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特開2024-179156放射線治療システムの制御装置及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179156
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】放射線治療システムの制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61N5/10 Z
A61N5/10 K
A61N5/10 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097765
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上遠野 悦慈
(72)【発明者】
【氏名】松野 一輝
(72)【発明者】
【氏名】梅川 徹
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AE03
4C082AG22
4C082AN01
4C082AT03
(57)【要約】
【課題】放射線治療システムの操作性を向上すること。
【解決手段】記憶部と処理部と1以上の表示領域を有するインターフェースとを有し、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムの制御装置であって、前記記憶部は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像と前記所定のステップとの対応情報を格納し、前記処理部は、所定のステップに遷移した際に前記対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施し、前記処理部は、操作者からの指定操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像とは異なる画像を前記表示領域に表示可能であり、前記インターフェースは、前記指定操作を受け付ける機能と、前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻る操作を受け付ける機能とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と処理部と1以上の表示領域を有するインターフェースとを有し、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムの制御装置であって、
前記記憶部は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像と前記所定のステップとの対応情報を格納し、
前記処理部は、所定のステップに遷移した際に前記対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施し、
前記処理部は、操作者からの指定操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像とは異なる画像を前記表示領域に表示可能であり、
前記インターフェースは、前記指定操作を受け付ける機能と、前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻る操作を受け付ける機能とを備えること
を特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線治療システムの制御装置であって、
前記治療に関係する複数の装置と接続され、
前記処理部は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像を、当該ステップに関する動作を行う前記複数の装置の出力から生成し、
前記処理部は、前記指定操作によって前記複数の装置のいずれかが指定された場合に、指定された装置の出力から生成した画像を前記表示領域に表示することを特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放射線治療システムの制御装置であって、
前記複数の装置は、放射線照射装置、画像撮影装置、マルチリーフコリメータ制御装置、治療計画装置を含むことを特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の放射線治療システムの制御装置であって、
前記インターフェースは、第1の表示領域と第2の表示領域とを有し、
前記処理部は、前記第1の表示領域を所定種別の情報の常時表示に用い、前記第2の表示領域を前記所定のステップに対応付けられた画像の表示と前記指定操作に基づく表示とに用いることを特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線治療システムの制御装置であって、
前記インターフェースは、前記第1の表示領域に患者の情報もしくはガントリーの状態を示す情報のすくなくとも一方を表示することを特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の放射線治療システムの制御装置であって、
前記処理部は、前記指定操作に基づく表示を行う場合に、前記第1の表示領域の一部を非表示として前記第2の表示領域を拡大可能であることを特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項7】
請求項2に記載の放射線治療システムの制御装置であって、
前記インターフェースは、複数のタブ領域を有し、
