(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020143
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】メンテナンス管理システム、メンテナンススケジュール表示方法、情報処理システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240206BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240206BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240206BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240206BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240206BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240206BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240206BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06F3/12 334
G06F3/12 303
G03G21/00 512
G03G21/00 386
B41J29/38 350
B41J29/38 301
H04N1/00 002Z
H04N1/00 350
H04N1/00 E
G06Q50/10
B33Y50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103440
(22)【出願日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】P 2022122832
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023050516
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山村 宏樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AQ05
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2C061KK01
2H270KA59
2H270KA61
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2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA35
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5C062AE01
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5C062AF15
5C062BD01
5L049AA20
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】追加メンテナンスの実施推奨期間をユーザーに提供すること。
【解決手段】本発明は、第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を表示させるメンテナンス管理システムであって、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するメンテナンススケジュール設定部と、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを表示させる表示制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を表示させるメンテナンス管理システムであって、
前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するメンテナンススケジュール設定部と、
前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを表示させる表示制御部と、
を有するメンテナンス管理システム。
【請求項2】
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間よりも長い、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を設定することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項3】
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と重複するように、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を設定することを特徴とする請求項2に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項4】
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間の前、又は、後に継続して前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を設定することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項5】
前記メンテナンススケジュール設定部は、月単位のカレンダーにおいて前記第一のメンテナンスが表示される日にちよりも長い複数の日を、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間として設定することを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項6】
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第二のメンテナンスの種別に対応付けられたメンテナンス期限までに、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間が存在しない場合、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を延長することを特徴とする請求項3に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項7】
前記メンテナンススケジュール設定部は、週単位又は日にち単位のメンテナンススケジュールにおいて、前記第一のメンテナンスが表示される期間よりも長い期間を、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間として設定することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間の経過に応じて、前記月単位のカレンダーにおいて前記第二のメンテナンスの実施推奨期間の表示色を変化させることを特徴とする請求項5に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間において、機器に対する第一のメンテナンスのための所定の動作が検出された場合、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間が設定されている旨を表示することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間が設定されている旨と共に、前記第二のメンテナンスの作業手順を表示するためのリンクを表示することを特徴とする請求項9に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項11】
メンテナンスの対象の機器の曜日ごとの利用量情報を用いて、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間における前記機器の利用量が相対的に少ない推奨日を決定する推奨日提案部を有し、
前記表示制御部は、前記推奨日提案部が提案した前記推奨日を前記第二のメンテナンスの実施推奨期間と共に表示することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項12】
前記表示制御部が実施推奨期間を表示した前記第一のメンテナンス、又は、前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付ける操作受付部を更に有し、
前記表示制御部は、前記第一のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第一のメンテナンスの実施推奨期間をメンテナンススケジュールから消去し、
前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第二のメンテナンスの実施推奨期間の表示態様を、実施完了の前に対し変更することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項13】
前記表示制御部が実施推奨期間を表示した前記第一のメンテナンス、又は、前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付ける操作受付部を更に有し、
前記表示制御部は、前記第一のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第一のメンテナンスの実施推奨期間をメンテナンススケジュールから消去し、
前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第二のメンテナンスが実施された日にちのみを残して、当該第二のメンテナンスの実施推奨期間をメンテナンススケジュールから消去することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項14】
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第二のメンテナンスの種別に対応付けられたオペレータに基づいて、前記第二のメンテナンスを実行できる前記オペレータを決定し、
前記表示制御部は、前記オペレータが社外の者である場合、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、メンテナンススケジュールに表示しないことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項15】
前記第一のメンテナンスは、機器のカウンタ値に基づいて設定される定期メンテナンスであることを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項16】
前記第二のメンテナンスは、機器の機器状態情報を故障予測モデルに入力して検出される故障の予兆に対処するための追加メンテナンスであることを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項17】
機器は、用紙に画像を形成する画像形成装置、三次元的な形状データをもとにして、三次元の物体をつくりだすことができる機器、又は、液体吐出装置であることを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項18】
前記推奨日提案部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間において、印刷予定がない日、及び、印刷予定があるが空き時間が多い日に基づいて、前記推奨日の優先順位を決定し、
前記表示制御部は、前記推奨日提案部が提案した前記推奨日の優先順位を前記第二のメンテナンスの実施推奨期間と共に表示することを特徴とする請求項11に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項19】
ユーザーが操作する端末装置から印刷ジョブの登録を受け付ける印刷ジョブ登録部を有し、
前記印刷ジョブ登録部は、印刷ジョブが登録されていない空き時間のうち、最も近い空き時間が前記第二のメンテナンスの実施推奨期間である場合、前記最も近い空き時間、又は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間でない最も近い空き時間のどちらに登録するかを前記端末装置に問い合わせることを特徴とする請求項11に記載のメンテナンス管理システム。
【請求項20】
第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を表示させるメンテナンススケジュール表示方法であって、
メンテナンススケジュール設定部が、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するステップと、
表示制御部が、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを表示させるステップと、
を有するメンテナンススケジュール表示方法。
【請求項21】
第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を示すデータを機器に送信する情報処理システムであって、
前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するメンテナンススケジュール設定部と、
前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを示すデータを機器に送信する通信部と、
を有する情報処理システム。
【請求項22】
第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を示すデータを情報処理装置が機器に送信するメンテナンススケジュール表示方法であって、
メンテナンススケジュール設定部が、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するステップと、
通信部が、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを示すデータを機器に送信するステップと、
を有するメンテナンススケジュール表示方法。
【請求項23】
第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を示すデータを機器に送信する情報処理装置を、
前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するメンテナンススケジュール設定部と、
前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを示すデータを機器に送信する通信部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス管理システム、メンテナンススケジュール表示方法、情報処理システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の機器ではモータやクラッチなどが機械的な動作を行って色材で印刷を行うため、清掃や部品交換など各種のメンテナンスが必要になる場合がある。例えば大型の画像形成装置(商用プリンタなど)の場合、様々なメンテナンス作業が行われる。メンテナンス作業としてはユーザー等が画像形成装置に対して手作業で行うものもあるし、管理者が端末装置等から画像形成装置の設定値を変更するものもある。
【0003】
効率的なメンテナンスを可能とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、機器の故障の予兆が検知された場合に、即座に臨時のメンテナンス作業の実施を行う場合と比較して効率的に保守作業が行われるようにメンテナンススケジュールを更新するシステムが開示されている。
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ユーザーが臨時に追加されたメンテナンスを実施するタイミングを決定する余地が少ないという課題がある。例えば、特許文献1のように定期メンテナンスのタイミングで臨時メンテナンスを実施するようメンテナンススケジュールを更新することで、メンテナンス作業自体についての効率化が図れる。しかし、本来、機器は印刷物の印刷などの生産作業に使用されるため、機器のユーザーは、生産作業を阻害しにくいタイミングでメンテナンスを実施することを望んでいる。このため、予め作業内容と実施日程が定まっている定期メンテナンス以外の追加メンテナンスが、生産作業に配慮せずメンテナンススケジュールに追加されると、ユーザーによる生産作業が滞る可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、追加メンテナンスの実施推奨期間をユーザーに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスと異なり臨時に追加する第二のメンテナンスとの実施推奨期間を表示させるメンテナンス管理システムであって、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するメンテナンススケジュール設定部と、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを表示させる表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
追加メンテナンスの実施推奨期間をユーザーに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】画像形成装置が表示するメンテナンススケジュール画面の一例を示す図である。
【
図2】メンテナンス管理システムのシステム構成例を説明する図である。
