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特開2024-18492発光装置の製造方法ならびに発光装置および発光モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018492
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】発光装置の製造方法ならびに発光装置および発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240201BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20240201BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240201BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240201BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20240201BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20240201BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240201BHJP
【FI】
H01L33/62
F21L4/00 621
F21V5/04 650
F21V5/04 250
F21V5/00 510
F21Y113:13
F21Y105:16
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121865
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100187584
【弁理士】
【氏名又は名称】村石 桂一
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲也
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142CA11
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD44
5F142CD47
5F142CE03
5F142CE16
5F142DA14
5F142DB16
5F142DB24
5F142FA21
5F142GA40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光源と実装部材との電気的な接続を容易にできる発光装置の製造方法および発光装置を提供する。
【解決手段】光源10を準備する工程であって、複数の発光部11と、第1上面を有し、第1上面において、複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部WT1と、を備える支持基板と、複数の発光部を被覆するとともに、支持基板上の1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材13と、を備える光源を準備する工程と、第2上面を有し、第2上面において、光源が配置可能な第1領域と、第1領域1以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部WT2と、を備える制御部を準備する工程と、制御部の第1領域に光源を配置する工程と、第1ワイヤ接続部と第2ワイヤ接続部とを第1ワイヤで接続する工程と、を備える。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を準備する工程であって、
複数の発光部と、
第1上面を有し、前記第1上面において、前記複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部と、を備える支持基板と、
前記複数の発光部を被覆するとともに、前記支持基板上の前記1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材と、
を備える光源を準備する工程と、
第2上面を有し、前記第2上面において、前記光源が配置可能な第1領域と、前記第1領域以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部と、を備える制御部を準備する工程と、
前記制御部の前記第1領域に前記光源を配置する工程と、
前記第1ワイヤ接続部と前記第2ワイヤ接続部とを第1ワイヤで接続する工程と、を備える発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記光源を準備する工程は、
前記支持基板の前記第1上面に前記複数の発光部を配置する工程と、
前記支持基板の前記第1上面上において、前記複数の発光部を被覆する光反射性部材を形成する工程と、を含み、
前記光反射性部材を形成する工程は、
前記1以上の第1ワイヤ接続部を被覆する被覆部材を配置する工程と、
前記被覆部材および前記複数の発光部を前記光反射性部材で被覆する工程と、
前記被覆部材を除去し、前記被覆部材が配置されていた領域に前記窪みを形成する工程と、を含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記被覆部材を配置する工程において、前記被覆部材の高さは、前記発光部の高さよりも低い、請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1ワイヤ接続部は複数設けられており、複数の前記第1ワイヤ接続部は、上面視において、前記複数の第1端子部を挟んで対向する位置にそれぞれ列状に配置されており、
前記被覆部材を配置する工程において、前記被覆部材は、列状に配置された全ての前記第1ワイヤ接続部を連続して被覆する、請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記被覆部材を配置する工程において、前記被覆部材は水溶性部材であり、
前記窪みを形成する工程は、前記水溶性部材を水により溶解させて除去する工程を含む、請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記光源を準備する工程は、
前記支持基板の前記第1上面に前記複数の発光部を配置する工程と、
前記支持基板の前記第1上面上において、前記複数の発光部を被覆する光反射性部材を形成する工程と、を含み、
前記光反射性部材を形成する工程は、
未硬化の光反射性材料を準備する工程と、
前記支持基板の前記複数の発光部が配置される側の面と前記未硬化の光反射性材料とを対向させた状態で、前記複数の発光部を前記未硬化の光反射性材料に浸漬する工程と、
前記未硬化の光反射性材料を硬化又は固化し、得られる前記光反射性部材の外周部に前記窪みを形成する工程と、を含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記光源を準備する工程において、前記光反射性部材は、上面と、前記上面と反対側に位置する下面と、前記上面と前記下面とを接続する外側面とを有し、
前記光反射性部材における前記窪みは、前記下面および前記外側面に連続して設けられた開口を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1ワイヤで接続する工程の後に、前記窪み内に入り込むとともに、前記第1ワイヤ接続部を被覆する第1樹脂部材を配置する工程をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2ワイヤ接続部を被覆する第2樹脂部材を配置する工程をさらに備える、請求項8に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
第3上面を有し、前記第3上面に1以上の第3ワイヤ接続部を備える実装基板を準備する工程と、
請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法で得られる発光装置を前記実装基板の前記第3上面上に配置する工程と、
前記制御部の前記第2ワイヤ接続部と、前記実装基板の前記第3ワイヤ接続部と、を第2ワイヤにより接続する工程と、を備える、発光モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記第3ワイヤ接続部を被覆する第3樹脂部材を配置する工程をさらに備える、請求項10に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項12】
光源であって、
複数の発光部と、
第1上面を有し、前記第1上面において、前記複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部と、を備える支持基板と、
前記複数の発光部を被覆するとともに、前記支持基板上の前記1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材と、
を備える光源と、
第2上面を有し、前記第2上面において、前記光源が配置可能な第1領域と、前記第1領域以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部と、を有し、前記第1領域上に前記光源を配置する制御部と、
前記第1ワイヤ接続部と前記第2ワイヤ接続部とを接続する第1ワイヤと、
前記窪み内に入り込むとともに、前記第1ワイヤ接続部を被覆する第1樹脂部材と、を備える発光装置。
【請求項13】
前記第1樹脂部材は、前記光源の発光面に達していない、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第1ワイヤ接続部は複数設けられており、複数の前記第1ワイヤ接続部は、上面視において、前記複数の第1端子部を挟んで対向する位置にそれぞれ列状に配置されており、
前記第1樹脂部材は、列状に配置された全ての前記第1ワイヤ接続部を連続して被覆する、請求項12に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第2ワイヤ接続部を被覆する第2樹脂部材をさらに備える、請求項12~14のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項16】
