(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179041
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G03G15/08 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097534
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】井上 優美
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 理
(72)【発明者】
【氏名】豊田 稔
(72)【発明者】
【氏名】大平 達也
(72)【発明者】
【氏名】石倉 裕司
(72)【発明者】
【氏名】林 俊樹
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB18
2H077AC02
2H077AC16
2H077AD24
2H077BA08
2H077EA03
(57)【要約】
【課題】第1連通口において第2搬送経路から第1搬送経路への現像剤の受け渡し量を適量化する。
【解決手段】第1搬送スクリュ13b1は、幅方向一端側から第1連通口13fを幅方向中央部側に第1所定距離H1だけ超えた第1領域Z1(第1の領域)の軸径M1が、それ以外の領域Z2の軸径M2よりも小さくなるように形成された第1軸部13b11に、第1スクリュ部13b12が巻装されたものである。また、第2搬送スクリュ13b2は、幅方向一端側から第1連通口13fを幅方向中央部側に第2所定距離H2だけ超えた第1領域X1(第2の領域)の軸径N1が、それ以外の領域X2の軸径N2よりも大きくなるように形成された第2軸部13b21に、第2スクリュ部13b22が巻装されたものである。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に現像剤が収容された現像装置であって、
像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するように第1搬送経路に設置されて、現像剤を幅方向一端側から幅方向他端側に搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送スクリュと、
前記第1搬送スクリュに対して仕切り部を介して対向するように第2搬送経路に設置されて、現像剤を前記幅方向他端側から前記幅方向一端側に搬送する第2搬送スクリュと、
前記幅方向一端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第1連通口と、
前記幅方向他端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第2連通口と、
を備え、
前記第1搬送スクリュは、前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第1所定距離だけ超えた第1の領域の軸径が、それ以外の領域の軸径よりも小さくなるように形成された第1軸部に、第1スクリュ部が巻装されたものであって、
前記第2搬送スクリュは、前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第2所定距離だけ超えた第2の領域の軸径が、それ以外の領域の軸径よりも大きくなるように形成された第2軸部に、第2スクリュ部が巻装されたものであることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記第2搬送スクリュの前記第2軸部は、
前記第2の領域の大径軸部と、
前記それ以外の領域の一部において前記大径軸部の軸径よりも小さな軸径からなる基準軸部と、
前記それ以外の領域であって前記大径軸部と前記基準軸部との間の領域において、前記大径軸部と同等の軸径から前記基準軸部と同等の軸径へと軸径が漸減するテーパ軸部と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第2軸部は、前記大径軸部から前記幅方向一端側に延びるように形成されて、前記大径軸部と同等の軸径から前記幅方向一端側に向かうにつれて軸径が漸減する第2テーパ軸部をさらに具備したことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1搬送スクリュの前記第1軸部は、
前記第1の領域の小径軸部と、
前記それ以外の領域の一部において前記小径軸部の軸径よりも大きな軸径からなる基準軸部と、
前記それ以外の領域であって前記小径軸部と前記基準軸部との間の領域において、前記小径軸部と同等の軸径から前記基準軸部と同等の軸径へと軸径が漸増するテーパ軸部と、
を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1所定距離と前記第2所定距離とが同等であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項6】
内部に現像剤が収容された現像装置であって、
像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するように第1搬送経路に設置されて、現像剤を幅方向一端側から幅方向他端側に搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送スクリュと、
前記第1搬送スクリュに対して仕切り部を介して対向するように第2搬送経路に設置されて、現像剤を前記幅方向他端側から前記幅方向一端側に搬送する第2搬送スクリュと、
前記幅方向一端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第1連通口と、
前記幅方向他端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第2連通口と、
を備え、
前記第2搬送スクリュは、第2軸部に第2スクリュ部が巻装されたものであって、
前記第2搬送スクリュの前記第2軸部は、
前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第2所定距離だけ超えた第2の領域において、それ以外の領域の軸径よりも軸径が大きくなるように形成された大径軸部と、
前記それ以外の領域の一部において前記大径軸部の軸径よりも小さな軸径からなる基準軸部と、
前記それ以外の領域において前記大径軸部と前記基準軸部との間の領域において、前記大径軸部と同等の軸径から前記基準軸部と同等の軸径へと軸径が漸減するテーパ軸部と、
を具備したことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
前記第2軸部は、前記大径軸部から前記幅方向一端側に延びるように形成されて、前記大径軸部と同等の軸径から前記幅方向一端側に向かうにつれて軸径が漸減する第2テーパ軸部をさらに具備したことを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
前記第1搬送スクリュの回転数に比べて、前記第2搬送スクリュの回転数が速いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項9】
前記第2の領域において前記第2スクリュ部のスクリュ径は均一であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項10】
