081】
チャプター作成情報作成部55は、ウェビナーが終了するまでステップS103の処理を繰り返す(S102)。
【0082】
チャプター作成情報作成部55は、主催者端末11からスライドの切り替え操作を受信すると、表示開始時刻(スライドの切り替え時刻)と表示スライド番号を対応付けてチャプター作成情報に記録する(S103)。また、終了処理として、ウェビナーが終了した場合、チャプター作成情報作成部55は、ウェビナーの終了時刻とその旨をチャプター作成情報の表示開始時刻の欄に記録する。
【0083】
<チャプター情報の作成のシステム構成>
続いて、図13を参照して、チャプター作成情報を用いたチャプター情報の作成について詳細に説明する。図13は、情報処理システム50がチャプター作成情報に基づいてチャプター情報を作成する流れを説明するシステム構成に基づいて説明する図である。
【0084】
S21:視聴者は、視聴者端末13を情報処理システム50に接続させ、ウェビナーを指定して動画の再生画面240を表示させる操作を入力する。視聴者端末13の通信部41は、ウェビナーを指定して、再生画面表示要求を情報処理システム50に送信する。
【0085】
S22:情報処理システム50の通信部51は再生画面表示要求を受信する。再生画面240の表示にはチャプターが必要なので、チャプター作成部56が情報記憶部60からチャプター作成情報を取得する。
【0086】
S23:また、チャプター作成部56は説明資料も情報記憶部60から取得する。
【0087】
S24:チャプター作成部56は、チャプター作成情報に記録されている表示開始時刻(スライドの切り替え時刻)に基づいてチャプター情報を作成する。チャプター作成部56は、チャプター情報を情報記憶部60に記憶させる。
【0088】
S25:作成されたチャプターはチャプター作成情報において表示スライド番号と対応付けられているので、画面生成部52は、チャプターごとに説明資料から表示スライド番号で特定されるスライドを取得する。画面生成部52は、取得したスライドのサムネイルを作成する。画面生成部52は、このサムネイルをチャプター番号の順に画面に配置することで、再生画面240を生成する。情報処理システム50の通信部51は再生画面240の画面情報を主催者端末11に送信する。
【0089】
図14は、チャプター作成部56がチャプター情報を作成する処理を説明するフローチャート図である。
【0090】
チャプター作成部56は、チャプター作成情報が有する全ての表示開始時刻と表示スライド番号について、ステップS202、S203の処理を繰り返す(S201)。
【0091】
チャプター作成部56は、スライドの表示時間が閾値以上かどうか判断する(S202)。スライドの表示時間は、チャプター作成情報において着目している表示スライド番号(第二のページの一例)の表示開始時刻と、1つ前の表示スライド番号(第一のページの一例)の表示開始時刻の差である。ステップS202の判断がNoの場合、チャプター作成部56は次の表示開始時刻と表示スライド番号を参照する。
【0092】
ステップS202の判断がYesの場合、チャプター作成部56はチャプター情報を作成する(S203)。すなわち、チャプター作成部56は、チャプター番号と少なくとも開始時刻を対応付けたチャプター情報を作成する。
【0093】
<チャプター作成情報の作成とチャプター作成の並行処理>
図11図14では、チャプター作成情報の作成とチャプター作成が別々に行われていた。しかし、情報処理システム50はチャプター作成情報の作成とチャプター作成を並行に行うことができる。
【0094】
図15は、情報処理システム50がチャプター作成情報を作成しながら、チャプター情報を作成する処理の流れを説明するシステム構成図である。
【0095】
S31:主催者端末11の表示制御部22はウェビナー開催画面220に、任意のスライドを表示している。主催者がスライドを切り替えると、通信部21が切り替え操作(ページ送り、ページ戻し、任意のページ番号等)を情報処理システム50に送信する。
【0096】
S32:情報処理システム50の通信部51は切り替え操作を受信する。情報処理システム50の映像配信部53は、情報記憶部60から切り替え操作で指定されたスライドを取得する。
【0097】
S33:情報処理システム50の映像配信部53は、切り替え操作で指定されたスライドの映像データを主催者端末11に配信する。
【0098】
S34 S35:情報処理システム50の映像配信部53は、切り替え操作で指定されたスライドの映像データを参加者端末12に配信する。
【0099】
S36:チャプター作成情報作成部55はチャプター作成情報を作成し、記録部59は、チャプター作成情報を情報記憶部60に保存する。なお、第二実施形態で説明するように、記録部59は、主催者端末11から送信される映像データと音声データから作成される動画、又は、音声データのみを記録し情報記憶部60に保存する。
【0100】
S37:チャプター作成部56は、チャプター作成情報に記録されている表示開始時刻(スライドの切り替え時刻)に基づいてチャプター情報を作成する。チャプター作成部56は、チャプター情報を情報記憶部60に記憶させる。