前記複数のタブ領域のうちひとつのタブは前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻る操作を受け付ける機能を備え、他の複数のタブは前記指定操作によって指定可能な複数の装置にそれぞれ対応することを特徴とする放射線治療システムの制御装置。
【請求項8】
記憶部と処理部と1以上の表示領域を有するインターフェースとを有する制御装置によって、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムの制御方法であって、
前記記憶部は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像と前記所定のステップとの対応情報を格納しており、
前記処理部は、所定のステップに遷移した際に前記対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施し、
前記処理部は、前記インターフェースによって受け付けた操作者からの第一の操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像とは異なる画像を前記表示領域に表示し、
前記処理部は、前記インターフェースによって受け付けた操作者からの第二の操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻ること
を特徴とする放射線治療システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療システムの制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放射線治療の制御のため、特開2015-083068号公報(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、「放射線治療システム1は、放射線照射システム10、治療計画装置101、画像サーバ102、3次元断層撮像装置103、位置決めシステム104等を概略備えている。放射線照射システム10は、放射線を発生させるための放射線発生装置12、放射線発生装置12で発生させた放射線を照射装置14に輸送するための輸送系13、放射線を出射する照射ヘッド(照射ノズル)やガントリ等を備える照射装置14、これら放射線発生装置12、輸送系13、照射装置14等を制御するための制御部11、患者をのせるベッド15、ベッド駆動装置105等を概略備える。」という記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-083068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来の技術では、治療計画装置の画面と位置決めシステムの画面がそれぞれ存在する。また、EPID(Electronic portal imaging device)で取得した照射領域の画像やMLC(multileaf collimator)の状態を撮影した画像などを表示する画面がさらに配置されることもある。放射線治療システムは、多様な装置を含むため、それぞれの装置が表示画面を有すると、画面が多くなり過ぎて操作性が低下するという課題がある。
【0005】
そこで、本発明では、放射線治療システムの操作性向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、代表的な本発明の放射線治療システムの制御装置の一つは、記憶部と処理部と1以上の表示領域を有するインターフェースとを有し、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムの制御装置であって、前記記憶部は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像と前記所定のステップとの対応情報を格納し、前記処理部は、所定のステップに遷移した際に前記対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施し、前記処理部は、操作者からの指定操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像とは異なる画像を前記表示領域に表示可能であり、前記インターフェースは、前記指定操作を受け付ける機能と、前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻る操作を受け付ける機能とを備えることを特徴とする。
また、代表的な本発明の放射線治療システムの制御方法の一つは、記憶部と処理部と1以上の表示領域を有するインターフェースとを有する制御装置によって、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムの制御方法であって、前記記憶部は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像と前記所定のステップとの対応情報を格納しており、前記処理部は、所定のステップに遷移した際に前記対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施し、前記処理部は、前記インターフェースによって受け付けた操作者からの第一の操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像とは異なる画像を前記表示領域に表示し、前記処理部は、前記インターフェースによって受け付けた操作者からの第二の操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、放射線治療システムの操作性を向上できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る画面表示の説明図
