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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180270
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20241219BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241219BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/34
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031555
(22)【出願日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2023099594
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 達也
(72)【発明者】
【氏名】柳 輝一
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC621
4C083AC622
4C083AC681
4C083AC682
4C083AD042
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD531
4C083AD532
4C083CC04
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】とろみを有し、エタノールを実質的に含まず、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられる化粧料組成物の提供。
【解決手段】寒天と、ジグリセリンと、水と、を含み、エタノールの含有率が化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であり、25℃における粘度が10mPa・s~400mPa・sである、化粧料組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寒天と、
ジグリセリンと、
水と、
を含み、
エタノールの含有率が化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であり、
25℃における粘度が10mPa・s~400mPa・sである、化粧料組成物。
【請求項2】
寒天の含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、0.1質量%~1.5質量%である、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
ジグリセリンの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、3.0質量%~40質量%である、請求項1又は請求項2に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
ジグリセリンの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、3.0質量%~30質量%であり、寒天に対するジグリセリンの含有比が、質量基準で5~400である、請求項1又は請求項2に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
抗炎症成分を更に含み、抗炎症成分が、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、及びトラネキサム酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
寒天に対する抗炎症成分の含有比が、質量基準で0.03~20である請求項5に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
化粧水である、請求項1又は請求項2に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、肌に直接塗布する化粧料(例えば、化粧水)に対する消費者の志向性は多様化している。有効成分の効果、特徴的な使用感(使用時の崩れ感、肌なじみ、等)、製品の外観、製品の操作性等といった様々な観点が、消費者が製品を購入する動機付けになることがあるため、製品開発も多様化している。
【0003】
例えば、特許文献1には、化粧料等の皮膚外用剤に適用される組成物として、「20℃直下における0.005~0.4重量%の水溶液が、非ビンガム流体挙動を示す多糖類(A)一種以上と、20℃直下における0.005~0.4重量%の水溶液が、ニュートン流体挙動又は擬塑性流体挙動を示す多糖類(B)一種以上とを含有し、20℃でB型粘度計で測定した粘度が2,500mPa・s以下である、組成物。」が記載されている。この組成物は、使用時のくずれ感を有するとされている。