前記光反射性部材は、上面と、前記上面と反対側に位置する下面と、前記上面と前記下面とを接続する外側面とを有し、
前記光反射性部材における前記窪みは、前記下面および前記外側面に連続して設けられた開口を有する、請求項12~14のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項17】
請求項12~14のいずれか1項に記載の発光装置と、
第3上面を有し、前記第3上面に前記発光装置が配置され、前記第3上面の前記発光装置が配置される領域以外の領域に配置される1以上の第3ワイヤ接続部を備える実装基板と、
前記制御部の前記第2ワイヤ接続部と、前記実装基板の前記第3ワイヤ接続部と、を接続する第2ワイヤと、を備える、発光モジュール。
【請求項18】
前記第3ワイヤ接続部を被覆する第3樹脂部材をさらに備える、請求項17に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置の製造方法ならびに発光装置および発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード等の発光素子を用いた光源が幅広く使用されるようになってきている。例えば、特許文献1および特許文献2には、複数の発光素子を含む光源において、隣接する発光素子同士の間に白色反射部材が充填された光源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-139979号公報
【特許文献2】特開2015-35532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2に開示された光源を実装基板等の実装部材上に配置する際、一例として、ワイヤボンディング技術を採用し、光源と実装部材とをワイヤにより電気的に接続することが考えられる。
【0005】
本開示は、光源と実装部材との電気的な接続を容易にできる発光装置の製造方法および発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る発光装置の製造方法は、
光源を準備する工程であって、
複数の発光部と、
第1上面を有し、前記第1上面において、前記複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部と、を備える支持基板と、
前記複数の発光部を被覆するとともに、前記支持基板上の前記1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材と、
を備える光源を準備する工程と、
第2上面を有し、前記第2上面において、前記光源が配置可能な第1領域と、前記第1領域以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部と、を備える制御部を準備する工程と、
前記制御部の前記第1領域に前記光源を配置する工程と、
前記第1ワイヤ接続部と前記第2ワイヤ接続部とを第1ワイヤで接続する工程と、を備える。
【0007】
また、本開示に係る発光装置は、
光源であって、
複数の発光部と、
第1上面を有し、前記第1上面において、前記複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部と、を備える支持基板と、
前記複数の発光部を被覆するとともに、前記支持基板上の前記1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材と、
を備える光源と、
第2上面を有し、前記第2上面において、前記光源が配置可能な第1領域と、前記第1領域以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部と、を有し、前記第1領域上に前記光源を配置する制御部と、
前記第1ワイヤ接続部と前記第2ワイヤ接続部とを接続する第1ワイヤと、
前記窪み内に入り込むとともに、前記第1ワイヤ接続部を被覆する第1樹脂部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、光源と実装部材との電気的な接続を容易にできる発光装置の製造方法および発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本開示の一実施形態に係る発光装置を示す模式的平面図である。
図1B図1Aにおける第1樹脂部材および第2樹脂部材を省略した状態の発光装置を示す模式的平面図である。
図1C図1AにおけるIC-IC線断面の矢視方向で視たときの模式的断面図である。
図2A】本開示の一実施形態に係る発光装置の窪みを説明する模式的平面図である。
図2B】本開示の一実施形態に係る発光装置の窪みの変形例を説明する模式的平面図である。
図2C】本開示の一実施形態に係る発光装置の窪みの変形例を説明する模式的平面図である。
図3A】本開示の一実施形態に係る発光モジュールを示す模式的平面図である。
図3B図3Aにおける第1樹脂部材~第3樹脂部材を省略した状態の発光モジュールを示す模式的平面図である。
図3C図3AにおけるIIIC-IIIC線断面の矢視方向で視たときの模式的断面図である。
図4】本開示の他の実施形態に係る発光モジュールを示す模式的断面図である。
図5】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図6A】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図6B】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的平面図である。
図7A】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図7B】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的平面図である。
図7C】本開示に係る発光装置の第1の製造方法の変形例を説明する模式的断面図である。
図8A】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図8B】本開示に係る発光装置の第1の製造方法の変形例を説明する模式的断面図である。
図9A】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図9B】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的平面図である。
図10A】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図10B】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的平面図である。
図11A】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図11B】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的平面図である。
図12】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的平面図である。
図13】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図14】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図15】本開示に係る発光装置の第1の製造方法を説明する模式的断面図である。
図16】本開示に係る発光モジュールの製造方法を説明する模式的断面図である。
図17】本開示に係る発光モジュールの製造方法を説明する模式的断面図である。
図18】本開示に係る発光装置の第2の製造方法を説明する模式的断面図である。
図19】本開示に係る発光装置の第2の製造方法を説明する模式的断面図である。
図20】本開示に係る発光装置の第2の製造方法を説明する模式的断面図である。
図21】本開示に係る発光装置の第2の製造方法を説明する模式的断面図である。
図22】本開示に係る発光装置の第2の製造方法を説明する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。なお、以下に説明する発光装置の製造方法ならびに発光装置および発光モジュールは、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。
【0011】
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上複数の実施形態に分けて示す場合がある。なお、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する場合がある。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合がある。断面図として切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0012】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を示すために用いているに過ぎない。本明細書において「上(または下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(または下方)に位置している場合も含む。
【0013】
<発光装置>
本開示の一実施形態に係る発光装置1は、図1A図1Cに示すように、光源10と、制御部20と、光源10と制御部20とを電気的に接続する第1ワイヤW1と、光源10上の第1ワイヤ接続部WT1を被覆する第1樹脂部材R1と、を備える。発光装置1は、制御部20上の第2ワイヤ接続部WT2を被覆する第2樹脂部材R2をさらに備えていてもよい。以下、発光装置1の各構成部材について、詳述する。
【0014】
[光源]
光源10は、複数の発光部11と、複数の発光部11を配置する支持基板12と、複数の発光部11を被覆する光反射性部材13と、を備える。図1Aに例示する光源10は、上面に複数の発光部11の発光面を含む発光面Pを有し、上面と反対側の下面が実装面である。
【0015】
[発光部]
