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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018212
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20240201BHJP
   G06F 1/24 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B41J29/00 C
G06F1/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121394
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】柴田 崇之
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061BB08
2C061CG01
2C061HV03
2C061HV55
(57)【要約】
【課題】誤動作によりサブプロセッシング回路をリセット状態に移行させることを防止する。
【解決手段】電子機器は、メインプロセッシング回路を備えるメインコントローラと、サブプロセッシング回路と、スイッチとを備えるサブコントローラと、を備え、メインプロセッシング回路は、リセット信号を出力し、サブプロセッシング回路は、リセット信号入力端子に与えられた信号の論理に応じてリセット状態または起動状態に移行し、スイッチは、リセット信号をリセット信号入力端子へと与える接続状態、または、リセット信号入力端子にサブプロセッシング回路を起動状態にさせる信号を与える非接続状態に切り替え、サブプロセッシング回路は、起動状態に移行した後に、スイッチを非接続状態とし、起動状態において、メインプロセッシング回路から出力されたリセット信号とは異なる信号に少なくとも基づきスイッチを接続状態とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインプロセッシング回路を備えるメインコントローラと、
サブプロセッシング回路と、スイッチと、を備えるサブコントローラと、
を備え、
前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路をリセット状態にさせるか起動状態にさせるかを指示するリセット信号を出力し、
前記サブプロセッシング回路は、リセット信号入力端子に与えられた信号の論理に応じて前記リセット状態または前記起動状態に移行し、
前記スイッチは、前記サブプロセッシング回路による制御に応じて、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号を前記リセット信号入力端子へと与える接続状態、または、前記リセット信号入力端子に前記サブプロセッシング回路を前記起動状態にさせる信号を与える非接続状態に切り替え、
前記サブプロセッシング回路は、前記起動状態に移行した後に、前記スイッチを前記非接続状態とし、
前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき、前記スイッチを前記接続状態とする
電子機器。
【請求項2】
前記サブプロセッシング回路は、
前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき、前記リセット状態に移行するか否かを判断し、
前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき前記リセット状態に移行すると判断した場合には、
前記スイッチを前記接続状態に切り替え、
前記スイッチを前記接続状態とした後に前記リセット状態へ移行する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記サブプロセッシング回路は、
前記リセット状態において、前記スイッチを介して前記リセット信号入力端子に与えられた前記リセット信号に基づき、前記起動状態へ移行し、
前記起動状態へと移行した後に、前記スイッチを前記非接続状態とする
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記リセット信号は、少なくとも前記メインプロセッシング回路のリセット時に論理が変化する信号であり、
前記メインプロセッシング回路は、少なくとも前記メインプロセッシング回路のリセット時に論理が変化する確認信号を出力し、
前記サブプロセッシング回路は、
前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号の論理の変化を示すリセット検出信号が与えられるリセット検出信号入力端子と、
前記確認信号が与えられる確認信号入力端子と、
を含み、
前記サブプロセッシング回路は、前記起動状態において、前記リセット検出信号の論理の変化と、前記確認信号の論理の変化に基づき、前記スイッチを前記非接続状態とさせる
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路を前記起動状態から前記リセット状態に移行させる場合には、前記リセット信号の論理を変化させるとともに、前記確認信号の論理を変化させる
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路と通信を行う第1通信インターフェース回路を含み、
前記サブプロセッシング回路は、前記メインプロセッシング回路と前記通信を行う第2通信インターフェース回路を含み、
前記サブプロセッシング回路は、前記第2通信インターフェース回路を介して受け取った情報に基づき、前記スイッチを前記非接続状態とさせる
請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
メインCPU(Central Processing Unit)の管理の下で、サブCPUが情報処理をするシステムがある。このようなシステムにおいて、メインCPUは、サブCPUをリセットさせる場合、リセット信号をサブCPUに送信する。しかしながら、このようなリセット信号を伝送する信号線にノイズが重畳した場合、メインCPUがリセット信号を送信していないにも関わらず、サブCPUが誤動作によりリセットしてしまう可能性があった。
【0003】
