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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179878
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ブレード着脱具
(51)【国際特許分類】
   B24B 45/00 20060101AFI20241219BHJP
   B23D 61/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B24B45/00 A
B23D61/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099164
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古住 浩志
(72)【発明者】
【氏名】平原 直人
【テーマコード(参考)】
3C034
【Fターム(参考)】
3C034AA19
3C034BB65
3C034DD20
(57)【要約】
【課題】装着時のワッシャーブレードの破損を抑制することができるブレード着脱具を提供すること。
【解決手段】ブレード着脱具1は、ワッシャーブレードをスピンドル先端に固定されたフランジに着脱するためのものであって、円柱状の本体10と、本体10の一方の端面11の外周には、ワッシャーブレードに対応する位置で円周方向に複数形成され、ワッシャーブレードを吸引保持する吸引孔25と、気体を供給する供給口21と、気体を排出する排出口24と、吸引孔25に負圧を生成する流路26と、を少なくとも備え、ワッシャーブレードを本体10の一方の端面11に吸引保持する際は、吸引孔25に発生する負圧によって吸引保持され、ワッシャーブレードの吸引保持を解除する際は、排出口24を塞ぐことによって気体が吸引孔25から排出してワッシャーブレードの吸引保持を解除する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワッシャーブレードを切削装置のスピンドル先端に固定されたフランジに着脱するためのブレード着脱具であって、
円柱状の本体と、
該本体の一端面の外周には、該ワッシャーブレードに対応する位置で円周方向に複数形成され、該ワッシャーブレードを吸引保持する吸引孔と、
気体を供給する供給部と、気体を排出する排出部と、該吸引孔に負圧を生成する流路と、を少なくとも備え、
該ワッシャーブレードを該本体の一端面に吸引保持する際は、該吸引孔に発生する負圧によって吸引保持され、
該ワッシャーブレードの吸引保持を解除する際は、該排出部を塞ぐことによって気体が該吸引孔から排出して該ワッシャーブレードの吸引保持を解除する、
ブレード着脱具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワッシャーブレードを着脱するためのブレード着脱具に関する。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスが表面に複数形成されたシリコンウエーハは、裏面が研削されて所定の厚みに形成された後、切削装置によって個々のデバイスに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
切削装置に使用される切削ブレードの一つとして、公知のメタルブレード、レジンブレード等の環状の切削ブレード(ワッシャーブレード)があげられる。
【0004】
上記ワッシャーブレードは、運搬中の破損を防止するために、ブレードケースに収容されて、慎重に取り扱われている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、ワッシャーブレードは、製造現場にてブレードケースから作業者が切削ブレードを素手で取り、切削装置のスピンドルの先端に装着されたフランジに装着され、固定フランジと固定ナットによって、スピンドルの先端に固定されて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4431016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記ワッシャーブレードの厚さは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下と薄く、作業者がワッシャーブレードを素手で取り扱うと破損してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、装着時のワッシャーブレードの破損を抑制することができるブレード着脱具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のブレード着脱具は、ワッシャーブレードを切削装置のスピンドル先端に固定されたフランジに着脱するためのブレード着脱具であって、円柱状の本体と、該本体の一端面の外周には、該ワッシャーブレードに対応する位置で円周方向に複数形成され、該ワッシャーブレードを吸引保持する吸引孔と、気体を供給する供給部と、気体を排出する排出部と、該吸引孔に負圧を生成する流路と、を少なくとも備え、該ワッシャーブレードを該本体の一端面に吸引保持する際は、該吸引孔に発生する負圧によって吸引保持され、該ワッシャーブレードの吸引保持を解除する際は、該排出部を塞ぐことによって気体が該吸引孔から排出して該ワッシャーブレードの吸引保持を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、装着時のワッシャーブレードの破損を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係るブレード装着具の構成例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1に示されたブレード装着具を模式的に示す断面図である。
