(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179643
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】含フッ素化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 17/275 20060101AFI20241219BHJP
C07C 22/08 20060101ALI20241219BHJP
C07C 41/16 20060101ALI20241219BHJP
C07C 43/225 20060101ALI20241219BHJP
C07C 319/14 20060101ALI20241219BHJP
C07C 321/28 20060101ALI20241219BHJP
C07C 43/176 20060101ALI20241219BHJP
C07C 43/192 20060101ALI20241219BHJP
C07C 303/40 20060101ALI20241219BHJP
C07C 311/21 20060101ALI20241219BHJP
B01J 31/22 20060101ALI20241219BHJP
B01J 31/04 20060101ALI20241219BHJP
B01J 31/02 20060101ALI20241219BHJP
C07D 209/10 20060101ALI20241219BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
C07C17/275
C07C22/08
C07C41/16
C07C43/225 A
C07C319/14
C07C321/28
C07C43/176
C07C43/192
C07C303/40
C07C311/21
B01J31/22 Z
B01J31/04 Z
B01J31/02 102Z
C07D209/10
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098647
(22)【出願日】2023-06-15
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2019年度、独立行政法人環境再生保全機構、環境研究総合推進費、「回収フロンの直接的化学変換による再利用法」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】市川 淳士
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一光
(72)【発明者】
【氏名】閔 宏涛
(72)【発明者】
【氏名】笠原 留奈
(72)【発明者】
【氏名】田村 正則
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BA27B
4G169BC68B
4G169BC72B
4G169BE03B
4G169BE08B
4G169BE10B
4G169BE13B
4G169CB25
4G169DA02
4G169FB05
4H006AA02
4H006AB46
4H006AC22
4H006AC24
4H006AC43
4H006AC61
4H006AC63
4H006BA21
4H006BA44
4H006EA22
4H006GN03
4H006GP01
4H006GP02
4H006GP03
4H006TA04
4H039CA20
4H039CA42
4H039CA71
4H039CD10
4H039CD20
(57)【要約】
【課題】HFO-1234zeを出発物質として、効率的に含フッ素ポリマーの原料や医農薬の合成中間体となり得る含フッ素化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 アルキンおよびニッケル触媒を含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、(ジフルオロメチル)ジエンおよび(トリフルオロメチル)ジエンの少なくとも一方を得る、含フッ素化合物の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキンおよびニッケル触媒を含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、(ジフルオロメチル)ジエンおよび(トリフルオロメチル)ジエンの少なくとも一方を得る、含フッ素化合物の製造方法。
【請求項2】
アルコール、チオールまたはアミドと、塩基とを含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、トリフルオロプロペニルエーテル、トリフルオロプロペニルスルフィド、またはトリフルオロプロペニルアミドを得る、含フッ素化合物の製造方法。
【請求項3】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンから得られたアルケンおよびパラジウム触媒を含む反応溶液に、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基を加えて混合することにより、(トリフルオロメチル)インドールを得る、含フッ素化合物の製造方法。
【請求項4】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンから得られたアミドおよびパラジウム触媒を含む反応溶液に、塩基を加えて混合することにより、(トリフルオロメチル)インドールを得る、含フッ素化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代冷媒として利用され始めた1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)の化学変換法は、HFO-1234zeを回収した後の再利用法として期待されている。
【0003】
例えば、フロンの1種であるフルオロアルケンの化学変換法としては、ニッケル触媒を用いたフルオロアルケンとアルキンのカップリング反応が知られている。ニッケル触媒を用いたフルオロアルケンとアルキンの脱フッ素カップリング反応としては、フルオロシクロペンタジエン、ジフルオロジエン、モノフルオロアレーン、モノフルオロジエンを合成する方法が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、フロンの1種であるフルオロアルケンの化学変換法としては、塩基を用いたジフルオロスチレンの環化反応が知られている。塩基を用いたジフルオロスチレンの分子内SNV反応を経る5-endo-trig環化反応としては、フルオロインドール、フルオロベンゾフラン、フルオロベンゾチオフェンを合成する方法が挙げられる(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Takeshi Fujita,Tomohiro Arita,Tomohiro Ichitsuka,Junji Ichikawa,“Catalytic defluorinative[3+2]cycloaddition of trifluoromethylalkenes with alkynes via reduction of nickel(II)fluoride species”,Dalton Transactions 2015,44,19460-19463.
【非特許文献2】Tomohiro Ichituka,Takeshi Fujita,Junji Ichikawa,“Nickel-Catalyzed Allylic C(sp3)-F Bond Activation of Trifluoromethyl Groups via β-Fluorine Elimination:Synthesis of Difluoro-1,4-dienes”,ACS Catalysis 2015,5,5947-5950.
【非特許文献3】Takeshi Fujita,Yota Watabe,Tomohiro Ichitsuka,Junji Ichikawa,“Ni-Catalyzed Synthesis of Fluoroarenes via[2+2+2] Cycloaddition Involving α-Fluorine Elimination”,Chemistry A European Journal 2015,21,13225-13228.
【非特許文献4】Yota Watabe,Kohei Kanazawa,Takeshi Fujita,Junji Ichikawa,“Nickel-Catalyzed Hydroalkenylation of Alkynes through C-F Bond Activation:Synthesis of 2-Fluoro-1,3-dienes”,Synthesis 2017,49,3569-3575.
【非特許文献5】Junji Ichikawa,Yukinori Wada,Tatsuo Okauchi,Toru Minami,“5-endo-Trigonal cyclization of o-substituted gem-difluorostyrenes:syntheses of 2-fluorinated indoles,benzo[b]furans and benzo[b]thiophenes”,Chemical Communications 1997,1537.
