(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179030
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】積分器およびデルタシグマ変調器
(51)【国際特許分類】
H03F 3/70 20060101AFI20241219BHJP
H03M 3/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H03F3/70
H03M3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097519
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 一馬
(72)【発明者】
【氏名】宮原 由一
【テーマコード(参考)】
5J064
5J500
【Fターム(参考)】
5J064BA03
5J064BC06
5J064BC07
5J064BC08
5J064BC10
5J064BC25
5J500AA01
5J500AA25
5J500AA51
5J500AC92
5J500AF14
5J500AH29
5J500AK02
5J500AM11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回路規模を小さくできる積分器およびデルタシグマ変調器を提供する。
【解決手段】デルタシグマ変調器は、入力信号A
INに応じた信号を遅延させた出力信号A
OUTを出力する1次の遅延部82、前記出力信号に応じた第1フィードバック信号を生成する第1フィードバック部10、前記出力信号に応じた第2フィードバック信号を生成する第2フィードバック部20及び前記入力信号に対して、前記第1フィードバック信号および前記第2フィードバック信号を加減算して前記遅延部に入力する加減算部80を有する積分器100と、前記第2フィードバック部を、第1の期間において遅延回路として動作させ、第2の期間において0より小さいゲインを有するゲイン回路として動作させる制御部114と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に応じた信号を遅延させた出力信号を出力する1次の遅延部と、
前記出力信号に応じた第1フィードバック信号を生成する第1フィードバック部と、
前記出力信号に応じた第2フィードバック信号を生成する第2フィードバック部と、
前記入力信号に対して、前記第1フィードバック信号および前記第2フィードバック信号を加減算して前記遅延部に入力する加減算部と、
第1の期間において前記第2フィードバック部を遅延回路として動作させ、第2の期間において前記第2フィードバック部を0より小さいゲインを有するゲイン回路として動作させる制御部と
を備える積分器。
【請求項2】
前記第2フィードバック部は、前記遅延回路として機能する場合、および、前記ゲイン回路として機能する場合の両方において、共通のキャパシタを用いて前記第2フィードバック信号を生成する
請求項1に記載の積分器。
【請求項3】
前記第2フィードバック部は、
前記出力信号に応じた電荷を蓄積する第1キャパシタと、
前記第1の期間と前記第2の期間とで、前記第1キャパシタの極性を異ならせる第1極性切替部と、
前記第1の期間および前記第2の期間の各期間において、前記出力信号に応じて前記第1キャパシタを充電するか、前記第1キャパシタを前記加減算部に接続するかを切り替える第1充放電切替部と
を有する請求項2に記載の積分器。
【請求項4】
前記第1極性切替部は、前記第1の期間において、前記第1キャパシタが充電した電荷に応じた前記第2フィードバック信号を前記入力信号に対して減算させ、前記第2の期間において、前記第1キャパシタが充電した前記電荷に応じた前記第2フィードバック信号を前記入力信号に対して加算させるように、前記第1キャパシタの極性を切り替える
請求項3に記載の積分器。
【請求項5】
前記第1充放電切替部は、前記第1の期間と前記第2の期間とにおいて、前記出力信号に応じて前記第1キャパシタを充電するか、前記第1キャパシタを前記加減算部に接続するかを切り替える切替周期を異ならせる
請求項3に記載の積分器。
【請求項6】
前記第1充放電切替部は、前記第2の期間における前記切替周期を、前記第1の期間における前記切替周期よりも短くする
請求項5に記載の積分器。
【請求項7】
前記第1充放電切替部は、前記第2の期間において、前記第1キャパシタにおける充放電を停止する
請求項3に記載の積分器。
【請求項8】
前記第2フィードバック部は、
前記第1キャパシタと並列に設けられ、前記出力信号に応じた電荷を蓄積する第2キャパシタと、
前記第1の期間と前記第2の期間とで、前記第2キャパシタの極性を異ならせる第2極性切替部と、
前記第1の期間および前記第2の期間の各期間において、前記出力信号に応じて前記第2キャパシタを充電するか、前記第2キャパシタを前記加減算部に接続するかを切り替える第2充放電切替部と
を有する請求項3から7のいずれか一項に記載の積分器。
【請求項9】
前記第2極性切替部は、前記第2キャパシタの極性を、前記第1キャパシタの極性と同一にする
請求項8に記載の積分器。
【請求項10】
前記第2充放電切替部は、前記第1の期間において、前記第1キャパシタとは異なるタイミングで前記第2キャパシタを充電し、前記第1キャパシタとは異なるタイミングで前記第2キャパシタを前記加減算部に接続する
請求項8に記載の積分器。
【請求項11】
前記第2充放電切替部は、前記第2の期間において、前記第2キャパシタにおける充放電を停止する
請求項10に記載の積分器。
【請求項12】
前記第2充放電切替部は、前記第2の期間において、前記第1キャパシタと同一のタイミングで、前記第2キャパシタを充放電する
請求項10に記載の積分器。
【請求項13】
前記第1フィードバック部は、前記出力信号に応じた電荷を蓄積する第3キャパシタを有し、
前記第1キャパシタ、前記第2キャパシタおよび前記第3キャパシタを、前記第1フィードバック部および前記第2フィードバック部のいずれかのキャパシタとして機能させるかを切り替える容量切替部を更に備える
請求項8に記載の積分器。
【請求項14】
請求項1に記載の積分器を備えるデルタシグマ変調器であって、
前記出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータと、
前記アナログデジタルコンバータの出力に応じたフィードバック信号を生成し、前記入力信号から減じるデジタルアナログコンバータと
を備えるデルタシグマ変調器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積分器およびデルタシグマ変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、低消費電力で高分解能化を実現するための手法として、予め定められた期間が経過するまで、1次のフィードバック係数が1の積分器として動作し、予め定められた期間が経過した後に、1次のフィードバック係数が1よりも大きい増幅器として動作するインクリメンタル型デルタシグマ変調器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特開2019-118100号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、積分器を提供する。上記積分器は、入力信号に応じた信号を遅延させた出力信号を出力する1次の遅延部を備えてよい。上記何れかの積分器は、前記出力信号に応じた第1フィードバック信号を生成する第1フィードバック部を備えてよい。上記何れかの積分器は、前記出力信号に応じた第2フィードバック信号を生成する第2フィードバック部を備えてよい。上記何れかの積分器は、前記入力信号に対して、前記第1フィードバック信号および前記第2フィードバック信号を加減算して前記遅延部に入力する加減算部を備えてよい。上記何れかの積分器は、第1の期間において前記第2フィードバック部を遅延回路として動作させ、第2の期間において前記第2フィードバック部を0より小さいゲインを有するゲイン回路として動作させる制御部を備えてよい。