【
図3】DFEのハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【
図5】画像形成装置の概略構成の変形例を示す模式図である。
【
図6】コンピュータのハードウェア構成図の一例である。
【
図7】サーバ装置、端末装置、及び、画像形成装置が有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図である。
【
図8】機器状態情報記憶部に記憶されている機器状態情報の一例を示す図である。
【
図9】機器管理情報記憶部に記憶されている機器管理情報の一例を示す図である。
【
図10】利用量情報記憶部に記憶されている利用量情報の一例を示す図である。
【
図11】故障メンテナンス情報記憶部に記憶されている故障メンテナンス情報、印刷ジョブ情報記憶部に記憶されている印刷ジョブ情報の一例を示す図である。
【
図12】定期メンテナンス情報、追加メンテナンス情報、及び、メンテナンス情報の一例を示す図である。
【
図13】メンテナンス情報記憶部に保存されているメンテナンス情報に基づいたメンテナンススケジュール画面の一例を示す図である。
【
図14】画像形成装置が表示するメンテナンススケジュールの一例を示す図である。
【
図15】定期メンテナンスの実施推奨期間と重複するように決定された追加メンテナンスの実施推奨期間の一例を示す図である。
【
図16】画像形成装置が表示するメンテナンススケジュールの一例を示す図である。
【
図17】週単位のメンテナンススケジュール画面の一例を示す図である。
【
図18】追加メンテナンスの実施推奨期間の経過に応じて変更される追加メンテナンスの実施推奨期間の表示色を説明する図である(その1)。
【
図19】追加メンテナンスの実施推奨期間の経過に応じて変更される追加メンテナンスの実施推奨期間の表示色を説明する図である(その2)。
【
図20】追加メンテナンスの実施推奨期間の経過に応じて変更される追加メンテナンスの実施推奨期間の表示色を説明する図である(その3)。
【
図21】画像形成装置の判断部が追加メンテナンスの実施推奨期間である旨を出力するかどうかの判断を説明するフローチャート図の一例である。
【
図22】画像形成装置が表示する追加メンテナンス通知画面の一例を示す図である。
【
図23】利用量情報記憶部に保存された利用量情報を模式的に示す図である。
【
図24】メンテナンススケジュール画面のカレンダーに表示された推奨日の一例を示す図である。
【
図25】メンテナンス実施後の定期メンテナンスの実施推奨期間や追加メンテナンスの実施推奨期間がどのように表示されるかを説明する図である。
【
図26】定期メンテナンスの実施の前後における定期メンテナンスの実施推奨期間の表示を説明する図である。
【
図27】追加メンテナンスの実施の前後における追加メンテナンスの表示態様の変化を説明する図である(その1)。
【
図28】追加メンテナンスの実施の前後における追加メンテナンスの表示態様の変化を説明する図である(その2)。
【
図29】画像形成装置とサーバ装置が通信し、画像形成装置がメンテナンススケジュール画面を表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図30】メンテナンススケジュール設定部が追加メンテナンスの実施推奨期間を決定する手順を説明するフローチャート図の一例である。
【
図31】拡張現実ヘッドセットを使用したメンテナンス作業を模式的に説明する図である。
【
図32】印刷予定や注文に応じて追加メンテナンスの実施推奨タイミングが表示されたメンテナンススケジュール画面を示す図の一例である。
【
図33】ユーザーがシェアリングプラットフォームである画像形成装置に印刷ジョブを設定する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図34】端末装置が表示する確認画面の一例を示す図である。
【
図35】端末装置が表示する印刷ジョブ登録画面の一例を示す図である。
【
図37】3Dプリンタのハードウェア構成例を示す概略図である。
【
図38】制御装置が有するディスプレイに表示された進捗状況画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、メンテナンス管理システムとメンテナンス管理システムが行うメンテナンススケジュール表示方法について説明する。
【0010】
<追加メンテナンスの表示の概略>
画像形成装置のメンテナンスとは、スキャナの読み取り面の清掃のような簡単なものから、帯電装置の電圧調整のような専門的なものまで多種多様である。従来は、主にカスタマーエンジニアが顧客を訪問してメンテナンスを行っているが、作業負荷の軽いメンテナンスについては顧客側のユーザー(エンドユーザーでも管理者でもよい)が実施することで、現場の印刷作業を妨げることなく機器を良好な状態に保つ試みがある。
【0011】
したがって、ユーザーは日常業務である印刷物の生産に加え、定期メンテナンス(第一のメンテナンスの一例)を行う必要が生じている。また、画像形成装置から送信される機器状態情報を後述するサーバ装置が予測モデルに適用することで、故障の予兆を事前に検知できるため、臨時に追加メンテナンス(第二のメンテナンスの一例)を実施する必要も生じている。このため、印刷物の生産を阻害することを抑制しながら、定期メンテナンスと追加メンテナンスをユーザーが効率的に、実施することが求められるようになった。
【0012】
図1は、画像形成装置が表示するメンテナンススケジュール画面600の一例である。
図1のメンテナンススケジュール画面600は月単位で表示されているため、カレンダーが表示されている。このカレンダーに定期メンテナンスの実施推奨期間601と追加メンテナンスの実施推奨期間602が表示されている。
【0013】
・定期メンテナンスは、画像形成装置がカウンタ値に応じて予定するメンテナンスである。カウンタ値に基づくので一定期間ごとに実施されるとまでは言えないが、カウンタ値が一定数、増えるごとに予定が登録される。なお、定期メンテナンスの実施推奨期間を管理者が手動で設定してもよい。
【0014】
・追加メンテナンスは、サーバ装置が画像形成装置から取得した機器状態情報に基づいて故障の予兆を検出した場合に、故障の予兆に対処するため、サーバ装置が画像形成装置に臨時に追加するメンテナンスである。
【0015】
カレンダーに表示される追加メンテナンスの実施推奨期間602は、追加メンテナンスに要する期間よりも長い。例えば、半日で終了するメンテナンスが必要であると予測された場合、追加メンテナンスの実施推奨期間602は、半日超である。また、追加メンテナンスの実施推奨期間602は、定期メンテナンスの実施推奨期間601よりも長いことが好適である。こうすることで、追加メンテナンスの実施推奨期間602が、定期メンテナンスの実施推奨期間601と重複しやすくなり、ユーザーは定期メンテナンスの前又は後に追加メンテナンスを実施できる。
【0016】
あるいは、定期メンテナンスが登録済みの場合、サーバ装置は、直近の定期メンテナンスの実施推奨期間601と重複するように追加メンテナンスの実施推奨期間602を延長してもよい。例えば、
図1で10,11日に定期メンテナンスが設定されている場合、サーバ装置は10日よりも前の8日から14日までの期間の全体に追加メンテナンスの実施推奨期間602とする。
【0017】
このように、故障の予兆が検出された場合に追加される追加メンテナンスについて、実施すべき期間の幅を追加メンテナンスに要する期間、又は、定期メンテナンスの実施推奨期間601の少なくとも一方より広い。これにより、機器を用いた生産作業を阻害しにくいようにユーザーがメンテナンスを実施するタイミングを決定できる。
【0018】
<用語について>
メンテナンスとは、機器が期待される機能を継続的に発揮できるように実施される、維持、管理、保守、修理、又は、これらに必要な作業である。メンテナンスは必ずしも故障の抑制のみには限られない。
【0019】
機器とは、メンテナンスを必要とする機械や構造物であればよい。本実施形態では、画像形成装置を機器の例として説明する。画像形成装置は用紙に印刷するものに限らず、3Dプリンタやアパレル商品用のプリンタでもよい。
【0020】
メンテナンスに要する期間は、おおよそのユーザーが当該メンテナンスを開始してから終了するまでに必要な時間である。メンテナンスに要する期間はメンテナンスの種別によって予め定まっている。
【0021】
メンテナンスの実施推奨期間は、故障などの不具合が発生する前のメンテナンスが実施されるべき好ましい期間である。
【0022】
メンテナンススケジュールとは、メンテナンスの予定がカレンダーや時間割(タイムテーブル)等に登録された情報をいう。
【0023】
故障の予兆とは、故障が起ころうとするきざし又は前ぶれである。故障の予兆の検出時にすでに故障が生じていてもよい。
【0024】
ユーザーとは、画像形成装置103で印刷又はメンテナンス作業を行う者である。ユーザーは企業内の管理者でもよいし、一般ユーザーでもよい。これに対し、サービスマンやカスタマーエンジニアは、ユーザーから見て社外の者である。
【0025】
<システム構成例>
図2は、本実施形態のメンテナンス管理システム1のシステム構成例を説明する図である。メンテナンス管理システム1は、サーバ装置104、DFE102、及び、画像形成装置103を有している。端末装置101についてはメンテナンス管理システム1が有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0026】
端末装置101とDFE102はネットワークNを介して通信可能である。ネットワークは例えば画像形成装置103が配置されている施設内のLANを含み、DFE102がインターネット上に配置されている場合は更にインターネットを含む。DFE102と画像形成装置103は専用線で1対1に接続される場合もあるし、ネットワークを介して接続される場合もある。また、DFE102と画像形成装置103は一体でもよいし、着脱可能でもよい。
【0027】
端末装置101ではWebブラウザが動作している。DFE102が備えるサーバにWebブラウザがアクセスして、タスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行のそれぞれの入力操作画面を表示する。端末装置101は、入力画面に対するタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行などの操作を管理者から受け付け、これらをDFE102に要求する。
【0028】
なお、管理者はDFE102にログインするため、ユーザーIDとパスワードを端末装置101に入力する。端末装置101はユーザーIDとパスワードをDFE102に送信するので、DFE102による認証が成功すると、一般ユーザーか管理者か特定される。一般ユーザーか管理者に応じて表示される画面や入力可能な項目が異なってよい。なお、管理者の認証は認証サーバが行ってもよい。
【0029】
認証が成功し、管理者がログインした場合、タスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行へのアクセス権が与えられ、一般ユーザーの場合、タスク実行へのアクセス権が与えられる。
【0030】
端末装置101は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)などである。ただし、通信機能を有しWebブラウザ又はDFE102に専用のアプリケーションソフトウェアが動作すればよい。例えば、カーナビ、ゲーム機、テレビ受像器なども端末装置101となりうる。
【0031】
なお、画像形成装置103でもWebブラウザが動作する場合、管理者は画像形成装置を操作してDFE102にタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行を要求できる。
【0032】
また、DFE102がコンソール用のディスプレイに入力操作画面を表示し、キーボードからタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行の処理を受け付けることも可能である。この場合、メンテナンス管理システム1に端末装置101は不要になる。
【0033】
DFE102は、画像形成装置103が実行する印刷ジョブの受け付け、画像処理(RIP:Raster Image Processer)、実行中の進捗管理、異常監視などを行う制御装置である。DFE102は端末装置101からタスク作成、スケジュール登録、及び、タスク実行の処理を受け付ける。すなわち、DFE102は、画像形成装置103を操作するユーザインタフェース(入力操作画面)を管理者に提供する。DFE102は1台以上の情報処理装置を有している。
【0034】
DFE102はWebブラウザが表示する画面の画面情報を生成する。画面情報は、HTML、XML、スクリプト言語、及びCSS(cascading style sheet)等で記述されたプログラムであり、主にHTMLによりWebページの構造が特定され、スクリプト言語によりWebページの動作が規定され、CSSによりWebページのスタイルが特定される。また、クライアント側の画面情報とサーバ側のアプリやデータベースが連携して実現するアプリをWebアプリという。本実施形態でも、端末装置101とDFE102が協働してWebアプリを実行する。
【0035】
DFE102は、端末装置101又は画像形成装置103からの要求に応じて、タスクやタスクのスケジュールのデータベースへの登録処理、及び、画像形成装置に対するタスク実行処理(機器設定の変更、操作の要求等)を行う。
【0036】
画像形成装置103はDFE102より受け付けた要求に応じて、印刷ジョブを実行する。画像形成装置103は、画像を用紙に印刷する機能を有している。画像を形成する方式にはレーザプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ、スクリーン印刷、凹版印刷等がある。また、画像形成装置103は複合機(マルチファンクションプリンタ)、又は、MFP(Multi-function Peripheral/Product/Printer)の機能を有していてもよい。画像形成装置103は、プリンタ、印刷装置などと呼ばれていてもよい。また、画像形成装置103は、3DプリンタやDTG(Direct To Garment)プリンタ等でもよい。
【0037】
また、本実施形態の画像形成装置103は、いわゆる商用プリンタでもよい。商用プリンタは、社員等が社内的に使用する印刷物を印刷する機器ではなく、印刷物が商品となる商用印刷用の機器である。商用印刷では、画像形成装置103は、一般の企業や団体の事業活動に使われる印刷物を出力する。例えば、チラシ、パンフレット、ポスター、カタログ、会社案内、マニュアルなどを出力する場合がある。オフィス用の画像形成装置と商用の画像形成装置は、主に、印刷速度、画質、対応する用紙の種類・サイズなどが異なっている。
【0038】
また、本実施形態は、画像形成装置103以外の機器にも適用できる。画像形成装置103以外の機器は、例えば、PJ(Projector:プロジェクター)、電子黒板、テレビ会議端末、デジタルサイネージ、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ゲーム機等であってもよい。
【0039】
サーバ装置104は、メンテナンスに関する処理を実行する一台以上の情報処理装置である。複数の情報処理装置を有するシステムを情報処理システムという。すなわち、サーバ装置104は、機器状態情報を画像形成装置103から受信し、故障の予兆の有無を判断し、故障の予兆を検出した場合、追加メンテナンスの実施推奨期間を決定する。
【0040】
サーバ装置104は、クラウド上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。クラウドとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される情報処理の利用形態をいう。オンプレミスとは、主にサーバやソフトウェアなどのシステムを、ユーザー側の担当者が管理できる施設の構内に設置して運用することをいう。
【0041】
サーバ装置104は
図2に示すように独立して存在する他、DFE102と一体でもよい。また、画像形成装置103がサーバ装置104の機能を有してもよい。
【0042】
<ハードウェア構成>
続いて、
図3~
図6を参照して、DFE102、画像形成装置103、及び、サーバ装置104のハードウェア構成を説明する。
【0043】
<<DFE>>
図3は、DFE102のハードウェア構成例を示す図である。DFE102はコンピュータと同様の構成を有している。DFE102はCPU201、ROM202、RAM203、HDD/SSD204、I/F205、及び、操作部206を有している。
【0044】
CPU201は、RAM203を作業領域として使用し、ROM202に格納されているプログラムを実行する。
【0045】
HDD/SSD204は、記憶部として使用され、タスクやスケジュールの情報を格納している。HDD/SSD204に格納されている情報は、CPU201が読み出しプログラム実行時に使用することもある。
【0046】
I/F205は、画像形成装置103及び端末装置101との通信可能にするインターフェースである。
【0047】
操作部206は、タッチパネルを有し、画面上で画像形成装置の状態、タスクのスケジュール、タスクの内容などを表示する。また、操作部206は、タスクを実行するユーザー(管理者、一般ユーザー)や、タスク作成やスケジュール登録を行う管理者からの入力を受け付ける。
【0048】
<<画像形成装置>>
図4は、本実施形態における画像形成装置103の概略構成を示す模式図である。この画像形成装置103は、電子写真方式の画像形成装置であり、プリンタ81、給送装置200、スキャナ300、及び原稿自動搬送装置400などを備えている。但し、本発明の実施形態に係る画像形成装置103は、印刷して印刷物を出力する印刷機能を備えた印刷装置であれば、これらのうちの一部を備えているものでもよく、呼称によって限定されるものでもない。