複数の発光部11は、例えば、後述する制御部20により個別又はグループごとに点灯可能である。図1Aに示すように、複数の発光部11は、上面視において、第1方向および第1方向と交差する第2方向に等間隔で整列されていることが好ましい。図1Aでは、発光部11が5行5列に整列されている形態を例示している。
【0016】
複数の発光部11は、全てを直列接続して一括点灯させてもよく、それぞれを並列接続させて個別点灯させてもよい。また、直列接続と並列接続を組み合わせて直列接続されたグループごとに点灯させてもよい。例えば、複数の発光部11をそれぞれ並列接続することで、制御部20により各発光部11を個別に制御可能である。これにより、各発光部11を所望の明るさで個別に点灯することができ、光源10の出射光におけるコントラストを向上させることができる。
【0017】
本実施形態に係る発光装置1は、例えば撮像装置のフラッシュ光源として用いることができる。撮像装置は、例えば携帯通信端末に搭載される。本実施形態に係る発光装置1を撮像装置のフラッシュ光源として用いる場合は、例えば、すべての発光部11を発光させる広角モードと、中央近傍に位置する発光部11のみを発光させ、外側に位置する発光部11を発光させない狭角モードとを切り替えて光を照射可能である。狭角モードは、広角モードよりも光の照射角が狭い。発光装置1が広角モードと狭角モードに対応して照射光を切り替え可能であることで、例えば、撮像装置における接写や望遠等の撮影モードに応じた撮影を行うことが可能となる。
【0018】
上面視において、隣り合う発光部11の発光面間の距離は、短いことが好ましい。隣り合う発光部11の発光面間の距離は、発光部11の発光面の最大長さに対して、例えば、0.01倍以上0.16倍以下であり、0.02倍以上0.08以下であることが好ましい。隣り合う発光部11の発光面間の距離は、例えば、10μm以上200μm以下であり、20μm以上100μm以下であることが好ましい。隣り合う発光部11の発光面間の距離を上記に設定することで、発光部11間の暗部となる領域を小さくすることができる。
【0019】
発光部11は、発光素子11aを有する。また、発光部11は、さらに発光素子11aの上方に配置される透光性部材14を有していてよい。透光性部材14は、例えば、上面視における形状が略矩形状である板状の部材であり、発光素子11aの上面を覆うように設けられている。透光性部材14は、例えば、波長変換物質を含む波長変換層、光拡散部材を含む光拡散層、及び波長変換物質および光拡散部材を含まない透明層からなる群から選択される少なくとも1つを含む。透光性部材14は、例えば、波長変換層14aと光拡散層14bとを備える。
【0020】
発光素子11aは、半導体構造体Gおよび電極Eを有する。電極Eは、少なくとも2つの電極を有し、それぞれの電極はアノード電極またはカソード電極として機能する。図1Cに示す発光素子11aでは、電極Eは半導体構造体Gの下方に配置されている。半導体構造体Gは、支持基板と支持基板上に配置される半導体層とを含んでいてよい。この場合、支持基板、半導体層および電極Eが順に配置される。
【0021】
半導体構造体Gは、n側半導体層と、p側半導体層と、n側半導体層とp側半導体層とに挟まれた活性層とを含む。活性層は、単一量子井戸(SQW)構造としてもよいし、複数の井戸層を含む多重量子井戸(MQW)構造としてもよい。半導体構造体Gは、窒化物半導体からなる複数の半導体層を含む。窒化物半導体は、InAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)からなる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含む。活性層の発光ピーク波長は、目的に応じて適宜選択することができる。活性層は、例えば可視光または紫外光を発光可能に構成されている。
【0022】
半導体構造体Gは、n側半導体層と、活性層と、p側半導体層とを含む発光部を複数含んでいてもよい。半導体構造体Gが複数の発光部を含む場合、それぞれの発光部において、発光ピーク波長が異なる井戸層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ井戸層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、数nm程度のばらつきがある場合も含む。複数の発光部の発光ピーク波長の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば、半導体構造体Gが2つの発光部を含む場合、それぞれの発光部が発する光の組み合わせとして、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、または、緑色光と赤色光などの組み合わせが挙げられる。例えば、半導体構造体Gが3つの発光部を含む場合、それぞれの発光部が発する光の組み合わせとして、青色光、緑色光、及び赤色光とする組み合わせが挙げられる。各発光部は、他の井戸層と発光ピーク波長が異なる井戸層を1以上含んでいてもよい。
【0023】
波長変換層14aは、発光素子11aからの光の少なくとも一部を波長変換する。波長変換層14aは、上面視における形状が略矩形状である板状の部材である。波長変換層14aに含まれる波長変換部材としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)Si:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si1-xAl)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I) ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se))等を用いることができる。
【0024】
波長変換層14aは、樹脂材料、セラミックス、ガラス等に上記の波長変換部材を含有させたもの、波長変換部材の焼結体等が挙げられる。また、波長変換層14aは、樹脂材料、セラミックス、ガラス等の成形体の一の面に波長変換部材を含有する樹脂層を配置したものでもよい。
【0025】
複数の発光部11から白色光を発光させる場合は、例えば、青色に発光する発光素子11aと、発光素子11aからの光により黄色に発光する波長変換部材を含む波長変換層14aと、を組み合わせることができる。
【0026】
光拡散層14bは、光拡散層14bの内部に進入する光を拡散させる。光拡散層14bは、上面視における形状が略矩形状である板状の部材である。光拡散層14bは、波長変換層14aの上面を覆うように設けられている。光拡散層14bは、例えば、樹脂材料に酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の光拡散部材を含有させたものを用いることができる。本実施形態における光拡散層14bの平面形状は、波長変換層14aの平面形状と同じである。なお、光拡散層14bの平面形状は、波長変換層14aの平面形状よりも大きくてもよく、小さくてもよい。
【0027】
透光性部材14が波長変換層14aおよび光拡散層14bを含む場合、光拡散層14bは、光拡散部材の代わりに、又は、光拡散部材に加えて、波長変換部材を含んでいてよい。つまり、波長変換層14aおよび光拡散層14bの双方に、波長変換部材を含有させてよい。好ましくは、光拡散層14bは、450nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光を発する波長変換部材を含む。このような波長変換部材として、例えば、(Sr,Ca)MgSi:EuまたはCa10(POCl:Euを用いることができる。発光部11の最表面に位置する光拡散層14bに上記の波長変換部材を含有させることで、光源10が非発光時において、光拡散層14bの上面視における体色が白色系になりやすい。これにより、例えば、後述する光反射性部材13の体色を白色系とする場合、非発光時における光源10の上面全体の色彩を同系色(白色系)にすることができる。その結果、例えば、発光装置1を外部から見たときに、発光装置1の美観を向上させることができる。また、青色に発光する発光素子11aを用いる場合、発光装置の発光スペクトルにおいて、例えば、波長465nm以上480nm以下の範囲に相対発光強度が低い領域が生じる場合がある。これに対して、光拡散層14bが450nm以上480nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光を発する波長変換部材を含むことで、発光装置1の発光スペクトルにおいて、相対発光強度が低い該領域の相対発光強度を高くすることができる。これにより、発光装置1の光束が高くなりやすい。また、光拡散層14bに含まれる波長変換部材は、光拡散層14bに入射される光を拡散する効果も有する。
【0028】
透光性部材14の外縁は、上面視において、発光素子11aの外縁と一致してよく、また発光素子11aの外縁よりも外側に位置してよい。これにより、発光素子11aから出射される光が透光性部材14を通過せずに外部に取り出されることを低減することができる。なお、透光性部材14の外縁は、上面視において、発光素子11aの外縁の内側に位置してもよい。
【0029】
[支持基板]
支持基板12は、複数の発光部11を配置可能な基板である。支持基板12は、例えば、絶縁性材料を含む母材と、母材の表面に配置される配線と、を備える。支持基板12は、内部に配線の一部をさらに配置していてよい。
【0030】
支持基板12は、上面(第1上面U1)を有する。支持基板12は、第1上面U1において、複数の第1端子部T1と、1以上の第1ワイヤ接続部WT1と、を備える。第1端子部T1および第1ワイヤ接続部WT1は、配線の一部である。第1端子部T1は、複数の端子を含み、発光部11と対をなして電気的に接続される。各発光部11は、対をなす第1端子部T1上に配置され、各発光部11の電極Eと第1端子部T1の端子とが電気的に接続される。各発光部11の電極Eと第1端子部T1の端子は、例えば、銀ペースト等の導電性部材を介して電気的に接続される。第1端子部T1の端子は、例えば、正の端子と負の端子である。
【0031】
第1ワイヤ接続部WT1は、後述する第1ワイヤW1の一端が接続される配線部である。第1ワイヤ接続部WT1は、後述する制御部20の第2ワイヤ接続部WT2と第1ワイヤW1により電気的に接続される。これにより、制御部20から出力される電流を支持基板12に供給することができ、光源10における複数の発光部11に含まれる各発光素子11aを個別又はグループごとに点灯させることができる。
