(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018952
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ブロッキング層を有する強誘電体メモリ装置
(51)【国際特許分類】
H10B 53/30 20230101AFI20240201BHJP
H10B 51/30 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
H10B53/30
H10B51/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023081161
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】63/392,919
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/415,707
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/150,289
(32)【優先日】2023-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】陳 姿▲ユー▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 宛▲チェン▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 楚傑
(72)【発明者】
【氏名】張 富宸
(72)【発明者】
【氏名】▲ツー▼ 國基
(72)【発明者】
【氏名】石 昇弘
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FR02
5F083FR06
5F083FR07
5F083GA25
5F083JA02
5F083JA15
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083JA60
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA17
5F083MA18
5F083MA19
5F083PR33
5F083ZA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】強誘電体層及びメモリセルの性能を向上させる集積回路を提供する。
【解決手段】メモリセル102の電極からメモリセルの強誘電体層108への金属の拡散をブロックするブロッキング層104を備えるメモリセルであって、ブロッキング層104及び強誘電体層108は、メモリセル102の頂部電極106とメモリセルの底部電極110との間に位置し、頂部電極及び底部電極は両方とも金属を含む。さらに、ブロッキング層は、強誘電体層と、頂部電極及び底部電極の一方に対応する電極との間に位置する。いくつかの実施形態では、頂部電極及び底部電極の前記一方の金属は、頂部電極及び底部電極の金属の中で最も低い電気陰性度を有し、したがって、頂部電極及び底部電極の金属の中で最も反応性が高く、拡散する可能性が高い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを備える集積回路(IC)チップであって、
前記メモリセルは、
両方とも金属を含む第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の強誘電体層と、
前記強誘電体層と前記第1の電極との間のブロッキング層と、
を備え、
前記ブロッキング層は、前記第1の電極の第1の金属が前記強誘電体層に拡散するのをブロックするように構成され、前記第1の電極の前記第1の金属は、前記第2の電極の第2の金属よりも低い電気陰性度を有する、
集積回路(IC)チップ。
【請求項2】
前記ブロッキング層は、前記強誘電体層と前記第1の電極に直接接触し、
前記第2の電極は、前記強誘電体層に直接接触する、
請求項1に記載のICチップ。
【請求項3】
前記ブロッキング層は非晶質である、請求項1に記載のICチップ。
【請求項4】
前記ブロッキング層は半導体である、請求項1に記載のICチップ。
【請求項5】
前記ブロッキング層は導電性金属酸化物である、請求項1に記載のICチップ。
【請求項6】
前記強誘電体層は、約10%未満であるゼロでない原子百分率の前記第1の金属を含む、請求項1に記載のICチップ。
【請求項7】
メモリセルを備える集積回路(IC)チップであって、
前記メモリセルは、
前記メモリセルの底部にある底部電極と、
前記メモリセルの頂部にある頂部電極と、
前記底部電極と前記頂部電極との間の強誘電体層と、
を備え、
前記強誘電体層と第1の電極との間の拡散障壁層であって、前記第1の電極は、前記底部電極と前記頂部電極の1方であり、前記第1の電極は約1.6未満の電気陰性度を有する金属を含む、
集積回路(IC)チップ。
【請求項8】
前記メモリセルは、
前記強誘電体層と第2の電極との間の第2の拡散障壁層であって、前記第2の電極は前記底部電極と前記頂部電極の他方であり、前記第2の電極は約1.6未満の電気陰性度を有する金属を含む前記第2の拡散障壁層をさらに備える、
請求項7に記載のICチップ。
【請求項9】
前記強誘電体層が第2の電極に直接接触し、前記第2の電極が前記底部電極と前記頂部電極の他方であり、前記第2の電極が約1.6より大きい電気陰性度を有する金属を含む、請求項7に記載のICチップ。
【請求項10】
前記強誘電体層、前記拡散障壁層、及び前記底部電極と前記頂部電極の一方又は両方が共通幅を共有する、請求項7に記載のICチップ。
【請求項11】
前記強誘電体層、前記拡散障壁層、及び前記底部電極は、前記頂部電極の底部を包む個々のU字型輪郭を有する、請求項7に記載のICチップ。
【請求項12】
前記頂部電極は、前記底部電極の周りに閉じた経路で延在し、前記頂部電極は、前記底部電極の底部表面に対して隆起した底部表面を有する、請求項7に記載のICチップ。
【請求項13】
前記強誘電体層及び前記拡散障壁層は、前記底部電極の周りに個々の閉じた経路で延在し、前記底部電極の前記底部表面に対して隆起した個々の底部表面を有する、請求項12に記載のICチップ。
【請求項14】
基板と、
前記基板の上にあり、前記基板によって部分的に画定される半導体デバイスと、
前記半導体デバイスの上方に交互に積層され、前記半導体デバイスに電気的に連結され、複数のワイヤレベル及び複数のビアレベルにそれぞれグループ化される複数のワイヤ及び複数のビアであって、前記複数のワイヤは、前記メモリセルがその間に配置される底部電極ワイヤ及び頂部電極ワイヤを含む前記複数のワイヤ及び前記複数のビアと、をさらに備える、
請求項12に記載のICチップ。
【請求項15】
基板の上に底部電極を形成することと、
前記基板の上にブロッキング層、強誘電体層、及び頂部電極層を堆積して積層することと、
前記頂部電極層をパターニングして頂部電極を形成することと、
前記ブロッキング層及び前記強誘電体層をパターニングして、メモリセルに個別の前記ブロッキング層及び前記強誘電体層のセグメントを定めることと、
を含み、
前記ブロッキング層及び強誘電体層のパターニング後、前記底部電極と前記頂部電極、及び前記ブロッキング層と前記強誘電体層の前記セグメントが前記メモリセルを形成し、
前記底部電極と前記頂部電極は金属を含み、
前記ブロッキング層は、前記強誘電体層と、前記底部電極と前記頂部電極の中で金属の電気陰性度が最も低い電極との間にある、
方法。
【請求項16】
前記基板の上に底部電極層を堆積することであって、前記ブロッキング層、前記強誘電体層及び前記頂部電極層は前記底部電極層の上に堆積されることと、
共通のマスクを用いて、前記底部電極層、前記強誘電体層、及び前記ブロッキング層にエッチングを実行し、前記底部電極層を前記底部電極にパターニングし、さらに前記ブロッキング層及び前記強誘電体層のパターニングを行うことと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記頂部電極層の前記パターニング及び前記ブロッキング層と前記強誘電体層の前記パターニングの前に、前記強誘電体層の強誘電体相を増加させるアニールを行うことをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ブロッキング層、前記強誘電体層及び前記頂部電極層は、前記底部電極の上及び前記底部電極の側壁上に堆積される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記底部電極の形成は、
導電性ワイヤを覆う誘電体層の上に犠牲層を堆積することと、
前記誘電体層と前記犠牲層をエッチングして、導電性ワイヤを露出する開口部を形成することと、
前記開口部に底部電極層を堆積することと、
前記底部電極層から前記犠牲層の上面まで平坦化を行うことと、
前記犠牲層を除去することと、を含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記頂部電極層と前記ブロッキング層及び前記強誘電体層の前記パターニングは、
前記頂部電極層、前記ブロッキング層、及び前記強誘電体層をエッチバックして、前記頂部電極層、前記ブロッキング層及び前記強誘電体層の水平に延伸するセグメントを除去し、前記底部電極の前記上部側壁部分上に側壁構造を形成することを含み、
前記側壁構造は、前記頂部電極と前記ブロッキング層及び前記強誘電体層のセグメントとを含む、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現代の電子機器の多くには、不揮発性メモリが搭載されている。不揮発性メモリは、電源がなくてもデータを保存できる電子メモリである。次世代の不揮発性メモリの有望な候補には、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM)が含まれる。FeRAMは相対的に単純な構造を有し、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ロジック製造工程と互換性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
FeRAMのメモリセルは、2つの電極とそれらの間の強誘電体層とを含んで良い。2つの電極の一方又は両方は、電気陰性度の低い金属を含んでも良く、そのような金属は、アニーリング中に2つの電極の一方又は両方から強誘電体層に拡散し易く、反応性が高く、したがってアニーリング中に拡散する傾向が高い。2つの電極の一方又は両方から強誘電体層に拡散する金属は、強誘電体層及びメモリセルの性能に悪影響を与える。
【発明を解決するための手段】
【0003】
本発明は、メモリセルを含む集積回路(IC)チップを提供し、メモリセルは、両方とも金属を含む第1の電極及び第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間の強誘電体層と、強誘電体層と第1の電極との間のブロッキング層と、を含む。ブロッキング層は、第1の電極の第1の金属が強誘電体層に拡散するのをブロックするように構成される。第1の電極の第1の金属は、第2の電極の第2の金属よりも電気陰性度が低い。
【0004】
本発明はまた、メモリセルを含むICチップを提供する。メモリセルは、メモリセルの底部にある底部電極と、メモリセルの頂部にある頂部電極と、底部電極と頂部電極との間の強誘電体層と、強誘電体層と第1の電極との間の拡散障壁層と、を備え、第1の電極は、底部電極及び頂部電極の1つであり、約1.6未満の電気陰性度を有する金属を含む。
【0005】
本発明はまた、以下の方法を提供する。基板の上に底部電極を形成することと、基板の上に積層されたブロッキング層、強誘電体層、及び頂部電極層を堆積させることと、頂部電極層をパターニングして頂部電極を形成することと、ブロッキング層及び強誘電体層をパターニングして、メモリセルに個別のブロッキング層及び強誘電体層のセグメントを定めることと、を含む。ブロッキング層及び強誘電体層のパターニング後、底部電極と頂部電極、及びブロッキング層と強誘電体層のセグメントがメモリセルを形成する。底部電極と頂部電極は金属を含む。ブロッキング層は、強誘電体層と、底部電極と頂部電極の中で金属の電気陰性度が最も低い電極との間にある。
【発明の効果】
【0006】
ブロッキング層又は拡散障壁層によって、強誘電体層への金属拡散をアニーリング中を含めて最小限に抑えて、強誘電体層の強誘電体相を増加できる。強誘電体層への金属の拡散を防止することにより、強誘電体層及びメモリセルの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに参照した場合に最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が一定の縮尺で描かれていないを強調しておく。実際、説明を明確にするために、さまざまな特徴の寸法を任意に増減することができる。
【0008】
【
図1】ブロッキング層を含むメモリセルのいくつかの実施形態の断面図を示す。
【
図2】
図1のメモリセルのいくつかの代替実施形態の断面図を示す。
【
図3】
図1のメモリセルのいくつかの代替実施形態の様々な図を示し、集積回路(IC)チップの相互接続構造に統合されている。
【
図4】
図3A及び3Bのメモリセルのいくつかの代替実施形態の様々な図を示し、メモリセルの残りの部分に比べて頂部電極の幅が減少している。
【
図5】
図4A及び4Bのメモリセルのいくつかの代替実施形態の断面図を示す。
