(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178849
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】反応性ホットメルト接着剤、構造体及び構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C09J 175/04 20060101AFI20241218BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20241218BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20241218BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20241218BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20241218BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
C09J175/04
C09J5/00
B32B27/00 D
B05D7/24 301P
B05D7/24 302T
B05D7/24 301K
B05D1/26 Z
B05D7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097317
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和 亮介
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】小宮 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】菅野 秀治
(72)【発明者】
【氏名】田中 花歩
(72)【発明者】
【氏名】岩本 浩介
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 剛司
【テーマコード(参考)】
4D075
4F100
4J040
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC07
4D075AC09
4D075CA13
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA04
4D075DC38
4D075EA15
4D075EA31
4D075EA35
4D075EB38
4D075EB51
4D075EB56
4F100AK51A
4F100AT00B
4F100AT00C
4F100BA01
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA06
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100CB02A
4F100CB03A
4F100GB72
4F100JA06A
4F100JA11A
4F100JK06
4F100JK08B
4F100JK08C
4F100JL11
4J040EF001
4J040EF051
4J040EF111
4J040EF131
4J040EF281
4J040HD30
4J040HD36
4J040JB01
4J040KA26
4J040KA29
4J040KA35
4J040KA36
4J040KA38
4J040KA42
4J040LA01
4J040LA02
4J040MA10
4J040MB02
4J040NA05
4J040PA00
(57)【要約】
【課題】初期接着性と塗布時の作業性とに優れる反応性ホットメルト接着剤、並びに、初期接着性と塗布時の作業性とに優れる反応性ホットメルト接着剤を用いて得られる構造体及び構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】ウレタンプレポリマーを含み、下記条件A、条件B及び条件Cを満たす、反応性ホットメルト接着剤。
条件A:示差走査熱量測定計で測定される硬化物の結晶化度が25J/g以上である
条件B:B型回転粘度計で測定される120℃及び20rpmでの粘度V1と120℃及び100rpmでの粘度V2との比(V1/V2)が1.1以上である
条件C:回転式レオメータで測定される20℃での粘度V3と120℃での粘度V3との比(V3/V4)が10000以下である
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタンプレポリマーを含み、下記条件A、条件B及び条件Cを満たす、反応性ホットメルト接着剤。
条件A:示差走査熱量測定計で測定される硬化物の結晶化度が25J/g以上である
条件B:B型回転粘度計で測定される120℃及び20rpmでの粘度V1と120℃及び100rpmでの粘度V2との比(V1/V2)が1.1以上である
条件C:回転式レオメータで測定される20℃での粘度V3と120℃での粘度V3との比(V3/V4)が10000以下である
【請求項2】
ジェットディスペンサを用いて基材に接触させる、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項3】
ドット状に基材に接触させる、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項4】
伸縮性を有する基材の接着に用いるための、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項5】
衣料品の製造に用いるための、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
