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特開2024-18958媒体処理装置、画像形成システム、媒体処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018958
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】媒体処理装置、画像形成システム、媒体処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/30 20060101AFI20240201BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65H45/30
B65H37/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086434
(22)【出願日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】P 2022121881
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野内 雄太
(72)【発明者】
【氏名】須崎 祐次
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA34
3F108HA36
(57)【要約】
【課題】載置部に載置された複数の媒体の主走査方向の任意の位置を圧着綴じ可能にする
ことによって、必要な綴じ力を得る媒体処理装置を提供する。
【解決手段】媒体処理装置は、シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された複数の媒体を載置可能な載置部と、載置部に載置された複数の媒体の搬送方向の下流側の端部に当接して、複数の媒体の搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、載置部に載置された複数の媒体の搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、搬送方向揃え部によって搬送方向の位置が揃えられた複数の媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、厚み方向から載置部を見て搬送方向揃え部が綴じ位置に重なると判定した場合に、綴じ位置から外れる位置まで搬送方向揃え部を主走査方向に移動させてから、圧着綴じ処理部に綴じ位置を圧着綴じさせる制御部とを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された複数の前記媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、複数の前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、
前記搬送部、前記搬送方向揃え部、及び前記圧着綴じ処理部の動作を制御する制御部とを備え、
前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は、前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
複数の前記媒体の前記主走査方向の中央位置を挟んで反対側に配置された一対の前記搬送方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記中央位置からの距離を等距離に保ったまま、一対の前記搬送方向揃え部の間隔を増減させることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記主走査方向に所定の間隔を隔てて配置された複数の前記綴じ位置を、前記圧着綴じ処理部に順番に圧着綴じさせることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記媒体の前記主走査方向の幅に応じて、複数の前記綴じ位置の間隔を変更することを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、複数の前記綴じ位置のうち、前記搬送方向揃え部から外れた少なくとも一箇所の前記綴じ位置を前記圧着綴じ処理部に圧着綴じさせてから、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
複数の前記綴じ位置の間隔は、0mmより大きく且つ5mm未満であることを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記搬送方向の上流側に移動することによって、圧着綴じされた複数の前記媒体を前記載置部から放出する放出部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記放出部が前記綴じ位置から外れるように、前記放出部と複数の前記媒体とを相対的に移動させてから、前記圧着綴じ処理部に前記綴じ位置を圧着綴じさせることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部に対して一対の前記幅方向揃え部を前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部上で複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項7に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部及び一対の前記幅方向揃え部を一体として前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部と共に複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項7に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、複数の前記媒体を前記載置部に固定した状態で、前記綴じ位置から外れる位置まで前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項11】
複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、一対の前記幅方向揃え部の間隔を前記媒体の前記主走査方向の幅より狭くした状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項10に記載の媒体処理装置。
【請求項12】
複数の前記媒体の最上面に接離する接離部を備え、
前記制御部は、複数の前記媒体の最上面に前記接離部を当接させた状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項10に記載の媒体処理装置。
【請求項13】
駆動源と、
前記駆動源によって、前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部を、前記主走査方向に移動させる駆動力伝達機構と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項14】
前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させる第一駆動源と、
前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させる第二駆動源とを備えることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項15】
前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする請求項1に記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項16】
シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された複数の前記媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、複数の前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、を備える媒体処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、
前記プログラムは、前記厚み方向から前記載置部を見て前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせる処理を、前記媒体処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置、画像形成システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置によって画像が形成されたシート状の媒体を束にして綴じる処理を行う媒体処理装置が知られている。なお、シート状の媒体の例として用紙が広く知られているので、本明細書では、シート状の媒体の束に関しては複数の用紙を積層した「用紙束」を例に用いることとする。また、媒体処理装置には、省資源化や環境負荷の低減を鑑みる観点から、金属製の綴じ針を用いずに、凹凸状の綴じ歯で用紙束を挟持して加圧変形させる所謂「圧着綴じ」が可能な圧着処理部を備えるものがある。
【0003】
このような媒体処理装置において、以前に圧着綴じされた用紙を再利用する際に、綴じ痕を避けて圧着綴じすることを目的として、用紙の状態を検知して綴じ位置を変更する技術がある(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、トレイに載置された用紙束を構成する各用紙の搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部に重なる位置を圧着綴じすることができない。そのため、圧着綴じする位置の選択肢が少なくなって、必要な綴じ力を得られない場合がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、トレイに載置された複数の媒体からなる媒体束の主走査方向の任意の位置を圧着綴じ可能にすることによって、必要な綴じ力を得る媒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された複数の前記媒体を載置可能な載置部と、前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、複数の前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、前記搬送部、前記搬送方向揃え部、及び前記圧着綴じ処理部の動作を制御する制御部と、を備え、前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は、前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トレイに載置された複数の媒体からなる媒体束の主走査方向の任意の位置を圧着綴じできるので、必要な綴じ力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成システムの全体構成を示す図。