前記第2搬送経路は、前記第1搬送経路の下方に配置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項11】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1又は請求項2に記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2成分現像剤などの現像剤が収容された現像装置と、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に設置される現像装置において、現像剤を幅方向に搬送しながら現像ローラ(現像剤担持体)に現像剤を供給する第1搬送スクリュ(第1搬送経路)と、仕切り部材を介して第1搬送スクリュ(第1搬送経路)に対向して現像剤を幅方向の逆方向に搬送する第2搬送スクリュ(第2搬送経路)と、が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような現像装置は、第2搬送スクリュによって幅方向他端側から幅方向一端側に搬送された現像剤が、第1連通口を介して第2搬送経路から第1搬送経路に受け渡される。そして、第1搬送経路に流入された現像剤が、第1搬送スクリュによって幅方向一端側から幅方向他端側に搬送された後に、第2連通口を介して第2搬送経路に受け渡され、現像剤の循環経路が形成されることになる。
【0004】
一方、特許文献1には、第1連通口において第2搬送経路から第1搬送経路への現像剤を円滑に受け渡すことを目的として、第2搬送スクリュにおける幅方向一端側の軸部を大径化する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の現像装置は、第1連通口において第2搬送経路から第1搬送経路への現像剤の受け渡し量が過剰であったり不足したりして、異常画像が生じてしまうことがあった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第1連通口において第2搬送経路から第1搬送経路への現像剤の受け渡し量が適量化される、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における現像装置は、内部に現像剤が収容された現像装置であって、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向するように第1搬送経路に設置されて、現像剤を幅方向一端側から幅方向他端側に搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送スクリュと、前記第1搬送スクリュに対して仕切り部を介して対向するように第2搬送経路に設置されて、現像剤を前記幅方向他端側から前記幅方向一端側に搬送する第2搬送スクリュと、前記幅方向一端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第1連通口と、前記幅方向他端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第2連通口と、を備え、前記第1搬送スクリュは、前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第1所定距離だけ超えた第1領域の軸径が、それ以外の領域の軸径よりも小さくなるように形成された第1軸部に、第1スクリュ部が巻装されたものであって、前記第2搬送スクリュは、前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第2所定距離だけ超えた第2領域の軸径が、それ以外の領域の軸径よりも大きくなるように形成された第2軸部に、第2スクリュ部が巻装されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1連通口において第2搬送経路から第1搬送経路への現像剤の受け渡し量が適量化される、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図4】第2搬送スクリュの幅方向中央部を示す図である。
【
図5】
図4に示す第2搬送スクリュの一部を示す拡大図である。
【
図6】現像装置における第1、第2搬送経路の幅方向一端側を示す拡大図である。
【
図7】第2搬送スクリュの大径軸部の軸径と、第1搬送スクリュの小径軸部の軸径と、が変化したときの異常画像の発生の有無について実験した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、3は原稿を原稿読込部に搬送する原稿搬送装置、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、5は出力画像が積載される排紙トレイ、7は用紙などのシートPが収容される給紙装置、を示す。
また、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、を示す。
また、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像をシートP上に重ねて転写する1次転写バイアスローラ、を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像をシートP上に転写するための2次転写バイアスローラ、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)を現像装置13に供給する各色のトナー容器、を示す。
また、100は印刷動作(画像形成動作)に関わる情報が表示されたり操作をおこなったりするための操作表示パネルを示す。
【0012】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
なお、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面でおこなわれる作像プロセスについては、
図2も参照することができる。
まず、原稿は、原稿搬送装置3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込装置4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込装置4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
【0013】
詳しくは、原稿読込装置4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
【0014】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み装置に送信される。そして、書込み装置からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(
図2参照)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に向けて発せられる。
【0015】
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、
図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電装置12(
図2参照)との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。
書込み装置において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Yの表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0017】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BKの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0018】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写バイアスローラ14が設置されている。そして、1次転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0019】
