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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179126
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 648K
H01L21/304 648L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097706
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】豊村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】國澤 淳次
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 充
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA15
5F157AA16
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB11
5F157BB23
5F157CF14
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
(57)【要約】
【課題】
本開示は、ノズルから吐出する液体の流量を調整できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】
本開示に係る基板処理装置は、基板処理装置であって基板に液体を供給するためのノズルと、ノズルに液体を供給するための液体供給装置と、を備え、液体供給装置は、液体供給源とノズルとを流体連通させるための供給配管であって、分流点から分流点よりも下流の合流点までの第1流路を構成する第1配管と、分流点から合流点までの第2流路を構成する第2配管と、を有する供給配管と、第1配管に取付けられている第1バルブと、第2配管に取付けられている第2バルブと、第2配管に取付けられ、第2配管を流れる液体の圧力損失を、第1配管を流れる液体の圧力損失よりも大きくするための流体抵抗要素と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
基板に液体を供給するためのノズルと、
前記ノズルに前記液体を供給するための液体供給装置と、
を備え、
前記液体供給装置は、
液体供給源と前記ノズルとを流体連通させるための供給配管であって、分流点から前記分流点よりも下流の合流点までの第1流路を構成する第1配管と、前記分流点から前記合流点までの第2流路を構成する第2配管と、を有する供給配管と、
前記第1配管に取付けられている第1バルブと、
前記第2配管に取付けられている第2バルブと、
前記第2配管に取付けられ、前記第2配管を流れる前記液体の圧力損失を、前記第1配管を流れる前記液体の圧力損失よりも大きくするための流体抵抗要素と、
を備える、
基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記流体抵抗要素が、オリフィスである、
基板処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板処理装置であって、
前記基板の上方に配置され、空気のダウンフローを前記基板に提供するように構成されている換気装置をさらに備える、
基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記換気装置は、前記基板の直上に位置するフィルターを有し、
前記ノズルは、前記基板の直下に位置し、上に向かって前記液体を吐出するように構成され、
前記流体抵抗要素は、前記ノズルから吐出される前記液体が前記フィルターに当たらないような流量となるように、前記第2配管を流れる前記液体に圧力損失を与えるように構成されている、
基板処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の基板処理装置であって、
前記基板を保持するための基板保持装置と、
制御装置と、
を備え、
前記ノズルは、前記基板保持装置が保持している前記基板に前記液体を供給できるように構成され、
前記制御装置は、前記基板保持装置が前記基板を保持しているときに、前記第1配管を介して、前記ノズルに前記液体を供給するように前記液体供給装置を制御し、
前記制御装置は、前記基板保持装置が前記基板を保持していないときに、前記第2配管を介して、前記ノズルに前記液体を供給するように前記液体供給装置を制御する、
基板処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の基板処理装置であって、
前記第1バルブは、開放時の弁開度が調整可能に構成されている、
基板処理装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の基板処理装置であって、
前記第2バルブは、開放時の弁開度が調整可能に構成されている、
基板処理装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の基板処理装置であって、
前記液体供給装置は、前記液体供給装置が前記ノズルに供給する液体の流量を計測するための流量計を備える、
基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置であって、
前記流量計は、前記第2配管を流れる液体の流量を計測できるように構成されている、
基板処理装置。
【請求項10】
請求項8に記載の基板処理装置であって、
前記流量計は、前記分流点よりも上流に配置されている、
基板処理装置。
【請求項11】
請求項8に記載の基板処理装置であって、
前記流量計は、前記供給配管の水平方向に対し傾斜して延びる部分に取付けられている、
