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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020433
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】光学計測のための高輝度の照明源
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/48 20060101AFI20240206BHJP
   G02B 27/18 20060101ALI20240206BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20240206BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G02B27/48
G02B27/18 Z
G01B11/30 A
G01N21/84 E
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194995
(22)【出願日】2023-11-16
(62)【分割の表示】P 2021561843の分割
【原出願日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】62/836,254
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/430,861
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
(72)【発明者】
【氏名】ヒル アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】バーカー オハド
(72)【発明者】
【氏名】アブラモヴ アビ
(57)【要約】
【課題】効率的な高輝度の照明をもたらすためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】照明源102が、2つ以上の入力光源と、収集器と、ビーム均一化器110、スペックル低減器108、または、選択された照明エタンデュをもたらすための任意の数の出力ファイバの任意の組み合わせとを含む。収集器は、2つ以上の入力光源からの照明を照明ビーム104へと組み合わせるための1つ以上のレンズを含み、2つ以上の入力光源からの照明が収集器の入力開口における異なる部分を占有する。ビーム均一化器110は、照明ビーム104を受けるための第1の非円形コアファイバと、第2の非円形コアファイバと、均一な近視野分布および遠視野分布を伴う出力光をもたらすために、第1の非円形コアファイバからの照明ビーム104の遠視野分布を、第2の非円形コアファイバの入力面に中継するための1つ以上の結合レンズとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の入力光源と、
前記2つ以上の入力光源からの照明を照明ビームへと組み合わせるための1つ以上のレンズを含む収集器であって、前記2つ以上の入力光源からの前記照明が前記収集器の入力開口における異なる部分を占有する、収集器と、
異なるエタンデュを有する2つ以上の出力ファイバと、
選択されたエタンデュにおける前記照明ビームをもたらすために、前記2つ以上の出力ファイバのうちの選択された出力ファイバ内へと前記照明ビームを選択的に結合するように構成されるファイバ結合器と
を含む照明源。
【請求項2】
請求項1に記載の照明源であって、前記2つ以上の出力ファイバのうちの少なくとも1つが、
ビーム均一化器
を含み、前記ビーム均一化器は、
前記ファイバ結合器からの前記照明ビームを受ける第1の非円形コアファイバと、
第2の非円形コアファイバと、
前記第1の非円形コアファイバからの前記照明ビームの遠視野分布を、前記第2の非円形コアファイバの入力面に中継するための1つ以上の結合レンズであって、前記第2の非円形コアファイバからの前記照明ビームの近視野出力分布および遠視野出力分布が、選択された許容範囲の中で均一である、1つ以上の結合レンズと
を含む照明源。
【請求項3】
請求項2に記載の照明源であって、前記第1の非円形コアファイバ、および、前記第2の非円形コアファイバは、共通コアサイズを有する照明源。
【請求項4】
請求項1に記載の照明源であって、前記2つ以上の入力光源のうちの少なくとも1つが、
コヒーレント光源
を含む照明源。
【請求項5】
請求項4に記載の照明源であって、前記コヒーレント光源は、
レーザ源
を含む照明源。
【請求項6】
請求項5に記載の照明源であって、前記レーザ源は、
超連続体レーザ源
を含む照明源。
【請求項7】
請求項4に記載の照明源であって、
前記照明ビームにおけるスペックルを減ずるために、選択された時間枠の中で前記照明ビームの複数の非相関化された分布を生成するための、少なくとも1つの位相変動する光学要素を含むスペックル低減器
をさらに含む照明源。
【請求項8】
請求項7に記載の照明源であって、前記スペックル低減器は、
可動な拡散器
を含む照明源。
【請求項9】
請求項7に記載の照明源であって、前記スペックル低減器は、
前記選択された出力ファイバの入力面上の前記照明ビームの位置を変動させるように構成される運動可能な鏡
を含む照明源。
【請求項10】
請求項9に記載の照明源であって、前記運動可能な鏡は、前記選択された出力ファイバの入力面にわたって前記照明ビームをオーバー走査する照明源。
【請求項11】
請求項1に記載の照明源であって、前記2つ以上の入力光源のうちの少なくとも1つが、
インコヒーレント光源
を含む照明源。
【請求項12】
請求項11に記載の照明源であって、前記インコヒーレント光源は、
レーザ維持プラズマ源またはランプ源のうちの少なくとも1つ
を含む照明源。
【請求項13】
請求項1に記載の照明源であって、
可変スペクトルフィルタまたは可変強度フィルタのうちの少なくとも1つ
をさらに含む照明源。
【請求項14】
請求項1に記載の照明源であって、
少なくとも1つの可変エッジフィルタ
をさらに含む照明源。
【請求項15】
請求項1に記載の照明源であって、
ビーム均一化器
をさらに含み、前記ビーム均一化器は、
前記収集器からの前記照明ビームを受ける第1の非円形コアファイバと、
第2の非円形コアファイバと、
前記第1の非円形コアファイバからの前記照明ビームの遠視野分布を、前記第2の非円形コアファイバの入力面に中継するための1つ以上の結合レンズであって、前記第2の非円形コアファイバからの前記照明ビームの近視野出力分布および遠視野出力分布が、選択された許容範囲の中で均一であり、前記ファイバ結合器が、前記ビーム均一化器からの前記照明ビームを受ける、1つ以上の結合レンズと
を含む照明源。
【請求項16】
2つ以上の入力光源と、
前記2つ以上の入力光源からの照明を照明ビームへと組み合わせるための1つ以上のレンズを含む収集器であって、前記2つ以上の入力光源からの前記照明が前記収集器の入力開口における異なる部分を占有する、収集器と、
前記照明ビームを試料に方向設定するための1つ以上の照明光学部品と、
前記照明ビームに応答して前記試料によって放出される放射を検出器に方向設定するための1つ以上の収集光学部品と
を含む計測システム。
【請求項17】
請求項16に記載の計測システムであって、前記収集器は、前記2つ以上の入力光源からの照明を共通エタンデュへと組み合わせる計測システム。
【請求項18】
請求項16に記載の計測システムであって、
異なるコアサイズを有する2つ以上の出力ファイバと、
選択されたエタンデュにおける前記照明ビームをもたらすために、前記2つ以上の出力ファイバのうちの選択された出力ファイバ内へと前記照明ビームを選択的に結合するように構成されるファイバ結合器と
をさらに含む計測システム。
【請求項19】
請求項16に記載の計測システムであって、照明源は、
前記2つ以上の入力光源からの照明を平行化するための2つ以上の平行化レンズであって、前記収集器が、前記2つ以上の平行化レンズから、前記2つ以上の入力光源からの照明を受ける、2つ以上の平行化レンズ
をさらに含む計測システム。
【請求項20】
請求項16に記載の計測システムであって、
ビーム均一化器
をさらに含み、前記ビーム均一化器は、
前記収集器からの前記照明ビームを受ける第1の非円形コアファイバと、
第2の非円形コアファイバと、
前記第1の非円形コアファイバからの前記照明ビームの遠視野分布を、前記第2の非円形コアファイバの入力面に中継するための1つ以上の結合レンズであって、前記第2の非円形コアファイバからの前記照明ビームの近視野出力分布および遠視野出力分布が、選択された許容範囲の中で均一であり、前記1つ以上の照明光学部品が、前記ビーム均一化器からの前記照明ビームを受ける、1つ以上の結合レンズと
を含む計測システム。
【請求項21】
請求項16に記載の計測システムであって、前記2つ以上の入力光源のうちの少なくとも1つが、
コヒーレント光源
を含む計測システム。
【請求項22】
請求項21に記載の計測システムであって、前記コヒーレント光源は、
レーザ源
を含む計測システム。
【請求項23】
請求項22に記載の計測システムであって、前記レーザ源は、
超連続体レーザ源
を含む計測システム。
【請求項24】
請求項21に記載の計測システムであって、