図3図3は、図1に示されたブレード装着具によりスピンドルの先端にワッシャーブレードが着脱される切削ユニットを分解して示す斜視図である。
図4図4は、図1に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードを保持する状態を模式的に示す断面図である。
図5図5は、図4に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードを保持した状態を模式的に示す断面図である。
図6図6は、図5に示されたブレード着脱具の一方の端面がスピンドルの先端に固定されたフランジに相対する状態を模式的に示す断面図である。
図7図7は、図6に示されたブレード着脱具の侵入凹部内にフランジのボス部を侵入させた状態を模式的に示す断面図である。
図8図8は、図7に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードをフランジに装着した状態を模式的に示す断面図である。
図9図9は、図8に示されたブレード着脱具がフランジから離された状態を模式的に示す断面図である。
図10図10は、実施形態2に係るブレード装着具の構成例を模式的に示す斜視図である。
図11図11は、図10に示されたブレード装着具を模式的に示す断面図である。
図12図12は、図10に示されたブレード装着具の一方の端面を模式的に示す斜視図である。
図13図13は、図10に示されたブレード着脱具の本体がワッシャーブレードを保持する状態を模式的に示す断面図である。
図14図14は、図13に示されたワッシャーブレードを保持したブレード着脱具の本体の一方の端面がスピンドルの先端に固定されたフランジに相対する状態を模式的に示す断面図である。
図15図15は、図14に示されたブレード着脱具の本体の侵入凹部内にフランジのボス部を侵入させた状態を模式的に示す断面図である。
図16図16は、図15に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードをフランジに装着した状態を模式的に示す断面図である。
図17図17は、ワッシャーブレードを取り外す際に、図10に示されたブレード着脱具の本体の侵入凹部内にフランジのボス部を侵入させた状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るブレード装着具を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るブレード装着具の構成例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示されたブレード装着具を模式的に示す断面図である。図3は、図1に示されたブレード装着具によりスピンドルの先端にワッシャーブレードが着脱される切削ユニットを分解して示す斜視図である。
【0014】
(切削ユニット)
図1及び図2に示すブレード着脱具1は、図3に示された切削装置の切削ユニット100のスピンドル120の先端にワッシャーブレード101を着脱するものである。ワッシャーブレード101は、図3に示すように、リング形状を有する極薄の切削砥石である。ワッシャーブレード101は、砥粒がボンドで固定された切り刃102を備え、実施形態1では、切り刃102のみで構成されている。実施形態1では、ワッシャーブレード101は、リング形状に形成され、内周側に円形の装着穴103が形成されている。ワッシャーブレード101は、図3に示された切削装置の切削ユニット100のスピンドル120に装着されて、半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハ等の被加工物を切削するものである。
【0015】
ワッシャーブレード101を装着する切削ユニット100は、図3に示すように、切削装置のY軸移動ユニットにより水平方向と平行なY軸方向に移動自在に設けられZ軸移動ユニットにより鉛直方向と平行なZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング110と、スピンドルハウジング110にY軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられかつ図示しないスピンドルモータにより軸心回りに回転されるスピンドル120と、スピンドル120の先端に固定されるフランジ130と、押さえフランジ140と、固定ねじ150と、ナット160と、ブレードカバー170と、切削水供給ノズル180とを備える。
【0016】