図2】後処理装置の内部構造を示す図。
図3】圧着綴じ処理部を搬送方向の上流側から見た模式図。
図4】圧着綴じ処理部の構成を示す模式図。
図5】針綴じ処理部を搬送方向の下流側から見た模式図。
図6】内部トレイを用紙の厚み方向から見た図。
図7】後処理装置を制御する制御ブロックのハードウェア構成図。
図8】圧着綴じ処理部による綴じ処理のフローチャート。
図9】綴じ処理中におけるエンドフェンス及び圧着綴じ処理部の位置の一例を示す図。
図10】綴じ処理中におけるエンドフェンス及び圧着綴じ処理部の位置の他の例を示す図。
図11】綴じ位置の主走査方向の間隔のバリエーションを示す図。
図12】綴じ位置の間隔と綴じ力との関係を示す図。
図13】変形例1に係る綴じ処理中におけるサイドフェンスの位置を示す図。
図14】変形例2に係る綴じ処理中における叩きコロの位置を示す図。
図15】変形例3に係る綴じ処理中におけるサイドフェンスの位置を示す図。
図16】変形例4に係る綴じ処理中における内部トレイ及びサイドフェンスの位置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成システム1の全体構成を示す図である。画像形成システム1は、用紙P(シート状の媒体)に画像を形成し、画像が形成された用紙Pに対して後処理を施す機能を有する。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、後処理装置3(媒体処理装置)とで構成される。
【0010】
画像形成装置2は、用紙Pに画像を形成し、画像を形成した用紙Pを後処理装置3に排出する。画像形成装置2は、用紙Pが収容されたトレイと、トレイに収容された用紙Pを搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された用紙Pに画像を形成する画像形成部とを主に備える。画像形成部は、インクを用いて画像を形成するインクジェット方式でもよいし、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式でもよい。画像形成装置2の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0011】
図2は、後処理装置3の内部構造を示す図である。後処理装置3は、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに後処理を施す。本実施形態に係る後処理は、画像が形成された複数の用紙Pの束(以下、「用紙束Pb(媒体束)」と表記する。)を綴じる綴じ処理である。より詳細には、本実施形態に係る綴じ処理は、用紙束Pbを加圧変形させて綴じる、所謂「圧着綴じ」と、用紙束Pbに綴じ針を貫通させて綴じる、所謂「針綴じ」とを含む。また、綴じ処理は、用紙束Pbの端を綴じる端綴じ処理と、用紙束Pbの中央を綴じる中綴じ処理と含む。
【0012】
後処理装置3は、搬送ローラ対10~19(搬送部)と、切替爪20とを備える。搬送ローラ対10~19は、後処理装置3の内部において、画像形成装置2から供給された用紙Pを搬送する。より詳細には、搬送ローラ対10~13は、第一搬送路Ph1に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対14~15は、第二搬送路Ph2に沿って用紙Pを搬送する。さらに、搬送ローラ対16~19は、第三搬送路Ph3に沿って用紙Pを搬送する。
【0013】
第一搬送路Ph1は、画像形成装置2からの用紙Pの供給口から第一排出トレイ21に至る経路である。第二搬送路Ph2は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、内部トレイ22を通じて第二排出トレイ30に至る経路である。第三搬送路Ph3は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、第三排出トレイ36に至る経路である。
【0014】
切替爪20は、第一搬送路Ph1及び第二搬送路Ph2の分岐位置に配置されている。切替爪20は、第一搬送路Ph1を通じて用紙Pを第一排出トレイ21に排出する第一位置と、第一搬送路Ph1を搬送される用紙Pを第二搬送路Ph2に導く第二位置とに切り替え可能に構成されている。また、第二搬送路Ph2に進入した用紙Pの後端が搬送ローラ対11を通過したタイミングで、搬送ローラ対14を逆回転させることによって、当該用紙Pが第三搬送路Ph3に導かれる。また、後処理装置3は、各搬送路Ph1、Ph2、Ph3上の用紙Pの位置を検知する複数のセンサ(図2に▲で示す)を備える。
【0015】
後処理装置3は、第一排出トレイ21を備える。第一搬送路Ph1を通じて排出された用紙Pは、第一排出トレイ21に載置される。第一排出トレイ21には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、綴じ処理が施されない用紙Pが排出される。
【0016】
後処理装置3は、内部トレイ22(載置部)と、叩きコロ23(接離部)と、戻しコロ24と、エンドフェンス25(搬送方向揃え部)と、サイドフェンス26L、26R(幅方向揃え部)と、圧着綴じ処理部27と、針綴じ処理部28と、放出爪29(放出部)と、第二排出トレイ30と、フィラー31とを備える。内部トレイ22、叩きコロ23、戻しコロ24、エンドフェンス25、サイドフェンス26L、26R、圧着綴じ処理部27、針綴じ処理部28、及び放出爪29は、第二搬送路Ph2を搬送される用紙Pにより構成される用紙束Pbに端綴じ処理を施す。第二排出トレイ30には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、端綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
【0017】
ここでいう「端綴じ処理」とは、用紙束Pbの主走査方向に平行な一辺に沿って綴じ処理を行う「平行綴じ処理」、用紙束Pbの角部に綴じ処理を行う「斜め綴じ処理」、用紙束Pbの搬送方向に平行な一辺に沿って綴じ処理を行う「垂直綴じ処理」が含まれる。
【0018】
以下、搬送ローラ対15からエンドフェンス25に向かう方向を用紙Pの「搬送方向」と定義する。すなわち、本明細書における「搬送方向」とは、画像形成装置2から排出された用紙Pが、搬送ローラ対10等により、第二排出トレイ30の方向に移動した後に、搬送ローラ対15によってエンドフェンス25に向かう方向に相当する。また、用紙Pの厚み方向及び搬送方向に直交する方向を、「主走査方向(用紙Pの幅方向)」と定義する。
【0019】
内部トレイ22は、搬送ローラ対15より搬送方向の下流側に配置されている。第二搬送路Ph2を経由して順番に搬送される複数の用紙Pは、載置トレイとしての内部トレイ22に一時的に載置される。本実施形態に係る内部トレイ22は、搬送方向の下流側に向かって下り傾斜している。叩きコロ23は、内部トレイ22の上方において、回動アームの先端に回転可能に保持されている。叩きコロ23は、回動アームが回動することによって、内部トレイ22に載置された一番上の用紙Pに接離する。戻しコロ24は、叩きコロ23より搬送方向の下流側において、内部トレイ22の上方に配置されている。
【0020】
叩きコロ23を内部トレイ22から離間させる向きに回動アームが回動すると、搬送ローラ対15によって搬送方向に搬送された用紙Pが内部トレイ22上に進入する。この状態で、叩きコロ23を内部トレイ22に近接させる向きに回動アームが回動すると、搬送ローラ対15によって内部トレイ22上に搬送された用紙Pに対して叩きコロ23が上方から当接する。叩きコロ23に当接された用紙Pは、搬送ローラ対15から離脱して内部トレイ22に載置される。戻しコロ24は、内部トレイ22に載置された用紙Pの上面に当接して回転することによって、当該用紙Pをエンドフェンス25に向けて案内する。
【0021】
エンドフェンス25は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。また、エンドフェンス25は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの表面に沿って、主走査方向に移動可能に構成されている。そして、エンドフェンス25は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部に当接して、用紙束Pbを構成する複数の用紙Pの搬送方向の下流側端部を揃える。サイドフェンス26L、26Rは、内部トレイ22の主走査方向の両側に配置されている。サイドフェンス26L、26Rは、主走査方向に移動可能に構成されている。そして、サイドフェンス26L、26Rは、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の両端部に当接して、当該用紙束Pbを構成する複数の用紙Pの主走査方向の端部を揃える。
【0022】
圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。また、圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの表面に沿って、主走査方向に独立して移動可能に構成されている。そして、エンドフェンス25及びサイドフェンス26L、26Rによって揃えられた用紙束Pbの端部に端綴じ処理を施す。
【0023】
より詳細には、圧着綴じ処理部27は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの綴じ位置を、厚み方向の両側から凹凸状の綴じ歯で挟持する。これにより、用紙束Pbの綴じ位置が加圧変形されて圧着綴じされる。
【0024】