このような誤動作の対策として、サブCPUがリセットした後に、そのリセットがメインCPUから意図して送信された信号によるものなのか、そのリセットがリセット信号に重畳したノイズによるものなのかを検出した後に、復旧動作を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、リセットによって副制御部が起動された直後において、異常リセットであるか否かを判断し、異常リセットであると判断された場合、主制御部が制御開始信号を副制御部に再送信する技術が記載されている。しかし、このような技術は、ノイズ等でリセット信号が異常な変化をした場合、リセット動作自体を防ぐことはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、誤動作によりサブプロセッシング回路をリセット状態に移行させることを防止する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、メインプロセッシング回路を備えるメインコントローラと、サブプロセッシング回路と、スイッチと、を備えるサブコントローラと、を備え、前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路をリセット状態にさせるか起動状態にさせるかを指示するリセット信号を出力し、前記サブプロセッシング回路は、リセット信号入力端子に与えられた信号の論理に応じて前記リセット状態または前記起動状態に移行し、前記スイッチは、前記サブプロセッシング回路による制御に応じて、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号を前記リセット信号入力端子へと与える接続状態、または、前記リセット信号入力端子に前記サブプロセッシング回路を前記起動状態にさせる信号を与える非接続状態に切り替え、前記サブプロセッシング回路は、前記起動状態に移行した後に、前記スイッチを前記非接続状態とし、前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき、前記スイッチを前記接続状態とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、誤動作によりサブプロセッシング回路をリセット状態に移行させることを防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る電子機器の構成を示す図である。
図2図2は、電源投入時における電子機器の処理の流れを示すフローチャートである。
図3図3は、電源投入時における電子機器の各端子および信号の論理等を示す図である。
図4図4は、起動状態における電子機器の処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、起動状態における電子機器の各端子および信号の論理等を示す図である。
図6図6は、変形例に係る電子機器の処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、電子機器が適用される電子写真装置の外観の一例を示す図である。
図8図8は、電子機器が適用される液体を吐出する装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態に係る電子機器100を詳細に説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る電子機器100の構成を示す図である。
【0010】
電子機器100は、メインコントローラ101と、サブコントローラ102とを備える。メインコントローラ101およびサブコントローラ102は、例えば別々の基板または筐体に設けられ、互いにバスおよび信号線を介して接続される。
【0011】
メインコントローラ101およびサブコントローラ102は、それぞれ情報処理および制御処理を実行する。サブコントローラ102は、メインコントローラ101から各種の指示を受けて、メインコントローラ101の管理の下で動作する。サブコントローラ102は、メインコントローラ101とは並列に処理を実行する。
【0012】
電子機器100は、メインコントローラ101とサブコントローラ102とが処理を分担して並列に実行する機器であれば、どのような機器にも適用することができる。一例として、電子機器100は、電子写真装置に適用される。電子写真装置に適用される場合、メインコントローラ101は、例えば、作像系の情報処理および制御処理を実行する。また、電子写真装置に適用される場合、サブコントローラ102は、例えば、定着および搬送系の情報処理および制御処理を実行する。
【0013】
メインコントローラ101は、メインCPU111と、第1トランジスタ112とを備える。また、サブコントローラ102は、サブCPU121と、第1抵抗122と、スイッチ123と、第2抵抗124と、第3抵抗125と、第4抵抗126と、フィルタ回路127と、第2トランジスタ128と、第5抵抗129とを備える。
【0014】
メインCPU111は、メインプロセッシング回路の一例であって、プログラムを実行することによって情報処理および制御処理等を実行する。メインCPU111は、第1通信インターフェース回路131と、リセット信号出力端子132と、確認信号出力端子133とを含む。
【0015】
第1通信インターフェース回路131は、サブCPU121とバス等を介してCPU間の情報のやり取りであるCPU間通信を行う。
【0016】
リセット信号出力端子132は、例えばCPUの汎用I/Oポートである。リセット信号出力端子132は、リセット信号を出力する。リセット信号出力端子132から出力されたリセット信号は、第1トランジスタ112および信号線を介して、サブコントローラ102へと送信される。
【0017】
リセット信号は、サブCPU121をリセット状態にさせるか起動状態にさせるかを指示する信号である。本実施形態においては、メインCPU111は、サブCPU121の起動状態を維持する場合には、リセット信号出力端子132をH論理に維持する。メインCPU111は、サブCPU121を起動状態からリセット状態に移行させる指示を出す場合には、リセット信号出力端子132をH論理からL論理へと変化させる。メインCPU111は、サブCPU121のリセット状態を維持する場合には、リセット信号出力端子132をL論理に維持する。メインCPU111は、サブCPU121のリセット状態を解除して、サブCPU121を起動状態に移行させる指示を行う場合には、リセット信号出力端子132をL論理からH論理に変化させる。