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程において、基板は、CMP(Chemical Mechanical
Polishing)装置によって、その表面が研磨される。そして、研磨された基板は、その表面に残留している研磨液や研磨屑等の残留物が取り除かれるために洗浄され、その後乾燥されて、次工程へと渡される。このため、半導体製造工程では、基板を洗浄する機能を備える基板処理装置や、基板を乾燥させる機能を備える基板処理装置が使用されている。
【0003】
例えば、基板を乾燥させる機能を備える基板処理装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される基板処理装置1は、その図2示されるように、基板Wを保持して回転させる基板保持部10と、液体ノズル20と、第1裏面ノズル71と、を備える。液体ノズル20は、基板保持部10に保持している基板Wの上部に位置している。そして、液体ノズル20は、上から下に向かって液体を吐出することにより、基板Wの表面2に液体を供給するように構成されている。第1裏面ノズル71は、基板保持部10に保持している基板Wの下部に位置している。そして、第1裏面ノズル71は、下から上に向かって液体を吐出することにより、基板Wの裏面3に液体を供給するように構成されている。
【0004】
特許文献1の基板処理装置1では、基板保持部10が基板Wを回転させることにより、基板W上の液体が除去される。また、基板処理装置1では、基板W上の液体が除去される前に、液体ノズル20及び第1裏面ノズル71が基板Wに液体を供給する。これによれ、基板Wの乾燥前に、基板Wを覆う均一な液体の膜が形成される。基板処理装置1は、乾燥前に基板Wを覆う均一な液体の膜を形成することにより、乾燥時に基板Wにウォーターマークが形成されることを防止する。
【0005】
さらに、特許文献1の基板処理装置1は、その図2に示されるように、処理室7と、基板保持部10の上方に配置された換気機構8を備える。そして、換気機構8は、ファン8Aと、このファン8Aから送られた空気中のパーティクルや粉塵を除去するフィルター8Bとを備える。換気機構8は、清浄な空気を処理室7に送り込むように構成されている。このため、処理室7内には清浄な空気のダウンフローが形成される。換気機構8は、このような空気のダウンフローを形成することで、基板Wの表面2及び裏面3に整った気流を生じさせ、気流の乱れによる基板汚染物質の付着を防止することができる。
【0006】
また、基板を洗浄する機能を備える基板処理装置が特許文献2に開示されている。特許文献2の基板処理装置は、その図1に示されるように、基板Wを保持するための基板ホルダ16と、第1洗浄液供給ノズル26と、第1裏面ノズル40と、を備える。第1洗浄液供給ノズル26は、上から下に向かって洗浄液を吐出することにより、基板Wの上面に洗浄液を供給するように構成されている。他方、第1裏面ノズル40は、下から上に向かって洗浄液を吐出することにより、基板Wの下面に洗浄液を供給するように構成されている。特許文献2の基板処理装置では、第1洗浄液供給ノズル26及び第1裏面ノズル40が基板Wに洗浄液を供給することにより、基板Wの表裏両面の洗浄が行われる。
【0007】
さらに、基板を洗浄する機能を備える基板処理装置が特許文献3にも開示されている。特許文献3の基板処理装置1は、その図1に示されるように、基板Wを保持するための基板保持回転機構20と、ノズル11と、ノズル15とを備える。ノズル11は、上から下
に向かって洗浄液を吐出することにより、基板Wの表面に洗浄液を供給するように構成されている。他方、ノズル15は、下から上に向かって基板洗浄液を吐出することにより、基板Wの裏面に基板洗浄液を供給するように構成されている。特許文献3の基板処理装置では、ノズル11及びノズル15が基板Wに基板洗浄液を供給することにより、基板Wの表裏両面の洗浄が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2021/251050号
【特許文献2】特開2004-235216号公報
【特許文献3】特開2007-523463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
基板処理装置において、ノズルから液体が長期間吐出されていない場合、配管中の液体でバクテリアが増殖する等して、配管中の液体が劣化し得る。このため、基板処理装置では、ノズルから基板に液体が供給される前に、前もって配管中の液体をノズルから吐出する動作が行われる場合がある。この動作は、ダミーディスペンスと呼ばれている。基板処理装置では、ダミーディスペンスが行われることにより、配管に溜まった古い液体が、新しい液体に置換される。その結果、新しい液体がノズルから基板に供給される。
【0010】
特許文献1の基板処理装置の第1裏面ノズル71が基板Wに液体を供給するときと同じ流量で液体を吐出してダミーディスペンスを行う場合、吐出される液体の勢いが強すぎて、吐出される液体が、第1裏面ノズル71の上部に配置されているフィルター8Bに当たる虞がある。そして、フィルター8Bに液体が当たった場合、フィルター8Bが濡れて目詰まりを起こしてしまう。その結果、換気機構8が動作不良を起こす虞がある。このため、ダミーディスペンス時に、第1裏面ノズル71から吐出する液体の流量が調整されて、液体が、基板Wに液体が供給されるときよりも低い流量で第1裏面ノズル71から吐出されることが求められる。
【0011】
さらに、特許文献2の第1裏面ノズル40及び特許文献3のノズル15も上に向かって液体を吐出するため、これらのノズルの上部にフィルターが配置される場合には、同様の問題が発生し得る。
【0012】
また、ダミーディスペンス時には、使用される液体を節約する観点から、ノズルからあまり多くの液体が吐出されないことが求められている。
【0013】