【非特許文献6】Junji Ichikawa,Yukinori Wada,Masaki Fujiwara,Kotaro Sakoda,“The Nucleophilic 5-endo-trig Cyclization of 1,1-Difluoro-1-alkenes:Ring-Fluorinated Hetero- and Carbocycle Synthesis and Remarkable Effect of the Vinylic Fluorines on the Disfavored Process”,Synthesis 2002,No.13,1917-1936.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、効率的なHFO-1234zeの化学変換法はほとんど存在しなかった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、HFO-1234zeを出発物質として、効率的に含フッ素ポリマーの原料や医農薬の合成中間体となり得る含フッ素化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]アルキンおよびニッケル触媒を含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、(ジフルオロメチル)ジエンまたは(トリフルオロメチル)ジエンを得る、含フッ素化合物の製造方法。
[2]アルコール、チオールまたはアミドと、塩基とを含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、トリフルオロプロペニルエーテル、トリフルオロプロペニルスルフィド、またはトリフルオロプロペニルアミドを得る、含フッ素化合物の製造方法。
[3]1,3,3,3-テトラフルオロプロペンから得られたアルケンおよびパラジウム触媒を含む反応溶液に、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基を加えて混合することにより、(トリフルオロメチル)インドールを得る、含フッ素化合物の製造方法。
[4]1,3,3,3-テトラフルオロプロペンから得られたアミドおよびパラジウム触媒を含む反応溶液に、塩基を加えて混合することにより、(トリフルオロメチル)インドールを得る、含フッ素化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、HFO-1234zeを出発物質として、効率的に含フッ素ポリマーの原料や医農薬の合成中間体となり得る含フッ素化合物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の含フッ素化合物の製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0011】
[含フッ素化合物の製造方法]
(第1の実施形態)
本発明の一実施形態に係る含フッ素化合物の製造方法は、アルキンおよびニッケル触媒を含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、(ジフルオロメチル)ジエンまたは(トリフルオロメチル)ジエンを得る方法である。
【0012】
「(ジフルオロメチル)ジエンの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法における(ジフルオロメチル)ジエンの製造方法について説明する。
(ジフルオロメチル)ジエンの製造方法では、ニッケル触媒、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、およびフッ化ジルコニウムの存在下、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(以下、「HFO-1234ze」と言うこともある。)に対して、アルキンおよびヒドロシランを作用させることにより、HFO-1234zeのC-F結合の切断が2度起こり、(ジフルオロメチル)ジエンが得られる。
【0013】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、ニッケル触媒、トリシクロヘキシルホスフィン、フッ化ジルコニウムおよびアルキンを加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0014】
ガラス反応容器に加えるニッケル触媒の量を、0.1mol%~20mol%とする。
ニッケル触媒としては、例えば、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケルジクロリド、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル等が挙げられる。これらの中でも、HFO-1234zeとアルキンの反応性を高め、(ジフルオロメチル)ジエンの収率を高めることができる点から、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルが好ましい。
【0015】
ガラス反応容器に加えるトリシクロヘキシルホスフィンの量を、0.1mol%~40mol%とする。
【0016】
ガラス反応容器に加えるフッ化ジルコニウムの量を、0.1mol%~100mol%とする。
【0017】
ガラス反応容器に加えるアルキンの量を、1mol%~200mol%とする。
アルキンとしては、例えば、ジフェニルアセチレン、フェニルアセチレン、ジアルキルアセチレン、アルキルアセチレン等が挙げられる。これらの中でも、HFO-1234zeとの反応性に優れ、(ジフルオロメチル)ジエンの収率を高めることができる点から、ジフェニルアセチレンが好ましい。
【0018】
ニッケル触媒、トリシクロヘキシルホスフィン、フッ化ジルコニウムおよびアルキンの混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
ニッケル触媒、トリシクロヘキシルホスフィン、フッ化ジルコニウムおよびアルキンの混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0019】
次いで、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-1,4-ジオキサン溶液、または1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-トルエン溶液を加えて、撹拌、混合する。あるいは、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの気体を加えて、撹拌、混合する。
【0020】
上記の反応溶液に加える1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの量を、0.5eq(倍モル量)~300eq(倍モル量)とする。
【0021】
上記の反応溶液に加える1,4-ジオキサン(溶媒)の量は、特に限定されないが、例えば、0.5mL~20mLとする。また、上記の反応溶液に加えるトルエン(溶媒)の量は、特に限定されないが、例えば、0.5mL~20mLとする。
【0022】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を0℃~120℃とする。
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0023】
次いで、上記の反応溶液にヒドロシランを加えて、撹拌、混合する。
【0024】
上記の反応溶液に加えるヒドロシランの量を、0.5eq(倍モル量)~10eq(倍モル量)とする。
ヒドロシランとしては、例えば、トリエチルシラン、tert-ブチルジメチルシラン、トリイソプロピルシラン、ジメチルフェニルシラン、トリフェニルシラン等が挙げられる。これらの中でも、HFO-1234zeとの反応性に優れ、(ジフルオロメチル)ジエンの収率を高めることができる点から、トリエチルシランが好ましい。
【0025】
ヒドロシランを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を40℃~120℃とする。
ヒドロシランを加えた反応溶液を撹拌する時間を、2時間~24時間とする。
【0026】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0027】
以上の操作により、下記の一般式(1)で表される(ジフルオロメチル)ジエンを得る。
【0028】
【0029】
上記の一般式(1)中、Rは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいシクロヘキシル基、置換基を有していてもよい1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、炭素数1~20のアルキル基である。
【0030】
「(トリフルオロメチル)ジエンの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法における(トリフルオロメチル)ジエンの製造方法について説明する。
(トリフルオロメチル)ジエンの製造方法では、ニッケル触媒、およびビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)の存在下、HFO-1234zeに対して、アルキンおよびヒドロシランを作用させることにより、HFO-1234zeのC-F結合の切断が1度だけ起こり、(トリフルオロメチル)ジエンが得られる。
【0031】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、ニッケル触媒、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、フッ化ジルコニウムおよびアルキンを加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0032】
ガラス反応容器に加えるニッケル触媒の量を、0.1mol%~20mol%とする。
ニッケル触媒としては、例えば、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケルジクロリド、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル等が挙げられる。これらの中でも、HFO-1234zeとアルキンの反応性を高め、(トリフルオロメチル)ジエンの収率を高めることができる点から、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルが好ましい。
【0033】
ガラス反応容器に加えるビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンの量を、0.1mol%~40mol%とする。
【0034】
ガラス反応容器に加えるアルキンの量を、0.05mmol~1molとする。
アルキンとしては、例えば、ジフェニルアセチレン、フェニルアセチレン、ジアルキルアセチレン、アルキルアセチレン等が挙げられる。これらの中でも、HFO-1234zeとの反応性に優れ、(トリフルオロメチル)ジエンの収率を高めることができる点から、ジフェニルアセチレンが好ましい。ジフェニルアセチレンのフェニル基は、置換基を有していてもよい。
【0035】
ニッケル触媒、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、フッ化ジルコニウムおよびアルキンの混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
ニッケル触媒、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、フッ化ジルコニウムおよびアルキンの混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0036】
次いで、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-1,4-ジオキサン溶液、または1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-トルエン溶液を加えて、撹拌、混合する。あるいは、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの気体を加えて、撹拌、混合する。
【0037】
上記の反応溶液に加える1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの量を、0.5eq(倍モル量)~300eq(倍モル量)とする。
【0038】
上記の反応溶液に加える1,4-ジオキサン(溶媒)の量は、特に限定されないが、例えば、0.5mL~20mLとする。また、上記の反応溶液に加えるトルエン(溶媒)の量は、特に限定されないが、例えば、0.5mL~20mLとする。
【0039】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を0℃~120℃とする。
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0040】
次いで、上記の反応溶液にヒドロシランを加えて、撹拌、混合する。
【0041】
上記の反応溶液に加えるヒドロシランの量を、0.5eq(倍モル量)~10eq(倍モル量)とする。
ヒドロシランとしては、例えば、トリエチルシラン、tert-ブチルジメチルシラン、トリイソプロピルシラン、ジメチルフェニルシラン、トリフェニルシラン等が挙げられる。これらの中でも、HFO-1234zeとの反応性に優れ、(ジフルオロメチル)ジエンの収率を高めることができる点から、トリエチルシランが好ましい。
【0042】
ヒドロシランを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を40℃~120℃とする。
ヒドロシランを加えた反応溶液を撹拌する時間を、2時間~24時間とする。
【0043】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0044】
以上の操作により、下記の一般式(2)で表される(トリフルオロメチル)ジエンを得る。
【0045】
【0046】
上記の一般式(2)中、Rは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいシクロヘキシル基、置換基を有していてもよい1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、炭素数1~20のアルキル基である。