前記照明ビームにおけるスペックルを減ずるために、選択された時間枠の中で前記照明ビームの複数の非相関化された分布を生成するための、少なくとも1つの位相変動する光学要素を含むスペックル低減器
をさらに含む計測システム。
【請求項25】
請求項24に記載の計測システムであって、前記スペックル低減器は、
可動な拡散器または運動可能な鏡のうちの少なくとも1つ
を含む計測システム。
【請求項26】
請求項16に記載の計測システムであって、前記2つ以上の入力光源のうちの少なくとも1つが、
インコヒーレント光源
を含む計測システム。
【請求項27】
請求項26に記載の計測システムであって、前記インコヒーレント光源は、
レーザ維持プラズマ源またはランプ源のうちの少なくとも1つ
を含む計測システム。
【請求項28】
請求項16に記載の計測システムであって、
可変スペクトルフィルタまたは可変強度フィルタのうちの少なくとも1つ
をさらに含む計測システム。
【請求項29】
請求項16に記載の計測システムであって、
オーバーレイ計測システム
を含む計測システム。
【請求項30】
請求項29に記載の計測システムであって、前記オーバーレイ計測システムは、
画像化オーバーレイ計測システム
を含み、
前記1つ以上の収集光学部品が、前記試料によって放出される前記放射に基づいて、前記検出器上に前記試料の画像をもたらす計測システム。
【請求項31】
請求項29に記載の計測システムであって、前記オーバーレイ計測システムは、
散乱計測のオーバーレイ計測システム
を含み、前記1つ以上の収集光学部品が、前記試料によって放出される放射の角度的分布と関連付けられる瞳画像をもたらす計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、光学計測システムのための照明源に関し、より詳しくは、複数個のコヒーレント入力ビームに基づく高輝度の照明源に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、全体において本願に引用して援用する、発明者としてアムノン・マナッセン(Amnon Manassen)、アンディ・ヒル(Andy Hill)、オハッド・バッシャール(Ohad Bachar)、およびアヴィ・アブラモフ(Avi Abramov)の名前を挙げる、HIGH BRIGHTNESS ILLUMINATION SYSTEM FOR OVERLAY METROLOGYと題された、2019年4月19日に出願された、米国仮出願第62/836,254号の、米国特許法第119条(e)のもとでの利益を主張するものである。
【0003】
照明源輝度または放射輝度は、立体角あたりの源からの放射パワーおよび源の空間的広がりに関係付けられる。所定の光学システムにおいて、システムを通して捕捉および方向設定される光と関連付けられる有効源輝度が、出力としてもたらされ得る光の強度を制御する。光学計測の文脈において、照明源輝度は、かくして、試料上の光の強度を、延いては所定の感度において可能な測定処理能力を制限する。よって、照明源の輝度を増大することが、測定ごとの、増大されるサンプリングレート、増大される感度、または、その2つの組み合わせを可能にし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0240951号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0141810号
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/0258817号
【特許文献4】米国特許出願公開第2018/0023950号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、源輝度を増大することに対する手法は、費用、システム複雑度、およびシステム信頼度における増大と釣り合いが取れていなければならない。それゆえに、効率的な高輝度の照明をもたらすためのシステムおよび方法を開発することが望ましくあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
照明源が、本開示の1つ以上の例解的な実施形態によって開示される。1つの例解的な実施形態において、照明源は、2つ以上の入力光源を含む。別の例解的な実施形態において、照明源は、2つ以上の入力光源からの照明を照明ビームへと組み合わせるための1つ以上のレンズを含む収集器であって、2つ以上の入力光源からの照明が収集器の入力開口における異なる部分を占有する、収集器を含む。別の例解的な実施形態において、照明源は、ビーム均一化器(beam uniformizer)を含む。1つの例解的な実施形態において、ビーム均一化器は、照明ビームを受けるための第1の非円形コアファイバを含む。別の例解的な実施形態において、ビーム均一化器は、第2の非円形コアファイバを含む。別の例解的な実施形態において、ビーム均一化器は、第1の非円形コアファイバからの照明ビームの遠視野分布を、第2の非円形コアファイバの入力面に中継するための1つ以上の結合レンズであって、第2の非円形コアファイバからの照明ビームの近視野出力分布および遠視野出力分布が、選択された許容範囲の中で均一である、1つ以上の結合レンズを含む。
【0007】
照明源が、本開示の1つ以上の例解的な実施形態によって開示される。1つの例解的な実施形態において、照明源は、2つ以上の入力光源を含む。別の例解的な実施形態において、照明源は、2つ以上の入力光源からの照明を照明ビームへと組み合わせるための1つ以上のレンズを含む収集器であって、2つ以上の入力光源からの照明が収集器の入力開口における異なる部分を占有する、収集器を含む。別の例解的な実施形態において、照明源は、異なるエタンデュを有する2つ以上の出力ファイバを含む。別の例解的な実施形態において、照明源は、選択されたエタンデュにおける照明ビームをもたらすために、2つ以上の出力ファイバのうちの選択された出力ファイバ内へと照明ビームを選択的に結合するように構成されるファイバ結合器を含む。
【0008】
計測システムが、本開示の1つ以上の例解的な実施形態によって開示される。1つの例解的な実施形態において、計測システムは、2つ以上の入力光源を含む。別の例解的な実施形態において、計測システムは、2つ以上の入力光源からの照明を照明ビームへと組み合わせるための1つ以上のレンズを含む収集器であって、2つ以上の入力光源からの照明が収集器の入力開口における異なる部分を占有する、収集器を含む。別の例解的な実施形態において、計測システムは、照明ビームを試料に方向設定するための1つ以上の照明光学部品を含む。別の例解的な実施形態において、計測システムは、照明ビームに応答して試料によって放出される放射を検出器に方向設定するための1つ以上の収集光学部品を含む。
【0009】
ビーム均一化器が、本開示の1つ以上の例解的な実施形態によって開示される。1つの例解的な実施形態において、ビーム均一化器は、照明ビームを受けるための第1の非円形コアファイバを含む。別の例解的な実施形態において、ビーム均一化器は、第2の非円形コアファイバを含む。別の例解的な実施形態において、ビーム均一化器は、第1の非円形コアファイバからの照明ビームの遠視野分布を、第2の非円形コアファイバの入力面に中継するための1つ以上の結合レンズであって、第2の非円形コアファイバからの照明ビームの近視野出力分布および遠視野出力分布が、選択された許容範囲の中で均一である、1つ以上の結合レンズを含む。
【0010】
上述の全体的な説明、および、後に続く詳細な説明の両方は、権利主張されるような本発明について、単に例示的および解説的であり、必ずしも限定的ではないということが理解されるべきである。本明細書に組み込まれ、本明細書の部分を組成する、添付の図面は、本発明の実施形態を例解し、全体的な説明とともに、本発明の原理を解説することに役立つ。
【0011】
本開示の数多くの利点が、添付の図を参照することによって、当業者にはより良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、高輝度の照明システムのブロック線図の視図である。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、2つ以上の入力光源からの入力光を単一の源照明ビームへと組み合わせるための収集器を含む照明源の概念的な視図である。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、ビーム均一化器の概念的な視図である。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による、正方形コアを有する非円形コアファイバの断面視図である。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による、六角形コアを有する非円形コアファイバの断面視図である。
図5A】本開示の1つ以上の実施形態による、可動な拡散器を含むスペックル低減器の概念的な視図である。
図5B】本開示の1つ以上の実施形態による、ファイバの入力面上の様々な場所に源照明ビームを位置設定するための制御可能な鏡を含むスペックル低減器の概念的な視図である。
図5C】本開示の1つ以上の実施形態による、選択されたシステムエタンデュをもたらすために、第1の選択されたファイバ内へと源照明ビーム104を選択的に方向設定することによるエタンデュ切り替えの概念的な視図である。