そこで、本開示は、ノズルから吐出する液体の流量を調整できる基板処理装置を提供することを目的に1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施形態に係る基板処理装置は、基板処理装置であって、基板に液体を供給するためのノズルと、前記ノズルに前記液体を供給するための液体供給装置と、を備え、前記液体供給装置は、液体供給源と前記ノズルとを流体連通させるための供給配管であって、分流点から前記分流点よりも下流の合流点までの第1流路を構成する第1配管と、前記分流点から前記合流点までの第2流路を構成する第2配管と、を有する供給配管と、前記第1配管に取付けられている第1バルブと、前記第2配管に取付けられている第2バルブと、前記第2配管に取付けられ、前記第2配管を流れる前記液体の圧力損失を、前記第1配管を流れる前記液体の圧力損失よりも大きくするための流体抵抗要素と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態に係る基板処理装置を模式的に示す正面図である。
図2図1に示される液体供給装置の流路構成を示す流体回路図である。
図3図2に示される液体供給装置とは別の液体供給装置の流路構成を示す流体回路図である。
図4図2及び3に示される液体供給装置とは別の液体供給装置の流路構成を示す流体回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0017】
<基板処理装置100>
図1は、本開示の一実施形態に係る基板処理装置100を模式的に示す正面図である。基板処理装置100は、基板Wを処理する装置である。図1を参照すると、基板処理装置100は、基板Wを保持して回転させるための基板保持装置110と、制御装置190と、を備える。基板処理装置100で処理される基板Wは、化学機械研磨工程(CMP)によって研磨された後の基板であり、洗浄後の基板である。洗浄方法の例として、液洗浄(純水、薬液等)、機械洗浄(ロール、ペンシル等による摺動)、さらにこれらの液洗浄と機械洗浄とが合わさった洗浄などが挙げられる。基板Wは、平坦化処理がなされた表面102を有している。
【0018】
基板保持装置110は、基板Wの周縁部を保持する複数のチャック111と、複数のチャック111に連結された回転モータ112を備える。複数のチャック111は、基板Wを水平に保持するように構成されている。回転モータ112は制御装置190に電気的に接続されている。そして、回転モータ112の動作は、制御装置190によって制御される。チャック111に保持された基板Wは、回転モータ112によって基板保持装置110の軸心CP周りを回転する。基板保持装置110は、基板Wの中心Oと軸心CPが一致させた状態で基板Wを保持するように構成されている。
【0019】
また、基板処理装置100は、基板Wに液体を供給するための液体供給モジュール124と、基板Wに有機溶剤を供給するための溶剤供給モジュール134と、基板Wに不活性ガスを供給するための不活性ガス供給モジュール154と、基板Wに液体を供給するための第1裏面側供給モジュール169と、基板Wに不活性ガスを供給するための第2裏面側供給モジュール170と、を備える。
【0020】
液体供給モジュール124は、基板Wに液体を供給するための液体ノズル120と、液体ノズル120に液体を供給するための液体供給配管121と、液体流量制御バルブ123と、を備える。液体供給モジュール124は、液体を液体ノズル120から基板Wに供給する機能を有する。より詳細には、液体供給配管121は、液体ノズル120を液体供給源901に流体連通させるように構成されている。液体ノズル120は、基板保持装置110に保持された基板Wの上方に配置されていて、下方を向いて(基板Wの表面102を向いて)配置されている。これにより、液体は、液体供給源901から液体供給配管121を通って液体ノズル120に供給され、さらに液体ノズル120から基板Wの表面102に供給される。なお、液体供給源901が供給する液体は、一例として、超純水(DIW:De-Ionized Water)である。
【0021】
また、液体供給配管121には、液体流量制御バルブ123が取り付けられている。液体流量制御バルブ123は液体供給配管121の流路を開閉するように構成されていて、液体供給配管121を流れる液体の流量(基板Wに供給される液体の流量)を調整する機
能を有する。また、液体流量制御バルブ123は、制御装置190によって制御される。
【0022】
溶剤供給モジュール134は、基板Wに有機溶剤を供給するための溶剤ノズル130と、溶剤ノズル130に有機溶剤を供給するための供給配管131と、制御バルブ133と、を備える。溶剤供給モジュール134は、有機溶剤を、溶剤ノズル130から基板Wに供給する機能を有する。より詳細には、供給配管131は、溶剤ノズル130を有機溶剤供給源902に流体連通させるように構成されている。溶剤ノズル130は、基板保持装置110に保持された基板Wの上方に配置されていて、下方を向いて(基板Wの表面102を向いて)配置されている。これにより、有機溶剤は、有機溶剤供給源902から供給配管131を通って溶剤ノズル130に供給され、さらに溶剤ノズル130から基板Wの表面102に供給される。なお、有機溶剤供給源902が供給する有機溶剤は、一例として、液体又は気体であり、IPA(イソプロピルアルコール)及びアルコールを含んだフッ素系溶剤が含まれる。
【0023】
また、供給配管131には、制御バルブ133が取り付けられている。制御バルブ133は、供給配管131の流路を開閉するように構成されていて、供給配管131を流れる有機溶剤の流量(基板Wの表面102に供給される有機溶剤の流量)を調整する機能を有する。また、制御バルブ133は、制御装置190によって制御される。
【0024】