【0101】
図16は、情報処理システム50がチャプター作成情報を作成しながら、チャプター情報を作成する処理を説明するフローチャート図である。
【0102】
チャプター作成情報作成部55は、まず、初期処理として、ウェビナー開示時刻「00:00」とスライド番号「スライド1」をチャプター作成情報に記録する(S301)。また、チャプター作成部56は、チャプター情報にチャプター1と開始時刻を記録する(S302)。
【0103】
チャプター作成情報作成部55とチャプター作成部56は、ウェビナーが終了するまでステップS304~S306の処理を繰り返す(S303)。
【0104】
チャプター作成情報作成部55は、主催者端末11から切り替え操作を受信する度に、チャプター作成情報に表示開始時刻(スライドの切り替え時刻)と表示スライド番号を対応付けて記録する(S304)。ウェビナーが終了した場合、チャプター作成情報作成部55は、ウェビナーの終了時刻とその旨をチャプター作成情報の表示開始時刻の欄に記録する。
【0105】
チャプター作成部56は、前回、チャプター作成情報に記録した表示開始時刻と、今回、記録した表示開始時刻の差が(スライドの表示時間)が閾値以上かどうか判断する(S305)。ステップS305の判断がNoの場合、処理はステップS304に戻る。
【0106】
ステップS305の判断がYesの場合、チャプター作成部56はチャプター情報を作成する(S306)。すなわち、チャプター作成部56は、チャプター情報にチャプター番号と開始時刻(又は1つ前のチャプターの終了時刻の少なくとも一方)を記録する。
【0107】
このように、情報処理システム50はチャプター作成情報と並行してチャプター情報を作成できる。視聴者が再生画面240を要求する際にチャプター情報が作成されなくてよいので、視聴者の待ち時間を短縮できる。
【0108】
<主な効果>
本実施形態の情報処理システム50は、動画解析を行わずにスライドの切り替え操作に基づいてチャプター情報を作成できる。チャプターの作成のために動画の解析が必要ないのでチャプター作成時の処理負荷を低減できる。また、スライドの切り替えというユーザーが意図した箇所、すなわち意味のある単位で確実にチャプター情報を作成することが可能となる。
【0109】
[第二実施形態]
本実施形態では、動画の記録及び配信処理について説明する。動画の作成方法には、
(i) ウェビナーで配信される映像データと音声データを記録して動画を作成する方法
(ii) 音声データのみを記録しておき、動画の配信時に音声データと同期させてスライドを取得し、音声データとスライドの映像データで動画を作成する方法
の2つがある。
【0110】
つまり、(i)(ii)のように、動画の作成方法が異なると配信方法も異なる。なお、動画の作成方法が異なっても、チャプター作成情報作成部55がスライド切り替え時刻を記録して、チャプター作成部56がチャプターを自動生成する点は第一実施形態と同じである。
【0111】
本実施形態においては、上記の実施形態にて説明した図4の機能ブロック図を援用できるものとして説明する。
【0112】
<(i) ウェビナーで配信される映像データと音声データを記録して動画を作成する方法>
図17は、ウェビナーの動画と音声データを記録して配信する流れを説明するシステム構成図である。
【0113】
S51:主催者端末11の表示制御部22はウェビナー開催画面220を表示しており、ウェビナーを実施している。情報処理システム50の映像配信部53は、視聴者により指定されたスライドの映像データを主催者端末11に配信する。
【0114】
S52 S53:情報処理システム50の通信部51はウェビナーの開催中、視聴者の音声データを受信する。情報処理システム50の映像配信部53は主催者端末11が表示しているスライドの映像データを参加者端末12に配信し、音声配信部54は音声データを参加者端末12に配信する。
【0115】
S54:動画作成部57は、主催者端末11から音声データを受信した時に参加者端末12に配信しているスライドの映像データと前記音声データから動画を作成する。動画ファイルはウェビナーの開催時間に応じてそのサイズが大きくなる。動画の作成は既存の方法を使用すればよいが、例えば、動画作成部57は主催者端末11に配信しているスライドの映像データを周期的に取り込み、音声データをPCMサンプリングし、映像データと音声データを所定の動画フォーマット(AVI・MP4・MOV・MPEG・MKV・WMV・FLV・ASF等)に変換する。
【0116】
S55:動画作成部57は、作成した動画を情報記憶部60に保存する。
【0117】
このように、ウェビナーの開催時に映像データと音声データがウェビナーの動画として保存される。そのため、ウェビナーの動画の再生要求に対して、情報処理システム50は記録された動画をそのまま再生することができる。
【0118】
図18は、情報処理システム50がウェビナーの映像データと音声データから動画を作成する処理を説明するフローチャート図である。
【0119】
映像配信部53、音声配信部54及び動画作成部57は、ウェビナーが終了するまでステップS402、S403の処理を繰り返す(S401)。