図5D】本開示の1つ以上の実施形態による、選択されたシステムエタンデュをもたらすために、第2の選択されたファイバ内へと源照明ビーム104を選択的に方向設定することによるエタンデュ切り替えの概念的な視図である。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、1つ以上のフィルタの概念的な視図である。
図7】本開示の1つ以上の実施形態による、高輝度のコヒーレント照明をもたらすように構成される照明システムの概念的な視図である。
図8】本開示の1つ以上の実施形態による、高輝度の照明システムを含む光学計測器具の概念的な視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面において例解される、開示される主題に対して、ここで詳細に言及する。本開示は、ある決まった実施形態、および、それらの実施形態の特定の特徴に関して、特に図示および説明されている。本願において論述される実施形態は、限定的よりむしろ例解的であると解される。形式および詳細における様々な変更および変形が、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得るということが、当業者にはたやすく明らかであるはずである。
【0014】
本開示の実施形態は、複数個のコヒーレント照明源を単一の出力分布へと組み合わせることによって高輝度の照明をもたらすためのシステムおよび方法を対象とする。本開示の追加的な実施形態は、組み合わされた源が、光学計測システムなどの、ただしそれに限定されない、光学システムと適合し得るように、組み合わされた出力分布を選択されたエタンデュへともたらすことを対象とする。さらに、光学計測および光学検査は、半導体製作および計測などの分野における技術の用語であり得るということが認識されるが、用語、光学計測および光学計測器具は、本願において、試料特性評価および欠陥検査に適した、ただしそれらに限定されない、任意の光学システムを一般的に説明するために使用される。
【0015】
照明源輝度は、光学計測システムの設計および性能に決定的に影響を及ぼす。照明源輝度または放射輝度は、立体角あたりの源からの放射パワーおよび源の空間的広がりに関係付けられる。さらに、試料上の放射輝度は、源の放射輝度によって制限される。
【0016】
源からの光の効率的および弾力的使用をもたらすために、高輝度の照明源を用意することが、一般的には望ましい。よって、照明源を利用し得る計測システムなどの光学システムの設計は、システムに対する所望される光学不変関係と、総体的システム費用と、利用可能な源の輝度に基づく感度および処理能力などの所望される性能測定基準との間の兼ね合いを組み込み得る。例えば、固定された輝度を伴う照明源は、試料上の照明される区域、感度、および測定処理能力などの、ただしそれらに限定されない、性能測定基準どうしの間の兼ね合いを要し得る、光学設計への制約を課すことがある。別の例としては、固定されたエタンデュまたは光学不変関係を伴うシステムにおいて照明源輝度を増大することは、システムに対するさらなる変形を伴わない、増大される感度および/または測定処理能力を可能にし得る。
【0017】
照明源の輝度は、一般的には、照明源からの放射されるパワーを増大することによって、または、放出の立体角もしくは源の空間的広がり(例えば、エタンデュ)の任意の組み合わせを減少することによって増大され得る。これらの要因の各々は、関連付けられるシステムの技術的制限および/または設計制限によって制約され得る。例えば、システムの光学不変関係は、試料上の所望される放射輝度特質に基づいて、可能な、放出の立体角、および/または、照明源の空間的広がりを制約し得る。画像化オーバーレイ計測などの、ただしそれに限定されない、一部の用途において、正確度を改善するために試料上の照明の数値開口(NA)を制限または低減することが望ましくあり得る。しかしながら、数値開口を制限することは、対応して、光が収集され得る元の照明源の空間的広がりを制限し、かくして、源の有効輝度を制限し得る。
【0018】
結果として、選択または制約されたエタンデュの中で、放射されるパワーを増大することによって源輝度を増大することが、典型的には望ましい。しかしながら、所定の照明源の放射されるパワーを直接的に増大することは、しばしば技術的に難題であり、輝度における適度の利得のために高い費用を要し得る。例えば、レーザポンプパワーを増大することは、プラズマベースの源などのインコヒーレント源の放射されるパワーを増大し得るが、レーザポンプパワーを増大することは、さらには、プラズマサイズを増大し(例えば、源の増大される空間的広がり)、かくして、源輝度に対する制限される増大をもたらし得る。別の例としては、コヒーレントレーザ源(例えば、超連続体レーザ源)のポンプパワーを増大することは、放射されるパワーを増大し得るが、このことは、利得材料寿命に悪影響を及ぼし得るものであり、非効率的な、および費用のかかる、劣線形の1ドルあたりの光子の輝度増大を結果的に生じさせ得る。
【0019】
本開示の一部の実施形態において、照明源は、高輝度の出力ビームをもたらすために、複数個のコヒーレントレーザ源を、選択されたエタンデュへと組み合わせる。この点において、共通出力の輝度は、入力源の総和に関係付けられ得る。例えば、複数個のレーザの出力は、光を単一の源ビームへと組み合わせる、共通収集光学部品に方向設定され得る。この点において、各々のレーザの出力は、収集光学部品の入力数値開口における異なる部分を占有し得るものであり、組み合わされた源ビームは、入力レーザ源の総和を含むことになる。
【0020】
追加的な実施形態が、近視野および遠視野の両方における均一な出力分布をもたらすためのビーム均一化器を対象とする。例えば、ビーム均一化器は、選択された許容範囲の中で近視野および遠視野の両方において均一である出力ビームを生成するために、上記で説明された複数個の入力レーザと関連付けられる組み合わされた源ビームにおける不均一性を取り除き得る。しかしながら、本開示の実施形態によるビーム均一化器は、単一の源、または、複数個の源の組み合わせを含む、ただしそれらに限定されない、広い範囲の入力源に基づく均一な出力をもたらすのに適したものであり得るということが、本願において認識される。
【0021】
本開示の一部の実施形態において、ビーム均一化器は、非円形の形状を伴うコアを有する2つのファイバ(例えば、非円形コアファイバ)を含む。この点において、第1の非円形コアファイバの出力は、近視野において空間的に均一であり得るが、遠視野均一性(例えば、角度的均一性)を欠くことがある。第1の非円形コアファイバの(例えば、角度的分布に対応する)遠視野分布を、第2の非円形コアファイバの入力面上へと対応付けすることによって、近視野および遠視野の両方の均一性が得られ得る。
【0022】
追加的な実施形態が、コヒーレントレーザ源と関連付けられるスペックルを減ずることを対象とする。スペックル低減は、検出器の積分時間などの、ただしそれに限定されない、関連性のある時間枠の中で複数個の非相関化されたスペックル分布を生成することによって達成され得る。例えば、スペックル低減は、動く(例えば、回転する)拡散器板によって得られ得る。別の例としては、スペックル低減は、ファイバの出力における変動するスペックル分布をもたらすために、マルチモード光学ファイバの入力面にわたって光を走査することによって得られ得る。一部の実施形態において、コヒーレント照明源からの光が、本願において説明されるようなビーム均一化器の非円形コアファイバの入力面上へと走査され得る。
【0023】
本開示の追加的な実施形態が、選択されたエタンデュを伴う照明をもたらすことを対象とする。この点において、照明源からの出力は、光学計測システムなどの、ただしそれに限定されない、光学システムのエタンデュに整合され得る。例えば、レーザ源などの、ただしそれに限定されない、相対的に低いエタンデュを伴う源からの光は、光学システムの選択された照明モード(例えば、照明視野サイズおよび数値開口)と関連付けられる、相対的に、より大きいエタンデュに効率的に結合され得る。
【0024】
本開示の追加的な実施形態が、本開示による高輝度の照明源の照明エタンデュを切り替えること、または、他の形で制御することを対象とする。例えば、照明エタンデュは、源におけるファイバのコアサイズおよび/または数値開口に基づいて、選択され、または、他の形で切り替えられ得る。さらに、照明源は、異なるコアサイズおよび/または数値開口を有する複数個の出力ファイバを含み得るものであり、そのことによって、照明エタンデュは、出力ファイバのコアサイズおよび/または数値開口を選択することによって制御され得る。一部の実施形態において、選択されたエタンデュをもたらす出力ファイバは、本願において開示されるような1つ以上の非円形コアファイバを伴うビーム均一化器を含み得る。
【0025】
本開示の追加的な実施形態が、高輝度の照明源の出力分布のスペクトル形状および強度を制御することを対象とする。例えば、一連の可変高域通過および低域通過スペクトルエッジフィルタが、出力光のスペクトル帯域幅を急速に調整し得る。さらに、可変強度フィルタが、選択された強度を伴う出力光をもたらし得る。
【0026】
ここで図1ないし8を参照して、高輝度の照明をもたらすためのシステムおよび方法を、より詳細に説明する。
【0027】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、高輝度の照明システム100のブロック線図の視図である。