【0047】
[含フッ素化合物の製造方法]
(第2の実施形態)
本発明の一実施形態に係る含フッ素化合物の製造方法は、アルコール、チオールまたはアミドと、塩基とを含む反応溶液に、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えて混合することにより、トリフルオロプロペニルエーテル、トリフルオロプロペニルスルフィド、またはトリフルオロプロペニルアミドを得る方法である。
【0048】
「トリフルオロプロペニルエーテルの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法におけるトリフルオロプロペニルエーテルの製造方法について説明する。
トリフルオロプロペニルエーテルの製造方法では、アルコールおよび塩基を含む反応溶液に、HFO-1234zeを加えることにより、HFO-1234zeのビニル位において求核置換が選択的に進行し、トリフルオロプロペニルエーテルが得られる。
【0049】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、アルコール、塩基およびHFO-1234zeを加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0050】
ガラス反応容器に加えるアルコールの量を、0.05mmol~1molとする。
アルコールとしては、例えば、4-ヒドロキシビフェニル、4-メトキシフェノール、4-クロロフェノール、4-フルオロフェノール、4-ニトロフェノール、2-ナフトール、ベンジルアルコール、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族第一級または第二級アルコール等が挙げられる。これらの中でも、トリフルオロプロペニルエーテルの収率を高めることができる点から、4-ヒドロキシビフェニルが好ましい。
【0051】
ガラス反応容器に加える塩基の量を、0.1mol%~500mol%とする。
塩基としては、例えば、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、リン酸カリウム(K3PO4)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が挙げられる。これらの中でも、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンの収率を高めることができる点から、炭酸水素カリウムが好ましい。
【0052】
アルコールおよび塩基の混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
アルコールおよび塩基の混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0053】
次いで、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を加えて、撹拌、混合する。あるいは、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの気体を加えて、撹拌、混合する。
【0054】
上記の反応溶液に加える1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの量を、0.5eq(倍モル量)~300eq(倍モル量)とする。
【0055】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を40℃~120℃とする。
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する時間を、2時間~24時間とする。
【0056】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0057】
以上の操作により、下記の一般式(3)で表されるトリフルオロプロペニルエーテルを得る。
【0058】
【0059】
「トリフルオロプロペニルスルフィドの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法におけるトリフルオロプロペニルスルフィドの製造方法について説明する。
トリフルオロプロペニルスルフィドの製造方法では、チオールおよび塩基を含む反応溶液に、HFO-1234zeを加えることにより、HFO-1234zeのビニル位において求核置換が選択的に進行し、トリフルオロプロペニルスルフィドが得られる。
【0060】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、チオール、塩基およびHFO-1234zeを加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0061】
ガラス反応容器に加えるチオールの量を、0.05mmol~1molとする。
チオールとしては、例えば、ベンゼンチオール、置換基を有していてもよいベンゼンチオール、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族第一級または第二級チオール等が挙げられる。これらの中でも、トリフルオロプロペニルスルフィドの収率を高めることができる点から、ベンゼンチオールが好ましい。
【0062】
ガラス反応容器に加える塩基の量を、0.1mol%~500mol%とする。
塩基としては、例えば、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、リン酸カリウム(K3PO4)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が挙げられる。これらの中でも、トリフルオロプロペニルスルフィドの収率を高めることができる点から、炭酸水素カリウムが好ましい。
【0063】
チオールおよび塩基の混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
チオールおよび塩基の混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0064】
次いで、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を加えて、撹拌、混合する。あるいは、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの気体を加えて、撹拌、混合する。
【0065】
上記の反応溶液に加える1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの量を、0.5eq(倍モル量)~300eq(倍モル量)とする。
【0066】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を40℃~120℃とする。
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する時間を、2時間~24時間とする。
【0067】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0068】
以上の操作により、下記の一般式(4)で表されるトリフルオロプロペニルスルフィドを得る。
【0069】
【0070】
「トリフルオロプロペニルアミドの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法におけるトリフルオロプロペニルアミドの製造方法について説明する。
トリフルオロプロペニルアミドの製造方法では、アミドおよび塩基を含む反応溶液に、HFO-1234zeを加えることにより、HFO-1234zeのビニル位において求核置換が選択的に進行し、トリフルオロプロペニルアミドが得られる。
【0071】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、アミド、塩基およびHFO-1234zeを加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0072】
ガラス反応容器に加えるアミドの量を、0.05mmol~1molとする。
アミドとしては、例えば、トシルアミド、ベンゼンスルホンアミド、置換基を有していてもよいベンゼンスルホンアミド、置換基を有していてもよいアルカンスルホンアミド等が挙げられる。これらの中でも、トリフルオロプロペニルアミドの収率を高めることができる点から、トシルアミドが好ましい。
【0073】
ガラス反応容器に加える塩基の量を、10mol%~500mol%とする。
塩基としては、例えば、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、リン酸カリウム(K3PO4)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が挙げられる。これらの中でも、トリフルオロプロペニルアミドの収率を高めることができる点から、炭酸水素カリウムが好ましい。
【0074】
アミドおよび塩基の混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
アミドおよび塩基の混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0075】
次いで、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペン-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を加えて、撹拌、混合する。あるいは、上記の反応溶液に1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの気体を加えて、撹拌、混合する。
【0076】
上記の反応溶液に加える1,3,3,3-テトラフルオロプロペンの量を、0.5eq(倍モル量)~300eq(倍モル量)とする。
【0077】
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する際、反応溶液の温度を40℃~120℃とする。
1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを加えた反応溶液を撹拌する時間を、2時間~24時間とする。
【0078】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0079】
以上の操作により、下記の一般式(5)で表されるトリフルオロプロペニルアミドを得る。
【0080】
【0081】
[含フッ素化合物の製造方法]
(第3の実施形態)
本発明の一実施形態に係る含フッ素化合物の製造方法は、HFO-1234zeから得られたアルケンおよびパラジウム触媒を含む反応溶液に、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基を加えて混合することにより、(トリフルオロメチル)インドールを得る方法である。
【0082】
「(トリフルオロメチル)インドールの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法における(トリフルオロメチル)インドールの製造方法について説明する。
(トリフルオロメチル)インドールの製造方法では、パラジウム触媒および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2´,6´-ジメトキシビフェニル(SPhos)の存在下、HFO-1234zeから調製したアルケンに対して、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基を加えることにより、(トリフルオロメチル)インドールが得られる。
【0083】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、パラジウム触媒、SPhos、アルケン、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基を加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0084】
ガラス反応容器に加えるパラジウム触媒の量を、0.1mol%~20mol%とする。
パラジウム触媒としては、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等が挙げられる。これらの中でも、アルケンとアリールボロン酸エステルの反応性を高め、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点から、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
【0085】
ガラス反応容器に加える2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2´,6´-ジメトキシビフェニルの量を、0.1mol%~40mol%とする。
【0086】
ガラス反応容器に加えるアルケンの量を、0.05mmol~1molとする。
アルケンとしては、例えば、2-ブロモ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン等が挙げられる。これらの中でも、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点から2-ブロモ1,3,3,3-テトラフルオロプロペンが好ましい。
【0087】
例えば、2-ブロモ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、HFO-1234zeに対して臭素を作用させてジブロモ化し、続いて水酸化カリウムにより脱臭化水素することで調製する。
【0088】
ガラス反応容器に加えるアミド基を有するアリールボロン酸エステルの量を、0.2eq(倍モル量)~5eq(倍モル量)とする。
アミド基を有するアリールボロン酸エステルとしては、例えば、2-(トシルアミド)フェニルボロン酸ピナコールエステル、置換基を有していてもよい2-(ベンゼンスルホンアミド)フェニルボロン酸ジオールエステル、置換基を有していてもよい2-(アルカンスルホンアミド)フェニルボロン酸ジオールエステル、置換基を有していてもよい2-(ベンゼンスルホンアミド)ナフチルボロン酸ジオールエステル、置換基を有していてもよい2-(アルカンスルホンアミド)ナフチルボロン酸ジオールエステル等が挙げられる。これらの中でも、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点から2-(トシルアミド)フェニルボロン酸ピナコールエステルが好ましい。