【0004】
上記何れかの積分器において、前記第2フィードバック部は、前記遅延回路として機能する場合、および、前記ゲイン回路として機能する場合の両方において、共通のキャパシタを用いて前記第2フィードバック信号を生成してよい。
【0005】
上記何れかの積分器において前記第2フィードバック部は、前記出力信号に応じた電荷を蓄積する第1キャパシタを有してよい。上記何れかの積分器において前記第2フィードバック部は、前記第1の期間と前記第2の期間とで、前記第1キャパシタの極性を異ならせる第1極性切替部を有してよい。前記第2フィードバック部において前記第2フィードバック部は、前記第1の期間および前記第2の期間の各期間において、前記出力信号に応じて前記第1キャパシタを充電するか、前記第1キャパシタを前記加減算部に接続するかを切り替える第1充放電切替部を有してよい。
【0006】
上記何れかの積分器において前記第1極性切替部は、前記第1の期間において、前記第1キャパシタが充電した電荷に応じた前記第2フィードバック信号を前記入力信号に対して減算させ、前記第2の期間において、前記第1キャパシタが充電した前記電荷に応じた前記第2フィードバック信号を前記入力信号に対して加算させるように、前記第1キャパシタの極性を切り替えてよい。
【0007】
上記何れかの積分器において前記第1充放電切替部は、前記第1の期間と前記第2の期間とにおいて、前記出力信号に応じて前記第1キャパシタを充電するか、前記第1キャパシタを前記加減算部に接続するかを切り替える切替周期を異ならせてよい。
【0008】
上記何れかの積分器において前記第1充放電切替部は、前記第2の期間における前記切替周期を、前記第1の期間における前記切替周期よりも短くしてよい。
【0009】
上記何れかの積分器において前記第1充放電切替部は、前記第2の期間において、前記第1キャパシタにおける充放電を停止してよい。
【0010】
上記何れかの積分器において前記第2フィードバック部は、前記第1キャパシタと並列に設けられ、前記出力信号に応じた電荷を蓄積する第2キャパシタを有してよい。上記何れかの積分器において前記第2フィードバック部は、前記第1の期間と前記第2の期間とで、前記第2キャパシタの極性を異ならせる第2極性切替部を有してよい。上記何れかの積分器において第2フィードバック部は、前記第1の期間および前記第2の期間の各期間において、前記出力信号に応じて前記第2キャパシタを充電するか、前記第2キャパシタを前記加減算部に接続するかを切り替える第2充放電切替部を有してよい。
【0011】
上記何れかの積分器において前記第2極性切替部は、前記第2キャパシタの極性を、前記第1キャパシタの極性と同一にしてよい。
【0012】
上記何れかの積分器において前記第2充放電切替部は、前記第1の期間において、前記第1キャパシタとは異なるタイミングで前記第2キャパシタを充電し、前記第1キャパシタとは異なるタイミングで前記第2キャパシタを前記加減算部に接続してよい。
【0013】
上記何れかの積分器において前記第2充放電切替部は、前記第2の期間において、前記第2キャパシタにおける充放電を停止してよい。
【0014】
上記何れかの積分器において前記第2充放電切替部は、前記第2の期間において、前記第1キャパシタと同一のタイミングで、前記第2キャパシタを前記加減算部に接続してよい。
【0015】
上記何れかの積分器において前記第1フィードバック部は、前記出力信号に応じた電荷を蓄積する第3キャパシタを有してよい。上記何れかの積分器において前記第1フィードバック部は、前記第1キャパシタ、前記第2キャパシタおよび前記第3キャパシタを、前記第1フィードバック部および前記第2フィードバック部のいずれかのキャパシタとして機能させるかを切り替える容量切替部を備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、第1の態様に係る積分器を備えるデルタシグマ変調器を提供する。上記デルタシグマ変調器は、前記出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータを備えてよい。上記デルタシグマ変調器は、前記アナログデジタルコンバータの出力に応じたフィードバック信号を生成し、前記入力信号から減じるデジタルアナログコンバータを備えてよい。
【0017】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る積分器100を用いた、デルタシグマ変調器200の構成例を示す。
【
図3】積分器100の具体的な構成例を示す図である。
【
図4】第1の期間における各信号φkの一例を示すタイミングチャートである。
【
図5】第2の期間における各信号φkの一例を示すタイミングチャートである。
【
図6】第2の期間における各信号φkの他の例を示すタイミングチャートである。
【
図7】第2の期間における各信号φkの他の例を示すタイミングチャートである。
【
図8】第2の期間における各信号φkの他の例を示すタイミングチャートである。
【
図10】積分器100の他の構成例を示す図である。
【
図11】第1の期間における各キャパシタの役割の切替例を示す図である。
【
図12】複数の第1の期間における各キャパシタの役割の切替例を示す図である。
【
図13】積分器100の出力信号A
OUTにおける信号対雑音比SNRの一例を示す図である。
【
図14】積分器100の出力信号A
OUTにおける信号対雑音比SNRの一例を示す図である。
【
図15】デルタシグマ変調器200の他の構成例を示す図である。
【
図16】
図15に示したデルタシグマ変調器200の具体的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る積分器100を用いた、デルタシグマ変調器200の構成例を示す。デルタシグマ変調器200は、積分器100を用いる回路の一例であり、積分器100が設けられる回路はデルタシグマ変調器200に限定されない。
【0021】
デルタシグマ変調器200は、入力されるアナログ信号ASIGをデジタル信号DOUTに変換する。デルタシグマ変調器200は、一例として、AD変換の各周期ごとに、積分器100の積分値を初期値にリセットするインクリメンタル型のAD変換器である。デルタシグマ変調器200は、AD変換の期間と、リセットの期間とを交互に繰り返す。
【0022】
本例のデルタシグマ変調器200におけるAD変換の期間は、第1の期間および第2の期間を有する。第2の期間は、第1の期間の後の期間である。つまり、デルタシグマ変調器200における動作は、第1の期間、第2の期間、リセットの期間を順番に繰り返す。本例の積分器100は、第1の期間では1次のフィードバック係数が1の積分器として動作し、第2の期間では1次のフィードバック係数が1より大きい積分器として動作する。これにより積分器100を高分解能化できる。