【0028】
1つの実施形態において、照明システム100は、源照明ビーム104を生み出すための照明源102を含む。照明システム100は、源照明ビーム104の空間的、時間的、および/またはスペクトル的特性を、変形する、または、他の形で制御するための追加的な構成要素をさらに含み得る。別の実施形態において、照明システム100は、源照明ビーム104の強度および/またはスペクトル成分を制御するための1つ以上のフィルタ106を含む。別の実施形態において、照明システム100は、コヒーレント源照明ビーム104と関連付けられるスペックルを減ずるためのスペックル低減器108を含む。別の実施形態において、照明システム100は、近視野および遠視野の両方における均一な空間的分布を有する均一な照明ビーム112をもたらすためのビーム均一化器110を含む。例えば、ビーム均一化器110は、照明源102からの光の空間的または角度的プロファイルにおける、ホットスポットまたは他の不規則性の存在を減じ得る。
【0029】
別の実施形態において、照明システム100は、照明源102、フィルタ106、スペックル低減器108、またはビーム均一化器110のうちの少なくとも1つに通信可能に結合される制御器114を含む。この点において、制御器114は、源照明ビーム104もしくは均一な照明ビーム112を方向設定する、または、それらのビームの様々な態様を他の形で制御するために、照明源102、フィルタ106、スペックル低減器108、またはビーム均一化器110を含む、ただしそれらに限定されない、照明システム100の1つ以上の構成要素に、1つ以上の信号をもたらし得る。
【0030】
別の実施形態において、制御器114は、1つ以上のプロセッサ116を含む。別の実施形態において、1つ以上のプロセッサ116は、メモリ媒体118またはメモリ内に保持される1組のプログラム命令を実行するように構成される。さらに、制御器114は、プロセッサ116によって実行可能なメモリ媒体118内に記憶される1つ以上のプログラム命令を内包する1つ以上のモジュールを含み得る。制御器114のプロセッサ116は、当技術分野において既知の任意の処理要素を含み得る。この意味において、プロセッサ116は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成される任意のマイクロプロセッサ型装置を含み得る。1つの実施形態において、プロセッサ116は、本開示の全体を通して説明されるように、照明システム100を動作させるように構成されるプログラムを実行するように構成される、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または、任意の他のコンピュータシステム(例えば、ネットワーク化されたコンピュータ)からなり得る。用語「プロセッサ」は、非一時的メモリ媒体118からのプログラム命令を実行する、1つ以上の処理要素を有する任意の装置を包含するように幅広く定義され得るということが、さらに認識される。
【0031】
メモリ媒体118は、関連付けられるプロセッサ116によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野において既知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体118は、非一時的メモリ媒体を含み得る。追加的な例として、メモリ媒体118は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光学メモリ装置(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ、および類するものを含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。メモリ媒体118は、プロセッサ116とともに共通制御器収容部内に収容され得るということが、さらに特記される。1つの実施形態において、メモリ媒体118は、プロセッサ116および制御器114の物理的場所に関して遠隔に布置され得る。実例として、制御器114のプロセッサ116は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット、および類するもの)を通してアクセス可能な遠隔メモリ(例えば、サーバ)にアクセスし得る。それゆえに、上記の説明は、本発明に関する限定として解釈されるべきではなく、ただ単に例解として解釈されるべきである。
【0032】
本開示の全体を通して説明されるステップは、制御器114によって履行され得るということが、本願において認識される。さらに、制御器114は、単一の構成要素または複数個の構成要素から形成され得る。制御器114の複数個の構成要素は、共通収容部内に、または、複数個の収容部の中に収容され得るということが、本願においてさらに特記される。この手立てにおいて、任意の制御器、または、制御器の組み合わせが、照明システム100への統合に適したモジュールとして別個にパッケージ化され得る。
【0033】
照明源102は、当技術分野において既知の任意の型の光源を含み得る。さらに、照明源102は、任意の選択されたスペクトル成分を有し得る。
【0034】
1つの実施形態において、照明源102は、1つ以上のレーザ源などの、ただしそれらに限定されない、1つ以上のコヒーレント源を含む。この点において、照明源102は、高いコヒーレンス(例えば、高い空間的コヒーレンスおよび/または時間的コヒーレンス)を有する源照明ビーム104を生み出し得る。例えば、照明源102は、1つ以上の超連続体レーザまたは白色光レーザなどの、ただしそれらに限定されない、1つ以上の広帯域レーザを含み得る。別の例としては、照明源102は、1つ以上の狭帯域レーザを含み得る。さらなる例としては、照明源102は、可変スペクトル強度を有する源照明ビーム104をもたらすための1つ以上の可変レーザを含み得る。さらにコヒーレント照明源102は、任意の型の技術または製品設計に基づくものであり得る。例えば、照明源102は、1つ以上のファイバレーザ、1つ以上のダイオードレーザ、または、1つ以上の気体レーザの任意の組み合わせを含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。
【0035】
別の実施形態において、照明源102は、低い、または部分的なコヒーレンス(例えば、低い、または部分的な、空間的コヒーレンスおよび/または時間的コヒーレンス)を有する源照明ビーム104をもたらすための1つ以上の低いコヒーレンスの源を含む。例えば、照明源102は、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含み得る。別の例としては、照明源102は、レーザ源によってプラズマ状態へと励起されるときに広帯域照明を放出し得る、1つ以上の要素を内包するのに適した、レーザ維持プラズマ(LSP)ランプ、LSP電球、またはLSPチャンバなどの、ただしそれらに限定されない、LSP源を含み得る。別の例としては、照明源102は、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプ、または類するものなどの、ただしそれらに限定されない、ランプ源を含み得る。
【0036】
さらに、照明源102は、光源の任意の組み合わせを含み得る。1つの実施形態において、照明源102は、広帯域照明をもたらすための1つ以上の超連続体レーザ源と、1つ以上の超連続体レーザ源のスペクトルにおけるギャップを補完するための1つ以上の部分的にコヒーレントの高輝度のLEDとを含む。
【0037】
照明源102は、任意の選択された時間的特性を有する光をさらにもたらし得る。1つの実施形態において、照明源102は、連続波の源照明ビーム104をもたらすための1つ以上の連続波の源を含む。別の実施形態において、照明源102は、パルスの、または、他の形で変調された源照明ビーム104をもたらすための1つ以上のパルスの源を含む。例えば、照明源102は、1つ以上のモード同期レーザ、1つ以上のQスイッチレーザ、または類するものを含み得る。
【0038】
照明源102は、任意の数の入力光源を含み、または、それらの光源から他の形で形成され得る。1つの実施形態において、照明源102は、源照明ビーム104を生み出すための単一の光源を含む。別の実施形態において、照明源102は、複数個のレーザ源などの、ただしそれらに限定されない、複数個の入力光源によって生成される光を単一の出力ビームへと組み合わせる。この点において、複数個の入力光源からの光は、高輝度の照明をもたらすために、共通エタンデュへと組み合わされ得る。
【0039】
一部の実施形態において、照明源102は、複数個の入力光源からの光を組み合わせることによって源照明ビーム104を生成する。図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、2つ以上の入力光源206からの入力光204を単一の源照明ビーム104へと組み合わせるための収集器202を含む照明源102の概念的な視図である。例えば、収集器202は、複数個の入力光源206からの入力光204を受け、組み合わされた源照明ビーム104を生成するのに適した、レンズまたはビーム分割器などの、ただしそれらに限定されない、1つ以上の光学構成要素を含み得る。よって、源照明ビーム104におけるパワーは、入力光源206のパワーの総和であり得る。