【0032】
第1ワイヤ接続部WT1は、上面視において複数の第1端子部T1を挟むように対向する位置にそれぞれ列状に配置されてよい。図2Aでは、4つの第1ワイヤ接続部WT1が列状に配置されている。図2Aにおいては、図示の便宜上、制御部20、第1ワイヤW1および第1樹脂部材R1等を省略しており、第1ワイヤ接続部WT1および支持基板12の一部を可視化している。なお、第1ワイヤ接続部WT1の配置や個数は、各発光部11に電流が適切に供給される限りにおいて、上記に限定されない。
【0033】
支持基板12は、母材として絶縁性材料を用いることが好ましい。支持基板12は、発光部11から発せられる光や外光等を透過しにくく、かつ、一定の機械的な強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、支持基板12は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト、窒化珪素等のセラミックスや、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド等の樹脂を母材として構成することができる。
【0034】
第1端子部T1および第1ワイヤ接続部WT1を含む配線は、例えば、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ロジウムまたはこれらの合金等の少なくとも1種で構成される部材を用いることができる。
【0035】
[光反射性部材]
光反射性部材13は、発光部11が発する光に対する反射性を有する。光反射性部材13は、複数の発光部11の上面を露出させるように、複数の発光部11の側面を被覆する。また、光反射性部材13は、隣接する発光部11間に配置されている。発光部11間に光反射性部材13を配置することで、一の発光部11が出射する出射光と、隣接する発光部11が出射する出射光とが重なることを低減することができる。これにより、例えば、一の発光部11が発光し、隣接する発光部11が非発光である場合に、一の発光部が出射した出射光が隣接する発光部11側に進入することを低減することができる。その結果、高いコントラストを有する発光装置とすることができる。
【0036】
本実施形態に係る発光装置1では、光反射性部材13は、発光素子11aの側面、波長変換層14aの側面および光拡散層14bの側面を覆っている。発光部11の発光面において、光拡散層14bの上面は光反射性部材13から露出している。発光面は主たる光取出し面である。また、光反射性部材13は、発光素子11aの半導体構造体Gの側面及び下面を覆っている。光反射性部材13は、発光素子11aの電極Eの側面を覆っている。電極Eの下面は、光反射性部材13から露出している。
【0037】
上面視において、隣接する発光部11の発光面間の距離(光反射性部材13の幅)は、発光部11の発光面の最大長さに対して、例えば、0.01倍以上0.16倍以下であり、0.02倍以上0.08以下であることが好ましい。隣接する発光部11の発光面間の距離は、例えば10μm以上200μm以下であり、20μm以上100μm以下であることが好ましい。これにより、上面視において、発光装置1を小型にしつつ、高いコントラストを有する発光モジュールとすることができる。
【0038】
光反射性部材13は、支持基板12上の1以上の第1ワイヤ接続部WT1を露出させる窪みC1を有する。第1ワイヤ接続部WT1が光反射性部材13に被覆されていないことで、第1ワイヤW1を第1ワイヤ接続部WT1に容易に接続することができる。本実施形態に係る発光装置1では、図1Cに示すように、光反射性部材13は、第1ワイヤ接続部WT1と離隔している。また、光反射性部材13は、上面13Uと、上面13Uと反対側に位置する下面13Bと、上面13Uと下面13Bとを接続する外側面13Sとを有する。光反射性部材13の窪みC1は、光反射性部材13の下面13Bと外側面13Sに連続して設けられた開口Cを有している。図1Cに示す開口Cは、光反射性部材13の上面13Uに達していない。これにより、窪みC1内に第1樹脂部材R1となる樹脂材料を配置する際に、第1樹脂部材R1となる樹脂材料が光源10の発光面Pに這い上がることを低減することができる。その結果、第1樹脂部材R1が光源10の配向に意図せず影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0039】
本実施形態では、図1Cに示すように、光反射性部材13の窪みC1は、第1ワイヤ接続部WT1が形成されている側の外側面13Sに設けられている。また、窪みC1は、光反射性部材13の上面13U側から下面13B側に向かって、光反射性部材13の外側面13Sから内側に向かう方向の深さが深くなっている。窪みC1の開口Cにおける高さ方向の最大長さL1は、光反射性部材13の上面13Uから下面13Bの長さL0に対して、例えば0.3倍以上0.9倍以下であり、0.5倍以上0.9倍以下であることが好ましい。また、窪みC1の開口Cにおける外側面13Sから内側に向かう方向の最大長さL2は、光反射性部材13の上面13Uから下面13Bの長さL0に対して、例えば0.3倍以上5倍以下であり、0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。最大長さL2は、最大長さL1よりも長くてよい。
【0040】
後述する第1樹脂部材R1は、窪みC1に入り込む。光反射性部材13が上面13Uに達しない開口Cを有する窪みC1を備えることで、第1樹脂部材R1が光源10の発光面Pに這い上がることを低減することができる。これにより、第1樹脂部材R1が光源10の発光面Pに這い上がることによって光源10の配向に影響を及ぼすことを低減することができる。また、光反射性部材13が外側面13Sに窪みC1を有することで、光反射性部材13が窪みC1を有していない発光装置と比較して、光反射性部材13と第1樹脂部材R1との接触面積を大きくすることができる。これにより、光反射性部材13と第1樹脂部材R1との密着性を向上させることができる。
【0041】
本実施形態における発光装置1では、光反射性部材13の窪みC1は、図2Aに示すように、上面視において複数の第1ワイヤ接続部WT1に沿って列状に配置されている。なお、光反射性部材13の窪みC1は、光反射性部材13が第1ワイヤ接続部WT1と離隔する位置にあれば、上記の形態に限られない。例えば、光反射性部材13の窪みC1は、図2Bに示すように、光反射性部材13の上面から下面に貫通する窪みとしてよい。窪みC1の底面では、第1ワイヤ接続部WT1と支持基板12の一部とが光反射性部材13から露出している。窪みC1は、図2Bに示すように各第1ワイヤ接続部WT1に個別に設けられていてよく、複数の第1ワイヤ接続部WT1に対して設けられていてよい。また、光反射性部材13の窪みC1は、図2Cに示すように、光反射性部材13の上面から下面に貫通し、且つ光反射性部材13の側面に達する窪みとしてよい。窪みC1の底面では、第1ワイヤ接続部WT1と支持基板12の一部とが光反射性部材13から露出している。なお、図2Bおよび図2Cにおいては、図示の便宜上、制御部20、第1ワイヤW1および第1樹脂部材R1等を省略しており、第1ワイヤ接続部WT1および支持基板12の一部を可視化している。
【0042】
光反射性部材13は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。光反射性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。また、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料や、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。
【0043】
[制御部]
制御部20は、光源10の下方に位置し、その上面(第2上面U2)に光源10を配置する。制御部20は、複数の発光部11を個別又はグループごとに制御するものであり、一例としてICが挙げられる。高さ方向において、光源10と制御部20とを積層させることで、実装基板上の同一の実装面において光源10および制御部20のそれぞれの占有面積を確保する必要がない。これにより、上面視における発光装置1の大きさを小さくすることができる。
【0044】
制御部20は、第2上面U2に第1領域A1と、第1領域A1以外の第2領域A2と、を有している。第1領域A1は、光源10が配置可能な領域であり、制御部20の中央領域に相当する。第2領域A2は、第1領域A1よりも外側の領域に相当し、複数の第2ワイヤ接続部WT2を有している。
【0045】
本実施形態に係る発光装置1では、複数の第2ワイヤ接続部WT2は、第2領域A2において、複数の発光部11を挟んで列状に配置されている。複数の第2ワイヤ接続部WT2の配列方向は、複数の第1ワイヤ接続部WT1の配列方向と一致している。図1Bでは、4つの第2ワイヤ接続部WT2が列状に配置されている。なお、第2ワイヤ接続部WT2の配置や個数は、各発光部11に電流が適切に供給される限りにおいて、上記に限定されない。
【0046】
支持基板12上に設けられる第1ワイヤ接続部WT1と制御部20上に設けられる第2ワイヤ接続部WT2とは、第1ワイヤW1によって電気的に接続される。これにより、制御部20から出力される電流を支持基板12に供給することができ、光源10における複数の発光部11に含まれる各発光素子11aを個別に点灯させることができる。
【0047】
第2ワイヤ接続部WT2は、第1ワイヤ接続部WT1と同じ材料を用いることができる。
【0048】
[第1ワイヤ]
第1ワイヤW1は、制御部20から出力される電流を支持基板12に供給するための部材である。第1ワイヤW1は、支持基板12上に設けられる第1ワイヤ接続部WT1と制御部20上に設けられる第2ワイヤ接続部WT2とを電気的に接続する。第1ワイヤW1としては、例えば、金、銅、銀、白金、アルミニウム、パラジウム等の金属またはこれらの1種以上を含む合金を用いることができる。
【0049】
[第1樹脂部材]