スピンドル120は、スピンドルハウジング110の先端面から先端が突出して設けられ、先端がスピンドルハウジング110に近付くにしたがって徐々に大径となるテーパ状(先細ともいう)に形成されている。また、スピンドル120は、先端面にねじ孔121が開口している。
【0017】
フランジ130は、スピンドル120の先端部に固定されて、ワッシャーブレード101を支持するものである。フランジ130は、Y軸方向に延在する円筒状のボス部131と、ボス部131のスピンドルハウジング110寄りの一端部に設けられた受けフランジ部132とを有している。
【0018】
ボス部131は、Y軸方向に延在し、外径が全長に亘ってワッシャーブレード101の中央の装着穴103の内径よりも小径に形成されている。ボス部131は、内周側の貫通孔133内にスピンドル120の先端部が挿入される。ボス部131は、貫通孔133の外周にZ軸方向と平行な段差面134が形成されている。また、ボス部131は、外周面に雄ねじ135が形成されている。
【0019】
受けフランジ部132は、ボス部131のスピンドルハウジング110寄りの軸方向後端から径方向に沿って外周方向に突出してボス部131の外径よりも大径な円環状に形成されている。受けフランジ部132は、外径がワッシャーブレード101の内径よりも大きくかつワッシャーブレード101の外径よりも小さい。受けフランジ部132は、外縁部にZ軸方向に沿って平坦でかつワッシャーブレード101を支持する支持面136と、支持面136よりも内周側でかつワッシャーブレード101の内径と外径が等しいリング状の環状凸部137とを備える。環状凸部137は、ワッシャーブレード101の装着穴103内に嵌め込まれて、ワッシャーブレード101を位置決めする。ボス部131と受けフランジ部132とは、同軸に配置されている。
【0020】
フランジ130は、貫通孔133内にスピンドル120の先端部が挿入され、貫通孔133を通ってスピンドル120の先端面に設けられたねじ孔121に固定ねじ150が螺合し、固定ねじ150の頭151が段差面134に密着することで、スピンドル120の先端に固定される。フランジ130は、ボス部131がワッシャーブレード101の装着穴103内に通されて、環状凸部137が装着穴103内に嵌め込まれて、受けフランジ部132の支持面136でワッシャーブレード101を支持する。
【0021】
押さえフランジ140は、中央にフランジ130のボス部131に装着される装着穴141を有した円環状に形成されている。押さえフランジ140は、内径がボス部131の外径と等しく、外径がワッシャーブレード101の外径よりも小径である。押さえフランジ140は、装着穴141内にフランジ130のボス部131の先端部を通して、フランジ130の支持面136との間にワッシャーブレード101を挟持する。
【0022】
ナット160は、円環状に形成され、ボス部131の雄ねじ135と螺合する雌ねじ161が内周面に形成されている。ナット160は、押さえフランジ140の装着穴141内にスピンドル120に固定されたフランジ130のボス部131が通され、押さえフランジ140が支持面136との間にワッシャーブレード101を挟持した状態でフランジ130のボス部131の雄ねじ135に雌ねじ161が螺合して、ボス部131に締結する。ナット160は、ボス部131に締結することで、フランジ130と押さえフランジ140との間にワッシャーブレード101を挟持して、固定する。
【0023】
ブレードカバー170は、スピンドルハウジング110の先端面に固定されたブレードカバー本体171と、ブレードカバー本体171に対して水平方向に沿いかつY軸方向に対して直交するX軸方向にスライド可能なスライドカバー172とを備える。ブレードカバー本体171は、スピンドル120の先端部を露出する構成となっている。
【0024】
スライドカバー172は、エアシリンダ173を介してブレードカバー本体171に連結されており、エアシリンダ173に供給される加圧されたエアによりブレードカバー本体171に対してX軸方向にスライドする。スライドカバー172は、図3に実線で示すブレードカバー本体171から離れてスピンドル120の先端部にフランジ130を介してワッシャーブレード101を着脱する着脱位置と、図3に破線で示すワッシャーブレード101の上方を覆う覆い位置とに亘ってスライドする。
【0025】
切削水供給ノズル180は、スライドカバー172の下端部に一対固定されている。実施形態1では、切削水供給ノズル180は、側方からみて略L字状に延在し、互いの間にワッシャーブレード101の下端部を位置付ける。切削水供給ノズル180は、図示しない切削水供給源から切削水(実施形態1では、純水)が供給され、供給された切削水をワッシャーブレード101に供給して、ワッシャーブレード101を冷却、洗浄する。
【0026】
ワッシャーブレード101は、フランジ130,140で挟持された状態で切削装置の切削ユニット100のスピンドル120に装着される。なお、実施形態1では、ワッシャーブレード101は、厚みが一定であり、0.1mm以上でかつ0.3mm以下である。
【0027】
(ブレード着脱具)
実施形態1に係るブレード着脱具1は、ワッシャーブレード101を切削装置の切削ユニット100のスピンドル120の先端に固定されたフランジ130に着脱するための治具である。ブレード着脱具1は、図1及び図2に示すように、円柱状の本体10と、気体流路20とを備える。