図3は、圧着綴じ処理部27を搬送方向の上流側から見た模式図である。図3に示すように、内部トレイ22より搬送方向の下流側には、ガイド軸37が主走査方向に延設されている。圧着綴じ処理部27は、圧着部移動モータ238の駆動力が、プーリ240a、240b及びタイミングベルト240cを備える駆動伝達機構240により伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの表面(換言すれば、ガイド軸37)に沿って、主走査方向に移動する。さらに、圧着綴じ処理部27の構成品(上圧着歯27aと下圧着歯27b)を保持する圧着フレーム27cは、その底面に駆動伝達ギヤ340aを備えた圧着部回転軸340が固定されている。圧着部回転軸340及び駆動伝達ギヤ340aは、圧着フレーム27cが設けられるベース部材48に正逆方向に回転可能に保持されている。又、駆動伝達ギヤ340aは、圧着部回動モータ239の出力ギヤ239aと噛み合っている。そして、圧着綴じ処理部27は、圧着部回動モータ239の駆動力が、出力ギヤ239a及び駆動伝達ギヤ340aを介して圧着部回転軸340に伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙Pの厚み方向に延びる圧着部回転軸340を中心として、ベース部材48上で正逆方向に回転する。ガイド軸37、圧着部移動モータ238、圧着部回動モータ239、圧着部回転軸340、及び駆動伝達機構240は、圧着綴じ処理部27の駆動機構の一例を構成する。
【0025】
また、図4に示すように、圧着綴じ処理部27は、一対の綴じ歯(上圧着歯27aと下圧着歯27b)を備える。上圧着歯27a及び下圧着歯27bは、内部トレイ22に載置された用紙束Pbを挟むことができるように、用紙束Pbの厚み方向に対向して配置されている。上圧着歯27a及び下圧着歯27bの互いに対向する面は、凹部及び凸部が交互に形成された凹凸状に形成されている。また、上圧着歯27a及び下圧着歯27bは、互いに噛合うように、凹部及び凸部がずれて形成されている。そして、上圧着歯27a及び下圧着歯27bは、接離モータ27d(図7参照)の駆動力によって接離する。
【0026】
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図4(A)に示すように、上圧着歯27a及び下圧着歯27bは互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に載置されると、図4(B)に示すように、上圧着歯27a及び下圧着歯27bが噛み合って、用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に載置された用紙束Pbが圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束Pbは、搬送ローラ対15によって、第二排出トレイ30に排出される。
【0027】
尚、圧着綴じ処理部27の構成としては、圧着機構を構成する上圧着歯27a及び下圧着歯27bが噛み合えばよいので、本実施形態で例示したような動作機構の構造に限定されることではない。例えば、正転のみ、又は正逆転する駆動源とリンク機構を使って上圧着歯27a及び下圧着歯27bの圧着及び離間動作を行うリンク機構方式の圧着機構(例えば、特許6057167号に開示されているもの)であっても良いし、駆動源の正逆方向の回転運動を直線的な往復運動に変換するねじ機構により、上圧着歯27a及び下圧着歯27bの圧着及び離間動作を直線的に行う直動方式の圧着機構であってもよい。
【0028】
次に、針綴じ処理部28の詳細について説明する。針綴じ処理部28は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの綴じ位置に綴じ針を貫通させることによって、当該用紙束Pbを綴じる針綴じ処理を実行する。
【0029】
図5は、針綴じ処理部28を搬送方向の下流側から見た模式図である。針綴じ処理部28は、綴じ針を用いて用紙束Pbを綴じる針綴じ手段62を備える。針綴じ手段62は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、圧着綴じ処理部27に対して主走査方向に離間して配置されている。
【0030】
針綴じ手段62は、綴じ針を用いて用紙束Pbを綴じる、いわゆる「針綴じ処理」を行う構成を備えている。より詳細には、針綴じ手段62は、針綴じ部62aを駆動する針綴じ部駆動モータ62d(図7参照)を備えている。そして、針綴じ部62aは、針綴じ部駆動モータ62dの駆動力により針綴じ部62aに装填された綴じ針を、用紙束Pbに貫通させることによって用紙束Pbを綴じる。針綴じ手段62の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0031】
また、図5に示すように、針綴じ処理部28は、針綴じ処理部移動機構77を備える。針綴じ処理部移動機構77は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部に沿って、針綴じ処理部28を主走査方向に移動させる。
【0032】
針綴じ処理部移動機構77は、例えば、ベース部材78と、ガイド軸37と、針綴じ処理部移動モータ80と、駆動力伝達機構81とを備える。駆動力伝達機構81は、針綴じ処理部移動モータ80の駆動力を、プーリ81a、81bやタイミングベルト81cを介してベース部材78に伝達する。さらに、針綴じ手段62の構成品を保持する針綴じフレーム62bの底面には、駆動伝達ギヤ83aを備えた針綴じ手段回転軸83が固定されている。針綴じ手段回転軸83及び駆動伝達ギヤ83aは、針綴じフレーム62bが設けられるベース部材78に正逆方向に回転可能に保持されている。又、駆動伝達ギヤ83aは、針綴じ手段回動モータ82の出力ギヤ82aと噛み合っている。そして、針綴じ手段62は、針綴じ手段回動モータ82の駆動力が、出力ギヤ82a及び駆動伝達ギヤ83aを介して針綴じ手段回転軸83に伝達されることによって、ベース部材78上において、針綴じ手段回転軸83を中心として正逆方向に回転可能に構成されている。
【0033】
なお、圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28は、共通のガイド軸37に支持されている。すなわち、駆動伝達機構240及び針綴じ処理部移動機構77は、共通のガイド軸37に沿って圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28を主走査方向に移動させる。さらに、駆動伝達機構240及び針綴じ処理部移動機構77は、圧着綴じ処理部27、及び針綴じ処理部28をそれぞれ独立して移動することができる。
【0034】
放出爪29は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。また、放出爪29は、主走査方向の位置が固定されている。さらに、放出爪29は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部に当接して、搬送方向の上流側(すなわち、搬送ローラ対15側)に向かって移動可能に構成されている。搬送方向の上流側に移動する放出爪29は、端綴じ処理が施された用紙束Pbを、内部トレイ22に沿って搬送方向の上流側に移動させる。これにより、端綴じ処理が施された用紙束Pbが内部トレイ22から放出されて、搬送ローラ対15の間に進入する。そして、搬送ローラ対15は、端綴じ処理が施された用紙束Pbを第二排出トレイ30に排出する。
【0035】
第二排出トレイ30は、後処理装置3の筐体の外側面に上下動可能に設けられている。フィラー31は、第二排出トレイ30の上方に回動可能に設けられている。フィラー31の先端は、第二排出トレイ30に載置された用紙束Pbに当接する。フィラー31は、第二排出トレイ30に積載された用紙束Pbの高さ(厚さ)が閾値に達したことを検知して、後述するコントローラ100(制御部)(図7参照)に出力する。コントローラ100は、用紙束Pbの高さが閾値に達したことがフィラー31によって検知されたことに応じて、第二排出トレイ30を所定量だけ下降させる。
【0036】
さらに、後処理装置3は、エンドフェンス32と、中綴じ処理部33と、用紙折りブレード34と、穿孔処理部35と、第三排出トレイ36とを備える。エンドフェンス32、中綴じ処理部33、及び用紙折りブレード34は、第三搬送路Ph3を搬送される用紙Pにより構成された用紙束Pbに中綴じ処理を施す。第三排出トレイ36には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、中綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
【0037】
エンドフェンス32は、第三搬送路Ph3を順番に搬送される複数の用紙Pの搬送方向の位置を揃える。また、エンドフェンス32は、用紙束Pbの中央を、中綴じ処理部33に対面させる綴じ位置と、用紙折りブレード34に対面させる折り位置とに移動可能に構成されている。中綴じ処理部33は、綴じ位置のエンドフェンス32によって揃えられた用紙束Pbの中央を綴じる。用紙折りブレード34は、折り位置のエンドフェンス32に載置された用紙束Pbを半分に折って、搬送ローラ対18に挟持させる。搬送ローラ対18、19は、中綴じ処理が施された用紙束Pbを第三排出トレイ36に排出する。穿孔処理部35は、搬送ローラ対18、19によって搬送される用紙束Pbに貫通孔を穿つ。
【0038】
図6は、内部トレイ22を用紙Pの厚み方向から見た図である。図6に示すように、本実施形態に係る後処理装置3は、左右一対のエンドフェンス25L、25Rを備える。エンドフェンス25L、25Rは、放出爪29(換言すれば、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの主走査方向の中央位置C)を挟んで主走査方向の反対側に配置されている。また、エンドフェンス25L、25Rは、放出爪29から等距離に配置されている。上述したように、圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において主走査方向に延びるガイド軸37に、主走査方向に独立して移動可能に支持されている。尚、図6以降では、針綴じ処理部28の図示を省略している。
【0039】
本実施形態に係るエンドフェンス25L、25Rは、図9(A)~図9(C)に示す近接位置と、図9(D)~図9(F)に示す離間位置とに移動する。離間位置は、エンドフェンス25L、25Rの主走査方向の間隔が近接位置より広い位置である。換言すれば、離間位置は、中央位置Cからの距離が近接位置より長い位置である。なお、近接位置及び離間位置共に、中央位置Cからエンドフェンス25L、25Rまでの距離は等しい。すなわち、エンドフェンス25L、25Rは、中央位置Cからの距離を等間隔に保ったまま、主走査方向に移動する(主走査方向の間隔が増減する)。但し、エンドフェンス25L、25Rが移動可能な位置は、図9の例に限定されない。