【0049】
プリンタ81は、特殊色(S:Special)、不可視緑色(G:Invisible Green)、不可視赤色(R:Invisible Red)、不可視青色(B:Invisible Blue)、黒色(K:Key plate)の各色の画像を作像するための五つの現像ステーション18S、18G、18R、18B、18Kを具備する画像形成ユニットGUを備えている。各符号の数字(18)の後に付されたS、G、R、B、Kという添字は、それぞれ、特殊色用、不可視緑色用、不可視赤色用、不可視青色用、黒色用の部材であることを示している。以下の説明で使用される他の符号についても同様である。また、以下の説明では、S、G、R、B、Kの文字が、それぞれ、特殊色、不可視緑色、不可視赤色、不可視青色、黒色を示す場合もある。なお、特殊色は、不可視緑色、不可視赤色、不可視青色、及び黒色のいずれとも異なる色の総称である。
【0050】
不可視緑色は、不可視光線の下では視認できるが可視光線の下では視認しにくい緑色を意味する。不可視赤色は、不可視光線の下では視認できるが可視光線の下では視認しにくい赤色を意味する。不可視青色は、不可視光線の下では視認できるが可視光線の下では視認しにくい青色を意味する。プリンタ81は、不可視緑色、不可視赤色、及び不可視青色を重ね合わせることにより、任意の不可視色(不可視光線の下では視認できるが可視光線の下では視認しにくい色)を表現できる。黒色は、可視光線の下で視認できる黒色を意味し、特殊色は、可視光線の下で視認できる特殊色を意味する。
【0051】
可視光線は、人間によって光として認識される波長を有する電磁波である。不可視光線は、可視光線の波長以外の波長を有する電磁波である。本実施形態では、不可視光線は、ブラックライトなどが発する長波長紫外線である。また、本実施形態では、不可視色は、蛍光灯が発する光及び日光などの可視光線の下では透明であり、ブラックライトが発する紫外線などの不可視光線の下で視認できるようになる。
【0052】
具体的には、不可視緑色の画像は、不可視緑色トナー(以下、「Gトナー」とする)によって実現され、不可視赤色の画像は、不可視赤色トナー(以下、「Rトナー」とする)によって実現され、不可視青色の画像は、不可視青色トナー(以下、「Bトナー」とする)によって実現される。そして、不可視緑色、不可視赤色、及び不可視青色以外の不可視色の画像は、Gトナー、Rトナー、及びBトナーのうちの少なくとも二つの不可視色トナーの重ね合わせによって実現される。なお、不可視光線の下で視認できる黒色である不可視黒色は、Gトナー、Rトナー、及びBトナーをいずれも付着させないことによって実現される。また、可視光線の下で視認できる特殊色の画像は、特殊色トナー(以下、「Sトナー」とする)によって実現され、可視光線の下で視認できる黒色の画像は、黒色トナー(以下、「Kトナー」とする)によって実現される。
【0053】
本実施形態では、不可視色トナーは、透明トナー(クリアトナー)と透明蛍光体とを組み合わせることによって生成される。すなわち、不可視色トナーは、典型的には、クリアトナーを母体として生成される。なお、透明蛍光体は、透明蛍光顔料又は透明蛍光染料などである。また、本実施形態では、不可視色トナーは、重合トナーよりも高い定着温度を有する粉砕トナーである。但し、不可視色トナーは、重合トナーであってもよい。
【0054】
プリンタ81の筐体内において、現像ステーション18S、18G、18R、18B、18Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット73、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
【0055】
光書込ユニット21は、光源、ポリゴンミラー、f-θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて感光体1S、1G、1R、1B、1Kの表面にレーザー光を照射する。
【0056】
現像ステーション18S、18G、18R、18B、18Kは、ドラム状の感光体1S、1G、1R、1B、1Kの他に、帯電ローラ(帯電手段)、現像装置(現像手段)、ドラムクリーニング装置、除電ランプ(除電手段)などを有している。
【0057】
S(特殊色)用の現像ステーション18Sにおける感光体1Sの表面は、帯電手段である帯電ローラによって一様に帯電させられる。帯電処理が施された感光体1Sの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザー光が照射される。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Sの表面にS用の静電潜像が形成される。形成されたS用の静電潜像は現像手段である現像装置によって現像されてSトナー像となる。
【0058】
S用の感光体1S上に形成されたSトナー像は、中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Sの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
【0059】
S用の現像ステーション18Sにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Sは、除電器によって除電される。そして、感光体1Sは、帯電器によって一様に帯電させられて初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他色用(G、R、B、K用)の現像ステーション(18G、18R、18B、18K)においても同様にして行われる。
【0060】
中間転写ユニット73は、無端状の中間転写ベルト110、及び、ベルトクリーニング装置90などを有している。また、駆動ローラ71、二次転写バックアップローラ72、四つの一次転写バイアスローラ62S、62G、62R、62B、62Kなども有している。
【0061】
無端状の中間転写ベルト110は、そのループの内側に配設された駆動ローラ71などの複数の張架ローラによってテンション張架されている。そして、中間転写ベルト110は、ベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ71の回転によって図中の時計回り方向に無端移動させられる。
【0062】
S、G、R、B、K用の一次転写バイアスローラ62S、62G、62R、62B、62Kは、中間転写ベルト110の裏面(内周面)に接触するように配設され、電源から出力される一次転写バイアスが印加される。また、一次転写バイアスローラ62S、62G、62R、62B、62Kは、中間転写ベルト110をその裏面側から感光体1S、1G、1R、1B、1Kに向けて押圧する。これにより、感光体1S、1G、1R、1B、1Kと、中間転写ベルト110の表面(外周面)とが当接するS、G、R、B、K用の一次転写ニップが形成される。それらの一次転写ニップでは、一次転写バイアスの影響により、感光体1S、1G、1R、1B、1Kと一次転写バイアスローラ62S、62G、62R、62B、62Kとの間に一次転写電界が形成される。
【0063】
S用の感光体1S上に形成されたSトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このSトナー像の上には、G、R、B、K用の感光体1G、1R、1B、1K上に形成されたGトナー像、Rトナー像、Bトナー像、Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多色トナー像が形成される。
【0064】
中間転写ベルト110上に形成された多色トナー像は、後述の二次転写ニップで記録シートに二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、駆動ローラ71との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
【0065】
中間転写ユニット73の下方に配設された二次転写装置22は、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110における二次転写バックアップローラ72に対する掛け回し箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。二次転写バックアップローラ72には、トナーと同極性の二次転写バイアスが印加されているのに対し、二次転写ローラ23は接地されている。これにより、二次転写ニップには中間転写ベルト110上の多色トナー像をベルト側から二次転写ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。レジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の多色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた記録シートには、この二次転写電界やニップ圧の作用によって多色トナー像が二次転写される。
【0066】
プリンタ81の筐体内の下部に設けられた給送装置200には、内部に複数の記録シートをシート束の状態で複数枚重ねて収容する給送カセット79、及び、ペーパーバンク78が設けられている。給送カセット79及びペーパーバンク78は、紙束の一番上の記録シートに給送ローラ77を押し当てている。そして、給送ローラ77を回転させることにより、給送装置200は、一番上の記録シートを給送路46に向けて送り出す。
【0067】
給送カセット79又はペーパーバンク78から送り出された記録シートを受け入れる給送路46は、複数の搬送ローラ対47と、その路内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、複数の搬送ローラ対47は、記録シートをレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された記録シートは、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット73において、中間転写ベルト110上に形成された多色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。
【0068】
レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ記録シートを二次転写ニップにて多色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の多色トナー像が記録シートに密着する。そして、多色トナー像は、記録シート上に二次転写されて、白色の記録シート上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された記録シートは、二次転写ローラ23の回転駆動に伴って二次転写ニップを出た後、搬送ベルトを具備するシート搬送ユニットを経由して定着装置25に送られる。
【0069】
定着装置25は、定着ベルト26を二本のローラによって張架しながら無端移動させるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを有している。定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、シート搬送ユニットから受け取った記録シートを定着ニップに挟み込む。ベルトユニットにおける二本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方の定着ローラは、内部に熱源(ヒータ)を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた記録シートを加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が記録シートに定着させられる。
【0070】
定着装置25内で定着処理が施された記録シートは、複写機の筐体の左側板に突設されたスタック部上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために二次転写ニップに戻されるかする。
【0071】
原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台74上にセットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス75上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス75が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
【0072】
このようにして原稿がセットされた後、コピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス75まで自動搬送する。
【0073】
原稿読取動作では、まず、第1走行体76と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体76に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射され、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
【0074】
このような原稿読取動作と並行して、各現像ステーション(18S、18G、18R、18B、18K)内の各機器や、中間転写ユニット73、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、感光体1S、1G、1R、1B、1K上にS、G、R、B、Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写されて多色トナー像となる。
【0075】
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給送装置200内では給送動作が開始される。この給送動作では、給送ローラ77の一つが選択的に回転させられ、ペーパーバンク78又は給送カセット79から記録シートが送り出される。送り出された記録シートは、分離ローラ80で1枚ずつ分離されて反転給送路に進入した後、搬送ローラ対によって二次転写ニップに向けて搬送される。
【0076】
プリンタ81の筐体内には、各機器の制御を司るCPUなどから構成される制御部が配設されている。また、筐体の上面には、液晶ディスプレイ及び各種キーボタンなどから構成される操作表示部82が配設されている。操作者は、この操作表示部82に対する入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、記録シートの片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモード、又は、両面に画像を形成する両面プリントモードなどを指定することができる。また、画像形成装置103はこの操作表示部82にメンテナンススケジュール等を表示する。
【0077】
図5は、画像形成装置103の変形例を示す図である。
図5の画像形成装置103は、インクジェット方式の画像形成装置であり、主に、給紙部401、画像形成部306、乾燥部402、排紙部403、及び、制御装置423を有している。画像形成装置103は、給紙部401から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部306で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、画像形成装置103は、用紙上に付着したインクを乾燥部402において乾燥させた後、用紙を排紙部403から排紙する。
【0078】
給紙部401は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ411と、給紙トレイ411から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置412と、用紙を画像形成部306へ送り込むレジストローラ対413とから構成されている。給送装置412には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置412により給紙トレイ411から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対413に到達した後、レジストローラ対413が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部306へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部401は、画像形成部306へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
【0079】
画像形成部306は、主に、給紙された用紙Pを受け取る受け取り胴361と、受け取り胴361によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム362と、を有する。画像形成部306は、用紙担持ドラム362に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部364と、用紙担持ドラム362によって搬送された用紙Pを乾燥部402へ受け渡す受け渡し胴365と、を有する。給紙部401から画像形成部306へ搬送されてきた用紙Pは、受け取り胴361の表面に設けられた用紙グリッパによって先端が把持され、受け取り胴361の表面移動に伴って搬送される。受け取り胴361により搬送された用紙は、用紙担持ドラム362との対向位置で用紙担持ドラム362へ受け渡される。
【0080】