【0028】
本体10は、外径がワッシャーブレード101の外径よりも小さくかつワッシャーブレード101の内径よりも大きな円柱状に形成されている、本体10は、円形の一方の端面11(一端面に相当)が軸心に対して直交する方向に平坦に形成され、一方の端面11にフランジ130のボス部131が侵入する侵入凹部12と、ワッシャーブレード101の装着穴103内に嵌め込まれてワッシャーブレード101を位置決めする位置決め凸部13とを備えている。
【0029】
侵入凹部12は、一方の端面11から凹に形成され、内径がボス部131の外径よりも大きな平面視が円形の凹みに形成されている。侵入凹部12の一方の端面11からの深さは、ボス部131の先端の受けフランジ部132からの突出量よりも深い。位置決め凸部13は、一方の端面11から凸でかつ外径がワッシャーブレード101の内径と等しい円環状に形成され、侵入凹部12と同軸となる位置に配置されている。実施形態1では、位置決め凸部13の一方の端面11からの突出量は、ワッシャーブレード101の切り刃102の厚みと等しい又は若干大きい。
【0030】
気体流路20は、気体供給源2から供給された加圧された気体を本体10内で流して本体10外に排出する本体10内に設けられた空間である。気体流路20は、供給口21(供給部に相当)と、気体供給通路22と、絞り部23と、排出口24(排出部に相当)と、吸引孔25と、流路26とを備えている。
【0031】
供給口21は、本体10の外表面に開口して、可撓性を有するパイプ3等を介して気体供給源2に連結している。実施形態1では、供給口21は、本体10の円形の他方の端面14に開口している。供給口21は、気体供給源2からの気体を本体10内に供給する。
【0032】
気体供給通路22は、一端が供給口21に連結して、供給口21を介して気体供給源2からの気体を流す本体10内に設けられた通路である。実施形態1では、気体供給通路22は、供給口21に連結した一端から本体10の軸心に沿って延在し、本体10の外周面15に向かって屈曲している。
【0033】
絞り部23は、一端が気体供給通路22の他端に連結し、気体供給通路22から本体10の外周面15に向かって延びている。絞り部23は、気体供給通路22から離れるのにしたがって徐々に断面における開口面積が減少するように、気体供給通路22から離れるのにしたがって徐々に細く形成されている。
【0034】
排出口24は、絞り部23の他端に連結し、本体10の外周面15に開口して、気体を排出するものである。
【0035】
吸引孔25は、本体10の一方の端面11の位置決め凸部13よりも外周に開口し、本体10の一方の端面11の位置決め凸部13よりも外周に円周方向に間隔をあけて複数形成されて、一方の端面11にワッシャーブレード101を吸引保持するものである。なお、本体10の一方の端面11の位置決め凸部13よりも外周とは、位置決め凸部13により位置決めされたワッシャーブレード101により対応する位置である。実施形態1では、吸引孔25は、位置決め凸部13により位置決めされたワッシャーブレード101により塞がれる。
【0036】
流路26は、吸引孔25に負圧(大気圧よりも低い気圧)を生成するものである。流路26は、吸引孔連結部27と、連結流路28とを備える。吸引孔連結部27は、各吸引孔25に連結する孔連結部271と、本体10の内部の中央に設けられ、全ての孔連結部271が連結した連結空間272とを備える。
【0037】
連結流路28は、両端が連結空間272と絞り部23の他端に連結しており、連結空間272から絞り部23の他端に向かうにしたがって徐々に絞り部23及び本体10の外周面15に近付く方向に延在して、絞り部23内の気体の流れる方向の後方側から絞り部23の他端に連結している。流路26は、排出口24が気体供給源2からの気体を排出する状態において、連結流路28が絞り部23内を流れる気体により吸引され、連結流路28が絞り部23内を流れる気体により吸引されることで、各吸引孔25に負圧を生成する。
【0038】
次に、前述した構成のブレード着脱具1を用いてワッシャーブレード101を切削装置の切削ユニット100のスピンドル120の先端に固定されたフランジ130に装着する方法を図面に基づいて説明する。図4は、図1に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードを保持する状態を模式的に示す断面図である。図5は、図4に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードを保持した状態を模式的に示す断面図である。図6は、図5に示されたブレード着脱具の一方の端面がスピンドルの先端に固定されたフランジに相対する状態を模式的に示す断面図である。図7は、図6に示されたブレード着脱具の侵入凹部内にフランジのボス部を侵入させた状態を模式的に示す断面図である。図8は、図7に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードをフランジに装着した状態を模式的に示す断面図である。図9は、図8に示されたブレード着脱具がフランジから離された状態を模式的に示す断面図である。
【0039】