【請求項6】
2以上の基材と、前記2以上の基材を接着している請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の反応性ホットメルト接着剤の硬化物と、を備える構造体。
【請求項7】
溶融させた請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の反応性ホットメルト接着剤を第1基材に接触させることと、第1基材上の前記反応性ホットメルト接着剤に第2基材を接触させることと、を含む、構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性ホットメルト接着剤、構造体及び構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インナー、スポーツウェア等の衣料品を縫製ではなくホットメルト接着剤を用いて作製する技術が提案されている。ホットメルト接着剤は常温で固体であり、加熱により液状化した状態で被着体に接触させ、冷却固化によって接着力を発現する接着剤である。ホットメルト接着剤は主成分として熱可塑性樹脂を含むものと反応性樹脂を含むものとの2種に大別できる。反応性樹脂を含むホットメルト接着剤(以下、反応性ホットメルト接着剤ともいう)としては、ウレタンプレポリマーを含むホットメルト接着剤が知られている。
【0003】
ウレタンプレポリマーを含む反応性ホットメルト接着剤は、冷却固化により短時間である程度の接着力を発現するのに加え、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が空気中又は被着体の表面に存在する水分と反応して硬化する(湿気硬化)。その結果、熱可塑性樹脂を含むホットメルト接着剤では達成できない強固な接着力を発現する。
ウレタンプレポリマーを含む反応性ホットメルト接着剤として、特許文献1には、硬化後の伸縮性に優れる反応性ホットメルト接着剤が開示されている。特許文献2には、接着力に優れ、かつ伸縮性に優れる反応性ホットメルト接着剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/217574号
【特許文献1】国際公開第2021/199339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された反応性ホットメルト接着剤は初期接着力に改善の余地があり、特許文献2に記載されたホットメルト接着剤は塗布時の作業性に改善の余地がある。
上記事情に鑑み、本開示は、初期接着性と塗布時の作業性とに優れる反応性ホットメルト接着剤、並びに、初期接着性と塗布時の作業性とに優れる反応性ホットメルト接着剤を用いて得られる構造体及び構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施形態が含まれる。
<1>ウレタンプレポリマーを含み、下記条件A、条件B及び条件Cを満たす、反応性ホットメルト接着剤。
条件A:示差走査熱量測定計で測定される硬化物の結晶化度が25J/g以上である
条件B:B型回転粘度計で測定される120℃及び20rpmでの粘度V1と120℃及び100rpmでの粘度V2との比(V1/V2)が1.1以上である
条件C:回転式レオメータで測定される20℃での粘度V3と120℃での粘度V3との比(V3/V4)が10000以下である
<2>ジェットディスペンサを用いて基材に接触させる、<1>に記載の反応性ホットメルト接着剤。
<3>ドット状に基材に接触させる、<1>又は<2>に記載の反応性ホットメルト接着剤。
<4>伸縮性を有する基材の接着に用いるための、<1>~<3>のいずれか1つに記載の反応性ホットメルト接着剤。
<5>衣料品の製造に用いるための、<1>~<4>のいずれか1つに記載の反応性ホットメルト接着剤。
<6>2以上の基材と、前記2以上の基材を接着している<1>~<5>のいずれか1つに記載の反応性ホットメルト接着剤の硬化物と、を備える構造体。
<7>溶融させた<1>~<5>のいずれか1つに記載の反応性ホットメルト接着剤を第1基材に接触させることと、第1基材上の前記反応性ホットメルト接着剤に第2基材を接触させることと、を含む、構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、初期接着性と塗布時の作業性とに優れる反応性ホットメルト接着剤、並びに、初期接着性と塗布時の作業性とに優れる反応性ホットメルト接着剤を用いて得られる構造体及び構造体の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0009】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
【0010】
本開示において「ポリオール」は、分子内に水酸基を2個以上有する化合物を意味する。
本開示において「ポリイソシアネート」は、分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物を意味する。
本開示において「ウレタンプレポリマー」は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であり、分子の末端にイソシアネート基を有する化合物を意味する。すなわち、「ウレタンプレポリマー」はポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を含み、重合鎖の末端基としてイソシアネート基を有する化合物を意味する。
【0011】
<反応性ホットメルト接着剤>
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマーを含み、下記条件A、条件B及び条件Cを満たす、反応性ホットメルト接着剤である。