不活性ガス供給モジュール154は、基板Wに不活性ガスを供給するための不活性ガスノズル150と、不活性ガスノズル150に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給配管151と、不活性ガス流量制御バルブ153と、を備える。不活性ガス供給モジュール154は、不活性ガスを、不活性ガスノズル150から基板Wに供給する機能を有する。不活性ガス供給配管151は、不活性ガスノズル150を不活性ガス供給源903に流体連通させるように構成されている。不活性ガスノズル150は、基板保持装置110に保持された基板Wの上方に配置されていて、下方を向いて(基板Wの表面102を向いて)配置されている。これにより、不活性ガスは、不活性ガス供給源903から不活性ガス供給配管151を通って不活性ガスノズル150に供給され、さらに不活性ガスノズル150から基板Wの表面102に供給される。なお、不活性ガス供給源903が供給する不活性ガスは、一例として、窒素である。
【0025】
また、不活性ガス供給配管151には、不活性ガス流量制御バルブ153が取り付けられている。不活性ガス流量制御バルブ153は、不活性ガス供給配管151の不活性ガスの流路を開閉するように構成されていて、不活性ガス供給配管151を流れる不活性ガスの流量(基板Wの表面2に供給される不活性ガスの流量)を調整する機能を有する。また、不活性ガス流量制御バルブ153は、制御装置190によって制御される。
【0026】
第1裏面側供給モジュール169は、基板Wに液体を供給するための第1裏面ノズル(ノズル)171と、液体供給装置200と、を備える。第1裏面側供給モジュール169は、液体を、第1裏面ノズル171から基板Wに供給する機能を有する。第1裏面ノズル171は、基板保持装置110に保持された基板Wの直下に位置し、上に向かって液体を吐出するように構成されている。液体供給装置200は、第1裏面ノズル171に液体を供給するように構成されている。なお、液体供給装置200の詳細な構成については後述する。
【0027】
第2裏面側供給モジュール170は、基板Wに不活性ガスを供給するための第2裏面ノズル172と、第2裏面ノズル172に不活性ガスを供給するための第2裏面側供給配管176と、第2裏面側流量制御バルブ180と、を備える。第2裏面側供給モジュール170は、不活性ガスを、第2裏面ノズル172から基板Wに供給する機能を有する。より詳細には、第2裏面側供給配管176は、第2裏面ノズル172を不活性ガス供給源90
5に流体連通させるように構成されている。第2裏面ノズル172は、基板保持装置110に保持された基板Wの直下に位置し、上に向かって不活性ガスを吐出するように構成されている。これにより、不活性ガスは、不活性ガス供給源905から第2裏面側供給配管176を通って第2裏面ノズル172に供給され、さらに第2裏面ノズル172から基板Wの裏面103に供給される。なお、不活性ガス供給源905が供給する不活性ガスは、一例として、窒素である。
【0028】
また、第2裏面側供給配管176には、第2裏面側流量制御バルブ180が取り付けられている。第2裏面側流量制御バルブ180は、第2裏面側供給配管176の不活性ガスの流路を開閉するように構成されていて、第2裏面側供給配管176を流れる不活性ガスの流量(基板Wの裏面3に供給される不活性ガスの流量)を調整する機能を有する。また、第2裏面側流量制御バルブ180は、制御装置190によって制御される。
【0029】
基板処理装置100は、液体ノズル120、溶剤ノズル130及び不活性ガスノズル150を移動させるためのノズル移動モジュール160をさらに備える。ノズル移動モジュール160は、基板保持装置110に保持された基板Wの上方に配置されたアーム161と、アーム161を旋回させるための旋回モータ162と、旋回モータ162に連結された旋回軸163を備える。アーム161は、基板Wの半径よりも長い長さを有している。アーム161の先端には、液体ノズル120、溶剤ノズル130、及び不活性ガスノズル150が取り付けられている。アーム161の他方の端部には、旋回軸163が接続されている。
【0030】
旋回モータ162は制御装置190に電気的に接続されており、旋回モータ162の動作は、制御装置190によって制御される。旋回モータ162は、旋回軸163を所定の角度だけ回転させることにより、アーム161を基板Wと平行な平面内で旋回させる。別言すると、アーム161の旋回により、アーム161に固定された液体ノズル120、溶剤ノズル130、及び不活性ガスノズル150が基板Wの半径方向に移動する。基板Wの処理中、ノズル移動モジュール160は、液体ノズル120、溶剤ノズル130、及び不活性ガスノズル150を一体に基板Wの中心部から基板Wの周縁部に向かって移動させることができる。
【0031】
制御装置190は、基板保持装置110、液体供給モジュール124、溶剤供給モジュール134、不活性ガス供給モジュール154、第1裏面側供給モジュール169、第2裏面側供給モジュール170及びノズル移動モジュール160の動作を制御するように構成されている。制御装置190は、プログラムが格納された記憶装置190aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算装置190bを備える。演算装置190bは、記憶装置190aに格納されているプログラムに含まれている命令に従って演算を行うCPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)等を含む。記憶装置190aは、演算装置190bがアクセス可能な主記憶装置(例えばランダムアクセスメモリ)と、データ及びプログラムを格納する補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ)を備える。また、制御装置190にあるプログラムには、基板処理装置100が基板Wの処理方法を実行するためのレシピが含まれる。
【0032】
また、基板処理装置100は、隔壁106と、基板保持装置110及び基板Wの上方に配置された換気装置108と、をさらに備える。隔壁106の内部空間は処理室107を構成している。基板保持装置110、液体ノズル120、溶剤ノズル130、不活性ガスノズル150、ノズル移動モジュール160、第1裏面ノズル171及び第2裏面ノズル172は処理室107の内部に配置されている。隔壁106には図示しない扉が設けられている。基板Wは、この扉を通じて、処理室107の内部に搬入され、且つ処理室107