【0018】
また、リセット信号は、メインCPU111自身のリセット時において、論理が変化する。本実施形態においては、リセット信号出力端子132は、メインCPU111がリセットする場合、H論理からL論理に変化する。これにより、メインCPU111は、自身がリセットする場合、サブCPU121をリセット状態にさせることを指示するリセット信号を出力することができる。
【0019】
確認信号出力端子133は、例えばCPUの汎用I/Oポートである。確認信号出力端子133は、確認信号を出力する。確認信号出力端子133から出力された確認信号は、リセット信号が伝送される信号線とは異なる信号線を介して、サブコントローラ102へと送信される。
【0020】
確認信号は、リセット信号と同期して論理が変化する。本実施形態においては、メインCPU111は、リセット信号出力端子132をL論理とする場合には、確認信号出力端子133もL論理とし、リセット信号出力端子132をH論理とする場合には、確認信号出力端子133もH論理とする。すなわち、確認信号は、メインCPU111のリセット時において、論理が変化する。より詳しくは、メインCPU111は、サブCPU121の起動状態を維持する場合には、確認信号出力端子133をH論理に維持する。メインCPU111は、サブCPU121を起動状態からリセット状態に移行させる指示を出す場合には、確認信号出力端子133をH論理からL論理へと変化させる。メインCPU111は、サブCPU121のリセット状態を維持する場合には、確認信号出力端子133をL論理に維持する。また、メインCPU111は、サブCPU121のリセット状態を解除して、サブCPU121を起動状態に移行させる指示を行う場合には、確認信号出力端子133をL論理からH論理に変化させる。
【0021】
サブCPU121は、サブプロセッシング回路の一例であって、プログラムを実行することによって情報処理および制御処理等を実行する。サブCPU121は、第2通信インターフェース回路141と、リセット信号入力端子142と、リセット検出信号入力端子143と、確認信号入力端子144と、切替信号出力端子145とを含む。
【0022】
第2通信インターフェース回路141は、メインCPU111とバス等を介してCPU間の情報のやり取りであるCPU間通信を行う。
【0023】
リセット信号入力端子142は、例えば、リセット専用のI/Oポートである。サブCPU121は、リセット信号入力端子142に与えられた信号の論理に応じて、自身をリセット状態または起動状態に移行する。本実施形態においては、サブCPU121は、リセット信号入力端子142にL論理の信号が与えられた場合、自身をすぐにリセット状態に移行する。なお、リセット信号入力端子142は、CPUの汎用I/Oポートであってもよい。
【0024】
本実施形態において、サブCPU121は、リセット信号入力端子142にL論理の信号が与えられた場合には、リセット状態に移行する。また、本実施形態において、サブCPU121は、リセット信号入力端子142にH論理の信号が与えられた場合、リセット状態を解除して起動状態に移行する。
【0025】
リセット検出信号入力端子143は、例えばCPUの汎用I/Oポートである。リセット検出信号入力端子143は、リセット検出信号が与えられる。
【0026】
リセット検出信号は、メインCPU111から出力されたリセット信号の論理の変化を示す信号である。本実施形態においては、リセット検出信号は、メインCPU111のリセット信号出力端子132の論理と反転した論理を示す。より具体的には、リセット検出信号は、第1トランジスタ112および信号線を介してサブコントローラ102へと送信された後のリセット信号である。
【0027】
確認信号入力端子144は、例えばCPUの汎用I/Oポートである。確認信号入力端子144は、メインCPU111から出力された確認信号が信号線を介して与えられる。
【0028】
切替信号出力端子145は、例えばCPUの汎用I/Oポートである。切替信号出力端子145は、スイッチ123を切り替える切替信号を出力する。
【0029】
第1抵抗122は、確認信号入力端子144とグランド電位との間に接続される。これにより、確認信号入力端子144は、メインCPU111が例えばリセット状態となっていること等により確認信号出力端子133の論理が不定な状態またはハイインピーダンスである場合、L論理の確認信号が与えられる。
【0030】
スイッチ123は、A端子とB端子とC端子とを含む。スイッチ123は、サブCPU121による制御に応じて、A端子とC端子とを接続した状態(接続状態)またはB端子とC端子とを接続した状態(非接続状態)の何れかに切り替える。本実施形態においては、スイッチ123は、切替信号がL論理の場合、A端子とC端子とを接続した状態(接続状態)に切り替える。スイッチ123は、切替信号がH論理の場合、B端子とC端子とを接続した状態(非接続状態)に切り替える。
【0031】
第2抵抗124は、切替信号出力端子145とグランド電位との間に接続される。これにより、スイッチ123は、サブCPU121が例えばリセット状態となっていること等により切替信号出力端子145の論理が不定な状態であっても、L論理の切替信号が与えられる。従って、スイッチ123は、サブCPU121が例えばリセット状態となっている等の場合、L論理の切替信号が与えられ、A端子とC端子とを接続した状態(接続状態)に切り替えることができる。
【0032】
第1トランジスタ112は、メインCPU111のリセット信号出力端子132の論理に応じて、スイッチ123のA端子とグランド電位との間を短絡または切断するスイッチング動作をする。本実施形態においては、第1トランジスタ112は、リセット信号出力端子132がH論理の場合に、スイッチ123のA端子とグランド電位との間を短絡し、リセット信号出力端子132がL論理の場合に、スイッチ123のA端子とグランド電位との間を切断する。本実施形態においては、スイッチ123のA端子と、第1トランジスタ112との間は、リセット信号を伝送する信号線により接続される。
【0033】