【
図6】
図3A及び3Bのメモリセルのいくつかの代替実施形態の様々な図を示し、メモリセルの構成要素がU字型輪郭を有する。
【
図7】
図3A及び3Bのメモリセルのいくつかの代替実施形態の様々な図を示し、頂部電極が底部電極を取り囲んでいる。
【
図8】
図3A及び3Bのメモリセルのいくつかの代替実施形態の断面図を示し、ブロッキング層が底部電極にある。
【
図9】
図8のメモリセルのいくつかの代替実施形態の断面図を示す。
【
図10】
図3A及び3Bのメモリセルのいくつかの代替実施形態の断面図を示し、メモリセルは、底部電極にブロッキング層を有し、頂部電極にブロッキング層を有する。
【
図11】
図10のメモリセルのいくつかの代替実施形態の断面図を示す。
【
図12】個々の1トランジスタ1キャパシタ(1T1C)セルに統合され、
図3A及び3Bのように構成されたメモリセルを備えるICチップのいくつかの実施形態の断面図を示す。
【
図13】
図12A及び12BのICチップのいくつかの代替実施形態の断面図を示す。
【
図14】
図12A及び12BのICチップのいくつかの実施形態の上面レイアウト図を示す。
【
図15】ブロッキング層を含む強誘電体電界効果トランジスタ(FeFET)を備えるICチップのいくつかの実施形態の断面図を示す。
【
図16】
図15のFeFETのいくつかの代替実施形態の断面図を示す。
【
図17】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図18】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図19】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図20】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図21】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図22】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図23】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図24】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図25】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図26】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図27】個々の1T1Cセルに統合され、ブロッキング層を含むメモリセルを備えるICチップの形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図を示す。
【
図28】
図17~27の方法のいくつかの実施形態のブロック図を示す。
【
図29】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図30】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図31】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図32】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図33】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図34】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図35】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【
図36】
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の開示では、本発明の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明を簡略化するために、構成要素及び配置の特定の例を以下に説明する。無論、これらは専ら例であり、限定することを意図したものではない。例えば、以下の説明における第2のフィーチャーの上方/の上の第1のフィーチャーの形成は、第1及び第2のフィーチャーが直接接触して形成される実施形態を含むことができ、追加のフィーチャーが第1及び第2のフィーチャーが直接接触せず、第1及び第2のフィーチャーの間に形成されることができる実施形態も含むことができる。さらに、本発明は、様々な例において符号及び/又は記載を繰り返すことがある。この繰り返しは、単純化及び明確化を目的としており、それ自体、説明したさまざまな実施形態及び/又は構成の間の関係を示すものではない。
【0010】
さらに、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」など空間的に相対的な用語は、説明を容易にするために、図面に示されたある構成要素又は特徴と別の構成要素又は特徴との関係を説明するために本明細書で使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用中又は動作中の装置のさまざまな向きを包含することを意図している。装置は別の方向(90度回転又は他の方向)に向けられても良く、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子も同様にそれに応じて解釈され得る。
【0011】
集積回路(IC)チップは、相互接続構造と、相互接続構造内のメモリセルとを備えても良い。メモリセルは、底部電極と、底部電極の上にあり、直接接触している強誘電体層と、強誘電体層の上にあり、直接接触している頂部電極とを備える。相互接続構造は、メモリセルの下にある底部電極ワイヤと、メモリセルの上にある頂部電極ワイヤとを備える。さらに、相互接続構造は、それぞれ底部電極ワイヤ及び頂部電極ワイヤから底部電極及び頂部電極までそれぞれ延伸するビアを備える。
【0012】
メモリセルの課題は、頂部電極が電気陰性度の低い金属を含んでも良く、及び/又は底部電極が電気陰性度の低い金属を含んでも良いことである。そのような低い電気陰性度は、例えば、約1.6未満又はいくつかの他の適切な値であっても良い。電気陰性度の低い金属は反応性が高いため、アニーリング中に拡散する傾向が高くなる。したがって、頂部電極の金属及び/又は底部電極の金属は、アニーリング中に強誘電体層に拡散して強誘電体層の強誘電体相を増加させる高い傾向を有し得る。
【0013】
頂部電極及び/又は底部電極から強誘電体層に拡散する金属は、強誘電体層の性能、ひいてはメモリセルの性能に悪影響を与える。例えば、強誘電体相が減少する可能性があり、残留分極(2Pr)が減少する可能性があり、分極均一性が減少する可能性がある、漏れ電流が増加する可能性があり、キャパシタンスが減少する可能性があり、データ保持が減少する可能性があり、破壊電圧が減少する可能性があり、又は前述の任意の組み合わせをもたらす可能性がある。
【0014】
本発明の様々な実施形態は、メモリセルの電極からメモリセルの強誘電体層への金属の拡散をブロックするように構成されたブロッキング層を備えるメモリセルを対象とする。より具体的には、ブロッキング層及び強誘電体層は、メモリセルの頂部電極とメモリセルの底部電極との間にあり、頂部電極及び底部電極は個々の金属を含む。さらに、ブロッキング層は、強誘電体層と頂部電極及び底部電極の一方との間にある。いくつかの実施形態では、頂部電極及び底部電極の前記一方の金属は、頂部電極及び底部電極の金属の中で最も低い電気陰性度を有し、したがって最も反応性が高く、頂部電極及び底部電極の金属の間で拡散する可能性がある。
【0015】
ブロッキング層によって、強誘電体層への金属拡散をアニーリング中を含めて最小限に抑えて、強誘電体層の強誘電体相を増加できる。強誘電体層への金属の拡散を防止することにより、強誘電体層の性能、ひいてはメモリセルの性能を向上させることができる。例えば、強誘電体相を増加させることができ、残留分極(remnant polarization,2Pr)を増加させることができ、分極均一性を増加させることができ、漏れ電流を減少させることができ、キャパシタンスを増加させることができ、データ保持を増加させることができ、破壊電圧を増加させることができ、又は前述の任意の組み合わせをもたらす可能性がある。さらに、メモリセルはロジック製造工程と互換性があり、それによってメモリデバイスセルは組み込みメモリ用途に使用される。
【0016】
図1を参照すると、メモリセル102のいくつかの実施形態の断面
図100が提供され、ブロッキング層104が頂部電極106から強誘電体層108への金属の拡散をブロックするように構成されている。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、追加的又は代替的に、界面層、混合層、拡散障壁層など、又は前述の任意の組み合わせということができる。メモリセル102は、例えば、金属-強誘電体-金属(metal-ferroelectric-metal;MFM)セル、強誘電体キャパシタ、強誘電体トンネル接合(ferroelectric tunnel junction;FTJ)など、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。
【0017】
強誘電体層108は、底部電極110の上にあり、ブロッキング層104は強誘電体層108の上にあり、頂部電極106はブロッキング層104の上にある。さらに、底部電極110及び頂部電極106は個々の金属を含み、底部電極110及び頂部電極106は、それぞれ高い電気陰性度及び低い電気陰性度を有する。低い電気陰性度は、頂部電極106に重なる斜線ハッシングによって概略的に示されていることに留意されたい。電気陰性度が低いため、頂部電極106の金属は反応性が高く、したがって、強誘電体層108に拡散する傾向が高い。対照的に、高い電気陰性度により、底部電極110の金属は反応性が低く、したがって、強誘電体層108に拡散する傾向が低い。
【0018】
いくつかの実施形態では、高い電気陰性度と低い電気陰性度は互いに相対的である。いくつかの実施形態では、高い電気陰性度は、約1.6、約2.0、又はいくつかの他の適切な値より大きい電気陰性度であり、及び/又は約1.6~2.4、約1.6~2.0、約2.0~2.4、又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である。いくつかの実施形態では、低い電気陰性度は、約1.6、約1.5、又はいくつかの他の適切な値未満の電気陰性度であり、及び/又は約1.1~1.6又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である。
【0019】
強誘電体層108に拡散する金属は、強誘電体層108の性能、ひいてはメモリセル102の性能に悪影響を与える。底部電極110は高い電気陰性度を有するので、底部電極110から強誘電体層108への金属の拡散を最小限に抑えることができる。対照的に、頂部電極106は低い電気陰性度を有するので、頂部電極106から強誘電体層108への金属の拡散は顕著であり得る。したがって、頂部電極106と強誘電体層108との間にブロッキング層104を配置することで、強誘電体層108への金属の拡散を大幅に低減することができる。さらに、ブロッキング層104は、底部電極110と強誘電体層108との間よりも、強誘電体層108への金属拡散を低減するのにより効果的であり得る。
【0020】
強誘電体層108への金属の拡散を低減することによって、ブロッキング層104は、強誘電体層108の性能を向上させ、ひいてはメモリセル102の性能を向上させる。例えば、強誘電体相を増加させることができ、残留分極(2Pr)を増加させることができ、分極均一性を増加させることができ、漏れ電流を減少させることができ、キャパシタンスを増加させることができ、データ保持を増加させることができ、破壊電圧を増加させることができ、又は前述の任意の組み合わせをもたらす可能性がある。さらに、以下でよりよく理解できるように、ブロッキング層104の製造はロジック製造工程と互換性があり、それによってしたがって、ブロッキング層104は、組み込みメモリ用途のメモリセルで使用することができる。
【0021】
上記の強誘電体相は、斜方晶相(orthorhombic phase)に対応し、正方晶相(tetragonal phase)及び単斜晶相(monoclinic phase)と対比される。他の相に対する斜方晶相の比率が高いほど、残留分極(2Pr)が高くなるため、データ保持が向上する。したがって、ブロッキング層104は、他の相に対する斜方晶相の比率を増加させる。強誘電体相は、例えば、X線回折(XRD)、電子後方散乱回折(EBSD)などによって測定及び/又は定量化することができる。
【0022】