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、クリーニング装置15との対向位置に達する。そして、クリーニング装置15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電装置を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、
図1の反時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、シートP上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング装置の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送されるシートPは、給紙装置7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
【0022】
そして、フルカラー画像が転写されたシートPは、その後に定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって装置本体1外に出力画像として排出されて、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
次に、
図2、
図3等を用いて、
図1の画像形成装置における作像部について詳述する。
図2は、作像部を示す構成図であって、感光体ドラム11の回転軸に直交する断面でみた図である。
図3は、現像装置13を長手方向にみた概略断面図(垂直方向の断面図)であって、感光体ドラム11との長手方向の位置関係を示す概略図である。
なお、各作像部はほぼ同一構造であるために、
図2、
図3等にて作像部及び現像装置は符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
【0024】
図2に示すように、作像部は、像担持体としての感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置13、クリーニング装置15、等で構成される。
像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電の有機感光体であって、回転駆動機構によって時計方向に回転駆動される。
【0025】
帯電装置12は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した弾性を有する帯電ローラである。帯電装置12の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン-プロピレン-ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。
クリーニング装置15は、感光体ドラム11に摺接するクリーニングブレードが設置されていて、感光体ドラム11上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
【0026】
現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13aが開口A(現像ケース13jに形成されている。)を介して感光体ドラム11に僅かなギャップをあけて対向するように配置されている。現像ローラ13aと感光体ドラム11との対向部分には、感光体ドラム11と磁気ブラシ(穂立ちした状態の現像剤Gである。)とが接触する現像領域が形成される。現像装置13内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置13は、感光体ドラム11の表面に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。なお、現像装置13の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0027】
図1を参照して、トナー容器28は、その内部に現像装置13内に供給するためのトナーTを収容している。具体的に、現像装置13に設置された磁気センサ(不図示)によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)の情報に基づいて、トナー搬送管を介して、トナー容器28から現像装置13内に向けて補給口13d(
図3参照)からトナーTを適宜に供給する。
【0028】
以下、画像形成装置における現像装置13について詳述する。
図2、
図3を参照して、現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13a、第1搬送部材としての第1搬送スクリュ13b1、第2搬送部材としての第2搬送スクリュ13b2、現像剤規制部材としての丸棒ドクタ13c、壁部としての仕切り部13e、現像ケース13jの排気口13j1を覆うフィルタ13k、等で構成されている。これらの部材13a、13b1、13b2、13c、13e、13kは、現像ケース13j(ハウジング)に内包されている。
【0029】
現像剤担持体としての現像ローラ13aは、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブ13a2が、駆動機構(駆動モータ91)によって第1搬送スクリュ13b1、第2搬送スクリュ13b2とともに
図2に示す矢印方向に回転されるように構成されている。
現像ローラ13aのスリーブ13a2内には、スリーブ13a2の周面に複数の磁極(S1極、N1極、S2極、N2極、N3極)を形成するマグネット13a1が固設されている。
現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、現像ローラ13aの所定の回転方向(
図2の反時計方向である。)の回転にともなって搬送されて、丸棒ドクタ13c(現像剤規制部材)の位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム11上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0030】
図2を参照して、マグネット13a1によって現像ローラ13a(スリーブ13a2)の周囲に形成される複数の磁極は、感光体ドラム11との対向位置に形成されたN1極(主磁極)、N1極の下流側(現像ローラ13aの回転方向下流側)であって現像ケース13jの上部にかかる位置に形成されたS2極(搬送磁極)、S2極の下流側であって現像ローラ13aの斜め上方に形成されたN2極(剤離れプレ磁極)、N2極とN3極とに挟まれる位置であって第1搬送経路B1の上方に形成された剤離れ磁極(N極)、剤離れ磁極の下流側であって第1搬送経路B1の上方に形成されたN3極(剤離れ後磁極)、第1搬送スクリュ13b1との対向位置から丸棒ドクタ13cとの対向位置の近傍にかけて形成されたS1極(汲上げ磁極)、等で構成される。