第3抵抗125は、スイッチ123のA端子と電源電位との間に設けられる。従って、スイッチ123のA端子は、リセット信号出力端子132がH論理の場合に、L論理が与えられ、リセット信号出力端子132がL論理の場合に、H論理が与えられる。また、スイッチ123のA端子は、メインCPU111が例えばリセット状態となっていること等によりリセット信号出力端子132の論理が不定な状態であっても、H論理が与えられる。
【0034】
第4抵抗126は、スイッチ123のB端子とグランド電位との間に設けられる。従って、スイッチ123のB端子は、常時、L論理が与えられる。
【0035】
フィルタ回路127は、スイッチ123のC端子から出力された信号を、フィルタリングして出力する。フィルタ回路127は、スイッチ123のC端子から出力された信号からノイズを除去して出力することができる。
【0036】
第2トランジスタ128は、フィルタ回路127から出力された信号に応じて、リセット信号入力端子142とグランド電位との間を短絡または切断するスイッチング動作をする。本実施形態においては、第2トランジスタ128は、フィルタ回路127の出力信号がH論理の場合に、リセット信号入力端子142とグランド電位との間を短絡し、フィルタ回路127の出力信号がL論理の場合に、リセット信号入力端子142とグランド電位との間を切断する。
【0037】
第5抵抗129は、一方の端子がリセット信号入力端子142に接続され、他方の端子が電源電位に接続される。従って、リセット信号入力端子142は、フィルタ回路127の出力信号がH論理の場合に、L論理が与えられ、フィルタ回路127の出力信号がL論理の場合に、H論理が与えられる。
【0038】
ここで、第1トランジスタ112、スイッチ123、第3抵抗125、第4抵抗126、フィルタ回路127、第2トランジスタ128および第5抵抗129は、メインCPU111のリセット信号出力端子132から出力されたリセット信号を、サブCPU121のリセット信号入力端子142へと伝送する伝送経路を形成する。
【0039】
このようなリセット信号の伝送経路は、スイッチ123がA端子とC端子とを接続している状態(接続状態)において、メインCPU111のリセット信号出力端子132から出力されるリセット信号の論理と同一の論理のリセット信号を、サブCPU121のリセット信号入力端子142に与える。また、リセット信号の伝送経路は、スイッチ123がB端子とC端子とを接続している状態(非接続状態)において、メインCPU111のリセット信号出力端子132から出力されるリセット信号の論理に関わらず、サブCPU121のリセット信号入力端子142に、H論理を与える。すなわち、スイッチ123は、サブCPU121による制御に応じて、メインCPU111から出力されたリセット信号をリセット信号入力端子142へと与える接続状態、または、リセット信号入力端子142にサブCPU121を起動状態にさせる信号を与える非接続状態に切り替える。
【0040】
以上のような構成の電子機器100は、電源導入後において、まず、メインCPU111が起動状態となり、サブCPU121がリセット状態となる。そして、サブCPU121がリセット状態の場合には、切替信号がL論理となり、スイッチ123は、A端子とC端子とを接続している状態となっている。すなわち、サブCPU121がリセット状態の場合、スイッチ123は、メインCPU111から出力されたリセット信号を、サブCPU121のリセット信号入力端子142へと与える接続状態となる。
【0041】
続いて、メインCPU111は、リセット信号の論理を変化させて、サブCPU121に対してリセット状態を解除して起動状態に移行する指示を与える。本実施形態においては、メインCPU111は、リセット信号出力端子132をL論理からH論理に変化させる。サブCPU121がリセット状態の場合、スイッチ123が接続状態となっているので、メインCPU111は、サブCPU121のリセット信号入力端子142へとL論理からH論理に変化するリセット信号を与えることができる。
【0042】
続いて、サブCPU121は、リセット信号入力端子142からリセット信号の論理の変化を受け取ることにより、リセット状態から起動状態へと移行する。本実施形態においては、サブCPU121は、リセット信号入力端子142に与えられる信号の論理が、L論理からH論理に変化したことに応じて、サブCPU121は、リセット状態から起動状態へと移行する。
【0043】
続いて、サブCPU121は、起動状態に移行した後に、切替信号をH論理とすることにより、スイッチ123を非接続状態とする。これにより、スイッチ123は、リセット信号の論理に関わらず、リセット信号入力端子142にサブCPU121を起動状態にさせる信号を与える。従って、起動状態に移行した後は、スイッチ123は、リセット信号入力端子142にメインCPU111から出力されるリセット信号を遮断する。
【0044】
サブCPU121は、起動状態において、メインCPU111から出力されるリセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき、リセット状態に移行するか否かを判断する。より具体的には、サブCPU121は、起動状態において、リセット検出信号入力端子143に与えられるリセット検出信号の論理の変化と、確認信号入力端子144に与えられる確認信号の論理の変化に基づき、リセット状態に移行するか否かを判断する。本実施形態においては、サブCPU121は、起動状態において、リセット検出信号の論理がL論理からH論理に変化し、且つ、確認信号の論理がH論理からL論理に変化した場合、リセット状態に移行すると判断する。
【0045】
サブCPU121は、起動状態において、リセット状態に移行すると判断した場合、スイッチ123を接続状態に切り替える。続いて、サブCPU121は、スイッチ123を接続状態とした後にリセット状態へ移行する。これにより、サブCPU121は、リセット状態において、メインCPU111からリセット信号を受け取ることができる。
【0046】
このようなサブCPU121は、起動状態において、2つの信号線を介して送信される信号の論理に基づきリセット状態に移行するので、メインコントローラ101とサブコントローラ102との間を接続するリセット信号の信号線のみにノイズが重畳しても、リセット状態へ移行しない。従って、サブCPU121は、誤動作によりリセット状態に移行することを防止することができる。また、サブCPU121は、起動状態において、2つの信号線を介して送信される信号の論理に基づきリセット状態に移行するので、より確実にリセット状態に移行することができる。