上述のように、底部電極110は高い電気陰性度の金属を含み、頂部電極106は電気陰性度の低い金属を含む。いくつかの実施形態では、低電気陰性度金属は、チタン(例えば、Ti/1.54の電気陰性度)、タンタル(例えば、Ta/1.51の電気陰性度)、ランタン(例えば、La/1.11の電気陰性度)、いくつかの他の適切な金属、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施形態では、高電気陰性度金属は、モリブデン(例えば、Mo/2.16の電気陰性度)、タングステン(例えば、W/2.36の電気陰性度)、ルテニウム(例えば、Ru/2.2の電気陰性度)、オスミウム(例えば、Os/2.18の電気陰性度)、ロジウム(例えば、Rh/2.28の電気陰性度)、イリジウム(例えば、Ir/2.2の電気陰性度)、パラジウム(例えば、Pd/2.2の電気陰性度)、プラチナ(例えば、Pt/2.28の電気陰性度)、銅(例えば、Cu/1.9の電気陰性度)、銀(例えば、Ag/1.93の電気陰性度)、金(例えば、Au/電気陰性度2.54)、アルミニウム(例えば、Al/1.61の電気陰性度)、いくつかの他の適切な金属、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、酸化ケイ素(例えば、SiOx)、窒化ケイ素(例えば、SiNx)、金属酸化物、高誘電率誘電体、いくつかの他の適切な材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はそれらを含む。高誘電率誘電体は、例えば、約3.9、約10、又はいくつかの他の適切な値より大きい誘電率を有する誘電体であって良い。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は誘電体である。例えば、ブロッキング層104は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、高誘電率誘電体、又はいくつかの他の適切な誘電体であるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は半導体である。例えば、ブロッキング層104は、半導体金属酸化物又はいくつかの他の適切な半導体材料であるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は導電性である。例えば、ブロッキング層104は、導電性金属酸化物又はいくつかの他の適切な導電性材料であるか、又はこれらを含んでも良い。
【0024】
ブロッキング層104が金属酸化物であるか、又は金属酸化物を含むいくつかの実施形態では、金属酸化物の金属は高い電気陰性度を有する。いくつかの実施形態では、この高い電気陰性度は、頂部電極106の金属の電気陰性度に比べて高い。さらに、いくつかの実施形態では、この高い電気陰性度は、約1.6、約2.0、又はいくつかの他の適切な値より大きい電気陰性度であり、及び/又は約1.6~2.4、約1.6~2.0、約2.0~2.4、又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である。
【0025】
いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、頂部電極106から強誘電体層108に向けて拡散する金属を含む。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、非晶質構造を有するため、結晶粒界がなくなり、拡散経路の複雑さが増す。あるいは、いくつかの実施形態では、ブロッキング層104はナノ結晶構造を有し、ブロッキング層104の粒子は柱状粒ではなく等軸粒であるため、拡散経路の複雑さを増す。拡散経路の複雑さを増すことにより、ブロッキング層104を通過する金属の拡散が減少する。
【0026】
いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、約2~50オングストローム、約2~26オングストローム、約26~50オングストローム、又はいくつかの他の適切な値の厚さTbを有する。厚さTbが小さすぎる(例えば、2オングストローム未満)場合、ブロッキング層104は、頂部電極106から強誘電体層108への金属の拡散を効果的にブロックできない可能性がある。厚さTbが大きすぎる(例えば、50オングストロームを超える)場合、ブロッキング層104の抵抗が高すぎて、メモリセル102を流れる電流が少なくなる可能性がある。
【0027】
いくつかの実施形態では、頂部電極106の金属は、ブロッキング層104があっても強誘電体層108への拡散は最小限である。例えば、強誘電体層108内の金属の原子百分率は、約10%、約5%、約1%、または他の適切なパーセンテージ未満のゼロ以外の値であって良く、及び/又は、約1%~10%、約1%~5%、約5%~10%、又は他の適切なパーセンテージであっても良い。いくつかの実施形態では、アニール中に完全に又はほとんど拡散が最小限に抑えられて、強誘電体層108の強誘電体相を増加させる。そのような実施形態のいくつかでは、強誘電体層108内の金属の原子百分率は、ブロッキング層104が存在する場合、アニール完了時に10%未満であり、ブロッキング層104が存在しない場合、アニール完了時に30%を超える。
【0028】
いくつかの実施形態では、強誘電体層108は、二元酸化物、三元酸化物又は窒化物、四元酸化物、他の適切な強誘電体材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はそれを含む。二元酸化物は、例えば、酸化ハフニウム(例えば、ハフニア又はHfO2)及び/又はいくつかの他の適切な二元酸化物であるか、又はこれらを含んでも良い。三元酸化物又は窒化物は、例えば、ケイ酸ハフニウム(例えば、HfSiOx)、ジルコン酸ハフニウム(例えば、HfZrOx)、チタン酸バリウム(例えば、BaTiO3)、チタン酸鉛(例えば、PbTiO3)、チタン酸ストロンチウム(例えば、SrTiO3)、カルシウムマンガナイト(例えば、CaMnO3)、ビスマスフェライト(例えば、BiFeO3)、窒化アルミニウムスカンジウム(例えば、AlScN)、窒化アルミニウムガリウム(例えば、AlGaN)、窒化アルミニウムイットリウム(例えば、AlYN)、いくつかの他の適切な三元酸化物及び/又は窒化物、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。四元酸化物は、例えば、チタン酸バリウムストロンチウム(例えば、BaSrTiOx)及び/又はいくつかの他の適切な四元酸化物であるか、又はこれらを含んでも良い。
【0029】
いくつかの実施形態では、強誘電体層108は、頂部電極106の金属の電気陰性度よりも大きい電気陰性度を有する非金属元素を有する。そのような実施形態では、この非金属元素の電気陰性度と頂部電極の金属との差は、少なくとも1.7、1.84、又はいくつかの他の適切な値、及び/又は約1.6~2.5、約1.6~2.05、約2.05~2.5、約1.9~2.33、又はいくつかの他の適切な値である。非金属元素としては、例えば、酸素等が挙げられる。
【0030】
いくつかの実施形態では、強誘電体層108の厚さTfは、約10~200オングストローム、約10~105オングストローム、約105~200オングストローム、又はいくつかの他の適切な値である。厚さTfが小さすぎる(例えば、10オングストローム未満)か、大きすぎる(例えば、200オングストロームを超える)場合、強誘電体層108は、残留分極(残留分極)を有しないか、使用できないほど小さい残留分極を有する可能性がある。さらに、厚さTfが大きすぎる(例えば、200オングストロームを超える)場合、強誘電体層108の抵抗が高すぎる可能性があり、メモリセル102を流れる電流が少なくなる可能性がある。
【0031】
メモリセル102の動作中、強誘電体層108の残留分極は、データのビットを表すために使用される。例えば、残留分極の正の極性はバイナリ「0」を表し、残留分極の負の極性はバイナリ「1」を表すか、又はその逆を表すことができる。
【0032】
残留分極を正の極性に設定するために、頂部電極106から底部電極110まで強誘電体層108にわたって第1の書き込み電圧が印加される。残残留分極を負の極性に設定するために、頂部電極106から底部電極110まで強誘電体層108にわたって第2の書き込み電圧が印加される。第1の書き込み電圧は、第2の書き込み電圧と逆極性であり、抗電圧を超える大きさを有する。いくつかの実施形態では、残留分極の極性を読み取るために、残留分極は、上述のように正または負に設定される。残留分極の極性が変化すると、電流パルスが発生する。そうでない場合、電流パルスは発生しない。したがって、電流パルスを用いて、残留分極の極性を識別することができる。
【0033】
図2A及び2Bを参照すると、
図1のメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図200A、200Bが提供される。
【0034】
図2Aでは、ブロッキング層104は、頂部電極106と強誘電体層108との間ではなく、底部電極110と強誘電体層108との間にある。さらに、底部電極110の金属は低い電気陰性度を有し、頂部電極106の金属は高い電気陰性度を有する。低い電気陰性度は、底部電極110に重なる斜線ハッシングによって概略的に示されている。さらに、低電気陰性度金属及び高電気陰性度金属の非限定的な例は上記の通りである。
【0035】
低い電気陰性度により、底部電極110の金属は反応性が高く、したがって強誘電体層108に拡散する傾向が高い。対照的に、高い電気陰性度により、頂部電極106の金属は反応性が低く、したがって、強誘電体層108に拡散する傾向が低い。したがって、ブロッキング層104を底部電極110と強誘電体層108との間に配置することによって、強誘電体層108への金属の拡散を大幅に低減することができる。これにより、強誘電体層108の性能、ひいてはメモリセル102の性能を大幅に向上させることができる。
【0036】
ブロッキング層104が金属酸化物であるか、又は金属酸化物を含むいくつかの実施形態では、この金属酸化物の金属は高い電気陰性度を有する。いくつかの実施形態では、この高い電気陰性度は、底部電極110の金属の電気陰性度に比べて高い。さらに、いくつかの実施形態では、この高い電気陰性度は、約1.6、約2.0、又はいくつかの他の適切な値より大きい電気陰性度であり、及び/又は約1.6~2.4、約1.6~2.0、約2.0~2.4、又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である。
【0037】
図2Bでは、メモリセル102は一対のブロッキング層104を有し、それぞれ対応するものは
図1に関して説明されている。頂部電極106と強誘電体層108との間の第1のブロッキング層104aは、頂部電極106から強誘電体層108への金属の拡散をブロックする。底部電極110と強誘電体層108との間の第2ブロッキング層104bは、底部電極110から強誘電体層108への金属の拡散をブロックする。強誘電体層108への金属の拡散をブロックすることにより、第1ブロッキング層104a及び第2ブロッキング層104bは、強誘電体層108の性能、ひいてはメモリセル102の性能を大幅に向上させることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、底部電極110の金属及び頂部電極106の金属は両方とも低い電気陰性度を有する。この低い電気陰性度は、底部電極110及び頂部電極106上に重なる斜線ハッシングによって概略的に示されている。いくつかの実施形態では、この低い電気陰性度は、約1.6、約1.5、又はいくつかの他の適切な値未満の電気陰性度であり、及び/又は約1.1~1.6又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である。さらに、第1ブロッキング層104a及び第2ブロッキング層104bが金属酸化物を含むいくつかの実施形態ではこの、低い電気陰性度は、金属酸化物の金属の電気陰性度よりも低い。低電気陰性度金属の非限定的な例は上記の通りである。
【0039】
図1及び2Aは、ブロッキング層104が、頂部電極106及び底部電極110の中で最低の金属電気陰性度を有する電極に位置するものとして説明しているが、これは代替実施形態の場合には当てはまらない場合がある。例えば、ブロッキング層104は、代わりに、最高の金属電気陰性度を有する電極に位置しても良く、又は頂部電極106及び底部電極110は、高くても低くても良い同じ金属電気陰性度を有しても良い。さらに、
図1及び2Aは、頂部電極106及び底部電極110の一方が低い金属電気陰性度を有するものとして、頂部電極106及び底部電極110の他方が高い金属電気陰性度を有するものとして説明しているが、これは別の実施形態では逆にすることができ、又は別の実施形態では、頂部電極106および底部電極110の両方が低いまたは高い金属電気陰性度を有してもよい。
図2Bは、頂部電極106及び底部電極110を低い金属電気陰性度を有するものとして説明しているが、頂部電極106及び底部電極110は、代わりに高い金属電気陰性度を有しても良い。
【0040】
図1、2A、及び2Bは、底部電極及び頂部電極の金属を電気陰性度で説明しているが、金属は電気陽性度(electropositivity)で説明することもできる。電気陰性度の低い金属は電気陽性度が高く、電気陰性度の高い金属は電気陽性度が低くなる。したがって、
図1の頂部電極106及び底部電極110は、それぞれ高い電気陽性度及び低い電気陽性度を有すると見なすこともでき、
図2Aの頂部電極106及び底部電極110も、それぞれ、それぞれ低い電気陽性度及び高い電気陽性度を有すると見なすことができる。さらに、
図2Bの頂部電極106及び底部電極110は、高い電気陽性度を有すると見なすことができる。
【0041】
図3Aを参照すると、
図1のメモリセル102のいくつかの実施形態の断面