用紙担持ドラム362の表面にも用紙グリッパが設けられており、用紙の先端が用紙グリッパによって把持される。また、用紙担持ドラム362の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されており、各吸引孔には吸引装置363によって用紙担持ドラム362の内側へ向かう吸い込み気流が発生する。受け取り胴361から用紙担持ドラム362へ受け渡された用紙Pは、用紙グリッパによって先端が把持されると共に、吸い込み気流によって用紙担持ドラム362の表面に吸着して、用紙担持ドラム362の表面移動に伴って搬送される。
【0081】
本実施形態のインク吐出部364は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを吐出して画像を形成するものであり、インクごとに個別の液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kを備えている。液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kは、液体を吐出するものであれば、その構成に制限はなく、あらゆる構成のものを採用することができる。画像形成装置103は、必要に応じて、白色、金色、銀色などの特殊なインクを吐出する液体吐出ヘッドを有したり、表面コート液などの画像を構成しない液体を吐出する液体吐出ヘッドを有したりしてもよい。
【0082】
インク吐出部364の液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kは、画像情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。用紙担持ドラム362に担持された用紙Pがインク吐出部364との対向領域を通過する際に、液体吐出ヘッド364C,364M,364Y,364Kから各色インクが吐出され、当該画像情報に応じた画像が形成される。なお、本実施形態において、画像形成部306は、用紙P上に液体を付着させて画像を形成するであれば、その構成に制限はない。
【0083】
乾燥部402は、主に、画像形成部306で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構421と、画像形成部306から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構422とから構成されている。画像形成部306から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構422に受け取られた後、乾燥機構421を通過するように搬送され、排紙部403へ受け渡される。乾燥機構421を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着すると共に、用紙Pのカールが抑制される。
【0084】
排紙部403は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ431から構成されている。乾燥部402から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ431上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部403は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
【0085】
制御装置423は画像形成装置を制御する情報処理装置である。制御装置423は、例えばCPU、RAM、ROM、SSD(HDD)、通信装置等を有している。制御装置423はDFE102と通信して、タスクの実施に応じた設定値や操作の要求を受信する。
【0086】
画像形成装置103はディスプレイ440を内蔵しているか、又は、ディスプレイ440が外付けされている。画像形成装置103はこのディスプレイ440にメンテナンススケジュール等を表示する。なお、端末装置101やDFE102等もメンテナンススケジュールを表示することができる。
【0087】
<<サーバ装置>>
サーバ装置は、
図6に示すように、コンピュータ500としての構成を有する。
図6は、コンピュータ500のハードウェア構成図である。
図6に示されているように、コンピュータ500は、コンピュータによって構築されており、
図6に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0088】
これらのうち、CPU501は、受注システム10、生産管理システム20、生産拠点システム30、及び、コンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリや各種のプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図6に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0089】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、光記憶媒体513は、CD,DVD、Blu-Ray(登録商標)等でよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0090】
<機能について>
続いて、
図7等を参照して、メンテナンス管理システム1が有する各装置の機能について説明する。
図7は、メンテナンス管理システム1が有するサーバ装置104、端末装置101、及び、画像形成装置103が有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図である。
【0091】
<<サーバ装置>>
サーバ装置104は、通信部11、メンテナンス決定部12、機器情報取得部13、メンテナンススケジュール設定部14、及び、推奨日提案部15、を有している。サーバ装置104が有するこれらの機能は、サーバ装置104にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を
図6に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0092】
また、サーバ装置104は、機器状態情報記憶部1001、故障予測モデル記憶部1002、機器管理情報記憶部1003、利用量情報記憶部1004、故障メンテナンス情報記憶部1005及び印刷ジョブ情報記憶部1006を有する。これら各記憶部は、
図6に示したHD504、又は、RAM503等により実現可能である。
【0093】
通信部11は、機器状態情報を画像形成装置103から受信し、メンテナンス決定部12により故障の予兆が検出された場合、この画像形成装置103に対して追加メンテナンスの実施推奨期間を送信する。また、通信部11は、機器管理情報記憶部1003に記憶された機器管理情報を参照して、予測故障が発生した画像形成装置103のメンテナンスを担当するオペレータの連絡先へも通知する。
【0094】
機器情報取得部13は、通信部11を介して、画像形成装置103から機器状態情報を取得し、機器状態情報記憶部1001に保存する。機器状態情報とは、画像形成装置103の使用状態を示す情報である。機器状態情報は、例えば、画像形成装置103の各種部品等の電流や電圧、温度等を各種のセンサで計測した計測値や、画像形成装置103により印刷データが用紙に印刷された回数を示すカウンタ値等を含む情報である。
【0095】
メンテナンス決定部12は、機器情報取得部13により取得された機器状態情報と、後述する故障予測モデル記憶部1002に記憶された故障予測モデルとに基づいて、画像形成装置103において発生する故障の予兆を検出する。故障の予兆は、画像形成装置103においてどのような故障(故障の種類)の発生が予測されるかを有し、更に、故障が発生する確率や、発生するまでの時間、及び、発生が予測される故障の重症度等が含まれてよい。
【0096】
メンテナンススケジュール設定部14は、メンテナンス決定部12が検出した故障の予兆に基づいて、追加メンテナンスの実施推奨期間を決定し、通信部11を介して画像形成装置103に送信する。上記のように、追加メンテナンスの実施推奨期間は、追加メンテナンスに要する期間、又は、定期メンテナンスの実施推奨期間の少なくとも一方より長く、定期メンテナンスの実施推奨期間と重複していることが好ましい。
【0097】
推奨日提案部15は、利用量情報記憶部1004が記憶する曜日別の利用量に基づいて、追加メンテナンスの実施推奨期間の範囲で、追加メンテナンスを実施する推奨日を提案する。
【0098】
印刷ジョブ登録部16は、例えば印刷のシェアリングプラットフォームにおいて、印刷ジョブの登録に関する処理を行う。印刷ジョブ登録部16は、印刷ジョブが実行される予定がない空き時間のうち最も近い空き時間が、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間か判断する。印刷ジョブ登録部16は、ユーザーの操作等に応じて印刷ジョブをどの空き時間に登録するか決定する。
【0099】
なお、
図7ではサーバ装置104が、画像形成装置103がディスプレイ440に表示する画面の処理を行っていない。これは、本実施形態では、画像形成装置103が画面を生成するためである。しかし、サーバ装置104が、画像形成装置103が表示する画面情報を生成してもよい。この場合、サーバ装置104は、HTML、XML、JavaScript(登録商標)、及び、CSS(Cascade Style Sheet)等によりメンテナンススケジュール等の画面情報を生成し、画像形成装置103に送信する。画像形成装置103のWebブラウザは画面情報を受信し、解析することでメンテナンススケジュール画面600を表示する。このように、サーバ装置104内のサーバ機能と画像形成装置103が実行するWebブラウザが連携したWebアプリによりメンテナンススケジュール画面600が表示されてもよい。この場合、Webブラウザがあれば、端末装置101等でもメンテナンススケジュール画面600を容易に表示できる。
【0100】
(機器状態情報記憶部1001)
図8は、機器状態情報記憶部1001に記憶されている機器状態情報の一例を示す図である。
図8に示すように、機器状態情報記憶部1001には、画像形成装置103を一意に識別する機器IDに対応付けて、取得日時、センサA計測値、センサB計測値、カウンタ値等が記憶されている。機器状態情報記憶部1001には、図示する機器ID「PP10001」の機器状態情報に加えて、他の機器の機器状態情報も記憶されている。機器状態情報は、画像形成装置103における計測値やカウンタ値の所定の時間毎の履歴を示す情報である。
【0101】
・取得日時は、画像形成装置103が機器状態情報をサーバ装置104に送信した日時である。
図8の例では毎日、20時30分に機器状態情報が送信されているがあくまで一例であり、不定期でも一日に複数回、送信されてよい。
【0102】
・センサ値A,センサ値Bは、画像形成装置103に含まれる部品等の電流や電圧、温度等を各種のセンサで計測した計測値である。センサ値は3つ以上ある場合が多い。
【0103】
・カウンタ値は、画像形成装置103により印刷されたページ数の累積値を示す。
【0104】
メンテナンス決定部12は、機器状態情報と、故障予測モデル記憶部1002に記憶された故障予測モデルとに基づいて、画像形成装置103における故障の発生を予測する。
【0105】
(故障予測モデル記憶部1002)
故障予測モデルとは、故障が発生する際の計測値やカウンタ値のパターン等をモデル化したデータであり、故障の種別(故障種別)毎に存在する。故障予測モデルが更に機器の種別ごとに用意されてもよい。
【0106】
例えば、故障予測モデル記憶部1002には、故障Aの発生を予測するための故障予測モデルA、故障Bの発生を予測するための故障予測モデルB、故障Cの発生を予測するための故障予測モデルC等が記憶されている。故障予測モデルは、機器状態情報と、故障が発生する確率、発生するまでの時間、及び、発生が予測される故障の重症度などを対応付ける情報である。このような情報は、予め管理者等が過去の知見に基づいて手動で作成してもよいし、機械学習により作成してもよい。
【0107】
機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、更に、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。機械学習の手法には、パーセプトロン、ディープラーニング、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ、決定木、ランダムフォレストなどがあり、本実施形態で説明する手法には限られない。
【0108】
例えば機械学習の1つとしてディープラーニングを用いた故障予測モデルでは、機器状態情報と、発生した故障、発生するまでの時間、及び、重症度等の組をトレーニングデータとして管理者が用意する。任意の情報処理装置は、機器状態情報を入力、発生した故障、発生するまでの時間、及び、重症度等を教師データとして、対応を学習する。あるいは、担当者が、機械学習の1つとして重回帰を用いた故障予測モデルでは、機器状態情報を説明変数、発生した故障を目的変数として、多項式で関連付けておく。同様に、管理者は、機器状態情報と発生するまでの時間を多項式で関連付け、機器状態情報と重症度を多項式で関連付けておく。これらの目的変数と、多項式が出力する値との差が最小になるように多項式の係数を決定する(重回帰分析)。
【0109】
図8の機器状態情報を参照して説明する。例えば、機器ID「PP10001」の機器状態情報が取得された場合、メンテナンス決定部12は、当該機器状態情報と、故障Aの発生を予測するための故障予測モデルAとに基づいて、故障Aの発生を予測(予兆を検出)する。同様に、メンテナンス決定部12は、当該機器状態情報と、故障Bの発生を予測するための故障予測モデルBとに基づいて、故障Bの発生を予測する(予兆を検出)。他の故障についても同様でよい。このように、メンテナンス決定部12は、故障予測モデル記憶部1002に記憶されている各故障用の故障予測モデルごとに、故障予測モデルに対応する故障A~C等の発生を予測する。
【0110】
(機器管理情報記憶部1003)
図9は、機器管理情報記憶部1003に記憶されている機器管理情報の一例を示す図である。
図9に示すように、機器管理情報記憶部1003には、機器ID、IPアドレス、及びメールアドレスの各項目が登録されている。
【0111】
・機器IDの項目は、画像形成装置103を識別する識別情報である。
【0112】
・IPアドレスの項目は、画像形成装置103のIPアドレスである。サーバ装置104は、IPアドレスを宛先に追加メンテナンスの実施推奨期間などを送信できる。
【0113】
・メールアドレスは、画像形成装置103の管理者などのメールアドレスである。サーバ装置104は、メールアドレスを宛先に追加メンテナンスが設定されている旨、追加メンテナンスの実施推奨期間の終期が近い旨などを送信できる。
【0114】
(利用量情報記憶部1004)
図10は、利用量情報記憶部1004に記憶されている利用量情報の一例を示す図である。
図10に示すように、利用量情報記憶部1004には、日付に対応付けて利用量が登録されている。
【0115】
・日付は、1日分の利用量が計上された日にちである。
図10に示すように曜日が登録されていてもよいし、サーバ装置104が有するカレンダーから曜日が取得されてもよい。利用量は1日分でなく、半日分でもよい。この場合、推奨日提案部15が半日単位で推奨日を提案できる。
【0116】
・利用量は、毎日の印刷ページ数の合計である。利用量は、画像形成装置103の稼働時間、トナーやインクの使用量などでもよい。
【0117】
(故障メンテナンス情報記憶部1005)
図11(a)は、故障メンテナンス情報記憶部1005に記憶されている故障メンテナンス情報の一例を示す図である。
図11(a)に示すように、故障メンテナンス情報記憶部1005には、故障種別に対応付けて、追加メンテナンス、メンテナンス期限、オペレータ、及び作業時間などの項目が登録されている。なお、故障メンテナンス情報は、機種ごとに異なっても共通でもよい。
【0118】
・故障種別の項目は、メンテナンス決定部12がどのような故障の予兆を検出したかを示す。
【0119】
・追加メンテナンスの項目は、予兆が検出された故障のメンテナンスに必要な追加メンテナンスの内容である。
【0120】
・メンテナンス期限の項目は、追加メンテナンスをいつまでに実施すべきかを示す。メンテナンス期限は、メンテナンス決定部12による診断日の次の営業日を始期とし、故障種別に基づいたメンテナンス期限までは故障しないであろうと推定される期間に基づいて決定されている。メンテナンス期限を徒過した直後に故障するというものではなく、メンテナンス期限を徒過すると徐々に故障する可能性が増大するおそれがある。また、メンテナンス期限は、追加メンテナンスに要する期間より長く設定される。メンテナンススケジュール設定部14がメンテナンス期限に相当する期間を追加メンテナンスの実施推奨期間として決定すれば、追加メンテナンスに要する期間より長い追加メンテナンスの実施推奨期間を決定できる。また、メンテナンス期限は定期メンテナンスの実施推奨期間よりも長くなるように設定されている。
【0121】
・オペレータの項目は、追加メンテナンスを実施すべき好ましい作業員、及び、作業員のスキルを定める。例えば、故障A,Cのオペレータはユーザーでよいが、故障Aにはレベル2のスキルが要求され、故障Cにはレベル1のスキルが要求される。故障Bのオペレータはサービスマン(カスタマーエンジニア)でなければならない。
【0122】
・作業時間の項目は、当該メンテナンスの作業に要する一般的な期間であり、例えば過去の実際の作業時間が統計処理されることで算出されている。
【0123】
(印刷ジョブ情報記憶部1006)
図11(b)は、印刷ジョブ情報記憶部1006に記憶されている印刷ジョブ情報の一例を示す図である。
図11(b)に示すように、印刷ジョブ情報記憶部1006には、各印刷ジョブの実施予定日時、ジョブオーナー、ジョブファイルなどの項目が登録されている。
【0124】
・印刷ジョブの項目には、印刷ジョブの識別情報が設定される。印刷ジョブの識別情報は印刷ジョブ登録部16が重複しないように付与する。
【0125】