【0023】
図1に示すデルタシグマ変調器200は、加減算部110、積分器100、アナログデジタルコンバータ(AD変換部120と称する)、および、デジタルアナログコンバータ(DA変換部130と称する)を備える。デルタシグマ変調器200は制御部114およびリセット回路116を更に備えてよい。加減算部110は、アナログ信号A
SIGからフィードバック信号A
FBを減じて入力信号A
INを生成する。本例のフィードバック信号A
FBおよび入力信号A
INはアナログ信号である。
【0024】
積分器100は、入力信号ASIGを積分した出力信号AOUTを生成する。積分器100は、アナログ積分器であってよい。制御部114は、積分器100を制御する。本例の制御部114は、上述した第1の期間および第2の期間で、積分器100に異なる積分動作を行わせる。リセット回路116は、AD変換の期間が終了する毎に、積分器100が出力する出力信号AOUTの値を初期値にリセットする。
【0025】
AD変換部120は、出力信号AOUTをデジタル信号DOUTに変換する。AD変換部120は、外部から供給されるクロック信号に応じたタイミングで、出力信号AOUTを量子化してよい。AD変換部120は、2値のデジタル信号DOUTを出力してよい。例えばAD変換部120は、出力信号AOUTの値が設定値以上となった場合に1つのパルスを出力し、設定値より小さい場合にはパルスを出力しない1ビットの量子化器である。この場合、アナログ信号ASIGの大きさが、AD変換の期間における当該パルスの密度に変換される。他の例では、AD変換部120は、3値以上の多値のデジタル信号DOUTを出力してもよい。
【0026】
DA変換部130は、AD変換部120が出力したデジタル信号DOUTに応じたフィードバック信号AFBを生成する。フィードバック信号AFBは、例えばデジタル信号DOUTの値に応じた振幅を有するアナログ信号である。AD変換部120が1ビットの量子化器の場合、DA変換部130は、AD変換部120がパルスを出力する毎に、予め設定された大きさのフィードバック信号AFBを生成してよい。
【0027】
図2は、積分器100の構成例を示す図である。積分器100は、遅延部82、第1フィードバック部10、第2フィードバック部20および加減算部80を有する。遅延部82は、入力信号A
INに応じた信号A
PREを遅延させた出力信号A
OUTを生成する。遅延部82は、伝達係数の最大次数が1である、1次の遅延回路である。
【0028】
本例の遅延部82は、供給されるクロック信号の1周期分の遅延を発生させる。本明細書で説明する各クロック信号は、特に説明する場合を除き、共通の周期を有する。加減算部80は、入力信号AINに第1フィードバック信号FB1を加算し、第2フィードバック信号FB2を減算した信号APREを生成する。
【0029】
第1フィードバック部10は、出力信号AOUTに応じた第1フィードバック信号FB1を生成する。第1フィードバック部10は、出力信号AOUTを所定のゲインで増幅するゲイン回路17を有してよい。本例のゲイン回路17におけるゲインは2である。
【0030】
第2フィードバック部20は、出力信号A
OUTに応じた第2フィードバック信号FB
2を生成する。
図1に示した制御部114は、第1の期間において第2フィードバック部20を遅延回路として動作させ、第2の期間において第2フィードバック部20を0より小さいゲインを有するゲイン回路として動作させる。つまり、第2の期間において第2フィードバック部20は、負の値のゲインを有するゲイン回路として動作する。
【0031】
本例の第2フィードバック部20は、遅延回路22、ゲイン回路24、および、選択部50を有する。遅延回路22は、出力信号AOUTを遅延させて出力する。遅延回路22の遅延時間は、遅延部82の遅延時間と同一であってよい。本例の遅延回路22は、クロック信号の1周期分、出力信号AOUTを遅延させて出力する。ゲイン回路24は、出力信号AOUTを所定のゲイン-xで増幅して出力する。xは、0より大きい値であり、1以上の値であってよく、2以上の値であってもよい。
【0032】
選択部50は、第2フィードバック部20を、遅延回路22として動作させるか、ゲイン回路24として動作させるかを選択する。選択部50は、遅延回路22の出力と、ゲイン回路24の出力とのいずれかを選択して出力する回路であってよい。
【0033】
図2の例では、遅延回路22およびゲイン回路24は、別の回路として示されているが、遅延回路22およびゲイン回路24の一部の素子または全部の素子が共通であってもよい。選択部50は、これらの素子を制御することで、第2フィードバック部20を、遅延回路22として動作させるか、ゲイン回路24として動作させるかを選択してもよい。遅延回路22およびゲイン回路24の少なくとも一部を共通化することで、第2フィードバック部20の回路規模を低減できる。
【0034】
加減算部80は、入力信号AINに対して、第1フィードバック信号FB1および第2フィードバック信号FB2を加減算して遅延部82に入力する。加減算部80は、第1フィードバック信号FB1を入力信号AINに加算する。本例の加減算部80は、第2フィードバック信号FB2を入力信号AINから減算する。
【0035】
第2フィードバック部20が遅延回路22として機能する第1の期間では、積分器100は1次のフィードバック係数が1の積分器として動作する。第2フィードバック部20がゲイン回路24として機能する第2の期間では、積分器100は1次のフィードバック係数が1より大きい積分器として動作する。
図2の例では、第2の期間におけるフィードバック係数は、1+xである。これにより積分器100を高分解能化できる。
【0036】
第1の期間における出力信号A
OUTは、数1となる。
【数1】
第2の期間における出力信号A
OUTは、数2となる。
【数2】
【0037】
積分器100の各構成は、クロック信号のパルスが入力される毎に動作する。第1の期間に入力されるクロック信号のパルス数をmとすると、第1の期間における積分器100の伝達関数は、数3のように変形できる。
【数3】
数3に示すように、第1の期間における積分器100は、入力するクロック信号のパルス数mの2乗に応じて入力信号A
INを増幅する。第1の期間における積分器100の増幅率は、比較的に小さい。
【0038】
積分器100においては、誤差が発生する場合がある。積分器100における誤差は、ゲイン回路24の出力、または、遅延回路22の入力等で発生する。当該誤差は、積分器100の動作時における電荷の転送エラー等で生じる。積分器100において誤差が発生すると、クロック信号に応じた積分器100が動作する毎に、当該誤差が増大してしまう。本例の積分器100では、第1の期間においては、遅延回路22の出力を入力信号AINから減じている。このため、積分器100において誤差が発生しても、第2フィードバック信号FB2により当該誤差の成分が減算され、当該誤差が増幅してしまうのを抑制できる。
【0039】
第2の期間に入力されるクロック信号のパルス数をnとすると、第2の期間における積分器100の伝達関数は、数4のように変形できる。
【数4】
数4に示すように、第2の期間における積分器100は、クロック信号のパルス数nに応じて指数関数的に入力信号A
INを増幅する。このため、第2の期間においては、第1の期間よりも高い増幅率で入力信号A