【0040】
また、本実施形態に係る圧着綴じ処理部27は、図9(A)に示す待機位置HPと、図9(B)~図9(F)に示す綴じ位置S1~S4に対面する位置とに移動する。待機位置HPは、内部トレイ22に載置された用紙Pから主走査方向の一方側に外れた位置である。綴じ位置S1~S4は、内部トレイ22に載置された用紙束Pb上の位置である。但し、綴じ位置S1~S4の具体的な位置は、図9の例に限定されず、用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部における主走査方向の任意の位置でよい。
【0041】
一例として、図6(A)に示すように、エンドフェンス25L、25Rは、エンドフェンスモータ38L、38R(第一駆動源)の駆動力が駆動力伝達機構39L、39Rを通じて伝達されることによって、各々が独立して主走査方向に移動する。駆動力伝達機構39L、39Rは、例えば、プーリ39La、39Ra及びタイミングベルト39Lb、39Rbを組み合わせて構成される。エンドフェンス25L、25Rの主走査方向の位置は、移動範囲内に設けられたセンサ、エンドフェンスモータ38L、38Rのロータリエンコーダ38Le、38Re(図7参照)、またはそれらの組み合わせによって検知されて、コントローラ100に通知される。
【0042】
また、圧着綴じ処理部27は、上述したように圧着部移動モータ238の駆動力が、プーリ240a、240b及びタイミングベルト240cを備える駆動伝達機構240により伝達されることによって、主走査方向に移動する。一方、針綴じ処理部28は、上述したように針綴じ処理部移動モータ80の駆動力が、プーリ81a、81bやタイミングベルト81cを備える駆動力伝達機構81により伝達されることによって、主走査方向に移動する。圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28の主走査方向の位置は、圧着部移動モータ238のロータリエンコーダ238e(図7参照)、針綴じ処理部移動モータ80のロータリエンコーダ80e(図7参照)によって検知されて、コントローラ100に通知される。
【0043】
他の例として、図6(B)に示すように、駆動力伝達機構39L、39R、及び240は、相互に接続されていてもよい。そして、エンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27は、例えば圧着部移動モータ238(共通の駆動源)の駆動力が駆動力伝達機構39L、39R、及び240を通じて伝達されることによって、連動して主走査方向に移動してもよい。この場合、図6(A)のエンドフェンスモータ38L、38Rは省略可能である。
【0044】
図7は、後処理装置3のハードウェア構成図である。図7に示すように、後処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0045】
CPU101は演算手段であり、後処理装置3全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0046】
後処理装置3は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、後処理装置3の動作を制御するコントローラ100(制御部)を構成する。
【0047】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、叩きコロ23、サイドフェンス26L、26R、エンドフェンスモータ38L、38R、接離モータ27d、圧着部回動モータ239、圧着部移動モータ238、針綴じ部駆動モータ62d、針綴じ手段回動モータ82、針綴じ処理部移動モータ80、放出爪29、ロータリエンコーダ38Le、38Re、238e、80e、フィラー31、及び操作パネル110を、共通バス109に接続するインタフェースである。
【0048】
コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、叩きコロ23、サイドフェンス26L、26R、エンドフェンスモータ38L、38R、接離モータ27d、圧着部回動モータ239、圧着部移動モータ238、針綴じ部駆動モータ62d、針綴じ手段回動モータ82、針綴じ処理部移動モータ80、放出爪29の動作を制御する。また、コントローラ100は、ロータリエンコーダ38Le、38Re、238e、80e、及びフィラー31の検知結果を取得する。なお、図7には端綴じ処理を実行する圧着綴じ処理部27、及び針綴じ処理部28に関する構成部品を図示しているが、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28に関する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
【0049】
図1に示すように、画像形成装置2は、操作パネル110を備えている。操作パネル110は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてオペレータから情報を取得し、ディスプレイを通じてオペレータに情報を提供する。なお、報知部の具体例はディスプレイに限定されず、LEDランプやスピーカ等でもよい。又、後処理装置3に上記と同様の操作パネル110を備えるようにしてもよい。
【0050】
図8は、綴じ処理のフローチャートである。図9は、綴じ処理中におけるエンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27の位置の一例を示す図である。コントローラ100は、例えば、画像形成装置2から綴じ処理の実行指示(以下、「綴じ処理指示」と表記する。)を取得したタイミングで、図8に示す綴じ処理を開始する。綴じ処理指示は、例えば、用紙束Pb上における綴じ位置の主走査方向の位置及び数と、用紙束Pbを構成する用紙Pの枚数(以下、「綴じ枚数」と表記する。)とを含む。なお、図9(A)に示すように、綴じ処理の開始時点において、エンドフェンス25L、25Rは近接位置に位置し、圧着綴じ処理部27は待機位置HPに位置しているものとする。
【0051】
まず、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15を回転させることによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pを内部トレイ22に収容する(S501)。また、コントローラ100は、サイドフェンス26L、26Rを移動させることによって、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える(所謂、ジョギング)。
【0052】
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が、綴じ処理指示で指示された綴じ枚数に達したか否かを判定する(S502)。そして、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が綴じ枚数に達していないと判定した場合に(S502:No)、ステップS501の処理を再び実行する。一方、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が綴じ枚数に達したと判定した場合に(S502:Yes)、HDD104に記憶された変数Nを初期化(=1)する(S503)。
【0053】
次に、コントローラ100は、内部トレイ22を厚み方向から見たときにエンドフェンス25L、25Rが綴じ位置Nに重なっているか否かを判定する(S504)。本実施形態では、図9に示すように、綴じ位置S1、S2、S3、S4に圧着綴じを施す。なお、綴じ位置S1~S4を圧着綴じする順序は特に限定されないが、エンドフェンス25L、25Rに重なっていない綴じ位置を最初に圧着綴じするのが望ましい。
【0054】
次に、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S1に重なっていないと判定した場合に(S504:No)、ステップS505を実行せずに(すなわち、エンドフェンス25L、25Rを移動させずに)、圧着綴じ処理部27に綴じ位置S1を圧着綴じさせる(S506)。すなわち、図9(B)に示すように、コントローラ100は、圧着部移動モータ238を駆動して綴じ位置S1に対面する位置に圧着綴じ処理部27を移動させ、用紙束Pbの綴じ位置S1を上圧着歯27aと下圧着歯27bの間に挟んで加圧変形させる。
【0055】
次に、コントローラ100は、未だ圧着綴じしていない綴じ位置が存在するか否かを判定する(S507)。そして、コントローラ100は、圧着綴じしていない綴じ位置が存在すると判定した場合に(S507:Yes)、変数Nを1だけインクリメントして(S508)、ステップS504の処理を再び実行する。
【0056】
そして、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S2に重なっているか否かを判定する(S504)。そして、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S2に重なっていないと判定した場合に(S504:No)、図6(C)に示すように、エンドフェンス25L、25Rに重なっていない綴じ位置S2を圧着綴じ処理部27に圧着綴じさせる(S504:No→S506)。
【0057】
その後、再びコントローラ100は、未だ圧着綴じしていない綴じ位置が存在するか否かを判定する(S507)。そして、コントローラ100は、圧着綴じしていない綴じ位置が存在すると判定した場合に(S507:Yes)、変数Nを1だけインクリメントして(S508)、ステップS504の処理を再び実行する。
【0058】
次に、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S3に重なっているか否かを判定する(S504)。そして、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S3に重なっていると判定した場合に(S504:Yes)、図9(D)に示すように、エンドフェンスモータ38L、38Rを駆動してエンドフェンス25L、25Rを離間位置に移動させる(S505)。すなわち、コントローラ100は、ステップS505において、綴じ位置S3から外れる位置までエンドフェンス25L、25Rを主走査方向に移動させる。そして、図9(E)に示すように、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rを移動させてから、圧着綴じ処理部27に綴じ位置S3を圧着綴じさせる(S506)。