・実施予定日時の項目には、印刷ジョブが実行される予定の時間帯が設定される。実施予定日時は、印刷ジョブの登録時において最も近い画像形成装置103の空き時間、又は、ユーザーが指定した空き時間である。なお、印刷ジョブの完了までに必要な時間は、カラー/モノクロ、片面/両面、印刷用紙サイズ等の印刷条件と、ページ数と部数と、画像形成装置の能力と、から推定される。
【0126】
・ジョブオーナーの項目には、印刷ジョブを登録したユーザーの識別情報や氏名等が設定される。
【0127】
・ジョブファイルの項目には、印刷ジョブで印刷される文書ファイルが設定される。ジョブファイルには印刷設定(カラー/モノクロ、片面/両面、印刷用紙サイズ、ページ数、部数等)が含まれてよい。
【0128】
<<端末装置>>
図7に戻って説明する。端末装置101の機能を説明する。端末装置101は、通信部31、表示制御部32、及び、操作受付部33を有している。端末装置101が有するこれらの機能は、Webブラウザが画面情報に含まれるJavaScript(登録商標)を実行して、サーバ装置104が有するWebアプリと連携することで実現される機能又は手段である。
【0129】
通信部31は、主にサーバ装置104と通信し、メンテナンススケジュール画面600の画面情報をサーバ装置104から受信し、メンテナンススケジュール画面600等に管理者が入力した情報をサーバ装置104に送信する。
【0130】
表示制御部32は、サーバ装置104から送信された画面情報を解析してディスプレイ440に後述するメンテナンススケジュール画面600等を表示する。
【0131】
操作受付部33は、メンテナンススケジュール画面600等に対する管理者又は一般ユーザーの操作及び入力を受け付ける。
【0132】
<<画像形成装置>>
次に、画像形成装置103の機能を説明する。画像形成装置103は、通信部41、表示制御部42、操作受付部43、定期メンテナンス生成部44、及び、判断部45を有している。画像形成装置103が有するこれらの機能は、画像形成装置103にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を操作表示部82又は制御装置423が有するCPUが実行することで実現される機能又は手段である。
【0133】
また、画像形成装置103は、メンテナンス情報記憶部4001を有する。この記憶部は、
図4に示した操作表示部82又は
図5に示した制御装置423が有するHDDやSSD等により実現可能である。
【0134】
通信部41はサーバ装置104側の通信部11と通信する。通信部41は例えば,ネットワークカード、など、TCP/IPで通信する通信インターフェース、又は、USBケーブルと通信を制御する通信プログラムなどで実現される。通信部41は、機器状態情報及び利用量情報をサーバ装置104に送信し、追加メンテナンスの実施推奨期間を受信し、メンテナンス情報記憶部4001に保存する。
【0135】
表示制御部42は、メンテナンス情報記憶部4001に記憶されている定期メンテナンスの実施推奨期間、及び、追加メンテナンスの実施推奨期間等をメンテナンススケジュール画面600に表示する。その他、表示制御部42は、追加メンテナンスの実施推奨期間の推奨日などを表示する。
【0136】
操作受付部43は、メンテナンススケジュール画面600等に対するユーザーの操作及び入力を受け付ける。
【0137】
定期メンテナンス生成部44は、定期メンテナンスの要否を判断し、必要である場合は、定期メンテナンスの実施推奨期間をメンテナンス情報記憶部4001に保存する。定期メンテナンス生成部44は、例えばカウンタ値に基づいて、一定枚数のカウンタ値ごとに定期メンテナンスが必要であると判断する。定期メンテナンス生成部44は、カウンタ値に応じて決まった定期メンテナンスを行うと判断する。定期メンテナンスの作業負荷や作業時間は小さいので、定期メンテナンス生成部44は、数時間、又は、日にち単位なら一日を定期メンテナンスの実施推奨期間に割り当てる。
【0138】
判断部45は、オペレータが画像形成装置103に所定の動作を行った場合、現在日が追加メンテナンスの実施推奨期間であるどうか判断する。追加メンテナンスの実施推奨期間である場合、表示制御部42が追加メンテナンスの実施推奨期間である旨を画像形成装置103のディスプレイ440に表示する。
【0139】
(メンテナンス情報記憶部4001)
次に、
図12を参照して、メンテナンス情報について説明する。画像形成装置103が有するメンテナンス情報はサーバ装置104から送信される追加メンテナンスと、画像形成装置103が生成した定期メンテナンスとがある。まず、これらについて説明する。
【0140】
図12(a)は、定期メンテナンス生成部44が生成した定期メンテナンス情報である。
図12(a)に示すように、当該画像形成装置103において生成した定期メンテナンスの予定が時系列に登録されている。定期メンテナンス情報は、メンテナンス名、診断日、予定日、オペレータ、及び作業時間の項目を有している。
【0141】
・メンテナンス名の項目は、定期メンテナンス生成部44がカウンタ値に応じて決定した定期メンテナンスの名称である。
【0142】
・診断日は、定期メンテナンス生成部44が、定期メンテナンスが必要であると判断した日にちである。診断日は、例えば2週間に一度、月曜日などの決まったタイミングでよい。診断の頻度はこれに限るものではない。また、メンテナンスの種類や対象とする箇所によって診断の頻度は異なっていてもよい。
【0143】
・予定日は、定期メンテナンス生成部44が、定期メンテナンスを実施すべき日にちの期限である。定期メンテナンスを実施すべき日にちとは、例えばカウンタ値が一定値に到達することが予測される日にちである。
【0144】
・オペレータの項目は、定期メンテナンスを実施するために必要なスキルを示す。オペレータは、定期メンテナンスの種類に応じて自動的に決定される。
【0145】
・作業時間は、当該メンテナンスの作業に要する期間である。定期メンテナンスの場合、作業時間はメンテナンスの内容で自動的に定まる。
【0146】
図12(b)は、サーバ装置104が送信した追加メンテナンスに関する追加メンテナンス情報である。メンテナンス名、オペレータ、及び作業時間の項目は、
図12(a)と同様でよい。
【0147】
・診断日は、メンテナンス決定部12が故障の予兆を検出した日にちである。
【0148】
・実施推奨期間の始期は、追加メンテナンスの実施推奨期間の始期である。実施推奨期間の始期は、例えば、診断日の次の営業日でよい。実施推奨期間の始期はサーバ装置104から送信される。
【0149】
・実施推奨期間の終期は、追加メンテナンスの実施推奨期間の終期である。実施推奨期間の終期は、例えば、実施推奨期間の始期に
図11(a)のメンテナンス期限を加えた日である。実施推奨期間の終期はサーバ装置104から送信される。
【0150】
したがって、画像形成装置103が有するメンテナンス情報記憶部4001には、
図12(a)(b)を統合したメンテナンス情報が保存されている。
図12(c)はメンテナンス情報記憶部4001が保存するメンテナンス情報の一例を示す。メンテナンス名、診断日、開始日、終了日、オペレータ、作業時間の項目は、
図12(a)又は(b)の各項目と対応する。すなわちメンテナンス名と診断日の項目は、
図12(a)又は(b)のメンテナンス名と診断日と同じである。開始日は
図12(b)の実施推奨期間の始期と対応する。終了日は
図12(b)の実施推奨期間の終期と対応する。オペレータと作業時間の項目は、
図12(a)又は(b)のオペレータと作業時間と同じである。
【0151】
・推奨日の項目は、推奨日提案部15が推奨日を提案する場合に設定される。
【0152】
・実施日の項目は、ユーザーが当該メンテナンスを実施し、実施済みボタンを押下した日にち(又は日時)が登録される。
【0153】
図13は、
図12(c)に示すメンテナンス情報記憶部4001に保存されているメンテナンス情報に基づいたメンテナンススケジュール画面600である。推奨日については省略した。
図12(c)の追加メンテナンスAに基づいて、追加メンテナンスの実施推奨期間612が表示されている。
図12(c)の定期メンテナンスRに基づいて、定期メンテナンスの実施推奨期間611が表示されている。
図12(c)の定期メンテナンスQに基づいて、定期メンテナンスの実施推奨期間613が表示されている。
【0154】
図12(c)の追加メンテナンスBに基づいて、追加メンテナンスの実施推奨期間612が表示されていないのは、オペレータがサービスマン(主に画像形成装置103の販売先と提携しているサービス会社の者であり、ユーザーから見て社外の者)だからである。つまり、メンテナンススケジュール画面600は、ユーザーが実施すべきメンテナンスの実施推奨期間のみ表示するので、実施するメンテナンスを判断しやすい。ただし、ユーザーが所定の操作を行うことでオペレータがサービスマンである追加メンテナンスが表示されてよい。この場合、オペレータがサービスマンであることが表示されることが好ましい。なお、サービスマンをカスタマーエンジニアという場合もある。
【0155】
<画面例>
図14~
図17を参照して、メンテナンススケジュールの表示例を説明する。なお、以下のメンテナンススケジュールは
図12(c)に示したものと同じではない。
【0156】
図14は、画像形成装置103が表示するメンテナンススケジュールの一例である。
図14のメンテナンススケジュールは月単位であり、カレンダー上に表示されている。切り替えボタン623により、メンテナンススケジュールは日単位、週単位、又は月単位で表示される。
【0157】
カレンダーには定期メンテナンスの実施推奨期間621と追加メンテナンスの実施推奨期間622が表示されている。定期メンテナンスの実施推奨期間621が二日間であるのに対し、追加メンテナンスの実施推奨期間622は七日間である。カレンダーでの追加メンテナンスの実施推奨期間の表示は、この七日間の全てに渡って、又は、毎日、追加メンテナンスが実施されることを示しているのではなく、ユーザーが追加メンテナンス(複数でもよい)を実施すべき期間を示す。
【0158】
カレンダーに表示される追加メンテナンスの実施推奨期間622は、追加メンテナンスに要する期間よりも長い。例えば、一日で終了する追加メンテナンスが必要であると予測された場合、追加メンテナンスの実施推奨期間622は、一日超である。つまり、1日と半日であってもよいし、数日間や、場合によって数週間になるようなケースもあってもよい。半日で終了する追加メンテナンスが必要であると予測された場合、追加メンテナンスの実施推奨期間622は、半日超である。一時間で終了する追加メンテナンスが必要であると予測された場合、追加メンテナンスの実施推奨期間622は、一時間超である。つまり、メンテナンススケジュール設定部14は、一時間で終了する追加メンテナンスに対して、二時間の追加メンテナンスの実施推奨期間622を設定したり、数日間の追加メンテナンスの実施推奨期間622を設定したりする。
【0159】
また、追加メンテナンスの実施推奨期間622は、定期メンテナンスの実施推奨期間621よりも長いことが好適である。こうすることで、追加メンテナンスの実施推奨期間622が、定期メンテナンスの実施推奨期間621と重複しやすくなり、ユーザーは定期メンテナンスの前又は後に追加メンテナンスを実施できる。また、画像形成装置103を用いた生産作業を阻害しにくいようにオペレータが追加メンテナンスを実施するタイミングを決定できる。
【0160】
図14の例では、診断日が3月7日、メンテナンス期限が1週間とする。このため、メンテナンススケジュール設定部14は、次の営業日である3月8日から3月14日までを追加メンテナンスの実施推奨期間622に設定した。定期メンテナンスは予め(追加メンテナンスとは独立に)3月10日と11日に設定されていた。
【0161】
追加メンテナンスの実施推奨期間622は定期メンテナンスの実施推奨期間621と重複することが好ましいが、定期メンテナンスの実施推奨期間621の直前、又は、定期メンテナンスの実施推奨期間621の直後でもよい。この場合、
図14の例では、3月10日の前日である3月9日と実施推奨期間の始期の8日、又は/及び、11日の後日である3月12日以降にのみ追加メンテナンスの実施推奨期間が設定される。
図17に示す週単位表示の場合も同様である。
【0162】
また、
図15に示すように、定期メンテナンスが登録済みの場合、メンテナンススケジュール設定部14は、直近の定期メンテナンスの実施推奨期間631と重複するように追加メンテナンスの実施推奨期間632を決定してもよい。
図15は、定期メンテナンスの実施推奨期間と重複するように決定された追加メンテナンスの実施推奨期間の一例を示す図である。診断日が2月28日、メンテナンス期限が1週間とする。しかし、定期メンテナンスが3月10日と11日に設定されていた。この場合、メンテナンススケジュール設定部14は、3月1日から3月7日までを追加メンテナンスの実施推奨期間632に設定するが、更にこれを延長し、3月10日と11日をカバーするように追加メンテナンスの実施推奨期間632を決定する。こうすることで、定期メンテナンスの前又は後にユーザーが追加メンテナンスを実施しやすくなる。故障の予兆が検出されてもメンテナンス期限の徒過で即座に故障することは少ないため、このような処理により、画像形成装置103を用いた生産作業を阻害しにくいようにオペレータが追加メンテナンスを実施することが容易になる。
【0163】
図16は、同様に、画像形成装置103が表示するメンテナンススケジュールの一例である。
図16では、定期メンテナンスの実施推奨期間641が一日であるが、
図14と同様に、定期メンテナンスと比べて実施すべき期間の幅が広い追加メンテナンスの実施推奨期間642が設定されている。定期メンテナンスが所定の日を実施の予定日とするのに対して、追加メンテナンスについて複数の日を含む所定の期間を実施の予定日として設定できる。
【0164】
なお、
図14,
図15、
図16のいずれにおいても、メンテナンス期限に基づいて、定期メンテナンスの全体に対し、追加メンテナンスの予定が一日以上、前から設定され(以下、前方猶予日という)、一日以上、後まで設定(以下、後方猶予日という)されている。しかし、追加メンテナンスの実施推奨期間と定期メンテナンスの実施推奨期間641とが重複した場合(
図14、
図16)、前方猶予日と後方猶予日は最短、一日でよい。同様に、メンテナンススケジュール設定部14が追加メンテナンスの実施推奨期間を定期メンテナンスの実施推奨期間641と重複して設定した(
図15)場合、前方猶予日と後方猶予日は最短、一日でよい。この場合、メンテナンス期限が1週間でも、メンテナンススケジュール設定部14は追加メンテナンスの実施推奨期間を短縮してよい。前方猶予日、及び後方猶予日は、例えば管理者が予め設定しておくことができる。
【0165】
なお、定期メンテナンスは、実施されるまで実施推奨期間が自動で延期して表示される。定期メンテナンスは、必須のメンテナンスだからである。追加メンテナンスは、実施されなくても実施推奨期間が延期されないか、又は、消去される。追加メンテナンスは再度、提案されるからである。
【0166】
次に、週単位又は日にち単位で追加メンテナンスの実施推奨期間が表示される場合を補足する。通常、定期メンテナンス及び追加メンテナンスは一日も要さない。つまり、日にち単位や週単位で追加メンテナンスが表示される場合、定期メンテナンスの予定時間よりも追加メンテナンスの予定時間の方が長ければよい。
【0167】
図17は、週単位のメンテナンススケジュール画面610の一例である。
図17では、3月1日の14:00から15:00に定期メンテナンスが設定されている。3月1日を含む所定期間が追加メンテナンスの実施推奨期間であるが、
図17では、3月1日に着目して説明する。
図14,
図16のように、追加メンテナンスの予定時間と定期メンテナンスの予定時間651とが重複したか、又は、
図15のように、メンテナンススケジュール設定部14が追加メンテナンスの予定時間を定期メンテナンスの予定時間651と重複して設定したものとする。
【0168】
週単位のメンテナンススケジュール画面610では14:00から15:00に定期メンテナンスの予定時間651が設定されている。メンテナンススケジュール設定部14は、追加メンテナンスに要する期間より長いか、又は、定期メンテナンスの予定時間651(14:00から15:00)よりも長い、追加メンテナンスの実施推奨期間652を決定する。例えば、定期メンテナンスが午前中又は午後なら、メンテナンススケジュール設定部14は、追加メンテナンスを午前の全体(9時~12時)、又は午後の全体(13時~18時)に決定する。あるいは、定期メンテナンスが一日のうち一部の時間帯で設定されていても、メンテナンススケジュール設定部14は、追加メンテナンスを一日全体に決定する。
【0169】
なお、週単位又は日にち単位においても、追加メンテナンスの実施推奨期間652は定期メンテナンスの予定時間651と重複することが好ましいが、定期メンテナンスの予定時間651の直前、又は、定期メンテナンスの予定時間651の直後でもよい。
【0170】
また、
図17では、週単位のメンテナンススケジュールを示したが、日にち単位のメンテナンススケジュールでも同様である。
【0171】
このように、表示制御部42は、月単位や週単位(日にち単位)など表示形式に合わせて追加メンテナンスの実施推奨期間(予定時間)を表示できる。ユーザーが月単位でメンテナンススケジュールを確認した場合、1日単位で追加メンテナンスの実施日を把握でき、週単位又は日にち単位でメンテナンススケジュールを確認した場合、時間単位で追加メンテナンスの実施タイミングを把握できる。
【0172】
<追加メンテナンスの実施推奨期間であることの表示>
図18~
図20に示すように、画像形成装置103は追加メンテナンスの実施推奨期間662であることを強調して表示するとよい。
図18~
図20は、追加メンテナンスの実施推奨期間662の経過に応じて変更される追加メンテナンスの実施推奨期間662の表示色を説明する図である。追加メンテナンスの実施推奨期間662が2月28日から3月6日であるとする。また、定期メンテナンスの実施推奨期間661は3月1日である。
【0173】