条件A:示差走査熱量測定計で測定される硬化物の結晶化度が25J/g以上である
条件B:B型回転粘度計で測定される120℃及び20rpmでの粘度V1と120℃及び100rpmでの粘度V2との比(V1/V2)が1.1以上である
条件C:回転式レオメータで測定される20℃での粘度V3と120℃での粘度V3との比(V3/V4)が10000以下である。
【0012】
後述する実施例に示すように、本開示の反応性ホットメルト接着剤は優れた初期接着力(基材との接触後に短時間で発現する接着力)を示す。このため、複数の基材を反応性ホットメルト接着剤を用いて接着する際の基材間の位置ずれが生じにくい。さらに、本開示の反応性ホットメルト接着剤は塗布時の作業性に優れている。具体的には、反応性ホットメルト接着剤をジェットディスペンサを用いて基材に塗布する場合の作業性に優れている。
【0013】
(条件A:結晶化度)
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、条件Aを満たす。すなわち、示差走査熱量測定計で測定される硬化物の結晶化度(以下、結晶化度ともいう)が25J/g以上である。
反応性ホットメルト接着剤の結晶化度が25J/g以上であることで、優れた初期接着性を示す。
初期接着性の観点からは、反応性ホットメルト接着剤の結晶化度は30J/g以上、35J/g以上又は40J/以上であってもよい。
硬化物の伸縮性を確保する観点からは、反応性ホットメルト接着剤の結晶化度は60J/g以下、55J/g以下又は50J/以下であってもよい。
【0014】
本開示において、反応性ホットメルト接着剤の結晶化度は実施例に記載した方法で測定される。
【0015】
(条件B:TI値)
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、条件Bを満たす。すなわち、B型回転粘度計で測定される120℃及び20rpmでの粘度V1と120℃及び100rpmでの粘度V2との比(V1/V2、以下、TI値ともいう)が1.1以上である。
反応性ホットメルト接着剤のTI値が1.1以上であることで、反応性ホットメルト接着剤を基材に塗布する際の糸引きが抑制される。
糸引きを抑制する観点からは、反応性ホットメルト接着剤のTI値は1.15以上、又は1.2以上であってもよい。
長期間貯蔵した際の接着剤の相分離を防止する観点からは、反応性ホットメルト接着剤のTI値は1.45以下、1.4以下又は1.35以下であってもよい。
【0016】
本開示において、反応性ホットメルト接着剤のTI値は実施例に記載した方法で測定される。
【0017】
(条件C:温度粘度依存性)
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、条件Cを満たす。すなわち、回転式レオメータで測定される20℃での粘度V3と120℃での粘度V3との比(V3/V4、以下、温度粘度依存性ともいう)が10000以下である。
反応性ホットメルト接着剤の温度粘度依存性が10000以下であることで、反応性ホットメルト接着剤の冷却による粘度上昇速度が抑制され、溶融した反応性ホットメルト接着剤をジェットディスペンサのノズルから良好に吐出することができる。
ディスペンサからの吐出性の観点からは、反応性ホットメルト接着剤の温度粘度依存性は9000以下、8000以下、7000以下、又は6000以下であってもよい。
接着剤が温度低下とともに固化し、優れた初期接着性を発現させる観点からは、反応性ホットメルト接着剤の温度粘度依存性は50以上、75以上又は100以上であってもよい。
【0018】
本開示において、反応性ホットメルト接着剤の温度依存性は実施例に記載した方法で測定される。
【0019】
(ウレタンプレポリマー)
反応性ホットメルト接着剤に含まれるウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる。
ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリオール及びポリイソシアネートの種類は特に制限されず、反応性ホットメルト接着剤の所望の特定等に応じて選択できる。
ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリオール及びポリイソシアネートは、それぞれ1種のみでも2種以上であってもよい。
反応性ホットメルト接着剤に含まれるウレタンプレポリマーは、1種のみでも2種以上であってもよい。
【0020】
硬化後の伸縮性の観点からは、ウレタンプレポリマーのポリオールに由来する構造単位は非晶性ポリオールに由来する構造単位を含むことが好ましい。
本開示において結晶性ポリオールはDSC測定を行った際に融解を伴う吸熱ピーク(融点Tm)が存在するポリオールを意味し、非晶性ポリオールはDSC測定を行った際に融解を伴う吸熱ピーク(融点Tm)が存在しないポリオールを意味する。
ウレタンプレポリマーのポリオールに由来する構造単位に占める非晶性ポリオールに由来する構造単位の割合は、30質量%以上、35質量%以上又は40質量%以上であってもよい。
ウレタンプレポリマーのポリオールに由来する構造単位に占める非晶性ポリオールに由来する構造単位の割合は、70質量%以下、65質量%以下又は60質量%以下であってもよい。
【0021】
反応性ホットメルト接着剤の固化時間及び粘度調整の観点からは、ウレタンプレポリマーは、ポリオールに由来する構造単位としてポリエステルポリオールに由来する構造単位を含むことが好ましい。すなわち、ウレタンプレポリマーの原料はポリオールとしてポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
【0022】