から搬出される。隔壁106の上部には、クリーンエア取入口106aが形成されている。隔壁106の下部には排気ダクト109が形成されている。換気装置108は隔壁106の上面に設置されている。換気装置108は、ファン108Aと、フィルター108Bとを備える。フィルター108Bは、基板保持装置110及び基板保持装置110に保持された基板Wの直上に位置し、ファン108Aから送られた空気のパーティクルや粉塵を除去する機能を有する。換気装置108は、清浄な空気を、クリーンエア取入口106aを通じて処理室107に送り込み、処理室107の内部の気体を排気ダクト9から排出させる。これにより、処理室107の内部には清浄な空気のダウンフローが形成される。別言すると、換気装置108は、空気のダウンフローを基板Wに提供するように構成されている。このような空気のダウンフローが形成されることで、基板Wの表面102及び裏面103に整った気流が生じ、気流の乱れによる基板汚染物質の付着が抑止される。
【0033】
<液体供給装置200>
図2は、図1に示される液体供給装置200の流路構成を示す流体回路図である。図2を参照して、液体供給装置200の詳細な構成を説明する。図2を参照すると、液体供給装置200は、供給配管220と、第1バルブ242と、第2バルブ244と、流体抵抗要素246と、を備える。
【0034】
供給配管220は、第1裏面ノズル171を液体供給源904に流体連通させるように構成されている。より詳細には、供給配管220は、第1配管222と、第2配管224と、上流配管226と、下流配管228と、を有する。そして、第1配管222は、分流点230から分流点230よりも下流の合流点232までの第1流路を構成する。第2配管224は、分流点230から合流点232までの第1流路とは別の第2流路を構成する。また、上流配管226は、液体供給源904から分流点230までの流路を構成する。下流配管228は、合流点232から第1裏面ノズル171までの流路を構成する。供給配管220がこのような構成を有するため、液体供給源904から供給された液体は、第1配管222及び第2配管224の一方を通り、第1裏面ノズル171に供給されることが可能となる。別言すると、液体供給装置200は、液体を、第1配管222を介して、又は、第2配管224を介して、第1裏面ノズル171に供給できる。なお、液体供給源904が供給する液体は、一例として、超純水(DIW:De-Ionized Water)である。しかしながら、本開示に係る別の実施形態では、液体供給源904が供給する液体は、超純水以外の液体であってもよい。
【0035】
流体抵抗要素246は、第2配管224の第2バルブ244よりも下流側に取付けられている。流体抵抗要素246は、一例として、オリフィスであり、第2配管224を流れる液体の圧力損失を、第1配管222を流れる液体の圧力損失よりも大きくする機能を有する。つまり、液体供給装置200では、第2配管224を流れる液体の圧力損失が、第1配管222を流れる液体の圧力損失よりも大きい。その結果、第2配管224を介して第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量は、第1配管222を介して第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量よりも少なくなる。つまり、基板処理装置100では、使用される配管(第1配管222及び第2配管224)によって、第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量が変化する。別言すると、基板処理装置100は、第1裏面ノズル171から吐出する液体の流量を調整できる。なお、本開示に係る別の実施形態では、流体抵抗要素246は、オリフィス以外の、第2配管224を流れる液体に圧力損失を与える構成要素であってもよい。例えば、流体抵抗要素246には、管径を狭める絞りや、曲げ等が含まれ得る。
【0036】
また、流体抵抗要素246は、一例として、第2配管224を流れる液体の流量が80ml/min、100ml/min、200ml/min、240ml/min、270ml/min、又は50~300ml/minとなるように、第2配管224を流れる液
体に圧力損失を与えるように構成されていてもよい。
【0037】
ところで、第1裏面ノズル171のダミーディスペンス時に、第1裏面ノズル171から吐出された液体がフィルター108Bに当たった場合、フィルター108Bが濡れて目詰まりを起こしてしまい、換気装置108が動作不良を起こす虞がある(図1参照)。これに対し、基板処理装置100では、流体抵抗要素246は、第1裏面ノズル171から吐出される液体がフィルター108Bに当たらないような流量となるように、第2配管224を流れる液体に圧力損失を与えるように構成されている。このため、第2配管224を介して第1裏面ノズル171から吐出される液体はフィルター108Bに当たらない。その結果、基板処理装置100では、フィルター108Bが濡れて目詰まりを起こすことがなく、この目詰まりを原因とする換気装置108の動作不良が発生しない。
【0038】
さらに、仮に第2バルブ244が故障して閉じられない状態になった場合でも、流体抵抗要素246が、第2配管224を流れる液体に圧力損失を与える。これにより、流体抵抗要素246は、確実に第1配管222を流れて第1裏面ノズル171に供給される液体の流量よりも第2配管224を流れて第1裏面ノズル171に供給される液体の流量を少なくできる。つまり、基板処理装置100では、第2バルブ244が故障した場合でも、第2配管224を介して第1裏面ノズル171から吐出される液体がフィルター108Bに当たることが確実に防止される。
【0039】