まず、S1極(汲上げ磁極)が磁性体としてのキャリアに作用して、第1搬送経路B1に収容された現像剤Gが現像ローラ13a上に汲上げられる。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、その一部が現像剤規制部材としての丸棒ドクタ13cの位置で掻き取られて、第1搬送経路B1に戻される。一方、S1極による磁力が作用する丸棒ドクタ13cの位置で、丸棒ドクタ13cと現像ローラ13aとのドクターギャップを通過して現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、N1極(主磁極)の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム11に摺接する。こうして、現像ローラ13aに担持された現像剤G中のトナーTが感光体ドラム11上の潜像に付着する。その後、N1極の位置を通過した現像剤Gは、S2極、N2極によって剤離れ磁極(N極)の位置まで搬送される。そして、剤離れ磁極の位置で、反発磁界(現像ローラ13aから離れる方向に作用する磁界である。)がキャリアに作用して、現像ローラ13a上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ13aから脱離される。脱離後の現像剤Gは、第1搬送経路B1内に落下して第1搬送スクリュ13b1によって回収されて第1搬送経路B1の下流に向けて搬送される。
【0031】
なお、上述した6つの磁極は、現像ローラ13aのマグネット13a1に着磁された5つの極(S1極、N1極、S2極、N2極、N3極である。)によって形成されたものである。そして、6つの磁極のうち、剤離れ磁極(N極)だけは、マグネット13a1に着磁された極によって直接的に形成されたものではなく、同極(本実施の形態では、N極である。)となる2つの磁極(N2極とN3極とである。)に挟まれて形成されたものである。
なお、上述した5つの極は、S極とN極とをそれぞれ逆に形成することもできる。
【0032】
図2を参照して、現像剤規制部材としての丸棒ドクタ13cは、現像ローラ13aの下方に配設された磁性の円柱状部材である。そして、現像ローラ13aは
図2の反時計方向に回転して、感光体ドラム11は
図2の時計方向に回転する。
このような構成により、シートPの搬送経路の短縮化と、画像形成装置本体1の水平方向の小型化と、のために、中間転写ベルト17の下方に感光体ドラム11を配設している。そして、現像ギャップにおいて感光体ドラム11に対して現像ローラ13aの回転方向を順方向としている。このように順方向とすることで、丸棒ドクタ13cを現像ローラ13aの上方に配設して感光体ドラム11に対する現像ローラ13aの回転方向が逆方向になる場合に比べて、現像ギャップにおける現像時間を充分に確保することができて現像能力を高めることができる。
【0033】
図3に示すように、2つの搬送部材(第1搬送スクリュ13b1と第2搬送スクリュ13b2とである。)は、現像装置13内に収容された現像剤Gを幅方向(
図2の紙面垂直方向であって、
図3の左右方向である。)に循環しながら撹拌・混合する。
第1搬送スクリュ13b1は、現像ローラ13aの下方であって現像ローラ13aに対向する位置に配設されていて、現像剤Gを幅方向(軸方向)に水平に搬送して(
図3の破線矢印に示す右方から左方への搬送である。)、汲上げ磁極(S1極)の位置で現像ローラ13a上に現像剤Gを供給するとともに、剤離れ磁極(N極)の位置で現像ローラ13aから離脱して落下した現像剤Gを幅方向下流側(幅方向他端側)に向けて搬送する。第1搬送スクリュ13b1は、
図2の時計方向に回転する。
【0034】
第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1の下方であって第1搬送スクリュ13b1を介して現像ローラ13aに対向する位置に配設されている。そして、第2搬送経路B2において現像剤Gを長手方向に水平に搬送する(
図3の破線矢印に示す左方から右向への搬送である。)。なお、本実施の形態において、第2搬送スクリュ13b2は、その回転方向(正方向の回転方向である。)が、第1搬送スクリュ13b1の回転方向に対して逆方向(
図2の反時計方向である。)になるように設定されている。
【0035】
ここで、現像ローラ13a(スリーブ13a2)、第1搬送スクリュ13b1、第2搬送スクリュ13b2の軸部の一端側(
図3の右側の端部である。)には、それぞれ、ギアが設置されていて、これらがギア列を形成している。そして、そのギア列に、駆動モータ91の駆動が伝達されて、現像ローラ13a、第1搬送スクリュ13b1、第2搬送スクリュ13b2が上述した回転方向に回転されることになる。
【0036】
そして、第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1の軸方向下流側から仕切り部13eで仕切られていない第2連通口13g(第2中継部)を介して現像剤Gが循環される。そして、第2搬送スクリュ13b2は、その現像剤Gを第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1の軸方向上流側に仕切り部13eで仕切られていない第1連通口13f(第1中継部)を介して搬送する(
図3の破線矢印に示す搬送である。)。
第1搬送スクリュ13b1と第2搬送スクリュ13b2とは、いずれも、現像ローラ13aや感光体ドラム11と同様に、回転軸がほぼ水平になるように配設されている。また、第1搬送スクリュ13b1と第2搬送スクリュ13b2とは、いずれも、軸部にスクリュ部(所定のスクリュピッチ、条数で形成されたものである。)が螺旋状に巻装されたものである。なお、スクリュ部は、その条数を1つにしても複数にしてもよい。
【0037】
なお、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路B2とは、両端部以外は仕切り部13e(壁部)によって隔絶されている。
図3を参照して、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1の上流側と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路B2の下流側と、は第1連通口13fを介して連通している。換言すると、第1搬送スクリュ13b1(第1搬送部材)の上流側の現像剤と、第2搬送スクリュ13b2(第2搬送部材)の下流側の現像剤と、が流通するように、幅方向一端側に第1連通口13fが形成されている。第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の下流側に達した現像剤Gが、第1連通口13fの近傍に留まって盛り上がって、第1連通口13fを介して第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1の上流側に搬送される(受け渡される)ことになる。
また、
図3を参照して、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1の下流側と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路B2の上流側と、は第2連通口13gを介して連通している。換言すると、第1搬送スクリュ13b1(第1搬送部材)の下流側の現像剤と、第2搬送スクリュ13b2(第2搬送部材)の上流側の現像剤と、が流通するように、幅方向他端側に第2連通口13gが形成されている。そして、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路B1の下流側に達した現像剤G(第1搬送経路B1にて現像ローラ13a上に供給されなかった現像剤Gや、現像ローラ13a中の剤離れ磁極(N極)の位置で現像ローラ13aから離脱・落下した現像剤Gである。)が、第2連通口13gにて自重落下して、第2搬送経路B2の上流側に達することになる。
【0038】
このような構成により、2つの搬送部材(第1搬送スクリュ13b1、第2搬送スクリュ13b2)によって、現像装置13において現像剤Gを幅方向(長手方向)に循環させる循環経路が形成されることになる。すなわち、現像装置13が稼動されると、装置内に収容された現像剤Gは