INを増幅できる。ただし第2の期間では、積分器100で誤差が発生すると、当該誤差も指数関数的に増幅してしまう。このため、第2の期間で入力するクロック信号のパルス数を制限しないと、誤差が大きくなりすぎてしまう。
【0040】
本例の積分器100では、第2の期間の他に第1の期間を設けている。これにより、第2の期間におけるパルス数nが制限され、AD変換の期間の一部にしか第2の期間を設けられない場合でも、第1の期間で入力信号AINを増幅できる。また、第1の期間が経過することで、第2の期間においては積分器100の動作が比較的に安定し、誤差の発生が抑制される。積分器100によれば、第1の期間では誤差の増幅を抑制しつつ入力信号AINを増幅し、第2の期間では高い増幅率で入力信号AINを増幅できる。
【0041】
数3および数4に示した伝達関数の掛け算を用いて、数5のように積分器100の出力信号A
OUTが示される。
【数5】
数5に示すように、1つの積分器100により、入力信号A
INをパルス数mの2乗に応じて増幅する2次積分器と、入力信号A
INをパルス数nに応じて指数関数的に増幅する積分器とを実現できる。
【0042】
図3は、積分器100の具体的な構成例を示す図である。積分器100は、アンプ62を有している。
図3に示すアンプ62は差動入力のアンプである。アンプ62の正側の入力は、基準電位に接続されていてよい。アンプ62の入力および出力の両方が差動の場合、アンプ62の正側に対しても、
図3に示すアンプ62以外の構成が設けられてよい。
【0043】
本例の積分器100は、スイッチトキャパシタ70、増幅回路60、第1フィードバック部10および第2フィードバック部20を有する。スイッチトキャパシタ70および増幅回路60が、
図2に示した加減算部80および遅延部82として機能する。
【0044】
スイッチトキャパシタ70は、キャパシタ75、スイッチ71、スイッチ72、スイッチ73およびスイッチ74を有する。各スイッチは、信号φk(kは1つの整数、または、アンダーバーで接続された2つの整数を示す)によりオンおよびオフの状態が制御される。本明細書に添付された図面において、符号の後ろの括弧中に同一の信号φkが示されている複数のスイッチは、オンおよびオフの状態が同一となる。本例では、信号φkがHレベルを示す場合に対応するスイッチがオン状態となり、信号φkがLレベルを示す場合に対応するスイッチがオフ状態となる。
【0045】
キャパシタ75の一方の電極には、スイッチ71およびスイッチ72が接続されている。スイッチ71は、キャパシタ75の当該電極に入力信号AINを印加するか否かを切り替える。スイッチ72は、キャパシタ75の当該電極を基準電位に接続するか否かを切り替える。キャパシタ75の他方の電極には、スイッチ73およびスイッチ74が接続されている。スイッチ73は、キャパシタ75の当該電極を増幅回路60に接続するか否かを切り替える。スイッチ74は、キャパシタ75の当該電極を基準電位に接続するか否かを切り替える。基準電位は例えば0Vである。
【0046】
スイッチ71およびスイッチ74は、信号φ1により制御される。スイッチ72およびスイッチ73は、信号φ2により制御される。信号φ1がオン状態を示し、信号φ2がオフ状態を示す場合、キャパシタ75が入力信号AINにより充電される。信号φ1がオフ状態を示し、信号φ2がオン状態を示す場合、キャパシタ75の電圧が増幅回路60に印加される。例えば、信号φ1はクロック信号であり、信号φ2は反転したクロック信号である。
【0047】
増幅回路60は、アンプ62、帰還キャパシタ64およびスイッチ66を有する。アンプ62の負側入力端子には、スイッチ73を介してキャパシタ75およびスイッチ74が接続されている。また、アンプ62の負側入力端子には、第1フィードバック部10および第2フィードバック部20のそれぞれが、スイッチ73と並列に接続されている。
【0048】
アンプ62の出力端子と負側入力端子の間には、帰還キャパシタ64およびスイッチ66が互いに並列に接続されている。帰還キャパシタ64は、アンプ62の負側入力端子に入力される信号を蓄積する。帰還キャパシタ64には、入力信号AIN、第1フィードバック信号FB1および第2フィードバック信号FB2が入力される。帰還キャパシタ64は、入力信号AINに第1フィードバック信号FB1および第2フィードバック信号FB2を加減算する加減算部として機能する。
【0049】
帰還キャパシタ64の電圧が、出力信号A
OUTの電圧となる。スイッチ66は、帰還キャパシタ64の2つの電極を接続するか否かを切り替える。帰還キャパシタ64の2つの電極を接続することで、帰還キャパシタ64に蓄積された電荷が放電され、出力信号A
OUTの電圧が基準電位(例えば0V)にリセットされる。スイッチ66は、
図1に示したリセット回路116により制御されてよい。リセット回路116は、1回のAD変換が終了する毎(すなわち、第1の期間および第2の期間が1回ずつ経過する毎)に、スイッチ66をオン状態にして出力信号A
OUTの電圧をリセットしてよい。
【0050】
本例の第1フィードバック部10は、第3キャパシタ15、スイッチ11、スイッチ12、スイッチ13およびスイッチ14を有する。第3キャパシタ15は、出力信号AOUTに応じた電荷を蓄積する。
【0051】
第3キャパシタ15の一方の電極には、スイッチ11およびスイッチ12が接続されている。スイッチ11は、第3キャパシタ15の当該電極を帰還キャパシタ64に接続するか否かを切り替える。スイッチ12は、第3キャパシタ15の当該電極を基準電位に接続するか否かを切り替える。第3キャパシタ15の他方の電極には、スイッチ13およびスイッチ14が接続されている。スイッチ13は、第3キャパシタ15の当該電極をアンプ62の出力端子に接続するか否かを切り替える。スイッチ14は、第3キャパシタ15の当該電極を基準電位に接続するか否かを切り替える。
【0052】
スイッチ11およびスイッチ14は、信号φ2により制御される。スイッチ12およびスイッチ13は、信号φ1により制御される。信号φ1がオン状態を示し、信号φ2がオフ状態を示す場合、第3キャパシタ15が出力信号AOUTにより充電される。信号φ1がオフ状態を示し、信号φ2がオン状態を示す場合、第3キャパシタ15の電荷が帰還キャパシタ64に伝送される。これにより、第1フィードバック信号FB1が、入力信号AINに加算される。
【0053】
第2フィードバック部20は、スイッチトキャパシタ30、スイッチトキャパシタ40および選択部50を有する。スイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40が協働して、遅延回路22として機能し、また、ゲイン回路24として機能する。つまり本例の第2フィードバック部20は、遅延回路22およびゲイン回路24として機能する共通の回路を有する。
【0054】
例えば第2フィードバック部20は、遅延回路22として機能する場合、および、ゲイン回路24として機能する場合の両方において、共通のキャパシタ(例えば第1キャパシタ35)を用いて第2フィードバック信号FB2を生成する。このように、遅延回路22およびゲイン回路24の回路を共通化することで、全体の回路規模を小さくできる。選択部50は、スイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40を、遅延回路22として機能させるか、ゲイン回路24として機能させるかを切り替える。
【0055】