また、第1バルブ242は、第1配管222に取付けられていて、制御装置190によって制御される。そして、第1バルブ242は、第1配管222の第1流路を開閉するように構成されている。これにより、第1バルブ242が開放されることで、液体は、第1配管222を介して、第1裏面ノズル171に供給される。他方、第1バルブ242が閉鎖されることで、第1配管222を介して第1裏面ノズル171に供給され液体が止まる。
【0040】
また、第1バルブ242は、一例として、ニードルバルブであり、開放時の弁開度が調整可能に構成されている。第1バルブ242がこのような構成を有する場合、作業者は、開放時の第1バルブ242の弁開度を調整できる。また、第1配管222を流れる液体の流量は開放時の第1バルブ242の弁開度に依存する。このため、作業者は、開放時の第1バルブ242の弁開度を調整することにより、第1配管222を流れる液体の流量を調整できる。すなわち、基板処理装置100は、第1配管222を介して第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量を、作業者によって設定された流量とすることができる。なお、一例として、開放時の第1バルブ242の弁開度は、第1配管222を流れる液体の流量が1000ml/minとなるように調整されていてもよい。
【0041】
このように、液体供給装置200では、第1バルブ242の開放時の弁開度を作業者が調整することで、第1配管222を介して第1裏面ノズル171に供給される液体の流量を変更できる。しかしながら、流量を変更するための弁開度を調整する作業は、作業者の手間となり得る。これに対し、液体供給装置200は、上述したように、第2配管224を介することによっても、第1裏面ノズル171に液体を供給できる。すなわち、液体供給装置200は、作業者が第1バルブ242の開放時の弁開度を調整することなく、異なる流量で液体を第1裏面ノズル171に供給できる。
【0042】
また、第2バルブ244は、第2配管224に取付けられていて、制御装置190によって制御される。そして、第2バルブ244は、第2配管224の第2流路を開閉するように構成されている。これにより、第2バルブ244が開放されることで、液体は、第2配管224を介して、第1裏面ノズル171に供給される。他方、第2バルブ244が閉鎖されることで、第2配管224を介して第1裏面ノズル171に供給され液体が止まる
。なお、第2バルブ244は、一例としてon/offバルブである。そして、本開示では、on/offバルブとは、弁開度が全開となる構成と弁開度が全閉となる構成との2段階の構成しか取ることができないバルブを意味する。なお、第2バルブの開放時の弁開度が調整可能に構成されている実施例については後述する。
【0043】
また、液体供給装置200は、流量計248をさらに備える(図2参照)。流量計248は、供給配管220の分流点230よりも上流に取付けられている。別言すると、流量計248は、上流配管226に取付けられている。流量計248は、一例として、超音波流量計であり、上流配管226を流れる液体の流量を計測する機能を有する。これにより、流量計248は、第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量を計測できる。
【0044】
なお、流量計は、第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量を計測できるのならば、供給配管220の分流点230よりも上流の位置以外に取付けられてもよい。例えば、図3に示される位置に流量計が取付けられてもよい。図3は、液体供給装置200とは別の液体供給装置400の流路構成を示す流体回路図である。図3を参照すると、流量計448は、供給配管220の合流点232よりも下流に取付けられている。別言すると、流量計428は、下流配管228に取付けられている。流量計428は、このような位置に取付けられたとしても、第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量を計測できる。
【0045】
しかしながら、流量計は、流量計248のように、分流点230よりも上流に配置される方が好ましい。その理由を以下に説明する。
【0046】
より加圧されている液体の方が、加圧されていない液体よりも、その内部に気泡が発生しにくいことが一般に知られている。液体供給装置200及び液体供給装置400では、第1バルブ242又は第2バルブ244の上流側は、第1バルブ242及び第2バルブ244が閉鎖されているときに、第1裏面ノズル171と流体連通せず、常に液体供給源904から供給される液体の圧力が加えられている。他方、第1バルブ242又は第2バルブ244の下流側は、第1バルブ242及び第2バルブ244が閉鎖されているときも第1裏面ノズル171と流体連通している。このため、第1バルブ242又は第2バルブ244の下流側では、液体供給源904から供給される液体の圧力が加えられていない。これらことから、第1バルブ242又は第2バルブ244の上流側の供給配管220の内部では、第1バルブ242又は第2バルブ244の下流側の供給配管220の内部よりも、気泡が発生しにくい。
【0047】
また、流量計が流量を計測する液体に気泡が含まれている場合、流量計は、適切に流量を計測できないことがある。このため、流量計は、気泡をあまり含まない液体が流れる位置において、流量を計測する方が好ましい。すなわち、気泡が発生しにくい第1バルブ242又は第2バルブ244の上流側に流量計が配置されている方が、流量計は、適切に流量を計測できる。よって、液体供給装置200の流量計248は、液体供給装置400の流量計448よりも、適切に流量を計測できる。
【0048】