特許文献2には、「粉体を含有する平均粒径0.5~10mmの寒天ゲル粒子を、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上、及び、天然ガム質を含有する水性媒体に分散してなることを特徴とする化粧料。」が記載されている。この化粧料は、肌上で均一に伸び広がる肌なじみを有するとされている。
特許文献3には、「(A)寒天、(B)キサンタンガム、(C)ローカストビーンガム、(D)水、を含有するジェル状組成物。」が記載されている。このジェル状組成物は、ミストディスペンサー等の通常の化粧料用噴霧器に充填して使用できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-85361号公報
【特許文献2】特開2014-181224号公報
【特許文献3】特開2013-13943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある特定の使用感又は操作性に着目した化粧料組成物の開発は、広く行われている。
しかしながら、「うるおい感」及び「浸透感(即ち、肌なじみの早さ)」といった原理的に相反する使用感を両立させた化粧料組成物の実現は、技術的に困難であった。
使用者に「肌なじみの早さ」を実感させる化粧料組成物という観点からは、例えば、エタノール等の揮発性溶媒を化粧料組成物に添加することで、肌に化粧料組成物を塗布した際に、あたかも迅速に浸透した感触を使用者に与える方法が、広く知られている。しかし、エタノールに対して過敏な使用者にも対処するために、エタノールをできる限り配合しない処方設計が可能な化粧料組成物が望まれている。
また、保湿感を使用者に想起させる外観性状、及び、塗布時に手に取る際の操作性の観点から、とろみを有する化粧料組成物に対する需要も高い。
【0006】
本開示の一実施形態は、とろみを有し、エタノールを実質的に含まず、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられる化粧料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は以下の態様を含む。
[1] 寒天と、ジグリセリンと、水と、を含み、エタノールの含有率が化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であり、25℃における粘度が10mPa・s~400mPa・sである、化粧料組成物。
[2] 寒天の含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、0.1質量%~1.5質量%である、[1]に記載の化粧料組成物。
[3] ジグリセリンの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、3.0質量%~40質量%である、[1]又は[2]に記載の化粧料組成物。
[4] ジグリセリンの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、3.0質量%~30質量%であり、寒天に対するジグリセリンの含有比が、質量基準で5~400である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化粧料組成物。
[5] 抗炎症成分を更に含み、抗炎症成分が、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、及びトラネキサム酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の化粧料組成物。
[6] 寒天に対する抗炎症成分の含有比が、質量基準で0.03~20である[5]に記載の化粧料組成物。
[7] 化粧水である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の化粧料組成物。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、とろみを有し、エタノールを実質的に含まず、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられる化粧料組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の化粧料組成物の実施形態の一例について詳細に説明する。以下に記載する要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施できる。
【0010】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0011】
本開示において、化粧料組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が化粧料組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、化粧料組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0012】
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義である。