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールとポリカルボン酸との重縮合反応によって生成する化合物を用いることができる。ポリエステルポリオールは、例えば、2~15個の炭素原子及び2又は3個の水酸基を有する多価アルコールと、2~14個の炭素原子(カルボキシル基中の炭素原子を含む)を有し、2~6個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸との重縮合物であってもよい。
【0023】
ポリエステルポリオールとしては、ジオールとジカルボン酸とから生成する直鎖ポリエステルジオールであってもよく、トリオールとジカルボン酸とから生成する分岐ポリエステルトリオールであってもよい。また、分岐ポリエステルトリオールは、ジオールとトリカルボン酸との反応によって得ることもできる。
【0024】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオールの各異性体、ペンタンジオールの各異性体、ヘキサンジオールの各異性体、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-メチルプロパンジオール、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族又は脂環族ジオール;4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の芳香族ジオールなどが挙げられる。多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、好ましくは脂肪族ジオール、より好ましくは2~6個の炭素原子を有する脂肪族ジオールである。
【0025】
ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジエン-1,2-ジカルボン酸等の脂肪族又は脂環族ポリカルボン酸などが挙げられる。ポリカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
上述したポリカルボン酸に代えて、カルボン酸無水物、カルボキシル基の一部がエステル化された化合物等のポリカルボン酸誘導体を用いることもできる。ポリカルボン酸誘導体としては、例えば、ドデシルマレイン酸及びオクタデセニルマレイン酸が挙げられる。
【0027】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエステルポリオールは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
【0028】
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500~10000の範囲、より好ましくは1000~8000の範囲、さらに好ましくは1500~6000の範囲である。
【0029】
本開示においてポリオールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリスチレン換算した値である。GPCの測定は、以下の条件で行うことができる。カラム:「Gelpack GLA130-S」、「Gelpack GLA150-S」及び「Gelpack GLA160-S」(昭和電工マテリアルズ株式会社製、HPLC用充填カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:RI
【0030】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエステルポリオールの量は、例えば、ポリオール全体の70質量%~100質量%の範囲内であってもよい。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエステルポリオールは、非晶性ポリエステルオールと結晶性ポリエステルポリオールとを含んでもよい。
【0031】
反応性ホットメルト接着剤は、ポリオールに由来する構造単位としてポリエーテルポリオールに由来する構造単位を含んでもよい。すなわち、ウレタンプレポリマーの原料はポリオールとしてポリエーテルポリオールを含んでもよい。
【0032】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオール等の芳香族ポリエーテルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0033】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエーテルポリオールは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
【0034】
ポリエーテルポリオールのMnは、初期接着強度、硬化後の接着強度、及び塗布後の適度なオープンタイムの観点から、好ましくは500~2000の範囲、より好ましくは700~2000の範囲、さらに好ましくは1000~2000の範囲である。
【0035】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエーテルポリオールの量は、例えば、ポリオール全体の0質量%~10質量%の範囲内であってもよい。
【0036】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリイソシアネートは、特に制限されない。ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートなどが挙げられる。反応性及び接着性の観点からは、ポリイソシアネートとしては芳香族ジイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