第1樹脂部材R1は、第1ワイヤ接続部WT1を被覆する。第1樹脂部材R1は、絶縁性の樹脂材料であり、例えば光反射性を有する。第1樹脂部材R1は、光反射性部材13と同じ材料であってもよいし、光反射性部材13と異なる材料であってもよい。第1樹脂部材R1は、窪みC1の表面に接するように配置されてもよい。第1樹脂部材R1が窪みC1に配置されることで、光反射性部材13が窪みC1を有していない発光装置と比較して、光反射性部材13と第1樹脂部材R1との接触面積を大きくすることができる。これにより、光反射性部材13と第1樹脂部材R1との密着性を向上させることができる。また、本実施形態の発光装置1では、第1樹脂部材R1は、第1ワイヤW1を被覆している。第1樹脂部材R1が第1ワイヤW1を被覆することで、例えば、発光装置1に外力が負荷された場合に、第1樹脂部材R1が第1ワイヤW1を保護する役割を有し、第1ワイヤW1が変形等することを低減する効果を有する。また、第1樹脂部材R1が光反射性を有していることで、光源10の戻り光のうち第1ワイヤW1に向かって出射される光の一部を第1樹脂部材R1で反射させて、上方に取り出しやすくなる。また、第1樹脂部材R1が第1ワイヤW1を被覆することで、発光装置1を上方から見たときに第1ワイヤW1が視認されにくくなるので、発光装置1の美観を向上させることができる。
【0050】
[第2樹脂部材]
発光装置1は、第2樹脂部材R2をさらに備えていてよい。第2樹脂部材R2は、第2ワイヤ接続部WT2を被覆する。第2樹脂部材R2は、第1樹脂部材R1と同様に絶縁性の樹脂部材であり、例えば光反射性を有する。第2樹脂部材R2は、第1樹脂部材R1と同じ材料であってよく、異なる材料であってもよい。本実施形態の発光装置1では、第2樹脂部材R2は、第1ワイヤW1および後述する第2ワイヤW2を被覆している。第2樹脂部材R2が第1ワイヤW1等を被覆することで、例えば、発光装置1に外力が負荷された場合に、第2樹脂部材R2が第1ワイヤW1等を保護する役割を有し、第1ワイヤW1等が変形等することを低減する効果を有する。また、第2樹脂部材R2が光反射性を有していることで、光源10の戻り光のうち第1ワイヤW1等に向かって出射される光の一部を第2樹脂部材R2で反射させて、上方に取り出しやすくなる。また、第2樹脂部材R2が第1ワイヤW1および第2ワイヤW2を被覆することで、発光装置1を上方から見たときに第1ワイヤW1および第2ワイヤW2が視認されにくくなるので、発光装置1の美観を向上させることができる。なお、第2樹脂部材R2を設けずに第1樹脂部材R1によって第2ワイヤ接続部WT2を被覆してもよい。
【0051】
第1樹脂部材R1および第2樹脂部材R2は、図1Cに示すように、上面が湾曲していてよい。また、高さ方向において、第2樹脂部材R2の最も高い位置は、第1樹脂部材R1の最も高い位置よりも低くてよい。なお、第1樹脂部材R1および第2樹脂部材R2の上面は、湾曲面を含まない平面であってもよく、平面と湾曲面とを組み合わせた形状であってもよい。
【0052】
次に、本開示の一実施形態に係る発光モジュール2について図3Aおよび図3Bを参照しながら説明する。本開示の一実施形態に係る発光モジュール2は、発光装置1と、上面に発光装置1を配置する実装基板30と、発光装置1と実装基板30とを電気的に接続する第2ワイヤW2と、を備える。発光モジュール2は、第2樹脂部材R2、第3樹脂部材R3およびレンズ60をさらに備えていてよい。以下、発光モジュール2の各構成部材について詳述する。なお、発光装置1については、上述したとおりであり、説明を省略する。
【0053】
[実装基板]
実装基板30は、制御部20の下方に配置されている。実装基板30は、光源10から出射される光や外光などを透過しにくい材料を用いることが好ましい。実装基板30は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックスや、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド等の樹脂を母材として構成することができる。
【0054】
実装基板30は、第3上面U3に発光装置1が配置される領域と、発光装置1が配置される領域の外側の領域と、を有している。発光装置1が配置される領域の外側の領域には、1以上の第3ワイヤ接続部WT3を備える。
【0055】
複数の第3ワイヤ接続部WT3は、図3Bに示すように、発光装置1を挟んで上面視において列状に配置されてよい。第3ワイヤ接続部WT3の配列方向は、例えば、第1ワイヤ接続部WT1の配列方向、及び第2ワイヤ接続部WT2の配列方向と一致している。
【0056】
1以上の第3ワイヤ接続部WT3は、制御部20に設けられた第2ワイヤ接続部WT2と、第2ワイヤW2によって電気的に接続される。これにより、第2ワイヤW2によって実装基板30から制御部20に電流を供給することができる。第3ワイヤ接続部WT3は、第1ワイヤ接続部WT1と同じ材料を用いることができる。
【0057】
[第3樹脂部材]
第3樹脂部材R3は、第3ワイヤ接続部WT3を被覆する。第3樹脂部材R3は、第1樹脂部材R1および第2樹脂部材R2と同様に、第3ワイヤ接続部WT3に対する電気的短絡を防止するため、絶縁性材料である。また、第3樹脂部材R3は、例えば光反射性を有する。第3樹脂部材R3は、第1樹脂部材R1または第2樹脂部材R2と同じ材料であってよく、異なる材料であってもよい。本実施形態の発光モジュール2では、第3樹脂部材R3は、第2ワイヤW2の一部を被覆している。第2ワイヤW2は、第2樹脂部材R2の一部および第3樹脂部材R3の一部によって被覆されている。
【0058】
第1樹脂部材R1、第2樹脂部材R2および第3樹脂部材R3は、図3Cに示すように、上面が湾曲していてよい。また、高さ方向において、第3樹脂部材R3の最も高い位置は第2樹脂部材R2の最も高い位置よりも低く、第2樹脂部材R2の最も高い位置は第1樹脂部材R1の最も高い位置よりも低くてよい。
【0059】
<発光モジュールを組み込んだフラッシュ用発光モジュール>
次に、本実施形態の発光モジュールを組み込んだフラッシュ用発光モジュールについて図4を参照しながら説明する。本実施形態のフラッシュ用発光モジュールは、光源10の上方にレンズ60が配置されている。一例として、光源10上に第1レンズ61を設け、その上に、第2レンズ62を設けてよい。第2レンズ62は、例えば、フレネルレンズである。フレネルレンズは、凹凸が配置された下面を光源10側に向けて、光源10から出射される光を入射させて、平坦な上面から出射させるように配置されている。フレネルレンズを用いることで、レンズ60の厚みを薄くすることができる。本実施形態に係る発光モジュール2では、光源10と制御部20とを高さ方向に重ねて配置するため、光源10と制御部20とを別々に配置する発光モジュールと比べて発光モジュールの厚みが厚くなりやすい。そのため、レンズ60またはレンズ60の一部のレンズをフレネルレンズとすることで、発光モジュール全体の厚みが厚くなることを抑制することができる。これにより、発光モジュール2を小型化することができる。
【0060】
<発光装置の製造方法>
次に、本開示の一実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。本開示の一実施形態に係る発光装置の製造方法は、光源を準備する工程と、制御部を準備する工程と、制御部上に光源を配置する工程と、光源と制御部とを第1ワイヤで電気的に接続する工程と、を備えている。本開示の一実施形態に係る発光装置の製造方法は、第1ワイヤで電気的に接続する工程の後に、第1樹脂部材を配置する工程をさらに備えていてよい。本開示の一実施形態に係る発光装置の製造方法は、第1の製造方法と第2の製造方法を含む。まず、第1の製造方法について、図5~15を参照して各工程を説明する。
【0061】
<発光装置の第1の製造方法>
[光源を準備する工程]
光源を準備する工程は、支持基板の第1上面に複数の発光部を配置する工程と、支持基板の第1上面上において、複数の発光部を被覆する光反射性部材を形成する工程と、を含む。
【0062】
-複数の発光部を配置する工程-
まず、図5に示すように、発光部11を構成する発光素子11aを準備する。発光素子11aは、半導体構造体Gおよび電極Eを有している。次に、各発光素子11aを支持基板12の第1端子部T1上にそれぞれ配置する。各発光素子11aの電極Eと第1端子部T1の端子は、例えば、銀ペースト等の導電性部材を介して電気的に接続される。
【0063】
そして、図6Aおよび図6Bに示すように、発光素子11a上に透光性部材14を配置する。透光性部材14は、上述したとおり波長変換層14aと光拡散層14bとを含んでいてよい。透光性部材14を発光素子11a上に配置する工程は、発光素子11aの上面に未硬化の接合部材を配置する工程と、未硬化の接合部材を介して発光素子11a上に透光性部材14を配置する工程と、未硬化の接合部材を硬化又は固化することにより発光素子11aと透光性部材14とを接合する工程と、を備える。未硬化の接合部材は、例えば、透光性を有する樹脂部材である。本実施形態に係る製造方法では、光拡散層14bは、酸化チタン等の光拡散部材を含有し、波長変換層14aはYAG蛍光体等の波長変換部材を含有する。発光素子11aおよび透光性部材14を含む発光部11は、上面視において、図6Bに示すように支持基板12上に格子状に配列されている。また、第1ワイヤ接続部WT1は、上面視において、複数の発光部11を挟んで列状に配置されている。
【0064】
-光反射性部材を形成する工程-
光反射性部材13を形成する工程は、第1ワイヤ接続部WT1を被覆する被覆部材Sを配置する工程と、被覆部材Sおよび複数の発光部11を光反射性部材13で被覆する工程と、被覆部材Sを除去し、被覆部材Sが配置されていた領域に窪みC1を形成する工程と、を含む。なお、本明細書において、光反射性部材13は、その一部が除去される工程の前と後とで同じ光反射性部材という用語を用いることがある。
【0065】
まず、図7Aおよび図7Bに示すように、1以上の第1ワイヤ接続部WT1を被覆部材Sで被覆する。被覆部材Sは、光反射性部材13を形成する工程において、光反射性部材13に窪みC1を形成するための部材であり、後の工程で除去される。被覆部材Sは、例えば、水により溶解可能な水溶性部材とすることが好ましい。図7Aおよび7Bに示す例では、単層の被覆部材Sによって第1ワイヤ接続部WT1を被覆している。なお、図7Cに示すように、複数層の被覆部材Sによって第1ワイヤ接続部WT1を被覆してもよい。被覆部材Sを複数層で形成することで、例えば、光反射性部材13に設けられる窪みC1の高さ、奥行の幅または開口の幅を所望の大きさにすることができる。