本開示において、「工程」という語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0013】
[化粧料組成物]
本開示に係る化粧料組成物は、寒天と、ジグリセリンと、水と、を含み、エタノールの含有率が化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であり、25℃における粘度が10mPa・s~400mPa・sである。
【0014】
本開示に係る化粧料組成物は、寒天と、ジグリセリンと、水と、を含み、エタノールの含有率が化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であり、25℃における粘度が10mPa・s~400mPa・sであることにより、とろみを有し、エタノールを実質的に含まず、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられる。一方、特許文献1~3においては、このような組成物は想定されていない。
【0015】
本開示において、化粧料組成物が、とろみを有するか否かは、化粧料組成物の外観性状を目視で観察して判定する。具体的には、とろみの有無は、後述する実施例に記載する方法により判定するものとする。
【0016】
本開示に係る化粧料組成物において、エタノールの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であることは、化粧料組成物がエタノールを実質的に含まないことを意味する。即ち、本開示において、エタノールを実質的に含まないとは、エタノールの含有率が化粧料組成物の全質量に対して0質量%であるか、0質量%超1質量%以下であることを意味する。
【0017】
本開示に係る化粧料組成物は、エタノールの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であることから、エタノールをできる限り配合しない処方設計を可能とするものであり、エタノールに対して過敏な使用者にも対処することができる。
【0018】
〔(A)寒天〕
本開示に係る化粧料組成物は、寒天を含む。
寒天は、本開示に係る化粧料組成物において、増粘剤として機能することができる。
【0019】
本開示に係る化粧料組成物は、寒天を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0020】
寒天は、医薬品、医薬部外品、及び化粧品において、通常用いられている寒天であれば、特に制限されない。
【0021】
寒天としては、例えば、ゼリー強度が、10g/cm~900g/cmである寒天を好適に用いることができる。ゼリー強度が、50g/cm~250g/cmである寒天が好ましい。ある態様においては、ゼリー強度が、80g/cm~250g/cmである寒天であってもよい。
【0022】
寒天のゼリー強度(g/cm)は、日寒水式によるゼリー強度で表される。日寒水式によるゼリー強度とは、日本寒天製造水産組合が採用した日寒水式ゼリー強度測定器を用いて測定される値であり、濃度1.5質量%の寒天水溶液を20℃で15時間放置して凝固させたゲルを作製し、ゲルの表面1cm当たりが20秒間耐えうる最大荷重(g)を意味する。
【0023】
寒天は市販品として入手することができる。寒天として市販品を用いる場合には、ゼリー強度は、カタログ値を採用する。
【0024】
市販品の例としては、例えば、伊那寒天AX-30、AX-100、AX-200、BX-100、BX-200、CS-120、UX-30、UX-100、UX-200、イーナ、SV-100、USV-100、TR-100、UTR-100、CS-320、CS-310、CS-6、CS-7、CS-8、CS-83、CS-33、CS-200、CS-166、CS-377及び、カリコリカン(いずれも伊那食品工業株式会社)などが挙げられる。
【0025】
肌に塗布した際の使用感(即ち、うるおい感と肌なじみの早さとの両立)の観点からは
、寒天としては、UX-100(ゼリー強度:80g/cm~120g/cm)、UX-200(ゼリー強度:180g/cm~220g/cm)、CS-120(ゼリー強度:150g/cm~250g/cm)、CS-320(ゼリー強度:150g/cm~250g/cm)、及びCS-310(ゼリー強度:80g/cm~120g/cm)が好ましい。
【0026】
寒天の含有により、化粧料組成物の色が黄味色になること抑制する観点からは、寒天としては、SV-100(ゼリー強度:50g/cm~150g/cm)、USV-100(ゼリー強度:50g/cm~150g/cm)、TR-100(ゼリー強度:50g/cm~150g/cm)、UTR-100(ゼリー強度:50g/cm~150g/cm)、CS-166(ゼリー強度:50g/cm~150g/cm)、及びCS-377(ゼリー強度:50g/cm~150g/cm)が好ましい。
【0027】
寒天の含有率は、特に限定されないが、とろみを付与し、うるおい感と肌なじみの早さとを両立させる観点から、化粧料組成物の全質量に対して、0.1質量%~1.5質量%が好ましく、0.2質量%~1.0質量%がより好ましく、0.3質量%~0.8質量%が特に好ましい。ある態様においては、寒天の含有率は、0.3質量%~0.6質量%であってもよい。寒天の含有率が上記の範囲であることは、保湿感を想起させる外観、及び、使用する際の操作性を良好にする粘度にも寄与する。