図3中の破線矢印の方向に流動する。
そして、このように、現像ローラ13aに対する現像剤Gの循環経路(第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とである。)を、水平方向ではなく、垂直方向に形成することで、現像装置13の水平方向のサイズを小さくすることができる(縦長にすることができる)。特に、複数の現像装置13(作像部)が水平方向に並設されるタンデム型のカラー画像形成装置1では、複数の現像装置13(作像部)の水平方向のサイズを小さくすることで、全体の水平方向のサイズを効果的に小さくすることができる。
【0039】
なお、第2搬送スクリュ13b2による搬送経路中には、装置内を循環する現像剤Gのトナー濃度を検知する磁気センサ(不図示)が設置されている。そして、磁気センサによって検知されるトナー濃度の情報に基づいて、トナー容器28(
図1参照)から、第2連通口13gに対して幅方向他端側(
図3の左側である。)に配設されている補給口13dを介して現像装置13内に向けて新品のトナーTが供給される。
【0040】
また、
図3を参照して、補給口13d(トナー補給口)は、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路B2の上流側の上方であって、現像領域から離れた位置(現像ローラ13aの幅方向の範囲の外側である。)に配設されている。
換言すると、第2搬送経路B2には、第2連通口13gに対して幅方向他端側(
図3の左側である。)に延びるとともに、現像工程時にトナーTを補給するための補給口13dが形成された延在部B2aが設けられている。
そして、トナー容器28から排出された新品のトナーTが、補給口13dから現像装置13の内部に向けて適宜に補給される(
図3の白矢印方向の補給である。)。このように補給口13dを第2連通口13gの近傍に設置することで、第2搬送経路B2において、その下流側に向けて、第2連通口13gから自重落下して供給された現像剤Gに対して、比較的長い時間をかけて補給トナーの分散・混合を充分におこなうことができる。
【0041】
なお、本実施の形態において用いられるトナーT(現像剤G中のトナー、トナー容器28中のトナーである。)として、重合トナーであって、体積平均粒径が5.0~6.0μm程度の小径トナーを用いることもできる。
また、現像剤G中のキャリアCとして、重量平均粒径が20~60μmになるように形成された小径キャリアを用いることもできる。
【0042】
以下、本実施の形態における現像装置13の、特徴的な構成・動作について説明する。
先に
図2、
図3等を用いて説明したように、本実施の形態における現像装置13には、現像剤担持体としての現像ローラ13a、第1搬送スクリュ13b1、第2搬送スクリュ13b2、などが設置されている。
本実施の形態における現像装置13は、少量現像方式のものであって、現像装置13の内部に比較的少量の現像剤Gが収容されている。
現像剤担持体としての現像ローラ13aは、像担持体としての感光体ドラム11の表面に形成される潜像を現像するものである。本実施の形態において、現像ローラ13aは、その外径が16mm程度に設定されている。
【0043】
第1搬送スクリュ13b1は、現像ローラ13a(現像剤担持体)に対向するように、第1搬送経路B1に設置されている。また、第1搬送スクリュ13b1は、現像工程時に所定方向(
図2、
図3の矢印方向である。)に回転して現像剤Gを幅方向一端側(
図3、
図6の右側である。)から幅方向他端側(
図3、
図6の左側である。)に搬送しながら現像ローラ13aに現像剤Gを供給する。
第1搬送スクリュ13b1は、幅方向(
図2の紙面垂直方向であって、
図3、
図6の左右方向である。)に延びる軸部13b11(第1軸部)に、スクリュ部13b12(第1スクリュ部)が螺旋状に巻装されたものである。本実施の形態において、第1搬送スクリュ13b1は、幅方向の全長が272mm程度、スクリュ部13b12(第1スクリュ部)の外径が12mm程度、リード長が45mm程度、条数が3条、回転数が275rpm程度、に設定されている。
なお、第1搬送スクリュ13b1の軸部13b11(第1軸部)は、軸径M1が8mm程度の基準軸部13b11a、小径軸部13b11b、テーパ軸部13b11cで構成されているが、これについては後で
図6を用いて詳しく説明する。
【0044】
第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1(第1搬送部材)に対して仕切り部13eを介して対向するように、第2搬送経路B2に設置されている。また、第2搬送スクリュ13b2は、現像工程時に所定方向(
図2、
図3の矢印方向である。)に回転して現像剤Gを幅方向他端側(
図3~
図6の左側である。)から幅方向一端側(
図3~
図6の右側である。)に搬送しながら現像剤Gを撹拌する。
第2搬送スクリュ13b2は、幅方向(
図2の紙面垂直方向であって、
図3~
図6の左右方向である。)に延びる軸部13b21(第2軸部)に、スクリュ部13b22(第2スクリュ部)が螺旋状に巻装されたものである。本実施の形態において、第2搬送スクリュ13b2は、幅方向の全長が304mm程度、スクリュ部13b22(第2スクリュ部)の外径が12.5mm程度、リード長が20mm程度、条数が2条(一部、1条の部分がある。)、回転数が319rpm程度、に設定されている。
また、本実施の形態において、第2搬送経路B2は、
図2に示すように、第1搬送経路B1の下方に配置されている。
なお、第2搬送スクリュ13b2の軸部13b21(第2軸部)は、軸径N1が5mm程度の基準軸部13b21a、大径軸部13b21b、第1テーパ軸部13b21c、第2テーパ軸部13b21dで構成されているが、これについては後で
図6を用いて詳しく説明する。
【0045】
ここで、本実施の形態における現像装置13には、先に
図3等を用いて説明したように、第1搬送経路B1と第2搬送経路B2との循環経路を形成するための、第1連通口13f(第1開口)と第2連通口13g(第2開口)とが設けられている。
第1連通口13fは、幅方向一端側(
図3、
図6の右側である。)において第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とを連通させるように、仕切り部13eに開口している。本実施の形態において、第1連通口13fは、第1搬送経路B1の幅方向一端側の内壁から幅方向中央部に向けて5~12mmの範囲に開口している。
これに対して、第2連通口13gは、幅方向他端側(
図3の左側である。)において第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とを連通させるように、仕切り部13eに開口している。本実施の形態において、第2連通口13gは、第1搬送経路B1の幅方向他端側の内壁から幅方向中央部に向けて1.5~7mmの範囲に開口している。
第1連通口13fの開口を第2連通口13gの開口より大きく設定することにより、第1搬送経路B1内で多くの現像剤Gを流動させることができる。
【0046】
以下、
図3~
図5を用いて、本実施の形態における第2搬送スクリュ13b2について、さらに詳しく説明する。
図3を参照して、本実施の形態における第2搬送スクリュ13b2は、スクリュ部13b22(第2スクリュ部)や軸部13b21(第2軸部)の形態が異なる3つの領域X1~X3と延在部B2aとに大きく分けられる。
第2搬送スクリュ13b2の最上流部に位置する延在部B2aは、補給口13dから補給された新品トナーTを循環経路に導く部分であって、幅方向の長さが41mm程度、スクリュ部(不図示)の外径が8.4mm程度、リード長が12mm程度、軸部13b21(第2軸部)の軸径が5mm程度、条数が1条、に設定されている。