【0089】
ガラス反応容器に加える塩基の量を、10mol%~500mol%とする。
塩基としては、例えば、炭酸カリウム(K2CO3)、水素化カリウム(KH)、リン酸カリウム(K3PO4)、酢酸カリウム(CH3COOK)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、水素化ナトリウム(NaH)等が挙げられる。これらの中でも、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点から炭酸カリウムが好ましい。
【0090】
パラジウム触媒、SPhos、アルケン、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基の混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
パラジウム触媒、SPhos、アルケン、アミド基を有するアリールボロン酸エステルおよび塩基の混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0091】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0092】
以上の操作により、下記の一般式(6)で表される(トリフルオロメチル)インドールを得る。
【0093】
【0094】
上記の一般式(6)中、Rは、炭素数1~20のスルホニル基である。
【0095】
[含フッ素化合物の製造方法]
(第4の実施形態)
本発明の一実施形態に係る含フッ素化合物の製造方法は、HFO-1234zeから得られたアミドおよびパラジウム触媒を含む反応溶液に、塩基を加えて混合することにより、(トリフルオロメチル)インドールを得る方法である。
【0096】
「(トリフルオロメチル)インドールの製造方法」
本実施形態の含フッ素化合物の製造方法における(トリフルオロメチル)インドールの製造方法について説明する。
(トリフルオロメチル)インドールの製造方法では、パラジウム触媒の存在下、HFO-1234zeから調製したアミドに対して、塩基を加えることにより、(トリフルオロメチル)インドールが得られる。
【0097】
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、パラジウム触媒、アミドおよび塩基を加えて、撹拌、混合し、反応溶液を調製する。
【0098】
ガラス反応容器に加えるパラジウム触媒の量を、0.1mol%~20mol%とする。
パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等が挙げられる。これらの中でも、アミドの反応性を高め、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点から、酢酸パラジウム(II)が好ましい。
【0099】
ガラス反応容器に加えるアミドの量を、0.05mmol~1molとする。
アミドとしては、例えば、トリフルオロプロペニル(2-ブロモフェニル)トシルアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ブロモフェニル)ベンゼンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ブロモフェニル)アルカンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ブロモナフチル)ベンゼンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ブロモナフチル)アルカンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ヨードフェニル)ベンゼンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ヨードフェニル)アルカンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ヨードナフチル)ベンゼンスルホンアミド、置換基を有していてもよいトリフルオロプロペニル(2-ヨードナフチル)アルカンスルホンアミド等が挙げられる。これらの中でも、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点からトリフルオロプロペニル(2-ブロモフェニル)トシルアミドが好ましい。
【0100】
例えば、トリフルオロプロペニル(2-ブロモフェニル)トシルアミドは、リン酸カリウム、炭酸カリウム、または水素化ナトリウムの存在下で、HFO-1234zeに対して(2-ブロモフェニル)トシルアミドを作用させることで調製する。
【0101】
ガラス反応容器に加える塩基の量を、10mol%~500mol%とする。
塩基としては、例えば、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸リチウム、トリエチルアミン等が挙げられる。これらの中でも、(トリフルオロメチル)インドールの収率を高めることができる点から酢酸ナトリウムが好ましい。
【0102】
パラジウム触媒、アミドおよび塩基の混合物を撹拌する際、混合物の温度を0℃~120℃とする。
パラジウム触媒、アミドおよび塩基基の混合物を撹拌する時間を、1分~12時間とする。
【0103】
化学反応が終了した後、上記の反応溶液にジクロロメタンを加えて攪拌し、有機層を分離する操作を3回繰り返す。
次に、抽出物に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌する。その溶液を濾過して回収し、溶媒を減圧留去する。
【0104】
以上の操作により、上記の一般式(6)で表される(トリフルオロメチル)インドールを得る。
【実施例0105】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0106】
[実施例1]
「[(1Z,3E)-5,5-ジフルオロペンタ-1,3-ジエン-1,2-ジイル]ジベンゼンの合成」
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)1.0atmを含むプラスチックバルーンに接続された30mLシュレンクチューブに、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル(Ni(cod)2)6.6mg(0.024mmol)、フッ化ジルコニウム(ZrF4)13mg(0.075mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)14mg(0.048mmol)を加えた。
さらに、ジフェニルアセチレン54mg(0.3mmol)、1,4-ジオキサン3.0mL、およびトリエチルシラン96μL(0.6mmol)を加えて、80℃で3時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をシリカゲル(酢酸エチル)のパッドで濾過した。
次いで、減圧下で溶媒を除去した。
【0107】
「生成物の分析」
得られた有機物質を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(7)で表される[(1Z,3E)-5,5-ジフルオロペンタ-1,3-ジエン-1,2-ジイル]ジベンゼンが得られたことが確認できた。また、化学式(7)で表される化合物の収率は78%であった。
19F-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のMS(EI)を測定した。
得られた化合物の19F-NMRおよびMS(EI)の測定データを以下に示す。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):53.4(dd,J=56,8Hz,3F)。
MS(EI):m/z Calcd.for C17H14F2[M]+:256.11;Found:256.11。
【0108】
【0109】
[実施例2]
「[(1Z,3E)-5,5,5-トリフルオロペンタ-1,3-ジエン-1,2-ジイル]ジベンゼンの合成」
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)1.0atmを含むプラスチックバルーンに接続された30mLシュレンクチューブに、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル(Ni(cod)2)6.6mg(0.024mmol)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスホニウム)エタンビステトラフルオロボレート(dcype)10mg(0.024mmol)、ジフェニルアセチレン54mg(0.3mmol)を加えた。
さらに、1,4-ジオキサン3.0mL、およびトリエチルシラン58μL(0.36mmol)を加えて、80℃で3時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をシリカゲル(酢酸エチル)のパッドで濾過した。
次いで、減圧下で溶媒を除去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、無色油状物を得た。
【0110】
「生成物の分析」
得られた無色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(8)で表される[(1Z,3E)-5,5,5-トリフルオロペンタ-1,3-ジエン-1,2-ジイル]ジベンゼンが得られたことが確認できた。また、化学式(8)で表される化合物の収量は82mg、収率は100%(異性体比83/17)であった。
19F-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のMS(EI)を測定した。
得られた化合物の19F-NMRおよびMS(EI)の測定データを以下に示す。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):(E体)δ(ppm):100.2(d,JFH=7Hz,3F)、(Z体)δ(ppm):99.6(d,JFH=6Hz,3F)。
MS(EI):m/z Calcd.for C17H13F3[M]+:274.10;Found:274.10。
【0111】
【0112】
[実施例3]
「(E)-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ベンゼンの合成」
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)1.0atmを含むプラスチックバルーンに接続された10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、フェノール94mg(1.0mmol)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)5.0mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去した。
【0113】
「生成物の分析」
得られた有機物質を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(9)で表される(E)-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ベンゼンが主生成物として得られたことが確認できた。また、化学式(9)で表される化合物の収率は72%(異性体比94/6)であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):(E体)δ(ppm):5.33-5.40(m,1H),7.04(dd,J=7.7,0.9Hz,2H),7.19(t,J=7.0Hz,1H),7.27(dq,J=12.4,JHF=2.0Hz,1H),7.38(dd,J=7.7,7.7Hz,2H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):102.7(JFH=6Hz,3F)。
【0114】
【0115】
[実施例4]
「(E)-4-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]-1、1´-ビフェニルの合成」
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)1.0atmを含むプラスチックバルーンに接続された10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、[1,1´-ビフェニル]-4-オール170mg(1.0mmol)を加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去した。
【0116】
「生成物の分析」
得られた有機物質を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、有機物質を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(10)で表される(E)-4-[(3,3,3-トリフルオロプロプ-1-エン-1-イル)オキシ」-1、1´-ビフェニルが得られたことが確認できた。また、化学式(10)で表される化合物の収量は227mg、収率は86%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、19F-NMRおよびMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):5.39-5.45(m,1H),7.11(d,J=8.7Hz,2H),7.31(dq,J=12.8,JHF=2.1Hz,1H),7.36(t,J=7.4Hz,1H),7.45(t,J=7.9Hz,2H),7.56(dd,J=8.3,1.0Hz,2H),7.59(d,J=8.8Hz,2H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):102.7(JFH=7Hz,3F)。
MS(EI):m/z Calcd.for C15H11F3[M]+:264.08;Found:264.08。
【0117】
【0118】
[実施例5]
「(E)-フェニル(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)スルファンの合成」