【0028】
〔(B)ジグリセリン〕
本開示に係る化粧料組成物は、ジグリセリンを含む。ジグリセリンは、保湿剤として機能することができる。
【0029】
ジグリセリンは、分子式:O[CHCH(OH)CHOH]で表される化合物であり、医薬品、医薬部外品、及び化粧品において、通常用いられているジグリセリンであれば、特に制限されない。
【0030】
ジグリセリンは、市販品として入手することができる。市販品としては、例えば、ジグリセリン801(坂本薬品工業株式会社)、及び、ジグリセリンS(坂本薬品工業株式会社)、ユニグリG-2(日油株式会社)が挙げられる。
【0031】
ジグリセリンの含有率は、特に限定されないが、うるおい感と肌なじみの早さとを両立し、かつベタツキ感を抑制する観点から、化粧料組成物の全質量に対して、3.0質量%~40質量%が好ましく、3.0質量%~30質量%がより好ましく、15質量%~30質量%が特に好ましい。ある態様においては、ジグリセリンの含有率の含有率は、20質量%~30質量%であってもよい。
【0032】
本開示に係る化粧料組成物の一態様は、うるおい感と肌なじみの早さとを両立し、かつベタツキ感を抑制する観点から、ジグリセリンの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して、3.0質量%~30質量%であり、寒天に対するジグリセリンの含有比((B)/(A))が、質量基準で、2.0~4000が好ましい。寒天に対するジグリセリンの含有比((B)/(A))は、質量基準で、5~400がより好ましく、25~150が特に好ましい。ある態様においては、寒天に対するジグリセリンの含有比((B)/(A))は、質量基準で、50~150であってもよい。
【0033】
<他の多価アルコ-ル>
本開示に係る化粧料組成物は、ジグリセリンの他に、ジグリセリン以外の他の多価アルコール(以下、「他の多価アルコール」とも称する。)を含んでいてもよい。他の多価アルコールは、保湿剤として機能する成分であってよい。
【0034】
化粧料組成物が、保湿剤としても汎用される他の多価アルコ-ルのみ含む場合、うるおい感と肌なじみの早さとを両立できない傾向がある。これ対して、本開示に係る化粧料組成物の一態様では、寒天と、ジグリセリンと、他の多価アルコ-ルとを含むことにより、うるおい感と肌なじみの早さとを両立することができる。
【0035】
本開示に係る化粧料組成物が他の多価アルコ-ルを含む場合、化粧料組成物は、他の多価アルコ-ルを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0036】
他の多価アルコ-ルとしては、医薬品、医薬部外品、及び化粧品において、通常用いられている多価アルコ-ルであれば、特に制限されない。
【0037】
他の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0038】
他の多価アルコールの含有率は、目的に応じて、適宜設定できる。
【0039】
〔(C)水〕
本開示に係る化粧料組成物は、水を含む。
水は、例えば、化粧料に使用可能な水であれば、特に限定されない。
水の具体例としては、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、及び超純水(例えば、Milli-Q水)が挙げられる。
水としては、例えば、不純物が少ないという観点から、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、又は超純水が好ましい。
【0040】
本開示に係る化粧料組成物における水の含有率は、特に限定されないが、例えば、化粧料組成物の全質量に対して、50質量%~99質量%であることが好ましい。
【0041】
〔(D)抗炎症成分〕
本開示に係る化粧料組成物は、抗炎症成分を更に含んでいてもよい。本開示に係る化粧料組成物は、抗炎症成分を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0042】
抗炎症成分を含む化粧料組成物は、使用者が肌に塗布した際にベタツキ感を感じさせることがあり、従来の化粧料組成物では、抗炎症成分を含み、かつ、ベタツキ感を抑制することは技術的に困難であった。これに対して、本開示に係る化粧料組成物は、抗炎症成分を更に含む場合であっても、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられ、かつ、ベタツキ感を抑制することができる。
【0043】
抗炎症成分としては、医薬品、医薬部外品、及び、化粧品において、通常用いられている抗炎症成分であれば、特に制限されない。抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、トラネキサム酸、グリチルレチン酸ステアリル、及び、ニコチン酸アミドが挙げられ、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、及びトラネキサム酸からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0044】