また、制御装置190は、基板保持装置110が基板Wを保持しているときに、第1配管222を介して、第1裏面ノズル171に液体を供給するように液体供給装置200を制御してもよい(図2参照)。別言すると、制御装置190は、基板保持装置110が基板Wを保持しているときに、第1バルブ242を開放し、第2バルブ244を閉鎖するように液体供給装置200を制御してもよい。他方、基板保持装置110が基板Wを保持していないとき(ダミーディスペンスのとき)に、第2配管224を介して、第1裏面ノズル171に液体を供給するように液体供給装置200を制御してもよい。別言すると、制御装置190は、基板保持装置110が基板Wを保持していないときに、第1バルブ24
2を閉鎖し、第2バルブ244を開放するように液体供給装置200を制御してもよい。
【0049】
制御装置190がこのような制御を行うことで、第1裏面ノズル171は、基板Wにより多い流量で液体を供給できる。他方、液体供給装置200は、基板保持装置110が基板Wを保持していないとき(ダミーディスペンスのとき)の流量を減らすことができる。
【0050】
上述したように、流量計が流量を計測する液体に気泡が含まれている場合、流量計は、適切に流量を計測できないことがある。また、配管の水平方向に延びる部分には、気泡が滞留しやすい。このため、流量計が配管の水平方向に延びる部分に取付けられている場合、滞留している気泡の影響で適切に流量を計測できない不具合が生じ得る。これに対し、液体供給装置200では、流量計248は、供給配管220の水平方向に対し傾斜して延びる部分に取付けられている。このような部分では、気泡が滞留しにくい。つまり、この液体供給装置200では、上記の不具合が生じにくい。
【0051】
<液体供給装置300>
図4は、液体供給装置200とは別の液体供給装置300の流路構成を示す流体回路図である。液体供給装置300は、液体供給装置200の代わりに基板処理装置100で使用できる。液体供給装置300は、その一部に液体供給装置200と共通の構成を有する。以下、液体供給装置300に関し、液体供給装置200と異なる部分を中心に説明し、共通の構成については、図に同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
図4を参照すると、液体供給装置300は、上流配管226に取付けられている流量計248を備える。このため、流量計248は、第1バルブ242が閉じられ且つ第2バルブ244が開かれている場合に、第2配管224を流れる液体の流量を計測できる。
【0053】
また、一般に流量計には計測できる流量の範囲があるが、液体供給装置300では、流量計248が計測できる範囲に、第2配管224を流れる液体の流量が含まれるように流量計248が構成されている。別言すると、流量計248は、第2配管224を流れる液体の流量を計測できるように構成されている。これにより、液体供給装置300は以下の作用効果を奏する。
【0054】
仮に流量計248が第2配管224を流れる液体の流量を計測できない場合、作業者は、第2配管224の詰まりの発生を知ることができない。これに対し、液体供給装置300では、流量計248は、第2配管224を流れる液体の流量を計測できる。これにより、第2配管224に詰まりが発生した場合、流量計248の計測値がゼロに近づく。その結果、作業者は、第2配管224の詰まりの発生を知ることができる。
【0055】
再度、図4を参照すると、液体供給装置300は、液体供給装置200が備える第2バルブ244の代わりに、第2バルブ344を備える。第2バルブ344は、第2配管224に取付けられていて、制御装置190によって制御される。そして、第2バルブ344は、第2配管224の第2流路を開閉するように構成されている。第2バルブ344は、一例として、ニードルバルブである。そして、第2バルブ344は、第2バルブ244と異なり、開放時の弁開度が調整可能に構成されている。このため、作業者は、開放時の第2バルブ344の弁開度を調整できる。また、第2配管224を流れる液体の流量は開放時の第2バルブ344の弁開度に依存する。このため、作業者は、開放時の第2バルブ344の弁開度を調整することにより、第2バルブ344を流れる液体の流量を調整できる。すなわち、液体供給装置300は、第2配管224を介して第1裏面ノズル171から吐出される液体の流量を、作業者によって設定された流量とすることができる。
【0056】
また、液体供給源904の仕様が変更されて液体供給源904が供給する液体の圧力が
変化した場合、第2配管224を流れる液体の流量が変化する。この場合に、第2配管224を流れる液体の流量が、流量計248が計測できる流量の範囲から外れてしまうことがある。しかし、液体供給装置300では、上述したように、作業者が、開放時の第2バルブ344の弁開度を調整することにより、第2バルブ344を流れる液体の流量を調整できる。このため、液体供給源904が供給する液体の圧力が変化した場合でも、作業者が、第2配管224を流れる液体の流量を調整することにより、第2配管224を流れる液体の流量が流量計248の計測できる流量の範囲から外れてしまうことを防止できる。
【0057】
なお、上述したように、図3の液体供給装置400は、第2バルブ244を備えている。そして、第2バルブ244は、一例としてon/offバルブである。しかしながら、本開示に係る別の実施形態では、液体供給装置400は、第2バルブ244の代わりに、開放時の弁開度が調整可能な第2バルブ344を備えていてもよい。
【0058】
[付記]
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0059】
(付記1)
付記1に係る基板処理装置は、基板処理装置であって、基板に液体を供給するためのノズルと、前記ノズルに前記液体を供給するための液体供給装置と、を備え、前記液体供給装置は、液体供給源と前記ノズルとを流体連通させるための供給配管であって、分流点から前記分流点よりも下流の合流点までの第1流路を構成する第1配管と、前記分流点から前記合流点までの第2流路を構成する第2配管と、を有する供給配管と、前記第1配管に取付けられている第1バルブと、前記第2配管に取付けられている第2バルブと、前記第2配管に取付けられ、前記第2配管を流れる前記液体の圧力損失を、前記第1配管を流れる前記液体の圧力損失よりも大きくするための流体抵抗要素と、を備える。