第2搬送スクリュ13b2の第3領域X3(延在部B2aに繋がる部分である。)は、幅方向の長さが60mm程度、スクリュ部13b22(第2スクリュ部)の外径が12.5mm程度、リード長が20mm程度、軸部13b21(第2軸部)の軸径N1が5mm程度、条数が2条、に設定されている。
第2搬送スクリュ13b2の第2領域X2(第3領域X3に繋がる部分である。)は、
図4、
図5を参照して、スクリュ部13b22の一部(破線で囲んだ部分Wである。)が切欠けられた領域X22と、さらに軸部13b21上に略板状の突起13b23(3.5mm×5mmの厚み1.5mm程度の板状部材が、回転軸に対して順方向に30°傾いた状態のものである。)が2つ形成された領域X21と、からなる。なお、図示は省略するが、第2領域X2において、領域X22と領域X21とは2つ直列に繰り返して設けられている。なお、第2領域X2は、スクリュ部13b22(第2スクリュ部)の外径が12.5mm程度、リード長が20mm程度、軸部13b21(第2軸部)の軸径N1が5mm程度、条数が2条、に設定されている。
第2搬送スクリュ13b2の第1領域X1(第2領域X2に繋がる部分でああって、第2の領域である。)は、大径軸部13b21b、第1テーパ軸部13b21c、第2テーパ軸部13b21dで構成されているが、これについては後で
図6を用いて詳しく説明する。
【0047】
図4、
図5を参照して、第2搬送スクリュ13b2における第2領域X2には、スクリュ部13b22(第2スクリュ部)を回転軸方向に対して90°切欠いた切欠き部Wが形成されている。
先に説明したように、本実施の形態では低コスト化のため少量現像方式を採用しているため、第1搬送経路B1の現像剤量が不足しないように、第2搬送経路B2で搬送される現像剤の量(搬送性)を適量化する必要がある。本実施の形態では、第2搬送スクリュ13b2における第2領域X2に切欠き部Wを形成しているため、その部分における現像剤Gの搬送能力が低下するとともに、その部分Wに形成される空間で現像剤Gが滞留することになる。そして、切欠き部Wで滞留して突起13b23に衝突した現像剤G(矢印E、F方向に搬送されたものである。)は、2方向E1、E2(F1、F2)に分かれて、その分かれた現像剤Gの混合(矢印E1方向+矢印D方向、矢印E2方向+矢印F1方向)が繰り返される。したがって、第2領域X2で、現像剤Gの搬送性が調整(最適化)されつつ、現像剤Gの混合・分散性が進められることになる。
【0048】
ここで、
図6に示すように、第1搬送スクリュ13b1は、幅方向一端側(
図6の右側である。)から第1連通口13fを幅方向中央部側(
図6の左側である。)に第1所定距離H1(12.5mm程度である。)だけ超えた第1領域Z1(第1の領域である。)の軸径M2が、それ以外の領域Z2の軸径M1よりも小さくなるように形成された第1軸部13b11に、第1スクリュ部13b12が巻装されたものである。
詳しくは、第1搬送スクリュ13b1の第1軸部13b11には、基準軸部13b11a、小径軸部13b11b、テーパ軸部13b11cが設けられている。
小径軸部13b11bは、第1領域Z1(上述した第2搬送経路B2の第1領域X1と略同じ幅方向の領域である。)に設けられている。小径軸部13b11bは、軸径M2が6.5mm程度、幅方向の長さが28.5mm程度、スクリュ高さ(軸部から突出した高さである。)が2.75mm程度、に設定されている。
基準軸部13b11aは、第1領域Z1(第1の領域)以外の領域の一部(第2領域Z2である。)において小径軸部13b11bの軸径M1よりも大きな軸径M2(>M1)からなる軸部である。
テーパ軸部13b11cは、第1領域Z1(第1の領域)以外の領域であって小径軸部13b11bと基準軸部13b11aとの間の領域(領域Z1a)において、小径軸部13b11bと同等の軸径M2から基準軸部13b11aと同等の軸径M1へと軸径が漸増する軸部である。
【0049】
これに対して、
図6に示すように、第2搬送スクリュ13b2は、幅方向一端側(
図6の右側である。)から第1連通口13fを幅方向中央部側(
図6の左側である。)に第2所定距離H2(12.5mm程度であって、第1所定距離H1と同等である。)だけ超えた第1領域X1(第2の領域である。)の軸径N2が、それ以外の領域X2の軸径N1よりも大きくなるように形成された第2軸部13b21に、第2スクリュ部13b22が巻装されたものである。
詳しくは、第2搬送スクリュ13b2の第2軸部13b21には、基準軸部13b21a、大径軸部13b21b、テーパ軸部13b21c(第1テーパ軸部)が設けられている。
大径軸部13b21bは、第1領域X1(第2の領域)に設けられている。大径軸部13b21bは、軸径N2が7mm程度、幅方向の長さが28.5mm程度(内、第2テーパ軸部13b21dが1.5mm程度)、スクリュ高さが2.75mm程度、に設定されている。
なお、大径軸部13b21bの下流側端部(第2テーパ軸部13b21dを含む。)のスクリュ部13b22は、巻き方向が逆向きに形成されている。そのため、第2搬送経路B2の幅方向一端側端部で現像剤Gが滞留して剤圧が高くなり現像剤の凝集体が生成されてしまう不具合や、現像剤Gが装置外に漏出してしまう不具合が生じにくくなる。
基準軸部13b21aは、第1領域X1(第2の領域)以外の領域の一部(第2領域X2である。)において大径軸部13b21bの軸径N1よりも小さな軸径N2(<N1)からなる軸部である。
第1テーパ軸部13b21cは、第1領域X1(第2の領域)以外の領域であって大径軸部13b21bと基準軸部13b21aとの間の領域(領域X1aであって、軸方向長さが5mm程度に設定されている。)において、大径軸部13b21bと同等の軸径N2から基準軸部13b21aと同等の軸径N1へと軸径が漸減する軸部である。
【0050】
このように、第2搬送スクリュ13b2の軸方向一端側(第1連通口13fに相当する位置である。)に大径軸部13b21bを設けることで、第2搬送経路B2における第1連通口13f近傍において現像剤Gの剤嵩を高めることができるため、第1連通口13fを介して第2搬送経路B2から第1搬送経路B1に現像剤Gを受け渡しやすく(持ち上げやすく)なる。したがって、第1連通口13fを介して第2搬送経路B2から第1搬送経路B1に充分な量の現像剤Gが供給されることになる。そして、このような効果は、大径軸部13b21bの幅方向他端側端部(搬送方向上流側端部)の位置を、第1連通口13fの幅方向他端側端部の位置よりも搬送方向上流側に充分離れた位置(第2所定距離H2離れた位置)としていて、第1連通口13fの近傍の剤圧が高くなるため、充分に発揮されるものである。
また、大径軸部13b21bと基準軸部13b21aとの間にテーパ軸部13b21cを設けていて、第2搬送経路B2において第2領域X2から第1領域X1に向けて現像剤Gがスムーズに流動することになるため、テーパ軸部13b21cが設けられていない場合に比べて、現像剤Gにかかるストレスが低減される。
【0051】
さらに、第1搬送スクリュ13b1の軸方向一端側(第1連通口13fに相当する位置である。)に小径軸部13b11bを設けることで、第1搬送経路B1における第1連通口13f近傍において現像剤Gの剤嵩を低くすることができるため、第1連通口13fを介して第2搬送経路B2から第1搬送経路B1に受け渡された現像剤Gの剤圧が小さくなる。そのため、第1搬送経路B1において、現像剤Gの流動性(搬送性)も高められるとともに、現像剤Gの剤嵩も均一化されて、現像ローラ13aに現像剤Gが安定的かつ均一に供給されることになる。そして、このような効果は、小径軸部13b11bの幅方向他端側端部(搬送方向下流側端部)の位置を、第1連通口13fの幅方向他端側端部の位置よりも搬送方向下流側に充分離れた位置(第1所定距離H1離れた位置)としていて、第1連通口13fの近傍の剤圧が小さくなるため、充分に発揮されるものである。