【0059】
その後、再びコントローラ100は、未だ圧着綴じしていない綴じ位置が存在するか否かを判定する(S507)。そして、コントローラ100は、圧着綴じしていない綴じ位置が存在すると判定した場合に(S507:Yes)、変数Nを1だけインクリメントして(S508)、ステップS504の処理を再び実行する。
【0060】
次に、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S4に重なっているか否かを判定する(S504)。そして、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S4に重なっていないと判定した場合に(S504:No)、図9(F)に示すように、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rに重なっていない綴じ位置S4を圧着綴じ処理部27に圧着綴じさせる(S504:No→S506)。
【0061】
そして、コントローラ100は、全ての綴じ位置S1~S4を圧着綴じしたと判定した場合に(S507:No)、圧着綴じされた用紙束Pbを第二排出トレイ30に排出する(S509)。より詳細には、コントローラ100は、放出爪29を主走査方向の上流側に移動させることによって、用紙束Pbを搬送ローラ対15に挟持させる。また、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、用紙束Pbを第二排出トレイ30に排出する。さらに、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27を、図9(A)に示す初期位置に移動させる。
【0062】
なお、綴じ位置の数は、図9の例に限定されない。また、エンドフェンス25L、25Rの初期位置は、近接位置に限定されない。
【0063】
図10は、綴じ処理中におけるエンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27の位置の他の例を示す図である。図10では、六箇所の綴じ位置S1~S6に対して圧着綴じを施す。また、綴じ処理の開始時点において、エンドフェンス25L、25Rは、離間位置に位置している。
【0064】
まず、図10(A)及び図10(B)に示すように、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rに重なっていない綴じ位置S1~S4を圧着綴じ処理部27に順番に圧着綴じさせる。次に、図10(C)に示すように、コントローラ100は、綴じ位置S5、S6から外れる近接位置にエンドフェンス25L、25Rを移動させる。次に、図10(D)及び図10(E)に示すように、コントローラ100は、圧着綴じ処理部27に、エンドフェンス25L、25Rに重なっていない綴じ位置S5、S6を順番に圧着綴じさせる。
【0065】
図9及び図10に示すように、綴じ位置は、中央位置Cを中心として対称な位置に設けられるのが望ましい。そして、コントローラ100は、複数の綴じ位置のうち、主走査方向における中央位置Cの一方側及び他方側それぞれの少なくとも一箇所の綴じ位置を圧着綴じしてから、エンドフェンス25L、25Rを退避させるのが望ましい。さらに、複数の綴じ機位置の主走査方向の間隔は、綴じ位置の数、用紙Pの主走査方向のサイズ等に応じて変更するのが望ましい。
【0066】
図11は、複数の綴じ位置の主走査方向の間隔のバリエーションを示す図である。図12は、綴じ位置の間隔と綴じ力との関係を示す図である。図11(A)に示すように、左右それぞれの綴じ位置の間隔を0mmにすると、図12の綴じ間隔=「無」のように、綴じ力が必要綴じ力を下回る。すなわち、複数の綴じ位置は、主走査方向に所定の間隔を隔てて設けられるのが望ましい。
【0067】
用紙Pの長手方向を主走査方向に沿わせて搬送する場合(図11(B)に示すLEF)と、用紙Pの短手方向を主走査方向に沿わせて搬送する場合(図11(C)に示すSEF)とでは、同一サイズの用紙Pであっても主走査方向の幅が異なる。また、搬送される用紙Pのサイズ(例えば、A4、B5など)が異なれば、主走査方向の幅が異なる。そこで、コントローラ100は、用紙Pの主走査方向の幅に応じて、複数の綴じ位置の主走査方向の間隔を変更すればよい。
【0068】
ここで、綴じ位置の配置を図11(B)から図11(C)に変更する方法としては、例えば、以下の2つが考えられる。第一の方法としては、中央位置Cに最も近い綴じ位置を固定して、綴じ位置の間隔を狭める方法である。第二の方法として、綴じ位置の間隔を維持したまま、綴じ位置を中央位置Cに寄せる方法である。
【0069】
また、図12に示すように、複数の綴じ位置の主走査方向の間隔を5mm以上(図12の綴じ間隔=「大」)にすると、5mm未満(図12の綴じ間隔=「小」)の場合と比較して、綴じ力が減少する。そこで、複数の綴じ位置の主走査方向の間隔は、0mmより大きく且つ5mm未満であるのが望ましい。
【0070】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0071】
上記の実施形態によれば、エンドフェンス25L、25Rを主走査方向に移動可能とし、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置に重なる場合は、エンドフェンス25L、25Rを退避させてから圧着綴じする。これにより、圧着綴じ処理部27は、用紙束Pbの主走査方向の任意の位置を圧着綴じすることができる。その結果、必要な数の綴じ位置を確保できるので、用紙束Pbについて必要な綴じ力を維持することができる。
【0072】
また、上記の実施形態によれば、主走査方向に所定の間隔を隔てた複数の綴じ位置を圧着綴じすることによって、図12に示すように、綴じ力を増大させることができる。これにより、綴じ位置の間隔を0にした場合と比較して、綴じ位置の数を少なくしても、用紙束Pbについて必要な綴じ力を得ることができる。
【0073】
また、上記の実施形態によれば、用紙Pの主走査方向の幅に応じて綴じ位置の主走査方向の間隔を変更することによって、様々なサイズの用紙束Pbに対して必要な数の綴じ位置を設定することができる。その結果、用紙束Pbのサイズに拘わらず、用紙束Pbについて必要な綴じ力を得ることができる。
【0074】
また、上記の実施形態によれば、エンドフェンス25L、25Rを綴じ位置に重ならない位置に移動させる前に、圧着綴じ処理部27により少なくとも一箇所の綴じ位置を圧着綴じするので、エンドフェンス25L、25Rを移動させることによる用紙束Pbのズレを防止することができる。
【0075】
また、図6(A)に示すように、エンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27を独立したエンドフェンスモータ38L、38R、及び圧着部移動モータ238で駆動することによって、エンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27の位置及び移動タイミングを個別に最適化することができる。一方、図6(B)に示すように、エンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27を共通の圧着部移動モータ238で駆動することによって、後処理装置3のコスト低減及び省スペース化を図ることができる。
【0076】
[変形例1]
図13を参照して、変形例1に係る後処理装置3の動作を説明する。図13は、変形例1に係る綴じ処理中におけるサイドフェンス26L、26Rの位置を示す図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0077】
変形例1に係るコントローラ100は、内部トレイ22に用紙Pが収容される際に、図13(A)に示すように、サイドフェンス26L、26Rの間隔を用紙Pの主走査方向の幅より広くする。これにより、内部トレイ22に用紙Pがスムーズに進入する。一方、変形例1に係るコントローラ100は、図8のステップS505に示すエンドフェンスの退避動作(エンドフェンスの主走査方向への移動動作)に先立って、図13(B)に示すように、サイドフェンス26L、26Rの間隔を用紙Pの主走査方向の幅より狭くする。換言すれば、変形例1に係るコントローラ100は、図13(C)に示すように、サイドフェンス26L、26Rの間隔を用紙Pの主走査方向の幅より狭くした状態で、図8のステップS505に示すエンドフェンスの退避動作を実行する。
【0078】
変形例1によれば、サイドフェンス26L、26Rによって用紙束Pbを内部トレイ22に固定した状態で、エンドフェンス25L、25Rを主走査方向に移動させるので、エンドフェンス25L、25Rの移動によって用紙束Pbの位置がズレるのを防止できる。その結果、圧着綴じ処理部27により所望の綴じ位置を圧着綴じできるので、必要な綴じ力を得ることができる。
【0079】
[変形例2]
図14を参照して、変形例2に係る後処理装置3の動作を説明する。図14は、変形例2に係る綴じ処理中における叩きコロ23の位置を示す図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0080】
変形例2に係るコントローラ100は、図14(A)に示すように、搬送ローラ対15に挟持された用紙Pが内部トレイ22に進入する際に、叩きコロ23を内部トレイ22の上方に退避させる。また、変形例2に係るコントローラ100は、内部トレイ22に進入した用紙Pの上面に叩きコロ23を当接させることによって、搬送ローラ対15から用紙Pを離脱させる。これにより、搬送ローラ対15によって搬送された用紙Pを、内部トレイ22にスムーズに収容させることができる。
【0081】
また、変形例2に係るコントローラ100は、図8のステップS505に示すエンドフェンスの退避動作に先立って、図14(B)に示すように、内部トレイ22に載置された一番上の用紙P(換言すれば、用紙束Pbを構成する一番上の用紙P)に叩きコロ23を当接させる。換言すれば、変形例2に係るコントローラ100は、内部トレイ22に載置された一番上の用紙Pに叩きコロ23を当接させた状態で、図8のステップS505に示すエンドフェンスの退避動作を実行する。
【0082】
変形例2によれば、叩きコロ23によって用紙束Pbを内部トレイ22に固定した状態で、エンドフェンス25L、25Rを主走査方向に移動させるので、エンドフェンス25L、25Rの移動によって用紙束Pbの位置がズレるのを防止できる。その結果、圧着綴じ処理部27により所望の綴じ位置を圧着綴じできるので、必要な綴じ力を得ることができる。
【0083】