スイッチトキャパシタ30は、第1キャパシタ35、スイッチ31、スイッチ32、スイッチ33およびスイッチ34を有する。第1キャパシタ35は、出力信号AOUTに応じた電荷を蓄積する。スイッチ31、スイッチ32、スイッチ33およびスイッチ34は、第1の期間および第2の期間の各期間において、出力信号AOUTに応じて第1キャパシタ35を充電するか、第1キャパシタを帰還キャパシタ64に接続するかを切り替える第1充放電切替部として機能する。
【0056】
第1キャパシタ35の一方の電極には、スイッチ31およびスイッチ32が接続されている。スイッチ31は、第1キャパシタ35の当該電極を帰還キャパシタ64に接続するか否かを切り替える。スイッチ32は、第1キャパシタ35の当該電極を選択部50に接続するか否かを切り替える。第1キャパシタ35の他方の電極には、スイッチ33およびスイッチ34が接続されている。スイッチ33は、第1キャパシタ35の当該電極を選択部50に接続するか否かを切り替える。スイッチ34は、第1キャパシタ35の当該電極を基準電位に接続するか否かを切り替える。
【0057】
スイッチ31およびスイッチ34は、信号φ2_1により制御される。スイッチ32およびスイッチ33は、信号φ1_1により制御される。信号φ1_1がオン状態を示し、信号φ2_1がオフ状態を示す場合、第1キャパシタ35は、選択部50を介して出力信号AOUTに応じて充電される。選択部50は、第1キャパシタ35の2つの電極のうち、いずれを基準電位に接続し、いずれをアンプ62の出力端子に接続するかを切り替える。これにより、第1キャパシタ35のいずれの電極に基準電位が印加され、いずれの電極に出力信号AOUTが印加されるかが切り替わる。
【0058】
本明細書では、キャパシタのいずれの電極に基準電位が接続されているかを、当該キャパシタの極性と称する場合がある。つまり、キャパシタの一方の電極に基準電位が印加されている状態と、キャパシタの他方の電極に基準電位が印加されている状態とは、キャパシタの極性が異なる。
【0059】
信号φ1_1がオフ状態を示し、信号φ2_1がオン状態を示す場合、第1キャパシタ35の電荷が帰還キャパシタ64に伝送される。第1キャパシタ35の極性に応じて、第1キャパシタ35の電圧が、入力信号AINに加算または減算される。
【0060】
スイッチトキャパシタ40は、第2キャパシタ45、スイッチ41、スイッチ42、スイッチ43およびスイッチ44を有する。第2キャパシタ45は、第1キャパシタ35と並列に設けられており、出力信号AOUTに応じた電荷を蓄積する。スイッチ41、スイッチ42、スイッチ43およびスイッチ44は、第1の期間および第2の期間の各期間において、出力信号AOUTに応じて第2キャパシタ45を充電するか、第2キャパシタを帰還キャパシタ64に接続するかを切り替える第2充放電切替部として機能する。
【0061】
第2キャパシタ45の一方の電極には、スイッチ41およびスイッチ42が接続されている。スイッチ41は、第2キャパシタ45の当該電極を帰還キャパシタ64に接続するか否かを切り替える。スイッチ42は、第2キャパシタ45の当該電極を選択部50に接続するか否かを切り替える。第2キャパシタ45の他方の電極には、スイッチ43およびスイッチ44が接続されている。スイッチ43は、第2キャパシタ45の当該電極を選択部50に接続するか否かを切り替える。スイッチ44は、第2キャパシタ45の当該電極を基準電位に接続するか否かを切り替える。
【0062】
スイッチ41およびスイッチ44は、信号φ2_2により制御される。スイッチ42およびスイッチ43は、信号φ1_2により制御される。信号φ1_2がオン状態を示し、信号φ2_2がオフ状態を示す場合、第2キャパシタ45は、選択部50を介して出力信号AOUTに応じて充電される。
【0063】
選択部50は、第2キャパシタ45の2つの電極のうち、いずれを基準電位に接続し、いずれをアンプ62の出力端子に接続するかを切り替える。これにより、第2キャパシタ45の極性が切り替わる。
【0064】
信号φ1_2がオフ状態を示し、信号φ2_2がオン状態を示す場合、第2キャパシタ45の電荷が帰還キャパシタ64に伝送される。第2キャパシタ45の極性に応じて、第2キャパシタ45の電圧が、入力信号AINに加算または減算される。
【0065】
選択部50は、第1極性切替部51および第2極性切替部52を有する。第1極性切替部51は、第1の期間と第2の期間とで、第1キャパシタ35の極性を異ならせる。第2極性切替部52は、第1の期間と第2の期間とで、第2キャパシタ45の極性を異ならせる。
【0066】
本例の第1極性切替部51は、スイッチ53、スイッチ54、スイッチ55およびスイッチ56を有する。スイッチ53は、スイッチ33を介して、第1キャパシタ35の他方の電極を接地電位に接続するか否かを切り替える。スイッチ54は、スイッチ33を介して、第1キャパシタ35の他方の電極をアンプ62の出力端子に接続するか否かを切り替える。スイッチ55は、スイッチ32を介して、第1キャパシタ35の一方の電極を接地電位に接続するか否かを切り替える。スイッチ56は、スイッチ32を介して、第1キャパシタ35の一方の電極をアンプ62の出力端子に接続するか否かを切り替える。
【0067】
スイッチ53およびスイッチ56のオンオフの状態は同一であり、スイッチ54およびスイッチ55のオンオフの状態は同一である。これにより、第1極性切替部51は、第1キャパシタ35のいずれの電極に接地電位を印加し、いずれの電極をアンプ62の出力端子に接続するかを切り替える。
【0068】
本例の第2極性切替部52は、第1極性切替部51と同一の構成を有する。第2極性切替部52は、第2キャパシタ45の極性を、第1キャパシタ35の極性と同一にしてよい。第1キャパシタ35および第2キャパシタ45は、それぞれアンプ62の入力端子に接続される第1電極と、第1電極とは逆側の第2電極とを有する。
【0069】
キャパシタ間の極性を同一にするとは、それぞれのキャパシタの同一の電極に基準電位を印加することを意味している。例えば、2つのキャパシタのそれぞれの第1電極に基準電位を印加している状態、または、2つのキャパシタのそれぞれの第2電極に基準電位を印加している状態が、2つのキャパシタの極性が同一の状態である。
【0070】
第2極性切替部52において、スイッチ53は、スイッチ43を介して、第2キャパシタ45の第2電極を接地電位に接続するか否かを切り替える。スイッチ54は、スイッチ43を介して、第2キャパシタ45の第2電極をアンプ62の出力端子に接続するか否かを切り替える。スイッチ55は、スイッチ42を介して、第2キャパシタ45の第1電極を接地電位に接続するか否かを切り替える。スイッチ56は、スイッチ42を介して、第2キャパシタ45の第1電極をアンプ62の出力端子に接続するか否かを切り替える。第1極性切替部51および第2極性切替部52の各スイッチは、制御部114が制御してよい。
【0071】
図4は、第1の期間における各信号φkの一例を示すタイミングチャートである。上述したように、第1の期間においては、第2フィードバック部20は遅延回路22として機能する。第1極性切替部51および第2極性切替部52は、第1の期間において、第1キャパシタ35および第2キャパシタ45が充電した電荷に応じた第2フィードバック信号FB
2が入力信号A
INに対して減算されるように、各キャパシタの極性を制御する。
【0072】
第1の期間においては、第1極性切替部51および第2極性切替部52のスイッチ53およびスイッチ56がオン状態となり、スイッチ54およびスイッチ55がオフ状態となる。これにより、第1キャパシタ35および第2キャパシタ45の電圧が、帰還キャパシタ64から減算される。