【0120】
映像配信部53は、主催者端末11に配信されたスライドと同じスライドの映像データを参加者端末12に配信し、音声配信部54は、主催者端末11から受信した音声データを参加者端末12に配信する(S402)。
【0121】
また、動画作成部57は、上記ステップS54と同様に、主催者端末11又は参加者端末12に配信したスライドの映像データと音声データから動画を作成する(S403)。
【0122】
図19は、情報処理システム50が作成されたウェビナーの動画を配信する流れを説明するシステム構成図である。第一実施形態によりすでにチャプター情報が作成されているものとする。
【0123】
S61:視聴者は、視聴者端末13を情報処理システム50に接続させ、ウェビナーの動画を再生させる操作を入力する。視聴者は、例えば再生画面240で任意のチャプターに対応するサムネイルを押下する。視聴者端末13の通信部41は、ウェビナーとチャプター番号を指定して、動画再生要求を情報処理システム50に送信する。
【0124】
S62:情報処理システム50の通信部51は動画再生要求を受信し、動画配信部58が情報記憶部60から動画とチャプター情報を取得する。
【0125】
S63:動画配信部58は、指定されたチャプター番号の開始時刻から動画を構成するフレームを所定のフレームレートで視聴者端末13に配信する。視聴者端末13の通信部41は、動画のフレームを受信し、ストリーミング再生する。なお、動画の配信プロトコルはどのようなものでもよいが、例えばHLS、RTMP、WebRTC、MPEG-DASH等がある。
【0126】
図20は、情報処理システム50がウェビナーで配信される映像データと音声データを記録した動画を配信する処理を説明するフローチャート図である。
【0127】
動画配信部58は、ウェビナーの動画再生が終了するまでステップS502の処理を繰り返す(S501)。
【0128】
動画配信部58は、視聴者端末13により指定されたチャプター番号の開始時刻から動画を構成するフレームを所定のフレームレートで視聴者端末13に配信する(S502)。
【0129】
<(ii) 音声データのみを記録しておき、動画の配信時に音声データと同期させてスライドを取得し、音声データとスライドの映像データで動画を作成する方法>
図21は、ウェビナーの開催時に音声データのみを記録し、映像データと音声データを配信する流れを説明するシステム構成図である。
【0130】
S71:主催者端末11の表示制御部22はウェビナー開催画面220を表示しており、ウェビナーを実施している。通信部21はウェビナー開催中の音声データを情報処理システム50に送信する。情報処理システム50の映像配信部53は、主催者により指定されたスライドの映像データを主催者端末11に配信する。
【0131】
S72 S73:情報処理システム50の通信部51はウェビナーの開催中、主催者の音声データを受信する。情報処理システム50の映像配信部53は主催者端末11が表示しているスライドの映像データを参加者端末12に配信し、音声配信部54は音声データを参加者端末12に配信する。
【0132】
S74:記録部59は音声データのみをmp3等の音声フォーマットに変換する。
【0133】
S75:記録部59は、音声データのみを情報記憶部60に記録させる。
【0134】
このように、情報処理システム50は、ウェビナーの開催時に音声データのみを保存する。
【0135】
図22は、ウェビナーの開催時に音声データのみを記録し、映像データと音声データを配信する処理を説明するフローチャート図である。
【0136】
映像配信部53、音声配信部54及び記録部59は、ウェビナーが終了するまでステップS602、S603の処理を繰り返す(S601)。
【0137】
情報処理システム50の映像配信部53は、主催者により指定されたスライドの映像データを主催者端末11に配信する。情報処理システム50の映像配信部53は主催者端末11が表示しているスライドの映像データを参加者端末12に配信し、音声配信部54は音声データを参加者端末12に配信する(S602)。
【0138】
また、記録部59は、主催者端末11から受信した音声データのみをmp3等の音声フォーマットに変換し、情報記憶部60に保存する(S603)。
【0139】
図23は、音声データのみが記録された場合に、情報処理システム50がウェビナーの動画を配信する流れを説明するシステム構成図である。音声データのみが記録されている場合でも、第一実施形態によりチャプター情報が作成されている。
【0140】
S81:視聴者は、視聴者端末13を情報処理システム50に接続させ、ウェビナーの動画を再生させる操作を入力する。視聴者は、例えば再生画面240で任意のチャプターを押下する。視聴者端末13の通信部41は、ウェビナーとチャプター番号を指定して、動画再生要求を情報処理システム50に送信する。
【0141】
S82:情報処理システム50の通信部51は動画再生要求を受信し、動画作成部57が情報記憶部60から音声データを取得する。
【0142】
S83:また、動画作成部57は、情報記憶部60からチャプター情報とチャプター作成情報を取得する。