【0066】
好適な被覆部材Sの態様として、被覆部材Sの高さは、発光部11の高さよりも低い。被覆部材Sの高さを発光部11の高さよりも低くすることで、光反射性部材13の窪みC1を光反射性部材13の上面に達しない形状にすることができる。これにより、後述する第1樹脂部材R1となる樹脂材料を窪みC1内に配置する際に、第1樹脂部材R1となる樹脂材料が光源10の発光面Pに達することを抑制することができる。なお、被覆部材Sの高さは、発光部11の高さよりも高くてよい。この場合、例えば、図2Bおよび図2Cに示すように、光反射性部材13の上面から下面に貫通する窪みC1を形成することができる。
【0067】
さらに好適な被覆部材Sによる態様として、被覆部材Sは、一の列に配置された全ての第1ワイヤ接続部WT1を連続して被覆する。本実施形態に係る製造方法では、図7Bに示すように、支持基板12の第1側面121側と第2側面122側にそれぞれ被覆部材Sが配置されている。第1側面121側と第2側面122側に配置された被覆部材Sは、それぞれ、上面視において第3側面123と第4側面124の双方に達するように、全ての第1ワイヤ接続部WT1を連続して被覆している。第1側面121から第2側面122に向かう方向の被覆部材Sの幅は、支持基板12の最大長さに対して、例えば、1/15倍以上1/3倍以下であり、1/10倍以上1/3倍以下であることが好ましい。被覆部材Sの幅は、例えば、100μm以上1000μm以下であり、300μm以上500μm以下であることが好ましい。被覆部材Sが一の列に配置された全ての第1ワイヤ接続部WT1を連続して被覆することで、各第1ワイヤ接続部WT1に個別に被覆部材Sを配置する場合に比べて、被覆部材Sを配置する工程にかかる時間を短縮することができる。なお、被覆部材Sの位置や形状は、光反射性部材13の窪みC1の形状に応じて変更可能である。例えば、被覆部材Sは、各第1ワイヤ接続部WT1を個別に被覆するように配置されていてもよい。
【0068】
次に、図8Aに示すように、被覆部材Sおよび複数の発光部11を被覆する光反射性部材13を形成する。光反射性部材13は、各発光部11の上面および側面、被覆部材Sの上面、並びに支持基板12の第1上面U1の一部を被覆している。また、光反射性部材13の一部は、隣り合う発光部11間に配置されている。光反射性部材13は、例えば、金型を用いた圧縮成形等で形成することができる。光反射性部材13は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料である。図8Aに示す形態では、光反射性部材13は、被覆部材Sの全面を被覆している。なお、光反射性部材13は、図8Bに示すように、被覆部材Sの上部を被覆し、被覆部材Sの側部は被覆せずに光反射性部材13から露出させていてもよい。また、図2Bに示す窪みC1を形成する場合は、被覆部材Sの上面は光反射性部材13から露出するように、光反射性部材13を設ける。これにより、光反射性部材13の上面から下面に貫通する窪みC1を形成することができる。また、図2Cに示す窪みC1を形成する場合は、被覆部材Sの上面および側面の一部は光反射性部材13から露出するように、光反射性部材13を設ける。これにより、光反射性部材13の上面から下面に貫通し、且つ光反射性部材13の側面に達する窪みC1を形成することができる。
【0069】
次に、図9Aおよび図9Bに示すように、上面側から光反射性部材13の表面の一部を除去して、各発光部11の発光面を光反射性部材13から露出させる。光反射性部材13を除去する工程は、例えば、研削装置を用いて行われる。光反射性部材13を除去する工程では、透光性部材14が波長変換層14aおよび光拡散層14bを備える場合は、透光性部材14の光拡散層14bの一部を除去するとともに、波長変換層14aは除去しないことが好ましい。光拡散層14bの一部を除去するように光反射性部材13を除去することで、光反射性部材13の上面において、各発光部11の発光面を光反射性部材13から露出させることができる。光反射性部材13の上面において、光反射性部材13の上面と、光拡散層14bの上面と、が同一平面上に位置する。また、波長変換層14aを除去しないことで、波長変換層14aの厚さがばらつくことに起因して、発光装置1の発光色にばらつきが生じることを低減することができる。なお、光反射性部材13を除去する工程では、図9Aおよび図9Bに示すように、被覆部材Sを除去しないように光反射性部材13を除去することが好ましい。換言すると、研削後の光反射性部材13の上面は、高さ方向において、被覆部材Sの最も高い部分よりも高いことが好ましい。これにより、被覆部材Sを除去した後に形成される窪みC1が、光反射性部材13の上面に達しない形状にすることができる。なお、光反射性部材13を除去する工程において、光反射性部材13とともに、被覆部材Sの上面の一部を除去してもよい。これにより、例えば、図2Bに示すように、光反射性部材13の上面から下面に貫通する窪みC1を形成することができる。
【0070】
次に、図10Aおよび図10Bに示すように、被覆部材Sの上方に位置する光反射性部材13および被覆部材Sの一部を除去する。これにより、上面視において、被覆部材Sが光反射性部材13から露出する。被覆部材Sを露出させる工程は、例えばダイシングブレードを用いた切断装置を用いて行われる。また、被覆部材Sを露出させる工程では、被覆部材Sの上部の一部を除去しつつ、第1ワイヤ接続部WT1とは離隔するように除去工程が行われることが好ましい。換言すると、第1ワイヤ接続部WT1上に一部の被覆部材Sを残存させるように、除去工程が行われることが好ましい。これにより、第1ワイヤ接続部WT1の表面がダイシングブレード等で損傷することを抑制することができる。その結果、第1ワイヤ接続部WT1の表面が損傷することに起因して、第1ワイヤ接続部WT1と第1ワイヤW1との接続強度が低下する可能性を低減することができる。被覆部材Sを露出させる工程を行うことで、光反射性部材13の外側面は、被覆部材Sの一部と同一平面を形成している。
【0071】
次に、図11Aおよび図11Bに示すように、被覆部材Sを除去する。被覆部材Sを除去する工程は、例えば、被覆部材Sを水溶液(一例として、水)により溶解させて除去することを含む。例えば、ここまでの工程を経て製造された構造体を水溶液が入った容器の中に、5分以上3時間以下、好ましくは10分以上1時間以下浸漬する。この時、容器に振動を加える工程をさらに行ってもよい。これにより、被覆部材Sの除去を容易にすることができる。被覆部材Sを除去することにより、被覆部材Sが除去された空間が窪みC1となる。窪みC1が形成された光反射性部材13は、上面と、上面と反対側に位置する下面と、上面と下面とを接続する外側面と、外側面の下面側の一部に設けられた窪みC1を有する。窪みC1は、光反射性部材13の下面および外側面に連続して設けられた開口を有する。また、上面視において、1以上の第1ワイヤ接続部WT1が光反射性部材13から露出する。
【0072】
光源を準備する工程は、上記の製造方法により準備してもよく、また購入を含む譲受等により準備してもよい。
【0073】
[制御部を準備する工程]
次に、制御部20を準備する。制御部を準備する工程は、光源を準備する工程の前に行ってもよく、後に行ってもよく、又は光源を準備する工程と同時に行ってもよい。制御部20は、図12に示すように、第2上面U2を有し、第2上面U2において、光源10が配置可能な第1領域A1と、第1領域A1以外の第2領域A2に配置される1以上の第2ワイヤ接続部WT2と、を備える。複数の第2ワイヤ接続部WT2は、第1領域A1を挟んで、第2領域A2上に列状に配置されている。本実施形態の製造方法では、第1領域A1には配線は形成されていない。制御部を準備する工程は、制御部20を製造により準備してもよく、また購入を含む譲受等により準備してもよい。
【0074】
[光源を配置する工程]
次に、図13に示すように、制御部20上に光源10を配置する。光源10は、制御部20の第2上面U2にある第1領域A1上に配置される。光源10は、例えば、制御部20の第1領域A1上に銀ペースト等の接合部材を介して接合される。なお、この状態では、光源10と制御部20はまだ電気的に接続されていない。
【0075】
[第1ワイヤで電気的に接続する工程]
次に、光源10と制御部20とをそれぞれ第1ワイヤW1で電気的に接続する。具体的には、図14に示すように、支持基板12上の第1ワイヤ接続部WT1と制御部20上の第2ワイヤ接続部WT2とを第1ワイヤW1で接続する。これにより、制御部20からの電流を第1ワイヤW1によって光源10に供給することができる。第1ワイヤで接続する工程は、第1ワイヤW1の一端を第1ワイヤ接続部WT1に接続し、その後に第1ワイヤW1の他端を第2ワイヤ接続部WT2に接続してよい。なお、第1ワイヤで電気的に接続する工程は、後述する実装基板に発光装置1を配置する工程の後に行われてもよい。
【0076】
[第1樹脂部材を配置する工程]
本実施形態の製造方法は、第1樹脂部材を配置する工程をさらに含んでいてよい。第1樹脂部材を配置する工程では、光反射性部材13の窪みC1内に入り込むとともに、第1ワイヤ接続部WT1を被覆する第1樹脂部材R1を配置する。第1樹脂部材を配置する工程は、図15に示すように、第1樹脂部材R1を構成する未硬化の第1樹脂材料R11を第1ワイヤ接続部WT1の上方から吐出して配置する工程を含む。第1樹脂材料R11は、第1ワイヤ接続部WT1を被覆するとともに、窪みC1内に流れ込み、窪みC1内に第1樹脂材料R11の一部が配置される。光反射性部材13が窪みC1を有することで、未硬化の第1樹脂材料R11が窪みC1内に留まりやすくなり、第1樹脂材料R11が光反射性部材13の上面まで這い上がることを抑制することができる。これにより、硬化又は固化後の第1樹脂部材R1が光源10の配向に意図せず影響を及ぼすことを抑制することができる。第1樹脂部材R1を構成する未硬化の第1樹脂材料R11は、例えば、樹脂材料を吐出する吐出装置(例えば、ディスペンサ)のノズルDPから吐出される。
【0077】
第1樹脂部材R1は、第1ワイヤW1を被覆するように配置されることが好ましい。第1樹脂部材R1が第1ワイヤW1を被覆することで、例えば、発光装置1に外力が負荷された場合に、第1樹脂部材R1が第1ワイヤW1を保護する役割を有し、第1ワイヤW1が変形等することを抑制することができる。また、第1樹脂部材R1が光反射性を有していることで、光源10から第1ワイヤW1に向かって出射される光の一部を第1樹脂部材R1で反射させて、上方に取り出しやすくなる。また、第1樹脂部材R1が第1ワイヤW1を被覆することで、発光装置1を上方から見たときに第1ワイヤW1が視認されにくくなるので、発光装置1の外観の美観を向上させることができる。なお、第1ワイヤW1は、第1樹脂部材R1と後述する第2樹脂部材R2の両方で被覆されてもよい。