[変形例3、4]
図15及び図16を参照して、変形例3、4に係る後処理装置3の動作を説明する。図15は、変形例3に係る綴じ処理中におけるサイドフェンス26L、26Rの位置を示す図である。図16は、変形例4に係る綴じ処理中における内部トレイ22及びサイドフェンス26L、26Rの位置を示す図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0084】
変形例3、4に係るコントローラ100は、図8のステップS504において、内部トレイ22を厚み方向から見たときに、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置Nに重なっているか否かだけでなく、放出爪29が綴じ位置Nに重なっているか否かをさらに判定する。そして、変形例3、4に係るコントローラ100は、図15(A)及び図16(A)に示すように、放出爪29が綴じ位置S3に重なっていると判定した場合に、図8のステップS505に示すエンドフェンスの退避動作に先立って、放出爪29が綴じ位置S3から外れる位置まで用紙束Pbを主走査方向に移動させる(図15(B)、図16(B))。換言すれば、変形例3、4に係るコントローラ100は、図15(C)及び図16(C)に示すように、放出爪29が綴じ位置S3から外れるように、放出爪29と用紙束Pbを相対的に主走査方向に移動させてから、図8のステップS506に示す圧着綴じ処理部27による用紙束Pbに対する圧着綴じ処理を実行する。
【0085】
ここで、図15に示す変形例3に係るコントローラ100は、内部トレイ22に対してサイドフェンス26L、26Rを主走査方向の一方側(図15の例では右側)に移動させる。これにより、内部トレイ22上で用紙束Pbが主走査方向に移動される。その結果、放出爪29を綴じ位置S3から外れた位置に相対的に移動させることで、圧着綴じ処理部27による用紙束Pbに対する圧着綴じ処理を実行できるようにしている。
【0086】
一方、図16に示す変形例4に係るコントローラ100は、内部トレイ22及びサイドフェンス26L、26Rを一体として主走査方向の一方側(図16の例では右側)に移動させる。これにより、内部トレイ22と共に用紙束Pbが主走査方向に移動される。こその結果、放出爪29を綴じ位置S3から外れた位置に相対的に移動させることで、圧着綴じ処理部27による用紙束Pbに対する圧着綴じ処理を実行できるようにしている。
【0087】
変形例3、4によれば、主走査方向に移動できない放出爪29が綴じ位置に重なる場合でも、当該綴じ位置を圧着綴じ処理部27により圧着綴じすることができる。その結果、用紙束Pbについて必要な綴じ力を得ることができる。また、変形例3によれば、内部トレイ22を固定した状態でサイドフェンス26L、26Rのみを移動させるので、内部トレイ22を移動させる機構を省略することができる。一方、変形例4によれば、内部トレイ22、サイドフェンス26L、26R、及び用紙束Pbを一体として移動させるので、内部トレイ22上で用紙束Pbが撓むのを防止できる。
【0088】
また、本発明は、端綴じ処理を実行する圧着綴じ処理部27のみならず、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部33にも適用することができる。
【0089】
また、上記に説明した制御方法は、例えば、プログラム等で実現してもよい。すなわち、制御方法は、プログラムに基づいて、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、制御装置を協働して動作させて、コンピュータが実行する方法である。また、プログラムは、記憶装置、又は、記憶媒体等に書き込まれて配布、又は、電気通信回線等を通じて配布されてもよい。
【0090】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0091】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された複数の前記媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、複数の前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、
前記搬送部、前記搬送方向揃え部、及び前記圧着綴じ処理部の動作を制御する制御部とを備え、
前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は、前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする媒体処理装置である。
<2> 複数の前記媒体の前記主走査方向の中央位置を挟んで反対側に配置された一対の前記搬送方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記中央位置からの距離を等距離に保ったまま、一対の前記搬送方向揃え部の間隔を増減させることを特徴とする前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記制御部は、前記主走査方向に所定の間隔を隔てて配置された複数の前記綴じ位置を、前記圧着綴じ処理部に順番に圧着綴じさせることを特徴とする前記<1>または前記<2>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記制御部は、複数の前記媒体の前記主走査方向の幅に応じて、複数の前記綴じ位置の間隔を変更することを特徴とする前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<5> 前記制御部は、複数の前記綴じ位置のうち、前記搬送方向揃え部から外れた少なくとも一箇所の前記綴じ位置を前記圧着綴じ処理部に圧着綴じさせてから、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<3>または前記<4>に記載の媒体処理装置である。
<6> 複数の前記綴じ位置の間隔は、0mmより大きく且つ5mm未満であることを特徴とする前記<3>から前記<5>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<7> 複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記搬送方向の上流側に移動することによって、圧着綴じされた複数の前記媒体を前記載置部から放出する放出部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記放出部が前記綴じ位置から外れるように、前記放出部と複数の前記媒体とを相対的に移動させてから、前記圧着綴じ処理部に前記綴じ位置を圧着綴じさせることを特徴とする前記<1>から前記<6>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<8> 複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部に対して一対の前記幅方向揃え部を前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部上で複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<7>に記載の媒体処理装置である。
<9> 複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部及び一対の前記幅方向揃え部を一体として前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部と共に複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<7>に記載の媒体処理装置である。
<10> 前記制御部は、複数の前記媒体を前記載置部に固定した状態で、前記綴じ位置から外れる位置まで前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<1>から前記<9>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<11> 複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、一対の前記幅方向揃え部の間隔を前記媒体の前記主走査方向の幅より狭くした状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<10>に記載の媒体処理装置である。
<12> 複数の前記媒体の最上面に接離する接離部を備え、
前記制御部は、複数の前記媒体の最上面に前記接離部を当接させた状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<10>に記載の媒体処理装置である。
<13> 駆動源と、
前記駆動源によって、前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部を、前記主走査方向に移動させる駆動力伝達機構と、を備えることを特徴とする前記<1>から前記<12>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<14> 前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させる第一駆動源と、
前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させる第二駆動源とを備えることを特徴とする前記<1>から前記<12>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<15> 前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする前記<1>から前記<14>のいずれか1つに記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システムである。
<16> シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された複数の前記媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、複数の前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、
前記載置部に載置された複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、を備える媒体処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、