図300Aが提供され、メモリセル102がICチップの相互接続構造302に統合されている。
【0042】
頂部電極ワイヤ304tは、メモリセル102の上方にあり、頂部電極ビア(top electrode via;TEVA)306tは、頂部電極ワイヤ304tから頂部電極106まで下方に延在する。底部電極ワイヤ304bは、メモリセル102の下にあり、底部電極ビア(bottom electrode via;BEVA)306bは、底部電極ワイヤ304bから底部電極110まで上方に延在する。BEVA306bは、BEVAバリア308及びBEVAボディ310を備える。BEVAバリア308は、BEVAボディ310の下面の周りを覆い、BEVAボディ310を底部電極ワイヤ304bから分離する。代替実施形態では、BEVAボディ310が底部電極ワイヤ304bに直接接触するように、BEVAバリア308が省略される。BEVAバリア308は、例えば、底部電極ワイヤ304bから底部電極110への材料の拡散をブロックするか、そうでなければ実質的に減少させるように構成されても良い。
【0043】
いくつかの実施形態では、頂部電極ワイヤ304t、TEVA306t、及び底部電極ワイヤ304bは、銅、アルミニウム、タングステンなど、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施形態では、BEVAボディ310は、(1)頂部電極リード304t、TEVA306t、底部電極ワイヤ304b、又はこれらの任意の組み合わせと同じ材料、(2)BEVAバリア308と同じ材料、(3)底部電極110と同じ材料、(4)いくつかの他の適切な材料、又は(5)上記の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施形態では、BEVAバリア308は、窒化チタン、白金、アルミニウム銅、金、チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、窒化タングステンなど、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施形態では、BEVAバリア308の厚さは、約50~200オングストローム又はいくつかの他の適切な値である。
【0044】
ハードマスク312は頂部電極106の上にあり、TEVA306tは頂部電極ワイヤ304tから頂部電極106までハードマスク312を通って延在する。代替実施形態では、ハードマスク312は省略される。ハードマスク312は、例えば、窒化チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン炭窒化物、シリコン酸窒化物、金属酸化物、いくつかの他の適切な材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。金属酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、いくつかの他の適切な酸化ケイ素、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、ハードマスク312の厚さは、約50~400オングストローム又はいくつかの他の適切な値である。
【0045】
図1に関して説明したように、ブロッキング層104は、頂部電極106の金属が強誘電体層108に拡散するのをブロックするように構成されている。これにより、強誘電体層108の性能を向上させることができる。
【0046】
底部電極110、強誘電体層108、ブロッキング層104、頂部電極106、及びハードマスク312は、共通幅を共有し、メモリセル102の両側にそれぞれ1対の共通側壁を形成する。さらに、共通側壁は平坦な輪郭を有するが、代わりに湾曲した輪郭又は他の適切な輪郭を有しても良い。
【0047】
側壁スペーサ構造314は、共通側壁上にある。側壁スペーサ構造314は、例えば、窒化チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン炭窒化物、シリコン酸窒化物、金属酸化物、いくつかの他の適切な材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。金属酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、いくつかの他の適切な酸化ケイ素、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、側壁スペーサ構造314は、ハードマスク312と同じ材料である。
【0048】
複数の金属間誘電体(IMD)層316は、それぞれ底部電極ワイヤ304b及び頂部電極ワイヤ304tを取り囲む。さらに、第1のエッチストップ層318、第2のエッチストップ層320、及びバッファ層322は、複数のIMD層316を分離する。第1のエッチストップ層318は、垂直的に底部電極ワイヤ304bとメモリセル102との間でBEVA306bを取り囲む。第2のエッチストップ層320及びバッファ層322は、第1のエッチストップ層318及びメモリセル102を覆い、それらと共形である。さらに、第2のエッチストップ層320は、バッファ層322とメモリセル102との間にある。
【0049】
IMD層316は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリコン酸炭化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭窒化物、いくつかの他の適切な誘電体、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。第1のエッチストップ層318及び/又は第2のエッチストップ層320は、例えば、金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、シリコン酸窒化物、いくつかの他の適切な誘電体、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、第1のエッチストップ層318と第2のエッチストップ層320は同じ材料である。いくつかの実施形態では、第1のエッチストップ層318の厚さは、約150~350オングストローム又はいくつかの他の適切な値である。いくつかの実施形態では、第2のエッチストップ層320の厚さは、約50~300オングストローム又はいくつかの他の適切な値である。バッファ層322は、例えば、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)酸化物及び/又はいくつかの他の適切な誘電体であるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、バッファ層322の厚さは、約50~300オングストローム又はいくつかの他の適切な値である。
【0050】
図3Bを参照すると、
図3Aのメモリセル102のいくつかの実施形態の上面レイアウト
図300Bが提供される。さらに、BEVA306b及びTEVA306tの上部レイアウトは、メモリセル102上に重なる仮想線で示されている。
図3Aの断面
図300Aは、例えば、線A-A’に沿って切り取られても良い。メモリセル102は、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに、円形の上部レイアウト又はいくつかの他の適切な上部レイアウトを有しても良い。BEVA306b及びTEVA306tは、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに他の適切な上部レイアウトを有しても良い。
【0051】
図4Aを参照すると、
図3Aのメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図400Aが提供され、頂部電極の幅がメモリセル102の残りの部分に対して減少している。
【0052】
底部電極110、強誘電体層108、及びブロッキング層104は、第1の共通幅を共有し、メモリセル102の両側にそれぞれ1対の第1の共通側壁402を形成する。さらに、頂部電極106及びハードマスク312は、第2の共通幅を共有し、メモリセル102の両側にそれぞれ一対の第2の共通側壁404を形成する。第2の共通幅は、第1の共通幅よりも小さく、第2の共通側壁404は、横方向で第1の共通側壁402の間にある。さらに、第2の共通側壁404は、ブロッキング層104の上にある側壁スペーサ構造314によって覆われる。第1の共通側壁402及び第2の共通側壁404は平坦な輪郭を有するが、他の適切な輪郭であっても良い。
【0053】
図4Bを参照すると、
図4Aのメモリセル102のいくつかの実施形態の上面レイアウト
図400Bが提供される。さらに、BEVA306b及びTEVA306tの上部レイアウトは、メモリセル102上に重なる仮想線で示されている。
図4Aの断面
図400Aは、例えば、線B-B’に沿って切り取られても良い。メモリセル102は、正方形又は長方形の上部レイアウトを有し、第2の共通側壁404は、第1の共通側壁402から横方向にオフセットされ、その間に配置される。代替実施形態では、メモリセル102は、円形の上部レイアウト又はいくつかの他の適切な上部レイアウトを有していて良い。BEVA306b及びTEVA306tは、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに他の適切な上部レイアウトを有しても良い。
【0054】
図5を参照すると、BEVAバリア308及びBEVAボディ310が省略された、
図4Aのメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図500が提供される。さらに、底部電極バリア502及び底部電極110は、BEVA306bを形成する。底部電極バリア502は、底部電極110と底部電極ワイヤ304bとの間にあり、例えば、BEVAバリア308は
図3Aで説明されたようなものであって良い。底部電極バリア502、底部電極110、強誘電体層108、ブロッキング層104、頂部電極106、及びハードマスク312は、BEVA306bで窪み、TEVA306tは、メモリセル102の中心から横方向にオフセットしている。
【0055】
図6Aを参照すると、
図3Aのメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図600Aが提供され、BEVA306b、BEVAバリア308、BEVAボディ310、側壁スペーサ構造314、第2のエッチストップ層320、及びハードマスク312が省略されている。したがって、メモリセル102は、底部電極ワイヤ304bから延在する。さらに、底部電極バリア502、底部電極110、強誘電体層108、及びブロッキング層104は、頂部電極106の下面を覆う。例えば、底部電極バリア502、底部電極110、強誘電体層108、ブロッキング層104は、それぞれ、U字型輪郭などを有してしても良い。底部電極バリア502は、底部電極110と底部電極ワイヤ304bとの間にあり、例えば、
図3Aで説明したBEVAバリア308と同様であって良い。
【0056】
図6Bを参照すると、
図6Aのメモリセル102のいくつかの実施形態の上面レイアウト
図600Bが提供される。さらに、TEVA306tの上部レイアウトは、メモリセル102上に重なる仮想線で示されている。
図6Aの断面
図600Aは、例えば、線C-C’に沿って切り取られても良い。底部電極バリア502は、底部電極110の周りに閉じた経路で延在し、底部電極110は、強誘電体層108の周りに閉じた経路で延在し、強誘電体層108は、ブロッキング層104の周りに閉じた経路で延在し、ブロッキング層104は、頂部電極106の周りに閉じた経路で延在する。メモリセル102は、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに、円形の上部レイアウト又はいくつかの他の適切な上部レイアウトを有しても良い。TEVA306tは、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに他の適切な上部レイアウトを有しても良い。
【0057】
図7Aを参照すると、
図3Aのメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図700Aが提供され、BEVA306b、BEVAバリア308、BEVAボディ310、側壁スペーサ構造314、第2エッチストップ層320、及びハードマスク312が省略されている。したがって、メモリセル102は、底部電極リード304bから延在する。さらに、追加のワイヤ304aがTEVA306tの下にあり、底部電極ワイヤ304bと同じレベルに位置し、頂部電極106、ブロッキング層104、及び強誘電体層108が側壁スペーサ構造を形成する。
【0058】
側壁スペーサ構造は、底部電極110の上部側壁部分の上および第1エッチストップ層318の上にある。さらに、側壁スペーサ構造は、その間に底部電極110が配置される一対のスペーサセグメントを有する。TEVA306tは、これらのセグメントの1つで頂部電極106の一部に延在し、さらに第1のエッチストップ層318に延在する。少なくともいくつかの実施形態では、スペーサセグメントは、断面
図800の外側で互いに連続している。ブロッキング層104及び強誘電体層108は、各スペーサセグメントにL字型部分を有する。強誘電体層108のL字型部分は、ブロッキング層104の対応するL字型部分の底部コーナーを包み込み、ブロッキング層104のL字型部分は、頂部電極106の対応する部分の底部コーナーを包み込む。