【0078】
第1樹脂部材R1は、列状に配置されている全ての第1ワイヤ接続部WT1を被覆することが好ましい。つまり、吐出装置のノズルDPは、列状に配置されている第1ワイヤ接続部WT1の配置方向に沿って、移動しながら連続して第1樹脂材料R11を吐出することが好ましい。これにより、全ての第1ワイヤ接続部WT1を第1樹脂材料R11で一括して被覆することができる。なお、第1樹脂材料R11は、吐出装置のノズルDPは固定で、発光装置が配置されている吐出装置内のワークを移動させて、第1ワイヤ接続部WT1上に設けられてもよい。後述する第2樹脂材料R21および第3樹脂材料R31についても同様である。
【0079】
[第2樹脂部材を配置する工程]
本実施形態の製造方法は、第2樹脂部材を配置する工程をさらに含んでいてよい。第2樹脂部材を配置する工程では、制御部20上の第2ワイヤ接続部WT2を被覆する第2樹脂部材R2を配置する。なお、第2樹脂部材を配置する工程は、第1樹脂部材を配置する工程の後に行われてもよく、前に行われてもよい。第2樹脂部材を配置する工程は、図15に示すように、第2樹脂部材R2を構成する未硬化の第2樹脂材料R21を第2ワイヤ接続部WT2の上方から吐出して配置する工程を含む。第2樹脂部材R2は、第1樹脂部材R1とともに第1ワイヤW1を被覆することが好ましい。これにより、第1ワイヤW1を外力から効果的に保護することができる。
【0080】
第2樹脂部材R2は、列状に配置されている全ての第2ワイヤ接続部WT2を被覆することが好ましい。つまり、吐出装置のノズルDPは、列状に配置されている第2ワイヤ接続部WT2の配置方向に沿って、移動しながら連続して第2樹脂材料R21を吐出することが好ましい。これにより、全ての第2ワイヤ接続部WT2を第2樹脂材料R21で一括して被覆することができる。
【0081】
第1樹脂部材R1を構成する未硬化の第1樹脂材料R11と、第2樹脂部材R2を構成する未硬化の第2樹脂材料R21は、加熱工程等で同時に硬化又は固化されてもよく、個別に硬化工程又は固化工程を行ってもよい。なお、2つの未硬化の樹脂材料は、同時に硬化又は固化されることが好ましい。これにより、個別に硬化工程又は固化工程を行う場合と比較して、硬化工程又は固化工程にかかる時間を短縮することができる。
【0082】
好適な樹脂材料の吐出量として、第2樹脂材料R21、第1樹脂材料R11の順に吐出量を多くする。第1樹脂材料R11の吐出量を第2樹脂材料R21の吐出量よりも少なくすることによって、第1樹脂材料R11が光源10の発光面Pに這い上がることを低減しやすくなる。また、複数の発光部11に近い第1ワイヤ接続部WT1を被覆する樹脂材料が少なくなることで、複数の発光部11から第1ワイヤ接続部WT1の近傍にかかる熱衝撃を低減しやすくなる。なお、第1樹脂部材R1を配置する工程と、第2樹脂部材を配置する工程は、後述する実装基板に発光装置1を配置する工程の後に行われてもよい。
【0083】
以上の工程を経ることにより、本開示の発光装置を製造することができる。
【0084】
<発光モジュールの製造方法>
次に、本開示の一実施形態に係る発光モジュールの製造方法について説明する。本開示の一実施形態に係る発光モジュールの製造方法は、実装基板を準備する工程と、上述の発光装置の製造方法で得られた発光装置を実装基板の第3上面上に配置する工程と、制御部上の第2ワイヤ接続部と実装基板上の前記第3ワイヤ接続部とを第2ワイヤにより接続する工程と、を備える。図16および図17を参照して各工程を説明する。
【0085】
[実装基板を準備する工程]
まず、実装基板30を準備する。実装基板30は、第3上面U3を有し、第3上面U3に1以上の第3ワイヤ接続部WT3を備える。また、実装基板30は、第3上面U3において、発光装置1が配置される領域と、発光装置1が配置される領域の外側の領域を有する。1以上の第3ワイヤ接続部WT3は、発光装置1が配置される領域の外側の領域に配置される。第3ワイヤ接続部WT3は、発光装置1が配置される領域を挟んで、列状に配置されている。当該実装基板30に対し、上述した発光装置の製造方法で得られた発光装置を配置する。
【0086】
[発光装置を配置する工程]
次に、実装基板30上に発光装置1を配置する。具体的には、発光装置1は、銀ペースト等の接合部材を介して実装基板30の第3上面U3上に配置される。なお、この状態では、発光装置1と実装基板30はまだ電気的に接続されていない。
【0087】
[第2ワイヤ接続工程]
次に、発光装置1と実装基板30とをそれぞれ第2ワイヤW2で電気的に接続する。具体的には、図16に示すように、制御部20上の第2ワイヤ接続部WT2と実装基板30上の第3ワイヤ接続部WT3とを第2ワイヤW2で電気的に接続する。これにより、実装基板30からの電流を第2ワイヤW2によって制御部20に供給することができる。第2ワイヤ接続工程は、第2ワイヤW2の一端を第2ワイヤ接続部WT2に接続し、その後に第2ワイヤW2の他端を第3ワイヤ接続部WT3に接続してよい。また、第1ワイヤ接続工程を第2ワイヤ接続工程の直前に行い、第1ワイヤ接続工程と第2ワイヤ接続工程とを連続して行ってもよい。これにより、例えば、同一のワイヤボンディング装置内で、2つのワイヤ接続工程を連続して行うことができる。その結果、ワイヤ接続工程にかかる時間を短縮することができる。また、第1ワイヤW1と第2ワイヤW2は連続した1つのワイヤであってもよい。この場合、例えば、第1ワイヤ接続部WT1、第2ワイヤ接続部WT2および第3ワイヤ接続部WT3にこの順番でワイヤボンディングを行い、第1ワイヤ接続部WT1、第2ワイヤ接続部WT2および第3ワイヤ接続部WT3を1本のワイヤで接続してよい。同様に、第3ワイヤ接続部WT3、第2ワイヤ接続部WT2および第1ワイヤ接続部WT1にこの順番でワイヤボンディングを行い、第1ワイヤ接続部WT1、第2ワイヤ接続部WT2および第3ワイヤ接続部WT3を1本のワイヤで接続してよい。
【0088】
[第3樹脂部材を配置する工程]
本実施形態の製造方法は、第3樹脂部材を配置する工程をさらに含んでいてよい。第3樹脂部材を配置する工程では、第3ワイヤ接続部WT3を被覆する第3樹脂部材R3を配置する。第3樹脂部材を配置する工程は、図17に示すように、第3樹脂部材R3を構成する未硬化の第3樹脂材料R31を第3ワイヤ接続部WT3の上方から吐出して配置する工程を含む。未硬化の第3樹脂材料R31は、第1樹脂材料R11および第2樹脂材料R21と同様に、樹脂材料を吐出する吐出装置(例えば、ディスペンサ)を用いて設けられてよい。第3樹脂部材R3は、第2ワイヤW2を被覆するように配置されることが好ましい。第3樹脂部材R3が第2ワイヤW2を被覆することで、例えば、発光モジュール2に外力が負荷された場合に、第3樹脂部材R3が第2ワイヤW2を保護する役割を有し、第2ワイヤW2が変形等することを抑制することができる。なお、第2ワイヤW2は、第2樹脂部材R2と第3樹脂部材R3の両方で被覆されてもよい。
【0089】
第1樹脂部材を配置する工程および第2樹脂部材を配置する工程は、発光装置を準備する工程の際に行ってもよく、第3樹脂部材を配置する工程と連続して行ってもよい。第1樹脂部材を配置する工程、第2樹脂部材を配置する工程および第3樹脂部材を配置する工程は、連続して行うことが好ましい。これにより、例えば、同一の吐出装置内で、3つの樹脂部材を配置する工程を連続して行うことができる。その結果、樹脂部材を配置する工程にかかる時間を短縮することができる。
【0090】
好適な樹脂材料の吐出量として、第3樹脂材料R31、第2樹脂材料R21、第1樹脂材料R11の順に吐出量を多くしてよい。
【0091】
<発光装置の第2の製造方法>
次に本開示の一実施形態に係る発光装置の第2の製造方法について、図18~22を参照して各工程を説明する。第2の製造方法は、上述した第1の製造方法における[光源を準備する工程]が異なる。具体的には、第2の製造方法は、光反射性部材を形成する工程が第1の製造方法と異なる。そのため、以下の説明では、第1の製造方法と異なる工程([光源を準備する工程])を中心に説明し、共通する工程([光源を配置する工程]および[樹脂材料による被覆工程])は、適宜説明を省略する。
【0092】
[光源を準備する工程]
まず、図6Aに示すように、第1の製造方法と同様にして、支持基板12と支持基板12の第1上面U1上に配置された複数の発光部11とを準備する。
【0093】
次に、支持基板12の第1上面U1上において、複数の発光部11を被覆する光反射性部材を形成する。第2の製造方法では、光反射性部材を形成する工程は、支持基板12の複数の発光部11が配置される側の面と未硬化の光反射性材料131とを対向させた状態で、複数の発光部11を未硬化の光反射性材料131に浸漬する工程と、未硬化の光反射性材料131を硬化又は固化し、得られる光反射性部材13の外周部に窪みC1を形成する工程と、を含む。
【0094】
まず、図18に示すように、支持基板12の複数の発光部11が配置される側の面(第1上面U1)と未硬化の光反射性材料131とを対向させた状態で、複数の発光部11を未硬化の光反射性材料131に浸漬する。浸漬工程は、光反射性材料131が支持基板12の第1上面U1と離隔するように行われる。このように浸漬することにより、支持基板12上の第1ワイヤ接続部WT1が光反射性材料131に被覆されることが低減される。その結果、第1ワイヤW1を第1ワイヤ接続部WT1に容易に接続することができる。また、光反射性材料131が支持基板12の第1上面U1と離隔するように浸漬工程が行われることで、図19に示すように、支持基板12を上方に持ちあげた際に、光反射性材料131の端部において、光反射性材料131の厚みが光反射性材料131の外側面に向かって薄くなるような窪みが形成される。本実施形態においては、支持基板12の上面と直交する方向において、光反射性材料131の端部と第1ワイヤ接続部WT1との最短距離は、発光部11間に位置する光反射性材料131と支持基板12との最短距離よりも大きくなっている。本実施形態の製造方法では、隣接する発光部11の間に位置する光反射性材料131にも凹部が形成されている。その後、加熱工程等を行うことで光反射性材料131を硬化又は固化させる。これにより、図20に示すように、複数の発光部11を被覆する光反射性部材13が形成される。