前記プログラムは、前記厚み方向から前記載置部を見て前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせる処理を、前記媒体処理装置に実行させることを特徴とするプログラムである。
【符号の説明】
【0092】
1 :画像形成システム
2 :画像形成装置
3 :後処理装置(媒体処理装置)
10~19 :搬送ローラ対(搬送部)
20 :切替爪
21 :第一排出トレイ
30 :第二排出トレイ
36 :第三排出トレイ
22 :内部トレイ(載置部)
23 :叩きコロ(接離部)
24 :戻しコロ
25,25L,25R,32 :エンドフェンス(搬送方向揃え部)
26L,26R :サイドフェンス(幅方向揃え部)
27 :圧着綴じ処理部
28 :針綴じ処理部
29 :放出爪(放出部)
31 :フィラー
33 :中綴じ処理部
34 :用紙折りブレード
35 :穿孔処理部
37 :ガイド軸
38L,38R :エンドフェンスモータ(第一駆動源)
80 :針綴じ処理部移動モータ
238 :圧着部移動モータ(第二駆動源)
39L,39R :駆動力伝達機構
100 :コントローラ(制御部)
101 :CPU
102 :RAM
103 :ROM
104 :HDD
105 :I/F
109 :共通バス
110 :操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2018-043842号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-06-29
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、媒体処理装置、画像形成システム、媒体処理方法、及びプログラムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図3は、圧着綴じ処理部27を搬送方向の上流側から見た模式図である。図3に示すように、内部トレイ22より搬送方向の下流側には、ガイド軸37が主走査方向に延設されている。圧着綴じ処理部27は、圧着部移動モータ238の駆動力が、プーリ240a、240b及びタイミングベルト240cを備える駆動伝達機構240により伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの表面(換言すれば、ガイド軸37)に沿って、主走査方向に移動する。さらに、圧着綴じ処理部27の構成品(上圧着歯27aと下圧着歯27b)を保持する圧着フレーム27cは、その底面に駆動伝達ギヤ340aを備えた圧着部回転軸340が固定されている。圧着部回転軸340及び駆動伝達ギヤ340aは、圧着フレーム27cが設けられるベース部材48に正逆方向に回転可能に保持されている。又、駆動伝達ギヤ340aは、圧着部回動モータ239の出力ギヤ239aと噛み合っている。そして、圧着綴じ処理部27は、圧着部回動モータ239の駆動力が、出力ギヤ239a及び駆動伝達ギヤ340aを介して圧着部回転軸340に伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙Pの厚み方向に延びる圧着部回転軸340を中心として、ベース部材48上で正逆方向に回転する。ガイド軸37、圧着部移動モータ238、圧着部回動モータ239、圧着部回転軸340、及び駆動伝達機構240は、圧着綴じ処理部27の駆動機構の一例を構成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
なお、圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28は、共通のガイド軸37に支持されている。すなわち、駆動伝達機構240及び針綴じ処理部移動機構77は、共通のガイド軸37に沿って圧着綴じ処理部27及び針綴じ処理部28を主走査方向に移動させる。さらに、駆動伝達機構240及び針綴じ処理部移動機構77は、圧着綴じ処理部27、及び針綴じ処理部28をそれぞれ独立して移動することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
コントローラ100は、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、叩きコロ23、サイドフェンス26L、26R、エンドフェンスモータ38L、38R、接離モータ27d、圧着部回動モータ239、圧着部移動モータ238、針綴じ部駆動モータ62d、針綴じ手段回動モータ82、針綴じ処理部移動モータ80、放出爪29の動作を制御する。また、コントローラ100は、ロータリエンコーダ38Le、38Re、238e、80e、及びフィラー31の検知結果を取得する。なお、図7には端綴じ処理を実行する圧着綴じ処理部27、及び針綴じ処理部28に関する構成部品を図示しているが、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28に関する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
そして、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S2に重なっているか否かを判定する(S504)。そして、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25Rが綴じ位置S2に重なっていないと判定した場合に(S504:No)、図(C)に示すように、エンドフェンス25L、25Rに重なっていない綴じ位置S2を圧着綴じ処理部27に圧着綴じさせる(S504:No→S506)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
そして、コントローラ100は、全ての綴じ位置S1~S4を圧着綴じしたと判定した場合に(S507:No)、圧着綴じされた用紙束Pbを第二排出トレイ30に排出する(S509)。より詳細には、コントローラ100は、放出爪29を搬送方向の上流側に移動させることによって、用紙束Pbを搬送ローラ対15に挟持させる。また、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、用紙束Pbを第二排出トレイ30に排出する。さらに、コントローラ100は、エンドフェンス25L、25R及び圧着綴じ処理部27を、図9(A)に示す初期位置に移動させる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、
前記載置部に載置された前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、
前記搬送部、前記搬送方向揃え部、及び前記圧着綴じ処理部の動作を制御する制御部とを備え、
前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は、前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする媒体処理装置である。
<2> 複数の前記媒体の前記主走査方向の中央位置を挟んで反対側に配置された一対の前記搬送方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記中央位置からの距離を等距離に保ったまま、一対の前記搬送方向揃え部の間隔を増減させることを特徴とする前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記制御部は、前記主走査方向に所定の間隔を隔てて配置された複数の前記綴じ位置を、前記圧着綴じ処理部に順番に圧着綴じさせることを特徴とする前記<1>または前記<2>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記制御部は、複数の前記媒体の前記主走査方向の幅に応じて、複数の前記綴じ位置の間隔を変更することを特徴とする前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<5> 前記制御部は、複数の前記綴じ位置のうち、前記搬送方向揃え部から外れた少なくとも一箇所の前記綴じ位置を前記圧着綴じ処理部に圧着綴じさせてから、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<3>または前記<4>に記載の媒体処理装置である。
<6> 複数の前記綴じ位置の間隔は、0mmより大きく且つ5mm未満であることを特徴とする前記<3>から前記<5>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<7> 複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記搬送方向の上流側に移動することによって、圧着綴じされた複数の前記媒体を前記載置部から放出する放出部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記放出部が前記綴じ位置から外れるように、前記放出部と複数の前記媒体とを相対的に移動させてから、前記圧着綴じ処理部に前記綴じ位置を圧着綴じさせることを特徴とする前記<1>から前記<6>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<8> 複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記搬送方向の上流側に移動することによって、圧着綴じされた複数の前記媒体を前記載置部から放出する放出部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記放出部が前記綴じ位置から外れるように、前記放出部と複数の前記媒体とを相対的に移動させてから、前記圧着綴じ処理部に前記綴じ位置を圧着綴じさせることを特徴とする前記<7>に記載の媒体処理装置である。
<9> 複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部及び一対の前記幅方向揃え部を一体として前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部と共に複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<7>に記載の媒体処理装置である。