図2】実施例に係る制御装置の説明図
図3】制御装置の処理動作を説明するフローチャート
図4】ステップ内での表示制御を示すフローチャート
図5】表示操作部の画面の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて実施例を説明する。
【実施例0010】
図1は、実施例に係る画面表示の説明図である。表示操作部53は、例えばタッチパネルディスプレイであり、インターフェースの一例である。表示操作部53は、表示領域A1と表示領域A2とを有する。表示操作部53は、データベース10から取得した患者情報を表示領域A1に表示する。患者情報は、放射線治療の対象となる人物の氏名等である。この他、表示操作部53は、患者の治療計画をデータベース10から取得して表示領域A1に表示できる。また、表示領域A1にカウチやガントリーの状態を表示することもできる。
【0011】
表示操作部53は、表示領域A2にフロー操作画像を表示する。フロー操作画像は、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムにおいて、各ステップで必要な情報を示し、次のステップに移行するための操作を受け付ける。フロー操作画像は、各ステップで操作者が処理を行う際に基本となる画像を表示し、例えば後述する位置決めのステップでは、治療計画時に取得した患者画像と治療直前に取得した患者画像とを並べて表示する。このように各ステップによって、操作者に対し基本として表示する画像は異なることが通常である。また、フロー操作画像は複数の画像を含んでいてもよく、操作者に対し各ステップにおける適切な画像を提供する。
詳細については後述するが、操作者は、患者情報をデータベース10から取得して表示するステップ、画像撮影装置30により患者に関する画像を取得して患者の位置を確認するステップ、MLC制御装置40によりMLCを制御しつつ放射線照射装置20により放射線を照射するステップなどを、主にフロー操作画像を参照しながら順次進めることができる。
【0012】
さらに、表示操作部53は、表示領域A2に表示する画像を確認画像に切り替えることができる。確認画像は、例えば放射線照射装置20、画像撮影装置30又はMLC制御装置40の出力から生成した画像である。表示操作部53は、操作者の指定に基づき確認画像を表示後、フロー操作画像に戻る操作を受け付けることができる。
【0013】
すなわち、操作者は、フロー操作画像で治療のステップを進めることができ、必要と考えた場合には適宜所望の装置の確認画像に切り替え装置の状態を確認し、その後、フロー操作画像に戻って治療のステップを進めることができる。
【0014】
図2は、実施例に係る制御装置50の説明図である。制御装置50は、データベース10、放射線照射装置20、画像撮影装置30、MLC制御装置40と通信する。データベース10は、患者情報や治療計画を格納している。放射線照射装置20は、カウチとガントリーとを備え、カウチに横たわった患者の所定部位に治療用の放射線を照射する。画像撮影装置30は、カウチに横たわった患者の画像を撮影する。画像撮影装置30は、例えばCT(Computed Tomograghy)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置といった患者の患部を撮像可能な装置である。MLC制御装置40は、放射線照射装置20に搭載されたMLCの各リーフを制御することで、放射線照射装置20が照射する放射線の形状を治療対象の部位の形状に合わせて変化させることが出来る。放射線照射装置20、画像撮影装置30は、治療室の中に設置されており、放射線照射装置20と画像撮影装置30は一体化されていても良い。
【0015】
制御装置50は、例えば、治療室に隣接する操作室に配置され、操作室内の操作卓60と接続している。操作卓60は、各種ボタン等を有するが、タッチパネルにて操作する形であっても良い。
制御装置50は、その内部に処理部51、記憶部52及び表示操作部53を有する。処理部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。記憶部52は、例えばハードディスクドライブなどの記憶デバイスである。表示操作部53は、例えばタッチパネルディスプレイである。
【0016】
記憶部52は、所定のステップへ遷移した際に表示操作部53の表示領域に表示する画像(フロー操作画像)と所定のステップとの対応を示す対応情報を格納する。
処理部51は、所定のステップに遷移した際に対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施する。さらに、処理部51は、操作者からの指定操作に基づいて、現在のステップに対応付けられた画像(フロー操作画像)とは異なる画像(確認画像)を表示領域に表示可能である。
フロー操作画像の表示と確認画像の表示とを切り替えるため、表示操作部53は、指定操作を受け付ける機能と、現在のステップに対応付けられたフロー操作画像の表示に戻る操作を受け付ける機能とを備える。
【0017】
処理部51は、所定のステップへ遷移した際に表示領域に表示するフロー操作画像を、対応情報に基づいて当該ステップに関する動作を行う装置の出力から生成する。
処理部51は、指定操作によって複数の装置のいずれかが指定された場合に、指定された装置の出力から生成した確認画像を表示領域に表示する。
【0018】
表示操作部53は、第1の表示領域A1と、第2の表示領域A2とを有する。
処理部51は、第1の表示領域A1を所定種別の情報の常時表示に用い、第2の表示領域A2をフロー操作画像の表示と確認画像の表示とに用いる。