【0047】
なお、サブCPU121は、起動状態において、サブCPU121は、メインCPU111から第2通信インターフェース回路141を介して受け取った情報に基づき、スイッチ123を接続状態に切り替えてもよい。この場合、メインCPU111は、スイッチ123が接続状態に切り替えられた後にリセット信号を変化させて、サブCPU121をリセット状態に移行させる。
【0048】
図2は、電源投入時における電子機器100の処理の流れを示すフローチャートである。図3は、電源投入時における電子機器100の各端子および信号の論理等を示す図である。
【0049】
電源投入後、電子機器100は、図2に示す流れで処理を実行する。
【0050】
まず、S201において、電子機器100は、電力が投入される。これにより、メインCPU111およびサブCPU121は、電源がオンされる。
【0051】
続いて、S202において、メインCPU111は、所定の初期設定処理を実施し、起動状態に移行する。電源がオンされた後、サブCPU121が起動状態となる前において、メインCPU111は、図3の1番目の行に示されるように、リセット信号出力端子132をL論理とする。これにより、スイッチ123のA端子には、H論理の信号が与えられる。
【0052】
また、サブCPU121は、電源がオンされた後、リセット状態に移行する。サブCPU121がリセット状態の場合、切替信号は、L論理となる。従って、スイッチ123は、A端子とC端子とを接続する状態となる。すなわち、スイッチ123は、メインCPU111から出力されたリセット信号を受け取って、リセット信号入力端子142へと与える接続状態となっている。スイッチ123が接続状態となっている場合、サブCPU121のリセット信号入力端子142は、メインCPU111から出力されたリセット信号が与えられる。従って、リセット信号入力端子142は、L論理となる。この結果、サブCPU121は、電源がオンされた後、リセット状態を維持する。
【0053】
続いて、S203において、メインCPU111は、確認信号出力端子133の論理をL論理からH論理に変化させる。これにより、メインCPU111は、H論理の確認信号をサブCPU121に与えることができる。メインCPU111は、自身がリセット状態に移行した場合およびサブCPU121を起動状態からリセット状態に移行させる場合を除き、確認信号をH論理に維持する。
【0054】
続いて、S204において、メインCPU111は、サブCPU121に対して、リセット状態の解除を指示する。具体的には、メインCPU111は、リセット信号出力端子132の論理をL論理からH論理に変化させる。サブCPU121がリセット状態の場合、スイッチ123は、接続状態となっている。従って、サブCPU121のリセット信号入力端子142は、図3の2番目の行に示されるように、H論理のリセット信号が与えられる。
【0055】
続いて、S205において、サブCPU121は、リセット状態を解除して起動状態に移行する。
【0056】
続いて、S206において、サブCPU121は、起動状態に移行した後に、スイッチ123を非接続状態とする。本実施形態においては、サブCPU121は、切替信号をL論理からH論理へと変化させる。
【0057】
続いて、S207において、スイッチ123は、切替信号がL論理からH論理に変化したこと応じて、B端子とC端子とを接続する非接続状態とする。B端子は、グランド電位であるので、図3の3番目の行に示されるように、L論理が与えられている。従って、スイッチ123が非接続状態の場合、リセット信号入力端子142は、H論理の信号が与えられる。これにより、スイッチ123は、起動状態において、リセット信号入力端子142に与えられる信号をH論理に固定して、サブCPU121を起動状態にさせる信号を与えることができる。
【0058】
以上のように、サブCPU121は、起動状態に移行した後に、スイッチ123を非接続状態に切り替えるので、起動状態においてメインCPU111からサブCPU121へのリセット信号の供給を遮断することができる。
【0059】
図4は、起動状態における電子機器100の処理の流れを示すフローチャートである。図5は、起動状態における電子機器100の各端子および信号の論理等を示す図である。
【0060】
図2のフローに従って動作してシステムが起動した後、電子機器100は、図4に示す流れで処理を実行する。
【0061】
まず、図5の1番目の行に示されるように、サブCPU121が起動後の通常状態において、メインCPU111は、リセット信号出力端子132をH論理とする。これにより、スイッチ123のA端子には、L論理の信号が与えられる。また、サブCPU121は、起動状態において、切替信号をH論理としてスイッチ123を非接続状態とする。これにより、サブCPU121のリセット信号入力端子142は、リセット信号の論理に関わらず、H論理の信号が与えられている。
【0062】
まず、S301において、サブCPU121は、リセット検出信号の論理が変化したか否かを判断する。本実施形態においては、サブCPU121は、リセット検出信号がL論理からH論理に変化したか否かを判断する。なお、リセット検出信号は、スイッチ123のA端子に与えられる信号である。すなわち、リセット検出信号は、スイッチ123の前段において取得される信号である。
【0063】
サブCPU121は、リセット検出信号がL論理からH論理に変化していない場合(S301のNo)、処理をS301で待機する。サブCPU121は、リセット検出信号がL論理からH論理に変化した場合(S301のYes)、処理をS302に進める。
【0064】
S302において、サブCPU121は、確認信号がH論理からL論理に変化したか否かを判断する。サブCPU121は、確認信号がH論理からL論理に変化していない場合(S302のNo)、処理をS303に進める。
【0065】