<10> 前記制御部は、複数の前記媒体を前記載置部に固定した状態で、前記綴じ位置から外れる位置まで前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<1>から前記<9>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<11> 複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、一対の前記幅方向揃え部の間隔を前記媒体の前記主走査方向の幅より狭くした状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<10>に記載の媒体処理装置である。
<12> 複数の前記媒体の最上面に接離する接離部を備え、
前記制御部は、複数の前記媒体の最上面に前記接離部を当接させた状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする前記<10>に記載の媒体処理装置である。
<13> 駆動源と、
前記駆動源によって、前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部を、前記主走査方向に移動させる駆動力伝達機構と、を備えることを特徴とする前記<1>から前記<12>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<14> 前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させる第一駆動源と、
前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させる第二駆動源とを備えることを特徴とする前記<1>から前記<12>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<15> 前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする前記<1>から前記<14>のいずれか1つに記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システムである。
<16> 媒体の厚み方向から載置部を見て搬送方向揃え部が綴じ位置に重なるか否かを判定し、
前記厚み方向から前記載置部を見て前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで、前記媒体の搬送方向及び前記載置部に載置された前記媒体の前記厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させ、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする媒体処理方法である。
<17> プログラムであって、前記プログラムは、
媒体の厚み方向から載置部を見て搬送方向揃え部が綴じ位置に重なるか否かを判定し、
前記厚み方向から前記載置部を見て前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで、前記媒体の搬送方向及び前記載置部に載置された前記媒体の前記厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させ、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせる処理を、媒体処理装置に実行させることを特徴とするプログラムである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に載置された前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記媒体の前記搬送方向の位置を揃える搬送方向揃え部と、
前記載置部に載置された前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に対面して配置されて、前記搬送方向揃え部によって前記搬送方向の位置が揃えられた複数の前記媒体の綴じ位置を加圧変形させて綴じる圧着綴じ処理部と、
前記搬送部、前記搬送方向揃え部、及び前記圧着綴じ処理部の動作を制御する制御部とを備え、
前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部は、前記搬送方向、及び前記載置部に載置された前記媒体の厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで前記主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
複数の前記媒体の前記主走査方向の中央位置を挟んで反対側に配置された一対の前記搬送方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記中央位置からの距離を等距離に保ったまま、一対の前記搬送方向揃え部の間隔を増減させることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記主走査方向に所定の間隔を隔てて配置された複数の前記綴じ位置を、前記圧着綴じ処理部に順番に圧着綴じさせることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記媒体の前記主走査方向の幅に応じて、複数の前記綴じ位置の間隔を変更することを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、複数の前記綴じ位置のうち、前記搬送方向揃え部から外れた少なくとも一箇所の前記綴じ位置を前記圧着綴じ処理部に圧着綴じさせてから、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
複数の前記綴じ位置の間隔は、0mmより大きく且つ5mm未満であることを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
複数の前記媒体の前記搬送方向の下流側の端部に当接して、前記搬送方向の上流側に移動することによって、圧着綴じされた複数の前記媒体を前記載置部から放出する放出部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記放出部が前記綴じ位置から外れるように、前記放出部と複数の前記媒体とを相対的に移動させてから、前記圧着綴じ処理部に前記綴じ位置を圧着綴じさせることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部に対して一対の前記幅方向揃え部を前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部上で複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項7に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なるか否かを判定し、前記厚み方向から前記載置部を見て、前記放出部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記載置部及び一対の前記幅方向揃え部を一体として前記主走査方向の一方側に移動させることによって、前記載置部と共に複数の前記媒体を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項7に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、複数の前記媒体を前記載置部に固定した状態で、前記綴じ位置から外れる位置まで前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項11】
複数の前記媒体の前記主走査方向の両端部に当接して、前記主走査方向に移動することによって、複数の前記媒体の前記主走査方向の位置を揃える一対の幅方向揃え部を備え、
前記制御部は、一対の前記幅方向揃え部の間隔を前記媒体の前記主走査方向の幅より狭くした状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項10に記載の媒体処理装置。
【請求項12】
複数の前記媒体の最上面に接離する接離部を備え、
前記制御部は、複数の前記媒体の最上面に前記接離部を当接させた状態で、前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させることを特徴とする請求項10に記載の媒体処理装置。
【請求項13】
駆動源と、
前記駆動源によって、前記搬送方向揃え部及び前記圧着綴じ処理部を、前記主走査方向に移動させる駆動力伝達機構と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項14】
前記搬送方向揃え部を前記主走査方向に移動させる第一駆動源と、
前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させる第二駆動源とを備えることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項15】
前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする請求項1に記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項16】
媒体の厚み方向から載置部を見て搬送方向揃え部が綴じ位置に重なるか否かを判定し、
前記厚み方向から前記載置部を見て前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで、前記媒体の搬送方向及び前記載置部に載置された前記媒体の前記厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させ、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせることを特徴とする媒体処理方法。
【請求項17】
プログラムであって、
前記プログラムは、
媒体の厚み方向から載置部を見て搬送方向揃え部が綴じ位置に重なるか否かを判定し、
前記厚み方向から前記載置部を見て前記搬送方向揃え部が前記綴じ位置に重なると判定した場合に、前記搬送方向揃え部を前記綴じ位置から外れる位置まで、前記媒体の搬送方向及び前記載置部に載置された前記媒体の前記厚み方向に直交する方向である主走査方向に移動させてから、前記圧着綴じ処理部を前記主走査方向に移動させ、前記圧着綴じ処理部により圧着綴じさせる処理を、媒体処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6