【0037】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリイソシアネートは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
【0038】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリオールの水酸基(OH)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)は、2.0以下であることが好ましい。NCO/OHの比が2.0以下であると、ポリオールとポリイソシアネートを反応させる際に未反応のポリイソシアネートの残存が抑制され、硬化後の伸縮性が良好に維持される。
【0039】
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリオールの水酸基(OH)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)は、1.6以上であることが好ましい。NCO/OHの比が1.6以上であると、得られるウレタンプレポリマーの溶融時の粘度が高くなり過ぎず、作業性が良好に維持される。
【0040】
ポリオールとポリイソシアネートとを反応させる際の温度及び時間は、例えば、85~120℃及び1分間~48時間であってよい。ポリオールとポリイソシアネートとを混合する際は、減圧脱泡を行ってもよい。
【0041】
反応性ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマーの硬化反応を促進する観点から、触媒をさらに含有していてもよい。触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオンオクテート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリオクチルアミン、ジモルホリノジエチルエーテル(ビス(2-モルホリノエチル)エーテル)等が挙げられる。
触媒の含有率は、たとえば、反応性ホットメルト接着剤全体の0質量%~0.5質量%であってもよい。
【0042】
反応性ホットメルト接着剤は、硬化物のゴム弾性を高め、耐衝撃性をより向上させる観点から、熱可塑性ポリマーをさらに含有していてもよい。熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリウレタン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル共重合体、スチレン-共役ジエンブロック共重合体等が挙げられる。
【0043】
反応性ホットメルト接着剤は、硬化物により強固な接着性を付与する観点から、粘着付与樹脂をさらに含有していてもよい。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0044】
反応性ホットメルト接着剤は、必要に応じて、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、シランカップリング剤、充填剤等の成分を含有していてもよい。
【0045】
反応性ホットメルト接着剤の硬化物を得る方法は、特に制限されない。例えば、温度20℃~30℃、相対湿度40%~60%の環境下でウレタンプレポリマーの硬化反応を生じさせ、硬化物を得てもよい。
【0046】
塗布時の作業性の観点からは、反応性ホットメルト接着剤の120℃における粘度は20Pa・s以下であることが好ましく、15Pa・s以下であることがより好ましく、10Pa・s以下であることがさらに好ましい。反応性ホットメルト接着剤の120℃における粘度の下限値は限定されないが、例えば、1Pa・s以上であってよい。
上記粘度は、温度粘度依存性の測定と同様に回転式レオメータを用いて測定される。
【0047】
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、使用前は固体の状態である。固体の状態である反応性ホットメルト接着剤の形態は、特に制限されない。例えば、ペレット状、ブロック状、粉末状、シート状等であってもよい。
【0048】
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、常温で固体であり、使用の際に加熱して液状化させる。液状化した反応性ホットメルト接着剤を対象物(基材)に接触させる方法は、特に制限されない。例えば、液状化した反応性ホットメルト接着剤をディスペンサ等を用いて基材に接触させてもよく、接着剤シートなどの液状化していない反応性ホットメルト接着剤を対象物に接触させた状態で加熱して液状化させてもよい。
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、吐出により基材に接触させることが好ましい。
【0049】
後述するように、本開示の反応性ホットメルト接着剤は、ジェットディスペンサからの吐出性に優れている。このため、反応性ホットメルト接着剤を基材に接触させる方法としてはジェットディスペンサを用いる方法が特に好適である。
ディスペンサには接触式と非接触式の2種類が存在し、ジェットディスペンサは非接触式のディスペンサに該当する。ジェットディスペンサとは、シリンジやタンク等に入った液剤を塗布対象物に向けて吐出する機械を指す。ジェットディスペンサは微量かつ一定量の液剤を正確に吐出する点で優れており、反応性ホットメルト接着剤においては、ジェットディスペンサを用いることが好ましい。ジェットディスペンサを用いる方法では、ノズルから離れた位置にある基材に対して反応性ホットメルト接着剤を吐出する。このため、例えば、反応性ホットメルト接着剤からなるドット状のパターンを基材上に形成することができる。