【0040】
照明システム100は、収集器202に関して任意の選択された分布で配置構成される、任意の数の入力光源206を含み得る。1つの実施形態において、照明システム100は、2D配置パターン(例えば、2D格子パターン)で配置構成される出力光学部品(例えば、出力ファイバ、出力鏡、または類するもの)を有する複数個の入力光源206を含む。例えば、複数個の入力光源206の出力光学部品は、矩形配置、三角形配置、六角形配置、または類するもので配置構成され得る。別の実施形態において、照明システム100は、ランダムまたは擬似ランダム分布で配置構成される複数個の入力光源206を含む。
【0041】
入力光源206は、収集器202の入力開口の中で入力光204をもたらすための任意の構成で配置構成され得る。1つの実施形態において、図2において例解されるように、入力光源206は、収集器202の入力数値開口における専用化された部分の中で入力光204をもたらすように配置構成される。例えば、図2において例解されるように、収集器202は、収集器202の入力開口における専用化された部分の中で、各々の入力源206からの平行化された入力光204を受け得る。さらに、照明システム100は、入力光源206からの入力光204を平行化するための1つ以上の平行化レンズ208を含み得る。別の実施形態において、図示しないが、入力光源206からの入力光204は、収集器202の入力数値開口の中で重なり合い得る。例えば、ファイバベースの入力光源206の出力ファイバは、束の形で配置構成され得るものであり、そのことによって、入力光204、出力ファイバからの出現する入力光204は重なり合い得る。
【0042】
入力光源206の各々は、任意の選択されたスペクトルまたはパワー特性を有し得る。この点において、源照明ビーム104のスペクトルは、入力光源206のスペクトルに基づいて制御され得るものであり、源照明ビーム104のパワーは、入力光源206の数およびパワーに基づいて制御され得る。1つの実施形態において、照明システム100は、実質的に同様のスペクトルおよび/またはパワーを有する複数個の入力光源206を含む。別の実施形態において、複数個の入力光源206は、異なるスペクトルおよび/またはパワーを有し得る。
【0043】
しかしながら、図2および関連付けられる説明は、もっぱら例解的な目的のために提供されるものであり、限定的と解釈されるべきではないということが理解されるべきである。むしろ、照明源102は、当技術分野において既知の任意の技法を使用して、複数個の源からの光を単一の源照明ビーム104へと組み合わせるための任意の数の構成要素を含み得る。1つの実施形態において、照明源102は、源照明ビーム104を生成するために、偏光ビーム分割器によって、直交偏光を有する2つの入力源からの入力光を組み合わせる。別の実施形態において、照明源102は、1つ以上の二色性ビーム分割器を使用して、実質的に重なり合わないスペクトルを伴う2つ以上の入力源からの入力光を組み合わせる。別の実施形態において、照明源102は、2つ以上の入力光源からの入力光を、入力光源のうちのどのもののエタンデュよりも大きくあり得る、ただしそうであることを要されない、選択されたエタンデュへと、空間的または角度的に詰める。
【0044】
ここで図3ないし4Bを参照して、ビーム均一化器110を、より詳細に説明する。図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、ビーム均一化器110の概念的な視図である。均一な照明は、光学計測を含む、ただしそれに限定されない、多くの用途にとって有益であり得る。しかしながら、すべての照明源が、十分に均一な空間的または角度的出力プロファイルを有するとは限らない。例えば、延伸された照明源、または、(例えば、図2において例解されるような)組み合わされた照明源からの源照明ビーム104は、近視野または遠視野のいずれかにおける不均一性を結果的に生じさせ得る、不均一な空間的または角度的プロファイルを有し得る。別の例としては、異なるスペクトルを有する複数個の入力レーザ源(例えば、入力光源206)から形成される源照明ビーム104は、空間的に変動するスペクトル的特性を呈し得る。よって、ビーム均一化器110は、近視野および遠視野における均一な空間的およびスペクトル的分布を有する均一な照明ビーム112をもたらし得る。
【0045】
1つの実施形態において、ビーム均一化器110は、近視野および遠視野の両方において均一である均一な照明ビーム112をもたらすために、少なくとも2つの非円形コアファイバと、非円形コアファイバどうしの間で光を中継するための結合光学部品とを含む。例えば、図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、第1の非円形コアファイバ302aと、第2の非円形コアファイバ302bとを、第1の非円形コアファイバ302aを抜け出る光を第2の非円形コアファイバ302bに中継するための結合光学部品304とともに有する、ビーム均一化器110を例解する。
【0046】
単一の非円形コアファイバ302は、入力面における光の入力分布に関して、出力面における光の出力分布の空間的均一性を増大し得るということが、本願において認識される。この点において、単一の非円形コアファイバ302は、近視野ビーム均一化器として動作し得る。しかしながら、単一の非円形コアファイバ302は、光の遠視野分布を均一化し損なうことがあり、そのことによって、遠視野分布は、出力面の付近の近視野分布が空間的に均一であるときでさえ、ホットスポットまたは他の不規則性を呈し得るということが実情であり得る。別の言い方をすれば、単一の非円形コアファイバ302は、入力面における光の空間的分布に関して、出力面における光の空間的分布を均一化し得るが、ファイバに進入する光の角度的分布に関して、ファイバを抜け出る光の角度的分布を必ずしも均一化しないことがある。
【0047】
1つの実施形態において、図3において例解されるように、ビーム均一化器110は、第1の非円形コアファイバ302aの出力の遠視野分布(例えば、角度的分布)を、第2の非円形コアファイバ302bの入力面に中継するための結合光学部品304を含み得る。遠視野分布は、第1の非円形コアファイバ302aからの光の角度的分布に対応するものであり、かくして、上記で説明されたような不均一性を呈し得る、第1の非円形コアファイバ302aの遠視野出力分布を表し得る。よって、この遠視野分布を第2の非円形コアファイバ302bの入力面に中継することは、2つのことを成し遂げる。第1に、遠視野分布におけるいかなる不均一性も、第2の非円形コアファイバ302bによって減じられ得る。かくして、第2の非円形コアファイバ302bからの均一な照明ビーム112の近視野空間的分布が、(例えば、選択された許容範囲の中で)均一であり得る。第2に、第1の非円形コアファイバ302aの出力における近視野における均一な空間的分布は、第2の非円形コアファイバ302b内への均一な角度的分布へと変換され得る。かくして、第2の非円形コアファイバ302bからの均一な照明ビーム112の角度的または遠視野分布が、さらには(例えば、選択された許容範囲の中で)均一であり得る。
【0048】
ビーム均一化器110は、入力光に関して出力光を均一化するのに適した任意のサイズまたは形状を伴うコアを有する、非円形コアファイバ(例えば、第1の非円形コアファイバ302aまたは第2の非円形コアファイバ302b)を含み得る。ビーム均一化器110(およびかくして、潜在的可能性として、全部分としての照明システム100)のエタンデュは、総合的なコアサイズによって固定され得るということが、本願においてさらに認識される。よって、光学システムの波長および/またはエタンデュと関連付けられる設計要件は、総合的なコアサイズを制限し、かくして、ビーム均一化器110における非円形コアファイバ(例えば、第1の非円形コアファイバ302aまたは第2の非円形コアファイバ302b)の特性を制限し得るということが実情であり得る。
【0049】
1つの実施形態において、ビーム均一化器110における少なくとも1つの非円形コアファイバは、照明源102の動作可能な1つまたは複数の波長における単一のマルチモードコアを含む。例えば、マルチモード非円形コアは、ファイバの長さに垂直な平面において非円形断面形状を有し得る。例えば、マルチモード非円形コアは、任意の数の直線的な縁を伴う多角形の断面形状を有し得る。別の例としては、マルチモード非円形コアは、1つ以上の湾曲した辺を伴う断面形状を有し得る。
【0050】
図4Aおよび4Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、非円形コアファイバの断面視図である。特に図4Aは、正方形コア402を有する非円形コアファイバ302の断面視図であり、一方で図4Bは、六角形コア402(例えば、正六角形コア402)を有する非円形コアファイバ302の断面視図である。しかしながら、図4Aおよび4Bにおいて例解される、正方形および六角形コアの例は、もっぱら例解的な目的のために提供されるものであり、限定的と解釈されるべきではないということが理解されるべきである。さらに、非円形コアファイバ302は、任意の選択されたコアサイズを伴う単一のマルチモードコアを有し得る。実例として、非円形コアファイバ302は、0.22NAをもたらすための0.4mm辺、より小さいNAをもたらすための0.2mm辺、より高いNAをもたらすための0.6mm辺を伴う、(例えば、図4Aにおいて例解されるような)正方形コアを有し得るものであり、ただしそれに限定されない。