【0073】
スイッチトキャパシタ30の各スイッチは、信号φ1_1に応じて第1キャパシタ35を充電する。スイッチトキャパシタ30の各スイッチは、信号φ2_1に応じて第1キャパシタ35を帰還キャパシタ64に接続する。これにより第1キャパシタ35の電荷に応じて帰還キャパシタ64を放電させる。帰還キャパシタ64が、第1キャパシタ35の電界に応じて充電されるか放電されるかは、第1キャパシタ35の極性により変化する。
【0074】
スイッチトキャパシタ40の各スイッチは、信号φ1_2に応じて第2キャパシタ45を充電する。スイッチトキャパシタ40の各スイッチは、信号φ2_2に応じて第2キャパシタ45を帰還キャパシタ64に接続する。これにより第2キャパシタ45の電荷に応じて帰還キャパシタ64を放電させる。帰還キャパシタ64が、第2キャパシタ45の電界に応じて充電されるか放電されるかは、第2キャパシタ45の極性により変化する。
図4に示すように、第1の期間においては、第1キャパシタ35とは異なるタイミングで第2キャパシタ45が充電され、第1キャパシタ35とは異なるタイミングで第2キャパシタ45が帰還キャパシタ64に接続される。
【0075】
図4の例では、時刻t1において信号φ1および信号φ1_1がオン状態を示し、他の信号がオフ状態を示す。これにより、キャパシタ75が入力信号A
INに応じて充電されるとともに、第1キャパシタ35および第3キャパシタ15が出力信号A
OUTに応じて充電される。
【0076】
時刻t2において信号φ2および信号φ2_2がオン状態を示し、他の信号がオフ状態を示す。これにより、キャパシタ75の電荷が帰還キャパシタ64に伝送されるとともに、第2キャパシタ45の電荷に応じて帰還キャパシタ64が放電し、第3キャパシタ15の電荷に応じて帰還キャパシタ64が充電される。
【0077】
時刻t3において信号φ1および信号φ1_2がオン状態を示し、他の信号がオフ状態を示す。これにより、キャパシタ75が入力信号AINに応じて充電されるとともに、第2キャパシタ45および第3キャパシタ15が出力信号AOUTに応じて充電される。
【0078】
時刻t4において信号φ2および信号φ2_1がオン状態を示し、他の信号がオフ状態を示す。これにより、キャパシタ75が入力信号AINに応じて充電されるとともに、第1キャパシタ35の電荷に応じて帰還キャパシタ64が放電し、第3キャパシタ15の電荷に応じて帰還キャパシタ64が充電される。時刻t5以降は、時刻t1から時刻t4の動作を繰り返す。
【0079】
本例では、信号φ1_1、信号φ1_2、信号φ2_1および信号φ2_2の周期が、信号φ1および信号φ2の周期の2倍である。つまりスイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40の動作周期は、スイッチトキャパシタ70および第1フィードバック部10の動作周期の2倍となる。このため、第2フィードバック部20を遅延回路22として機能させることができる。
【0080】
図5は、第2の期間における各信号φkの一例を示すタイミングチャートである。上述したように、第2の期間においては、第2フィードバック部20はゲイン回路24として機能する。第1極性切替部51および第2極性切替部52は、第2の期間において、第1キャパシタ35が充電した電荷および第2キャパシタ45が充電した電荷に応じた第2フィードバック信号FB
2を入力信号A
INに対して加算させるように、第1キャパシタ35および第2キャパシタ45の極性を切り替える。
【0081】
第2の期間においては、選択部50のスイッチ53およびスイッチ56がオフ状態となり、スイッチ54およびスイッチ55がオン状態となる。これにより、第1キャパシタ35および第2キャパシタ45の電圧が、帰還キャパシタ64に加算される。
【0082】
本例のスイッチトキャパシタ30の各スイッチは、第1の期間と第2の期間とにおいて、切替周期を異ならせる。切替周期は、出力信号AOUTに応じて第1キャパシタ35を充電するか、第1キャパシタ35を帰還キャパシタ64(加減算部として機能する)に接続するかを切り替える周期である。本例のスイッチトキャパシタ40の各スイッチは、第2の期間においては、第2キャパシタ45の充放電を停止する。このように、各キャパシタの極性を切り替え、且つ、各スイッチトキャパシタの動作周期を切り替えることで、第2フィードバック部20が遅延回路22およびゲイン回路24のいずれとして機能するかを切り替えることができる。
【0083】
図4および
図5の例では、信号φ1_1および信号φ2_1におけるパルスが発生する周期が、当該切替周期に対応している。スイッチトキャパシタ30の各スイッチは、第2の期間における切替周期が、第1の期間における切替周期よりも短くなるように動作してよい。
図4の例では、第1の期間における信号φ1_1および信号φ2_1のパルス周期は、信号φ1および信号φ2の周期の2倍である。
図5の例では、第1の期間における信号φ1_1および信号φ2_1のパルス周期は、信号φ1および信号φ2の周期と同一である。
【0084】
図5の例では、時刻t6において信号φ1および信号φ1_1がオン状態を示し、他の信号がオフ状態を示す。これにより、キャパシタ75が入力信号A
INに応じて充電されるとともに、第1キャパシタ35および第3キャパシタ15が出力信号A
OUTに応じて充電される。
【0085】
時刻t7において信号φ2および信号φ2_1がオン状態を示し、他の信号がオフ状態を示す。これにより、キャパシタ75の電荷が帰還キャパシタ64に伝送されるとともに、第1キャパシタ35および第3キャパシタ15の電荷に応じて帰還キャパシタ64が充電される。
【0086】
時刻t8以降は、時刻t6および時刻t7の動作を繰り返す。これにより、スイッチトキャパシタ30がゲイン回路24として動作する。スイッチトキャパシタ40は、第2の期間では充放電しない。キャパシタ75、帰還キャパシタ64、第1キャパシタ35および第2キャパシタ45の容量は同一であってよい。この場合、ゲイン回路24のゲイン-xは-1となり、積分器100は、数4に示すように3倍(2+x=2+1=3)のゲインで指数関数的に入力信号AINを増幅させる。
【0087】
図6は、第2の期間における各信号φkの他の例を示すタイミングチャートである。本例においては、信号φ1_2および信号φ2_2の波形が、
図5に示した例と相違する。他の信号の波形は、
図5に示した例と同様である。
【0088】
本例のスイッチトキャパシタ40の各スイッチは、第2の期間において、第1キャパシタ35と同一のタイミングで、第2キャパシタ45を充放電する。
図6に示すように、信号φ1_2および信号φ2_2の波形は、信号φ1_1および信号φ2_1の波形と同一であってよい。本例では、スイッチトキャパシタ40がゲイン1の回路として動作するので、第2フィードバック部20のゲイン-xは-2となり、積分器100は4倍のゲインで指数関数的に入力信号A
INを増幅させる。
【0089】
図6の例では、信号φ1_2および信号φ2_2の波形は、信号φ1_1および信号φ2_1の波形と同一である。他の例では、信号φ1_2の波形は、信号φ1_1の波形の正負を反転したものであり、信号φ2_2の波形は、信号φ2_1の波形の正負を反転したものであってもよい。
【0090】
図7は、第2の期間における各信号φkの他の例を示すタイミングチャートである。本例においては、信号φ1_1、信号φ1_2、信号φ2_1および信号φ2_2の波形が、
図5の例と相違する。他の信号の波形は、