【0059】
図7Bを参照すると、
図7Aのメモリセル102のいくつかの実施形態の上面レイアウト
図700Bが提供される。さらに、TEVA306tの上部レイアウトは、メモリセル102上に重なる仮想線で示されている。
図7Aの断面
図700Aは、例えば、線D-D’に沿って切り取られても良い。頂部電極106は、ブロッキング層104の周りに閉じた経路で延在し、ブロッキング層104は、強誘電体層108の周りに閉じた経路で延在し、強誘電体層108は、底部電極110の周りに閉経路で閉じた経路で延在する。メモリセル102は、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに、円形の上部レイアウト又はいくつかの他の適切な上部レイアウトを有しても良い。TEVA306tは、正方形又は長方形の上部レイアウトを有するが、代わりに他の適切な上部レイアウトを有しても良い。
【0060】
図8を参照すると、3Aおよび3Bのメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図800が提供され、ブロッキング層104は
図2Aのように底部電極110に位置している。さらに、底部電極110の金属は低い電気陰性度を有し、頂部電極106の金属は高い電気陰性度を有する。
【0061】
図9A~9Dを参照すると、
図8のメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図900A~900Dが提供され、メモリセル102は、
図4A、5、6A、及び7Aのようにそれぞれ構成されている。
【0062】
図10を参照すると、
図3A及び3Bのメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図1000が提供され、メモリセル102が
図2Bのように一対のブロッキング層104を有する。さらに、底部電極110の金属及び頂部電極106の金属は、低い電気陰性度を有する。
【0063】
図11A~11Dを参照すると、
図10のメモリセル102のいくつかの代替実施形態の断面
図1100A~1100Dが提供され、メモリセル102は、
図4A、5、6A、及び7Aのようにそれぞれ構成されている。
【0064】
図12Aを参照すると、メモリセル102を含むICチップのいくつかの実施形態の断面
図1200Aが提供され、メモリセル102は、個々の1トランジスタ1キャパシタ(one-transistor one-capacitor;1T1C)セル1202に統合されている。セル102は、
図3A及び3Bで説明したものとそれぞれ対応する。
【0065】
1T1Cセル1202は、個々のドレイン領域1204及び個々のドレイン側導電経路1206を含む。ドレイン領域1204は、基板1208のドープ領域であり、それぞれ、基板1208の隣接領域として反対のドーピング型を有する。さらに、ドレイン領域1204は、トレンチ隔離構造1210によって電気的に分離され、メモリセル102を個別に選択するために使用されるアクセストランジスタ1212(部分的に示される)を部分的に画定する。トレンチ隔離構造1210は、基板1208の上部に延在し、酸化ケイ素及び/又はいくつかの他の適切な誘電材料を含む。基板1208は、例えば、バルクシリコン基板又はいくつかの他の適切な種類の半導体基板であっても良い。
【0066】
ドレイン側導電経路1206は、ドレイン領域1204をメモリセル102に電気的に連結し、メモリセル102が配置される相互接続構造302によって形成される。相互接続構造302は、複数のワイヤ304及び複数のビア306を含む。複数のワイヤ304は、頂部電極ワイヤ304t及び底部電極ワイヤ304bを含む。いくつかの実施形態では、頂部電極ワイヤ304tはビット線BLに対応する。複数のビア306は、TEVA306t及びBEVA306bを含む。基板1208に最も近いレベルのビア306は層間誘電体(ILD)層1214内に位置し、残りのレベルのビア306及びワイヤ304はIMD層316内に位置する。ワイヤ304及びビア306は、BEVA306bを除き、例えば、銅、アルミニウム、いくつかの他の適切な金属、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。BEVA306bは、例えば、
図3Aおよび3Bに関して説明されたその対応物であって良い。
【0067】
1T1Cセル1202の側の周辺領域1216は、周辺デバイス1218(そのうちの1つだけが示されている)を収容する。周辺デバイス1218は、例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、フィン電界効果トランジスタ(finFET)、ゲート全周電界効果トランジスタ(gate-all-around field-effect transistor;GAA FET)、又は半導体デバイスのいくつかの他の適切なものであっても良い。周辺デバイス1218のそれぞれは、基板1208内の一対のソース/ドレイン領域1220、ならびにソース/ドレイン領域1220間に積層されたゲート電極1222及びゲート誘電体層1224を備える。
【0068】
図12Bを参照すると、
図12Aの断面
図1200Aが切り取られる軸に直交する軸に沿って取られた、
図12AのICダイのいくつかの実施形態の断面
図1200Bが提供される。1T1Cセル1202は、個々のメモリセル102、個々のドレイン側導電経路1206、個々のアクセストランジスタ1212、及び個々のソース側導電経路1226を含む。メモリセル102はそれぞれ、
図3Aおよび3Bに関して説明したものと対応する。
【0069】
アクセストランジスタ1212は、基板1208と相互接続構造302との間の基板1208上にあり、トレンチ隔離構造1210によって電気的に分離されている。アクセストランジスタ1212は、個々のドレイン領域1204、個々のソース領域1228、個々のゲート誘電体層1230、個々のゲート誘電体層1232を含む。ゲート電極1232は、それぞれゲート誘電体層1230の上にあり、いくつかの実施形態では、ワード線を形成する。ドレイン領域1204及びソース領域1228は、基板1208のドープ領域であり、それぞれ、基板1208の隣接領域として反対のドーピング型を有する。さらに、ドレイン領域1204及びソース領域1228は、それぞれゲート電極1232に隣接する。アクセストランジスタ1212は、例えば、MOSFET、finFET、GAA FET、、又はいくつかの他の適切な種類の半導体デバイスであっても良い。
【0070】
ドレイン側導電経路1206はドレイン領域1204をメモリセル102に電気的に連結し、ソース側導電経路1226はソース領域1228をソースラインSLに電気的に連結する。ドレイン側導電経路1206及びソース側1226は、複数のワイヤ304及び複数のビア306によって形成される。
【0071】
図12A及び12Bは、
図3A及び3Bのようなメモリセルの実施形態を用いて示されているが、
図1、2A、2B、4A、4B、5、6A、6B、7A、7B、8、9A~9D、10、及び11A~11Dのメモリセルの実施形態は、別の実施形態に適用可能である。例えば、
図13の断面
図1300に示されるように、
図12A及び12Bのメモリセル102は、代替的に、
図7A及び7Bのように構成されても良い。
【0072】
図14を参照すると、
図12A及び12BのICチップのいくつかの実施形態の上面レイアウト
図1400が提供される。
図12及び
図12の断面
図1200A、1200Bは、例えば、線E及び線Fに沿ってそれぞれ切り取ることができる。ICチップは、複数の行及び複数の列に複数の1T1Cセル1202を含み、それによってメモリアレイ1402を形成する。周辺デバイス1218は、ICチップの周辺領域1216でメモリアレイ1402を取り囲む。周辺デバイス1218は、例えば、1T1Cセル1202を操作するための読み取り/書き込み回路及び/又は他の適切な回路を実装することができる。
【0073】
図15を参照すると、強誘電体電界効果トランジスタ(FeFET)1502を含むICチップのいくつかの実施形態の断面
図1500が示され、ブロッキング層104が頂部ゲート電極1504からの強誘電体層108への金属の拡散をブロックするするように構成されている。一対のソース/ドレイン領域1506が基板1208内にあり、基板1208のチャネル領域1508がソース/ドレイン領域1506を分離している。ソース/ドレイン領域1506は、例えば、基板1208のドープ領域などであって良い。
【0074】
ゲート誘電体層1510、浮遊ゲート電極1512、強誘電体層108、ブロッキング層104、頂部ゲート電極1504、及びハードマスク1514は、チャネル領域1508の上にあるゲートスタックを形成し、共通幅を共有する。代替実施形態では、浮遊ゲート電極1512及び/又はゲート誘電体層1510が省略される。浮遊ゲート電極1512及び上部ゲート電極1504は、それぞれ
図1で説明した底部電極110及び頂部電極106と同様である。したがって、浮遊ゲート電極1512は高い電気陰性度を有するのに対し、トップゲート電極1504は低い電気陰性度を有する。さらに、ブロッキング層104及び強誘電体層108は、
図1のいずれかに関して説明した通りであり、それによって、ブロッキング層104は、頂部ゲート電極1504の金属が強誘電体層108に拡散するのをブロックするように構成される。これにより、強誘電体層108の性能、ひいてはメモリセル102の性能が向上される。
【0075】
側壁スペーサ構造1516は、ゲートスタックの反対側の側壁上にあり、相互接続構造302は、FeFET1502の上にあり、電気的に連結される。相互接続構造302は、複数のワイヤ304と、複数のビア306とを含み、ワイヤ304とビア306は積層されて、FeFET1502からつながる導電経路を画定する。ビア306の1つのレベル及びワイヤ304の1つのレベルのみが示されているが、追加のレベルが適用可能である。コンタクトエッチストップ層1518がFeFET1502を覆って裏打ちし、ILD層1214及びIMD層316がコンタクトエッチストップ層1518の上に積層される。コンタクトエッチストップ層1518及びILD層1214はビア306を取り囲み、IMD層316は、ワイヤ304を取り囲む。
【0076】
いくつかの実施形態では、ハードマスク1514は、窒化チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン炭窒化物、シリコン酸窒化物、金属酸化物、いくつかの他の適切な材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、側壁スペーサ構造1516は、窒化チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン炭窒化物、シリコン酸窒化物、金属酸化物、いくつかの他の適切な材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施形態では、コンタクトエッチストップ層1518は、金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、シリコン酸窒化物、いくつかの他の適切な誘電体、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含む。
【0077】
FeFET1502の動作中、強誘電体層108の残留分極は、データのビットを表すために使用される。例えば、残留分極の正の極性はバイナリ「0」を表し、残留分極の負の極性はバイナリ「1」を表すか、又はその逆を表すことができる。
【0078】
残留分極を正の極性に設定するために、頂部ゲート電極1504からチャネル領域1508まで(例えば、ソース/ドレイン領域1506を介して)強誘電体層108にわたって第1の書き込み電圧が印加される。残留分極を負の極性に設定するために、頂部ゲート電極1504からチャネル領域1508まで強誘電体層108にわたって第2の書き込み電圧が印加される。第1及び第2の書き込み電圧は反対の極性を有し、抗電圧を超える大きさを有する。
【0079】
残留分極の極性は、FeFET1502の閾値電圧をシフトする。閾値電圧が第1の閾値であるか第2の閾値であるかは、残留分極が正であるか負であるかに依存する。残留分極の極性を読み取るために、抗電圧未満で、かつ第1の閾値電圧と第2の閾値電圧との間の読み取り電圧が、頂部ゲート電極1504からソース/ドレイン領域1506の1つのソースに印加される。チャネル領域1508が導通しているかどうかに応じて、残留磁気分極は正または負の極性を有する。
【0080】
図15は、頂部ゲート電極1504にブロッキング層104を有するFeFET1502を示しているが、FeFET1502は、代替的に、
図16Aの断面
図1600Aに示すように、浮遊ゲート電極1512にブロッキング層104を有しても良い。このような代替実施形態では、浮遊ゲート電極1512は低い電気陰性度を有し、上部ゲート電極1504は高い電気陰性度を有する。さらに、
図15は、単一のブロッキング層104を有するFeFET1502を示しているが、FeFET1502は、代わりに、
図16Bの断面
図1600Bに示すように、一対のブロッキング層104を有しても良い。このような代替実施形態では、第1のブロッキング層104aが頂部ゲート電極1504と強誘電体層108の間に位置し、第2のブロッキング層104bが浮遊ゲート電極1512と強誘電体層108の間に位置する。さらに、浮遊ゲート電極1512と頂部ゲート電極1504は両方とも低い電気陰性度を有する。