【0051】
非円形配置の形で配置構成される、密接に詰められた導波路の束(例えば、個々のロッドの束、マルチコアファイバ、または類するもの)が、単一の非円形コアファイバに関して、本願において説明されるのと同様の様式でビーム均一化をもたらし得るということが、本願において認識される。別の実施形態において、ビーム均一化器110における少なくとも1つの非円形コアファイバは、非円形特徴部の密接な詰められた配置または束を含む断面形状を有するコアを伴うマルチコアファイバである。別の実施形態において、ビーム均一化器110における少なくとも1つの非円形コアファイバは、他の形で密接な詰めに適することになる、または、密接に詰められた配置へと展開することになる、非円形断面形状(例えば、矩形、六角形、または類するもの)を有する、動作可能な波長における単一のマルチモードコアを含む。この点において、コア形状は、密接に詰められた非円形導波路の束に似ることがあるが、(例えば、所望されるエタンデュをもたらすための)異なるサイズスケールにおける単一コアマルチモードファイバとして動作し得る。例えば、紫外スペクトル範囲に及ぶ波長との使用に適した(例えば、光学計測システムとの統合に適した)ビーム均一化器110は、非円形断面形状を伴う少なくとも1つの単一コアマルチモードファイバを含み得るものであり、ただし含むことを要されない。
【0052】
非円形コアファイバ302(例えば、第1の非円形コアファイバ302aまたは第2の非円形コアファイバ302b)は、当技術分野において既知の任意の工程によって、任意の材料または材料の組み合わせから形成され得る。例えば、コア402および/またはクラッド404は、ガラス、重合体、または結晶性材料を含む、ただしそれらに限定されない、任意の材料から形成され得る。
【0053】
均一性の効力は、ファイバ長さ、非円形コアの形状、または、非円形コアのサイズなどの、ただしそれらに限定されない、様々な要因によって影響力を及ぼされ得るということが実情であり得る。例えば、ファイバ長さを増大することは、一般的には、必ずしも線形にではないが、ビーム均一化器110の性能を増大し得る。
【0054】
ここで図5Aおよび5Bを参照して、スペックル低減器108を、より詳細に論考する。照明源102が、空間的にコヒーレントの均一な照明ビーム112をもたらすという事例において、選択された時間枠の中で複数個の非相関化されたスペックル分布を生成するためのスペックル低減器108を用意することが望ましくあり得る。例えば、光学計測システムの検出器の積分時間の中で複数個の非相関化されたスペックル分布をもたらすことが望ましくあり得る。この点において、空間的にコヒーレントの源照明ビーム104と関連付けられるスペックルは、検出器上の雑音として顕在化しないことがある。
【0055】
スペックル低減器108は、当技術分野において既知の任意のスペックル低減技法を実現するのに適した任意の数の構成要素を含み得る。
【0056】
図5Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、可動な拡散器502を含むスペックル低減器108の概念的な視図である。拡散器502は、入射光の位相をランダムまたは擬似ランダムに、散乱させる、または、空間的に変形する、任意の型の材料を含み得る。例えば、拡散器502は、すりガラス板、擬似ランダムにエッチングされた板、または類するものを含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。1つの実施形態において、スペックル低減器108は、選択された時間枠の中で複数個の非相関化されたスペックル分布をもたらすのに十分な速度で拡散器502を動かすための運動器(translator)504を含む。例えば、運動器504は、拡散器502を回転させるための回転台、または、拡散器502を直線状に運動させるための運動台を含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。
【0057】
図5Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、ファイバ508の入力面上の様々な場所に源照明ビーム104を位置設定するための制御可能な鏡506を含むスペックル低減器108の概念的な視図である。ファイバから出現する光のスペックル分布は、ファイバを通って伝搬する多くの波面の個別の経路に依存するということが、本願において認識される。よって、出力スペックル分布は、入力角度、または、ファイバの位置を含む、ただしそれらに限定されない、光経路の様々な態様を時間的に変形することによって変動させられ得る。
【0058】
1つの実施形態において、図5Bにおいて例解されるように、スペックル低減器108は、ファイバ508の入力面上の、源照明ビーム104の入力角度または位置を、走査する、または、他の形で変動させるために、制御可能な鏡506の位置を変形するための運動器510を含む。さらに、制御可能な鏡506は、制御器114によって制御され得るものであり、ただしそうであることを要されない。制御可能な鏡506は、当技術分野において既知の任意の型の可動または変形可能な鏡を含み得る。例えば、制御可能な鏡506は、検流計を含み得る。別の例としては、制御可能な鏡506は、共振走査器を含み得る。別の例としては、制御可能な鏡506は、1つ以上の回転または運動台に取り付けられる鏡を含み得る。
【0059】
さらに、制御可能な鏡506は、ファイバ508のコア(例えば、コア402)における任意の選択された部分にわたって源照明ビーム104を走査し、または、他の形で方向設定し得る。1つの実施形態において、制御可能な鏡506は、ファイバ508のコアより大きい区域にわたって源照明ビーム104を走査する、または、他の形で方向設定することによって、ファイバ508のコアをオーバーフィルする。別の実施形態において、制御可能な鏡506は、ファイバ508のコアより小さい区域にわたって源照明ビーム104を走査する、または、他の形で方向設定することによって、ファイバ508のコアをアンダーフィルする。別の実施形態において、制御可能な鏡506は、ファイバ508のコアに整合する区域にわたって源照明ビーム104を走査する、または、他の形で方向設定する。
【0060】
別の実施形態において、スペックル低減器108は、源照明ビーム104の空間的サイズを制御するための1つ以上の光学要素512を含む。例えば、図5Aにおいて例解されるように、光学要素512は、散乱および/または位相変形をもたらす拡散器502上の様々な構造のサイズに基づく選択されたサイズに、拡散器502上の源照明ビーム104を拡大および/または平行化し得る。別の例としては、光学要素512は、運動器504上の源照明ビーム104を拡大および/または平行化し得る。さらに、光学要素512は、ビーム均一化器110の第1の非円形コアファイバ302aなどの、ただしそれに限定されない、任意の後続の構成要素との結合に適した所望されるスポットサイズに、源照明ビーム104を集束させ得る。実例として、スペックル低減器108は、源照明ビーム104を、(例えば、ファイバ508のコアサイズと関連付けられる)選択されたエタンデュへともたらすために、図5Aにおける拡散器502、または、図5Bにおける運動器504による源照明ビーム104の散乱を利用し得る。
【0061】
ファイバ508は、当技術分野において既知の任意の型のファイバを含み得る。1つの実施形態において、スペックル低減器108は、専用化されたファイバ508を含む。別の実施形態において、ファイバ508は、ビーム均一化器110の第1の非円形コアファイバ302aに対応し得る。この点において、スペックル低減器108は、源照明ビーム104をビーム均一化器110内へと方向設定し得る。一部の実施形態において、スペックル低減器108は、ファイバ508を含むのではなく、任意の選択された平面における源照明ビーム104の複数個の非相関化されたスペックル分布をもたらす。
【0062】
さらに、本願において先に説明されたように、光学ファイバは、ファイバのコアサイズおよび数値開口(NA)に基づく固有のエタンデュを有すると特性評価され得る。しかしながら、ファイバの有効NAは、ファイバをアンダーフィルすることによって、いくらかの程度は調節され得るということが認識される。よって、光学ファイバを通した照明をもたらす照明システム100のエタンデュは、光学ファイバのエタンデュによって制御され、または、他の形で規定され得る。一部の実施形態において、照明システム100は、異なるエタンデュ(例えば、異なるコアサイズ、および/または、異なる数値開口)を有する2つ以上の出力ファイバと、選択されたシステムエタンデュ(例えば、選択された照明エタンデュ)をもたらすために、選択された出力ファイバ内へと照明(例えば、源照明ビーム104)を方向設定するためのファイバ結合器とを含む。
【0063】