図5に示した例と同様である。
【0091】
本例のスイッチトキャパシタ30の各スイッチは、第2の期間において、第1キャパシタ35における充放電を停止する。また、スイッチトキャパシタ40の各スイッチは、第2の期間において、第2キャパシタ45における充放電を停止する。本例では、第2フィードバック部20のゲイン-xが0となり、積分器100は2倍のゲインの増幅器として動作する。
【0092】
図8は、第2の期間における各信号φkの他の例を示すタイミングチャートである。本例においては、信号φ1_1および信号φ2_1の波形と、信号φ1_2および信号φ2_2の波形とが入れ替わっている。他の信号の波形は、
図5に示した例と同様である。つまり、本例のスイッチトキャパシタ30は、
図5の例のスイッチトキャパシタ40と同様に動作し、本例のスイッチトキャパシタ40は、
図5の例のスイッチトキャパシタ30と同様に動作する。
【0093】
本例のスイッチトキャパシタ30の各スイッチは、第2の期間において、第1キャパシタ35における充放電を停止する。スイッチトキャパシタ40の各スイッチは、第2の期間において、第2キャパシタ45を充放電する。本例の積分器100は、
図5の例と同様に、3倍のゲインで指数関数的に入力信号A
INを増幅させる。
【0094】
制御部114は、
図5、
図6、
図7および
図8において示した第2の期間における制御を組み合わせてもよい。つまり制御部114は、あるAD変換期間における第2の期間では、
図5から
図8において示したいずれかの制御を行い、他のAD変換期間における第2の期間では、
図5から
図8において示した他の制御を行ってもよい。
【0095】
このような制御により、積分器100を、第2の期間において多様な特性で機能させることができる。また、
図5および
図8の例では、積分器100のゲインは同一となる。ただし、
図5および
図8の例では、第2の期間において動作させるキャパシタ(第1キャパシタ35または第2キャパシタ45)が相違する。このため、
図5および
図8で示した動作を組み合わせることで、キャパシタの特性のばらつきの影響を低減できる。
【0096】
図9は、積分器100の他の構成例を示す図である。本例の積分器100は、3次の積分器であるが、積分器100がより高次の積分器であってもよい。本例の積分器100は、
図2に示した構成に加えて、第3フィードバック部21を備える。また、本例の第1フィードバック部10のゲイン回路17のゲインは3である。
【0097】
本例の第2フィードバック部20は、
図2に示した構成に加えてゲイン回路23を有する。本例のゲイン回路23は、遅延回路22の出力を3倍のゲインで増幅し、選択部50に入力する。
【0098】
第3フィードバック部21は、遅延回路26、ゲイン回路27および選択部28を有する。遅延回路26は、出力信号AOUTを遅延させる。本例の遅延回路26は、クロック信号の周期の2倍の遅延を発生させる2次の遅延回路であってよい。ゲイン回路27は、出力信号AOUTをy倍のゲインで増幅して出力する。yは0より大きい値であり、1以上の値であってよく、2以上の値であってもよい。
【0099】
選択部28は、第1の期間では遅延回路26の出力を選択し、第2の期間ではゲイン回路27の出力を選択して、第3フィードバック信号FB3として加減算部80に出力する。加減算部80は、入力信号AINに対して、第1フィードバック信号FB1を加算し、第2フィードバック信号FB2を減算し、第3フィードバック信号FB3を加算する。
【0100】
本例の積分器100の出力A
OUTは、数6で示される。
【数6】
数6に示すように、3次の積分器100においても、増幅率を向上できる。3次以上の高次の積分器100においても同様である。
【0101】
図10は、積分器100の他の構成例を示す図である。
図10では、積分器100における第1フィードバック部10および第2フィードバック部20を示しており、他の構成を省略している。本例の積分器100は、
図3に示した第2フィードバック部20の構成に加え、容量切替部58を更に備える。また
図10では、第1キャパシタ35、第2キャパシタ45および第3キャパシタ15を、スイッチトキャパシタ30、スイッチトキャパシタ40および第1フィードバック部10の枠の外側に配置している。
【0102】
容量切替部58は、第1キャパシタ35、第2キャパシタ45および第3キャパシタ15を、第1フィードバック部10、スイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40のいずれのキャパシタとして機能させるかを切り替える。容量切替部58は、それぞれのタイミングにおいて、第1フィードバック部10、スイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40に対して、それぞれ1つのキャパシタを割り当てる。容量切替部58は、それぞれのキャパシタを、第1フィードバック部10、スイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40のいずれと接続するかを切り替え可能なスイッチ群を有する。容量切替部58の各スイッチは、制御部114により制御される。
【0103】
容量切替部58は、第1の期間および第2の期間の少なくとも一方の期間内において、各キャパシタが、第1フィードバック部10、スイッチトキャパシタ30およびスイッチトキャパシタ40のいずれのキャパシタとして機能するかを変更してよい。本例の各キャパシタの容量の設計値は同一である。ただし、各キャパシタの容量は、製造ばらつきまたは経時劣化等により、ばらつきを有する。各キャパシタの容量がばらつきを有する場合に、各キャパシタの役割を固定して動作させると、当該ばらつきの影響が大きくなる場合がある。本例では、各キャパシタの役割を順次切り替えることで、当該ばらつきの影響を抑制できる。
【0104】
図11は、第1の期間における各キャパシタの役割の切替例を示す図である。
図11における各信号φkは、
図4の例と同様である。
図11においては、第1フィードバック部10のキャパシタとしての役割をSC1、スイッチトキャパシタ30のキャパシタとしての役割をSC2、スイッチトキャパシタ40のキャパシタとしての役割をSC3としている。第1キャパシタ35、第2キャパシタ45および第3キャパシタ15のそれぞれが、第1の期間内において、SC1、SC2、SC3の各役割の順次果たしている。
【0105】
各キャパシタの役割は、予め定められた順番で遷移してよい。
図11の例では、各キャパシタの役割が、SC1、SC3、SC1、SC2、SC1、SC3、・・・の順番で遷移している。他の例では、各キャパシタの役割は、ランダムな順番で遷移してもよい。それぞれのキャパシタがSC1として機能する期間は、クロック信号の1周期分であってよい。それぞれのキャパシタがSC2またはSC3として機能する期間は、クロック信号の2周期分であってよい。このように、各キャパシタの役割を順次切り替えることで、各キャパシタの容量のばらつきの影響を抑制できる。
【0106】
図12は、複数の第1の期間における各キャパシタの役割の切替例を示す図である。第1の期間Aは、あるAD変換期間における第1の期間であり、第1の期間Bは、次のAD変換期間における第1の期間である。第1の期間Aと第1の期間Bとの間には、第2の期間およびリセット期間が設けられている。
【0107】
第1の期間における各信号φkは、
図4の例と同様である。