ユーザーが出勤して、画像形成装置103の電源をONすると、表示制御部42がメンテナンス情報記憶部4001からメンテナンス情報を読み出す。表示制御部42は、本日が追加メンテナンスの実施推奨期間の始期から何日経過したか、又は、追加メンテナンスの実施推奨期間の終期まで何日か、によって追加メンテナンスの実施推奨期間662の表示態様を変更する。
【0174】
図18では、現在日が2月28日である。
図19では、現在日が3月3日である。
図20では、現在日が3月5日である。このように、追加メンテナンスの実施推奨期間662が経過していく場合、表示制御部42は、追加メンテナンスの実施推奨期間662の表示態様を以下のように、変化させる。
・色を濃くする
・寒色系から黄色や赤などの暖色系に変化する
・点滅する(点滅が早くなる)
【0175】
こうすることで、ユーザーは現在日が追加メンテナンスの実施推奨期間662であり、追加メンテナンスの実施推奨期間662が徐々に経過していることに気づきやすくなる。
【0176】
ユーザーが前日の追加メンテナンスの実施推奨期間662の表示態様を覚えているとは限らない。そこで、ユーザーが出勤して、画像形成装置103の電源をONした直後、又は、
図18~
図20のメンテナンススケジュール画面600を表示させた直後、表示制御部42は、追加メンテナンスの実施推奨期間の始期から本日までの表示態様の変化を短時間のアニメーションで表示するとよい。ユーザーは表示態様の変化が大きい場合、追加メンテナンスの実施推奨期間の終期が迫っていることを視覚的に判断しやすくなる。
【0177】
また、本日が、追加メンテナンスの実施推奨期間の最終日である場合、表示制御部42は追加メンテナンスの実施推奨期間の最終日である旨をメンテナンススケジュール画面600にメッセージでポップアップ表示してもよい。通信部11が追加メンテナンスの実施推奨期間の最終日である旨をメールやSNS(Social Networking Service)等で管理者に通知してもよい。
【0178】
<追加メンテナンスの実施推奨期間である旨の通知>
ユーザーが定期メンテナンスを行っている際に、追加メンテナンスの実施推奨期間であることを思い出せば、定期メンテナンスの前又は後に、追加メンテナンスも実施でき、作業効率が向上する場合がある。そこで、ユーザーが定期メンテナンスに関連する所定の動作を画像形成装置103に対し行った場合、画像形成装置103が追加メンテナンスの実施推奨期間である旨を表示する。
【0179】
図21は、画像形成装置103の判断部45が追加メンテナンスの実施推奨期間である旨を出力するかどうかの判断を説明するフローチャート図である。
【0180】
ユーザーが例えば定期メンテナンスのため、画像形成装置103に対し所定の動作を指示する(S101)。所定の動作の指示には、例えば以下の例がある。
(i) 大量印刷指示
(ii) プルーフ印刷指示
(iii) (所定の)画質調整指示
(iv) ドアオープン
【0181】
上記(i)~(iii)の3つの指示ではいずれも該当の動作をユーザーが指示する前に、ユーザーが追加メンテナンスすることが好ましい。これは、追加メンテナンスの後で画像形成装置103の状態や印刷結果を確認すべきだからである。なお、プルーフ印刷とは、本印刷前に体裁、色彩の誤りや不具合を、あらかじめ修正することをいう。
【0182】
判断部45は、これらの所定の動作を検知した場合、未実施の追加メンテナンスがメンテナンス情報記憶部4001に記憶されているか否か判断する(S102)。ステップS102の判断がNoの場合、
図21の処理は終了する。
【0183】
ステップS102の判断がYesの場合、判断部45は、現在が追加メンテナンスの実施推奨期間内か否か判断する(S103)。ステップS103の判断がNoの場合、
図21の処理は終了する。
【0184】
ステップS103の判断がYesの場合、表示制御部42が、追加メンテナンスが設定されている旨(追加メンテナンス通知画面700)をディスプレイ440に表示する(S104)。表示例を
図22に示す。
【0185】
追加メンテナンス通知画面700において、ユーザーは対応方法を入力するので、操作受付部43がユーザーの入力を受け付ける。判断部45は、「今は無視」という項目が選択されたか否か判断する(S105)。
【0186】
ステップS105の判断がYesの場合、処理はステップS101に戻り、再度、同じ通知が行われる。
【0187】
ステップS105の判断がNoの場合、判断部45はユーザーが入力した対応方法に応じた処理を行うと判断する(S106)。すなわち、判断部45は、この追加メンテナンスについては再度、通知しないと判断するか、又は、追加メンテナンスの実施を受け付ける。
【0188】
図22は、画像形成装置103が表示する追加メンテナンス通知画面700を示す。追加メンテナンス通知画面700は、「追加メンテナンスの実施が推奨されている期間です。突発的な不具合を防ぐためにも、極力実施をお願い致します」というメッセージ701、リンク埋込情報702、チェックボックス703を有している。オペレータはメッセージ701により追加メンテナンスの予定があることを把握できる。
【0189】
また、オペレータがリンク埋込情報702(メンテナンス情報へ)を押下すると、追加メンテナンス通知画面700は例えばメンテナンススケジュール画面600に遷移し、オペレータは作業手順などを確認できる。オペレータは追加メンテナンスとして何をすればよいか確認できる。
【0190】
チェックボックス703は、それぞれ「今は無視(再度通知されます)」、「この通知は無視(今回のメンテナンスに関しては再度通知しません)」、「今実施する/すでに実施済み」という文字列に対応付けられている。
【0191】
・「今は無視(再度通知されます)」は、今回の所定の動作は無視され、定期メンテナンスを実施可能であるが、ステップS101から繰り返し実行されるので、次の所定の動作で再度、追加メンテナンス通知画面700が表示される選択肢である。
【0192】
・「この通知は無視(今回のメンテナンスに関しては再度通知しません)」は、同じ追加メンテナンスについては、通知しないようにする選択肢である。
【0193】
・「今実施する/すでに実施済み」は、ユーザーが追加メンテナンスを開始するための選択肢である。
【0194】
ユーザーは定期メンテナンスの状況に応じてどのチェックボックス703をチェックするか判断できる。
【0195】
なお、
図22の追加メンテナンス通知画面700を画像形成装置103が表示すると説明したが、端末装置101やDFE102等が表示してよい。
【0196】
<追加メンテナンスの推奨日の表示>
サーバ装置104は、画像形成装置103の利用履歴情報に基づいて、画像形成装置103の利用量が相対的に少ない日を追加メンテナンスの推奨日として画像形成装置103に提供する。
【0197】
図23は、利用量情報記憶部1004に保存された利用量情報を模式的に示す。
図23では、曜日ごとの利用量が棒グラフで示されている。曜日別の棒グラフは、利用量情報記憶部1004の利用量を曜日べつに合計した値を棒グラフにしたものである。また、
図23の棒グラフは説明のためのものであり、サーバ装置104や画像形成装置103等が表示してもしなくてよい。
【0198】
推奨日提案部15は、他の曜日に比べて相対的に印刷量が少ない上位2つの曜日(
図23では木曜日と金曜日)を推奨日として提案する。推奨日は1日だけでもよいし三日以上でもよく、各曜日の推奨度を番号で示してもよい。推奨日提案部15は通信部11を介して推奨日を画像形成装置103に送信する。推奨日はメンテナンス情報記憶部4001に保存される。
【0199】
また、曜日ごとに明確な(有意な)差が認められない場合、推奨日提案部15は推奨日を表示しない(有意な差がある場合のみ、推奨日を表示する)。また、ユーザーが推奨日の表示機能のオン、オフを手動で切り替えられてよい。また、ユーザーは、曜日別に推奨日の判断対象とするか否かを設定できる。例えば、土日(祝)は勤務日でない場合、ユーザーは、土日(祝)を推奨日の判断対象から除外する。
【0200】
図24は、メンテナンススケジュール画面600のカレンダーに表示された推奨日の一例を示す。
図24では、3月8日から14日までが追加メンテナンスの実施推奨期間672であるが、そのうち他の曜日に比べて相対的に印刷量が少ない木曜日と金曜日に推奨日マーク673が表示されている。ユーザーは推奨日マーク673により、比較的長い追加メンテナンスの実施推奨期間672のうち、追加メンテナンスを実施する日にちを決定しやすくなる。
【0201】
ユーザーが推奨日までに追加メンテナンスを実施しなかった場合、推奨日提案部15は、曜日ごとの印刷量に関係なく、推奨日を後ろにずらすとよい。例えば、本日が3月14日の場合、推奨日提案部15は、3月10日、11日の推奨日マーク673を削除し、3月14日に推奨日マーク673を表示する。こうすることで、ユーザーが推奨日に追加メンテナンスを実施することになり、次回から、当初の推奨日にユーザーが追加メンテナンスを実施することが期待できる。
【0202】
<メンテナンス実施後のメンテナンススケジュール画面>
メンテナンスが完了した後は、定期メンテナンス及び追加メンテナンスの違いに応じて、定期メンテナンスの予定を削除したり、追加メンテナンスの予定の表示態様を変更したりすることで、メンテナンスが完了したことが分かる。
【0203】
図25~
図28では、メンテナンス実施後の定期メンテナンスの実施推奨期間や追加メンテナンスの実施推奨期間がどのように表示されるかを説明する。まず、
図25に示すように、3月16日に定期メンテナンスの実施推奨期間681が表示されており、3月14日から21日まで追加メンテナンスの実施推奨期間682が表示されている。
【0204】
ユーザーが定期メンテナンスの実施推奨期間681又は追加メンテナンスの実施推奨期間682を押下すると、メンテナンススケジュール画面600の右側に作業手順欄680が表示される。作業手順欄680は、作業の順番を文字や画像で示す作業手順情報683を表示する。
図25では、4ステップの作業手順情報683が表示されているが、ステップ数はメンテナンスの種類によって様々でよい。1~3番目の各ステップには、手順ボタン684a~684cが表示される。ユーザーが手順ボタン684a~684cを押下すると、各ステップの作業の手順が文章、画像、音声、又はアニメーションなどを組み合わせて出力される。なお、手順ボタン684a~684cは、ステップの順番でのみ表示されるとよい。ユーザーが誤ってステップを飛ばして作業することを抑制できる。また、4番目のステップのように、ボタンを押下することがメンテナンス作業である場合もある。
4番目のステップはリセットボタン685を有し、ユーザーがリセットボタン685の押下で清掃カウンタをリセットすることができる。このように、ユーザーは、作業手順情報683を確認して、ボタン類を押下することで、メンテナンスに必要な作業を行う。作業手順情報683の作業をユーザーが全て実施完了すると、実施済みボタン686を押下する。これにより、メンテナンス情報記憶部4001に実施日が登録される。
【0205】
図26は、定期メンテナンスの実施の前後における定期メンテナンスの実施推奨期間の表示例を説明する図である。
図26(a)は定期メンテナンスの実施前に表示されるメンテナンススケジュール画面600であり、
図26(b)は定期メンテナンスが実施された後に表示されるメンテナンススケジュール画面600である。このように、定期メンテナンスが実施されると、メンテナンススケジュール画面600から定期メンテナンスの実施推奨期間691が削除される。
【0206】
図27は、追加メンテナンスの実施の前後における追加メンテナンスの表示態様の変化を説明する図である。
図27(a)は、追加メンテナンスの実施前に表示される追加メンテナンスの実施推奨期間692であり、
図27(b)は追加メンテナンスが実施された後に表示される追加メンテナンスの実施推奨期間692である。追加メンテナンスが実施されると、メンテナンススケジュール画面600から追加メンテナンスの実施推奨期間692が削除されないが、表示態様が変化する。例えば、追加メンテナンスの実施推奨期間692の色が変更され、実施済みである旨が表示される。
【0207】
このような違いは、定期メンテナンスについては、定期的に実施されるのが通常であるが、追加メンテナンスは、実施日が不定期なので、ユーザーが過去に行った追加メンテナンスの実施推奨期間を確認できるようにするためである。
【0208】
あるいは、
図28に示すように、画像形成装置103は、追加メンテナンスが実施された日にちにのみ、追加メンテナンスが実施済みである旨を表示してもよい。
図28(a)は
図27(a)と同じものであるが、
図28(b)は、追加メンテナンスが実施された3月10日にのみ(3月10日のみを残して)、追加メンテナンスが実施済みである旨693を表示されている。追加メンテナンスが実施済みである旨693も、
図28(a)の追加メンテナンスの実施推奨期間692に対し色が変更され、実施済みである旨が表示される。
【0209】
追加メンテナンスは、実施日が不定期だが、ユーザーが過去に行った追加メンテナンスの日にちを確認できる。
【0210】
<全体の動作又は処理>
次に、
図29を参照して、画像形成装置103とサーバ装置104が行う処理の流れを説明する。
図29は、画像形成装置103とサーバ装置104が通信し、画像形成装置103がメンテナンススケジュール画面600を表示する処理を説明するシーケンス図である。
【0211】
S1:画像形成装置103の通信部41は、例えば一日や一週間の決まった期間ごとの決まった日時に機器状態情報をサーバ装置104に送信する。通信部41は、不定期に機器状態情報をサーバ装置104に送信してもよい。
【0212】
S2:画像形成装置103の通信部41は、例えば一日や一週間の決まった期間ごとの決まった日時に機器利用情報をサーバ装置104に送信する。通信部41は、不定期に機器利用情報をサーバ装置104に送信してもよい。
【0213】
S3:サーバ装置104の通信部11は、機器状態情報及び機器利用情報を受信し、機器状態情報記憶部1001と利用量情報記憶部1004にそれぞれ保存する。
【0214】
S4:メンテナンス決定部12は、機器状態情報を受信したタイミングや、例えば一日や一週間の決まった日時に故障の予兆があるか否かを診断する。ここでは、故障の予兆が検出されたものとする。サーバ装置104のメンテナンススケジュール設定部14は、故障メンテナンス情報記憶部1005を参照し、故障種別に応じた追加メンテナンスの内容、メンテナンス期限(追加メンテナンスの実施推奨期間)、及び、オペレータ等を決定する。この処理の詳細は、
図30にて説明する。
【0215】
また、追加メンテナンスの実施推奨期間が決定されると、推奨日提案部15は推奨日を決定する。
【0216】
S5:サーバ装置104の通信部11は追加メンテナンス情報(追加メンテナンスの内容、メンテナンス期限(追加メンテナンスの実施推奨期間)、及び、オペレータ等)、推奨日を画像形成装置103に送信する。画像形成装置103の通信部41は追加メンテナンス情報と推奨日を受信し、メンテナンス情報記憶部4001に保存する。
【0217】
S6:また、画像形成装置103の定期メンテナンス生成部44は、例えば一日や一週間の決まった日時に定期メンテナンスを生成する必要があるか判断する。定期メンテナンス生成部44は、必要であれば定期メンテナンスを生成し、メンテナンス情報記憶部4001に保存する。
【0218】
S7:画像形成装置103の表示制御部42は、所定のタイミングでメンテナンススケジュールを表示する。所定のタイミングとしては、ユーザーがメンテナンススケジュールを表示する操作を入力した場合が多い。あるいは、新規の定期メンテナンスの実施推奨期間又は追加メンテナンスの実施推奨期間が登録された場合に自動的に表示制御部42がメンテナンススケジュールを表示してもよい。
【0219】
図30は、メンテナンススケジュール設定部14が追加メンテナンスの実施推奨期間を決定する手順を説明するフローチャート図である。
【0220】
メンテナンス決定部12が故障の予兆を検出した場合(S201)、メンテナンススケジュール設定部14は、予兆が検出された故障に対応する追加メンテナンスの内容、メンテナンス期限(追加メンテナンスの実施推奨期間)、及び、オペレータ等を、故障メンテナンス情報記憶部1005を参照して決定する(S202)。
【0221】
次に、メンテナンススケジュール設定部14は、診断日の次の営業日からメンテナンス期限までに定期メンテナンスがあるか否か判断する(S203)。例えば、メンテナンス期限が1週間の場合は定期メンテナンスがないと判断されやすく、メンテナンス期限が1ヶ月の場合は定期メンテナンスがあると判断されやすい。
【0222】
ステップS203の判断がNoの場合、メンテナンススケジュール設定部14はメンテナンス期限の一定期間の延長で定期メンテナンスと重複するか否か判断する(S204)。一定期間は、例えばメンテナンス期限の2倍程度である。こうすることで、メンテナンススケジュール設定部14が、故障が実際に発生するよりも前に追加メンテナンスの実施推奨期間を設定できる。
【0223】
ステップS204の判断がYesの場合、メンテナンススケジュール設定部14はメンテナンス期限を一定期間延長する(S205)。
【0224】
ステップS204の判断がNoの場合、メンテナンススケジュール設定部14は単に追加メンテナンスの実施推奨期間を決定する(S207)。この場合、定期メンテナンスとは重複しないで追加メンテナンスの実施推奨期間が決定される。
【0225】
ステップS203の判断がYesの場合、又は、ステップS205に続いて、メンテナンススケジュール設定部14は定期メンテナンスの実施推奨期間に応じて追加メンテナンスの実施推奨期間を調整する(S206)。この場合、定期メンテナンスと追加メンテナンスの実施推奨期間が重複しているので、メンテナンススケジュール設定部14は、前方猶予日や後方猶予日を定期メンテナンスの実施推奨期間に追加することで追加メンテナンスの実施推奨期間を決定する。必ずしも調整せずに、メンテナンス期限がそのまま追加メンテナンスの実施推奨期間として決定されてもよい。
【0226】
<メンテナンスの実施>
図31に示すように、拡張現実ヘッドセットを使用したメンテナンスが実施されてよい。