【0081】
図17~27を参照すると、メモリセルを含むICチップを形成する方法のいくつかの実施形態の一連の断面
図1700~2700が提供され、メモリセルは個々の1T1Cセルに統合されており、ブロッキング層を含む。断面
図1700から2700は、例えば、
図12Aおよび12BのICダイに対応しても良く、及び/又は、例えば、
図14の線Eに沿って切り取られても良い。
【0082】
図17の断面
図1700に示されるように、相互接続構造302は、複数のアクセストランジスタ1212(部分的にのみ示される)及び周辺デバイス1218の上方に部分的に形成され、それらに電気的に連結される。アクセストランジスタ1212は、それぞれ形成される複数の1T1Cセル1202に個別であり、周辺デバイス1218は、形成されるICチップの周辺領域1216に位置する。アクセストランジスタ1212及び周辺デバイス1218は、基板1208上に位置し、基板1208によって部分的に形成され、基板1208内のトレンチ隔離構造1210によって分離されている。アクセストランジスタ1212及び周辺デバイス1218は、例えば、
図12A及び12Bで説明されたものであってもよい。
【0083】
相互接続構造302は、誘電体構造に積層された複数のワイヤ304と複数のビア306を含む。誘電体構造は、ILD層1214と、ILD層1214の上に設けられた第1のIMD層316aとを含む。複数のワイヤ304は、相互接続構造302の上面に沿って複数の底部電極ワイヤ304bを含む。底部電極ワイヤ304bは、それぞれ形成される1T1Cセル1202に個別である。さらに、底部電極ワイヤ304bは、アクセストランジスタ1212のドレイン領域1204にそれぞれ電気的に連結される。第1のIMD層316aは、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって、及び/又はそれらを用いて形成され得る。ワイヤ304及びビア306は、例えば、CVD、PVD、ALD、無電解めっき、電気めっき、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって、及び/又はそれらを用いて形成され得る。
【0084】
図18の断面
図1800に示されるように、第1のエッチストップ層318は、相互接続構造302上に堆積されるか、又は別の方法で形成される。図面を簡潔にするために、相互接続構造302の下部は、本明細書及び後続する図面において省略されることに留意されたい。第1のエッチストップ層318は誘電体であり、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積され得る。
【0085】
また、
図18の断面
図1800に示されるように、BEVA306bが形成され、それぞれ第1のエッチストップ層318を通って底部電極ワイヤ304bまで延伸する。BEVA306bは、個々のBEVAボディ310と、BEVAボディ310の下側をそれぞれ覆う個々のBEVAバリア308とを備える。BEVAボディ310及び/又はBEVAバリア308は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって及び/又はそれらを用いて形成され得る。
【0086】
図19の断面
図1900に示されるように、底部電極層110lは、BEVA306b及び第1のエッチストップ層318の上に堆積される。底部電極層110lは導電性であり、高い電気陰性度を有する金属であるか、又はそれを含む。したがって、底部電極層110lの金属は反応性が低く、したがって拡散する傾向が低い。底部電極層110lは、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、高い電気陰性度は、後に形成される頂部電極層の電気陰性度に関連する。いくつかの実施形態では、高い電気陰性度は、約1.6、約2.0、又はいくつかの他の適切な値より大きい電気陰性度であり、及び/又は約1.6~2.4、約1.6~2.0、約2.0~2.4、又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である。いくつかの実施形態では、高電気陰性度金属は、モリブデン(例えば、Mo/2.16の電気陰性度)、タングステン(例えば、W/2.36の電気陰性度)、ルテニウム(例えば、Ru/2.2の電気陰性度)、オスミウム(例えば、Os/2.18の電気陰性度)、ロジウム(例えば、Rh/2.28の電気陰性度)、イリジウム(例えば、Ir/2.2の電気陰性度)、パラジウム(例えば、Pd/2.2の電気陰性度)、プラチナ(例えば、Pt/2.28の電気陰性度)、銅(例えば、Cu/1.9の電気陰性度)、銀(例えば、Ag/1.93の電気陰性度)、金(例えば、Au/2.54の電気陰性度)、アルミニウム(例えば、Al/1.61の電気陰性度)、いくつかの他の適切な導電性材料、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれを含んでも良い。
【0088】
また、
図19の断面
図1900に示されるように、強誘電体層108は、底部電極層110l上に堆積される。堆積は、例えば、CVD、PVD、ALDなど、又は前述の任意の組み合わせによって実行することができる。
【0089】
図20の断面
図2000に示されるように、ブロッキング層104は、強誘電体層108上に堆積され、頂部電極層106lは、ブロッキング層104上に堆積される。ブロッキング層104は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積される。同様に、頂部電極層106lは、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積され得る。
【0090】
頂部電極層106lは、電気陰性度の低い金属を含み、ブロッキング層104は、強誘電体層108への金属の拡散をブロックするように構成されている。この低い電気陰性度は、頂部電極層106lに重なる斜線ハッシングによって概略的に示されている。いくつかの実施形態では、この低い電気陰性度は、底部電極層110lの電気陰性度よりも低い。いくつかの実施形態では、この低い電気陰性度は、約1.6、約1.5、又はいくつかの他の適切な値未満の電気陰性度であり、及び/又は約1.1~1.6又はいくつかの他の適切な値の電気陰性度である.
【0091】
低い電気陰性度により、頂部電極層106lの金属は反応性が高く、したがって強誘電体層108に拡散する傾向が高い。強誘電体層108に拡散する金属は、強誘電体層108の性能に悪影響を及ぼす。したがって、ブロッキング層104は、頂部電極層106lから強誘電体層108への金属拡散をブロックすることによって、強誘電体層108の性能を向上させる。例えば、強誘電体相を増加させることができ、残留分極(2Pr)を増加させることができ、分極均一性を増加させることができ、漏れ電流が減少させることができ、キャパシタンスを増加させることができ、データ保持を増加させることができ、破壊電圧を増加させることができ、又は前述の任意の組み合わせをもたらす可能性がある。
【0092】
頂部電極層106lとは対照的に、底部電極層110lの金属は高い電気陰性度を有し、したがって強誘電体層108に拡散する傾向が低い。したがって、底部電極層110lから強誘電体層108への金属の拡散は、強誘電体層108の性能に大きな影響を与えることなく、底部電極層110lのブロッキング層を省略しても良い。
【0093】
いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、酸化ケイ素(例えば、SiOx)、窒化ケイ素(例えば、SiNx)、金属酸化物、高誘電率誘電体、いくつかの他の適切な金属、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はそれを含む。高誘電率誘電体は、例えば、約3.9、約10、又はいくつかの他の適切な値より大きい誘電率を有する誘電体であって良い。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は誘電体である。例えば、ブロッキング層104は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、高誘電率誘電体、又はいくつかの他の適切な誘電体であるか、又はこれらを含んでも良い。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は半導体である。例えば、ブロッキング層104は、半導体金属酸化物又はいくつかの他の適切な半導体材料であるか、又はこれらを含んでも良い。他の実施形態では、ブロッキング層104は導電性である。例えば、ブロッキング層104は、導電性金属酸化物又はいくつかの他の適切な導電性材料であるか、又はこれらを含んでも良い。
【0094】
いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、頂部電極層106lから強誘電体層108に向かって拡散する金属を含む。いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、非晶質構造を有するため、結晶粒界がなくなり、拡散経路の複雑さが増す。あるいは、いくつかの実施形態では、ブロッキング層104はナノ結晶構造を有し、ブロッキング層104の粒子は柱状粒ではなく等軸粒であるため、拡散経路の複雑さを増す。拡散経路の複雑さを増すことにより、ブロッキング層104を通過する金属の拡散が減少する。
【0095】
いくつかの実施形態では、ブロッキング層104は、約2~50オングストローム、約2~26オングストローム、約26~50オングストローム、又はいくつかの他の適切な値の厚さTbを有する。厚さTbが小さすぎる(例えば、2オングストローム未満)場合、ブロッキング層104は、頂部電極層106lから強誘電体層108への金属の拡散を効果的に遮断できない可能性がある。厚さTbが大きすぎる(例えば、50オングストロームを超える)場合、ブロッキング層104の抵抗が高すぎて、メモリセルを流れる電流が少なくなる可能性がある。
【0096】
いくつかの実施形態では、頂部電極層106lの金属は、ブロッキング層104があっても強誘電体層108への拡散は最小限である。例えば、強誘電体層108内の金属の原子百分率は、約10%、約5%、約1%、または他の適切なパーセンテージ未満のゼロ以外の値であって良く、及び/又は約1%~10%、約1%~5%、約5%~10%、又は他の適切なパーセンテージであっても良い。いくつかの実施形態では、アニール中に完全に又はほとんど拡散が最小限に抑えられて、強誘電体層108の強誘電体相を増加させる。そのような実施形態のいくつかでは、強誘電体層108内の金属の原子百分率は、ブロッキング層104が存在する場合、アニール完了時に10%未満であり、ブロッキング層104が存在しない場合、アニール完了時に30%を超える。
【0097】
図21の断面
図2100に示されるように、強誘電体層108内の強誘電体相を増加させるためにアニールが実行される。アニールは、
図20から
図21への強誘電体層108のハッシングの変化によって概略的に示されることに留意されたい。強誘電体相は斜方晶相に対応し、正方晶相及び単斜晶相と対比される。強誘電体層108内の他の相に対する斜方晶相の比率が高いほど、残留分極(2Pr)が高くなり、したがってデータ保持が良好になる。アニールは、例えば、例えば、約300~1500℃、約300~900℃、約900~1500℃などの温度で実施することができる。
【0098】
アニール中、頂部電極層106l及び底部電極層110lの金属は、反応及び拡散する傾向がより高い。しかしながら、底部電極層110lの金属は、アニール中の拡散率が依然として低いため、アニール中の強誘電体層108への影響は最小限である。対照的に、頂部電極層106lの金属は、アニール中にさらに高い拡散率を有する。しかしながら、より高い拡散性にもかかわらず、ブロッキング層104が強誘電体層108への金属の拡散をブロックするので、頂部電極層106lの金属が強誘電体層108に与える影響は最小限である。いくつかの実施形態では、強誘電体層108内の金属の原子百分率は、ブロッキング層104が存在する場合、アニールの完了時に約10%、5%、又は1%未満であり、ブロッキング層104が存在しない場合、アニールの完了時に約30%を超える。
【0099】
また、
図21の断面
図2100に示されるように、ハードマスク312は、形成される1T1Cセル1202に個別的に形成される。以下に見られるように、ハードマスク312は、形成されるメモリセルのためのパターンを有する。ハードマスク312を形成するための工程は、例えば、頂部電極層106lの上にハードマスク層を堆積し、続いてハードマスク層をハードマスク312にパターニングすることを含んでも良い。堆積は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積されても良い。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィ/エッチング工程又はいくつかの他の適切なパターニング工程によって実行されても良い。
【0100】
図22の断面