図12においては、リセット信号RSTを示している。リセット信号の立ち上がりエッジに応じて、積分器100の出力信号A
OUTが初期値にリセットされる。リセット信号は、それぞれのAD変換の開始時(すなわち、第1の期間の開始時)に、リセット回路116が生成してよい。
【0108】
それぞれの第1の期間において、
図11の例と同様に、各キャパシタの役割が予め定められた順番で遷移する。それぞれの第1の期間の開始時における各キャパシタの役割は、同一であってよく、異なっていてもよい。
図12の例では、それぞれの第1の期間の開始時における各キャパシタの役割が異なっている。それぞれの第1の期間の開始時における各キャパシタの役割の設定は、予め設定された順序で設定されてよく、ランダムに設定されてもよい。本例によれば、各キャパシタの容量のばらつきの影響を更に抑制できる。
【0109】
図13は、積分器100の出力信号A
OUTにおける信号対雑音比SNRの一例を示す図である。実施例1は、各キャパシタの役割を変更せずに動作させた例であり、実施例2は、
図11に示したように各キャパシタの役割を順次変更して動作させた例である。
図13の四角のプロットが実施例1に対応し、黒丸のプロットが実施例2に対応している。
図13に示す破線は、各プロットの分布における4.5σの位置を示している。実施例1では、4.5σにおけるSNRが78.9dBであったが、実施例2では、4.5σにおけるSNRが82.1dBであった。つまり、
図11のような制御を行うことで、SNRが3.2dB改善した。
【0110】
図14は、積分器100の出力信号A
OUTにおける信号対雑音比SNRの一例を示す図である。実施例2は
図13と同様である。実施例3は、
図12に示したように、それぞれの第1の期間の開始時における各キャパシタの役割を異ならせつつ、第1の期間内で各キャパシタの役割を順次変更して動作させた例である。
図14のひし形のプロットが実施例3に対応している。実施例3では、4.5σにおけるSNRが82.9dBであった。実施例3では、実施例2に対して、SNRが0.8dB改善した。
【0111】
図15は、デルタシグマ変調器200の他の構成例を示す図である。本例のデルタシグマ変調器200は、
図1に示した構成に加えて、フィードフォワード部140を更に備える。フィードフォワード部140は、積分器100の出力信号A
OUTと、アナログ信号A
SIGとに基づいて、第2出力信号A
SUMを生成してAD変換部120に入力する。
【0112】
図16は、
図15に示したデルタシグマ変調器200の具体的な構成例を示す図である。フィードフォワード部140以外の構成は、
図1から
図15において説明したいずれかの態様のデルタシグマ変調器200と同様である。
図16においては、積分器100として
図2の構成を示しているが、積分器100は
図9に示したような高次の積分器であってもよい。本例の積分器100の第1の期間における出力信号A
OUTは、数7で示される。
【数7】
【0113】
本例の積分器100は、第2の期間においては、1次で且つ3倍のフィードバック係数を有する積分器として動作する。第2の期間における積分器100の出力信号A
OUTは、数8で示される。
【数8】
【0114】
本例のフィードフォワード部140は、遅延回路141、ゲイン回路142、ゲイン回路143、選択部144および加減算部145を有する。遅延回路141は、積分器100の出力信号AOUTをクロック信号の1周期分遅延させて出力する。ゲイン回路142は、出力信号AOUTを-1倍のゲインで増幅して出力する。ゲイン回路143は、出力信号AOUTを2倍のゲインで増幅して出力する。
【0115】
選択部144は、第1の期間においては遅延回路141の出力を選択し、第2の期間においてはゲイン回路142の出力を選択して出力する。加減算部145は、アナログ信号ASIGに対して、ゲイン回路143の出力を加算し、選択部144の出力を減算して、出力信号ASUMを生成する。
【0116】
第1の期間におけるフィードフォワード部140の出力信号A
SUMは、数9で示される。
【数9】
第2の期間におけるフィードフォワード部140の出力信号A
SUMは、数10で示される。
【数10】
【0117】
制御部114およびリセット回路116が、第1の期間および第2の期間で制御を切り替えることで、デルタシグマ変調器200の出力として、2通りの出力信号A
SUMが得られる。AD変換部120で発生する量子化雑音をE
1とすると、デルタシグマ変調器200が第1の期間に出力するデジタル信号D
OUTは、数11で示される。
【数11】
【0118】
積分器100の出力信号A
OUTの初期値を0、アナログ信号A
SIGを一定値として、i回目のAD変換期間においてAD変換部120が出力するデジタル信号をD
OUT(i)とすると、アナログ信号A
SIGは、数12で示される。
【数12】
【0119】
上式より、デルタシグマ変調器200に入力するアナログ信号A
SIGは、AD変換部120が出力するデジタル信号D
OUTを用いて表現でき、アナログ信号A
SIGの電圧値をデジタル変換したデジタル値D
SIGを算出できる。また、AD変換部120の量子化雑音E
1は、数13で示される。
【数13】
【0120】
第2の期間における積分器100の出力信号A
OUTは、数14で示される。
【数14】
特許文献1等に記載されているように、フィードバック係数が1より大きい積分器の伝達関数は数15で示される。
【数15】
上述したように、n、mは第1の期間および第2の期間におけるクロック信号のパルス数である。
【0121】
第2の期間の開始時における積分器100の初期値はA
OUT(n)なので、アナログ信号A
SIGは数16で示される。
【数16】
数16より、デルタシグマ変調器200に入力するアナログ信号A
SIGは、AD変換部120が出力するデジタル信号D
OUTを用いて表現でき、アナログ信号A
SIGをデジタル変換したデジタル値D
SIGを算出できる。
【0122】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0123】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0124】
10・・・第1フィードバック部、11、12、13、14・・・スイッチ、15・・・第3キャパシタ、17・・・ゲイン回路、20・・・第2フィードバック部、21・・・第3フィードバック部、22・・・遅延回路、23・・・ゲイン回路、24・・・ゲイン回路、26・・・遅延回路、27・・・ゲイン回路、28・・・選択部、30・・・スイッチトキャパシタ、31、32、33、34・・・スイッチ、35・・・第1キャパシタ、40・・・スイッチトキャパシタ、41、42、43、44・・・スイッチ、45・・・第2キャパシタ、50・・・選択部、51・・・第1極性切替部、52・・・第2極性切替部、53、54、55、56・・・スイッチ、58・・・容量切替部、60・・・増幅回路、62・・・アンプ、64・・・帰還キャパシタ、66・・・スイッチ、70・・・スイッチトキャパシタ、71、72、73、74・・・スイッチ、75・・・キャパシタ、80・・・加減算部、82・・・遅延部、100・・・積分器、110・・・加減算部、114・・・制御部、116・・・リセット回路、120・・・AD変換部、130・・・DA変換部、140・・・フィードフォワード部、141・・・遅延回路、142・・・ゲイン回路、143・・・ゲイン回路、144・・・選択部、145・・・加減算部、200・・・デルタシグマ変調器