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)1.0atmを含むプラスチックバルーンに接続された10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、ベンゼンチオール110mg(1.0mmol)、およびジメチルホルムアミド(DMF)5.0mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去した。
【0119】
「生成物の分析」
得られた有機物質を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、有機物質を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてジブロモメタンを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(11)で表される(E)-フェニル(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)スルファンが得られたことが確認できた。また、化学式(11)で表される化合物の収率は100%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):5.37-5.44(m,1H),7.14(dq,J=15.2,JHF=2.0Hz,1H),7.40-7.43(m,3H),7.47-7.49(m,2H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):100.6(d,JFH=6Hz,3F)。
【0120】
【0121】
[実施例6]
「(E)-1-メトキシ-4-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ベンゼンの合成」
アルゴン雰囲気下の10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、4-メトキシフェノール124mg(1.0mmol)、および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液0.78mol/L(1.28mL、1.0mol)を加え、次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)3.7mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、無色油状物を得た。
【0122】
「生成物の分析」
得られた無色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、無色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(12)で表される(E)-1-メトキシ-4-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ベンゼンが得られたことが確認できた。また、化学式(12)で表される化合物の収量は161mg、収率は74%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):3.80(s,3H),5.21-5.28(m,1H),6.88(d,J=7.9Hz,2H),6.98(d,J=7.9Hz,2H),7.21(dq,J=12.4,JHF=2.0Hz,1H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):102.9(d,JFH=7Hz,3F)。
【0123】
【0124】
[実施例7]
「(E)-1-クロロ-4-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ベンゼンの合成」
アルゴン雰囲気下の10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、4-クロロフェノール129mg(1.0mmol)、および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液0.78mol/L(1.28mL、1.0mol)を加え、次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)3.7mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。
【0125】
「生成物の分析」
得られた黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(13)で表される(E)-1-クロロ-4-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ベンゼンが得られたことが確認できた。また、化学式(13)で表される化合物の収量は167mg、収率は75%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):5.35-5.42(m,1H),6.99(d,J=9.0Hz,2H),7.21(dq,J=12.4,JHF=2.1Hz,1H),7.34(d,J=9.0Hz,2H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):102.5(d,JFH=7Hz,3F)。
【0126】
【0127】
[実施例8]
「(E)-2-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ナフタレートの合成」
アルゴン雰囲気下の10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、1-ナフトール144mg(1.0mmol)、および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液0.78mol/L(1.28mL、1.0mol)を加え、次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)3.7mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。
【0128】
「生成物の分析」
得られた黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(14)で表される(E)-2-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]ナフタレートが得られたことが確認できた。また、化学式(14)で表される化合物の収量は181mg、収率は76%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):5.44-5.51(m,1H),7.07(d,J=7.6Hz,1H),7.42(dq,J=14.4,JHF=2.0Hz,1H),7.53-7.56(m,3H),7.68(d,J=8.3Hz,1H),7.85-7.88(m,1H)8.01-8.10(m,1H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):102.8(d,JFH=7Hz,3F)。
【0129】
【0130】
[実施例9]
「(E)-{[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]メチル}ベンゼンの合成」
アルゴン雰囲気下の10mL試験管に、水酸化カリウム(KOH)112mg(2.0mmol)、ベンジルアルコール108mg(1.0mmol)、および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液0.78mol/L(1.28mL、1.0mol)を加え、次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)3.7mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。
【0131】
「生成物の分析」
得られた黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(15)で表される(E)-{[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]メチル}ベンゼンが得られたことが確認できた。また、化学式(15)で表される化合物の収量は101mg、収率は50%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):4.83(s,2H),5.04-5.10(m,1H),7.13(dq,J=12.8,JHF=2.0Hz,1H),7.33-7.41(m,5H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):103.6(d,JFH=6Hz,3F)。
【0132】
【0133】
[実施例10]
「(E)-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]シクロヘキサンの合成」
アルゴン雰囲気下の10mL試験管に、水酸化カリウム(KOH)112mg(2.0mmol)、シクロヘキサノール100mg(1.0mmol)、および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液0.78mol/L(1.28mL、1.0mol)を加え、次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)3.7mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、黄色油状物を得た。
【0134】
「生成物の分析」
得られた黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、黄色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(16)で表される(E)-[(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]シクロヘキサンが得られたことが確認できた。また、化学式(16)で表される化合物の収量は66mg、収率は34%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):1.82(m,J=75Hz,10H),3.61(br,1H),3.82-3.86(m,1H),4.98-5.04(m,1H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):103.7(d,JFH=7Hz,3F)。
【0135】
【0136】
[実施例11]
「(E)-4-メチル-N-フェニル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドの合成」
アルゴン雰囲気下の10mL試験管に、炭酸水素カリウム(KHCO3)200mg(2.0mmol)、p-トルエンスルホンアミド247mg(1.0mmol)、および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液0.78mol/L(1.28mL、1.0mol)を加え、次いで、ジメチルホルムアミド(DMF)3.7mLを加えて、50℃で8時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、白色油状物を得た。
【0137】
「生成物の分析」
得られた白色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、白色油状物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(17)で表される(E)-4-メチル-N-フェニル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(17)で表される化合物の収量は273mg、収率は80%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):4.34-4.41(m,1H),6.95(d,J=7.0Hz,2H),7.23(t,J=7.4Hz,1H),7.30(d,J=8.2Hz,2H),7.38-7.45(m,3H),7.54(d,J=8.2Hz,2H),7.84(dq,J=14.0,JHF=2.0Hz,1H)。
19F-NMR(470MHz、溶媒:C6D6):δ(ppm):102.9(d,JFH=6Hz,3F)。
【0138】
【0139】
[実施例12]
「1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
(4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの合成)
2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン2.19g(10mmol)、ピリジン1.6mL(20mmol)、触媒として4-ジメチルアミノピリジン、p-TsCl3.81g(20mmol)を0℃で加えて、室温で5時間撹拌した。
次いで、反応溶液を飽和塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液で希釈した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジクロロメタンで3回抽出した。得られた抽出物をブライン液で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1から5/1)で精製して、白色固体を得た。
【0140】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(18)で表される4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(18)で表される化合物の収量は3.03mg、収率は81%であった。
13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