アラントインとしては、市販品を使用できる。アラントインの市販品の例としては、商品名:RonaCare(登録商標) Allantoin(メルク社)、アラントイン(株式会社パーマケム・アジア)、及び、アラントイン(川研ファインケミカル株式会社)が挙げられる。
【0045】
グリチルリチン酸ジカリウムとしては、市販品を使用できる。グリチルリチン酸ジカリウムの市販品の例としては、外原規グリチルリチン酸ジカリウム(丸善製薬株式会社)が挙げられる。
【0046】
トラネキサム酸としては、市販品を使用できる。トラネキサム酸の市販品の例としては、トラネキサム酸(丸善製薬株式会社)、及び、トラネキサム酸(日本精化株式会社)が挙げられる。
【0047】
本開示に係る化粧料組成物における抗炎症成分の合計含有率としては、化粧料組成物の全質量に対して、0.05質量%~5.0質量%であることが好ましい。
【0048】
本開示に係る化粧料組成物が、抗炎症成分としてアラントインを含む場合、アラントインの含有率は、特に限定されないが、化粧料組成物の全質量に対して、0.05質量%~0.2質量%が好ましい。
【0049】
本開示に係る化粧料組成物が、抗炎症成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを含む場合、グリチルリチン酸ジカリウムの含有率は、特に限定されないが、化粧料組成物の全質量に対して、0.05質量%~0.5質量%が好ましい。
【0050】
本開示に係る化粧料組成物が、抗炎症成分としてトラネキサム酸を含む場合、トラネキサム酸の含有率は、特に限定されないが、化粧料組成物の全質量に対して、0.05質量%~2質量%が好ましい。
【0051】
本開示に係る化粧料組成物が、抗炎症成分を含む場合、ベタツキを抑制する観点から、寒天に対する抗炎症成分の含有比((D)/(A))は、質量基準で、0.03~20が好ましく、0.05~4.0がより好ましい。ある態様においては、寒天に対する抗炎症成分の含有比((D)/(A))は、質量基準で、0.10~4.0であってもよい。
【0052】
〔その他の添加成分〕
本開示の化粧料組成物は、必要に応じて、化粧品、医薬部外品、及び、医薬品において通常用いられる添加成分(以下、単に「添加成分」とも称する。)を含んでいてもよい。
【0053】
添加成分としては、例えば、化粧料組成物に使用した際に有用な美容効果(例えば、保湿効果、整肌効果等)を示す機能性成分が挙げられる。その他、添加成分としては、界面活性剤、フェノキシエタノール、アスタキサンチン等のカロテノイド、セラミド類、エチルヘキシルグリセリン等の防腐剤、トコフェロール等のビタミンE類、着色剤、増粘剤、pH調整剤(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩酸等)、緩衝剤、香料、抗菌剤、紫外線吸収剤、活性酸素除去剤、抗微生物剤、ミネラルなどが挙げられる。
【0054】
本開示に係る化粧料組成物が、添加成分を含む場合、添加成分を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0055】
本開示に係る化粧料組成物が、添加成分を含む場合、添加成分の含有率は、特に限定されず、目的に応じて、適宜設定できる。
【0056】
〔エタノールの含有率〕
本開示に係る化粧料組成物は、エタノールの含有率が、化粧料組成物の全質量に対して1質量%以下であり、0質量%~0.5質量%であることが好ましい。エタノールの含有率は、化粧料組成物の全質量に対して、0質量%であることがより好ましい。
【0057】
〔化粧料組成物の性状〕
<粘度>
本開示に係る化粧料組成物は、25℃における粘度が10mPa・s~400mPa・sである。化粧料組成物を視認した際に保湿感を想起させる外観、及び、使用する際の操作性の観点から、化粧料組成物の25℃における粘度は、20mPa・s~200mPa・sが好ましく、20mPa・s~100mPa・sがより好ましい。
【0058】
本開示において、化粧料組成物の粘度は、振動式粘度計を用いて、25℃の環境下において測定した値である。
振動式粘度計としては、株式会社セコニック製振動式粘度計(機種:VM-10A)を用いることができる。
【0059】
〔化粧料組成物の用途〕
本開示に係る化粧料組成物は、化粧品又は医薬部外品として適用することができる。
本開示に係る化粧料組成物は、スキンケア、ボディケア、頭皮ケア等に好適に用いることができる。
本開示に係る化粧料組成物は、化粧水として特に好適である。つまり、本開示に係る化粧料組成物は、化粧水であることが好ましい。
【0060】
〔化粧料組成物の製造方法〕
本開示に係る化粧料組成物の製造方法は、特に制限されない。
本開示に係る化粧料組成物は、寒天と、水と、ジグリセリンと、必要に応じて、抗炎症成分等の他の成分とを用いて、公知の化粧料組成物の製造方法に従って、得ることができる。
【0061】
本開示の化粧料の好適な製造方法の一態様としては、寒天と、水と、ジグリセリンと、必要に応じて用いる他の成分(例えば、他の多価アルコール)とを、例えば、80℃で撹拌混合(以下、適宜「混合工程」と称する。)して混合物を得た後、必要に応じて用いる抗炎症成分等の他の成分を、混合物に加える方法が挙げられる。