表示領域A1に表示する所定種別の情報は、患者の情報やガントリーの状態など、いずれのステップでも表示することが望ましい情報である。
表示領域A2に表示する情報は、現在のステップに関係する情報である。現在のステップに関係する情報は、対応情報で現在のステップに対応することが示されたフロー操作画像と、現在のステップにおいて操作者が指定操作を行った確認画像とを含む。
フロー操作画像や確認画像の一部が、他のフロー操作画像や確認画像よりも広い領域を要求する場合ならば、表示領域A1の情報の一部を一時的に非表示とし、その分だけ表示領域A2を拡大してもよい。操作者の要求に応じて表示する画像に対し表示領域が大きくなることで、操作者はより一層詳細に表示された画像を確認することが出来る。
【0019】
表示操作部53は、表示領域A2の近傍に複数のタブ領域を設ける。各タブ領域は、指定操作によって指定可能な複数の対象と、フロー操作画像とに対応し、タブ領域は、指定操作を受け付ける機能と、フロー操作画像に戻る機能を実現する。このため、操作者は、タブを選択する操作によって、表示領域A2の表示内容を簡易に切り替えることができる。操作者は従来各装置の有する表示画面にその都度目線を移す必要があったところ、上記の通り同一の表示領域における操作によって必要に応じて求める画像(フロー操作画像や確認画像)にアクセスすることが可能となり、治療のステップを進める際の操作性が向上する。
【0020】
図3は、制御装置50の処理動作を説明するフローチャートである。図3の処理動作は、放射線治療の治療ステップのワークフローに対応し、ステップS101からS105まで順に遷移するものである。
ステップS101は、治療情報取得ステップである。制御装置50は、このステップでデータベース10から治療情報を取得する。治療情報には、患者情報や治療計画などが含まれる。
【0021】
ステップS102は、患者載置ステップである。操作者は、患者をカウチに所定の体勢で載置する。その後、操作者は治療室から操作室に移動する。制御装置50は、治療室のドアをロックし、以降のステップはドアロックを条件として実行する。
【0022】
ステップS103は、位置決めステップである。制御装置50は、画像撮影装置30に患者の画像を撮影させ、事前に撮影した画像と比較する。画像は、ステップS101で取得した治療情報に含まれても良いし、別途取得してもよい。制御装置50は、画像の比較結果に基づいて、カウチの位置調整やガントリーの位置調整を行う。
【0023】
ステップS104は、位置照合ステップである。制御装置50は、再び画像撮影装置30に患者の画像を撮影させ、事前に撮影した画像と比較し、位置が適正に調整されたか確認を行う。さらなる調整が必要であれば、位置照合ステップ内でカウチの位置調整やガントリーの位置調整を行うことができる。
【0024】
ステップS105は、放射線照射ステップである。制御装置50は、放射線照射装置20に放射線を照射させつつ、MLC制御装置40にMLCの各リーフを制御させる。例えば、ガントリーを回転させ、異なる位置から順次照射を行う。
【0025】
図4は、ステップ内での表示制御を示すフローチャートである。制御装置50の処理部51は、あるステップが開始すると、記憶部52の対応情報を参照し、現在のステップに対応するフロー操作画像を生成する(S201)。
【0026】
処理部51は、生成したフロー操作画像を表示操作部53に表示する(S202)。その後、処理部51は、表示操作部53が確認画像の対象を指定する指定操作を受け付けたか否かを判定する(S203)。
【0027】
指定操作を受け付けたならば(S203;Yes)、処理部51は、指定操作に対応する確認画像を生成する(S204)。処理部51は、生成した確認画像を表示操作部53に表示する(S205)。その後、処理部51は、表示操作部53がフロー操作画像に戻る操作を受け付けたか否かを判定する(S206)。
【0028】
フロー操作画像に戻る操作を受け付けていなければ(S206;No)、S207に進む。フロー操作画像に戻る操作を受け付けたならば(S206;Yes)、S201に戻る。
【0029】
S203で指定操作を受け付けていなければ(S203;No)、処理部51は、S207に進む。
S207では、処理部51は、次のステップに遷移する操作を受け付けたか否かを判定する。次のステップに遷移する操作を受け付けた場合(S207;Yes)、次のステップに対応したフロー操作画像の生成に移る。次のステップに遷移する操作を受け付けていない場合(ステップS207;No)、S203に戻る。
【0030】
図5は、表示操作部53の画面の説明図である。表示操作部53の画面は、表示領域A1として表示領域A11~A15を有する。また、表示操作部53の画面は、表示領域A2と、タブ領域A5を有する。さらに、表示操作部53の画面は、ステップの進行状況を占めす進行状況表示A4を有する。
【0031】
表示領域A11は、例えば患者の氏名、性別、年齢等を表示する。
表示領域A12は、例えばカウチとガントリーの状態を表示する。
表示領域A13は、例えば治療計画を表示する。
表示領域A14は、例えば放射線照射の進捗を表示する。
表示領域A15は、例えばマルチリーフコリメータの制御状況を表示する。
【0032】
表示領域A11~A15の内、表示領域A11~A12は、どのステップでも同じ内容を常時表示する。表示領域A13~A15は、どのステップでも同じ内容を表示するが、表示領域A2の表示内容によっては、表示領域A13~A15を一時的に非表示として、その分表示領域A2を拡大する。
【0033】
進行状況表示A4には、「Select Patient」、「Pre Positioning」、「Positioning」、「Verification」、「Treatment」が含まれる。