切削装置の切削ユニット100は、ワッシャーブレード101が装着される前には、スピンドル120の軸心回りの回転が停止され、スライドカバー172が着脱位置に位置付けられ、ナット160及び押さえフランジ140がボス部131から取り外されている。まず、ブレード着脱具1は、気体供給源2から供給口21に加圧された気体が供給される。すると、気体は、図4に矢印で示すように、供給口21から気体供給通路22、絞り部23内を流れて排出口24から本体10外に排出される。
【0040】
また、本体10に供給された気体は、絞り部23内を流れる際に流速が加速され、流路26内を吸引して、吸引孔25を吸引して、吸引孔25に負圧を生成する。ブレード着脱具1は、図4に示すように、本体10の一方の端面11が図示しないブレードケース内のワッシャーブレード101に相対された後、図5に示すように、吸引孔25によりワッシャーブレード101を吸引して一方の端面11にワッシャーブレード101を吸引保持する。このとき、位置決め凸部13が装着穴103内に嵌め込まれて、ブレード着脱具1は、ワッシャーブレード101を本体10の一方の端面11に位置決めする。
【0041】
ブレード着脱具1は、図6に示すように、ワッシャーブレード101吸引保持した本体10の一方の端面11がフランジ130のボス部131に相対された後、侵入凹部12内にボス部131を侵入させて、図7に示すように、位置決め凸部13をフランジ130の環状凸部137に当接される。ブレード着脱具1は、図8に示すように、オペレータの指等により排出口24が塞がれる。
【0042】
すると、排出口24から本体10外に排出されていた気体が、図8に矢印で示すように、絞り部23の他端から流路26内に侵入して、吸引孔25から排出される。すると、ワッシャーブレード101が、図8に示すように、フランジ130の受けフランジ部132に向かって押し出されて、装着穴103内に環状凸部137が嵌め込まれ、支持面136で支持されて、フランジ130に装着される。ブレード着脱具1は、図9に示すように、フランジ130から離される。
【0043】
こうして、ブレード着脱具1は、ワッシャーブレード101を本体10の一方の端面11に吸引保持する際は、吸引孔25に発生する負圧によってワッシャーブレード101が吸引保持され、ワッシャーブレード101の吸引保持を解除する際は、排出口24を塞ぐことによって気体が吸引孔25から排出してワッシャーブレード101の吸引保持を解除する。また、ブレード着脱具1は、ワッシャーブレード101をフランジ130から取り外す際には、ワッシャーブレード101を装着する際と逆の動作によりワッシャーブレード101をフランジ130から取り外す。
【0044】
以上説明したように、実施形態1に係るブレード着脱具1は、本体10の一方の端面11の位置決め凸部13の外周の吸引孔25と、本体10内に気体を供給する供給口21と、気体を排出する排出口24と、供給口21から排出口24まで気体を供給する気体供給通路22と、絞り部23の他端に連結しかつ吸引孔25に連結した流路26とを備えている。このために、ブレード着脱具1は、排出口24が開放されると、絞り部23内を流れる気体により流路26を介して吸引孔25が吸引されて、一方の端面11にワッシャーブレード101を吸引保持できる。
【0045】
また、実施形態1に係るブレード着脱具1は、侵入凹部12内にボス部131を侵入させて、排出口24が塞がれることにより、気体を吸引孔25から排出して、ワッシャーブレード101をフランジ130に装着することができる。
【0046】
このために、実施形態1に係るブレード着脱具1は、オペレータ等がワッシャーブレード101を触れることなく、一方の端面11に吸引保持でき、ワッシャーブレード101をフランジ130に着脱することができる。その結果、実施形態1に係るブレード着脱具1は、オペレータがワッシャーブレード101を触れることなく、切削装置のスピンドル120の先端に固定されたフランジ130に着脱することができ、装着時のワッシャーブレード101の破損を抑制することができるという効果を奏する。
【0047】
〔実施形態2〕
実施形態2に係るブレード装着具を図面に基づいて説明する。図10は、実施形態2に係るブレード装着具の構成例を模式的に示す斜視図である。図11は、図10に示されたブレード装着具を模式的に示す断面図である。図12は、図10に示されたブレード装着具の一方の端面を模式的に示す斜視図である。なお、図10図11及び図12は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、図10及び図11に示すように、ガン本体30と、本体10と、気体流路20-2とを備える。ガン本体30は、オペレータが把持する把持部31と、把持部31に連なった本体部32とを備える。把持部31と、本体部32とはそれぞれ直線状に延在している。本体部32は、基端が把持部31の先端に連なり、把持部31の長手方向に対して交差している。また、実施形態2に係るブレード着脱具1のガン本体30は、把持部31と本体部32とが一体に形成され、互いに間隔をあけて平行に配置された2枚の板部材33により構成されている。
【0049】