得られた化合物の1H-NMR、19F-NMRおよびIRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):8.57(brs,1H),7.63(d,J=7.6Hz,2H),7.61(d,J=8.4Hz,2H),7.39(t,J=7.8Hz,1H),7.16(d,J=8.4Hz,2H),7.04(d,J=7.6Hz,1H),2.33(s,3H),1.30(s,12H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):143.6,143.4,136.44,136.40,132.8,129.3,127.3,123.7,119.8,84.5,24.7,21.4。
IR(neat):3523,2941,1732,1375,1245,1046,753cm-1。
【0141】
【0142】
(1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られた4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド75mg(0.20mmol)、炭酸カリウム(K2CO3)138mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム-クロロホルム付加体(Pd2(dba)3・CHCl35.2mg(0.0050mmol)およびエスフォス(SPhos)8.2mg(0.015mmol)のトルエン懸濁液2.2mLに2-ブロモ-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン39mg(0.20mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=40/1)で精製し、白色固体を得た。
【0143】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(19)で表される4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(19)で表される化合物の収量は28mg、収率は42%であった。
13C-NMR、19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、および19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm)7.89(d,J=8.3Hz,1H),7.87(s,1H),7.74(d,J=8.3Hz,2H),7.57(d,J=7.8Hz,1H),7.32(dd,J=8.3,7.5Hz,1H),7.23(dd,J=7.8,7.5Hz,1H),7.18(d,J=8.3Hz,2H),2.27(s,3H)。
13C-NMR(126MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):145.9,134.7,134.6,130.2,127.1,126.1(q,JCF=6Hz),125.9,125.6,124.2,122.8(q,JCF=268Hz),120.2,113.6,112.9(q,JCF=38Hz),21.6。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):102.6(s)。
【0144】
【0145】
[実施例13]
「5-メトキシ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
(N-[4-メトキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミドの合成)
4-メトキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン498mg(2.0mmol)、ピリジン0.32mL(4.0mmol)、ジクロロメタン8.0mL、およびp-TsCl763mg(4.0mmol)を室温で加えて、室温で5時間撹拌した。
次いで、反応溶液を飽和塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液で希釈した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジクロロメタンで3回抽出した。得られた抽出物をブライン液で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1から5/1)で精製して、白色固体を得た。
【0146】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(20)で表されるN-[4-メトキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(20)で表される化合物の収量は542mg、収率は67%であった。
13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):8.20(brs,1H),7.61(d,J=8.9Hz,1H),7.52(d,J=8.3Hz,2H),7.14(d,J=8.3Hz,2H),7.11(d,J=3.1Hz,1H),6.97(dd,J=8.9,3.1Hz,1H),3.77(s,3H),2.33(s,3H),1.25(s,12H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):156.1,143.3,136.5,136.0,129.4,129.0,127.2,123.1,119.6,84.5,55.4,24.7,21.5。
IR(KBr):3286,2983,1600,1494,1411,1339,1164,909,784cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C20H26BNO5S[M]+:403.1625;Found:403.1627。
【0147】
【0148】
(5-メトキシ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られたN-[4-メトキシ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド81mg(0.20mmol)、炭酸カリウム(K2CO3)138mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム-クロロホルム付加体(Pd2(dba)3・CHCl35.2mg(0.0050mmol)およびエスフォス(SPhos)8.2mg(0.015mmol)のトルエン懸濁液2.2mLに2-ブロモ-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン39mg(0.20mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製し、白色固体を得た。
【0149】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(21)で表される5-メトキシ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(21)で表される化合物の収量は28mg、収率は42%であった。
19F-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.81(s,1H),7.80(d,J=9.4Hz,1H),7.72(d,J=8.3Hz,2H),7.21(d,J=8.3Hz,2H),6.96(s,1H),6.94(dd,J=9.4,2.6Hz,1H),3.76(s,3H),2.30(s,3H)。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):102.2(s)。
IR(KBr):2979,1600,1483,1447,1384,1151,1111,1038,873,669cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C17H14F3NO3S[M]+:369.0647;Found:369.0646。
【0150】
【0151】
[実施例14]
「5-フルオロ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
(N-[4-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミドの合成)
4-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン711mg(3.0mmol)、ピリジン0.48mL(6.0mmol)、ジクロロメタン10mL、およびp-TsC1.14g(6.0mmol)を室温で加えて、室温で5時間撹拌した。
次いで、反応溶液を飽和塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液で希釈した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジクロロメタンで3回抽出した。得られた抽出物をブライン液で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1から5/1)で精製して、黄色固体を得た。
【0152】
(生成物の分析)
得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(22)で表されるN-[4-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(22)で表される化合物の収量は819mg、収率は70%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):8.27(brs,1H),7.58(dd,J=9.1,4.6Hz,1H),7.48(d,J=8.2Hz,2H),7.22(dd,J=8.5,3.2Hz,1H),7.09(d,J=8.2Hz,2H),7.03(ddd,J=9.1,7.0,3.2Hz,1H),2.27(s,3H),1.20(s,12H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):159.3(d,JCF=246Hz),143.6,139.4,135.9,129.5,129.1,128.9,127.2,122.8,84.9,24.7(dd,JCF=9,3Hz),21.4。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):43.9(ddd,JFH=9,9,8Hz)。
IR(KBr):3288,2984,1492,1415,1265,1164,908,782cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C19H23BFNO4S[M]+:391.1425;Found:391.1424。
【0153】
【0154】
(5-フルオロ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られたN-[4-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド78mg(0.20mmol)、炭酸カリウム(K2CO3)138mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム-クロロホルム付加体(Pd2(dba)3・CHCl35.2mg(0.0050mmol)およびエスフォス(SPhos)8.2mg(0.015mmol)のトルエン懸濁液2.2mLに2-ブロモ-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン39mg(0.20mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1)で精製し、白色固体を得た。
【0155】
(生成物の分析)
得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(23)で表される5-フルオロ-1-(4-メチルベンジエンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(23)で表される化合物の収量は17mg、収率は24%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.90-7.85(m,2H),7.74(d,J=8.4Hz,2H),7.24-7.22(m,3H),7.07(ddd,JHF=8.6Hz,J=8.6,2.2Hz,1H),2.31(s,3H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):159.9(d,JCF=244Hz),146.1,134.3,130.9,130.2,127.6(q,JCF=5Hz),127.1,126.5(d,JCF=11Hz),122.5(q,JCF=269Hz),114.9(d,JCF=10Hz),114.3(d,JCF=26Hz),112.7(qd,JCF=38,4Hz),106.0,21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):45.5(ddd,JFH=9,9,4Hz,1F),103.5(s,3F)。
IR(KBr):1379,1207,1142,1030,860,810,679,584cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C16H11F4NO2S[M]+:357.0447;Found:357.0444。
【0156】
【0157】
[実施例15]
「1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[g]インドールの合成」
(4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル]ベンゼンスルホンアミドの合成)
2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-アミン730mg(2.7mmol)、ピリジン0.44mL(5.4mmol)、ジクロロメタン10mL、およびp-TsC1.03g(5.4mmol)を室温で加えて、室温で5時間撹拌した。
次いで、反応溶液を飽和塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液で希釈した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジクロロメタンで3回抽出した。得られた抽出物をブライン液で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して、黄色固体を得た。