【0095】
次に、図21に示すように、上面側から光反射性部材13の表面の一部を除去して、各発光部11の発光面を光反射性部材13から露出させる。光反射性部材13を除去する工程は、例えば、研削装置を用いて行われる。光反射性部材13を除去する工程では、第1の製造方法と同様に、透光性部材14の光拡散層14bの一部を除去するとともに、波長変換層14aは除去しないことが好ましい。
【0096】
次に、図22に示すように、光反射性部材13の端部であって、第1ワイヤ接続部WT1上に位置する光反射性部材13の一部を除去する。この光反射性部材の一部を除去する工程は、例えば、ダイシングブレードを用いた切断装置を用いて行われる。第1ワイヤ接続部WT1上に位置する光反射性部材13の一部を除去することで、第1ワイヤW1によるワイヤボンディング工程を容易にすることができる。光反射性部材13の外側面には、窪みC1が形成されている。光反射性部材13と第1ワイヤ接続部WT1は、窪みC1を介して離隔している。光反射性部材13が第1ワイヤ接続部WT1を被覆せずに離隔していることで、第1ワイヤW1を第1ワイヤ接続部WT1に容易に接続することができる。
【0097】
その後に、第1の製造方法において説明した[光源を配置する工程]および[樹脂部材による被覆工程]を経ることにより、本開示の発光装置を製造することができる。さらに、上述した実装基板を準備する工程と、発光装置の製造方法で得られた発光装置を実装基板上に配置する工程と、制御部と実装基板とを第2ワイヤにより接続する工程と、を経ることにより、本開示の発光モジュールを製造することができる。
【0098】
なお、今回開示した実施態様は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施態様のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本開示の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0099】
本開示は、以下の実施形態を含む。
[項1]
光源を準備する工程であって、
複数の発光部と、
第1上面を有し、前記第1上面において、前記複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部と、を備える支持基板と、
前記複数の発光部を被覆するとともに、前記支持基板上の前記1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材と、
を備える光源を準備する工程と、
第2上面を有し、前記第2上面において、前記光源が配置可能な第1領域と、前記第1領域以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部と、を備える制御部を準備する工程と、
前記制御部の前記第1領域に前記光源を配置する工程と、
前記第1ワイヤ接続部と前記第2ワイヤ接続部とを第1ワイヤで接続する工程と、を備える発光装置の製造方法。
[項2]
前記光源を準備する工程は、
前記支持基板の前記第1上面に前記複数の発光部を配置する工程と、
前記支持基板の前記第1上面上において、前記複数の発光部を被覆する光反射性部材を形成する工程と、を含み、
前記光反射性部材を形成する工程は、
前記1以上の第1ワイヤ接続部を被覆する被覆部材を配置する工程と、
前記被覆部材および前記複数の発光部を前記光反射性部材で被覆する工程と、
前記被覆部材を除去し、前記被覆部材が配置されていた領域に前記窪みを形成する工程と、を含む、[項1]に記載の発光装置の製造方法。
[項3]
前記被覆部材を配置する工程において、前記被覆部材の高さは、前記発光部の高さよりも低い、[項1]または[項2]に記載の発光装置の製造方法。
[項4]
前記第1ワイヤ接続部は複数設けられており、複数の前記第1ワイヤ接続部は、上面視において、前記複数の第1端子部を挟んで対向する位置にそれぞれ列状に配置され、
前記被覆部材を配置する工程において、前記被覆部材は、列状に配置された全ての第1ワイヤ接続部を連続して被覆する、[項1]~[項3]のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項5]
前記被覆部材を配置する工程において、前記被覆部材は水溶性部材であり、
前記窪みを形成する工程は、前記水溶性部材を水により溶解させて除去する工程を含む、[項2]~[項5]のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項6]
前記光源を準備する工程は、
前記支持基板の前記第1上面に前記複数の発光部を配置する工程と、
前記支持基板の前記第1上面上において、前記複数の発光部を被覆する光反射性部材を形成する工程と、を含み、
前記光反射性部材を形成する工程は、
未硬化の光反射性材料を準備する工程と、
前記支持基板の前記複数の発光部が配置される側の面と前記未硬化の光反射性材料とを対向させた状態で、前記複数の発光部を前記未硬化の光反射性材料に浸漬する工程と、
前記未硬化の光反射性材料を硬化又は固化し、得られる前記光反射性部材の外周部に前記窪みを形成する工程と、を含む、[項1]に記載の発光装置の製造方法。
[項7]
前記光源を準備する工程において、前記光反射性部材は、上面と、前記上面と反対側に位置する下面と、前記上面と前記下面とを接続する外側面とを有し、
前記光反射性部材における前記窪みは、前記光反射性部材における前記窪みは、前記下面および前記外側面に連続して設けられた開口を有する、[項1]~[項6]のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項8]
前記第1ワイヤで接続する工程の後に、前記窪み内に入り込むとともに、前記第1ワイヤ接続部を被覆する第1樹脂部材を配置する工程をさらに備える、[項1]~[項6]のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項9]
前記第2ワイヤ接続部を被覆する第2樹脂部材を配置する工程をさらに備える、[項1]~[項8]のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
[項10]
第3上面を有し、前記第3上面に1以上の第3ワイヤ接続部を備える実装基板を準備する工程と、
[項1]~[項9]のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法で得られる発光装置を前記実装基板の前記第3上面上に配置する工程と、
前記制御部の前記第2ワイヤ接続部と、前記実装基板の前記第3ワイヤ接続部と、を第2ワイヤにより接続する工程と、を備える、発光モジュールの製造方法。
[項11]
前記第3ワイヤ接続部を被覆する第3樹脂部材を配置する工程をさらに備える、[項10]に記載の発光モジュールの製造方法。
[項12]
光源であって、
複数の発光部と、
第1上面を有し、前記第1上面において、前記複数の発光部それぞれと対をなして電気的に接続される複数の端子を含む複数の第1端子部と、1以上の第1ワイヤ接続部と、を備える支持基板と、
前記複数の発光部を被覆するとともに、前記支持基板上の前記1以上の第1ワイヤ接続部を露出させる窪みを有する光反射性部材と、
を備える光源と、
第2上面を有し、前記第2上面において、前記光源が配置可能な第1領域と、前記第1領域以外の第2領域に配置される1以上の第2ワイヤ接続部と、を有し、前記第1領域上に前記光源を配置する制御部と、
前記第1ワイヤ接続部と前記第2ワイヤ接続部とを接続する第1ワイヤと、
前記窪み内に入り込むとともに、前記第1ワイヤ接続部を被覆する第1樹脂部材と、を備える発光装置。
[項13]
前記第1樹脂部材は、前記光源の発光面に達していない、[項12]に記載の発光装置。
[項14]
前記第1ワイヤ接続部は複数設けられており、複数の前記第1ワイヤ接続部は、上面視において、前記複数の第1端子部を挟んで対向する位置にそれぞれ列状に配置されており、
前記第1樹脂部材は、列状に配置された全ての前記第1ワイヤ接続部を連続して被覆する、[項12]または[項13]に記載の発光装置。
[項15]
前記第2ワイヤ接続部を被覆する第2樹脂部材をさらに備える、[項12]~[項14]のいずれか1項に記載の発光装置。
[項16]
前記光反射性部材は、上面と、前記上面と反対側に位置する下面と、前記上面と前記下面とを接続する外側面とを有し、
前記光反射性部材における前記窪みは、前記下面および前記外側面に連続して設けられた開口を有する、[項12]~[項14]のいずれか1項に記載の発光装置。
[項17]
[項12]~[項14]のいずれか1項に記載の発光装置と、
第3上面を有し、前記第3上面に前記発光装置が配置され、前記第3上面の前記発光装置が配置される領域以外の領域に配置される1以上の第3ワイヤ接続部を備える実装基板と、
前記制御部の前記第2ワイヤ接続部と、前記実装基板の前記第3ワイヤ接続部と、を接続する第2ワイヤと、を備える、発光モジュール。
[項18]
前記第3ワイヤ接続部を被覆する第3樹脂部材をさらに備える、[項17]に記載の発光モジュール。
【符号の説明】
【0100】
1 発光装置
2 発光モジュール
10 光源
11 発光部
11a 発光素子
12 支持基板
121 第1側面
122 第2側面
123 第3側面
124 第4側面
13 光反射性部材
13U 上面
13B 下面
13S 外側面
131光反射性材料
14 透光性部材
14a 波長変換層
14b 光拡散層
20 制御部
30 実装基板
60 レンズ
61 第1レンズ
62 第2レンズ
A1 第1領域
A2 第2領域
C 開口
C1 窪み
DP 吐出装置のノズル
E 電極
G 半導体構造体
P 発光面
R1 第1樹脂部材
R2 第2樹脂部材
R3 第3樹脂部材
R11 第1樹脂材料
R21 第2樹脂材料
R31 第3樹脂材料
S 被覆部材
T1 第1端子部
U1 第1上面
U2 第2上面
U3 第3上面
W1 第1ワイヤ
W2 第2ワイヤ
WT1 第1ワイヤ接続部
WT2 第2ワイヤ接続部
WT3 第3ワイヤ接続部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22