図2200に示されるように、ハードマスク312を所定の位置に置いて、頂部電極層106l、ブロッキング層104、強誘電体層108、及び底部電極層110lにエッチングが実行される。ハードマスク312がフォトリソグラフィ/エッチング工程によって形成されるいくつかの実施形態では、フォトリソグラフィ/エッチング工程のエッチングは、頂部電極層106lなどへのエッチングと同じである。エッチングは、第1のエッチストップ層318上で停止し、すなわち、第1のエッチストップ層318がエッチングのエッチストップとして機能する。さらに、エッチングは、ハードマスク312のパターンを頂部電極層106l、ブロッキング層104、強誘電体層108、及び底部電極層110lに転写し、それによって、BEVA306bの上にそれぞれメモリセル102を形成する。以下、メモリセル102における頂部電極層106lの個々のセグメントを頂部電極106といい、以下、メモリセル102における底部電極層110lの個々のセグメントを底部電極110という。
【0101】
図23の断面
図2300に示されるように、側壁スペーサ構造314が、ハードマスク312、頂部電極106、ブロッキング層104、強誘電体層108、及び底部電極110によって形成される共通側壁上に形成される。側壁スペーサ構造314を形成するための工程は、例えば、1)メモリセル102上に側壁スペーサ層を堆積すること、2)側壁スペーサ層をエッチバックすること、を含む。ただし、その他の適切な工程も適用できる。側壁スペーサ層は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積されても良い。
【0102】
図24~27の断面図に示されるように、相互接続構造302は、メモリセル102の上および周囲に完成する。
【0103】
図24の断面
図2400に示されるように、第2のエッチストップ層320は、メモリセル102を覆うように形成され、周辺領域1216から横方向にオフセットするように形成される。第2のエッチストップ層320を形成する工程は、1)メモリセル102及び周辺領域1216を覆う第2のエッチストップ層320を堆積すること、2)周辺領域1216からそれを除去するために、第2のエッチストップ層320をパターニングすること、を含む。ただし、その他の適切な工程も適用できる。第2のエッチストップ層320は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積されても良い。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィ/エッチング工程又はいくつかの他の適切な工程によって実行されても良い。
【0104】
図25の断面
図2500に示されるように、バッファ層322及び第2のIMD層316bは、第1及び第2のエッチストップ層318、320の上に、メモリセル102及び周辺領域1216を覆って堆積される。代替実施形態では、バッファ層322は省略される。バッファ層322及び/又は第2のIMD層316bは、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積されても良い。
【0105】
また、
図25の断面
図2500に示されるように、第2のIMD層316b、バッファ層322、第1のエッチストップ層318、及び第2のエッチストップ層320がパターニングされて、複数のビア開口2502が形成される。ビア開口部2502は、メモリセル102の頂部電極106と、周辺領域1216のワイヤ304とをそれぞれ露出させる。パターニングは、例えば、1つ又は複数のフォトリソグラフィ/エッチング工程及び/又はいくつかの他の適切なパターニング工程によって実行されても良い。いくつかの実施形態では、第1のエッチストップ層318及び第2のエッチストップ層320は、フォトリソグラフィ/エッチング工程のエッチングを実行している間、エッチストップとして機能する。
【0106】
図26の断面
図2600に示されるように、第2のIMD層316bはさらにパターニングされて、ビア開口部2502と重なる複数のワイヤ開口部2602を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィ/エッチング工程及び/又はいくつかの他の適切なパターニング工程によって実行されても良い。
【0107】
図27の断面
図2700に示されるように、ビア開口部2502(例えば、
図25を参照)及びワイヤ開口部2602(例えば、
図25を参照)を充填する、複数の追加のワイヤ304及び複数の追加のビア306が形成される。例えば、
図26)。複数の追加のワイヤ304は、ワイヤ開口部2602をそれぞれ充填し、メモリセル102に個別的に、それぞれメモリセル102の上にある複数の頂部電極ワイヤ304tを備える。複数の追加ビア306は、ビア開口部2502をそれぞれ充填し、頂部電極106に個別的に、それぞれ頂部電極106に位置する複数のTEVA306tを含む。さらに、TEVA306tは、頂部電極ワイヤ304tからそれぞれ頂部電極106までそれぞれ延在する。
【0108】
追加のワイヤ304及び追加のビア306を形成する工程は、例えば、1)ビア開口部2502及びワイヤ開口部2602を充填する金属層を堆積すること、2)第2のIMD層316b及び金属層の上面が互いに同一平面上になるまで、金属層及び第2のIMD層316bに平坦化を実行することを含んでも良い。ただし、その他の適切な工程も適用できる。金属層は、例えば、CVD、PVD、ALD、無電解めっき、電気めっき、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積され得る。
【0109】
図17~27は、方法を参照して説明されているが、
図17~27に示される構造は方法に限定されず、方法とは独立していても良いことを理解すべきである。
図17~27は一連の動作として説明されているが、他の実施形態では、動作の順序を変更できることを理解するべきである。例えば、強誘電体層108と頂部電極層106との間にブロッキング層104を形成する代わりに、底部電極層110lと強誘電体層108との間にブロッキング層104を形成することができる。そのような実施形態では、電極層110lの金属は低い電気陰性度を有し、頂部電極層106lの金属は高い電気陰性度を有する。
【0110】
図17~27は、特定の一連の動作を示して説明しているが、他の実施形態では、図示及び/又は説明されているいくつかの行為を省略しても良い。他の実施形態では、さらに、図示及び/又は説明されていない動作を含んでも良い。例えば、底部電極層110lと強誘電体層108との間に別のブロッキング層を形成することができる。そのような実施形態では、底部電極層110lの金属及び頂部電極層106lの金属は両方とも、低い電気陰性度、したがって高い拡散率を有する。
【0111】
【0112】
2802において、相互接続構造が基板の上に部分的に形成され、相互接続構造はメモリ領域に底部電極ワイヤを含む。例えば、
図17を参照されたい。
【0113】
2804において、エッチストップ層が相互接続構造上に堆積される。例えば、
図18を参照されたい。
【0114】
2806において、エッチストップ層を通って底部電極ワイヤまで延伸する底部電極ビアが形成される。例えば、
図18を参照されたい。
【0115】
2808において、底部電極層、強誘電体層、ブロッキング層、及び頂部電極層が、底部電極ビアの上に積層して堆積され、ブロッキング層は、強誘電体層と、底部電極層及び頂部電極層の中で最も低い金属電気陰性度を有する電極層との間に位置する。ブロッキング層は、電極層から強誘電体層への金属の拡散をブロックするように構成される。例えば、
図19及び20を参照されたい。
【0116】
2810において、強誘電体層の強誘電体相を増加させるためにアニールが実行される。例えば、
図21を参照されたい。
【0117】
2812において、頂部電極層の上にハードマスクが形成される。例えば、
図21を参照されたい。
【0118】
2814において、ハードマスクを用いて、頂部電極層、ブロッキング層、強誘電体層、及び底部電極層にエッチングを実行し、メモリセルを形成する。例えば、
図22を参照されたい。
【0119】
2816において、側壁スペーサ構造がメモリセルの側壁に形成される。例えば、
図23を参照されたい。
【0120】
2818において、相互接続構造がメモリセルの上及び周囲に完成する。例えば、
図24~27を参照されたい。
【0121】
図28のブロック
図2800は、本明細書では一連の動作又はイベントとして図示及び説明されているが、そのような動作又はイベントの図示された順序は、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、いくつかの動作は、異なる順序で、及び/又は本明細書に図示及び/又は記載されたものとは別の他の動作又はイベントと同時に発生し得る。さらに、本明細書の説明の1つ又は複数の態様又は実施形態を実施するために、図示された動作の全てが必要とされるわけではなく、本明細書に示される動作の1つ又は複数は、1つ又は複数の別個の動作及び/又は段階で実行されても良い。
【0122】
図29~36を参照すると、
図17~27の方法のいくつかの代替実施形態の一連の断面
図2900~3600が提供され、メモリセル102が、
図8A及び8Bで図示及び説明されたように形成される。したがって、この方法によって形成されたICチップは、例えば、
図13のICチップに対応し得る。
【0123】
図29の断面
図2900に示されるように、
図17に関して説明された動作との差異は、相互接続構造302が異なるレイアウトを有することである。例えば、相互接続構造302は、相互接続構造302の上面に沿って追加のワイヤを有する。
【0124】
図30の断面
図3000に示されるように、第1のエッチストップ層318及び犠牲層3002層は、第1のエッチストップ層318が犠牲層3002と第1のIMD層316aとの間に配置されるように、相互接続構造302上に堆積して積層される。第1のエッチストップ層318は、例えば、金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、シリコン酸窒化物など、又は前述の任意の組み合わせであるか、又はこれらを含んでも良い。犠牲層3002は、例えば、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)酸化物及び/又は同様のものであるか、又はこれらを含んでも良い。第1のエッチストップ層318及び犠牲層3002は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積され得る。
【0125】
図31の断面
図3100に示されるように、第1のエッチストップ層318及び犠牲層3002がパターニングされて、底部電極ワイヤ304bをそれぞれ露出するセル開口部3102を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィ/エッチング工程又はいくつかの他の適切なパターニング工程によって実行され得る。いくつかの実施形態では、フォトリソグラフィ/エッチングは、1)フォトリソグラフィによって犠牲層3002の上にフォトレジストマスク3104を形成すること、2)フォトレジストマスク3104を用いて、第1のエッチストップ層318及び犠牲層3002にエッチングを実行すること、3)フォトレジストマスク3104を除去すること、を含む。
【0126】
図32の断面
図3200に示されるように、底部電極層110lが犠牲層3002の上に堆積され、セル開口部3102を充填する(例えば、
図31を参照)。いくつかの実施形態では、セル開口部3102を裏打ちする底部電極障壁層が最初に堆積され、底部電極障壁層の上に底部電極層110lが堆積される。底部電極層110l及び/又は底部電極障壁層は、例えば、CVD、PVD、ALD、いくつかの他の適切な堆積工程、又は前述の任意の組み合わせによって堆積され得る。底部電極層110lは、例えば、
図19に関して説明されたものであってもよく、及び/又は底部電極障壁層は、例えば、
図5に関して説明された底部電極バリア502であっても良い。
【0127】
図33の断面
図3300に示されるように、底部電極層110lの上面は、犠牲層3002の上面と同一レベル又はほぼ同一レベルになるまで凹んでいる。これにより、底部電極層110lが、形成されるメモリセルに個別の底部電極110に分割される。凹みは、例えば、エッチバック、平坦化などによって行うことができる。平坦化は、例えば、化学機械研磨(CMP)及び/又はいくつかの他の適切な平坦化によって実行することができる。
【0128】
図34の断面
図3400に示されるように、犠牲層3002(例えば、
図33を参照)が除去される。除去は、例えば、エッチング又はいくつかの他の適切な除去工程によって実行することができる。除去がエッチングによって実行される限りにおいて、第1のエッチストップ層318は、エッチングのためのエッチストップとして機能することができる。
【0129】
また、
図34の断面
図3400に示されるように、強誘電体層108、ブロッキング層104、及び頂部電極層106lが、底部電極110及び第1のエッチストップ層318の上に堆積して積層される。ブロッキング層104は強誘電体層108の上にあり、頂部電極層106lはブロッキング層104の上にある。強誘電体層108、ブロッキング層104、及び頂部電極層106lは、例えば、
図9及び
図20に関して説明したように堆積しても良い。
【0130】
図35の断面
図3500に示されるように、アニールは、