また、ガン本体30は、2枚の板部材33の把持部31の先端に回転自在に支持した操作レバー34と、本体部32の先端部に回転自在に支持した切り換えレバー35と、切り換え機構36とを備える。レバー34,35は、棒状に形成され、2枚の板部材33間に回転中心が配置されている。操作レバー34は、一端部が板部材33に回転自在に支持され、他端部が把持部31よりも本体部32の先端側に配置されている。操作レバー34は、基端部が把持部31に近付く方向に図示しない付勢手段により付勢されている。
【0050】
切り換えレバー35は、長手方向の中央部が板部材33に回転自在に支持されている。
【0051】
切り換え機構36は、切り換えレバー35の一端部に回転自在に連結して、切り換えレバー35が中央部を中心として回転されることで、本体部32の長手方向に沿ってスライドするスライド部材37と、板部材33に固定されかつスライド部材37を本体部32の長手方向に沿ってスライドさせる案内部材38とを備えている。切り換えレバー35は、一端部が切り換えレバー35の一端部に回転自在に連結し、一端部よりも他端部が本体部32の基端即ち把持部31側に位置している。切り換えレバー35の他端部には貫通孔39が貫通している。
【0052】
なお、操作レバー34の回転中心、切り換えレバー35の回転中心及びスライド部材37の切り換えレバー35に対する回転中心は、本体部32の長手方向に対して直交し、互いに平行である。
【0053】
実施形態2に係るブレード着脱具1の本体10は、他方の端面14がガン本体30の本体部32の先端に取り付けられて、両端面11,14が本体部32の長手方向に対して直交している。本体10は、実施形態1と同様に、図12に示すように、一方の端面11に侵入凹部12と、吸引孔25と、位置決め凸部13とが形成されている。
【0054】
気体流路20-2は、図11に示すように、気体を本体10内に供給する供給部としての開閉バルブ41と、開閉バルブ41に連結した分岐継手42と、吸引孔25と、噴出孔43と、流路26-2と、第2流路47とを備えている。
【0055】
開閉バルブ41は、ガン本体30の2枚の板部材33間でかつ把持部31の基端に配置されて、気体供給源2から加圧された気体が供給される。開閉バルブ41は、内部に気体を通す流路が形成され、流路を開閉する弁体を収容したバルブ本体411と、バルブ本体411に回転自在に設けられたリンクレバー412と、バルブ本体411に突没自在に設けられ、かつリンクレバー412の長手方向の中央部と相対する開閉部材413とを備える。
【0056】
リンクレバー412は、一端部がバルブ本体411に回転自在に支持され、他端部が操作レバー34の他端部の把持部31側に接触している。リンクレバー412は、他端部が操作レバー34の他端部に向かう方向に図示しない付勢手段により付勢されている。開閉部材413は、バルブ本体411から突出すると、弁体にバルブ本体411内の流路を閉じさせ、バルブ本体411に没すると弁体にバルブ本体411内の流路を開かせる。
【0057】
開閉バルブ41は、図11に示すように操作レバー34の他端部が把持部31から離れた状態では開閉部材413がバルブ本体411から突出して、弁体にバルブ本体411内の流路を閉じさせて、気体供給源2からの気体の流路内の流れを遮断する。開閉バルブ41は、図11に示す位置から操作レバー34の他端部が把持部31に近づけられると、リンクレバー412の他端部が操作レバー34の他端部から押圧されて、リンクレバー412の中央部が開閉部材413をバルブ本体411に向かって押圧して、開閉部材413をバルブ本体411に没しさせる。すると、開閉バルブ41は、弁体にバルブ本体411内の流路を開かせて、気体供給源2からの気体を流路内に流す。
【0058】
分岐継手42は、ガン本体30の2枚の板部材33間に配置されている。分岐継手42は、内部に流路が形成され、入口421を1つ備え、出口422,423を2つ備えた管継手である。分岐継手42は、入口421が開閉バルブ41に連結し、開いた開閉バルブ41を介して気体供給源2からの気体を分岐して、2つの出口422,423それぞれから排出する。分岐継手42は、入口421と2つの出口422,423とが互いに平行である。
【0059】
噴出孔43は、図12に示すように、本体10の一方の端面11の位置決め凸部13の先端に面に開口し、本体10の円周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0060】
流路26-2は、吸引孔25に負圧を生成するものであり、本体10内に形成された吸引孔連結部27と、連結流路44とを備えている。吸引孔連結部27は、実施形態1と同様に、孔連結部271と、連結空間272とを備える。
【0061】
連結流路44は、連結空間272と分岐継手42とを連結するものである。連結流路44は、第2分岐継手45と、連結管46とを備える。第2分岐継手45は、ガン本体30の2枚の板部材33間に配置されている。第2分岐継手45は、内部に流路が形成され、入口451を1つ備え、出口452,453を2つ備えた管継手である。
【0062】
実施形態2では、第2分岐継手45は、入口451と一方の出口452とが同一直線状に配置され、他方の出口453が入口451及び一方の出口452と直交している。入口451は、分岐継手42の一方の出口422に連結している。第2分岐継手45の一方の出口452は、ガン本体30の本体部32外に突出して、気体供給源2から開閉バルブ41及び分岐継手42等を介して挟持された気体を排出する排出部である。
【0063】