【0158】
(生成物の分析)
得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(24)で表される4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル]ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(24)で表される化合物の収量は311mg、収率は29%であった。
13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):8.65(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.97(s,1H),7.80(dd,J=8.1,2.3Hz,1H),7.72(d,J=8.2Hz,1H),7.65(d,J=8.2Hz,1H),7.56-7.53(m,2H),7.26(d,J=8.1Hz,2H),7.10(d,J=8.1Hz,2H),2.33(s,3H),1.17(s,12H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):143.4,141.0,136.5,134.9,130.5,130.4,129.1,128.8,128.2,127.9,127.1,126.9,126.4,125.7,84.3,24.6,21.4。
IR(KBr):3683,3445,2874,15211445,1384,1225,1111,792cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C23H26BNO4S[M]+:423.1676;Found:423.1676。
【0159】
【0160】
(1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[g]インドールの合成)
上述のようにして得られた4-メチル-N-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル]ベンゼンスルホンアミド85mg(0.20mmol)、炭酸カリウム(K2CO3)138mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム-クロロホルム付加体(Pd2(dba)3・CHCl35.2mg(0.0050mmol)およびエスフォス(SPhos)8.2mg(0.015mmol)のトルエン懸濁液2.2mLに2-ブロモ-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン39mg(0.20mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/1)で精製し、白色固体を得た。
【0161】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(25)で表される1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[g]インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(25)で表される化合物の収量は16mg、収率は20%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):8.93(d,J=8.3Hz,1H),8.26(d,J=1.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.3,1.4Hz,1H),7.66(s,1H),7.65(s,1H),7.57(d,J=8.3Hz,2H),7.45(ddd,J=7.6,7.0,1.5Hz,1H),7.40(ddd,J=7.6,7.0,1.5Hz,1H),7.12(d,J=8.3Hz,2H),2.23(s,3H)。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.9(s)。
IR(KBr):3020,1724,1614,1365,1210,1155,1051,779,671,582cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C20H14F3NO2S[M]+:389.0697;Found:389.0699。
【0162】
【0163】
[実施例16]
「1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
((E)-N-(2-ブロモフェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドの合成)
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン雰囲気下のシュレンク管に、リン酸三カリウム(K3PO4)1.70g(8.0mmol)、N-(2-ブロモフェニル)-p-トルエンスルホンアミド1.31g(4.0mmol)、およびジメチルホルムアミド(DMF)12mLを加えて、100℃で24時間撹拌した。
次いで、上記物質の混合物にジエチルエーテルを加え、有機物質を抽出した。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン=2/1から3/2)で精製して、黄色固体を得た。
【0164】
「生成物の分析」
得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、黄色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(26)で表される(E)-N-(2-ブロモフェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(26)で表される化合物の収量は1.21g、収率は72%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.74(dq,J=14.0Hz,JHF=2.0Hz,1H),7.68(dd,J=7.7,1.8Hz,1H),7.60(d,J=8.2Hz,2H),7.39-7.31(m,4H),7.04(dd,J=7.7,1.8Hz,1H),4.27(dq,J=14.0Hz,JHF=6.8Hz,1H),2.46(s,3H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):145.2,135.3(q,JCF=7Hz),135.1,134.6,133.8,130.1,130.0,129.9,128.0,127.9,124.7,124.2(q,JCF=268Hz),97.5(q,JCF=32Hz),21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.1(dd,JFH=7,2Hz)。
IR(KBr):2928,1666,1471,1342,1211,1109,909,776cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C16H13BrF3NO2S[M]+:418.9803;Found:418.9806。
【0165】
【0166】
(1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られた(E)-N-(2-ブロモフェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド84mg(0.20mmol)のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液4.0mLに、酢酸パラジウム4.5mg(0.020mmol)および酢酸ナトリウム33mg(0.40mmol)を加えて、80℃で12時間撹拌した。
その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にリン酸緩衝液(pH7)を加えて、反応を停止させた。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで3回抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1)で精製し、白色固体を得た。
【0167】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(27)で表される1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(27)で表される化合物の収量は41mg、収率は60%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMRおよび19F-NMRの測定データを以下に示す。
1H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.89(d,J=8.3Hz,1H),7.87(s,1H),7.74(d,J=8.3Hz,2H),7.57(d,J=7.8Hz,1H),7.32(dd,J=8.3,7.5Hz,1H),7.23(dd,J=7.8,7.5Hz,1H),7.18(d,J=8.3Hz,2H),2.27(s,3H)。
13C-NMR(126MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):145.9,134.7,134.6,130.2,127.1,126.1(q,JCF=6Hz),125.9,125.6,124.2,122.8(q,JCF=268Hz),120.2,113.6,112.9(q,JCF=38Hz),21.6。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):102.6(s)。
【0168】
【0169】
[実施例17]
「5-(tert-ブチル)-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
((E)-N-[2-ブロモ-4-(tert-ブチル)フェニル]-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドの合成)
N-[2-ブロモ-4-(tert-ブチル)フェニル]-p-トルエンスルホンアミド956mg(2.5mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)1.06g(5.0mmol)、およびジメチルホルムアミド(DMF)5.0mLを用いて、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン雰囲気下、100℃で24時間撹拌した。
以下、実施例16と同様の方法により、白色固体を得た。
【0170】
「生成物の分析」
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(28)で表される(E)-N-[2-ブロモ-4-(tert-ブチル)フェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)]ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(28)で表される化合物の収量は784mg、収率は66%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.65(dq,J=13.8Hz,JHF=1.6Hz,1H),7.58(d,J=2.1Hz,1H),7.55(d,J=8.1Hz,2H),7.27(dd,J=8.3,2.1Hz,1H),7.26(d,J=8.1Hz,2H),6.83(d,J=8.3Hz,1H),4.22(dq,J=13.8Hz,JHF=7.1Hz,1H),2.39(s,3H),1.25(s,9H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):155.3,145.0,135.5(q,JCF=7Hz),135.3,131.7,130.9,129.98,129.89,129.6,127.9,124.3(q,JCF=268Hz),124.2,97.5(q,JCF=36Hz),35.0,31.1,21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.2(dd,JFH=7,2Hz)。
IR(KBr):2969,1666,1342,1215,1107,909,780,741cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C20H21BrF3NO2S[M]+:475.0429;Found:475.0428。
【0171】
【0172】
(5-(tert-ブチル)-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られた(E)-N-[2-ブロモ-4-(tert-ブチル)フェニル]-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド95mg(0.20mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)4.0mLに、酢酸パラジウム4.5mg(0.020mmol)および酢酸ナトリウム25mg(0.30mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にリン酸緩衝液(pH7)を加えて、反応を停止させた。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで3回抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1)で精製し、白色固体を得た。