図31は、拡張現実ヘッドセットを使用したメンテナンス作業を模式的に説明する図である。まず、
図31(a)は拡張現実ヘッドセットの外観図である。拡張現実ヘッドセットは、ヘッドマウント・ディスプレイを使用して、コンピュータが作り出すイメージとサウンドを、現実世界の要素に重ね合わせて表示する表示装置の一種である。
【0227】
ユーザーがメンテナンススケジュール画面600などで実行するメンテナンスを選択する。メンテナンススケジュール画面600も拡張現実ヘッドセットに表示されてよい。選択方法は音声入力でもよいし、コントローラの押下やジェスチャー操作でもよい。
【0228】
拡張現実ヘッドセットを装着したユーザーには追加メンテナンスを支援する情報が次々と表示される。
図31(b)に示すように、ユーザーが画像形成装置103の扉を開けたことを拡張現実ヘッドセットがカメラで検知すると、扉内に配置された様々な部品の光景に重ねて、交換対象の部品751が表示される。ユーザーは交換対象の部品751の映像を見ながら扉内にある交換対象の部品を探す。交換対象の部品751は、スケジュールに登録されているメンテナンスの対象の部品であるので、画像形成装置103にとって既知である。また、メンテナンスされる部品は交換されなくてもよく、清掃や修理されてもよい。
【0229】
ユーザーが探すのと平行して(拡張現実ヘッドセットが見つける方が早くてもよい)、拡張現実ヘッドセットは扉内の光景をカメラで監視し、交換対象の部品を画像処理にて検出する。
図31(c)に示すように、交換対象の部品を検出できると拡張現実ヘッドセットは、実機の交換対象の部品を指し示す矢印752などを表示する。ユーザーが実機の交換対象の部品を取り出したことを拡張現実ヘッドセットがカメラで検出すると、
図31(d)に示すように、拡張現実ヘッドセットは追加メンテナンスの作業手順を動画753として表示する。ユーザーは動画753を見ながら手元の交換対象の部品をメンテナンスすることができる。
【0230】
このように、拡張現実ヘッドセットを使用することで、ユーザーが定期メンテナンスを実施しやすくなる。
【0231】
<印刷物の印刷予定に応じた追加メンテナンスの実施推奨日の提案>
例えば、印刷物の印刷予定や注文がスケジュールに登録されている場合、推奨日提案部15は、本実施形態で説明した追加メンテナンスの実施推奨期間のうち、印刷予定や注文がない又は少ない日といった実施推奨タイミングに追加メンテナンスのスケジュールを設定してもよい。さらに、このような実施推奨期間内の実施推奨タイミングが複数存在する場合には、端末装置101は、印刷量や注文量に応じて、又は、印刷ジョブの実施予定日時のない空き時間の長さなどに応じて、実施推奨タイミングの優先順位を提示してもよい。
【0232】
図32は、印刷予定や注文に応じて追加メンテナンスの実施推奨タイミングが表示されたメンテナンススケジュール画面600を示す。
図32(a)では、8日~14日が追加メンテナンスAの実施推奨期間である。また、
図32(b)は、印刷ジョブ情報記憶部1006に登録されている、画像形成装置103の印刷予定と連続した空き時間を示している。この印刷予定にはインターネットを経由した注文による印刷予定も含まれている。8日~14日の印刷予定のうち、画像形成装置103が空いている(印刷ジョブが実行されない)連続した空き時間の長さが分かっている。なお、12,13日は休日とする。
【0233】
推奨日提案部15は、以下のルールで推奨日の優先順位を決定する。
1.印刷予定のない日(複数ある場合は早い順)
2.印刷予定があるが空き時間がある日(複数ある場合は、連続した空き時間が長い順)
【0234】
図32(b)では14日に印刷予定がなく、9日の空き時間が8日の空き時間より長いので、推奨日提案部15は、「(1) 14日 (2) 9日 (3) 8日」という優先順位を決定する。画像形成装置103は、
図32(a)に示すように、日付に対応付けて追加メンテナンスの推奨日の優先順位711を表示する。こうすることで、ユーザーが追加メンテナンスを決定する日を絞り込みやすくなる。
【0235】
なお、同じ日に連続した空き時間が2つ以上ある場合、推奨日提案部15は、その旨を優先順位に添付し、端末装置101が表示してよい。例えば、端末装置101は、連続した空き時間が2つ以上ある日について、優先順位を表す数字の色を変えたり、数字を囲む図形の形状(図では円)を変えたりすることで、連続した空き時間が2つ以上あることを示す。
【0236】
<シェアリングプラットフォームにおける印刷ジョブの登録>
また、印刷のシェアリングプラットフォームなど、画像形成装置103を複数人数が共有する場合、印刷ジョブは画像形成装置103の空き時間に登録されるが、本実施形態においては定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間が準空き時間として認識されるようにしても良い。この場合、サーバ装置104は、印刷ジョブを設定したユーザーに、メンテナンスの推奨期間に該当するが、印刷ジョブを登録するかどうかの確認メッセージを送るようにすることもできる。逆に、サーバ装置104は、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間を使用禁止期間のように端末装置101に表示させて、印刷ジョブの登録を受け付けないようにしても良い。サーバ装置104は、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間をどのように端末装置101に表示させるかに関しては、権限のある管理者が設定できるようにしても良い。また、サーバ装置104は、頻度の多いユーザー設定から機械学習した設定についてリコメンド表示してもよい。
【0237】
図33は、ユーザーがシェアリングプラットフォームである画像形成装置103に印刷ジョブを設定する処理を説明するシーケンス図である。
【0238】
S11:端末装置101の通信部31は、ユーザーが指示した印刷ジョブの登録要求をサーバ装置104に送信する。
【0239】
S12:サーバ装置104の通信部11は印刷ジョブの登録要求を受信し、印刷ジョブ登録部16は印刷ジョブの完了に必要な時間を算出する。そして、印刷ジョブ登録部16は、印刷ジョブの完了に必要な時間より大きい空き時間であって、現在に最も近い空き時間が定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間か判断する。なお、印刷ジョブ登録部16は、印刷ジョブ情報記憶部1006に基づいて、最も近い空き時間を決定し、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間か判断する。
【0240】
S13:最も近い空き時間が定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間でない場合、印刷ジョブ登録部16は、最も近い空き時間に印刷ジョブを登録する。
【0241】
S14:サーバ装置104の通信部11は、実行予定日時と共に印刷ジョブを登録した旨を端末装置101に送信する。端末装置101の表示制御部32は実行予定日時と印刷ジョブを登録した旨を表示する。
【0242】
S15:最も近い空き時間が定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間である場合、印刷ジョブ登録部16は、最も近い空き時間が予定日又は実施推奨期間である旨、及び、予定日又は実施推奨期間でない最も近い空き時間を端末装置101に送信する。
【0243】
S16:端末装置101の通信部31はこれらを受信し、表示制御部32が、最も近い空き時間が定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間である旨を確認画面に表示する。
図34は確認画面の表示例を示す。
【0244】
S17:ユーザーは確認画面を見て、強制設定(はいボタン)又は承諾(いいえボタン)を入力する。強制設定とは、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間に印刷ジョブを設定することをいい、承諾は予定日又は実施推奨期間でない最も近い空き時間に印刷ジョブを設定することをいう。なお、強制設定については割増料金が加算されてもよい。
【0245】
S18:端末装置101の操作受付部33が入力を受け付け、通信部11は、ユーザーの入力に応じて、最も近い空き時間、又は、予定日・実施推奨期間でない最も近い空き時間への印刷ジョブの登録要求をサーバ装置104に送信する。
【0246】
S19:サーバ装置104の通信部11は登録要求を受信し、印刷ジョブ登録部16は、最も近い空き時間、又は、予定日・実施推奨期間でない空き時間に印刷ジョブを登録する。
【0247】
S20:サーバ装置104の通信部11は、実行予定日時と共に印刷ジョブを登録した旨を端末装置101に送信する。端末装置101の表示制御部32は実行予定日時と印刷ジョブを登録した旨を表示する。
【0248】
図34は、端末装置101が表示する確認画面720の一例である。確認画面720は、「最も近い空き時間はメンテナンスの推奨期間に該当します。料金が高くなりますが印刷ジョブを登録しますか。メンテナンスの推奨期間でない最も近い空き時間は○月×日13時です。」というメッセージ721、はいボタン722、及び、いいえボタン723を有している。はいボタン722が強制設定に対応し、いいえボタン723が承諾に対応する。ユーザーは割増料金や推奨期間でない最も近い空き時間を勘案して、はいボタン722又はいいえボタン723を選択できる。割増料金はユーザーに取って既知か又は確認画面720に表示される。
【0249】
なお、予め登録されているユーザーの属性に応じて、印刷ジョブ登録部16が、最も近い空き時間、又は、予定日・実施推奨期間でない空き時間に印刷ジョブを登録してもよい。例えば、プレミアム会員のユーザーの場合、印刷ジョブ登録部16は、メンテナンスの推奨期間と重なっている最も近い空き時間に印刷ジョブを設定でき、一般ユーザーの場合、
図34の確認画面720を表示させる。
【0250】
また、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間が使用禁止期間として一切の印刷ジョブの登録が禁止される場合、印刷ジョブ登録部16は、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間を除いて最も近い空き時間に印刷ジョブを登録する。その際、サーバ装置104は定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間のため、実行予定日時が遅くなったことをユーザーに通知するとよい。
【0251】
<<使用禁止期間の表示>>
ユーザーが印刷ジョブの実施予定日時を選択して登録できるシステムの場合、サーバ装置104は、定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間を使用禁止期間として端末装置101に通知し、ユーザーからの印刷ジョブを受け付けない。
【0252】
図35は、端末装置101が表示する印刷ジョブ登録画面730を示す。印刷ジョブ登録画面730には、登録済みの印刷ジョブのスケジュールが表示されている。印刷ジョブ登録画面730は、登録済みの印刷ジョブの時間帯、空き時間、及び、追加メンテナンスの実施推奨期間(定期メンテナンスの予定日も含む)を色分けして表示している。ユーザーは空き時間をマウスでクリックすることで印刷ジョブを実施する時間を指定できる。
【0253】
また、追加メンテナンスと同じ時間帯は、色分けだけでなく半輝度で表示されることが好ましく、ユーザーが追加メンテナンスと同じ時間帯をクリックしても操作受付部33が受け付けない。つまり、ユーザーは、追加メンテナンスと同じ時間帯に印刷ジョブを実施する時間を指定できない。ユーザーが追加メンテナンスと同じ時間帯をクリックしたり、マウスオーバーしたりすると、印刷ジョブ受付禁止期間と表示されることが好ましい。これにより、ユーザーは印刷ジョブ受付禁止期間を避けて印刷ジョブを登録できる。また、印刷ジョブ登録画面730は、ユーザーが追加メンテナンスと同じ時間帯をクリックしたり、マウスオーバーしたりした場合に、割増料金の支払いで印刷ジョブを登録できる旨を表示してもよい。
【0254】
<<機械学習の利用>>
図33のシーケンス図の処理において、最も近い空き時間が定期メンテナンスの予定日又は追加メンテナンスの実施推奨期間である場合に、ユーザーが実際に印刷ジョブを登録した実行予定日時(教師データ)と、実施推奨期間でない最も近い空き時間までの時間間隔(入力データ)との対応を機械学習しモデルを作成してもよい。このモデルに実際の時間間隔が入力されると、モデルはユーザーが設定する可能性が高い実行予定日時を出力する。印刷ジョブ登録部16は、モデルに実施推奨期間でない最も近い空き時間までの時間間隔を入力し、ユーザーが実際に印刷ジョブを登録する可能性が高い実行予定日時をユーザーに提案する。この場合、割増料金が発生しても、ユーザーが設定する可能性が高い実施予定日時をモデルが提案できる。
【0255】
<画像形成装置以外の機器の補足>
次に、
図36~
図38を参照して、いくつかの機器の構成について補足して説明する。以下では、機器として自動車などを塗装する液体吐出装置及び3Dプリンタについて説明する。
【0256】
<<液体吐出装置>>
図36は、液体吐出装置の全体概略図である。ここに例示した液体吐出装置は、自動車の車体などを塗装する塗装ロボットである。なお、各図において、互いに交差する3方向であるX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を示す矢印を図示する場合がある。X軸方向は、例えば塗装対象物である車体の前後方向に沿う。Y軸方向は車体の幅方向に沿う。Z軸方向は上下方向に沿う。
【0257】
図36に示すように、塗装ロボット1000は、自動車の車体側面などの対象物1200に対向して設置されている。塗装ロボット1000は、ベース1100、第1アーム1101、第2アーム1102、及びヘッドユニット1103を備える。第1アーム1101は、ベース1100に連結されている。第2アーム1102は、第1アーム1101に連結されている。ヘッドユニット1103は、第2アーム1102に連結されている。
【0258】
塗装ロボット1000は、第1ジョイント1104、第2ジョイント1105、及び第3ジョイント1106を備える。第1ジョイント1104は、ベース1100と第1アーム1101とを連結する。第2ジョイント1105は、第1アーム1101と第2アーム1102とを連結する。第3ジョイント1106は、第2アーム1102とヘッドユニット1103とを連結する。
【0259】
塗装ロボット1000は、例えば多関節ロボットである。ベース1100はZ軸方向に延びる軸を回転軸として、a方向に旋回可能である。ベース1100は、第1ジョイント1104を介して第1アーム1101の一端部を支持する。
【0260】
第1アーム1101は、X-Y面に平行な軸を回転軸として、b方向に旋回可能である。第1アーム1101の他端部は、第2ジョイント1105を介して第2アーム1102の一端部に支持する。第2アーム1102は、X-Y面に平行な軸を回転軸として、c方向に揺動可能である。また、第2アーム1102は、第2アーム1102の長手方向に延在する軸を回転軸として、d方向に回転可能である。
【0261】
第2アーム1102の他端部は、第3ジョイント1106を介してヘッドユニット1103を支持する。ヘッドユニット1103は、第2アーム1102の長手方向と交差する方向に延在する軸を回転軸として、e方向に回転可能である。また、ヘッドユニット1103は、ヘッドユニット1103と第3ジョイント1106とが離間する方向に延在する軸を回転軸として、f方向に回転可能である。
【0262】
塗装ロボット1000は、対象物1200に対してヘッドユニット1103を自由に動かすことができる。塗装ロボット1000は、対象物1200に対してヘッドユニット1103を正確に配置できる。塗装ロボット1000は、塗装する位置に対して正確にヘッドユニット1103を配置できる。塗装ロボット1000は、対象物1200に向けて塗料を吐出し、対象物1200を塗装する。
【0263】
なお、本実施形態では、塗装ロボット1000を、対象物1200を挟んで両側に1台ずつ配置したシステム構成を例示したが、塗装ロボット1000は、対象物1200を挟んで両側に配置されるもの限定されない。塗装ロボット1000の設置台数は、対象物1200に対して1台でもよく、3台以上でもよい。
【0264】
<<3Dプリンタ>>
3Dプリンタとは、三次元的な形状データをもとにして、三次元の物体をつくりだすことができる機器である。3Dプリンタは、積層造形装置、付加製造装置、AM(Additive Manufacturing)装置、AMマシンとも呼ばれる。3Dプリンタは、「立体印刷機」と呼ばれてもよい。3Dプリンタの造形方法としては、主に、液状の樹脂を塗布して紫外線などを照射し少しずつ硬化させていくインクジェット方式、熱で融解した樹脂を少しずつ積み重ねていくFDM方式(Fused Deposition Modeling)、粉末の樹脂に接着剤を吹きつけていく粉末固着方式などの造形方法があるが、造形方法は問わない。以下では、一例として、FDM方式の3Dプリンタを説明する。
【0265】
図37は、3Dプリンタのハードウェア構成例を示す概略図である。例えば、3Dプリンタ2000は、図示するように、本体フレーム2120の内部に、チャンバー2103を備える。そして、チャンバー2103の内部は、3次元に造形物を造形するための処理空間となる。また、その処理空間内、すなわち、チャンバー2103の内部には、載置台として、ステージ2104が設けられる。この例では、ステージ2104上に、造形物が製造される。
【0266】