【0062】
以下、本開示に係る化粧料組成物の好適な製造方法の一例について説明するが、既述した化粧料組成物と共通する事項、例えば、化粧料組成物の成分及びその量に関する事項については、説明を省略する。
【0063】
〔混合工程〕
混合工程では、所定の容器に、寒天と、水と、ジグリセリンと、を加え、80℃まで加温した後、撹拌混合する。これらの成分を混合する方法は、特に限定されない。上述のように、本工程において、その他、必要に応じて用いる、他の多価アルコール等の他の成分を配合し、撹拌混合してもよい。
【0064】
混合工程では、例えば、寒天と、水と、ジグリセリンと、を一括して混合してもよく、寒天と水、ジグリセリンと水を、それぞれ別に撹拌し混合液を作製した後に、得られた2種の混合液を混合してもよい。
【0065】
混合工程は、上記した方法に限定されない。混合工程では、抗炎症成分を、寒天、ジグリセリン、及び水と共に添加し、撹拌混合してもよい。
【0066】
混合手段としては、特に限定されず、市販のいずれの混合手段を用いてもよい。
混合手段としては、スターラー、パドルミキサー、インペラーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中でも、混合手段としては、ホモミキサー及びディスパーミキサーからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0067】
混合工程にて、寒天と、水と、ジグリセリンとを混合する際の温度は、70℃~90℃に設定することが好ましい。なお、他の成分として多価アルコール等を用いる場合、本工程では、寒天、ジグリセリン、水、及び多価アルコール等を、70℃~90℃で混合することが好ましい。このように、他の成分を混合する際の温度は、特に限定されず、混合する成分の種類等に応じて、適宜、設定することができる。
【0068】
各成分を混合する際の撹拌条件は、各成分を十分に混合することができれば、特に限定されず、混合手段に応じて、適宜設定することができる。例えば、混合手段として、ホモミキサーを用いる場合には、通常、500rpm(revolutions per minute;以下、同じ。)~8000rpmで5分間~60分間、各成分を撹拌することができる。
本開示に係る化粧料組成物の製造方法は、必要に応じて、混合工程以外の工程(所謂、他の工程)を含んでもよい。
【0069】
〔他の工程〕
他の工程としては、例えば、脱泡工程、加熱殺菌工程、冷却工程、取り出し工程等が挙げられる。脱泡工程、加熱殺菌工程、冷却工程、取り出し工程等は、当業界で公知の方法を適用すればよい。
【実施例0070】
以下、本開示に係る化粧料組成物を実施例により更に具体的に説明する。但し、本開示に係る化粧料組成物は、その主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0071】
[化粧料組成物の調製]
〔実施例1~6、比較例1~2〕
下記の表1の組成欄に記載の寒天と寒天に対し50倍量の水とを混合し、ウォーターバス中で、80℃まで加温した後、ホモミキサー(機種名:ホモミクサーMARK II 2.5型、プライミクス株式会社)を用いて、5000rpmで15分間撹拌した。次いで、寒天と水との混合物に、表1の組成欄に記載の寒天以外の各成分、残りの水を混合し、さらに、3000rpmで10分攪拌した後に、30℃に冷却した。冷却後の混合物に、全量が100質量%となるように、水を更に添加した後、上記ホモミキサーを用いて、3000rpmで3分間撹拌した。次いで、攪拌した混合物に対し、真空脱泡を行い、実施例1~6及び比較例1~2の化粧料組成物を得た。
【0072】
〔実施例7~12、21〕
実施例3において、化粧料組成物の組成を、下記の表2及び表3に示す組成に変更したこと以外は、実施例3と同様の操作を行い、実施例7~12及び21の各化粧料組成物を得た。
【0073】
〔実施例13~20〕
下記の表3の組成欄に記載の寒天と寒天に対し50倍量の水とを混合し、ウォーターバス中で、80℃まで加温した後、ホモミキサー(機種名:ホモミクサーMARK II 2.5型、プライミクス株式会社)を用いて、5000rpmで15分間撹拌した。別途、表3の組成欄に記載の(D)成分を(D)成分に対して10倍量の水とを混合し、70℃で5分間攪拌することで、(D)成分を溶解させて、(D)成分溶液を作製した。
次いで、寒天と水との混合物に、表3の組成欄に記載のジグリセリン、残りの水を混合し、さらに、3000rpmで10分攪拌した後に、30℃に冷却した。冷却後の混合物に、上述より作製した(D)成分溶液を加え、全量が100質量%となるように水を更に添加した後、上記ホモミキサーを用いて、3000rpmで3分間撹拌した。次いで、撹拌した混合物に対し、真空脱泡を行い、実施例13~20の化粧料組成物を得た。
【0074】
〔実施例22〕
下記の表3の組成欄に記載の寒天と寒天に対し50倍量の水を混合し、ウォーターバス中で、80℃まで加温した後、ホモミキサー(機種名:ホモミクサーMARK II 2.5型、プライミクス株式会社)を用いて、5000rpmで15分間撹拌した。次いで、寒天と水との混合物に、表3の組成欄に記載のジグリセリン、残りの水を混合し、さらに、3000rpmで10分攪拌した後に、30℃に冷却した後に、エタノールを加え、全量が100質量%となるように水を更に添加した後、上記ホモミキサーを用いて、3000rpmで3分間撹拌した。次いで、撹拌した混合物に対し、真空脱泡を行い、実施例22の化粧料組成物を得た。