図5Cおよび5Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、選択されたシステムエタンデュをもたらすために、選択されたファイバ内へと源照明ビーム104を選択的に方向設定することによるエタンデュ切り替えの概念的な視図である。1つの実施形態において、照明システム100は、異なるコアサイズおよび/または数値開口を有する複数個の出力ファイバ514(例えば、図5Cにおける出力ファイバ514a、514b)を含み得る。例えば、出力ファイバ514aは、第1のサイズまたはNAを有するコア516aを有し得るものであり、出力ファイバ514bは、第2のサイズまたはNAを有する第2のコア516bを有し得る。別の実施形態において、照明システム100は、選択されたシステムエタンデュをもたらすために、選択された出力ファイバ514内へと光を方向設定するためのファイバ結合器518を含む。
【0064】
ファイバ結合器518は、当技術分野において既知の任意の型のファイバ結合器を含み得る。1つの実施形態において、図5Cおよび5Dにおいて例解されるように、ファイバ結合器518は、運動可能な鏡520(例えば、検流計、または類するもの)と、関連付けられる運動器522と、1つ以上の結合光学要素524(例えば、レンズ)とを含み得る。例えば、ファイバ結合器518は、スペックル低減器108の制御可能な鏡506を含み得る。別の実施形態において、図示しないが、ファイバ結合器518は、源照明ビーム104のビーム経路内に、選択された出力ファイバ514を位置設定するための、1つ以上の運動装置を含み得る。ファイバ結合器518は、さらには、出力ファイバ514のNAを調節し、かくして、選択された出力ファイバ514内へと光を結合するために使用されるNAを制御することによってシステムエタンデュを調節するように構成され得る。
【0065】
さらに、出力ファイバ514は、任意の型の光学ファイバを含み得る。1つの実施形態において、照明システム100は、異なるエタンデュをもたらす異なるコアサイズおよび/または数値開口を伴うファイバを有する複数個のビーム均一化器110を含む。この事例において、ファイバ結合器518(例えば、図5Bにおいて例解されるスペックル低減器108の制御可能な鏡506、または類するもの)は、任意の外部システム(例えば、光学計測システム、または類するもの)内への結合に適した、選択された照明エタンデュをもたらす、個別のビーム均一化器110を選択し得る。別の実施形態において、照明システム100は、選択された照明エタンデュをもたらすための最終的なシステム要素として、任意の数の選択された出力ファイバ514を含む。
【0066】
さらに、図示しないが、照明システム100が照明をもたらし得る任意の外部構成要素またはシステム(例えば、光学計測システム、または類するもの)は、選択された出力ファイバ514のうちの任意のものからの出力を受けるのに適した1つ以上の要素を有し得る。例えば、出力ファイバ514からの光が、スペクトル成分、偏光、または類するものに基づいて区別され得るならば、外部システムは、出力ファイバ514の各々からの光を共通ビーム経路に方向設定するための1つ以上のビーム分割器を含み得る。別の例としては、外部システムは、選択された出力ファイバ514からの光を選択的に受け、規定された経路に沿って光を方向設定するための、図5Cの文脈において説明されるようなファイバ結合器を含み得る。
【0067】
ここで図6を参照すると、図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、1つ以上のフィルタ106の概念的な視図である。1つの実施形態において、1つ以上のフィルタ106のうちの少なくとも1つは、制御器114と通信可能に結合され、そのことによって、制御器114は、源照明ビーム104の様々な特性を制御し得る。
【0068】
1つの実施形態において、1つ以上のフィルタ106は、源照明ビーム104の強度を選択的に制御するための少なくとも1つの可変強度フィルタ602を含む。実例として、可変強度フィルタ602は、位置変動する中性濃度フィルタ(position-varying neutral density filter)(例えば、勾配フィルタ、または類するもの)を含み得る。この点において、源照明ビーム104の強度は、源照明ビーム104に関して、可変強度フィルタ602の位置を調節することによって(例えば、運動器604によって)制御され得る。例えば、図6において例解されるように、可変強度フィルタ602は、円形勾配フィルタを含み得るものであり、そのことによって、可変強度フィルタ602によって通過させられる源照明ビーム104の強度は、選択された場所に円形勾配フィルタを回転させることによって選択され得る。別の例としては、図示しないが、可変強度フィルタ602は、直線状勾配フィルタを含み得るものであり、そのことによって、可変強度フィルタ602によって通過させられる源照明ビーム104の強度は、1つ以上の運動台によって、選択された場所に直線状勾配フィルタを運動させることによって選択され得る。
【0069】
別の実施形態において、1つ以上のフィルタ106は、源照明ビーム104のスペクトル的特性を選択的に制御するための少なくとも1つの可変スペクトルフィルタ(例えば、可変高域通過フィルタ、可変低域通過フィルタ、可変帯域通過フィルタ、または可変ノッチフィルタ)を含む。実例として、可変スペクトルフィルタは、遮断波長が源照明ビーム104の位置または角度に基づいて調整され得る、1つ以上の可変エッジフィルタなどの、ただしそれらに限定されない、1つ以上の位置変動するフィルタを含み得る。例えば、図6において例解されるように、1つ以上のフィルタ106は、高域通過および低域通過遮断波長が、それぞれのフィルタを回転させることによって選択され得る、円形の可変高域通過フィルタ606、および、円形の可変低域通過フィルタ608を含み得る。この点において、源照明ビーム104のスペクトル的特性(例えば、中心波長、帯域幅、分光透過率値、または類するもの)は、(例えば、運動器610によって)源照明ビーム104に関して、可変高域通過フィルタ606および/または可変低域通過フィルタ608の位置を変形することによって、急速に調整され得る。
【0070】
しかしながら、図6および関連付けられる説明において例解されるフィルタ106は、もっぱら例解的な目的のために提供されるものであり、限定的と解釈されるべきではないということが理解されるべきである。むしろ、照明システム100は、当技術分野において既知の、任意の型または組み合わせの、強度および/またはスペクトル制御器を含み得る。さらに、一部の実施形態において、図示しないが、源照明ビーム104は、調整をもたらすために、フィルタ(例えば、可変強度フィルタ602、可変高域通過フィルタ606、および/または可変低域通過フィルタ608)のうちの任意のものの選択された場所に(例えば、ビーム走査器、または類するものによって)運動させられ得る。
【0071】
ここで図7および8を参照して、照明システム100の様々な構成要素の統合、および、外部システムへの照明システム100の統合を、より詳細に説明する。
【0072】
一般的な意味において、図1において例解される照明システム100の様々な構成要素(例えば、照明源102、フィルタ106、スペックル低減器108、および/またはビーム均一化器110)は、選択された特性を有する均一な照明ビーム112をもたらすのに適した任意の組み合わせおよび順序で統合され得る。さらに、一部の実施形態において、照明システム100は、図1において例解される構成要素の部分集合を含む。
【0073】
例えば、図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、高輝度の照明をもたらすように構成される照明システム100の概念的な視図である。1つの実施形態において、照明システム100は、図2において例解されるように構成される照明源102と、図6において例解されるように構成されるフィルタ106と、図5Bにおいて例解されるように構成されるスペックル低減器108と、図3において例解されるように構成されるビーム均一化器110とを含む。例えば、照明源102は、高輝度の源照明ビーム104をもたらすために、複数個のコヒーレントレーザ源(例えば、超連続体レーザ源、狭帯域レーザ源、部分的にコヒーレントのLED源、または類するもの)からの照明を共通エタンデュへと収集するための収集器202を含み得る。フィルタ106は、選択された強度およびスペクトル的特性を有する源照明ビーム104をもたらすための、可変強度フィルタ602と、1つ以上の可変スペクトルフィルタ(例えば、可変高域通過フィルタ606および可変低域通過フィルタ608)とを含み得る。スペックル低減器108は、次いで、ビーム均一化器110(例えば、第1の非円形コアファイバ302a)の入力面にわたって源照明ビーム104を走査するための制御可能な鏡506を含み得る。よって、スペックル低減器108は、同時的に、コヒーレント入力光源206と関連付けられるスペックルを減じ、ビーム均一化器110内への源照明ビーム104の結合をもたらし得る。複数個の入力光源206から形成される源照明ビーム104は、相当な不均一性(例えば、ホットスポット、および類するもの)を呈することがあるということが、本願において認識される。よって、ビーム均一化器110は、(例えば、選択された許容範囲の中で)近視野および遠視野の両方における均一な分布を有する均一な照明ビーム112をもたらし得る。さらに、照明システム100のエタンデュは、ビーム均一化器110におけるファイバ(例えば、第2の非円形コアファイバ302b)のコアサイズによって制御され得る。収集器202、フィルタ106、スペックル低減器108、およびビーム均一化器110の組み合わせは、かくして、複数個の入力光源206の組み合わせに基づく高輝度の可変コヒーレント照明源を、選択されたエタンデュへともたらし得る。