また、小径軸部13b11bと基準軸部13b11aとの間にテーパ軸部13b11cを設けていて、第1搬送経路B1において第1領域Z1から第2領域Z2に向けて現像剤Gがスムーズに流動することになるため、テーパ軸部13b11cが設けられていない場合に比べて、現像剤Gにかかるストレスが低減される。
【0052】
このように、本実施の形態では、第1連通口13fの近傍において、第2搬送スクリュ13b2に大径軸部13b21bを設けて、第1搬送スクリュ13b1に小径軸部13b11bを設けているため、第1連通口13fにおいて第2搬送経路B2から第1搬送経路B1への現像剤Gの受け渡し量が、過剰であったり不足したりせず、適量化される。したがって、現像剤Gの受け渡し量が過剰となって出力画像の幅方向一端側端部に白帯状の異常画像が生じる不具合や、現像剤Gの受け渡し量が不足して出力画像に第1搬送スクリュ13b1の回転ピッチに相当する画像濃度ムラ(異常画像)が生じる不具合が軽減されることになる。
なお、このような効果は、第1連通口13fの近傍において、第2搬送スクリュ13b2に大径軸部13b21bを設けて、第1搬送スクリュ13b1に小径軸部13b11bを設けていない場合であっても、ある程度は発揮されるものである。特に、その際に、第2搬送スクリュ13b2に第1テーパ軸部13b21cを設けることが有用となる。
【0053】
ここで、
図6を参照して、本実施の形態において、第2搬送スクリュ13b2の第2軸部13b21は、大径軸部13b21bから幅方向一端側(
図6の右側である。)に延びるように第2テーパ軸部13b21dが形成されている。この第2テーパ軸部13b21dは、大径軸部13b21bと同等の軸径N1から幅方向一端側に向かうにつれて軸径が漸減するように形成されている。
このように第2テーパ軸部13b21を設けることで、その部分における現像剤Gに対する搬送性が低下するため、第2搬送経路B2の幅方向一端側端部で現像剤Gが滞留して剤圧が高くなり現像剤の凝集体が生成されてしまう不具合や、現像剤Gが幅方向一端側端部から装置外に漏出してしまう不具合が生じにくくなる。
【0054】
また、本実施の形態における現像装置13は、第1搬送スクリュ13b1の回転数に比べて、第2搬送スクリュ13b2の回転数が1.16倍ほど速くなるように設定している。
これにより、第1連通口13fにおいて第2搬送経路B2から第1搬送経路B1に向けて現像剤Gを受け渡す効率が向上する。
【0055】
さらに、本実施の形態における第2搬送スクリュ13b2は、第2搬送経路B2における第1領域X1(第2の領域)において第2スクリュ部13b22のスクリュ径が均一になるように設定されている。
具体的に、第1領域X1(第2の領域)において第2スクリュ部13b22のスクリュ高さが2.75mmになるように設定されている。
これにより、第1連通口13fにおいて第2搬送経路B2から第1搬送経路B1に向けて現像剤Gがバランス良く受け渡されることになる。
【0056】
ここで、
図7は、本実施の形態における現像装置13を用いて、第2搬送スクリュ13b2の大径軸部13b21bの軸径N1と、第1搬送スクリュ13b1の小径軸部13b11bの軸径M1と、が変化したときの異常画像の発生の有無について、本願発明者がおこなった実験の結果を示すグラフである。
図7において、横軸は第2搬送スクリュ13b2の大径軸部13b21bの軸径N1(5、6、7mmの3水準である。)を示し、縦軸は第1搬送経路B1内の現像剤Gの剤嵩を示す。また、
図7において、薄いハッチングの棒グラフは第1搬送スクリュ13b1の小径軸部13b11bの軸径M1が8mmのものを示し、濃いハッチングの棒グラフは第1搬送スクリュ13b1の小径軸部13b11bの軸径M1が6.5mmのものを示す。また、
図7において、「剤嵩大による異常画像」は白帯画像であって、「剤嵩小による異常画像」は濃度ムラ画像であって、それぞれ一点鎖線から白矢印方向に向かう範囲が発生領域となる。
図7に示す実験結果から、白帯画像も濃度ムラ画像も発生しないように、第1搬送経路B1内の現像剤Gの剤嵩を10~14mmの範囲に収めるために、第2搬送スクリュ13b2の大径軸部13b21bの軸径N1を7mmとして、第1搬送スクリュ13b1の小径軸部13b11bの軸径M1を6.5mmとすることが良いことがわかった。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置は、内部に現像剤Gが収容された現像装置であって、感光体ドラム11(像担持体)の表面に形成される潜像を現像する現像ローラ13a(現像剤担持体)が設けられている。また、現像剤Gを幅方向一端側から幅方向他端側に搬送しながら現像ローラ13aに現像剤Gを供給する第1搬送スクリュ13b1が、現像ローラ13aに対向するように第1搬送経路B1に設置されている。また、現像剤Gを幅方向他端側から幅方向一端側に搬送する第2搬送スクリュ13b2が、第1搬送スクリュ13b1に対して仕切り部13eを介して対向するように第2搬送経路B2に設置されている。また、幅方向一端側において第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とを連通させるように仕切り部13eに開口する第1連通口13fと、幅方向他端側において第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とを連通させるように仕切り部13eに開口する第2連通口13gと、が設けられている。そして、第1搬送スクリュ13b1は、幅方向一端側から第1連通口13fを幅方向中央部側に第1所定距離H1だけ超えた第1領域Z1(第1の領域)の軸径M1が、それ以外の領域Z2の軸径M2よりも小さくなるように形成された第1軸部13b11に、第1スクリュ部13b12が巻装されたものである。また、第2搬送スクリュ13b2は、幅方向一端側から第1連通口13fを幅方向中央部側に第2所定距離H2だけ超えた第1領域X1(第2の領域)の軸径N1が、それ以外の領域X2の軸径N2よりも大きくなるように形成された第2軸部13b21に、第2スクリュ部13b22が巻装されたものである。
これにより、第1連通口13fにおいて第2搬送経路B1から第1搬送経路B1への現像剤Gの受け渡し量を適量化することができる。
【0058】
なお、本実施の形態においては、現像装置13が単体で画像形成装置本体に着脱されるユニットして構成されている画像形成装置に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、作像部の一部又は全部がプロセスカートリッジ化されている画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。その場合、作像部のメンテナンスの作業性が向上することになる。
ここで、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0059】
また、本実施の形態では、第1搬送経路B1が第2搬送経路B2の上方に配設されて、第2搬送経路B2が第1搬送経路B1を介して現像ローラ13aに対向するように配設された現像装置13に対して、本発明を適用した。しかし、本発明が適用される現像装置はこれに限定されることなく、例えば、第1搬送経路が第2搬送経路の側方に配設されて、第2搬送経路が第1搬送経路を介して現像ローラに対向するように配設された現像装置に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いた現像装置13に対して、本発明を適用した。これに対して、トナー(外添剤等も含む。)のみからなる1成分現像剤を用いた現像装置に対しても、本発明を適用することができる。その場合、現像装置において、現像ローラを感光体ドラム(像担持体)に接触するように構成することができる。