【0143】
S84:また、動画作成部57は、情報記憶部60から説明資料を取得する。
【0144】
S85:動画作成部57は、チャプター情報から指定されたチャプター番号の開始時間とスライド番号を取得する。動画作成部57は、スライド番号に対応するスライドを説明資料から取得する。動画作成部57は取得したスライドの映像データを周期的に取り込み、指定されたチャプターの音声データと統合することで、映像データと音声データを所定の動画フォーマットに変換する。
【0145】
また、動画作成部57は、音声データの再生時刻がチャプター情報の開始時間と一致すると、開始時間とスライド番号をチャプター情報から取得する。動画作成部57は、スライド番号に対応するスライドを説明資料から取得することで、動画に取り込むスライドを切り替える。動画作成部57は、この処理を繰り返し、音声データとスライドを同期させた動画を作成する。
【0146】
S86:動画配信部58は、動画作成部57が作成した動画を構成するフレームを所定のフレームレートで視聴者端末13に配信する。視聴者端末13の通信部41は、動画のフレームを受信し、ストリーミング再生する。
【0147】
図24は、情報処理システム50がウェビナーで記録された音声データを、説明資料と共に動画として配信する処理を説明するフローチャート図である。
【0148】
情報処理システム50の通信部51は、ウェビナーとチャプター番号を指定した、動画再生要求を視聴者端末13から受信する。まず、動画作成部57は、音声データ、チャプター情報、チャプター作成情報、及び、説明資料を情報記憶部60から取得する(S701)。
【0149】
次に、動画作成部57は、チャプター情報から、指定されたチャプターの開始時間とスライド番号を取得する。動画作成部57は、スライド番号に対応するスライドを説明資料から取得する。動画作成部57は取得したスライドの映像データを周期的に取り込み、指定されたチャプターの音声データと統合して、映像データと音声データを所定の動画フォーマットに変換する。動画配信部58は動画を配信する(S702)。
【0150】
動画配信部58は、ウェビナーの動画再生が終了するまでステップS704~S706の処理を繰り返す(S703)。
【0151】
動画作成部57は、音声データの再生時刻とチャプター情報における開始時間が一致したか否か判断する(S704)。
【0152】
ステップS704の判断がYesの場合、動画作成部57は、開始時間とスライド番号をチャプター情報から取得する。動画作成部57は、スライド番号に対応するスライドを説明資料から取得する(S705)。
【0153】
動画作成部57は取得したスライドの映像データを周期的に取り込み、現在の再生時刻の音声データを映像データと統合して、映像データと音声データを所定の動画フォーマットに変換する。動画配信部58は動画を配信する(S706)。
【0154】
このように、音声データのみが記録された場合も、情報処理システム50が動画の配信時に動画を作成し、視聴者端末13に配信できる。
【0155】
<主な効果>
本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、チャプター情報とチャプター作成情報に基づいて、動画をオンデマンド配信することができる。情報処理システム50が説明資料を保持しているので、音声データのみ記録しておけば、オンデマンド配信時に動画を作成し、配信できる。
【0156】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0157】
例えば、本実施形態では、情報処理システム50に予め説明資料が登録されている場合を説明したが、説明資料を主催者端末11が保持していてもよい。主催者端末11は説明資料の映像データをページごとに自機から取得して情報処理システム50を介して参加者端末12に送信する。
【0158】
また、本実施形態では、チャプターの作成のために動画解析が不要だが、ページ切り替え操作によるチャプター情報の作成に加えて、情報処理システム50が動画解析を更に行ってもよい。例えば、動画解析の結果、スライドが切り替わっても内容に大きな変化(例えば、画素ごとに比較して全画素の90%以上)がない場合、情報処理システム50はチャプター情報を作成しない。
【0159】
また、本実施形態では、ウェビナーを例に説明したが、ウェビナーはオンラインセミナーと呼ばれてもよいし、オンラインミーティング、イーラニング、オンラインの講演会・講義・研修など、どのような呼称で呼ばれてもよい。
【0160】
また、図4などの構成例は、主催者端末11、参加者端末12、視聴者端末13が、及び、情報処理システム50による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。主催者端末11、参加者端末12、視聴者端末13が、及び、情報処理システム50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0161】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0162】