【0173】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(29)で表される5-(tert-ブチル)-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(29)で表される化合物の収量は34mg、収率は43%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.822(d,J=1.5Hz,1H),7.820(d,J=8.8Hz,1H),7.75(d,J=8.4Hz,2H),7.53(s,1H),7.39(dd,J=8.8,1.5Hz,1H),7.19(d,J=8.4Hz,2H),2.39(s,3H),1.26(s,9H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):147.5,145.7,134.6,132.7,130.3,130.1,127.1,126.0(q,JCF=5Hz),125.5,122.9(q,JCF=268Hz),116.0(d,J=11Hz),113.1,112.9(q,JCF=38Hz),34.8,31.5(d,JCF=11Hz),21.6。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.8(s)。
IR(KBr):2968,1598,1478,1382,1272,1192,1150,1038,763,669cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C20H20F3NO2S[M]+:395.1167;Found:395.1161。
【0174】
【0175】
[実施例18]
「5-フルオロ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
((E)-N-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドの合成)
N-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-p-トルエンスルホンアミド861mg(2.5mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)1.06g(5.0mmol)、およびジメチルホルムアミド(DMF)5.0mLを用いて、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン雰囲気下、100℃で24時間撹拌した。
以下、実施例16と同様の方法により、白色固体を得た。
【0176】
「生成物の分析」
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(30)で表される(E)-N-[2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)]ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(30)で表される化合物の収量は689mg、収率は63%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.66(dq,J=14.0Hz,JHF=1.9Hz,1H),7.53(d,J=8.4Hz,2H),7.34(dd,J=7.8,2.8Hz,1H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),7.05-6.95(m,2H),4.21(dq,J=14.0Hz,JHF=6.8Hz,1H),2.39(s,3H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):162.6(q,JCF=257Hz),145.4,135.3,134.8,133.0(dd,JCF=46,10Hz),130.0,127.9,125.6(d,JCF=11Hz),124.1(q,JCF=269Hz),121.9(ddd,JCF=36,25,25Hz),116.4(d,JCF=22Hz),115.9(d,JCF=23Hz),97.6(qd,JCF=36,5Hz),21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.1(dd,JFH=7.2Hz,3F),55.7(ddd,JFH=8,8,6Hz,1F)。
IR(KBr):3027,1666,1596,1486,1342,1220,1108,909,768cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C16H12BrF4NO2S[M]+:436.9708;Found:436.9730。
【0177】
【0178】
(5-フルオロ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られた(E)-N-(2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド88mg(0.20mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)4.0mLに、酢酸パラジウム4.5mg(0.020mmol)および酢酸ナトリウム25mg(0.30mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にリン酸緩衝液(pH7)を加えて、反応を停止させた。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで3回抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1)で精製し、白色固体を得た。
【0179】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(31)で表される5-フルオロ-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(31)で表される化合物の収量は24mg、収率は33%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.90-7.85(m,2H),7.74(d,J=8.4Hz,2H),7.24-7.22(m,3H),7.07(ddd,JHF=8.6Hz,J=8.6,2.2Hz,1H),2.31(s,3H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):159.9(d,JCF=244Hz),146.1,134.3,130.9,130.2,127.6(q,JCF=5Hz),127.1,126.5(d,JCF=11Hz),122.5(q,JCF=269Hz),114.9(d,JCF=10Hz),114.3(d,JCF=26Hz),112.7(qd,JCF=38,4Hz),106.0,21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):45.5(ddd,JFH=9,9,4Hz,1F),103.5(s,3F)。
IR(KBr):1379,1207,1142,1030,860,810,679,584cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C16H11F4NO2S[M]+:357.0447;Found:357.0444。
【0180】
【0181】
[実施例19]
「1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-5-フェニル-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成」
((E)-N-(3-ブロモ-[1,1´-ビフェニル]-4-イル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドの合成)
N-(3-ブロモ-[1,1´-ビフェニル]-4-イル)-p-トルエンスルホンアミド1.61mg(4.0mmol)、リン酸三カリウム(K3PO4)1.70g(8.0mmol)、およびジメチルホルムアミド(DMF)8.0mLを用いて、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン雰囲気下、100℃で24時間撹拌した。
以下、実施例16と同様の方法により、オレンジ色固体を得た。
【0182】
「生成物の分析」
得られたオレンジ色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られたオレンジ色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、オレンジ色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(32)で表される(E)-N-(3-ブロモ-[1,1´-ビフェニル]-4-イル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミドが得られたことが確認できた。また、化学式(32)で表される化合物の収量は747mg、収率は38%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.81(d,J=2.1Hz,1H),7.69(dq,J=14.0Hz,JHF=1.9Hz,1H),7.57(d,J=8.2Hz,2H),7.50-7.47(m,2H),7.40(dd,J=7.4,7.4Hz,2H),7.34(dd,J=7.4,7.4Hz,1H),7.26(d,J=8.2Hz,2H),7.00(d,J=8.2Hz,1H),4.30(dq,J=14.0Hz,JHF=6.8Hz,1H),2.39(s,3H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):145.2,144.6,143.3,139.8,138.1,135.4(q,JCF=7Hz),135.1,133.0,132.5,129.1,127.9,127.4,127.2,126.4,125.0,124.2(q,JCF=268Hz),97.7(q,JCF=34Hz),21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.2(dd,JFH=7,2Hz)。
IR(KBr):2929,1666,1597,1476,1375,1342,1220,1110,908,671cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C22H17BrF3NO2S[M]+:495.0116;Found:495.0108。
【0183】
【0184】
(1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-5-フェニル-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールの合成)
上述のようにして得られた(E)-N-(3-ブロモ-[1,1´-ビフェニル]-4-イル)-4-メチル-N-(3,3,3-トリフルオロプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼンスルホンアミド99mg(0.20mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)4.0mLに、酢酸パラジウム4.5mg(0.020mmol)および酢酸ナトリウム25mg(0.30mmol)を加えて、100℃で12時間撹拌した。
その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にリン酸緩衝液(pH7)を加えて、反応を停止させた。
反応終了後、反応溶液に含まれる有機物質をジエチルエーテルで3回抽出した。得られた抽出物を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させた。
次いで、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1)で精製し、白色固体を得た。
【0185】
(生成物の分析)
得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCF3を所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定した。また、得られた白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、13C-NMRを測定した。また、白色固体を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、1H-NMRを測定した。
その結果、下記の化学式(33)で表される1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-5-フェニル-3-(トリフルオロメチル)-1H-インドールが得られたことが確認できた。また、化学式(33)で表される化合物の収量は53mg、収率は64%であった。
19F-NMR、13C-NMRおよび1H-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
また、日本電子株式会社製のJMS-T100GCVにより、残留物のHRMS(EI)を測定した。
得られた化合物の1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR、IRおよびHRMS(EI)の測定データを以下に示す。
1H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):7.97(d,J=8.8Hz,1H),7.89(d,J=1.6Hz,1H),7.78(d,J=8.3Hz,2H),7.75(s,1H),7.56(dd,J=8.8,1.6Hz,1H),7.51(d,J=7.4Hz,2H),7.37(dd,J=7.4,7.4Hz,2H),7.28(dd,J=7.4,7.4Hz,1H),7.23(d,J=8.3Hz,2H),2.30(s,3H)。
13C-NMR(100MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):146.0,145.2,140.6,137.9,134.5,134.0,130.6,130.2(q,JCF=6Hz),128.9,127.4,127.1,126.6,126.2,125.6,122.8(q,JCF=269Hz),118.5,113.1(q,JCF=38Hz),21.7。
19F-NMR(376MHz、溶媒:CDCl3):δ(ppm):103.6(s)。
IR(KBr):2927,1718,1665,1597,1455,1382,1261,1150,1034,909,701,583cm-1。
HRMS(EI):m/z Calcd.for C22H16F3NO2S[M]+:415.0854;Found:415.0851。
【0186】