【0075】
〔比較例3~8〕
下記の表4の組成欄に記載の多糖類もしくは合成ポリマーに対し50倍量の水を混合し、ウォーターバス中で、80℃まで加温した後、ホモミキサー(機種名:ホモミクサーMARK II 2.5型、プライミクス株式会社)を用いて、5000rpmで15分間撹拌した。次いで、多糖類もしくは合成ポリマーと水との混合物に、表4の組成欄に記載の各成分、残りの水を混合し、さらに、3000rpmで10分攪拌した後に、30℃に冷却した。冷却後の混合物に、全量が100質量%となるように水を更に添加した後、上記ホモミキサーを用いて、3000rpmで3分間撹拌した。次いで、撹拌した混合物に対し、真空脱泡を行い、比較例3~8の化粧料組成物を得た。
【0076】
〔比較例9~12〕
実施例1において、化粧料組成物の組成を、下記の表5に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例9~12の各化粧料組成物を得た。
【0077】
なお、表1~表5中の組成欄に記載の各成分の量は、いずれも「質量%」であり、水の量にて各組成物の全量が100質量%となるようにしている。
【0078】
表1~表5中、各成分の欄が空欄である場合は、その欄に該当する成分を含んでいないことを意味する。
【0079】
表1~表5中、「寒天に対するジグリセリンの含有比」及び「寒天に対する抗炎症剤の含有比」の欄に記載の「-」は、その欄に該当する値が算出できないことを意味する。
【0080】
表1中、評価の欄に記載の「-」は、その欄に該当する評価を行っていないことを意味する。
【0081】
表2に記載の実施例3は、表2に記載される他の実施例との対比のために記載したものであり、表1に記載の実施例3と同じ実施例である。
【0082】
[評価及び測定]
各実施例で得られた化粧料組成物及び各比較例で得られた比較用の化粧料組成物を評価用試料として用いて、以下の評価及び測定を行った。結果を表1~表5に併記する。
【0083】
1.物性
1-1.粘度
粘度は、下記の測定方法及び測定条件により測定した。
【0084】
-測定方法-
評価用試料を、10mLのガラスバイアルに8g充填して密封し、25℃の環境下で、18時間保存した。保存後の各評価用試料について、振動式粘度計を用いて粘度を測定した。
-測定条件-
振動式粘度計:株式会社セコニック製の振動式粘度計「VM-10A」
【0085】
1-2.とろみの有無
下記の測定方法及び判定基準により、とろみの有無を評価した。
【0086】
-測定方法-
10mLのガラスバイアルに、化粧料組成物を8g充填し、対照試料とした。10mLのガラスバイアルに、水を8g充填し、基準試料とした。
対照試料又は基準試料が充填された各ガラスバイアルを試験台上に静置した後、ガラスバイアルの側面と試験台の表面とのなす角度が略45°になる迄、3秒~5秒程度のゆっくりした速度でガラスバイアルを傾けた。
対照試料及び基準試料の各々ついて、ガラスバイアルを傾けているときの流動性及び流動速度を目視で観察し、対照試料のとろみの有無を下記の基準に基づき判定した。
【0087】
-判定基準-
とろみ有:流動性が有り、かつ基準試料に対して、流動速度が遅い。
とろみ無:流動性が無い、又は、流動性は有るが、流動速度が基準試料と同等である。
【0088】
「とろみ無」と判定された比較例1及び比較例2の化粧料組成物は、使用感評価を行わなかった。
【0089】
2.使用感評価
評価用試料についての使用感、具体的には、うるおい感、肌なじみの早さ、ベタツキ感、及びうるおい感と肌なじみの早さとの両立について、以下のように評価した。
【0090】
2-1.うるおい感
調製直後の各化粧料組成物を、評価熟練者3名に以下の方法で使用してもらい、うるおい感の評価を行った。各評価熟練者が選択したランクのうち、一番選択数の多かったランクを、うるおい感の評価結果とし、選択数が同数であった場合には、より良い方のランクを、うるおい感の評価結果とした。
具体的には、評価熟練者は、化粧料組成物100μLを指に取り、反対側の腕の前腕内側に塗り拡げ、その際のうるおい感を、以下のランクを用いて評価を行った。
Aが最もうるおい感に優れるランクを示す。商品性の観点から、A、B及びCを許容されるランク、Dを許容されないランクと判定した。
~ランク~
A:うるおいを強く感じる。
B:うるおいを感じる。
C:うるおいを僅かに感じる。
D:うるおいを感じない。
【0091】
2-2.肌なじみの早さ
調製直後の各化粧料組成物を、評価熟練者3名に以下の方法で使用してもらい、肌なじみの早さの評価を行った。各評価熟練者が選択したランクのうち、一番選択数の多かったランクを、肌なじみの早さの評価結果とし、選択数が同数であった場合には、より良い方のランクを、肌なじみの早さの評価結果とした。
具体的には、評価熟練者は、化粧料組成物を100μL指に取り、反対側の腕の前腕内側に塗り拡げ、その際の肌なじみの早さを、以下のランクを用いて評価を行った。Aが最も肌なじみの早さに優れるランクを示す。商品性の観点から、A、B及びCを許容されるランク、Dを許容されないランクと判定した。