「Select Patient」は、ステップS101(治療情報取得ステップ)に対応する。
「Pre Positioning」は、ステップS102(患者載置ステップ)に対応する。
「Positioning」は、ステップS103(位置決めステップ)に対応する。
「Verification」は、ステップS104(位置照合ステップ)に対応する。
「Treatment」は、ステップS105(放射線照射ステップ)に対応する。
これらのうち、現在のステップに対応する表示の態様を他とは異ならせることで、ワークフローの進行状況を示すことができる。
【0034】
表示領域A2は、フロー操作画像や確認画面を表示する領域である。表示領域A2の近傍にはタブ領域A5がある。タブ領域A5は、「Function」タブ、「EPID」タブ、「Imager」タブ、「MLC」タブ、といった確認画像を表示するタブの他に、「異常」タブ、「機器詳細」タブを含む。また、操作者に応じて、タブ領域A2に表示するものは削除・追加・変更しても良い。
【0035】
「Function」タブは、フロー操作画像に対応する。確認画像表示中に操作者がこのタブを操作すると、表示領域A2はフロー操作画像の表示に戻る。
「EPID」タブは、放射線照射装置20が供えるEPIDで取得した画像に対応する。操作者がこのタブを操作すると、表示領域A2はEPIDで取得した照射領域に対応する確認画像を表示する。
「Imager」タブは、画像撮影装置30で取得した画像に対応する。操作者がこのタブを操作すると、表示領域A2は画像撮影装置30で取得した患者画像である確認画像を表示する。
「MLC」タブは、MLC制御装置40に対応する。操作者がこのタブを操作すると、表示領域A2はMLCの開口に関するMLC制御装置40の確認画像を表示する。
【0036】
「異常」タブは、放射線治療システムに生じた異常の報知に関する。操作者がこのタブを操作すると、表示領域A2は発生した異常の詳細を表示する。なお、異常発生時には自動的にこのタブが選択された状態となってもよい。
「機器詳細」タブは、放射線治療システムのシステム構成に関する。操作者がこのタブを操作すると、表示領域A2は、放射線治療システムのシステム構成を表示し、構成変更の入力を受け付ける画面を表示する。
【0037】
上述してきたように、開示の制御装置50は、記憶部52と処理部51と1以上の表示領域を有するインターフェースである表示操作部53とを有し、ワークフロー形式で治療のステップが遷移する放射線治療システムの制御装置であって、前記記憶部52は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像と前記所定のステップとの対応情報を格納し、前記処理部51は、所定のステップに遷移した際に前記対応情報に基づいて表示領域における画像の切り替えを実施し、前記処理部51は、操作者からの指定操作に基づいて、前記所定のステップに対応付けられた画像とは異なる画像を前記表示領域に表示可能であり、前記インターフェースは、前記指定操作を受け付ける機能と、前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻る操作を受け付ける機能とを備える。
このため、操作者は必要な情報を適宜確認して治療ステップを進めることができ、放射線治療システムの操作性が向上する。
【0038】
また、開示の制御装置50は、前記治療に関係する複数の装置と接続され、前記処理部51は、所定のステップへ遷移した際に前記表示領域に表示する画像を、当該ステップに関する動作を行う前記複数の装置の出力から生成し、前記処理部51は、前記指定操作によって前記複数の装置のいずれかが指定された場合に、指定された装置の出力から生成した画像を前記表示領域に表示する。
一例として、前記複数の装置は、放射線照射装置、画像撮影装置、マルチリーフコリメータ制御装置、治療計画装置を含む。
このため、操作者は、治療に関係する複数の装置の出力を1の表示領域で確認できる。
【0039】
また、前記インターフェースは、第1の表示領域と第2の表示領域とを有し、前記処理部は、前記第1の表示領域を所定種別の情報の常時表示に用い、前記第2の表示領域を前記ステップに対応付けられた画像の表示と前記指定操作に基づく表示とに用いる。
一例として、前記インターフェースは、前記第1の表示領域に患者の情報もしくはガントリーの状態を示す情報のすくなくとも一方を表示する。
このため、操作者は、一部の情報についてはどのステップでも共通して確認できる。
また、一例として、前記処理部は、前記指定操作に基づく表示を行う場合に、前記第1の表示領域の一部を非表示として前記第2の表示領域を拡大可能である。操作者の要求に応じて表示する画像に対し表示領域が大きくなることで、操作者はより一層詳細に表示された画像を確認することが出来る。
【0040】
また、前記インターフェースは、複数のタブ領域を有し、前記複数のタブ領域のうちひとつのタブは前記所定のステップに対応付けられた画像の表示に戻る操作を受け付ける機能を備え、他の複数のタブは前記指定操作によって指定可能な複数の装置にそれぞれ対応することを特徴とする。
このため、操作者は、タブを選択することで簡易に画面を切り替えることができる。
【0041】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、かかる構成の削除に限らず、構成の置き換えや追加も可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:放射線治療システム、10:データベース、20:放射線照射装置、30:画像撮影装置、40:MLC制御装置、50:制御装置、51:処理部、52:記憶部、53:表示操作部、60:操作卓、A1,A2:表示領域
図1
図2
図3
図4
図5