チャンバー2103の内部において、ステージ2104の上方には、造形手段としての造形ヘッド2110が設けられる。また、造形ヘッド2110は、その下方に、フィラメントを吐出する吐出ノズル2115を有する。なお、本実施形態では、造形ヘッド2110上に4つの吐出ノズル2115が設けられているが、吐出ノズル2115の数は、任意である。また、造形ヘッド2110には、各吐出ノズル2115に供給されるフィラメントを加熱するヘッド加熱装置2114が設けられる。このように、3Dプリンタは、予め保持されるフィラメントを用いて、造形物を製造する。
【0267】
また、本体フレーム2120の内部は、装置内冷却装置2108によって、温度が調整される。
【0268】
フィラメントは、例えば、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)樹脂又はPLA(polylactic acid)樹脂等の材料である。また、フィラメントは、熱可塑性である。したがって、フィラメントは、3Dプリンタから吐出される際には、加熱され、高温である。吐出後、フィラメントは、空冷等によって冷却されると、固まる。このような性質を利用して、3Dプリンタは、フィラメントを吐出して造形物を製造する。
【0269】
フィラメントは、例えば、細長いワイヤ形状である。そして、フィラメントは、巻き回された状態等で、3Dプリンタ2000にセットされる。更に、フィラメント供給装置2106によって、フィラメントは、造形ヘッド2110上が有する各吐出ノズル2115へそれぞれ供給される。
【0270】
造形ヘッド2110は、X軸駆動機構2101によって、X軸方向に移動する。例えば、X軸駆動機構2101は、アクチュエータ、機構、電源及び電子回路等である。
【0271】
同様に、造形ヘッド2110は、Y軸駆動機構2102によって、Y軸方向に移動する。例えば、Y軸駆動機構2102は、アクチュエータ、機構、電源及び電子回路等である。更に、造形ヘッド2110は、Z軸駆動機構2123によって、Z軸方向に移動する。例えば、Z軸駆動機構2123は、アクチュエータ、機構、電源及び電子回路等である。
【0272】
図示する例では、制御装置2100が、X軸駆動機構2101、Y軸駆動機構2102及びZ軸駆動機構2123に対して、位置を指令し、各機構は、制御装置2100からの指令に基づいて、指令された位置にステージ2104を移動させる。制御装置2100は、各装置を制御する。
【0273】
また、図示するように、3Dプリンタ2000は、ステージ2104及びステージ2104上にある造形物を加熱できるステージ加熱装置2105を有するのが望ましい。ステージ加熱装置2105は、例えば、ヒータ等である。
【0274】
チャンバー2103の内部(処理空間)に、チャンバー2103内を加熱する加熱手段として、チャンバー用ヒータ2107が設けられる。そして、チャンバー用ヒータ2107によって、チャンバー2103内の温度が目標温度に維持された状態で、3Dプリンタ2000は、製造を行うのが望ましい。
【0275】
なお、フィラメントは、吐出ノズル2115ごとに異なる種類であってもよいし、同じ種類でもよい。また、本実施形態において、3Dプリンタ2000は、フィラメント供給装置2106により供給されるフィラメントをヘッド加熱装置2114で加熱溶融する。次に、3Dプリンタ2000は、溶融状態となったフィラメントを吐出ノズル2115から押し出して、吐出する。そして、3Dプリンタ2000は、吐出によって、ステージ2104上にフィラメントで形成される各層を積層して、造形物を製造する。
【0276】
なお、3Dプリンタ2000は、サポート材を用いる装置でもよい。すなわち、吐出ノズル2115には、サポート材が供給される場合がある。また、サポート材は、フィラメントとは異なる材料であってもよい。そして、サポート材は、製造後、フィラメントで形成された造形物から除去される。例えば、サポート材は、まず、フィラメントと同様に、ヘッド加熱装置2114で加熱溶融される。次に、溶融状態となったサポート材は、吐出ノズル2115から押し出されるように吐出され、フィラメントと同様に、積層される。
【0277】
更に、図示するように、3Dプリンタ2000は、ステージ2104上に設置されるシートSHを吸引できる構成であるのが望ましい。例えば、図示するように、シートSHは、チューブTU及び吸引装置2130によって、センサSENが検出する状態に基づいて、吸引される。
【0278】
更にまた、図示するように、3Dプリンタ2000は、ノズル清掃装置2109を有するのが望ましい。ノズル清掃装置2109は、吐出ノズル2115を清掃し、吐出されるフィラメントに不純物等が混ざらないようにする。
【0279】
ゆえに、3Dプリンタ2000は、製造を開始する前に、予めチャンバー2103内の温度を目標温度まで昇温させる予熱処理を行う。例えば、チャンバー用ヒータ2107は、予熱処理中、チャンバー2103内を目標温度付近まで昇温させるために、チャンバー2103内を加熱する。一方で、製造中、チャンバー用ヒータ2107は、チャンバー2103内の温度を目標温度付近に維持するために、チャンバー2103内を加熱する。なお、チャンバー用ヒータ2107の動作は、制御装置2100によって制御される。
【0280】
なお、3Dプリンタ2000は、図示するハードウェア構成に限られない。例えば、制御装置2100等は、複数あるハードウェア構成等でもよい。一方で、例えば、3Dプリンタ2000は、吸引装置2130等がないハードウェア構成等でもよい。
【0281】
図38は、制御装置2100が有するディスプレイに表示された進捗状況画面2601の一例を示す図である。
図38の進捗状況画面2601では、上限高さ情報Mh(符号2603)に加え実際高さhx(符号2604)が表示されている。
【0282】
ユーザーは3Dモデルの実際高さhxと造形物の現在の高さHを比較して、印刷の進捗を把握することができる。また、3Dアプリで表示する3Dモデルと3Dプリンタ2000の仮想空間に配置された3Dモデルの向きが変わるような場合に、ユーザーは3Dモデルの実際の高さを把握していなくてもよくなる。
【0283】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態のメンテナンス管理システム1は、故障の予兆が検出された場合に追加される追加メンテナンスについて、実施すべき期間の幅を追加メンテナンスに要する期間、又は、定期メンテナンスの実施推奨期間601の少なくとも一方より広い。これにより、機器を用いた生産作業を阻害しにくいようにユーザーがメンテナンスを実施するタイミングを決定できる。
【0284】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0285】
また、本実施形態では、画像形成装置103が定期メンテナンスの実施推奨期間を決定したが、サーバ装置104が定期メンテナンスの実施推奨期間を決定してもよい。また、本実施形態では、サーバ装置104が追加メンテナンスの実施推奨期間を決定したが、画像形成装置103が追加メンテナンスの実施推奨期間を決定してもよい。
【0286】
また、本実施形態では画像形成装置103がネイティブアプリを実行し、メンテナンススケジュールを表示したが、画像形成装置103が汎用的なWebブラウザを使用してメンテナンススケジュールを表示してもよい。この場合、サーバ装置104がメンテナンススケジュールの画面を作成する。
【0287】
また、
図7などの構成例は、サーバ装置104、及び、画像形成装置103による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。サーバ装置104、及び、画像形成装置103の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0288】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、DFE102は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0289】
更に、サーバ装置104は、開示された処理ステップ、例えば
図29、
図30の処理を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、サーバ装置104が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、サーバ装置104は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0290】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0291】
本出願は、2022年8月1日に日本国特許庁に出願した特願2022-122832号、及び、2023年3月27日に日本国特許庁に出願した特願2023-050516号に基づく優先権を主張するものであり、特願2022-122832号及び特願2023-050516号の全内容を本出願に援用する。
【0292】
<請求項に関する付記>
[請求項1]
第一のメンテナンスと、第一のメンテナンスよりメンテナンス実施の優先度が低い第二のメンテナンスとの実施推奨期間を表示させるメンテナンス管理システムであって、
前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、前記第二のメンテナンスに要する時間よりも長く設定するメンテナンススケジュール設定部と、
前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間とを含むメンテナンススケジュールを表示させる表示制御部と、
を有するメンテナンス管理システム。
[請求項2]
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間よりも長い、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を設定することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項3]
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間と重複するように、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を設定することを特徴とする請求項2に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項4]
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間の前、又は、後に継続して前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を設定することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項5]
前記メンテナンススケジュール設定部は、月単位のカレンダーにおいて前記第一のメンテナンスが表示される日にちよりも長い複数の日を、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間として設定することを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項6]
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第二のメンテナンスの種別に対応付けられたメンテナンス期限までに、前記第一のメンテナンスの実施推奨期間が存在しない場合、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を延長することを特徴とする請求項3に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項7]
前記メンテナンススケジュール設定部は、週単位又は日にち単位のメンテナンススケジュールにおいて、前記第一のメンテナンスが表示される期間よりも長い期間を、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間として設定することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項8]
前記表示制御部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間の経過に応じて、前記月単位のカレンダーにおいて前記第二のメンテナンスの実施推奨期間の表示色を変化させることを特徴とする請求項5に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項9]
前記表示制御部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間において、機器に対する第一のメンテナンスのための所定の動作が検出された場合、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間が設定されている旨を表示することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項10]
前記表示制御部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間が設定されている旨と共に、前記第二のメンテナンスの作業手順を表示するためのリンクを表示することを特徴とする請求項9に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項11]
メンテナンスの対象の機器の曜日ごとの利用量情報を用いて、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間における前記機器の利用量が相対的に少ない推奨日を決定する推奨日提案部を有し、
前記表示制御部は、前記推奨日提案部が提案した前記推奨日を前記第二のメンテナンスの実施推奨期間と共に表示することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項12]
前記表示制御部が実施推奨期間を表示した前記第一のメンテナンス、又は、前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付ける操作受付部を更に有し、
前記表示制御部は、前記第一のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第一のメンテナンスの実施推奨期間をメンテナンススケジュールから消去し、
前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第二のメンテナンスの実施推奨期間の表示態様を、実施完了の前に対し変更することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項13]
前記表示制御部が実施推奨期間を表示した前記第一のメンテナンス、又は、前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付ける操作受付部を更に有し、
前記表示制御部は、前記第一のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第一のメンテナンスの実施推奨期間をメンテナンススケジュールから消去し、
前記第二のメンテナンスの実施完了を受け付けた場合、当該第二のメンテナンスが実施された日にちのみを残して、当該第二のメンテナンスの実施推奨期間をメンテナンススケジュールから消去することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項14]
前記メンテナンススケジュール設定部は、前記第二のメンテナンスの種別に対応付けられたオペレータに基づいて、前記第二のメンテナンスを実行できる前記オペレータを決定し、
前記表示制御部は、前記オペレータが社外の者である場合、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間を、メンテナンススケジュールに表示しないことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項15]
前記第一のメンテナンスは、機器のカウンタ値に基づいて設定される定期メンテナンスであることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項16]
前記第二のメンテナンスは、機器の機器状態情報を故障予測モデルに入力して検出される故障の予兆に対処するための追加メンテナンスであることを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項17]
機器は、用紙に画像を形成する画像形成装置、三次元的な形状データをもとにして、三次元の物体をつくりだすことができる機器、又は、液体吐出装置であることを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項18]
前記推奨日提案部は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間において、印刷予定がない日、及び、印刷予定があるが空き時間が多い日に基づいて、前記推奨日の優先順位を決定し、
前記表示制御部は、前記推奨日提案部が提案した前記推奨日の優先順位を前記第二のメンテナンスの実施推奨期間と共に表示することを特徴とする請求項11に記載のメンテナンス管理システム。
[請求項19]
ユーザーが操作する端末装置から印刷ジョブの登録を受け付ける印刷ジョブ登録部を有し、
前記印刷ジョブ登録部は、印刷ジョブが登録されていない空き時間のうち、最も近い空き時間が前記第二のメンテナンスの実施推奨期間である場合、前記最も近い空き時間、又は、前記第二のメンテナンスの実施推奨期間でない最も近い空き時間のどちらに登録するかを前記端末装置に問い合わせることを特徴とする請求項11に記載のメンテナンス管理システム。
【符号の説明】
【0293】
101 端末装置
102 DFE
103 画像形成装置
104 サーバ装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0294】