~ランク~
A:肌なじみがとても早いと感じる。
B:肌なじみが早いと感じる。
C:肌なじみが僅かに早いと感じる。
D:肌なじみが早いと感じない。
【0092】
2-3.ベタツキ感
調製直後の各化粧料組成物を、評価熟練者3名に以下の方法で使用してもらい、ベタツキ感の評価を行った。各評価熟練者が選択したランクのうち、一番選択数の多かったランクを、ベタツキ感の評価結果とし、選択数が同数であった場合には、より良い方のランクを、ベタツキ感の評価結果とした。
具体的には、評価熟練者は、化粧料を100μL指に取り、反対側の腕の前腕内側に塗り拡げ、その際のベタツキ感を、以下のランクを用いて評価を行った。Aが最もベタツキ感の抑制に優れるランクを示す。商品性の観点から、A、B及びCを許容されるランク、Dを許容されないランクと判定した。
~ランク~
A:ベタツキを感じない。
B:ベタツキを僅かに感じる。
C:ベタツキを感じる。
D:ベタツキをとても感じる。
【0093】
2-4.うるおい感となじみの早さとの両立
うるおい感となじみの早さの両立の評価は、前述の「2-1.うるおい感」及び「2-2.肌なじみの早さ」の評価で得られた評価ランクに基づき、下記ランクを用いて評価した。商品性の観点から、A、B及びCを許容されるランク、Dを許容されないランクと判定した。
~ランク~
A:うるおい感と肌なじみの早さの評価ランクの組み合わせが、「A・A」である。
B:うるおい感と肌なじみの早さの評価ランクの組み合わせが、「A・B」である。
C:うるおい感と肌なじみの早さの評価ランクの組み合わせが、「A・C」、「B・B」又は「B・C」である。
D:うるおい感と肌なじみの早さの評価ランクの組み合わせが、「A・D」、「B・D」、「C・D」、「D・D」又は「C・C」である。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】


【0096】
【表3】

【0097】
【表4】

【0098】
【表5】
【0099】
表1~表5に示す結果から、実施例の化粧料組成物は、比較例の化粧料組成物と比較して、とろみを有し、エタノールを実質的に含まず、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられる化粧料組成物であることが明らかとなった。
【0100】
〔実施例23〕
下記処方例に示す化粧料組成物(化粧水)を常法により製造した。
得られた化粧水の粘度(25℃)は、61mPa・sであった。
実施例23の化粧料組成物は、エタノールを実質的に含まず、実施例1~22の化粧料組成物と同様に、肌に塗布した際にうるおい感と肌なじみの早さとが感じられる化粧料組成物であることを確認した。
【0101】
<処方例> (全量100質量%)
・ジグリセリン 15.0質量%
・1,3-ブチレングリコール 5.0質量%
・グリチルリチン酸ジカリウム 0.05質量%
・寒天3 0.65質量%
・フェノキシエタノール 0.5質量%
・メチルパラベン 0.2質量%
・水 残部
【0102】
表1~表5に記載の各成分の詳細は、以下のとおりである。
【0103】
<(A)寒天>
・寒天1〔商品名:伊那寒天CS-310、伊那食品工業株式会社〕
・寒天2〔商品名:伊那寒天CS-320、伊那食品工業株式会社〕
・寒天3〔商品名:伊那寒天CS-377、伊那食品工業株式会社〕
<(B)ジグリセリン>
・ジグリセリン〔商品名:ジグリセリンS、坂本薬品工業株式会社〕
<(C)水>
・精製水
<(D)抗炎症成分>
・アラントイン〔商品名:RonaCare(登録商標) Allantoin、メルク社〕
・トラネキサム酸〔商品名:トラネキサム酸、丸善製薬株式会社〕
・グリチルリチン酸ジカリウム〔外原規グリチルリチン酸ジカリウム、丸善製薬株式会社〕
【0104】
<上記以外の成分>
・カルボキシビニルポリマー〔商品名:HV801EG、住友精化株式会社〕
・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー〔商品名;Ultrez21、Lubrizol Corporation〕
・キサンタンガム〔商品名:KETROL CG-SFT、CP Kelco Inc.〕
・アクリル酸Naグラフトデンプン〔商品名:サランジュール ST100MC、三洋化成工業株式会社〕
・(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー〔商品名:AristflexAVC、クラリアント社〕
・セルロースナノファイバー〔レオクリスタ、第一工業製薬株式会社〕
・グリセリン〔化粧品用濃グリセリン、花王〕
・1,3-プロパンジオール〔商品名:Zemea Select プロパンジオール、Primient Covation LLC〕
・ジプロピレングリコール〔商品名:DPG、交洋ファインケミカル株式会社〕
・1,3-ブチレングリコール〔1,3-ブチレングリコール、株式会社ダイセル)
・フェノキシエタノール〔商品名:フェノキシエタノール、富士フイルム和光純薬株式会社〕
・メチルパラベン〔商品名:メッキンス-M、上野製薬株式会社〕