また、本実施の形態では、スクリュ部13b12の条数が3条の第1搬送スクリュ13b1と、スクリュ部13b22の条数が2条の第2搬送スクリュ13b2と、を用いたが、第1、第2搬送スクリュ13b1、13b2のスクリュ部の条数はこれらの組み合わせに限定されない。
また、本実施の形態では、第2領域X2に切欠き部Wや突起13b23が設けられた第2搬送スクリュ13b2を用いたが、切欠き部Wや突起13b23が設けられていない第2搬送スクリュ13b2を用いることもできる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0060】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
11、11Y、11C、11M、11BK 感光体ドラム(像担持体)、
13 現像装置、
13a 現像ローラ(現像剤担持体)、
13b1 第1搬送スクリュ(第1搬送部材)、
13b2 第2搬送スクリュ(第2搬送部材)、
13b11 第1軸部、
13b11a 基準軸部、
13b11b 小径軸部、
13b11c テーパ軸部、
13b21 第2軸部、
13b21a 基準軸部、
13b21b 大径軸部、
13b21c 第1テーパ軸部(テーパ軸部)、
13b21d 第2テーパ軸部、
13b12 第1スクリュ部、
13b22 第2スクリュ部、
13c 丸棒ドクタ(現像剤規制部材)、
13d 補給口、
13e 仕切り部(壁部)、
B1 第1搬送経路、
B2 第2搬送経路、 B2a 延在部、
Z1 第1領域(第1の領域)、
X1 第1領域(第2の領域)、
H1 第1所定距離、 H2 第2所定距離、
G 現像剤(2成分現像剤)、 T トナー、 C キャリア。
【0062】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~12の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
内部に現像剤が収容された現像装置であって、
像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するように第1搬送経路に設置されて、現像剤を幅方向一端側から幅方向他端側に搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送スクリュと、
前記第1搬送スクリュに対して仕切り部を介して対向するように第2搬送経路に設置されて、現像剤を前記幅方向他端側から前記幅方向一端側に搬送する第2搬送スクリュと、
前記幅方向一端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第1連通口と、
前記幅方向他端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第2連通口と、
を備え、
前記第1搬送スクリュは、前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第1所定距離だけ超えた第1の領域の軸径が、それ以外の領域の軸径よりも小さくなるように形成された第1軸部に、第1スクリュ部が巻装されたものであって、
前記第2搬送スクリュは、前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第2所定距離だけ超えた第2の領域の軸径が、それ以外の領域の軸径よりも大きくなるように形成された第2軸部に、第2スクリュ部が巻装されたものであることを特徴とする現像装置。
(付記2)
前記第2搬送スクリュの前記第2軸部は、
前記第2の領域の大径軸部と、
前記それ以外の領域の一部において前記大径軸部の軸径よりも小さな軸径からなる基準軸部と、
前記それ以外の領域であって前記大径軸部と前記基準軸部との間の領域において、前記大径軸部と同等の軸径から前記基準軸部と同等の軸径へと軸径が漸減するテーパ軸部と、
を具備したことを特徴とする付記1に記載の現像装置。
(付記3)
前記第2軸部は、前記大径軸部から前記幅方向一端側に延びるように形成されて、前記大径軸部と同等の軸径から前記幅方向一端側に向かうにつれて軸径が漸減する第2テーパ軸部をさらに具備したことを特徴とする付記2に記載の現像装置。
(付記4)
前記第1搬送スクリュの前記第1軸部は、
前記第1の領域の小径軸部と、
前記それ以外の領域の一部において前記小径軸部の軸径よりも大きな軸径からなる基準軸部と、
前記それ以外の領域であって前記小径軸部と前記基準軸部との間の領域において、前記小径軸部と同等の軸径から前記基準軸部と同等の軸径へと軸径が漸増するテーパ軸部と、
を具備したことを特徴とする付記1~付記3のいずれかに記載の現像装置。
(付記5)
前記第1所定距離と前記第2所定距離とが同等であることを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載の現像装置。
(付記6)
内部に現像剤が収容された現像装置であって、
像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するように第1搬送経路に設置されて、現像剤を幅方向一端側から幅方向他端側に搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送スクリュと、
前記第1搬送スクリュに対して仕切り部を介して対向するように第2搬送経路に設置されて、現像剤を前記幅方向他端側から前記幅方向一端側に搬送する第2搬送スクリュと、
前記幅方向一端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第1連通口と、
前記幅方向他端側において前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを連通させるように前記仕切り部に開口する第2連通口と、
を備え、
前記第2搬送スクリュは、第2軸部に第2スクリュ部が巻装されたものであって、
前記第2搬送スクリュの前記第2軸部は、
前記幅方向一端側から前記第1連通口を幅方向中央部側に第2所定距離だけ超えた第2の領域において、それ以外の領域の軸径よりも軸径が大きくなるように形成された大径軸部と、
前記それ以外の領域の一部において前記大径軸部の軸径よりも小さな軸径からなる基準軸部と、
前記それ以外の領域において前記大径軸部と前記基準軸部との間の領域において、前記大径軸部と同等の軸径から前記基準軸部と同等の軸径へと軸径が漸減するテーパ軸部と、
を具備したことを特徴とする現像装置。
(付記7)
前記第2軸部は、前記大径軸部から前記幅方向一端側に延びるように形成されて、前記大径軸部と同等の軸径から前記幅方向一端側に向かうにつれて軸径が漸減する第2テーパ軸部をさらに具備したことを特徴とする付記6に記載の現像装置。
(付記8)
前記第1搬送スクリュの回転数に比べて、前記第2搬送スクリュの回転数が速いことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載の現像装置。
(付記9)
前記第2の領域において前記第2スクリュ部のスクリュ径は均一であることを特徴とする付記1~付記8のいずれかに記載の現像装置。
(付記10)
前記第2搬送経路は、前記第1搬送経路の下方に配置されたことを特徴とする付記1~付記9のいずれかに記載の現像装置。
(付記11)
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
付記1~付記10のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(付記12)
付記1~付記10のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】