S303において、サブCPU121は、リセット検出信号の論理の変化は誤動作であると判断して、何ら処理を実行せずに、処理をS301に戻す。図5の2番目の行に示されるように、メインCPU111が正常である場合であっても、信号線にノイズが重畳した場合、リセット検出信号は、L論理からH論理に変化する可能性がある。しかし、確認信号は、リセット信号にノイズが重畳しても、リセット信号とは異なる信号線により伝送されるので、H論理からL論理に変化しない。従って、メインCPU111が正常で、リセット信号の信号線にノイズが重畳した場合であっても、サブCPU121は、リセット状態に移行せずに、処理をS301に戻すことができる。
【0066】
サブCPU121は、確認信号がH論理からL論理に変化した場合(S302のYes)、処理をS304に進める。
【0067】
S304において、サブCPU121は、メインCPU111自身がリセット状態に移行した、または、メインCPU111がサブCPU121へとリセット状態に移行する指示を与えた、と判断する。図5の3番目の行に示されるように、メインCPU111は、メインCPU111自身がリセット状態に移行した場合、または、サブCPU121をリセット状態に移行させる指示を与える場合、リセット信号をH論理からL論理に変化させるとともに、確認信号をH論理からL論理に変化させる。従って、サブCPU121は、リセット検出信号(リセット信号の論理を反転した信号)および確認信号の両者の論理の変化を検出することにより、確実に、メインCPU111自身がリセット状態に移行した、または、メインCPU111からリセット状態に移行させる指示が与えられた、と判断することができる。
【0068】
続いて、S305において、サブCPU121は、スイッチ123を接続状態とする。具体的には、サブCPU121は、図5の4番目の行に示されるように、切替信号をH論理からL論理に変化させる。
【0069】
続いて、S306において、スイッチ123は、切替信号がH論理からL論理に変化したこと応じて、A端子とC端子とを接続する接続状態とする。これにより、スイッチ123は、メインCPU111から出力されたリセット信号をリセット信号入力端子142へと与える接続状態とすることができる。
【0070】
続いて、S307において、サブCPU121は、起動状態からリセット状態へと移行する。
【0071】
なお、サブCPU121は、図5の5番目の行に示されるように、リセット検出信号の論理が変化せず(すなわち、リセット検出信号がH論理で維持され)、且つ、確認信号の論理が変化(すなわち、確認信号がH論理からL論理に変化)した場合、何ら処理を実行せずに、確認信号の論理の変化を無視する。
【0072】
以上のように、サブCPU121は、起動状態においてメインCPU111からサブCPU121へのリセット信号の供給を遮断されていても、リセット検出信号および確認信号により、メインCPU111からリセット状態へ移行する指示を受け付けることができる。さらに、サブCPU121は、2つの信号に基づき、リセット状態への移行を受け付けるので、いずれか一方にノイズが重畳しても、誤動作によるリセットをしない。このように、本実施形態に係る電子機器100によれば、ノイズ等によりリセット信号の論理変化が発生しても、サブCPU121の誤動作によるリセットが発生せず、システムが停止してしまうことを防止することができる。
【0073】
図6は、変形例に係る電子機器100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
図2のフローに従って動作してシステムが起動した後、電子機器100は、図6に示す流れで処理を実行してもよい。
【0075】
まず、S401において、サブCPU121は、第2通信インターフェース回路141を介したCPU間通信により受け取った情報に基づき、メインCPU111からリセット状態への移行を指示するリセット指示を受信したか否かを判断する。
【0076】
CPU間通信によりリセット指示を受信した場合(S401のYes)、サブCPU121は、処理をS402に進める。CPU間通信によりリセット指示を受信していない場合(S401のNo)、サブCPU121は、処理をS406に進める。
【0077】
続いて、S402において、サブCPU121は、スイッチ123を接続状態とする。具体的には、サブCPU121は、切替信号をH論理からL論理に変化させる。
【0078】
続いて、S403において、スイッチ123は、切替信号がH論理からL論理に変化したこと応じて、A端子とC端子とを接続する接続状態とする。これにより、スイッチ123は、メインCPU111から出力されたリセット信号をリセット信号入力端子142へと与える接続状態とすることができる。
【0079】
続いて、S404において、メインCPU111は、リセット信号をH論理からL論理に変化させる。これにより、メインCPU111は、サブCPU121に対して、リセット状態に移行する指示を示すリセット信号により与えることができる。
【0080】
続いて、S405において、サブCPU121は、リセット信号入力端子142に与えられるリセット信号がH論理からL論理に変化したことに応じて、起動状態からリセット状態へと移行する。なお、メインCPU111は、S404の処理を、S402およびS403におけるサブCPU121の処理と並行に処理をしてもよい。
【0081】
一方、S406において、サブCPU121は、リセット検出信号の論理が変化したか否かを判断する。本実施形態においては、サブCPU121は、リセット検出信号がL論理からH論理に変化したか否かを判断する。
【0082】
サブCPU121は、リセット検出信号がL論理からH論理に変化していない場合(S406のNo)、処理をS401に戻す。サブCPU121は、リセット検出信号がL論理からH論理に変化した場合(S406のYes)、処理をS407に進める。
【0083】
S407において、サブCPU121は、確認信号がH論理からL論理に変化したか否かを判断する。サブCPU121は、確認信号がH論理からL論理に変化していない場合(S407のNo)、処理をS408に進める。S408において、サブCPU121は、リセット検出信号の論理の変化は誤動作であると判断して、何ら処理を実行せずに、処理をS401に戻す。
【0084】
サブCPU121は、確認信号がH論理からL論理に変化した場合(S407のYes)、S409において、サブCPU121は、例えばメインCPU111に異常が発生し、メインCPU111自身がリセット状態に移行したと判断する。サブCPU121は、S409に続いて、処理をS410に進める。
【0085】