【0050】
反応性ホットメルト接着剤を布帛のような伸縮性を有する基材の接着剤として用いる場合、基材の接着性に優れるとともに、基材の伸縮性が充分に確保される必要がある。
接着力の高い反応性ホットメルト接着剤を用いて基材を接着すると、反応性ホットメルト接着剤の硬化物が硬すぎて、接着部位の伸縮性が損なわれる場合がある。この問題を解決する方策として、反応性ホットメルト接着剤をドット状に基材に塗布することが挙げられる。後述するように、本開示の反応性ホットメルト接着剤は、基材上にドット状に塗布した際の糸引きが発生しにくく、作業性に優れている。このため、伸縮性を有する基材の接着剤として好適である。
【0051】
本開示の反応性ホットメルト接着剤を用いて接着される基材の種類は、特に制限されない。上述した理由から、本開示の反応性ホットメルト接着剤は伸縮性を有する基材を接着するための接着剤として、又は衣料品の製造に用いるための接着剤としても好適である。
伸縮性を有する基材の材質は特に制限されない。例えば、天然繊維、合成繊維、プラスチック等であってもよい。
ある実施態様では、伸縮性を有する基材は編地、織物等の布帛であってもよく、衣料品用の布帛であってもよい。
【0052】
<構造体>
本開示の構造体は、2以上の基材と、前記2以上の基材を接着している本開示の反応性ホットメルト接着剤の硬化物と、を備える構造体である。
【0053】
構造体に含まれる2以上の基材の材質は、特に制限されない。例えば、天然繊維、合成繊維、プラスチック等であってもよい。2以上の基材の材質は同じであっても異なっていてもよい。
ある実施態様では、基材は伸縮性を有するものであってもよく、伸縮性を有する基材は編地、織物、不織布等の布帛であってもよい。基材は衣料品用の布帛であってもよい。
【0054】
<構造体の製造方法>
本開示の構造体の製造方法は、溶融させた本開示の反応性ホットメルト接着剤を第1基材に接触させることと、第1基材上の前記反応性ホットメルト接着剤に第2基材を接触させることと、を含む、構造体の製造方法である。
【0055】
上記方法では、第1基材と第2基材とに接触した状態の反応性ホットメルト接着剤が冷却されて固化し、次いで、反応性ホットメルト接着剤に含まれるウレタンプレポリマーの硬化反応が生じる。これにより、第1基材と第2基材とが反応性ホットメルト接着剤の硬化物で接着された構造体が得られる。
【0056】
上記方法において、第1基材に溶融させた反応性ホットメルト接着剤を接触させる方法は特に制限されない。
本開示の方法では、反応性ホットメルト接着剤を吐出により第1基材に接触させることが好ましい。
上述したように、本開示の反応性ホットメルト接着剤はジェットディスペンサを用いる塗布時の作業性に優れている。このため、反応性ホットメルト接着剤の接触はジェットディスペンサを用いて行ってもよい。
後述する実施例に示すように、本開示の反応性ホットメルト接着剤はドット状に塗布したときのドット間に糸引きが生じにくい。このため、反応性ホットメルト接着剤をドット状に第1基材に接触させてもよい。
【0057】
第1基材及び第2基材の材質は、特に制限されない。例えば、天然繊維、合成繊維、プラスチック等であってもよい。第1基材及び第2基材の材質は同じであっても異なっていてもよい。
ある実施態様では、第1基材及び第2基材は伸縮性を有するものであってもよく、伸縮性を有する基材は編地、織物、不織布等の布帛であってもよい。第1基材及び第2基材は衣料品用の布帛であってもよい。
【実施例0058】
以下に、本開示を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
<反応性ホットメルト接着剤の調製>
表1に示した種類及び質量部のポリオール及びポリイソシアネートを用いて、ウレタンプレポリマーを調製した。より詳細には、予め真空乾燥機によって脱水処理したポリオールとポリイソシアネートとを反応容器に加えて、110℃で1時間均一になるまで混合した。次いで、さらに110℃で1時間減圧脱泡撹拌することによって、ウレタンプレポリマーを得た。表1に示す通り、NCO当量/OH当量が1より大きいことから、得られたウレタンプレポリマーは、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖と、当該重合鎖の末端に結合しているイソシアネート基とを有することが推測される。試験には、上記で得られたウレタンプレポリマーを反応性ホットメルト接着剤としてそのまま使用した。
【0060】
【0061】
表1に示すポリオール及びポリイソシアネートの詳細は、下記の通りである。
(非晶性ポリエステルポリオールA)
ジカルボン酸(テレフタル酸及びイソフタル酸及びアジピン酸)とジオール(エチレングリコール及びネオペンチルグリコール)とを主成分とする、芳香環を有する非晶性ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
【0062】
(非晶性ポリエステルポリオールB)
ジカルボン酸(イソフタル酸及びアジピン酸)とジオール(エチレングリコール及びネオペンチルグリコール)とを主成分とする、芳香環を有する非晶性ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
【0063】
(非晶性ポリエステルポリオールC)
ジカルボン酸(無水フタル酸)とジオール(エチレングリコール及びジエチレングリコール)とを主成分とする、芳香環を有する非晶性ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
【0064】
(非晶性ポリエステルポリオールD)
ジカルボン酸(無水フタル酸)とジオール(エチレングリコール及びネオペンチルグリコール)とを主成分とする、芳香環を有する非晶性ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