【0060】
付記1に係る基板処理装置は、液体を、第1配管を介して、又は、第2配管を介して、ノズルに供給できる。つまり、この基板処理装置は、ノズルから吐出する液体の流量を調整できる。さらに、仮に第2バルブが故障して閉じられない状態になった場合でも、流体抵抗要素が、第2配管を流れる液体に圧力損失を与える。これにより、流体抵抗要素は、確実に第1配管を流れてノズルに供給される液体の流量よりも第2配管を流れてノズルに供給される液体の流量を少なくできる。
【0061】
(付記2)
付記2に係る基板処理装置は、付記1に記載の基板処理装置であって、前記流体抵抗要素が、オリフィスである。
【0062】
付記2に係る基板処理装置では、オリフィスが、第2配管を流れる液体の圧力損失を高める。
【0063】
(付記3)
付記3に係る基板処理装置は、付記1又は2に記載の基板処理装置であって、前記基板の上方に配置され、空気のダウンフローを前記基板に提供するように構成されている換気装置をさらに備える。
【0064】
付記3に係る基板処理装置によれば、換気装置が、空気のダウンフローを形成することで、基板の表面及び裏面に整った気流を生じさせる。その結果、この基板処理装置は、基板への気流の乱れによる基板汚染物質の付着を抑止することができる。
【0065】
(付記4)
付記4に係る基板処理装置は、付記3に記載の基板処理装置であって、前記換気装置は、前記基板の直上に位置するフィルターを有し、前記ノズルは、前記基板の直下に位置し、上に向かって前記液体を吐出するように構成され、前記流体抵抗要素は、前記ノズルから吐出される前記液体が前記フィルターに当たらないような流量となるように、前記第2配管を流れる前記液体に圧力損失を与えるように構成されている。
【0066】
フィルターに液体が当たった場合、フィルターが濡れて目詰まりを起こしてしまい、換気装置が動作不良を起こす虞がある。これに対し、付記4に記載係る基板処理装置では、第2配管を介してノズルから吐出される液体がフィルターに当たらない。このため、この基板処理装置では、フィルターが濡れて目詰まりを起こすことがなく、この目詰まりを原因とする換気装置の動作不良が発生しない。
【0067】
(付記5)
付記5に係る基板処理装置は、付記1又は2に記載の基板処理装置であって、前記基板を保持するための基板保持装置と、制御装置と、を備え、前記ノズルは、前記基板保持装置が保持している前記基板に前記液体を供給できるように構成され、前記制御装置は、前記基板保持装置が前記基板を保持しているときに、前記第1配管を介して、前記ノズルに前記液体を供給するように前記液体供給装置を制御し、前記制御装置は、前記基板保持装置が前記基板を保持していないときに、前記第2配管を介して、前記ノズルに前記液体を供給するように前記液体供給装置を制御する。
【0068】
付記5に係る基板処理装置は、基板保持装置が基板を保持していないとき(ダミーディスペンスのとき)の流量を減らすことができる。
【0069】
(付記6)
付記6に係る基板処理装置は、付記1又は2に記載の基板処理装置であって、前記第1バルブは、開放時の弁開度が調整可能に構成されている。
【0070】
付記6に係る基板処理装置は、第1配管を介してノズルから吐出される液体の流量を、作業者によって設定された流量とすることができる。
【0071】
(付記7)
付記7に係る基板処理装置は、付記1又は2に記載の基板処理装置であって、前記第2バルブは、開放時の弁開度が調整可能に構成されている。
【0072】
付記7に係る基板処理装置は、第2配管を介してノズルから吐出される液体の流量を、作業者によって設定された流量とすることができる。
【0073】
(付記8)
付記8に係る基板処理装置は、付記1又は2に記載の基板処理装置であって、前記液体供給装置は、前記液体供給装置が前記ノズルに供給する液体の流量を計測するための流量計を備える。
【0074】
付記8に係る基板処理装置は、流量計を用いて、ノズルから吐出される液体の流量を計測できる。
【0075】
(付記9)
付記9に係る基板処理装置は、付記8に記載の基板処理装置であって、前記流量計は、前記第2配管を流れる液体の流量を計測できるように構成されている。
【0076】
流量計が第2配管を流れる液体の流量を計測できない場合、作業者は、第2配管の詰まりの発生を知ることができない。これに対し、付記9に係る基板処理装置は、流量計は、第2配管を流れる液体の流量を計測できるように構成されている。これにより、この基板処理装置では、作業者が第2配管の詰まりの発生を知ることができる。
【0077】
(付記10)
付記10に係る基板処理装置は、付記8に記載の基板処理装置であって、前記流量計は、前記分流点よりも上流に配置されている。
【0078】
付記10に係る基板処理装置では、流量計は、気泡をあまり含まない液体が流れる位置の流量を測定でき、第1バルブ又は第2バルブの下流側に配置されているときよりも、適切に流量を計測できる。
【0079】
(付記11)
付記11に係る基板処理装置は、付記8に記載の基板処理装置であって、前記流量計は、前記供給配管の水平方向に対し傾斜して延びる部分に取付けられている。
【0080】
付記11に係る基板処理装置では、流量計は、前記供給配管の水平方向に対し傾斜して延びる部分に取付けられている。このような部分では、気泡が、滞留しにくい。つまり、この基板処理装置では、気泡による流量計の不具合が生じにくい。
【符号の説明】
【0081】
100:基板処理装置
108:換気装置
108B:フィルター
110: 基板保持装置
171:第1裏面ノズル(ノズル)
190:制御装置
200,300,400:液体供給装置
220:供給配管
222:第1配管
224:第2配管
230:分流点
232:合流点
242:第1バルブ
244,344:第2バルブ
246:流体抵抗要素(オリフィス)
248,448:流量計
904:液体供給源
W:基板
図1
図2
図3
図4