【0074】
しかしながら、図7および関連付けられる説明における例実施形態は、もっぱら例解的な目的のために提供されるものであり、限定的と解釈されるべきではないということが理解されるべきである。むしろ、照明システム100は、任意の選択された順序で、構成要素の任意の組み合わせから形成され得る。例えば、フィルタ106、スペックル低減器108、および/またはビーム均一化器110の順序を変形することが利点であり得る。さらに、すべての構成要素が、あらゆる構成に含まれなければならないとは限らない。例えば、スペックル低減器108は、特に、部分的な、または低いコヒーレンスの照明源102が使用される用途において、要されないことがある。別の例としては、フィルタ106、または、それらのフィルタの1つ以上の構成要素は、個別の用途に対して必要とされないということが実情であり得る。
【0075】
一部の実施形態において、照明システム100の部分として本願において提供される個々の構成要素は、単独形構成要素として別個に提供され得る。例えば、ビーム均一化器110は、多種多様の入力光源との使用に適した独立した装置として提供され得る。
【0076】
一部の実施形態において、照明システム100は、1つ以上の外部システムへと統合され得る。例えば、照明システム100は、光学計測システムにおける使用に適した均一な高輝度の均一な照明ビーム112をもたらし得る。
【0077】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態による、高輝度の照明システム100を含む光学計測器具800の概念的な視図である。光学計測器具800は、試料802の1つ以上の画像を生成するための画像化計測器具、または、試料802からの光の散乱および/もしくは回折を分析するための散乱計測の計測器具を含む、ただしそれらに限定されない、当技術分野において既知の任意の型の計測器具として構成され得る。さらに、計測器具は、製作された構造の1つ以上の態様を特性評価するための計測(例えば、オーバーレイ計測器具、または類するもの)、または、パターン化された、もしくはパターン化されていない試料上の欠陥を検出するための検査器具を含む、ただしそれらに限定されない、任意の用途において利用され得る。
【0078】
1つの実施形態において、光学計測器具800は、光学計測器具800との統合に適した選択されたエタンデュにおける高輝度を有する均一な照明ビーム112を生成するための照明システム100を含む。例えば、照明システム100は、図7において例解されるように構成され得るものであり、ただしそうであることを要されない。さらに、均一な照明ビーム112は、任意のスペクトル幅を有し得る。1つの実施形態において、照明システム100は、(例えば、複数個の超連続体レーザ源に基づく)広帯域コヒーレント照明をもたらす。
【0079】
別の実施形態において、光学計測器具800は、照明ビーム804としての照明システム100からの均一な照明ビーム112を、照明通路806を経て試料802に方向設定する。照明通路806は、照明ビーム804を変形する、および/または整える、ならびに、照明ビーム804を試料802に方向設定するのに適した、1つ以上の光学構成要素を含み得る。例えば、照明通路806は、(例えば、照明ビーム804を平行化するための、瞳平面および/もしくは視野平面を中継するための、または類することでの)1つ以上のレンズ808、または、照明ビーム804を変形するための1つ以上のビーム制御要素810を含み得るものであり、ただし含むことを要されない。例えば、ビーム制御要素810は、1つ以上の偏光器、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビーム分割器、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または、1つ以上の鏡(例えば、静的な鏡、運動可能な鏡、走査鏡、または類するもの)を含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。別の実施形態において、光学計測器具800は、試料802(例えば、試料802の2つ以上の層上に布置されるオーバーレイ標的要素を伴うオーバーレイ標的)上へと照明ビーム804を集束させるための対物レンズ812を含む。別の実施形態において、試料802は、試料802を据え付けるのに適した、および、照明ビーム804に関して、試料802を位置設定するようにさらに構成される、試料台814上に配される。
【0080】
別の実施形態において、光学計測器具800は、収集通路820を通って試料802(例えば、試料802上のオーバーレイ標的)から発出する放射(例えば、試料放射818)を捕捉し、試料802の2つ以上の層のオーバーレイを指し示す1つ以上のオーバーレイ信号を生成するように構成される、1つ以上の検出器816を含む。収集通路820は、試料放射818を変形するための、1つ以上のレンズ822、または、1つ以上のビーム制御要素824を含む、ただしそれらに限定されない、対物レンズ812によって収集される照明を方向設定および/または変形するための複数個の光学要素を含み得る。例えば、ビーム制御要素824は、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光器、1つ以上のビームブロック、または、1つ以上のビーム分割器を含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。
【0081】
検出器816は、個別の用途に適した試料放射818の任意の分布を受け得る。例えば、検出器816は、収集通路820における要素(例えば、対物レンズ812、1つ以上のレンズ822、または類するもの)によってもたらされる試料802の画像を受け得る。別の例としては、検出器816は、試料802から(例えば、正反射、拡散反射、および類するものによって)反射または散乱させられる放射を受け得る。別の例としては、検出器816は、試料802によって生成される放射(例えば、照明ビーム804の吸収と関連付けられる冷光、および類するもの)を受け得る。別の例としては、検出器816は、試料802からの1つ以上の回折次数の放射(例えば、0次回折、±1次回折、±2次回折、および類するもの)を受け得る。この点において、検出器816は、照明ビーム804に応答した試料放射818の角度的分布と関連付けられる瞳平面画像を受け得る。
【0082】
光学計測器具800の照明通路806および収集通路820は、試料802を照明ビーム804によって照明し、入射照明ビーム804に応答して試料802から発出する放射を収集するのに適した、広い範囲の構成で向きを定められ得る。例えば、図8において例解されるように、照明システム100は、対物レンズ812が、同時的に、照明ビーム804を試料802に方向設定し、試料802から発出する放射を収集し得るように向きを定められる、ビーム分割器826を含み得る。別の例としては、照明通路806および収集通路820は、重なり合わない光学経路を内包し得る。
【0083】
本願において説明される主題は、時には、他の構成要素の中に内包される、または、他の構成要素と接続される、異なる構成要素を例解する。そのような描写される基本設計は、ただ単に例示的であるということ、および、実際は、同じ機能性を達成する多くの他の基本設計が実現され得るということが理解されるべきである。概念的な意味において、同じ機能性を達成するための構成要素の任意の配置構成が、所望される機能性が達成されるように、効果的に「関連付けられる」。ゆえに、個別の機能性を達成するために組み合わされる、本願における任意の2つの構成要素は、基本設計または中間構成要素と無関係に、所望される機能性が達成されるように、互い「と関連付けられる」と考えられ得る。同じように、そのように関連付けられる任意の2つの構成要素は、さらには、所望される機能性を達成するために、互いに「接続される」または「結合される」とみなされ得るものであり、そのように関連付けられる能力がある任意の2つの構成要素は、さらには、所望される機能性を達成するために、互いに「結合可能である」とみなされ得る。結合可能の具体的な例は、物理的に相互作用可能な、および/もしくは、物理的に相互作用する構成要素、ならびに/または、無線で相互作用可能な、および/もしくは、無線で相互作用する構成要素、ならびに/または、論理的に相互作用可能な、および/もしくは、論理的に相互作用する構成要素を含み、ただしそれらに限定されない。
【0084】
本開示、および、本開示の付帯する利点のうちの多くのものが、上述の説明によって理解されることになるということが確信されるものであり、様々な変更が、開示される主題から逸脱することなく、または、その主題の欠かせない利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形式、構築、および配置構成においてなされ得るということが明らかであることになる。説明される形式は、ただ単に解説的なものであり、そのような変更を包含する、および含むことが、後に続く特許請求の範囲の意図である。さらにまた、本発明は、添付される特許請求の範囲によって定義されるということが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8