続いて、S410において、サブCPU121は、スイッチ123を接続状態とする。具体的には、サブCPU121は、切替信号をH論理からL論理に変化させる。
【0086】
続いて、S411において、スイッチ123は、切替信号がH論理からL論理に変化したこと応じて、A端子とC端子とを接続する接続状態とする。これにより、スイッチ123は、メインCPU111から出力されたリセット信号をリセット信号入力端子142へと与える接続状態とすることができる。
【0087】
メインCPU111自身がリセット状態に移行した場合、リセット信号の論理は、L論理に変化する。このため、スイッチ123が接続状態となることにより、サブCPU121のリセット信号入力端子142には、L論理の信号が与えられる。従って、S411に続くS412において、サブCPU121は、起動状態からリセット状態へと移行する。
【0088】
以上のように、メインCPU111は、自身が正常である場合であって、サブCPU121をリセット状態に移行させる指示を与える場合、まず、CPU間通信によりリセット指示を与える。サブCPU121は、CPU間通信によりリセット指示を受信した場合、スイッチ123を非接続状態から接続状態に切り替える。そして、メインCPU111は、スイッチ123が接続状態に切り替えられた後に、リセット信号をH論理からL論理と切り替えることにより、サブCPU121をリセット状態に移行させる。
【0089】
これにより、サブCPU121は、起動状態においてメインCPU111からサブCPU121へのリセット信号の供給を遮断されていても、メインCPU111からリセット指示を受け付けてリセット状態に移行することができる。また、電子機器100は、メインCPU111が正常でない場合、リセット検出信号および確認信号の2つの信号により、メインCPU111に異常が発生しメインCPU111自身がリセット状態に移行したと判断する。これにより、電子機器100は、メインCPU111に異常が発生した場合、サブCPU121も合わせてリセット状態に移行させることができる。
【0090】
図7は、電子機器100が適用される電子写真装置の外観の一例を示す図である。
【0091】
以上説明した電子機器100は、図7に示すような電子写真装置に適用することができる。図7に示す電子写真装置は、複写機本体11、自動原稿送り装置(ADF(Auto Document Feeder ))12、フィニッシャ13、両面反転ユニット14、拡張給紙トレイ15、大容量給紙トレイLCT(Large Capacity Tray)16、1ビン排紙トレイ17及びインサートフィーダ18を備える。複写機本体11は、図示されていないスキャナ部、書き込み部、感光体、現像部、給紙部及び転写部等を備える。フィニッシャ13は、図示されていないステープラ及びシフトトレイを備える。
【0092】
図7のような電子写真装置の動作を制御する場合に、一般に、複数のCPUが使用される。例えば、電子写真装置は、作像系の動作を制御するCPUをメインCPU111とし、モーター、ファン及びソレノイド等の各負荷を制御するCPUをサブCPU121として適用される。
【0093】
図8は、電子機器100が適用される液体を吐出する装置300の構成の一例を示す図である。
【0094】
以上説明した電子機器100は、例えば図8に示すような液体を吐出する装置300に適用することもできる。図8に示す液体を吐出する装置300は、連結排紙ユニット301、302と、冷却ユニット303と、乾燥ユニット304と、作像ユニット305と、レジストユニット306と、先塗りユニット307と、連結給紙ユニット308~310と、を備える。
【0095】
連結排紙ユニット301、302は、印刷された印刷媒体(印刷用紙等)を排紙するユニットであり、2つのユニット構成とすることにより、排紙ボリュームを増加させることができる。連結排紙ユニット301、302は、それぞれ通信局311、312を備えている。
【0096】
冷却ユニット303は、乾燥ユニット304で乾燥された印刷媒体を冷却するユニットである。冷却ユニット303は、通信局313を備えている。
【0097】
乾燥ユニット304は、印刷された印刷媒体に付着したインクを乾燥させ、馴染ませる機能を有するユニットである。乾燥ユニット304は、通信局314を備えている。
【0098】
作像ユニット305は、印刷媒体にインクを吐出して印刷を行うユニットである。作像ユニット305は、通信局315を備えている。
【0099】
レジストユニット306は、印刷媒体の搬送タイミングの調整、および位置調整を行うユニットである。レジストユニット306は、通信局316を備えている。
【0100】
先塗りユニット307は、異なる印刷媒体に対してもインクを馴染ませることができるように、先塗り液をコーティングするユニットである。先塗りユニット307は、通信局317を備えている。
【0101】
連結給紙ユニット308~310は、印刷媒体を給紙するユニとであり、3つの連結構成とすることにより、給紙ボリュームを増加させることができる。連結給紙ユニット308~310は、それぞれ通信局318~320を備えている。
【0102】
通信局311~320は、何れかがメインコントローラ101として機能し、他がサブコントローラ102として機能する。
【0103】
例えば、液体を吐出する装置300として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0104】
また、液体を吐出する装置300は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0105】
また、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0106】
また、「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0107】
また、「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0108】
また、このような液体を吐出する装置300は、蓄電デバイス製造装置の中の、電極を製造する電極製造装置に適用することもできる。この場合、吐出される液体は、電極材料として用いられる活物質や固体電解質、導電性材料や絶縁性材料等であってもよい。このような液体を用いる場合、液体を吐出する装置300は、電極または電気化学素子を形成することができる。また、この場合、また、「液体が付着可能なもの」は、アルミニウム箔や銅箔といった集電体、または集電体上に活物質層が形成された電極を含んでもよい。