本発明の実施形態は、コンピュータの能力及び機能性に大きな改善をもたらす。これらの改善により、ユーザーは、情報処理装置において情報を格納し提示する方法であるテーブルとの、より効率的で堅牢な対話を提供するコンピュータを利用することができる。更に、本発明の実施形態は、より効率的で強力かつ堅牢なユーザーインターフェースの使用を通じて、より良いユーザー体験を提供する。このようなユーザーインターフェースは、人間と機械との間のより良い相互作用を提供する。
【0163】
<付記>
[付記1]
第一の端末装置が表示するコンテンツの映像データをページごとに第二の端末装置に配信する情報処理システムであって、
前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記切り替え操作に基づいて、前記コンテンツに関する動画のチャプターを作成するチャプター作成部と、
を有する情報処理システム。
[付記2]
前記第一の端末装置が表示する前記コンテンツの映像データに関する動画を作成する動画作成部を有し、
前記チャプター作成部は、前記動画をチャプターの開始時刻で区切るチャプター情報を作成する付記1に記載の情報処理システム。
[付記3]
前記通信部が受信した前記切り替え操作に応じて、前記コンテンツのページが表示された表示開始時刻をチャプター作成情報に記録するチャプター作成情報作成部を有し、
前記チャプター作成部は、前記チャプター作成情報が有する前記表示開始時刻に基づいて、前記チャプター情報を作成する付記2に記載の情報処理システム。
[付記4]
前記チャプター作成部は、前記チャプター作成情報に記録されている第一のページの表示開始時刻と、前記第一のページの切り替え時刻の次に記録されている第二のページの表示開始時刻との差が閾値以上でない場合、前記第二のページの表示開始時刻を前記チャプターの区切りでないと判断する付記3に記載の情報処理システム。
[付記5]
前記チャプター情報には、チャプター番号、チャプターの開始時刻及びページ番号が対応付けられており、
前記チャプターの開始時刻に対応付けられている、前記ページ番号の前記ページのサムネイルを前記チャプター番号に対応付けて配置した動画の再生画面を生成する画面生成部を有する付記3又は4に記載の情報処理システム。
[付記6]
前記通信部が前記コンテンツのページの切り替え操作を前記第一の端末装置から受信した場合、前記第一の端末装置から指示されたページの映像データを第二の端末装置に配信する映像配信部を有し、
前記チャプター作成情報作成部は、前記第二の端末装置への前記ページの映像データの配信と並行に、前記チャプター作成情報を作成し、
前記チャプター作成部は、前記第二の端末装置への前記ページの映像データの配信と並行に、前記チャプター作成情報作成部が作成した前記チャプター作成情報に基づいて、前記チャプター情報を作成する付記3~5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[付記7]
前記動画作成部は、前記第一の端末装置から受信した音声データと、
前記音声データを受信した時に前記第一の端末装置へ配信している前記ページの映像と、に基づいて前記動画を作成し、
前記動画を情報記憶部に記録する記録部を有する付記5に記載の情報処理システム。
[付記8]
前記チャプター情報に基づいて前記動画をチャプターごとに配信する動画配信部を有し、
前記通信部は、前記再生画面において押下された前記サムネイルに対応付けられた前記チャプター番号と動画再生要求を第三の端末装置から受信し、
前記動画配信部は、前記情報記憶部から前記動画を取得し、前記チャプター番号に対応付けられている前記開始時刻から前記動画を前記第三の端末装置に配信する付記7に記載の情報処理システム。
[付記9]
前記チャプター情報に基づいて前記動画をチャプターごとに配信する動画配信部と、
前記第一の端末装置から受信した音声データを情報記憶部に記録する記録部と、を有し、
前記通信部は、前記再生画面において押下された前記サムネイルに対応付けられた前記チャプター番号と動画再生要求を第三の端末装置から受信し、
前記動画作成部は、前記チャプターの開始時刻に対応付けられている前記ページ番号のページの映像データと、前記チャプターの開始時刻の音声データとに基づいて前記動画を作成し、
前記動画配信部は、前記動画作成部が作成した前記動画を前記第三の端末装置に配信する付記5に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0164】
11 主催者端末
12 参加者端末
13 視聴者端末
50 情報処理システム
100 映像配信システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0165】
【特許文献1】特開2008‐160564号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
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図20
図21
図22
図23
図24