第2分岐継手45の一方の出口452は、図11に示すように、切り換えレバー35の一端部よりも他端部が本体10側に位置すると、スライド部材37の貫通孔39と重なって開放される。また、第2分岐継手45の一方の出口452は、切り換えレバー35の一端部よりも他端部が把持部31側に位置すると、スライド部材37により塞がれる。
【0064】
連結管46は、内部に流路が形成された配管である。連結管46は、一端が第2分岐継手45の他方の出口453に連結し、他端が連結空間272に連結している。流路26-2は、排出部である第2分岐継手45の一方の出口452が気体供給源2からの気体を排出する状態において、連結管46が第2分岐継手45の入口451から一方の出口452に向かって流れる気体により吸引され、連結管46が第2分岐継手45の入口451から一方の出口452に向かって流れる気体により吸引されることで、各吸引孔25に負圧を生成する。
【0065】
第2流路47は、本体10内に形成された噴出孔連結部48と、第2連結流路49とを備えている。噴出孔連結部48は、各噴出孔43に連結する孔連結部481と、本体10の内部の中央に設けられ、全ての孔連結部481が連結しかつ連結空間272とは独立した(即ち非連通の)第2連結空間482とを備える。
【0066】
第2連結流路49は、第2連結空間482と分岐継手42とを連結するものである。第2連結流路49は、内部に流路が形成された配管である。第2連結流路49は、一端が分岐継手42の他方の出口423に連結し、他端が第2連結空間482に連結している。第2流路47は、分岐継手42及び開閉バルブ41を介して気体供給源2から供給される気体を噴出孔43から噴出させる。
【0067】
また、実施形態2において、本体10は、図12に示すように、位置決め凸部13の先端面に噴出孔43同士を連通する環状の連結溝16と、連結溝16即ち噴出孔43と位置決め凸部13の外周面とに開口した排出溝17とが形成されている。このために、実施形態2では、噴出孔43は、連結溝16の底に開口している。排出溝17は、位置決め凸部13の周方向に間隔(実施形態2では、等間隔)をあけて複数形成されている。
【0068】
次に、前述した構成のブレード着脱具1-2を用いてワッシャーブレード101を切削装置のスピンドル120の先端に固定されたフランジ130に装着する方法を図面に基づいて説明する。図13は、図10に示されたブレード着脱具の本体がワッシャーブレードを保持する状態を模式的に示す断面図である。図14は、図13に示されたワッシャーブレードを保持したブレード着脱具の本体の一方の端面がスピンドルの先端に固定されたフランジに相対する状態を模式的に示す断面図である。図15は、図14に示されたブレード着脱具の本体の侵入凹部内にフランジのボス部を侵入させた状態を模式的に示す断面図である。図16は、図15に示されたブレード着脱具がワッシャーブレードをフランジに装着した状態を模式的に示す断面図である。図17は、ワッシャーブレードを取り外す際に、図10に示されたブレード着脱具の本体の侵入凹部内にフランジのボス部を侵入させた状態を模式的に示す断面図である。
【0069】
まず、ブレード着脱具1-2は、気体供給源2から供給口21に加圧された気体が供給されて、気体が開閉バルブ41に供給され、切り換えレバー35の一端部よりも他端部が本体10側に位置付けられる。ブレード着脱具1-2は、付勢手段の付勢力に抗して、操作レバー34の他端部が把持部31に近付く方向に操作レバー34が一端部を中心に回転されると、操作レバー34によりリンクレバー412及び開閉部材413等が押圧されて、開閉バルブ41が開く。
【0070】
すると、ブレード着脱具1-2は、開閉バルブ41、分岐継手42を介して気体供給源2から供給された気体が第2分岐継手45の一方の出口452から排出され、他方の出口453及び連結管46等を介して吸引孔25が吸引されて、吸引孔25に負圧を生成する。ブレード着脱具1-2は、図13に示すように、本体10の一方の端面11が図示しないブレードケース内のワッシャーブレード101に相対された後、吸引孔25によりワッシャーブレード101を吸引して一方の端面11にワッシャーブレード101を吸引保持する。
【0071】
このとき、位置決め凸部13が装着穴103内に嵌め込まれて、ブレード着脱具1-2は、ワッシャーブレード101を本体10の一方の端面11に位置決めする。また、ブレード着脱具1-2は、開閉バルブ41、分岐継手42を介して気体供給源2から供給された気体が、第2流路47を介して噴出孔43から噴出している。
【0072】
ブレード着脱具1-2は、図14に示すように、ワッシャーブレード101吸引保持した本体10の一方の端面11がフランジ130のボス部131に相対された後、侵入凹部12内にボス部131を侵入させて、図15に示すように、位置決め凸部13をフランジ130の環状凸部137に当接される。すると、ブレード着脱具1-2は、噴出孔43から噴出される気体が連結溝16を通って排出溝17から排出されているので、排出溝17から排出される気体の流れによりベルヌーイ効果を生じて、一方の端面11に吸引保持したワッシャーブレード101上等が負圧になり、本体10即ちワッシャーブレード101とフランジ130とが互いに同軸となるように調芯される。
【0073】