【0109】
また、液体を吐出する装置300を蓄電デバイス製造装置の中の電極製造装置として使用する場合、蓄電デバイス製造装置は、基材に液体を付与する電極製造装置に加え、例えば、基材をセル化に向けて加工する基材加工部などを含む。
【0110】
基材加工部は、液体吐出ヘッドよりも下流において、機能膜が形成された基材を加工する。基材加工部は、裁断、折り畳み、および貼り合わせの少なくとも1つを実施してもよい。基材加工部は、例えば、基材を裁断し、基材積層体を作製することができる。基材加工部は、基材を巻回または積層することができる。絶縁層が融点またはガラス転移点を有する材料を含む場合、基材加工部では、例えば、一の基材積層体と他の基材積層体は、加熱により少なくとも一部が接着される。
【0111】
基材加工部は、例えば、基材加工装置を有し、基材の裁断や基材のつづら折り、積層や巻回、積層や巻回後の基材間の熱接着等を目的の電池形態に応じて実施する。基材加工部において基材の加工が行われるときは、加工後の基材にシワ等のダメージを低減させることが可能となる理由から、基材の搬送速度は比較的遅いことが好ましい。
【0112】
基材加工部によって行われる基材加工工程は、例えば、液体吐出ヘッドよりも下流において、機能膜が形成された基材を加工する工程である。基材加工工程は、裁断工程、折り畳み工程、および貼り合わせ工程の少なくとも1つを含んでもよい。
【0113】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
【0114】
<1>
メインプロセッシング回路を備えるメインコントローラと、
サブプロセッシング回路と、スイッチと、を備えるサブコントローラと、
を備え、
前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路をリセット状態にさせるか起動状態にさせるかを指示するリセット信号を出力し、
前記サブプロセッシング回路は、リセット信号入力端子に与えられた信号の論理に応じて前記リセット状態または前記起動状態に移行し、
前記スイッチは、前記サブプロセッシング回路による制御に応じて、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号を前記リセット信号入力端子へと与える接続状態、または、前記リセット信号入力端子に前記サブプロセッシング回路を前記起動状態にさせる信号を与える非接続状態に切り替え、
前記サブプロセッシング回路は、前記起動状態に移行した後に、前記スイッチを前記非接続状態とし、
前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき、前記スイッチを前記接続状態とする
電子機器。
【0115】
<2>
前記サブプロセッシング回路は、
前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき、前記リセット状態に移行するか否かを判断し、
前記起動状態において、前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号とは異なる信号に少なくとも基づき前記リセット状態に移行すると判断した場合には、
前記スイッチを前記接続状態に切り替え、
前記スイッチを前記接続状態とした後に前記リセット状態へ移行する
<1>に記載の電子機器。
【0116】
<3>
前記サブプロセッシング回路は、
前記リセット状態において、前記スイッチを介して前記リセット信号入力端子に与えられた前記リセット信号に基づき、前記起動状態へ移行し、
前記起動状態へと移行した後に、前記スイッチを前記非接続状態とする
<2>に記載の電子機器。
【0117】
<4>
前記リセット信号は、少なくとも前記メインプロセッシング回路のリセット時に論理が変化する信号であり、
前記メインプロセッシング回路は、少なくとも前記メインプロセッシング回路のリセット時に論理が変化する確認信号を出力し、
前記サブプロセッシング回路は、
前記メインプロセッシング回路から出力された前記リセット信号の論理の変化を示すリセット検出信号が与えられるリセット検出信号入力端子と、
前記確認信号が与えられる確認信号入力端子と、
を含み、
前記サブプロセッシング回路は、前記起動状態において、前記リセット検出信号の論理の変化と、前記確認信号の論理の変化に基づき、前記スイッチを前記非接続状態とさせる
<1>から<3>の何れか1つに記載の電子機器。
【0118】
<5>
前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路を前記起動状態から前記リセット状態に移行させる場合には、前記リセット信号の論理を変化させるとともに、前記確認信号の論理を変化させる
<4>に記載の電子機器。
【0119】
<6>
前記メインプロセッシング回路は、前記サブプロセッシング回路と通信を行う第1通信インターフェース回路を含み、
前記サブプロセッシング回路は、前記メインプロセッシング回路と前記通信を行う第2通信インターフェース回路を含み、
前記サブプロセッシング回路は、前記第2通信インターフェース回路を介して受け取った情報に基づき、前記スイッチを前記非接続状態とさせる
<1>から<5>の何れか1つに記載の電子機器。
【符号の説明】
【0120】
100 電子機器
101 メインコントローラ
102 サブコントローラ
111 メインCPU
112 第1トランジスタ
121 サブCPU
122 第1抵抗
123 スイッチ
124 第2抵抗
125 第3抵抗
126 第4抵抗
127 フィルタ回路
128 第2トランジスタ
129 第5抵抗
131 第1通信インターフェース回路
132 リセット信号出力端子
133 確認信号出力端子
141 第2通信インターフェース回路
142 リセット信号入力端子
143 リセット検出信号入力端子
144 確認信号入力端子
145 切替信号出力端子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】
【特許文献1】特開2010-262037号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8