【0065】
(非晶性ポリエステルポリオールE)
芳香環を有する非晶性ポリエステルポリオール(豊国製油株式会社製、商品名:HS 2F-306P、水酸基数:2、融点(Tm):なし)
【0066】
(非晶性ポリエステルポリオールF)
ジカルボン酸(アジピン酸)とジオール(プロピレングリコール及びネオペンチルグリコール)とを主成分とする、芳香環を有さない非晶性ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
【0067】
(結晶性ポリエステルポリオールA)
ジカルボン酸(セバシン酸)とジオール(1,6-ヘキサンジオール)とを主成分とする、芳香環を有さない結晶性ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:4800)
【0068】
(結晶性ポリエステルポリオールB)
芳香環を有さない結晶性ポリエステルポリオール(伊藤製油株式会社製、商品名:SE-2606、水酸基数:2、融点(Tm):66℃)
【0069】
(結晶性ポリエステルポリオールC)
芳香環を有さない結晶性ポリエステルポリオール(エボニック インダストリーズ製、商品名:DYNACOLL7380、水酸基数:2、融点(Tm):73℃)
【0070】
(ポリイソシアネート)
ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー株式会社製、商品名:ミリオネートMT、イソシアネート基数:2)
【0071】
(結晶化度)
反応性ホットメルト接着剤の結晶化度は、自動示差走査熱量測定計(DSC)を用いて測定した。測定装置としては島津製作所製のDSC-60A plus(商品名)を使用した。-100℃から10℃/minの昇温速度で100℃まで昇温した際に得られる吸熱ピーク面積から融解熱を求め、試料量(10mg)で除した値を結晶化度(J/g)と定義した。
【0072】
(TI値)
反応性ホットメルト接着剤のTI値は、B型回転粘度計で測定した20rpmでの粘度と100rpmでの粘度とから求めた。測定装置としては東機産業株製 BH-HH型少量回転粘度計を使用した。ロータとしては4号ロータを使用し、試料量は15gとし、測定温度は120℃とした。
【0073】
(温度粘度依存性)
反応性ホットメルト接着剤の温度粘度依存性は、回転式レオメータを用いて測定した20℃での粘度と120℃での粘度とから求めた。測定装置としてはティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株製のDISCOVERY HR(商品名)を使用した。測定条件はジオメトリ直径:20mm(2°コーンプレート)、ギャップ:57μm、せん断速度:33.0(1/s)、温度条件:120℃から80℃まで(降温速度:-5℃/min)とした。
20℃での粘度の値は、120℃から80℃までの測定結果を近似することで算出した。なお、湿気硬化前の反応性ホットメルト接着剤は固体の状態で粘弾性を持つため、20℃での粘度の算出が可能である。
【0074】
(初期接着力)
ジェットディスペンサ(Marco社製ピエゾ式JETディスペンサ:MV JET)を用いて、100℃に加熱して溶融させた反応性ホットメルト接着剤を基材に塗布し、接着剤層(塗布面積8mm×8cm)を形成した。
形成した接着剤層の上に別の基材を配置し、100℃で圧着させて積層体を作製した。
圧着した時点から5分経過後の接着剤層の接着力を、引張試験機(株式会社島津製作所製:EZ-test)を用いて、測定温度25℃、引張速度100mm/minの条件でT型剥離強度試験によって測定した。測定値が大きいほど、初期接着力が良好であると評価できる。
基材としては、伸縮性布地(スパンデックス、東レ・オプロンテックス株式会社製、ライクラ(登録商標)、生地サイズ2cm幅×12cm長)を使用した。
【0075】
(吐出性)
ジェットディスペンサ(Marco社製ピエゾ式JETディスペンサ:MV JET)を用いて、100℃に加熱して溶融させた反応性ホットメルト接着剤を、初期接着力の評価で使用した基材にドット状に塗布した。具体的には、1mm径のドット300個(ドット間距離:2mm、1列あたりのドット数:30、列の数:10)からなるパターンを反応性ホットメルト接着剤を用いて形成した。塗布中、途切れなく安定的な塗布が可能かを確認し、下記基準により評価した。結果を表2に示す。
〇:途切れなく真円状のドットが300個塗布できた。
×:ドットの途切れ、ドット径又は形状の不良などが生じた。
【0076】
(糸引きの有無)
吐出性の評価と同じ方法で、反応性ホットメルト接着剤を用いて基材にドット状のパターンを形成した。その後、隣接するドット間における糸引きの有無を目視で観察した。結果を表2に示す。
【0077】
【0078】
(120℃での粘度)
反応性ホットメルト接着剤の120℃での粘度は、B型回転粘度計で測定した。測定装置としては東機産業株製 BH-HH型少量回転粘度計を使用し、ロータとしては4号ロータを使用した。試料量は15g、測定温度は120℃、回転数100rpmにて測定した。
【0079】
表2に示すように、硬化物の結晶化度が25J/g以上であり、TI値が1.1以上であり、温度粘度依存性が10000以下である実施例1~4の反応性ホットメルト接着剤は優れた初期接着力及び吐出性を示し、ドット間の糸引きが観察されなかった。
TI値が1.1より低い比較例1の反応性ホットメルト接着剤は、ドット間に糸引きが観察された。
温度粘度依存性が10000を超える比較例2の反応性ホットメルト接着剤は、吐出性が実施例よりも劣っていた。
硬化物の結晶化度が25J/gより低い比較例3の反応性ホットメルト接着剤は、初期接着力が実施例よりも劣っていた。