ブレード着脱具1-2は、切り換えレバー35の他端部が一端部よりも把持部31に近付く方向に切り換えレバー35が中央部を中心に回転されると、切り換えレバー35によりスライド部材37がスライド移動して、スライド部材37により排出口である第2分岐継手45の一方の出口452が塞がれる。すると、ブレード着脱具1-2は、第2分岐継手45の一方の出口452から排出されていた気体が、他方の出口453、連結管46等を介して吸引孔25から排出される。すると、ワッシャーブレード101が、図16に示すように、フランジ130の受けフランジ部132に向かって押し出されて、装着穴103内に環状凸部137が嵌め込まれ、支持面136で支持されて、フランジ130に装着される。
【0074】
こうして、ブレード着脱具1-2は、ワッシャーブレード101をフランジ130に装着する際に用いられる。また、ブレード着脱具1-2は、ワッシャーブレード101をフランジ130から取り外す際には、ワッシャーブレード101を装着する際と逆の動作によりワッシャーブレード101をフランジ130から取り外す。
【0075】
なお、ワッシャーブレード101をフランジ130から取り外す際に、ブレード着脱具1-2は、切り換えレバー35の一端部よりも他端部が本体10側に位置付けられて吸引孔25に負圧を発生させた状態で、侵入凹部12内にボス部131を侵入させて、位置決め凸部13をフランジ130の環状凸部137に当接させる。すると、ブレード着脱具1-2は、噴出孔43から噴出し、連結溝16を通って排出溝17から排出される気体の流れで生じるベルヌーイ効果即ち負圧により、図17に示すように、装着穴103に位置決め凸部13が嵌め込まれるようにワッシャーブレード101を一方の端面11にひきつける。その後、ブレード着脱具1は、吸引孔25からワッシャーブレード101を吸引して、一方の端面11にワッシャーブレード101を吸引保持する。
【0076】
実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、本体10の一方の端面11の位置決め凸部13の外周の吸引孔25と、気体を供給する開閉バルブ41と、気体を排出する排出部である第2分岐継手45の一方の出口452と、開閉バルブ41から排出部である一方の出口452まで気体を供給する分岐継手42と、第2分岐継手45の他方の出口453と吸引孔25に連結した連結管46とを備えている。このために、ブレード着脱具1-2は、排出部である一方の出口452が開放されると、第2分岐継手45内を流れる気体により連結管46を介して吸引孔25が吸引されて、一方の端面11にワッシャーブレード101を吸引保持できる。
【0077】
また、実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、侵入凹部12内にボス部131を侵入させて、排出部である一方の出口452が塞がれることにより、気体を吸引孔25から排出して、ワッシャーブレード101をフランジ130に装着することができる。
【0078】
その結果、実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、実施形態1と同様に、オペレータがワッシャーブレード101を触れることなく、切削装置のスピンドル120の先端に固定されたフランジ130に着脱することができ、装着時のワッシャーブレード101の破損を抑制することができるという効果を奏する。
【0079】
また、実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、吸引孔25に負圧を発生させる状態と、吸引孔25から気体を排出する状態とを切り換える切り換えレバー35と切り換え機構36とを備える。このために、実施形態2に係るブレード着脱具1は、本体10の一方の端面11にワッシャーブレード101を確実に保持でき、ワッシャーブレード101をフランジ130に確実に装着することができる。
【0080】
また、実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、本体10の位置決め凸部13に形成された連結溝16の底に開口した噴出孔43から気体を噴出し、連結溝16と位置決め凸部13の外周面とに排出溝17が開口している。このために、実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、フランジ130に装着される際に、排出溝17から噴出させる気体が生じるベルヌーイ効果により本体10をフランジ130に対して調芯することができる。また、実施形態2に係るブレード着脱具1-2は、フランジ130からワッシャーブレード101を取り外す際に、排出溝17から噴出させる気体が生じるベルヌーイ効果により本体10の一方の端面11にワッシャーブレード101を引き寄せることができる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
1,1-2 ブレード着脱具
10 本体
11 一方の端面(一端面)
21 供給口(供給部)
24 排出口(排出部)
25 吸引孔
26,26-2 流路
41 開閉バルブ(供給部)
101 ワッシャーブレード
120 スピンドル
130 フランジ
452 一方の出口(排出部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17