図21で説明されたように、強誘電体層108内の強誘電体相を増加させるために実行される。アニールは、
図34から
図35への強誘電体層108のハッシングの変化によって概略的に示されていることに留意されたい。
【0131】
また、
図35の断面
図3500に示されるように、強誘電体層108、ブロッキング層104、及び頂部電極層106lにエッチバックが実行される。エッチバックは、例えば、垂直及び/又は異方性エッチングなどによって行うことができる。エッチバックは、強誘電体層108、ブロッキング層104、及び頂部電極層106lの水平セグメントを除去し、それによって、強誘電体層108、ブロッキング層104、及び頂部電極層106lを側壁(例えば、電極110の側壁)に配置する。さらに、底部電極110の側壁上の頂部電極層106lの残りのセグメントを、以下、頂部電極106という。
【0132】
図36の断面
図3600に示されるように、
図25~27で説明された動作を実行して、メモリセル102の上及び周囲の相互接続構造302を完成させる。
【0133】
図29~36は、方法を参照して説明されているが、
図29~36に示される構造は方法に限定されず、方法とは独立していても良いことを理解すべきである。
図29~36は一連の動作として説明されているが、他の実施形態では動作の順序を変更できることを理解するべきである。
図29~36は、特定の一連の動作として図示及び説明されているが、他の実施形態では、図示及び/又は説明されているいくつかの行為を省略しても良い。他の実施形態では、さらに、図示及び/又は説明されていない動作を含んでも良い。
【0134】
いくつかの実施形態では、本発明は、メモリセルを含むICチップを提供する。メモリセルは、両方とも金属を含む第1の電極及び第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間の強誘電体層と、強誘電体層と第1の電極との間のブロッキング層と、を備え、ブロッキング層は、第1の電極の第1の金属が強誘電体層に拡散するのをブロックするように構成され、第1の電極の第1の金属は、第2の電極の第2の金属よりも低い電気陰性度を有する。いくつかの実施形態では、ブロッキング層は強誘電体層及び第1の電極に直接接触し、第2の電極は強誘電体層に直接接触する。いくつかの実施形態では、ブロッキング層は非晶質である。いくつかの実施形態では、ブロッキング層は半導体である。いくつかの実施形態では、ブロッキング層は導電性金属酸化物である。いくつかの実施形態では、強誘電体層は、強誘電体層は、約10%未満であるゼロでない原子百分率の第1の金属を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、本発明は、メモリセルを含む別のICチップを提供する。メモリセルは、メモリセルの底部にある底部電極と、メモリセルの上部にある頂部電極と、底部電極と頂部電極との間の強誘電体層と、強誘電体層と第1の電極との間にある拡散障壁層と、を備え、第1の電極は、約1.6未満の電気陰性度を有する金属を含む。いくつかの実施形態では、メモリセルは、強誘電体層と第2の電極との間に第2の拡散障壁層をさらに備え、第2の電極は底部電極と頂部電極のうちの他方であり、第2の電極は約1.6未満の電気陰性度を有する金属を含む。いくつかの実施形態では、強誘電体層は第2の電極に直接接触し、第2の電極は底部電極と頂部電極のうちの他方であり、第2の電極は約1.6より大きい電気陰性度を有する金属を含む。いくつかの実施形態では、強誘電体層、拡散障壁層、及び底部電極と頂部電極の一方又は両方は共通幅を共有する。いくつかの実施形態では、強誘電体層、拡散障壁層、及び底部電極は、頂部電極の底部を包む個々のU字型輪郭を有する。いくつかの実施形態では、頂部電極は、底部電極の周りに閉じた経路に延在し、頂部電極は、底部電極の底部表面に対して隆起した底部表面を有する。いくつかの実施形態では、強誘電体層及び拡散障壁層は、底部電極の周りに個々の閉じた経路に延在し、底部電極の底部表面に対して隆起した個々の底部表面を有する。いくつかの実施形態では、ICチップは、基板と、基板の上にあり、基板によって部分的に画定される半導体デバイスと、半導体デバイスの上方に交互に積層され、半導体デバイスにて電気的に連結され、複数のワイヤレベル及び複数のビアレベルにそれぞれグループ化される複数のワイヤ及び複数のビアであって、複数のワイヤは、メモリセルがその間に配置される底部電極ワイヤ及び頂部電極ワイヤを含む複数のワイヤ及び複数のビアと、をさらに備える。
【0136】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下を含む方法を提供する。基板の上に底部電極を形成することと、基板の上に積層されたブロッキング層、強誘電体層、及び頂部電極層を堆積させることと、頂部電極層をパターニングして頂部電極を形成することと、ブロッキング層及び強誘電体層をパターニングして、メモリセルに個別のブロッキング層及び強誘電体層のセグメントを定めることと、を含み、強誘電体層のパターニング後、底部電極と頂部電極、及びブロッキング層と強誘電体層のセグメントがメモリセルを形成し、底部電極と頂部電極は金属を含み、ブロッキング層は、強誘電体層と、底部電極と頂部電極の中で金属の電気陰性度が最も低い電極との間にある。いくつかの実施形態では、この方法は、基板の上に底部電極層を堆積することをさらに含み、ブロッキング層、強誘電体層、及び頂部電極層は、底部電極層の上に堆積され、共通のマスクを用いて、底部電極層、強誘電体層、及びブロッキング層にエッチングを実行し、底部電極層を底部電極にパターニングし、さらにブロッキング層及び強誘電体層のパターニングを行う。いくつかの実施形態では、共通マスクを用いて、頂部電極層にエッチングをさらに行い、頂部電極層のパターニングを行う。いくつかの実施形態では、この方法は、頂部電極層のパターニング及びブロッキング層及び強誘電体層のパターニングの前に、強誘電体層の強誘電体相を増加させるためにアニールを実行することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ブロッキング層、強誘電体層、及び頂部電極層は、底部電極の上及び底部電極の側壁の上に堆積される。いくつかの実施形態では、底部電極の形成は、導電ワイヤを覆う誘電体層の上に犠牲層を堆積することと、誘電体層と犠牲層をエッチングして導電性ワイヤを露出する開口部を形成することと、開口部に底部電極層を堆積することと、底部電極層から犠牲層の上面まで平坦化を行うことと、犠牲層を除去することと、を含む。いくつかの実施形態では、頂部電極層、ブロッキング層及び強誘電体層のパターニングは、頂部電極層、ブロッキング層、及び強誘電体層をエッチバックして、頂部電極層、ブロッキング層及び強誘電体層の水平に延伸するセグメントを除去し、底部電極の上部側壁部分上に側壁構造を形成することを含み、側壁構造は、頂部電極とブロッキング層及び強誘電体層のセグメントとを含む。
【0137】
以上、当業者が以下の詳細な説明をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説した。当業者は、本明細書に導入された実施形態と同じ目的を実行し、及び/又は同じ利点を達成するために、他の工程及び構造を設計又は修正するための基礎として、本発明を容易に使用できることを理解すべきである。当業者はまた、そのような同等の構成が本発明の精神及び範囲から逸脱しないこと、及び本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び変更を行うことができることを理解するべきである。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明のメモリセルを含むICチップ及び本発明の方法は、不揮発性メモリを含む多くの現代の電子装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0139】
100、200A、200B、300A、400A、500、600A、700A、800、900A、900B、900C、900D、1000、1100A、1100B、1100C、1100D、1200A、1200B、1300、1500、1600A、1600B、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600:断面図
102:メモリセル
104:ブロッキング層
104a:第1のブロッキング層
104b:第2のブロッキング層
106:頂部電極
106l:頂部電極層
108:強誘電体層
110:底部電極
110l:底部電極層
300B、400B、600B、700B、1400:上方レイアウト図
302:相互接続構造
304:ワイヤ
304a:追加のワイヤ
304b:底部電極ワイヤ
304t:頂部電極ワイヤ
306: ビア
306b:底部電極ビア(BEVA)
306t:頂部電極ビア(TEVA)
308:BEVAバリア
310:BEVAボディ
312:ハードマスク
314:側壁スペーサ構造
316:金属間誘電体(IMD)層
316a:第1のIMD層
316b:第2のIMD層
318:第1のエッチストップ層
320:第2のエッチストップ層
322:バッファ層
402:第1の共通側壁
404:第2の共通側壁
502:底部電極バリア
1202:1トランジスタ1キャパシタ(1T1C)セル
1204:ドレイン領域
1206:ドレイン側導電経路
1208:基板
1210:トレンチ隔離構造
1212:アクセストランジスタ
1214:ILD層
1216:周辺領域
1218:周辺デバイス
1220:ソース/ドレイン領域
1222:ゲート電極
1224:ゲート誘電体層
1226:ソース側導電経路
1228:ソース領域
1230:ゲート誘電体層
1232:ゲート電極
1402:メモリアレイ
1502:強誘電体電界効果トランジスタ(FeFET)
1504:上部ゲート電極
1506:ソース/ドレイン領域
1508:チャネル領域
1510:ゲート誘電体層
1512:浮遊ゲート電極
1514:ハードマスク
1516:側壁スペーサ構造
1518:コンタクトエッチストップ層
2502:ビア開口部
2602:ワイヤ開口部
2800:ブロック図
2802、2804、2806、2808、2810、2812、2814、2816、2818:動作
3002:犠牲層
3102:セル開口部
3104:フォトレジストマスク
A-A’、B-B’、C-C’、D-D’、E、F:断面線
BL:ビット線
SL:ソース線
Tb、Tf:厚さ
【手続補正書】
【提出日】2023-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを備える集積回路(IC)チップであって、
前記メモリセルは、
両方とも金属を含む第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の強誘電体層と、
前記強誘電体層と前記第1の電極との間のブロッキング層と、
を備え、
前記ブロッキング層は、前記第1の電極の第1の金属が前記強誘電体層に拡散するのをブロックするように構成され、前記第1の電極の前記第1の金属は、前記第2の電極の第2の金属よりも低い電気陰性度を有する、
集積回路(IC)チップ。
【請求項2】
前記ブロッキング層は非晶質である、請求項1に記載のICチップ。
【請求項3】
前記ブロッキング層は半導体である、請求項1に記載のICチップ。
【請求項4】
前記ブロッキング層は導電性金属酸化物である、請求項1に記載のICチップ。
【請求項5】
メモリセルを備える集積回路(IC)チップであって、
前記メモリセルは、
前記メモリセルの底部にある底部電極と、
前記メモリセルの頂部にある頂部電極と、
前記底部電極と前記頂部電極との間の強誘電体層と、
を備え、
前記強誘電体層と第1の電極との間の拡散障壁層であって、前記第1の電極は、前記底部電極と前記頂部電極の1方であり、前記第1の電極は約1.6未満の電気陰性度を有する金属を含む、
集積回路(IC)チップ。
【請求項6】
前記強誘電体層、前記拡散障壁層、及び前記底部電極と前記頂部電極の一方又は両方が共通幅を共有する、請求項5に記載のICチップ。
【請求項7】
前記強誘電体層、前記拡散障壁層、及び前記底部電極は、前記頂部電極の底部を包む個々のU字型輪郭を有する、請求項5に記載のICチップ。
【請求項8】
前記頂部電極は、前記底部電極の周りに閉じた経路で延在し、前記頂部電極は、前記底部電極の底部表面に対して隆起した底部表面を有する、請求項5に記載のICチップ。
【請求項9】
基板の上に底部電極を形成することと、
前記基板の上にブロッキング層、強誘電体層、及び頂部電極層を堆積して積層することと、
前記頂部電極層をパターニングして頂部電極を形成することと、
前記ブロッキング層及び前記強誘電体層をパターニングして、メモリセルに個別の前記ブロッキング層及び前記強誘電体層のセグメントを定めることと、
を含み、
前記ブロッキング層及び強誘電体層のパターニング後、前記底部電極と前記頂部電極、及び前記ブロッキング層と前記強誘電体層の前記セグメントが前記メモリセルを形成し、
前記底部電極と前記頂部電極は金属を含み、
前記ブロッキング層は、前記強誘電体層と、前記底部電極と前記頂部電極の中で金属の電気陰性度が最も低い電極との間にある、
方法。
【請求項10】
前記頂部電極層の前記パターニング及び前記ブロッキング層と前記強誘電体層の前記パターニングの前に、前記強誘電体層の強誘電体相を増加させるアニールを行うことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【外国語明細書】